JP2000290829A - 陰イオン交換繊維及びその製造方法 - Google Patents

陰イオン交換繊維及びその製造方法

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JP2000290829A
JP2000290829A JP11097361A JP9736199A JP2000290829A JP 2000290829 A JP2000290829 A JP 2000290829A JP 11097361 A JP11097361 A JP 11097361A JP 9736199 A JP9736199 A JP 9736199A JP 2000290829 A JP2000290829 A JP 2000290829A
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fiber
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exchange fiber
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Hiroyoshi Shirai
汪芳 白井
Mutsumi Kimura
睦 木村
Jiyunya Watanabe
純哉 渡辺
Hirohisa Kubota
裕久 久保田
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性に優れ、交換容量が高く、アミン臭が少
ない陰イオン交換繊維を提供する。 【解決手段】少なくとも下記一般式(1)及び/又は一
般式(2)で表される繰り返し単位を構成要素として含
有し、架橋された重合体の繊維からなる陰イオン交換繊
維。 【化1】 (一般式(1)及び(2)中、Aは炭素数3から8のア
ルキレン基又は炭素数4から8のアルコキシメチレン基
を表わし、R1 、R2 、R3 は水素原子、炭素数4以下
のアルキル基又はアルカノール基を表す。X- は対イオ
ンを表す。環a,bは更に置換されていても良い。)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰イオン交換繊維
に関する。陰イオン交換繊維は、イオン交換或いは吸着
作用により、各種液体或いは気体の精製、脱色、気体或
いは液体中の物質の回収等の他、合成用固体塩基触媒、
導電性材料、帯電防止材、吸着剤等として使用される。
【0002】
【従来の技術】陰イオン交換繊維としては、化学的安定
性、強度及び製造価格の観点から、クロロメチル化され
たスチレン‐ジビニルベンゼン共重合体をアミンと反応
させてアンモニウム基を導入したベンジルアンモニウム
基を有するスチレン系架橋重合体を紡糸した繊維や、ポ
リプロピレン繊維にスチレン系強塩基性アニオン交換基
を化学的に導入した繊維(Dokl.Akad.Nauk.USSR 25. No
6.536 (1981))、アクリロニトリル繊維にアクリレート
系強塩基性陰イオン交換基をグラフト重合した繊維(Khi
m Volokna No5 13(1979)) 、ポリビニルアルコールの架
橋重合体にピリジニウム基を導入したポリマーからなる
繊維(Khim Volokna No5 57(1978)) 等が古くから知られ
ている。
【0003】しかしながらベンジルアンモニウム基を有
するスチレン系重合体からなる陰イオン交換繊維は、可
とう性が小さく、成型性が劣るため繊維が折れやすいと
いう欠点を有していた。このため、通常、ポリエチレン
やポリプロピレン等の補強剤が織り込まれている。この
結果、可とう性や成形性は向上するものの、補強材の添
加は交換容量の低下につながり、交換容量が充分でなか
った。又スチレン系陰イオン交換体は、その官能基であ
るスチレン骨格に導入されたアミノメチル基或いはこれ
を4級化したアンモニウム基が、60℃を超えると脱離
しやすく、陰イオン交換能が低下し、又、アミノ基の脱
離に伴い、アミン臭が生ずる等の問題があった。そのた
め、高温で使用すると急速に能力が低下した。
【0004】また、ポバール系陰イオン交換繊維は、中
性塩分解容量が全交換容量の半分程度しかなく、強弱混
合型の陰イオン交換繊維であり、熱的な安定性に劣るた
め繊維からの溶出が多く、耐熱水性にも劣り、120℃
で繊維の形状を失うことが問題である。従って、耐熱性
に優れ、イオン交換容量が高く、且つアミン臭が少ない
等の特性を有する陰イオン交換繊維が求められていた。
一方、特開平4−349941号及び特開平7−289
921号公報には、従来のスチレン系陰イオン交換体の
官能基であるメチレン基を介してベンゼン環に結合した
アミノ基又はアンモニウム基の代わりに、ベンゼン環と
アミノ基もしくはアンモニウム基の間に炭素数3以上の
アルキレン基或いはアルキレンオキシメチレン基からな
るスペーサー基を導入したスチレン系重合体が、高温に
おける官能基の脱離が少なく、耐熱性を有する陰イオン
交換体であることが開示されている。上記公報はイオン
交換体としては種々の形状、例えば、陰イオン交換繊維
等も可能である旨記載しているが、具体的に開示されて
いるのは、粒状のイオン交換樹脂のみであり、他の形状
のイオン交換体については具体的に何等の開示もない。
従って、陰イオン交換繊維についても、その製法や如何
なる補強材を必要とするか否か等全く不明であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑み成されたものであって、耐熱性に優れ、交換容量が
高く、アミン臭が少ない陰イオン交換繊維を提供するこ
とを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これらの
問題点を克服するため検討を行った結果、特開平4−3
49941号及び特開平7−289921号公報に記載
される、ベンゼン環とアミノ基或いはアンモニウム基の
間にスペーサーを有するスチレン系重合体を紡糸して得
られる繊維は、従来のスチレン系陰イオン交換繊維と異
なり、可とう性に富むため、ポリプロピレン繊維等の補
強材を使用せずに充分実用性のあるイオン交換繊維が得
られること、その結果、高交換容量の繊維が得られるこ
とを見出し本発明に達した。即ち、本発明は、少なくと
も下記一般式(1)及び/又は一般式(2)で表される
繰り返し単位を構成要素として含有し、架橋された重合
体の繊維からなることを特徴とする陰イオン交換繊維及
びその製造法に存する。
【0007】
【化4】
【0008】(一般式(1)及び(2)中、Aは炭素数
3から8のアルキレン基又は炭素数4から8のアルコキ
シメチレン基を表わし、R1 、R2 、R3 は水素原子、
炭素数4以下のアルキル基又はアルカノール基を表す。
- は対イオンを表す。環a及びbは更に置換されてい
ても良い。)。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における陰イオン交換繊維は、一般式(1)及び
/又は一般式(2)で表される繰り返し単位を含んでい
ることを特徴とする水不溶性架橋重合体である。一般式
(1)及び一般式(2)において、A(「スペーサー」
と称する)は、アルキレン基の場合、炭素数3〜8であ
り、アルコキシメチレン基の場合、その炭素数は4〜8
である。好ましくは、炭素数3〜5のアルキレン基又は
炭素数4〜6のアルコキシメチレン基である。スペーサ
ーAがメチレン鎖やエチレン鎖の場合、正電荷を有する
アンモニウム基はそのアルキレン鎖を通じてベンゼン環
の影響を受けやすい。その結果、強塩基性陰イオン交換
基の耐熱性が劣ることは知られている。同様に、アルキ
レン鎖が短い場合、陰イオン交換基のアミンの塩基度は
ベンゼン環の影響を受けやすいため、本来のアミンの塩
基度にならない。これはアニリンより脂肪族アミンの方
が塩基度が高いことからも予想される。従って、本発明
の陰イオン交換繊維は、現在使用されているベンジル型
陰イオン交換基の塩基度より高いことが予想される。
【0010】一方、スペーサーAの炭素数が8を越える
場合、架橋重合体の構成単位の分子量が大きくなるた
め、単位重量あたりの交換容量は低くなるので好ましく
ない。スペーサーAのアルキレン基或いはアルコキシメ
チレン基のアルコキシ基は、直鎖状、分岐鎖状、環状の
何れをも包含するが、直鎖状であることが好ましい。更
に、スペーサー基の化学的安定性を考えアルキレン基で
あることが好ましい。ベンゼン環a及びbは、イオン交
換基を有するアルキレン基又はアルコキシメチレン基以
外に、アルキル基或いはハロゲン原子等で置換されてい
てもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基等
が挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、沃素原子等が挙げられる。
【0011】R1 、R2 、R3 はメチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基,n−ブチル基、s−
ブチル基等の、炭素数4以下のアルキル基又はヒドロキ
シエチル基等のアルカノール基或いは水素原子である。
1 、R2 、R3 はアルキル基或いはアルカノール基の
場合、同じであってもよい。しかして、単位重量当たり
の交換容量の低下をできる限り少なくしたり、耐熱性を
考慮すると、好ましい陰イオン交換基は、R1 、R2
3 が全てメチル基であるトリメチルアンモニウム基又
はジメチルアミノ基であることが好ましい。
【0012】X- は対イオンで、例えばOH- 、HCO
3 - 、CO3 2- 、Cl- 、Br- 、SO4 2- 、CH3
OO- 等が挙げられる。スペーサーAの置換位置は、製
造上の観点からスチレン残基のm−位又はp−位に導入
されることが望ましい。o−位に導入された場合でも、
ベンゼン環とポリエチレン鎖による立体的な影響は少な
いことが考えられるが、単量体の重合性(置換基の立体
障害)を考慮すると、スペーサーAはm−位、又はp−
位であることが好ましい。
【0013】本発明のイオン交換繊維において、一般式
(1)及び/又は一般式(2)の繰り返し単位は、該イ
オン交換繊維中、5〜99モル%の範囲であることが好
ましい。イオン交換容量をできる限り大きくするために
は、一般式(1)又は一般式(2)の繰り返し単位の含
有率はできる限り高いことが好ましい。乾燥重量当たり
の交換容量は、1meq/g〜6. 0meq/gの範囲
である。meq/g とは乾燥繊維重量当たりのミリ当量を表
わす。更に好ましくは、1. 0meq/g 〜5. 5meq/g の
範囲である。水切り状態での重量当たりのイオン交換容
量は、水分含有率により異なるが、通常、0. 1meq/ w
et-g〜3.5meq/wet-gである。meq/wet-gとは、水切り状
態での重量当たりのイオン交換容量のミリ当量を表わ
す。
【0014】本発明のイオン交換繊維は、水不溶性の架
橋性重合体である。一般式(1)及び/又は一般式
(2)の繰り返し単位を有する重合体は、繊維に成形後
乾燥のため加熱する際、熱により架橋するが、充分な水
不溶性を付与するためには架橋剤により架橋されている
ことが好ましい。架橋剤の含有率又は架橋率の低い場合
には、得られる陰イオン交換繊維は高膨潤性重合体とな
るため、体積あたりの交換容量が低下する。一方、架橋
剤の含有率又は架橋率の高い場合には、イオン交換基を
有する一般式(1)又は一般式(2)で表される構成成
分の含有率が低くなるためイオン交換容量が低下する。
【0015】本発明の陰イオン交換繊維の製造方法は、
特に限定されるものではないが、代表的な製法としては
下記に示す如く、いくつかの方法が挙げられる。就中、
又はの製法が好ましく、更に好ましくはの製法で
ある。 下記一般式(3)
【0016】
【化5】
【0017】(一般式(3)中、Aは炭素数3から8の
アルキレン基又は炭素数4から8のアルコキシメチレン
基を表し、Zはハロゲン原子、水酸基、トシル基を表
す。環cは更に置換されていても良い。)で表される前
駆単量体を主体とする単量体をラジカル重合開始剤の存
在下で重合して得られる重合体の溶液を、紡糸金口から
押し出し、繊維に成形した後、陰イオン交換基を導入
し、必要に応じ架橋反応する方法。 下記一般式(4)又は(5)
【0018】
【化6】
【0019】(一般式(4)又は(5)中、Aは炭素数
3から8のアルキレン基又は炭素数4から8のアルコキ
シメチレン基を表し、R1 、R2 、R3 は水素原子、炭
素数4以下のアルキル基又はアルカノール基を表す。X
- は対イオンを表す。環d,eは更に置換されていても
良い。)で示される塩基性単量体を主体とする単量体
を、重合開始剤の存在下、重合して得られる重合体の溶
液を、紡糸金口から押し出し繊維に成型した後、必要に
応じ、アルキル化及び/又は架橋反応する方法。 一般式(3)〜(5)で表される何れかの単量体を重
合し、得られた重合体を熱溶融させ、紡糸金口から押し
出し繊維に成形した後、必要に応じて、イオン交換基の
導入及び/又はアミノ基のアルキル化及び/又は架橋反
応する方法。 一般式(3)で示される前駆単量体とポリエチレン性
架橋性単量体を重合開始剤の存在下、繊維基材に含浸さ
せ重合した後、必要に応じて陰イオン交換基を導入する
方法。
【0020】上記製造方法の中、は、繊維基材を使用
するため、成形性等に優れるが、高交換容量の繊維を得
ることが出来ない。更に具体的に説明すると、又は
の方法に於いては、まず、主成分が一般式(3)、
(4)又は(5)で表される単量体を、ラジカル重合開
始剤の存在下、重合させて線状ポリマーを得る。単量体
の量は特に限定されないが、後述の架橋剤及び第3成分
を含む全繊維成分に対し、5〜99モル%であることが
好ましい。
【0021】第3成分として、本発明の陰イオン交換繊
維の機能を低減させない範囲において、不飽和炭化水素
含有単量体を添加することができる。その単量体として
は、スチレン、アルキルスチレン、ポリアルキルスチ
レ、メチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリル酸、アクリロニトリル、N−ビニルホ
ルムアミド、ビニルアセトアミド等が挙げられる。特
に、繊維の特性を改善するためアクリロニトリル等を添
加することは有用である。その添加量は、重合性単量体
に対して0%〜70モル%、好ましくは0%〜50モル
%である。
【0022】重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル(B
PO) 、過酸化ラウロイル、t−ブチルハイドロパーオキ
サイド等の過酸化物系重合開始剤、2,2'- アゾビスイソ
ブチロニトリル(AIBN)、2,2'- アゾビス(2、4−ジメ
チルバレロニトリル)( 商品名;V-65(和光純薬))、
2,2'- アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)・二
塩酸塩(商品名;V−50;和光純薬、水溶性重合開始
剤)等が使用される。重合時のゲル化を抑制したり、紡
糸しやすくするため、通常、溶媒が使用される。溶媒と
しては、一般式(3)の単量体の場合はトルエン等の有
機溶媒、一般式(4)又は(5)の単量体は水、極性有
機溶媒又はこれらの混合溶媒が、通常、重合性単量体に
対して、20重量%から500重量%の範囲で使用され
る。溶媒の添加量が少ない場合にはゲル化したり、溶液
が高粘度になり、取り扱いが困難になる。一方、溶媒の
添加量が多すぎると重合収率が低下したり、生産効率が
低下するため好ましくない。
【0023】一般式(3)においてZがハロゲンである
ブロモアルキルスチレン、クロロアルキルスチレン誘導
体、ブロモアルコキシメチルスチレン誘導体は、通常の
溶液重合の条件下では線状ポリマーがゲル化しやすい。
これは、ラジカル重合の際、ハロゲンがラジカル脱離反
応し、そこを起点として架橋反応が起こるためと考えら
れる。従って、ハロゲノアルキルスチレン誘導体やハロ
ゲノアルコキシメチルスチレン誘導体の線状ポリマーを
得るときには、溶媒で充分希釈しなければならない。一
方、末端官能基として陰イオン交換基を有する一般式
(5)及び一般式(6)で示される重合性単量体、例え
ば、ビニルフェニルアルキルトリメチルアンモニウムハ
ライドやビニルベンジルオキシアルキルトリメチルアン
モニウムハライド、N,N−ジアルキルアミノアルキル
スチレン等の線状ポリマーを得る場合には、相当するモ
ノマーを水、又は有機溶媒中、又はそれらの混合溶媒中
で、重合開始剤の存在下で重合を行うことが好ましい。
必要に応じて、水溶性重合開始剤を使用することもでき
る。
【0024】重合開始剤の添加量は、全単量体に対して
通常0. 1〜3重量%である。重合温度は、重合開始剤
の半減期温度、含有率、単量体の重合性等により異なる
が、通常は、40℃〜150℃、好ましくは50℃〜1
00℃である。重合時間は1時間〜30時間、好ましく
は、1時間〜15時間である。得られる線状重合体の分
子量は、紡糸する上で大きい方が好ましい。従って、分
子量5,000〜5,000,000、好ましくは1
0,000〜5,000,000の重合体を製造する。
【0025】得られた重合体溶液は、必要に応じ、濃度
等を調整し、紡糸金口(金型)から押し出し、繊維に成
形される。紡糸は公知の技術を適用して行われる。繊維
の形状は紡糸金型により種々の形状(丸形、、星形、中
空状等)や太さに成形することができる。陰イオン交換
繊維の繊維径は紡糸金型のノズル径で決まり、0.1μ
mから1000μm、好ましくは1μmから500μ
m、更に好ましくは5μmから100μmである。繊維
が太すぎる場合には、イオン交換繊維を使用する場合、
イオンとの反応速度等、繊維としての特徴が活かせな
い。逆に繊維が細すぎる場合には、製造が困難であるば
かりでなく、使用の際、繊維の取り扱いが煩雑、溶
液粘度が高くなる、繊維の単位体積当たりの充填密度
が低くなる、通液通気が困難になる等の多くの問題が
発生する。繊維の断面の形状は、丸形から星形等種々の
形状を選択出来、比表面積を大きくした繊維も用途に応
じて、使い分ければよい。
【0026】繊維成形後、一般式(3)で示される前駆
単量体を主成分とする線状ポリマーの場合は、陰イオン
交換基を導入する。陰イオン交換基の導入は、公知の技
術で行うことができる。例えば、一般式(3)のZがハ
ロゲン原子やトシル基の場合、紡糸された繊維をアンモ
ニア(水)、メチルアミン、ジメチルアミン(水溶
液)、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、1、3- ジ
アミノプロパン、1、6- ヘキサメチレンジアミン、ポ
リアルキレンポリアミン、種々の分子量のポリエチレン
イミン等と反応させればよい。導入した弱塩基性陰イオ
ン交換基を更に、ハロゲン化アルキル、硫酸ジアルキル
等でアルキル化し、強塩基性陰イオン交換基とすること
もできる。末端官能基が水酸基の場合には、一度ハロゲ
ンに変換した後上記の方法で陰イオン交換基を導入する
のが簡便な方法である。上記の陰イオン交換基を導入す
る際には溶媒を使用するのが一般的である。用いられる
溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、
プロパノール等のアルコール類、トルエン等の炭化水素
類、ジクロロメタン、1, 2- ジクロロエタン等の塩素
系炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル類、その他ジメチルホルムアミド等の溶媒が単
独、又は混合溶液として用いられる。反応温度は、反応
様式、官能基の種類、溶媒の種類等により異なるが、通
常は20℃〜130℃であることが好ましい。ZがCl
原子である場合には、官能基の脱離性に劣るため、比較
的高い温度であることが望ましい。上記のアミンを用い
て、アミノ化反応を行う場合、一般的に、分子量が高い
程イオン交換容量が低くなる。
【0027】一般式(5)で示される単量体を主成分と
する線状ポリマーの場合、要すれば、アミノ基をハロゲ
ン化アルキル等のアルキル化剤で処理してアミンを4級
化することができる。本発明の陰イオン交換繊維製造方
法では、先ず、相当する線状ポリマーを得た後、紡糸
し、繊維に成形するため、通常のイオン交換樹脂の場合
の如く、重合時にポリエチレン性架橋性単量体を添加
し、共重合することは好ましくない。
【0028】本発明方法では、紡糸する際にポリマーの
結晶化が進み、繊維が水不溶性になる場合がある。更に
加熱処理することにより、水不溶性化する方法も可能で
ある。しかしながら、陰イオン交換繊維を長期間、安定
に使用するためには紡糸後、繊維を架橋反応させること
が好ましい。架橋は以下の方法が挙げられる。線状ポ
リマーの官能基を用いて架橋する方法、紡糸後、末端
官能基に反応する重合性単量体を化学結合し、この官能
基を起点として、重合性単量体とポリエチレン性架橋性
単量体を共重合し不溶化する方法、紡糸後、単量体を
含浸した状態で(ラジカル、放射線)重合する方法、等
が挙げられる。
【0029】更に詳細に説明すると、 線状ポリマーの末端官能基が4級アミノ基の場合、例
えばグルタルアルデヒド等を架橋剤として用い、その両
末端水酸基と4級アミノ基の反応により架橋させる。線
状ポリマーの末端官能基が3級アミン等の弱塩基性アミ
ンの場合は架橋剤として、ジブロモブタン、ジブロモヘ
キサン、ジクロロプロパン等のジハロアルカン、1、3
−ジエポキシブタン等のジエポキシ化物を用いることが
できる。 紡糸後、線状ポリマーが弱塩基性官能基を有する場
合、(3)式のハロゲノアルキルスチレン等の重合性単
量体を反応させ、得られたポリマーのスチレン残基に、
ジビニルベンゼン等のポリエチレン性架橋性単量体を添
加し、ラジカル重合して架橋させる。 紡糸後のイオン交換繊維に、(3)式のハロゲノアル
キルスチレン等のモノマー、及び/又はジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジア
クリル(メタ)アクリルアミド等のポリエチレン性架橋
性単量体(更に必要に応じて溶媒を添加)を含浸させ、
放射線重合或いはラジカル重合して架橋させる。
【0030】一般式(3)で表される前駆単量体は、い
くつかの方法で合成することができる。例えば、スペー
サーAがアルキレン基の場合クロロメチルスチレン(m
及びp体の混合物であってもよい)、ハロゲノスチレン
(例えば、クロロスチレン、ブロモスチレン)、又はビ
ニルフェネチルクロライドと金属マグネシウムとの反応
によって生成したグリニャール試薬を、1、ω‐ジハロ
ゲノアルカン(例えば、1、ω‐ジブロモアルカン)に
反応させ、一般式(3)で示される重合体単量体を得る
方法が挙げられる。スペーサーAがアルコキシメチレン
基の場合は、ビニルベンジルアルコールと1、ω‐ジハ
ロゲノアルカンとの反応により、ハロゲノアルコキシメ
チルスチレン誘導体を得ることができる。このようにし
て得られた一般式(3)の単量体を、前述の如く、アミ
ンでアミノ化、或いは更にアルキル化剤でアルキル化
し、一般式(4)の3級アミン又は一般式(5)のアン
モニウム塩単量体を合成することができる。
【0031】本発明の陰イオン交換繊維は、単独で使用
される場合もあるが、強酸性陽イオン交換繊維、弱酸性
陽イオン交換繊維の他、他種の弱塩基性陰イオン交換繊
維、弱酸性陽イオン交換性キレート繊維、その他、電荷
を持たない中性の繊維、例えば、活性炭繊維等と組み合
わせて使用することも可能である。本発明の繊維以外の
繊維と組み合わせる場合、混合(混紡)或いは繊維を混
合し絡み合わせ使用することも可能であるが、単独繊維
あるいは不織布として使用することも可能である。
【0032】本発明の陰イオン交換繊維は、高交換容量
で、耐熱性を有し、アミン等の有機物質の溶出が少な
く、反応性も優れ、種々の用途に使用した場合、優れた
効果を示す。又、液相に限らず気相でも使用することが
できる。例えば、電気脱イオン用繊維(例えば、特開平
7−236889号、特開平7−265865号等に記
載の如く、電極間に陰イオン交換繊維と陽イオン交換体
(陽イオン交換樹脂、及び/又は陽イオン交換繊維)を
混合し充填したもの)に使用する場合には、化学的な安
定性に優れ、繊維からの溶出が少ないため、高品質の水
質を得ることができる。
【0033】或いは、ガス精製用(例えば特開昭62−
247820、特開平8−173725、特開平10−
230118のケミカルフィルター)、半導体工場のク
リーンルームの(半導体由来)ガス精製用、半導体工場
内の固体微粒子の吸着除去、その他、プラスティック由
来、接着剤由来等の有機性、イオン性ガス、車内、室内
の空気浄化用イオン交換繊維、たばこフィルターとして
使用する場合は、繊維自身からのトリメチルアミンの漏
洩が少ないため、クリーンなガスを製造することが可能
である。また清潔さが要求される繊維、例えば、医療
用、クリーンルーム用衣服の繊維、無塵衣等にも使用す
ることができる。
【0034】触媒反応用としては、例えば、アルドール
縮合反応用、エステル化反応、加水分解用、アルキレン
オキシドの開環反応による生成物の触媒等として使用す
ることができ、特に従来の陰イオン交換樹脂より高温度
での反応にも使用可能である。血液の処理に使用すれ
ば、例えば特開昭58−216059、特開昭54−1
35497記載の如く、血液中の毒性成分、不要成分、
老廃物の吸着・除去用に使用することができる。超純水
の製造用イオン交換繊維(例えば、特開平5−5006
4、特開平6−233980)としても使用することが
できる。その他、浄水器用吸着材、濾過用繊維、原子力
発電所用イオン交換濾過材としても使用することができ
る。その他、生体材料として、血液浄化用繊維、菌体や
酵素の固定化用繊維、消臭材としても使用することがで
きる。
【0035】本発明の陰イオン交換繊維は耐熱性に優れ
た強塩基性陰イオン交換繊維であるため、幅広い用途が
考えられる。例えば、一般の水処理の他、糖液の精製、
弱酸性物質の分離・精製、純水製造用が挙げられる。本
発明の陰イオン交換繊維は耐熱性に優れているため、高
温で陰イオン交換繊維を使用する場合にも有利である。
更に、本発明の陰イオン交換繊維は、後述の実施例から
明らかなように、現行繊維の欠点である繊維からの溶出
が小さく、異臭もないという利点があり、高温時のみな
らず、常温においても利用価値が高い。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の、例
に限定されるものではない。又、参考例として原料単量
体の製造例を示した。なお、以下の例において1 H−N
MR及び13C−NMRの測定は、Varian Unity-300を用
いて、モノマーをCDCl3 に溶解し、TMSを基準と
し、単位δ/ppmで示した。又イオン交換繊維のイオン交
換容量及び水分量は、「ダイヤイオンマニュアル」(三
菱化学(株)発行)に従って測定した。
【0037】参考例1(トリメチルビニルフェニルブチ
ルアンモニウムブロマイドの合成) ジムロー冷却管、撹拌羽根を備えた1Lの4ツ口フラス
コに、メタノール200ml、4−(4−ブロモブチ
ル)スチレン40g(0. 167モル)、30%トリメ
チルアミン39g(0. 20モル)を溶解し、ジフェニ
ルピクリルヒドラジル(重合禁止剤)100ppmの存
在下、30℃で5時間反応させた。反応終了後、減圧下
でメタノールと水を留去すると、白色の結晶が析出し
た。この白色の結晶に、エタノールと2−プロパノール
の混合溶媒を用いて再結晶して無色鱗片状結晶を得た。
下記の分析結果からトリメチルビニルフェニルブチルア
ンモニウムブロマイドと同定された。
【0038】1H−NMR測定:アンモニウム基のメチ
ル基3.42(S) 、アンモニウム基に隣接するα位メチレン
鎖3.65(t),β、γ位メチレン鎖位水素1.74(m) 、ベンジ
ル位メチレン鎖水素2.69(t) 、ビニル基β位トランス位
水素5.22(dd )、ビニル基β位シス位水素5.70(dd)、ビ
ニル基α位水素6.68(dd)、芳香族水素(2,6位水素)7.14
(d)、3,5 位水素7.3(d)
【0039】参考例2(2−ヒドロキシエチルジメチル
ビニルフェニルブチルアンモニウムブロマイドの合成) ジムロー冷却管、撹拌羽根を備えた1Lの4ツ 口フラス
コに、メタノール100ml、4−(4−ブロモブチ
ル)スチレン40g(0. 167モル)、ジメチルエタ
ノールアミン16g(0. 18モル)を溶解し、HO-TEM
PO(重合禁止剤)500ppmの存在下、60℃で5時
間反応させた。反応終了後、減圧下でメタノールを留去
すると、白色の結晶が析出した。この白色の結晶に、エ
タノールとプロパノールの混合溶媒を用いて再結晶する
と無色鱗片状晶が析出した。下記の分析結果からヒドロ
キシエチルジメチルビニルフェニルブチルアンモニウム
ブロマイドと同定された。
【0040】1H−NMR:アンモニウム基のメチル基
水素3.42(s) 、水酸基水素5.04(bs)、ヒドロキシエチル
基のα位メチレン鎖水素4.09(bs)、ヒドロキシエチル基
のβ位メチレン鎖水素3.68(bs)、メチレン鎖水素3.65(b
s)、β、γ位メチレン鎖位水素1.74(m) 、ベンジル位メ
チレン鎖水素2.69(t) 、ビニル基βトランス位水素5.21
(dd )、ビニル基βシス位水素5.71(dd)、ビニル基α位
水素6.67(dd)、芳香族水素2,6 位水素7.14(d) 、3,5 位
水素7.33(d)
【0041】13C−NMR分析:メチル基炭素51.8、ヒ
ドロキシエチル基のα位炭素65.4、アミノ基の隣接メチ
レン鎖炭素55.6、β、γ位メチレン鎖位炭素27.7,22.1 、ベ
ンジル位メチレン鎖炭素34.6、ビニル基β位炭素113.3,
α位炭素140.8 、芳香族水素炭素126.3,128.6 、4位炭
素134.8 、1位(ビニル基イプソ位)炭素135.4
【0042】参考例3(4−(4−ビニルベンジルオキ
シブチル)トリメチルアンモニウムブロマイドの合成) 特開平7−291882の実施例−4に記載されている
方法に準じて、4−ブロモブトキシメチルスチレンにト
リメチルアミンを反応させて、トリメチルビニルベンジ
ルオキシブチルアンモニウムブロマイドを合成した。
【0043】1H−NMR分析:アンモニウム基のメチ
ル基水素3.37(s),ベンジル位メチレン鎖水素4.48(t) 、
ベンジル位エーテルα位メチレン鎖水素2.84(t) 、アン
モニウム塩基α位メチレン鎖水素3.62(t) 、β, γ位メチ
レン鎖水素1.85(m) 、1.68(m) 、ビニル基βトランス位水
素5.24(dd )、ビニル基βシス位水素5.74(dd)、ビニル
基α位水素6.73(dd)、芳香族水素(2,6位水素)7.25(d)、
3,5 位水素7.36(d)
【0044】13C−NMR分析:メチル基炭素53.3、ア
ンモニウム基の隣接メチレン鎖炭素66.8、β、γ位メチ
レン鎖位炭素25.9,29.3 、エーテル結合隣接炭素70.0、
ベンジル位メチレン鎖炭素72.8、ビニル基β位炭素113.
9 、ビニル基α位炭素138.1、芳香族水素炭素125.4,12
6.2,127.2 、1位(ビニル基イプソ位)炭素136.8
【0045】参考例−4(N,N―ジメチルアミノブチ
ルスチレンの合成) ジムロー冷却管、撹拌羽根を備えた1Lの4ツ 口フラス
コに、メタノール500ml、4−(4−ブロモブチ
ル)スチレン40g(0. 167モル)、50%ジメチル
アミン水溶液0. 75モルを溶解し、50℃で5時間反応
した。終了後、減圧下でメタノール、水を留去した。こ
の反応溶液に0.1N−NaOH水溶液300mlで弱
塩基性とし、分液し、水相中のビスジメチルビニルフェ
ニルブチルアンモニウムブロマイドを抽出した。この操
作を2回繰り返し、副生したアンモニウム塩を除去し
た。油相を回収した。重合禁止剤(ジフェニピクリルヒ
ドラジル)1000ppm を添加し、減圧下で蒸留(97℃/0.4
mmHg)した。真空蒸留直後は淡黄色透明溶液であった
が、空気中にさらすとオレンジ色透明溶液となった。
【0046】1H−NMR分析:アミノ基のメチル基水
素2.20(S) 、アミノ基に隣接するメチレン鎖水素2.26
(t) 、β、γ位メチレン鎖水素1.63(m) 、1.49(m) 、ベ
ンジル位メチレン鎖水素2.62(t) 、ビニル基βトランス
位水素5.19(dd )、ビニル基βシス位水素5.70(dd)、ビ
ニル基α位水素6.69(dd)、芳香族水素(2,6位水素)7.13
(d)、3,5 位水素7.31(d)
【0047】13C−NMR測定:メチル基炭素45.2、ア
ミノ基の隣接メチレン鎖炭素59.4、β、γ位メチレン鎖
炭素27.1,28.8 、ベンジル位メチレン鎖炭素35.2、ビニ
ル基β位炭素112.2 、ビニル基α位炭素141.8 、芳香族
水素炭素125.8,128.2,136.4,、1位(ビニル基イプソ
位)炭素134.8
【0048】実施例 1 参考例2で得られた2−ヒドロキシエチルジメチルビニ
ルフェニルブチルアンモニウムブロマイド50gをメタ
ノール50mlに加熱溶解し、均一溶液となったところ
で30℃まで冷却する。これに0.3gのアゾビスイソ
ブチロニトリルを加え撹拌しながら、60℃で24時間
重合した後、50%の線状ポリマー溶液を得た。得られ
たポリマー水溶液を紡糸液とし、ヒーターで40℃に加
温したノズル及びシリンダーに入れ、直径0.1mm のノズ
ルから紡糸液を押し出し、一定の速度および太さになる
ことを確認し送風した。この間に紡糸溶液内の揮発成分
(主としてメタノール)は除去され、さらに高分子の凝
固が起こりアニオン交換繊維が得られた。紡糸後、40
℃にて乾燥を行い、糸径50μmの繊維を得た。更に、
120℃にて10分間加熱し、繊維1gに対して50ml
のアセトンに浸漬し、これに1N−HCl水溶液0.1
0ml(触媒)と25%グルタルアルデヒド水溶液1m
lを加え、30℃にて24時間架橋反応させた。得られ
た繊維を水洗し乾燥して陰イオン交換繊維を得た。得ら
れた陰イオン交換繊維の中性塩分解容量は、3. 1meq/
g 、水分含有率は42%であった。
【0049】実施例 2 参考例1で得られたトリメチルビニルフェニルブチルア
ンモニウムブロマイド45gと参考例2で得られた2−
ヒドロキシエチルジメチルビニルフェニルブチルアンモ
ニウムブロマイド5gをメタノール50mlに加熱溶解
し、均一溶液となったところで30℃まで冷却する。こ
れに0.3gのアゾビスイソブチロニトリルを加え撹拌
しながら、60℃で24時間重合した。次いで、実施例
−1と同様にして、糸径50μmの陰イオン交換繊維を
得た。得られた陰イオン交換繊維の中性塩分解容量は
3. 3meq/g 、水分含有率は62%であった。
【0050】実施例 3 参考例3で得られた4−(4−ビニルベンジルオキシブ
チル)トリメチルアンモニウムブロマイド45gと、参
考例2で得られた2−ヒドロキシエチルジメチルビニル
フェニルブチルアンモニウムブロマイド5gをメタノー
ル50mlに加熱溶解し、均一溶液となったところで3
0℃まで冷却する。これに0.3gのアゾビスイソブチ
ロニトリルを加え撹拌しながら、60℃で24時間重合
した。次いで、実施例1と同様にして、糸径50μmの
陰イオン交換繊維を得た。得られた陰イオン交換繊維の
中性塩分解容量は2.7meq/g 、水分含有率は45%で
あった。
【0051】実施例 4 参考例4で得られたN,N−ジメチルアミノブチルスチ
レン50gをメタノール50mlに加熱溶解し、0.4
gのアゾビスイソブチロニトリルを加え撹拌しながら、
65℃で12時間重合し、50%の線状ポリマー水溶液
を得た。ヒーターで50℃に加温したノズル及びシリン
ダーにこのポリマー溶液(紡糸溶液)を入れ、直径0.
05mmのノズルから紡糸溶液を押し出し、一定の速度
および太さになることを確認し送風した。この間に紡糸
溶液内の揮発成分(主としてメタノール)は除去され、
さらに高分子の凝固が起こり陰イオン交換繊維が得られ
た。紡糸後、40℃にて乾燥を行い、糸径30μmの繊
維を得た。更に、120℃にて10分間加熱し、繊維1
gに対して1,4−ジブロモブタン0.05gのメタノ
ール溶液に浸漬し、40℃にて12時間架橋反応させ
た。次いで、繊維1gに対してメタノール20ml、臭
化メチル1gを加え、未反応の3級アミノ基をメチル化
し、強塩基性陰イオン交換基を有する繊維を得た。得ら
れた陰イオン交換繊維の中性塩分解容量は、3.1meq/
g 、水分含有率は48%であった。
【0052】実施例 5 4−ブロモブチルスチレン25gをトルエン85mlに
加熱溶解し、これに0.55gのアゾビスイソブチロニ
トリルを加え撹拌しながら、50℃で20時間重合し
た。得られた線状ポリマー溶液をメタノールで分別沈殿
して、高分子量の線状ポリマーのみを回収し、乾燥した
後、N−メチルピロリドン(NMP)にポリマーを溶解
し、20重量%の溶液とし、これを紡糸溶液とした。ヒ
ーターで40℃に加温したノズル及びシリンダーに紡糸
溶液を入れ、直径0.1mmのノズルからNMP溶液を
水中に押し出し、繊維を得た。更に、繊維1gに対して
N,N,N,N−テトラメチルブチレンジアミン0.1
gのメタノール溶液20mlに入れ、末端Br基と架橋
反応させた。更に残存している末端Br基を30%トリ
メチルアミン水溶液でアミノ化し、強塩基性陰イオン交
換繊維を得た。得られた陰イオン交換繊維の中性塩分解
容量は、3.3meq/g 、水分含有率は41%であった。
【0053】実施例 6 参考例1で得られたトリメチルビニルフェニルブチルア
ンモニウムブロマイド45g、アクリロニトリル20g
及び参考例2で得られた2−ヒドロキシエチルジメチル
ビニルフェニルブチルアンモニウムブロマイド5gをメ
タノール80mlに加熱溶解し、均一溶液となったとこ
ろで30℃まで冷却する。これに0.3gのアゾビスイ
ソブチロニトリルを加え、撹拌しながら、60℃で24
時間重合した。次いで実施例1と同様にして糸径50μ
mの陰イオン交換繊維を得た。得られた陰イオン交換繊
維の中性塩分解容量は2.1meq/g、水分含有率は
57%であった。
【0054】実施例 7:陰イオン交換繊維の耐熱性試
験 実施例1で得られた陰イオン交換繊維に、10倍容量の
4%塩化ナトリウム水溶液を通液し対イオンをCl形と
し、これを遠心分離器で水切りした状態で50gはかり
とった。この繊維に、500mlの2N−水酸化ナトリ
ウム水溶液を通液しOH形に再生し、体積を測定した。
再生した繊維をガラス製オートクレーブ管に入れ、OH
形の繊維の体積の約0. 8倍量の脱塩水を加えた。この
オートクレーブ管をオイルバスに浸し、140℃で30
日間静置した。次いで、オートクレーブから繊維を取り
出し、500mlの2N−水酸化ナトリウム水溶液を通
液しOH形に再生した。再生後の繊維の体積を測定し
た。更に、5倍量の4%塩化ナトリウム水溶液を通液
し、対イオンをCl形に変換した。このときの繊維の水
切り重量、及び中性塩分解容量を測定し、試験前後にお
ける中性塩分解容量を比較し、その割合を残存率とし
た。以上の耐熱試験結果を表−1に示した。
【0055】比較例 1 比較のため、下記市販品を用いて実施例5と同様に耐熱
性を試験した。試験開始後より1時間以内に繊維が次第
に茶褐色となり繊維の形状が失われてしまった。試験は
5時間で終了したが、繊維物質は回収できず、強い不快
臭がした。結果を合わせて表ー1に示した。 市販品:ニチビ社製陰イオン交換繊維 ポバール系、中性塩分解容量1. 9meq/g 、水分含有率
45%。
【0056】
【表1】
【0057】実施例 8:陰イオン交換繊維の溶出性 ガラス製カラムに、1N−NaOH(400g/L−繊
維)で再生した陰イオン交換繊維250g(水切り状態
で)を充填した。これにSV30で超純水を通水し、出
口水質を分析し、繊維からのTOC(全有機炭素)を測
定し、溶出性を評価した。溶出試験に用いた超純水は、
TOC1.1ppb、比抵抗17.8MΩ・cm、微粒
子数(>0.02μm)70個/ml、水温26℃を用
いた。通水開始18時間後の結果を表−2に示した。又
比較のため、比較例1と同じ市販の陰イオン交換繊維を
使用して、実施例6と同じ試験を行った。結果を表ー2
に示した。
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】本発明の陰イオン交換繊維は、耐熱性に
優れ、化学的安定性に優れ、繊維からの溶出が少なく、
反応速度に優れ、補強材の含有率の低い陰イオン交換繊
維である。 この結果、汎用の陰イオン交換繊維の用途の
他、糖液の脱色、弱酸性物質の分離・精製、金属の吸着
・補足・精製、陰イオン物質の吸着・濾過、超純水製造
用、シリカ除去用等に使用することができる。その他、
クロマト担体、膜材料、触媒用担体、相間移動触媒、酵
素、細胞、及び菌体固定化用担体等の種々の吸着剤、分
離剤、固定化用担体としても使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/42 C02F 1/42 Z 4J100 C08F 8/32 C08F 8/32 4L035 212/14 212/14 C09K 3/16 104 C09K 3/16 104C 106 106E // C02F 1/28 C02F 1/28 Q C08J 5/20 CET C08J 5/20 CET 103 103 C08L 25:18 (72)発明者 久保田 裕久 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4D017 AA01 AA11 BA15 BA20 CA17 CB03 DA01 4D024 AB02 AB05 AB10 BA17 BB02 DB19 4D025 AA04 AA07 BA14 BA25 4F071 AA22 AH12 FA09 FA10 FB02 FC11 4G066 AB06D AB10D AB13A AB21A AC33B AC35B AE10B BA16 BA20 BA36 BA38 CA01 CA10 CA11 CA12 DA01 DA07 FA07 FA37 4J100 AB02Q AB03Q AB07P AF06Q AJ02Q AL03Q AL08Q AL09Q AM02Q AN04Q BA02P BA03H BA03P BA03Q BA08Q BA14Q BA29H BA29P BA30P BA32H BA32P BA58P BB00P BC43P CA04 CA05 CA31 HA53 HA62 HB43 HC05 HC43 HC47 HC69 JA16 4L035 AA10 BB02 BB07 BB55 CC02 CC20 EE20 FF01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記一般式(1)及び/又は
    一般式(2)で表される繰り返し単位を構成要素として
    含有し、架橋された重合体の繊維からなる陰イオン交換
    繊維。 【化1】 (一般式(1)及び(2)中、Aは炭素数3から8のア
    ルキレン基又は炭素数4から8のアルコキシメチレン基
    を表わし、R1 、R2 、R3 は水素原子、炭素数4以下
    のアルキル基又はアルカノール基を表す。X- は対イオ
    ンを表す。環a,bは更に置換されていても良い。)。
  2. 【請求項2】 一般式(1)及び/又は一般式(2)で
    表される繰り返し単位が、該陰イオン交換繊維を構成す
    る全成分に対し、5〜99モル%含まれることを特徴と
    する請求項1記載の陰イオン交換繊維。
  3. 【請求項3】 一般式(1)又は一般式(2)におい
    て、Aが炭素数3から8の直鎖状アルキレン基であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の陰イオン交換繊
    維。
  4. 【請求項4】 繊維径が、1μmから500μmである
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の陰イ
    オン交換繊維。
  5. 【請求項5】 少なくとも下記一般式(3) 【化2】 (一般式(3)中、Aは炭素数3から8のアルキレン基
    又は炭素数4から8のアルコキシメチレン基を表し、Z
    はハロゲン原子、水酸基又はトシル基を表す。環cは更
    に置換されていても良い。)で表される前駆単量体を主
    成分として含有する溶液を、重合開始剤の存在下、加熱
    重合して得られる重合体溶液を、紡糸金型口から押し出
    し、繊維に成形した後、陰イオン交換基を導入し、必要
    に応じて架橋反応させることを特徴とする請求項1乃至
    4の何れかに記載の陰イオン交換繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも下記一般式(4)及び/又は
    (5) 【化3】 (一般式(4)及び(5)中、Aは炭素数3から8のア
    ルキレン基又は炭素数4から8のアルコキシメチレン基
    を表し、R1 、R2 、R3 は水素原子、炭素数4以下の
    アルキル基又はアルカノール基を表す。X- は対イオン
    を表す。環d,eは更に置換されていても良い。)で表
    される塩基性単量体を主成分として含有する溶液を、重
    合開始剤の存在下、加熱重合して得られる重合体溶液
    を、紡糸金型口から押し出し、繊維を得た後、必要に応
    じアルキル化及び/又は架橋反応させることを特徴とす
    る請求項1乃至4の何れかに記載の陰イオン交換繊維の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至4の何れか1項に記載の陰
    イオン交換繊維を、陰イオン性物質、陰電荷微粒子、着
    色物質、放射性物質、高分子電解質を含有する液体又は
    気体と接触させ、これらの物質を吸着もしくはイオン交
    換することを特徴とする液体又は気体の処理方法。
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