JP3843524B2 - 多孔性強塩基性アニオン交換体及びその製造方法 - Google Patents

多孔性強塩基性アニオン交換体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な多孔性強塩基性アニオン交換体及びその製造方法に関し、詳細には、耐熱性に優れた多孔性強塩基性アニオン交換体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多孔型のイオン交換樹樹脂としてはスチレンとジビニルベンゼンの共重合体から製造した物が知られている。米国特許第4256840号や米国特許第4501826号では、スチレンとジビニルベンゼンの共重合体を重合する際に多孔化剤としてtert−アミルアルコールを共存させ共重合体を得た後、アニオン交換基、カチオン交換基を導入してイオン交換体を得ている。この際に使用されるモノマー、多孔化剤の種類は多数挙げられているが、多孔質体を形成させるに当たり多孔化剤を選択する指標が明解には示されていない。このため、多孔質型のイオン交換体を得ようとするときには試行錯誤の上で多孔化剤の種類を選択する必要があった。
【0003】
一方、特開平4ー349941号公報及び特開平7−289912号公報には耐熱性を有する強塩基性アニオン交換樹脂が記載されているが、ここで実際に製造されているのはゲル型のみであり、これらの樹脂について多孔化する場合に使用できる多孔化剤については何の示唆もなされていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、多孔性を有し、かつ、耐熱性に優れたアニオン交換体が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、耐熱性を有する強塩基性アニオン交換体を多孔化する際に使用可能な多孔化剤について検討を行った結果、上記請求項2に記載の多孔化剤によれば、耐熱性を有し、かつ、多孔化された強塩基性アニオン交換体が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、下記一般式(I)で表される4級アンモニウム塩基を有する構造単位および不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーから誘導される構造単位を含有し、比表面積が0.01〜20m2/gであることを特徴とする多孔性強塩基性アニオン交換体の製造方法であって
【0007】
【化3】
Figure 0003843524
【0008】
(一般式(I)中、Aは炭素数3〜8の直鎖状アルキレン基又は炭素数4〜9のアルコキシメチレン基を表し、R1 は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、R2 及びR3 は炭素数1〜4の炭化水素基、X- はアンモニウム基に配位した対イオンを表し、また、ベンゼン環はアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)
【0009】
孔化剤として、下記一般式(II)で示される構造単位の前駆モノマーおよび不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーからなるモノマー混合物に可溶な線状高分子を使用することを特徴とする多孔性強塩基性アニオン交換体の製造方法に存する。
【0010】
【化4】
Figure 0003843524
【0011】
(一般式(II)中、Aは前記一般式(I)と同義を表し、Zはハロゲン原子、水酸基、トシル基又はNR1 2 (R1 及びR2 は前記一般式(I)と同義を表す)を表す。)
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の多孔性強塩基性アニオン交換体は、請求項1に記載の一般式(I)で表される4級アンモニウム塩基を有する構造単位及び不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーから誘導される構造単位を含有する。
【0013】
一般式(I)において、Aは炭素数3〜8の直鎖状アルキレン基又は炭素数4〜9のアルコキシメチレン基を表わすが、上記の直鎖状アルキレン基としては、例えば、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基等が挙げられ、上記のアルコキシメチレン基としては、ブトキシメチレン基、ペントキシメチレン基等が挙げられる。
【0014】
Aが上記の定義を有しない場合、例えば、Aがメチレン基又はエチレン基の様に短鎖の場合、アニオン交換基(NR1 2 )は短鎖を通じてベンゼン環の影響を受け、その結果、十分な耐熱性が得られず、しかも、塩基度が低下する。塩基度の低下については、アニオンよりも脂肪族アミンの方が塩基度が高いという事実からも十分予想される。一方、Aがノニレン基のように長鎖の場合、イオン交換基あたりの構造単位の分子量が大きくなり、その結果、単位重量当たりのイオン交換容量が低下するため、イオン交換体として不利である。
【0015】
また、Aは、構造上、スチレン残基のm−位又はp−位に導入されることが好ましい。o−位に導入された場合でも、ベンゼン環と置換基(ANR1 2 )との立体的な影響は少ないと考えられるが、架橋剤との共重合の際の立体障害を考慮した場合、Aは、m−位またはp−位に導入することが好ましい。
【0016】
一般式(I)において、R1 は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表すが、これらのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。R2及びR3は炭素数1〜4の炭化水素基を表すが、上記のようなアルキル基のほか、アルケニル基等が挙げられる。
【0017】
本発明においては、単位重量当たりの交換容量の低下をできるだけ少なくする観点から、R1 、R2 及びR3 がメチル基であるトリメチルアンモニウム塩基(I型強塩基性樹脂)又はR1 がヒドロキシエチル基、R2 及びR3 がメチル基であるジメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩基(II型強塩基性樹脂)が好ましい。
【0018】
一般式(I)において、X- はアンモニウム基に配位した対イオンを表すが、その具体例としては、Cl- 、Br- 、I- 等のハロゲンイオン、硫酸イオン、NO3 - 、OH- p−トルエンスルホン酸イオン等のアニオンが挙げられ、アニオンが硫酸イオンの様に2価である場合は、一般式(I)で表される構造単位2分子に対してアニオン1分子が結合する。
【0019】
また、一般式(I)において、ベンゼン環は上記のようなアルキル基又は塩素、臭素、沃素等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
本発明の多孔性強塩基性アニオン交換体の構成単位である不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、ジビニルキシレン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられる。これらの中では、ジビニルベンゼンが好ましい。
【0020】
本発明の多孔性強塩基性アニオン交換体において、前記一般式(I)で示される構造単位及び不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーから誘導される構造単位の割合は、特に制限されない。しかし、前記一般式(I)で示される構造単位の割合が少な過ぎる場合はイオン交換容量が低下し、また、不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーから誘導される構造単位の割合が少な過ぎる場合は高膨潤性となって単位体積当たりのイオン交換容量が低下するばかりでなく、細孔も発達しにくくなる。従って、上記の各構造単位の比率は、イオン交換容量、膨潤性、強度などを勘案して適宜選択される。
【0021】
なお、本発明において、強塩基性アニオン交換体を構成する全構造単位(前駆全モノマー)中、前記一般式(I)で示される構造単位(前駆モノマー)の割合は、通常5〜99モル%、好ましくは50〜98モル%の範囲とされ、不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーから誘導される構造単位(前駆モノマー)の割合は、通常0.5〜60モル%、好ましくは2%〜50モル%の範囲とされる。
【0022】
本発明の強塩基性アニオン交換体の有する重量当たりの中性塩基交換容量は、通常1.0〜6.0meq/g、好ましくは1.0〜5.5meq/gの範囲であり、体積当たりのイオン交換容量は、水分含有率により異なるが、通常0.1〜2.1meq/mlの範囲である。ここで、meq/gとは乾燥樹脂重量当たりのミリ当量を表し、meq/mlとは含水樹脂体積当たりのミリ当量を表す。
【0023】
次に、本発明の多孔性強塩基性アニオン交換体の製造方法について説明する。本発明の多孔性強塩基性アニオン交換体は、公知のイオン交換体製造技術に準じて、前記一般式(II)で示される構造単位の前駆モノマーと不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーとを重合開始剤の存在下に懸濁重合し、必要に応じ、得られた球状架橋重合体に強塩基アニオン交換基を導入することによって製造することができる。
【0024】
前記一般式(II)で示される構造単位は、前記一般式(I)で示される構造単位の前駆体である。前記一般式(II)において、Aは前記一般式(I)と同義を表し、Zは塩素、臭素、沃素等のハロゲン原子、水酸基、トシル基(トルエンスルホン酸基)又はNR1 2 (R1 及びR2 は前記一般式(I)と同義を表す)を表す。
【0025】
Aがアルキレン基である前記一般式(II)で示される構造単位の前駆モノマー(アルキルスペーサー型モノマー)は公知の方法で合成できる。例えば、ハロゲン化スチレン(クロロスチレン、ブロモスチレン等)、クロロメチルスチレン(m及びp体の混合物であってもよい)又はビニルフェネチルハライドと金属マグネシウムとの反応によってグリニャール試薬を得、1,ω−ジハロゲノアルカンとカップリングさせる。
【0026】
上記のカップリング反応の際、反応を効率的に行うため、ハロゲン化銅(塩化銅、臭化銅、沃化銅)、Li2 CuCl4 、アミン等の触媒を使用することができる。また、アルキルスペーサー型モノマーは、ω−ハロゲノアルキルベンゼン誘導体をアセチル化した後、ビニル基を導入する方法などによっても合成することができる。
【0027】
Aがアルコキシメチレン基である前記一般式(II)で示される構造単位の前駆モノマー(エーテルスペーサー型モノマー)も、公知の方法によって合成することができる。例えば、ビニルベンジルアルコールと1,ω−ジハロゲノアルカンとの反応により、ハロゲノアルコキシメチルスチレン誘導体に変換する方法によって合成することができる。
【0028】
なお、本発明において、懸濁重合は、前記一般式(II)で示される構造単位の前駆モノマー、不飽和炭化水素基含有架橋性モノマー及び多孔化剤を含有する懸濁溶液について行われるが、この際、本発明の多孔性強塩基性アニオン交換体の機能を低下させない範囲において、必要に応じて、第3のモノマー成分を共重合成分として併用してもよい。
【0029】
上記の第3の共重合成分としては、例えば、スチレン、アルキルスチレン、ポリアルキルスチレン、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、アクリロニトリル等が挙げられ、その使用量は、上記の必須のモノマーの合計量に対し、通常50モル%以下、好ましくは20モル%以下とされる。また、前記一般式(II)で示される構造単位の前駆モノマーを合成する際に副生するビスビニルフェニルエタン、ビスビニルベンジルエーテル、ビスビニルフェニルブタン等も架橋剤として使用することができる。
【0030】
本発明の多孔性強塩基性アニオン交換体の製造において使用される多孔化剤としては、前記一般式(II)で示される構造単位の前駆モノマー及び不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーからなるモノマー混合物に可溶な線状高分子を使用する。このような線状高分子は、モノマー混合物に溶解し、重合後は溶剤等に溶解して共重合体から抽出可能なものであればいずれも使用可能であり、例えば、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
【0031】
なお、多孔化剤の使用量としては、生成共重合体に多孔性を与えるのに十分な量であれば良く、モノマー総量に対する架橋性モノマーの割合や、使用する多孔化剤の種類により適宜選択できるが、一般的には、モノマー総量に対して、1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%の範囲で用いられる。
【0032】
重合時に添加する重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルハイドロ−パーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等が用いられ、通常、全モノマーに対して0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜5重量%程度用いられる。その際の重合温度は、重合開始剤の種類や濃度により異なるが、通常は、40〜100℃の範囲で選択される。
【0033】
なお、懸濁重合の際、多孔化剤、重合開始剤のほかに、分散剤、懸濁剤、pH調整剤等を反応系に添加することも可能である。分散剤としては、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸ソーダ、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)等が添加される。また、pH調整剤として、NaOHやホウ酸、ホウ酸塩、リン酸塩、重炭酸ナトリウム等が使用され、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム等の無機塩類も使用される。
【0034】
上記のようにして得られた共重合体は、特開平4−349941号公報及び特開平7−289912号公報に記載された方法に従って、アンモニウム基を導入し、その後公知の方法により、塩型を各種アニオン型に変えることにより本発明の多孔性強塩基性アニオン交換体が得られる。
【0035】
本発明の多孔性強塩基性アニオン交換体は、内部に細孔を有する多孔質体であり、比表面積は、BET法による窒素吸着法による測定で、0.01〜20m2 /g、好ましくは、0.02〜10m2 /gである。
【0036】
ただし、線状高分子を添加することにより多孔性アニオン交換体を製造する場合、BET法による測定では、比表面積値が略0m2 /gとなるものが存在する。これはBET法での測定は、サンプルを乾燥させた状態で実施するため、乾燥の工程でサンプルが収縮することが原因である。この様な形状のものは、測定上、比表面積値は略0m2 /gであるが、目視では樹脂が白濁し不透明に見え、ゲル型の樹脂とは異なる。
【0037】
本発明における多孔性強塩基性アニオン交換体には、BET法での測定上は比表面積値が略0m2 /gの、白濁し不透明に見える多孔性アニオン交換体も含まれる。
なお、本発明のイオン交換体は、粒子状のもの以外に、塊状、粉末状、繊維状等あらゆる形状のものが含まれる。
【0038】
本発明の多孔型強塩基性アニオン交換体は、種々の用途に使用され、イオン交換体が使用される一般的な用途に用いられる。具体的には、イオン交換体が使用される水処理用途、特に水の脱塩に好適に用いられる。脱塩方法は、本発明で得られるアニオン交換体を水又は水溶液と接触させることにより行われる。接触の方法は従来の水処理方法が採用され、例えば流動床、撹拌タンク、バッチタンク、並流又は向流カラムを用いるバッチ式、半バッチ式、連続式又は半連続式方法で行うことができる。この時に、耐熱性が優れているため、温水、熱水の処理にも使用することが可能である。
【0039】
また、塩基性の触媒としても使用することが可能である。多孔型であるために、ゲル型のものより表面積が大きいので、反応速度を促進させる意味で有利な場合がある。触媒として使用する時に、耐熱性が優れているためにこれまで使用できなかった高温域での反応にも使用が可能である。
また、多孔性であるため耐有機汚染性にも優れ、各種用途において、その機能が長く持続する。
【0040】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の記載において、比表面積はBET法による窒素吸着法により、イオン交換容量および水分は、ダイヤイオンマニュアル(三菱化学社発行)に従って測定した(meq/gは、乾燥樹脂重量当たりのミリ当量を表す)。
【0041】
実施例1
4−クロロブチルスチレン49.8gと高純度ジビニルベンゼン1.4g(新日鐵化学製、純度81.5%)を混合し、更にポリスチレン(分子量45000)10.2g、重合開始剤としてパーヘキサMC0.6g(日本油脂社製、純度85%)を溶解した後、ポリビニルアルコールと塩化ナトリウムを溶解した脱塩水中に分散した後、85℃で8時間加熱し重合した。重合後、得られた共重合体を取り出し、トルエン中で40℃に加熱、引き続きろ過する工程を3回繰り返した。不透明な多孔質の共重合体が得られた。得られた共重合体10gをメタノール20mlと30%トリメチルアミン水溶液60mlの混合物中で、密閉下、80℃で4時間加熱し、イオン交換樹脂を得た。交換容量は3.55meq/g、水分63.8%の不透明な多孔質のイオン交換体であった。このものは、BET法による比表面積値は略0m2 /gとなるが、目視によると樹脂が白濁し、不透明に見えることから多孔質であると判断できた。
【0042】
実施例2
4−クロロブチルスチレン49.6gと高純度ジビニルベンゼン2.9g(新日鐵化学製、純度81.5%)を混合し、更にポリスチレン(分子量45000)7.4、重合開始剤としてパーヘキサMC0.6g(日本油脂社製、純度85%)を溶解した後、ポリビニルアルコールと塩化ナトリウムを溶解した脱塩水中に分散した後、85℃で8時間加熱し重合した。重合後、得られた共重合体を取り出し、トルエン中で40℃に加熱、引き続きろ過する工程を3回繰り返した。不透明な多孔質の共重合体が得られた。この共重合体の比表面積は0.36m2 /gであった。得られた共重合体10gをメタノール20mlと30%トリメチルアミン水溶液60mlの混合物中で、密閉下、80℃で4時間加熱し、イオン交換樹脂を得た。交換容量は3.59meq/g、水分55.6%であった。
【0043】
実施例3
4−ブロモブチルスチレン24.9gと高純度ジビニルベンゼン0.6g(新日鐵化学製、純度81.5%)を混合し、更にポリスチレン(分子量45000)5.1g、重合開始剤としてパーヘキサMC0.3g(日本油脂社製、純度85%)を溶解した後、ポリビニルアルコールと塩化ナトリウムを溶解した脱塩水中に分散した後、85℃で8時間加熱し重合した。重合後、得られた共重合体を取り出し、トルエン中で40℃に加熱、引き続きろ過する工程を3回繰り返した。不透明な多孔質の共重合体が得られた。得られた共重合体10gを1,4−ジオキサン16mlと30%トリメチルアミン水溶液38mlの混合物中で、50℃で5時間加熱し、イオン交換樹脂を得た。比表面積は0.7m2 /g、交換容量は2.67meq/g、水分67.3%であった。
【0044】
実施例4
4−ブロモブチルスチレン24.8gと高純度ジビニルベンゼン1.24g(新日鐵化学製、純度81.5%)を混合し、更にポリスチレン(分子量45000)3.6g、重合開始剤としてパーヘキサMC0.3g(日本油脂社製、純度85%)を溶解した後、ポリビニルアルコールと塩化ナトリウムを溶解した脱塩水中に分散した後、85℃で8時間加熱し重合した。重合後、得られた共重合体を取り出し、トルエン中で40℃に加熱、引き続きろ過する工程を3回繰り返した。不透明な多孔質の共重合体が得られた。この共重合体の比表面積は、0.26m2 /gであった。得られた共重合体10gを1,4−ジオキサン16mlと30%トリメチルアミン水溶液38mlの混合物中で、50℃で5時間加熱し、イオン交換樹脂を得た。比表面積は0.3m2 /g、交換容量は3.33meq/g、水分67.3%であった。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、多孔性を有し、かつ、耐熱性に優れた強塩基性アニオン交換体を得ることができる。

Claims (1)

  1. 下記一般式(I)で表される4級アンモニウム塩基を有する構造単位及び不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーから誘導される構造単位を含有し、比表面積が0.01〜20m2/gである多孔性強塩基性アニオン交換体の製造方法であって、多孔化剤として、下記一般式(II)で示される構造単位の前駆モノマー及び不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーからなるモノマー混合物に可溶な線状高分子を使用することを特徴とする多孔性強塩基性アニオン交換体の製造方法。
    Figure 0003843524
    (一般式(I)中、Aは炭素数3〜8の直鎖状アルキレン基又は炭素数4〜9のアルコキシメチレン基を表し、R1は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、R2及びR3は炭素数1〜4の炭化水素基、X-はアンモニウム基に配位した対イオンを表し、また、ベンゼン環はアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)
    Figure 0003843524
    (一般式(II)中、Aは前記一般式(I)と同義を表し、Zはハロゲン原子、水酸基、トシル基又はNR12(R1及びR2は前記一般式(I)と同義を表す)を表す。)
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