JPH07330818A - 球状架橋共重合体の製造方法 - Google Patents

球状架橋共重合体の製造方法

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JPH07330818A
JPH07330818A JP6126058A JP12605894A JPH07330818A JP H07330818 A JPH07330818 A JP H07330818A JP 6126058 A JP6126058 A JP 6126058A JP 12605894 A JP12605894 A JP 12605894A JP H07330818 A JPH07330818 A JP H07330818A
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exchange resin
bis
ion exchange
polymerizable monomer
producing
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JP6126058A
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Jiyunya Watanabe
純哉 渡辺
Tsunehiko Kurata
恒彦 倉田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F4/00Polymerisation catalysts
    • C08F4/28Oxygen or compounds releasing free oxygen
    • C08F4/32Organic compounds
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 形状が良好で強度の大きいイオン交換樹脂を
提供する。 【構成】 単官能付加重合性モノマーと多官能付加重合
性モノマーとの混合物をパーケタールを重合開始剤とし
て懸濁重合して球状架橋共重合体とし、これに常法によ
りイオン交換基を導入する。 【効果】 イオン交換基の導入に際しての球状架橋共重
合体の破砕やひび割れが著しく減少する。また、生成し
たイオン交換樹脂は再生−負荷を反復しても破砕し難い
ので、ライフが長く且つイオン交換床の圧力損失の上昇
が少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオン交換樹脂及びその
母体となる球状架橋共重合体の製造方法に関するもので
ある。特に本発明は球状で且つ物理的、機械的強度にす
ぐれたイオン交換樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イオン交換樹脂は水処理をはじめ広く各
種の産業分野で用いられている。例えば、ボイラー用水
の脱塩、発電所における復水処理等の水処理分野、糖液
精製、アミノ酸精製等の食品分野、抗生物質精製等の医
薬分野、半導体製造用の超純水分野、更にはクロマトグ
ラフィー等の分析分野では、球状のイオン交換樹脂が常
用されている。
【0003】球状のイオン交換樹脂の製造方法として
は、従来より懸濁重合法が用いられている(北条他「イ
オン交換樹脂・キレート樹脂」127〜206ページ参
照)。この方法によれば、水性媒体中に単官能付加重合
性モノマーと多官能付加重合性モノマーよりなるモノマ
ー混合物及び重合開始剤を加え、撹拌してモノマー混合
物の懸濁液を調製し、これを重合温度に所定時間保持す
ることにより球状架橋共重合体を得ることが出来る。重
合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、クミルパーオキ
サイド、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物、
アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル
等のアゾ化合物などが一般に用いられている。
【0004】こうして得られた球状架橋共重合体に常法
によりイオン交換基を導入することにより球状のイオン
交換樹脂が得られる。例えば球状架橋共重合体に濃硫
酸、クロルスルホン酸、発煙硫酸等のスルホン化剤を反
応させると、スルホン酸型強酸性陽イオン交換樹脂が得
られる。また、球状架橋共重合体にルイス酸の存在下に
クロルメチルメチルエーテルを反応させるなどしてハロ
アルキル化を行い、次いでこれに1級、2級及び/又は
3級アミンを反応させると弱塩基性ないし強塩基性の陰
イオン交換樹脂が得られる。
【0005】また、多孔質型のイオン交換樹脂も常用さ
れている。多孔質型イオン交換樹脂は、多孔質球状架橋
共重合体に常法によりイオン交換基を導入することによ
り得られる。例えば、適当な希釈剤をモノマー混合物に
添加することで重合の進行過程で生成する重合体と希釈
剤との間の相分離により、多孔質型球状架橋共重合体を
得る方法。あるいは、ポリスチレン、ポリメチルスチレ
ン、ポリアクリル酸メチル等の線状ポリマーをモノマー
混合物中に共存させて、重合を行い、ついで生成球状ゲ
ルから線状ポリマーを抽出除去して多孔質型球状架橋共
重合体とする方法等がある。多孔質型球状架橋共重合体
を製造する場合、重合開始剤としては、過酸化ベンゾイ
ル、クミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド
等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾ
ビスバレロニトリル等のアゾ化合物などが一般に用いら
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】イオン交換樹脂の製造
方法における問題点の一つは、球状架橋共重合体にイオ
ン交換基を導入する際に球状架橋共重合体が破砕した
り、ひび割れが生じたりすることである。イオン交換基
の導入に際して、この問題を解決する一つの方法は、イ
オン交換基の導入に出来るだけ穏和な条件を行い、球状
架橋共重合体に大きな歪みを生じないようにすることで
ある。他の一つの方法はイオン交換基の導入時に発生す
る歪に耐える、強度の大きな球状架橋共重合体を製造す
ることである。後者の方法としては、例えばU.S.
P.4,283,499に記載のある種の重合開始剤を
用いる方法、U.S.P.4,192,921に記載の
重合雰囲気に酸素を混入する方法、G.B.2,24
4,713に記載の連鎖移動性の添加剤を用いる方法な
どが知られている。
【0007】しかし、こうした方法によって得られる球
状架橋共重合体の物理的、機械的強度はベンゾイルパー
オキサイドの様な最も一般的な開始剤を用いる場合に比
較し、いくらか高くはなるものの必ずしも十分満足でき
るものではなく、溶媒膨潤状態で種々のイオン交換基導
入反応時に球状架橋共重合体に加わる物理的膨潤によ
り、かなり多数のイオン交換樹脂粒子が破砕するという
問題点があった。
【0008】本発明の目的は、強度の大きい球状架橋共
重合体を製造する方法を提供すること、及びイオン交換
基の導入に際しての球状架橋共重合体の破砕やひび割れ
の発生を防止し、強度が大きく且つ形状の良好なイオン
交換樹脂を取得する新しい方法を提供するものである。
また、再生及び負荷を反復しても破砕することが少な
く、イオン交換樹脂床の圧力上昇を低減させることがで
きるイオン交換樹脂の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題を
解決するためになされたものであり、その要旨は、単官
能付加重合性モノマー及び多官能付加重合性モノマーを
水性媒体中で懸濁重合するに際し、重合開始剤として下
記式(1)で示されるパーオキシケタールを用いること
を特徴とする球状架橋共重合体の製造方法。
【0010】
【化2】
【0011】(式(1)中、R1 及びR2 はそれぞれ独
立して直鎖状又は分岐状の炭素数1〜10のアルキル基
を示し、R3 及びR4 はそれぞれ独立して直鎖状又は分
岐状の炭素数1〜10のアルキル基を示し、又は、R3
とR4 が結合して炭素数2〜20の環状アルキレン基を
形成してもよい。)に存する。
【0012】以下、本発明につき、詳細に説明する。本
発明で共重合に供する付加重合性モノマーとしては、イ
オン交換樹脂の分野で常用されているものを用いること
ができる。単官能付加重合性モノマーとしては、モノビ
ニル芳香族モノマー、例えば、スチレン、アルキル置換
スチレン(特にモノアルキル置換スチレン、例えば、ビ
ニルトルエン、エチルビニルベンゼン)、ハロ置換スチ
レン、例えば、ブロモ又はクロロスチレン、及びビニル
ナフタレン、及び、(メタ)アクリル酸、(メタ)アク
リル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、アクリロニ
トリル等の脂肪族のものが用いられる。また多官能付加
重合性モノマーとしては、ジビニルベンゼン、ジビニル
トルエン、ジビニルキシレン、ジビニルナフタレン、ト
リビニルベンゼン、ジビニルジフェニルエーテル、ジビ
ニルジフェニルスルフォンその他のベンゼン核に炭素数
1〜3のアルキル基が置換した芳香族のもの及びエチレ
ングリコールやジエチレングリコールのジ(メタ)アク
リレート等のアルキレンジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のアル
キレンポリ(メタ)アクリレート、N,N′−メチレン
ジ(メタ)アクリルアミド等のアルキレンポリ(メタ)
アクリルアミド等のものが用いられる。最も一般的には
スチレンとジビニルベンゼンとが用いられる。なお、工
業用として一般に入手しうるジビニルベンゼンにはエチ
ルビニルベンゼンが相当量含まれているが特に分離する
ことなく使用することができる。
【0013】多官能付加重合性モノマーは、通常、モノ
マー全量に対し0.5〜30 (重量)%用いられる。好
ましい使用比率はモノマー全量に対し1〜20重量%で
ある。多孔質型球状架橋共重合体を製造する場合には、
モノマー全量に対し、4〜100 (重量)%の範囲で用
いられる。本発明における重合開始剤としては下記式
(1)で示されるパーオキシケタールが用いられる。
【0014】
【化3】
【0015】式(1)において、R1 及びR2 はそれぞ
れ独立して直鎖状又は分岐状の炭素数1〜10のアルキ
ル基を示す。R3 及びR4 はそれぞれ独立して直鎖状又
は分岐状の炭素数1〜10のアルキル基を示し、又は、
3 とR4 が結合して炭素数2〜20の環状アルキレン
基を形成してもよい。
【0016】式(1)において、R3 とR4 が結合して
炭素数2〜20の環状アルキレン基を形成していること
は好ましい。式(1)で示されるパーケタールとして
は、例えば1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2
−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペ
ルオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチ
ルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス
(t−ブチルペルオキシ)−シクロドデカン、2,2−
ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシ
ル)プロパン等の脂環状パーオキシケタール、2,2−
ビス(t−ブチルペルオキシ)オクタン、2,2−ビス
(t−ブチルペルオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4
−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、エチル−
3,3−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブチレート等の
直鎖状パーオキシケタール等が挙げられる。パーオキシ
ケタールは分子内の2つの過酸化結合がそれぞれ異なる
温度で分解し、ラジカルを発生するので、一般に2つの
異なる分解温度を有する。
【0017】本発明におけるパーオキシケタールは、そ
の2つの過酸化結合の分解温度の差、即ち、一方の過酸
化結合の分解温度ともう一方の過酸化結合の分解温度の
差が、大きい方が好ましく、10時間半減期温度の差で
5℃以上、より好ましくは10℃以上である。重合開始
剤は通常、重合性モノマーに対し0.05〜3 (重量)
%用いられる。
【0018】これらの開始剤は単独または混合して用い
ることができる。また、従来、この種の架橋共重合体の
重合に使用されている開始剤を加えてもよい。重合は分
散剤を溶解した水性媒体に重合開始剤を含むモノマー混
合物を加え、撹拌して懸濁液を形成し、次いで所定の重
合温度に保持することにより行われる。所望ならば水性
媒体中にモノマー混合物をノズルから細い柱状に流出さ
せて、モノマー混合物の均一な液滴を形成し、これを重
合に供することもできる。
【0019】さらに本発明の方法は、多孔質球状架橋共
重合体を得る場合にも好適に利用できる。例えば、適当
な希釈剤をモノマー混合物に添加することで重合の進行
過程で生成する重合体と希釈剤との間の相分離により、
多孔質型球状架橋共重合体を得る方法、あるいは、ポリ
スチレン、ポリメチルスチレン、ポリアクリル酸メチル
等の線状ポリマーをモノマー混合物中に共存させて、重
合を行い、ついで生成球状ゲルから線状ポリマーを抽出
除去して多孔質型球状架橋共重合体とする方法等の一般
的方法が行える。
【0020】分散剤としては、キサンタンガム、ポリジ
アリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリアクリル
酸及びその塩、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マ
レイン酸共重合体の加水分解物及びその塩、カルボキシ
メチルセルロース、ハイドロキシアルキルセルロース、
メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアル
コール、ゼラチンなど常用のものを用いることができ
る。また、所望ならばpHを適正に維持するためアルカ
リや硼酸塩などの緩衝塩を加えてもよい。さらにアクリ
ルアミド等の水溶性モノマーを用いる場合には、塩化ナ
トリウムや塩化カルシウム等を加えて水溶性を低下させ
るのが好ましい。
【0021】付加重合性モノマー混合物と水性媒体との
比率(重量比)は、一般に1:10〜1:2で、水性媒
体の方を多くするのが好ましい。一般に水性媒体の比率
が大きい方が懸濁液が安定化する。重合時の温度は、開
始剤の種類、架橋度等により適宜、選択されるものであ
るが、通常50〜150℃の範囲が用いられる。重合温
度は重合の全過程を通じて一定であってもよく、また低
温で重合を開始し逐次温度を上昇させてもよい。また、
重合を開始した後、段階的に約5〜30℃温度を上昇さ
せ、重合を完了させることも有利である。更にパーオキ
シケタールの分子内の一方の過酸化結合は分解するが、
もう一方の過酸化結合はほとんど分解しない温度で重合
を行なった後、もう一方の過酸化結合が分解する温度に
まで重合系の温度を上昇させ、重合を完了することも好
ましい。
【0022】球状で且つ機械的強度にすぐれたイオン交
換樹脂の製造方法として、従来知られている方法に特公
昭36−2192号公報に記載の方法がある。この方法
は、単官能付加重合性モノマーと多官能付加重合性モノ
マーの重合において、生成した球状架橋共重合体に、重
合完了までの間に新たに単官能付加重合性モノマー単独
若しくは単官能付加重合性モノマーと多官能付加重合性
モノマーの混合モノマーを添加して共重合させ、得られ
た球状架橋共重合体にイオン交換基を賦与する方法であ
り、本発明の重合開始剤は、このような方法と組み合わ
せて使用することもできる。
【0023】上述の懸濁重合により得られた球状架橋共
重合体は、次いで常法によりイオン交換基を導入して、
アニオン交換樹脂、カチオン交換樹脂、キレート樹脂な
どのイオン交換樹脂とする。代表的なイオン交換基の導
入法としては、例えば、架橋共重合体に二塩化エタン等
の膨潤剤を加えて膨潤させ、次いでこれに濃硫酸、クロ
ルスルホン酸、発煙硫酸などのスルホン化剤を反応させ
ると、スルホン酸型の強酸性陽イオン交換樹脂が得られ
る。スルホン化反応の温度は一般に室温〜150℃であ
る。膨潤剤としては二塩化エタンの他に二塩化プロパ
ン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼ
ン、トルエン、ニトロベンゼン等の芳香族系化合物など
を用いることができる。
【0024】架橋共重合体に、塩化アルミニウムや塩化
亜鉛等のルイス酸の存在下、クロルメチルメチルエーテ
ルを反応させてクロルメチル化し、次いでトリメチルア
ミンやジメチルエタノールアミン等の第3級アミンを反
応させると、強塩基性陰イオン交換樹脂が得られる。ま
たジメチルアミンやジエチルアミン等の第2級アミンを
反応させると弱塩基性陰イオン交換樹脂が得られる。ク
ロルメチル化反応の触媒としてのルイス酸としては、塩
化第二鉄、三弗化硼素、四塩化チタン、塩化第二錫、臭
化アルミニウムなどを用いることもできる。ルイス酸は
架橋共重合体に対し0.02〜2 (重量)倍となる量で
用いられる。クロルメチル化反応は一般に30〜60℃
の温度で2〜20時間行われる。また、クロルメチル基
のアミノ化に際しては、架橋共重合体に導入されたクロ
ルメチル基に対して1〜30(モル)倍のアミンを用い
る。
【0025】上述したように、少なくとも単官能付加重
合性モノマーから誘導される繰り返し単位と多官能付加
重合性モノマーから誘導される繰り返し単位とからなる
本発明の球状架橋共重合体に官能基を導入することによ
り、本発明の球状イオン交換樹脂であるイオン交換樹脂
ビーズを得ることができる。この樹脂ビーズは良好な物
理的、機械的強度を有する。例えば、樹脂製造時におけ
るオスモティックショック、特に、溶媒膨潤状態で種々
のイオン交換基導入反応時に球状架橋共重合体に加わる
物理的膨潤強度に優れる。
【0026】従って、イオン交換基の導入の際に破砕し
たり、ひび割れたりしてビーズの形状を損ずることが著
しく少なく、無亀裂なイオン交換樹脂ビーズを高収率で
得ることができる。また、本発明の樹脂ビーズは、優れ
た押し潰し強度を有し、イオン交換樹脂として長期使用
に耐えることができる。「押し潰し強度」とは、個々の
樹脂ビーズの破壊に必要な機械的荷重を約60回の試験
の数平均として示したものである。本発明によれば20
00g/ビーズ以上の押し潰し強度を示すゲル型強酸性
陽イオン交換樹脂を得ることができる。従来から知られ
ている通常のゲル型強酸性陽イオン交換樹脂の押し潰し
強度は1000g/ビーズ未満である。
【0027】後述する実施例からも明らかなように、本
発明の球状イオン交換樹脂においては、該球状イオン交
換樹脂に8規定の硫酸水溶液と8規定水酸化ナトリウム
水溶液とを交互に10サイクル接触させるサイクル試験
後に完全球として残存するイオン交換樹脂粒子の割合
(完全球残存率)は従来法で得られたイオン交換樹脂に
比べ優れており、特に陰イオン交換樹脂の場合には従来
法の樹脂に比べより顕著な強度の向上がみられる。
【0028】即ち、本発明において、強酸性陽イオン交
換樹脂の完全球残存率は90%以上にすることができ、
又、強塩基性陰イオン交換樹脂の完全球残存率は70%
以上にすることができる。本発明のイオン交換樹脂は上
述の如く優れた強度を有するため再生及び負荷を反復し
ても破砕することが少なく、イオン交換樹脂床の圧力上
昇を低減させることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を、実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお「部」は「重量
部」である。また、得られた球状架橋共重合体の粒径は
約0.5mmであった。
【0030】〔実施例1〕スチレン84部、工業用ジビ
ニルベンゼン16部(純度56.5%)、1,1−ビス
(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン
0.23部からなるモノマー混合物を、ポリビニルアル
コール0.5部を溶解した脱塩水300部に添加し、1
0分間撹拌して懸濁液を形成した。次いで加熱して80
℃で8時間反応させた。生成した球状架橋共重合体重合
体は十分に水洗して分散剤を除去した。上記で得られた
球状架橋共重合体を常法に従ってスルホン化した。得ら
れたスルホン酸型強酸性陽イオン交換樹脂はカラムに充
填し、2規定の水酸化ナトリウム水溶液を通水した。次
いで脱塩水を通水してよく洗浄し、Na形の強酸性陽イ
オン交換樹脂を得た。この樹脂の物性を表−1に示す。
【0031】〔実施例2〕実施例1において、モノマー
混合物懸濁液の加熱を85℃で8時間行った以外は、実
施例1と同様にして重合及びスルホン化を行ない、強酸
性陽イオン交換樹脂を得た。この樹脂の物性を表−1に
示す。
【0032】〔実施例3〕実施例1において、開始剤と
して1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2−メチ
ルシクロヘキサンを0.12部用いモノマー混合物懸濁
液の加熱を85℃で8時間行った以外は、実施例1と同
様にして重合及びスルホン化を行ない、強酸性陽イオン
交換樹脂を得た。この樹脂の物性を表−1に示す。
【0033】〔実施例4〕実施例1において、開始剤と
して1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−シクロヘ
キサンを0.22部用い、モノマー混合物懸濁液の加熱
を90℃で8時間行った以外は、実施例1と同様にして
重合及びスルホン化を行ない、強酸性陽イオン交換樹脂
を得た。この樹脂の物性を表−1に示す。
【0034】〔実施例5〕実施例1において、開始剤と
して1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−シクロ
ヘキサンを0.25部用い、モノマー混合物懸濁液の加
熱を90℃で8時間行った以外は、実施例1と同様にし
て重合及びスルホン化を行ない、強酸性陽イオン交換樹
脂を得た。この樹脂の物性を表−1に示す。
【0035】〔実施例6〕スチレン93部、工業用ジビ
ニルベンゼン7部(純度56.5%)、1,1−ビス
(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン
0.23部からなるモノマー混合物を、ポリビニルアル
コール0.5部を溶解した脱塩水300部に添加し、1
0分間撹拌して懸濁液を形成した。次いで加熱して85
℃で8時間反応させた。生成した球状架橋共重合体重合
体は十分に水洗して分散剤を除去したのち、50℃で5
時間真空乾燥した。上記で得られた球状架橋共重合体3
0部にクロロメチルメチルエーテル81部を加え、室温
で30分保持して膨潤させた。次いでこれに塩化亜鉛1
5部を加え、50℃で8時間反応させた。脱塩水450
部を加えたのち、水洗し濾過した。上記で得られたクロ
ロメチル化球状架橋共重合体20部にジオキサン103
部、トリメチルアミン30%水溶液81部を加え、50
℃で8時間反応させたのち、水洗、濾過し、トリメチル
アミノ型強塩基性陰イオン交換樹脂を得た。この樹脂の
物性を表−1に示す。
【0036】〔実施例7〕実施例6において、スチレン
89部、工業用ジビニルベンゼン11部(純度55.6
%)、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2−メ
チルシクロヘキサン0.23部からなるモノマー混合物
を用いた以外は、実施例6と同様にして重合及びクロロ
メチル化、アミノ化を行ない、強塩基性陰イオン交換樹
脂を得た。この樹脂の物性を表−1に示す。
【0037】〔実施例8〕実施例6において、スチレン
86部、工業用ジビニルベンゼン14部(純度55.6
%)、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2−メ
チルシクロヘキサン0.23部からなるモノマー混合物
を用いた以外は、実施例6と同様にして重合及びクロル
メチル化、アミノ化を行ない、強塩基性陰イオン交換樹
脂を得た。この樹脂の物性を表−1に示す。
【0038】〔比較例1〕実施例1において、1,1−
ビス(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキ
サンの代わりにベンゾイルパーオキサイドを0.2部用
いた以外は、実施例1と同様にして重合及びスルホン化
を行ない、強酸性陽イオン交換樹脂を得た。この樹脂の
物性を表−1に示す。
【0039】〔比較例2〕実施例6において、1,1−
ビス(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキ
サンの代わりにベンゾイルパーオキサイドを0.2部用
い、モノマー混合物懸濁液の加熱を80℃で8時間行っ
た以外は、実施例6と同様にして重合及びクロロメチル
化、アミノ化を行ない、強塩基性陰イオン交換樹脂を得
た。この樹脂の物性を表−1に示す。
【0040】〔比較例3〕実施例1において、1,1−
ビス(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキ
サンの代わりにt−ブチルペルオキシオクテートを0.
18部用いた以外は、実施例1と同様にして重合及びス
ルホン化を行ない、強酸性陽イオン交換樹脂を得た。こ
の樹脂の物性を表−1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】なお、完全球率の測定は、イオン交換樹脂
を分散させて顕微鏡観察により、1000粒を目視で観
察して行なった。 〔実施例9〕実施例1〜8及び比較例1〜3で得られた
イオン交換樹脂並びにスチレン−ジビニルベンゼン系樹
脂で市販されている代表的なスルホン酸型強酸性陽イオ
ン交換樹脂(A)(水分含率40%)及び市販されてい
る代表的な4級アミノ型強塩基性陰イオン交換樹脂
(B)(水分含率51%)をそれぞれ、陽イオン交換樹
脂はナトリウム塩型の状態で、陰イオン交換樹脂はクロ
ル塩型の状態で600μ〜850μに分級し、各5ml
を秤り取った。各樹脂をカラムに充填し、8規定度の硫
酸水溶液、並びに8規定度の水酸化ナトリウム水溶液を
交互に通液するテストを10サイクル実施した。
【0043】なお、1サイクルの通液の時間は 1)8規定度の硫酸水溶液 2分間 2)脱塩水 1分間 3)8規定度の水酸化ナトリウム水溶液 2分間 4)脱塩水 1分間 とした。また、流速は空間速度SV=5とした。強酸性
陽イオン交換樹脂の試験前と試験後における完全球率を
表−2に、強塩基性陰イオン交換樹脂の試験前と試験後
における完全球率を表−3にそれぞれ比較した。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】〔実施例9〕実施例2で得られた樹脂及び
市販のスルホン酸型強酸性陽イオン交換樹脂(A)のナ
トリウム塩型のビーズの押し潰し強度をシャチロン(モ
デルLTCM−II)を用いて測定した。各ビーズを破壊
するのに必要な力(g)を記録し、約60回の測定の平
均を表−4に示した。
【0047】
【表4】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、強度の大きい球状架橋
共重合体を容易に得ることができ、また、イオン交換基
の導入に際し、破砕やひび割れの発生を著しく減少さ
せ、強度が非常に大きく、且つ球状の良好なイオン交換
樹脂を容易に得ることができる。本発明で得られるイオ
ン交換樹脂は再生−負荷を反復しても破砕することが少
ないので、イオン交換床の圧力損失の上昇を低減させる
ことができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単官能付加重合性モノマー及び多官能付
    加重合性モノマーを水性媒体中で懸濁重合するに際し、
    重合開始剤として下記式(1)で示されるパーオキシケ
    タールを用いることを特徴とする球状架橋共重合体の製
    造方法。 【化1】 (式(1)中、R1 及びR2 はそれぞれ独立して直鎖状
    又は分岐状の炭素数1〜10のアルキル基を示し、R3
    及びR4 はそれぞれ独立して直鎖状又は分岐状の炭素数
    1〜10のアルキル基を示し、又は、R3 とR4 が結合
    して炭素数2〜20の環状アルキレン基を形成してもよ
    い。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)においてR3 とR4
    結合して炭素数2〜20の環状アルキレン基を形成して
    いることを特徴とする請求項1に記載の球状架橋共重合
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 重合開始剤が1,1−ビス(t−ブチル
    ペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビ
    ス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリ−メチ
    ルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオ
    キシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシル
    ペルオキシ)−3,3,5−トリ−メチルシクロヘキサ
    ンから選ばれるものであることを特徴とする請求項1に
    記載の球状架橋共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記パーオキシケタールにおける分子内
    の2つの過酸化結合の分解温度の差が、10時間半減期
    温度の差で10℃以上であることを特徴とする請求項1
    に記載の球状架橋共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の球
    状架橋共重合体にイオン交換基を導入することを特徴と
    するイオン交換樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載の球
    状架橋共重合体にスルホン化剤を反応させることを特徴
    とするスルホン酸型強酸性陽イオン交換樹脂の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれかに記載の球
    状架橋共重合体を、ルイス酸の存在下、ハロアルキル化
    剤によりハロアルキル化した後、アルキルアミンと反応
    させることを特徴とする陰イオン交換樹脂の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8476324B2 (en) 2007-04-19 2013-07-02 Kurita Water Industries Ltd. Method for manufacturing anion exchange resin, anion exchange resin, method for manufacturing cation exchange resin, cation exchange resin, mixed bed resin, and method for manufacturing ultrapure water for washing electronic component material

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