JPH07289924A - シリカ除去用樹脂 - Google Patents

シリカ除去用樹脂

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JPH07289924A
JPH07289924A JP7042108A JP4210895A JPH07289924A JP H07289924 A JPH07289924 A JP H07289924A JP 7042108 A JP7042108 A JP 7042108A JP 4210895 A JP4210895 A JP 4210895A JP H07289924 A JPH07289924 A JP H07289924A
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JP
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group
resin
silica
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mol
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Application number
JP7042108A
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English (en)
Inventor
Teruo Onozuka
輝夫 小野塚
Manabu Shindo
学 進藤
Hideaki Kiba
秀明 木庭
Hirohisa Kubota
裕久 久保田
Shintaro Sawada
慎太郎 澤田
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Tohoku Electric Power Co Inc
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Tohoku Electric Power Co Inc
Mitsubishi Chemical Corp
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 架橋性アニオン交換体であって、下記一般式
(I) 【化1】 (一般式(I)中、Aは直接結合又は炭素数1から4の
直鎖状又は分岐状アルキレン基、Bは炭素数1から8の
直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、R1 、R2
3 は同じか又は異なっていてもよい炭素数1から4の
アルキル基、或いはアルカノール基を示し、Xはアンモ
ニウム基に配位した対イオンを示し、ベンゼン環Dは、
アルキル基或いはハロゲン原子で置換されていてもよ
い。)で表わされる構成単位と不飽和炭化水素基含有架
橋性単量体から誘導される構成単位とを含有するシリカ
除去用樹脂。 【効果】 広範囲の温度において効率よく水中のシリカ
を除去することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリカ除去用樹脂に関
するものである。更には、本発明は、溶液中に存在する
ケイ酸化合物やコロイダルシリカを特定の構造を有する
架橋アニオン交換体(イオン交換樹脂、イオン交換膜、
イオン交換繊維)と接触させ、吸着又は分離する新規な
シリカ除去用樹脂に関するものである。この架橋アニオ
ン交換体は、一般水処理用として使用される他、半導体
製造、原子力、火力発電用、医薬・化粧品等の際のシリ
カ除去用の純水製造用としても利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アニオン交換体を用いるシリカ除
去に関する多くの提案がなされている。例えば、特開平
4−244207号、特開平80989号、特開平2−
135147号、特開平1−284386号公報等に記
載されているように、現在使用されているシリカ除去用
アニオン交換体は、性能、化学的安定性、強度及び価格
の観点から、強塩基性スチレン系アニオン交換体であ
る。そのイオン交換基としては、トリメチルアンモニウ
ム基、ヒドロキシメチルジメチルアンモニウム基、ヒド
ロキシエチルジメチルアンモニウム基、ヒドロキシプロ
ピルジメチルアンモニウム基が用いられている。例え
ば、ダイヤイオン(登録商標)SA10A、SA12A
(ダイヤイオンは三菱化成の登録商標)、アンバーライ
ト(登録商標)IRA−400(アンバーライトはロー
ム&ハース社の登録商標)等である。しかしながら、ス
チレン系アニオン交換体においては、以下のような欠点
がある。
【0003】スチレン系アニオン交換樹脂において
は、高温領域において、シリカの保持が弱く、吸着した
シリカが容易に溶出してしまうこと。 反応工程の中間体であるクロロメチル基のアミノ基へ
の変換が、完全に進行しないため、アミノ化後も一部の
有機性塩素化合物が残存する。この結果、アニオン交換
体をOH形で使用中、有機性塩素化合物が加水分解され
漏出し、場合によっては容器が腐食する。
【0004】一方、(メタ)アクリル酸エステル系や
(メタ)アクリルアミド系アニオン交換体も提案されて
いる。しかし、これらの交換樹脂の最大の問題は、エス
テル結合又はアミド結合が酸、又は塩基性溶液、又は高
温のこれらの溶液によって加水分解されやすい。再生時
には、アニオン交換体がNaOH水溶液に曝されるた
め、イオン交換体の化学的安定性は重要である。そのた
め、(メタ)アクリル酸系アニオン交換体や(メタ)ア
クリルアミド系イオン交換体は、使用可能な温度範囲が
限定されたものとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、広範
囲の温度領域において、効率よく水中のシリカの除去に
適した架橋アニオン交換体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のス
チレン系アニオン交換体の有する課題が解決された陰イ
オン交換体を得るべく鋭意検討した結果、イオン交換基
とベンゼン環の間にアルコキシアルキレン鎖を導入した
スチレン系アニオン交換体を用いることにより、水中の
シリカが効率的に除去できることを見い出し、本発明に
到達した。即ち、本発明の要旨は、架橋性アニオン交換
体であって、下記一般式(I)
【0007】
【化2】
【0008】(一般式(I)中、Aは直接結合又は炭素
数1から4の直鎖状又は分岐状アルキレン基を表わし、
Bは炭素数1から8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキ
レン基を表わし、R1 、R2 、R3 は同じか又は異なっ
ていてもよい炭素数1から4のアルキル基、或いはアル
カノール基を示し、Xはアンモニウム基に配位した対イ
オンを示し、ベンゼン環Dは、アルキル基或いはハロゲ
ン原子で置換されていてもよい。)で表わされる構成単
位と不飽和炭化水素基含有架橋性単量体から誘導される
構成単位とを含有することを特徴とするシリカ除去用樹
脂に存する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
シリカ除去用樹脂とは、一般式(I)で表わされる構造
単位を含んでいることを特徴とする水不溶性架橋共重合
体であるアニオン交換体である。一般式(I)における
アルキレン鎖Bの炭素数は、イオン交換基の耐熱性を発
現するために少なくとも1以上であることが必要であ
る。エチレン鎖である場合には、ホフマン分解(E2脱
離反応)が起こりやすい。従って、更に実用的な耐熱性
を考慮すると、アルキレン鎖はブチレン鎖以上であるこ
とが好ましい。しかしながら、アルキレン鎖Bの鎖長が
長くなった場合には、構成単位(I)の分子量が大きく
なるため、アニオン交換体の単位重量当たりのイオン交
換容量が減少し、交換容量の減少につながる。それ故ア
ルキレン鎖Bの炭素数は、8以下であることが好まし
い。更に好ましくは6以下である。
【0010】アルキレン鎖Bとしては、例えば、メチレ
ン鎖、エチレン鎖、イソプロピレン鎖、ブチレン鎖、オ
クチレン鎖等の直鎖状アルキレン基、分岐状アルキレン
基、連鎖中にシクロヘキシル基、シクロペンチル基を含
有する環状アルキレン基が挙げられる。分岐状アルキレ
ン基のアルキル基は、どこに位置してもよい。好ましく
は直鎖のアルキレン基である。
【0011】一方、ベンゼン環に結合しているアルキレ
ン鎖Aは、ベンゼン環の酸化反応を抑制することにある
と考えられる。Aの炭素数が0(直接結合)であるフェ
ノキシ基の場合、ベンゼン環が酸化されやすく、イオン
交換基の脱落につながりやすい。従って、ベンゼン環に
結合しているアルキレン鎖Aの鎖長は、炭素数が1以上
であることが好ましい。メチレン鎖の場合、溶存酸素が
存在する条件下では、ベンジル基が酸化され安息香酸誘
導体になることも考えられる。しかしながら、Bと同
様、Aの鎖長が長くなった場合には、単位重量当たりの
イオン交換基の減少につながるため、アルキレン鎖Aの
炭素数は4以下であることが好ましい。例えば、メチレ
ン鎖、エチレン鎖、イソプロピレン鎖、ブチレン鎖等の
直鎖状アルキレン基、分岐状アルキレン基等が挙げられ
る。分岐状アルキレン基のアルキル基は、どこに位置し
ていてもよい。
【0012】製造法及び製造コストの点からは、アルキ
レン鎖Aは、メチレン鎖又はエチレン鎖であり、アルキ
レン鎖Bは、n−ブチレン鎖であることが好ましい。こ
こで、イオン交換基に結合したアルキレン鎖Bは耐熱性
を向上させるのに寄与し、ベンゼン環に結合したアルキ
レン鎖Aはベンゼン環の酸化反応を抑制するのに寄与し
ていると推定される。従って、イオン交換体の耐熱性を
発現するために特に重要なのは、イオン交換基に結合し
たアルキレン鎖Bの鎖長である。
【0013】イオン交換基を有するアルコキシアルキレ
ン基は、製造上、多くはスチレン残基のp位に導入され
る。たとえこのアルコキシアルキレン基が、m位あるい
はo位に導入された場合でも、アンモニウム基とベンゼ
ン環の距離が数Å以上であるため、ベンゼン環とポリエ
チレン鎖により立体的な影響は少ない。従って、イオン
交換基を有するアルコキシアルキレン基は、ベンゼン環
のどの位置に置換されていてもよい。
【0014】本発明におけるアニオン交換体は、種々の
製造方法で作ることができる。下記一般式(II)(A
は直接結合又は炭素数1から4の直鎖状又は分岐状アル
キレン基を表わし、Bは炭素数1から8の直鎖状、分岐
状又は環状のアルキレン基を表わし、Zはイオン交換基
に変換し得る官能基を表わす。例えば、塩素、臭素、沃
素等のハロゲン原子又はトシル基等が挙げられる。)で
表わされる前駆体単量体を合成させ、架橋剤及び必要に
応じて第3の単量体成分とともに共重合を行った後、ア
ミンと反応させイオン交換基に変換する方法、
【0015】
【化3】
【0016】一般式(III )で表わされる構造単位を
有する単量体を、架橋剤等とともに重合する方法が挙げ
られる。一般式(III )中A,B,R1 〜R3 ,D及び
Xは、一般式(I)におけるのと同義である。Xは、イ
オン交換基に配位した対イオンであって、例えば、塩化
物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン、硫酸イオン、
硝酸イオン、水酸基等が挙げられる。なお、硫酸イオン
のように2価のアニオンである場合は、一般式(I)の
繰り返し単位2分子に対して、1つの対イオンが配位す
る。
【0017】一般式中(II)で表わされる前駆体となる
重合性単量体は、幾つかの方法で合成することができ
る。クロロメチルスチレン(m及びp体の混合物であっ
てもよい)を、公知の技術(Polymer,197
3,Vol 14,330−332、Makromo
l.Chem.Rapid Commun.,7,14
3,1986)に従って加水分解した後、1,ω−ジハ
ロゲノアルカンを反応させる方法、或いは、公知の技術
(Bull.Chem.Soc.Jpn.,1976,
Vol 49,2500、)に従って、クロロメチルス
チレンを塩化水銀の存在下、テトラヒドロフランと反応
させ、ω−ハロゲノアルコキシアルキルスチレンを合成
することができる。更に、一般式(II)で表わされる単
量体をアルキルアミン類でアミノ化し、アンモニウム基
を有する単量体(III )を合成することができる。勿
論、一般式(II)のベンゼン環Dは、アルキル基、或い
はハロゲンで置換されていてもよい。
【0018】本発明におけるアニオン交換体の製造にお
ける共重合体成分は、不飽和炭化水素含有架橋性単量
体、及び必要に応じて用いることができる第3の不飽和
炭化水素含有単量体である。この不飽和炭化水素含有架
橋性単量体は、水不溶性架橋共重合体を製造するために
必要である。この単量体としては、ジビニルベンゼン、
ポリビニルベンゼン、アルキルジビニルベンゼン、ジア
ルキルジビニルベンゼン、エチレングリコール(ポリ)
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、(ポリ)エチレンビス(メタ)アク
リルアミド等が挙げられる。好ましくはジビニルベンゼ
ンである。その含有率が低い場合には、得られるアニオ
ン交換体は高膨潤性重合体となる。一方、含有率が高い
場合には、イオン交換基を有する構成成分(I)の含有
率が低くなるため、イオン交換容量が低下する。従って
本発明のアニオン交換体を製造する際の不飽和炭化水素
含有架橋性単量体の使用量は、アニオン交換体におい
て、不飽和炭化水素含有架橋性単量体から誘導される構
成単位が0.1%〜50モル%程度、好ましくは0.2
%〜25モル%となるように用いられる。
【0019】第3の不飽和炭化水素含有単量体は、アニ
オン交換体の機能を低減させない範囲において用いるこ
とができる。その重合性単量体としては、スチレン、ア
ルキルスチレン、ポリアルキルスチレン、(メタ)アク
リル酸エステル、(メタ)アクリル酸、アクリロニトリ
ル等が挙げられる。第3の不飽和炭化水素含有単量体の
使用量は、アニオン交換体において第3の不飽和炭化水
素含有単量体から誘導される構成単位が0%〜50モル
%、好ましくは0%〜20モル%となるように用いられ
る。
【0020】一般式(I)の構成単位を誘導しうる重合
性単量体の使用量はアニオン交換体において一般式
(I)に示される構成単位が5%〜99.9モル%、好
ましくは10〜99モル%となるように用いられる。こ
の場合、イオン交換容量を大きくするためには、一般式
(I)の含有率はできる限り高いことが好ましい。本発
明のアニオン交換体の有する重量当たりの交換容量(中
性塩交換容量)は、一般式(I)で表わされる構成要素
の分子量によっても異なる。すなわち、アルキレン鎖
A、B及びイオン交換基の置換基Rにより異なるが、一
般に、通常0.2meq/g〜5meq/gの範囲であ
る。(meq/gとは乾燥樹脂重量当たりのミリ当量を
表わす。)更に好ましくは、1.5meq/g〜4.5
meq/gの範囲である。体積当たりのイオン交換容量
は、膨潤度により異なるが、通常、0.3meq/ml
〜1.5meq/mlである。
【0021】重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル
(BPO)、過酸化ラウロイル、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤、アゾビスイソ
ブチロニトリル(AIBN)、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名;V−6
5(和光純薬))2,2′−アゾビス(2−メチルプロ
ピオンアミジン)・二塩酸塩(商品名;V−50和光純
薬、水溶性重合開始剤)等のアゾ系重合開始剤等が用い
られる。その含有率は、通常、全単量体に対して、0.
1%〜5重量%である。重合温度は、重合開始剤の半減
期温度、含有率、単量体の種類等により異なるが、通常
は、40℃〜150℃、好ましくは50℃〜100℃で
使用される。重合開始は、1時間〜30時間、好ましく
は、1時間〜15時間である。
【0022】これらの重合反応において、必要に応じ
て、上記各単量体成分に溶解する溶媒を添加していても
よい。これらの単量体に対して貧溶媒であるトルエン、
ヘキサン等非極性有機溶媒を添加し共重合を行った場合
には、多孔性構造を有するアニオン交換体が得られる。
一方、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の良
溶媒を添加した場合には、膨潤性のアニオン交換体が得
られる。これら溶媒の種類、添加量等により生成する多
孔性担体の物理構造が異なり、これらの溶媒を制御する
ことにより、目的とする多孔性担体を得ることができ
る。その他、例えば、溶媒として、水、メタノール、エ
タノール、アセトン等の溶媒、又はこれらの溶媒の混合
溶液が使用される。その添加量は、全単量体成分に対し
て、0%〜100重量%の範囲である。
【0023】一般式(II)及び下記一般式(IV)のZを
アンモニウム基−NR123 に変換する方法は、公
知の方法に従って行うことができる。
【0024】
【化4】
【0025】(式(IV)中、A,B,Zは前述と同義で
ある)Zが、ハロゲン原子の場合、適切な溶媒の存在
化、3級アミンを反応させアンモニウム基に変換するこ
とができる。Zがトシル基の場合にも同様に、上記反応
によりアンモニウム基に変換することができる。上記の
アンモニウム基を導入する際、樹脂を膨潤させるため、
溶媒を添加するのが一般的である。用いられる溶媒とし
ては、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコ
ール類、トルエン、ヘキサン等の炭化水素類、ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタン等の塩素系炭化水素
類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類、その他ジメチルホルムアミド、アセ
トニトリル等の溶媒が単独、又は混合溶液として用いら
れる。反応温度は、反応様式、官能基の種類、溶媒の種
類等により異なるが、通常は、20℃〜100℃であ
る。一般式(III )で表わされる重合性単量体を、架橋
剤とともに重合することによりアニオン交換体を得るこ
ともできる。
【0026】上記単量体は、一般式(II)で表わされる
重合性単量体と同様にして上記架橋性単量体と共重合す
ることができる。この場合、イオン交換基を有する単量
体を架橋剤とともに共重合するため、上記のように重合
後、アミノ化反応等を行わなくてもよい。その後、公知
の方法によって対イオンを各種のアニオン形に変換し、
本発明のアニオン交換体が得られる。
【0027】一般式(I)のベンゼン環は、イオン交換
基を有するアルコキシアルキレン基以外に、アルキル基
或いはハロゲン原子で置換されていてもよい。アルキル
基としては、メチル基、エチル基等が挙げられ、ハロゲ
ンとしては、フッ素、塩素、臭素、沃素等が挙げられ
る。イオン交換基を構成するアルキル基R1 ,R2 ,R
3 は、炭素数1から4のアルキル基、或いはヒドロキシ
エチル基等のアルカノール基である。この場合も、単位
重量当たりの交換容量の低下をできる限り少なくするた
め、メチル基であることが好ましい。
【0028】本発明のアニオン交換体は公知の方法に従
って、種々の形状に成形することができる。球状のアニ
オン交換体は、水/油型又は油/水型の懸濁重合により
製造される。球状重合体だけではなく粉砕品等種々の形
状の樹脂も採用することができる。粉砕品は溶液重合等
で塊状樹脂を得た後、公知の方法に従って、所望の大き
さに粉砕すればよい。その樹脂の平均粒径は、1μm〜
2mmであることが好ましい。その他、繊維状、膜状等
に成形することもできる。
【0029】一般にシリカと呼ばれるものは、不溶性の
ものと可溶性のものがあり、前者は懸濁性固体、コロイ
ド状のものがあり、後者は、通常、天然水中では多くは
Si(OH)3-として存在し、低濃度・中性領域ではS
iO6 (OH)6 2-の形態で存在する。本発明の強塩基
性アニオン交換体は、可溶性シリカは勿論のこと、微粒
子の不溶性シリカも捕捉、吸着することが可能である。
【0030】本発明樹脂の利用分野は、現在使用されて
いるアニオン交換体と同一の利用分野である。例えば、
通常のボイラー給水の軟水化用、半導体製造用の純水製
造用、(原子力)発電所用の純水製造用等広範な水処理
分野で使用することができる。本発明のシリカ除去用樹
脂の使用方法は、特に、限定されるものではない。その
使用方法はアニオン交換体を多塔式装置の一部に組み込
む(単床単塔式)又は混合床として使用する方法、又は
バッチ式で使用する方法等種々挙げられ、樹脂を多塔式
装置の一部に組み込む(単床単塔式)又は混合床として
使用する方法等も挙げられる。通常のアニオン交換体と
同様、NaOH等の塩基性水溶液により再生することが
できる。本発明の樹脂は、化学的な安定性にも優れてい
るため、繰り返し使用することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。
【0032】〔製造例−1〕 (4−ブロモブトキシメチルスチレンの合成)300m
lの4ツ口フラスコに水酸化ナトリウム20g(0.5
mol)、水20mlを加え、撹拌し均一溶液とした。
溶液温度を室温に戻した後、ビニルベンジルアルコール
(m体、及びp体の混合物)13.42g(0.1mo
l)、1,4−ジブロモブタン32.39g(0.15
mol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド3.2
2g(0.01mol)をトルエン100mlに溶解
し、添加した。この混合溶液を激しく撹拌しながら、4
0℃で6時間反応させた。反応後、溶液を分離し、水で
充分洗浄した。この有機相に硫酸マグネシウムを加え乾
燥した後、トルエンを減圧下で留去して得た溶液をDP
PH(ジフェニルピクリル−2−ヒドラジル)存在下で
真空蒸留(bp 125〜128℃/16Pa)して、
無色透明溶液を得た。得られた溶液は、下記のNMR及
びIR吸収を有することによって4−ブロモブトキシメ
チルスチレンの構造を確認した。収量は15.0g、収
率は56%であった。
【0033】1H−NMRは日本電子製 EX−270
(270MHz、溶媒は全てCDCl3 を用いて測定し
た。TMS基準 δ;ppm。尚本化合物は、m体とp
体の混合物であるため、結合定数は算出できない。)、
赤外線吸収スペクトル(IRスペクトル)は島津製作所
製 FT−IR 4000を用いた。(( )内、b
r.は線幅が広い Sh.は鋭い Str.は大きな吸
収 med.は中程度の吸収であることを示す。)
【0034】1H−NMR;7.15−7.36(m:
芳香族水素)、6.61−6.73(m:ビニル基のα
位水素)、5.67−5.76(m:ビニル基のβ位水
素、5.17−5.23(m:ビニル基のβ位水素)、
4.42と4.41(s:ベンジル位のメチレン鎖)、
3.33−3.45(m:Brのα位とδ位のメチレン
鎖)、1.85−1.96(m:Brのβ位のメチレン
鎖)、1.64−1.74(m:Brのγ位のメチレン
鎖)。
【0035】IRスペクトル(NaCl法)2950
(sh.),2860(sh.),1630(s
h.),1440(med.),1360(me
d.),1250(med.),1110(st
r.),990(str.),910(str.),8
30(med.),800(med.),720(me
d.)。
【0036】〔製造例−2〕 (3−ブロモプロポキシメチルスチレンの合成)100
0mlの4ツ口フラスコに水酸化ナトリウム80g
(2.0mol)、1,3−プロパンジオール500g
(6.5mol)、ハイドロキノン1.5gを仕込み8
0℃にて2時間反応させた。続いてクロルメチルスチレ
ン(m体、及びp体の混合物)250g(1.5mo
l)を30分で滴下し添加した。この混合溶液をさらに
反応させた後、水浴で室温に冷却し食塩水(20wt
%)300mlに投入した。有機相を分離し、水相をト
ルエンにて抽出した。有機相とトルエンを合わせ、硫酸
マグネシウムを加え乾燥した後、トルエンを減圧下で留
去して得た溶液をDPPH(ジフェニルピクリル−2−
ヒドラジル)存在下で真空蒸留(bp 101〜3℃/
56Pa)して目的の3−ヒドロキシプロポキシメチル
スチレンを得た。収率は60%であった。
【0037】得られた3−ヒドロキシプロポキシメチル
スチレン192g(1.0mol)と脱水精製したピリ
ジン55mlを300ml四口フラスコに仕込み、ドラ
イアイス−エタノールで−10℃に保ちながら三臭化リ
ン108g(0.4mol)を滴下した。滴下終了後、
室温で15h撹拌した。反応混合物を食塩水(20wt
%)250mlに投入し、トルエンにて抽出した。有機
相を水−8%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸
マグネシウムを加え乾燥した後、トルエンを減圧下で留
去して得た溶液をDPPH存在下で真空蒸留(bp 9
0〜91℃/45Pa)して目的の3−ブロモプロポキ
シメチルスチレンを得た。収率35%であった。得られ
た溶液は、 1H−NMRおよびIRスペクトルにて確認
を行った。
【0038】1H−NMR;7.18−7.40(m:
芳香族水素)、6.64−6.76(m:ビニル基のα
位水素)、5.70−5.79(m:ビニル基のβ位水
素)、5.20−5.28(m:ビニル基のβ位水
素)、4.50と4.49(s:ベンジル位のメチレン
水素)、3.48−3.62(m:エーテル酸素の隣接
するメチレン水素および末端Brの隣接するα位メチレ
ン水素)、2.06−2.16(m:Brのβ位のメチ
レン水素)。
【0039】IRスペクトル(NaCl法)2950
(sh.),2850(sh.),1440(we
k.),1360(med.),1250(me
d.),1110(str.),990(med.),
910(str.),800(sh.),720(me
d.)。
【0040】〔製造例−3〕 (5−ブロモペントキシメチルスチレンの合成)1Lの
4ツ口フラスコに、氷冷下、水酸化ナトリウム57g
(1.425mol)、脱塩水57mlを加え、1,5
−ジブロモペンタン98.33g(0.428mo
l)、テトラブチルアンモニウムブロマイド9.19g
(0.0285mol)をトルエン285mlの溶液を
加えた。溶液を50℃に設定し、ビニルベンジルアルコ
ール(m体、p体の混合物)38.25g(0.285
mol)、DPPH30mgのトルエン溶液70mlを
1時間かけて、滴下した。滴下中に原料の大部分が消失
した。この混合物を激しく撹拌しながら、60℃で8時
間反応させた。反応後、有機相を分離し、水で充分洗浄
した。この有機相に硫酸マグネシウムを加え乾燥した
後、トルエンを減圧下で留去して得た混合物をDPPH
存在下で真空蒸留(b.p.107−108℃/40P
a)して、無色透明溶液の液体を得た。得られた溶液
は、NMRによって構造を確認した。5−ブロモペント
キシメチルスチレンの収量は40.8g、収率は51%
であった。
【0041】1H−NMR;7.36−7.40(m:
芳香族水素)、7.22−7.31(m:芳香族水
素)、6.65−6.76(m:ビニル基のα位水
素)、5.70−5.78(m:ビニル基のβ位水
素)、5.20−5.26(m:ビニル基のβ位水
素)、4.48と4.47(s:ベンジル位のメチレン
水素)、3.44−3.48(m:Brのα位とε位の
メチレン水素)、3.36−3.41(m:酸素のα位
のメチレン水素)、1.80−1.91(m:酸素のβ
位のメチレン水素)、1.59−1.68(m:Brの
β位のメチレン水素)、1.47−1.54(m:Br
のγ位のメチレン水素)。
【0042】IRスペクトル(NaCl法)2940
(sh.),2860(sh.),1630(s
h.),1455(med.),1360(st
r.),1245(med.),1105(st
r.),990(med.),910(str.),8
30(med.),800(med.),715(me
d.),645(med.),560(med.)。
【0043】〔製造例−4〕 (6−ブロモヘキソキシメチルスチレンの合成)冷却
管、等圧滴下ロートを備えた1Lの4ツ口フラスコに、
氷冷下水酸化ナトリウム100g(2.5mol)、脱
塩水100mlを加え、均一溶液とした。溶液温度を室
温に戻し、1,6−ジブロモヘキサン331g(1.3
6mol)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイ
ド16.2g(50.2mol)のトルエン500ml
溶液を加えた。溶液を50℃に設定し、ビニルベンジル
アルコール(m体、及びp体の混合物)49.7g(3
66mmol)、DPPH50mgのトルエン溶液10
0mlを90分かけ滴下した。懸濁状態になるように激
しく撹拌しながら、55℃で5時間反応させた。反応
後、有機相を分離し水で充分洗浄した。トルエンを減圧
下で留去して得た混合物をDPPH存在下で真空蒸留
(b.p.88〜92℃/200Pa)で、1,6−ジ
ブロモヘキサンを除去した。その後、シリカゲルカラム
(ワコーゲルC−200)クロマトグラフィーを用いて
精製した。6−ブロモヘキソキシメチルスチレンは、淡
黄色透明の粘稠な溶液であった。 1H−NMRによって
構造を確認した。6−ブロモヘキソキシメチルスチレン
の収率は70%であった。
【0044】1H−NMR;7.20−7.41(m:
芳香族水素)、6.64−6.76(m:ビニル基のα
位水素)、5.70−5.79(m:ビニル基のβ位水
素)、5.20−5.27(m:ビニル基のβ位水
素)、4.48と4.47(s:ベンジル位のメチレン
水素)、3.41−3.47(m:エーテル酸素の隣接
するメチレン水素)、3.34−3.41(m:末端B
rの隣接するメチレン水素)、1.82−1.92(b
r.m:Brのε位のメチレン水素)、1.57−1.
65(br.m:Brのβ位のメチレン水素)、1.3
6−1.47(br.m:Brのγ位とδ位のメチレン
水素)。
【0045】IRスペクトル(KBr法);2950
(sh.),2850(sh.),1440(we
k),1360(med.),1250(med.),
1110(str.),990(med.),910
(str.),800(sh.),720(me
d.)。
【0046】〔実施例−1〕窒素ガス導入管、冷却管を
備えた500mlの4ツ口フラスコに脱塩水200m
l、2%ポリビニルアルコール水溶液50mlを加え、
窒素を導入し、溶存酸素を除去した。一方、4−ブロモ
ブトキシメチルスチレン46.4g、ジビニルベンゼン
1.72g(工業用;純度56%)、及びAIBN0.
4gを溶解したモノマー相を調製し、水相と同様、溶存
酸素を除去した。モノマー溶液をフラスコに入れ、15
0rpmで撹拌し、モノマーの液滴を形成した。室温で
30分撹拌後、70℃に昇温し、70℃で18時間撹拌
した。重合後、ポリマーを取り出し、樹脂を水洗後、メ
タノールで3回洗浄した。重合収率は93%で、仕込み
架橋度4モル%の淡黄色透明球状の樹脂を得た。
【0047】冷却管を備えた500mlの4ツ口フラス
コに、上記樹脂を入れ、1,4−ジオキサン500ml
を加え、室温で撹拌した。この溶液に30%トリメチル
アミン水溶液200mlを加え、50℃で10時間反応
を行ってトリメチルアンモニウム基を導入した。反応
後、ポリマーを取り出し、充分水洗した。このアニオン
交換樹脂の対イオンを臭化物イオンから塩化物イオン
(Cl形)に変換するため、樹脂量に対して10倍量の
4重量%塩化ナトリウム水溶液を通液した。Cl形の樹
脂の下記性能を測定した。なお平均粒子径は750μm
であった。
【0048】
【表1】 中性塩分解容量 3.42 meq/g 中性塩分解容量 0.832meq/ml 水分含有率 57.0 % 膨潤度 4.11 ml/g
【0049】実施例−1で得られたアニオン交換樹脂の
IRスペクトルは下記の通りであった。 (KBr法)(対イオンXは、Cl形である)3450
(br.),2950(sh.),2870(s
h.),1640(br.),1480(str.),
1360(med.),1110(str.),970
(med.),910(med.),800(me
d.)。 (KBr法)(対イオンXは、OH形である)3400
(br.),2950(sh.),2870(s
h.),1650(br.),1480(str.),
1450(str.),1370(med.),109
0(str.),970(med.),910(me
d.),790(med.)。
【0050】〔実施例−2〕4−ブロモブトキシメチル
スチレンを44.7g、ジビニルベンゼン(工業用)を
2.60gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度6モル%、平均粒子径730μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は91%であった。
【0051】
【表2】 中性塩分解容量 3.21 meq/g 中性塩分解容量 0.919meq/ml 水分含有率 51.0 % 膨潤度 3.49 ml/g
【0052】〔実施例−3〕4−ブロモブトキシメチル
スチレンを42.9g、ジビニルベンゼン(工業用)を
3.46gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度8モル%、平均粒子径750μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は93%であった。
【0053】
【表3】 中性塩分解容量 3.32 meq/g 中性塩分解容量 1.02 meq/ml 水分含有率 44.5 % 膨潤度 3.25 ml/g
【0054】〔実施例−4〕クロロメチルスチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体は、文献(Polymer,1
4,July 1973 330−332)に従って、
ジビニルベンゼンの含有率が4モル%となるように調製
されたモノマー溶液を用いて重合し製造した。更に、上
記文献に従って、そのクロロメチル基を酢酸エステル誘
導体とした後、水酸化ナトリウム溶液で加水分解してヒ
ドロキシメチルスチレン−ジビニルベンゼン共重合体と
した。
【0055】1リットルの4ツ口フラスコに、上記共重
合体50g、1,4−ジオキサン500ml、1,4−
ジブロモブタン200g(0.926mol)を加え、
50℃で30分撹拌し、ポリマーを膨潤させた。この中
へ、ナトリウムメトキシド31g(0.574mol)
を加え、70℃で10時間反応した。反応後、ポリマー
を取り出し、メタノールで充分洗浄した後、ポリマーを
水洗した。
【0056】500mlの4ツ口フラスコに、上記樹
脂、メタノール500mlを加え、室温で撹拌した。こ
の溶液に30%のトリメチルアミン水溶液200mlを
加え、50℃で10時間アミノ化反応を行った。反応
後、ポリマーを取り出し、充分水洗した。対イオンをC
l形に変換するため、樹脂量に対して10倍量の4%塩
化ナトリウム水溶液を通液した。得られた樹脂の平均粒
子径は560μmであった。
【0057】
【表4】 中性塩分解容量 2.32 meq/g 中性塩分解容量 0.71 meq/ml 水分含有率 44.5 % 膨潤度 3.25 ml/g
【0058】〔実施例−5〕5−ブロモペントキシメチ
ルスチレンを46.4g、ジビニルベンゼン(工業用)
を1.64gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度4モル%、平均粒子径700μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は90%であった。
【0059】
【表5】 中性塩分解容量 2.61 meq/g 中性塩分解容量 0.74 meq/ml 水分含有率 51.7 % 膨潤度 3.54 ml/g
【0060】〔実施例−6〕5−ブロモペントキシメチ
ルスチレンを44.7g、ジビニルベンゼン(工業用)
を2.47gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度6モル%、平均粒子径720μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は91%であった。
【0061】
【表6】 中性塩分解容量 3.00 meq/g 中性塩分解容量 0.93 meq/ml 水分含有率 51.7 % 膨潤度 3.25 ml/g
【0062】〔実施例−7〕6−ブロモヘキソキシメチ
ルスチレンを46.4g、ジビニルベンゼン(工業用)
を1.56gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度4モル%、平均粒子径680μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は89%であった。
【0063】
【表7】 中性塩分解容量 3.05 meq/g 中性塩分解容量 1.09 meq/ml 水分含有率 47.8 % 膨潤度 3.47 ml/g
【0064】〔実施例−8〕ジビニルベンゼンの含有率
が3.2モル%となるように調製されたモノマー溶液を
用いてクロロメチルスチレン−ジビニルベンゼン共重合
体を製造した。得られた共重合体の収率は83%であっ
た。また、このもののジメチルホルムアミド(DMF)
に対する膨潤度は、6.90ml/g(乾燥共重合体)
であった。
【0065】300mlの4ツ口フラスコに、ジメチル
ホルムアミド20ml、1,4−ブタンジオール17.
64g(0.195mol)、純度60%水素化ナトリ
ウム2.61g(0.065mol)を加え、室温にて
1時間撹拌した後、80mlのジメチルホルムアミドに
て膨潤させた上記共重合体10gを添加し、乾燥窒素気
流下にて60℃で25時間反応させた。反応後、ヒドロ
キシブトキシ化した共重合体を取り出し、水洗しアセト
ンにて充分洗浄した後、再び水洗し、真空乾燥した。
【0066】300mlの4ツ口フラスコ中で、ヒドロ
キシブトキシ化した共重合体5gを室温にてジメチルホ
ルムアミド30mlで膨潤した後、ピリジン5.75g
を加え氷冷した。氷冷下、撹拌しながら塩化チオニル
8.70g(0.073mol)を30分かけて滴下し
た後、70℃にて5時間反応させた。反応後、水酸基を
クロル化した共重合体を取り出し、水洗しアセトンにて
充分洗浄した後、さらに水洗した。
【0067】ステンレス製の密閉容器にクロル化した共
重合体5gを入れ、さらにトリメチルアミン30%水溶
液25ml、メタノール10mlを加え、加圧下80℃
にて6時間アミノ化反応を行った。反応後、ポリマーを
取り出し、充分水洗した。対イオンをCl形に変換する
ため、ポリマーに対して10倍量の4%塩化ナトリウム
水溶液を通液した。得られた樹脂の性能は以下のとおり
である。
【0068】
【表8】 中性塩分解容量 2.46 meq/g 中性塩分解容量 0.58 meq/ml 水分含有率 63.3 %
【0069】〔実施例−9〕3−ブロモプロポキシメチ
ルスチレンを46.4g、ジビニルベンゼン(工業用)
を1.83gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
ない、仕込み架橋度4モル%、平均粒子径610μmの
アニオン交換樹脂を得た。重合収率は86%であった。
【0070】
【表9】 中性塩分解容量 3.38 meq/g 中性塩分解容量 0.74 meq/ml 水分含有率 60.8 % 膨潤度 4.57 ml/g
【0071】〔実施例−10〕3−ブロモプロポキシメ
チルスチレンを44.7g、ジビニルベンゼン(工業
用)を2.74gとした以外は実施例−1と同様に反応
を行ない、仕込み架橋度6モル%、平均粒子径650μ
mのアニオン交換樹脂を得た。重合収率は83%であっ
た。
【0072】
【表10】 中性塩分解容量 3.33 meq/g 中性塩分解容量 0.88 meq/ml 水分含有率 52.6 % 膨潤度 3.80 ml/g
【0073】〔比較例−1〕 (メチレン鎖を有する4モル%I型ゲル型アニオン交換
樹脂);実施例−1で4−ブロモブトキシメチルスチレ
ンの代わりにクロロメチルスチレンを用いた以外は、実
施例−1と同様に行った。
【0074】〔比較例−2〕 (エチレン鎖を有する4モル%I型ゲル型アニオン交換
樹脂);実施例−1で4−ブロモブトキシメチルスチレ
ンの代わりに2−ブロモエチルスチレン(公知の方法に
従って、ブロモエチルベンゼンを原料として合成し
た。)を用いた以外は、実施例−1と同様に行った。
【0075】〔比較例−3〕 (ブチレン鎖を有する4モル%架橋I型アニオン交換樹
脂);実施例−1において、4−ブロモブトキシメチル
スチレンの代わりに4−ブロモブチルスチレンを使用し
た以外は、全く同様に行った。
【0076】〔比較例−4〕 (ブチレン鎖を有する6モル%架橋I型アニオン交換樹
脂);実施例−2において、4−ブロモブトキシメチル
スチレンの代わりに4−ブロモブチルスチレンを使用し
た以外は、全く同様に行った。
【0077】〔比較例−5〕 (ヘプチレン鎖を有する4モル%架橋I型アニオン交換
樹脂);実施例−1において、4−ブロモブトキシメチ
ルスチレンの代わりに7−ブロモヘプチルスチレンを使
用した以外は、全く同様に行った。
【0078】〔試験例〕 (樹脂のシリカ除去能の測定方法) (原水溶液の調製方法)脱塩水20L中に、無水硫酸ナ
トリウム(特級:キシダ化学製)2.981g、0.1
N−塩酸水溶液420ml、メタケイ酸ナトリウム・9
水和物(特級:キシダ化学製)を溶解し、原水溶液を調
製した。原水溶液の組成は、300ppm as Ca
CO3 、SO4 2- /Cl- =1.00、SiO2 存在比
30%とした。
【0079】(シリカ濃度の測定方法)試料溶液50m
lの中に、塩酸溶液(35%塩酸1体積+脱塩水1体
積)1ml、モリブデン酸アンモニウム・4水和物(特
級:キシダ化学製)(モリブデン酸アンモニウム・4水
和物5.30gを脱塩水50mlに溶解した溶液)2m
lを添加し5分間放置した。更に、シュウ酸溶液(シュ
ウ酸・2水和物(東京化成製)20gを脱塩水に溶解し
て200mlとした溶液)1.50ml、1−アミノ−
2−ナフトール−4−スルホン酸(東京化成製)(1−
アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸0.500g
と硫酸ナトリウム(特級:キシダ化学製)2.00gを
脱塩水に50mlに溶解する。一方、硫酸水素ナトリウ
ム(特級:キシダ化学製)20gを脱塩水120mlに
溶解し、両溶液を混合し脱塩水で全量を200mlとし
た溶液)2.00mlを添加し、10分間放置した。得
られた溶液の815nmにおける吸光度(U−1100
形レシオビーム形分光光度計、日立製作所製)を測定
し、予め測定した検量線よりシリカ濃度を算出した。
【0080】(検量線の測定)原子吸光分析用1000
ppmのSi標準溶液(和光純薬製)を脱塩水で希釈
し、5ppb〜5ppmの範囲で検量線を作成した。シ
リカ濃度はSiO2 に換算したものを表示した。
【0081】(カラム通水試験の測定方法)原水調製溶
液をダイヤイオン(登録商標)SK1B(再生形)(三
菱化成製、ダイヤイオンは三菱化成の登録商標)(18
0ml、2.0cmφ×約58cm))にSV=7.8
hr-1で通した後、得られた溶液を1Lの三角フラスコ
に一時蓄えた。この溶液を陰イオン交換樹脂を充填した
カラム(1.36cmφ×約14cm)にSV=20h
-1で通した。(陰イオン交換樹脂は、2N−NaOH
水溶液で再生した後、水洗した。更にカラムに原水を通
水する直前に10倍量の脱塩水で洗浄した。これらの陰
イオン交換樹脂を20.0ml取り、カラムに充填し
た。)陰イオン交換樹脂に通した溶液は、電導度セル
(東亜電波製:セル定数0.10)を通し、溶離液の電
導度を常時測定した。また溶液液を定期的にサンプリン
グし、そのシリカ濃度を上記に示した方法で測定した。
【0082】(測定サンプル)試験に供したサンプル
は、実施例−1、及びダイヤイオンR 強塩基樹脂SA1
0A(いずれも三菱化成製)である。結果を表−1に示
した。
【0083】
【表11】 #:リーク開始時の処理量 $:BTPを10%とした時の処理量
【0084】(アニオン交換樹脂の耐熱試験)実施例−
1、2、5〜7で製造されたアニオン交換体、及び比較
例1〜7のアニオン交換樹脂を用いた。アニオン交換樹
脂に10倍量の4%塩化ナトリウム水溶液を通液し対イ
オンをCl形とした。これらの樹脂50mlをはかりと
り、500mlの2N−水酸化ナトリウム水溶液を通液
しOH形に再生し、体積を測定した。
【0085】この樹脂をガラス製オートクレーブ管に入
れ、OH形の樹脂の体積の0.8倍量の脱塩水を加え
た。管内の溶存酸素を除去するため、50℃に加温した
状態で窒素ガスを1時間通じた。このオートクレーブ管
をオイルバスに浸し、100℃で30日間もしくは90
日間静置した後、樹脂を取り出し、500mlの2N−
水酸化ナトリウム水溶液を通液しOH形に再生した。再
生後の樹脂の体積を測定した。更に、5倍量の4%塩化
ナトリウム水溶液を通液し、対イオンをCl形に変換し
た。このときの樹脂の体積、及び樹脂の中性塩分解容量
を測定し、残存率を計算した。その耐熱試験結果を表−
2に示した。
【0086】
【表12】 (1)アニオン交換樹脂のイオン交換基は、全てトリメ
チルアンモニウム基である。 (2)スペーサー:アニオン交換基とベンゼン環を結合
する官能基をいう。 (3)残存率:残存率は以下の式で表わされる。 残存率(%)=(耐熱試験後の中性塩分解容量meq/
ml×試験後のCl形の樹脂体積)÷(耐熱試験前の中
性塩分解容量meq/ml×試験前のCl形の樹脂体
積)×100 ・空欄は未実施 表−2より、本発明のアニオン交換体は従来のものと比
べ耐熱性に優れていることがわかる。
【0087】
【発明の効果】本発明のシリカ除去用樹脂は、広範囲な
温度において効率よく水中のシリカを除去することがで
きる。従って、本発明の工業的価値は顕著である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木庭 秀明 神奈川県横浜市栄区小山台二丁目8番26号 (72)発明者 久保田 裕久 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 澤田 慎太郎 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋性アニオン交換体であって、下記一
    般式(I) 【化1】 (一般式(I)中、Aは直接結合又は炭素数1から4の
    直鎖状又は分岐状アルキレン基を表わし、Bは炭素数1
    から8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表わ
    し、R1 、R2 、R3 は同じか又は異なっていてもよい
    炭素数1から4のアルキル基、或いはアルカノール基を
    示し、Xはアンモニウム基に配位した対イオンを示し、
    ベンゼン環Dは、アルキル基或いはハロゲン原子で置換
    されていてもよい。)で表わされる構成単位と不飽和炭
    化水素基含有架橋性単量体から誘導される構成単位とを
    含有することを特徴とするシリカ除去用樹脂。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で示される構成単位を5〜
    99.9モル%、不飽和炭化水素基含有架橋性単量体か
    ら誘導される構成単位を50〜0.1モル%及び前記構
    成単位とは異なる不飽和炭化水素基含有単量体を0〜5
    0モル%含有することを特徴とする請求項1に記載のシ
    リカ除去用樹脂。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で表わされる構成単位中、
    Aが炭素数1から2のアルキレン基であり、Bが炭素数
    4から8のアルキレン基であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載のシリカ除去用樹脂。
  4. 【請求項4】 一般式(I)で表わされる構成単位中、
    Aがメチレン基であり、Bが炭素数4から6の直鎖アル
    キレン基であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    のシリカ除去用樹脂。
  5. 【請求項5】 一般式(I)で表わされる構成単位中、
    Aがメチレン基であり、Bがn−ブチレン基であること
    を特徴とする請求項3に記載のシリカ除去用樹脂。
  6. 【請求項6】 一般式(I)で表わされる構成単位中、
    Aがエチレン基であり、Bがn−ブチレン基であること
    を特徴とする請求項3に記載のシリカ除去用樹脂。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のシリカ
    除去用樹脂をシリカ分を含む水と接触させることを特徴
    とする水中のシリカの除去方法。
JP7042108A 1994-03-01 1995-03-01 シリカ除去用樹脂 Pending JPH07289924A (ja)

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JP7042108A JPH07289924A (ja) 1994-03-01 1995-03-01 シリカ除去用樹脂

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JP3142594 1994-03-01
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