JP2002105138A - 高分子架橋体およびその製造方法並びに使用方法および架橋剤 - Google Patents
高分子架橋体およびその製造方法並びに使用方法および架橋剤Info
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Abstract
し、3級アミンおよび/または4級アンモニウム塩を含
有する耐熱分解性に優れた新規な高分子架橋体を提供す
る。 【解決手段】 本発明にかかる高分子架橋体は、3級ア
ミンおよび/または4級アンモニウム塩を含有する高分
子架橋体であって、一般式(1) 【化62】 (式中、R1 およびR2 は各繰り返し単位内並びに各繰
り返し単位毎にそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10のアルキル基、または水酸基を表
し、R3 、R4 、R5 、およびR6 はそれぞれ独立して
水素原子、ハロゲン原子、メチル基、またはエチル基を
表し、X1 - およびX2 - はハロゲン化物イオン、水酸
化物イオンまたは有機酸、無機酸のアニオンを表し、a
は0〜10の整数を表す)で表される架橋構造を有して
いる。上記高分子架橋体は、例えば、イオン交換反応に
おけるイオン交換物質として、また、活性水素を活性化
する反応における活性化用触媒として、好適に使用され
る。
Description
/または4級アンモニウム塩を含有する高分子架橋体で
あって、少なくとも1つの架橋部位として4級アンモニ
ウム塩構造を含む架橋構造を有する高分子架橋体および
その製造方法並びに使用方法、該高分子架橋体を使用す
るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよびグリ
コール類の製造方法、および該高分子架橋体の製造に用
いられる架橋剤に関するものである。
ン系である。その製造方法は、例えば、スチレンとジビ
ニルベンゼンとを懸濁重合にて球状化してポリ−スチレ
ン−ジビニルベンゼン架橋体(スチレン−ジビニルベン
ゼン共重合体の架橋体)を合成し、次にルイス酸等を用
いて該架橋体をクロロメチル化し、続いてアミン(3級
アミン)等を付加させて製造するものである。
pH領域でイオン交換反応を行うことができるため好適
に使用される。ところで、実際にイオン交換反応に寄与
するのは付加されたアミンの部位(より一般には、3級
アミンより誘導される4級アンモニウム塩)であるた
め、上記の強塩基性イオン交換樹脂による該アミンの安
定的な保持は極めて重要な課題である。そして、該課題
に関しては、(a)スペーサーとしてのクロロメチル化
剤を選択することで強塩基性イオン交換樹脂からのアミ
ンの脱離を低減する方法および/または(b)強塩基性
イオン交換樹脂の分子量自体を増大させることで一定量
以上のアミンを確実に保持する方法等を用いてなる好適
な強塩基性イオン交換樹脂がすでに実現されている。
示の強塩基性イオン交換樹脂においては、4級アンモニ
ウム塩(OH型)の熱分解は本質的に避けられず、高温
下で使用されると強塩基性イオン交換樹脂の性能が低下
するという問題がある。すなわち、耐用使用温度(言い
換えれば、耐熱分解性)が従来のものと比較して向上さ
れてなる強塩基性のイオン交換体を提供することが出来
れば、その用途が大きく広がることが期待される。
されたものであって、その目的は、少なくとも1つの架
橋部位として4級アンモニウム塩構造を含む架橋構造を
有し、3級アミンおよび/または4級アンモニウム塩を
含有する耐熱分解性に優れた新規な高分子架橋体および
その製造方法並びに使用方法を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、上記高分子架橋体の製造に好
適に用いられる新規な架橋剤を提供することにある。
目的を達成すべく鋭意検討した結果、3級アミンおよび
/または4級アンモニウム塩を含有する高分子架橋体で
あって、少なくとも1つの架橋部位として、4級アンモ
ニウム塩構造を含む、特定の新規な架橋構造を有する高
分子架橋体が、耐熱分解性に優れ、優れたイオン交換
能、および、活性水素を活性化させる反応における優れ
た触媒活性を示すことを見出して、本発明を完成させる
に至った。
体は、上記の課題を解決するために、3級アミンおよび
/または4級アンモニウム塩を含有する高分子架橋体で
あって、一般式(1)
内並びに各繰り返し単位毎にそれぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、また
は水酸基を表し、R3 、R4 、R5 、およびR6 はそれ
ぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、メチル基、また
はエチル基を表し、X1 - およびX2 - はハロゲン化物
イオン、水酸化物イオンまたは有機酸、無機酸のアニオ
ンを表し、aは0〜10の整数を表す)で表される架橋
構造を少なくとも1つ有することを特徴としている。
体は、上記の課題を解決するために、3級アミンおよび
/または4級アンモニウム塩を含有する高分子架橋体で
あって、一般式(2)
ることを特徴としている。
造方法は、上記の課題を解決するために、3級アミンお
よび/または4級アンモニウム塩を含有し、かつ、上記
一般式(1)で表される架橋構造を少なくとも1つ有す
る高分子架橋体の製造方法であって、一般式(3)
て炭素数1〜10のアルキル基を表し、R19およびR20
はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、メチル
基、またはエチル基を表し、X5 - はハロゲン化物イオ
ン、水酸化物イオンまたは有機酸、無機酸のアニオンを
表す)で表される単量体と、一般式(4)
内並びに各繰り返し単位毎にそれぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、また
は水酸基を表し、R23、R24、R25、およびR26はそれ
ぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、メチル基、また
はエチル基を表し、X6 - およびX7 - はそれぞれ独立
してハロゲン化物イオン、水酸化物イオンまたは有機
酸、無機酸のアニオンを表し、dは0〜10の整数を表
す)で表される単量体とを含む単量体成分を懸濁重合す
る工程を含むことを特徴としている。
体の製造方法は、上記の課題を解決するために、3級ア
ミンおよび/または4級アンモニウム塩を含有し、か
つ、上記一般式(2)で表される架橋構造を少なくとも
1つ有する高分子架橋体の製造方法であって、一般式
(5)
る高分子架橋体を4級化することを特徴としている。
用方法は、上記の課題を解決するために、上記の高分子
架橋体を、イオン交換反応に使用することを特徴として
いる。
体の使用方法は、上記の課題を解決するために、上記の
高分子架橋体を、活性水素含有化合物中の活性水素を活
性化する活性化用触媒として使用することを特徴として
いる。
ル(メタ)アクリレートの製造方法は、上記の課題を解
決するために、(メタ)アクリル酸とオキシラン化合物
とを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
トを製造する方法であって、触媒として請求項1または
2記載の高分子架橋体を使用することを特徴としてい
る。
造方法は、上記の課題を解決するために、水とオキシラ
ン化合物とを反応させてグリコール類を製造する方法で
あって、触媒として請求項1または2記載の高分子架橋
体を使用することを特徴としている。
上記の課題を解決するために、一般式(4)
内並びに各繰り返し単位毎にそれぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、また
は水酸基を表し、R23、R24、R25、およびR26はそれ
ぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、メチル基、また
はエチル基を表し、X6 - およびX7 - はそれぞれ独立
してハロゲン化物イオン、水酸化物イオンまたは有機
酸、無機酸のアニオンを表し、dは0〜10の整数を表
す)で表される構造を有することを特徴としている。
明すれば以下の通りである。尚、本発明は、これにより
何ら限定されるものではない。本発明にかかる高分子架
橋体は、3級アミンおよび/または4級アンモニウム塩
を含有する高分子架橋体であって、少なくとも1つの架
橋点が、一般式(1)
内並びに各繰り返し単位毎にそれぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、また
は水酸基を表し、R3 、R4 、R5 、およびR6 はそれ
ぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、メチル基、また
はエチル基を表し、X1 - およびX2 - はハロゲン化物
イオン、水酸化物イオンまたは有機酸、無機酸のアニオ
ンを表し、aは0〜10の整数を表す)または一般式
(2)
の分子内および/または分子間で架橋構造が形成される
場合に、該架橋構造の両基点(端部)に位置する3分岐
構造を有する部位(架橋部位)において飽和5員環から
なる複素環基を形成する窒素原子に、置換基を構成する
4つの炭素原子が直接結合されてなる4級アンモニウム
塩構造を介して、高分子化合物間あるいは高分子化合物
内が架橋されている。
橋構造を有する上記高分子架橋体は、上記架橋構造にお
いて3分岐構造を形成する一方の架橋部位が、一般式
(6)
て水素原子、ハロゲン原子、メチル基、またはエチル基
を表し、X1 - はハロゲン化物イオン、水酸化物イオン
または有機酸、無機酸のアニオンを表す)で表される4
級アンモニウム塩構造を有し、他方の架橋部位が、一般
式(7)
て水素原子、ハロゲン原子、メチル基、またはエチル基
を表し、X2 - はハロゲン化物イオン、水酸化物イオン
または有機酸、無機酸のアニオンを表す)で表される4
級アンモニウム塩構造を有している。上記一般式(1)
で表される架橋構造において、−(CR1 R2 ) −で示
される繰り返し単位は互いに独立であり、上記R1 およ
びR2 で表される置換基は各繰り返し単位内並びに各繰
り返し単位毎にそれぞれ独立して構成されていてもよ
い。また、各繰り返し単位は、ブロックあるいはランダ
ムに結合されていてもよい。
ず、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げら
れ、炭素数1〜10のアルキル基としては特に限定され
ず、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
アニオンとは、有機酸または無機酸より水素イオンが少
なくとも1つ脱離したものを意味する。例えば、無機酸
のアニオンとしては、硫酸イオン、ホスホン酸イオン
(亜リン酸イオン)、ホウ酸イオン、シアン化物イオ
ン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、チオシアン酸イオ
ン、チオ硫酸イオン、亜硫酸イオン、亜硫酸水素イオ
ン、硝酸イオン、シアン酸イオン、リン酸イオン、リン
酸水素イオン、メタレートイオン(例えばモリブデン酸
イオン、タングステン酸イオン、メタバナジン酸イオ
ン、ピロバナジン酸イオン、水素ピロバナジン酸イオ
ン、ニオブ酸イオン、タンタル酸イオン、過レニウム酸
イオン等)、テトラフルオロアルミン酸イオン、テトラ
フルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、
テトラクロロアルミン酸イオン、Al2 Cl7 - 等が挙
げられる。また、有機酸のアニオンとしては、例えば、
スルホン酸イオン、ギ酸イオン、シュウ酸イオン、酢酸
イオン、(メタ)アクリル酸イオン、トリフルオロ酢酸
イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ビス
(トリフルオロメタンスルホン酸)アミドイオン、(C
F3 SO2)3 C- 等が挙げられる。
する高分子架橋体のなかでも、式中、R1 、R2 、
R3 、R4 、R5 、およびR6 で示される置換基が水素
原子であり、aが3である架橋構造を有する高分子架橋
体が好ましく、さらに、X1 - 、X2 - で示されるカウ
ンターアニオンが塩化物イオンである架橋構造を有する
高分子架橋体が特に好ましい。
造を有する高分子架橋体は、上記架橋構造において3分
岐構造を形成する一方の架橋部位が、一般式(8)
し、他方の架橋部位が、一般式(9)
ている。上記一般式(2)で表される架橋構造におい
て、−(CR7 R8 ) −で示される繰り返し単位並びに
−(CR 9 R10) −で示される繰り返し単位はそれぞれ
互いに独立であり、上記R7 、R 8 、R9 、R10で表さ
れる置換基は各繰り返し単位内並びに各繰り返し単位毎
にそれぞれ独立して構成されていてもよい。また、各繰
り返し単位は、それぞれブロックあるいはランダムに結
合されていてもよい。
する高分子架橋体のなかでも、式中、R7 、R8 、
R9 、R10、R13、R14、R15、およびR16で示される
置換基が水素原子であり、b、c、およびpが1であ
り、Zで示される置換基が−CH(OH)−である架橋
構造を有する高分子架橋体が好ましく、さらに、
X3 - 、X 4 - で示されるカウンターアニオンが塩化物
イオンである架橋構造を有する高分子架橋体が特に好ま
しい。
記高分子架橋体が含有する3級アミンまたは4級アンモ
ニウム塩は、該高分子架橋体がイオン交換反応に使用さ
れる場合にはイオン交換基として機能し、活性水素含有
化合物中の活性水素を活性化する反応に使用される場合
には触媒部位として機能する。本発明にかかる高分子架
橋体の耐熱分解性は、上記架橋構造を有するために著し
く向上され、耐用使用温度が高く、優れたイオン交換
能、並びに、活性水素を活性化させる反応における優れ
た触媒活性を示す。
ンモニウム塩構造は、環状構造であることが好ましい。
このような4級アンモニウム塩構造の場合、窒素原子が
スピロ環構造を形成することが好ましい。上記環状構造
は、脂肋族構造よりも酸化的分解を受け難いため、高分
子架橋体の耐熱分解性により優れることになる。このよ
うな環状構造の形態としては、例えば、5員環、6員環
等が挙げられ、そのなかでも、5員環であることが好ま
しい。また、アンモニウム塩構造を有する繰り返し単位
を主成分として主鎖を形成させることが容易となること
から、ジアリルジメチルアンモニウム塩により形成され
てなることが好ましい。
は4級アンモニウム塩の含有量、並びに、上記一般式
(1)または一般式(2)で表される架橋構造の含有量
は、所望されるイオン交換能、活性水素の活性化触媒能
や、耐熱分解性などに応じて適宜変更すればよく、特に
限定されるものではないが、例えば、3級アミンまたは
4級アンモニウム塩と上記一般式(1)で表される架橋
構造(構造単位)とのモル比(3級アミンまたは4級ア
ンモニウム塩:一般式(1)で表される架橋構造)が、
0.5:0.5〜0.99:0.01の範囲内であるこ
とが好ましく、0.80:0.20〜0.95:0.0
5の範囲内であることがより好ましい。
に対する上記一般式(1)で表される架橋構造のモル比
(一般式(1)で表される架橋構造/3級アミンまたは
4級アンモニウム塩)が0.5/0.5よりも大きくな
ると、架橋密度が高くなりすぎるために、上記高分子架
橋体を活性水素含有化合物の活性水素の活性化用触媒と
して用いたときに、反応速度が減少する場合がある。一
方、上記3級アミンまたは4級アンモニウム塩に対する
上記一般式(1)で表される架橋構造のモル比が0.0
1/0.99よりも小さくなると、架橋密度が小さすぎ
るために、上記高分子架橋体を活性水素含有化合物の活
性水素の活性化用触媒として用いたときに、単位体積当
たりの活性点密度が小さくなったり、上記高分子架橋体
自体の物理強度が小さくなる等の不具合を生じることが
ある。
塩と上記一般式(2)で表される架橋構造(構造単位)
とのモル比は、0.5:0.5〜0.99:0.01の
範囲内であることが好ましく、0.70:0.30〜
0.90:0.10の範囲内であることがより好まし
い。
に対する上記一般式(2)で表される架橋構造のモル比
(一般式(2)で表される架橋構造/3級アミンまたは
4級アンモニウム塩)が0.5/0.5よりも大きくな
ると、架橋密度が高くなりすぎるために、上記高分子架
橋体を活性水素含有化合物の活性水素の活性化用触媒と
して用いたときに、反応速度が減少する場合がある。一
方、上記3級アミンまたは4級アンモニウム塩に対する
上記一般式(2)で表される架橋構造のモル比が0.0
1/0.99よりも小さくなると、架橋密度が小さすぎ
るために、上記高分子架橋体を活性水素含有化合物の活
性水素の活性化用触媒として用いたときに、単位体積当
たりの活性点密度が小さくなったり、上記高分子架橋体
自体の物理強度が小さくなる等の不具合を生じることが
ある。
も、上記高分子架橋体が、3級アミンまたは4級アンモ
ニウム塩と、一般式(1)または(2)で表される架橋
構造との2種類の構造単位のみを含んで構成される場合
の値である。
有し、上記一般式(1)で表される架橋構造を少なくと
も1つ有する上記高分子架橋体は、例えば、一般式
(3)
て炭素数1〜10のアルキル基を表し、R19およびR20
はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、メチル
基、またはエチル基を表し、X5 - はハロゲン化物イオ
ン、水酸化物イオンまたは有機酸、無機酸のアニオンを
表す)で表される単量体と、一般式(4)
内並びに各繰り返し単位毎にそれぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、また
は水酸基を表し、R23、R24、R25、およびR26はそれ
ぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、メチル基、また
はエチル基を表し、X6 - およびX7 - はそれぞれ独立
してハロゲン化物イオン、水酸化物イオンまたは有機
酸、無機酸のアニオンを表し、dは0〜10の整数を表
す)で表される単量体とを含む単量体成分を懸濁重合さ
せることにより容易に製造することができる。
て用いられる上記一般式(4)で表される単量体は、同
一分子内にジアリルピペリジル基を2つ含むN,N,
N’,N’−テトラアリルアンモニウム誘導体であり、
ジアリルアンモニウム基(ジアリル4級アンモニウム塩
構造)を構成する、アリル基に結合された窒素原子が、
それぞれ複素環構造を形成している新規な含窒素架橋剤
である。上記一般式(4)で表される単量体は、架橋構
造が形成されるべき高分子化合物(重合体)の形成に寄
与するとともに、上記ジアリル4級アンモニウム塩構造
を構成する窒素原子に結合されたアリル基側、すなわ
ち、ジアリルピペリジル基を構成するアリル基側に形成
された高分子化合物同士を架橋する架橋剤としても機能
し、本発明にかかる高分子架橋体を与える。
構造を少なくとも1つ有する高分子架橋体が有する4級
アンモニウム塩構造をなす窒素原子に直接結合する4つ
の炭素原子は、それぞれ、高分子架橋体を構成する高分
子化合物の一部であってもよく、上記一般式(4)で表
される単量体(含窒素架橋剤)に由来するものであって
もよい。
において、−(CR21R22) −で示される繰り返し単位
は互いに独立であり、上記R21およびR22で表される置
換基は各繰り返し単位内並びに各繰り返し単位毎にそれ
ぞれ独立して構成されていてもよい。また、各繰り返し
単位は、ブロックあるいはランダムに結合されていても
よい。
のうち、R21、R22、R23、R24、R25、およびR26で
示される置換基が水素原子であり、dが3である化合物
が好ましく、さらに、X6 - 、X7 - で示されるカウン
ターアニオンが塩化物イオンである化合物、すなわち、
N,N,N’,N’−テトラアリルジピペリジルプロパ
ニウムジクロリドが特に好ましい。
は、一般式(10)
内並びに各繰り返し単位毎にそれぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、また
は水酸基を表し、gは0〜10の整数を表す)で表され
る化合物を、反応溶媒の存在下、アリルハライドと反応
させてピペリジル基を構成する窒素原子にそれぞれアリ
ル基が1つ導入されてなる化合物を架橋剤前駆体として
得た後、該架橋剤前駆体を、反応溶媒の存在下、再度、
アリルハライドと反応させることにより容易に製造され
る。
ルクロライドが好適に用いられるが、特に限定されるも
のではない。上記一般式(4)で表される単量体の製造
方法、即ち、上記一般式(10)で表される化合物とア
リルハライドとの反応方法は、特に限定されるものでは
なく、従来公知の種々の方法を用いることができる。ま
た、上記反応におけるアリルハライドや反応溶媒の使用
量、反応温度、反応時間などの反応条件は特に限定され
るものではない。反応終了後、得られた高分子架橋体
は、常法によって反応液から回収し、精製することがで
きる。
いて、−(CR39R40) −で示される繰り返し単位は互
いに独立であり、上記R39およびR40で表される置換基
は各繰り返し単位内並びに各繰り返し単位毎にそれぞれ
独立して構成されていてもよい。また、各繰り返し単位
は、ブロックあるいはランダムに結合されていてもよ
い。
かでも、R39、R40で示される置換基が水素原子であ
り、gが3である化合物、すなわち、1,3−ジ(4−
ピペリジル)プロパンが特に好ましい。
れる単量体を含むと共に、上記一般式(4)で表される
新規な含窒素架橋剤を含む単量体成分を懸濁重合させる
ことにより、3級アミンおよび/または4級アンモニウ
ム塩を含有し、かつ、4級アンモニウム塩構造をなす窒
素原子がスピロ環構造をなす、前記一般式(1)で表さ
れる新規な架橋構造を少なくとも1つ有する高分子架橋
体を得ることができる。
わち、上記高分子架橋体の原料として用いられ、高分子
架橋体が含有する3級アミンおよび/または4級アンモ
ニウム塩を構成する上記ジアリルジアルキルアンモニウ
ム塩としては、特に限定されるものではないが、R17、
R18で示される置換基がメチル基であり、X5 - で示さ
れるカウンターアニオンが塩化物イオンである化合物、
すなわち、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドが
特に好ましい。
一般式(4)で表される単量体との使用割合は、所望さ
れるイオン交換能、活性水素の活性化触媒能や、耐熱分
解性などに応じて、好適には、上記高分子架橋体におけ
る前記一般式(1)で表される架橋構造(構造単位)と
3級アミンまたは4級アンモニウム塩とのモル比が前記
した範囲内となるように適宜設定すればよく、特に限定
されるものではないが、例えば上記単量体成分中におけ
る上記一般式(3)で表される単量体と上記一般式
(4)で表される単量体とのモル比(上記一般式(3)
で表される単量体:上記一般式(4)で表される単量
体)が、0.5:0.5〜0.99:0.01の範囲内
となるように設定することが好ましく、0.80:0.
20〜0.95:0.05の範囲内となるように設定す
ることがより好ましい。
る上記一般式(4)で表される単量体のモル比(一般式
(4)で表される単量体/一般式(3)で表される単量
体)が0.5/0.5よりも大きくなると、架橋密度が
高くなりすぎるために、得られた高分子架橋体を活性水
素含有化合物の活性水素の活性化用触媒として用いたと
きに、反応速度が減少する場合がある。一方、上記一般
式(3)で表される単量体に対する上記一般式(4)で
表される単量体のモル比が0.01/0.99よりも小
さくなると、架橋密度が小さすぎるために、得られた高
分子架橋体を活性水素含有化合物の活性水素の活性化用
触媒として用いたときに、単位体積当たりの活性点密度
が小さくなったり、上記高分子架橋体自体の物理強度が
小さくなる等の不具合を生じることがある。
量体の濃度、例えば一般式(3)・(4)で表される塩
基性単量体の濃度は特に限定されないが、好ましくは3
0〜80重量%の範囲内であり、より好ましくは50〜
60重量%の範囲内である。これにより、単量体を重合
して得られる高分子架橋体の見かけ比重を充分に高める
ことができ、強度が大きく、イオン交換能や触媒能に優
れた高分子架橋体を得ることができる。単量体の濃度が
30重量%未満であると、見かけ比重を充分に高くする
ことができないため、イオン交換能や触媒能、強度が小
さくなる。一方、単量体の濃度が80重量%を超える
と、単量体溶液の濃度の調整が困難であったり、単量体
を懸濁重合にて粒子化する際に単量体の液滴を安定して
懸濁させることが困難であったりする等、高分子架橋体
が造粒しにくくなる。
一般式(3)、一般式(4)で表される単量体と共重合
可能な単量体(以下、共重合性単量体と記す)を、得ら
れる高分子架橋体の性能を阻害しない範囲内で含んでい
てもよい。該共重合性単量体としては、具体的には、例
えば、アクリルアミド、アクリル酸、マレイン酸、スチ
レン、エチレン、ビニルエーテル類等を挙げることがで
きる。これら共重合性単量体は、必要に応じて、一種類
のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよ
い。尚、単量体成分に占める上記共重合性単量体の割合
は、特に限定されるものではなく、最終的に製造される
高分子架橋体に所望されるイオン交換能、活性水素の活
性化触媒能や、耐熱分解性等に応じて適宜定めることが
できる。
応条件等は、特に限定されるものではないが、例えば、
上記の単量体成分を懸濁重合させる際に用いられる分散
媒としては、具体的には、例えば、ペンタン、(n−)
ヘキサン、ヘプタン等の飽和鎖式炭化水素;リグロイ
ン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;等が挙げられ
る。上記例示の分散媒の中では、工業的汎用性からトル
エンが好ましい。尚、上記分散媒の使用量は特に限定さ
れるものではない。
ては、具体的には、例えば、脂肪酸グリセリドに代表さ
れるカルボン酸グリセリド、ソルビタンエステル類等が
挙げられるが、その種類および使用量は特に限定される
ものではない。さらに、上記単量体成分の懸濁状態を安
定に保つために、ゼラチン、デキストリン、ポリビニル
アルコール、エチルセルロース等から選択される沈澱防
止剤を用いることもできる。
合開始剤を用いることができる。該重合開始剤として
は、具体的には、例えば、過酸化水素、ベンゾイルパー
オキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の過酸化物
系開始剤;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二
塩酸塩等のアゾ化合物(アゾ系開始剤);過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸
塩(過硫酸系開始剤)等のラジカル重合開始剤等が挙げ
られるが、反応によっては触媒毒として作用する虞れの
ある硫黄の残存がないことから、過硫酸系開始剤よりも
アゾ系開始剤を用いて重合反応を行うことが好ましい。
これら重合開始剤は、単独で用いてもよく、また、二種
類以上を適宜混合して用いてもよい。尚、上記重合開始
剤を用いる代わりに、放射線や電子線、紫外線等を照射
してもよく、また、重合開始剤とこれら放射線や電子
線、紫外線等の照射とを併用してもよい。また、上記重
合開始剤の使用量は、特に限定されるものではない。
体成分や分散媒の種類等に応じて適宜設定すればよく、
特に限定されるものではない。また、反応時間は、上記
重合反応が完結するように、反応温度、単量体成分、重
合開始剤、および分散媒等の種類や組み合わせ、使用量
等に応じて適宜設定すればよい。さらに、反応圧力も特
に限定されるものではなく、常圧(大気圧)、減圧、加
圧の何れであってもよい。
耐熱性に優れ、活性水素含有化合物中の活性水素の活性
化用触媒並びにイオン交換樹脂等のイオン交換体として
高い処理能力を発揮するとともに所望の粒径を有する球
状(パール状)を有している。
媒またはイオン交換体として用いる場合、溶媒に不溶で
分離操作が可能であること、カラム充填時の通液性があ
ること等が望ましく、上記方法により得られる球状の架
橋体は、より望ましい形態である。
塩を含有し、前記一般式(2)で表される架橋構造を少
なくとも1つ有する高分子架橋体は、例えば、3級アミ
ンまたは4級アンモニウム塩を含有し、少なくとも1つ
の架橋点が、一般式(5)
る高分子架橋体を4級化すること、つまり、いわゆる3
級アミンの4級アンモニウム塩化により、容易に製造す
ることができる。
式(5)で表される架橋構造を少なくとも1つ有する高
分子架橋体を4級化するとは、上記一般式(5)で表さ
れる架橋構造において3分岐構造を形成する架橋部位に
おける下記一般式(11)
内並びに各繰り返し単位毎にそれぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、また
は水酸基を表し、R35およびR36はそれぞれ独立して水
素原子、ハロゲン原子、メチル基、またはエチル基を表
し、eは0〜10の整数を表す)、一般式(12)
内並びに各繰り返し単位毎にそれぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、また
は水酸基を表し、R37およびR38はそれぞれ独立して水
素原子、ハロゲン原子、メチル基、またはエチル基を表
し、fは0〜10の整数を表す)で表される3級アミン
構造から、それぞれ、前記一般式(8)、一般式(9)
で表される4級アンモニウム塩構造を得る反応を行うこ
とを示す。
なくとも1つ有する高分子架橋体を4級化する方法とし
ては、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の
方法を採用することができる。例えば、4級化剤として
有機ハロゲン化物を用いて、反応溶媒の存在下、該4級
化剤と上記一般式(5)で表される架橋構造を少なくと
も1つ有する高分子架橋体とを反応させることにより、
上記一般式(5)で表される架橋構造を少なくとも1つ
有する高分子架橋体を容易に4級化することができる。
ン化物としては、特に限定されるものではないが、アル
キルハライドが好ましく、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル
が特に好ましい。
ルコールなどの極性溶媒が用いられ、そのなかでも、メ
タノール、エタノールが好適に用いられる。尚、上記4
級化反応における4級化剤や反応溶媒などの使用量や、
反応温度、反応圧力、反応時間などの反応条件は、特に
限定されるものではなく、上記反応が完結するように適
宜設定すればよい。このとき、反応温度は、4級化反応
に用いられる有機ハロゲン化物並びに反応溶媒の沸点以
下に設定されることが好ましい。
する高分子架橋体の原料(高分子架橋体前駆体)として
用いられる上記一般式(5)で表される架橋構造を少な
くとも1つ有する高分子架橋体は、上記したように、3
級アミンまたは4級アンモニウム塩を含有し、少なくと
も1つの架橋点における架橋構造の基点(端部)に位置
する3分岐構造を有する両部位(架橋部位)が、共に、
窒素原子に、置換基を構成する炭素原子が直接結合され
てなる3級アミン構造を有する高分子架橋体である。上
記3級アミン構造をなす窒素原子に直接結合する3つの
炭素原子は、それぞれ、高分子架橋体を構成する高分子
化合物の一部であってもよく、少なくともその一つ(通
常一つ)が、以下に詳述する製造方法において説明する
架橋剤に由来するものであってもよい。
反応点を有する(すなわち、該高分子化合物と反応可能
な部位を二つ以上有する)架橋剤であり、通常、高分子
化合物の有する窒素原子(すなわち、架橋構造の基点に
位置する3級アミン構造をなす窒素原子)、および/ま
たは、該窒素原子に直接または間接的に結合された炭素
原子を、標的の少なくとも一つとして架橋構造の形成に
寄与するものである。また場合によっては、架橋剤が窒
素原子を含有してなる含窒素架橋剤であり、上記3級ア
ミン構造をなす窒素原子が、該架橋剤により供されるも
のであってもよい。
(5)で表される架橋構造を少なくとも1つ有する高分
子架橋体は、特に限定されるものではないが、一般式
(13)
て炭素数1〜10のアルキル基を表し、R29およびR30
はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、メチル
基、またはエチル基を表し、X8 - はハロゲン化物イオ
ン、水酸化物イオンまたは有機酸、無機酸のアニオンを
表す)で表される構造単位を4級アンモニウム塩として
含有し、該一般式(13)で表される構造単位と前記一
般式(5)で表される構造単位(架橋構造)とのモル比
(一般式(13)で表される構造単位:前記一般式
(5)で表される架橋構造)が、0.5:0.5〜0.
99:0.01の範囲内である高分子架橋体が好まし
く、上記含有比が0.70:0.30〜0.90:0.
10の範囲内である高分子架橋体がより好ましい。
る一般式(15)で表される架橋構造のモル比(一般式
(15)で表される架橋構造/一般式(13)で表され
る構造単位)が0.5/0.5よりも大きくなると、架
橋密度が高くなりすぎるために、最終的に得られる高分
子架橋体を活性水素含有化合物の活性水素の活性化用触
媒として用いたときに、反応速度が減少する場合があ
る。一方、一般式(13)で表される構造単位に対する
一般式(15)で表される架橋構造のモル比が0.01
/0.99よりも小さくなると、架橋密度が小さすぎる
ために、最終的に得られる高分子架橋体を活性水素含有
化合物の活性水素の活性化用触媒として用いたときに、
単位体積当たりの活性点密度が小さくなったり、該高分
子架橋体自体の物理強度が小さくなる等の不具合を生じ
ることがある。
(5)で表される架橋構造を少なくとも1つ有する高分
子架橋体の製造方法は、特に限定されるものではない
が、例えば、架橋構造が形成されるべき高分子化合物
を、不活性有機溶媒中に懸濁させる工程と、該高分子化
合物を架橋剤を用いて架橋させる工程とを含む製造方法
により好適に製造することができる。
は、例えば、上記一般式(13)で表される構造単位
と、一般式(14)
て水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはエチル基を
表す)で表される構造単位との双方を繰り返し単位とし
て有する高分子化合物を挙げることができる。
(13)で表される構造単位と一般式(14)で表され
る構造単位とのモル比は特に限定されるものではない
が、上記高分子化合物が上記2種類の構造単位のみを含
んで構成される場合、上記一般式(13)で表される構
造単位と一般式(14)で表される構造単位とのモル比
は、0.50:0.50〜0.99:0.01の範囲内
であることが好ましく、0.70:0.30〜0.9
0:0.10の範囲内であることがより好ましい。
一般式(14)で表される構造単位とを有する高分子化
合物としては、例えば、ジアリルジメチルアンモニウム
クロライド(DADMAC)とジアリルアミン塩酸塩
(DAAHC)とを共重合させることにより得られる共
重合体( poly-DADMAC/DAAHC;以下、ポリ
ジアリルアミン誘導体と称する)のアルカリ中和物等を
挙げることができる。高分子化合物の前駆体としてのポ
リジアリルアミン誘導体が、ジアリルジメチルアンモニ
ウムクロライドとジアリルアミン塩酸塩とからのみ成る
場合には、両者のモル比は、5:95〜95:5の範囲
内であることがより好ましい。
ば、ランダム共重合体であってもよく、交互共重合体あ
るいはブロック共重合体等の各種構造を有していてもよ
い。また、例えば、単量体成分として、ジアリルジメチ
ルアンモニウムクロライド、ジアリルアミン塩酸塩に加
え、これら単量体と共重合可能なその他の単量体が含ま
れてなる共重合体のアルカリ中和物も上記高分子化合物
として好適に使用することができる。これら単量体と共
重合可能なその他の単量体としては、具体的には、例え
ば、アクリルアミド、アクリル酸、マレイン酸等を挙げ
ることができる。尚、上記単量体成分に占める、ジアリ
ルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルアミン塩
酸塩、その他の単量体の含有量は、最終的に製造される
高分子架橋体に所望されるイオン交換能、活性水素の活
性化触媒能や、耐熱分解性などに応じて適宜設定すれば
よく、特に限定されるものではない。
中に懸濁させる方法は特に限定されるものではないが、
一般には、溶媒としての水(または水酸化ナトリウム等
を含む水溶液)中に高分子化合物を分散・溶解して高分
子化合物溶液(水溶液)を調製し、この溶液を懸濁剤の
存在下で不活性有機溶媒中に懸濁させることがより好ま
しい。また、高分子化合物を溶解するための上記水に、
必要に応じてメチルアルコール等の水混和性有機溶媒を
含ませて混合溶媒としてもよい。尚、この混合溶媒は、
高分子化合物を溶解することが可能であり、かつ、高分
子化合物を溶解した上記混合溶媒(すなわち、高分子化
合物溶液)が、上記不活性有機溶媒と混合することがな
い(すなわち、該不活性有機溶媒中で高分子化合物溶液
が懸濁粒子として存在する)という条件を満たす必要が
ある。
高分子化合物溶液における高分子化合物の溶解含有量
は、最終的に得られる高分子架橋体の強度および性能
(特にイオン交換強度)を左右する要因として極めて重
要である。したがってこの濃度は、高分子化合物が上記
溶媒(混合溶媒であってもよい)に溶解可能な範囲内で
より高い方が好ましい。
るより低い場合には、例えば、(1)予めエバポレータ
などを用いて高分子化合物溶液を濃縮した後に、濃縮後
の高分子化合物溶液を不活性有機溶媒中に懸濁させる方
法、(2)不活性有機溶媒と上記溶媒との共沸現象を利
用して、高分子化合物溶液を不活性有機溶媒中に懸濁さ
せた状態で濃縮する方法等により、高分子化合物溶液の
高濃度化を図ることが可能である。
アルカリ中和物は、一般には、ジアリルジメチルアンモ
ニウムクロライド水溶液およびジアリルアミン塩酸塩水
溶液を混合して重合した後、アルカリ中和することで水
溶液として調製される。すなわち、原料が共に水溶液で
の入手となるため原料濃度に制限がある。その結果、調
製された高分子化合物水溶液において、固形分としての
上記アルカリ中和物の占める割合は、通常約30質量%
程度にしかならない。一方、調製された高分子化合物水
溶液の高濃度化を上記例示の方法等により図ると、上記
アルカリ中和物の占める割合を約50質量%程度まで高
めることが可能である。
体溶液や、高分子化合物の原料溶液(単量体成分を含ん
でなる溶液)を上記例示の方法により濃縮した後に、こ
れら高分子化合物前駆体または原料より高分子化合物を
調製することで、高濃度の高分子化合物溶液を得ること
も可能である。
溶媒は特に限定されるものではないが、例えば、ペンタ
ン、(n−)ヘキサン、ヘプタン、等の飽和鎖式炭化水
素;リグロイン、シクロヘキサン、等の脂環式炭化水
素;ベンゼン、トルエン、キシレン、等の芳香族炭化水
素;等を挙げることができる。上記例示の不活性有機溶
媒のなかではトルエンがより好ましい。
懸濁させるための上記懸濁剤は特に限定されるものでは
ないが、例えば、グリセロールパルミテート、グリセロ
ール(モノ)ステアレート、グリセロールオレエート、
グリセロールリノレエート等の脂肪酸グリセリドに代表
されるカルボン酸グリセリド;ソルビタンモノパルミテ
ート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオ
レエート等のソルビタンエステル類;等を挙げることが
できる。
上記不活性有機溶媒中で安定に保つために、通常、沈澱
防止剤を用いることがより好ましい。このような沈澱防
止剤としては、逆相懸濁重合に用いられる周知の沈澱防
止剤を挙げることができる。より具体的には、澱粉;ゼ
ラチン;エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリ
ビニルアルコール;等が挙げられ、なかでも、エチルセ
ルロール、ポリビニルアルコールがより好適である。
れる架橋剤としては、具体的には、例えば、エピクロロ
ヒドリン、各種のジエポキシ化合物等のエポキシ化合
物;1,4−ジクロロブタン、1,2−ビス(2クロロ
エトキシ)エタン等のジクロロ化合物;1,2−ジブロ
モブタン、1,4−ジクロロブタン等のジブロモ化合
物;グリオキザール、グルタルアルデヒド等のジアルデ
ヒド化合物;等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。前記ポリジアリルアミン誘導体のアルカリ中和
物に対しては、上記例示の架橋剤の中でも特にエピクロ
ロヒドリンを用いることで望ましい架橋構造を形成する
ことが可能である。
および沈澱防止剤の使用量等は特に限定されるものでは
ない。また、架橋構造を形成する反応における反応温度
等も特に限定されるものではないが、該反応温度として
は、40℃〜90℃の範囲内が好適である。
の上記一般式(5)で表される構造単位を少なくとも1
つ有する高分子架橋体を上記の製造方法により得る場
合、得られた高分子架橋体に対し、必要に応じて、「無
機塩」が可溶な極性溶媒を用いて洗浄することも可能で
ある。これにより、より高いイオン交換容量および強度
を有する塩基性高分子架橋体を得ることが可能となる。
リルアミン誘導体に含まれるジアリルアミン塩酸塩部分
をアルカリ中和することにより生成する無機塩を指す。
例えば上記アルカリ中和を水酸化ナトリウム(NaO
H)を用いて行う場合には、無機塩とは塩化ナトリウム
(NaCl)を指す。
溶媒は、無機塩の種類によって異なるが、一般には、
水;メチルアルコール、グリセリン等の親水性アルコー
ル類;ジメチルホルムアミド;ジメチルアセトアミド;
ジメチルスルホキシド;N−メチルピロリドン;等を挙
げることができる。より具体的には、上記無機塩がNa
Clの場合、極性溶媒としては、水、グリセリン、メチ
ルアルコール等が好ましく、溶解性の観点から、これら
の中でも水が最も好ましい。
を少なくとも1つ有する高分子架橋体の製造方法は、特
に上記説明の製造方法に限定されるものではなく、製造
方法の他の例として、例えば、一般式(15)
て炭素数1〜10のアルキル基を表し、R45およびR46
はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、メチル
基、またはエチル基を表し、Y- はハロゲン化物イオ
ン、水酸化物イオンまたは有機酸、無機酸のアニオンを
表す)で表される単量体と、一般式(16)
分を、懸濁重合する方法を挙げることができる。
6)で表される単量体は、ジアリルアミノ基を同一分子
内に2つ含み、前記した3級アミン構造の形成に寄与す
る含窒素架橋剤であり、架橋構造が形成されるべき高分
子化合物(重合体)の形成に寄与するとともに、それぞ
れのジアリルアミノ基側に形成された高分子化合物同士
を架橋する架橋剤としても機能する。
ては、具体的には、N,N,N’,N’−テトラアリル
−1,4−ジアミノブタン、N,N,N’,N’−テト
ラアリルジアミノエタン等が挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。
例えば、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノ
プロパン、1,2−ジアミノブタン、1,4−ジアミノ
ブタン、1,9−ノナンジアミン、イミノ−ビス−プロ
ピルアミン、メチルイミノ−ビス−プロピルアミン、
N,N’−ビス−アミノプロピル−1,3−プロピレン
ジアミン、N,N’−ビス−アミノプロピル−1,4−
ブチレンジアミン、ビス−(3−アミノプロピル)エー
テル、1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタ
ン、1,3−ビス−(3−アミノプロピル)−2,2−
ジメチルプロパン、α,ω−ビス−(3−アミノプロピ
ル)−ポリエチレングリコールエーテル、ビス(アミノ
プロピル)ピペラジン、2,3−ジアミノピリジン、
2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジ
ン、2,6−ジアミノ−4−メチル−ピリジン、等のジ
アミンをテトラアリル化することにより容易に得ること
ができる。
前記一般式(2)中のZ、および一般式(5)中のWの
例示の中で用いられる、kまたはnまたはmで示される
繰り返し単位は、製法上、特に限定されるものではない
が、これらの値が大きくなればなるほど架橋点間距離が
大きくなり、架橋体の膨潤度は大きくなる傾向にある。
このため、取り扱い性、並びに、イオン交換能や触媒作
用の性能から見て、上記k、n、mは、0以上、14以
下の整数であることが望ましく、0以上、4以下の整数
であることがより望ましい。
物、すなわち、上記一般式(5)で表される構造単位を
少なくとも1つ有する高分子架橋体の原料として用いら
れ、該一般式(5)で表される構造単位を少なくとも1
つ有する高分子架橋体が含有する3級アミンおよび/ま
たは4級アンモニウム塩を構成する上記ジアリルジアル
キルアンモニウム塩としては、特に限定されるものでは
ないが、R43、R44で示される置換基がメチル基であ
り、Y- で示されるカウンターアニオンが塩化物イオン
である化合物、すなわち、ジアリルジメチルアンモニウ
ムクロライドが特に好ましい。
記一般式(16)で表される単量体との使用割合は、最
終的に得られる高分子架橋体に所望されるイオン交換
能、活性水素の活性化触媒能や、耐熱分解性などに応じ
て設定すればよく、特に限定されるものではないが、一
般式(15)で表される単量体と一般式(16)で表さ
れる単量体とのモル比が、0.70:0.30〜0.9
0:0.10の範囲内となるように設定されることが好
適である。
一般式(15)、一般式(16)で表される単量体と共
重合可能な共重合性単量体を、得られる高分子架橋体の
性能を阻害しない範囲内で含んでいてもよい。該共重合
性単量体としては、具体的には、例えば、スチレン、エ
チレン、ビニルエーテル類等を挙げることができる。こ
れら共重合性単量体は、必要に応じて、一種類のみを用
いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。尚、
単量体成分に占める上記共重合性単量体の割合は、特に
限定されるものではない。
される構造単位を少なくとも1つ有する高分子架橋体を
製造する場合における具体的な製造方法、すなわち、上
記の単量体成分を懸濁重合させる際の重合条件として
は、前記一般式(3)、一般式(4)で表される単量体
を含む単量体成分を懸濁重合させる際と同様に設定する
ことができる。尚、この場合の分散媒、懸濁剤、沈澱防
止剤、重合開始剤などの使用量や、上記重合反応を行う
際の反応温度、反応圧力、反応時間などの反応条件は、
上記重合反応が完結するように適宜設定すればよく、特
に限定されるものではない。
られる塩基性単量体の濃度、例えば一般式(15)・
(16)で表される単量体の濃度は特に限定されない
が、好ましくは30〜80重量%の範囲内であり、より
好ましくは50〜60重量%の範囲内である。これによ
り、塩基性単量体を重合して得られる塩基性架橋体の見
かけ比重を充分に高めることができ、強度が大きく、イ
オン交換能や触媒能に優れた塩基性架橋体を得ることが
できる。塩基性単量体の濃度が30重量%未満である
と、見かけ比重を充分に高くすることができないため、
イオン交換能や触媒能、強度が小さくなる。一方、塩基
性単量体の濃度が80重量%を超えると、塩基性単量体
溶液の濃度の調整が困難であったり、塩基性単量体を懸
濁重合にて粒子化する際に塩基性単量体の液滴を安定し
て懸濁させることが困難であったりする等、塩基性架橋
体が造粒しにくくなる。
前記一般式(1)または一般式(2)で表される架橋構
造を有する各高分子架橋体は、その架橋点の構造、特
に、前記した架橋部位の構造により、優れた耐熱分解性
が付与されている。従って、これら高分子架橋体が有す
る3級アミンや、4級アンモニウム塩等の脱離(熱分
解)を防ぐことができる。
架橋体の熱分解温度の程度を示し、耐熱分解性が高い
(または向上されている)とは、上記高分子架橋体の熱
分解温度が、従来一般の高分子架橋体と比較して高い
(または向上されている)ことを意味する。また、高分
子架橋体の熱分解温度とは、高分子架橋体を熱分析測定
装置を用いて窒素気流中で5℃/minで加熱昇温する
際に、熱重量分析−示差熱分析(TG−DTA)曲線に
より求められる、高分子架橋体の分解に伴う吸熱ピーク
温度を指すものとする。
(2)で表される架橋構造を少なくとも1つ有する高分
子架橋体は、例えば、イオン交換反応におけるイオン交
換物質(イオン交換体)として、また、活性水素を活性
化する反応における活性化用触媒として、好適に使用さ
れる。さらに、該高分子架橋体の有する架橋部位の構造
によって、その熱分解温度を300℃以上とすることが
可能であり、高分子架橋体が有する3級アミンや、4級
アンモニウム塩等の脱離(熱分解)を防ぐことができ
る。よって、幅広い温度条件下で長期間にわたり好適に
使用されることが可能で、その用途を大きく広げること
ができる。
合物の活性水素の活性化用触媒(活性水素活性化用触
媒)として使用される場合、通常、高い反応温度に耐え
うることが必要となるが、該高分子架橋体は耐熱分解性
に優れているため、長期間にわたり好適な触媒活性を示
すこととなる。尚、言うまでもないが、該高分子架橋体
は架橋構造を有しているため、イオン交換反応や、活性
水素を活性化する反応において、反応溶液中に溶出等す
るおそれがない。
の反応に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるも
のではない。本発明で触媒として用いられる高分子架橋
体は、公知の方法で様々の形状・サイズに成形すること
ができ、その中でも、触媒としての機能を有効に発揮さ
せる上で好ましいサイズ・形状は100μm〜10mm
の粒状である。上記高分子架橋体は、必要により塊状、
粉末状、繊維状、膜状等に成形して使用することもでき
る。また、上記高分子架橋体を用いた反応は、撹拌回分
式反応器または固定床もしくは流動床反応器等を用いて
行うことができ、反応方式もバッチ式および連続式の如
何を問わない。さらに、該触媒反応とその反応で得られ
た反応物の精製を効率的に行う反応蒸留にも使用可能で
あり、プロセスによってその使用方法を何ら制限される
ものではない。
ては、イオン交換樹脂、イオン交換膜など、種々の形態
として用いることができる。本発明におけるイオン交換
反応とは、より具体的には陰イオンの交換反応を示す。
すなわち、上記高分子架橋体が含有する3級アミンまた
は4級アンモニウム塩がイオン交換基として機能し、該
イオン交換基の有する水酸化物イオン、ハロゲンイオ
ン、並びに、有機酸または無機酸のアニオンが、他の陰
イオンと交換される。
する」とは、本発明の高分子架橋体が有する窒素原子
(3級アミン、4級アンモニウム塩に由来するもの、ま
た場合によっては前記4級アンモニウム塩構造に由来す
るもの)により、活性水素が活性化されることを示す。
4級アンモニウム塩は脂肪族アミンよりも酸化的分解を
受けにくいことが一般に知られている。よって、高分子
架橋体の耐熱分解性の観点においては、高分子架橋体が
有する3級アミン、または、4級アンモニウム塩が、環
状の3級アミン、または、環状の4級アンモニウム塩で
あることがより好ましい。例えば、前記一般式(1)ま
たは(2)で表される架橋構造を少なくとも1つ有する
上記の高分子架橋体が有する4級アンモニウム塩が、前
記一般式(13)で表される構造単位を有していること
が好ましい。
は、化合物が有する全水素原子のうち、所望の反応に関
与する水素原子を示す。従って、上記の活性水素は、特
に限定されるものではないが、ヘテロ原子を含まない有
機化合物中の炭素原子に直接結合した水素原子よりも反
応性が高い水素原子であることが好ましい。上記活性水
素としては、具体的には、例えば、ヘテロ原子に直接結
合した水素原子;電子吸引基に隣接する炭素に結合した
水素原子(α−水素原子);置換芳香族を構成する水素
原子;アルデヒドやカルボン酸等の官能基を構成する水
素原子が挙げられる。また、上記ヘテロ原子に直接結合
した水素原子としては、具体的には、例えば、−NH2
基、−CONH基、−OH基、−SH基等の官能基を構
成する水素原子が挙げられる。また、電子吸引基に隣接
した炭素に結合した水素としては、例えば、カルボニル
化合物のα位の水素原子等が挙げられる。
物とは、上記活性水素を有する化合物を示す。尚、活性
水素含有化合物は、活性水素を複数有していてもよい。
また、活性水素含有化合物が活性水素を複数有している
場合において、これら活性水素の種類は、互いに同一で
あってもよく、互いに異なっていてもよい。
性化とは、該活性水素含有化合物から、上記活性水素を
引き抜く(或いは、より解離し易くする)こと、即ち、
活性水素含有化合物が有する活性水素の活性化を意味す
る。つまり、本発明にかかる上記一般式(1)または
(2)で表される架橋構造を少なくとも1つ有する高分
子架橋体は、活性水素含有化合物から、活性水素を引き
抜くか、或いは活性水素をより解離し易くすることによ
って求核付加させる、活性水素の活性化を伴う種々の反
応に好適に用いることができる。
素含有化合物の活性化を伴う種々の反応例、即ち、上記
高分子架橋体を活性水素活性化用触媒として好適に用い
ることができる種々の反応例を以下に示す。但し、以下
の反応例は、上記高分子架橋体を活性水素活性化用触媒
として適用可能な反応の一例であって、以下の反応にの
み限定されるものではない。尚、以下の反応例(反応
式)中のR、R1 、R2は各々独立して水素原子または
アルキル基等の有機残基を表し、Arはアリール基を表
し、XはF、Cl、Br、I等のハロゲン原子を表し、
AはO、S、またはNHを表す。
する反応としては、例えば、
類(第1アミン類または第2アミン類)への環状ヘテロ
化合物(例えばエチレンオキサイド、エチレンイミン、
エチレンスルフィド等)の付加反応;
ミン類または第2アミン類)からアミドへの変換反応;
解反応;
ヘテロ化合物の付加反応、より具体的には、例えば、ピ
ロリドン、イソシアヌル酸へのエチレンオキサイドの付
加反応;
環状ヘテロ化合物の付加反応;
ル類(第1アルコール類、第2アルコール類、または第
3アルコール類)への環状ヘテロ化合物の付加反応、具
体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、も
しくはブタノールへの、エチレンオキサイドやプロピレ
ンオキサイド等のオキシラン化合物の付加反応;
1アルコール類、第2アルコール類、または第3アルコ
ール類)とハロゲン化水素との反応、より具体的には、
例えば、イソプロピルアルコールと濃臭化水素とから臭
化イソプロピルを合成する上記の反応;
1アルコール類、第2アルコール類、または第3アルコ
ール類)を用いたエステルの合成反応;
1アルコール類、第2アルコール類、または第3アルコ
ール類)の酸化反応;
体的には、フェノール、ハイドロキノン、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、BHPF
(ビスヒドロキシフェニルフルオレン)、ジヒドロキシ
ジフェニルメタン等)への環状ヘテロ化合物の付加反
応;
ロゲン化アルキルとからエーテル類を合成する反応(ウ
ィリアムソン(Williamson)合成反応)、より具体的に
は、例えば、p−クレゾールと臭化p−ニトロベンジル
とからp−ニトロベンジル−p−トリルエーテルを合成
する上記の反応;
いたエステルの合成反応、より具体的には、例えば、p
−ニトロフェノールと無水酢酸とから酢酸p−ニトロフ
ェニルを合成する上記の反応、あるいは、o−ブロモフ
ェノールと塩化p−トルエンスルホニルとからo−ブロ
モフェニル−p−トルエンスルホン酸を合成する上記の
反応;
チオール類、第2チオール類、または第3チオール類)
への環状ヘテロ化合物の付加反応;
への環状ヘテロ化合物の付加反応;等が挙げられる。
尚、ヘテロ原子に直接結合した水素原子が関与する反応
は、上記例示の反応にのみ限定されるものではない。
合した水素原子が関与する反応としては、例えば、
ン化反応、より具体的には、例えば、シクロヘキサノン
に臭素原子を導入する上記の反応;
応、より具体的には、例えばアセトアルデヒドから3−
ヒドロキシブタナールを合成する上記の反応や、アセト
ンからジアセトンアルコールを合成する上記の反応、
合反応、
noevenagel) 縮合反応、
応、
g)反応等の、カルボニル化合物(ケトン類)への各種求
核付加反応;
n) 縮合反応等の、ケトン類への求核アシル置換反応;
ルボニル化合物(ケトン類)への付加反応(マイケル(M
ichael) 付加反応);等が挙げられる。尚、電子吸引基
に隣接する炭素原子に結合した水素原子が関与する反応
は、上記例示の反応にのみ限定されるものではない。
関与する反応としては、例えば、
ン(Reimer-Tiemann)反応;
(Friedel-Crafts)アシル化反応;等が挙げられる。尚、
置換芳香族を構成する水素原子が関与する反応は、上記
例示の反応にのみ限定されるものではない。
を構成する水素原子が関与する反応としては、例えば、
体的には、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸、プロピオ
ン酸等)への環状ヘテロ化合物(具体的には、エチレン
オキサイド、プロピオンオキサイド等)の付加反応、よ
り具体的には、工業的に重要な反応として知られる、
(メタ)アクリル酸とエチレンオキサイドとから(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステルを合成する反
応や、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル
を合成する反応;
への環状ヘテロ化合物の付加反応;
アルコールの付加反応;
(Cannizzaro)反応、より具体的には、n−ブチルホル
ムアルデヒドにホルムアルデヒドを2回、アルドール縮
合させた後、カニッツァーロ反応を行うことでトリメチ
ロールプロパンを製造する反応;等が挙げられる。尚、
アルデヒドやカルボン酸等の官能基を構成する水素原子
が関与する反応は、上記例示の反応にのみ限定されるも
のではない。
性水素含有化合物中の活性水素の活性化を伴う反応のな
かでも、フェノール類、アミド類、水、アルコール類、
カルボン酸類、マロン酸、シアノ酢酸およびそのエステ
ルからなる群より選ばれる活性水素含有化合物に、環状
ヘテロ化合物(好適にはオキシラン化合物、特に好適に
はエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド)または
アルデヒド類を付加反応させる反応;マンニッヒ反応;
芳香族化合物のアルキル化反応;特公昭41−1301
9号公報に記載の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアル
キルエステル化反応;シアノヒドリン生成反応;シアノ
エチル化反応;等により好適に用いられる。これらの中
でも、水、アルコール類、カルボン酸類、およびそのエ
ステルからなる群より選ばれる活性水素含有化合物(特
に好適には水、炭素数1〜6のアルコール類、(メタ)
アクリル酸)に、オキシラン化合物(特に好適にはエチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド)を付加反応さ
せる反応により好適に用いられる。
は、活性水素含有化合物中の活性水素の活性化を伴う種
々の反応における活性水素の活性化用樹脂触媒として好
適に供することができる。
合物とを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レートを製造する方法であって、触媒として本発明の高
分子架橋体を使用するヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートの製造方法について説明する。ここで(メタ)
アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸を表
し、(メタ)アクリレートとはアクリレートまたはメタ
クリレートを表す。
物は、炭索数が好ましくは2〜6、より好ましくは2〜
4のアルキレンオキシドであり、代表例としては、エチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド
が挙げられる。アルキレンオキシドは、(メタ)アクリ
ル酸に対して等モル以上、好ましくは1.0〜5.0倍
モルの範囲で用いられ、この反応は通常50〜130
℃、好ましくは50〜100℃の温度範囲内で行われ
る。反応温度が50℃未満では、反応速度が遅すぎて実
用的でなくなるおそれがあり、また、130℃を超える
高温になると、反応原料や反応生成物が重合反応を起こ
し易くなるので好ましくない。
行われ、該圧力は反応混合物を液相に保つのに充分な圧
力を採用することが望ましい。また反応を行う際の雰囲
気条件は特に制限されないが、窒素等の不活性雰囲気下
で行うのがよい。この反応に際し、(メタ)アクリル酸
およびそのエステルの重合を防止する目的で通常は重合
防止剤が使用されるが、その種類にも格別の制限はな
く、この種の反応に一般に用いられる重合防止剤を適宜
選択して使用すればよい。
イドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ジ
ブチルジチオカルバミン酸銅等が例示される。該重合防
止剤の使用量は、通常、(メタ)アクリル酸に対して
0.001重量%以上、より好ましくは0.01重量%
以上で、1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以
下である。また、この反応は溶剤の存在下に行うことも
できる。溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル等、上記反応に
不活性の溶剤が適宜選択して使用される。
媒として一般式(1)または一般式(2)で表される架
橋構造を少なくとも1つ有する高分子架橋体を共存させ
ることにより、その作用効果を充分に発揮して、工業製
品として有用なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
トを高い収率で効率よく得ることができる。
ートとしては、例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル
(HEA)、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEM
A)、アクリル酸ヒドロキシプロピル(HPA)、メタ
クリル酸ヒドロキシプロピル(HPMA)が特に好適で
ある。
れるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、本発
明の好ましい実施形態の1つである。
てグリコール類を製造する方法であって、触媒として本
発明の高分子架橋体を使用するグリコール類の製造方法
について説明する。
本発明の高分子架橋体が合成用触媒となり、その作用効
果を充分に発揮して、工業製品として有用なグリコール
類を製造することが可能である。
レングリコールが特に好適である。本発明の高分子架橋
体の使用により製造されるグリコール類は、本発明の好
ましい実施形態の1つである。
基を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、エ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド、イソブチレ
ンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−
ブチレンオキサイド、ペンチレンオキサイド等の脂肪族
アルキレンオキサイド;スチレンオキサイド等の芳香族
アルキレンオキサイド;シクロヘキセンオキサイド等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。これらの中でも、炭素数が2〜3の脂
肪族アルキレンオキサイド、すなわち、エチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイドが好ましい。より好ましく
は、エチレンオキサイドである。従って、本発明のグリ
コール類の製造方法は、エチレンオキサイドと水とを反
応させてエチレングリコールを製造する際に最も好適に
適用されることとなる。
ン化合物と水との比率としては特に限定されず、例え
ば、水/オキシラン化合物のモル比を1/1〜20/1
とすることが好ましい。オキシラン化合物に対する水の
モル比が1未満であると、モノグリコール類を選択性よ
く製造しようとするときに、ジグリコール類、トリグリ
コール類等の副生物の生成量が増加し、モノグリコール
類の選択性が低下するおそれがある。オキシラン化合物
に対する水のモル比が20を超えると、生成物を得た後
の精製工程により、反応に用いた過剰の水を多大なエネ
ルギーを用いて除去するブロセスが必要となるため、ユ
ーティリティー削減効果が見込めず、プロセス的に好ま
しくなくなるおそれがある。プロセス的により好ましく
は上記モル比が1/1〜10/1、さらに好ましくは1
/1〜7/1の範囲内であり、モノグリコール類を高い
選択率で得るためには、上記モル比が5/1〜20/1
の範囲内であることがより好ましく、7/1〜20/1
の範囲内であることがより一層好ましい。
るカウンターアニオンとしては特に限定されず、例え
ば、上述したアニオンと同様のもの等が挙げられる。こ
れらカウンターアニオンは、高分子架橋体中に1種のみ
含まれていても、2種以上含まれていてもよい。これら
カウンターアニオンの中でも、炭酸水索イオン、亜硫酸
水素イオン、ギ酸イオン、モリブデン酸イオンが好まし
く、炭酸水素イオン、ギ酸イオンがより好ましく、炭酸
水素イオンが最も好ましい。従って、本発明のグリコー
ルの製造方法においては、カウンターアニオンが、炭酸
水索イオンを必須とすることが好ましい。これにより、
触媒活性がより向上し、モノグリコール類の選択性がよ
り向上することとなる。
は特に限定されず、例えば、オキシラン化合物と水との
反応後に反応溶液からの分離が容易となることから、粉
末状、固形状であることが好ましい。
て、高分子架橋体の使用量や反応装置への供給方法、反
応後に高分子架橋体を反応溶液から分離する方法として
は、本発明の製造方法が行われる形態等に応じて適宜設
定すればよく、特に限定されるものではない。また、反
応条件としては特に限定されず、例えば、反応温度は8
0〜200℃であることが好ましい。80℃未満である
と、反応速度が遅くなり、単位時間当たりの収率が低く
なるおそれがある。200℃を超えると、モノグリコー
ル類の選択性が低くなるおそれがある。より好ましく
は、80〜160℃であり、さらに好ましくは、90〜
140℃である。反応圧力は、0.1〜5MPaである
ことが好ましい。より好ましくは、0.15〜3MPa
であり、さらに好ましくは、0.2〜2MPaである。
化炭索や、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスの
存在下に行うこともでき、カウンターアニオンが炭酸水
素イオン、ヒドロキシイオン、塩素イオン、臭素イオ
ン、ヨウ素イオンである場合には、二酸化炭素の存在下
に行うことが好ましい。これらの中でも、カウンターア
ニオンに炭酸水素イオンを使用した場合、製造時におけ
る触媒活性の維持、アニオンのロスを考慮して、二酸化
炭索の実質的存在下で行うことが好ましい。実質的存在
下とは、意図的に除去しない、二酸化炭素ガスを気相部
若しくは液相部に添加する、または、重炭酸塩、炭酸塩
を使用することを意味する。この際、系中に添加される
二酸化炭素ガスは、例えば、オキシラン化合物、水、二
酸化炭素等の触媒が除かれた原料フィード中、二酸化炭
素含有量が0.1重量%以上である。また、系中に添加
される重炭酸塩、炭酸塩は、固体でも溶液の状態でもよ
く、例えば、水溶液中の重炭酸イオン、炭酸イオンが
0.01〜15重量%、さらに好ましくは、0.2〜5
重量%であることが好ましい。重炭酸塩、炭酸塩は、例
えば、カリウムやナトリウムのアルカリ金属との塩等が
挙げられる、また、本発明の作用効果を奏することにな
る限り、反応原料であるオキシラン化合物と水や、高分
子架橋体以外の成分として、例えば、他の触媒等を必要
に応じて添加してもよい。
ては特に限定されず、各種のグリコール類が挙げられる
が、本発明では1分子のオキシラン化合物と水とが反応
して生成するモノグリコール類を選択性と生産性とを両
立させて製造することが可能である。例えば、オキシラ
ン化合物としてエチレンオキシドを用いる場合には、ジ
エチレングリコールやトリエチレングリコール等の余剰
副生成物を抑制してモノエチレングリコールの選択性を
向上させることが可能であり、また、水の使用量を抑制
してエチレンオキシドの濃度を高くしてもモノエチレン
グリコールを選択性よく製造することが可能である。こ
のように製造されるモノグリコール類はそのまま用いて
もよく、精製等の操作を施してもよいが、モノグリコー
ル類の選択性が優れるために、そのまま工業用途に用い
ることができる。
テル類の製造方法においても好適に適用される。すなわ
ち、水の場合と同様にオキシラン化合物と水酸基含有化
合物とを反応させてグリコールエーテル類を製造する場
合にも好適に使用される。
るものではなく、メタノール、エタノール、n−プロパ
ノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタ
ノール、tert−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロ
ヘキサノール、n−オクタノール、n−ドデカノール、
ベンジルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ等の脂肪族一価アルコール;エチレングリコール、
プロピレングリコール、キシリレングリコール、シクロ
ヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等の脂肪族二価アルコール;フェ
ノール、メチルフェノール、ハイドロキノン、レソシノ
ール、カテコール等のフェノール類;等が挙げられる。
そのなかでも、特に、炭素数1〜6の脂肪族一価アルコ
ール、フェノール類が好ましい。
て、反応原料となるオキシラン化合物と水酸基含有化合
物との比率としては特に限定されるものではないが、例
えば、水酸基含有化合物/オキシラン化合物のモル比を
1/1〜20/1の範囲内とすることが好ましく、1/
1〜10/1の範囲内とすることがより好ましく、2/
1〜7/1の範囲内とすることがさらに好ましく、3/
1〜5/1の範囲内とすることが最も好ましい。オキシ
ラン化合物に対する水酸基含有化合物のモル比が1未満
であると、グリコールエーテル類を選択性よく製造しよ
うとするときに、ジグリコールエーテル類、トリグリコ
ールエーテル類等の副生物の生成量が増加し、所望のグ
リコールエーテル類の選択性が低下するおそれがある。
逆に、オキシラン化合物に対する水酸基含有化合物のモ
ル比が20を超えると、生成物を得た後の精製工程によ
り、反応に用いた過剰の水酸化物を多大なエネルギーを
用いて除去するプロセスが必要となるため好ましくな
い。
ル類としては特に限定されず、各種のグリコールエーテ
ル類が挙げられるが、本発明では1分子のオキシラン化
合物と水酸基含有化合物とが反応して生成するグリコー
ルエーテル類を選択性と生産性とを両立させて製造する
ことが可能である。
テル類はそのまま用いてもよく、精製等の操作を施して
もよいが、グリコールエーテル類の選択性が優れるため
に、そのまま工業用途に用いることができる。
は、オキシラン化合物と水酸基含有化合物とを本発明の
高分子架橋体の存在下で反応させて行うことになるが、
上記高分子架橋体の耐熱性が優れることから、触媒活性
か安定的に保持されて無着色で高品質のグリコールエー
テル類を生産性よく製造することができ、しかも、モノ
グリコールエーテル類を選択性と生産性とを両立させて
製造することができることになる。また、上記高分子架
橋体を上述したように粒状粒子とすると、生成物から分
離することが容易となることから、工業的な製造方法と
して好適となる。
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。尚、特に言及しない限り、以下
の各実施例において、「%」とは「重量%」を示す。
備えた反応容器に炭酸カリウム71.7g(519mm
ol)を水75mlに溶解してなる炭酸カリウム水溶液
を仕込んだ。次に、この炭酸カリウム水溶液に、一般式
(17)
プロパン50.0g(238mol)を室温で添加し
た。尚、この時点で1,3−ジ(4−ピペリジル)プロ
パンは上記炭酸カリウム水溶液に溶解せず、攪拌は困難
であった。このため、続いて、上記炭酸カリウム水溶液
に、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)150m
lを添加し、さらに、アリル化剤としてのアリルクロラ
イド40.1g(524mmol)を30分間かけて滴
下した。滴下中、発熱が見られたため、上記反応容器を
氷水バスに浸け、上記反応容器中の溶液の温度を20℃
〜25℃に保持し、その後、同温度で24時間反応させ
た。続いて、この反応液を、水1Lに投入し、酢酸エチ
ル500mlで2回抽出した。その後、酢酸エチル相を
500mlの水と500mlの飽和食塩水とにより洗浄
し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた。続い
て、溶媒を留去後、142℃〜144℃、53.3Pa
にて減圧蒸留することにより、反応生成物として、一般
式(18)
質の同定は 1H−NMR並びにガスクロマトグラフィー
(GC)により行った。GCの測定には、株式会社島津
製作所製のガスクロマトグラフ装置(商品名:GC−1
7A型ガスクロマトグラフ装置)を使用し、カラムは、
J & W Scientific社製のキャピラリーカラム( 商品名:
DB−1、長さ30m、径0.25mm)を用いた。ま
た、インジェクション温度は250℃であり、カラム温
度は200℃〜300℃(10℃/分昇温)とした。キ
ャリアガスには、ヘリウム(He)を使用し、その流量
は1.0kg/cm2 とした。
を図1に、ガスクロマトグラムを図2にそれぞれ示す。
また、上記第1工程における反応を以下に示す。得られ
た反応生成物、すなわち、上記一般式(18)で表され
る化合物の収率は85%であった。
れた反応生成物、すなわち、上記一般式(18)で表さ
れる化合物52.3g(180mmol)と、アリル化
剤としてのアリルクロライド41.3g(540mmo
l)と、溶媒としてのアセトン400mlを1Lオート
クレーブに仕込み、87℃で72時間反応させた。
た結晶を濾過により取り出し、アセトン1Lで洗浄し
た。続いて、得られた結晶を真空乾燥することにより、
反応生成物76.1gを得た。このようにして得た反応
生成物について、 1H−NMRを測定することにより、
物質の同定を行った。その結果、上記反応生成物が、一
般式(19)
パニウムジクロライド、すなわち、本発明にかかる新規
な架橋剤であることを確認した。上記反応生成物の 1H
−NMRのチャートを図3に、上記第2工程における反
応を以下にそれぞれ示す。得られた反応生成物、すなわ
ち、上記一般式(19)で表されるテトラアリルジピペ
リジルプロパニウムジクロライドの収率は95%であっ
た。
ムクロライド(DADMAC)の65重量%水溶液(ア
ルドリッチ社製)8.35g、含窒素架橋剤としての
N,N,N’,N’−テトラアリルジピペリジルプロパ
ニウムジクロライド(TADPPC)1.65g、アゾ
系開始剤としての2,2’−アゾビス(2−アミジノプ
ロパン)二塩酸塩(和光純薬工業株式会社製;商品名
「V−50」)80mg、および水0.6gを耐圧ガラ
スビン中で混合して溶解させた(単量体濃度66.3
%、DADMAC/TADPPC=90/10mol
%)。次に、上記耐圧ガラスビンを55℃で4時間、続
いて75℃で2時間加熱し、上記単量体成分の重合反応
を行った。
られた重合反応生成物を取り出した。次いで、該重合反
応生成物を100mlのメチルアルコールで3回洗浄し
た後、60℃で1晩減圧乾燥した。これにより、生成し
た高分子架橋体の乾燥体を、収率100%で、本発明に
かかる前記一般式(1)で表される架橋構造を有する高
分子架橋体Aとして得た。上記高分子架橋体Aを試料と
し、その熱分解温度を前記した方法により測定したとこ
ろ386℃であった。
橋体Aを活性水素(α−水素原子)を活性化する活性化
用触媒として用いたカルボン酸類への環状ヘテロ化合物
の付加反応として、アクリル酸のヒドロキシプロピル化
反応を行った。
えた反応容器に、アクリル酸(カルボン酸類)とプロピ
レンオキシド(環状ヘテロ化合物、オキシラン化合物)
とを、アクリル酸に対するプロピレンオキシドの仕込み
量が、モル比で1.2倍となるように仕込んで反応溶液
とした。次に、この反応溶液に、実施例2で得られた高
分子架橋体Aを、アクリル酸に対して10重量%添加し
た。その後、該反応液を攪拌しながら、70℃で4時間
反応させることにより、アクリル酸のヒドロキシプロピ
ル化を行った。
た濾液をガスクロマトグラフィーにより分析した。その
結果、アクリル酸の転化率は77.8%であり、アクリ
ル酸1分子にプロピレンオキシドが1分子付加した付加
体(反応生成物)の選択率は87.0%であり、アクリ
ル酸1分子にプロピレンオキシドが2分子付加した付加
体(反応副生成物)の選択率は8.9%であった。尚、
反応基質である上記アクリル酸の転化率、及び、反応生
成物や反応副生成物の選択率は、以下の定義に従って求
めた。
応基質のモル数/供給した反応基質のモル数)×100 反応生成物(または反応副生成物)の選択率(%)=
(反応生成物(または反応副生成物)に転化した反応基
質のモル数/消費された反応基質のモル数)×100 上記の結果より、実施例2で得られた高分子架橋体A
は、カルボン酸類への環状ヘテロ化合物の付加反応であ
るアクリル酸のヒドロキシプロピル化反応の触媒として
作用することが判った。
橋体Aを用いて、その陰イオン交換能の有無を確認し
た。具体的には、ビーカー中に約0.01N水酸化ナト
リウム水溶液(pH=11.83、24℃)10mlお
よび上記高分子架橋体Aを200mg仕込み、30分間
攪拌した。その結果、ビーカー中の水溶液のpHは1
1.46(23℃)に下がった。これは、上記高分子架
橋体Aのアニオンである塩化物イオンと、上記水酸化ナ
トリウム水溶液中のアニオンである水酸化物イオンとが
交換し、結果としてpHが下がったものである。以上の
結果から、上記高分子架橋体Aは、陰イオン交換能を有
することが明らかとなった。
ムクロライドとジアリルアミン塩酸塩との含有率(モル
比)が約70:30で、かつ、その分子量が約15万の
線状の高分子共重合体(高分子化合物の前駆体)を固形
分として42%含んでなる0.3重量%水酸化ナトリウ
ム水溶液119.0gと、8.2%水酸化ナトリウム水
溶液47.5gとを混合し、pH12.5の高分子化合
物前駆体水溶液を調製した。尚、該高分子化合物前駆体
水溶液中において上記線状の高分子共重合体は、水酸化
ナトリウムによりアルカリ中和されている。
び還流冷却器を備えた容量1Lのセパラブルフラスコ
に、分散媒(不活性有機溶媒)としてのトルエン500
ml、懸濁剤としてのソルビタンモノパルミテート(和
光純薬工業株式会社製;ICI社商標「Span60」
相当品)1.25g、および沈澱防止剤としてのエチル
セルロース(和光純薬工業株式会社製;abt.49%、et
hoxy45cp)1.25gを仕込んだ。そしていかり型
攪拌翼を回転数200rpmで回転させながら、上記高
分子化合物前駆体水溶液を分散媒中に穏やかに混合・懸
濁(分散)して懸濁液を調製し、40℃で1時間保持し
た。続いて、この懸濁液に、架橋剤としてのエピクロロ
ヒドリン(和光純薬工業株式会社製;特級)4.52g
を1時間かけて滴下後、90℃に昇温して4時間反応さ
せた。
ンをデカンテーションにて除去した後、濾過することに
より、ポリマービーズを得た。得られたポリマービーズ
は、メタノール(極性溶媒)600mlで3回洗浄した
後、60℃で1晩減圧乾燥した。これにより、3級アミ
ン架橋体としての高分子架橋体Bの乾燥体46.0gを
得た。
とメタノール31.8gとを100mlの4つ口フラス
コに投入し、上記高分子架橋体Bの乾燥体をメタノール
にて30分間膨潤させた。続いて、この膨潤した高分子
架橋体Bに4級化剤としてのヨウ化メチル(和光純薬工
業株式会社製;特級)13.6gをゆっくり滴下し、上
記4つ口フラスコ内の温度を45℃に6時間保持するこ
とにより、上記高分子架橋体Bにおける架橋部位の3級
アミンの4級化反応を行った。
液を濾過することによりポリマービーズを取り出し、該
ポリマービーズをメタノール100mlで3回洗浄した
後、60℃で1晩減圧乾燥することにより、本発明にか
かる前記一般式(2)で表される架橋構造を有する高分
子架橋体Cとして、前記高分子架橋体Bを4級化してな
る高分子架橋体7.5gを得た。元素分析のC/N比よ
り、3級アミンのメチル化が確認された。また、上記高
分子架橋体Cを試料とし、その熱分解温度を前記した方
法により測定したところ312℃であった。
橋体Cを活性化用触媒として用いて、実施例3と同様に
してアクリル酸のヒドロキシプロピル化反応を行った。
その結果、アクリル酸の転化率は61.6%であり、ア
クリル酸1分子にプロピレンオキシドが1分子付加した
付加体(反応生成物)の選択率は82.4%であり、ア
クリル酸1分子にプロピレンオキシドが2分子付加した
付加体(反応副生成物)の選択率は14.7%であっ
た。
分子架橋体Cは、カルボン酸への環状ヘテロ化合物の付
加反応である、アクリル酸のヒドロキシプロピル化反応
の触媒として作用することが判った。
橋体Cを用いて、その陰イオン交換容量を測定した。陰
イオン交換容量の測定は、一般的なイオン交換容量の測
定方法に従って行われた。測定の結果、高分子架橋体C
の陰イオン交換容量は約0.68meq/ml(Cl型
水膨潤体積を基準)であることが判った。以上の結果か
ら、上記高分子架橋体Cは、陰イオン交換能を有するこ
とが明らかとなった。
ジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)の6
5重量%水溶液の使用量を8.35gから9.15gに
変更すると共に、N,N,N’,N’−テトラアリルジ
ピペリジルプロパニウムジクロライド(TADPPC)
の使用量を1.65gから0.85gに変更し、イオン
交換水の使用量を0.6gから2.36gに変更した
(単量体濃度54.6%、DADMAC/TADPPC
=95/5mol%)以外は、実施例2と同様の反応・
操作を行って、本発明にかかる前記一般式(1)で表さ
れる架橋構造を有する高分子架橋体Dを合成した。
トリウム水溶液300gで3回洗浄した後、同量のイオ
ン交換水で3回洗浄することにより、カウンターアニオ
ンを塩素イオンから炭酸水素イオンに置換した高分子架
橋体Eとして得た。
橋体Eを活性水素含有化合物の活性化用触媒として用い
た、水への環状ヘテロ化合物の付加反応である、エチレ
ンオキサイドの水和反応を行なった。
拌装置等を備えたオートクレーブに、イオン交換水20
g(活性水素含有化合物)と、上記高分子架橋体Eの水
膨潤体2.6mlとを仕込んだ。次に、オートクレーブ
を密閉し、窒素ガスで加圧した後、内温を120℃に昇
温させた。次いで、内容物を攪拌しながらエチレンオキ
サイド(環状ヘテロ化合物)4.9gを、ガス供給管を
介して導入した。その後、該反応液を攪拌しながら、1
20℃でさらに2時間熟成させることにより、エチレン
オキサイドの水和反応を行った。
応溶液を濾過し、濾液をGCにより分析した。その結
果、エチレンオキサイドの転化率は99.9%であり、
エチレングリコールの選択率は94.2%であった。
分子架橋体Eは、水への環状ヘテロ化合物の付加反応で
あるエチレンオキサイドの水和反応の触媒として作用す
ることが判った。
管、温度計、窒素ガス導入管および滴下ロートを備えた
1Lのセパラブルフラスコに、トルエン350mlと流
動パラフィン(和光純薬工業株式会社製;特級)50m
l(媒体中12.5%)とを仕込み、分散安定剤として
ソルビタンモノパルミテート0.071gおよびエチル
セルロース0.213gを添加し、溶解させた。このと
き、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
ムクロライド(DADMAC)水溶液41.80gと
N,N,N’,N’−テトラアリルジピペリジルプロパ
ニウムジクロライド(TADPPC)8.26gおよび
水5.36gを混合溶解し、さらに重合開始剤「V−5
0」0.319gと水3.52gとを混合した溶液を添
加した(単量体濃度59.8%、DADMAC/TAD
PPC=90/10mo1%)。
ら室温で反応容器中に30分間かけて滴下し、滴下終丁
後、55℃で4時間、60℃で16時間、さらに92〜
95℃で6時間反応させた。途中、2時間経過した時点
で攪拌速度を220rpmから250rpmに上昇さ
せ、流動パラフィン50ml(媒体中22.2%)を滴
下した。また、55℃から60℃への昇温時にトルエン
50mlを追加した(媒体中の流動パラフィン濃度2
0.0%)。
子を濾過により分離した。濾別した粒子をトルエン60
0ml、メタノール800mlで3回洗浄し、60℃で
一晩減圧乾燥させ、乾燥粒子36.23gを得た。得ら
れた乾燥粒子は、直径0.3mm程度の独立した粒子で
あり、これを高分子架橋体Fとした。
子架橋体Fを活性水素を活性化する活性化用触媒として
用いたカルボン酸類への環状ヘテロ化合物の付加反応と
して、アクリル酸のヒドロキシプロピル化反応を行っ
た。
えた反応容器に、アクリル酸(カルボン酸類)とプロピ
レンオキシド(環状ヘテロ化合物、オキシラン化合物)
とを、アクリル酸に対するプロピレンオキシドの仕込み
量が、モル比で1.24倍となるように仕込んだ。
れた高分子架橋体Fを、アクリル酸に対し10%添加し
た。その後、反応溶液を撹拌しながら、70℃で4時間
反応させることにより、アクリル酸のヒドロキシプロピ
ル化反応を行った。
したろ液をガスクロマトグラフィーにより分析した。そ
の結果、アクリル酸の転化率は71.5%であり、アク
リル酸1分子にプロピレンオキシドが1分子付加した付
加体(反応生成物:HPA)の選択率は86.7%であ
り、アクリル酸1分子にプロピレンオキシドが2分子付
加した付加体(反応副生成物:DPGA)の選択率は1
0.3%であった.尚、反応基質である上記アクリル酸
の転化率、および、反応生成物や反応副生成物の選択率
は、上述した定義に従って求めた。
分子架橋体Fは、カルボン酸類への環状ヘテロ化合物の
付加反応であるアクリル酸のヒドロキシプロビル化反応
の触媒として有用であることが判った。また、上記反応
後、反応溶液中の高分子架橋体Fの見かけ比重を前述の
方法により測定したところ、0.206g/mlであっ
た。
子架橋体Fを用いて、アクリル酸にエチレンオキサイド
を付加してヒドロキシエチルアクリレートを合成する反
応を行った。
型である高分子架橋体Fを、イオン交換樹脂等のイオン
交換によく用いられる方法であるカラム法にしたがっ
て、2Nの水酸化ナトリウム水溶液を通液して、水酸化
物イオン型に交換した。
クリル酸で十分に置換した後、温度計および攪拌装置等
を備えた500mlの反応容器に、全液量が300ml
かつ高分子架橋体が70容量%になるようにアクリル酸
と共に仕込んだ。反応中、反応液を攪拌しながら、内温
が70℃となるように温度制御した。エチレンオキサイ
ド/アクリル酸のモル比が1.5である原料液を115
g/hrで反応容器に供給すると共に、反応液を115
g/hrで連続的に抜き出した。
グラフィーにより分析し、組成が安定したところを定常
値とした。定常値におけるアクリル酸の転化率は88.
3%であり、アクリル酸にエチレンオキサイドが1分子
付加した付加物(反応生成物:ヒドロキシエチルアクリ
レート(HEA))の選択率は96.8%であり、アク
リル酸にエチレンオキサイドが2分子付加した付加物
(反応副生成物:ジエチレングリコールモノアクリレー
ト(DEGMA))の選択率は1.3%であった。ま
た、アクリル酸2分子とエチレンオキサイドが1分子か
らなる付加物(反応副生成物:エチレングリコールジア
クリレート(EGDA))の選択率は0.15%であっ
た。
分子架橋体Fは、アクリル酸にエチレンオキサイドを付
加してヒドロキシエチルアクリレートを合成する反応に
有用であることが判った。また、上記の反応を、反応形
式として工業的にも有用な連続式流動床反応器を用いた
方法で行っても、十分な転化率と反応選択性を発揮する
ことが判った。
アリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMA
C)水溶液6.45gおよび72%N,N,N’,N’
−テトラアリルジアミノブタン2塩酸塩(TeADA
B)水溶液1.29gを混合して仕込み(DADMAC
/TeADAB=90/10mo1%)、さらに重合開
始剤「V−50」を0.064gと開始剤を溶解させる
ための水0.32gとを混合した溶液を添加した(単量
体濃度63.0%)。
温し、75℃で2時間反応させた。所定時間反応後、冷
却し、生成した樹脂を粉砕し、メタノール160ml中
で30分間、3回洗浄し、60℃で一晩減圧乾燥させ、
乾燥樹脂を得た。
トリウム水溶液200gで3回に分けて撹拌洗浄し、そ
の後、同量の水量で3回に分けて洗浄することにより、
カウンターアニオンを塩素イオンから炭酸水素イオンに
置換した高分子架橋体Gを得た。
子架橋体Gの水膨潤体5.2mlおよび水40.0gを
100mlのオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下、
120℃でエチレンオキサイド4.9gを反応系中にフ
ィードし、1時間反応させた。尚、水は、架橋体中に含
有される水の量も含めた全量が40.0gとなるように
仕込んだ。得られた反応液を分析したところ、エチレン
オキサイドの転化率は85.1%、モノエチレングリコ
ールの選択率は98.l%であった。
アリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMA
C)水溶液8.34gとN,N,N’,N’−テトラア
リルジピペリジルプロパニウムジクロライド(TADP
PC)1.65gおよび水4.15gを混合溶解して仕
込み(DADMAC/TADPPC=90/10mol
%)、さらに重合開始剤「V−50」を0.113gと
重合開始剤を溶解させるための水0.85gとを混合し
た溶液を添加した(単量体濃度46.8%)。
温し、75℃で2時間反応させた。所定時間反応後、冷
却し、生成した樹脂を粉砕し、メタノール300ml中
で30分間、3回洗浄し、60℃で一晩減圧乾燥させ、
乾燥樹脂を得た。
潤させた後、5%水酸化ナトリウム水溶液200gで3
回に分けて攪拌洗浄し、その後、同量の水量で3回に分
けて洗浄することにより、カウンターアニオンを塩化物
イオンから水酸化物イオンに置換した高分子架橋体Hを
得た。さらに、膨潤溶媒を水からメタノールに置換後、
60℃で一晩乾燥させ、乾燥樹脂を得た。
子架橋体Hの乾燥樹脂1.0g、n−ブタノール30.
0gおよびエチレンオキシド3.57gを100m1の
オートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下、100℃で1
時間反応させた。得られた反応液を分析したところ、エ
チレンオキシドの転化率は64.5%、モノエチレング
リコールモノブチルエーテル/ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル/トリエチレングリコールモノブチル
エーテルの選択率は、それぞれ84.7%/14.0%
/1.3%であった。さらに、使用後の触媒の変色はな
く、反応液は無色透明であった。
離管、温度計、窒素ガス導入管および滴下ロートを備え
た1Lのセパラブルフラスコに、トルエン350mlと
流動パラフィン50mlとを仕込み、分散安定剤として
ソルビタンモノパルミテート0.6gおよびエチルセル
ロース0.2gを添加して40℃で溶解させた。このと
き、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
ルジメチルアンモニムクロライド(DADMAC)水溶
液46.84gと1,1,4,4−テトラアリルピペラ
ジニウムクロライド(TAPC)3.16gおよび水
6.01gを溶解混合し(DADMAC/TAPC=9
5/5mol%)、さらに重合開始剤「V−50」0.
20gと水1.5gとを混合した溶液を添加した。
分間かけて滴下し、滴下終了後、常圧、55℃で4時
間、さらに75℃に昇温し、減圧下にて脱水しながら3
時間半反応させた。
減圧濾過により分離した。濾別した樹脂をメタノール8
00mlで30分間、3開洗浄し、60℃で一晩減圧乾
燥させ、乾燥樹脂を得た。
潤させた後、5%水酸化ナトリウム水溶液500gで3
回に分けて攪拌洗浄し、その後、同量の水量で3回に分
けて洗浄することにより、カウンターアニオンを塩素イ
オンから水酸化物イオンに置換した高分子架橋体Iを得
た。さらに、膨潤溶媒を水からメタノールに置換後、6
0℃で一晩乾燥させ、乾燥樹脂を得た。
子架橋体Iの乾燥樹脂1.0g、エタノール30.0g
およびエチレンオキシド5.74gを100mlのオー
トクレーブに仕込み、窒素雰囲気下、100℃で1時間
反応させた。得られた反応液を分析したところ、エチレ
ンオキシド転化率72.2%、モノエチレングルコール
モノエチルエーテル/ジエチレングリコールモノエチル
エーテル/トリエチレングリコールモノエチルエーテル
の選択率はそれぞれ80.8%/16.3%/2.9%
であった。さらに、使用後の触媒の変色はなく、反応液
は無色透明であった。
子架橋体Iの乾燥樹脂1.0g、モノエチレングリコー
ルモノエチルエーテル30.0gおよびエチレンオキシ
ド2.93g(仕込モル比5/1)を100mlのオー
トクレーブに仕込み、窒素雰囲気下、100℃で1時間
反応させた。得られた反応液を分析したところ、エチレ
ンオキシドの転化率は71.9%、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル/トリエチレングリコールモノエ
チルエーテル/テトラエチレングリコールモノエチルエ
ーテルの選択率はそれぞれ93.5%/6.2%/0.
3%であった。さらに、使用後の触媒の変色はなく、反
応液は無色透明であった。
ノエチルエーテル30.0gに対し、エチレンオキシド
4.89g(原料仕込モル比3/1)を使用し、反応温
度を100℃から140℃に変更した以外は実施例19
と同様に反応を行った。エチレンオキシドの転化率は7
1.1%、ジエチレングリコールモノエチルエーテル/
トリエチレングリコールモノエチルエーテル/テトラエ
チレングリコールモノエチルエーテルの選択率はそれぞ
れ88.4%/10.6%/1.0%であった。さら
に、使用後の触媒の変色はなく、反応液は無色透明であ
った。
橋体は、3級アミンおよび/または4級アンモニウム塩
を含有する高分子架橋体であって、前記一般式(1)ま
たは一般式(2)で表される、4級アンモニウム塩構造
を含む架橋構造を少なくとも1つ有する新規な高分子架
橋体である。上記の高分子架橋体は、その架橋構造、よ
り具体的には、その架橋部位の4級アンモニウム塩構造
により、優れた耐熱分解性が付与されている。従って、
高分子架橋体が有する3級アミンや、4級アンモニウム
塩等の脱離(熱分解)を防ぐことができる。
反応におけるイオン交換物質として、また、活性水素を
活性化する反応における活性化用触媒として、好適に使
用される。また、耐熱分解性に優れているため、幅広い
温度条件下で長期間にわたり好適に使用可能となるとい
う効果を奏する。
反応生成物の 1H−NMRのチャートである。
反応生成物の 1H−NMRのチャートである。
Claims (9)
- 【請求項1】3級アミンおよび/または4級アンモニウ
ム塩を含有する高分子架橋体であって、一般式(1) 【化1】 (式中、R1 およびR2 は各繰り返し単位内並びに各繰
り返し単位毎にそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10のアルキル基、または水酸基を表
し、R3 、R4 、R5 、およびR6 はそれぞれ独立して
水素原子、ハロゲン原子、メチル基、またはエチル基を
表し、X1 - およびX2 - はハロゲン化物イオン、水酸
化物イオンまたは有機酸、無機酸のアニオンを表し、a
は0〜10の整数を表す)で表される架橋構造を少なく
とも1つ有することを特徴とする高分子架橋体。 - 【請求項2】3級アミンおよび/または4級アンモニウ
ム塩を含有する高分子架橋体であって、一般式(2) 【化2】 で表される架橋構造を少なくとも1つ有することを特徴
とする高分子架橋体。 - 【請求項3】請求項1記載の高分子架橋体の製造方法で
あって、一般式(3) 【化3】 (式中、R17およびR18はそれぞれ独立して炭素数1〜
10のアルキル基を表し、R19およびR20はそれぞれ独
立して水素原子、ハロゲン原子、メチル基、またはエチ
ル基を表し、X5 - はハロゲン化物イオン、水酸化物イ
オンまたは有機酸、無機酸のアニオンを表す)で表され
る単量体と、一般式(4) 【化4】 (式中、R21およびR22は各繰り返し単位内並びに各繰
り返し単位毎にそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10のアルキル基、または水酸基を表
し、R23、R24、R25、およびR26はそれぞれ独立して
水素原子、ハロゲン原子、メチル基、またはエチル基を
表し、X6 - およびX7 - はそれぞれ独立してハロゲン
化物イオン、水酸化物イオンまたは有機酸、無機酸のア
ニオンを表し、dは0〜10の整数を表す)で表される
単量体とを含む単量体成分を懸濁重合する工程を含むこ
とを特徴とする高分子架橋体の製造方法。 - 【請求項4】請求項2記載の高分子架橋体の製造方法で
あって、 3級アミンおよび/または4級アンモニウム塩を含有
し、かつ、一般式(5) 【化5】 で表される架橋構造を少なくとも1つ有する高分子架橋
体を4級化することを特徴とする高分子架橋体の製造方
法。 - 【請求項5】請求項1または2記載の高分子架橋体を、
イオン交換反応に使用することを特徴とする高分子架橋
体の使用方法。 - 【請求項6】請求項1または2記載の高分子架橋体を、
活性水素含有化合物中の活性水素を活性化する活性化用
触媒として使用することを特徴とする高分子架橋体の使
用方法。 - 【請求項7】(メタ)アクリル酸とオキシラン化合物と
を反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
を製造する方法であって、 触媒として請求項1または2記載の高分子架橋体を使用
することを特徴とするヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートの製造方法。 - 【請求項8】水とオキシラン化合物とを反応させてグリ
コール類を製造する方法であって、 触媒として請求項1または2記載の高分子架橋体を使用
することを特徴とするグリコール類の製造方法。 - 【請求項9】一般式(4) 【化6】 (式中、R21およびR22は各繰り返し単位内並びに各繰
り返し単位毎にそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10のアルキル基、または水酸基を表
し、R23、R24、R25、およびR26はそれぞれ独立して
水素原子、ハロゲン原子、メチル基、またはエチル基を
表し、X6 - およびX7 - はそれぞれ独立してハロゲン
化物イオン、水酸化物イオンまたは有機酸、無機酸のア
ニオンを表し、dは0〜10の整数を表す)で表される
構造を有することを特徴とする架橋剤。
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JP2000231370 | 2000-07-26 | ||
JP2001224698A JP4004756B2 (ja) | 2000-07-26 | 2001-07-25 | 高分子架橋体およびその製造方法並びに使用方法および架橋剤 |
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JP2020534428A (ja) * | 2017-09-19 | 2020-11-26 | エンビオン テクノロジーズ エスエー | イオン性ポリマーおよびバイオマス加工への使用 |
-
2001
- 2001-07-25 JP JP2001224698A patent/JP4004756B2/ja not_active Expired - Fee Related
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