JPH1192419A - 触媒反応 - Google Patents

触媒反応

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JPH1192419A
JPH1192419A JP9259512A JP25951297A JPH1192419A JP H1192419 A JPH1192419 A JP H1192419A JP 9259512 A JP9259512 A JP 9259512A JP 25951297 A JP25951297 A JP 25951297A JP H1192419 A JPH1192419 A JP H1192419A
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JP
Japan
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group
carbon atoms
alkyl
general formula
anion exchanger
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Application number
JP9259512A
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English (en)
Inventor
Hirohisa Kubota
裕久 久保田
Keiko Kudo
慶子 工藤
Jiyunya Watanabe
純哉 渡辺
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルボン酸アミドと蟻酸アルキルからアルキ
ル(メタ)アクリレート及びホルムアミドを製造する方
法において、また、蟻酸アルキルを分解し高純度の一酸
化炭素を製造する方法において、高い温度領域において
も安定に目的物を得ることができる製造方法を提供す
る。 【解決手段】 イオン交換基とベンゼン環の間にアルキ
レン基又はアルコキシメチレン基の置換基を導入した特
定のアニオン交換体の存在下、(i)カルボン酸アミド
と蟻酸アルキルを反応させることにより、アルキル(メ
タ)アクリレートとホルムアミドを製造する方法、及び
(ii)蟻酸アルキルを分解することにより一酸化炭素を
製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の構造を有す
る架橋アニオン交換体(イオン交換樹脂、イオン交換
膜、イオン交換繊維)とカルボン酸アミド及び蟻酸アル
キルとを接触させ、アルキル(メタ)アクリレート、ホ
ルムアミド及び一酸化炭素を製造するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平9−40413号公報には、汎用
の強塩基性アニオン交換樹脂の存在下、蟻酸メチルを用
いた高純度一酸化炭素の製造方法が開示されている。ま
た、特開平5−178792号公報には、同じく汎用の
強塩基性アニオン交換樹脂を用い、カルボン酸アミドと
蟻酸メチル、又はカルボン酸アミドとアルコールと一酸
化炭素を作用させ、カルボン酸エステルとホルムアミド
を製造する方法が開示されている。
【0003】これらの反応には、有機系アニオン交換体
が使用されている。このアニオン交換基として、トリメ
チルアンモニウム基(I型強塩基性樹脂)やジメチルヒ
ドロキシエチルアンモニウム基(II型強塩基性樹脂)が
開示されている。これらのアニオン交換基を有する代表
的な樹脂として、ダイヤイオンRSA10A(I型強塩
基性樹脂)、SA20A(II型強塩基性樹脂)(ダイヤ
イオンは三菱化学の登録商標)、アンバーライトRIR
A−400、401(アンバーライトは、ローム&ハー
ス社の登録商標)等が挙げられる。しかしながら、市販
されているスチレン系強塩基性陰イオン交換樹脂は廉価
であるという長所はあるが、以下のような多くの欠点も
知られている。
【0004】トリメチルアンモニウム基を有する市販
のアニオン交換樹脂は、熱的安定性に劣ることが知られ
ている。触媒反応は反応温度が高くなるにつれて反応速
度が大きくなるため、できる限り高温で反応することが
好ましい。しかしながら、上述したように市販アニオン
交換体の使用温度はI型強塩基性樹脂で60℃、II型強
塩基性樹脂で40℃が上限とされ、反応温度を高く設定
できない問題がある。
【0005】更に耐熱性に劣る結果、長期間使用した
場合、触媒活性の劣化が速いため、樹脂を頻繁に入れ替
えなければならないという問題もある。 市販のアニオン交換樹脂は室温から高温の条件下で
は、トリメチルアンモニウム基が脱離しやすいため、反
応生成物中にアニオン交換体に由来する有機物、特にト
リメチルアミンが混入し、得られた製品がトリメチルア
ミンや樹脂由来のポリマーで汚染されるという欠点があ
る。
【0006】アニオン交換体は、窒素原子のα位炭素
にベンゼン環が存在するため、トリメチルアンモニウム
基の塩基度は、充分高くないことが知られている。その
ため、反応速度が大きくならないという欠点がある。こ
のように、市販されている強塩基性アニオン交換樹脂に
は種々の問題を有しているため、実際にはほとんど固体
塩基性触媒としては使用されていなかった。
【0007】一方、(メタ)アクリル酸エステル系や
(メタ)アクリルアミド系の陰イオン交換体も知られて
いる。しかし、これらのアニオン交換体の最大の欠点
は、樹脂の側鎖官能基のエステル結合やアミド結合が
酸、又は塩基性溶液、又は高温のこれらの溶液によって
加水分解されやすい。特に、再生時には、アニオン交換
体は苛性ソーダ、又は苛性カリ水溶液に曝されるため、
アニオン交換体の化学的安定性は触媒としては必須条件
である。そのため、アクリル酸系及び(メタ)アクリル
アミド系アニオン交換体は、使用可能範囲が限定されて
いる。
【0008】特開平7−289912号公報や特開平9
−215927号公報には、上記一般式(1)で表され
るアニオン交換樹脂を用いた触媒反応が開示されている
が、一酸化炭素の製造方法やカルボン酸エステルの製造
方法に関する具体的な記述は開示されていない。なお、
上述した有機系アニオン交換体以外にも、無機系塩基性
触媒も触媒として使用されている。例えば、苛性ソーダ
等の無機塩基触媒、粘土性無機イオン交換体がある。し
かしながら、苛性ソーダ、水酸化カルシウム等の塩基触
媒は、均一系触媒又は液−液二相系(必要に応じて相関
移動触媒を添加する)であるため、反応液から触媒を分
離、必要に応じて回収しなければならない。また触媒を
含んだ有機廃液を燃焼処理しなければならない。苛性ソ
ーダを触媒としたプロセスは非常に煩雑で、プラント建
設費が高くなる。また、酸化マグネシウム、酸化カルシ
ウム等の固体酸化性塩基触媒を用いる方法も知られてい
るが、反応が不完全である、反応速度が充分でない等の
種々の問題点を有していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特定
の構造を有する架橋アニオン交換体を用いることによ
り、広い温度領域において、効率よくアルキル(メタ)
アクリレート、ホルムアミド及び一酸化炭素を製造する
方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、汎用のス
チレン系アニオン交換体が有していた課題が解決され
た、アニオン交換体による触媒反応について鋭意検討し
た結果、一般式(1)で表されるイオン交換基とベンゼ
ン環の間に置換基Aを導入したアニオン交換体を用いる
ことにより、高い温度領域でも触媒の活性を長期間維持
することができることを見い出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、下記一般式(1)
【0011】
【化3】
【0012】(上記一般式(1)中、Aは炭素数3から
6の直鎖状アルキレン基又は炭素数5から8のアルコキ
シメチレン基を表し、置換基R1 、R2 、R3 はそれぞ
れ独立して炭素数1から4のアルキル基又は炭素数1か
ら4のアルカノール基を示し、Xはアンモニウム基に配
位した対イオンを表わす。また、ベンゼン環は、アルキ
ル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表
される繰り返し単位を構成要素として含有する架橋アニ
オン交換体の存在下、カルボン酸アミドと蟻酸アルキル
を反応させることを特徴とするアルキル(メタ)アクリ
レートとホルムアミドの製造方法に存する。
【0013】なお、上記反応においては、蟻酸アルキル
が分解されて一酸化炭素が製造される場合もあり、その
ような場合も本発明に含まれる。また、本発明の要旨と
しては、蟻酸メチルの分解反応に、上記一般式(1)で
表される架橋アニオン交換体を触媒として使用した一酸
化炭素の製造方法も含まれる。本発明の好ましい態様と
しては、上記一般式(1)で表される架橋アニオン交換
体のAが炭素数3〜6の直鎖状アルキレン基であること
及びXが水酸基であることが挙げられる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、詳細に本発明を説明する。
本発明におけるアニオン交換体は、置換基Aが炭素数3
から6の直鎖状アルキレン基、又は炭素数5〜8のアル
コキシメチレン基で表される水不溶性架橋共重合体であ
る。アニオン交換基とスチレン残基を結合する置換基A
は、アニオン交換基の種々の安定性を向上させるのに必
須の構成要素である。この結果、アニオン交換基は熱安
定性が向上するばかりでなく、高塩基度になる、分子運
動性が高くなる等、有機合成用の固体塩基性触媒として
は非常に好適である。
【0015】Aのアルキレン基の鎖長が長くなると、一
般式(1)で表される構成単位の分子量が大きくなるた
め、単位重量当たりのイオン交換容量が減少する。従っ
て、置換基Aは炭素数3から6の直鎖状アルキレン基、
又は炭素数5〜8のアルコキシメチレン基の範囲である
ことが必要である。例えば、プロピレン鎖、ブチレン
鎖、ペンチレン鎖等の直鎖状アルキレン基、又はブトキ
シメチレン基、ペントキシメチレン基が挙げられる。
【0016】イオン交換基を有するアルキレン鎖は、他
に置換基を持たない限り3種類の位置異性体が存在する
が、置換基Aはベンゼン環のどの位置に置換されていて
もよい。一般式(1)のベンゼン環には、アルキル基ま
たはハロゲン原子が置換されていてもよい。アルキル基
としては、メチル基、エチル基等が挙げられ、ハロゲン
としては塩素、臭素、沃素等が挙げられる。アニオン交
換基R1 〜R3 は、炭素数1から4のアルキル基、また
は、ヒドロキシエチル基等の炭素数1から4のアルカノ
ール基である。R1 〜R3 はそれぞれ同じであっても異
なっていてもよい。R1 〜R3 がメチル基であるトリメ
チルアンモニウム基がアニオン交換基として特に好まし
い。
【0017】一般式(1)で表される構造単位は、多く
の方法で合成される。例えば、下記一般式(2−1)で
表される前駆体単量体を合成し、架橋剤及び必要に応じ
て第3の単量体成分とともに共重合をした後、イオン交
換基に変換する方法、下記一般式(2−2)で表される
構造単位を有する単量体を架橋剤とともに重合する方法
が挙げられる。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】(上記式中、Zは、塩素原子、臭素原子等
のハロゲン原子、水酸基、トシル基等のイオン交換基に
置換し得る基を表し、A、X、R1 、R2 及びR3 は前
記と同義を表す。) 一般式中(2−1)で表される前駆体となる重合性単量
体は、幾つかの方法で合成することができる。例えば、
クロロメチルスチレンのグリニャール試薬と1,ω−ジ
ハロゲノアルカンを反応させる方法により合成すること
ができる。更に、一般式(2−2)で表される単量体成
分は、一般式(2−1)で表される単量体をアルキルア
ミン類でアミノ化し、アンモニウム基を有する重合性単
量体を合成することができる。勿論、一般式中(2−
1)(2−2)のベンゼン環は、アルキル基、或いはハ
ロゲンで置換されていてもよい。
【0021】一般式(1)で表される共重合体成分は、
不飽和性炭化水素含有架橋性単量体、及び必要に応じて
第3の不飽和性炭化水素含有単量体との共重合により製
造することができる。この不飽和性炭化水素含有架橋性
単量体(2個以上のラジカル重合活性なエチレン性不飽
和二重結合を有する単量体化合物である。)は、水不溶
性架橋重合体を製造するためには必須成分である。この
単量体としては、ジビニルベンゼン、ポリビニルベンゼ
ン、アルキルジビニルベンゼン、ジアルキルジビニルベ
ンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げられ
る。しかしながら、架橋重合体の物理的強度を維持する
ためには、ある程度の架橋剤を添加しなければならな
い。かかる観点から重合性架橋剤の含有率は、重合性単
量体に対して、0.1%〜50重量%、好ましくは0.
5%〜25重量%の含有率で用いられる。
【0022】第3の不飽和炭化水素含有単量体、例え
ば、スチレン、アルキルスチレン、ポリアルキルスチ
レ、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル
酸、アクリロニトリル等をイオン交換体の機能を低減さ
せない範囲において添加することができる。その含有率
は、重合性単量体に対して0%〜50重量%、好ましく
は0%〜20重量%で用いられる。
【0023】上記の重合反応の際、必要に応じて、上記
の各単量体成分に溶解する有機溶媒、又はポリハロゲノ
アルキルスチレン、ポリスチレン等のポリマーを添加し
てもよい。単量体に対して貧溶媒であるトルエン、2−
エチルヘキサノール等の長鎖アルコール等の有機溶媒を
添加し共重合を行った場合には多孔性構造を有するアニ
オン交換体となり、テトラヒドロフラン、1,4−ジオ
キサン等の良溶媒を添加した場合には、膨潤性の架橋共
重合体となる。これら有機溶媒の種類、添加量等により
得られる多孔性担体の物理構造が変わる。これらの溶媒
を制御することにより、目的とする多孔性担体を得るこ
とができる。
【0024】本発明において、一般式(1)で表される
構成単位に由来する重合性単量体は、全単量体に対し
て、5%〜99重量%の範囲で使用される。アニオン交
換体のイオン交換容量を高くするためには、一般式
(1)で表される構成単位の含有率ができる限り高いこ
とが好ましい。アニオン交換体の有する重量当たりの交
換容量(中性塩交換容量)は、一般式(1)で表される
種々の構成要素により異なるが、一般に、通常0.2m
eq/g〜5meq/gの範囲である(meqは交換容
量のミリ当量を表わす)。更に好ましくは、2.5me
q/g〜5meq/gの範囲である。体積当たりのイオ
ン交換容量は膨潤度により異なるが、通常、0.1me
q/ml〜2.0meq/ml、好ましくは0.5me
q/ml〜1.7meq/mlである。
【0025】重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル
(BPO)等の過酸化物系重合開始剤、アゾイソブチロ
ニトリル(AIBN)等のアゾ系重合開始剤等が用いら
れる。その含有率は全単量体に対して、0.1%〜3重
量%である。重合温度は40℃〜150℃、好ましくは
50℃〜100℃である。重合時間は1時間〜30時
間、好ましくは、1時間〜15時間の範囲である。一般
式(2−1)及び一般式(3)
【0026】
【化6】
【0027】で表される置換基Zをイオン交換基に変換
する方法は、公知の方法に従って行うことができる。置
換基Zが水酸基の場合には、一度ハロゲン原子に変換し
た後、3級アミンと反応させアンモニウム基に変換する
ことができる。上記のアンモニウム基を導入する際、架
橋共重合体を膨潤させるため、水、メタノール、アセト
ン、1,2−ジクロロエタン、ジオキサン、及びこれら
の混合溶媒を加えるのが一般的である。反応温度は通
常、20℃〜100℃の範囲で用いられる。
【0028】なお、上記一般式(2−2)で表される構
造単位を有する単量体を、架橋剤とともに重合すること
によりアニオン交換体を得ることもできる。この場合、
イオン交換基を有する単量体を架橋剤とともに架橋重合
するため、上記のような重合後のアミノ化反応を行わな
くてもよい。その後、公知の方法によって塩形を各種ア
ニオン形に変換し、本発明のアニオン交換体は得られ
る。なお、上記一般式(1)で表されるアニオン交換体
は、特開平4−349941及び特開平7−28992
1各号公報に記載された公知のアニオン交換体である。
【0029】本発明のアニオン交換体は公知の技術に準
じて製造され、種々の形状に成形することができる。イ
オン交換樹脂として使用する場合には、樹脂の大きさは
約100μm〜約10mmの範囲が好ましい。その後、
必要に応じて、懸濁重合後粉砕し粉末状、溶液重合によ
り塊状或いは粉末状、その他繊維状、膜状等種々の成形
することができる。その例として、イオン交換膜、イオ
ン交換繊維、イオン交換樹脂が挙げれる。粉砕品は溶液
重合等で塊状樹脂を得た後、公知の方法に従って所望の
大きさに加工すればよい。
【0030】本発明においては、上記のようなアニオン
交換体の存在下、カルボン酸アミド、例えば、α−ヒド
ロキシイソ酪酸アミド、メタクリル酸アミド、ベンズア
ミド等と蟻酸エステル、例えば、炭素数10以下の蟻酸
メチル、蟻酸エチル等を反応させ、アルキル(メタ)ア
クリレートとホルムアミドを製造するものである。本反
応の溶媒としては、アルコール類、エーテル類が適切で
ある。これらの組成比は、カルボン酸アミド:蟻酸エス
テルに対して、1:0.5〜1:10の範囲である。反
応温度は、20℃〜100℃の範囲が好ましく、更に好
ましくは30℃〜80℃である。
【0031】本発明のアニオン交換体を用いた場合、市
販樹脂、例えば、ダイヤイオンSA10A、SA12
A、PA306(三菱化学社製)、アンバーリストA−
26(ローム・アンド・ハース社製)、ダウエックス5
50A(ダウ社製)、レバチットM−504(バイエル
社製)等より、反応温度が高く設定できる。この結果、
反応速度が大きくなる(生産効率の向上)、反応によっ
て生成した反応熱を除熱しやすくなる等の利点がある。
更に、同じ反応温度に設定した場合でも、本発明の樹脂
は耐熱性に優れるため、アニオン交換基の劣化速度が小
さい。この結果、樹脂のライフが長くなり、結果として
変動費中に占める樹脂の原単価が小さくなる等の利点も
ある。
【0032】蟻酸アルキルの分解反応においても、本発
明のアニオン交換体を使用すれば、効率よく蟻酸アルキ
ルを分解し、一酸化炭素を製造することができる。反応
温度としては0℃〜120℃、好ましくは、20℃〜1
00℃、反応時間は0.5時間から20時間である。こ
の中にアルコール等の溶媒を添加することも可能であ
る。本発明で示されたアニオン交換体は、アニオン交換
基のトリメチルアミンの溶出が少ないため、生成する一
酸化炭素に含まれるトリメチルアミンの含有率が低く、
高純度の一酸化炭素を製造することができる。
【0033】本発明のアニオン交換体の使用方法は、固
定床、流動床、バッチ反応、また回分式、連続式のいず
れの方法でも適用できる。なお、本発明で使用したアニ
オン交換体は、反応とともに副生するカルボン酸が水酸
基とイオン交換し配位するため、樹脂の交換容量が次第
に低下する。このため樹脂を定期的に再生し、触媒活性
を回生しなければならない。この場合は、市販のアニオ
ン交換体と同様、0.1N〜3NのNaOH、KOH、
炭酸ナトリウム等の塩基性水溶液により再生することが
できる。
【0034】本発明のアニオン交換体は、従来のトリメ
チルベンジルアンモニウム塩をイオン交換基とするアニ
オン交換体と比較し、化学的に安定な置換基Aを導入
し、ベンゼン環と正電荷を分離したことにより正電荷が
安定化する。この結果、正電荷の熱的、化学的安定性
が向上する、ベンゼン環の共鳴効果を受けにくくなる
ため、アニオン交換基の塩基度が高くなる、スペーサ
ー基の存在により正電荷の分子運動性が高くなることが
予想される。従って、従来のアニオン交換体より触媒作
用は大きい。
【0035】
【発明の効果】本発明の方法によれば、特定の構造を有
するアニオン交換体の存在下、カルボン酸アミドと蟻酸
アルキルからアルキル(メタ)アクリレートとホルムア
ミドを製造したり、蟻酸アルキルを分解し高純度の一酸
化炭素を製造することが可能である。しかも、熱的安定
性に優れているため、反応温度を高くする、除熱効率を
大きくする、樹脂のライフを長くすることが可能な上、
得られる製品の品質が向上する等の特徴も有する製造法
である。従って、本発明の工業的な意義は極めて顕著で
ある。
【0036】
【実施例】以下、実施例及び製造例により本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、
以下の実施例及び製造例により限定されるものではな
い。尚、以下の実施例及び製造例においてmeq/gは
乾燥樹脂重量当たりのミリ当量を表す。また、アニオン
交換樹脂の交換容量は、ダイヤイオンマニュアル(三菱
化学(株)発行)に従って測定した。比較例のアニオン
交換樹脂としては、ダイヤイオンR(ダイヤイオンは、
三菱化学(株)の登録商標)SA10Aを用いた。
【0037】製造例−1 特開平4−349941号公報における製造例−2で開
示されている処方で、4−ブロモブチルスチレン、ジビ
ニルベンゼン及びトリメチルアミンを使用し、上記一般
式(1)中、Aがブチレン基を、R1 、R2 及びR3
メチル基を、Xが臭素原子を示す、以下の樹脂を製造し
た。 中性塩分解容量:3.37meq/g 中性塩分解容量:1.33meq/ml 水分含有率:45.3% 以下の実施例では、本樹脂に10体積の4%塩化ナトリ
ウム水溶液を通液してXをCl形にした樹脂を用いた。
【0038】比較例−1 比較例−1としてダイヤイオンSA10A(三菱化学社
製:上記一般式(1)中、Aがメチレン基を、R1 、R
2 及びR3 がメチル基を、Xが塩素原子を示す)を比較
樹脂として用いた。 中性塩分解容量:3.87meq/g 中性塩分解容量:1.37meq/ml 水分含有率:45.1%
【0039】実施例−1 上記で得られたアニオン交換樹脂5mlをはかり取り、
300mlの2N−水酸化ナトリウム水溶液を通液し、
樹脂を再生した。これを用いて蟻酸メチルの分解反応を
行った。ガラス製オートクレーブ缶(耐圧硝子工業製)
に、上記で再生した強塩基性アニオン交換樹脂10ml
(OH形)を入れ、この中へ蟻酸メチル125.0g、
トルエン(内標用)25.0gを入れ、50℃で1時間
および4時間保持した。反応溶液を0℃に冷却後、内溶
液をガスクロ及びHPLCで分析した。
【0040】GC分析条件 カラム:DB−WAX
(0.25mm×30m)(J&W社),流量2.0m
l/min、カラム温度:30℃ HPLC分析条件 カラム:INERTSILODS−
2 65%MeOH水溶液、流量2.00ml/min
検出器UV254nm
【0041】
【表1】
【0042】上記の結果より、実施例−1で得られたア
ニオン交換樹脂を用いた方が、蟻酸メチルの分解速度が
大きいことがわかる。 実施例−2 上記で得られたアニオン交換樹脂を約70mlはかりと
った。1.5Lの2N−水酸化ナトリウム水溶液を通液
し樹脂を再生し、体積を測定した。これを各有機溶媒中
で以下に示すように耐熱性試験に供した。
【0043】再生形の樹脂に、10体積のエチレングリ
コール(EG)、メタノール(MeOH)、テトラヒド
ロフラン(THF)を通液し、樹脂を各有機溶媒で置換
した。有機溶媒で置換した樹脂をガラス製オートクレー
ブ管(耐圧硝子工業製)に入れ、更にOH形の樹脂の
0.8倍量の各有機溶媒を追加した。容器内の溶存酸素
を除去するため、室温で窒素ガスを30分間通気した。
このオートクレーブ缶をオイルバスに浸し、80℃で3
0日間又は90日間静置した。耐熱試験後樹脂を取り出
し、樹脂を5体積の脱塩水で水洗し、更に、5体積の4
%塩化ナトリウム水溶液を通液し、対イオンをCl形に
変換し、更に5体積の脱塩水で水洗した。この樹脂の体
積、及び樹脂の一般性能を測定した。その結果を表―2
〜表―4に示した。なお、残存率は以下の式に従って算
出した。
【0044】
【数1】残存率(%)=(耐熱試験後の中性塩分解容量
meq/ml×試験後のCl形の樹脂体積)÷(耐熱試
験前の中性塩分解容量meq/ml×試験前のCl形の
樹脂体積)×100
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】上記の結果より、実施例−1で得られたア
ニオン交換樹脂を用いた方が、いずれの有機溶媒中にお
いても熱安定性に優れていることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 223/02 C07C 223/02 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (上記一般式(1)中、Aは炭素数3から6の直鎖状ア
    ルキレン基又は炭素数5から8のアルコキシメチレン基
    を表し、置換基R1 、R2 、R3 はそれぞれ独立して炭
    素数1から4のアルキル基、又は炭素数1から4のアル
    カノール基を示し、Xはアンモニウム基に配位した対イ
    オンを表わす。また、ベンゼン環は、アルキル基又はハ
    ロゲン原子で置換されていてもよい。)で表される繰り
    返し単位を構成要素として含有する架橋アニオン交換体
    の存在下、カルボン酸アミドと蟻酸アルキルを反応させ
    ることを特徴とするアルキル(メタ)アクリレートとホ
    ルムアミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 蟻酸アルキルが分解されて一酸化炭素が
    製造されることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記一般式(1) 【化2】 (上記一般式(1)中、Aは炭素数3から6の直鎖状ア
    ルキレン基又は炭素数5から8のアルコキシメチレン基
    を表し、置換基R1 、R2 、R3 はそれぞれ独立して炭
    素数1から4のアルキル基又は炭素数1から4のアルカ
    ノール基を示し、Xはアンモニウム基に配位した対イオ
    ンを表わす。また、ベンゼン環は、アルキル基又はハロ
    ゲン原子で置換されていてもよい。)で表される繰り返
    し単位を構成要素として含有する架橋アニオン交換体の
    存在下、蟻酸メチルを分解することを特徴とする一酸化
    炭素の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で表される架橋アニオン交
    換体のAが炭素数3から6の直鎖状アルキレン基である
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(1)で表される架橋アニオン交
    換体のXが、水酸基であることを特徴とする請求項1か
    ら4のいずれかに記載の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002102711A (ja) * 2000-09-29 2002-04-09 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 強塩基性陰イオン交換樹脂の再生方法
JP2002114509A (ja) * 2000-09-29 2002-04-16 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 一酸化炭素の製造方法

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JP4502096B2 (ja) * 2000-09-29 2010-07-14 三菱瓦斯化学株式会社 強塩基性陰イオン交換樹脂の再生方法
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