JPH09215927A - 固体塩基性触媒 - Google Patents

固体塩基性触媒

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JPH09215927A
JPH09215927A JP8025383A JP2538396A JPH09215927A JP H09215927 A JPH09215927 A JP H09215927A JP 8025383 A JP8025383 A JP 8025383A JP 2538396 A JP2538396 A JP 2538396A JP H09215927 A JPH09215927 A JP H09215927A
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JP
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general formula
group
reaction
basic catalyst
repeating unit
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JP8025383A
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English (en)
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Hirohisa Kubota
裕久 久保田
Katsuhiko Yano
勝彦 矢野
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/61Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups
    • C07C45/67Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups by isomerisation; by change of size of the carbon skeleton
    • C07C45/68Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups by isomerisation; by change of size of the carbon skeleton by increase in the number of carbon atoms
    • C07C45/72Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups by isomerisation; by change of size of the carbon skeleton by increase in the number of carbon atoms by reaction of compounds containing >C = O groups with the same or other compounds containing >C = O groups
    • C07C45/74Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups by isomerisation; by change of size of the carbon skeleton by increase in the number of carbon atoms by reaction of compounds containing >C = O groups with the same or other compounds containing >C = O groups combined with dehydration

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学的安定性に優れ、繰り返し使用にも耐
え、耐熱性に優れるアニオン交換体からなる固体塩基性
触媒を提供する。 【解決手段】 架橋性アニオン交換体であって、下記一
般式(I) 【化1】 (一般式(I)中、Aは炭素数3〜6の直鎖状アルキレ
ン基、Rは炭素数1〜4のアルカノール基を表わし、X
はアンモニウム塩に配位した対イオンを示す)で表わさ
れる繰り返し単位を構成要素として含有するアニオン交
換体を、有機化合物と接触させ固体触媒として用いるこ
とを特徴とする固体塩基性触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アニオン交換体を
用いた固体塩基性触媒に関するものである。更には、本
発明は特定の構造を有する架橋アニオン交換体(イオン
交換樹脂、イオン交換膜、イオン交換繊維)と接触さ
せ、有機合成反応用塩基性触媒として使用するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、多くの固体塩基触媒が提案がなさ
れている。例えば、苛性ソーダ等の無機塩基触媒、粘土
性無機イオン交換体、有機性アニオン交換体等が知られ
ている。しかしながら、苛性ソーダ、水酸化カルシウム
等の塩基触媒は、均一系触媒又は二相系(必要に応じて
相関移動触媒を添加する)であるため、反応液から触媒
を分離、必要に応じて回収する必要がある。そのためプ
ロセスが非常に煩雑である。また、酸化マグネシウム、
酸化カルシウム等の固体酸化性塩基触媒を用いる方法も
知られているが、塩基度が低い、反応速度が十分でない
という問題もある。また、無機アニオン交換体は塩基度
が低い、交換容量が低い等の問題がある。
【0003】有機系アニオン交換体、例えば、アニオン
交換樹脂を用いる方法も知られている。例えば、React.
Kinet. Cat. Lett., 1992, 47(1), 65、 J. Org. Che
m.,1992, 57, 5643、 J. Amer. Chem. Soc.,1991, 11
3, 9360、 USP 4,970,333、特開平1−131142
号、特開昭62−273948号、DD 289041号等多く
の有機系アニオン交換体を用いた触媒反応が知られてい
る。このアニオン交換基として、トリメチルアンモニウ
ム基(I型強塩基)、ジメチルヒドロキシエチルアンモ
ニウム基(II型強塩基)が挙げれる。このアニオン交換
基を有する代表的な樹脂として、ダイヤイオンRSA1
0A、SA12A(ダイヤイオンは三菱化成の登録商
標)、アンバーライトRIRA−400、401(アン
バーライトは、ローム&ハース社の登録商標)等が挙げ
られる。しかしながら、スチレン系陰イオン交換樹脂に
おいては、以下のような欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
1 トリメチルアンモニウム基を有する上述のアニオン
交換樹脂は、耐熱性に劣ることはよく知られている。通
常、有機合成用の触媒反応は、反応温度が高くなるにつ
れて反応速度が大きくなるため、できる限り高温で使用
できることが好ましい。しかしながら、アニオン交換樹
脂は耐熱性が低いため、アニオン交換体の使用温度は、
50℃から70℃が上限とされている。
【0005】2 これらのアニオン交換樹脂は室温から
高温の条件下では、トリメチルアンモニウム基が脱離し
やすいため、反応生成物中にアニオン交換体に由来する
有機物、特にトリメチルアミンが混入し、汚染されると
いう欠点がある。 3 アニオン交換体は、窒素原子のα位炭素にベンゼン
環が存在するため、トリメチルアンモニウム基の塩基度
は、充分高くないことが知られている。そのため、反応
速度が大きくならないという欠点がある。
【0006】4 耐熱性を向上させる方法として、本発
明者らによりベンゼン環とアンモニウム基をポリメチレ
ン鎖で介したアニオン交換体が報告されている(特開平
4−349941号)。ポリアルキレン鎖がエチレン鎖
である場合には、ホフマン分解(E2脱離反応)が起こ
りやすい。このホフマン分解を抑制するため、α位にジ
メチル基を導入した1,1-ジメチルエチレン鎖の場合に
は、α位の両メチル基の立体障害のためアニオン交換基
の熱的安定性に劣ることが報告されている(J.Appl. Pol
ym. Sci., 8. 1659 (1964))。
【0007】一方、(メタ)アクリル酸エステル系や
(メタ)アクリルアミド系の陰イオン交換体も提案され
ている。しかし、これらのアニオン交換体の最大の欠点
は、樹脂の側鎖官能基のエステル結合やアミド結合が
酸、又は塩基性溶液、又は高温のこれらの溶液によって
加水分解されやすい。再生時には、アニオン交換体はN
aOH水溶液に曝されるため、アニオン交換体の化学的
安定性は必須条件である。そのため、これらのアニオン
交換体は、使用可能範囲が限定されたものとなる。
【0008】本発明の目的は、特定の架橋アニオン交換
体を用いることにより、広範囲の温度領域において、効
率よく合成反応が可能な固体塩基性触媒を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スチレン
系アニオン交換体の有する課題が解決されたアニオン交
換体を得るべく鋭意検討した結果、イオン交換基とベン
ゼン環の間に直鎖状アルキレン鎖を導入したアニオン交
換体を用いることにより、比較的高い温度でも有機合成
反応の触媒として使用できることを見い出し、本発明に
到達した。即ち、本発明の要旨は、下記一般式(I)
【0010】
【化2】
【0011】(一般式(I)中、アルキレン鎖Aは炭素
数3から6の直鎖状アルキレン基で表わされる。R1
2、R3は炭素数1から4のアルキル基、或いはアルカ
ノール基を示し、Xはアンモニウム塩に配位した対イオ
ンを表わす。アンモニウム基を有する置換基は、ベンゼ
ン環のどの位置に置換されていてもよい。一般式(I)
のベンゼン環は、アルキル基或いはハロゲン原子で置換
されていてもよい。)で表わされる繰り返し単位を構成
要素として含有する架橋アニオン交換体を、有機化合物
と接触させ固体触媒として用いることを特徴とする固体
塩基性触媒に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、詳細に本発明を説明する。
本発明におけるアニオン交換体とは、一般式(I)で表
わされる構造単位を含んでいることを特徴とする水不溶
性架橋共重合体である。一般式(I)中、Aは炭素数3
から6の直鎖状アルキレン基で表わされる。ここで、イ
オン交換基に結合したAは耐熱性を向上させるのに必須
の構成要素である。この結果、アニオン交換基は高塩基
度になるばかりでなく、分子運動性が高くなるため有機
合成用の固体塩基性触媒として使用するには好適であ
る。
【0013】Aのアルキレン鎖長が長くなった場合に
は、一般式(I)で表わされる構成単位の分子量が大き
くなるため、単位重量当たりのイオン交換容量が減少す
る。従って、アルキレン鎖Aは、炭素数が6以下である
ことが好ましい。例えば、プロピレン鎖、ブチレン鎖、
ペンチレン鎖等の直鎖状アルキレン基が挙げられる。イ
オン交換基を有するアルキレン鎖は、ベンゼン環のどの
位置に置換されていてもよい。一般式(I)のベンゼン
環には、アルキル基或いはハロゲン原子が置換されてい
てもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基等
が挙げられ、ハロゲンとしては塩素、臭素、沃素等が挙
げられる。アニオン交換基Rは、例えば、炭素数1から
4のアルキル基、或いはヒドロキシエチル基等のアルカ
ノール基である。アルキル基は同じであってもよい。炭
素数が1であるトリメチルアンモニウム基が好ましい。
【0014】一般式(I)で表わされる構造単位は、多
くの方法で合成される。例えば、下記一般式(II)で表
わされる前駆体単量体を合成し、架橋剤及び必要に応じ
て第3の単量体成分とともに共重合を行った後、イオン
交換基に変換する方法、下記一般式(IV)で表わされる
構造単位を有する単量体を、架橋剤とともに重合する方
法が挙げられる。
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】一般式中(II)で表わされる前駆体となる
重合性単量体は、幾つかの方法で合成することができ
る。クロロメチルスチレンのグリニャール試薬と1,ω
−ジハロゲノアルカンを反応させる方法により合成する
ことができる。更に、一般式(IV)で表される単量体成
分は、一般式(II)で表される単量体をアルキルアミン
類でアミノ化し、アンモニウム基を有する重合性単量体
を合成することができる。勿論、一般式中(II)のベン
ゼン環は、アルキル基、或いはハロゲンで置換されてい
てもよい。
【0018】一般式(I)で表わされる共重合体成分
は、不飽和性炭化水素含有架橋性単量体、及び必要に応
じて第3の不飽和性炭化水素含有単量体との共重合によ
り製造することができる。この不飽和性炭化水素含有架
橋性単量体(2個以上のラジカル重合活性なエチレン性
不飽和二重結合を有する単量体化合物である。)は、水
不溶性架橋重合体を製造するためには必須成分である。
この単量体としては、ジビニルベンゼン、ポリビニルベ
ンゼン、アルキルジビニルベンゼン、ジアルキルジビニ
ルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げ
られる。しかしながら、架橋重合体の物理的強度を維持
するためには、ある程度の架橋剤を添加しなければなら
ない。かかる観点から重合性架橋剤の含有率は、重合性
単量体に対して、0.1〜50重量%、好ましくは0.5
〜25重量%の含有率で用いられる。
【0019】第3の不飽和炭化水素含有単量体、例え
ば、スチレン、アルキルスチレン、ポリアルキルスチ
レ、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル
酸、アクリロニトリル等をイオン交換体の機能を低減さ
せない範囲において添加することができる。その含有率
は、重合性単量体に対して0〜50重量%、好ましくは
0〜20重量%で用いられる。
【0020】上記の重合反応の際、必要に応じて、上記
の各単量体成分に溶解する有機溶媒を添加してもよい。
単量体に対して貧溶媒であるトルエン、ヘキサン等非極
性有機溶媒を添加し共重合を行った場合には、多孔性構
造を有するアニオン交換体となり、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン等の良溶媒を添加した場合に
は、膨潤性の架橋共重合体となる。これら有機溶媒の種
類、添加量等により得られる多孔性担体の物理構造が変
わる。これらの溶媒を制御することにより、目的とする
多孔性担体を得ることができる。
【0021】本発明において、一般式(I)で表される
構成単位に由来する重合性単量体は、全単量体に対し
て、5〜99重量%の範囲で使用される。アニオン交換
体のイオン交換容量を高くするためには、一般式(I)
で表される構成単位の含有率ができる限り高いことが好
ましい。アニオン交換体の有する重量当たりの交換容量
(中性塩交換容量)は、一般式(I)で表わされる種々
の構成要素により異なるが、一般に、通常0.2meq/g〜
5meq/gの範囲である。(meqは、交換容量のミリ当量を
表わす。)更に好ましくは、1.5meq/g〜5meq/gの範
囲である。体積当たりのイオン交換容量は膨潤度により
異なるが、通常、0.1meq/ml〜2.0meq/ml、好ましく
は0.5meq/ml〜1.7meq/mlである。
【0022】重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル(B
PO)等の過酸化物系重合開始剤、アゾイソブチロニトリ
ル(AIBN)等のアゾ系重合開始剤等が用いられる。その含
有率は、通常、全単量体に対して、0.1〜5重量%で
ある。重合温度は、通常は、40℃〜150℃、好まし
くは50℃〜100℃である。重合時間は、1時間〜3
0時間、好ましくは、1時間〜15時間の範囲である。
下記一般式(II)及び下記一般式(III)
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】で表わされる官能基Zをイオン交換基に変
換する方法は、公知の方法に従って行うことができる。
官能基Zが水酸基の場合には、一度ハロゲン原子に変換
した後、3級アミンと反応させアンモニウム基に変換す
ることができる。
【0026】上記のアンモニウム基を導入する際、架橋
共重合体を膨潤させるため、水、メタノール、アセト
ン、1,2-ジクロロエタン、ジオキサン、及びこれらの
混合溶媒を添加するのが一般的である。反応温度は、反
応様式、官能基の種類、溶媒の種類等により異なるが、
通常、20℃〜100℃の範囲で用いられる。下記一般
式(IV)で表わされる構造単位を有する単量体を、架橋
剤とともに重合することによりアニオン交換体を得るこ
ともできる。
【0027】
【化7】
【0028】上記単量体(IV)は、上記の架橋性単量体
と共重合することができる。この場合、イオン交換基を
有する単量体を架橋剤とともに架橋重合するため、上記
のような重合後のアミノ化反応を行わなくてもよい。そ
の後、公知の方法によって塩形を各種アニオン形に変換
し、本発明のアニオン交換体は得られる。
【0029】本発明のアニオン交換体は公知の技術に準
じて製造され、種々の形状に成形することができる。イ
オン交換樹脂として使用する場合には、樹脂の大きさは
100μm〜10mmの範囲である。その後、必要に応
じて、懸濁重合後粉砕し粉末状、溶液重合により塊状或
いは粉末状、その他繊維状、膜状等種々の成形すること
ができる。その例として、イオン交換膜、イオン交換繊
維、イオン交換樹脂が挙げれる。粉砕品は溶液重合等で
塊状樹脂を得た後、公知の方法に従って、所望の大きさ
に加工すればよい。
【0030】本発明のアニオン交換体の使用方法は、固
定床、流動床、バッチ反応等として使用することができ
る。劣化した樹脂は、樹脂に対して良溶媒である有機溶
媒で洗浄する、又は再生することによりある程度回生す
ることができる。通常のアニオン交換体と同様、0.1
N〜5Nの範囲のNaOH等の塩基性水溶液により再生
することができる。本発明の固体塩基性触媒は、耐熱
性、化学的安定性に優れているため、種々の有機合成反
応に適用することができる。具体的には、例えば、アル
ドール縮合反応(React. Kinet. Cat. Lett.1992,47
(1),65 特許PL 139,362)、クネベナゲル反応、ベンゾ
イン縮合、マイケル付加反応等の縮合反応、シアンヒド
リン合成、フェノールのメチロール化反応、エチレクロ
ロヒドリンのエポキシ化反応等の置換反応(J.Mol.Cata
l., 73,9 (1992), Aust.J.Chem., 1992,45(8),1327, J.
Org.Chem., 1992.57.5643, Ind.Eng.Chem.Res., 1992,3
1. 1610, Bull Korean Chem.Soc.,1991,12(2), 113、Li
zi Jiaohuan Yu Xifu 1991, (5) 359)、アミド基の塩基
触媒による加水分解等が挙げられる。
【0031】一般式(I)中のXは、イオン交換基に配
位する対イオンを示す。触媒反応として用いる場合、そ
の対イオンのイオン形は、反応の種類、条件、反応の基
質等により異なる。通常、OH形で用いられるが、反応
の基質が、例えば、PhO−、アルコレート(RO
−)、アルキルチオレート(RS−)、CN−等である
場合、これらのイオン形で用いることもできる。
【0032】後記する実施例の記載から明らかなよう
に、本発明の固体塩基性触媒は、従来のトリメチルベン
ジルアンモニウム基を交換基とするアニオン交換体と比
し、転換率、反応速度等の触媒性能が優れている。これ
は単に、アニオン交換体の熱安定性の差に起因するのみ
ではなく、本発明のアニオン交換体が、スペーサー基A
の導入によりベンゼン環と正電荷とを分離することによ
り、以下に推定する性能を獲得し触媒として、特に好適
な効果を奏するものと考えられる。 1)正電荷の化学的安定性が向上する。 2)ベンゼン環の共鳴効果を受けにくくなるため、アニ
オン交換基の塩基度が高くなる。 3)正電荷の分子運動性が高くなる。
【0033】
【発明の効果】本発明は、高温でも使用することができ
るため、効率よく合成反応を促進することができる。し
かも、化学的安定性に優れており、繰り返し使用にも耐
えうるアニオン交換体である。従って、工業的価値は顕
著である。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び製造例により本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、
以下の実施例及び製造例により限定されるものではな
い。尚、以下の実施例及び製造例においてmeq/gは
乾燥樹脂重量当たりのミリ当量を示す。また、アニオン
交換樹脂の交換容量は、ダイヤイオンマニュアル(三菱
化学(株)発行)に従って測定した。比較例1のアニオ
ン交換樹脂としては、ダイヤイオン(ダイヤイオンは、
三菱化学(株)の登録商標)SA10Aを用いた。
【0035】実施例−1 4−ブロモブチルスチレン92.7重量部及び工業グレ
ードのジビニルベンゼン7.3重量部を用い、特開平4
−349941号に記載の製造例2に従い、下記性能の
樹脂を得た(以下、製造例1の樹脂という)。 中性塩分解容量 3.65meq/g 中性塩分解容量 1.10meq/ml 水分含有率 54.1% 膨潤度 3.32ml/g
【0036】比較例−1 比較例−1として用いたダイヤイオンSA10Aの性能
は下記のとおりである。 中性塩分解容量 1.37meq/ml 水分含有率 45.4%
【0037】実施例−2 アニオン交換樹脂の耐熱試験方法 アニオン交換樹脂を10倍量の4%塩化ナトリウム水溶
液を通液し対イオンをCl形とし、これらの樹脂50m
lはかりとった。これらの樹脂を500mlの2N−水
酸化ナトリウム水溶液を通液し再生し、体積を測定し
た。これを脱塩水中で、以下に示すように耐熱性試験に
供した。
【0038】一方、この再生形の樹脂に、樹脂量の10
倍量の60%エチレングリコール(EG)水溶液、又は
100%EGを通液し、樹脂をEG溶液で置換した。脱
塩水、又は、EG溶液で置換した樹脂をガラス製オート
クレーブ管に入れ、OH形の樹脂の体積の0.8倍量の
脱塩水を加えた。容器内の溶存酸素を除去するため、5
0℃に加温した状態で窒素ガスを30分通じた。このオ
ートクレーブ管をオイルバスに浸し、表―1、表―2に
示す温度で30日間又は90日間静置した。耐熱試験
後、樹脂500mlの2N−水酸化ナトリウム水溶液で
再生し、樹脂の体積を測定した。更に、5倍量の4%塩
化ナトリウム水溶液を通液し、対イオンXをCl形に変
換した。この樹脂の体積、及び樹脂の一般性能を測定し
た。その結果を表−1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】残存率:残存率は以下の式で表わされる。 残存率(%)=(耐熱試験後の中性塩分解容量meq/ml
×試験後のCl形の樹脂体積)÷(耐熱試験前の中性塩
分解容量meq/ml ×試験前のCl形の樹脂体積)×10
【0041】
【表2】
【0042】実施例−3 500mlの4っ口フラスコ内にトルエン200ml、
n−ブチルアルデヒド(東京化成製)36.1g(0.5
モル)を入れ、この中へ、OH形に再生した表−3に示
す樹脂10ミリモル(Cl形の交換容量で10ミリモル
になるように調製した)を加えた。溶液の温度を80℃
に設定し、2時間激しく撹拌した。反応後、アルドール
反応及び引き続き起こる脱水反応によって生成した2―
エチル―4―ヘキセナール(2EH)をガスクロマトグ
ラフィーで定量し反応の転換率を求めた。更に、回収し
た樹脂の交換容量を測定し残存率を算出した。更に、一
度使用した樹脂を再度2回目の反応に供したときの反応
の転換率、及び交換基の残存率を分析した。その結果を
表−3に示した。
【0043】
【表3】
【0044】実施例−4 実施例−3では反応溶媒としてトルエンを用いている
が、反応溶媒としてトルエンの代わりにベンゼンを用い
て上記反応を行った以外は、上記反応条件と同様に行っ
た。結果を表−4に示した。
【0045】
【表4】
【0046】実施例−5 内径20mm、長さ500mmのジャケット付きカラム
に、各々製造例−1の樹脂及びダイヤイオンSA10A
(2N−NaOHで再生した。)20gを充填し、1−
ブロモプロパンでカラム内を満たし、カラム温度を80
℃に設定した。次に、カラム上部より、アセト酢酸メチ
ル及び1−ブロモプロパンをモル比で1:5の割合で1
0ml導入した。カラム下部より生成物を取り出し、1−
ブロモプロパンでアニオン交換樹脂を洗浄し、両溶液を
混合した後、50mlの脱塩水を加え、有機層と水層も分
液した。有機層部を濃縮した後、未反応のアセト酢酸メ
チル、及び1−ブロモプロパンを除去して、2,2−ジ
プロピルアセト酢酸メチルを得た。ガスクロより目的物
の2,2−ジプロピルアセト酢酸メチルを定量した。そ
の結果を表−5に示した。
【0047】
【表5】
【0048】実施例−6 300mlの4っ口フラスコにアクリロニトリル75g
(1.40mol)、脱塩水31.2g(1.68mol)、ア
ニオン交換樹脂(2N−NaOHで再生した製造例−1
又はダイヤイオンSA10A)5gを加え、70℃で激
しく撹拌しながら5時間反応した。反応溶液を水層及び
アクリロニトリル層に分液した後、ガスクロで分析し、
アクリロニトリル2モルと水1モルの反応で生成するビ
スシアノエチルエーテルを定量した。その結果を表−6
に示した。
【0049】
【表6】
【0050】実施例−7 500mlの4っ口フラスコ内に脱塩水250ml、ニ
コチノニトリル(東京化成製)41.6gを入れた。この
中へ、再生したアニオン交換樹脂40ml(Cl形で4
0ml調製し、2N−NaOH1Lで再生したものを使
用)を加え、溶液を激しく撹拌しながら、80℃で4時
間反応した。反応後、生成したニコチンアミドをガスク
ロマトグラフィーで定量した。更に、反応で使用した樹
脂を回収し、樹脂の交換容量の残存率を分析した。その
結果を表−7に示した。
【0051】
【表7】
【0052】表−1、表−2からわかるように、本発明
のアニオン交換体は、水中、有機溶媒中でも耐熱性に優
れていることがわかった。表−3、及び表−4わかるよ
うに、本発明のアニオン交換樹脂は、2EHの転換率が
大きく、反応速度が大きいばかりでなく、耐熱性に優れ
るため再使用に耐えることがわかった。また、表―5か
ら表―7の結果からわかるように、本発明の交換樹脂を
用いた場合には、合成収率が高いことがわかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 67/333 C07C 67/333 69/716 69/716 Z 253/30 9357−4H 253/30 255/13 9357−4H 255/13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) 【化1】 (一般式(I)中、アルキレン鎖Aは炭素数3から6の
    直鎖状アルキレン基で表わされる。R1、R2、R3は炭
    素数1から4のアルキル基、或いはアルカノール基を示
    し、Xはアンモニウム塩に配位した対イオンを表わす。
    アンモニウム基を有する置換基は、ベンゼン環のどの位
    置に置換されていてもよい。一般式(I)のベンゼン環
    は、アルキル基或いはハロゲン原子で置換されていても
    よい。)で表わされる繰り返し単位を構成要素として含
    有する架橋アニオン交換体を、有機化合物と接触させ固
    体触媒として用いることを特徴とする固体塩基性触媒。
  2. 【請求項2】一般式(I)で表わされる繰り返し単位
    中、アルキレン鎖Aの炭素数が4であるブチレン基であ
    るアニオン交換体を、有機化合物と接触させ触媒として
    用いることを特徴とする請求項1記載の固体塩基性触
    媒。
  3. 【請求項3】一般式(I)で表わされる繰り返し単位を
    有する架橋共重合体を用いて、縮合反応を行うことを特
    徴とする請求項1又は2記載の固体塩基性触媒。
  4. 【請求項4】一般式(I)で表わされる繰り返し単位を
    有する架橋共重合体を用いて、置換反応を行うことを特
    徴とする請求項1又は2記載の固体塩基性触媒。
  5. 【請求項5】一般式(I)で表わされる繰り返し単位を
    有する架橋共重合体を用いて、加水分解を行うことを特
    徴とする請求項1又は2記載の固体塩基性触媒。
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