JPH07289919A - 超純水製造用アニオン交換体 - Google Patents

超純水製造用アニオン交換体

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JPH07289919A
JPH07289919A JP7042103A JP4210395A JPH07289919A JP H07289919 A JPH07289919 A JP H07289919A JP 7042103 A JP7042103 A JP 7042103A JP 4210395 A JP4210395 A JP 4210395A JP H07289919 A JPH07289919 A JP H07289919A
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JP
Japan
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group
anion exchanger
ultrapure water
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structural unit
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JP7042103A
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Inventor
Hideaki Kiba
秀明 木庭
Hirohisa Kubota
裕久 久保田
Shintaro Sawada
慎太郎 澤田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 イオン交換体による精製処理の前後の何れか
に紫外線処理を行う超純水製造プロセスに使用されるア
ニオン交換体であって、下記一般式(I) 【化1】 (一般式(I)中、Aは炭素数1から4の直鎖状又は分
岐状アルキレン基、Bは炭素数4から8の直鎖状アルキ
レン基、R1 、R2 、R3 は同じ又は異なっていてもよ
い炭素数1から4のアルキル基、或いはアルカノール基
を示し、Xはアンモニウム基に配位した対イオンを示
し、ベンゼン環Dは、アルキル基或いはハロゲン原子で
置換されていてもよい。)で表わされる構成単位と不飽
和炭化水素基含有架橋性単量体から誘導される構成単位
とを含有する超純水製造用アニオン交換体。 【効果】 優れたイオン交換能力を有した上で、従来よ
りさらに優れた耐熱性を発揮し、超純水製造プロセスに
おいて、経済的に有利で且つ効果の高い紫外線処理を行
うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超純水製造用アニオン交
換体に関するものであり、詳しくは、耐熱性の優れた新
規な構造の架橋アニオン交換体を利用することにより、
イオン交換体による精製処理の前後の何れかに紫外線処
理を行う超純水製造プロセスにおいて、経済的に有利で
かつ効果の高い紫外線処理を可能とした超純水製造用ア
ニオン交換体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体工業において集積回路
製造工程等において、洗浄水として、超純水と呼ばれる
極めて高い純度の水が要求されている。そして、その超
純水の水質基準には、生菌個数も規定され、例えば、1
00ml当たりの許容生菌個数は、1M対応の場合1個
未満、4M対応の場合0.5個未満、16M対応の場合
0.1個未満と言われている。
【0003】図1は超純水の一般的な製造プロセスを示
すフローチャートであるが、超純水製造プロセスには、
図示するように、生菌除去のために紫外線処理工程が包
含されている。すなわち、超純水は一般的には図1に示
すようにまず1次純水系において、通常の純水製造法に
従って原水を処理し次いで2次純水系(サブシステム)
において、超純水とするための熱交換器、紫外線酸化装
置、カートリッジポリッシャーとしてのイオン交換処理
装置、紫外線殺菌装置、限外濾過装置から成る。
【0004】イオン交換樹脂としては、通常のアニオン
交換樹脂およびカチオン交換樹脂の使用が可能である
が、脱塩能力の外に樹脂からの溶出が少ない等の性能も
要求される。そして、例えば、アニオン交換樹脂として
は、官能基として、1〜3級アミンや4級アンモニウム
基を有する種々の樹脂が知られている。特に、ポリビニ
ル芳香族化合物のベンジル基にトリメチルアミンが共有
結合した、トリメチルベンジルアンモニウム塩タイプの
アニオン交換樹脂は、イオン交換能力が優れており、広
く用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
アニオン交換樹脂の場合は、耐熱性が充分でないため
に、超純水用としては、次のような欠点がある。例え
ば、図1に示す製造プロセスにおいて、紫外線酸化装置
での処理は、処理温度が高いほど効果が高い処理が可能
であるが、アニオン交換樹脂の耐熱性が充分でないため
に、被処理水の温度は60℃程度までしか高めることが
できない。もちろん、紫外線酸化装置の後に熱交換器を
配置し、イオン交換処理装置に供給する被処理水を冷却
するならば、被処理水の温度をさらに高めることができ
るが、新たな装置を必要とすると共に熱エネルギーの有
効利用の観点からして経済的に有利ではない。また紫外
線殺菌装置での処理においても、処理温度が高いほど効
果の高い処理が可能であるが、処理水の温度を60℃以
上にするためには、紫外線殺菌装置の前に熱交換器を配
して被処理水の温度を加熱する必要があり、上記と同様
に経済的に有利ではない。
【0006】本出願人は、上記実情に鑑み特開平5−0
49949号において、トリメチルベンジルアンモニウ
ム基の代りにベンゼン環に炭素数3から18であるアル
キレン基を介してトリメチルアンモニウム基を結合した
構造単位を有するイオン交換体を提案し、優れたイオン
交換能力を有した上で優れた耐熱性を有していることを
示した。しかしながら、該構造を有するイオン交換体を
製造するにあたり、例えばクロルメチルスチレンとのマ
グネシウム複合体を製造する工程(グリニャール反応)
を有することは、製造の困難さおよび原料費の高さ等に
より製造コストを高めることになり、製造上不利であ
る。本発明の目的は、製造が容易であり従来に比しさら
に耐熱性に優れ、経済的に有利でかつ効果の高い紫外線
処理を可能とした超純水製造用アニオン交換体を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題を解
決するためになされたものであり、その要旨は、イオン
交換体による精製処理の前後の何れかに紫外線処理を行
う超純水製造プロセスに使用されるアニオン交換体であ
って、下記一般式(I)
【0008】
【化2】
【0009】(一般式(I)中、Aは直接結合又は炭素
数1から4の直鎖状又は分岐状アルキレン基を表わし、
Bは炭素数1から8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキ
レン基を表わし、R1 、R2 、R3 は同じか又は異なっ
ていてもよい炭素数1から4のアルキル基、或いはアル
カノール基を示し、Xはアンモニウム基に配位した対イ
オンを示し、ベンゼン環Dは、アルキル基或いはハロゲ
ン原子で置換されていてもよい。)で表わされる構成単
位と不飽和炭化水素基含有架橋性単量体から誘導される
構成単位とを含有することを特徴とする超純水製造用ア
ニオン交換体に存する。
【0010】以下、本発明について詳述する。本発明に
おける超純水製造用アニオン交換体とは、一般式(I)
で表わされる構造単位を含んでいることを特徴とする水
不溶性架橋共重合体である。一般式(I)において、ア
ルキレン鎖Bの炭素数は、イオン交換基の耐熱性を発現
するために少なくとも1以上であることが必要である。
エチレン鎖である場合には、ホフマン分解(E2脱離反
応)が起こりやすい。更に実用的な耐熱性を考慮する
と、アルキレン鎖はブチレン鎖以上であることが好まし
い。しかしながら、アルキレン鎖Bの鎖長が長くなった
場合には、構成単位(I)の分子量が大きくなるため、
アニオン交換体の単位重量当たりのイオン交換容量が減
少し、交換容量の減少につながる。それ故アルキレン鎖
Bの炭素数は、8以下、好ましくは6以下である。
【0011】アルキレン鎖Bとしては、例えば、n−ブ
チレン鎖、n−ペンチレン鎖、n−ヘキシレン鎖、n−
ヘプチレン鎖、n−オクチレン鎖等の直鎖状アルキレン
基が挙げられる。一方、ベンゼン環に結合しているアル
キレン鎖Aは、ベンゼン環の酸化反応を抑制することに
あると考えられる。Aの炭素数が0(直接結合)である
フェノキシ基の場合、ベンゼン環が酸化されやすく、イ
オン交換基の脱落につながりやすい。従って、ベンゼン
環に結合しているアルキレン鎖Aの鎖長は、炭素数が1
以上であることが必要である。また、Bと同様、Aの鎖
長が長くなった場合には、単位重量当たりのイオン交換
基の減少につながるため、アルキレン鎖Aの炭素数は4
以下であることが好ましい。例えば、メチレン鎖、エチ
レン鎖、イソプロピレン鎖、ブチレン鎖等の直鎖状アル
キレン基、分岐状アルキレン基等が挙げられる。分岐状
アルキレン基のアルキル基は、どこに位置していてもよ
い。
【0012】製造法及び製造コストの点からは、アルキ
レン鎖Aは、メチレン鎖又はエチレン鎖であり、アルキ
レン鎖Bは、n−ブチレン鎖であることが好ましい。こ
こで、イオン交換基に結合したアルキレン鎖Bは耐熱性
を向上させるのに寄与し、ベンゼン環に結合したアルキ
レン鎖Aはベンゼン環の酸化反応を抑制するのに寄与し
ていると推定される。従って、イオン交換体の耐熱性を
発現するために特に重要なのは、イオン交換基に結合し
たアルキレン鎖Bの鎖長である。
【0013】イオン交換基を有するアルコキシアルキレ
ン基は、製造上、多くはスチレン残基のp位に導入され
る。たとえこのアルコキシアルキレン基が、m位あるい
はo位に導入された場合でも、アンモニウム基とベンゼ
ン環の距離が数Å以上であるため、ベンゼン環とポリエ
チレン鎖により立体的な影響は少ない。従って、イオン
交換基を有するアルコキシアルキレン基は、ベンゼン環
のどの位置に置換されていてもよい。
【0014】本発明の超純水製造用アニオン交換体は、
種々の製造方法で作ることができる。下記一般式(I
I)(Aは直接結合又は炭素数1から4の直鎖状又は分
岐状アルキレン基を表わし、Bは炭素数4から8の直鎖
状、分岐状又は環状のアルキレン基を表わし、Zはイオ
ン交換基に変換し得る官能基を表わす。例えば、塩素、
臭素、沃素等のハロゲン原子又はトシル基等が挙げられ
る。)で表わされる前駆体単量体を合成させ、架橋剤及
び必要に応じて第3の単量体成分とともに共重合を行っ
た後、アミンと反応させイオン交換基に変換する方法、
【0015】
【化3】
【0016】一般式(III )で表わされる構造単位を
有する単量体を、架橋剤等とともに重合する方法が挙げ
られる。一般式(III )中、A,B,R1 〜R3 ,D及
びXは、一般式(I)におけるのと同義である。Xは、
イオン交換基に配位した対イオンであって、例えば、塩
化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン、硫酸イオ
ン、硝酸イオン、水酸基等が挙げられる。なお、硫酸イ
オンのように2価のアニオンである場合は、一般式
(I)の繰り返し単位2分子に対して、1つの対イオン
が配位する。
【0017】一般式(II)で表わされる前駆体となる重
合性単量体は、幾つかの方法で合成することができる。
クロロメチルスチレン(m及びp体の混合物であっても
よい)を、公知の技術(Polymer,1973,V
ol 14,330−332、Makromol.Ch
em.Rapid Commun.,7,143,19
86)に従って加水分解した後、1,ω−ジハロゲノア
ルカンを反応させる方法、或いは、公知の技術(Bul
l.Chem.Soc.Jpn.,1976,Vol
49,2500、)に従って、クロロメチルスチレンを
塩化水銀の存在下、テトラヒドロフランと反応させ、ω
−ハロゲノアルコキシアルキルスチレンを合成すること
ができる。更に、一般式(II)で表わされる単量体をア
ルキルアミン類でアミノ化し、アンモニウム基を有する
単量体(III )を合成することができる。勿論、一般式
(II)のベンゼン環Dは、アルキル基、或いはハロゲン
で置換されていてもよい。
【0018】アニオン交換体の製造における共重合体成
分は、不飽和炭化水素含有架橋性単量体、及び必要に応
じて用いることができる第3の不飽和炭化水素含有単量
体である。この不飽和炭化水素含有架橋性単量体は、水
不溶性架橋共重合体を製造するために必要である。この
単量体としては、ジビニルベンゼン、ポリビニルベンゼ
ン、アルキルジビニルベンゼン、ジアルキルジビニルベ
ンゼン、エチレングリコール(ポリ)(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)エチレンビス(メタ)アクリルアミド等が
挙げられる。好ましくはジビニルベンゼンである。その
含有率が低い場合には、得られるアニオン交換体は高膨
潤性重合体となる。一方、含有率が高い場合には、イオ
ン交換基を有する構成成分(I)の含有率が低くなるた
め、イオン交換容量が低下する。従って本発明のアニオ
ン交換体を製造する際の不飽和炭化水素含有架橋性単量
体の使用量は、アニオン交換体において、不飽和炭化水
素含有架橋性単量体から誘導される構成単位が0.1%
〜50モル%程度、好ましくは0.2%〜25モル%と
なるように用いられる。
【0019】第3の不飽和炭化水素含有単量体は、アニ
オン交換体の機能を低減させない範囲において用いるこ
とができる。その重合性単量体としては、スチレン、ア
ルキルスチレン、ポリアルキルスチレン、(メタ)アク
リル酸エステル、(メタ)アクリル酸、アクリロニトリ
ル等が挙げられる。第3の不飽和炭化水素含有単量体の
使用量は、アニオン交換体において第3の不飽和炭化水
素含有単量体から誘導される構成単位が0%〜50モル
%、好ましくは0%〜20モル%となるように用いられ
る。
【0020】一般式(I)の構成単位を誘導しうる重合
性単量体の使用量はアニオン交換体において一般式
(I)に示される構成単位が5%〜99.9モル%、好
ましくは10〜99モル%となるように用いられる。こ
の場合、イオン交換容量を大きくするためには、一般式
(I)の含有率はできる限り高いことが好ましい。本発
明のアニオン交換体の有する重量当たりの交換容量(中
性塩交換容量)は、一般式(I)で表わされる構成要素
の分子量によっても異なる。すなわち、アルキレン鎖
A、B及びイオン交換基の置換基Rにより異なるが、一
般に、通常0.2meq/g〜5meq/gの範囲であ
る。(meq/gとは乾燥樹脂重量当たりのミリ当量を
表わす。)更に好ましくは、1.5meq/g〜4.5
meq/gの範囲である。体積当たりのイオン交換容量
は、膨潤度により異なるが、通常、0.3meq/ml
〜1.5meq/mlである。
【0021】重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル
(BPO)、過酸化ラウロイル、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤、アゾイソブチ
ロニトリル(AIBN)、2,2′−アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル)(商品名;V−65(和光
純薬))2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンア
ミジン)・二塩酸塩(商品名;V−50和光純薬、水溶
性重合開始剤)等のアゾ系重合開始剤等が用いられる。
その含有率は、通常、全単量体に対して、0.1%〜5
重量%である。重合温度は、重合開始剤の半減期温度、
含有率、単量体の種類等により異なるが、通常は、40
℃〜150℃、好ましくは50℃〜100℃で使用され
る。重合開始は、1時間〜30時間、好ましくは、1時
間〜15時間である。
【0022】これらの重合反応において、必要に応じ
て、上記各単量体成分に溶解する溶媒を添加していても
よい。これらの単量体に対して貧溶媒であるトルエン、
ヘキサン等非極性有機溶媒を添加し共重合を行った場合
には、多孔性構造を有するアニオン交換体が得られる。
一方、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の良
溶媒を添加した場合には、膨潤性のアニオン交換体が得
られる。これら溶媒の種類、添加量等により生成する多
孔性担体の物理構造が異なり、これらの溶媒を制御する
ことにより、目的とする多孔性担体を得ることができ
る。その他、例えば、溶媒として、水、メタノール、エ
タノール、アセトン等の溶媒、又はこれらの溶媒の混合
溶液が使用される。その添加量は、全単量体成分に対し
て、0%〜100重量%の範囲である。
【0023】一般式(II)及び下記一般式(IV)のZを
アンモニウム基−NR123 に変換する方法は、公
知の方法に従って行うことができる。
【0024】
【化4】
【0025】(式(IV)中、A,B,Zは前述と同義で
ある)Zが、ハロゲン原子の場合、適切な溶媒の存在
下、3級アミンを反応させアンモニウム基に変換するこ
とができる。Zがトシル基の場合にも同様に、上記反応
によりアンモニウム基に変換することができる。上記の
アンモニウム基を導入する際、樹脂を膨潤させるため、
溶媒を添加するのが一般的である。用いられる溶媒とし
ては、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコ
ール類、トルエン、ヘキサン等の炭化水素類、ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタン等の塩素系炭化水素
類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類、その他ジメチルホルムアミド、アセ
トニトリル等の溶媒が単独、又は混合溶液として用いら
れる。反応温度は、反応様式、官能基の種類、溶媒等に
より異なるが、通常は、20℃〜100℃である。一般
式(III )で表わされる重合性単量体を、架橋剤ととも
に重合することによりアニオン交換体を得ることもでき
る。
【0026】上記単量体は、一般式(II)で表わされる
重合性単量体と同様にして上記架橋性単量体と共重合す
ることができる。この場合、イオン交換基を有する単量
体を架橋剤とともに架橋重合するため、上記のように重
合後、アミノ化反応等を行わなくてもよい。その後、公
知の方法によって対イオンを各種のアニオン形に変換
し、本発明のアニオン交換体が得られる。
【0027】一般式(I)のベンゼン環は、イオン交換
基を有するアルコキシアルキレン基以外に、アルキル基
或いはハロゲン原子で置換されていてもよい。アルキル
基としては、メチル基、エチル基等が挙げられ、ハロゲ
ンとしては、フッ素、塩素、臭素、沃素等が挙げられ
る。イオン交換基を構成するアルキル基R1 ,R2 ,R
3 は、炭素数1から4のアルキル基、或いはヒドロキシ
エチル基等のアルカノール基である。この場合も、単位
重量当たりの交換容量の低下をできる限り少なくするた
め、メチル基であることが好ましい。
【0028】本発明の超純水用アニオン交換体は公知の
方法に準じて製造され、種々の形状に成形することがで
きる。球状のアニオン交換樹脂は、水/油型又は油/水
型の懸濁重合により製造することができる。上記で示し
た単量体成分を用い重合開始剤の存在下、浴比が1対2
から6の範囲となるよう懸濁重合を行うことが好まし
い。樹脂の粒子径は100μm〜2mmの範囲である。
【0029】必要に応じて、懸濁重合後粉砕することに
より粉末状に、溶液重合により塊状或いは粉末状に、そ
の他繊維状、膜状等種々の形状に成形することができ
る。本発明の超純水製造用アニオン交換体は、イオン交
換体による精製処理の前後の何れかに紫外線処理を行う
如何なる超純水製造プロセスにも適用し得る。そして、
本発明で使用するアニオン交換体は、特に優れた耐熱性
を有し、実施例にて示したとおり、特開平5−0499
49号公報に示されるイオン交換体と比べても、100
℃程度の高温においてもさらに安定である。従って、本
発明の超純水製造用アニオン交換体によれば、被処理水
の温度を100℃程度にまで充分に高めることができ
る。その結果、紫外線酸化装置や紫外線殺菌装置におい
て、より高い処理効果が期待できる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。
【0031】〔製造例−1〕 (4−ブロモブトキシメチルスチレンの合成1)300
mlの4ツ口フラスコに水酸化ナトリウム20g(0.
5mol)、水20mlを加え、撹拌し均一溶液とし
た。溶液温度を室温に戻した後、ビニルベンジルアルコ
ール(m体、及びp体の混合物)13.42g(0.1
mol)、1,4−ジブロモブタン32.39g(0.
15mol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド
3.22g(0.01mol)をトルエン100mlに
溶解し、添加した。この混合溶液を激しく撹拌しなが
ら、40℃で6時間反応させた。反応後、溶液を分離
し、水で充分洗浄した。この有機相に硫酸マグネシウム
を加え乾燥した後、トルエンを減圧下で留去して得た溶
液をDPPH(ジフェニルピクリル−2−ヒドラジル)
存在下で真空蒸留(bp 125〜128℃/16P
a)して、無色透明溶液を得た。得られた溶液は、下記
のNMR及びIR吸収を有することによって4−ブロモ
ブトキシメチルスチレンの構造を確認した。収量は1
5.0g、収率は56%であった。
【0032】1H−NMRは日本電子製 EX−270
(270MHz、溶媒は全てCDCl3 を用いて測定し
た。TMS基準 δ;ppm。尚本化合物は、m体とp
体の混合物であるため、結合定数は算出できない。)、
赤外線吸収スペクトル(IRスペクトル)は島津製作所
製 FT−IR 4000を用いた。(( )内、b
r.は線幅が広い Sh.は鋭い Str.は大きな吸
収 med.は中程度の吸収であることを示す。)
【0033】1H−NMR;7.15−7.36(m:
芳香族水素)、6.61−6.73(m:ビニル基のα
位水素)、5.67−5.76(m:ビニル基のβ位水
素)、5.17−5.23(m:ビニル基のβ位水
素)、4.42と4.41(s:ベンジル位のメチレン
鎖)、3.33−3.45(m:Brのα位とδ位のメ
チレン鎖)、1.85−1.96(m:Brのβ位のメ
チレン鎖)、1.64−1.74(m:Brのγ位のメ
チレン鎖)。
【0034】IRスペクトル(NaCl法)2950
(sh.),2860(sh.),1630(s
h.),1440(med.),1360(me
d.),1250(med.),1110(st
r.),990(str.),910(str.),8
30(med.),800(med.),720(me
d.)。
【0035】〔製造例−2〕 (3−ブロモプロポキシメチルスチレンの合成)100
0mlの4ツ口フラスコに水酸化ナトリウム80g
(2.0mol)、1,3−プロパンジオール500g
(6.5mol)、ハイドロキノン1.5gを仕込み8
0℃にて2時間反応させた。続いてクロルメチルスチレ
ン(CMSと略記、m体、及びp体の混合物)250g
(1.5mol)を30分で滴下し添加した。この混合
溶液をさらに反応させた後、水浴で室温に冷却し食塩水
(20wt%)300mlに投入した。有機相を分離
し、水相をトルエンにて抽出した。有機相とトルエンを
合わせ、硫酸マグネシウムを加え乾燥した後、トルエン
を減圧下で留去して得た溶液をDPPH(ジフェニルピ
クリル−2−ヒドラジル)存在下で真空蒸留(bp 1
01〜3℃/56Pa)して目的の3−ヒドロキシプロ
ポキシメチルスチレンを得た。収率60%であった。
【0036】得られた3−ヒドロキシプロポキシメチル
スチレン192g(1.0mol)と脱水精製したピリ
ジン55mlを300ml四口フラスコに仕込み、ドラ
イアイス−エタノールで−10℃に保ちながら三臭化リ
ン108g(0.4mol)を滴下した。滴下終了後、
室温で15h撹拌した。反応混合物を食塩水(20wt
%)250mlに投入し、トルエンにて抽出した。有機
相を水−8%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸
マグネシウムを加え乾燥した後、トルエンを減圧下で留
去して得た溶液をDPPH存在下で真空蒸留(bp 9
0〜91℃/45Pa)して目的の3−ブロモプロポキ
シメチルスチレンを得た。収率35%であった。得られ
た溶液は、 1H−NMRおよびIRスペクトルにて確認
を行った。
【0037】1H−NMR;7.18−7.40(m:
芳香族水素)、6.64−6.76(m:ビニル基のα
位水素)、5.70−5.79(m:ビニル基のβ位水
素)、5.20−5.28(m:ビニル基のβ位水
素)、4.50と4.49(s:ベンジル位のメチレン
水素)、3.48−3.62(m:エーテル酸素の隣接
するメチレン水素および末端Brの隣接するα位メチレ
ン水素)、2.06−2.16(m:Brのβ位のメチ
レン水素)。
【0038】IRスペクトル(NaCl法)2950
(sh.),2850(sh.),1440(we
k.),1360(med.),1250(me
d.),1110(str.),990(med.),
910(str.),800(sh.),720(me
d.)。
【0039】〔製造例−3〕 (5−ブロモペントキシメチルスチレンの合成)1Lの
4ツ口フラスコに、氷冷下、水酸化ナトリウム57g
(1.425mol)、脱塩水57mlを加え、1,5
−ジブロモペンタン98.33g(0.428mo
l)、テトラブチルアンモニウムブロマイド9.19g
(0.0285mol)をトルエン285mlの溶液を
加えた。溶液を50℃に設定し、ビニルベンジルアルコ
ール(m体、p体の混合物)38.25g(0.285
mol)、DPPH30mgのトルエン溶液70mlを
1時間かけて、滴下した。滴下中に原料の大部分が消失
した。この混合物を激しく撹拌しながら、60℃で8時
間反応させた。反応後、有機相を分離し、水で充分洗浄
した。この有機相に硫酸マグネシウムを加え乾燥した
後、トルエンを減圧下で留去して得た混合物をDPPH
存在下で真空蒸留(b.p.107−108℃/40P
a)して、無色透明溶液の液体を得た。得られた溶液
は、NMRによって構造を確認した。5−ブロモペント
キシメチルスチレンの収量は40.8g、収率は51%
であった。
【0040】1H−NMR;7.36−7.40(m:
芳香族水素)、7.22−7.31(m:芳香族水
素)、6.65−6.76(m:ビニル基のα位水
素)、5.70−5.78(m:ビニル基のβ位水
素)、5.20−5.26(m:ビニル基のβ位水
素)、4.48と4.47(s:ベンジル位のメチレン
水素)、3.44−3.48(m:Brのα位とε位の
メチレン水素)、3.36−3.41(m:酸素のα位
のメチレン水素)、1.80−1.91(m:酸素のβ
位のメチレン水素)、1.59−1.68(m:Brの
β位のメチレン水素)、1.47−1.54(m:Br
のγ位のメチレン水素)。
【0041】IRスペクトル(NaCl法)2940
(sh.),2860(sh.),1630(s
h.),1455(med.),1360(st
r.),1245(med.),1105(st
r.),990(med.),910(str.),8
30(med.),800(med.),715(me
d.),645(med.),560(med.)。
【0042】〔製造例−4〕 (6−ブロモヘキソキシメチルスチレンの合成)冷却
管、等圧滴下ロートを備えた1Lの4ツ口フラスコに、
氷冷下水酸化ナトリウム100g(2.5mol)、脱
塩水100mlを加え、均一溶液とした。溶液温度を室
温に戻し、1,6−ジブロモヘキサン331g(1.3
6mol)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイ
ド16.2g(50.2mol)のトルエン500ml
溶液を加えた。溶液を50℃に設定し、ビニルベンジル
アルコール(m体、及びp体の混合物)49.7g(3
66mmol)、DPPH50mgのTHF溶液100
mlを90分かけ滴下した。懸濁状態になるように激し
く撹拌しながら、55℃で5時間反応させた。反応後、
有機相を分離し水で充分洗浄した。トルエンを減圧下で
留去して得た混合物をDPPH存在下で真空蒸留(b.
p.88〜92℃/200Pa)で、1,6−ジブロモ
ヘキサンを除去した。その後、シリカゲルカラム(ワコ
ーゲルC−200)クロマトグラフィーを用いて精製し
た。6−ブロモヘキソキシメチルスチレンは、淡黄色透
明の粘稠な溶液であった。 1H−NMRによって構造を
確認した。6−ブロモヘキソキシメチルスチレンの収率
は70%であった。
【0043】1H−NMR;7.20−7.41(m:
芳香族水素)、6.64−6.76(m:ビニル基のα
位水素)、5.70−5.79(m:ビニル基のβ位水
素)、5.20−5.27(m:ビニル基のβ位水
素)、4.48と4.47(s:ベンジル位のメチレン
水素)、3.41−3.47(m:エーテル酸素の隣接
するメチレン水素)、3.34−3.41(m:末端B
rの隣接するメチレン水素)、1.82−1.92(b
r.m:Brのε位のメチレン水素)、1.57−1.
65(br.m:Brのβ位のメチレン水素)、1.3
6−1.47(br.m:Brのγ位とδ位のメチレン
水素)。
【0044】IRスペクトル(KBr法);2950
(sh.),2850(sh.),1440(we
k),1360(med.),1250(med.),
1110(str.),990(med.),910
(str.),800(sh.),720(me
d.)。
【0045】〔実施例−1〕窒素ガス導入管、冷却管を
備えた500mlの4ツ口フラスコに脱塩水200m
l、2%ポリビニルアルコール水溶液50mlを加え、
窒素を導入し、溶存酸素を除去した。一方、4−ブロモ
ブトキシメチルスチレン46.4g、ジビニルベンゼン
1.72g(工業用;純度56%)、及びAIBN0.
4gを溶解したモノマー相を調製し、水相と同様、溶存
酸素を除去した。モノマー溶液をフラスコに入れ、15
0rpmで撹拌し、モノマーの液滴を形成した。室温で
30分撹拌後、70℃に昇温し、70℃で18時間撹拌
した。重合後、ポリマーを取り出し、樹脂を水洗後、メ
タノールで3回洗浄した。重合収率は93%で、仕込み
架橋度4モル%の淡黄色透明球状の樹脂を得た。
【0046】冷却管を備えた500mlの4ツ口フラス
コに、上記樹脂を入れ、1,4−ジオキサン500ml
を加え、室温で撹拌した。この溶液に30%トリメチル
アミン水溶液200mlを加え、50℃で10時間反応
を行ってトリメチルアンモニウム基を導入した。反応
後、ポリマーを取り出し、充分水洗した。このアニオン
交換樹脂の対イオンを臭化物イオンから塩化物イオン
(Cl形)に変換するため、樹脂量に対して10倍量の
4重量%塩化ナトリウム水溶液を通液した。Cl形の樹
脂の下記性能を測定した。なお平均粒子径は750μm
であった。
【0047】
【表1】 中性塩分解容量 3.42 meq/g 中性塩分解容量 0.832meq/ml 水分含有率 57.0 % 膨潤度 4.11 ml/g
【0048】実施例−1で得られたアニオン交換樹脂の
IRスペクトルは下記の通りであった。 (KBr法)(対イオンXは、Cl形である)3450
(br.),2950(sh.),2870(s
h.),1640(br.),1480(str.),
1360(med.),1110(str.),970
(med.),910(med.),800(me
d.)。 (KBr法)(対イオンXは、OH形である)3400
(br.),2950(sh.),2870(s
h.),1650(br.),1480(str.),
1450(str.),1370(med.),109
0(str.),970(med.),910(me
d.),790(med.)。
【0049】〔実施例−2〕4−ブロモブトキシメチル
スチレンを44.7g、ジビニルベンゼン(工業用)を
2.60gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度6モル%、平均粒子径730μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は91%であった。
【0050】
【表2】 中性塩分解容量 3.21 meq/g 中性塩分解容量 0.919meq/ml 水分含有率 51.0 % 膨潤度 3.49 ml/g
【0051】〔実施例−3〕4−ブロモブトキシメチル
スチレンを42.9g、ジビニルベンゼン(工業用)を
3.46gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度8モル%、平均粒子径750μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は93%であった。
【0052】
【表3】 中性塩分解容量 3.32 meq/g 中性塩分解容量 1.02 meq/ml 水分含有率 44.5 % 膨潤度 3.25 ml/g
【0053】〔実施例−4〕クロロメチルスチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体は、文献(Polymer,1
4,July 1973 330−332)に従って、
ジビニルベンゼンの含有率が4モル%となるように調製
されたモノマー溶液を用いて重合し製造した。更に、上
記文献に従って、そのクロロメチル基を酢酸エステル誘
導体とした後、水酸化ナトリウム溶液で加水分解しビニ
ルベンジルアルコール−ジビニルベンゼン共重合体とし
た。
【0054】1リットルの4ツ口フラスコに、上記共重
合体50g、1,4−ジオキサン500ml、1,4−
ジブロモブタン200g(0.926mol)を加え、
50℃で30分撹拌し、ポリマーを膨潤させた。この中
へ、ナトリウムメトキシド31g(0.574mol)
を加え、70℃で10時間反応した。反応後、ポリマー
を取り出し、メタノールで充分洗浄した後、ポリマーを
水洗した。
【0055】500mlの4ツ口フラスコに、上記樹
脂、メタノール500mlを加え、室温で撹拌した。こ
の溶液に30%のトリメチルアミン水溶液200mlを
加え、50℃で10時間アミノ化反応を行った。反応
後、ポリマーを取り出し、充分水洗した。対イオンをC
l形に変換するため、樹脂量に対して10倍量の4%塩
化ナトリウム水溶液を通液した。得られた樹脂の平均粒
子径は560μmであった。
【0056】
【表4】 中性塩分解容量 2.32 meq/g 中性塩分解容量 0.71 meq/ml 水分含有率 44.5 % 膨潤度 3.25 ml/g
【0057】〔実施例−5〕5−ブロモペントキシメチ
ルスチレンを46.4g、ジビニルベンゼン(工業用)
を1.64gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度4モル%、平均粒子径700μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は90%であった。
【0058】
【表5】 中性塩分解容量 2.61 meq/g 中性塩分解容量 0.74 meq/ml 水分含有率 51.5 % 膨潤度 3.54 ml/g
【0059】〔実施例−6〕5−ブロモペントキシメチ
ルスチレンを44.7g、ジビニルベンゼン(工業用)
を2.47gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度6モル%、平均粒子径720μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は91%であった。
【0060】
【表6】 中性塩分解容量 3.00 meq/g 中性塩分解容量 0.93 meq/ml 水分含有率 51.7 % 膨潤度 3.25 ml/g
【0061】〔実施例−7〕6−ブロモヘキソキシメチ
ルスチレンを46.4g、ジビニルベンゼン(工業用)
を1.56gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度4モル%、平均粒子径680μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は89%であった。
【0062】
【表7】 中性塩分解容量 3.00 meq/g 中性塩分解容量 0.87 meq/ml 水分含有率 57.5 % 膨潤度 3.47 ml/g
【0063】〔実施例−8〕クロロメチルスチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体は、文献(Polymer,1
4,July 1973 330−332)に従って、
ジビニルベンゼンの含有率が3.2%となるように調製
されたモノマー溶液を用いて重合し製造した。得られた
共重合体の重合収率は83%であった。また、このもの
のジメチルホルムアミド(DMF)に対する膨潤度は、
6.90ml/g(乾燥共重合体)であった。
【0064】300mlの4ツ口フラスコに、ジメチル
ホルムアミド20ml、1,4−ジブタンジオール1
7.64g(0.195mol)、純度60%水素化ナ
トリウム2.61g(0.065mol)を加え、室温
にて1時間撹拌し、80mlのジメチルホルムアミドに
て膨潤させた上記共重合体10gを添加し、乾燥窒素気
流下にて60℃で25時間反応させた。反応後、ヒドロ
キシブトキシ化した共重合体を取り出し、水洗しアセト
ンにて充分洗浄した後、さらに水洗し、真空乾燥した。
【0065】300mlの4ツ口フラスコに、ヒドロキ
シブトキシ化した共重合体5gを室温にてジメチルホル
ムアミド30mlで膨潤した後、ピリジン5.75gを
加え氷冷した。氷冷下、撹拌しながら塩化チオニル8.
70g(0.073mol)を30分かけて滴下した。
滴下終了後、70℃にて5時間反応させた。反応後、水
酸基をクロル化した共重合体を取り出し、水洗しアセト
ンにて充分洗浄した後、さらに水洗した。
【0066】ステンレス製の密閉容器にクロル化した共
重合体5gを入れ、さらにトリメチルアミン30%水溶
液25ml、メタノール10mlを加え、加圧下80℃
にて6時間アミノ化反応を行った。反応後、ポリマーを
取り出し、充分水洗した。対イオンをCl形に変換する
ため、樹脂量に対して10倍量の4%塩化ナトリウム水
溶液を通液した。得られた樹脂の性能は以下のとおりで
ある。
【0067】
【表8】 中性塩分解容量 2.46 meq/g 中性塩分解容量 0.58 meq/ml 水分含有率 63.3 %
【0068】〔比較例−1〕 (メチレン鎖を有する4モル%I型ゲル型アニオン交換
樹脂);実施例−1で4−ブロモブトキシメチルスチレ
ンの代わりにクロロメチルスチレンを用いた以外は、実
施例−1と同様に行った。
【0069】〔比較例−2〕 (エチレン鎖を有する4モル%I型ゲル型アニオン交換
樹脂);実施例−1で4−ブロモブトキシメチルスチレ
ンの代わりに2−ブロモエチルスチレン(公知の方法に
従って、ブロモエチルベンゼンを原料として合成し
た。)を用いた以外は、実施例−1と同様に行った。
【0070】〔比較例−3〕 (ブチレン鎖を有する4モル%架橋I型アニオン交換樹
脂);実施例−1において、4−ブロモブトキシメチル
スチレンの代わりに4−ブロモブチルスチレンを使用し
た以外は、全く同様に行った。
【0071】〔比較例−4〕 (ブチレン鎖を有する6モル%架橋I型アニオン交換樹
脂);実施例−2において、4−ブロモブトキシメチル
スチレンの代わりに4−ブロモブチルスチレンを使用し
た以外は、全く同様に行った。
【0072】〔比較例−5〕 (ヘプチレン鎖を有する4モル%架橋I型アニオン交換
樹脂);実施例−1において、4−ブロモブトキシメチ
ルスチレンの代わりに7−ブロモヘプチルスチレンを使
用した以外は、全く同様に行った。
【0073】〔比較例−6〕3−ブロモプロポキシメチ
ルスチレンを46.4g、ジビニルベンゼン(工業用)
を1.83gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度4モル%、平均粒子径610μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は86%であった。
【0074】
【表9】 中性塩分解容量 3.38 meq/g 中性塩分解容量 0.74 meq/ml 水分含有率 60.8 % 膨潤度 4.57 ml/g
【0075】〔比較例−7〕3−ブロモプロポキシメチ
ルスチレンを44.7g、ジビニルベンゼン(工業用)
を2.74gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度6モル%、平均粒子径650μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は83%であった。
【0076】
【表10】 中性塩分解容量 3.33 meq/g 中性塩分解容量 0.88 meq/ml 水分含有率 52.6 % 膨潤度 3.80 ml/g
【0077】〔試験例−1〕 (アニオン交換樹脂の耐熱試験)実施例−1、2、5〜
7で製造されたアニオン交換体、及び比較例1〜7のア
ニオン交換樹脂を用いた。アニオン交換樹脂に10倍量
の4%塩化ナトリウム水溶液を通液し対イオンをCl形
とした後、これらの樹脂50mlをはかりとった。これ
らの樹脂を、500mlの2N−水酸化ナトリウム水溶
液を通液しOH形に再生し、体積を測定した。
【0078】得られた樹脂をガラス製オートクレーブ管
に入れ、OH形の樹脂の体積の0.8倍量の脱塩水を加
えた。管内の溶存酸素を除去するため、50℃に加温し
た状態で窒素ガスを1時間通じた。このオートクレーブ
管をオイルバスに浸し、100℃で30日間もしくは9
0日間静置した後、樹脂を取り出し、500mlの2N
−水酸化ナトリウム水溶液を通液しOH形に再生した。
再生後の樹脂の体積を測定した。更に、5倍量の4%塩
化ナトリウム水溶液を通液し、対イオンをCl形に変換
した。このときの樹脂の体積、及び樹脂の一般性能を測
定し、残存率を計算した。その耐熱試験結果を表−1に
示した。
【0079】
【表11】
【0080】(1)アニオン交換樹脂のイオン交換基
は、全てトリメチルアンモニウム基である。 (2)スペーサー:アニオン交換基とベンゼン環を結合
する官能基をいう。 (3)残存率:残存率は以下の式で表わされる。 残存率(%)=(耐熱試験後の中性塩分解容量meq/
ml×試験後のCl形の樹脂体積)÷(耐熱試験前の中
性塩分解容量meq/ml×試験前のCl形の樹脂体
積)×100 ・空欄は未実施 表−1より、本発明のアニオン交換体は従来のものと比
べ耐熱性に優れていることがわかる。
【0081】〔試験例−2〕 (樹脂からの溶出試験)対イオンをCl形に変換した樹
脂およびOH形に変換した樹脂をそれぞれ50倍量の脱
イオン水を通液した後、各25ml計り取り、遠心法に
より付着水の水切りを行った。このものを300ml三
角フラスコに入れた100mlの各試験溶液に加え、密
栓し30℃にて30日間静置した。各試験溶液は、窒素
置換等による溶存酸素の排除を行っていない。樹脂は実
施例2および比較例1で製造されたものを用いた。試験
後の各溶液中に含まれるTOC(総有機性炭素量)をT
OC計により測定を行った。結果を表−2に示す。表中
の数値の単位はppmである。
【0082】
【表12】 表−2 試験溶液 実施例2 比較例1 OH形 Cl形 OH形 Cl形 脱イオン水 24 5 183 35 1N−NaOH 23 − 128 −
【0083】表−2から明らかな様に、本発明の樹脂は
通常のトリメチルベンジルアンモニウム型の樹脂である
比較例1に比し樹脂の溶出が少ない。すなわち、本発明
のアニオン交換体はいずれも現在I型ゲル型樹脂として
最も汎用されている比較例1の樹脂に比し、卓越した耐
熱性を有する。また、スペーサーとしてアルキレン基を
有する比較例1−5の樹脂に比較しても、架橋度及びス
ペーサーの炭素数を考慮すると本発明樹脂の耐熱性が優
れていることは明らかである。更に、本発明樹脂は、類
似構造のスペーサーを有する比較例6、7の樹脂に比
し、はるかに優れた耐熱性を有する。
【0084】〔試験例−3〕 (脱塩試験)実施例2で製造した架橋アニオン交換体を
用いて試験を行った。実施例2のアニオン交換体に10
倍量の4%塩化ナトリウム水溶液を通液し対イオンをC
l形とした後、450mlをはかりとった。これを、内
径30mm長さ1000mmの円筒形カラムに充填し、
1350mlの1N−水酸化ナトリウム水溶液を通液し
た。この後、脱塩水を2700mlを50分かけて通水
し、下記組成の水溶液を再生形カチオン交換樹脂100
0mlに接触させた後通液して、カラム出口で電気伝導
度を測定した。 試験水 ナトリウムイオン 210ppm カルシウムイオン 140ppm シリカ 87.5ppm 硫酸イオン 210ppm 塩素イオン 140ppm (各濃度は、炭酸カルシウム換算) 結果 処理水の電気伝導度は、定常で0.3μS/
cmを示し、1.0μS/cmに達するまで実施例2の
イオン交換体1000mlあたり試験水103リッター
を脱塩することができた。
【0085】
【発明の効果】以上説明した本発明の超純水製造用アニ
オン交換体によれば、優れたイオン交換能力および低溶
出性を有しており、従来よりさらに優れた耐熱性を発揮
し、超純水製造プロセスにおいて、経済的に有利で且つ
効果の高い紫外線処理を行うことができる。従って、本
発明の工業的価値は従来に増して顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】超純水の一般的な製造プロセスを示すフローチ
ャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 9/00 504 B C08F 12/14 MJY

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換体による精製処理の前後の何
    れかに紫外線処理を行う超純水製造プロセスに使用され
    るアニオン交換体であって、下記一般式(I) 【化1】 (一般式(I)中、Aは炭素数1から4の直鎖状又は分
    岐状アルキレン基を表わし、Bは炭素数4から8の直鎖
    状アルキレン基を表わし、R1 、R2 、R3 は同じか又
    は異なっていてもよい炭素数1から4のアルキル基、或
    いはアルカノール基を示し、Xはアンモニウム基に配位
    した対イオンを示し、ベンゼン環Dは、アルキル基或い
    はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表わされ
    る構成単位と不飽和炭化水素基含有架橋性単量体から誘
    導される構成単位とを含有することを特徴とする超純水
    製造用アニオン交換体。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で示される構成単位を5〜
    99.9モル%、不飽和炭化水素基含有架橋性単量体か
    ら誘導される構成単位を50〜0.1モル%及び前記構
    成単位とは異なる不飽和炭化水素基含有単量体を0〜5
    0モル%含有することを特徴とする請求項1に記載の超
    純水製造用アニオン交換体。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で表わされる構成単位中、
    Aが炭素数1から2のアルキレン基であり、Bが炭素数
    4から8の直鎖状アルキレン基であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の超純水製造用アニオン交換体。
  4. 【請求項4】 一般式(I)で表わされる構成単位中、
    Aがメチレン基であり、Bが炭素数4から6の直鎖アル
    キレン基であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の超純水製造用アニオン交換体。
  5. 【請求項5】 一般式(I)で表わされる構成単位中、
    Aがメチレン基であり、Bがn−ブチレン基であること
    を特徴とする請求項4に記載の超純水製造用アニオン交
    換体。
  6. 【請求項6】 一般式(I)で表わされる構成単位中、
    Aがエチレン基であり、Bがn−ブチレン基であること
    を特徴とする請求項3に記載の超純水製造用アニオン交
    換体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH07289921A (ja) * 1994-03-01 1995-11-07 Mitsubishi Chem Corp アニオン交換体
WO1996028484A1 (fr) * 1995-03-14 1996-09-19 Arakawa Chemical Industries, Ltd. Resine poreuse contenant des fonctions et procede de production de cette resine

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