JP3786475B2 - 極性有機溶剤の精製方法および不凍液含有冷却液の再生装置 - Google Patents

極性有機溶剤の精製方法および不凍液含有冷却液の再生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、極性有機溶剤の精製方法および不凍液含有冷却液の再生装置に関するものであり、詳しくは、特定のアニオン交換樹脂の使用により、比較的高い温度であっても優れたアニオン除去効果を達成し得る様に改良された上記の精製方法および再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車のエンジン冷却液には、冷却液の不凍性と非沸騰性を確保するため、アルコール(例えばエチレングリコールの様なグリコール類など)と無機塩類と有機アミンの様な腐食抑制剤が添加される。
【0003】
ところで、自動車が一定距離走行すると、例えばエチレングリコールの分解による酸(酢酸、グリコール酸、ギ酸など)の生成と冷却系金属の化学的または電気化学的な過程による腐食により、溶解性金属の増加と金属酸化物などによる懸濁物の蓄積が起こり、エンジン冷却液が劣化する。
【0004】
特開平7−108141号公報および同7−208166号公報には、使用済み不凍液(エンジン冷却液)の再生方法として、イオン交換樹脂を使用した方法が提案され、また、特開平7−34872号公報には、自動車エンジン冷却用不凍液の処理装置として、自動車エンジン冷却用不凍液を不凍液処理装置に圧送するためのポンプモータ、水酸化した重金属と塵を除去するためのフィルタ、イオン化物を取り除くためのイオン交換樹脂塔などから成る装置が提案されている。斯かる不凍液は、エンジン等の内燃機関に限らず、例えば発動発電機などの整流器の冷却システムにも利用されている。
【0005】
そして、特開平7−208166号公報には、アニオン交換樹脂の具体例として、市販の「アンバーライトIRA−400」と「アンバーライトIRA−68」(何れも商品名)が記載されている。前者は強塩基性アニオン交換樹脂、後者は弱塩基性アニオン交換樹脂である。
【0006】
ところで、不凍液に代表される極性有機溶剤中においては、後述の比較例に示す様に或る種のアニオン交換樹脂では劣化を生じるため、極性有機溶剤の精製においては、極性有機溶剤に対して化学的に安定なアニオン交換樹脂を選択する必要がある。
【0007】
また、極性有機溶剤の精製は比較的高い温度で行われることが多い。例えば、内燃機関における不凍液含有冷却液の循環路に再生装置を配置した場合は、当該再生装置のアニオン交換樹脂は、相当の高温、例えば80℃前後の不凍液含有冷却液と接触することになる。更に、整流器の冷却システム等の不凍液は、例えば整流器が屋外に配置された場合、夏場では65℃前後の温度となる。従って、極性有機溶剤の精製においては、極性有機溶剤中において上記の様な高温に耐え得る安定したアニオン交換樹脂を選択する必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、極性有機溶剤による劣化が少なく、特に、比較的高い温度の極性有機溶剤に対しても十分に適用し得る様に改良された極性有機溶剤の精製方法および不凍液含有冷却液の再生装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく種々検討を重ねた結果、既に公知であるが特定構造のアニオン交換樹脂が極性有機溶剤に対する安定性が優れていることを見出し、本発明の完成に至った。
【0010】
すなわち、本発明の第1の要旨は、請求項1に記載の一般式(I)で表される4級アンモニウム塩基を有する構造単位および不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーから誘導される構造単位を含有するアニオン交換樹脂によりアナオン含有極性有機溶剤を処理することを特徴とする極性有機溶剤の精製方法に存し、第2の要旨は、内燃機関における不凍液含有冷却液の循環路に配置される当該不凍液含有冷却液の再生装置であって、上記のアニオン交換樹脂を使用して成ることを特徴とする再生装置に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本発明で使用するアニオン交換樹脂について説明する。上記のアニオン交換樹脂は、請求項1に記載の一般式(I)で表される4級アンモニウム塩基を有する構造単位および不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーから誘導される構造単位を含有する。
【0012】
一般式(I)において、Aは炭素数3〜8の直鎖状アルキレン基または炭素数4〜9のアルコキシメチレン基を表わすが、上記の直鎖状アルキレン基としては、例えば、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などが挙げられ、上記のアルコキシメチレン基としては、ブトキシメチレン基、ペントキシメチレン基などが挙げられる。
【0013】
一般式(I)において、R1 は水酸基で置換されてもよい炭素数1〜4のアルキル基、R2 及びR 3は、炭素数1〜4のアルキル基を表すが、これらのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。
【0014】
一般式(I)において、X- はアンモニウム基に配位した対イオンを表すが、その具体としては、Cl- ,Br- ,I- 等のハロゲンイオン、硫酸イオン、NO3 - 、OH- 、p−トルエンスルホン酸イオン等のアニオンが挙げられる。そして、アニオンが硫酸イオンの様に2価である場合は、一般式(I)で表される構造単位2分子に対してアニオン1分子が結合する。また、ベンゼン環の置換基のアルキル基としては、メチル基、エチル基などが挙げられ、ハロゲン原子としては、塩素、臭素、沃素などが挙げられる。
【0015】
一般式(I)において、R2 及びR 3はメチル基が好ましく、更には、R1 がメチル基であるトリメチルアンモニウム塩基(I型強塩基性樹脂)又はR1 がヒドロキシエチル基であるジメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩基(II型強塩基性樹脂) が好ましい。
【0016】
不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、ジビニルキシレン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられる。これらの中ではジビニルベンゼンが好ましい。
【0017】
本発明で使用するアニオン交換樹脂においては、全アニオン交換基に対する一般式(I)で表される4級アンモニウム基の割合は90%以上がであることが好ましく、全アニオン交換基の実質的全量が一般式(I)で表される4級アンモニウム基であることが特に好ましい。
【0018】
本発明で使用するアニオン交換樹脂は、例えば、特開平7−289921号公報に記載されて公知であり、その用途例の幾つかは、特開平5−49950号公報、同5−49951号公報、同5−49952号公報、同5−57200号公報に記載されて公知である。しかしながら、これらの公報には、極性有機溶剤の精製に上記のアニオン交換樹脂を使用することは記載されておらず、また、上記のアニオン交換樹脂の極性有機溶剤に対する安定性についても記載がない。
【0019】
ところで、特公平2−42542号公報には、本発明で使用するアニオン交換樹脂に類似した構造の樹脂が記載されている。この樹脂は、−Cn 2n−Xで表されるハロアルキル基(式中、Xは塩素または臭素原子、nは1〜4の整数)を有する架橋共重合体に3級アミンを反応させて得られるが、上記の公報に具体的に開示されているのは、上記の整数nが1である樹脂のみである。
【0020】
整数nが3又は4の樹脂は、開示された方法に準じて製造した場合、−(CH2 3 −Xまたは−(CH2 4 −Xで表されるハロアルキル基から誘導されるアニオン交換基の量が非常に少ない。そして、上記の整数nが1である強塩基性アニオン交換樹脂は、極性有機溶剤による劣化が大きく、極性有機溶剤の精製には使用するのは無理である。
【0021】
本発明で使用するアニオン交換樹脂について、その極性有機溶剤に対する安定性が高い理由は、上記の様な事実からして、次の様に推定される。すなわち、前記一般式(I)で表される4級アンモニウム塩基の構造において、ベンゼン環と4級窒素原子との間のスペーサーとして存在するAが炭素数3〜8の直鎖状アルキレン基または炭素数4〜9のアルコキシメチレンであって比較的長い鎖であることが極性有機溶剤による劣化抑制に関与しているのではないかと推定される。
【0022】
また、本発明で使用するアニオン交換樹脂においては、前述の通り、全アニオン交換基の90%以上が一般式(I)で表される4級アンモニウム基であることが好ましいが、本発明で使用するアニオン交換樹脂が比較的高い温度ので極性有機溶剤に対しても安定である理由は、前記の長スペーサーAの存在と4級アンモニウム基の高含有量構造の両者の相乗的作用によるものと推定される。
【0023】
次に、本発明の精製方法について説明する。本発明の精製方法において、極性有機溶剤としては、代表的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、エタノール、メタノール等のアルコール類、グライム等のエーテル類およびこれらの水溶液が挙げられる。そして、アニオン含有極性有機溶剤の具体例としては、代表的には、自動車のエンジン等の内燃機関における不凍液含有冷却液、発動発電機などの整流器やその他の装置に機械・装置の冷却システムの不凍液含有冷却液などが挙げられる。
【0024】
上記の不凍液含有冷却液は、塩素、硫酸、硝酸、硼素、燐酸、モリブデン酸、シリカ、グリコール酸、ギ酸、酢酸などのアニオンやアニオン性有機物を含有する。また、金属イオンとして、通常、ナトリウム、カリウム、銅、鉄、アルミニウ、鉛、亜鉛などのイオンを含有する。
【0025】
本発明の精製方法は、極性有機溶剤に対して安定な特定のアニオン交換樹脂によりアニオン含有極性有機溶剤を処理する。しかしながら、本発明の精製方法においては、従来公知の各種のカチオン交換樹脂を組み合わせることは任意であり、通常は両者を組み合わせて実施する。
【0026】
上記のカチオン交換樹脂としては、官能基としてスルホン酸基を有する強酸性カチオン交換樹脂(例えば三菱化成社製「ダイヤイオンSK−1」(登録商標)等)、カルボン酸基を有する弱酸性カチオン交換樹脂(例えば三菱化成社製「ダイヤイオンWK−10」(登録商標)等)が挙げられる。また、アニオン交換樹脂には、キレート樹脂(例えば三菱化成社製「ダイヤイオンCR−10」(登録商標)等)も組み合わせて使用することが出来る。そして、各樹脂の組み合わせ方式としては、混床式または複床式の何れであってもよい。
【0027】
前記のアニオン交換樹脂を使用した本発明の精製方法において、樹脂の使用温度、処理液の流速などの条件は、適宜選択される。そして、樹脂の使用温度は、通常−50℃〜+90℃の範囲とされる。しかしながら、本発明の精製方法は、特定のアニオン交換樹脂の使用により、比較的高い温度であっても極性有機溶剤による樹脂の劣化が抑制される。従って、30〜100℃、特には50〜90℃の樹脂温度を必要とする精製において、本発明の精製方法の効果は顕著である。
【0028】
次に、本発明の不凍液含有冷却液の再生装置について説明する。本発明の再生装置は、前述の特開平7−34872号に記載の不凍液処理装置と同様に、内燃機関における不凍液含有冷却液の循環路に配置され、当該不凍液含有冷却液の精製を行う。本発明の再生装置の特徴は、前記のアニオン交換樹脂を使用した点にある。
【0029】
前述の通り、上記のアニオン交換樹脂は、通常、カチオン交換樹脂および/またはキレートと組み合わせて使用され、そして、樹脂塔(カラム)塔の形式により、また、適宜カセット方式などを採用して不凍液含有冷却液の循環路に配置される。不凍液含有冷却液の循環路としては、通常、エンジンとラジエータとの間の流路が選ばれるが、自動車室内のヒーター等のために形成された循環バイパス流路であってもよい。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。以下の実施例においては、本発明で使用するアニオン交換樹脂の極性有機溶剤中の安定性を評価し、本発明の精製方法および再生装置の効果を明らかにした。なお、以下の記載においてmeq/gは、乾燥樹脂重量当たりのミリ当量を表す。また、アニオン交換樹脂の交換容量は、ダイヤイオンマニュアル(三菱化学社発行)に従って測定した。
【0031】
製造例1
<4−ブロモブチルスチレンの合成(1)>
窒素ガス導入管、ジムロー冷却管、枝管付き等圧滴下ロート及び攪拌羽根を備えた1000mlの分液ロート型4ツ口フラスコに金属マグネシウム52. 5g(2. 16グラム原子)とテトラヒドロフラン(THF)360mlを入れ、内温を30℃に設定した。このフラスコにp−クロロスチレン(CS)251g(1. 81モル)のTHF溶液350mlを内温が40℃以上にならない様に2時間かけて滴下し、CSのグリニャール試薬を得た。
【0032】
上記のフラスコの下に、前記と同様の構造の2000mlの4ツ口フラスコを連結し、その中に1, 4−ジブロモブタン1060g(4. 91モル、2. 71当量/CS)、THF600ml、カップリング触媒Li2 C uCl4 7.5g(0. 034モル、1. 9モル%/CS)を加えて溶液を調製した。次いで、このフラスコの溶液中に上記で調製したCSのグリニャール溶液を室温で1時間で滴下した。
【0033】
得られた溶液を水に投入した後に分液し、水相を除去した。減圧下で有機相を留去し、大過剰に使用した1, 4−ジブロモブタン(b. p. 52℃/0. 5mmHg)、未反応のCSを留去し、最後に目的物である4−ブロモブチルスチレン(淡黄色透明溶液、bp. 130℃/0. 2mmHg)を得た。
【0034】
<4−ブロモブチルスチレン架橋共重合体の合成(2)>
窒素ガス導入管と冷却管を備えた500mlの4ツ口フラスコに脱塩水200ml、2%ポリビニルアルコール水溶液50mlを加え、窒素を導入して溶存酸素を除去した。一方、合成(1)で得られた4−ブロモブチルスチレン78. 0g(0. 326モル)、ジビニルベンゼン3. 25g(0. 0200モル)(ジビニルベンゼン含有率80%)及びベンゾイルパーオキシド(BPO)(含有率75%)0. 67gを溶解してモノマー溶液を調製した。
【0035】
得られたモノマー溶液を上記フラスコに入れ、160rpmで撹拌し、懸濁液を調製した。室温で30分撹拌後、80℃に昇温して12時間撹拌して懸濁重合を行って淡黄色透明球状重合体を得た。次いで、得られた重合体を取り出して水洗した。重合収率は95%であり、重合体の仕込み架橋度は6モル%であった。
【0036】
<4−ブロモブチルスチレン架橋共重合体のアミノ化>
冷却管を備えた500mlの4ツ口フラスコに合成(2)で得た重合体 gを入れ、1, 4−ジオキサン200mlを加えて室温で撹拌した。次いで、30%のトリメチルアミン水溶液177g(0. 90モル)を加えて50℃で6時間反応を行ってアニオン交換樹脂Aを得た。次いで、得られたアニオン交換樹脂Aを取り出して水洗した。アニオン交換樹脂Aの全アニオン交換基の実質的全量は一般式(I)で表される4級アンモニウム基である。
【0037】
上記のアニオン交換樹脂Aの対イオンを臭化物イオンから塩化物イオン(Cl型)に変換するため、樹脂量に対して10倍量の4%塩化ナトリウム水溶液を通液した。得られたCl型アニオン交換樹脂Aの中性塩分解容量は1.24meq/ml(3.57meq/g)、含水率は48.9%であった。
【0038】
製造例2
製造例1における合成(2)において、ジビニルベンゼンの使用量を3. 03g(0. 0186モル)、BPOの使用量を0. 63gに変更した以外は、製造例1における合成(2)と同様に操作し、仕込み架橋度5モル%の淡黄色透明球状重合体(4−ブロモブチルスチレン架橋共重合体)を得た。重合収率は94%であった。
【0039】
そして、製造例1のアミノ化反応において、トリメチルアミン水溶液の使用量を156g(0. 79モル)に変更した以外は、製造例1のアミノ化反応と同様に操作した。得られたCl型アニオン交換樹脂Bの中性塩分解容量は1.26meq/ml(3.66meq/g)、含水率は51.2%であった。
【0040】
安定性評価試験(1)
Cl型アニオン交換樹脂B50ml秤量し、500mlの2N−水酸化ナトリウム水溶液を通液してOH型とし、当該樹脂量の10倍量の60%エチレングリコール(EG)水溶液または100%EGを通液し、樹脂をEG溶液で置換した。
【0041】
EG溶液で置換したOH型樹脂をガラス製オートクレーブ管に入れ、OH型樹脂の体積の0. 8倍量の60%EG水溶液または100%EGを加えた。そして、容器内の溶存酸素を除去するために50℃に加温した状態で窒素ガスを30分通じた。このオートクレーブ管をオイルバスに浸し、80℃で1ヶ月間静置した。その後、2N−水酸化ナトリウム水溶液500mlで処理し、更に、樹脂量の5倍量の4%塩化ナトリウム水溶液を通液し、対イオンXをCl型に変換した。
【0042】
そして、後述の計算式によって樹脂中のアルキレン鎖Aの残存率を求めた。計算式中の符号Aは中性塩分解容量(meq/ml)、BはCl型樹脂の体積(ml)を表す。結果を表1に示した。表1中の比較樹脂は、三菱化学社製アニオン交換樹脂「ダイヤイオンSA−10」(登録商標)である。
【0043】
【数1】
残存率(%)=(試験後のA)×(試験後のB)÷(試験前のA)×(試験前のB)×100
【0044】
【表1】
Figure 0003786475
【0045】
安定性評価試験(2)
Cl型アニオン交換樹脂Aを50ml秤量し、500mlの2N−水酸化ナトリウム水溶液を通液してOH型とし、当該樹脂量の10倍量のアルコール溶液(アルコール溶液の成分:メタノール66重量%、2―ヒドロキシ―3−メトキシプロパン(以下グリコールエーテルと略)32重量%)を通液し、アニオン交換樹脂Aをアルコール溶液で置換した。
【0046】
置換したOH型樹脂をガラス製オートクレーブ管に入れ、OH型樹脂に対し0. 8倍量のアルコール溶液を加えた。容器内の溶存酸素を除去するために40℃に加温した状態で窒素ガスを15分通じた。このオートクレーブ管をオイルバスに浸し、80℃で2ヶ月間静置した。その後、500mlの2N−水酸化ナトリウム水溶液で処理し、更に、樹脂量の5倍量の4%塩化ナトリウム水溶液を通液し、対イオンをOH型からCl型に変換した。
【0047】
上記の樹脂の体積と一般性能を測定した。そして、前記と同様に樹脂中のアルキレン鎖Aの残存率を求めた。その結果を表2に示した。表2中の比較樹脂は、「ダイヤイオンSA−10」である。
【0048】
【表2】
Figure 0003786475
【0049】
表1及び表2に示す結果から明らかな様に、本発明で使用するアニオン交換樹脂は、極性溶媒中で著しく安定である。従って、本発明の精製方法は、高温度の極性有機溶媒中においても優れた精製効果を発揮することが期待出来る。
【0050】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、極性有機溶剤による劣化が少なく、特に、比較的高い温度の極性有機溶剤に対しても十分に適用し得る様に改良された極性有機溶剤の精製方法および不凍液含有冷却液の再生装置が提供され、本発明の工業的価値は大きい。

Claims (6)

  1. 下記一般式(I)で表される4級アンモニウム塩基を有する構造単位および不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーから誘導される構造単位を含有するアニオン交換樹脂によりアニオン含有極性有機溶剤を処理することを特徴とする極性有機溶剤の精製方法。
    Figure 0003786475
    (一般式(I)中、Aは炭素数3〜8の直鎖状アルキレン基または炭素数4〜9のアルコキシメチレン基を表わし、R1 は水酸基で置換されてもよい炭素数1〜4のアルキル基、R2 及びR 3は炭素数1〜4の炭化水素基、X- はアンモニウム基に配位した対イオンを表し、また、ベンゼン環はアルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。)
  2. 全アニオン交換基に対する一般式(I)で表される4級アンモニウム基の割合が90%以上である請求項1に記載の精製方法。
  3. 極性有機溶剤がアルコール類、エーテル類またはこれらの水溶液である請求項1又は2に記載の精製方法。
  4. 極性有機溶剤が不凍液含有冷却液である請求項1又は2に記載の精製方法。
  5. 不凍液含有冷却液が内燃機関用である請求4に記載の精製方法。
  6. 内燃機関における不凍液含有冷却液の循環路に配置される当該不凍液含有冷却液の再生装置であって、請求項1又は2に記載のアニオン交換樹脂を使用して成ることを特徴とする再生装置。
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