JPH11133312A - 無限遠物体から近接物体まで合焦可能な観察光学系 - Google Patents

無限遠物体から近接物体まで合焦可能な観察光学系

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JPH11133312A
JPH11133312A JP9316310A JP31631097A JPH11133312A JP H11133312 A JPH11133312 A JP H11133312A JP 9316310 A JP9316310 A JP 9316310A JP 31631097 A JP31631097 A JP 31631097A JP H11133312 A JPH11133312 A JP H11133312A
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JP
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lens
lens group
focusing
optical system
infinity
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JP9316310A
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Masatoshi Suzuki
正敏 鈴木
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Tochigi Nikon Corp
Nikon Corp
Original Assignee
Tochigi Nikon Corp
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無限遠物体から近接物体まで連続的に合焦可
能で、無限遠物体を観察する望遠鏡の機能と近距離の微
小物体を拡大観察する顕微鏡の機能とを併せ持つ拡大観
察光学系。 【解決手段】 対物レンズと正立光学部材(P)と接眼
レンズ(Ge)とを備えた観察光学系である。対物レン
ズは、複数のレンズ群(G1〜G3)から構成されてい
る。そして、複数のレンズ群のうち最も物体側に配置さ
れたレンズ群(G1)を含む少なくとも1つのレンズ群
を光軸に沿って移動させ、複数のレンズ群が形成するレ
ンズ群間隔のうち少なくとも1つのレンズ群間隔を変化
させることによって、無限遠物体から近距離物体への合
焦を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無限遠物体から近接
物体まで合焦可能な観察光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】遠距離にある物体の拡大観察を行う望遠
鏡の対物レンズには、それぞれ分散の異なる正レンズと
負レンズとを貼り合わせた色消しダブレットが一般に用
いられている。そして、対物レンズまたは接眼レンズを
移動させることによって、近距離物体への合焦を行って
いる。また、近距離の微小物体を拡大観察するために、
つまり顕微鏡もしくは拡大鏡として機能させるために、
望遠鏡対物レンズの物体側にクローズアップレンズを挿
入する方法が広く用いられている。一方、対物光学系が
複数のレンズ群からなり、その間隔を変化させることに
より作動距離を変えることのできる実体顕微鏡が、たと
えば特開平6−214164号公報に提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、色消し
ダブレットを用いた望遠鏡対物レンズでは、球面収差の
近距離変動(近距離物体への合焦に伴う変動)が大き
く、合焦可能な距離は最短で3メートル程度である。な
お、1メートル以下の近距離まで合焦可能な、いわゆる
ギャラリースコープと呼ばれる望遠鏡も存在する。しか
しながら、この種の望遠鏡では、暗い光学系にするか、
あるいは望遠鏡倍率を小さくする必要がある。
【0004】また、望遠鏡対物レンズの物体側にクロー
ズアップレンズを挿入する方法では、無限遠から至近距
離まで連続的に合焦を行うことができず、合焦不可能な
領域が存在することになる。また、無限遠合焦時にはク
ローズアップレンズが不要であり、その収納を考える必
要がある。一方、特開平6−214164号公報に提案
されている実体顕微鏡では、150乃至450mmある
いは215乃至515mmの狭い範囲に亘って作動距離
を変化させることができるだけで、無限遠物体を観察す
る望遠鏡の機能を持ち併せてはいない。
【0005】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、無限遠物体から近接物体まで連続的に合焦可
能で、無限遠物体を観察する望遠鏡の機能と近距離の微
小物体を拡大観察する顕微鏡の機能とを併せ持つ拡大観
察光学系を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明では、正の屈折力を有する対物レンズと、少
なくとも該対物レンズを介して形成される物体像を正立
化するための正立光学部材と、前記物体像を観察するた
めの正の屈折力を有する接眼レンズとを備えた観察光学
系において、前記対物レンズは、複数のレンズ群から構
成され、前記複数のレンズ群のうち最も物体側に配置さ
れたレンズ群を含む少なくとも1つのレンズ群を光軸に
沿って移動させ、前記複数のレンズ群が形成するレンズ
群間隔のうち少なくとも1つのレンズ群間隔を変化させ
ることによって、無限遠物体から近距離物体への合焦を
行うことを特徴とする観察光学系を提供する。
【0007】本発明の好ましい態様によれば、前記対物
レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レ
ンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈
折力を有する第3レンズ群とを有し、無限遠物体から近
距離物体への合焦に際して、前記第1レンズ群および前
記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、前記第2レンズ
群と前記第3レンズ群とのレンズ群間隔が増大する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の観察光学系においては、
対物レンズが複数のレンズ群から構成され、無限遠物体
から近距離物体への合焦に際して、対物レンズを構成す
る複数のレンズ群のうち最も物体側に配置されたレンズ
群を含む少なくとも1つのレンズ群が光軸上を移動し、
対物レンズの内部で少なくとも1つのレンズ群間隔が変
化する、いわゆるフローティングを行うことを特徴とし
ている。この構成により、本発明では、合焦に伴う収差
変動を良好に補正し、無限遠物体から近接物体まで連続
的に合焦することが可能になっている。なお、本発明に
おいて、対物レンズを構成する複数のレンズ群は一体的
な要素であり光学系中に常設されている。
【0009】特に、本発明の1つの態様として、物体側
から順に正屈折力の第1レンズ群と正屈折力の第2レン
ズ群と負屈折力の第3レンズ群とで対物レンズを構成
し、無限遠物体から近距離物体への合焦に際して第1レ
ンズ群および第2レンズ群が光軸上を移動し、第2レン
ズ群と第3レンズ群との間隔が広がることが望ましい。
以下、その理由について説明をする。
【0010】一般に、無限遠合焦時の倍率(望遠鏡倍
率)Mtおよび近接物体合焦時の倍率(顕微鏡倍率)M
mは、以下の式(a)および(b)でそれぞれ表され
る。 Mt=fo/fe (a) Mm=|βo|・250/fe (b) ここで、foは無限遠合焦時における対物レンズの焦点
距離であり、βoは近接物体合焦時における対物レンズ
の結像倍率であり、feは接眼レンズの焦点距離であ
る。
【0011】式(a)および(b)に示すように、無限
遠合焦時の倍率および近接物体合焦時の倍率を向上させ
るには、接眼レンズの焦点距離を短くすれば良い。しか
しながら、接眼レンズの焦点距離を短くすると、アイレ
リーフ(接眼レンズの最もアイポイント側の面とアイポ
イントとの軸上距離)が短くなるとともに視野が狭くな
って観察し難くなるので、通常はアイレリーフを短くと
も10mm前後に設定している。したがって、上述の式
(a)を参照すると、適正な望遠鏡倍率(通常6乃至1
0倍程度)を得るためには、対物レンズの焦点距離を適
切な値に設定する必要があることがわかる。また、上述
の式(b)を参照すると、顕微鏡倍率を大きく確保する
には、対物レンズの結像倍率を大きくする必要があるこ
とがわかる。
【0012】無限遠物体から近距離物体への合焦に際し
て第1レンズ群および第2レンズ群が光軸上を移動する
合焦方式によれば、合焦に際して移動する合焦レンズ群
が正屈折力の第1レンズ群と正屈折力の第2レンズ群と
からなる内部構造を有することにより、第1レンズ群で
発生する球面収差の近距離変動と第2レンズ群で発生す
る球面収差の近距離変動とが互いに打ち消し合うように
働く。その結果、本発明の観察光学系において合焦可能
な領域を、対物レンズの結像倍率がより高倍率になる方
向へ拡張することができる。
【0013】以下、本発明の条件式について説明する。
本発明においては、次の条件式(1)を満足することが
望ましい。 0.8<f1/f2<1.4 (1) ここで、f1は第1レンズ群の焦点距離であり、f2は
第2レンズ群の焦点距離である。
【0014】条件式(1)は、第1レンズ群と第2レン
ズ群との適切な屈折力配分を規定している。近接物体合
焦時において、軸上物体からの光束が第1レンズ群を通
過した後に発散光になっていると、第2レンズ群の口径
を大きくする必要があり、第2レンズ群で発生する球面
収差の近距離変動が増大する。条件式(1)の上限値を
上回ると、第1レンズ群の屈折力が弱くなり過ぎて、対
物レンズの結像倍率が低い状態でも軸上物体からの光束
が第1レンズ群を通過した後に発散光となり易いので好
ましくない。近接物体合焦時においても軸上物体からの
光束が第1レンズ群を通過した後に収斂光になっている
こと、つまり合焦に際して第2レンズ群の担う倍率が常
に正であることは、顕微鏡倍率が高く明るい光学系を実
現するのに有効である。一方、条件式(1)の下限値を
下回ると、第1レンズ群の屈折力が強くなり過ぎて、第
1レンズ群で発生する球面収差の近距離変動が増大する
とともに、無限遠合焦時に対物レンズから一次結像面ま
での距離が短くなり、正立光学部材(正立プリズム)を
光路中に挿入することが困難になるので好ましくない。
【0015】なお、正の屈折力を有する第1レンズ群お
よび第2レンズ群のアイポイント側に負の屈折力を有す
る第3レンズ群を配置することは、ペッツバール和をバ
ランスさせて対物レンズによる像面の平坦性を良好に維
持するのに有効である。また、負屈折力の第3レンズ群
を配置することにより対物レンズ全体の屈折力配置がい
わゆる望遠型構成となるので、レンズ全系を短くするこ
とができる。さらに、以下に理由を説明するように、無
限遠物体から近距離物体への合焦におけるレンズ群の移
動量を小さくすることができるので、レンズ群の駆動機
構を簡素化することによる小型化が可能になる。
【0016】無限遠物体から近距離物体への合焦におい
て対物レンズ全体を物体側へ繰り出すときの移動量x
は、以下の式(c)で表される。 x=βo・fo (c) ここで、上述したように、βoは近接物体合焦時におけ
る対物レンズ全系の担う倍率であり、foは無限遠合焦
時における対物レンズ全系の焦点距離である。また、本
発明において、移動量xの符号は、物体側への移動が負
であり、アイポイント側への移動が正である。
【0017】また、合焦に際して第1レンズ群と第2レ
ンズ群とが光軸に沿って一体的に移動するとき、以下の
式(d)〜(g)に示す関係が成り立つ。 β12=βo/β3 (d) f12=fo/β3 (e) F12=Fo/β3 (f) x12=β12・f12=x/β32 (g)
【0018】ここで、β12は第1レンズ群と第2レンズ
群との担う合成倍率であり、β3は第3レンズ群の担う
倍率である。また、f12は第1レンズ群と第2レンズ群
との合成焦点距離であり、F12は第1レンズ群と第2レ
ンズ群との合成Fナンバーである。さらに、Foは無限
遠合焦時における対物レンズ全系のFナンバーであり、
x12は合焦における第1レンズ群と第2レンズ群との一
体的な移動量である。
【0019】本発明の構成においては、第3レンズ群の
担う倍率β3が1よりも大きい正の値を有することが好
ましい。倍率β3を1よりも大きくすると、f12および
|β12|(β12<0)はそれぞれfoおよび|βo|
(βo<0)よりも小さくなり、|x12|は|x|(と
もに物体側へ移動するのでx12<0、x<0)よりも小
さくなる。つまり、無限遠物体から近距離物体への合焦
におけるレンズ移動量を小さくすることができる。これ
により、合焦機構の簡素化とともに、迅速な合焦が可能
になる。また、|βo|が|β12|よりも大きいこと
は、近接物体合焦時の倍率(顕微鏡倍率)を大きく確保
するのに有利である。
【0020】したがって、本発明においては、第3レン
ズ群の担う倍率β3が次の条件式(2)を満足すること
が望ましい。 1<β3<1.5 (2) 条件式(2)は、第3レンズ群の担う倍率β3について
適切な範囲を規定している。条件式(2)の下限値を下
回ると、合焦のためのレンズ移動量が増大するので好ま
しくない。一方、条件式(2)の上限値を上回ると、式
(f)から判るように第1レンズ群と第2レンズ群との
合成FナンバーF12が小さくなり、第1レンズ群と第2
レンズ群とで発生する球面収差の補正が困難になる。し
かも、第1レンズ群と第2レンズ群とで発生した球面収
差は第3レンズ群の担う倍率β3で拡大されるので、球
面収差の良好な補正がさらに困難になるので好ましくな
い。
【0021】さらに、無限遠物体から近距離物体への合
焦に際して第1レンズ群と第2レンズ群との間隔を変化
させる、いわゆるフローティング方式を採用することが
収差補正上好ましい。
【0022】また、本発明においては、次の条件式
(3)を満足することが望ましい。 0.9<x1/x2<1.4 ここで、x1は無限遠物体から近距離物体への合焦にお
ける第1レンズ群の移動量であり、x2は無限遠物体か
ら近距離物体への合焦における第2レンズ群の移動量で
ある。なお、上述したように、移動量x1およびx2の
符号は、物体側への移動が負であり、アイポイント側へ
の移動が正である。
【0023】条件式(3)は、無限遠物体から近距離物
体への合焦における第1レンズ群と第2レンズ群との移
動量比x1/x2について適切な範囲を規定している。
条件式(3)の下限値を下回ると、第2レンズ群の合焦
移動量x2が大きくなり過ぎて、近距離合焦時に第1レ
ンズ群と第2レンズ群とが干渉するので好ましくない。
また、近距離合焦時に第2レンズ群と第3レンズ群との
間隔が広がるため、第2レンズ群の口径が大きくなり、
近距離合焦時に球面収差の増大を招くので好ましくな
い。一方、条件式(3)の上限値を上回ると、第1レン
ズ群の合焦移動量x1が大きくなり過ぎて、駆動機構が
ひいてはレンズ全系が大型化するので、好ましくない。
【0024】また、第1レンズ群と第2レンズ群との移
動量比x1/x2は、物体距離に応じて最適な値を採る
よう連続的に変化することが望ましい。x1=(1+
k)x2とすると、第1レンズ群と第2レンズ群との担
う合成倍率β12は、以下の式(h)で表される。
【数1】 β12=x2/(β02・f1)+(β02+x2/f2)・k・x2/f1 =x2/(β02・f1)+β2・k・x2/f1 (h) ここで、β02は無限遠合焦時において第2レンズ群の担
う倍率であり、β2は第2レンズ群が合焦に際してx2
だけ移動したときに第2レンズ群の担う倍率である。
【0025】上述の式(h)の右辺の第1項は、第1レ
ンズ群と第2レンズ群とを一体的にx2だけ移動させた
ときの第1レンズ群と第2レンズ群との担う合成倍率で
ある。また、右辺の第2項は、その状態からさらに第1
レンズ群のみを(k・x2)だけ移動させたときの倍率
変化量である。x2<0(つまり物体側へ移動)である
から、合焦に際して第2レンズ群の担う倍率が常に正で
あれば、k>0つまり第1レンズ群の移動量x1を第2
レンズ群の移動量x2よりも大きくすると、|β12|
(β12<0)を大きくするのに有効である。一方、近距
離合焦時において第2レンズ群の担う倍率β2の符号が
正から負に転じる場合、k<0つまり第1レンズ群の移
動量x1を第2レンズ群の移動量x2よりも小さくする
ことが|β12|を大きくするのに有効である。
【0026】さらに、無限遠物体から近距離物体への合
焦に際して負屈折力の第3レンズ群を光軸方向に移動さ
せることにより、倍率の向上または収差補正能力の向上
を図っても良い。ただし、第3レンズ群も移動させる合
焦方式では、光学系全体の構成が複雑になる。レンズ枚
数を減らして光学系全体の構成を簡素化するためには、
第2レンズ群を負レンズと正レンズとの2枚から構成す
ることが望ましい。また、第3レンズ群を1枚の負レン
ズで構成することが望ましい。
【0027】また、無限遠物体から近距離物体への合焦
に伴う色収差の変動を良好に補正するには、第2レンズ
群が正レンズと負レンズとを含んでいることが望まし
い。ただし、この2枚を貼り合わせて接合レンズにする
と、コマ収差の補正が困難になる。さらに、本発明で
は、正立光学部材としてたとえば正立プリズムを用いる
ことにより、無限遠から近距離までのすべての物体を正
立像として拡大観察することが可能である。また、正立
プリズムの作用により、物体の移動方向と接眼レンズを
介した見掛けの移動方向とが一致するので、観察すべき
物体を視野内へ導き入れる際に極めて有効である。
【0028】
【実施例】以下、本発明の各実施例を、添付図面に基づ
いて説明する。各実施例において、本発明の観察光学系
は、正の屈折力を有する対物レンズと、該対物レンズを
介して形成される物体像を正立化するための正立プリズ
ムPと、物体像を観察するための正の屈折力を有する接
眼レンズGeとから構成されている。なお、各実施例に
おいて、対物レンズは、物体側から順に、正の屈折力を
有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レ
ンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と
から構成されている。
【0029】〔第1実施例〕図1は、本発明の第1実施
例にかかる観察光学系の構成を示す展開図である。図1
の観察光学系において、第1レンズ群G1は、物体側か
ら順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、お
よび物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側
に凸面を向けた負メニスカスレンズとの接合負レンズか
ら構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側
から順に、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、
および両凸レンズから構成されている。
【0030】さらに、第3レンズ群G3は、物体側に凸
面を向けた負メニスカスレンズから構成されている。ま
た、接眼レンズGeは、物体側から順に、物体側に平面
を向けた平凹レンズと両凸レンズとの接合正レンズ、お
よび物体側に凸面を向けた平凸レンズから構成されてい
る。第1実施例では、無限遠物体から近距離物体への合
焦に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との
移動量比x1/x2が常に一定となるように、第1レン
ズ群G1および第2レンズ群G2を互いに独立に物体側
へ移動させている。
【0031】次の表(1)に、本発明の第1実施例の諸
元の値を掲げる。表(1)において、Mtは無限遠合焦
時の倍率(望遠鏡倍率)を、2ωは実視界を、φは瞳径
を、ERはアイレリーフを、Mmは至近距離合焦時の倍
率(顕微鏡倍率)を、d0は物点距離(最も物体側の面
と物体との間の光軸に沿った距離)を、βoは近距離合
焦時における対物レンズの結像倍率をそれぞれ表してい
る。また、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側
からのレンズ面の順序を、rは各レンズ面の曲率半径
を、dは各レンズ面の間隔を、nおよびνは輝線スペク
トルd線(基準波長λ=587.6nm)に対する屈折
率およびアッベ数をそれぞれ示している。
【0032】
【表1】 Mt=8.0× 2ω=6.3° φ=2.5mm ER=9.8mm Mm=25.0× 面番号 r d ν n 1 69.7613 3.5000 49.5 1.77279 (第1レンズ群G1) 2 976.9304 0.2000 3 23.0836 4.5000 49.5 1.77279 4 35.5178 2.5000 25.4 1.80518 5 18.9579 (d5= 可変) 6 -28.1842 2.5000 25.4 1.80518 (第2レンズ群G2) 7 -35.0417 8.0000 8 306.5127 3.5000 58.5 1.65160 9 -59.1721 (d9= 可変) 10 26.8325 2.5000 64.1 1.51680 (第3レンズ群G3) 11 21.3199 8.0000 12 ∞ 20.2470 56.1 1.56883 (正立プリズムP) 13 ∞ 0.4000 14 ∞ 32.7300 64.1 1.51680 15 ∞ 9.8900 16 ∞ 1.1100 26.1 1.78470 (接眼レンズGe) 17 10.7988 4.4400 61.1 1.58913 18 -10.7988 0.2200 19 10.0962 2.9600 61.1 1.58913 20 ∞ (合焦における可変間隔および移動量比x1/x2) 無限遠合焦時 βo=-0.1 βo=-1.0 d0 ∞ 860.4859 135.4452 d5 10.8931 12.2350 25.3950 d9 1.8566 7.2245 59.8644 x1/x2 1.25 1.25 1.25 (条件式対応値) (1)f1/f2=1.000 (2)β3 =1.165 (3)x1/x2=1.25(一定)
【0033】図2〜図4は、第1実施例の諸収差図であ
る。すなわち、図2は無限遠合焦時における諸収差図で
あり、図3は対物レンズの結像倍率βo=−0.1にお
ける諸収差図であり、図4は対物レンズの結像倍率βo
=−1.0における諸収差図である。各収差図におい
て、NAは開口数を、Y0は物体高を、αは入射角を、
Y1は対物レンズの最も物体側の面への入射高を、Dは
d線(λ=587.6nm)を、CはC線(λ=65
6.3nm)を、FはF線(λ=486.1nm)をそ
れぞれ示している。
【0034】また、非点収差を示す収差図において、実
線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を
示している。さらに、コマ収差を示す収差図において、
破線はサジタルコマを示している。なお、球面収差図お
よび非点収差図においてDptrはディオプターを示し、コ
マ収差図においてminは角度単位の分を示し、歪曲収
差図は百分率(%)で表示されている。各収差図から明
らかなように、第1実施例では、無限遠合焦状態から近
接物体合焦状態に亘り諸収差が良好に補正されているこ
とがわかる。
【0035】〔第2実施例〕図5は、本発明の第2実施
例にかかる観察光学系の構成を示す展開図である。図5
の観察光学系において、第1レンズ群G1は、物体側か
ら順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、お
よび物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側
に凸面を向けた負メニスカスレンズとの接合負レンズか
ら構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側
から順に、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、
および両凸レンズから構成されている。
【0036】さらに、第3レンズ群G3は、物体側に凸
面を向けた負メニスカスレンズから構成されている。ま
た、接眼レンズGeは、物体側から順に、物体側に平面
を向けた平凹レンズと両凸レンズとの接合正レンズ、お
よび物体側に凸面を向けた平凸レンズから構成されてい
る。第2実施例では、無限遠物体から近距離物体への合
焦に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とを
一体的に物体側へ移動させている。
【0037】次の表(2)に、本発明の第2実施例の諸
元の値を掲げる。表(2)において、Mtは無限遠合焦
時の倍率(望遠鏡倍率)を、2ωは実視界を、φは瞳径
を、ERはアイレリーフを、Mmは至近距離合焦時の倍
率(顕微鏡倍率)を、d0は物点距離(最も物体側の面
と物体との間の光軸に沿った距離)を、βoは近距離合
焦時における対物レンズの結像倍率をそれぞれ表してい
る。また、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側
からのレンズ面の順序を、rは各レンズ面の曲率半径
を、dは各レンズ面の間隔を、nおよびνは輝線スペク
トルd線(基準波長λ=587.6nm)に対する屈折
率およびアッベ数をそれぞれ示している。
【0038】
【表2】 Mt=8.0× 2ω=6.3° φ=2.5mm ER=8.3mm Mm=25.0× 面番号 r d ν n 1 44.2860 4.0000 50.8 1.65844 (第1レンズ群G1) 2 180.3509 0.2000 3 18.9437 4.5000 54.0 1.61720 4 25.5507 2.5000 25.4 1.80518 5 15.5903 (d5= 可変) 6 -28.6022 5.5000 25.4 1.80518 (第2レンズ群G2) 7 -38.9525 0.2000 8 66.6531 4.0000 64.1 1.51680 9 -78.4050 (d9= 可変) 10 28.2755 2.5000 64.1 1.51680 (第3レンズ群G3) 11 22.6561 11.0000 12 ∞ 20.2470 56.1 1.56883 (正立プリズムP) 13 ∞ 0.4000 14 ∞ 32.7300 64.1 1.51680 15 ∞ 10.5900 16 ∞ 1.2500 26.1 1.78470 (接眼レンズGe) 17 10.9134 4.5800 61.1 1.58913 18 -10.9134 0.2500 19 10.0387 2.9200 61.1 1.58913 20 ∞ (合焦における可変間隔および移動量比x1/x2) 無限遠合焦時 βo=-0.1 βo=-1.0 d0 ∞ 859.8015 141.1293 d5 9.0000 9.0000 9.0000 d9 1.6392 7.5298 60.5446 x1/x2 1.00 1.00 1.00 (条件式対応値) (1)f1/f2=0.799 (2)β3 =1.164 (3)x1/x2=1.00(一定)
【0039】図6〜図8は、第2実施例の諸収差図であ
る。すなわち、図6は無限遠合焦時における諸収差図で
あり、図7は対物レンズの結像倍率βo=−0.1にお
ける諸収差図であり、図8は対物レンズの結像倍率βo
=−1.0における諸収差図である。各収差図におい
て、NAは開口数を、Y0は物体高を、αは入射角を、
Y1は対物レンズの最も物体側の面への入射高を、Dは
d線(λ=587.6nm)を、CはC線(λ=65
6.3nm)を、FはF線(λ=486.1nm)をそ
れぞれ示している。
【0040】また、非点収差を示す収差図において、実
線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を
示している。さらに、コマ収差を示す収差図において、
破線はサジタルコマを示している。なお、球面収差図お
よび非点収差図においてDptrはディオプターを示し、コ
マ収差図においてminは角度単位の分を示し、歪曲収
差図は百分率(%)で表示されている。各収差図から明
らかなように、第2実施例では、無限遠合焦状態から近
接物体合焦状態に亘り諸収差が良好に補正されているこ
とがわかる。
【0041】〔第3実施例〕図9は、本発明の第3実施
例にかかる観察光学系の構成を示す展開図である。図9
の観察光学系において、第1レンズ群G1は、物体側か
ら順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、物
体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、および物体側
に凸面を向けた負メニスカスレンズから構成されてい
る。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体
側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、および両凸レン
ズから構成されている。
【0042】さらに、第3レンズ群G3は、物体側に凸
面を向けた負メニスカスレンズから構成されている。ま
た、接眼レンズGeは、物体側から順に、両凹レンズと
両凸レンズとの接合正レンズ、および両凸レンズから構
成されている。第3実施例では、無限遠物体から近距離
物体への合焦に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ
群G2とを一体的に物体側へ移動させている。
【0043】次の表(3)に、本発明の第3実施例の諸
元の値を掲げる。表(3)において、Mtは無限遠合焦
時の倍率(望遠鏡倍率)を、2ωは実視界を、φは瞳径
を、ERはアイレリーフを、Mmは至近距離合焦時の倍
率(顕微鏡倍率)を、d0は物点距離(最も物体側の面
と物体との間の光軸に沿った距離)を、βoは近距離合
焦時における対物レンズの結像倍率をそれぞれ表してい
る。また、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側
からのレンズ面の順序を、rは各レンズ面の曲率半径
を、dは各レンズ面の間隔を、nおよびνは輝線スペク
トルd線(基準波長λ=587.6nm)に対する屈折
率およびアッベ数をそれぞれ示している。
【0044】
【表3】 Mt=7.9× 2ω=6.1° φ=2.5mm ER=10.8mm Mm=24.9× 面番号 r d ν n 1 54.9935 4.0000 49.5 1.77279 (第1レンズ群G1) 2 342.4704 0.2000 3 24.8998 4.5000 53.9 1.71300 4 44.8374 1.0000 5 39.3568 2.0000 25.5 1.80458 6 19.5935 (d6= 可変) 7 -28.3406 2.0000 33.8 1.64831 (第2レンズ群G2) 8 -39.7873 7.0000 9 325.2922 4.0000 53.9 1.71300 10 -57.8443 (d10=可変) 11 26.6780 2.0000 58.9 1.51823 (第3レンズ群G3) 12 20.6739 5.0000 13 ∞ 20.2470 56.1 1.56883 (正立プリズムP) 14 ∞ 0.4000 15 ∞ 32.7300 64.1 1.51680 16 ∞ 8.1200 17 -22.5000 1.0000 27.6 1.75520 (接眼レンズGe) 18 8.3600 5.0000 57.0 1.62280 19 -10.2000 0.0700 20 11.0000 3.3300 56.7 1.60738 21 -45.8000 (合焦における可変間隔および移動量比x1/x2) 無限遠合焦時 βo=-0.1 βo=-1.0 d0 ∞ 839.5220 130.5023 d6 12.1203 12.1203 12.1203 d10 1.7424 7.3176 57.4949 x1/x2 1.00 1.00 1.00 (条件式対応値) (1)f1/f2=0.905 (2)β3 =1.189 (3)x1/x2=1.00(一定)
【0045】図10〜図12は、第3実施例の諸収差図
である。すなわち、図10は無限遠合焦時における諸収
差図であり、図11は対物レンズの結像倍率βo=−
0.1における諸収差図であり、図12は対物レンズの
結像倍率βo=−1.0における諸収差図である。各収
差図において、NAは開口数を、Y0は物体高を、αは
入射角を、Y1は対物レンズの最も物体側の面への入射
高を、Dはd線(λ=587.6nm)を、CはC線
(λ=656.3nm)を、FはF線(λ=486.1
nm)をそれぞれ示している。
【0046】また、非点収差を示す収差図において、実
線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を
示している。さらに、コマ収差を示す収差図において、
破線はサジタルコマを示している。なお、球面収差図お
よび非点収差図においてDptrはディオプターを示し、コ
マ収差図においてminは角度単位の分を示し、歪曲収
差図は百分率(%)で表示されている。各収差図から明
らかなように、第3実施例では、無限遠合焦状態から近
接物体合焦状態に亘り諸収差が良好に補正されているこ
とがわかる。
【0047】〔第4実施例〕図13は、本発明の第4実
施例にかかる観察光学系の構成を示す展開図である。図
13の観察光学系において、第1レンズ群G1は、物体
側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレン
ズ、および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと
物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとの接合負レ
ンズから構成されている。また、第2レンズ群G2は、
物体側から順に、物体側に凹面を向けた負メニスカスレ
ンズ、および両凸レンズから構成されている。
【0048】さらに、第3レンズ群G3は、物体側に凸
面を向けた負メニスカスレンズから構成されている。ま
た、接眼レンズGeは、物体側から順に、物体側に平面
を向けた平凹レンズと両凸レンズとの接合正レンズ、お
よび物体側に凸面を向けた平凸レンズから構成されてい
る。第4実施例では、無限遠物体から近距離物体への合
焦に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との
移動量比x1/x2が連続的に増大するように、第1レ
ンズ群G1および第2レンズ群G2を互いに独立に物体
側へ移動させている。
【0049】次の表(4)に、本発明の第4実施例の諸
元の値を掲げる。表(4)において、Mtは無限遠合焦
時の倍率(望遠鏡倍率)を、2ωは実視界を、φは瞳径
を、ERはアイレリーフを、Mmは至近距離合焦時の倍
率(顕微鏡倍率)を、d0は物点距離(最も物体側の面
と物体との間の光軸に沿った距離)を、βoは近距離合
焦時における対物レンズの結像倍率をそれぞれ表してい
る。また、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側
からのレンズ面の順序を、rは各レンズ面の曲率半径
を、dは各レンズ面の間隔を、nおよびνは輝線スペク
トルd線(基準波長λ=587.6nm)に対する屈折
率およびアッベ数をそれぞれ示している。
【0050】
【表4】 Mt=8.1× 2ω=6.5° φ=2.5mm ER=9.4mm Mm=25.0× 面番号 r d ν n 1 73.3813 4.0000 49.5 1.77279 (第1レンズ群G1) 2 2949.3879 0.2000 3 21.1406 4.5000 49.5 1.77279 4 31.8597 2.5000 25.5 1.80458 5 17.1419 (d5= 可変) 6 -23.7838 2.0000 33.8 1.64831 (第2レンズ群G2) 7 -35.1197 4.0000 8 816.0464 4.0000 58.5 1.65160 9 -40.7266 (d9= 可変) 10 33.5973 2.0000 58.9 1.51823 (第3レンズ群G3) 11 25.1503 9.4600 12 ∞ 20.2470 56.1 1.56883 (正立プリズムP) 13 ∞ 0.4000 14 ∞ 32.7300 64.1 1.51680 15 ∞ 9.0400 16 ∞ 1.1100 26.1 1.78470 (接眼レンズGe) 17 10.7988 4.4400 61.1 1.58913 18 -10.7988 0.2200 19 10.0962 2.9600 61.1 1.58913 20 ∞ (合焦における可変間隔および移動量比x1/x2) 無限遠合焦時 βo=-0.1 βo=-1.0 d0 ∞ 868.7707 136.2903 d5 13.1284 13.4176 26.9375 d9 2.6593 8.1541 57.8958 x1/x2 1.00 1.05 1.25 (条件式対応値) (1)f1/f2=1.050 (2)β3 =1.205 (3)x1/x2=1.00〜1.05〜1.25
【0051】図14〜図16は、第4実施例の諸収差図
である。すなわち、図14は無限遠合焦時における諸収
差図であり、図15は対物レンズの結像倍率βo=−
0.1における諸収差図であり、図16は対物レンズの
結像倍率βo=−1.0における諸収差図である。各収
差図において、NAは開口数を、Y0は物体高を、αは
入射角を、Y1は対物レンズの最も物体側の面への入射
高を、Dはd線(λ=587.6nm)を、CはC線
(λ=656.3nm)を、FはF線(λ=486.1
nm)をそれぞれ示している。
【0052】また、非点収差を示す収差図において、実
線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を
示している。さらに、コマ収差を示す収差図において、
破線はサジタルコマを示している。なお、球面収差図お
よび非点収差図においてDptrはディオプターを示し、コ
マ収差図においてminは角度単位の分を示し、歪曲収
差図は百分率(%)で表示されている。各収差図から明
らかなように、第4実施例では、無限遠合焦状態から近
接物体合焦状態に亘り諸収差が良好に補正されているこ
とがわかる。
【0053】〔第5実施例〕図17は、本発明の第5実
施例にかかる観察光学系の構成を示す展開図である。図
17の観察光学系において、第1レンズ群G1は、物体
側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレン
ズ、および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと
物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとの接合負レ
ンズから構成されている。また、第2レンズ群G2は、
物体側から順に、物体側に凹面を向けた負メニスカスレ
ンズ、および両凸レンズから構成されている。
【0054】さらに、第3レンズ群G3は、物体側に凸
面を向けた負メニスカスレンズから構成されている。ま
た、接眼レンズGeは、物体側から順に、物体側に平面
を向けた平凹レンズと両凸レンズとの接合正レンズ、お
よび物体側に凸面を向けた平凸レンズから構成されてい
る。第5実施例では、無限遠物体から近距離物体への合
焦に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との
移動量比x1/x2が増大した後に減少するように、第
1レンズ群G1および第2レンズ群G2を互いに独立に
物体側へ移動させている。
【0055】次の表(5)に、本発明の第5実施例の諸
元の値を掲げる。表(5)において、Mtは無限遠合焦
時の倍率(望遠鏡倍率)を、2ωは実視界を、φは瞳径
を、ERはアイレリーフを、Mmは至近距離合焦時の倍
率(顕微鏡倍率)を、d0は物点距離(最も物体側の面
と物体との間の光軸に沿った距離)を、βoは近距離合
焦時における対物レンズの結像倍率をそれぞれ表してい
る。また、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側
からのレンズ面の順序を、rは各レンズ面の曲率半径
を、dは各レンズ面の間隔を、nおよびνは輝線スペク
トルd線(基準波長λ=587.6nm)に対する屈折
率およびアッベ数をそれぞれ示している。
【0056】
【表5】 Mt=7.5× 2ω=6.7° φ=2.5mm ER=9.8mm Mm=30.0× 面番号 r d ν n 1 66.1611 3.6667 49.5 1.77279 (第1レンズ群G1) 2 479.0915 0.2095 3 21.9365 4.7143 49.5 1.77279 4 31.4269 2.6190 25.4 1.80518 5 17.5698 (d5= 可変) 6 -28.1933 2.1429 25.4 1.80518 (第2レンズ群G2) 7 -37.8335 6.8571 8 141.5991 3.0000 58.5 1.65160 9 -55.4917 (d9= 可変) 10 26.1042 2.5000 64.1 1.51680 (第3レンズ群G3) 11 20.8237 8.0000 12 ∞ 20.2470 56.1 1.56883 (正立プリズムP) 13 ∞ 0.4000 14 ∞ 32.7300 64.1 1.51680 15 ∞ 8.8500 16 ∞ 1.2500 26.1 1.78470 (接眼レンズGe) 17 10.9134 4.5800 61.1 1.58913 18 -10.9134 0.2500 19 10.0387 2.9200 61.1 1.58913 20 ∞ (合焦における可変間隔および移動量比x1/x2) 無限遠合焦時 βo=-0.12 βo=-1.2 d0 ∞ 683.7887 115.1000 d5 9.0845 9.8115 7.7713 d9 1.5997 8.1071 68.7731 x1/x2 1.00 1.11 0.98 (条件式対応値) (1)f1/f2=1.222 (2)β3 =1.160 (3)x1/x2=1.00〜1.11〜0.98
【0057】図18〜図20は、第5実施例の諸収差図
である。すなわち、図18は無限遠合焦時における諸収
差図であり、図19は対物レンズの結像倍率βo=−
0.12における諸収差図であり、図20は対物レンズ
の結像倍率βo=−1.2における諸収差図である。各
収差図において、NAは開口数を、Y0は物体高を、α
は入射角を、Y1は対物レンズの最も物体側の面への入
射高を、Dはd線(λ=587.6nm)を、CはC線
(λ=656.3nm)を、FはF線(λ=486.1
nm)をそれぞれ示している。
【0058】また、非点収差を示す収差図において、実
線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を
示している。さらに、コマ収差を示す収差図において、
破線はサジタルコマを示している。なお、球面収差図お
よび非点収差図においてDptrはディオプターを示し、コ
マ収差図においてminは角度単位の分を示し、歪曲収
差図は百分率(%)で表示されている。各収差図から明
らかなように、第5実施例では、無限遠合焦状態から近
接物体合焦状態に亘り諸収差が良好に補正されているこ
とがわかる。
【0059】なお、上述の各実施例において、第2レン
ズ群G2は、物体側から順に負レンズと正レンズとから
構成されている。しかしながら、物体側から順に正レン
ズと負レンズとで第2レンズ群G2を構成することもで
きる。また、上述の各実施例において、充分な視界およ
び瞳径が確保されており、各収差図から明らかなように
周辺光量も充分確保されている。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の観察光学
系では、無限遠物体から近接物体まで連続的に合焦可能
で、無限遠物体を観察する望遠鏡の機能と近距離の微小
物体を拡大観察する顕微鏡の機能とを併せ持つ。したが
って、本発明によれば、通常の望遠鏡では観察すること
が困難であった室内展示物や、近寄って顕微鏡で観察す
ることのできなかった微小物体など、あらゆる距離にあ
る物体の拡大観察が可能な非常に利用範囲の広い観察光
学系を実現することができる。さらに、一対の観察光学
系を用いることにより、双眼による立体的な観察も実現
可能である。この場合、正立プリズムと接眼レンズとの
間隔を変化させて視度調整を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる観察光学系の構成
を示す展開図である。
【図2】第1実施例の無限遠合焦時における諸収差図で
ある。
【図3】第1実施例の対物レンズの結像倍率βo=−
0.1における諸収差図である。
【図4】第1実施例の対物レンズの結像倍率βo=−
1.0における諸収差図である。
【図5】本発明の第2実施例にかかる観察光学系の構成
を示す展開図である。
【図6】第2実施例の無限遠合焦時における諸収差図で
ある。
【図7】第2実施例の対物レンズの結像倍率βo=−
0.1における諸収差図である。
【図8】第2実施例の対物レンズの結像倍率βo=−
1.0における諸収差図である。
【図9】本発明の第3実施例にかかる観察光学系の構成
を示す展開図である。
【図10】第3実施例の無限遠合焦時における諸収差図
である。
【図11】第3実施例の対物レンズの結像倍率βo=−
0.1における諸収差図である。
【図12】第3実施例の対物レンズの結像倍率βo=−
1.0における諸収差図である。
【図13】本発明の第4実施例にかかる観察光学系の構
成を示す展開図である。
【図14】第4実施例の無限遠合焦時における諸収差図
である。
【図15】第4実施例の対物レンズの結像倍率βo=−
0.1における諸収差図である。
【図16】第4実施例の対物レンズの結像倍率βo=−
1.0における諸収差図である。
【図17】本発明の第5実施例にかかる観察光学系の構
成を示す展開図である。
【図18】第5実施例の無限遠合焦時における諸収差図
である。
【図19】第5実施例の対物レンズの結像倍率βo=−
0.12における諸収差図である。
【図20】第5実施例の対物レンズの結像倍率βo=−
1.2における諸収差図である。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群 G3 第3レンズ群 P 正立プリズム Ge 接眼レンズ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正の屈折力を有する対物レンズと、少な
    くとも該対物レンズを介して形成される物体像を正立化
    するための正立光学部材と、前記物体像を観察するため
    の正の屈折力を有する接眼レンズとを備えた観察光学系
    において、 前記対物レンズは、複数のレンズ群から構成され、 前記複数のレンズ群のうち最も物体側に配置されたレン
    ズ群を含む少なくとも1つのレンズ群を光軸に沿って移
    動させ、前記複数のレンズ群が形成するレンズ群間隔の
    うち少なくとも1つのレンズ群間隔を変化させることに
    よって、無限遠物体から近距離物体への合焦を行うこと
    を特徴とする観察光学系。
  2. 【請求項2】 前記対物レンズは、物体側から順に、正
    の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する
    第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とを
    有し、 無限遠物体から近距離物体への合焦に際して、前記第1
    レンズ群および前記第2レンズ群が光軸に沿って移動
    し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群とのレンズ群
    間隔が増大することを特徴とする請求項1に記載の観察
    光学系。
  3. 【請求項3】 前記第1レンズ群の焦点距離をf1と
    し、前記第2レンズ群の焦点距離をf2としたとき、 0.8<f1/f2<1.4 の条件を満足することを特徴とする請求項2に記載の観
    察光学系。
  4. 【請求項4】 前記第3レンズ群の担う倍率β3は、 1<β3<1.5 の条件を満足することを特徴とする請求項2または3に
    記載の観察光学系。
  5. 【請求項5】 無限遠物体から近距離物体への合焦に際
    して、前記第2レンズ群の担う倍率は常に正であること
    を特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の観
    察光学系。
  6. 【請求項6】 無限遠物体から近距離物体への合焦に際
    して、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が
    変化することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1
    項に記載の観察光学系。
  7. 【請求項7】 無限遠物体から近距離物体への合焦にお
    ける前記第1レンズ群の移動量をx1とし、無限遠物体
    から近距離物体への合焦における前記第2レンズ群の移
    動量をx2としたとき、 0.9<x1/x2<1.4 の条件を満足することを特徴とする請求項2乃至6のい
    ずれか1項に記載の観察光学系。
  8. 【請求項8】 前記第2レンズ群は、負レンズと正レン
    ズとから構成されていることを特徴とする請求項2乃至
    7のいずれか1項に記載の観察光学系。
  9. 【請求項9】 前記第3レンズ群は、1枚の負レンズか
    ら構成されていることを特徴とする請求項2乃至8のい
    ずれか1項に記載の観察光学系。
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