JPH09197283A - 対物レンズ - Google Patents

対物レンズ

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JPH09197283A
JPH09197283A JP8020620A JP2062096A JPH09197283A JP H09197283 A JPH09197283 A JP H09197283A JP 8020620 A JP8020620 A JP 8020620A JP 2062096 A JP2062096 A JP 2062096A JP H09197283 A JPH09197283 A JP H09197283A
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lens
objective lens
group
optical element
magnification
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JP8020620A
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Eiji Yokoi
英司 横井
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、低倍率でありながら高い開口数
で接合レンズや異常分散ガラスを多用することなしに色
収差を良好に補正した対物レンズ並びに前記の対物レン
ズより射出する平行光束を結像する結像レンズを含み、
対物レンズの変換なしに低倍率では広い視野、高倍率で
は高解像力での観察を行ない得る結像光学系を提供する
ことを目的とする。 【構成】 本発明の対物レンズは、物体側に凹面を向
けたメニスカスレンズと少なくとも一つの正の接合レン
ズを含む正の第1群と、負の第2群よりなり、第1群中
に少なくとも一つの回折型光学系を含み、この光学素子
を瞳位置より物体側で射出瞳径よりも軸上マージナル光
線高の小さい位置に配置した。又本発明の結像光学系
は、前記対物レンズと二つの所定倍率に変換する結像レ
ンズを含むものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顕微鏡等に用いら
れる対物レンズおよび対物レンズより射出する平行光束
を結像させる結像光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、顕微鏡の分野では、低倍率の対物
レンズ並の広い視野と高倍率の対物レンズ並の高分解能
を同時に兼ね備えている低倍率高NA対物レンズが必要
になっている。
【0003】従来の顕微鏡による観察においては、低倍
率の対物レンズで広い視野にわたって観察して目的とす
る位置を発見した後に、高倍率用対物レンズに交換して
微細な構造を観察していた。しかし、対物レンズを交換
した時に光軸が多少ずれるため、対物レンズを交換して
倍率を変えた後に、目的とする被検物を再び探す必要が
ある。
【0004】又、現在の一般的な対物レンズは、同焦距
離が決まっており、対物レンズを交換しても焦点はおお
よそ合うように設計されている。しかし、正確に焦点位
置が等しくなっているのではなく、そのため高倍率対物
レンズのように焦点深度が極めて浅い対物レンズの場
合、被観察物体を見失いがちであり、目的の位置を探し
なおす必要があった。
【0005】検査用顕微鏡は、上記のような操作上の煩
雑さや効率の悪さが問題であるが、特に半導体ウエハー
等の微細な製品を検査する検査用顕微鏡は、対物レンズ
交換時の機械的な摩擦等により生ずる微細な塵が被検物
上に落ちることが指摘されている。又、対物レンズを頻
繁に交換するため耐久性も問題になる。
【0006】これらの問題を解決するためには、対物レ
ンズを一つに固定し後ろで変倍するシステムにすること
が考えられる。しかし広い視野を観察する低倍率対物レ
ンズのNAはあまり大きくなく高倍率観察には解像力が
不足する。そのため低倍率でありながら高いNAの対物
レンズが必要になり、この対物レンズを用いることによ
りレンズ系を変換せずに後ろの光学系又は電気系により
変倍を行なうことにより低倍率の広い視野での観察と高
倍率での高分解能観察が可能になる。
【0007】しかし、従来5倍の対物レンズなみの視野
の広さと50倍の対物レンズなみの分解能との両方を持
つ低倍率高NAの対物レンズを設計することは困難であ
った。その理由として対物レンズの射出瞳径が非常に大
きくなることがあげられる。高NAの対物レンズは、高
いNAで入射する光束をある程度迅速に収斂させる必要
があるため、前群に強い正のパワーを配置する必要があ
る。これは全長をある程度短くする必要があるためであ
る。前群のパワーを弱くすると収差の発生は少なくなる
が、ペッツバール和を小にしつつ光束径を所定の瞳径に
なるように射出するには後群に負担がかかりすぎ、その
結果諸収差を補正できなくなるか全長を長くせざるを得
ない。
【0008】高倍率で高NAの対物レンズは、物体から
の光束を前群で収斂光束にしつつ収差を補正し、前群で
補正しきれない残存収差を後群で補正するのが一般的で
ある。この高倍率高NAの対物レンズは、最終的な射出
瞳径が小さくパワーが弱いので後群での収差発生量が微
小である。一方低倍率で高NAの対物レンズは、最終的
な光線高を高くする必要があり、そのため高倍率対物レ
ンズとは収差発生の様子が異なっている。この場合、射
出瞳径が非常に大であるため、前群のパワーを弱くして
射出瞳径まで光線を緩やに曲げて行けば前群での収差の
発生量は少なく押えることが出来る。しかしそうする
と、前述のように対物レンズ全体の諸収差を良好に補正
できなくなるか又は全長を長くせざるを得なくなる。そ
こで前群に強いパワーを配置して光束を一度絞りその後
更に大きな射出瞳径まで光束を広げて平行光束又は収斂
光束にして射出しなければならず、その時に後群にある
程度強い正のパワーのレンズが必要になる。結局ここで
発生する収差と前群で補正しきれなかった残存収差とを
後群のみで補正することは困難である。
【0009】また、この種対物レンズで、通常のレンズ
のみで色収差を良好に補正するためには、ダブレット、
トリプレット、異常分散ガラスを多用することになりレ
ンズ系が大型になる。
【0010】更にこの対物レンズから射出される光束が
平行光束の場合、つまりいわゆる無限遠補正の対物レン
ズの場合、光束を結像させる結像レンズ系も通常の屈折
系レンズのみを使用したレンズ系ではレンズ枚数が多く
なり、全長が大で非常に大型な構成になる。それは、こ
のレンズ系の射出NAが大きいからである。例えば全体
の倍率が5倍であって、物体側のNAが0.7であると
すると射出NAは0.14となり、通常の結像用レンズ
系の数倍の値になる。更に結像用レンズ系は、対物レン
ズとは異なり入射瞳位置がレンズ群より物体側(対物レ
ンズ側)にあるため、特にコマ収差の補正が難しく単純
な構成では収差を良好に補正できない。
【0011】最近光学素子として回折型光学素子(DO
E)を用いた光学系が注目されている。この回折型光学
素子を用いた対物レンズで、本発明の対物レンズと類似
する従来例として、特開昭63−77003号、特開昭
63−155432号、特開昭59−33636号、特
開昭60−247611号、特開平2−1109号、特
開平4−361201号、特開平6−331898号お
よび特開平6−347700号の各公報に記載されたも
の等がある。
【0012】又前記の回折現象を利用した回折型光学素
子即ちディフラクチブ オプティクス エレメンツ[D
iffractive Optics Element
s(DOE)]は、オプトロニクス社発行の「光学デザ
イナーのための小型光学エレメント」第6,第7章、
「SPIE」 第126巻 46〜53頁(1977
年)等に詳細に記載されているが、その原理を簡単に述
べると下記の通りである。
【0013】通常の光学ガラスは、図19において次の
式で表わされるスネルの法則に従って屈折する。
【0014】 nsin θ=n’nsin θ’ (1) ただし、nは入射側媒質の屈折率、n’は射出側媒質の
屈折率、θは光線の入射角、θ’は光線の射出角であ
る。
【0015】一方、回折現象では、図20のように光は
次の式(2)で表わされる回折の法則にしたがって曲げ
られる。
【0016】 nsin θ−n’sin θ’=mλ/d (2) ただしmは回折光の次数、λは波長、dは格子間隔であ
る。
【0017】上記の式(2)に従って光線を曲げるよう
にした光学素子が回折型光学素子DOEである。尚、図
20では遮蔽部と透過部が間隔dで並設されたものを示
したが、図21のように透明体の表面に断面鋸状の回折
面を設けてブレーズ化するか、図22のようにそのバイ
ナリー近似を行なうと高い回折効率を得ることが出来
る。
【0018】次に上記のような回折型光学素子を使用す
ることによる利点について説明する。
【0019】屈折系の薄肉レンズの場合、次の式(3)
に示す関係が成立つ。
【0020】 1/f=(n−1)(1/r1 −1/r2 ) (3) ただし、fは焦点距離、r1 ,r2 は夫々入射面と射出
面の曲率半径、nはレンズの屈折率である。
【0021】上記式(3)の両辺を波長λにて微分する
と下記のように式(4)が求まる。
【0022】 df/dλ=−f(dn/dλ)/(n−1) ∴ Δf=−f{Δn/(n−1)} (4) ここで係数倍的効果を除くと、Δn/(n−1)が分散
特性を表わすことになるので、分散値νを次のように定
義出来る。
【0023】 ν≡(n−1)/Δn (5) したがって可視域における分散特性(アッベ数νd )は
次のようになる。
【0024】 νd =(nd −1)/(nF −nC ) (6) 一方回折型光学素子の場合は、回折型光学素子の焦点距
離をf、入射する平行光の光線高hのところでの格子間
隔をdh とすると下記の式(7)のようになる。
【0025】 f=h/(n’sin θ’)=(dh h)/(mλ) (7) 無収差の回折型光学素子の場合、dh hは一定であるの
で、f=C/λ(Cは定数)である。このf=C/λの
両辺をλで微分すると次のようにして式(8)が得られ
る。
【0026】 df/dλ=−C/λ2 =−f/λ ∴ Δf=−f(Δλ/λ) (8) Δn/(n−1)=νであるので、式(4)と(8)と
からν=λ/Δλである。したがって、回折型光学素子
の可視域でのアッベ数νd は下記の通りである。
【0027】 νd =λd /(λF −λC )=−3.453 (9) このように回折型光学素子は、非常に大きな負の分散特
性を持つ。通常のガラスの分散特性は、約20〜95で
あるので、回折型光学素子は非常に大きな逆分散特性を
持つことがわかる。また同様の計算により、回折型光学
素子は異常分散特性を持つことがわかる。
【0028】前記従来例のうち、特開昭63−7700
3号、特開昭63−155432号、特開昭59−33
636号、特開昭60−247611号のレンズ系は、
いずれも光ディスクのピックアップレンズに関するもの
であり、1〜2枚の回折型光学素子よりなるもの又は1
枚の屈折型光学素子(レンズ)と1枚の回折型光学素子
よりなるもので、基本的には光源は単色であり、回折型
光学素子が有する色収差補正能力は利用していない。し
たがって、これらピックアップレンズをより複雑な顕微
鏡対物レンズに適用することは出来ない。
【0029】また、特開平2−1109号、特開平4−
361201号公報記載のレンズ系は、いずれもステッ
パー等に用いられる投影レンズに関するものであり、石
英のみで構成されており、接合レンズは用いていないた
めに狭い波長範囲もしくは2波長の色収差の補正は可能
であるが、かなり広い波長域(50nm以上)の色収差
を補正することは困難である。
【0030】又、特開平6−347700号、特開平6
−331898号公報に記載されているレンズ系は、顕
微鏡光学系に用いられる対物レンズに関するものであっ
て、前者は単一の硝材と少なくとも1枚の屈折率分布型
レンズとより構成されているが接合レンズは用いられて
いない。そのため、ステッパータイプと同様に広い波長
域での色収差の補正は困難である。一方後者は、回折型
光学素子と接合レンズとを用いたレンズ系で、広い波長
範囲で色収差を良好に補正することを特徴としている。
しかし、低倍率で高NAの対物レンズには適用できな
い。それは、射出瞳径が非常に大きくなるとレンズ系の
後群で発生する諸収差と前群で発生する諸収差とを同時
に補正することが極めて困難であり、後者の従来例の条
件では不十分である。
【0031】又この従来例である本出願人の提案した特
開平6−331898号公報には、回折型光学素子を用
いた低倍率の対物レンズが記載されている。この対物レ
ンズは、紫外線用の倍率が10×、焦点距離が36mm、
NAが0.2の対物レンズで、波長262〜270nm
の領域で色収差の補正がなされており、射出瞳半径より
も光線高が低い位置に回折型光学素子を配置している。
この対物レンズは補正波長範囲が高々8nmと極めて狭
く、ステッパータイプと同様にかなり広い波長範囲での
色収差を良好に補正することは困難である。又全系を前
群と後群とに分けた場合、両群とも正のパワーである低
NAの対物レンズ故のパワー配置であり、この構成を高
NAの対物レンズに適用することは困難である。
【0032】又、対物レンズを切替えずに観察倍率を変
更する光学系として、特開平2−281223号、特開
昭64−28611号、特開平5−127096号公報
等の従来例がある。これら従来例は、いずれも高倍率観
察時のNAが小さく、最近の半導体製品等の微細な構造
を観察、測定するには、解像力が極めて不足している。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低倍率であ
りながら高い開口数を有し、しかも接合レンズや異常分
散ガラスを多用することなしに、諸収差特に広い波長範
囲にわたって色収差を良好に補正した対物レンズを提供
するものである。
【0034】更に、広い波長領域の諸収差が良好に補正
されていてしかもレンズ枚数が少なく、接合面を多用し
ない単純な構成の対物レンズから射出した平行光束を結
像するレンズ系と、低倍率で高NAの前記対物レンズと
変倍光学系とを組合わせて、対物レンズの変換なしに低
倍率では広い視野の観察、高倍率では高解像力での観察
を行ない得る結像光学系を提供するものである。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明の対物レンズは、
物体側から順に、物体側に凹面を向けたメニスカスレン
ズと少なくとも一つの正のパワーの接合レンズとを含む
全体として正のパワーの第1群と、負のパワーの第2群
とからなる2群構成のレンズ系で、前記第1群中に少な
くとも一つの回折型光学素子を含み、前記回折型光学素
子が対物レンズの瞳位置より物体側であって射出瞳半径
よりも軸上マージナル光線高の低い位置に配置されてい
ることを特徴とする。
【0036】色収差には大きくわけ軸上色収差と倍率の
色収差の2種類あり、前者は焦点位置のずれ、後者は焦
点距離(倍率)のずれである。これら色収差のうち、軸
上色収差の補正に有効なのは対物レンズの瞳位置である
が、正確に瞳位置ではなく、その近傍の光束径(軸上マ
ージナル光線高)の大きなところの方がより効果的であ
ることが多い。又倍率の色収差の補正に有効なのは瞳位
置ではなく、そこから少し離れた主光線がある程度の光
線高を有する位置付近である。
【0037】低倍率で高いNAの対物レンズは、後群の
パワーが弱く、そのためガラスの組合せや接合面を用い
ることにより後群での色収差の補正は可能である。しか
し強い正のパワーを持つ前群で発生する色収差の補正
は、通常のレンズのみでは対応できず、回折型光学素子
DOEを用いるのが有効である。ここで、対物レンズの
瞳位置が対物レンズの中にある場合は、瞳位置の前後で
軸外収差の補正の方向が異なる。例えば瞳位置より物体
側で発生した軸外の色収差を補正する場合、瞳より物体
側で補正すれば軸外色収差と軸上色収差とを同時に補正
できる。しかし瞳位置より像側で軸外色収差を補正する
と軸上色収差は逆に悪化する。更に詳細に説明すると、
瞳位置より物体側の凸のパワーで発生した色収差補正を
逆追跡すると、短波長の光ほど内側へ屈折するため短波
長の光ほど対物レンズに近い位置に焦点を結び、主光線
高つまり倍率は、短波長ほど低くなる。これを瞳より物
体側で補正するためには反対に短波長の光ほど外側に屈
折させればよい。一方瞳より像側で補正する場合、短波
長光ほど外側へ屈折させれば焦点位置のずれは補正でき
る。しかし、この時物体位置での主光線高は、短波長光
程低くなるので、倍率の色収差を補正すれば軸上色収差
は悪化する。
【0038】以上の説明から、対物レンズの瞳位置前後
でパワーを比較して色収差の発生量の大きい側で色収差
を補正すべきであることがわかる。もし、対物レンズの
瞳位置前後で軸外色収差の発生量がほぼ同程度であれ
ば、夫々の軸外色収差が互いに相殺され多大な軸外色収
差の補正は必要なくなるが、上述のように低倍率で高N
Aの対物レンズの場合、瞳よりも物体側の前群のパワー
が後群のパワーに比べて圧倒的に強い。そのため、回折
型光学素子DOEにより色収差を補正するためには、対
物レンズの瞳位置よりも物体側で、上記第1群に回折型
光学素子DOEを配置しなければならない。また、前群
の正のパワーを強くして第1群の光束の径をおさえなけ
れば特にペッツバール和の補正で後群に負担がかかりす
ぎ、前群で補正し切れなかった残存収差を後群で補正出
来ない。特に第1群の光束径が射出瞳径以上になると、
諸収差を良好に補正するためには対物レンズの全長を長
大にする必要がある。
【0039】以上のことより、少なくとも第1群での軸
上マージナル光線高(光束径)を射出瞳の半径よりも低
くし、第1群中に回折型光学素子DOEを配置しなけれ
ば、全長を短く維持したまま回折型光学素子DOEの色
収差補正能力を有効に利用して諸収差を良好に補正する
ことは出来ない。
【0040】前述のように高NAの対物レンズは、高N
Aの発散光束を迅速に収斂光束の方向に向かわせ第1群
を通る光線高を低くおさえる必要がある。そのため前群
には強い正のパワーのレンズ群を配置しなければなら
ず、この強い正のパワーの屈折によって発生する諸収差
を最小限にして効果的に収斂光束にするには複数の屈折
面にパワーを分散させなければならない。また広い波長
領域での色収差の補正を回折型光学素子DOEのみで行
なうと、パワーが強くなりすぎて、DOEの最小ピッチ
が製作不可能なまでに小さくなってしまう。そのためレ
ンズ系中に接合レンズと回折型光学素子とを少なくとも
一つづつ用いて色収差を補正しなければならない。この
色収差の補正のうち特に軸外の色収差を補正するために
は接合レンズを対物レンズの瞳位置より物体側の前群中
に配置しなければならない。その場合、前述のように前
群には正のパワーの面が複数必要であるため接合レンズ
を正のパワーにすることが全体の収差補正にとって最も
効果的である。つまり、強い正のパワーを持つ第1群に
少なくとも一つの正のパワーの接合レンズを含んでいる
構成にしなければならない。
【0041】また、高NAを有する対物レンズは、前群
に強い正のパワーを有しその焦点距離が短くなるため、
後群に負のパワーのレンズ群を配置しなければ、全系の
焦点距離を長く(倍率を低く)出来ない。更に、前群で
発生する大きな正のペッツバール和および球面収差を補
正するためにも後群に負のパワーのレンズ群が必要であ
る。
【0042】本発明の光学系において、色収差および諸
収差をバランス良く補正するためには、下記の条件
(1)を満足することが望ましい。
【0043】(1) D/H>0.6 ただし、Hは対物レンズの射出瞳半径、Dは回折型光学
素子位置での軸上マージナル光線高である。
【0044】この条件(1)は、回折型光学素子を配置
する位置を定めるもので、D/Hが条件(1)の下限の
0.6を越えると主として強い正のパワーを有する第1
群で発生した軸上色収差を補正しきれなくなり屈折系に
多くの接合レンズを用いなければならなくなり、また異
常分散ガラスを用いなければならず、回折型光学素子を
用いたことによる効果が十分に得られない。
【0045】又、本発明のレンズ系は、下記条件(2)
を満足することが好ましい。
【0046】(2) 0.5<M/H<0.9 ただしMは第1群に含まれる少なくとも一つの正のパワ
ーの接合レンズの像側の第1面での軸上マージナル光線
高である。
【0047】条件(2)は、第1群に配置される正のパ
ワーの接合レンズの位置に関するものである。M/Hが
条件(2)の上限の0.9を越えると第1群での光束径
が大きくなりすぎるため、たとえこの正のパワーの接合
レンズにより前群の色収差を補正しようとしても又前群
の強い正のパワーを分散させても、収差全体をバランス
よく良好に補正することが難しくなる。逆に下限の0.
5を越えると第1群の接合レンズによる軸上色収差の補
正が不十分になるため回折型光学素子に収差補正の負担
がかかり、回折型光学素子の最小ピッチが小さくなり製
作が不可能になる。
【0048】又、本発明の対物レンズは、下記条件
(3)を満足することが望ましい。
【0049】(3) 0.5<f1 /f<0.8 ただしfは対物レンズの焦点距離、f1 は第1群の焦点
距離である。
【0050】条件(3)において、f1 /fが上限の
0.8を越えると第1群の正のパワーが不足して光束径
が大きくなりすぎ、限られた大きさにレンズ系をおさめ
るためには特にペッツバール和の補正において後群に負
担がかかりすぎレンズ系全体の収差補正が非常に困難に
なる。又下限の0.5を越えると第1群のパワーが強く
なりすぎ、そのため急激な屈折により発生する諸収差を
第1群、第2群で補正することが困難になる。
【0051】又本発明において、下記条件(4)を満足
することが望ましい。
【0052】(4) 3<|f2 /f|<30 ただしf2 は第2群の焦点距離である。
【0053】条件(4)において、|f2 /f|が下限
の3を越えると主としてペッツバール和の補正に寄与す
る負のパワーが強くなりすぎる。そのため、最終的に所
定の瞳径にして平行光束で射出するために必要である後
群の正のパワーも強くせざるを得ず、ここでの諸収差の
発生量が多くなり補正し得なくなる。また上限の30を
越えると、逆に前群の強い正のパワーで発生した球面収
差やペッツバール和が補正不足になる。
【0054】又、回折型光学素子は、製作上の特徴とし
て回折格子間隔を任意に設定できることがある。これは
任意形状の非球面レンズと等価であり、しかも通常の非
球面レンズより設計の自由度(変曲点が多数あってもよ
い等)がより大であり、またその製作精度もよい。又非
球面レンズは、色収差の補正が出来ず、この点を考え合
わせると回折型光学素子の方が明らかに収差補正能力が
すぐれている。又屈折率分布レンズは色収差を補正出来
るが、実際に作成し得るものは限られており、紫外線や
赤外線の波長には十分対応し得ない。
【0055】このように、回折型光学素子は、非球面レ
ンズや屈折率分布レンズ以上に優れた収差補正能力があ
り、これを用いることによって対物レンズの高性能化や
コスト低減および従来不可能であった新しい対物レンズ
の設計等が出来るようになる。
【0056】また、低倍率高NAの対物レンズの設計に
おいては、通常色収差を良好に補正するためにダブレッ
トやトリプレットを多用しなければならない。しかも光
束径が全体的に大きいことも関係して接合レンズの肉厚
は可成り厚いものになり、レンズ系の全長が大になる。
【0057】しかし、回折型光学素子を用いることによ
り接合レンズを多用する必要がなく、又回折型光学素子
自体が薄いため対物レンズの全体の長さを短く出来、顕
微鏡光学系を小型になし得る。
【0058】本発明の対物レンズにおいて、少なくとも
一つの接合レンズの隣接するレンズのアッベ数差Δνが
下記条件(5)を満足することが望ましい。
【0059】(5) Δν>20 低倍率で高NAの対物レンズにおいて、広い波長領域で
の色収差の補正を回折型光学素子のみで行なおうとする
とそのパワーが強くなりすぎ最小ピッチが極めて小さく
なり製作不能になる。そのため、レンズ系中に接合レン
ズと回折型光学素子とを少なくとも一つづつ用い、色収
差の補正を分担させなければならない。その場合接合レ
ンズが上記条件(5)を満足することが好ましい。
【0060】条件(5)において、Δνが下限の20を
越えると接合レンズによる色収差の補正作用が不十分に
なり、回折型光学素子の最小ピッチをあまり大きくでき
なくなる。又レンズ群全体として収差が残る。
【0061】次に、本発明は対物レンズから射出した平
行光束を結像させる結像レンズに特徴を有するもので、
この結像レンズに少なくとも1枚の回折型光学素子が用
いられ下記条件(6)を満足するものである。
【0062】(6) T>90 ただし、Tは対物レンズの射出瞳位置から結像レンズの
対物レンズ側の第1面までの距離である。
【0063】最近の対物レンズは、対物レンズ単体では
結像しないものが一般的である。つまり物体像が無限遠
に形成されるように設計されており、結像させるために
は別個の結像レンズを配置しなければならない。この対
物レンズと結像レンズの間の光束は平行光束であり、こ
のレンズ間隔には例えばハーフミラーや光学フィルター
などを配置し、この対物レンズと結像レンズとの間隔を
変化させても結像位置や結像性能は変化しない。このよ
うな構成(無限遠に結像する構成)にしないで、対物レ
ンズが単体で結像するようにすると、ミラーやフィルタ
ー等を付加する場合、付加したフィルター等の厚み分だ
け像位置が移動し、中間レンズが必要になり、構成が複
雑になりまた倍率が変化したりする。そのために様々な
観察方法での観察が行なわれる現代の光学系システムに
は適していない。
【0064】この結像レンズは、通常1群又は2群程度
のシンプルな構成にするのが一般的である。しかし、そ
れは一般的な対物レンズに用いる場合つまり像側のNA
がさほど大きくならない場合である。
【0065】上述のような低倍率で高NAの対物レンズ
に使用する場合は、像側のNAがかなり大きくなるため
結像レンズを対物レンズ並の複雑なレンズ構成にする必
要がある。更に結像レンズは、対物レンズとは異なり、
入射瞳位置(対物レンズの射出瞳位置)がレンズ群より
物体側(対物レンズ側)にあるため特にコマ収差の補正
が難しく、通常のレンズのみで設計しようとする場合、
レンズ枚数が多くなり接合面も多用しなければならな
い。その結果、レンズ系はコストが高くなり全長が長く
複雑な構成になる。そのため強力な色収差補正能力と非
球面効果とを有する回折型光学素子を用いることによっ
て、主としてコマ収差、球面収差を非球面効果によって
又色収差は回折型光学素子の強力な逆分散特性で良好に
補正することができ、接合レンズを多用することなく少
ないレンズ枚数の全長の短いシンプルなレンズ系を設計
できる。
【0066】前記の条件(6)は、対物レンズから結像
レンズの物体側の第1面までの距離を規定するもので、
Tの値が条件(6)の下限の90を越えると対物レンズ
と結像レンズとの間に落射照明用ハーフミラーやフィル
ター、中間鏡筒等を挿入することが出来ない。その結
果、装置の汎用性に乏しくなり、各種観察方法に対応で
きなくなる。又この距離Tを長くとれば、軸外光の光線
高が高くなり、更に瞳から離れる分、軸外収差の補正が
困難になる。簡単な構成でこれらを良好に補正するに
は、上述のように回折型光学素子を使用することが最も
効果的である。
【0067】又、少ないレンズ枚数で諸収差を良好に補
正するためには、凹面を持つ二つのレンズの凹面同士を
向かい合わせたいわゆるガウス型のレンズ構成を含むこ
とが望ましい。このガウス型がペッツバール和の補正を
中心として諸収差の補正に効果的であることはよく知ら
れている。しかし上記の結像レンズのように入射瞳がレ
ンズ群より離れている光学系では、光束が非対称になり
比較的強い凹のパワーをもつ二つのガウス面を光束が通
過する際にコマ収差が発生しやすい。回折型光学素子
は、このような光学系に特に有効であり、回折型光学素
子が持つ非球面効果によってコマ収差を良好に補正する
ことが出来る。つまり入射瞳がレンズ群から離れている
結像レンズにおいては、ガウス型の構成の強力なペッツ
バール和の補正効果と回折型光学素子の非球面による収
差補正効果、色収差補正能力とを組合わせることにより
最も簡単な構成で諸収差を効果的に補正することが可能
になる。
【0068】本発明の結像光学系は、前述の本発明の低
倍率で高NAの対物レンズと所定の二つの異なった倍率
に変換する光学系を含んでいて、低倍率で広い視野の観
察が出来高倍率で極めて高い解像力での観察が可能であ
ることを特徴とする。
【0069】対物レンズを交換することなしに低倍率で
広い視野を観察し、高倍率では極めて高い解像力での観
察を行なうためには、対物レンズ自体が広視野で高NA
を有するものでなければならない。このような光学系
は、低倍率で高NAの対物レンズと変倍光学系とを組合
わせることによってのみ可能になる。
【0070】上記のような光学系は、次のような態様の
ものが考えられる。第1の態様としては、前記の低倍率
で高NAの対物レンズと、この対物レンズから射出する
光束を二つの光路に分割する手段と、分割された光路の
うちの一方の光路には対物レンズから射出される平行光
束を総合倍率が低くなるように結像させるように焦点距
離の比較的短い第1の結像レンズを配置し、他の光路に
は総合倍率が高くなるように結像させる焦点距離の長い
第2の結像レンズを配置した光学系である。
【0071】第2の態様としては、前記の低倍率で高N
Aの対物レンズと、この対物レンズから射出する平行光
束を結像させるレンズ系で結像性能を劣化させないまま
焦点距離を変化させ得る焦点距離可変結像レンズを配置
し、この焦点距離可変結像レンズにより全系の総合倍率
を低倍率から高倍率まで変化させる光学系である。
【0072】又、第3の態様は、前記の低倍率で高NA
の対物レンズと、この対物レンズから射出する平行光束
を結像させる結像レンズと、この結像レンズにより結像
された像の倍率を変えるための変倍光学系を設け、この
変倍光学系により低倍率から高倍率まで変化させるもの
である。
【0073】更に前記第1の態様の光学系において、第
2、第3の態様のような変倍手段を高倍率観察用の光路
に配置して、低倍率での広い視野を観察しながら他方で
任意に倍率を変換させることも可能である。
【0074】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を述べ
る。
【0075】まず、本発明の光学系で用いる回折型光学
素子について更に詳細に述べる。このような回折型光学
素子を含む光学系の設計法としてウルトラハイ インデ
ィクス法(ultrahigh index meth
ods)と呼ばれる方法が知られている。それは、回折
型光学素子を屈折率の極めて大きい仮想的なレンズ(ウ
ルトラハイ インディクス レンズ)におきかえて設計
する方法である。この方法は、SPIE 126巻46
頁乃至53頁(1977年)に記載されている。その内
容を説明すると図23において、1はウルトラハイ イ
ンディクスレンズ、2は法線で、このウルトラハイ イ
ンディクス レンズにおいては、次の式で表わされる関
係が成立つ。
【0076】(nu −1)dz/dh=nsin θ−n’
sin θ’ただし、nu はウルトラハイ インディクス
レンズの屈折率、zはウルトラハイ インディクス レ
ンズの光軸方向の座標、hは光軸からの距離、n,n’
は夫々入射側媒質および射出側媒質の屈折率、θ,θ’
は光線の入射角および射出角である。
【0077】 (nu −1)dz/dh=mλ/d (11) 即ち、ウルトラハイ インディクス レンズの(屈折率
が極めて大きい屈折率分布型レンズ)の面形状と回折型
光学素子のピッチとの間には、式(11)にて与えられ
る等価関係が成立しこの式(11)を通してウルトラハ
イ インディクス法で設計したデーターから回折型光学
素子のピッチを定めることが出来る。
【0078】ここで、一般的な軸対称な非球面は、下記
の式(12)にて表わされる。
【0079】 z=Ch2 /[1−C2(k+1)h21/2 +A14 +A26 +A38 +A410+・・・ (12) ただし、zは光軸(像の方向を正)、hは面とz軸との
交点を原点としZ軸に直交する座標軸のうちのメリジオ
ナル方向の座標軸、Cは基準球面の曲率、kは円錐定
数、A1 ,A2 ,A3 ,A4 ,・・・は夫々4次,6
次,8次,10次,・・・の非球面係数である。
【0080】前記式(11),(12)より、ある光線
高における上記非球面と等価の回折型光学素子のピッチ
dは下記式(13)で表わされる。
【0081】 d=mλ/[(n−1){Ch/(1−C2 (1+k)h21/2 +4A13 +6A25 +8A37 +10A49 +・・・}] (13)
【0082】次に本発明の各実施例のデーターを示す。
【0083】実施例1 r1 =56.9463 d1 =6.9680 n1 =1.8467 ν1 =23.9 r2 =252.7410 d2 =0.2000 r3 =33.8157 d3 =8.8534 n2 =1.6031 ν2 =60.7 r4 =92.8529 d4 =5.0000 n3 =1.6727 ν3 =32.1 r5 =20.2043 d5 =15.7471 r6 =-28.2148 d6 =5.0943 n4 =1.7408 ν4 =27.8 r7 =35.1080 d7 =11.8484 n5 =1.6031 ν5 =60.7 r8 =-39.9804 d8 =0.5871 r9 =46.1917 d9 =5.9329 n6 =1.7234 ν6 =37.9 r10=27.1893 d10=11.6423 n7 =1.5225 ν7 =59.8 r11=-217.4491 d11=2.1068 r12=190.8653 d12=5.0000 n8 =1.60311 ν8 =60.7 r13=-99.9999 d13=0.2000 r14=1.8401×107 非球面d14=0.0000 DOE r15=∞ d15=5.0000 石英 r16=∞ d16=9.5412 r17=59.2708 d17=6.2086 n10=1.8348 ν10=42.7 r18=-103.3562 d18=0.2000 r19=14.3813 d19=7.6747 n11=1.8830 ν11=40.8 r20=9.8549 d20=7.1950 非球面係数 K=-1.000000 ,A1 =-0.967292 ×10-11 ,A2 =0.386640×10-143 =-0.510608 ×10-16 ,A4 =0.219320×10-18 D/H=0.72,M/H=0.80,f1 /f=0.71,f2 /f=17.6
【0084】実施例2 r1 =52.4632 d1 =6.1095 n1 =1.8830 ν1 =40.8 r2 =117.0441 d2 =0.2000 r3 =38.3710 d3 =10.0216 n2 =1.8467 ν2 =23.8 r4 =2140.9873 d4 =6.8888 n3 =1.8052 ν3 =25.4 r5 =20.6505 d5 =16.1925 r6 =-26.4929 d6 =5.0000 n4 =1.7618 ν4 =26.6 r7 =34.3820 d7 =11.2393 n5 =1.6031 ν5 =60.7 r8 =-44.3698 d8 =0.2000 r9 =101.5346 d9 =5.0000 n6 =1.8830 ν6 =40.8 r10=-321.2585 d10=1.5447 r11=2.2520×107 非球面d11=0.0000 DOE r12=∞ d12=3.5000 石英 r13=∞ d13=0.2000 r14=38.9345 d14=11.8381 n8 =1.7495 ν8 =35.3 r15=24.3128 d15=12.0591 n9 =1.5163 ν9 =64.2 r16=-95.2360 d16=2.1063 r17=41.7971 d17=5.5189 n10=1.8830 ν10=40.8 r18=312.3800 d18=0.2000 r19=22.9489 d19=10.9761 n11=1.8467 ν11=23.9 r20=14.8284 d20=6.2050 非球面係数 K=-1.000000 ,A1 =0.747078×10-11 ,A2 =-0.999216 ×10-143 =-0.276273 ×10-16 ,A4 =0.659632×10-19 D/H=0.81,M/H=0.81,f1 /f=0.63,f2 /f=5.3
【0085】実施例3 r1 =83.3176 d1 =5.7575 n1 =1.8467 ν1 =23.9 r2 =761.7768 d2 =0.4613 r3 =32.4472 d3 =8.16783 n2 =1.8830 ν2 =40.8 r4 =62.5778 d4 =5.0309 n3 =1.7618 ν3 =26.6 r5 =20.3515 d5 =16.4358 r6 =-30.0484 d6 =5.0000 n4 =1.8467 ν4 =23.9 r7 =-103.8238 d7 =0.2000 r8 =311.0709 d8 =7.5854 n5 =1.8830 ν5 =40.8 r9 =34.1769 d9 =11.7553 n6 =1.6031 ν6 =60.7 r10=-41.8122 d10=0.6373 r11=1.9853×107 非球面d11=0.0000 DOE r12=∞ d12=3.5000 石英 r13=∞ d13=0.2000 r14=51.2934 d14=5.0000 n8 =1.7552 ν8 =27.5 r15=27.9337 d15=11.3579 n9 =1.5891 ν9 =61.2 r16=-115.6770 d16=8.6539 r17=59.0308 d17=9.9815 n10=1.8348 ν10=42.7 r18=-84.2375 d18=0.2000 r19=14.9776 d19=7.8370 n11=1.8830 ν11=40.8 r20=10.0088 d20=7.2383 非球面係数 K=-1.000000 ,A1 =-0.412723 ×10-11 ,A2 =0.682059×10-143 =0.145055×10-16 ,A4 =0.450653×10-19 D/H=0.76,M/H=0.77,f1 /f=0.61,f2 /f=5.8
【0086】実施例4 r1 =74.9875 d1 =7.1236 n1 =1.8830 ν1 =40.8 r2 =328.0289 d2 =3.3944 r3 =7.4455×107 非球面d3 =0.0000 DOE r4 =∞ d4 =4.0000 石英 r5 =∞ d5 =0.2000 r6 =79.2504 d6 =9.2690 n3 =1.5163 ν3 =64.2 r7 =-158.5654 d7 =22.4807 n4 =1.6889 ν4 =31.1 r8 =40.4073 d8 =7.6313 r9 =-342.6892 d9 =27.6578 n5 =1.8467 ν5 =23.8 r10=-147.0218 d10=98.6980 非球面係数 K=-1.000000 ,A1 =-0.390321 ×10-11 ,A2 =0.134732×10-143 =-0.106997 ×10-18 ,A4 =0.974510×10-22
【0087】実施例5 r1 =89.4677 d1 =17.1402 n1 =1.8830 ν1 =40.8 r2 =1712.7348 d2 =0.2000 r3 =66.3778 d3 =10.1293 n2 =1.6031 ν2 =60.7 r4 =-184.8557 d4 =18.7911 n3 =1.8503 ν3 =32.3 r5 =43.3920 d5 =9.1411 r6 =-84.1848 d6 =26.0000 n4 =1.8052 ν4 =25.4 r7 =-72.6246 d7 =0.2000 r8 =3.9148×107 非球面d8 =0.0000 DOE r9 =∞ d9 =4.0000 石英 r10=∞ d10=106.6194 非球面係数 K=-1.000000 ,A1 =-0.822093 ×10-11 ,A2 =0.306338×10-143 =0.452768×10-17 ,A4 =0.836988×10-21
【0088】実施例6 r1 =74.2429 d1 =16.9064 n1 =1.5174 ν1 =52.4 r2 =-532.4193 d2 =2.0027 r3 =1.2695×108 非球面d3 =0.0000 DOE r4 =∞ d4 =5.0000 石英 r5 =∞ d5 =0.2000 r6 =46.8289 d6 =10.3015 n3 =1.4970 ν3 =81.6 r7 =-1051.9533 d7 =17.0251 n4 =1.7995 ν4 =42.2 r8 =35.0896 d8 =18.1661 r9 =-33.8580 d9 =10.0818 n5 =1.8467 ν5 =23.9 r10=-52.0608 d10=0.2000 r11=-181.2513 d11=5.2578 n6 =1.7995 ν6 =42.2 r12=-56.0832 d12=107.8221 非球面係数 K=-1.000000 ,A1 =-0.109176 ×10-11 ,A2 =0.154421×10-143 =-0.136217 ×10-18 ,A4 =-0.612276 ×10-22 上記データー中r1 ,r2 ,・・・ は各面の曲率半径、d1 ,d2 ,・・・ は各 レンズの肉厚およびレンズ間隔、n1 ,n2 ,・・・ は各レンズの屈折率、ν1 , ν2 ,・・・ は各レンズのアッベ数である。
【0089】上記の実施例は、いずれも波長領域488
〜632.8nmにわたって色収差が補正された対物レ
ンズ又は結像レンズである。それらのうち実施例1乃至
実施例3は、図1乃至図3に示す構成の対物レンズで全
て焦点距離が36mm、NAが0.7、同焦点距離約11
5mm、作動距離5mm、物体側視野数3.2mm、射出瞳径
50mmである。これら実施例に示す図1乃至図3は、い
ずれも図面右側が物体側である。又実施例4乃至実施例
6は図4乃至図6に示す構成の結像レンズで、全て焦点
距離が180mm、対物レンズの射出瞳位置から結像レン
ズの物体側第1面までの距離は約120mmである。これ
ら図4乃至図6は右側が像側である。
【0090】図24は、本発明の低倍率で高NAの対物
レンズと変倍光学系を含む結像レンズとよりなる光学系
を示す図である。この図において11は被検物体、12
は対物レンズ、13は対物レンズ12から射出された平
行光束を二つの光路a,dに分割するハーフミラー、1
4は光路aに配置され投影倍率5倍で撮像素子15に投
影する結像レンズ、16は反射鏡、17は光路dに配置
され一度結像させて像18を形成するレンズ、19は像
18を撮像素子20上に結像させるレンズである。ここ
で、撮像素子20に投影される像は、レンズ17,19
よりなる結像レンズにより50倍の投影倍率にて投影さ
れる。この図24に示されている光学装置では、第1の
光路aで得られる像により広視野の観察が行なわれ、第
2の光路dで得られる像により高解像観察を行なうこと
が出来る。
【0091】又、図25は他の光学装置を示す図で、1
1は被検体、12は対物レンズ、21は結像レンズ、2
2は結像レンズによる第1結像位置、23は変倍光学
系、24は撮像素子である。
【0092】この図25の光学装置では、変倍光学系2
3により低倍率から高倍率まで変倍して撮像素子24に
結像する。これにより広い視野での観察と高解像による
観察を可能にしている。
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、低倍率でありながら高
い開口数を有し、しかも接合レンズや異常分散ガラスを
多用することなく諸収差、特に色収差を広い波長範囲に
わたり補正された対物レンズを実現出来る。更に広い波
長領域で諸収差が良好に補正されていてしかもレンズ枚
数が少なく接合面を多用しない単純な構成の結合レンズ
系を得ることができる。また前記の低倍率で高NAの対
物レンズと変倍光学系との組合わせにより異なる倍率の
対物レンズの交換なしに低倍率では広い視野での観察を
行ない、高倍率では高解像力での観察が可能である。
【0094】本発明には、特許請求の範囲に記載するも
ののほか下記の各項に記載のものも含まれる。
【0095】(1) 特許請求の範囲の請求項1に記載
されているレンズ系で、回折型光学素子が下記の条件
(1)を満足する位置に配置されている対物レンズ。
【0096】(1) D/H>0.6 (2) 特許請求の範囲の請求項1又は前記の(1)の
項に記載されているレンズ系で、下記条件(2)を満足
する対物レンズ。
【0097】(2) 0.5<M/H<0.9 (3) 特許請求の範囲の請求項1あるいは前記の
(1)又は(2)の項に記載されているレンズ系で、下
記条件(3)を満足する対物レンズ。
【0098】(3) 0.5<f1 /f<0.8 (4) 特許請求の範囲の第1項あるいは前記の
(1),(2)又は(3)の項に記載されているレンズ
系で、下記条件(4)を満足する対物レンズ。
【0099】(4) 3<|f1 /f|<30 (5) 特許請求の範囲の請求項1あるいは前記の
(1),(2),(3)又は(4)の項に記載されてい
るレンズ系で、下記条件(5)を満足する対物レンズ。
【0100】(5) Δν>20 (6) 特許請求の範囲の請求項2に記載されている結
像レンズで、凹面を互いに対向させて配置された二つの
レンズを含む結像レンズ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の断面図
【図2】本発明の実施例2の断面図
【図3】本発明の実施例3の断面図
【図4】本発明の実施例4の断面図
【図5】本発明の実施例5の断面図
【図6】本発明の実施例6の断面図
【図7】実施例1の球面収差、非点収差、歪曲収差を示
す図
【図8】実施例1のコマ収差(タンジェンシャルおよび
サジタル)を示す図
【図9】実施例2の球面収差、非点収差、歪曲収差を示
す図
【図10】実施例2のコマ収差(タンジェンシャルおよ
びサジタル)を示す図
【図11】実施例3の球面収差、非点収差、歪曲収差を
示す図
【図12】実施例3のコマ収差(タンジェンシャルおよ
びサジタル)を示す図
【図13】実施例4の球面収差、非点収差、歪曲収差を
示す図
【図14】実施例4のコマ収差(タンジェンシャルおよ
びサジタル)を示す図
【図15】実施例5の球面収差、非点収差、歪曲収差を
示す図
【図16】実施例5のコマ収差(タンジェンシャルおよ
びサジタル)を示す図
【図17】実施例6の球面収差、非点収差、歪曲収差を
示す図
【図18】実施例6のコマ収差(タンジェンシャルおよ
びサジタル)を示す図
【図19】光線の屈折の状態を示す図
【図20】光線の回折の状態を示す図
【図21】断面鋸歯状の回折格子を示す図
【図22】バイナリー近似による回折格子を示す図
【図23】ウルトラハイ インディクス レンズを示す
【図24】本発明の変倍光学系を含む結像光学系の構成
を示す図
【図25】本発明の変倍光学系を含む結像光学系の構成
の他の例を示す図

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体側から順に、物体側に凹面を向けたメ
    ニスカスレンズと少なくとも一つの正のパワーの接合レ
    ンズを含む全体として正のパワーの第1群と、負のパワ
    ーの第2群とよりなるレンズ系で、前記第1群中に少な
    くとも一つの回折型光学素子を含み、前記回折型光学素
    子が光学系の瞳位置より物体側で射出瞳半径よりも軸上
    マージナル光線高の小さい位置に配置されていることを
    特徴とする対物レンズ。
  2. 【請求項2】対物レンズから射出した平行光束を結像さ
    せるレンズ系で、レンズ系中に少なくとも一つの回折型
    光学素子を有し、下記条件(6)を満足することを特徴
    とする結像レンズ系。 (6) T>90 ただし、Tは対物レンズの射出瞳位置から結像レンズ系
    の第1面までの距離である。
  3. 【請求項3】物体側から順に、物体側に凹面を向けたメ
    ニスカスレンズと少なくとも一つの正のパワーの接合レ
    ンズを含む全体として正のパワーの第1群と、負のパワ
    ーの第2群とよりなるレンズ系で、第1群中に少なくと
    も一つの回折型光学素子を含み、前記回折型光学素子が
    光学系の瞳位置より物体側で射出瞳半径よりも軸上マー
    ジナル光線高の小さい位置に配置された対物レンズと、
    少なくとも二つの所定の倍率に変換する結像レンズ系と
    を含む結像光学系。
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