JP2006084825A - 顕微鏡システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 操作性に優れ、像が明るいズーム顕微鏡システムを提供する。
【解決手段】 顕微鏡システム1は、少なくとも、物体からの光束を平行光束へと変換する対物レンズ2と、前記対物レンズ2から射出する光束の径を異なる光束径へと変換するアフォーカル変倍光学系3と、前記アフォーカル変倍光学系3から射出する平行光束を結像させる結像光学系とを備え、下記の条件式を満たす。
2・NA(ob)・FL(ob) ≧ 30
6 ≦ Lexz/X ≦ 10
但し、NA(ob)は対物レンズの最大有効開口数であり、FL(ob)は対物レンズの焦点距離であり、X=2・NA(ob)・FL(ob)であり、Lexzは物体面からアフォーカル変倍光学系最遠端までの距離である。
【選択図】 図1

Description

操作性に優れ、像が明るい変倍が可能な顕微鏡システムに関する。
本発明の顕微鏡と同様に、作業性と拡張性に優れた顕微鏡の従来例として、単体物レンズ式の実体顕微鏡が知られている。図10は、このような単体物レンズ式の実体顕微鏡の一例であり、対物レンズと変倍光学系と接眼レンズとを有する単体物レンズ式の実体顕微鏡に関する凡その構成の説明図である。
これらの対物レンズの焦点距離は、凡そ200mmから40mmの範囲にあり、比較的低い観察倍率と長い作動距離を確保できる構成となっている。
しかし、従来の単体物レンズ式の実体顕微鏡では、アフォーカル変倍光学系から結像レンズに至るまでの左右2つの光路間の距離などの制約から、アフォーカル変倍光学系の入射径は対物レンズの有効径の1/2以下に制限されている。特に、アフォーカル変倍光学系による変倍比を大きくする設計においては、倍率が高くなる側において、アフォーカル変倍光学系のレンズ径が制限となり、像の明るさが不足する傾向にある。
この事は、左右何れかのアフォーカル変倍光学系を通過した光束を撮像素子へと導き、撮像を行う場合においても同様である。
アフォーカル変倍光学系に比べ、相当に大きな有効径を持つ対物レンズにより、蛍光像を観察するための照明装置やフィルターを組み合わせて蛍光像を観察する場合には、広い観察視野は確保されるものの、十分な明るさが得られない。特に、このように広い観察範囲を持つ光学系では、微弱且つ微小な蛍光マーカーの見落としなどが発生しやすい。
そこで、特定の倍率や焦点距離において、像の明るさを向上させる為には、レンズの開口数NAを大きくする必要が有る。レンズの開口数NAを大きくすることは、対物レンズより射出する光束径が大きくなることと同一である。
ここで、対物レンズの射出光束径は、
2・NA(ob)・FL(ob) …(1)
で表される。但し、NA(ob)は対物レンズの開口数であり、FL(ob)は対物レンズの焦点距離である。
上記条件式(1)から求められる対物レンズの射出光束系は、一般的に顕微鏡では数mmから20mm程度までの値であり、総じて対物レンズの焦点距離が短くなるに従い、小さくなる傾向にある。
また、単対物レンズ式の実体顕微鏡においても、対物レンズ自体の射出光束径は40mm程度以上あるものの、アフォーカル変倍光学系の有効径により制限されるため、その有効な射出光束径は20mm前後の値となっている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、像が明るく、操作性に優れ、且つ広い変倍範囲での観察が可能であり、同時に高いシステム拡張性を持つ顕微鏡システムを提供することを目的とする。
より具体的には、試料を顕微鏡下で観察しながら、選別や解剖などの操作を行い易くするための長い作動距離と、広い範囲からより微細部の観察が可能な変倍光学系と、十分に大きなNAを備えることにより、GFPなどの蛍光を発するタンパク質をマーカーとしての試料の選別や解剖から、より微細部の観察まで、より多くの作業を一つの顕微鏡下で行える顕微鏡システムを提供することを目的とする。
本発明の顕微鏡システムは、少なくとも、物体からの光束を平行光束へと変換する対物レンズと、前記対物レンズから射出する光束の径を異なる光束径へと変換するアフォーカル変倍光学系と、前記アフォーカル変倍光学系から射出する平行光束を結像させる結像光学系とを備え、下記の条件式を満たすことを特徴とする。
2・NA(ob)・FL(ob) ≧ 30
6 ≦ Lexz/X ≦ 10
但し、NA(ob)は対物レンズの最大有効開口数であり、FL(ob)は対物レンズの焦点距離であり、X=2・NA(ob)・FL(ob)であり、Lexzは物体面からアフォーカル変倍光学系最遠端までの距離である。
また、本発明の顕微鏡システムは、少なくとも、物体からの光束を平行光束へと変換する対物レンズと、前記対物レンズから射出する光束の径を異なる光束径へと変換するアフォーカル変倍光学系と、前記アフォーカル変倍光学系から射出する平行光束を結像させる結像光学系とを備え、下記の条件式を満たし、L=F(TL)/2以上の間隔を空けて前記対物レンズ、前記アフォーカル変倍光学系及び前記結像光学系を配置することが可能であることを特徴とする。
D(TL) ≧ EXP(max)*1.25
但し、Lはズームレンズの射出端から結像レンズの入射端までの距離であり、F(TL)は結像レンズの焦点距離であり、D(TL)は結像レンズの有効径であり、EXP(max)はアフォーカル変倍光学系の最大の射出瞳の径である。
また、本発明の顕微鏡システムは、少なくとも、物体からの光束を平行光束へと変換する複数の対物レンズと、前記対物レンズから射出する光束の径を異なる光束径へと変換するアフォーカル変倍光学系と、前記アフォーカル変倍レンズから射出する平行光束を結像させる結像光学系とを備え、前記複数の対物レンズは、下記の条件式を満たすことを特徴とする。
2・NA(ob)・FL(ob) ≧ 30
X (Max)/X(Min) < 1.25
M(obH)/M(obL)≧ 2
L(ob Max) / L(ob Min) <1.1
但し、NA(ob)は各対物レンズの最大有効開口数であり、FL(ob)は各対物レンズの焦点距離であり、X(Max)は2・NA(ob)・FL(ob)の最大値であり、X(Min)は2・NA(ob)・FL(ob)の最小値であり、M(olH)は最も倍率が高い対物レンズの倍率であり、M(obL)は最も倍率が低い対物レンズの倍率であり、L(ob Max)は物体面から対物レンズ最終面までの距離の最大値であり、L(ob Min)は物体面から対物レンズ最終面までの距離の最小値である。
また、本発明の顕微鏡システムは、少なくとも、物体からの光束を平行光束へと変換する対物レンズと、前記対物レンズから射出する光束の径を異なる光束径へと変換する第1のアフォーカル変倍光学系と、第1のアフォーカル変倍光学系から射出する平行光束を結像させる結像光学系と、前記対物レンズと第1のアフォーカル変倍光学系との間に挿入可能な第2のアフォーカル変倍光学系(ca)とを備え、下記の条件式を満たすことを特徴とする。
M(ca) ≦ 0.8
ENP(max)≧EXP(ob)/M(ca)
但し、M(ca)は第2のアフォーカル変倍光学系の倍率であり、ENP(max)は第1のアフォーカル変倍光学系の最大の射出瞳の径であり、EXP(ob)は対物レンズの射出瞳の径である。
更に、本発明の顕微鏡システムは、請求項1乃至4に記載の顕微鏡システムにおいて、試料に波長選択した照明光を投影し、試料が発する照明光とは異なる波長の光(蛍光など)の観察が可能であり、照明光と観察の為の光との波長を分離する為のフィルターが、L(f)=F(TL)/3を満たす範囲内に配置されたことを特徴とする。
但し、L(f)はアフォーカル変倍光学系の射出端からフィルターまでの距離であり、F(TL)は結像レンズの焦点距離である。
本発明の顕微鏡によれば、対物レンズ径を最大限に活かして有効なNAを得ることができる。
また、本発明の顕微鏡では、対物レンズの焦点距離は凡そ200mm〜40mmの範囲にあり、凡そ180mm〜20mm程度の作動距離を得ることができる。そして、顕微鏡下で試料を観察しながら、試料へのアクセスを容易に行うことができる作動距離が50mm以上であることから、本発明の顕微鏡によれば、観察者は、顕微鏡下で試料を観察しながら、試料へのアクセスを容易に行うことができる。また、20mm程度の作動距離においては、シャーレ等の容器中に入った試料を観察する際や、試料を交換する際に、対物レンズをその都度退避させることなく、その作業を行えることから、本発明の顕微鏡は作業用の顕微鏡として優れた操作性を発揮する。
更に、対物レンズの有効開口数を大きく取ると同時に、物体面よりアフォーカル変倍光学系最終面までの距離を制限する本発明の顕微鏡によれば、楽な姿勢で観察を行う為に適切な光路長が得られる。
また、観察試料の選別や解剖などの操作から、特定部位の観察や撮影を一つの顕微鏡下で行うには、夫々の用途に適した最適な倍率を容易且つ迅速に選択できることが望ましいこと、更に倍率は連続的に選択できることが望ましいことから、本発明の顕微鏡では単一の操作で広い倍率の範囲を任意に選択可能なズーム式変倍レンズを備えている。また、多少利便性は劣るが、複数のアフォーカル変倍光学系を選択的に挿入し、複数の倍率を得る構成とすることもできる。
更に、大きな範囲の視野を観察したり、より高解像な像を得るなど、個別の用途に応じて、夫々の用途に適した対物レンズを選択する本発明の顕微鏡によれば、更に広い用途に対応することが可能である。その際、互いの対物レンズは、物体面より対物レンズ出射端までの距離が凡そ揃っており、対物レンズの交換に伴いフォーカス位置が大きくずれることが無く、格段に操作性を向上させる。
本発明の顕微鏡によれば、長い作動距離と広い観察視野を確保しながら、大きなNA(開口数)を併せ持つので、特に蛍光を発するたんぱく質(GFPなど)をマーカーとして生態試料の選別作業を行う際や、ねずみなどの小動物の臓器等をマーキングした試料を観察する際に、明るい蛍光像が得られ、マーカーの見落としを防ぐことができる。また、十分に明るい蛍光像が得られるので、蛍光観察時に試料の周りや部屋全体を暗くする必要も無く、作業の効率化を図ることができる。
本発明の実施例の説明に先立ち、本発明の作用について、説明する。
本発明の顕微鏡においては、観察像の明るさを向上させる為に、下記条件式を満足するように設計されている。
2・NA(ob)・FL(ob) ≧ 30 …(2)
ただし、NA(ob)は対物レンズの最大有効開口数であり、FL(ob)は対物レンズの焦点距離である。
条件式(2)は、その値が20程度の対物レンズと同一の倍率で比較した場合には、2倍以上像が明るくなることを意味している。像の明るさは、射出光束径の自乗に比例する関係にあるためである。
より明るい像を得る為には、条件式(2)の値が30より更に大きな値であれば良い。条件式(2)において30より更に大きな値を得る為には、レンズの径自体を相当に大きくする必要が有る。しかし、レンズの径は、生産性やコストなどの問題から、50程度までが適当である。
また、別の観点では、アフォーカル変倍光学系の全長は、適切な変倍範囲(例えば10倍程度を)維持する場合、収差補正上の理由などから、対物レンズより入射する光束径が大きくなるに従い、その全長が長くなる傾向にある。
特別な光路の折り曲げ等をせずに適切な観察姿勢を保てる全長に抑える為にも、対物レンズの射出光束径は50程度までが適切である。
更に下記条件式を満たすことにより、物体面からアフォーカル変倍光学系最遠端までの距離は180mm〜500mmの範囲となる。
6 ≦ Lexz/X ≦ 10 …(3)
但し、Xは2・NA(ob)・FL(ob)であり、NA(ob)は対物レンズの最大有効開口数であり、FL(ob)は対物レンズの焦点距離であり、Lexzは物体面からアフォーカル変倍光学系の最遠端までの距離である。
そして、条件式(2)及び(3)を満たしアフォーカル変倍光学系の上に、適切な結像レンズやそれを含む鏡筒類を配置することにより、適切な観察姿勢を持つ顕微鏡を提供することが可能となる。
更に、対物レンズと、対物レンズからの光束径を異なる光束径へと変換するアフォーカル変倍光学系と、アフォーカル変倍光学系から射出する平行光束を結像させる結像光学系を持つ顕微鏡システムでは、そのシステムを拡張することが可能である。
具体的には、蛍光観察の為の照明光束を導入するハーフミラーやフィルター類を平行光束中に挿入することや、光束の一部又は全てを側方に分岐させる為のハーフミラーなどを挿入することで、様々な観察方法やアプリケーションに対応できる。
これらの拡張性を持たせる為には、下記条件式により求められる値以上の間隔を空けて、光学部材の配置が可能であることが望ましい。
L=F(TL)/2 …(4)
但し、Lはズームレンズの射出端から結像レンズの入射端までの距離であり、F(TL)は結像レンズの焦点距離である。
更に、観察視野の周辺部においても十分な光量を確保し、目立った視野ムラなどが生じない為には、下記の条件式を満足することが望ましい。
D(TL) ≧ EXP(max)*1.25 …(5)
但し、D(TL)は結像レンズの有効径である。
また、蛍光観察においては、選択した波長の照明光を試料に投影し、照明光とは異なる波長での観察するために用いるハーフミラーや波長を分離する為のフィルターが、上記条件式(3)で求められる値の間隔中に挿入される。そして、これらのフィルターやハーフミラーがセットされたミラーユニットが構成されており、複数の波長の蛍光像を容易に選択できるように、複数のミラーユニットがセットされる。
これらの複数のミラーユニットを必要最小限の大きさで構成し、低コスト化する為には、下記の条件式を満たすことが望ましい。
L(f)=F(TL)/3 …(6)
但し、L(f)はズームレンズの射出端からフィルターまでの距離であり、F(TL)は結像レンズの焦点距離である。
次に、対物レンズと、対物レンズからの光束径を異なる光束径へと変換するアフォーカル変倍光学系と、アフォーカル変倍光学系から射出する平行光束を結像させる結像光学系を持つ顕微鏡システムにおいて、アフォーカル変倍光学系により変倍可能な範囲より更に広い倍率範囲での観察を行う場合や、より長い作動距離や、より大きい開口数を必要とする場合には、異なる対物レンズなどを選択する事が可能である。
本発明の顕微鏡に用いる対物レンズは下記の条件式を満たす事により、様々な用途に対応する対物レンズにおいても、それらを交換した際に大きくピント位置がズレる事無く、優れた操作性と、システム拡張性を得ることができる。
2・NA(ob)・FL(ob) ≧ 30 …(2)
X (Max)/X(Min) < 1.25 …(7)
M(obH)/M(obL)≧ 2 …(8)
L(ob Max) / L(ob Min) <1.1 …(9)
但し、NA(ob)は各対物レンズの最大有効開口数であり、FL(ob)は各対物レンズの焦点距離であり、X(Max)は2・NA(ob)・FL(ob)の最大値であり、X(Min)は2・NA(ob)・FL(ob)の最小値であり、M(obH)は最も倍率が高い対物レンズの倍率であり、M(obL)は最も倍率が低い対物レンズの倍率であり、L(ob Max)は物体面から対物レンズ最終面までの距離の最大値であり、L(ob Min)は物体面から対物レンズ最終面までの距離の最小値である。
条件式(8)において、M(obH)/M(obL)≧2xの倍率範囲を持たせることにより、様々な用途に応じて適切な倍率や開口数の対物レンズを選択することが可能となる。例えば、作動距離が十分に長い対物レンズであったり、開口数が大きく解像力の高い対物レンズなどである。
また、夫々の対物レンズと、アフォーカル変倍光学系の有効径がそれぞれ無駄無く活用されるためには、各対物レンズ同士の射出光束径が凡そ揃っていることが望ましい。もしも、条件式(7)を満たしていなければ、対物レンズ若しくは、アフォーカル変倍光学系の何れかで、互いの有効径が十分に活かされない状態が生じてしまう。
ところで、物体側により大きな開口数NAを持つ高解像力の対物レンズでは、一般的に作動距離・焦点距離・全長が共に小さく、射出瞳の径は数mm〜20mm程度である。
これらの射出瞳が小さい対物レンズと入射瞳の径の大きな変倍光学系とを組合わせる場合、変倍光学系の大きなレンズ径が無効になるばかりでなく、特に変倍光学系が高倍率側の時に物体側のNAに対して過剰倍率となりやすく、ややぼやけた像しか得られなくなるという問題がある。
そこで、物体側の開口数NAに応じた適切な観察倍率を得る為には、対物レンズと変倍光学系との間に、瞳の径が適切になるような第2の変倍光学系が必要になる。
このような第2の変倍光学系は、対物レンズが無限遠設計の場合、アフォーカル変倍光学系であり、その倍率は下記の条件式を満たすことが望ましい。
M(ca) ≦ 0.8 …(10)
ENP(max)≧EXP(ob)/M(ca) …(11)
但し、M(ca)は第2のアフォーカル変倍光学系の倍率であり、ENP(max)は第1のアフォーカル変倍光学系の最大の射出瞳の径であり、EXP(ob)は対物レンズの射出瞳の径である。
また、対物レンズの射出瞳の径を拡大して、第1の変倍光学系の入射瞳の径との差を小さくする為には、第2の変倍光学系の倍率M(ca)は1より小さい値でなければならない。
これは、アフォーカル変倍光学系においては瞳径と倍率とが反比例の関係にあるためである。
対物レンズの射出瞳を十分に拡大する効果が得られる為の条件として、M(ca) は 0.8以下であり、これより大きい値では十分な効果は得られない。
また、対物レンズの射出瞳を十分に拡大する効果が得られる為の条件として、上記M(ca)の条件を満たすと同時に、ENP(max)≧EXP(ob)/M(ca)の条件を満たしている事が望ましい。
この条件を超える場合には、第2の変倍光学系より射出する光束の径が、第1の変倍光学系の有効径を超えてしまい、光束のロスが生じ、物体側の有効開口数NAが小さくなるという問題が生じる為である。
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
第1実施例
図1は、本発明の第1実施例である顕微鏡システムの説明図である。
図1に示すように、第1実施例の顕微鏡システム1は、対物レンズ2、アフォーカル変倍光学系3を備え、接眼レンズ4を介して試料を観察するようになっている。
図1に示すように、第1実施例の顕微鏡システムは、作動距離WDが長く、ズームレンズの出射端までの距離が適度に抑えられた構成となっている。なお、図中、Lexzは物体面からアフォーカル変倍光学系の最遠端までの距離である。また、図中の光線図は、アフォーカル変倍光学系の倍率が最小時のものを示している。
第1実施例では、上記条件式(2)の値が45であり、条件式(3)の値が7.5を示している。
しかし、条件式(2)及び(3)の値が、これより小さい場合、例えば条件式(2)の値が30であり、条件式(3)の値が6である場合は、顕微鏡を通して観察する際のアイポイント位置が低くなる為、アイポイントを高い位置に保つことが可能な鏡筒を組合わせる必要が有る。
また、条件式(2)及び(3)の値が第1実施例における同式の値より大きい場合、例えば50と10であった場合には、逆にアイポイント位置をより低く保てる鏡筒を組合わせる必要がある。
このように、条件式(2)及び(3)の値を用いることにより、適切な観察姿勢を保てる顕微鏡を提供することが可能となる。
第2実施例
図2は、本発明の顕微鏡システムに使用されるアフォーカルズームレンズの一例を示す光軸に沿う断面図であり、図2(a)はアフォーカルズームレンズの倍率が最小の状態を示し、図2(b)は中間の倍率を示し、図2(c)は倍率が最大の状態を示している。
図2に示すように、アフォーカルズームレンズ5は、複数のレンズ群G1,G2,G3,G4,G5,G6を有しており、物体面からこれらのレンズ群G1乃至G6までの距離を変えることにより、ズームの倍率を変更するようになっている。
図2より、倍率が最小の時には射出瞳の径が最大となり、倍率が最大の時には射出瞳の径が最小となることが分かる。
また、第2実施例は、ENP(max)=45の場合を示しており、その全長は190である。ENP(max)=30になるまで縮小した場合には、その全長は127となる。
アフォーカルズームレンズ5は、例えば、結像レンズと組合わせることができる。
図3は、アフォーカルズームレンズ5に組み合わせることができる結像レンズの光軸に沿う断面図である。
図3に示す結像レンズ6は、複数のレンズ群G7、G8を有している。また、図3に示す光線図は、アフォーカルズームレンズの射出瞳径が最大となる時に視野中心に至る光束の範囲を示しており、結像レンズの有効径はEXP(max)*1.25以上になっている。
そして、図2に示すアフォーカルズームレンズ5と組合わせることにより、所望の焦点距離を得ることができるようになっている。
なお、図3に示す結像レンズの焦点距離は180であり、結像レンズの有効径はφ36である。
図4は、図2に示すアフォーカルズームレンズ5と、適当な間隔を保って配置された図3に示す結像レンズ6を組み合わせた光学系の光軸に沿う断面図である。
図4に示すように、アフォーカルズームレンズの最大射出瞳径に対し、EXP(max)*1.25以上となっていることにより、ズームレンズの射出端から結像レンズの入射端までの距離Lが大きい場合でも、像の周辺に至るまで十分な光束を確保している。
第2実施例におけるズームレンズの射出端から結像レンズの入射端までの距離L及び結像レンズの焦点距離F(TL)を、下記に示す。
L=100(=F(TL)/1.8)
F(TL)=180
第3実施例
図5(a)乃至(d)に、本発明による顕微鏡システムに組み合わされる対物レンズの一例を示す。尚、図5(a)乃至(d)に示す光線図は、アフォーカル変倍光学径の倍率が最小で、観察範囲が最大となる状態を示している。
図5に示す対物レンズ7aは、レンズの全長より焦点距離が長く、負のパワーを持つレンズ群G9と、正のパワーを持つレンズ群G10を有している。レンズの全長より焦点距離が短い対物レンズ7b〜7dは、正のパワーを持つレンズ群G11,G14,G17と、パワーの弱いレンズ群G12,G15,G18と、物体側に凸面を向けたメニスカスレンズと正の単レンズからなるレンズ群G13,G16,G19をそれぞれ有している。
図5(a)乃至(d)に示す通り、何れの対物レンズも全長が140mm前後でほぼ揃っており、何れもほぼ同じ射出瞳の径となるレンズ径に設定されている。具体的には、各対物レンズの焦点距離は180から56であり、M(obH)/M(obL)=3.2となっている。また、何れの対物レンズも、2・NA(ob)・FL(ob) =40〜45程度の設計となっており、L(ob Max) / L(ob Min) =1.04 である。
第4実施例
図6は、対物レンズと第2のアフォーカルの変倍レンズを組み合わせた光学系の光軸に沿う断面図である。
図6に示す対物レンズ8は、物体側に大きな開口数NAを持ち、焦点距離と全長とを短く構成している。この対物レンズ8は、第2のアフォーカルの変倍レンズ9と組合わせるようになっている。
図6に示す通り、第2のアフォーカル変倍光学系により、対物レンズの射出瞳径が拡大されている。第4実施例では、第2のアフォーカル変倍光学系の倍率M(ca)=0.5であり、対物レンズの射出瞳の径は2倍の大きさに拡大される。
また、この対物レンズと、第2のアフォーカル変倍光学系との間隔を適切に保つことにより、図5(a)乃至(d)に示す対物レンズの全長とほぼ同一にすることが可能である。
尚、本実施例に示す対物レンズは、物体側の開口数NAは大きいものの、レンズ径は比較的小さいので、第一の変倍光学系の倍率が低い際には、視野の周辺に至る光束は通らず、視野の中心部分しか観察できないという問題が生じるが、第一の変倍光学系の倍率が高い場合にはこのような不都合は生じない。
以下に、図2に示すアフォーカルズームレンズについて、物体像側から順に示した各光学部材の面の曲率半径、物体像側から順に示した各光学部材の肉厚又は各光学部材面間の間隔(単位:mm)、物体側から順に示した各光学部材のd線での屈折率、物体側から順に示した各光学部材のアッベ数に関する数値データを示す。
数値データ1
面番号 曲率半径 面(又は空気)間隔 屈折率 アッベ数
1 143.584 6.5 1.43875 94.93
2 -151.471 4.5 1.67300 38.15
3 -406.964 0.5
4 86.266 7 1.43875 94.93
5 -182.860 4 1.67300 38.15
6 -627.529 D1
7 289.274 5.6 1.73800 32.26
8 -40.355 3 1.77250 49.60
9 42.167 3.2
10 -172.814 2.8 1.77250 49.60
11 22.430 4.5 1.73800 32.26
12 267.473 D2
13 -38.998 2.8 1.67790 55.34
14 -112.304 D3
15 -104.447 4.5 1.43875 94.93
16 -37.846 D4
17 86.418 4.5 1.43875 94.93
18 -96.570 D5
19 -62.848 3.5 1.67790 55.34
20 -174.072 0
以下に、図2(a)乃至(c)における各間隔D1〜D5の値及び図3に示す結像レンズとの合成焦点距離FLの数値データを示す。
図 2(a) 2(b) 2(c)
D1 6.000 49.684 65.362
D2 63.114 19.430 3.752
D3 33.132 30.751 4.429
D4 27.652 25.599 8.000
D5 3.200 7.634 51.555
FL 56.0 177.0 560.0
以下に、図3に示す結像レンズの数値データを示す。
数値データ2
面番号 曲率半径 面(又は空気)間隔 屈折率 アッベ数
1 69.845 9.98 1.49700 81.54
2 -54.633 4.65 1.80610 40.92
3 -172.571 9.58
4 60.898 11.43 1.83400 37.16
5 -82.872 5.76 1.65412 39.68
6 31.904 126.94
以下に、図5(a)に示す対物レンズの数値データを示す。
数値データ3
焦点距離FL 180mm
全長 142.67mm
作動距離WD 71.9mm

面番号 曲率半径 面(又は空気)間隔 屈折率 アッベ数
(物体面) 71.927
1 INF 5.73 1.63980 34.46
2 -84.402 0.66
3 67.942 4.2 1.48749 70.23
4 31.409 29.33
5 -23.188 5.65 1.80440 39.59
6 -182.839 11.43 1.49700 81.54
7 -37.796 1
8 -75.171 4.9 1.49700 81.54
9 -41.164 0.8
10 -206.366 7 1.48749 70.23
11 -46.433
以下に、図5(b)に示す対物レンズの数値データを示す。
焦点距離FL 90mm
全長143.86mm
作動距離WD 71.6mm

面番号 曲率半径 面(又は空気)間隔 屈折率 アッベ数
(物体面) 71.6
1 INF 7 1.51633 64.14
2 -104.9906 1
3 153.8759 8.5 1.61800 63.33
4 INF 4
5 -93.1665 5.52 1.61340 44.27
6 75.2978 11 1.43875 94.99
7 -77.5003 1.756
8 53.2217 15.1 1.60562 43.70
9 91.3981 5.08 1.61340 44.27
10 47.5573 5.3
11 198.4043 8 1.43875 94.93
12 -105.7296
以下に、図5(c)に示す対物レンズの数値データを示す。
焦点距離FL 75mm
全長137.98mm
作動距離WD 56mm

面番号 曲率半径 面(又は空気)間隔 屈折率 アッベ数
(物体面) 56.01
1 INF 9.67 1.48749 70.23
2 -55.209 2
3 216.606 8.06 1.43875 94.99
4 -108.481 4.28
5 -48.133 7.44 1.67300 38.15
6 377.434 17.3 1.49700 81.54
7 -54.117 0.3
8 46.887 13.83 1.60562 43.70
9 -171.744 5.4 1.61340 44.27
10 39.276 6.69
11 210.938 7 1.43875 94.99
12 -185.942
以下に、図5(d)に示す対物レンズの数値データを示す。
焦点距離FL=56mm
全長140.02mm
作動距離WD 34.9mm

面番号 曲率半径 面(又は空気)間隔 屈折率 アッベ数
(物体面) 34.911
1 INF 11.75 1.51633 64.15
2 -42.021 0.2
3 INF 5.88 1.71850 33.52
4 76.173 11.45 1.49700 81.61
5 -76.173 1.294
6 INF 14.27 1.49700 81.61
7 -38.336 12.35 1.64450 40.82
8 -220.439 7.913
9 57.314 19.91 1.65016 39.39
10 -57.314 8.36 1.64450 40.82
11 47.362 5.462
12 INF 6.27 1.51633 64.15
13 -78.2
以下に、図6に示す対物レンズとアフォーカル変倍レンズの数値データを示す。
焦点距離FL 36mm
全長 141.339mm
M(ca) 0.5
EXP(ob) 14.4→28.8

面番号 曲率半径 面(又は空気)間隔 屈折率 アッベ数
(物体面) INF 3.788
1 -6.636 1.63 1.74100 52.65
2 19.677 5.81 1.43875 94.97
3 -7.977 0.214
4 21.662 3.96 1.43875 94.97
5 -21.662 0.300
6 19.677 3.07 1.43875 94.97
7 -32.827 0.571
8 12.378 6.25 1.43875 94.97
9 -12.378 3.53 1.52682 51.13
10 7.977 5
11 -6.046 1.79 1.69680 56.47
12 53.090 4.03 1.43875 94.97
13 -9.458 0.39
14 146.241 3.6 1.56907 71.30
15 -16.025 51
16 -40.635 2.18 1.69680 56.47
17 21.438 5.7 1.78472 25.68
18 51.704 22.146
19 210.802 3.19 1.68893 31.08
20 51.047 6.84 1.45600 90.31
21 -200.548 0.29
22 201.409 6.06 1.48749 70.21
23 -43.1969
図7は、図2に示すアフォーカルズームレンズと図3に示す結像レンズを適当な間隔をもって配置した際の収差図であり、アフォーカルズームレンズと結像レンズの合成焦点距離が56と177と560の時の収差図である。
図8(a)乃至(d)は、図5(a)乃至(d)に示す対物レンズと図2に示すアフォーカルズームレンズと図3に示す結像レンズとを、適当な間隔をもって配置した際の収差図であり、アフォーカルズームレンズと結像レンズの合成焦点距離が56と177と560の収差図である。
図9に、図6に示す対物レンズとアフォーカル変倍レンズと、図2に示すアフォーカルズームレンズと図3に示す結像レンズとを、適当な間隔をもって配置した際の収差図であり、アフォーカルズームレンズと結像レンズの合成焦点距離FLが560の収差図のみを示す。アフォーカルズームレンズと結像レンズの合成焦点距離が、より短い場合においては、対物レンズ内で有効径の不足が生じ、視野の周辺部に至る光束を通すことができない為である。
本発明の第1実施例である顕微鏡システムの説明図である。 図2は、本発明の顕微鏡システムに使用されるアフォーカルズームレンズの一例を示す光軸に沿う断面図であり、(a)はアフォーカルズームレンズの倍率が最小の状態を示し、(b)は中間の倍率を示し、(c)は倍率が最大の状態を示している。 アフォーカルズームレンズ5に組み合わせることができる結像レンズの光軸に沿う断面図である。 図2に示すアフォーカルズームレンズ5と、適当な間隔を保って配置された図3に示す結像レンズ6を組み合わせた光学系の光軸に沿う断面図である。 (a)は、本発明による顕微鏡システムに組み合わされる対物レンズ7aの光軸に沿う断面図であり、(b)は、本発明による顕微鏡システムに組み合わされる対物レンズ7bの光軸に沿う断面図であり、(c)は、本発明による顕微鏡システムに組み合わされる対物レンズ7cの光軸に沿う断面図であり、(d)は、本発明による顕微鏡システムに組み合わされる対物レンズ7dの光軸に沿う断面図である。 対物レンズと第2のアフォーカルの変倍レンズを組み合わせた光学系の光軸に沿う断面図である。 図7は、図2に示すアフォーカルズームレンズと図3に示す結像レンズを適当な間隔をもって配置した際の収差図であり、アフォーカルズームレンズと結像レンズの合成焦点距離が56と177と560の時の収差図である。 図8(a)は、図5(a)乃至(d)に示す対物レンズと図2に示すアフォーカルズームレンズと図3に示す結像レンズとを、適当な間隔をもって配置した際の収差図であり、アフォーカルズームレンズと結像レンズの合成焦点距離が56と177と560の収差図である。 図8(b)は、図5(a)乃至(d)に示す対物レンズと図2に示すアフォーカルズームレンズと図3に示す結像レンズとを、適当な間隔をもって配置した際の収差図であり、アフォーカルズームレンズと結像レンズの合成焦点距離が56と177と560の収差図である。 図8(c)は、図5(a)乃至(d)に示す対物レンズと図2に示すアフォーカルズームレンズと図3に示す結像レンズとを、適当な間隔をもって配置した際の収差図であり、アフォーカルズームレンズと結像レンズの合成焦点距離が56と177と560の収差図である。 図8(d)は、図5(a)乃至(d)に示す対物レンズと図2に示すアフォーカルズームレンズと図3に示す結像レンズとを、適当な間隔をもって配置した際の収差図であり、アフォーカルズームレンズと結像レンズの合成焦点距離が56と177と560の収差図である。 図6に示す対物レンズとアフォーカル変倍レンズと、図2に示すアフォーカルズームレンズと図3に示す結像レンズとを、適当な間隔をもって配置した際の収差図であり、アフォーカルズームレンズと結像レンズの合成焦点距離FLが560の収差図のみを示す。 単体物レンズ式の実体顕微鏡の従来例であり、対物レンズと変倍光学系と接眼レンズとを有する単体物レンズ式の実体顕微鏡に関する凡その構成の説明図である。
符号の説明
1 顕微鏡システム
2,7,8 対物レンズ
3 アフォーカルズームレンズ
4 接眼レンズ
5 アフォーカルズームレンズ
6 結像レンズ
9 アフォーカルの変倍レンズ
G1,G2,G3、G4,G5,G6,G7,G8,G9,G10,G11,G12,G13,G14,G15,G16,G17,G18,G19 レンズ群

Claims (5)

  1. 少なくとも、物体からの光束を平行光束へと変換する対物レンズと、
    前記対物レンズから射出する光束の径を異なる光束径へと変換するアフォーカル変倍光学系と、
    前記アフォーカル変倍光学系から射出する平行光束を結像させる結像光学系とを備え、
    下記の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡システム。
    2・NA(ob)・FL(ob) ≧ 30
    6 ≦ Lexz/X ≦ 10
    但し、NA(ob)は対物レンズの最大有効開口数であり、FL(ob)は対物レンズの焦点距離であり、X=2・NA(ob)・FL(ob)であり、Lexzは物体面からアフォーカル変倍光学系最遠端までの距離である。
  2. 少なくとも、物体からの光束を平行光束へと変換する対物レンズと、
    前記対物レンズから射出する光束の径を異なる光束径へと変換するアフォーカル変倍光学系と、
    前記アフォーカル変倍光学系から射出する平行光束を結像させる結像光学系とを備え、
    下記の条件式を満たし、L=F(TL)/2以上の間隔を空けて前記アフォーカル変倍光学系及び前記結像光学系を配置することが可能であることを特徴とする顕微鏡システム。
    D(TL) ≧ EXP(max)*1.25
    但し、Lはアフォーカル変倍光学系の射出端から結像レンズの入射端までの距離であり、F(TL)は結像レンズの焦点距離であり、D(TL)は結像レンズの有効径であり、EXP(max)はアフォーカル変倍光学系の最大の射出瞳の径である。
  3. 少なくとも、物体からの光束を平行光束へと変換する複数の対物レンズと、
    前記対物レンズから射出する光束の径を異なる光束径へと変換するアフォーカル変倍光学系と、
    前記アフォーカル変倍レンズから射出する平行光束を結像させる結像光学系とを備え、
    前記複数の対物レンズは、下記の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡システム。
    2・NA(ob)・FL(ob) ≧ 30
    X (Max)/X(Min) < 1.25
    M(obH)/M(obL)≧ 2
    L(ob Max) / L(ob Min) <1.1
    但し、NA(ob)は各対物レンズの最大有効開口数であり、FL(ob)は各対物レンズの焦点距離であり、X(Max)は2・NA(ob)・FL(ob)の最大値であり、X(Min)は2・NA(ob)・FL(ob)の最小値であり、M(olH)は最も倍率が高い対物レンズの倍率であり、M(obL)は最も倍率が低い対物レンズの倍率であり、L(ob Max)は物体面から対物レンズ最終面までの距離の最大値であり、L(ob Min)は物体面から対物レンズ最終面までの距離の最小値である。
  4. 少なくとも、物体からの光束を平行光束へと変換する対物レンズと、
    前記対物レンズから射出する光束の径を異なる光束径へと変換する第1のアフォーカル変倍光学系と、
    第1のアフォーカル変倍光学系から射出する平行光束を結像させる結像光学系と、
    前記対物レンズと第1のアフォーカル変倍光学系との間に挿入可能な第2のアフォーカル変倍光学系(ca)とを備え、
    下記の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡システム。
    M(ca) ≦ 0.8
    ENP(max)≧EXP(ob)/M(ca)
    但し、M(ca)は第2のアフォーカル変倍光学系の倍率であり、ENP(max)は第1のアフォーカル変倍光学系の最大の射出瞳の径であり、EXP(ob)は対物レンズの射出瞳の径である。
  5. 請求項1乃至4に記載の顕微鏡システムにおいて、試料に波長選択した照明光を投影し、試料が発する照明光とは異なる波長の光(蛍光など)の観察が可能であり、照明光と観察の為の光との波長を分離する為のフィルターが、L(f)=F(TL)/3を満たす範囲内に配置されたことを特徴とする顕微鏡システム。
    但し、L(f)はアフォーカル変倍光学系の射出端からフィルターまでの距離であり、F(TL)は結像レンズの焦点距離である。
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