JPH1087547A - 光学活性合成中間体の製造法 - Google Patents

光学活性合成中間体の製造法

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JPH1087547A
JPH1087547A JP26514396A JP26514396A JPH1087547A JP H1087547 A JPH1087547 A JP H1087547A JP 26514396 A JP26514396 A JP 26514396A JP 26514396 A JP26514396 A JP 26514396A JP H1087547 A JPH1087547 A JP H1087547A
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JP
Japan
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mmol
formula
propiolactone
trichloromethyl
group
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Withdrawn
Application number
JP26514396A
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English (en)
Inventor
Tamotsu Fujisawa
有 藤沢
Makoto Shimizu
真 清水
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Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学活性β−トリクロロメチル−β−プロピオ
ラクトンを用いて、光学活性な合成中間体の製造法を提
供すること。 【解決手段】光学活性β−トリクロロメチル−β−プロ
ピオラクトンは各種求核剤と反応し、アシル化生成物が
得られる。さらにTiCl4 −R3 N(Rはアルキル
基)によりエノラートとした後、求電子剤との反応によ
り、α位に選択的にアルキル基を導入することができ
た。フェニルGrignard試薬との付加体から官能
基変換することにより、アンジオテンシン変換酵素阻害
剤であるエナラブリルへ誘導できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然物合成におい
て有用な光学活性合成中間体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】β−プロピオラクトンは従来より天然物
合成への応用において、有用な合成ブロックとして用い
られている。β−プロピオラクトンはGrignard
試薬を用いた場合、アシル炭素−酸素結合が開裂する。
また、本発明者らは有機銅試薬を用いることで、選択的
にβ炭素−酸素結合が開裂する見出している。また、β
−プロピオラクトンは求核剤としても用いられており、
β位が立体的にかさ高い置換基であるt−ブチル基の場
合、カルボニル基のα位への置換基の導入は立体選択的
に起こり、トランス側から攻撃を受けた生成物が優先し
て得られている。
【0003】
【化9】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光学活性β
−トリクロロメチル−β−プロピオラクトンを用いた光
学活性合成中間体の製造法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(a)式(1)
【0006】
【化10】
【0007】の化合物に、Grignard試薬または
リチウム試薬を反応させることを特徴とする式(2)
【0008】
【化11】
【0009】[式中、R1 は、Ph(CH2 )n(nは
0,1または2を示す。)を示す。]で表される化合物
の製造法、(b)式(1)
【0010】
【化12】
【0011】の化合物に、n−ブチルリチウムまたはリ
チウムジイソプロピルアミドの存在下、R2 SOmCH
3 (R2 はフェニル基またはC1-4 アルキル基を示し、
mは1または2を示す。)で表される化合物を反応させ
ることを特徴とする式(3)
【0012】
【化13】
【0013】(式中、R2 、mは前記と同じ意味を示
す。)で表される化合物の製造法、(c)式(1)
【0014】
【化14】
【0015】の化合物に、四塩化チタンと塩基の存在
下、R3 CHO(R3 は、フェニル基,C1-4 ハロアル
キル基を示す。)で表される化合物を反応させることを
特徴とする式(4)
【0016】
【化15】
【0017】(式中、R3 は前記と同じ意味を示す。)
で表される化合物の製造法および(d)式(1)
【0018】
【化16】
【0019】の化合物に、四塩化チタンと塩基の存在
下、HC(OR4 )(R4 は、C1-4 アルキル基を示
す。)で表される化合物を反応させることを特徴とする
式(5)
【0020】
【化17】
【0021】(式中、R4 は前記と同じ意味を示す。)
で表される化合物の製造法である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明(a)において、Grig
nard試薬、リチウム試薬としては、臭化フェニルマ
グネシウム,塩化フェニルマグネシウム,臭化フェネチ
ルマグネシウム、フェニルリチウムなどが例示できる。
溶媒としては、ジエチルエーテル,ジメトキシエタン,
THFなどのエーテル類が用いられる。反応温度は−7
8〜−50℃で行われる。(b)において、C1-4 アル
キル基としては、メチル基,エチル基,プロプル基,イ
ソプロピル基,ブチル基,イソブチル基、s−ブチル基
またはt−ブチル基が例示できるが、メチル基が好まし
い。リチウムジイソプロピルアミドは、溶媒(例えば、
ジメトキシエタンなど)中、ジイソプロピルアミンと、
n−ブチルリチウム(例えば、ヘキサン溶液)から調製
される。溶媒としては、ジメトキシエタン,THF,ジ
オキサンなどのエーテル類が用いられる。2種類を混合
して用いてもよい。反応温度は−78から−70℃で行
われる。(c)においては、C1-4 ハロアルキル基とし
ては、クロロメチル基,ジクロロメチル基,トリクロロ
メチル基,1−ジクロロエチル基,トリブロモメチル基
またはトリフロロメチル基などが例示できる。四塩化チ
タンと塩基から、塩化メチレンなどの溶媒中でチタンエ
ノラートを調製する。塩基としてはトリアルキルアミン
類であって、トリエチルアミン,エチルジイソプロピル
アミンが例示できる。反応溶媒としては、塩化メチレン
が例示できる。反応は−78℃から室温で行われる。
(d)において、C1-4 アルキル基としては、メチル
基,エチル基またはプロピル基が例示できる。四塩化チ
タンと塩基に関しては(c)と同様である。反応溶媒と
しては、塩化メチレンが例示できる。反応は−78℃か
ら室温で行われる。いずれの場合も反応終了後は通常の
後処理を行うことにより目的物を得ることができる。化
合物の構造は、IR,NMR等から決定した。
【0023】
【実施例】次に実施例、参考例を挙げ、本発明を更に詳
しく説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるも
のでない。
【0024】参考例1 (R)−β−トリクロロメチル−β−プロピオラクトン
の合成
【0025】
【化18】
【0026】1l三口フラスコにキニジン0.66g(2
mol%)を入れ、アルゴン置換を行った。トルエン1
50mlを加え、攪拌し溶解した。系内を−50℃以下
に冷却し、攪拌しながらアセトンの熱分解より発生させ
たケテンを溶液内に吹き込み、同時に、クロラール14.
9g(100mmol)のトルエン溶液50mlを5時
間かけて滴下した。その溶液を室温まで自然昇温させた
後、4規定の塩酸を加え反応を停止し、エーテルで抽出
後、無水硫酸ナトリウム乾燥を行い、濃縮後、bulb
−to−bulb蒸留を行い、目的物を得た。 収量 14.8g(78mmol),収率 78% Rf 0.3(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)1 H−NMR(270MHz,CDCl3 )δ 3.56-3.7
8(m,2H),5.01(dd,J=3.96,5.61Hz,1H) IR(neat) 1860, 1100, 910, 780cm -1 [α]D 23 −15.1(c 0.98,シクロヘキサン) b.p.: 70℃(0.8mmHg),m.p.51-53 ℃
【0027】実施例1 (R)−3−ヒドロキシ−1−フェニル−4,4,4−
トリクロロ−1−ブタノンの合成
【0028】
【化19】
【0029】30mlナス型フラスコに(R)−β−ト
リクロロメチル−β−プロピオラクトン190mg(1
mmol)を秤量し、系内を減圧乾燥、アルゴン置換し
た後、ジエチルエ−テル6mlを加え攪拌し、溶解し
た。次に系内を−78℃に冷却し、攪拌しながら1.11
規定の臭化フェニルマグネシウムのジエチルエーテル溶
液0.9ml(1.1mmol)をゆっくり滴下した。30
分間攪拌した後、1規定塩酸を加え反応を停止し、ジエ
チルエーテルで抽出後、無水硫酸ナトリウム乾燥を行
い、濃縮後、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキ
サン:酢酸エチル=5:1)により精製を行い、(R)
−3−ヒドロキシ−1−フェニル−4,4,4−トリク
ロロ−1−ブタノンを得た。 収量 121mg(0.45mmol),収率 45% Rf 0.5(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)1 H−NMR(60MHz,CCl4 )δ 3.55(dd,J=2.
0,2.0Hz,2H),4.35(s,1H),4.85(t,J=4.0Hz,1H),7.10-7.5
0(m,3H),7.80-7.95(m,2H) IR(neat) 3480, 1690,1280, 810, 580cm -1 [α]D 23 +34.5(c 0.40, CHCl3)
【0030】実施例2 (R)−5−ヒドロキシ−1−フェニル−6,6,6−
トリクロロ−3−ヘキサノンの合成
【0031】
【化20】
【0032】30mlナス型フラスコに(R)−β−ト
リクロロメチル−β−プロピオラクトン192mg(1
mmol)を秤量し、系内を減圧乾燥、アルゴン置換し
た後、ジメトキシエタン6mlを加え攪拌し、溶解し
た。次に系内を−50℃に冷却し、攪拌しながら、0.7
3規定の臭化フェネチルマグネシウムのジエチルエーテ
ル溶液1.5ml(1.1mmol)をゆっくり滴下した。
3時間攪拌後、2規定塩酸を加え、反応を停止し、ジエ
チルエーテルで抽出後、無水硫酸ナトリウム乾燥を行
い、濃縮後、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキ
サン:酢酸エチル=7:1)により精製を行い、(R)
−5−ヒドロキシ−1−フェニル−6,6,6−トリク
ロロ−3−ヘキサノンを得た。 収量 80mg(0.27mmol),収率 27% Rf 0.3(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)1 H−NMR(60MHz,CCl4) δ 2.34-2.90(m,
4H),3.59(d,J=5.0Hz,2H),4.92(t,J=4.0Hz,1H),7.00-7.2
6(m,5H) IR(neat) 3400, 2900, 1700, 1600, 1450, 800cm
-1 [α]D 23 +35.4(c 0.56,CHCl3)
【0033】実施例3 (R)−3−ヒドロキシ−1−フェニル−4,4,4−
トリクロロ−1−ブタノンの合成
【0034】
【化21】
【0035】30mlナス型フラスコに(R)−β−ト
リクロロメチル−β−プロピオラクトン189mg(1
mmol)を秤量し、系内を減圧乾燥、アルゴン置換し
た後、ジエチルエーテル3mlを加え攪拌し、溶解し
た。次に系内を−78℃に冷却し、攪拌しながら1.31
規定のフェニルリチウムのジエチルエーテル溶液0.8m
l(1.1mmol)をゆっくり滴下した。系内を−50
℃まで昇温し、1時間30分後飽和塩化アンモニウム水
溶液を加え、反応を停止し、ジエチルエーテルで抽出
後、無水硫酸ナトリウム乾燥を行い、濃縮後、シリカゲ
ル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=
4:1)により精製を行い、(R)−3−ヒドロキシ−
1−フェニル−4,4,4−トリクロロ−1−ブタノン
を得た。 収量 107mg(0.4mmol),収率 40% 物性値は、実施例1に同じ。
【0036】上記実施例1〜3を含め、他の例も表1に
示した。
【0037】
【表1】
【0038】実施例4 (R)−4−ヒドロキシ−1−メタンスルフィニル−
5,5,5−トリクロロ−2−ペンタノンの合成
【0039】
【化22】
【0040】30mlナス型フラスコをアルゴン雰囲気
下にした後、ジメチルスルホキシド0.11ml(1.5m
mol)を加え、その後THF3mlを加えよく攪拌し
た。次に系内を−78℃に冷却し、攪拌しながら1.59
規定のn−ブチルリチウムのヘキサン溶液0.86ml
(0.5mmol)を滴下し、15分攪拌した。その後に
(R)−β−トリクロロメチル−β−プロピオラクトン
95mg(0.5mmol)のTHF2ml溶液をゆっく
り滴下した。3時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム
水溶液を加え、反応を停止し、酢酸エチルで抽出後、無
水硫酸ナトリウム乾燥を行い、濃縮後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2
0)により精製を行い、(R)−4−ヒドロキシ−1−
メタンスルフィニル−5,5,5−トリクロロ−2−ペ
ンタノンを得た。 収量 33mg(0.12mmol),収率 25% Rf 0.2(ヘキサン:酢酸エチル=1:20)1 H−NMR(270MHz,CDCl3 )δ 2.73,2.7
8(s,3H),3.10-3.31(m,2H),3.89(dd,J=13.5,132.6Hz,1
H),3.95(dd,J=14.2,29.7Hz,1H),4.68-4.81(m,1H) IR(neat) 3400, 2980, 1720, 1400, 1100, 800cm
-1 [α]D 23 +59.6(c 0.44,MeOH)
【0041】実施例5 (R)−4−ヒドロキシ−1−メシル−5,5,5−ト
リクロロ−2−ペンタノンの合成
【0042】
【化23】
【0043】30mlナス型フラスコをアルゴン雰囲気
下にした後、ジイソプロピルアミン153mg(1.5m
mol)を加え、その後ジメトキシエタン4mlを加
え、よく攪拌した。次に系内を−70℃に冷却し、攪拌
しながら1.75規定のn−ブチルリチウムのヘキサン溶
液0.86ml(1.5mmol)を滴下し、リチウムジイ
ソプロピルアミドを調製した。15分攪拌した後に、固
体のジメチルスルホン141mg(1.5mmol)を加
え、30分攪拌した。その後に、(R)−β−トリクロ
ロメチル−β−プロピオラクトン58mg(0.3mmo
l)のジメトキシエタン1ml溶液をゆっくり滴下し
た。1時間30分攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水
溶液を加え、反応を停止し、クロロホルムで抽出後、無
水硫酸ナトリウム乾燥を行い、濃縮後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:
1)により精製を行い、(R)−4−ヒドロキシ−1−
メシル−5,5,5−トリクロロ−2−ペンタノンを得
た。 収量 52mg(0.18mmol),収率 58% Rf 0.1(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)1 H−NMR(270MHz,CDCl3 )δ 3.08(s,3
H),3.21-3.41(m,2H),3.49(s,1H),4.19(s,2H),4.69(d,J=
8.9Hz,1H) IR(neat) 3400, 2950, 1720, 1310, 1120, 1020, 8
00cm -1 [α]D 23 +36.8(c 0.39,MeOH)
【0044】実施例6 (R)−4−ヒドロキシ−1−メシル−5,5,5−ト
リクロロ−2−ペンタノンの合成(ジメトキシエタン,
ジオキサン共溶媒)
【0045】
【化24】
【0046】30mlナス型フラスコをアルゴン雰囲気
下にした後、ジイソプロピルアミン111mg(1.0m
mol)を加え、その後ジメトキシエタン3mlを加
え、よく攪拌した。次に系内を−70℃に冷却し、攪拌
しながら1.67規定のn−ブチルリチウムのヘキサン溶
液0.6ml(1.0mmol)を滴下し、リチウムジイソ
プロピルアミドを調製した。15分攪拌した後に、固体
のジメチルスルホン94mg(1.0mmol)を加え、
1,4−ジオキサン1mlを加え、希釈し、−50℃ま
で自然昇温した。その後系内を−70℃に冷却した後、
(R)−β−トリクロロメチル−β−プロピオラクトン
38mg(0.2mmol)のジメトキシエタン1ml溶
液をゆっくり滴下した。2時間30分攪拌した後、飽和
塩化アンモニウム水溶液を加え、反応を停止し、クロロ
ホルムで抽出後、無水硫酸ナトリウム乾燥を行い、濃縮
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:
酢酸エチル=2:1)により精製を行い、(R)−4−
ヒドロキシ−1−メシル−5,5,5−トリクロロ−2
−ペンタノンを得た。 収量 46mg(0.16mmol),収率 82% 物性値は、実施例5に同じ。
【0047】実施例7 (R)−1−ベンゼンスルフィニル−4−ヒドロキシ−
5,5,5−トリクロロ−2−ペンタノンの合成
【0048】
【化25】
【0049】30mlナス型フラスコをアルゴン雰囲気
下にした後、ジイソプロピルアミン102mg(1.0m
mol)を加え、その後THF3mlを加え、よく攪拌
した。次に系内を−78℃に冷却し、攪拌しながら1.7
5規定のn−ブチリチウムのヘキサン溶液0.57ml
(1.0mmol)を滴下し、リチウムジイソプロピルア
ドを調製した。15分攪拌した後に、メチルフェニルス
ルホキシド150ml(1.0mmol)を加え、30分
攪拌した。その後に、(R)−β−トリクロロメチル−
β−プロピオラクトン58mg(0.3mmol)のTH
F1ml溶液をゆっくり滴下した。2時間攪拌した後、
飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、反応を停止し、ク
ロロホルムで抽出後、無水硫酸ナトリウム乾燥を行い、
濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル=1:2)により精製を行い、(R)−
1−ベンゼンスルフィニル−4−ヒドロキシ−5,5,
5−トリクロロ−2−ペンタノンを得た。 収量 30mg(0.18mmol),収率 44% Rf 0.6(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)1 H−NMR(270MHz,CDCl3) δ 3.05-3.1
5(m,2H),3.87-4.30(m,3H)4.55-4.68(m,1H),7.55-7.59
(m,3H),7.64-7.69(m,2H) IR(neat) 3300, 1710,1350, 1000, 800cm -1 [α]D 23 + 36.8(c 0.39,MeOH)
【0050】実施例8 (R)−1−ベンゼンスルホニル−4−ヒドロキシ−
5,5,5−トリクロロ−2−ペンタノンの合成
【0051】
【化26】
【0052】30mlナス型フラスコをアルゴン雰囲気
下にした後、ジイソプロピルアミン103mg(1.0m
mol)を加え、その後ジメトキシエタン3mlを加
え、よく攪拌した。次に系内を−70℃に冷却し、攪拌
しながら1.67規定のn−ブチルリチウムのヘキサン溶
液0.6ml(1.0mmol)を滴下し、リチウムジイソ
プロピルアミドを調製した。15分攪拌した後に、メチ
ルフェニルスルホン156mg(1.0mmol)のジメ
トキシエタン溶液1mlを滴下し、30分攪拌した。そ
の後に、(R)−β−トリクロロメチル−β−プロピオ
ラクトン38mg(0.2mmol)のジメトキシエタン
1ml溶液をゆっくり滴下した。2時間攪拌した後、飽
和塩化アンモニウム水溶液を加え、反応を停止し、クロ
ロホルムで抽出後、無水硫酸ナトリウム乾燥を行い、濃
縮後、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:
酢酸エチル=3:1)により精製を行い、(R)−1−
ベンゼンスルホニル−4−ヒドロキシ−5,5,5−ト
リクロロ−2−ペンタノンを得た。 収量 40mg(0.18mmol),収率 57% Rf 0.2(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)1 H−NMR(270MHz,CDCl3)δ 3.22-3.41
(m,2H),4.26(s,2H),4.61-4.67(m,1H),7.58-7.63(m,3H),
7.90-7.93(m,2H) IR(neat) 3450, 2950, 1730, 1240, 1140cm -1 [α]D 23 +27.1(c 0.14,MeOH)
【0053】実施例9 (R,R)−α−(1−ヒドロキシベンジル)−β−ト
リクロロメチル−β−プロピオラクトンの合成
【0054】
【化27】
【0055】30mlナス型フラスコに(R)−β−ト
リクロロメチル−β−プロピオラクトン191mg(1
mmol)を秤量し、系内を減圧乾燥、アルゴン置換し
た後、塩化メチレン4mlを加え攪拌し、溶解した。次
に系内を−78℃に冷却し、攪拌しながら1規定の四塩
化チタンの塩化メチレン溶液1ml(1mmol)を滴
下し、5分攪拌した後、トリエチルアミン0.14ml
(1mmol)を滴下した。30分攪拌した後、ベンズ
アルデヒド54mg(0.5mmol)の塩化メチレン溶
液2mlをゆっくり滴下した。この溶液を室温まで自然
昇温した後、2規定塩酸で反応を停止し、塩化メチレン
で抽出後、無水硫酸ナトリウム乾燥を行い、濃縮後、シ
リカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ
ル=6:1)により精製を行い、(R,R)−α−(1
−ヒドロキシベンジル)−β−トリクロロメチル−β−
プロピオラクトンを得た。 収量 41mg(0.14mmol),収率 26% Rf 0.4(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)1 H−NMR(270MHz,CDCl3)δ 4.03(d,J=
3.6Hz,1H),5.07(d,J=3.6Hz,1H),5.13(d,J=3.9Hz,1H),7.
32-7.48(m,5H) IR(neat) 3400, 2950, 1720, 1310, 1120, 1020, 8
00cm -1 [α]D 23 −46.7(c 0.18,CHCl3
【0056】実施例10 (R,R)−α−ジメトキシメチル−β−トリクロロメ
チル−β−プロピオラクトンの合成
【0057】
【化28】
【0058】30mlナス型フラスコに(R)−β−ト
リクロロメチル−β−プロピオラクトン96mg(0.5
mmol)を秤量し、系内を減圧乾燥、アルゴン置換し
た後、塩化メチレン6mlを加え攪拌し、溶解した。次
に系内を−78℃に冷却し、攪拌しながら1規定の四塩
化チタンの塩化メチレン溶液0.5ml(0.5mmol)
を滴下し、5分攪拌した後、トリエチルアミン0.07m
l(0.5mmol)を滴下した。30分攪拌した後、オ
ルトギ酸トリメチル0.17mg(1.5mmol)をゆっ
くり滴下した。この溶液を室温まで自然昇温した後、飽
和塩化アンモニウム水溶液を加え、反応を停止し、塩化
メチレンで抽出後、無水硫酸ナトリウム乾燥を行い、濃
縮後、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:
酢酸エチル=7:1)により精製を行い、(R,R)−
α−ジメトキシメチル−β−トリクロロメチル−β−プ
ロピオラクトンを得た。 収量 33mg(0.13mmol),収率 24% Rf 0.2(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)1 H−NMR(270MHz,CDCl3 )δ 3.48(s,3
H),3.52(s,3H),3.99(dd,J=3.3,3.3Hz,1H),4.75(d,J=3.3
Hz,1H),5.05(d,J=3.6Hz,1H) IR(neat) 2950, 1860, 1100, 1020, 800, 600cm -1 [α]D 23 −28.5(c 0.17,CHCl3
【0059】実施例11 (R,R)−α−(1−ヒドロキシ−2,2,2−トリ
クロロエチル)−β−トリクロロメチル−β−プロピオ
ラクトンの合成
【0060】
【化29】
【0061】30mlナス型フラスコに(R)−β−ト
リクロロメチル−β−プロピオラクトン190mg(1
mmol)を秤量し、系内を減圧乾燥、アルゴン置換し
た後、塩化メチレン4mlを加え攪拌し、溶解した。次
に系内を−78℃に冷却し、攪拌しながら1規定の四塩
化チタンの塩化メチレン溶液1ml(1mmol)を滴
下し、5分攪拌した後、トリエチルアミン0.14ml
(1mmol)を滴下した。30分攪拌した後、クロラ
ール1487mg(1mmol)の塩化メチレン溶液2
mlをゆっくり滴下した。この溶液を室温まで自然昇温
した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、反応を停
止し、塩化メチレンで抽出後、無水硫酸ナトリウム乾燥
を行い、濃縮後、シリカゲル薄層クロマトグラフィー
(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製を行
い、(R,R)−α−(1−ヒドロキシ−2,2,2−
トリクロロエチル)−β−トリクロロメチル−β−プロ
ピオラクトンを得た。 収量 70mg(0.2mmol),収率 20% Rf 0.4(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)1 H−NMR(270MHz,CDCl3 )δ 3.80(s,1
H),4.45(dd,J=2.8,2.8Hz,1H),4.73(d,J=2.3Hz),5.51(d,
J=3.0Hz,1H) IR(neat) 3400, 2950, 1720, 1310, 1120, 1020, 8
00cm -1 [α]D 23 −25.8(c 0.26,CHCl3)
【0062】上記実施例9〜11を含め、他の例を表2
に示した。
【0063】
【表2】
【0064】応用例
【0065】
【化30】
【0066】実施例1の光学活性β−トリクロロメチル
−β−プロピオラクトンと臭化フェニルマグネシウムと
のアシル化反応で得られたβ−ヒドロキシケトンのカル
ボニル基の還元を行い、氷酢酸を溶媒として用いた水添
で、ほぼ定量的に反応が進行して収率99%で還元生成
物が得られる。得られた化合物は、アルカリ性条件下で
加水分解を行い、カルボン酸へ変換し、エステル化を行
い、α−ヒドロキシエステルを得る。その後Urbac
hらの方法に従い、ヒドロキシ基をトリフラート化し、
エナラプリル骨格を形成することができる。エナラプリ
ルは、アンギオテンシン変換酵素阻害剤の一種で高血圧
症の治療に用いられる。キラルシントンは4−フェニル
−2−ヒドロキシ酪酸エチルである。
【0067】
【発明の効果】本発明において、まず、Grignar
d試薬またはリチウム試薬を用いた反応では、臭化フェ
ニルマグネシウムを用い、溶媒としてジエチルエーテル
を用いた場合、中程度の収率でアシル化生成物を得るこ
とができた。次に、ジメチルスルホンとリチウムジイソ
プロピルアミドより調製したスルホニルメチルアニオン
を求核剤として5当量用い、溶媒としてジメトシエタン
を用いて反応では、収率58%でアシル化生成物を得る
ことができた。さらにジメトキシエタンとジオキサンの
共溶媒で反応を行うことにより収率82%と向上した。
スルフィニルアニオンを求核剤として用いたアシル化反
応では、収率46%でアシル化生成物が得られ、そのス
ルフィニル基の立体化学はほぼ1:1のジアステレオマ
ー比であった。このように、Grignard試薬また
はリチウム試薬を用いたアシル化反応では、求核剤がカ
ルボニル基を攻撃し、アシル炭素−酸素が開裂したアシ
ル化生成物を良好な収率で得ることができた。さらに、
四塩化チタンと塩基によりチタンエノラートを調製し、
幾つかの求電子剤との反応ではカルボニル基のα位への
置換基の導入は立体選択的に行うことができ、トランス
配置の生成物を選択的に得ることができた。また、求電
子剤としてベンズアルデヒド、クロラールを用いた場
合、生成物のアルコールの立体化学はほぼ1:1のジア
ステレオマー比で得られた。光学活性β−トリクロロメ
チル−β−プロピオラクトンと臭化フェニルマグネシウ
ムとのアシル化反応で得られたβ−ヒドロキシケトン
は、アンギオテンシン変換酵素阻害剤の一種で高血圧症
の治療に用いられるエナラプリルの合成中間体となる。
さらに、これらの反応を用いて、エナラプリルなどの天
然物合成の応用において、有用なキラルシントン(Chir
al Synthone)として用いることが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 317/24 C07C 317/24 C07D 305/12 C07D 305/12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 の化合物に、Grignard試薬またはリチウム試薬
    を反応させることを特徴とする式(2) 【化2】 [式中、R1 は、Ph(CH2 )n(nは0,1または
    2を示す。)を示す。]で表される化合物の製造法。
  2. 【請求項2】式(1) 【化3】 の化合物に、n−ブチルリチウムまたはリチウムジイソ
    プロピルアミドの存在下、R2 SOmCH3 (R2 はフ
    ェニル基またはC1-4 アルキル基を示し、mは1または
    2を示す。)で表される化合物を反応させることを特徴
    とする式(3) 【化4】 (式中、R2 、mは前記と同じ意味を示す。)で表され
    る化合物の製造法。
  3. 【請求項3】式(1) 【化5】 の化合物に、四塩化チタンと塩基の存在下、R3 CHO
    (R3 は、フェニル基,C1-4 ハロアルキル基を示
    す。)で表される化合物を反応させることを特徴とする
    式(4) 【化6】 (式中、R3 は前記と同じ意味を示す。)で表される化
    合物の製造法。
  4. 【請求項4】式(1) 【化7】 の化合物に、四塩化チタンと塩基の存在下、HC(OR
    4 )(R4 は、C1-4 アルキル基を示す。)で表される
    化合物を反応させることを特徴とする式(5) 【化8】 (式中、R4 は前記と同じ意味を示す。)で表される化
    合物の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012502097A (ja) * 2008-09-10 2012-01-26 セルジーン コーポレイション アミノスルホン化合物を調製するためのプロセス

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