JPH05262697A - ジアステレオマー的に純粋な中間体および(r)または(s)−ケトプロフエンの製造におけるそれらの使用 - Google Patents

ジアステレオマー的に純粋な中間体および(r)または(s)−ケトプロフエンの製造におけるそれらの使用

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JPH05262697A
JPH05262697A JP4235156A JP23515692A JPH05262697A JP H05262697 A JPH05262697 A JP H05262697A JP 4235156 A JP4235156 A JP 4235156A JP 23515692 A JP23515692 A JP 23515692A JP H05262697 A JPH05262697 A JP H05262697A
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JP4235156A
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Georg Schroeder
ゲオルク・シユレーダー
Dieter Arlt
デイーター・アルルト
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Bayer AG
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C69/00Esters of carboxylic acids; Esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C69/66Esters of carboxylic acids having esterified carboxylic groups bound to acyclic carbon atoms and having any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, acyloxy, groups, groups, or in the acid moiety
    • C07C69/73Esters of carboxylic acids having esterified carboxylic groups bound to acyclic carbon atoms and having any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, acyloxy, groups, groups, or in the acid moiety of unsaturated acids
    • C07C69/738Esters of keto-carboxylic acids or aldehydo-carboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C49/00Ketones; Ketenes; Dimeric ketenes; Ketonic chelates
    • C07C49/04Saturated compounds containing keto groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C49/12Ketones containing more than one keto group
    • C07C49/15Ketones containing more than one keto group containing rings

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式 または 光学的に活性なα−ヒドロキシルラクトンまたは式 の環式アミドの基である、)のジアステレオマー的に純
粋な化合物、並びにその製造法。一般式Vaの化合物の
具体例にはエチル[(2S)−2−(3−ベンゾイル−
フェニル)−プロピオニル]−(S)−ラクテートがあ
る。 【効果】 該化合物は、(R)または(S)−ケトプロ
フェンの製造のために有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、ケトプロフェンの新規なジアス
テレオマー的に純粋なエステル、非対称ケテンの付加に
よるそれらの製造方法および(R)または(S)−ケト
プロフェンの製造におけるそれらの使用に関する。
【0002】活性成分の製剤学的性質は、絶対的立体化
学に非常にしばしば依存する。この現象は、また、2−
アリールプロピオン酸のクラスの非ステロイドの鎮痛剤
および解熱剤で観察される。これらの理由で、キラルα
−C原子を有する対掌体的に純粋なカルボン酸の調製が
開発された。
【0003】今日まで知られている方法による(S)ま
たは(R)−ケトプロフェンの調製は劣った結果のみを
与える。2−(3−ベンジルフェニル)−プロピオン酸
の調製においておよび、また、キラルロジウム触媒を使
用するデヒドロケトプロフェンの非対称の水素化におい
て、ちょうど(S)−ケトプロフェンを生成するオキシ
ドの場合におけるように、劣った収量が得られるのみで
ある[参照、G.コミッソ(Comisso)ら、ガゼ
ッタ・ヒミカ・イタリアナ(Gazz.Chim.It
alia)、110、123(1980)]。これは、
また、2−(2−チアキサントニル)−プロピオン酸の
ラセミ体の分割および(S)−ケトプロフェンへの引き
続く多段階の転化(参照、米国特許第3,641,12
7号)に、およびフェネチルアミンを使用する直接ラセ
ミ体分割に適用される。また、キラルアミンを使用する
ケトプロフェンのジアステレオマーのアミドのクロマト
グラフィーによる分割により、少量のみの(S)−ケト
プロフェンはアミドの加水分解後に得ることができる
[参照、アバス(Abas)ら、ジャーナル・オブ・フ
ァーコロジイ・アンド・イクスペリメンタル・セラピュ
ーティクス(J.Pharmacol.Exp.The
r.)、240、637(1987)]。酵素的エステ
ル加水分解は、また、対掌体的に純粋なケトプロフェン
の調製において失敗した[参照、S.H.ウー(W
u)、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサ
イアティー(J.Am.Chem.Soc.)、11
、1990(1990)]。
【0004】要約すると、比較的大量の(S)または
(R)−ケトプロフェンの工業的生産について、今日ま
で、適当な調製方法は知られていないと言うことができ
る。
【0005】さらに、活性化されたラセミ体のカルボン
酸誘導体をキラルチタン錯塩を使用して触媒分解っで反
応させて、対掌体的に濃縮されたエステルを生成するこ
とは知られている[参照、K.ナラサカ(Narasa
ka)ら、ケミストリー・レターズ(Chem.Let
ters)、1989、1187]。これらの反応は古
典的ラセミ体分割を越えた利点を有し、原理的には50
%より大きい収率を与える。米国特許第4,691,0
20号および欧州特許(EP)第390,273号は、
さらに、光学的に活性なアルコールおよびα−ヒドロキ
シエステルまたはα−ヒドロキシアミドをある種のケテ
ンに付加ことを開示しており、これはジアステレオマー
的に過剰量を有するエステルに導く。
【0006】2−アリールプロピオン酸の光学的異性体
を分割する従来知られている普通の方法をケトプロフェ
ンに直接適用できることが示された。例えば、アリール
プロピオン酸イブプロフェンを使用して首尾よく使用す
ることができる方法は、ケトプロフェンに適用すると
き、失敗するか、あるいは不満足の収量のみを与える。
構造を比較するとき、当業者は推理することができるよ
うに、ケトプロフェンの場合において、とくに困難な立
体条件が存在する。
【0007】驚くべきことには、それぞれ、一般式(V
a)および(Vb)
【0008】
【化7】
【0009】の(S)および(R)−ケトプロフェン
は、式(II)
【0010】
【化8】
【0011】のラセミ体のケトプロフェンを第3アミン
の存在下に酸塩化物を経て反応させて、一般式(II
I)
【0012】
【化9】
【0013】のケテンを生成せしめ、次いでこのケテン
を別の反応器に移し、そしてそこで−100℃〜+25
℃の温度において一般式(IV)
【0014】
【化10】R1−OH (IV) 式中、 2はC1−C10アルキル基、C3−C5シクロアルキル
基、ベンジルまたはフェニルであり、そしてYはC1
10アルコキシ基、C3−C10シクロアルコキシ基、ベ
ンジルオキシまたはフェノキシであるか、あるいはYは
アミン基であり、この基は10個までの炭素原子を有す
るアルキルまたはシクロアルキル、ベンジルまたはフェ
ニルの同一または相異なる置換基により置換されている
か、あるいはR1は光学的に活性なα−ヒドロキシルラ
クトンまたは式
【0015】
【化11】
【0016】式中、R3はC−Cアルキレン基であ
り、この基は置換されていないか、または1もしくは2
つのC1−C10アルキルにより置換されており、Xは酸
素またはアミン基であり、この基はC1−C10アルキ
ル、ベンジルまたはフェニルにより置換されている、に
従う環式アミドの基である、のアルコールと不活性有機
溶媒の存在または不存在下に反応させて、一般式(V
a)および(Vb)
【0017】
【化12】
【0018】のジアステレオマー的に純粋な化合物を生
成せしめ、次いでこれらを通常の方法により加水分解し
て、対掌体的に純粋なケトプロフェンを生成する場合、
簡単な方法で、高い純度でかつすぐれた収率で得られる
ことが発見された。
【0019】本発明は、また、R1が前述の意味を有す
る、式(V)のジアステレオマー的に純粋なエステル、
および(R)または(S)−ケトプロフェンの製造にお
けるそれらの使用に関する。
【0020】式(V)の本発明による新規なジアステレ
オマー的に純粋な化合物の製造は、好ましくは、式(I
I)の酸の塩化物を第3アミン、例えば、とくに10個
までの炭素原子を有する、とくに6個までの炭素原子を
有するアルキル−得られた残留物をシクロアルキルアミ
ン、フェニル環が置換されていないか、あるいはハロゲ
ン、5個までの炭素原子を有するアルキルまたはアルコ
キシにより置換されているベンジル−またはフェニルア
ミンの存在下に、非極性溶媒中で、−80℃〜;25℃
の温度において、R1が前述の意味を有する、式(I
V)の光学的に活性なアルコールと反応の過程させるこ
とによって実施する。
【0021】対掌体的に純粋な形態のケトプロフェンを
生成する一般式(V)の化合物の加水分解は、塩基性条
件下に実施する。対掌体的に過剰量は普通の結晶化法に
より増加することができる。
【0022】述べることのできる一般式(IV)のとく
に好ましい光学的に活性なアルコールは、α−ヒドロキ
シエステルおよびα−ヒドロキシアミド、例えば、乳酸
のイソブチル、エチル、メチル、イソプロピルおよびベ
ンジルエステル、またはN,N−ジメチルラクタミドお
よびまたα−ヒドロキシラクトンまたはα−ヒドロキシ
イミドである。一般式(V)の対応するエステルは同様
に好ましい。
【0023】ケテンを生成する酸塩化物の反応のために
好ましい第3アミンは開鎖または環状のトリアルキルア
ミンである。とくに好ましいアミンは、トリ(C−C
5)−アルキルアミン、例えば、トリメチルアミン、ジ
メチルエチルアミン、トリエチルアミン、1,4−ジア
ザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)また
はN−メチルピロリドンである。
【0024】アミンの存在は本発明の方法のために臨界
的ではない。第3アミンは、好ましくは、ケテン(II
I)に関して0.01〜10モル当量の比、とくに好ま
しくは0.01〜2モル当量の比で使用する。
【0025】この反応に適当な溶媒は反応成分に対して
不活性である非プロトン性液体である。このような溶媒
の例は、炭化水素、例えば、ヘキサン、ヘプタン、トル
エンまたはシクロヘキサン、またはエーテル、例えば、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはt−ブチ
ルメチルエーテルである。好ましい溶媒は、ヘキサン、
ヘプタンおよびトルエンである。
【0026】本発明の方法において、α−ヒドロキシエ
ステルまたはα−ヒドロキシアミドはケテンの溶液であ
る。しかしながら、より大きいバッチでは、ケテン(I
II)の溶液をα−ヒドロキシエステルまたはα−ヒド
ロキシアミドに添加することは方法の1つの利点である
ことができる。
【0027】ケテンの調製は塩基の助けにより酸塩化物
から非極性溶媒中で−20℃〜50℃の温度において進
行し、使用する溶媒はまたもっぱらケテン(III)の
反応のために使用するものであり、ケテンは適当な反応
の手順において直ちに形成し、そして単離は省略され
る。形成したアミン塩酸塩は、一般に、引き続く反応を
妨害しない。ケテン(III)/α−ヒドロキシエステ
ルまたはα−ヒドロキアミド(IV)のモル比は1〜
1.5、好ましくは1〜1.2である。とくに好ましく
は、このモル比はほぼ1:1である。好ましい反応温度
は−20℃〜−100℃であるが、−78℃〜−60℃
はとくに好ましい。使用可能なケテンの濃度は1.0〜
0.01モルの範囲である。反応混合物は好ましい温度
において0.5〜16時間撹拌する。反応が完結したと
き、ジアステレオマーのエステルを標準の方法および技
術、例えば、クロマトグラフィーにより仕上げおよび精
製する。
【0028】対応するジアステレオマーのエステル
(V)は、通常の方法、例えば、酸条件下に[参照、欧
州特許(EP)第0,179,487号またはR.ラッ
トレル(Rattrell)ら、Ann.Chem.、
1974、870)または塩基性条件下に[D.A.エ
バンス(Evans)ら、テトラヘドロン・レターズ
(Tetrahedron Lett.)あるいは塩基
性条件下にLiOH/H2O/アセトニトリル/ヘプタ
ン/0℃の系[R.D.ラーセン(Larsen)ら、
ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイアテ
ィー(J.Am.Chem.Soc.)、111、76
50(1989)]切り放して、対掌体的に純粋なカル
ボン酸ケトプロフェンを生成し、これは高い対掌体的に
過剰量で得られる。
【0029】
【実施例】対掌体の分析は既知の方法[例えば、欧州特
許(EP)第379,917号]により、キラル静止相
(chiral stationary phase)
のクロマトグラフィーの分離により実施した。
【0030】比較例A エチル(S)−ラクテートのケテンへの添加によるエチ
ル[(2S)−2−(3−ベンゾイル−フェニル)−プ
ロピオニル]−(S)−ラクテートの調製(普通の手
順) 1740mlの無水トルエン中の440.0ml(4.
02モル)のN−エチルジメチルアミンの溶液に、10
分かけて室温において、366.5g(1.34モル)
の(R/S)−2−(3−ベンゾイル−フェニル)−プ
ロピオニルクロライドを添加する。添加の完結後、(R
/S)−2−(3−ベンゾイル−フェニル)−プロピオ
ニルクロライドはIRスペクトルによりもはや同定する
ことができない。反応混合物を−78℃に冷却し、そし
て1740mlの無水トルエン中の184.0ml
(1.64モル)のエチル(S)−ラクテートの溶液を
30分かけて滴々添加し、初期温度が−70℃を越えな
いようにする。添加の完結後、混合物を−78℃におい
てさらに3時間撹拌し、次いで室温にゆっくり室温に加
温する。次いで17.0mlの3−ジメチルアミノプロ
ピルアミンを添加し、この混合物を室温において30分
間撹拌し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そ
して濃縮乾固する。残留物をシリカゲル(酢酸エチル/
シクロヘキサンの勾配1/10→1/3v/v)の濾過
により精製する。濃縮後、淡黄色油が得られる。
【0031】収量:45.49g(理論値の9.6
%)。
【0032】ジアステレオマーの比(SS:RS)GC
による分析:7.8:1 実施例1 エチル(S)−ラクテートのケテンへの添加によるエチ
ル[(2S)−2−(3−ベンゾイル−フェニル)−プ
ロピオニル]−(S)−ラクテートの調製 200mlの無水トルエン中の118.8ml(1.1
0モル)のN−エチル−ジメチルアミンの溶液を、1時
間かけて冷却した混合チャンバー中で撹拌しながら室温
において、200mlのトルエン中の99.0g(0.
363モル)の(R/S)−2−(3−ベンゾイル−フ
ェニル)−プロピオニルクロライドに滴々添加する。ケ
テンおよびアミン塩酸塩のこうして形成した懸濁液を、
500mlの無水トルエンおよび40ml(0.37モ
ル)のN−エチル−ジメチルアミン中の49.5ml
(0.44モル)のエチル(S)−ラクテートの溶液に
滴々添加し、内部温度を−70℃以下に保持する(ケテ
ン添加速度によりコントロールする)。添加の完結後、
この混合物を−78℃においてさらに3時間撹拌し、次
いで室温にゆっくり加温する。次いで4.6mlの3−
ジメチルアミノプロピルアミンを添加し、この混合物を
室温において30分間撹拌し、水で洗浄し、硫酸マグネ
シウムで乾燥し、そして濃縮乾固する。残留物をシリカ
ゲルシリカゲル(酢酸エチル/シクロヘキサンの勾配1
/10→1/3v/v)の濾過により精製する。濃縮
後、淡黄色油が得られる。
【0033】収量:84.98g(理論値の65.46
%)。
【0034】ジアステレオマーの比(SS:RS)GC
による分析:9.8:1
【0035】
【化13】
【0036】実施例2 ラクテートのケテンへの添加によるエチル[(2S)−
2−(3−ベンゾイル−フェニル)−プロピオニル]−
(S)−ラクテートの調製(濃縮反応手順) 500mlの無水トルエン中の591ml(5.46モ
ル)のN−エチル−ジメチルアミンの溶液を、1時間か
けて冷却した混合チャンバー中で撹拌しながら室温にお
いて、500mlのトルエン中の49.47g(1.8
1モル)の(R/S)−2−(3−ベンゾイル−フェニ
ル)−プロピオニルクロライドに滴々添加する。ケテン
およびアミン塩酸塩のこうして形成した懸濁液を、10
00mlの無水トルエンおよび197ml(1.82モ
ル)のN−エチルジメチルアミン中の247ml(2.
18モル)のエチル(S)−ラクテートの溶液に滴々添
加し、内部温度を−70℃以下に保持する(ケテン添加
速度によりコントロールする)。添加の完結後、この混
合物を−78℃においてさらに3時間撹拌し、次いで室
温にゆっくり加温する。次いで4.6mlの3−ジメチ
ルアミノプロピルアミンを添加し、この混合物を室温に
おいて30分間撹拌し、水で洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥し、そして濃縮乾固する。残留物をシリカゲルシ
リカゲル(酢酸エチル/シクロヘキサンの勾配1/10
→1/3v/v)の濾過により精製する。濃縮後、淡黄
色油が得られる。
【0037】収量:436.98g(理論値の68.0
%)。
【0038】ジアステレオマーの比(SS:RS)GC
による分析:9.5:1 塩基性加水分解による(2S)−2−(3−ベンゾイル
−フェニル)−プロピオン酸(ケトプロフェン)の調製 237.95gの水酸化リチウム、2200mlの水、
2360mlのアセトニトリルおよび2360mlのヘ
プタン中の436.98g(1.234モル)のエチル
[(2S)−2−(3−ベンゾイル−フェニル)−プロ
ピオニル]−(S)−ラクテート(GC分析によるジア
ステレオマーの比(SS:RS):9.5:1)の混合
物を機械的撹拌機を使用して強く撹拌しながら一夜処理
する。次いでアセトニトリル/水相を分離し、そして2
5℃において真空濃縮してアセトニトリルを除去する。
得られる残留物を酢酸エチルの中に取り、そして水酸化
ナトリウム溶液で洗浄する。塩基性抽出液を塩酸で酸性
化し、酢酸エチルで抽出し、乾燥し、そして濃縮する。
【0039】収量:300.1g(1.185モル)
(理論値の96.0%)。
【0040】対掌体の過剰:74.9%(HPLC)。
【0041】比較例B イソブチル(S)−ラクテートのケテンへの添加による
エチル[(2S)−2−(3−ベンゾイル−フェニル)
−プロピオニル]−(S)−ラクテートの調製(普通の
手順) 190mlの無水トルエン中の40.0ml(0.37
0モル)のN−エチルジメチルアミンの溶液に、1時間
かけて室温において、49.83g(0.138モル)
の(R/S)−2−(3−ベンゾイル−フェニル)−プ
ロピオニルクロライドを添加する。添加の完結後、(R
/S)−2−(3−ベンゾイル−フェニル)−プロピオ
ニルクロライドはIRスペクトルによりもはや同定する
ことができない。生ずる混合物を−78℃に冷却し、そ
して190mlの無水トルエン中の33.22ml
(0.220モル)のイソブチル(S)−ラクテートの
溶液を30分かけて滴々添加し、内部温度が−70℃を
越えないようにする。添加の完結後、混合物を−78℃
においてさらに3時間撹拌し、次いで室温にゆっくり室
温に加温する。次いで2.5mlの3−ジメチルアミノ
プロピルアミンを添加し、この混合物を室温において3
0分間撹拌し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
し、そして濃縮乾固する。残留物をシリカゲル(酢酸エ
チル/シクロヘキサンの勾配1/10→1/3v/v)
の濾過により精製する。濃縮後、淡黄色油が得られる。
【0042】収量:22.28g(58.10モル)
(理論値の31.7%)。
【0043】ジアステレオマーの比(SS:RS)GC
による分析:4.0:1 実施例3 イソブチル(S)−ラクテートのケテンへの添加による
イソブチル[(2S)−2−(3−ベンゾイル−フェニ
ル)−プロピオニル]−(S)−ラクテートの調製 240mlの無水トルエン中の150ml(1.10モ
ル)のN−エチル−ジメチルアミンの溶液を、1時間か
けて冷却した混合チャンバー中で撹拌しながら室温にお
いて、240mlのトルエン中の125.0g(0.4
59モル)の(R/S)−2−(3−ベンゾイル−フェ
ニル)−プロピオニルクロライドに滴々添加する。ケテ
ンおよびアミン塩酸塩のこうして形成した懸濁液を、4
75mlの無水トルエンおよび150ml(0.37モ
ル)のN−エチルジメチルアミン中の50.0ml
(0.44モル)のイソブチル(S)−ラクテートの溶
液に滴々添加し、内部温度を−70℃以下に保持する
(ケテン添加速度によりコントロールする)。添加の完
結後、この混合物を−78℃においてさらに3時間撹拌
し、次いで室温にゆっくり加温する。次いで4.6ml
の3−ジメチルアミノプロピルアミンを添加し、この混
合物を室温において30分間撹拌し、水で洗浄し、硫酸
マグネシウムで乾燥し、そして濃縮乾固する。残留物を
シリカゲルシリカゲル(酢酸エチル/シクロヘキサンの
勾配1/10→1/3v/v)の濾過により精製する。
濃縮後、淡黄色油が得られる。
【0044】収量:113.77g(理論値の65.4
%)。
【0045】ジアステレオマーの比(SS:RS)GC
による分析:9.8:1
【0046】
【化14】
【0047】塩基性加水分解による(2S)−2−(3
−ベンゾイル−フェニル)−プロピオン酸(ケトプロフ
ェン)の調製 57.49gの水酸化リチウム、525mlの水、57
0mlのアセトニトリルおよび570mlのヘプタン中
の113.77g(0.297モル)のイソブチル
[(2S)−2−(3−ベンゾイル−フェニル)−プロ
ピオニル]−(S)−ラクテート(GC分析によるジア
ステレオマーの比(SS:RS):9.8:1)の混合
物を機械的撹拌機を使用して強く撹拌しながら一夜処理
する。次いでアセトニトリル/水相を分離し、そして2
5℃において真空濃縮してアセトニトリルを除去する。
得られる残留物を酢酸エチルの中に取り、そして水酸化
ナトリウム溶液で洗浄する。塩基性抽出液を塩酸で酸性
化し、酢酸エチルで抽出し、乾燥し、そして濃縮する。
【0048】収量:67.14g(0.264モル)
(理論値の89.0%)。
【0049】対掌体の過剰:74.0%(HPLC)。
【0050】本発明の主な特徴および態様は、次の通り
である。
【0051】1、一般式(Va)および(Vb)
【0052】
【化15】
【0053】式中、 2はC1−C10アルキル基、C3−C5シクロアルキル
基、ベンジルまたはフェニルであり、そしてYはC1
10アルコキシ基、C3−C10シクロアルコキシ基、ベ
ンジルオキシまたはフェノキシであるか、あるいはYは
アミン基であり、この基は10個までの炭素原子を有す
るアルキルまたはシクロアルキル、ベンジルまたはフェ
ニルの同一または相異なる置換基により置換されている
か、あるいはR1は光学的に活性なα−ヒドロキシルラ
クトンまたは式
【0054】
【化16】
【0055】式中、R3はC−Cアルキレン基であ
り、この基は置換されていないか、または1もしくは2
つのC1−C10アルキルにより置換されており、Xは酸
素またはアミン基であり、この基はC1−C10アルキ
ル、ベンジルまたはフェニルにより置換されている、に
従う環式アミドの基である、のジアステレオマー的に純
粋な化合物。
【0056】2、式(II)
【0057】
【化17】
【0058】のラセミ体のケトプロフェンを第3アミン
の存在下に酸塩化物を経て反応させて、一般式(II
I)
【0059】
【化18】
【0060】のケテンを生成せしめ、次いでこのケテン
を別の反応器に移し、そしてそこで−100℃〜+25
℃の温度において一般式(IV)
【0061】
【化19】R1−OH (IV) 式中、R1は上記第1項記載の意味を有する、のアルコ
ールと不活性有機溶媒の存在または不存在下に反応させ
て、一般式(Va)および(Vb)
【0062】
【化20】
【0063】のジアステレオマー的に純粋な化合物を生
成せしめ、次いでこれらを通常の方法により加水分解し
て、対掌体的に純粋なケトプロフェンを生成せしめるこ
とを特徴とする上記第1項記載の一般式(V)の化合物
の製造方法。
【0064】3、(R)または(S)−ケトプロフェン
の製造するための上記第1項記載の一般式(V)の化合
物の使用。
【0065】4、上記第1項記載の一般式(V)のジア
ステレオマー的に純粋なエステルを通常の方法により加
水分解することを特徴とする(R)および(S)−ケト
プロフェンの製造方法。
【0066】5、加水分解を塩基性条件下に実施するこ
とを特徴とする上記第4項記載の方法。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(Va)および(Vb) 【化1】 式中、 2はC1−C10アルキル基、C3−C5シクロアルキル
    基、ベンジルまたはフェニルであり、そしてYはC1
    10アルコキシ基、C3−C10シクロアルコキシ基、ベ
    ンジルオキシまたはフェノキシであるか、あるいはYは
    アミン基であり、この基は10個までの炭素原子を有す
    るアルキルまたはシクロアルキル、ベンジルまたはフェ
    ニルの同一または相異なる置換基により置換されている
    か、あるいはR1は光学的に活性なα−ヒドロキシルラ
    クトンまたは式 【化2】 式中、R3はC−Cアルキレン基であり、この基は
    置換されていないか、または1もしくは2つのC1−C
    10アルキルにより置換されており、 Xは酸素またはアミン基であり、この基はC1−C10
    ルキル、ベンジルまたはフェニルにより置換されてい
    る、に従う環式アミドの基である、のジアステレオマー
    的に純粋な化合物。
  2. 【請求項2】 式(II) 【化3】 のラセミ体のケトプロフェンを第3アミンの存在下に酸
    塩化物を経て反応させて、一般式(III) 【化4】 のケテンを生成せしめ、次いでこのケテンを別の反応器
    に移し、そしてそこで−100℃〜+25℃の温度にお
    いて一般式(IV) 【化5】R1−OH (IV) 式中、 R1は請求項1記載の意味を有する、のアルコールと不
    活性有機溶媒の存在または不存在下に反応させて、一般
    式(Va)および(Vb) 【化6】 のジアステレオマー的に純粋な化合物を生成せしめ、次
    いでこれらを通常の方法により加水分解して、対掌体的
    に純粋なケトプロフェンを生成せしめることを特徴とす
    る請求項1記載の一般式(V)の化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 (R)または(S)−ケトプロフェンの
    製造するための請求項1記載の一般式(V)の化合物の
    使用。
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