JPH0417938B2 - - Google Patents

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JPH0417938B2
JPH0417938B2 JP16469683A JP16469683A JPH0417938B2 JP H0417938 B2 JPH0417938 B2 JP H0417938B2 JP 16469683 A JP16469683 A JP 16469683A JP 16469683 A JP16469683 A JP 16469683A JP H0417938 B2 JPH0417938 B2 JP H0417938B2
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ester
optically active
dimethylcyclopropanecarboxylic acid
acid
hydrochloride
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JP16469683A
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Takeo Suzukamo
Masami Fukao
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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【発明の詳細な説明】
本発明は、光学活性2,2−ジメチルシクロプ
ロパンカルボン酸またはその光学活性N−メチル
エフエドリンエステルの製法に関する。 さらに詳しくは式(1) で示される2,2−ジメチルシクロプロパンカル
ボン酸の光学活性N−メチルエフエドリンエステ
ルのジアステレオマー混合物をクロマト処理する
か、またはその塩酸塩を分別結晶化処理すること
により各ジアステレオマーに分離し、所望により
さらに加水分解することにより一般式(2) 〔式中、Rは水素原子または光学活性N−メチル
エフエドリン残基を表わす。〕 で示される光学活性2,2−ジメチルシクロプロ
パンカルボン酸またはそのエステルを製造する方
法に関する。 本発明の目的は、新規な2,2−ジメチルシク
ロプロパンカルボン酸誘導体を提供すること及び
それを用いて該カルボン酸を効率よく取得するこ
とにある。 2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸は
農医薬中間体として重要な化合物である。例え
ば、該カルボン酸と置換−2−シクロペンテノン
−4−オールあるいは置換フルフリルアルコール
等のアルコールとのエステルは人蓄に対して低毒
性で、害虫に対して速効性の殺虫剤として有用な
ピレスロイド系殺虫剤と呼ばれるエステルと同様
な作用を示すことが知られている(英国特許第
1260847号明細書)。また、β−ラクタム系抵抗生
物質の生体内分解酵素阻害剤の構成成分としても
用いられるものである(化学と生物、19、204
(1981))。 かかる用途には光学活性体の使用が望ましい場
合が多い。 本発明はかかる有用な2,2−ジメチルシクロ
プロパンカルボン酸の光学異性体を有利に製造す
るために重要な新規化合物及びその製造方法を提
供するものである。 2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸は
通常の合成法ではラセミ体すなわち(±)体とし
て合成されるため、所望の光学異性体を取得する
ためにはさらに光学活性有機塩基等を用いて光学
分割する必要があつた。 従来より、光学活性な2,2−ジメチルシクロ
プロパンカルボン酸の製造方法としては、dl−
2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を光
学分割する方法が知られており、(1)キニーネによ
る分解(特開昭55−51028号公報)、(2)d−または
l−a−フエネチルアミンによる分割(英国特許
第1260847号明細書)が公知である。 しかし、前者の方法は分割剤としては非常に高
価で、しかもその供給が不安定なキニーネを使用
しなければならないうえ、収率も低いという問題
があり、また後者の方法は施光度がd−体は+
65°、l−体は−72°という光学純度の低いd−ま
たはl−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボ
ン酸しか得られないという問題があり、これらの
方法はいずれも光学純度の高いd−またはl−
2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を工
業的に有利に得る方法とは言い難い。 かかる状況下に、本発明者らは前記式(1)で示さ
れる新規化合物から、光学活性2,2−ジメチル
シクロプロパンカルボン酸が効率よく製造できる
ことを見い出し、さらに種々検討を加えて本発明
を完成した。 すなわち2,2−ジメチルシクロプロパンカル
ボン酸のdlまたはdとlの任意の割合の混合物と
dまたはl−N−メチルエフエドリンとのエステ
ルは、クロマト処理するかまたは塩酸塩として分
別結晶化処理することにより、各ジアステレオマ
ーに分離できること、特に塩酸付加物からはある
適当な条件下で一方のジアステレオマーの分別結
晶化が極めて好都合に行なわれることを見い出し
たものである。 かくして得られた一方の光学活性該カルボン酸
のN−メチルエフエドリンエステルからは、立体
保持的に加水分解することにより光学活性な2,
2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を高純度
で得ることができる。また残りの対掌体のエステ
ルは所望によりカルボン酸部分をラセミ化するこ
とができるので、これを繰り返すことにより一方
の光学活性2,2−ジメチルシクロプロパンカル
ボン酸を効率よく製造することが可能となつたも
のである。 以下に本発明方法について詳細に説明する。
尚、ここで用いる記号d−、l−エステルを構成
する酸またはアルコールに関する光学異性を表わ
すものであつて、エステルの光学異性を表わすも
のではない。 前記式(1)で示される該カルボン酸誘導体は、例
えば次のようにして製造される。すなわち、2,
2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のN−メ
チルエフエドリンエステルは該カルボン酸の酸ハ
ライドまたは酸無水物とlまたはd−N−メチル
エフエドリンとを反応せしめて合成することがで
きる。 該カルボン酸ハライドは該カルボン酸と塩化チ
オニル、塩化スルフリル、塩化オキザリル、ホス
ゲンあるいは塩化リン等を反応することにより、
酸クロライドとして、あるいは臭化リン、臭化チ
オニル等を反応することによつて酸ブロマイドと
して得られる。 また該カルボン酸無水物は該カルボン酸を無水
酢酸、塩化アセチル等と反応することによつて得
られる。ここで用いる酸ハロゲン化剤あるいは脱
水剤は原料のカルボン酸1モルに対して1〜4モ
ルを用い約15℃から100℃の温度で実施すること
ができる。このときの溶媒としてはペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン等の飽和炭化水素、ベンゼン等
の芳香族炭化水素、ジクロルメタン等のハロゲン
化炭化水素等の反応に関与しないものを用いるこ
とができる。 2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸は
dl体またはd体、l体の任意の割合の混合物を用
いることができる。 得られた酸ハライドあるいは酸無水物に−20℃
から60℃の温度でd又はl−N−メチルエフエド
リンを作用させてジアステレオマーエステルを合
成する。溶媒としては上記と同様の溶媒、即ち、
飽和炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化
水素等の反応に関与しないものを用いることがで
きる。必要により脱酸剤としてピリジン、トリエ
チルアミン等の有機塩基を用いる。この場合、該
カルボン酸のラセミ体から合成した酸無水物に光
学活性N−メチルエフエドリンを反応させてエス
テル化すると、いずれか一方のジアステレオマー
が優先して得られる。 エステル化で用いる光学活性N−メチルエフエ
ドリンはl体、d体のいずれも用いることがで
き、その光学純度によつて分割後に得られる該カ
ルボン酸及び誘導体の光学純度が左右される。 エステル化して得られた塩基性ジアステレオマ
ーエステル混合物はそのままでクロマトグラフイ
ー等で光学分割することができるが、その鉱酸
塩、特に塩酸塩とすることにより分別結晶化が好
都合に行なわれるようになる。この場合、一般に
l−N−メチルエフエドリンエステルの塩からは
d体のカルボン酸のジアステレオマー塩が晶出
し、またd−N−メチルエフエドリンエステルの
塩からはl体のカルボン酸のジアステレオマー塩
が結晶する。言い換えれば、各母液からはその対
掌のカルボン酸のジアステレオマーが得られるこ
とになる。 分別結晶化に用いる溶媒を例示すれば水、希塩
酸水、食塩水あるいはメタノール、エタノール、
イソプロパノール等のアルコール類又はこれらの
混合溶媒を挙げることができる。ジアステレオマ
ー塩の混合物をこれらの溶媒を用いて一担室温乃
至80℃に加熱して均一な溶液にし、徐冷して結晶
を析出させる。このとき種晶を用いてもよいし、
自然晶析でもよい。溶解のための加熱温度を高く
するとエステルの加水分解を生起するので注意を
要する。冷却温度の下限は用いる溶媒の種類や条
件によつて異なるが、通常実際的な操作性からは
−20℃以上であり、できれば常温付近で十分結晶
が析出するように条件を選ぶことが望ましい。も
し必要とあらば取得した結晶は再結晶を繰りかえ
し精製することができる。こうして得られた塩
は、所望により通常の方法で遊離塩基とすること
ができる。 以上のようにして得られた光学活性な該カルボ
ン酸エステルまたはその塩は、所望により塩基性
もしくは酸性条件下で加水分解され、光学活性を
保持したd−2,2−ジメチルシクロプロパンカ
ルボン酸またはl−2,2−ジメチルシクロプロ
パンカルボン酸を与える。 塩基性条件下で加水分解する場合に用いる塩基
としては、苛性ソーダや苛性カリなどのカルボン
酸エステルを加水分解する際に通常用いられる塩
基が使用され、その量はエステル1モルに対し1
〜4モルである。反応温度としては、約50℃から
還流条件下で実施される。反応時間は反応条件と
関係するが、通常0.5時間から10時間で十分であ
る。溶媒は水の他、メタノール、エタノールなど
の有機溶媒と水との混合溶媒を用いることもで
き、界面活性剤を添加することもできる。 反応後光学活性なN−メチルエフエドリンを回
収したのち、水層を酸析、抽出すると光学活性を
保持した2,2−ジメチルシクロプロパンカルボ
ン酸を得ることができる。 また、前述の分別結晶化処理において晶析しな
かつた該カルボン酸のN−メチルエフエドリンエ
ステルを含有する母液より相当する光学活性該カ
ルボン酸誘導体を得ることができるのは言うまで
もない。所望によつてはアルカリによつて酸を中
和、脱離した後、次の方法によつてカルボン酸部
分のみを選択的にラセミ化することができる。 すなわち、当該カルボン酸のN−メチルエフエ
ドリンエステルをアルカリ金属もしくはその水素
化物またはそれらの分散体、あるいはアルカリ金
属アルコラートで処理することにより副反応を伴
なうことなく、効率よくカルボン酸部のみをラセ
ミ化できる。さらに説明すればラセミ化の方法
は、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカ
リ金属、あるいはナトリウム−カリウムのような
2種以上のアルカリ金属の合金を触媒として該カ
ルボン酸エステルをエピ化するものである。この
場合、前記アルカリ金属を媒体中に微粒子化した
所謂アルカリ金属分散体の製法は公知であり、分
散媒体としてトルエン、キシレン、ワセリン、ナ
フタレン、アンスラセン、鉱油などにアルカリ金
属を分散せしめた状態のものや、アルミナ、シリ
カゲル、活性炭などの多孔性担体に担持した状態
のものを用いることにより、反応は一層円滑に進
行する。さらに本発明の方法は、前記アルカリ金
属の水素化物すなわち水素化リチウム、水素化ナ
トリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素
化物を触媒として用いることもできる。アルカリ
金属水素化物はどんな形態のものでも使用するこ
とができるが、微粉末状にして用いれば更に効果
をあげることができる。鉱油に分散したアルカリ
金属水素化物は実用化されているが、このような
分散剤を除くことなしに反応を充分に行なうこと
ができる。 またアルカリ金属アルコラトーの例を挙げれば
ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、
カリウムtert−ブチラート等である。 必要な触媒の量は原料の光学異性体比率、反応
条件によつても異なるが、被処理エステルに対し
て通常は1/1000当量乃至1/2当量の範囲であり、
好ましくは1/100乃至1/5当量の範囲である。 溶媒は特に必要としないが用いる場合は本ラセ
ミ化反応を阻害しない触媒を選択する。かかる溶
媒としては、飽和炭化水素、芳香族炭化水素、エ
ーテル類が挙げられる。またこれらの混合溶媒も
使用できる。 本反応は外圧に関係なく実施でき、常圧下、加
圧下いずれの条件でも反応は進行する。反応系よ
り水分を排除するため、反応は窒素、アルゴン等
と不活性ガス雰囲気下に行なうことが好ましい。 反応温度は通常20℃〜200℃より好ましくは50
℃〜170℃の範囲である。 反応時間は触媒の量、加熱温度等の反応条件に
よつて異なるが通常数分から数10時間内で目的を
達成することができる。かくして得られたラセミ
体の該カルボン酸のエステルに既述の分割精製を
施せば目的とする光学活性な2,2−ジメチルシ
クロプロパンカルボン酸誘導体を得ることができ
る。 以上詳述した如く本発明の方法は2,2−ジメ
チルシクロプロパンカルボン酸及びその誘導体を
工業的に極めて有利に製造する方法を提供するも
のである。 次に実施例によつて本発明の方法を説明する。 参考例 1 100mlのフラスコにdl−2,2−ジメチルシク
ロプロパンカルボン酸20.0gにn−ヘキサン20.0
gジメチルホルムアミド0.1gを加え70℃に加熱
撹拌しながら滴下ロートより塩化チオニル31.3g
とn−ヘキサン20.0gの混合液を滴下した。同温
度で3時間撹拌したのち、反応液を減圧下に留去
し、残留液を蒸留するとbp.58〜60℃/40mmHgで
22.1gのdl−2,2−ジメチルシクロプロパンカ
ルボン酸クロライドを得た。 100mlのフラスコにl−N−メチルエフエドリ
ン5.9gと塩化メチレン25gを加え氷冷下に撹拌
しながら滴下ロートより上記留出液4.4gと塩化
メチレン5gの混合液を滴下した。同温度で1時
間撹拌したのち、室温下で一夜静置した。 反応後、反応液に1.5%水酸化ナトリウム水溶
液を加えて2回抽出分液し、有機層を水洗したの
ち濃縮し、8.9gの残留液を得た。残留液を蒸留
するとbp115〜121℃/0.4mmHgで8.7gのdl−2,
2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸l−N−
メチルエフエドリンエステルを得た。 このものは旋光度〔α〕25 D−43.7°(c=1.0エタ
ノール)を示し、赤外線吸収スペクトル、核磁気
共鳴スペクトルは以下のようであつた。赤外線吸
収スペクトル(液体フイルム法cm-1)1720、
1600、1265、11601H−核磁気共鳴スペクトル
(dl−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン
酸−l−N−メチルエフエドリンエステル、90M
Hz、CDCl3
【表】
【表】 参考例 2 dl−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン
酸クロライド4.4gとd−N−メチルエフエドリ
ン5.9gから参考例1と同様に反応して8.8gのdl
−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸−
d−N−メチルエフエドリンエステルを得た。 このものは旋光度〔α〕26 D+43.4°(C=1.0エタ
ノール)を示し、赤外線吸収スペクトル(液体フ
イルム法)は参考例1と一致した。また、核磁気
共鳴スペクトル( 1H−NMR、90MHz、CDCl3
は光学異性体の帰属を除いて参考例1と一致し
た。 実施例 1 参考例1で得たdl−2,2−ジメチルシクロプ
ロパンカルボン酸−l−N−メチルエフエドリン
エステル4.4gに10%塩酸水5.9gを加えて60℃で
撹拌した後、除々に冷却し20℃に保つて析出した
結晶を取した。このものを乾燥したところ2.0
gであつた。一部をサンプリングし遊離の塩基性
ジアステレオマーエステルにしガスクロマトグラ
フイーで光学異性体比率の分析を行つたところd
体:l体(2,2−ジメチルシクロプロパンカル
ボン酸部分を表わす。以下同じ。)=97.5:2.5で
あり、液を同様にして分析したところ、d体:
l体=18.6:81.4であつた。この結晶を水より再
結晶したところ、d体:l体=99.9:0.1の光学
異性体比率の結晶が得られた。 このものの融点はmp240〜242℃(分解)、旋光
度は〔α〕26 D+18.3°(C=1.03、水)であつた。 実施例 2 実施例1で得たd−2,2−ジメチルシクロプ
ロパンカルボン酸−l−N−メチルエフエドリン
エステル塩酸塩1.4gに1.5%水酸化ナトリウム水
溶液を加えて塩基性とし、塩化メチレンを加えて
抽出し、有機層を水洗後無水硫酸ソーダを加えて
乾燥し濃縮したところ1.2gの残留液を得た。こ
のものをクーゲルロールで蒸留すると130〜135
℃/0.1mmHgで1.2gのd−2,2−ジメチルシク
ロプロパンカルボン酸−l−N−メチルエフエド
リンエステル留出液として得た。このものの旋光
度は〔α〕23 D−14.62°(neat)であり、赤外線吸収
スペクトルは参考例1と一致した。 核磁気共鳴スペクトルを以下に示した。 d−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン
酸−l−N−メチルエフエドリンエステル 1H−
NMR(90MHz、CDCl3
【表】 d−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン
酸l−N−メチルエフエドリンエステル
13CNMR(50.6MHz、CDCl3
【表】 実施例 3 50mlのフラスコに実施例2で得たd−2,2−
ジメチルシクロプロパンカルボン酸l−N−メチ
ルエフエドリンエステル1.1gにメタノール1.2
g、20%水酸化ナトリウム水溶液1.2gを加え還
流下2時間撹拌した。反応後減圧下に溶媒留去し
残留液に水を加え塩化メチレン中性物を抽出し
た。水層は塩酸酸性にしたのち塩化メチレンで抽
出し、有機層を水洗したのち無水硫酸ソーダを加
えて乾燥した。硫酸ソーダを去後減圧下に溶媒
留去した残留液0.5gを得た。このものをクーゲ
ルロール にて蒸留すると140〜150℃/20mmHg
で0.45gの留出液を得た。このものはガスクロマ
トグラフイー及び赤外線吸収スペクトルからd−
2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸であ
ることが確認されその光学異性体比率はd/l=
99.5/0.5で、旋光度〔α〕25 D+131.2°(C=2.064、
EtOH)、n28 D1.4354であつた。 また中性物抽出液は水洗後濃縮し0.7gの無色
結晶を得た。このものはガスクロマトグラフイー
及び赤外線吸収スペクトルからl−N−メチルエ
フエドリンであることが確認された。 実施例 4 実施例1で得た液に20%水酸化ナトリウム水
溶液を加えてPH11以上にしてトルエンで3回抽出
した。有機層は飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ソ
ーダを加えて乾燥した。硫酸ソーダを去した
後、減圧下に溶媒を留去し残留液2.7gを得た。
このものはガスクロマトグラフイーより、d体
18.6%、l体81.4%からなるlrich2,2−ジメチ
ルシクロプロパンカルボン酸l−N−メチルエフ
エドリンエステルであることを確認した。 25mlフラスコに窒素気流中で上記残留液2.5g
とカリウムtertブチラート0.1gを加え120℃の油
浴中で1時間撹拌した。反応後トルエンを加え水
洗した後濃縮し2.4gの残留液を得た。残留液を
蒸溜するとbp115〜121℃/0.4mmHgで2.35gの留
出液を得た。 このものはガスクロマトグラフイーより、d体
48.5%.l体51.5%からなるdl−2,2−ジメチ
ルシクロプロパンカルボン酸l−N−メチルエフ
エドリンエステルであることを確認した。 実施例 5 参考例2で得たdl−2,2−ジメチルシクロプ
ロパンカルボン酸−d−N−メチルエフエドリン
エステル8.0gに10%塩酸水10.6gを加えて実施
例1と同様に処理して3.5gの乾燥ケーキを得た。
このものの光学異性体比率はl体:d体=97.0:
3.0であり、液を同様にして分析したところ、
l体:d体=21.0:79.0であつた。同様にして水
より再結晶するとl体:d体=100:0の光学異
性体比率のl−2,2−ジメチルシクロプロパン
カルボン酸−d−N−メチルエフエドリンエステ
ル塩酸塩の結晶を得た。 このものの旋光度は〔α〕25 D−18.53°(C=1.02、
水)であつた。 実施例 6 実施例5で得たl−2,2−ジメチルシクロン
プロパンカルボン酸−d−N−メチルエフエドリ
ンエステル塩酸塩2.8gを用いて実施例2と同様
に処理し濃縮残留液2.6gを得た。このものを蒸
留すると沸点91〜102℃/0.1mmHgで2.4gのl−
2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸−d
−N−メチルエフエドリンエステルを留出液とし
て得た。このものの旋光度は〔α〕D+14.48°
(neat)であり、赤外線吸収スペクトルは参考例
1と一致した。該磁気共鳴スペクトル( 1H−
NMR、90MHz、CDCl3)は実施例2と一致した。 実施例 5 50mlのフラスコに実施例6で得たl−2,2−
ジメチルイクロプロパンカルボン酸−d−N−メ
チルエフエドリンエステル2.2gにメタノール2.4
g、20%水酸化ナトリウム水溶液2.89gを加え実
施例3と同様に処理し濃縮残留液0.9gを得た。
このものをクーゲルロール にて蒸留し135〜140
℃/20mmHgで0.9gの留出液を得た。 このものはガスクロマトグラフイー及び赤外線
吸収スペクトルからl−2,2−ジメチルシクロ
プロパンカルボン酸であることが確認されその光
学異性体比率はd/l=0/100で旋光度は〔α〕
27 D−131.2°(C=1.995、EtOH)、n26 D1.4370であつ
た。 また中性物抽出液は実施例3と同様に処理し
1.4gの無色結晶を得た。このものはガスクロマ
トグラフイー及び赤外線吸収スペクトルからd−
N−メチルエフエドリンであることが確認され
た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式 で示される2,2−ジメチルシクロプロパンカル
    ボン酸の光学活性N−メチルエフエドリンエステ
    ルのジアステレオマー混合物をクロマト処理する
    か、またはその塩酸塩を分別結晶化処理すること
    により各ジアステレオマーに分離し、所望により
    さらに加水分解することを特徴とする一般式 〔式中、Rは水素原子または光学活性N−メチル
    エフエドリン残基を表わす。〕 で示される光学活性2,2−ジメチルシクロプロ
    パンカルボン酸またはそのエステルの製法。 2 ジアステレオマー混合物を各ジアステレオマ
    ーに分離する方法が、塩酸塩を分別結晶化処理す
    る方法である特許請求の範囲第1項記載の製法。 3 式 で示される2,2−ジメチルシクロプロパンカル
    ボン酸の光学活性N−メチルエフエドリンエステ
    ルのジアステレオマー混合物を塩酸塩として分別
    結晶化処理することにより一方のジアステレオマ
    ー塩酸塩を分別し、次いで残るジアステレオマー
    塩酸塩を中和して塩基性エステルとし、さらにア
    ルカリ金属アルコラート、アルカリ金属もしくは
    アルカリ金属水素化物から選ばれた塩基によつて
    塩基性エステルのカルボン酸部分をラセミ化し、
    得られた2,2−ジメチルシクロプロパンカルボ
    ン酸の光学活性N−メチルエフエドリンエステル
    のジアステレオマー混合物を塩酸塩として再度分
    別結晶化処理することにより各ジアステレオマー
    に分離し、所望によりさらに加水分解することを
    特徴とする一般式 〔式中、Rは水素原子または光学活性N−メチル
    エフエドリン残基を表わす。〕 で示される光学活性2,2−ジメチルシクロプロ
    パンカルボン酸またはそのエステルの製法。
JP16469683A 1983-09-06 1983-09-06 光学活性2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸及びその誘導体の製法 Granted JPS6056936A (ja)

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JP16469683A JPS6056936A (ja) 1983-09-06 1983-09-06 光学活性2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸及びその誘導体の製法

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