JPH1072771A - ポリエステル/セルロース混用布帛 - Google Patents

ポリエステル/セルロース混用布帛

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JPH1072771A
JPH1072771A JP9193326A JP19332697A JPH1072771A JP H1072771 A JPH1072771 A JP H1072771A JP 9193326 A JP9193326 A JP 9193326A JP 19332697 A JP19332697 A JP 19332697A JP H1072771 A JPH1072771 A JP H1072771A
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polyester
fiber
fabric
mixed
cellulose
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Hiroyuki Kinouchi
裕之 木ノ内
Shoji Takei
庄治 武居
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステル繊維のアルカリ減量によって風
合いがソフトで、張り、腰を兼備し、布帛として十分な
強度を保持したポリエステル/セルロース混用布帛が得
られ、又、この混用布帛はセルロース繊維のポリエステ
ル繊維用染料による汚染が少なく、従来の混用布帛より
も染色堅牢度に優れたものとなる。 【解決手段】 リヨセル繊維とポリエステル繊維が混用
された布帛であって、該ポリエステル繊維がアルカリ減
量されている混用布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル繊維
とセルロース繊維との混用布帛に関する。より詳細に
は、本発明の混用布帛は、アルカリ減量されたポリエス
テル繊維とリヨセル繊維(有機溶媒紡糸法で得られたセ
ルロース繊維を意味する)との混用布帛に関し、ソフト
な風合いと張り、腰を兼備し、布帛として十分な強度を
持つ点に特徴を有する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は寸法安定性に優れ、
高い強度を保持する反面、吸湿性、吸汗性、帯電防止性
に劣ることから、綿、キュプラ、レーヨン等の吸湿性、
吸汗性に優れた素材と混用される。一方、綿、キュプ
ラ、レーヨン等のセルロース繊維は防しわ性、W&W
性、強度等が劣る事より、ポリエステルと混用される。
しかしながら、例えば、ビスコースレーヨンとポリエス
テルを混用するとビスコースレーヨン100%に比べ、
強度が増大し、寸法安定性、W&W性、防しわ性が向上
するものの、ドレープ性が低下し、風合いが粗硬にな
り、レーヨン特有の風合いが失われ、ポリエステル10
0%と何ら変わりばえしない。
【0003】これに対して、従来よりポリエステルのア
ルカリ減量を行い風合いの改善が試みられたが、新たな
問題が発生した。すなわち、ポリエステルのアルカリ減
量の場合、ポリエステルが減量によって柔らかくなり混
用布帛のドレープ性が改善され、風合いがソフトになる
が、セルロースがアルカリ水溶液によって劣化し、布帛
として十分な強度を保持するに至らなかった。
【0004】また、セルロースの酵素減量と言う技術も
あるが、当然のことながらポリエステルを混用すること
によるドレープ性の低下は改善されなかった。このこと
から、ドレープ性が良好でソフトな風合いと張り、腰を
兼備し、布帛として十分な強度を持ったポリエステル/
セルロース混用布帛は未だ達成されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような課題を解決し、ソフトな風合いと張り、腰を兼
備し、布帛として十分な強度を持ったポリエステル/セ
ルロース混用布帛を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリエス
テル/セルロース混用布帛について鋭意研究するうち
に、従来のセルロース繊維に比べリヨセル繊維がアルカ
リ減量を行っても強度低下を起こさないことを見出し、
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、リヨ
セル繊維とポリエステル繊維が混用された布帛であっ
て、該ポリエステル繊維がアルカリ減量されていること
を特徴とする混用布帛である。
【0007】また、本発明は下記の実施の態様をも包含
する。 ポリエステル繊維のアルカリ減量率が5〜30%で
あることを特徴とする請求項1記載の混用布帛。 ポリエステル繊維のアルカリ減量加工が、ポリエス
テル繊維とリヨセル繊維混用布帛の状態で行われること
を特徴とする請求項1記載の混用布帛。
【0008】 アルカリ減量後のリヨセル繊維が乾燥
時の破断強度2.8〜4.0g/d、破断伸度13〜2
0%を有することを特徴とする請求項1記載の混用布
帛。 ポリエステル繊維が高速紡糸による糸、或いは延撚
糸又は延撚−直延糸であることを特徴とする請求項1記
載の混用布帛。 ポリエステル繊維の形態がサイドサイド又は分割型
の複合糸であることを特徴とする請求項1記載の混用布
帛。 ポリエステル繊維の断面形状が異形断面であること
を特徴とする請求項1記載の混用布帛。 リヨセル繊維とポリエステル繊維との混用割合が2
0〜80重量%であることを特徴とする請求項1記載の
混用布帛。 リヨセル繊維とポリエステル繊維との混繊糸がイン
タレース混繊糸であることを特徴とする請求項1記載の
混用布帛。 混用布帛の形態が平織ジョーゼット又は交織タフタ
であることを特徴とする請求項1記載の混用布帛。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられるリヨセル繊維とは、有機溶媒から紡糸された
セルロース繊維を意味し、かつ乾燥時の破断強度3.0
〜5.0g/d、好ましくは3.0〜4.0g/d、破
断伸度が5〜10%、好ましくは7〜10%である特定
の繊維構造を有するセルロース繊維である。本発明で用
いられるリヨセル繊維とは、天然セルロースを溶解する
有機溶媒にセルロースを溶解させてセルロース溶液とな
し、この溶液を紡糸液として用いる湿式紡糸又は乾式紡
糸によって得られたセルロース繊維である。例えば、特
公昭60−28848号公報に記載されるように、基本
的に有機溶媒に溶解されたセルロースと水等の非溶媒を
含む溶液を空気中又は非沈殿性媒体中に紡糸し、(紡糸
口金から出た繊維形成溶液を送出速度より速い速度で引
張って3倍以上の延伸倍率に)延伸した後に非溶媒で処
理することにより得られる。
【0010】この際の有機溶媒は公知の有機溶媒であっ
てよく、例えば特公昭60−28848号公報に開示さ
れている下記アミンオキシド類であっても差し支えな
く、また別種の溶媒であってもよい。この場合に、有機
溶媒として使用するアミンオキシド類には、例えば第3
級アミン−N−オキシド(例えばトリメチルアミンの、
トリエチルアミンの、トリプロピルアミンの、モノメチ
ルジエチルアミンの、ジメチルモノエチルアミンの、モ
ノメチルジプロピルアミンのオキシド);N−ジメチル
−、N−ジエチル−、N−ジプロピルシクロヘキシルア
ミンのオキシド;ピリジンのオキシド;N−メチルモル
ホリン−N−オキシド等の環状モノ(N−メチルアミン
−N−オキシド)などが挙げられる。N−メチルモノホ
リン−N−オキシドの使用が好ましい。
【0011】本発明で言うポリエステルとは、分子鎖中
にエチレンテレフタレート繰り返し単位を85モル%以
上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは、95
モル%以上含むポリエステルを言う。かかるポリエステ
ルとは、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレートが好適であるが、15モル%未
満、好ましくは10モル%未満、より好ましくは5モル
%未満の割合で他の共重合成分を含んでいても差し支え
ない。
【0012】このような共重合成分としては、例えば、
イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、
オキシ安息香酸、ジエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
又、これらの共重合成分を2種類以上共重合させても差
し支えない。また、これらのポリエステルには、安定
剤、艶消剤、着色剤等の添加剤を含んでいても差し支え
ない。
【0013】本発明で用いられるポリエステル繊維は、
フィラメントでもステープルでも良く、ポリエステルを
常法に従って紡糸し、得られた未延伸糸を巻取速度15
00m/分程度で、2〜3.5倍程度延撚する通常法、
或いは、紡糸−延撚行程を直結した直延法で得ることが
できる。また、5000m/分以上の巻取速度の高速紡
糸でも差し支えなく、公知の溶融紡糸方法で紡糸するこ
とが可能である。
【0014】本発明で用いられるポリエステル繊維は、
シックアンドシン糸、異収縮混繊糸等の特殊糸や、サイ
ドバイサイド、芯鞘型、海島型、分割型の複合糸であっ
ても良い。また、ポリエステル繊維の断面形状は特に限
定されるものでなく、丸断面、異形断面、中空断面のい
ずれであっても良い。
【0015】特に、リヨセル繊維とポリエステル繊維と
のインタレース混繊糸、交撚糸及び前記インタレース混
繊糸を更にポリエステル繊維と追撚した糸、例えばポリ
エステル繊維のポリエチレンテレフタレート、イソフタ
ル酸を共重合したポリエチレンテレフタレートの2成分
系からなるサイドバイサイドの複合糸とリヨセル繊維と
の混用では、リヨセル繊維100%のタッチとボリュー
ム感のあるものが得られる。また、ポリエステル繊維の
アルカリ難溶解性ポリマー(例えばポリエチレンテレフ
タレートのアルコール成分として平均分子量600〜6
000のポリエチレングリコールを共重合したブロック
ポリエーテルエステルや、酸成分としてスルホイソフタ
ル酸を2モル%以上共重合したポリエステル、或いはこ
れらの両成分を組み合わせた共重合ポリエステル)の2
成分系からなるアルカリ分割型の複合糸とリヨセル繊維
との混用では、リヨセル繊維100%のタッチとより均
一なパウダー調の外観が得られる。ポリエステルを常法
に従って紡糸−延撚工程を直結した直延法で、5000
m/分以上の巻取速度の高速紡糸した糸とリヨセル繊維
との混用は、ポリエステル繊維とリヨセル繊維とが均一
に混用され、ソフトで且つリヨセル繊維100%に近い
タッチが得られる。
【0016】本発明で言うリヨセル繊維とポリエステル
繊維が混用された布帛とは、混繊、混紡、合撚、仮撚、
合糸、交編、交織等の任意の混用方法で製造された布帛
である。本発明において、リヨセル繊維とポリエステル
繊維との混用割合は所期の目的を達成できるなら特に制
限されないが、一般に20〜80重量%、好ましくは3
0〜70重量%である。また、本発明の混用布帛には、
その機能を損なわない範囲で綿、銅アンモニアセルロー
ス繊維、ビスコース繊維等の他のセルロース繊維及び/
又は合繊を混ぜても良い。
【0017】本発明におけるポリエステル繊維のアルカ
リ減量加工には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ金属水酸化物の水溶液が用いられ、これら水
溶液中にアルカリ減量を促進する第4級アンモニウム化
合物等を併用する事も可能である。第4級アンモニウム
化合物としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド等で
あるが、これらに限定されるものではない。
【0018】アルカリ減量加工の処理方法としては、ア
ルカリ水溶液中にポリエステル繊維とセルロース繊維か
らなる混用布帛を浸漬して加熱処理する浸漬法、アルカ
リ水溶液を付与した該混用布帛をスチーミングするか或
いは巻取って長時間エージングする方法等がある。もち
ろん、ポリエステル繊維を予めアルカリ減量加工した後
にセルロース繊維と混用布帛にしても構わない。
【0019】浸漬法の場合、通常、処理温度60〜15
0℃で行われる。60℃未満では処理時間が長時間とな
り、150℃を越えると処理によりセルロース繊維の風
合いの硬化、収縮が大きくなったり、処理によるバラツ
キが大きく再現性に乏しい。アルカリ水溶液の濃度は、
混用布帛の混率、形態、処理方法、処理条件によって異
なるが、浸漬法の場合、アルカリ金属水酸化物は20〜
80g/Lである。20g/L未満では処理時間が長時
間となる。80g/Lを越えるとセルロース繊維の風合
いの硬化及びポリエステル繊維の減量により強度が低下
し、著しく収縮する。又、第4級アンモニウム化合物を
併用する場合、2〜10g/Lが望ましい。
【0020】減量率は混用布帛の形態、混用方法、混率
によって異なるが、一般的にポリエステルの減量率が5
〜30%、好ましくは10〜25%の時にドレープ性が
改善され、風合いがソフトになる。5%未満の減量率で
はドレープ性があまり改善されず、風合いも硬い。ま
た、30%を越える減量率ではポリエステルの強度低下
が大きい。一般的なポリエステル/リヨセル繊維混用布
帛でのポリエステルの混率は20〜80%、好ましくは
30〜70%である。
【0021】アルカリ減量後のリヨセル繊維の乾燥時の
破断強度は2.8〜4.0g/d、破断伸度が13〜2
0%で布帛として十分な強度を保持している。例えばポ
リエステル混率30%の織物の場合、ポリエステルの減
量率を5〜30%にした場合、布帛としての減量率は
1.5〜9%となり、この範囲ならば、ドレープ性が改
善され、風合いがソフトな布帛となる。また、ポリエス
テル混率70%の織物の場合、ポリエステルの減量率を
5〜30%にした場合、布帛としての減量率は3.5〜
21%となり、この範囲ならば、ポリエステルの減量率
は25%程度で、ドレープ性が改善され、風合いがソフ
トな布帛となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例で具体的に
説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものでは
ない。尚、実施例中の評価項目は以下の方法で行った。 (1)ドレープ性 減量加工後の混用布帛のドレープ性をJIS−L−10
96に従い、ドレープ係数を測定した。 (2)風合い:ソフト 減量加工後の混用布帛について、風合いがソフトである
ものを◎(良好)とし、◎〜×の4段階に官能評価を行
った。
【0023】(3)風合い:張り、腰 減量加工後の混用布帛について、張り、腰のあるものを
◎(良好)とし、◎〜×の4段階に官能評価を行った。 (4)引裂強度 減量加工後の混用布帛の引裂強度について、JIS−L
−1079エレメンドルフ法に従い、経糸切断の引裂強
度のみ測定した。
【0024】(5)セルロース汚染 染色後の混用布帛のセルロース側の汚染の度合いを、汚
染の少ないものを◎(良好)とし、◎〜×の4段階に視
覚判定を行った。 (6)洗濯堅牢度 染色後の混用布帛の洗濯堅牢度を、JIS−L−084
4 A−2法に従い測定した。
【0025】<リヨセル繊維(有機溶媒紡糸セルロース
繊維)>また、実施例において使用したリヨセル繊維
は、次のようにして準備した。すなわち、特公昭63−
28848号公報に記載されている製造方法に従い、パ
ルプとN−メチルモルホリン−N−オキシド水溶液を混
合槽に入れて減圧下で混合し、セルロース濃度10%の
セルロース溶液を製造した。該セルロース溶液を124
℃の表1の条件によってエアギャップ紡糸した。紡糸し
た糸を水洗によって精練し、乾燥、巻き取りを経て、表
1の物性を持つ75d/50fのセルロースフィラメン
ト糸を得た。
【0026】
【表1】
【0027】(実施例1)リヨセル繊維75d/50f
とポリエステル繊維50d/36f(ポリエチレンテレ
フタレートからなり、その断面形状が丸形である)から
なるインターレース混繊糸を経糸及び緯糸に用いた、経
密度85本/インチ(SZ)、緯密度80本/インチ
(SZ)の平織ジョーゼットを常法にて精練、乾熱セッ
トしたものを試料とした(ポリエステル繊維混率40
%)。該試料を水酸化ナトリウム40g/L水溶液にて
90℃で60分、液流染色機を用いてアルカリ減量処理
し、中和、水洗、乾燥し、減量率6%の混用織物を得
た。
【0028】次に、得られた混用布帛を下記の染色条件
及び順序で染色した。 分散染料による染色 Kayalonpolyester Blue EBL-E(日本化薬製) 3%owf (C.I. Disperse Blue 56) 酢酸 0.25cc/L ニッカサンソルト7000(分散剤:日華化学製) 0.5g/L 浴比 1:50、130℃×60分
【0029】 ソーピング リポトールTC−350(洗浄剤:日華化学製) 2g/L 炭酸ナトリウム 1g/L 浴比 1:30、80℃×15分 上記染色物を湯洗、水洗、乾燥してリヨセル繊維の部分
が白残しされた青色平織ジョーゼットを得た。
【0030】(比較例1)これに対し、ビスコース法レ
ーヨン75d/36fとポリエステル繊維50d/36
f(その形態がポリエチレンテレフタレートからなり、
その断面形状が丸形である)からなるインターレース混
繊糸を経糸及び緯糸に用いた、経密度85本/インチ
(SZ)、緯密度80本/インチ(SZ)の平織ジョー
ゼットを常法にて精練、乾熱セットしたものを試料とし
た(ポリエステル繊維混率40%)。該試料を実施例1
と同条件のアルカリ減量加工を行い、減量率6%の混用
織物を得た。次いで、減量された混用布帛を実施例1と
同条件で染色を行い、セルロース繊維の部分が白残しさ
れた青色平織ジョーゼットを得た。
【0031】(比較例2)また、比較例1の平織ジョー
ゼットを常法にて精練、乾熱セットした後、セルソフト
L(ノボノルディスク製)を酢酸−酢酸ナトリウム緩衝
液(pH4.6)に溶かして0.5wt%溶液を調整
し、この溶液にて50℃で120分酵素減量処理を液流
染色機で行った後、酵素失活処理、水洗、乾燥し、減量
率4%の混用織物を得た。次いで、減量された混用布帛
を実施例1と同条件で染色を行い、セルロース繊維の部
分が白残しされた青色平織ジョーゼットを得た。
【0032】(比較例3)ポリエステル繊維150d/
72f(その形態がポリエチレンテレフタレートからな
り、その断面形状が丸形である)を経糸及び緯糸に用い
た、経密度85本/インチ(SZ)、緯密度80本/イ
ンチ(SZ)の平織ジョーゼットを常法にて精錬、乾熱
セットしたものを試料とし(ポリエステル繊維混率10
0%)、実施例1と同条件のアルカリ減量加工を行い、
減量率15%の混用織物を得た。次いで、減量された混
用布帛を実施例1と同条件で染色を行い、青色平織ジョ
ーゼットを得た。
【0033】
【表2】
【0034】表2より、本発明の混用布帛は、ドレープ
性が良く、風合がソフトで、張り、腰のある混用布帛と
なっている。これに対し、比較例1ではドレープ性が良
く、風合いがソフトになるものの、張り、腰が欠けた混
用布帛となっている。比較例2ではドレープ性が悪く、
風合いがソフトな混用布帛とならなかった。又、比較例
3ではドレープ性が良く、風合いがソフトになるが張
り、腰の無い布帛となった。
【0035】<考察>従来、ポリエステル繊維とセルロ
ース繊維を混用した布帛の染色においては、ポリエステ
ル繊維用染料によるセルロース汚染が大きく、混用布帛
の染色時の色の再現性が悪く、又、染色堅牢度が悪くな
るなどの問題もあった。この様な問題はポリエステル繊
維を染色した後に還元洗浄を行うことで解決されるが、
染料によっては十分なレベルに達せず、また染色作業上
においても非常に非効率的な染色方法をとらなければ不
可能であった。しかしながら、表2より、本発明の混用
布帛は、比較例1、2に比べ分散染料のセルロース汚染
が非常に少なく、且つ洗濯堅牢度が優れた混用布帛であ
るため、染色作業上において効率的な1浴2段染法をと
ることも可能である。
【0036】(実施例2)経糸にリヨセル繊維75d/
36f、緯糸にポリエステル繊維75d/36f(その
形態がポリエチレンテレフタレートからなり、その断面
形状が丸形である)を用いた、経密度103本/イン
チ、緯密度83本/インチの交織タフタを常法にて精
練、乾熱セットしたものを試料とした(ポリエステル繊
維混率45%)。該試料を水酸化ナトリウム40g/L
水溶液にて90℃で60分、液流染色機を用いて、アル
カリ減量処理し、中和、水洗、乾燥し、減量率7%の混
用織物を得た。
【0037】次に、得られた混用布帛を下記の染色条件
及び順序で染色した。 分散染料染色 Sumikaron Brilliant Red SE-BL (住友化学製) 3%owf (C.I. Disperse Red 146) 酢酸 0.25cc/L ニッカサンソルト7000(分散剤:日華化学製) 0.5g/L 浴比 1:50、130℃×60分
【0038】 反応染料染色 Levafix Brilliant Red E-4BA (Dystar製) 3.5%owf (C.I. Reactive Red 158) 硫酸ナトリウム 50g/L 炭酸ナトリウム 10g/L 浴比 1:50、80℃×60分 ソーピング リポトールTC−350(洗浄剤:日華化学製) 2g/L 炭酸ナトリウム 1g/L 浴比 1:30、80℃×15分 上記染色物を湯洗、水洗、乾燥して赤色タフタを得た。
【0039】(比較例4)これに対し、経糸にビスコー
ス法レーヨン75d/36d、緯糸にポリエステル繊維
75d/36f(その形態がポリエチレンテレフタレー
トからなり、その断面形状が丸形である)を用いた、経
密度103本/インチ、緯密度83本/インチの交織タ
フタを常法にて精練、乾熱セットしたものを試料とし
た。該試料について、実施例1と同条件のアルカリ減量
加工を行い、減量率3%の混用織物を得た。次いで、得
られた混用布帛を実施例2と同条件で染色を行い、赤色
タフタを得た。
【0040】(比較例5)また、実施例2で使用した交
織タフタを常法で精練、乾熱セットしたものを試料とし
た。セルソフトL(ノボノルディスク製)を酢酸−酢酸
ナトリウム緩衝液(pH4.6)に溶かして0.5wt
%溶液を調製し、この溶液にて該試料を50℃で120
分酵素減量処理を液流染色機で行った後、酵素失活処
理、水洗、乾燥し、減量率4%の混用織物を得た。次い
で、得られた混用布帛を実施例2と同条件で染色を行
い、赤色タフタを得た。
【0041】(比較例6)更に、ポリエステル繊維75
d/36f(その形態がポリエチレンテレフタレートか
らなり、その断面形状が丸形である)を経糸、緯糸に用
いた、経密度103本/インチ、緯密度83本/インチ
のタフタを常法にて精練、乾熱セットしたものを試料と
した。該試料について、実施例1と同条件のアルカリ減
量加工を行い、減量率15%の混用織物を得た。次い
で、得られた混用布帛を実施例2と同条件で染色を行
い、赤色タフタを得た。
【0042】
【表3】
【0043】表3より、本発明の混用布帛は、ドレープ
性が良く、風合がソフトで、且つ、張り、腰を兼備し、
また、布帛として十分な引き裂き強度を保持している。
それに対し、比較例4ではドレープ性が良いものの、セ
ルロースの劣化が大きく、風合いがソフトになるもの
の、張り、腰に欠け、引き裂き強度も布帛として十分な
強度を保持していなかった。また、比較例5はドレープ
性が悪く、風合いがソフトでなく、張り、腰に欠けた布
帛となった。比較例6ではドレープ性が良く、引き裂き
強度も十分な強度を保持しているが、張り、腰のない布
帛となった。
【0044】(実施例3)リヨセル繊維75d/50f
とポリエステル繊維50d/30f(ポリエチレンテレ
フタレートとイソフタル酸との共重合ポリエチレンテレ
フタレートの2成分系からなるサイドバイサイドのコン
ジュケート糸)からなるインタ・レース混繊糸を経糸及
び緯糸に用い、実施例1と同様の平織ジョーゼットを製
織し、実施例1と同条件にて精練、乾熱セット、アルカ
リ減量、染色を実施し、減量率7%の平織ジョーゼット
を得た。表3より、本発明の混用布帛はドレープ性が良
く、リヨセル繊維100%のタッチとボリューム感のあ
る風合が得られ、布帛として十分な引裂強度を保持して
いる。
【0045】
【発明の効果】以上の通り、本発明によると、ポリエス
テル繊維のアルカリ減量によって風合いがソフトで、張
り、腰を兼備し、布帛として十分な強度を保持したポリ
エステル/セルロース混用布帛が得られる。また、この
混用布帛はセルロース繊維のポリエステル繊維用染料に
よる汚染が少なく、従来の混用布帛よりも染色堅牢度に
優れている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リヨセル繊維とポリエステル繊維が混用
    された布帛であって、該ポリエステル繊維がアルカリ減
    量されていることを特徴とする混用布帛。
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