JPH0373667B2 - - Google Patents
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- JPH0373667B2 JPH0373667B2 JP17251782A JP17251782A JPH0373667B2 JP H0373667 B2 JPH0373667 B2 JP H0373667B2 JP 17251782 A JP17251782 A JP 17251782A JP 17251782 A JP17251782 A JP 17251782A JP H0373667 B2 JPH0373667 B2 JP H0373667B2
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Description
本発明は、実質的にポリエチレンテレフタレー
トからなるポリエステル繊維(以下、「PET繊
維」という。)とアクリル繊維を含有する布帛の
減量加工方法に関する。 従来、PET繊維織物の風合を絹織物の風合に
近づけるため水酸化ナトリウム水溶液を用いて
PET繊維の表面部分を溶解減量して、織物の糸
条間隙を拡大する方法が行なわれている。 一方、アクリル繊維も本出願人に係る特願昭56
−186953号明細書に示す如く、水酸化ナトリウム
水溶液で減量可能である。 したがつてPETとアクリル繊維を含有する布
帛も水酸化ナトリウム水溶液で減量可能である。
しかしながら、通常、減量加工後には染色工程が
不可欠であるが、従来のPET繊維では120℃以上
の高温染色が必要であるため、布帛染色後アクリ
ル繊維の脆化が甚だしく、事実上、使用に耐えな
いものしか得られなかつた。 本発明者らは、このように従来不可能であつた
PET繊維とアクリル繊維とを含有する布帛の減
量加工方法を鋭意検討した結果、従来存在しなか
つた特別な構造特性を有するPET繊維の製造に
成功し、このPET繊維をアクリル繊維と混用す
ることにより、減量加工後、染色してもアクリル
繊維の脆化を招来しないことを見出し本発明に至
つた。 即ち、本発明の方法に用いるPET繊維は、測
定周波数110Hzにおける力学的損失正接(tanδ)
のピーク温度Tmaxが110℃以下であり、且つそ
のピーク値(tanδ)maxが0.08以上の構造特性を
もつ。好ましくは、Tmaxは80〜105℃であり、
(tantδ)maxは0.08〜0.5である。このような
PET繊維は、紡速4000m/分以上で紡糸した後
220℃乃至300℃の雰囲気中で、糸にかかる張力が
0.1g/d以下の条件で熱処理して得られる。従
来のPET繊維、すなわち1500m/分程度の紡速
で紡糸され、3乃至5倍に延伸された繊維の
Tmaxは120乃至140℃、(tanδ)maxは0.1附近に
ある。 PET繊維の分散染料の染着及びアルカリによ
る減量性はその無定形領域の性質と密接に関連す
る。一方、無定形領域の性質は(tanδ)maxお
よびTmaxの両者で示される。即ち、Tmaxが低
いほど無定形領域の分子領の運動は低温で活溌に
なり、(tanδ)maxが大きいほど温度Tmaxで活
溌な運動をする無定形領域量が多い。したがつ
て、本発明の方法に用いるPET繊維は、従来の
延伸糸より低温すなわち110℃以下で染色可能で
あり、且つ低濃度のアルカリ量または低温で減量
されやすい。 一方、本発明に用いる「アクリル繊維」とは、
その成分中に少なくとも60%以上のアクリロニト
リル単位を含む線状重合物よりなる繊維を云い、
この繊維は公知の方法で重合、紡糸されたもので
あつてよい。 また、本発明で云う「PET繊維とアクリル繊
維を含有する布帛」とは、それぞれの繊維が5重
量%以上含有される布帛を云う。この布帛は
PET繊維とアクリル繊維の他に、木綿、麻、再
生セルロース、ナイロン等耐アルカリ性のある繊
維を含んでもよい。それら繊維の混用方式は格別
限定されるものではなく、本発明で用いる布帛
は、混紡、混繊、交撚など公知の方法で糸条の状
態で混用されたものを製編織した編物、織物を含
むと共に、交編、交織など公知の方法で製編織し
た編物、織物も含む。 このようにして得られたPET繊維とアクリル
繊維を含有する布帛を減量加工するに際して使用
するアルカリ水溶液は、濃度2〜30重量%の水酸
化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液が好
適である。特に経済性の面からは水酸化ナトリウ
ムが好ましい。また処理温度は80〜100℃の範囲
が好ましい。このようなアルカリ水溶液に、
PET繊維とアクリル繊維を含有する布帛を、期
待する減量率に応じて5〜60分間浸漬するか、ま
たは、2〜30重量%の水酸化ナトリウムまたは水
酸化カリウム水溶液に浸漬した後、絞液して80乃
至120℃で蒸熱しても減量加工の目的は達せられ
る。このように減量加工したPET繊維とアクリ
ル繊維を含有する布帛は十分に水洗して該布帛表
面に附着せるPETまたはアクリル繊維の加水分
解物を取除き、PH3.5以下の無機酸または有機酸
水溶液で洗浄するとアクリル繊維の黄変を防ぐこ
とができる。次いで水洗して酸を洗い落す。 減量加工後、染色に際してはPET繊維を分散
染料で、アクリル繊維はカチオン染料でそれぞれ
染色すればよい。染色するときの温度は、既に述
べた如く本発明に用いるPET繊維が110℃以下で
も濃色に染色できるので110℃以下の低温でよい。 以上述べた通り、特定の構造を有するポリエス
テル繊維とアクリル繊維を混用した布帛を特定の
アルカリ減量加工方法で処理することによつて、
アクリル繊維の表面層を剥皮し、かつポリエステ
ル繊維をも減量が施され、アルカリ減量加工後の
染色工程でもアクリル繊維の脆化が無く、かくし
て従来技術では果たし得なかつたアクリル繊維の
もつ柔軟性、鮮明な発色性等の特色とポリエステ
ル繊維の耐シワ性、ウオツシユアンドウエヤ性、
強度等の特色を兼備し、さらにはポルエステル繊
維とアクリル繊維の同色性が良好で独特の味のあ
る風合の良い混用布帛が得られたのである。 次に、本発明の方法に用いるPET繊維の構造
特性の測定法を示す。 東洋ボールドウイン社製レオバイブロン
(Rheovibron)DDV−c型動的粘弾性測定装
置を用い、試料約0.1mg、測定周波数110Hz、昇温
速度10℃/分で乾燥空気中にて各温度における
tanδを測定する。tanδ−温度曲線からtanδのピー
ク温度(Tmax)とピーク値〔(tanδ)max〕が
得られる。 次に実施例をあげて本発明の方法を詳しく説明
する。 実施例 1 〔η〕が0.64のPETを紡糸温度300℃で孔径
0.35mmφ、孔数24の紡糸口金より紡出し、糸条の
全周囲から糸条の走行方向に供給される22℃の空
気の流れによつて冷却固化させた後、油剤を付与
し、4500、6000、7500m/分の速度で引取つて、
各々50d/24fのマルチフイラメントを得た。各繊
維を250℃に加熱した乾燥空気中で、糸に掛る張
力を0.08g/dに調節して、0.84秒間熱処理し
た。熱処理前後の各々の繊維のTmax、(tanδ)
maxを第1表に示す。次に、これらの繊維1本
を各々アクリル長繊維ピユーロン150d/60f(旭化
成工業社製品名)の仮撚糸2本と引揃え、14ゲー
ジの横編機で天竺組織に編立てた。夫々の編物の
混用率を第1表に示す。これらの編物を5%の水
酸化カリウム水溶液に浸漬し、97℃で20分間処理
した。更にこれらの編物を別々に各々カチオン染
料カチロンブルーGLH(保土谷化学社製品名)3
%owfの染料濃度でPH4、浴比50倍で100℃にて
60分間染色後、水洗した。次いで、分散染料パラ
ニールブルーR(ドイツ連邦共和国パデイシエ社
製品名)1%owfの染料濃度でPH6、浴比50倍に
て100℃で60分間染色した。それぞれの編地の減
量率、ピユーロンとPET繊維の同色性を第1表
に併せて示す。
トからなるポリエステル繊維(以下、「PET繊
維」という。)とアクリル繊維を含有する布帛の
減量加工方法に関する。 従来、PET繊維織物の風合を絹織物の風合に
近づけるため水酸化ナトリウム水溶液を用いて
PET繊維の表面部分を溶解減量して、織物の糸
条間隙を拡大する方法が行なわれている。 一方、アクリル繊維も本出願人に係る特願昭56
−186953号明細書に示す如く、水酸化ナトリウム
水溶液で減量可能である。 したがつてPETとアクリル繊維を含有する布
帛も水酸化ナトリウム水溶液で減量可能である。
しかしながら、通常、減量加工後には染色工程が
不可欠であるが、従来のPET繊維では120℃以上
の高温染色が必要であるため、布帛染色後アクリ
ル繊維の脆化が甚だしく、事実上、使用に耐えな
いものしか得られなかつた。 本発明者らは、このように従来不可能であつた
PET繊維とアクリル繊維とを含有する布帛の減
量加工方法を鋭意検討した結果、従来存在しなか
つた特別な構造特性を有するPET繊維の製造に
成功し、このPET繊維をアクリル繊維と混用す
ることにより、減量加工後、染色してもアクリル
繊維の脆化を招来しないことを見出し本発明に至
つた。 即ち、本発明の方法に用いるPET繊維は、測
定周波数110Hzにおける力学的損失正接(tanδ)
のピーク温度Tmaxが110℃以下であり、且つそ
のピーク値(tanδ)maxが0.08以上の構造特性を
もつ。好ましくは、Tmaxは80〜105℃であり、
(tantδ)maxは0.08〜0.5である。このような
PET繊維は、紡速4000m/分以上で紡糸した後
220℃乃至300℃の雰囲気中で、糸にかかる張力が
0.1g/d以下の条件で熱処理して得られる。従
来のPET繊維、すなわち1500m/分程度の紡速
で紡糸され、3乃至5倍に延伸された繊維の
Tmaxは120乃至140℃、(tanδ)maxは0.1附近に
ある。 PET繊維の分散染料の染着及びアルカリによ
る減量性はその無定形領域の性質と密接に関連す
る。一方、無定形領域の性質は(tanδ)maxお
よびTmaxの両者で示される。即ち、Tmaxが低
いほど無定形領域の分子領の運動は低温で活溌に
なり、(tanδ)maxが大きいほど温度Tmaxで活
溌な運動をする無定形領域量が多い。したがつ
て、本発明の方法に用いるPET繊維は、従来の
延伸糸より低温すなわち110℃以下で染色可能で
あり、且つ低濃度のアルカリ量または低温で減量
されやすい。 一方、本発明に用いる「アクリル繊維」とは、
その成分中に少なくとも60%以上のアクリロニト
リル単位を含む線状重合物よりなる繊維を云い、
この繊維は公知の方法で重合、紡糸されたもので
あつてよい。 また、本発明で云う「PET繊維とアクリル繊
維を含有する布帛」とは、それぞれの繊維が5重
量%以上含有される布帛を云う。この布帛は
PET繊維とアクリル繊維の他に、木綿、麻、再
生セルロース、ナイロン等耐アルカリ性のある繊
維を含んでもよい。それら繊維の混用方式は格別
限定されるものではなく、本発明で用いる布帛
は、混紡、混繊、交撚など公知の方法で糸条の状
態で混用されたものを製編織した編物、織物を含
むと共に、交編、交織など公知の方法で製編織し
た編物、織物も含む。 このようにして得られたPET繊維とアクリル
繊維を含有する布帛を減量加工するに際して使用
するアルカリ水溶液は、濃度2〜30重量%の水酸
化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液が好
適である。特に経済性の面からは水酸化ナトリウ
ムが好ましい。また処理温度は80〜100℃の範囲
が好ましい。このようなアルカリ水溶液に、
PET繊維とアクリル繊維を含有する布帛を、期
待する減量率に応じて5〜60分間浸漬するか、ま
たは、2〜30重量%の水酸化ナトリウムまたは水
酸化カリウム水溶液に浸漬した後、絞液して80乃
至120℃で蒸熱しても減量加工の目的は達せられ
る。このように減量加工したPET繊維とアクリ
ル繊維を含有する布帛は十分に水洗して該布帛表
面に附着せるPETまたはアクリル繊維の加水分
解物を取除き、PH3.5以下の無機酸または有機酸
水溶液で洗浄するとアクリル繊維の黄変を防ぐこ
とができる。次いで水洗して酸を洗い落す。 減量加工後、染色に際してはPET繊維を分散
染料で、アクリル繊維はカチオン染料でそれぞれ
染色すればよい。染色するときの温度は、既に述
べた如く本発明に用いるPET繊維が110℃以下で
も濃色に染色できるので110℃以下の低温でよい。 以上述べた通り、特定の構造を有するポリエス
テル繊維とアクリル繊維を混用した布帛を特定の
アルカリ減量加工方法で処理することによつて、
アクリル繊維の表面層を剥皮し、かつポリエステ
ル繊維をも減量が施され、アルカリ減量加工後の
染色工程でもアクリル繊維の脆化が無く、かくし
て従来技術では果たし得なかつたアクリル繊維の
もつ柔軟性、鮮明な発色性等の特色とポリエステ
ル繊維の耐シワ性、ウオツシユアンドウエヤ性、
強度等の特色を兼備し、さらにはポルエステル繊
維とアクリル繊維の同色性が良好で独特の味のあ
る風合の良い混用布帛が得られたのである。 次に、本発明の方法に用いるPET繊維の構造
特性の測定法を示す。 東洋ボールドウイン社製レオバイブロン
(Rheovibron)DDV−c型動的粘弾性測定装
置を用い、試料約0.1mg、測定周波数110Hz、昇温
速度10℃/分で乾燥空気中にて各温度における
tanδを測定する。tanδ−温度曲線からtanδのピー
ク温度(Tmax)とピーク値〔(tanδ)max〕が
得られる。 次に実施例をあげて本発明の方法を詳しく説明
する。 実施例 1 〔η〕が0.64のPETを紡糸温度300℃で孔径
0.35mmφ、孔数24の紡糸口金より紡出し、糸条の
全周囲から糸条の走行方向に供給される22℃の空
気の流れによつて冷却固化させた後、油剤を付与
し、4500、6000、7500m/分の速度で引取つて、
各々50d/24fのマルチフイラメントを得た。各繊
維を250℃に加熱した乾燥空気中で、糸に掛る張
力を0.08g/dに調節して、0.84秒間熱処理し
た。熱処理前後の各々の繊維のTmax、(tanδ)
maxを第1表に示す。次に、これらの繊維1本
を各々アクリル長繊維ピユーロン150d/60f(旭化
成工業社製品名)の仮撚糸2本と引揃え、14ゲー
ジの横編機で天竺組織に編立てた。夫々の編物の
混用率を第1表に示す。これらの編物を5%の水
酸化カリウム水溶液に浸漬し、97℃で20分間処理
した。更にこれらの編物を別々に各々カチオン染
料カチロンブルーGLH(保土谷化学社製品名)3
%owfの染料濃度でPH4、浴比50倍で100℃にて
60分間染色後、水洗した。次いで、分散染料パラ
ニールブルーR(ドイツ連邦共和国パデイシエ社
製品名)1%owfの染料濃度でPH6、浴比50倍に
て100℃で60分間染色した。それぞれの編地の減
量率、ピユーロンとPET繊維の同色性を第1表
に併せて示す。
【表】
第1表に示す如く本発明の範囲内のものは、ア
クリル繊維とPET繊維との同色性が良く、且つ
減量率が大きい。それに対して本発明の範囲外の
ものはPET繊維の染色性が不十分である。 実施例 2 〔η〕が0.67のPETを用い実施例1と同様な方
法で紡速4500m/分で紡糸されたPET繊維75d/
24fを245℃に加熱した空気中で、糸に掛る張力を
0.05g/dに調節して、0.95秒間熱処理した。こ
の繊維のTmaxは94℃、(tanδ)maxは0.153であ
つた。この繊維を経糸に、アクリル長繊維ピユー
ロン(旭化成工業社製品名)75d/38fを緯糸に用
い、経密度107本/インチ、緯密度78本/インチ
のタフタ織物を作成した。この織物の混用率はエ
ステル58%、アクリル42%であつた。この織物を
95℃に加温した10%水酸化ナトリウム溶液中に15
分間浸漬した。次いで、水洗し、1%硫酸水溶液
中に97℃で10分間浸漬して、更に水洗、乾燥を行
なつた。この織物の減量率は21%であつた。次に
減量加工後の織物を分散染料ダイヤニツクスブラ
ツクBG−FS(三菱化成社製品名)6%owfで100
℃にて90分間染色し、水洗した。更にカチオン染
料カチロンブラツクBXH(保土谷化学社製品名)
3%owfで100℃にて60分間染色した。次いで水
洗を行ない、乾燥したところ、黒色に染色されて
いた。また風合は柔軟でドレープ性も良好であつ
た。 実施例 3 〔η〕が0.64のPETを用いて孔数48の紡口で実
施例1と同様にして、紡速5500m/分で紡糸した
PET繊維150d/48fを、250℃に加熱した空気中
で、糸に掛る張力を0.03g/dに調節して1.2秒
間熱処理した。次に公知の二個のヒーターを有す
る仮撚化工機で常法により仮撚加工した。この繊
維のTmaxは96℃、(tanδ)maxは0.095であつ
た。このPET仮撚糸とアクリル繊維カシミロン
紡績糸(旭化成工業社製品名)48番(メートル番
手)単糸を、22ゲージ、釜径30インチの丸編機
で、ポンチローマ組織に編立てた。この編物の混
用率は、アクリル73%、エステル27%であつた。 次に、この編物を12%水酸化ナトリウム水溶液
に浸漬し、二本のゴムローラーよりなるマングル
で含液率120%に絞液した後、100℃で15分間蒸熱
処理を行なつた。この処理布を水洗後、96℃に加
温された2%酢酸水溶液中に10分間浸漬し、更に
水洗乾燥した。 上記の処理により編物は17%減量され、減量前
のものにくらべ柔軟な肌ざわりのよいものとなつ
ていた。 実施例 4 実施例2で得たTmaxが94℃、(tanδ)maxが
0.153のPET繊維75d/36fとアクリル長繊維ピユ
ーロン(旭化成工業社製品名)75d/38fを、夫々
別個にイタリー撚糸機で撚数300回/mの撚糸を
施し、110℃で20分間蒸熱し撚止セツトを行なつ
た。このPET繊維、ピユーロンと28番手(英式
綿番手)の綿糸を28ゲージ、釜径20インチの両面
丸編機を用いて、給糸順序をPET繊維、ピユー
ロン、綿糸の順に繰返すようにして、スムース組
織に編立てた。この編物の混用率は、エステル32
%、アクリル33%、木綿35%であつた。次に、こ
の編物を、98℃に加温した10%水酸化カリウム水
溶液に10分間浸漬し、取出した後、水洗を行な
い、96℃に加温された1%硫酸溶液中に10分間浸
漬した。次いで、よく水洗して乾燥した。上記の
処理により編物は11%減量されていた。次にカチ
オン染料カチロンレツドGLH(保土谷化学社製品
名)1%owfを含む染浴中で100℃で60分間染色
した。次いで、分散染料ミケトンポリエステルレ
ツドFN(三井東圧化学社製品名)1%owfと直接
染料スミライトスプラスカーレツトBNS(住友化
学社製品名)1%owfを同時に含む染浴で100℃
で60分間染色した。次いでよく水洗した後、乾燥
した。得られた編物は、濃い緋色に染着されてお
り、また、風合は柔軟性に富み、ドレープ性も良
好であつた。
クリル繊維とPET繊維との同色性が良く、且つ
減量率が大きい。それに対して本発明の範囲外の
ものはPET繊維の染色性が不十分である。 実施例 2 〔η〕が0.67のPETを用い実施例1と同様な方
法で紡速4500m/分で紡糸されたPET繊維75d/
24fを245℃に加熱した空気中で、糸に掛る張力を
0.05g/dに調節して、0.95秒間熱処理した。こ
の繊維のTmaxは94℃、(tanδ)maxは0.153であ
つた。この繊維を経糸に、アクリル長繊維ピユー
ロン(旭化成工業社製品名)75d/38fを緯糸に用
い、経密度107本/インチ、緯密度78本/インチ
のタフタ織物を作成した。この織物の混用率はエ
ステル58%、アクリル42%であつた。この織物を
95℃に加温した10%水酸化ナトリウム溶液中に15
分間浸漬した。次いで、水洗し、1%硫酸水溶液
中に97℃で10分間浸漬して、更に水洗、乾燥を行
なつた。この織物の減量率は21%であつた。次に
減量加工後の織物を分散染料ダイヤニツクスブラ
ツクBG−FS(三菱化成社製品名)6%owfで100
℃にて90分間染色し、水洗した。更にカチオン染
料カチロンブラツクBXH(保土谷化学社製品名)
3%owfで100℃にて60分間染色した。次いで水
洗を行ない、乾燥したところ、黒色に染色されて
いた。また風合は柔軟でドレープ性も良好であつ
た。 実施例 3 〔η〕が0.64のPETを用いて孔数48の紡口で実
施例1と同様にして、紡速5500m/分で紡糸した
PET繊維150d/48fを、250℃に加熱した空気中
で、糸に掛る張力を0.03g/dに調節して1.2秒
間熱処理した。次に公知の二個のヒーターを有す
る仮撚化工機で常法により仮撚加工した。この繊
維のTmaxは96℃、(tanδ)maxは0.095であつ
た。このPET仮撚糸とアクリル繊維カシミロン
紡績糸(旭化成工業社製品名)48番(メートル番
手)単糸を、22ゲージ、釜径30インチの丸編機
で、ポンチローマ組織に編立てた。この編物の混
用率は、アクリル73%、エステル27%であつた。 次に、この編物を12%水酸化ナトリウム水溶液
に浸漬し、二本のゴムローラーよりなるマングル
で含液率120%に絞液した後、100℃で15分間蒸熱
処理を行なつた。この処理布を水洗後、96℃に加
温された2%酢酸水溶液中に10分間浸漬し、更に
水洗乾燥した。 上記の処理により編物は17%減量され、減量前
のものにくらべ柔軟な肌ざわりのよいものとなつ
ていた。 実施例 4 実施例2で得たTmaxが94℃、(tanδ)maxが
0.153のPET繊維75d/36fとアクリル長繊維ピユ
ーロン(旭化成工業社製品名)75d/38fを、夫々
別個にイタリー撚糸機で撚数300回/mの撚糸を
施し、110℃で20分間蒸熱し撚止セツトを行なつ
た。このPET繊維、ピユーロンと28番手(英式
綿番手)の綿糸を28ゲージ、釜径20インチの両面
丸編機を用いて、給糸順序をPET繊維、ピユー
ロン、綿糸の順に繰返すようにして、スムース組
織に編立てた。この編物の混用率は、エステル32
%、アクリル33%、木綿35%であつた。次に、こ
の編物を、98℃に加温した10%水酸化カリウム水
溶液に10分間浸漬し、取出した後、水洗を行な
い、96℃に加温された1%硫酸溶液中に10分間浸
漬した。次いで、よく水洗して乾燥した。上記の
処理により編物は11%減量されていた。次にカチ
オン染料カチロンレツドGLH(保土谷化学社製品
名)1%owfを含む染浴中で100℃で60分間染色
した。次いで、分散染料ミケトンポリエステルレ
ツドFN(三井東圧化学社製品名)1%owfと直接
染料スミライトスプラスカーレツトBNS(住友化
学社製品名)1%owfを同時に含む染浴で100℃
で60分間染色した。次いでよく水洗した後、乾燥
した。得られた編物は、濃い緋色に染着されてお
り、また、風合は柔軟性に富み、ドレープ性も良
好であつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 測定周波数110Hzにおける力学的損失正接
(tanδ)のピーク温度(Tmax)が110℃以下で且
つそのピーク値〔(tanδ)max〕が0.08以上であ
る構造特性を有する実質的にポリエチレンテレフ
タレートからなるポリエステル繊維とアクリル繊
維をそれぞれ少くとも5重量%含有する布帛をア
ルカリ水溶液中に浸漬して、該布帛の重量を減少
せしめることを特徴とするポリエステル繊維とア
クリル繊維を含有する布帛の加工法。 2 ポリエステル繊維が、紡速4000m/分以上で
紡糸された後、220〜300℃の雰囲気中にて、0.1
g/d以下の張力下にて熱処理せしめたものであ
る特許請求の範囲第1項記載のポリエステル繊維
とアクリル繊維を含有する布帛の加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17251782A JPS5966567A (ja) | 1982-10-02 | 1982-10-02 | ポリエステル繊維とアクリル繊維を含有する布帛の加工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17251782A JPS5966567A (ja) | 1982-10-02 | 1982-10-02 | ポリエステル繊維とアクリル繊維を含有する布帛の加工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5966567A JPS5966567A (ja) | 1984-04-16 |
JPH0373667B2 true JPH0373667B2 (ja) | 1991-11-22 |
Family
ID=15943417
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17251782A Granted JPS5966567A (ja) | 1982-10-02 | 1982-10-02 | ポリエステル繊維とアクリル繊維を含有する布帛の加工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5966567A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0116192B2 (ja) * | 1983-09-07 | 1989-03-23 | Ei Panko Aanorudo |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62133110A (ja) * | 1985-12-04 | 1987-06-16 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル系合成繊維およびその製造方法 |
JP2548242B2 (ja) * | 1987-11-09 | 1996-10-30 | 旭化成工業株式会社 | ポリエステル繊維及びその製造方法 |
-
1982
- 1982-10-02 JP JP17251782A patent/JPS5966567A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0116192B2 (ja) * | 1983-09-07 | 1989-03-23 | Ei Panko Aanorudo |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5966567A (ja) | 1984-04-16 |
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