JP2003328280A - ポリ乳酸系繊維染色物の還元洗浄方法 - Google Patents
ポリ乳酸系繊維染色物の還元洗浄方法Info
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Abstract
酸系繊維染色物の還元洗浄方法を提供する。 【解決手段】 温度75〜98℃、pH2〜6の還元剤
浴中で、還元洗浄することを特徴とするポリ乳酸系繊維
染色物の還元洗浄方法。
Description
色物の還元洗浄方法に関する。
ため、環境に優しい繊維として近年様々な分野に利用さ
れつつあり、衣料としての利用も進められている。一
方、繊維を衣料用として用いる場合には、ファッション
性などの点から染色する必要性が生じてくる。ポリ乳酸
系繊維を染色する際には、一般に分散染料を用いて染色
されるが、従来のポリエステル繊維とは異なり、ポリ乳
酸系繊維は加水分解を受け易いという性質を有するため
に、できるだけ低温で染色処理を行う必要があり、その
結果として繊維内部への染料の拡散が進まず、繊維表面
に付着する染料量が多くなり、染色堅牢度を極めて悪く
するという欠点を有するものとなっている。
料で染色処理を行う繊維は、染色堅牢度を向上させるた
めに、アルカリ条件下でハイドロサルファイト、二酸化
チオ尿素などの還元剤を用いて還元洗浄を行うのが一般
的である。しかしながら、ポリ乳酸系纎維はアルカリ条
件下では容易に加水分解する性質を有しており、繊維の
脆化や劣化を招き、極端な強度低下につながるため、ア
ルカリ条件下での還元洗浄を行うことはできない。
報(特許文献1)には、染色後に70℃以下の低温で還
元洗浄処理をすることが開示されており、酸性領域で還
元洗浄処理をすることがさらに好ましいと開示されてい
るが、これらの条件だけでは満足のいくレベルまでに染
色堅牢度を向上させることはできない。
や劣化を起こすことのない、ポリ乳酸系繊維染色物の還
元洗浄方法を提供することを目的とするものである。
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定温度の特
定酸性領域においてポリ乳酸系繊維染色物を還元洗浄す
ることにより、繊維の脆化や劣化を起こすことを少なく
して、染色堅牢度を向上させることができることを見出
し、この知見に基づき本発明を完成させた。
pH2〜6の還元剤浴中で、ポリ乳酸系繊維染色物を還
元洗浄することを特徴とする還元洗浄方法を提供する。
ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、ホルムア
ルデヒドスルホキシル酸亜鉛、ホルムアルデヒドスルホ
キシル酸マグネシウム、亜硫酸水素ナトリウム、ハイド
ロサルファイト、二酸化チオ尿素から選ばれる少なくと
も1種であることを特徴とする。
物であるポリ乳酸系繊維を製造する際に用いられるポリ
乳酸が、L−体比率が95%以上、相対粘度が2.5〜
3.5、及びモノマー含有量が0.5質量%以下である
ことを特徴とする。
は、還元剤浴の温度を75〜98℃にすることが好まし
く、特に75〜85℃に調整することが好ましい。また
保持時間は、還元剤浴の温度にもよるが10〜30分が
好ましい。還元剤浴の温度が75℃未満では充分な還元
洗浄性が得られず、また98℃を超えると還元剤の急激
な分解により均一な還元洗浄が困難になる上に、ポリ乳
酸系繊維が加水分解を起こし、繊維の脆化や劣化が生じ
る。
用いられる還元剤が酸性領域で充分な還元性を発現する
ために、還元剤浴のpHを2〜6にすることが好まし
く、特にpHを3〜5に調整することが好ましい。この
時pHを調整するのに用いられる酸には特に制限はな
く、酢酸やギ酸などの有機酸、塩酸や硫酸などの鉱酸を
用いることができるが、特に酢酸が好ましい。
の量は、処理するポリ乳酸系繊維染色物の処理された染
色条件によっても異なるが、還元剤浴に0.2〜3g/
L用いることが好ましく、特に0.5〜1.5g/Lに調
整することが好ましい。
は、酸性領域で還元作用を示す化合物あれば制限無く使
用できる。還元剤としては、例えば、ホルムアルデヒド
スルホキシル酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキ
シル酸亜鉛、ホルムアルデヒドスルホキシル酸マグネシ
ウム、亜硫酸水素ナトリウム、ハイドロサルファイト、
二酸化チオ尿素などが挙げられ、これらの内でホルムア
ルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、ホルムアルデヒド
スルホキシル酸亜鉛が好ましく、特にホルムアルデヒド
スルホキシル酸ナトリウムが優れた染色堅牢度と繊維強
度の維持の点から好ましい。また、還元剤としては粉体
の形状であっても、特開2001−226660号公報
に開示されているような液状化されたものでも良い。
浄効果を上げるために非イオン界面活性剤やアニオン界
面活性剤などを併用することにも問題はない。
乳酸及び/又はD−乳酸を主とした繰り返し単位の脂肪
族ポリエステル繊維である。
際に用いられるポリ乳酸は、L−乳酸、D−乳酸、乳酸
の2量体であるL−ラクチドやD−ラクチド、あるいは
メゾラクチドを原料とするものであるが、結晶性を有す
るポリ乳酸を用いることで糸の結晶性を上げ強度を上げ
ることができるため、ポリ乳酸のL−体の比率が95%
以上であることが好ましく、98%以上であることがよ
り好ましい。
伸特性の点で、相対粘度が2.5〜3.5の範囲である
ことが好ましく、2.7〜3.2の範囲であることがよ
り好ましい。また、用いられるポリ乳酸は、モノマーの
含有量が0.5質量%以下、好ましくは0.3質量%以
下、特に0.2質量%以下であることが好ましい。本発
明に言うモノマーとは、後述するGPC分析により算出
される分子量1000以下の成分である。モノマーの含
有量が0.5質量%を超えると、紡糸・延伸工程で糸切
れ等が発生し、操業性が著しく低下する虞がある。これ
はモノマー成分が熱により分解する為、ポリ乳酸の耐熱
性を低下させるからであると考えられる。
繊度は、0.50〜25dtex(デシテックス)であるこ
とが好ましく、0.75〜10dtexであることがより好
ましい。ポリ乳酸系繊維としては、マルチフィラメント
延伸糸、マルチフィラメント仮撚糸、ステープルファイ
バーなどがあげられる。例えば、マルチフィラメント延
伸糸は、紡糸速度を3000m/分以上で紡糸した後、
延伸温度を100〜125℃で、1.3倍以上延伸した
後、125〜150℃で熱セットすることにより得られ
る。この延伸糸の引張強度は、3.5cN/dtex(センチ
ニュートン/デシテックス)以上であり、沸水収縮率も
15%以下であるものが好ましい。
法は、通常の延伸同時仮撚方法であれば特に問題はな
く、ベルトタイプ、ピンタイプ、フリクションタイプの
どの仮撚機でも使用可能である。仮撚速度は生産性を考
慮して500m/分以上であることが好ましい。この仮
撚糸の引張強度は、2.65cN/dtex以上であるものが
好ましい。
度を2000m/分以下で紡糸した後、延伸温度を60
〜98℃で、4.0倍以上延伸した後、105〜135
℃で熱セットする事により得られる。このステープルフ
ァイバー引張強度は、3.0cN/dtex以上であるものが
好ましい。
記のポリ乳酸系繊維単独や、該ポリ乳酸系繊維とセルロ
ース繊維、ウール繊維、絹繊維又は他のポリエステル繊
維などの合成繊維との複合繊維であってもよい。その繊
維の形態としてはフィラメント、紡績糸、そしてそれら
より得られる織物、編物、また不織布などの繊維構造物
が挙げられる。
物は、その染色方法に特に制限はないが、上記ポリ乳酸
系繊維構造物を分散染料などの染料を用いて、従来から
行われている方法によって染色したものである。
が、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるもの
ではない。
下の方法で行った。 (モノマー含有量)ポリマーを10mg/mLの濃度になる
ようクロロホルムに溶かした。クロロホルムを溶媒とし
てGPC分析を行い、分子量を測定した。検出器はRI
を用い、分子量の標準物質としてポリスチレンを用い
た。分子量1000以下の成分の割合からポリマー中の
モノマー含有量を算出した。
ラクロロエタン=60/40(質量比)の混合溶媒に試
料を1g/dLの濃度になるよう溶解し、20℃でウベ
ローデ粘度管を用いて相対粘度を測定した。
せ、1.0mol/dm3メタノール性水酸化ナトリウム溶液
を溶媒として高速液体クロマトグラフィー(HPLC:
島津製作所製、LC10AD型)を使ってL−体の比率
を求めた。
作所製、RTM−100)を用い、試料長20cm、速度
20cm/分で引っ張り試験を行った。破断強度を引っ張
り強度、破断伸度を伸度とした。
期荷重200mgをかけて沸騰水中に15分間浸漬し、5
分間風乾した後、次式により沸水収縮率を求めた。沸水
収縮率(%)=(初期試料長−収縮後の試料長)/初期
試料長×100
評価を説明する。 (染色布の作成方法)ポリ乳酸系繊維染色物に使用する
ポリ乳酸系繊維を、L−体比率が98.8%、相対粘度
が3.08、モノマー含有量が0.28質量%であるポ
リ乳酸を用いて紡糸・延伸した。マルチフィラメント延
伸糸84dtex(デシテックス)/24f(フィラメン
ト)の引っ張り強度は4.73cN/dtex、伸度は28.
7%、沸水収縮率は11.6%であった。
タ、打ち込み本数:経98本、緯98本)を液流染色機
(テキサム技研社製)を用いて、以下の染色浴組成で1
10℃、30分間保持して染色し、下記の実施例又は比
較例の還元洗浄方法の試験に供した。
L、90%−酢酸1g/Lを溶解した還元剤浴(pH=
3.8)に、上記で作成した染色布を浴比1:20とな
るように投入し、75℃で20分間保持して還元洗浄処
理を行い、その後5分間水洗し、乾燥して、還元洗浄済
布を得た。
は、実施例1と同様の操作を行い、還元洗浄済布を得
た。
は、実施例1と同様の操作を行い、還元洗浄済布を得
た。
は、実施例1と同様の操作を行い、還元洗浄済布を得
た。
は、実施例1と同様の操作を行い、還元洗浄済布を得
た。
は、実施例1と同様の操作を行い、還元洗浄済布を得
た。
は、実施例1と同様の操作を行い、還元洗浄済布を得
た。
解した還元剤浴(pH=11.0)に、上記で作成した
染色布を浴比1:20となるように投入し、80℃で2
0分間保持して還元洗浄処理を行い、その後5分間水洗
し、乾燥して、還元洗浄済布を得た。
学(株)製)2g/Lを溶解した洗浄浴(pH=8.
5)に、上記で作成した染色布を浴比1:20となるよ
うに投入し、80℃で20分間保持して洗浄処理を行
い、その後5分間水洗し、乾燥して、洗浄済布を得た。
擦堅牢度、引裂強さ保持率を評価した結果を、第1表に
示す。
CM−3700d測色機を使用して、K/S値を測色し
た。染着濃度は、実施例1〜3、比較例1〜6の還元洗
浄済布の染着濃度を、染色上がり布の染着濃度を100
とした時の比較値で表す。
996)摩擦に対する染色堅牢度試験方法に準じて、乾
式、湿式の摩擦堅牢度を測定した。なお、試験機とし
て、摩擦試験機II形を用いた。
(1999)D法(ペンジュラム法)に準じて、引裂強
さを測定し、実施例1〜3、比較例1〜6の還元洗浄済
布の引裂強さを、染色上がり布の引裂強さを100とし
た時の、比率で表す。
3の還元洗浄済布は、酸性領域の適性な温度で還元洗浄
処理されたことにより、ポリ乳酸系繊維の引裂強さの低
下をきたすことなく、摩擦堅牢度が向上できた。これに
対して、比較例1、2では摩擦堅牢度が悪く、比較例
3、4では染色濃度が大きく低下し、色相変化が認めら
れた。また、比較例5では染着濃度の低下、引裂強さの
低下共に大きく、比較例6では引裂強さの低下は小さい
ものの、洗浄が不充分で摩擦堅牢度の向上が認められな
かった。
酸系繊維染色物の繊維の脆化や劣化を招くことなく、染
色堅牢度を向上させることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 温度75〜98℃、pH2〜6の還元剤
浴中で、ポリ乳酸系繊維染色物を還元洗浄することを特
徴とする還元洗浄方法。 - 【請求項2】 還元剤が、ホルムアルデヒドスルホキシ
ル酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸亜
鉛、ホルムアルデヒドスルホキシル酸マグネシウム、亜
硫酸水素ナトリウム、ハイドロサルファイト、二酸化チ
オ尿素から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に
記載の還元洗浄方法。 - 【請求項3】 ポリ乳酸系繊維を製造する際に用いられ
るポリ乳酸が、L−体比率が95%以上、相対粘度が
2.5〜3.5、及びモノマー含有量が0.5質量%以
下である、請求項1又は2に記載の還元洗浄方法。
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CN107723118A (zh) * | 2017-09-21 | 2018-02-23 | 无锡德冠生物科技有限公司 | 一种酸性还原清洗剂及其制备方法 |
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