【発明の詳細な説明】
蛋白チロシンキナーゼ媒介細胞増殖を抑制するための6−
アリールピリド〔2,3-d〕ピリミジンおよびナフチリジン
発明の分野
本発明は蛋白チロシンキナーゼ(PTK)媒介細胞増殖の抑制に関する。特に本
発明は細胞増殖を抑制し、蛋白チロシンキナーゼの酵素活性を阻害するためのピ
リド〔2,3-d〕ピリミジンおよびナフチリジン化合物の使用に関する。
発明の背景
多くの疾患の状態は細胞の増殖および分化の制御ができないという特徴を有す
る。これらの疾患状態は多くの種類の細胞および疾病、例えばガン、アテローム
性動脈硬化症および再狭窄を包含する。生育因子刺激、自己リン酸化および細胞
内蛋白基質のリン酸化は増殖性疾患の病理学的機序における重要な生物学的事象
である。
正常な細胞においては、蛋白基質上のチロシン残基のリン酸化は刺激された細
胞外生育因子受容体により開始される細胞内生育シグナル化経路において重要な
機能を果たす。例えば、血小板由来生育因子(PDGF)、腺維芽細胞生育因子(FG
F)および表皮生育因子(EGF)のような生育因子類と、それらの対応する細胞外
受容体の会合により、これらの受容体の細胞内チロシンキナーゼ酵素ドメインが
活性化され、これにより細胞内基質または受容体そのもののいずれかのリン酸化
が触媒される。リガンド結合への応答としての生育因子受容体のリン酸化は自己
リン酸化として知られている。
例えば、EGF受容体はその2つの最重要リガンドとしてEGFおよびトランスフォ
ーミング生育因子α(TGFα)を有する。受容体は正常ヒト成人
では重要ではない機能しか有さないと考えられるが、全てのガン、特に結腸ガン
および乳ガンの疾患過程の大部分に関与している。緊密な関係を有するErb-B2お
よびErb-B3受容体はその主なリガンドとしてヘレグリン(Heregulin)の一群を有
しており、受容体の過剰発現および突然変異は予後不良の乳ガンにおける主要な
危険容因として明確に研究報告されている。
血管平滑筋細胞(VSMC)の増殖および指向性の移行は血管のリモデリング、再
狭窄およびアテローム性動脈硬化症のような過程における重要な要素である。血
小板由来生育因子は最も強力な内因性VSMC有糸分裂促進物質および化学誘引物質
(chemoattractant)であることが確認されている。PDGF-Aおよび-B鎖およびPDGF
受容体の血管mRNA発現亢進はバルーン傷害ラット頸動脈において観察されている
(J.Cell.Biol.,111:2149-2158(1990))。この傷害モデルにおいては、PDGFの
注入はさらに内膜の肥厚化とVSMCの移行を大きく亢進させる(J.Clin.Invest.
,89:507-511(1992))。更にまた、PDGF中和抗体はバルーン傷害後の内膜の肥
厚化を大きく低減する(Science,253:1129-1132(1991))。
酸性腺維芽細胞生育因子(aFGF)および塩基性腺維芽細胞生育因子(bFGF)は
ともに、細胞の増殖および分化を促進する能力を含む多くの生物学的活性を有し
ている。PDGFシグナルトランスダクション経路をブロックするターホスチン(ty
rphostin)受容体チロシンキナーゼ阻害剤はバルーン血管形成術のラットモデル
においてin vivoのPDGF刺激受容体チロシンキナーゼリン酸化の抑制を示すこと
が知られている(Drug Develop.Res.,29:158-166(1993))。VSMCにFGFが関与
することを裏づける直接の証拠はLindnerとReidyにより報告(Proc.Natl.Acad
.Sci.USA,88:3739-3743(1991))されており、それによれば、ラット
頸動脈のバルーン血管形成術の前にbFGFに対する中和抗体を注射により全身投与
することにより、傷害後2日に測定して80%より大きい傷害誘発性の中膜(medi
al)SMC増殖の抑制が認められた。損傷を受けた細胞から放出されるbFGFはVSMC
生育を誘発する際にパラクリン(paracrine)的な態様で作用していると考えら
れる。最近、LindnerとReidy(Cir.Res.,73:589-595(1993))はバルーン傷害
ラット頸動脈のen faceプレパレーションにおいてVSMCと内皮細胞の複製におけ
るbFGFおよびFGFR-1に対するmRNAの両方の発現の亢進を報告している。データに
よれば傷害を有する動脈においてはbFGFおよびFGFR-1のリガンド/受容体系は新
内膜形成をもたらすVSMCの継続的増殖応答に関与していると考えられる。
即ち、EGF、PDGF、FGFおよび他の生育因子はガン、アテローム性動脈硬化症お
よび再狭窄のような細胞増殖性疾患の病理学的機序において中心となる役割を果
たしている。対応する受容体と会合することにより、これらの生育因子はDNA合
成および細胞分裂をもたらす初期の生化学的事象の一つとしてチロシンキナーゼ
の活性を刺激する。このため、細胞内生育因子シグナルトランスダクション経路
に関わる蛋白チロシンキナーゼを阻害する化合物は細胞増殖性疾患の治療のため
の有用な薬剤となり得る。我々は今回特定のピリド〔2,3-d〕ピリミジンおよび
ナフチリジンが蛋白チロシンキナーゼを阻害し、そしてアテローム性動脈硬化症
、再狭窄およびガンの治療および防止において有用であることを発見した。
いくつかのピリド〔2,3-d〕ピリミジンおよびナフチリジンが知られている。
例えば、米国特許3,534,039号は利尿剤として一連の2,7−ジアミノ−6−アリー
ルピリド〔2,3-d〕ピリミジン化合物を開示しており;米国特許3,639,401号は利
尿剤として一連の6−アリール−2,7−ビス
〔(トリアルキルシリル)アミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン化合物を開示して
おり;米国特許4,271,164号は抗高血圧剤として一連の6−置換アリールピリド
〔2,3-d〕ピリミジン−7−アミンおよび誘導体を開示しており;欧州特許出願
公開0 537 463 A2号は除草剤として有用な一連の置換ピリド〔2,3-d〕ピリミジ
ンを開示しており;米国特許4,771,054号は抗生物質として特定のナフチリジン
を開示している。上記した参考文献のいずれも本発明の化合物を記載しておらず
、また、そのような化合物がアテローム性動脈硬化症、再狭窄およびガンの治療
に有用であることを示唆していない。
発明の要旨
本発明は蛋白チロシンキナーゼの阻害において有用であり、従ってアテローム
性動脈硬化症、再狭窄およびガンの細胞増殖性疾患の治療において有用なピリド
〔2,3-d〕ピリミジンおよび1,6−ナフチリジンとして特徴づけられる新しい化合
物を提供する。特に本発明は下記式I:
〔式中XはCHまたはNであり;
Bはハロ、ヒドロキシまたはNR3R4であり;
R1、R2、R3およびR4は独立して水素、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2
〜C8アルキニル、Ar′、アミノ、C1〜C8アルキルアミノまたはジ−C1〜C8アルキ
ルアミノであり;そしてここでアルキル、アルケニルおよびアルキニル基はNR5R6
で置換されていてよく、ここでR5およびR6は独立して水素、C1〜C8アルキル、C2
〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニ
ここで前記したアルキル、アルケニルおよびアルキニル基はいずれも、ヒドロキ
シ、または、5員または6員の炭素環または窒素、酸素およびイオウから選択さ
れるヘテロ原子1または2個を有するヘテロ環で置換されていてよく、そして、
R9、R10、R11およびR12は独立して水素、ニトロ、トリフルオロメチル、フェニ
ル、置換フェニル、-C≡N、-COOR8、
シ、チオ、-S-C1〜C8アルキル、ヒドロキシ、C1〜C8アルカノイル、C1〜C8アル
カノイルオキシまたは-NR5R6であるか、またはR9とR10は隣接する場合は一緒に
なってメチレンジオキシとなることができ;nは0、1、2または3であり;そ
してR5とR6はそれらに連結している窒素原子と一緒になって、炭素原子3〜6個
を有し、場合により窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を有する
環を形成し;
R1とR2はそれらに連結している窒素原子と一緒になって、そしてR3とR4はそれ
らに連結している窒素原子と一緒になって、やはり、
により窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子1〜2個を有
アシル類縁体であることができ、ここでR8は水素、C1〜C8アルキル、C2〜C8アル
ケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C10シクロアルキルただし場合により酸素、窒
素またはイオウ原子を有するもの、
および-NR5R6であり、そしてここで、R8アルキル、アルケニルおよびアルキニル
基はNR5R6により置換されていることができ;
ArおよびAr′は、フェニル、イミダゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジル
、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、ピラジ
ニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、フラニル、チエニル、ナフ
チルから選択される未置換であるか、または置換された芳香族またはヘテロ芳香
族の基であり、ここで置換基は上記したR9、R10、R11およびR12である〕の化合
物および医薬上許容されるその酸付加塩および塩基付加塩、ただしXがNであり
BがNR3R4である場合はR3およびR4のいずれか一方は水素ではないような上記化
合物として定義される化合物に関する。
であるような式Iを有する。
別の好ましい化合物はBが-NR3R4であるような化合物である。
また更に好ましい化合物は、BがNR3R4であり、R1およびR3が独立し
NR5R6であるような式Iの化合物である。
特に好ましい群の化合物は下記式:
〔式中R2およびR4は水素であり、R1およびR3は独立して水素、C1〜C8ア
-NR5R6であり、R5は水素であり、そしてR6はC1〜C8アルキルであり、そしてR9お
よびR10は独立して水素、ハロ、C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシである
〕を有する。
別の好ましい群の化合物は下記式:
〔式中、R1、R2、R9およびR10は前記したとおりである〕を有する。
更に好ましいものは、下記式:
の化合物である。
更に好ましいものは下記式:
〔特に式中R5とR6はそれらに連結している窒素と一緒になってモルホリノ、ピペ
ラジノ、4−アルキルピペラジノ等のような環を形成する〕の化合物である。
更にまた好ましいものは下記式:
〔式中R2およびR4は水素であり、R1およびR3は独立して水素、C1〜C6ア
おり定義される〕の化合物である。
更にまた好ましいものは下記式:
〔特に式中R5とR6はそれらに連結している窒素と一緒になってモルホリノ、ピペ
ラジノ、4−アルキルピペラジノ等の環を形成する〕の化合物である。
本発明の最も好ましい化合物は下記:
1−t−ブチル−3−〔7−(3−t−ブチルウレイド)−6−(2,6−ジクロロ
フェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル〕尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−t−ブチル−3−〔7−(3−t−ブチルウレイド)−6−o−トリル−ピ
リド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル〕尿素;
1−〔2−アミノ−6−o−トリル−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル
〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジメチルフェニル)−ピリド〔2,3-d〕−ピリ
ミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
N−〔2−アセチルアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d
〕ピリミジン−7−イル〕−アセトアミド;
N7−ブチル−6−フェニル−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン;
3−o−トリル−〔1,6〕ナフチリジン−2,7−ジアミン;
3−(2−クロロフェニル)−〔1,6〕ナフチリジン−2,7−ジアミン;
N2,N7−ジメチル−6−フェニル−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミ
ン;
7−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジエチルアミノ−プ
ロピルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン;
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジエチル
アミノプロピルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン−7−イル〕−3−エチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン−7−イル〕−3−(3−モルホリノ−4−イル−プロピル)−チオ尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン−7−イル〕−イミダゾリジン−2−オン;
N′−〔7−(3−t−ブチルウレイド)−6−(2,6−ジクロロフェニル)−ピ
リド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル〕−N,N−ジメチルホルムアミジン;
N′−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−7−(ジメチルアミノ−メチレンア
ミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル〕−N,N−ジメチルホルムアミジ
ン;
1−t−ブチル−3−〔2−(3−ジエチルアミノプロピルアミノ)−6−(
2,6−ジメチルフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素;
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−ジエチル
アミノブチルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕
尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(3−メトキシフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,3−ジメチルフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−t−ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチ
ルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7
−イル}尿素;
N′−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジエチルアミノ−プロピ
ルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−N,N−ジメチルホルムア
ミジン;
1−〔2−アミノ−6−(2,3,6−トリクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリ
ミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2−メトキシフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−t−ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔(3−ジメチ
ルアミノプロピル)−メチルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}
尿素;
1−(2−アミノ−6−ピリジン−3−イル−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7
−イル)−3−t−ブチル尿素;
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチル−ピペラジン
−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−
3−フェニル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)−ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2−ブロモ−6−クロロフェニル)−ピリド〔2,3-
d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−(2−アミノ−6−ピリジン−4−イル−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7
−イル)−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(3,5−ジメチルフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2−ブロモ−6−クロロフェニル)−ピリド〔2,3-
d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−ジエチルアミノ−ブチルア
ミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−エチル尿素;
プロパン−1−スルホン酸〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−ピ
リド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−アミド;
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジブロモフェニル)−2−(3−ジエチル
アミノプロピルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素;
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジメチル
アミノ−2,2−ジメチルプロピルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イ
ル〕尿素;
1−t−ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(2−メチ
ルピペリジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン−7−イル}尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,4,6−トリメチルフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリ
ミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−アダマンタン−1−イル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−
〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-
d〕ピリミジン−7−イル}尿素;
1−シクロヘキシル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(
4−メチルピペラジン)−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピ
リミジン−7−イル}尿素;
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチル−ピペラジン
−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3
−(3−メトキシフェニル)尿素;
1−t−ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔4−(4−メ
チル−ピペラジン−1−イル)−ブチルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−
7−イル}尿素;
1−t−ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メ
チルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−
7−イル}−チオ尿素;
1−t−ブチル−3−〔2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プ
ロピルアミノ〕−6−(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリ
ミジン−7−イル〕尿素;
1−アリル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチル
−ピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7
−イル}尿素;
6−(2,6−ジクロロフェニル)−N7−(5,6−ジヒドロ−4H−〔1,3〕
オキサジン−2−イル)−N2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロ
ピル〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン;および
3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−
1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−1,1
−ジエチル尿素を包含する。
更に別の好ましい化合物群は、下記式:
〔特に式中R8は-NR5R6である〕のアミジンである。
更に別の好ましい化合物群はArがフェニルまたは置換フェニル以外である式I
を有する。このような化合物の典型は下記式:
のピリジンである。
本発明はまた医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤とともに式Iの化合
物を含有する製剤を提供する。
本発明の範囲に含まれる化合物はEGF、FGF、PDGF、V-srcおよびC-srcのチロシ
ンキナーゼドメインの基質部位の一つ以上に対して特異的な親和性を有する。本
発明の範囲に含まれる化合物は受容体のEGFおよび
PDGF自己リン酸化を効果的に抑制し、そして、血管平滑筋細胞の増殖および移行
を抑制した。
蛋白キナーゼの阻害剤として、本発明の化合物は哺乳類の白血病、ガン、乾癬
、アテローム性動脈硬化症に関る血管平滑筋の増殖、および術後血管狭窄および
再狭窄を含む増殖性疾患の制御において有用である。
本発明の別の実施態様は血管平滑筋増殖により生じる疾患を有する対象の治療
方法である。その方法は、治療の必要な対象に式Iの化合物の有効量を投与する
ことによる、血管平滑筋の増殖および/または移行の抑制を包含する。
最後に、本発明は式Iの化合物および合成中間体の製造方法に関する。
発明の詳細な説明
本発明の化合物は、未溶媒和形態ならびに水和形態を含む溶媒和形態で存在す
ることができる。一般的に、水和形態を含む溶媒和形態は未溶媒和形態と同等で
あり、本発明の範囲に包含されるものとする。
式Iの化合物において、「C1〜C8アルキル」という用語は、炭素原子1〜8個
を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル
、n−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−
オクチル等を包含する。C1〜C6アルキル基が好ましい。
「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを包含する。
「C2〜C8アルケニル」とは、炭素原子2〜8個および二重結合1個を有する直
鎖または分枝鎖の炭化水素基を意味し、エテニル、3−ブテン−1−イル、2−
エテニルブチル、3−オクテン−1−イル等を包含す
る。典型的なC2〜C8アルキニル基はプロピニル、2−ブチン−1−イル、3−ペ
ンチン−1−イル等を包含する。C2〜C6アルケニルが好ましい。
「C3〜C10シクロアルキル」とはシクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシ
ル、シクロペンチル、アダマンチル、ビシクロ〔3.2.1〕オクチル、ビシクロ〔2
.2.1〕ヘプチル等のような環状または二環のヒドロカルビル基、並びにピペラジ
ニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル等のようなヘテロ環を意味する。
「C1〜C8アルコキシ」とは、酸素を介して結合している上記したアルキル基を
示し、その例にはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オ
クチルオキシ等が包含される。C1〜C6アルコキシ基が好ましい。
典型的な「C1〜C8アルカノイル」基にはホルミル、アセチル、プロピオニル、
ブチリルおよびイソブチリルが包含される。「C1〜C8アルカノイルオキシ」には
アセトキシ、t−ブタノイルオキシ、ペンタノイルオキシ等が包含される。
アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はNR5R6および5員または6員の炭
素環および窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子1〜2個を含むヘ
テロ環の基で置換されていてよい。このような環は例えば一つまたは二つのC1〜
C6アルキル基で置換されていてよい。例には、ジメチルアミノメチル、4−ジエ
チルアミノ−3−ブテン−1−イル、5−エチルメチルアミノ−3−ペンチン−
1−イル−4−モルホリノブチル、4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブ
チル、4−テトラヒドロピリジニルブチル−、2−メチルテトラヒドロピリジノ
メチル−、3−イミダゾリジン−1−イルプロピル、4−テトラヒドロチアゾル
−3−イルブチル、フェニルメチル、3−クロロフェニルメチル等が包含
される。
「Ar」および「Ar′」という用語はフェニル、3−クロロフェニル、2,6−ジブロ
モフェニル、ピリジル、3−メチルピリジル、ベンゾチエニル、2,4,6−トリブ
ロモフェニル、4−エチルベンゾチエニル、フラニル、3,4−ジエチルフラニル
、ナフチル、4,7−ジクロロナフチル等のような未置換および置換された芳香族
およびヘテロ芳香族の基を示す。
好ましいArおよびAr′基は、フェニルおよび、ハロ、アルキル、アルコキシ、
チオ、チオアルキル、ヒドロキシ、アルカノイル、-CN、-NO2、-COOR8、-CF3ア
ルカノイルオキシ、または式-NR5R6のアミノから独立して選択される基1、2ま
たは3個で置換されたフェニルである。ジ置換フェニルが好ましく、そして、2,
6−ジ置換フェニルが特に好ましい。他の好ましいArおよびAr′基にはピリジル
、例えば2−ピリジルおよび4−ピリジルが包含される。
典型的なArおよびAr′である置換フェニル基には2−アミノフェニル、3−ク
ロロ−4−メトキシフェニル、2,6−ジエチルフェニル、2−n−ヘキシル−3
−フルオロフェニル、3−ヒドロキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,6
−ジクロロフェニル、2−クロロ−6−メチルフェニル、2,4,6−トリクロロフ
ェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,6−ジヒドロキシフェニル、2,6−ジブロ
モフェニル、2,6−ジニトロフェニル、2,6−ジ−(トリフルオロメチル)フェニ
ル、2,6−ジメチルフェニル、2,3,6−トリメチルフェニル、2,6−ジブロモ−4
−メチルフェニル等が包含される。
式Iの化合物はさらに医薬上許容される酸付加塩および/または塩基塩の両方
を形成することができる。これらの形態の全ては本発明の範囲に包含される。
式Iの化合物の医薬上許容される酸付加塩には、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、
臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸等のような無機酸から誘導した塩、並びに
、脂肪族モノ−およびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアル
カン酸、アルカンジ酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族のスルホン酸等のような
有機酸から誘導した塩が包含される。即ちこのような塩には、硫酸塩、ピロ硫酸
塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二
水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸
塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コ
ハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル
酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩
、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩
、クエン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩等が包含
される。更にまた、アミノ酸塩、例えばアルギン酸塩等、そしてグルコン酸塩、
ガラクツロン酸塩も包含される(例えばBerge S.M.等の「Pharmaceutical Salts
」,J.of Pharma-ceutical Science,66:1-19(1977)参照)。
上記した塩基性化合物の酸付加塩は従来の方法で遊離の塩基の形態を十分な量
の所望の酸と接触させ塩を形成することにより製造する。遊離の塩基の形態は従
来の方法で塩の形態を塩基と接触させて遊離の塩基を単離させることにより再生
してよい。遊離の塩基の形態は極性溶媒中の溶解度のような特定の物理的性質に
おいてある程度対応する塩形態とは異なるが、その他の点については、本発明の
目的のためには塩はその対応する遊離塩基と同等である。
医薬上許容される塩基付加塩は金属およびアミン類、例えばアルカリ
およびアルカリ土類金属または有機アミンを用いて形成する。カチオンとして使
用する金属の例はナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等である。
適当なアミンの例はN,N′−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、
コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミンおよび
プロカインである(例えばBerge S.M.等の「Pharmaceutical Salts」,J.of Ph
armaceutical Science,66:1-19(1977)参照)。
上記酸性化合物の塩基付加塩は従来の方法で遊離の酸の形態を十分な量の所望
の塩基と接触させて塩を形成することにより製造する。遊離の酸の形態は従来の
方法で塩形態を酸と接触させて遊離酸を単離することにより再生してよい。遊離
酸形態は極性溶媒中の溶解度のような特定の物理的性質においてその対応する塩
形態とある程度異なるが、その他の点においては、本発明の目的のためには塩は
その対応する遊離酸と同等である。
本発明の形態は本明細書においては現時点で好ましい実施態様を構成するもの
であるが、多くの他の形態も可能である。本発明の可能な同等の形態または様式
の全てを本明細書中に記載するわけではない。本明細書中で使用する用語は限定
的なものではなく、説明を意図するのみであり、様々な変更が本発明の精神また
は範囲内で可能であると考えられる。
式Iの化合物はスキームI−VIIに記載する合成法に従って製造できる。これ
らのスキームは厳密な構造式を示している場合が多いが、有機化学分野で標準的
な方法による反応性の官能基の保護および脱保護を適切に考慮する限り、方法は
式Iの化合物の類縁物質に広く適用される。例えば、ヒドロキシ基は望ましくな
い副反応を防止するためには、一般的に、
分子の他の部位における化学反応の間エーテルまたはエステルに変換することが
必要である。ヒドロキシ保護基は容易に除去して遊離のヒドロキシ基とすること
ができる。アミノ基およびカルボン酸の基は同様に誘導体化して望ましくない副
反応を防止する。典型的な保護基およびそれを結合および脱離させるための方法
は、GreeneとWutsのProtecvive Groups in Organic Synthesis,John Wiley and
Sons,New York,(第2版,1991)およびMcOmieのProtective Groups in Organ
ic Chemistry,Plenum Press,New York,1973に詳細に記載されている。
スキームIは米国特許3,534,039号の方法により製造することができる重要な
中間体である2,7−ジアミノ−6−(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジンから
の、1−t−ブチル−3−〔7−(3−t−ブチルウレイド)−6−(アリール
)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル〕尿素および1−〔2−アミノ−6−
(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素の
製造のための典型的な方法を記載したものである。一般的に、反応は2,7−ジア
ミノ−6−(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン化合物を1当量のアシル化剤
、例えばアルキルイソシアネート、イソチオシアネート、カルバモイルクロリド
、カルバモイルブロミド、スルファモイルクロリド、クロロホルメートまたは他
の活性化酸誘導体、例えば対称無水物、混合無水物等と反応させることにより行
うことができる。反応は未希釈状態のイソシアネート中、または塩基、好ましく
は水素化ナトリウムの存在下、ジメチルホルムアミド、ジオキサン等のような適
当な非反応性の溶媒中で行う。出発物質2,7−ジアミノ−6−(アリール)ピリ
ド〔2,3-d〕ピリミジンは前記した方法と同様にして、2倍過剰量以上のアシル
化試薬を用いながら反応させて主にジアシル化化合物、例えば1−t−ブチル−
3−〔7−(3−t−
ブチルウレイド)−6−(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル〕
尿素とすることができる。
アシル化は一般的に、約20℃〜約80℃の温度で約1〜3時間行うことにより実
質的に終了する。生成物は通常の方法で、例えば固体が存在する場合はそれを濾
過し、蒸発により反応溶媒を除去することにより容易に単離される。生成物は所
望により、通常の方法で、例えば酢酸エチル、ジクロロメタン、ヘキサン等のよ
うな有機溶媒から結晶化させたり、シリカゲルのような固体支持体上のクロマト
グラフィーにより精製することができる。本発明の化合物は典型的には容易に結
晶化される固体である。
スキームIIはジアシル化生成物、例えばN−〔2−アセチルアミノ−6−(ア
リール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕アセトアミドを製造するため
の加熱による2倍過剰量以上の無水酢酸を用いた2,7−ジアミノ−6−(アリー
ル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジンの典型的なアシル化を説明するものである。よ
り一般的には、この種のジアシル化化合物はこの方法により、出発物質として適
切な2,7−ジアミノ−6−(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン化合物を用いて
、これを過剰のアシル化試薬、例えば酸無水物、混合酸無水物または活性化アシ
ル誘導体例えば酸クロリドおよびスルホニルクロリドで処理することにより製造
できる。反応は一般的には約20℃〜200℃の温度で行う。トリエチルアミンおよ
び水酸化ナトリウムのような有機または無機の塩基の添加は反応の過程で生成す
る酸副生成物を捕獲するために必要である。ジアシル化生成物は上記した通りク
ロマトグラフィーまたは結晶化により容易に単離精製される。
スキームIIIは米国特許3,534,039号に記載の方法で製造できる2,7−ジ
アミノ−6−(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジンを出発物質とする数工程で
の6−(アリール)−N7−アルキルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミンの
製造を説明するものである。還流条件下に水性の無機酸で出発物質を処理するこ
とにより加水分解生成物2−アミノ−6−(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン−7−オールが得られる。Vilsmeier-Haack条件下2−アミノ−6−(アリ
ール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−オールをチオニルクロリドと反応させ
ることによりクロロホルムアミジン生成物N′−(7−クロロ−6−(アリール)
ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル)−N,N−ジメチルホルムアミジンが得ら
れる。この反応性中間体をアミンのような親核試薬と直接反応させることにより
N7−アルキル−6−(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミンと
することができる。あるいは、ホルムアミジン官能基をアルコール分解により除
去して7−クロロ誘導体、即ち2−アミノ−7−クロロ−6−(アリール)ピリ
ド〔2,3-d〕ピリミジンを得ることができる。アルキルアミンのような親核試薬
に7−クロロ中間体を反応させることにより相当する6−(アリール)−N7−ア
ルキルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミンが得られる。
スキームIVは、3−(アリール)−〔1,6〕ナフチリジン−2,7−ジアミンの製
造を説明するものであり、これらの化合物の製造のための一般的方法を示すもの
である。6−ブロモ−2,4−ジアミノ−5−シアノピリジンの水素化分解(JACS,
80:2838-2840(1958))により、中間体2,4−ジアミノ−5−シアノピリジンが得
られる。次に、ラニーニッケル触媒を用いながら例えばギ酸−水の混合物中でシ
アノピリジン化合物を水素化することにより重要で不安定な中間体である2,4−
ジアミノ−5−ピリジンカルボキシアルデヒドが得られる。次にアルデヒドをス
キーム
IVに示すとおりアリールアセトニトリルと縮合させることにより3−(アリール
)−〔1,6〕ナフチリジン−2,7−ジアミンが得られる。縮合反応はアルコキシド
塩基、例えばエタノールまたは2−エトキシエタノールに金属ナトリウムまたは
水素化ナトリウムを添加することにより容器内で生成できるナトリウムエトキシ
ドまたはナトリウム2−エトキシエトキシドの存在下行う。スキームIVは本発明
の3−(アリール)−〔1,6〕ナフチリジン−2,7−ジアミンの製造のための一般
的方法を説明するものである。
スキームVは高温でボンベ中アルキルアミンを用いた6−アリールピリド〔2,
3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(米国特許3,534,039号)の直接のジアルキル
化によるN2,N7−ジアルキル−6−アリールピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−
ジアミンの製造を説明するものである。一般的に、この反応はボンベ装置中150
〜300℃の温度でイソブチルアミンおよびn−ヘキシルアミンのような未希釈の
アミン試薬を用いて行う。
スキームVIはR1がジエチルアミノプロピルのようなアミノアルキル基である式
Iの化合物の合成を説明するものである。6−(アリール)−2,7−ジアミノピ
リド〔2,3-d〕ピリミジンは、一般的にはボンベ中スルファミン酸のような酸の
存在下アミノアルキルアミン(例えばH2Nアルキル-NR5R6)のようなアミン親核物
質と直接反応させて本発明のアミノアルキル置換化合物を得ることができる。化
合物は所望に応じて常法により更にアシル化することができる。化合物は結晶化
およびクロマトグラフィーのような一般的な方法で容易に単離精製される。
スキームVIIはR3とR4がそれらに連結している窒素原子と一緒になって環を形
成するような式Iの化合物の合成を説明するものである。環は窒素、酸素または
イオウのような別のヘテロ原子をさらに含むことができ
る。スキームVIIでは、ジアミノピリドピリミジンをハロエチルイソシアネート
と反応させてイミダゾリジノンを形成している。反応は一般的にジメチルホルム
アミドのような有機溶媒中、通常は水素化ナトリウムのような塩基の存在下に行
う。反応は典型的には、約30℃で行う場合には約8〜16時間で終了する。生成物
は常法により容易に単離精製される。
のアシル類縁体であるような式Iの化合物も生成する。
スキームVIIaはその反応を説明するものである。生成物はクロマトグラフィ
ー、分別結晶等のような常法により単離できる。
本発明により得られるもう一つの化合物群はアミジン類、即ち、R1とR2がそれ
らに連結している窒素と一緒になって、そしてR3とR4がそれら
のできる式Iの化合物である。
スキームVIIIはアミドまたは環状アミドのアセタール、例えばN,N−ジメチル
ホルムアミドのジメチルアセタールまたはN−メチルピロリドンのジメチルアセ
タールにアミノピリドピリミジンを反応させることにより製造できる典型的なピ
リドピリミジンアミジンの合成を説明するものである。反応は典型的には、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン等のような相互
溶媒中約等モル量または過剰量のアセタールにアミノピリドピリミジンを混合す
ることにより行う。反応は一般的に、約5℃〜約50℃の温度で行う場合には約3
〜6時間で終了する。生成物は、通常の方法で容易に単離され、所望によりクロ
マトグラフィー、結晶化等のような常法により精製することができる。
本発明は更にアミノ基がアリールAr′、例えばフェニル、置換フェニル、ピリ
ジル、チアゾリル、ピリミジル等で置換されたアミノピリドピリミジンを提供す
る。好ましいN−アリール化合物は下記式:
〔式中Ar、Ar′およびBは前に定義したとおりである〕を有する。このような化
合物はいくつかの方法のいずれかにより、例えばスキームIXおよびXに記載のと
おり製造することができる。
スキームIXにおいて、例えば2位においてアルキルチオ、アルキルスルホキシ
ドまたはアルキルスルホンで置換されたピリドピリミジンを、アリールアミン(
例えばAr′NH2)と反応させることにより、チオスルホキシドまたはスルホン置
換基の置換を起こし、相当するN−アリールアミノピリドピリミジンを生成する
。置換反応は一般的にジメチルホルムアミドのような有機溶媒中、通常は約20℃
〜約80℃の温度で行う。反応は一般的に、約3〜約8時間の後に終了し、そして
、反応混合物を水に添加し、生成物を塩化メチレン等のような溶媒中に抽出する
ことにより生成物を容易に単離することができる。
スキームXは適当に置換されたピリミジン、例えば4−アミノ−2−クロロピ
リミジン−5−カルボニトリルを出発物質としたN−アリールアミノピリドピリ
ミジンの合成を説明するものである。ハロ基をアリールアミン(Ar′NH2)との
反応により置換させて5位にシアノ基を有する相当する2−N−アリールアミノ
ピリミジンとする。シアノ基は、水およびギ酸中、ラニーニッケルを用いて還元
することによりアルデヒドに変換し、形成した2−アリールアミノ−4−アミノ
ピリミジン−5−カ
ルボキシアルデヒドをスキームIVに記載した方法でアリールアセトニトリル(例
えばフェニルアセトニトリル、2−ピリジルアセトニトリル等)と反応させて相
当する本発明のN−アリールアミノピリドピリミジンを得る。
式Iの化合物は蛋白チロシンキナーゼの価値ある阻害剤であり、増殖性疾患の
治療のための細胞抗増殖剤として治療上の価値を有する。これらの化合物は蛋白
キナーゼ類、PDGF、FGF、EGF、V-src、およびC-srcの一つ以上の強力な阻害剤で
ある。即ち、本発明の化合物はアテローム性動脈硬化症、再狭窄およびガンの治
療において有用である。化合物による治療の対象となる特定の腫瘍には、An.Re
v.Respir.Dis.,142:554-556(1990)記載のとおり、小細胞肺ガン腫;Cancer
Research,52:4773-4778(1992)記載のとおりヒト乳ガン;Cancer Research,52
:1457-1462(1992)記載の型の低級ヒト膀胱ガン;J.Clin.Invest.,91:53-60(
1993);およびJ.Surg.Res.,54:293-294(1993)で論じられて
いるヒト結腸直腸ガンが包含される。化合物はまたStreptococcus pneumoniaeの
ような細菌に対する抗生物質としても有用である。例えば実施例9および18の化
合物は標準的なin vitroの試験で評価したところ上記グラム陽性細菌株に対して
活性を示した。化合物は更に種々の広葉植物や雑草のような望ましくない植物に
対する除草剤として有用である。
本発明の化合物は経皮投与および直腸投与を含む種々の経口および非経腸の剤
型に製剤して投与できる。当業者の知るとおり、後述する剤型は活性成分として
式Iの化合物または式Iの化合物の相当する医薬上許容される塩または溶媒和物
のいずれを含有してもよい。
本発明の更に別の実施態様は、医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤と
ともに式Iの化合物を含有する製剤である。本発明の化合物を用いて製剤を調製
するためには、医薬上許容される担体は固体または液体であることができる。固
体形態の製剤には粉末、錠剤、丸薬、カプセル、カシェ剤、坐薬、および分散性
顆粒が包含される。固体担体は希釈剤、フレーバー剤、バインダー、保存料、錠
剤崩壊剤またはカプセル化剤としても機能するような物質一つ以上であることが
できる。
粉末においては、担体は細密分割された活性成分との混合物中のタルクまたは
でん粉のような細密分割固体である。
錠剤においては、活性成分は適当な比率で必要なバインダー特性を有する担体
と混合し、所望の形状および寸法に圧縮成型する。
本発明の製剤は好ましくは活性化合物約5〜約70%を含有する。適当な担体に
は炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、乳糖、ペクチ
ン、デキストリン、でん粉、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワ
ックス、カカオバター等が包含される。経口用の好ましい形態は、カプセルであ
り、これは、別の担体を伴うか伴うことなく活性成分がある担体により包囲され
、これによりそれと複合されているようなカプセルを与えるような担体としてカ
プセル化剤を用いた活性成分の製剤を包含する。同様にカシェ剤およびロゼンジ
も包含される。錠剤、粉末、カプセル、丸薬、カシェ剤およびロゼンジは経口投
与に適する固体剤型として使用できる。
坐薬を調製するためには、脂肪酸グリセリドの混合物またはカカオバターのよ
うな低融点ワックスをまず溶融させ、そこに活性成分を撹拌などにより均質に分
散させる。次に溶融した均質な混合物を好都合な大きさの金型に注ぎ込み、冷却
し、固化させる。
液体製剤には、溶液、懸濁液および乳液、例えば水溶液または水−プロピレン
グリコール溶液が包含される。非経腸注射のためには、液体製剤はポリエチレン
グリコール水溶液中、等張性食塩水中、5%グルコース水溶液中等の溶液として
製剤できる。
経口用に適する水溶液は、活性成分を水に溶解し、適当な着色料、フレーバー
剤、安定化剤および濃厚化剤を所望により添加することにより調製できる。
経口用に適する水性懸濁液は天然または合成のガム類、樹脂、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび他の良く知られた懸濁剤のよ
うな粘稠な物質とともに、水中に細密分割された活性成分を分散させることによ
り調製できる。
更に、使用直前に経口投与用液体製剤とするような固体製剤も包含される。こ
のような液体製剤には、溶液、懸濁液および乳液が包含される。これらの製剤は
、活性成分に加えて、着色料、フレーバー剤、安定化剤、
緩衝剤、人工または天然の甘味料、分散剤、濃厚化剤、可溶化剤等を含有してよ
い。ワックス、重合体等を用いて除放性の製剤を調製することができる。更に、
長時間にわたり均一に活性成分を供給するために浸透圧ポンプを用いてもよい。
本発明の製剤は好ましくは単位剤型である。このような剤型において、製剤は
適切な量の活性成分を含有する単位用量に細分割される。単位剤型は包装された
製剤であることができ、その包装には異なる量の製剤を入れ、パック入り錠剤、
カプセル、およびバイアルやアンプル中の粉末とすることができる。更に、単位
剤型はカプセル、錠剤、カシェ剤またはロゼンジそのものであることもできるが
、これらのいずれかの適切な数が包装された形態であることもできる。
式Iの化合物の治療有効量は一般的に約1mg〜約100mg/kg体重/日である。
典型的な成人の用量は約50〜約800mg/日である。単位用量製剤中の活性成分の
量は、特定の症例および活性成分の力価に応じて、約0.1mg〜約500mg、好ましく
は約0.5mg〜100mgとなるように適宜調整してよい。所望により組成物は更に別の
適合性のある治療薬を含有することもできる。式Iの化合物による治療の必要な
対象には、単回投与により、または24時間にわたる複数回の投与により、1日当
たり約1〜約500mgの用量を投与する。
本発明の化合物はチロシンキナーゼ阻害を測定するために用いる標準的なアッ
セイにおいて評価した。このようなアッセイの一つは以下のとおり実施した。
表皮生育因子受容体チロシンキナーゼの精製
ヒトEGF受容体チロシンキナーゼを下記の方法でA431表皮様ガン腫細胞から単
離した。細胞を10%ウシ胎児血清含有の50%Delbuco変性イー
グルおよび50%HAM F-12栄養培地(Gibco)中、ローラーボトル内で生育させた。
約109個の細胞を20mM 2−(4N−〔2−ヒドロキシエチル〕ピペラジン−1−
イル)エタンスルホン酸、5mMエチレングリコールビス(2−アミノエチルエー
テル)N,N,N′,N′−4酢酸、1%トリトンX-100、10%グリセロール、0.1mMオル
トバナジウム酸ナトリウム、5mMフッ化ナトリウム、4mMピロホスフェート、4
mMベンズアミド、1mMジチオスレイトール、80μg/mLアプロチニン、40μg/mL
ロイペプチンおよび1mMフェニルメチルスルホニルフロリドを含有する緩衝液(p
H 7.4)2容量中で溶解させた。10分間25,000×gで遠心分離した後、上澄みを、
予め50mM HEPES、10%グリセロール、0.1%トリトンX-100および150mM NaCl(pH
7.5)(平衡化緩衝液)で平衡化させておいた小麦胚芽アグルチニンセファロース
10mLで4℃で2時間平衡化させた。夾雑蛋白質を平衡化緩衝液中1M NaClで樹
脂から洗い出し、酵素を平衡化緩衝液中0.5M N−アセチル−1−D−グルコサ
ミンで溶出させた。
IC50値の測定
IC50測定のための酵素アッセイは、25mM Hepes,5mM MgCl2、2mM MnCl2、50
μMバナジウム酸ナトリウム、EGF受容体チロシンキナーゼ5〜10ng、200μM基
質ペプチド、例えば(Ac-Lys-His-Lys-Lys-Leu-Ala-Glu-Gly-Ser-Ala-Tyr472-Glu
-Glu-Val-NH2)(Wahl M.I.等,J.Biol.Chem.,265:3944-3948(1990))、〔32P〕
ATP 1μCi含有10μM ATPを組成とする液(pH 7.4)中、総容量0.1mLで行い、室温
で10分間インキュベートした。75mMリン酸2mlを添加することにより反応を停止
し、2.5cmのホスホセルロースフィルターディスクを通すことによりペプチドを
結合させた。フィルターを5回75mMリン酸で洗浄し、シンチレーション液(Read
y gel Beckman)5mlとともにバイアル中に入れた。
PDGFおよびFGF受容体チロシンキナーゼアッセイ
マウスPDGF−βおよびヒトFGF-1(flg)の受容体チロシンキナーゼの全長cDNAを
、J.Escobedoから入手し、J.Biol.Chem.,262:1482-1487(1991)に記載のと
おり製造し、そしてPCRプライマーは、細胞内チロシンキナーゼドメインをコー
ドするDNAのフラグメントを増幅するように設計した。フラグメントをバキュロ
ウィルスベクターに組み込み、AcMNPV NDAでコトランスフェクションし、組み換
えウィルスを単離した。SF9昆虫細胞をウィルスに感染させて蛋白質を過剰発現
させ、細胞溶解物を用いてアッセイを行った。アッセイは96穴のプレート(100μ
L/インキュベーション/ウエル)で行い、γ32P-ATPからグルタメート−チロシ
ン共重合体基質への32Pのとり込みの測定に合わせて条件を至適化した。簡単に
説明すると、各ウエルに25mM Hepes(pH 7.0)、150mM NaCl、0.1%トリトンX-100
、0.2mM PMSF、0.2mM Na3VO4、10mM MnCl2およびポリ(4:1)グルタメート−
チロシン750μg/mLを含有するインキュベーション緩衝液82.5μL次いで、阻害
剤2.5μLおよび酵素溶解物(7.5μg/μL FGF-TKまたは6.0μg/μL PDGF-TK)5
μLを添加し、反応を開始した。25℃で10分間インキュベートした後、γ32P-ATP
10μL(0.4μCi+50μM ATP)を各ウエルに添加し、試料を25℃でさらに10分間イ
ンキュベートした。20mMピロリン酸ナトリウムを含有する30%トリクロロ酢酸(T
CA)100μLを添加し、ガラス繊維フィルターマット(Wallac)上に物質を沈殿さ
せることにより反応を停止した。フィルターを3回100mMピロリン酸ナトリウム
含有15%TCAで洗浄し、フィルター上に保持された放射能をWallac 1250 Betapla
teリーダーで計数した。非特異的活性は緩衝液のみ(酵素非存在下)で試料をイ
ンキュベートした後のフィルター上に保持された放射能として定義した。特異的
酵素活性は総活性(酵
素+緩衝液)−非特異的活性として定義した。特異的活性を50%阻害するような
化合物の濃度(IC50)を阻害曲線に基づいて求めた。
V-srcまたはC-srcキナーゼアッセイ
V-srcまたはC-srcキナーゼはN末端2−17アミノ酸に対する抗ペプチドモノク
ローナル抗体を用いてバキュロウィルス感染昆虫細胞溶解物から精製する。0.65
μmのラテックスビーズに共有結合した抗体を150mM NaCl、50mMトリスpH 7.5、
1mM DTT、1%NP-40、2mM EGTA、1mMバナジウム酸ナトリウム、1mM PMSF、
各1μg/mLのロイペプチン、ペプスタチンおよびアプロチニンを含有する昆虫
細胞溶解緩衝液の懸濁液に添加する、C-srcまたはV-src蛋白質のいずれかを含有
する昆虫細胞溶解物をこのビーズとともに3〜4時間4℃で回転させながらイン
キュベートする。細胞溶解物インキュベーション終了時に、ビーズを3回溶解緩
衝液ですすぎ、10%グリセロールを含有する溶解緩衝液中に再懸濁し、凍結する
。このラテックスビーズを解凍し、40mMトリスpH 7.5、5mM MgCl2を含有するア
ッセイ緩衝液で3回すすぎ、同じ緩衝液に懸濁する。0.65μmのポリビニリデン
膜底部を有するミリポア96穴アレートに、以下の反応成分:V-srcまたはC-srcビ
ーズ10μL、2.5mg/mLポリGluTyr基質10μL、0.2μCi標識32P-ATP含有5μM ATP
、阻害剤含有または溶媒対照のDMSO 5μL、および最終容量を125μLとするため
の緩衝液を添加する。反応はATPを添加することにより室温で開始し、10分後に1
25μLの30%TCA、0.1Mピロリン酸ナトリウムを添加し、氷上に5分間置くこと
によりクエンチする。次にプレートを濾過し、ウエルを各250μLの15%TCA、0.1
Mピロホスフェートで2回洗浄する。フィルターをパンチし、液体シンチレーシ
ョンカウンターで計数し、エルブスタチンのような知られた阻害剤とデータを比
較して阻害活性を調べる。方法はJ.Med.
Chem.,37:598-609(1994)に詳細に記載されている。
細胞培養
ラット大動脈平滑筋細胞(RASMC)をラットの胸部大動脈から摘出し、Rossの
方法(J.Cell.Biol.,30:172-186(1971))に従って体外培養した。細胞を10
%ウシ胎児血清(FBS,Hyclone,Logan,Utah)、1%グルタミン(Gibco)および
1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco)を含有するDulbeccoの変性イーグ
ル培地(DMEM,Gibco)中で生育させた。「ヒルアンドバレー(hill and valley)」
の生育バターンにより、そして、SMC μ−アクチンに特異的なモノクローナル抗
体(sigma)で蛍光染色されることにより、細胞が平滑筋細胞であることを同定し
た。RASMCは全ての実験において5〜20代目の継代培養物を用いた。被験化合物
は溶媒の一貫性を確保し、化合物の溶解性を確保するためにジメチルスルホキシ
ド(DMSO)中に製造した。適切なDMSO対照群も被験化合物と同時に評価した。
〔3H〕−チミジンとり込みアッセイ
RASMCを10%FBS添加DMEM中24穴プレートに接種した(30,000個/ウエル)。4
日後、細胞は全面培養に達し、さらに2日間0.2%FBS添加DMEM/F12培地(Gibco
)中でインキュベートすることにより静止状態とした。0.5ml/ウエルの血清置
換培地(DMEM/F12+1%CPSR-2、Sigma製)中、PDGF-BB、bFGFまたはFBSのいず
れか、および被験化合物とともに22時間細胞をインキュベートすることにより、
DNA合成を誘導した。18時間後、0.25μCi/ウエルの〔3H〕−チミジンを添加し
た。4時間後、放射性培地を除去し、細胞を2回1mlの冷リン酸塩緩衝食塩水で
洗浄し、次に2回冷5%トリクロロ酢酸で洗浄することによりインキュベーショ
ンを停止した。酸不溶性の画分を0.25N NaOH 0.75mlで溶解し、液体シンチレ
ーション計数により放射能を測定した。IC50値はグラフにより求めた。
PDGF受容体自己リン酸化
RASMCを100mmのディッシュ中全面培養となるまで生育させた。生育培地を除去
し、血清非含有の培地と交換し、細胞をさらに24時間37℃でインキュベートした
。次に被験化合物を培地に直接添加し、細胞をさらに2時間インキュベートした
。2時間後、PDGF-BBを37℃で5分間30ng/mLの最終濃度となるように添加し、P
DGF受容体の自己リン酸化を刺激した。生育因子処理の後、培地を除去し、細胞
を冷リン酸塩緩衝食塩水で洗浄し、即座に溶解緩衝液(50mM HEPES(pH 7.5)、
150mM NaCl、10%グリセロール、1%トリトンX-100、1mM EDTA、1mM EGTA、5
0mM NaF、1mMオルトバナジウム酸ナトリウム、30mM p−ニトロフェニルホスフ
ェート、10mMピロリン酸ナトリウム、1mMフェニルメチルスルホニルフロリド、
10μg/mLアプロチニンおよび10μg/mLロイペプチン)1mLで溶解した。溶解物
を10分間10,000Gで遠心分離した。上澄みを2時間ウサギ抗ヒトPDGF AB型受容
体抗体(1:1000)10μLとともにインキュベートした。インキュベーション後
、プロテインAセファロースビースを添加して2時間混合を継続し、ビースに結
合した免疫複合体を溶解洗浄緩衝液1mlで4回洗浄した。免疫複合体をLaemmli
試料緩衝液30μL中に溶解し、4〜20%SDSポリアクリルアミドゲル中で電気泳動
した。電気泳動後、分離した蛋白質をニトロセルロースに移し、抗ホスホチロシ
ン抗血清を用いたイムノブロッティングに付した。〔125I〕−プロテインAとと
もにインキュベートした後、チロシンリン酸化蛋白質の濃度はホスホルイメージ
(phosphorimage)分析により測定し、蛋白質のバンドは密度測定により定量した
。IC50値は密度測定データから求めた。
以下に示す表IおよびIIは前述したアッセイで分析した場合の本発明の代表的
な化合物の生物学的データを示すものである。
本発明の化合物は閉塞した動脈のバルーン血管形成術後の再狭窄を治療するた
めに特に有用である。再狭窄は、カルシウム沈着した動脈の血管形成術を受けた
患者の約40%で起こり、このような心臓症状を有する
患者のこの種の治療法に伴う大きな問題点となっている。本発明の化合物は下記
の標準的な試験で評価した場合、良好な活性を示す。
ラット頸動脈のバルーン血管形成術
雄性Sprague-Dawleyラット(350〜450g)を2投与群に分け、1つめの群のラッ
ト(n=10)には薬剤を投与(100mg/kg、PO,BID)し、2つめの群のラットに
はビヒクル(2ml/kg,PO,BID,(n=10))を投与した。ラットは全て、術前の
2日間前投与し、術後は屠殺時まで毎日薬剤投与を継続した。
ラット頸動脈のバルーン傷害は以下の操作法に従って実施した。ラットをTela
zol(0.1ml/100gIM)で麻酔し、頸部の前方正中切開により頸動脈を露出させた
。頸動脈を内側および外側頸動脈の分岐部で摘出した。2F塞栓切開用カテーテ
ルを外側頸動脈に挿入し、大動脈屈曲部の位置まで総頸動脈中を下行させた。バ
ルーンを膨大させカテーテルを挿入部まで引き戻し、次に収縮させた。この操作
をさらに2回反復した。塞柱切開用カテーテルをとり出し、内側頸動脈を通る血
流に影響しないように外側頸動脈を結紮した。切開部を閉じラットが覚醒した後
に飼育ケージに戻した。
傷害後経時的にラットをCO2吸入により安楽死させ、頸動脈を灌流下に固定し
、組織学的検査用に処理した。患部の大きさの形態学的測定は固体の中膜の比と
して表した頸動脈内膜の面積を測定することにより行った。各ラットから16検体
以下の切片を調製して頸動脈に沿って下行する患部の大きさを均一に表示した。
血管の横断面の面積をPrinceton Gamma Tech(Princeton,New Jersey)のイメー
ジ分析プログラムを用いて定量した。
以下の実施例は本発明の中間体および最終生成物を製造するための方
法を説明するものである。これらは本発明を限定するものではない。溶媒混合物
はv/vで示した。
実施例 1
2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
(米国特許3,534,039号に記載の方法により調製)。ナトリウム0.14gおよび2
−エトキシエタノール60mlから調製したナトリウム2−エトキシエトキシドの溶
液に、2,4−ジアミノ−5−ピリミジンカルボキシアルデヒド2.07gおよび2,6−
ジクロロフェニルアセトニトリル2.79gを添加した。混合物を4時間還流下に加
熱し、冷却し、不溶性の物質をジエチルエーテルで洗浄して2,7−ジアミノ−6
−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジンを得た。融点325〜332
℃(MS)。
実施例 2
1−t−ブチル−3−〔7−(3−t−ブチルウレイド)−6−(2,6−ジクロロ
フェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル〕尿素
DMF45ml中の上記2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d
〕ピリミジン3.0gのスラリーに、水素化ナトリウム0.48g(鉱物油中50%)を
少しずつ添加した。混合物を1時間撹拌し、t−ブチルイソシアネート1.0gを
添加し、反応混合物を16時間周囲温度で撹拌した。反応混合物を濾過して少量の
不溶性物質を除去し、濾液を水500mlで希釈した。不溶性物質を濾過して集め、
水、次いでエーテルで洗浄し、フィルター上で風乾した。生成物をクロロホルム
中0〜1%のメタノールの勾配で溶離しながらシリカゲルクロマトグラフィーに
より精製し、エタノールから結晶化させた後、1−t−ブチル−3−〔7−(3
−t−ブチルウレイド)−6−(ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン−2−イル〕尿素0.7gを得た。融点 200℃(分解)。
元素分析値 C23H22Cl2N7O2・0.1 H2O:
理論値:C 54.57,H 5.42,N 19.37,H2O 0.36
実測値:C 54.05,H 5.43,N 19.08,H2O 0.37
実施例 3
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−7−イル〕−3−t−ブチル尿素
実施例2の溶離を継続することにより、エタノールから結晶化後、1−〔2−
アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル
〕−3−t−ブチル尿素1.5gを得た。融点 335℃。
元素分析値 C18H18Cl2N6O・0.5 H2O:
理論値:C 52.18,H 4.62,N 20.28,H2O 2.17
実測値:C 51.90,H 4.56,N 20.01,H2O 2.39
実施例 4
1−t−ブチル−3−〔7−(3−t−ブチルウレイド)−6−o−トリルピリ
ド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル〕尿素
ジメチルホルムアミド10ml中の実施例1のとおり調製した2,7−ジアミノ−6
−o−トリルピリド〔2,3-d〕ピリミジン0.5gの懸濁液を、60%水素化ナトリウ
ム0.16gと反応させ、1.5時間周囲温度で撹拌した。懸濁液にt−ブチルイソシ
アネート0.49mlを添加し、混合物を周囲温度で一夜撹拌した。反応混合物を濾過
して不溶性の塩を除去し、濾液を減圧下に蒸発させた。残存物を水で希釈し、不
溶性の粗生成物を濾過して集め、真空下に乾燥した。ヘキサン:酢酸エチル:ジ
クロロメタン混合物(3:2:5 v/v/v)から結晶化させて標題化合物を得た。
融点 209〜212℃(分解)。
元素分析値 C24H31N7O2・0.3 H2O:
理論値:C 63.36,H 7.00,N 21.55
実測値:C 63.37,H 6.92,N 21.16
実施例 5
1−〔2−アミノ−6−o−トリルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−
3−t−ブチル尿素
2,7−ジアミノ−6−o−トリルピリド〔2,3-d〕ピリミジンを出発物質とし、
実施例2に記載のとおり調製を行って標題化合物1−〔2−アミノ−6−o−ト
リルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素を得た。融
点 285〜290(分解);MS(CI)。
実施例 6
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−7−イル〕−3−t−ブチル尿素
2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
を出発物質とし、実施例2に記載のとおり調製を行って、標題化合物1−〔2−
アミノ−6−(2,6−ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル
〕−3−t−ブチル尿素を得た。融点 203〜205℃(分解);CIMS(メタン中1%
アンモニア)365(M+1,50),366(M+2,10),84(100)。
実施例 7
N−〔2−アセチルアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピ
リミジン−7−イル〕アセトアミド
無水酢酸100ml中の実施例1に記載のとおり調製した2,7−ジアミノ−6−(2,
6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン10gの混合物を2時間還流し
た。反応混合物を室温に戻し、過剰の無水酢酸を真空
下に除去した。残存物をエタノールに溶解し、活性炭処理し、濾過し、一夜0℃
に冷却した。不溶性の粗生成物を濾過して集め、ジエチルエーテルで洗浄し、真
空下に乾燥した。粗生成物を活性炭を用いながら煮沸中の酢酸エチルから結晶化
させ、得られた2.7gの低純度の生成物を熱酢酸エチル中のスラリーとして不溶
性の純粋な生成物(1.2g)を収集することにより更に精製した。融点 223〜225℃
。
元素分析値 C17H13Cl2N5O2:
理論値:C 52.32,H 3.36,N 17.95
実測値:C 51.92,H 3.43,N 17.78
実施例 8
2−アミノ−6−フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−オール
濃塩酸2lおよび水1lよりなる溶液に2,7−ジアミノ−6−フェニルピリド
〔2,3-d〕ピリミジンのジスルフェート塩300gを添加し、形成した混合物を一夜
撹拌しながら還流した。反応混合物を氷浴上で冷却し、濾過し、不溶性の生成物
を水、次いでエタノールで洗浄し、標題化合物2−アミノ−6−フェニルピリド
〔2,3-d〕ピリミジン−7−オール149gを得た。融点 390〜395℃(350℃より高
温で徐々に暗色化)。
実施例 9
N7−ブチル−6−フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
実施例8において調製した2−アミノ−6−フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン−7−オール23.8g、ジクロロメタン250mlおよびジメチルホルムアミド77.
5mlの混合物に温度が15℃未満に維持されるように冷却しながらチオニルクロリ
ド36mlを滴下添加した。添加終了後、懸濁液を5時間撹拌しながら還流下に加熱
した。温度を60℃未満に維持しながら溶媒を真空下に除去した。得られた固体を
n−ブチルアミン250mlに冷
却しながら添加し、懸濁液を撹拌しながら6時間還流した。反応混合物を室温に
戻し、濾過し、揮発性の濾液中成分を真空下ロータリーエバポレーターで除去し
た。粘稠な油状物でジエチルエーテルと水との間を仕切り、層を分離させ、エー
テル層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、蒸
発させた。残存物でジエチルエーテルと希薄1N塩酸との間を仕切った。水性層
をジエチルエーテルで3回洗浄し、水酸化ナトリウムを添加することによりpH 1
2までアルカリ性化した。固体生成物を濾過して集め、真空下に乾燥し、標題化
合物N7−ブチル−6−フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン6.5
gを得た。融点 174〜181℃(分離)。
元素分析値 C17H19N5:
理論値:C 69.60,H 6.53,N 23.87
実測値:C 69.53,H 6.63,N 24.37
実施例 10
2−アミノ−6−(4−メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−オ
ール
2,7−ジアミノ−6−(4−メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン(
米国特許3,534,039号)を出発物質として、実施例8に記載のとおり、標題化合物
を調製した。融点 380〜385℃(分解)。
元素分析値 C14H12N4O2・0.75 H2O:
理論値:C 59.90,H 4.42,N 19.88
実測値:C 60.10,H 4.32,N 19.64
実施例 11
N′−(7−クロロ−6−(4−メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−2−イル)−N,N−ジメチルホルムアミド
実施例10の2−アミノ−6−(4−メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン−7−オール67.0g、ジクロロメタン1lおよびジメチルホルムアミド155m
lの混合物に、温度が15℃未満に維持されるように冷却しながらチオニルクロリ
ド72mlを滴下添加した。懸濁液を6時間撹拌しながら還流下に加熱した。反応混
合物を濾過し、温度を60℃未満に維持しながら濾液を真空下に蒸発させた。得ら
れた残存物を氷水に溶解し、水性水酸化ナトリウムを氷とともに添加した。生成
物をクロロホルムに溶解し、水で洗浄し、無水炭酸カリウム上に乾燥し、蒸発さ
せた。残存物をアセトニトリルでスラリーとし、不溶性の生成物を濾過して収集
し、標題化合物N′−(7−クロロ−6−(4−メトキシフェニル)ピリド〔2,3
-d〕ピリミジン−2−イル)−N,N−ジメチルホルムアミド31gを得た。生成物
はさらに精製することなく次段階に用いた。
実施例 12
2−アミノ−7−クロロ−6−(4−メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン
実施例11のN′−(7−クロロ−6−(4−メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d
〕ピリミジン−2−イル)−N,N−ジメチルホルムアミジン10gおよび95%エタ
ノール500mlの混合物を3時間還流した。溶液を真空下に濃縮し沈殿を濾過して
収集した。エタノールから結晶化させて標題化合物2−アミノ−7−クロロ−6
−(4−メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン2.7gを得た。融点 275
〜280(分解)。
元素分析値 C14H11N4ClO:
理論値:C 58.64,H 3.87,N 19.54
実測値:C 58.70,H 3.94,N 19.51
実施例 13
6−(4−メトキシフェニル)−N7−メチルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−
ジアミン
実施例12の2−アミノ−7−クロロ−6−(4−メトキシフェニル)ピリド〔
2,3-d〕ピリミジン3.4g、無水メチルアミン40mlおよびメタノール10mlの混合物
を4時間スチームバス上のボンベ中で加熱した。冷却後懸濁液をメタノール/水
(50:50)50mlでボンベから洗い出し、溶媒を真空下に蒸発させた。固体残存物
を水50mlでスラリーとし、濾過し、エタノールから結晶化させて標題化合物6−
(4−メトキシフェニル)−N7−メチルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジア
ミン2.2gを得た。
融点 270〜275℃(分解)。
元素分析値 C15H15N5O:
理論値:C 64.03,H 5.37,N 24.90
実測値:C 63.82,H 5.17,N 24.94
実施例 14
2,4−ジアミノ−5−シアノピリジン
テトラヒドロフラン250ml中の6−ブロモ−2,4−ジアミノ−5−シアノピリジ
ン(JACS,80:2838〜2840(1958))21.3gおよび20%Pd/C1gの懸濁液を大気
圧水素下、Parr装置中で振盪した。2時間後反応を停止させ、酢酸カリウム10g
およびメタノール50mlを添加した。反応系を再度水素下に付し、18時間振盪した
。溶媒を減圧下に除去し、残存物をイソプロピルアルコールから結晶化させ標題
化合物2,4−ジアミノ−5−アミノピリジンを得た。融点 201〜202℃。
元素分析値 C6H6N4:
理論値:C 53.73,H 4.51,N 41.78
実測値:C 53.69,H 4.18,N 41.40
実施例 15
2,4−ジアミノニコチンアルデヒド
実施例14の2,4−ジアミノ−5−シアノピリジン13.4g、ラニーニッケル触媒
2g、97〜100%ギ酸40mlおよび水80mlよりなる懸濁液を、必要量の水素が消費
されるまで窒素雰囲気下Parr装置内で振盪した。溶媒を減圧下に除去し、残存物
を濃塩酸17mlで処理した。形成したピンク色の固体を少量の水中のスラリーとし
、濾過し、イソプロピルアルコール、次いでジエチルエーテルで洗浄し、乾燥し
た。エタノールから結晶化させて標題化合物2,4−ジアミノニコチンアルデヒド6
.5gを得た。
元素分析値 C6H8N3ClO:
理論値:C 41.52,H 4.65,N 24.21
実測値:C 41.47,H 4.63,N 24.05
実施例 16
3−o−トリル−〔1,6〕ナフチリジン−2,7−ジアミン
2−エトキシエタノール50mlに溶解したナトリウム0.55gの溶液に2−メチル
フェニルアセトニトリル2.3gおよび実施例15の2,4−ジアミノニコチンアルデヒ
ド3.0gを添加した。反応混合物を6時間還流下に加熱した。不溶性の塩を濾過
して除き2−エトキシエタノールで洗浄した。濾液を活性炭で処理し、濾過し、
蒸発乾固させた。残存物をクロロホルム中0〜8%メタノールの勾配溶離による
フロロジル上のクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物3−o−トリル−
〔1,6〕ナフチリジン−2,7−ジアミン0.7gを得た。融点 200〜201.5℃(分解)
。
元素分析値 C15H14N4:
理論値:C 72.03,H 5.63,N 22.38
実測値:C 71.79,H 5.45,N 22.18
実施例 17
3−(2−クロロフェニル)−〔1,6〕ナフチリジン−2,7−ジアミン
2−クロロフェニルアセトニトリルを2−メチルフェニルアセトニトリルの代
わりに用いて、実施例16で記載したとおり、3−(2−クロロフェニル)−〔1,
6〕ナフチリジン−2,7−ジアミンを調製した。融点175℃(MS)。
実施例 18
3−(2,6−ジクロロフェニル)−〔1,6〕ナフチリジン−2,7−ジアミン
2,6−ジクロロフェニルアセトニトリルを2−メチルフェニルアセトニトリル
の代わりに用いた以外は実施例16と同様にして3−(2,6−ジクロロフェニル)−
〔1,6〕ナフチリジン−2,7−ジアミンを調製した。融点 235〜237℃(分解)。
元素分析値 C14H10N4Cl2:
理論値:C 55.10,H 3.30,N 18.36,Cl 23.24
実測値:C 54.87,H 3.21,N 18.45,Cl 23.04
実施例 19
N2,N7−ジメチル−6−フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
6−フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミンのジスルファメート
塩(米国特許3,534,039号)45gおよびメチルアミン500gの混合物を10時間ボン
ベ中205〜210℃に加熱した。ボンベをメタノールで洗浄し反応混合物と合わせた
。混合物を煮沸加熱し、濾過し、水200mlで希釈した。濾液を真空下に除去し、
残存物を氷水中のスラリーとした。不溶性の物質を濾過し、冷水で洗浄した。固
体をクロロホルムに溶解し、濾過して不純物を除去し、数回水で洗浄した。有機
層を乾燥(炭酸カリ
ウム)し、蒸発させた。生成物をイソプロピルアルコールから結晶化させて標題
化合物N2,N7−ジメチル−6−フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジア
ミン15gを得た。融点 204〜205℃。
元素分析値 C15H15N5:
理論値:C 67.90,H 5.70,N 26.90
実測値:C 67.89,H 5.62,N 26.66
実施例 20
7−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジエチルアミノプロピ
ルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
実施例1の2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン(3.0g)、スルファミン酸(2g)および3−(ジエチルアミノ)プロ
ピルアミン(30ml)の混合物を18時間撹拌しながら還流下に加熱した。反応混合
物を室温に戻し、氷水(500ml)中に注ぎ込んだ。不溶性の生成物を濾過し、水で
洗浄し、温ジイソプロピルエーテル中のスラリーとし、濾過して白色固体を得た
。酢酸エチルから結晶化させて7−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−2
−(3−ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン1.5gを得
た。融点 220〜230℃。
実施例 21
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジエチルア
ミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素
DMF(5ml)中の実施例20の7−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−2
−(3−ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン(0.48g
)の溶液に、60%水素化ナトリウム懸濁液(46mg)を添
加し、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物にt−ブチルイソシアネート
(0.113g)を添加し、混合物を18時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、不溶
性の物質を濾過して集めた。固体を水(20ml)に懸濁し、1.0N塩酸で酸性化し
て溶液を形成した。活性炭を溶液に添加し、懸濁液をセライトで濾過し、水で洗
浄した。濾液を1.0N NaOHで塩基性とし、不溶性の生成物を濾過して集め、水で
洗浄した。生成物の試料180mgを更にC18逆相カラム上の逆相調整用HPLCに付し、
水中0.1%トリフルオロ酢酸86%/アセトニトリル14%〜水中0.1%トリフルオロ
酢酸14%/アセトニトリル86%の勾配溶離を22分間に渡り行なうことにより精製
し、1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジエチル
アミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素165mgを得
た。融点 >80℃(分解)。
元素分析値 C25H33N7O1Cl2・0.22 CF3CO2H:
理論値:C 56.21,H 6.16,N 18.04
実測値:C 56.13,H 6.02,N 18.14
実施例 22
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−7−イル〕−3−エチル尿素
2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジンを
実施例2の一般的な方法に従ってエチルイソシアネートと反応させた。粗生成物
を70%酢酸エチル/30%クロロホルム〜100%クロロホルムの勾配溶離にするラ
ジアルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物1−〔2−アミノ−6−(
2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−エチル
尿素を得た。融点 185〜187℃。
元素分析値 C16H14N6O1Cl2・0.15 EtOAc:
理論値:C 51.07,H 3.92,N 21.52
実測値:C 50.74,H 3.75,N 21.50
実施例 23
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−7−イル〕−3−(3−モルホリン−4−イルプロピル)チオ尿素
2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジンを
実施例21の一般的方法に従って3−モルホリノプロピルイソチオシアネートと反
応させた。粗生成物を塩化メチレン中2〜8%メタノールの勾配溶離によるラジ
アルクロマトグラフィーにより精製して1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロ
ロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−(3−モルホリン
−4−イルプロピル)チオ尿素を得た。融点 178〜181℃(分解)。
元素分析値 C21H23N7O1Cl2:
理論値:C 51.22,H 4.71,N 19.91
実測値:C 50.95,H 4.63,N 19.74
実施例 24
2−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−7−イル〕アミノ−4,5−ジヒドロオキサゾール
DMF(50ml)中の実施例1の2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピ
リド〔2,3-d〕ピリミジン(5.0g)の懸濁液に、NaH(60%)0.65gを少しずつ添加
した。混合物を周囲温度で1時間撹拌し、次に2−クロロエチルイソシアネート
(1.72g)を添加し、混合物を周囲温度で更に18時間撹拌した。反応混合物を水
100mlで希釈し、濾過して不溶性の
粗生成物を得た。粗生成物を塩化メチレン中2〜3%メタノールの勾配溶離によ
るフラッシュクロマトグラフィーで精製し白色固体1.0gを得た。固体をクロロ
ホルム−酢酸エチルからの再結晶により更に精製し、標題化合物2−〔2−アミ
ノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕ア
ミノ−4,5−ジヒドロオキサゾールを得た。反応混合物を更に分析することによ
り1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジ
ン−7−イル〕イミダゾリジン−2−オン、MS(FAB)が存在することがわかっ
た。
元素分析値 C16H13N6O1Cl2・0.12 CHCl3・0.04:
理論値:C 51.22,H 4.71,N 19.91
実測値:C 50.95,H 4.63,N 19.74
実施例 25
1−ブチル−3−〔7−(3−ブチルウレイド)−6−(2,6−ジクロロフェニル
)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル〕尿素
実施例1の2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン0.5gおよびn−ブチルイソシアネート15mlの混合物を2時間還流し
た。反応混合物を室温に戻し、不溶性物質を濾過した。固体をエタノールから数
回結晶させ標題化合物を得た。融点 200〜202℃。
元素分析値 C23H27C12N7O2・0.35 H2O:
理論値:C 54.09,H 5.47,N 19.20
実測値:C 54.09,H 5.27,N 19.14
実施例 26
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−7−イル〕−3−プロピル尿素
実施例1の2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン1.0gをn−プロピルイソシアネート0.339gと反応させることにより
実施例2に記載したとおり標題化合物を調製した。10〜100%酢酸エチル/ヘキ
サンの勾配溶離によるラジアルクロマトグラフィーにより生成物を精製した。MS
(CI)。
元素分析値 C17H16Cl2N6O1・0.43 H2O:
理論値:C 51.17,H 4.26,N 21.06
実測値:C 51.15,H 3.90,N 20.80
実施例 27
7−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジメチルアミノプロピ
ルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
実施例1の2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン3.0gを3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン60mlと反応させること
により実施例20に記載のとおり標題化合物を調製した。
実施例 28
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジメチルアミ
ノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素
実施例21の方法に従って、実施例27の7−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェ
ニル)−2−(3−ジメチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジ
ン1.62gをt−ブチルイソシアネート0.48gと反応させて標題化合物を得た。融
点:130℃より高温で徐々に分解。
元素分析値 C23H29C12N7O1・1.45 H2O:
理論値:C 53.48,H 6.22,N 18.98
実測値:C 53.50,H 5.84,N 18.73
実施例 29
7−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジメチルアミノ−2,2
−ジメチルプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
実施例1の2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン2.0gをN,N,2,2−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン15mlと反応
させて、実施例20に記載のとおり標題化合物を調製した。
実施例 30
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジメチルア
ミノ−2,2−ジメチルプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕
尿素
実施例21の方法に従って、実施例29の7−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニ
ル)−2−(3−ジメチルアミノ−2,2−ジメチルプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d
〕ピリミジン1.0gをt−ブチルイソシアネート0.26gと反応させることにより
標題化合物を得た。
元素分析値 C25H33Cl2N7O1・0.74 H2O:
理論値:C 56.46,H 6.54,N 18.44
実測値:C 56.47,H 6.24,N 18.41
実施例 31
7−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−(2−ピコリン)プロ
ピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
実施例1の2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン2.0gおよび1−(3−アミノプロピル)−2−ピコリン15mlを出発
物質として、実施例20に記載のとおり標題化合物を調製した。
実施例 32
1−t−ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(2−メ
チルピペリジン−1−イル)プロビルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7
−イル}尿素
実施例21に従って、実施例31の7−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−
2−(3−(2−ピコリン)プロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン1.54g
をt−ブチルイソシアネート0.377gと反応させて標題化合物を得た。
元素分析値 C27H35Cl2N7O1:
理論値:C 59.56,H 6.48,N 18.01
実測値:C 59.71,H 6.53,N 17.62
実施例 33
7−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−(4−メチルピペラジ
ン−1−イル)ブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
実施例20の方法に従って、実施例1の2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフ
ェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン2.0gを1−(4−アミノブチル)−4−メ
チルピペラジン15mlと反応させて標題化合物を得た。
実施例 34
1−t−ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔4−(4−メ
チルピペラジン−1−イル)ブチルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−
イル}尿素
実施例21に従って、実施例33の7−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)
−2−(4−(4−メチルピペラジン)ブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン1.07gをt−ブチルイソシアネート0.253gと反応させて標題化合物を得た
。ESMS m/z(相対強度)559(M+,100)
元素分析値 C27H36Cl2N8O1・0.6 H2O:
理論値:C 56.86,H 6.57,N 19.65
実測値:C 56.87,H 6.31,N 19.57
実施例 35
6−(2,6−ジクロロフェニル)−N7−(5,6−ジヒドロ−4H−〔1,3〕オキサ
ジン−2−イル)−N2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル〕
ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
ジメチルホルムアミド10ml中の実施例36の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2
−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル〔2,3-d〕ピリミジン−2
,7−ジアミン1.0gの溶液に、水素化ナトリウム(油中60%、0.094g)を添加し、
混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物に3−クロロプロピルイソシア
ネート0.268gを添加し、混合物を18時間周囲温度で撹拌した。反応混合物を水
で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)し、濾
過し、蒸発させた。粗生成物を、酢酸エチル/メタノール/トリエチルアミン(
89:10:1v/v/v)を溶離剤とするラジアルクロマトグラフィーにより2回精製
し、標題化合物を得た。ESMS m/z(相対強度)529.4(M+,100)
実施例 36
N2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル〕−6−(2,6−ジクロ
ロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
実施例1の2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン(3.0g)、スルファミン酸(1.9g)および1−(3−アミノプロピル)
−4−メチルピペラジン(15ml)の混合物を24時間約150℃に加熱した。冷却後
、残存物を水に溶解した。水溶液を重炭酸ナトリウム飽和溶液でアルカリ性とし
、数回ジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン層を合わせ、硫酸マグネシウ
ム上で乾燥し、真空下に濃
縮した。残存物を酢酸エチルから再結晶させ、6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2
−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリ
ミジン−2,7−ジアミン2.0gを得た。CIMS(CH4中1% NH3):474=M++C2H5,44
6=M++H(塩基);融点 208〜211℃。
元素分析値 C21H25N7Cl2・0.25 H2O:
理論値:C 55.94,H 5.70,N 21.75
実測値:C 55.85,H 5.55,N 21.65
実施例 37
1−シクロヘキシル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−
メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7
−イル}尿素
DMF(15ml)中の実施例36の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−〔3−(4−
メチルピペラジン−1−イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジ
アミン(1.0g)の溶液に60%水素化ナトリウム懸濁液1当量(0.90g)を添加
した。室温で約1時間撹拌した後、シクロヘキシルイソシアネート1当量(0.19
g)を添加し、薄層クロマトグラフィーにより反応をモニタリングした。約24時
間後、溶媒を真空下に除去した。残存物を酢酸エチルに溶解し、この溶液を数回
、まず水で、次に塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄した。酢酸エチル層を硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、真空下に濃縮した。残存物を酢酸エチル:エタノール:トリ
エチルアミン(9:2:1 v/v/v)を用いたシリカゲル上のクロマトグラフィー
に付し、1−シクロヘキシル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3
−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピ
リミジン}−7−イル}尿素0.75gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% A
cOH):M++H=571;融点 101〜106.5
℃。
元素分析値 C28H36N8Cl2O2・0.50 H2O:
理論値:C 57.93,H 6.42,N 19.30,Cl 12.12,H2O 1.55
実測値:C 58.06,H 6.32,N 18.91,Cl 12.11,H2O 1.68
実施例 38
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペリジン−1
−イルプロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−イソプ
ロピル尿素
実施例36の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−〔3−(4−メチルピペラジ
ン−1−イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(1.09g
)を実施例37の一般的方法に従って8時間イソプロピルイソシアネート0.19gと
反応させて1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペ
ラジン−1−イルプロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−
3−イソプロピル尿素0.291gを得た。MS(ES+20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH
):M++H=531;融点 94〜98℃。
元素分析値 C25H32N8Cl2O・0.75 H2O/0.10 EtOAc:
理論値:C 55.09,H 6.24,N 20.23,Cl 12.80,H2O 2.44
実測値:C 55.14,H 6.19,N 20.03,Cl 13.17,H2O 2.14
実施例 39
1−ベンジル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチ
ルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−
イル〕尿素
実施例36の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−〔3−(4−メチルピペラジ
ン−1−イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−
ジアミン(1.08g)を実施例37の一般的方法に従ってベンジルイソシアネート0.
298gと反応させて1−ベンジル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−
〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン−7−イル〕尿素0.822gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1%
AcOH):M++H=579; 融点 144〜148.5℃。
元素分析値 C29H32N8Cl2O・0.10 H2O・0.10 Et2O:
理論値: C 59.98,H 5.68,N 19.03,Cl 12.04,H2O 0.31
実測値: C 59.60,H 5.63,N 18.87,Cl 12.25,H2O 0.49
実施例 40
1−アリル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチル
ピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イ
ル}尿素
実施例36の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−〔3−(4−メチルピペラジ
ン−1−イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(1.0g)を
実施例37の一般的方法に従ってアリルイソシアネート0.186gと反応させた。生
成物をクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチルから結晶化させて1−アリ
ル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン
−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}尿素0.3
1gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=529(塩基),472
,466;融点 104〜108℃。
元素分析値 C25H30N8Cl2O・1.00 H2O:
理論値:C 54.85,H 5.89,N 20.47,Cl 12.95,H2O 3.29
実測値:C 55.08,H 5.68,N 20.33,Cl 12.65,H2O 3.60
実施例 41
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1
−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−(4−
メトキシフェニル)尿素
実施例36の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−〔3−(4−メチルピペラジ
ン−1−イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(1.0g)
を実施例37の一般的方法に従って4−メトキシフェニルイソシアネート(0.334
g)と反応させ、1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メ
チルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7
−イル}−3−(4−メトキシフェニル)尿素1.16gを得た。ESMS(20/80 MeOH/
CH3CN+0.1%AcOH):M++H=595;融点 93.5〜100.5℃。
元素分析値 C29H32N8Cl2O2・0.40 H2O・0.10 EtOAc:
理論値:C 57.74,H 5.54,N 18.32,Cl 11.59,H2O 1.18
実測値:C 58.04,H 5.51,N 18.15,Cl 11.25,H2O 1.38
実施例 42
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1
−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−(3−
メトキシフェニル)尿素
実施例36の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−〔3−(4−メチルピペラジ
ン−1−イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(1.0g)
を実施例37の一般的方法に従って3−メトキシフェニルイソシアネート0.334g
と反応させて、1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチ
ルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−
イル}−3−(3−メトキ
シフェニル)尿素0.920gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1%AcOH):M++
H=595;融点 87.5〜92.5℃。
元素分析値 C29H32N8Cl2O2・0.50 H2O:
理論値:C 57.62,H 5.50,N 18.54,Cl 11.73,H2O 1.49
実測値:C 57.93,H 5.62,N 18.47,Cl 11.66,H2O 1.10
実施例 43
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1
−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−(2−
メトキシフェニル)尿素
実施例36の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−〔3−(4−メチルピペラジ
ン−1−イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(1.0g)
を実施例37の一般的方法に従って2−メトキシフェニルイソシアネート0.334g
と反応させて、1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチ
ルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−
イル}−3−(2−メトキシフェニル)尿素0.9232gを得た。ESMS(20/80 MeOH
/CH3CN+0.1%AcOH):M++H=595;融点 152.5〜154℃。
元素分析値 C29H32N8Cl2O2:
理論値:C 58.49,H 5.42,N 18.82,Cl 11.91
実測値:C 58.42,H 5.56,N 18.59,Cl 11.82
実施例 44
1−(4−ブロモフェニル)−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3
−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリ
ミジン−7−イル}尿素
実施例36の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−〔3−(4−メチル
ピペラジン−1−イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
(1.0g)を実施例37の一般的方法に従って4−ブロモフェニルイソシアネート0.4
4gと反応させて1−(4−ブロモフェニル)−3−{6−(2,6−ジクロロフェ
ニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリ
ド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}尿素0.97gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3C
N+0.1% AcOH+DMSO):M++H=645;融点 171〜175℃。
元素分析値 C28H29N8Cl2OBr:
理論値:C 52.19,H 4.54,N 17.39,Cl 11.00,Br 12.40
実測値:C 51.93,H 4.71,N 17.14,Cl 10.81,Br 12.18
実施例 45
1−(4−クロロフェニル)−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3
−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリ
ミジン−7−イル}尿素
実施例36の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−〔3−(4−メチルピペラジ
ン−1−イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(1.0g)を
実施例37の一般的方法に従って4−クロロフェニルイソシアネート0.344gと反
応させて1−(4−クロロフェニル)−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2
−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d
〕ピリミジン−7−イル}尿素0.842gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1%
AcOH+DMSO):M++H=601;融点 175.5〜181℃。
元素分析値 C28H29N8Cl3O:
理論値:C 56.06,H 4.87,N 18.68,Cl 17.73
実測値:C 56.11,H 5.14,N 18.47,Cl 17.67
実施例 46
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−
1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−p
−トリル尿素
実施例36の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−〔3−(4−メチルピペラジ
ン−1−イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミンを実施例3
7の一般的方法に従って4−トリルイソシアネート0.29gと反応させて標題化合
物0.9492gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=579。
元素分析値 C29H32N8Cl2O・0.30 H2O+0.20 EtOAc:
理論値:C 59.40,H 5.72,N 18.60,Cl 11.77,H2O 0.90
実測値:C 59.69,H 5.61,N 18.41,Cl 11.50,H2O 1.31
実施例 47
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1
−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−オク
チル尿素
実施例36の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−〔3−(4−メチルピペラジ
ン−1−イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(1.0g)を
実施例21の一般的方法に従ってオクチルイソシアネート0.348gと反応させた。
まず酢酸エチル:メチルアルコール:トリエチルアミン(90:10:1)次いで酢
酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(9:2:1)を溶離剤とするクロマ
トグラフィーにより標題化合物1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3
−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリ
ミジン−7−イル}−3−オクチル尿素1.011gを得た。ESMS(20/80 MeOH/
CH3CN+0.1% AcOH):M++H=601;融点 54.5〜57.5℃。
元素分析値 C30H42N8Cl2O・0.75H2O:
理論値:C 58.58,H 7.13,N 18.22,Cl 11.53,H2O 2.20
実測値:C 58.51,H 7.13,N 18.13,Cl 11.55,H2O 2.32
実施例 48
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1
−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−(4
−トリフルオロメチルフェニル)尿素
実施例36の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−〔3−(4−メチルピペラジ
ン−1−イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミンを実施例3
7の一般的方法に従ってトリフルオロ−p−トリルイソシアネートと反応させた
。まず酢酸エチル:メチルアルコール:トリエチルアミン(90:10:1)次いで
酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(9:2:1)を溶離剤とするクロ
マトグラフィーにより標題化合物1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔
3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピ
リミジン−7−イル}−3−(4−トリルフルオロメチルフェニル)尿素0.8650
gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=633;融点145.5〜
151℃。
元素分析値 C29H29N8Cl2F3O・0.50 H2O:
理論値:C 54.21,H 4.71,N 17.44,Cl 11.04,F 8.87,H2O 1.40
実測値:C 54.39,H 4.59,N 17.28,Cl 11.10,F 9.17,H2O 1.61
実施例 49
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1
−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−
イル}−3−エチル尿素
実施例36の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−〔3−(4−メチルピペラジ
ン−1−イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミンを実施例3
7の一般的方法に従ってエチルイソシアネート0.159gと反応させて、1−{6−
(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)
プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−エチル尿素0.8
6gを得た。MS(ES+20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=517;融点 82
〜90℃。
元素分析値 C24H30N8Cl2O・1.00 H2O:
理論値:C 53.83,H 6.02,N 20.93,Cl 13.24,H2O 3.26
実測値:C 53.94,H 6.07,N 20.53,Cl 13.14,H2O 3.28
実施例 50
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1
−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−ナフタ
レン−1−イル尿素
実施例36の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−〔3−(4−メチルピペラジ
ン−1−イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(1.0g)を
実施例37の一般的方法に従って1−ナフチルイソシアネート0.378gと反応させ
た。まず酢酸エチル:メチルアルコール:トリエチルアミン(90:10:1)次い
で酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(9:2:1)を溶離剤とするク
ロマトグラフィーにより標題化合物1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−
〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン−7−イル}−3−ナフタレン−1−イル尿素0.97gを得た。ESMS(2
0/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=615(塩基)、446;融点
186.5〜189℃。
元素分析値 C32H32N8Cl2O・0.10 H2O:
理論値:C 62.26,H 5.26,N 18.15,Cl 11.49,H2O 0.29
実測値:C 62.25,H 5.26,N 18.38,Cl 11.39,H2O 0.51
実施例 51
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1
−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−フェニ
ル尿素
DMF(160ml)中の実施例36の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−〔3−(
4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7
−ジアミン(13.0g)を実施例37の一般的方法に従って60%水素化ナトリウム懸濁
液(1.16g)およびフェニルイソシアネート(3.47g)と反応させた。クロマト
グラフィーに付した生成物を酢酸エチルから再結晶させて標題化合物1−{6−
(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)
プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−フェニル尿素1
0.78gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=565。
元素分析値 C28H30N8Cl2O・0.30 H2O・0.20 EtOAc:
理論値:C 58.78,H 5.51,N 19.04,Cl 12.05,H2O 0.92
実測値:C 58.72,H 5.55,N 18.84,Cl 11.98,H2O 1.01
実施例 52
1−t−ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メ
チルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7
−イル}尿素
実施例36の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−〔3−(4−メチル
ピペラジン−1−イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
(1.0g)を実施例21の一般的方法に従って1.5時間t−ブチルイソシアネート0.
22gと反応させ、標題化合物1−t−ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェ
ニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド
〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}尿素0.85gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):545
=M++H,544=M+,446,84(塩基);融点 97.5℃(分解)。融解 106〜109℃。
元素分析値 C26H34N8Cl2O:
理論値:C 57.25,H 6.28,N 20.25
実測値:C 56.91,H 6.31,N 20.30
実施例 53
6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−(4−ジエチルアミノブチル)ピリド〔2,3
-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
実施例1の2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン(40g)、スルファミン酸(25.4g)およびジエチルアミノブチルア
ミン(205ml)の混合物を28時間約150℃に加熱した。反応温度を50℃に低化させ
、過剰のジエチルアミノブチルアミンを真空下に除去した。25℃に冷却した後、
残存物を水に懸濁した。水溶液を重炭酸ナトリウム飽和溶液でアルカリ性とし数
回ジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン層を合わせまず重炭酸ナトリウム
飽和溶液で、次いで塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上に乾
燥し真空下に濃縮した。残存物をジエチルエーテルで反復して洗浄し、次に酢酸
エチルから結晶化させた。再結晶生成物を更に、まず酢酸エチル:メチルアルコ
ール:トリエチルアミン(85:14:1)次いで酢酸エチル:エチルアルコール:
トリエチルアミン(9:2:1)を溶離剤とするカラ
ムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物6−(2,6−ジクロロフェニル)
−N2−(4−ジエチルアミノブチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミ
ン36.2gを得た。CIMS(CH4中1%N3):461=M++C2H5,433=M++H(塩基),417
,403,360。
元素分析値 C21H26N6Cl2:
理論値:C 58.20,H 6.05,N 19.39,Cl 16.36
実測値:C 58.11,H 6.21,N 19.09,Cl 16.55
実施例 54
1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−ジエチルアミノブチルアミ
ノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−フェニル尿素
DMF(15ml)中の実施例53の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−(4−ジエチ
ルアミノブチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(1.0g)の溶液
に1当量の60%水素化ナトリウム懸濁液(0.93g)を添加した。室温で約1時間撹
拌した後、1当量のフェニルイソシアネート(0.275g)を添加し、反応を薄層ク
ロマトグラフィーでモニタリングした。約24時間後、溶媒を真空下に除去した。
残存物を酢酸エチルに溶解し、この溶液をまず水、次いで塩化ナトリウム飽和溶
液で反復して洗浄した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下に濃
縮した。残存物を、酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン(90:10:1)
次いで酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(9:2:1)を溶離剤とす
るシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し標題化合物1−〔6−(2,6−ジク
ロロフェニル)−2−(4−ジエチルアミノブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピ
リミジン−7−イル〕−3−フェニル尿素0.8461gを得た。ESMS(20/80 MeOH/
CH3CN+0.1% AcOH):M++H=
552(塩基),433;融点 81〜87.5℃。
元素分析値 C28H31N7Cl2O・0.25 H2O:
理論値:C 60.38,H 5.70,N 17.60,Cl 12.73,H2O 0.81
実測値:C 60.24,H 5.61,N 17.42,Cl 12.61,H2O 0.54
実施例 55
1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−ジエチルアミノブチルアミノ
)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−エチル尿素
DMF(75ml)中の実施例53の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−(4−ジエチ
ルアミノブチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(5.0g)を実施例5
4の一般的方法に従って60%水素化ナトリウム懸濁液(0.461g)およびエチルイ
ソシアネート(0.820g)と反応させた。酢酸エチル:エタノール:トリエチル
アミン(9:2:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより標題化合物1−
〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−ジエチルアミノブチルアミノ)ピ
リド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−エチル尿素4.26gを得た。ESMS(20
/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=504(塩基),433。
実施例 56
1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−ジエチルアミノブチルアミノ
)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−エチル尿素塩酸塩
水(250ml)中の実施例55の1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4
−ジエチルアミノブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−
エチル尿素(3.253g)の溶液に1当量の1N塩酸(6.44ml)を添加した。固体が溶
解するまで溶液を室温で撹拌し、濾過し、そして凍結した。凍結乾燥により1−
〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−
2−(4−ジエチルアミノブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イ
ル〕−3−エチル尿素の塩酸塩3.63gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+1%
AcOH):M++H=504;融点 >50℃(分解)。
元素分析値 C24H31N7Cl2O・1.10 HCl・2.20 H2O:
理論値:C 49.34,H 6.30,N 16.78,Cl合計 18.81,Clイオン 6.67,H2O 6.7
8
実測値:C 49.61,H 6.21,N 16.75,Cl合計 18.70,Clイオン 6.68,H2O 6.8
8
実施例 57
1−シクロヘキシル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−ジエチ
ルアミノブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素
DMF(15ml)中の実施例53の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−(4−ジエチ
ルアミノブチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(1.0g)を実施例54
の一般的方法に従って60%水素化ナトリウム懸濁液(0.092g)およびシクロヘキ
シルイソシアネート(0.289g)と反応させ標題化合物0.927gを得た。ESMS(20
/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=558,433。
元素分析値 C28H37N7Cl2O・0.10 H2O:
理論値:C 60.02,H 6.69,N 17.50,Cl 12.65,H2O 0.32
実測値:C 59.75,H 6.69,N 17.41,Cl 12.71,H2O 0.40
実施例 58
6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−(3−モルホリン−4−イルプロピル)ピ
リド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
実施例1の2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド
〔2,3-d〕ピリミジン(4.00g)、スルファミン酸(2.53g)およびアミノプロ
ピルモルホリン(30ml)の混合物を実施例53と同様にして反応させた。この例で
は粗製の残存物を熱酢酸エチル、次いでジエチルエーテルで洗浄し、標題化合物
6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−(3−モルホリン−4−イルプロピル)ピ
リド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン3.95gを得た。CIMS(CH4中1%NH3)
:461=M++C2H5,433=M++H(塩基),346,332; 融点 224〜230.5℃。
元素分析値 C20H22N6Cl2O:
理論値:C 55.43,H 5.12,N 19.39
実測値:C 55.12,H 5.12,N 19.14
実施例 59
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−モルホリン
−4−イルプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素
DMF(15ml)中の実施例58の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−(3−モルホ
リン−4−イルプロピル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(1.0g
)の溶液に1当量の60%水素化ナトリウム懸濁液(0.92g)を添加した。室温で約
1時間撹拌した後、1当量のt−ブチルイソシアネート(0.230g)を添加し、反
応を薄層クロマトグラフィーでモニタリングした。約4時間後、溶媒を真空下に
除去した。残存物で酢酸エチルと水を仕切った。水性層を数回酢酸エチルで洗浄
した。酢酸エチル層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下に濃縮した。
残存物を、酢酸エチル次いで酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(18:
2:1)を溶離剤とするシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し標題化合物1
−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−
(3−モルホリン−4−イルプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7
−イル〕尿素0.98gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):532=M++H,531=M+,433
,84(塩基); 融点 236〜240℃。
元素分析値 C25H31N7Cl2O2・0.25 EtOAc:
理論値:C 56.32,H 6.00,N 17.68
実測値:C 56.48,H 6.06,N 17.63
実施例 60
6−(2,6−ジブロモフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
2−エトキシエタノール11.0ml中の60%水素化ナトリウム懸濁液0.23gの溶液
に2,6−ジブロモフェニルアセトニトリル4.18gおよび2,4−ジアミノピリミジン
−5−カルボキシアルデヒド2.00gを添加した。反応混合物を4時間還流し、冷
却し、氷水に注ぎ込んだ。残存物をアセトニトリル次いでジエチルエーテルで洗
浄し、6−(2,6−ジブロモフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミ
ン3.62gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):422=M++C2H5,396(塩基),394=M++
H,393=M+; 融点 284〜289℃。
元素分析値 C13H9N5Br2:
理論値:C 39.52,H 2.30,N 17.73
実測値:C 39.20,H 2.27,N 17.77
実施例 61
6−(2,6−ジブロモフェニル)−N2−〔3−ジエチルアミノプロピル〕ピリド
〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
実施例60の6−(2,6−ジブロモフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7
−ジアミン(1.0g)、スルファミン酸(0.49g)およびジエチ
ルアミノプロピルアミン(8.0ml)の混合物を実施例53に記載のとおり5時間反応
させて後処理し、標題化合物6−(2,6−ジブロモフェニル)−N2−(3−ジエチ
ルアミノプロピル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン0.79gを得た。
CIMS(CH4中1%NH3):507=M++H,506=M+,112(塩基); 融点 226〜230℃
。
元素分析値 C20H24N6Br2:
理論値:C 47.26,H 4.76,N 16.53
実測値:C 47.61,H 4.69,N 16.40
実施例 62
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジブロモフェニル)−2−(3−ジエチルア
ミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素
実施例61の6−(2,6−ジブロモフェニル)−N2−〔3−ジエチルアミノプロピ
ル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(0.34g)を実施例54記載の一
般的方法でt−ブチルイソシアネート0.066gと反応させた。粗製の残存物を酢
酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(9:2:1)を用いた薄層クロマトグ
ラフィー、次いで0.1%トリフルオロ酢酸/水および0.1%トリフルオロ酢酸/ア
セトニトリルの勾配溶離によるVydac 218 TP 1022逆相カラムを用いた調整用HPL
Cクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物0.214gを得た。ESMS(20/80 ME
OH/CH3CN+0.1% AcOH):606=M++H; 融点 >45℃(分解)。
元素分析値 C25H33N7Br2O・2.50 TFA・H2O:
理論値:C 39.58,H 4.15,N 10.77
実測値:C 39.54,H 3.82,N 10.49
実施例 63
6−(2,6−ジフルオロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
6−(2,6−ジフルオロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミ
ンを上記実施例60に記載のとおり2,6−ジフルオロフェニルアセトニトリル4.65
gを用いて調製した。CIMS(CH4中1%NH3):414=M++C3H5,302=M++C2H5,27
4=M++H(塩基),273=M+,254=M+−F;融点 >300℃。
元素分析値 C13H9N5F2:
理論値:C 57.14,H 3.32,N 25.63
実測値:C 57.30,H 3.52,N 25.62
実施例 64
6−(2,6−ジメトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
6−(2,6−ジメトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
を上記実施例60に記載のとおり、ただし2,6−ジブロモフェニルアセトニトリル
の代わりに2,6−ジメトキシベンジルアセトニトリルを用いて、3時間反応させ
て生成物をエチルアルコールから結晶化させることにより調製した。CIMS(CH4中
1%NH3):326=M++C2H5,298=M++H(塩基),297=M+,266=M+−OMe; 融
点 >300℃。
元素分析値 C15H15N5O2・0.50 H2O:
理論値:C 58.82,H 5.26,N 22.86
実測値:C 58.81,H 5.04,N 22.54
実施例 65
6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−(2−ジエチルアミノエチル)ピリド〔2,3
-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
実施例1の2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン(4.0g)、スルファミン酸(2.53g)およびジエチルアミノエチル
アミン(40ml)の混合物を20時間約150℃で反応させた。過剰なジエチルアミノエ
チルアミンを真空下に除去した。得られた油状物をジエチルエーテルに溶解し、
ヘキサンで希釈し、次に濾過した。得られた固体をジクロロメタンに溶解し、数
回水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下に濃縮した。残存物を酢酸エ
チルから結晶化させ、標題化合物6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−(ジエ
チルアミノエチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミンを得た。CIMS(C
H4中1%NH3):433=M++C2H5,405=M++H,389=M+−Et,360; 融点216〜219
.5℃。
元素分析値 C19H22N6Cl2:
理論値:C 56.30,H 5.47,N 20.73
実測値:C 56.31,H 5.39,N 20.46
実施例 66
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(2−ジエチルア
ミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素
DMF(10ml)中の実施例65の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−(2−ジエチ
ルアミノエチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(1.0g)を実施例5
4記載の一般的方法で1時間60%水素化ナトリウム懸濁液(0.099g)およびt−
ブチルイソシアネート(0.244g)と反応させた。酢酸エチル:エタノール:ト
リエチルアミン(18:2:1)を用いたクロマトグラフィーにより標題化合物1
−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(2−ジエチルア
ミノエチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素0.76gを得た
。CIMS(CH4
中1%NH3):504=M++H,84(塩基);融点 94.5〜96.5℃。
元素分析値 C24H31N7Cl2O:
理論値:C 57.14,H 6.19,N 19.44
実測値:C 56.94,H 6.18,N 19.22
実施例 67
1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(2−ジエチルアミノエチルアミノ
)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−エチル尿素
DMF(10ml)中の実施例65の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−(2−ジエチ
ルアミノエチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(1.0g)を実施
例54記載の一般的方法で60%水素化ナトリウム懸濁液(0.099g)およびエチル
イソシアネート(0.175g)と反応させて標題化合物1−〔6−(2,6−ジクロロ
フェニル)−2−(2−ジエチルアミノエチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジ
ン−7−イル〕−3−エチル尿素0.86gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):476=M+
+H,86(塩基);融点 86.5〜89.5℃。
元素分析値 C22H23N7Cl2O:
理論値:C 55.47,H 5.71,N 20.58
実測値:C 55.18,H 5.74,N 20.20
実施例 68
6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−(3−ジメチルアミノプロピル)−N2−
メチルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
実施例1の2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン(4.0g)、スルファミン酸(2.53g)およびN,N,N′−トリメチル−1,3
−プロパンジアミン(20ml)の混合物をボンベ中まず165℃で16時間次いで225℃で
16時間加熱した。冷却後反応混合物を真空
下に濃縮した。残存物を希薄重炭酸ナトリウムとジクロロメタンとの間に分配し
た。水溶液をジクロロメタンで数回抽出した。ジクロロメタン層を合わせ、濾過
し、真空下に濃縮した。残存物を酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(
9:3:1)を用いたクロマトグラフィーに付し標題化合物6−(2,6−ジクロ
ロフェニル)−N2−(3−ジメチルアミノプロピル)−N2−メチルピリド〔2,3-
d〕ピリミジン−2,7−ジアミンを得た。
実施例 69
1−t−ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔(3−ジメチル
アミノプロピル)メチルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素
DMF(7.0ml)中の実施例68の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−(3−ジメ
チルアミノプロピル)−N2−メチルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(
0.38g)を実施例54記載の一般的方法で60%水素化ナトリウム懸濁液(0.022g)
およびt−ブチルイソシアネート(0.093g)と反応させ、標題化合物1−t−
ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔(3−ジメチルアミノプロ
ピル)メチルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素0.25gを得た
。CIMS(CH4中1%NH3):504=M++H,84(塩基);融点76℃(分解),87.5〜91℃
(融解)。
元素分析値 C24H31N7Cl2O・0.25 H2O:
理論値:C 56.64,H 6.24,N 19.26
実測値:C 56.55,H 6.07,N 18.94
実施例 70
2−({3−〔7−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピ
リミジン−2−イルアミノ〕プロピル}−エチルアミノ)エタノール
実施例1の2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン(3.0g)、スルファミン酸(1.9g)およびN1−エチル−N1−(2−ヒ
ドロキシエチル)プロピレンジアミン(10.0g)(J.Med.Chem.,11(3):583-591,
(1968))の混合物を実施例36の一般的方法に従って18時間反応させた。この例で
は残存物を酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(9:3:1)を用いた
クロマトグラフィーに付し標題化合物2−({3−〔7−アミノ−6−(2,6−ジ
クロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イルアミノ〕プロピル}−エ
チルアミノ)エタノール2.71gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):463=M++C2H5,43
5=M++H,346(塩基);融点 201〜204℃。
元素分析値 C20H24N6Cl2O:
理論値:C 55.18,H 5.56,N 19.30
実測値:C 55.11,H 5.53,N 19.09
実施例 71
4−アミノ−2−フェニルアミノピリミジン−5−カルボニトリル
テトラヒドロフラン(40.0ml)およびジイソプロピルエチルアミン(4.60g)中
のアニリン(3.31g)の溶液にテトラヒドロフラン(5.0ml)中の4−アミノ−
2−クロロピリミジン−5−カルボニトリル(5.00g)の溶液を添加した。反応混
合物を還流下に加熱した。3日後に、更にアニリン(6.02g)およびジイソプロ
ピルエチルアミン(8.36g)を反応系に添加した。24時間後、反応混合物を真空
下に濃縮し、残存物を酢酸
エチルとの間に分配した。酢酸エチル層を二回水で洗浄し、次にガラス線維フィ
ルターで濾過して存在する乳液を分散させた。濾液を水、次いで塩化ナトリウム
飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下に濃縮した。残存物をジ
エチルエーテルで洗浄して標題化合物6.00gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):252
=M++C3H5,240=M++C2H5,212=M++H(塩基),211=M+。
元素分析値 C11H9N5:
理論値:C 62.55,H 4.29,N 33.16
実測値:C 62.85,H 4.47,N 33.18
実施例 72
4−アミノ−2−フェニルアミノピリミジン−5−カルボキシアルデド
実施例71で得られた4−アミノ−2−フェニルアミノピリミジン−5−カルボ
ニトリル(2.00g)を湿性ラニーニッケル(2.00g)、98%ギ酸(60ml)および
水(40ml)と共にParr振盪器中で合わせた。反応混合物を水素(42psi)下に付し
、20分間振盪した。反応混合物を濾過し、濾液を真空下に濃縮した。残存物を水
中に懸濁し、重炭酸ナトリウム飽和溶液で塩基性とし、酢酸エチルで3回抽出し
た。水層をガラス線維フィルターで濾過し、存在する乳液を分散させた。水性の
濾液を酢酸エチルで洗浄した。酢酸エチル洗液を合わせ、濾過し、塩化ナトリウ
ム飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下に濃縮した。酢酸エチ
ル:ヘキサン(2:1)を溶離剤とするシリカゲル上のクロマトグラフィーに付
し、標題化合物0.73gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):243=M++C2H5,215=M++
H(塩基),214=M+。
元素分析値 C11H10N4O:
理論値:C 61.67,H 4.71,N 26.15
実測値:C 61.79,H 4.71,N 26.11
実施例 73
6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,
7−ジアミン
2−エトキシエタノール2.00ml中の60%水素化ナトリウム懸濁液0.022gの溶
液に、2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル0.46gおよび実施例72の4−アミ
ノ−2−フェニルアミノピリミジン−5−カルボキシアルデヒド0.50gを添加し
た。反応混合物を4時間還流し、冷却し、水に注ぎ込み、数回ジクロロメタンで
抽出した。ジクロロメタン洗液を合わせ、塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥し、真空下に濃縮した。残存物をジエチルエーテルで洗浄
し、標題化合物0.61gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):410=M++C2H5,382=M++
H,381=M+。
上記した化合物を実施例52の方法に従ってt−ブチルイソシアネートと反応さ
せ1−t−ブチル−3−〔〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−フェニルア
ミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素を得た。
実施例 74
4−アミノ−2−メチルスルファニルピリミジン−5−カルボン酸エチルエステ
ル
エタノール(200ml)中のエチル4−クロロ−2−メチルチオ−5−ピリミジ
ンカルボキシレート(25g)の懸濁液に、30%水酸化アンモニウム(38ml)を添
加した。室温で5時間撹拌した後、反応混合物を真空下に濃縮した。残存物を水
中に懸濁させ、濾過した。フィルターパット
を水、次いでジエチルエーテルで洗浄し、標題化合物17.68gを得た。CIMS(CH4
中1%NH3):242=M++C2H5,214=M++H(塩基),213=M+,168=M+−OEt。
元素分析値 C8H11N3SO2:
理論値:C 45.06,H 5.20,N 19.70
実測値:C 44.84,H 5.14,N 19.64
実施例 75
4−アミノ−2−メチルスルファニルピリミジン−5−イルメタノール
テトラヒドロフラン(50ml)中のリチウムアルミニウムハイドライド(1.45g)
の懸濁液に、テトラヒドロフラン(120ml)中の実施例74の4−アミノ−2−メ
チルスルファニルピリミジン−5−イルメタノール(5.00g)の溶液を滴下添加
した。1時間室温で撹拌した後、反応を水(1.5ml)、15%水酸化ナトリウム(1.5
ml)最後に再度水(4.5ml)でクエンチした。反応混合物を濾過し、フィルター
パッドをテトラヒドロフランで洗浄した。濾液を真空下に濃縮して標題化合物3.
83gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):200=M++C2H5,172=M++H(塩基),171=M+
,154=M+−OH。
実施例 76
4−アミノ−2−メチルスルファニルピリミジン−5−カルボキシアルデヒド
クロロホルム(150ml)中の実施例76の粗製の4−アミノ−2−メチルスルファ
ニルピリミジン−5−イルメタノール(1.5g)の溶液に、二酸化マンガン(5.67
g)を少しずつ3分間かけて添加した。室温で6時間後、反応混合物をセライト
で濾過した。フィルターパッドをクロロホル
ム次いで酢酸エチルで洗浄した。濾液を合わせ、真空下に濃縮して標題化合物1.
40gを得た。
実施例 77
6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−メチルスルファニルピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン−7−イルアミン
ジメチルホルムアミド(5ml)中の2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル(0.5
5g)の溶液に60%水素化ナトリウム懸濁液1当量(0.12g)を添加した。10分
後、実施例76で得た4−アミノ−2−メチルスルファニルピリミジン−5−カル
ボアルデヒド(0.50g)を添加した。室温で一夜撹拌した後、反応を水でクエン
チした。水溶液を1N塩酸でpH7まで下げ、数回ジクロロメタンで抽出した。合
わせたジクロロメタン層を塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥し、真空下に濃縮した。この残存物を酢酸エチル:ヘキサン(2:1)を
用いたシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、標題化合物0.32gを得た。CI
MS(CH4中1%NH3):365=M++C2H5,337=M++H(塩基),336=M+。
実施例 78
N′−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−{3−(ジエチルアミノ)プロピ
ルアミノ}ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−N,N′−ジメチルホルムア
ミジン
DMF 0.8ml中の実施例20の7−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔
3−(ジエチルアミノ)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン210mg(1
ミリモル)の懸濁液にDMFジメチルアセタール0.8mlを添加した。混合物を5.5時
間室温で撹拌し、次に真空下に濃縮した。残存する油状物をジクロロメタンと水
との間に分配した。有機相を硫酸
マグネシウム上に乾燥し、次に濃縮してガラス状物とし、これをアセトニトリル
から結晶化してN′−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−{3−(ジエチル
アミノ)プロピルアミノ}ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−N,N′−ジ
メチルホルムアミジン160mg(68%)を得た。融点 100〜104℃。CIMS(メタン中
1%アンモニア):m/z(相対強度)476(MH++2,60),474(MH+,94),361(100)
。
元素分析値 C23H29Cl2N7・0.4 H2O:
理論値:C 57.36,H 6.24,N 20.36
実測値:C 57.28,H 6.05,N 20.07
実施例 79
N′−〔7−(3−t−ブチルウレイド)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリ
ド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル〕−N,N−ジメチルホルムアミジン
実施例3の1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素を実施例78に記載のとおり13.5時
間DMFジメチルアセタールと反応させた。上記したとおり後処理し、順次100:0
、3:1、1:1次いで0:100ジクロロメタン:酢酸エチルを溶離剤とするフ
ラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、得られた固体を2−プロ
パノールで摩砕し、N′−〔7−(3−t−ブチルウレイド)−6−(2,6−ジク
ロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル〕−N,N−ジメチルホルム
アミジンを得た。融点 190〜193℃。CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相
対強度)462(MH++2,0.78),460(MH+,0.93)。
元素分析値 C21H23Cl2N7O・0.2 C3H8O・0.2:
理論値:C 54.75,H 5.38,N 20.71
実測値:C 54.73,H 5.31,N 20.65
実施例 80
N′−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−7−〔(ジメチルアミノ)メチレンアミ
ノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル〕−N,N−ジメチルホルムアミジン
実施例1の2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジンを実施例78に記載のとおり23時間DMFジメチルアセタールと反応させ
た。上記したとおり後処理し、順次100:0、9:1、4:1次いで7:3酢酸
エチル:メタノールを溶離剤とするフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーに
より精製し、得られた油状物を酢酸エチルから結晶化させてN′−〔6−(2,6−
ジクロロフェニル)−7−〔(ジメチルアミノ)メチレンアミノ〕ピリド〔2,3-d
〕ピリミジン−2−イル〕−N,N−ジメチルホルムアミジンを得た。CIMS(メタン
中1%アンモニア):m/z(相対強度)418(MH++2,60),416(MH+,100)。
元素分析値 C19H19Cl2N7・0.3 H2O:
理論値:C 54.11,H 4.68,N 23.25
実測値:C 54.21,H 4.58,N 22.89
実施例 81
6−フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
実施例1の操作法に従ってフェニルアセトニトリルを2,4−ジアミノ−5−ピ
リミジンカルボキシアルデヒドと反応させて標題化合物を得た。融点317〜318℃
。
実施例 82
1−(2−アミノ−6−フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル)−3
−t−ブチル尿素
実施例2の操作法に従って実施例81の6−フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジ
ン−2,7−ジアミン0.246gをt−ブチルイソシアネート0.128mlと反応させた。
生成物を1:1CHCl3:EtOAc〜EtOAcの勾配溶離によるシリカゲル上の中圧クロ
マトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。融点>250℃。CIMS(メタン中
1%アンモニア):m/z(相対強度)337(MH++1,64),338(MH++2,11),236(1
00)。
実施例 83
6−(2,3−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
実施例1の操作法に従って2,3−ジクロロフェニルアセトニトリルを2,4−ジア
ミノ−5−ピリミジンカルボキシアルデヒドと反応させて標題化合物を得た。融
点 366〜369℃(分解)。
実施例 84
1−〔2−アミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−7−イル)−3−t−ブチル尿素
実施例2の一般的操作法に従って実施例83の6−(2,3−ジクロロフェニル)ピ
リド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン0.502gをt−ブチルイソシアネート0
.206mlと反応させた。生成物をCHCl3: EtOAc(98:2)〜CHCl3: EtOAc(1:2
)の勾配溶離によるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を
得た。融点 356〜358℃。
元素分析値 C18H18Cl2N6O1・0.05 H2O:
理論値:C 53.34,H 4.48,N 20.74
実測値:C 53.44,H 4.47,N 20.29
実施例 85
6−(2,3,6−トリクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−
ジアミン
標題化合物は実施例1の操作法に従って2,3,6−トリクロロフェニルアセトニ
トリル1.0gおよび2,4−ジアミノ−5−ピリミジンカルボキシアルデヒド0.6g
を出発物質として調製した。融点 320〜322℃。
元素分析値 C13H8Cl3N5:
理論値:C 45.84,H 2.37,N 20.56
実測値:C 46.22,H 2.57,N 20.54
実施例 86
1−〔2−アミノ−6−(2,3,6−トリクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素
実施例2の操作法に従って実施例85の6−(2,3,6−トリクロロフェニル)ピリ
ド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン0.30gをt−ブチルイソシアネート(0.1
08ml)と反応させた。生成物を1:1CHCl3:EtOAcを溶離剤とするシリカゲル上
の中圧クロマトグラフィー(MPLC)により精製し、標題化合物を得た。融点 329
〜330℃。CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)439(MH+−1,3),4
41(MH++1,3),84(100)。
実施例 87
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジフルオロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジ
ン−7−イル)−3−t−ブチル尿素
実施例2に従って実施例63の6−(2,6−ジフルオロフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン−2,7−ジアミン0.25gおよびt−ブチルイソシアネート0.112mlから
標題化合物を調製した。生成物をCHCl3:EtOAc(1:1)〜EtOAcの勾配溶離によ
るMPLCにより精製し、純粋な生成物を得た。融点 >300℃。m/z(相対強度)37
3(MH++1,60),374(MH++2,10),
274(100)。
実施例 88
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジブロモフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−7−イル)−3−t−ブチル尿素
実施例2に従って実施例60の6−(2,6−ジブロモフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン−2,7−ジアミン0.25gおよびt−ブチルイソシアネート0.077mlから
標題化合物を調製した。生成物をCHCl3:EtOAc(1:1)〜EtOAcの勾配溶離によ
るMPLCにより精製し、純粋な生成物を得た。融点 >300℃(分解)。
元素分析値 C18H18Br2N6O1・0.35 H2O:
理論値:C 43.20,H 3.77,N 16.79,Br 31.93
実測値:C 43.53,H 3.64,N 16.41,Br 31.79
実施例 89
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−7−イル)−3−イソプロピル尿素
実施例2に従って実施例1の6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン−2,7−ジアミン0.5gおよびイソプロピルイソシアネート0.172mlか
ら標題化合物を調製した。生成物をCHCl3:EtOAc(1:1)〜の勾配溶離による
MPLCにより精製し、純粋な生成物を得た。融点184〜188℃,CIMS(メタン中1%
アンモニア):m/z(相対強度)391(MH+,16),393(MH++2,11),306(100)。
実施例 90
6−o−トリルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
実施例1に従って2−メチルベンジルシアニドおよび2,4−ジアミノ−5−ピ
リミジンカルボキシアルデヒドを出発物質として標題化合物を
調製した。融点 300〜302℃。
元素分析値 C14H13N5:
理論値:C 66.92,H 5.21,N 27.87
実測値:C 66.4,H 5.2,N 27.9
実施例 91
1−(2−アミノ−6−o−トリルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル)−
3−t−ブチル尿素
実施例2に従って実施例90の6−o−トリルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7
−ジアミンおよびt−ブチルイソシアネートから標題化合物を調製した。生成物
をCHCl3:EtOAc(1:1)を溶離剤としたMPLCにより精製し、純粋な生成物を得
た。融点 195〜197℃,CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)351(M
H++1,55),352(MH++2,12),84(100)。
実施例 92
6−(2,3−ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
実施例1に従って2,3−ジメチルフェニルアセトニトリルおよび2,4−ジアミノ
−5−ピリミジンカルボキシアルデヒドから標題化合物を調製した。融点 330〜
333℃。
実施例 93
1−〔2−アミノ−6−(2,3−ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−7−イル)−3−t−ブチル尿素
実施例2に従って実施例92の6−(2,3−ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン−2,7−ジアミン0.5007gおよびt−ブチルイソシアネート0.23mlか
ら標題化合物を調製した。生成物をCHCl3:EtOAc(2:
1)〜CHCl3:EtOAc(1:1)の勾配溶離によるMPLCにより精製した。融点 326
〜330℃,MS(CI)。
元素分析値 C20H24N6O1・0.81 H2O:
理論値:C 63.38,H 6.81,N 22.17
実測値:C 63.54,H 6.47,N 21.77
実施例 94
6−(3,5−ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
実施例1に従って3,5−ジメチルフェニルアセトニトリル2.0gおよび2,4−ジ
アミノ−5−ピリミジンカルボキシアルデヒド1.81gから標題化合物を調製した
。融点 298〜302℃,MS(CI)。
元素分析値 C15H15N5:
理論値:C 67.91,H 5.70,N 26.40
実測値:C 67.87,H 5.75,N 26.38
実施例 95
1−〔2−アミノ−6−(3,5−ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−7−イル)−3−t−ブチル尿素
実施例2に従って実施例94の6−(3,5−ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン−2,7−ジアミン0.3gおよびt−ブチルイソシアネート0.14mlから標
題化合物を調製した。生成物を1:1 CHCl3:EtOAcを溶離剤とするMPLCにより
精製した。融点 180〜182℃,CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度
)365(MH++1,16),366(MH++2,3),84(100)。
実施例 96
6−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−
ジアミン
実施例1に従って2,4,6−トリメチルベンジルシアニド0.915gおよび2,4−ジ
アミノ−5−ピリミジンカルボキシアルデヒド0.76gから標題化合物を調製した
。融点 276〜282℃; CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)279(MH+
,54),280(MH++1,100)。
実施例 97
1−〔2−アミノ−6−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミ
ジン−7−イル)−3−t−ブチル尿素
実施例2に従って実施例96の6−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピリド〔2,3-d
〕ピリミジン−2,7−ジアミン0.25gおよびt−ブチルイソシアネート0.109mlか
ら標題化合物を調製した。生成物を1:1 CHCl3:EtOAcを溶離剤とする中圧液
体クロマトグラフィーにより精製した。融点 281〜297℃,CIMS(メタン中1%ア
ンモニア):m/z(相対強度)379(MH++1,100),380(MH++2,23)。
実施例 98
6−(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジ
アミン
実施例1に従って2,3,5,6−テトラメチルベンジルシアニド1.999gおよび2,4
−ジアミノ−5−ピリミジンカルボキシアルデヒド1.52gから標題化合物を調製
した。融点 327〜331℃; CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)293
(MH+,65),294(MH++1,100)。
実施例 99
1−〔2−アミノ−6−(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピ
リミジン−7−イル)−3−t−ブチル尿素
実施例2に従って実施例98の6−(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)
ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン0.3gおよびt−ブチルイソシアネ
ート0.125mlから標題化合物を調製した。生成物を1:1 CHCl3:EtOAcを溶離剤
とする中圧液体クロマトグラフィーにより精製した。融点 >300℃,CIMS(メタ
ン中1%アンモニア):m/z(相対強度)393(MH+,55),394(MH++1,13),84(100
)。
実施例 100
6−(2−メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
実施例1に従って2−メトキシベンジルシアニドおよび2,4−ジアミノ−5−
ピリミジンカルボキシアルデヒドから標題化合物を調製した。融点 304〜306℃
(分解)。
元素分析値 C14H13N5O1:
理論値:C 62.91,H 4.90,N 26.20
実測値:C 63.16,H 5.13,N 26.42
実施例 101
1−〔2−アミノ−6−(2−メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−7−イル)−3−t−ブチル尿素
実施例2に従って実施例100の6−(2−メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン−2,7−ジアミン0.203gおよびt−ブチルイソシアネート0.093mlか
ら標題化合物を調製した。生成物を1:1 CHCl3:EtOAcを溶離剤とする中圧液
体クロマトグラフィーにより精製した。融点 300〜301℃; CIMS(メタン中1%ア
ンモニア):m/z(相対強度)367(MH++1,67),368(MH++2,14),236(100)。
実施例 102
6−(3−メトキシフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジ
アミン
実施例1に従って3−メトキシベンジルシアニドおよび2,4−ジアミノ−5−
ピリミジンカルボキシアルデヒドから標題化合物を調製した。融点 284〜286℃
。
元素分析値 C14H13N5O1:
理論値:C 62.9,H 4.9,N 26.2
実測値:C 62.8,H 5.0,N 26.3
実施例 103
1−〔2−アミノ−6−(3−メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−7−イル〕−3−t−ブチル尿素
実施例2に従って実施例102の6−(3−メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン−2,7−ジアミン0.50gおよびt−ブチルイソシアネート0.23mlから
標題化合物を調製した。生成物をCHCl3: EtOAc(2:1)〜CHCl3:EtOAc(1:
1)〜EtOAcの勾配溶離によるMPLCにより精製した。融点 275〜280℃; MS(CI)。
元素分析値 C19H22N6O2・0.45 H2O:
理論値:C 60.93,H 6.16,N 22.44
実測値:C 61.22,H 5.89,N 22.09
実施例 104
6−(2−ブロモ−6−クロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジ
アミン
実施例1に従って2−ブロモ−6−クロロフェニルアセトニトリル1.0gおよ
び2,4−ジアミノ−5−ピリミジンカルボキシアルデヒド0.57gから標題化合物
を調製した。融点 264〜280℃。
元素分析値 C13H9Cl1Br1N5:
理論値:C 44.53,H 2.59,N 19.97
実測値:C 44.48,H 2.87,N 20.10
実施例 105
1−〔2−アミノ−6−(2−ブロモ−6−クロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン−7−イル)−3−t−ブチル尿素
実施例2に従って実施例104の6−(2−ブロモ−6−クロロフェニル)ピリ
ド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン0.30gおよびt−ブチルイソシアネート
0.105mlから標題化合物を調製した。生成物を1:1CHCl3: EtOAcを溶離剤とす
るMPLCにより精製した。融点 314℃(分解);MS(CI)。
元素分析値 C18H18Br1Cl1N6O1・0.43 CHCl3・0.27 C4H8O2:
理論値:C 44.65,H 3.95,N 16.01,Br 15.22,Cl 15.47
実測値:C 44.39,H 3.96,N 15.82,Br 14.83,Cl 15.39
実施例 106
プロパン−1−スルホン酸〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド
〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕アミド
DMF 15ml中の実施例1の2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリ
ド〔2,3-d〕ピリミジン1.00gのスラリーに水素化ナトリウム(鉱物油中60%)0
.15gを少しずつ添加し、混合物を1時間撹拌した。プロパンスルホニルクロリ
ド(0.39ml)を滴下添加し、反応混合物を16時間雰囲気温度で撹拌した。反応混
合物を濾過して少量の不溶性物質を除去し、濾液を真空下に蒸発させた。生成物
をCHCl3:EtOAc(2:1)〜CHCl3:EtOAc(1:1)の勾配溶離によるシリカゲ
ルを用いた中圧液体クロマトグラフィー(MPLC)により精製し標題化合物を得た
。
元素分析値 C16H15Cl2N5O2S1・0.25 CHCl3:
理論値:C 44.14,H 3.48,N 15.84,S 7.25
実測値:C 43.92,H 3.38,N 15.54,S 7.04
実施例 107
6−ピリジン−3−イルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
実施例1の方法に従って3−ピリジルアセトニトリルおよび2,4−ジアミノ−
5−ピリミジンカルボキシアルデヒドを反応させて標題化合物を得た。融点 317
〜319℃。
元素分析値 C12H10N6:
理論値:C 60.50,H 4.23,N 35.27
実測値:C 60.5,H 4.3,N 35.6
実施例 108
1−(2−アミノ−6−ピリジン−3−イルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−
イル)−3−t−ブチル尿素
実施例2の方法に従って実施例107の2,7−ジアミノ−6−(3−ピリジル)ピ
リド〔2,3-d〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン0.30gをt−ブチルイソシアネート0.
16mlと反応させた。生成物を90:10:1 EtOAc:MeOH:TEAを溶離剤とするシリ
カゲルを用いた中圧液体クロマトグラフィーにより精製し標題化合物を得た。融
点 >300℃; CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)388(MH++1,8)
,339(MH++2,1),84(100)。
実施例 109
6−ピリジン−4−イルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
冷却した(0℃)2−エトキシエタノール(13ml)に水素化ナトリウム(鉱物
油中60%)0.30gを少しずつ添加し、懸濁液を10分間撹拌した。この懸濁液に4
−ピリジルアセトニトリル塩酸塩1.06gを添加し、混合
物を30分間室温で撹拌した。2−エトキシエタノール中の4−ピリジルアセトニ
トリルの中和された溶液を、ナトリウム2−エトキシエトキシド(水素化ナトリ
ウム0.11gと2−エトキシエタノール4.76mlから調製)および2,4−ジアミノ−
5−ピリミジンカルボキシアルデヒド0.9gを含有する反応混合物に添加した。
得られた混合物を2時間還流下に加熱し、冷却し、不溶性の生成物をジエチルエ
ーテルおよび酢酸エチルで洗浄し、標題化合物を得た。融点 >340℃; MS(CI)。
元素分析値 C12H10N6・0.05 H2O:
理論値:C 60.27,H 4.26,N 35.14
実測値:C 60.35,H 4.31,N 34.75
実施例 110
1−(2−アミノ−6−ピリジン−4−イルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−
イル)−3−t−ブチル尿素
実施例2の方法に従って実施例109の2,7−ジアミノ−6−(4−ピリジル)ピ
リド〔2,3-d〕ピリミジン0.30gをt−ブチルイソシアネート0.154mlと反応させ
た。生成物を90:10:1 EtOAc:MeOH:TEAを溶離剤とするシリカゲルを用いた
中圧液体クロマトグラフィーにより精製し標題化合物を得た。融点 >350℃; CI
MS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)338(MH++1,6),339(MH++2,
1),84(100)。
実施例 111
6−ピリジン−2−イルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
実施例1の方法に従って2−ピリジルアセトニトリル0.84gおよび2,4−ジア
ミノ−5−ピリミジンカルボキシアルデヒド1.0gを反応させて標題化合物を得
た。融点 312〜321℃。
元素分析値 C12H10N6・0.07 H2O:
理論値:C 60.18,H 4.27,N 35.09
実測値:C 60.46,H 4.34,N 34.70
実施例 112
1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジエチルアミノプロピルア
ミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル)−3−エチル尿素
実施例21の一般的方法に従って、実施例20の7−アミノ−6−(2,6−ジクロ
ロフェニル)−2−(3−ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピ
リミジン0.85gをエチルイソシアネート0.176mlと反応させた。生成物を、水中0
.1%トリフルオロ酢酸90%/アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸10%〜水
中0.1%トリフルオロ酢酸60%/アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸40%の
勾配溶離によるC18逆相カラム上の逆相調整用HPLCにより精製した。融点 92〜10
8℃。
元素分析値 C23H29Cl2N7O1・0.25 H2O:
理論値:C 55.82,H 6.01,N 19.81
実測値:C 55.84,H 6.02,N 19.68
実施例 113
1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジエチルアミノプロピルア
ミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル)−3−イソプロピル尿素
実施例21の方法に従って、実施例20の7−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェ
ニル)−2−(3−ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジ
ン0.30gおよびイソプロピルイソシアネート0.077mlを反応させた。生成物を90
:10:1 EtOAc:MeOH:TEAを溶離剤とするシリカゲルを上の中圧液体クロマト
グラフィーにより精製し標題化合物
を得た。融点 88〜100℃;CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)504(
MH+,3),506(MH++2,2),86(100)。
実施例 114
N2−(3−ジエチルアミノプロピル)−6−(2,6−ジメチルフェニル)ピリド
〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
実施例20の方法に従って、実施例6の2,7−ジアミノ−6−(2,6−ジメチルフ
ェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン3.0gおよび1−アミノ−3−(N,N−ジエチ
ルアミノ)プロパン30mlを反応させて標題化合物を得た。
元素分析値 C22H30N6・0.15 H2:
理論値:C 69.31,H 8.01,N 22.04
実測値:C 69.29,H 7.89,N 22.04
実施例 115
1−〔2−(3−ジメチルアミノプロピルアミノ)−6−(2,6−ジメチルフェ
ニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル)−3−エチル尿素
実施例21に記載のとおり、実施例114の7−アミノ−6−(2,6−ジメチルフェ
ニル)−2−(3−ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジ
ンおよびエチルイソシアネートカラ調製した。生成物を、水中0.1%トリフルオ
ロ酢酸100%/アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸0%〜水中0.1%トリフ
ルオロ酢酸70%/アセトニトリル中の0.1%トリフルオロ酢酸30%の勾配溶離に
よるC18逆相カラム上の逆相調整用HPLCにより精製した。融点 64〜70℃。
元素分析値 C25H35N7O1・0.35 H2O:
理論値:C 65.86,H 7.89,N 21.51
実測値:C 65.78,H 7.63,N 21.39
実施例 116
1−t−ブチル−3−〔2−(3−ジエチルアミノプロピルアミノ)−6−(2,
6−ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル)尿素
実施例21に記載のとおり、実施例114の7−アミノ−6−(2,6−ジメチルフェ
ニル)−2−(3−ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジ
ン0.50gおよびt−ブチルイソシアネート0.17mlから調製した。生成物を、水中
0.1%トリフルオロ酢酸90%/アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸5%〜水
中0.1%トリフルオロ酢酸65%/アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸35%の
勾配溶離によるC18逆相カラム上の逆相調整用HPLCにより精製した。融点 86〜91
℃。
元素分析値 C27H39N7O1:
理論値:C 67.89,H 8.23,N 20.53
実測値:C 67.70,H 8.24,N 20.43
実施例 117
1−アダマンタン−1−イル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3
−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリ
ミジン−7−イル)尿素
実施例37に記載のとおり実施例36のN2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−
イル)プロピル〕−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−2,7−ジアミン0.5gおよび1−アダマンチルイソシアネート0.218gから調製
した。生成物を90:10:1 EtOAc:MeOH:TEAを溶離剤とするシリカゲルを用い
た中圧液体クロマトグラフィーにより精製し標題化合物を得た。融点 >200℃(
分解);ESMA(20/80 MeOH
/CH3CN+0.1% AcOH): m/z(相対強度)623.4(MH+,100),625.5(MH++2,48)
。
元素分析値 C32H40Cl2N8O1・0.52 H2O:
理論値:C 60.72,H 6.54,N 17.70
実測値:C 61.06,H 6.58,N 17.30
実施例 118
1−t−ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メ
チルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7
−イル)チオ尿素
実施例37に記載のとおり実施例36のN2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−
イル)プロピル〕−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−2,7−ジアミン0.5gおよびt−ブチルイソシアネート0.142gから調製した。
生成物を90:10:1 EtOAc:MeOH:TEAを溶離剤とするシリカゲルを用いた中圧
液体クロマトグラフィーにより精製したところ2種類の生成物の混合物が得られ
た。混合物を更に水中0.1%トリフルオロ酢酸95%/アセトニトリル中0.1%トリ
フルオロ酢酸5%〜水中0.1%トリフルオロ酢酸65%/アセトニトリル中0.1%ト
リフルオロ酢酸35%の勾配溶離によるC18逆相カラム上の逆相調整用HPLCにより
精製した。融点 >220℃(分解);MS(ES)。
実施例 119
3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1
−イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−1,1−ジエ
チル尿素
DMF5ml中の実施例36のN2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピ
ル〕−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジ
ン−2,7−ジアミン0.50gの溶液に60%水素化ナトリウム0.10gを添加し、混合
物を室温で1時間撹拌した。懸濁液を0℃に冷却し、ジエチルカルバミルクロリ
ド0.15mlを滴下添加した。添加終了後反応混合物を室温に戻し、周囲温度で18時
間撹拌した。混合物を真空下に濃縮し、90:10:1 EtOAc:MeOH:TEAを溶離剤
とするシリカゲル上の中圧液体クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を
得た。融点 >200℃(分解);MS(ES)。
実施例 120
N2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル〕−6−(2,3,5,6−テト
ラメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン
実施例98の6−(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジ
ン−2,7−ジアミン1.00g、スルファミン酸0.66gおよび1−(3−アミノプロ
ピル)−4−メチルピペラジン10mlの混合物を34時間撹拌しながら還流下に加熱
した。反応フラスコに短径の蒸留カラムをつけ高真空下に蒸留して過剰のアミン
を除去した。残存物をジクロロメタン40mlで希釈し、水10ml次いで重炭酸ナトリ
ウム飽和溶液15mlで洗浄した。塩基性の水層をジクロロメタン(3×25ml)で抽
出し、合わせた有機層を塩水(3×25ml)で逆洗浄した。有機層を硫酸マグネシ
ウム上に乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させた。生成物を90:10:1 EtOAc:Me
OH:TEAを溶離剤とするシリカゲル上の中圧液体クロマトグラフィーにより精製
し、標題化合物を得た。融点 218〜223℃;MS(APCI)。
元素分析値 C25H35N7・0.30 C4H8O2:
理論値:C 68.41,H 8.19,N 21.31
実測値:C 68.05,H 7.95,N 21.70
実施例 121
1−t−ブチル−3−{2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピ
ルアミノ〕−6−(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−7−イル}尿素
実施例37に記載のとおり、実施例120のN2−〔3−(4−メチルピペラジン−1
−イル)プロピル〕−6−(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕
ピリミジン−2,7−ジアミン0.41gおよびt−ブチルイソシアネート0.12mlから
調製した。生成物を90:10:1 EtOAc:MeOH:TEAを溶離剤とするシリカゲルを
用いた中圧液体クロマトグラフィーにより精製し標題化合物を得た。融点 185〜
198℃。
元素分析値 C30H44N8O1:
理論値:C 67.64,H 8.33,N 21.03
実測値:C 67.31,H 8.23,N 20.87
実施例 122
1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−ジエチルアミノブチルアミノ
)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−(3−モルホリン−4−イルプ
ロピル)チオ尿素
実施例37に記載のとおり、実施例53のN2−〔3−(4−メチルピペラジン−1
−イル)プロピル〕−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジ
ン−2,7−ジアミン0.3926gおよび3−モルホリノプロピルイソチオシアネート0
.18gから調製した。生成物を90:10:1 EtOAc:MeOH:TEAを溶離剤とするシリ
カゲルを用いた中圧液体クロマトグラフィーにより精製し標題化合物を得た。融
点 >200℃(分解);ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):m/z(相対強度)
619.4(MH+,100),621.5(MH++2,77)。
実施例 123
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−ジエチル
アミノブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素
DMF(300ml)中の実施例53の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−(4−ジ
エチルアミノブチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(25.0g)の
溶液に、1当量の60%水素化ナトリウム懸濁液(2.31g)を添加した。室温で約
2時間撹拌した後、1当量のフェニルイソシアネート(5.72g)を添加し、反応
を薄層クロマトグラフィーでモニタリングした。約24時間後、溶媒を真空下に除
去した。残存物をジクロロメタンに溶解しこの溶液を数回、まず水で、次に塩化
ナトリウム飽和溶液で洗浄した。ジクロロメタン層を硫酸マグネシウムで乾燥し
、真空下に濃縮した。残存物を酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(9
:2:1)を溶離剤とするシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、次にt−
ブチルメチルエステルから結晶化させて表題化合物1−t−ブチル−3−〔6−
(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−ジエチルアミノブチルアミノ)ピリド
〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素21.58gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3C
N+0.1% AcOH):M++H=532;融点 157℃(分解)。
元素分析値 C26H35N7Cl2O・0.10 H2O:
理論値:C 58.45,H 6.64,N 18.35,Cl 13.27,H2O 0.34
実測値:C 58.51,H 6.75,N 18.37,Cl 13.17,H2O 0.57
実施例 124
1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−ジエチルアミノブチルアミ
ノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−エチル尿素
THF(6ml)中の実施例53の6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−(4−ジエ
チルアミノブチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン(0.61g)の冷
却(5℃)溶液にカリウムヘキサメチルジシラザン(0.308g)を少しずつ添加し
た。反応混合物を周囲温度に戻し、30分間撹拌した。次にエチルイソシアネート
を添加し、反応混合物を周囲温度で更に18時間撹拌した。反応混合物を0.25N塩
酸水溶液約200mlに注ぎ込み、得られた溶液を濾過することにより生成物を単離
した。濾液を50%水酸化ナトリウム水溶液で塩基性とし、水層を二回酢酸エチル
で抽出した。合わせた有機抽出液を乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過し、濾液
を真空下に濃縮した。生成物を90:10:1 EtOAc:MeOH:TEA溶媒混合物を溶離
剤とするラジアルクロマトグラフィーにより精製し標題化合物を得た。
元素分析値 C24H31Cl2N7O1・0.78 H2O:
理論値:C 55.59,H 6.33,N 18.91
実測値:C 55.59,H 5.93,N 18.62
実施例 125
N−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジエチルアミノプロピルアミ
ノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル−N″−エチルグアニジン
DMF(1ml)中の実施例20の7−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−2
−(3−ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン(42mg)
の溶液に60%水素化ナトリウム懸濁液(5ml)を添加し、混合物を0.5時間室温
で撹拌した。反応混合物にN,N′−ビス(t−ブトキシカルボニル)−N−(エチ
ル)−S−(エチル)イソチオ尿素(37mg)を添加し、混合物を18時間撹拌した。
反応混合物をジクロロメタン(50
ml)で希釈し、水(2×15ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、
濃縮した。得られた油状物をメタノール:酢酸エチル:トリエチルアミン(8.5:
1.5:0.3)を溶離剤としながらシリカゲル上で精製し、7−アミノ−6−(2,6−
ジクロロフェニル)−2−(3−ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d
〕ピリミジン(40mg)および〔〔〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジ
エチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕イミノ〔
〔1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕アミノ〕メチル〕エチルアミノ〕カル
バミン酸−1,1−ジメチルエチルエステルの混合物を得た。この混合物を2.6−ル
チジン(8mg)を含有する無水ジクロロメタン(0.5ml)中に溶解した。トリメチ
ルシリルトリフルオロメタンスルホネート(6mg)を添加し、混合物を30時間室
温で撹拌した。混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液に注ぎ込みジクロロメタン
で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。得られた油状物をメタノール
:酢酸エチル:トリエチルアミン(8.5:1.5:0.3)を溶離剤とするシリカゲル
上のクロマトグラフィーに付し、標題化合物(7mg)を得た。ESMS(1/4 MeOH/
CH3CN+0.1% AcOH):m/z(相対強度)490.5(MH+,100),491.5(MH++1,27),49
2.5(MH++2,64)
以下の実施例により本発明の典型的な医薬製剤を説明する。
実施例 126
経口投与用のハードゼラチンカプセルの形態の医薬製剤を以下の成分を用いて
調製した。
上記成分を混合し、460mgの量でハードゼラチンカプセルに充填した。典型的
な活性成分はN−〔2−ホルミルアミノ−6−(3,5−ジメチルフェニル)ピリド
〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−n−ブチルアミドとした。組成物は術後再
狭窄の治療のために一日2〜4回投与する。
実施例 127
経口投与用懸濁液製剤
ソルビトール溶液を蒸留水40mlに添加し、それにナフチリジンを懸濁させた。
サッカリン、安息香酸ナトリウムおよびフレーバーを添加し、溶解させた。全量
を蒸留水で100mlとした。シロップml当たり活性成分含有量は5mgとした。
実施例 128
各錠活性成分60mg含有の錠剤
活性成分、澱粉およびセルロースをNo.45USメッシュシーブに通し、十分混合
した。得られた粉末にポリビニルピロリドンの溶液を混合し、次にNo.14USメッ
シュシーブに通した。顆粒を50〜60℃で乾燥させNo.18USメッシュシーブに通し
た。次にあらかじめNo.60USメッシュシーブに通しておいたカルボキシメチルナ
トリウム澱粉、ステアリン酸マグネシウム、およびタルクを顆粒に添加し、これ
を混合後、錠剤成型器で圧縮成型して各錠150mgの錠剤とした。
上記製剤に用いた典型的な活性成分は実施例21の化合物であった。
実施例 129
注射による投与に適する非経腸製剤は、0.9%塩化ナトリウム水溶液250ml中に
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
−7−イル〕−3−(3−モルホリン−4−イルプロピル)チオ尿素100mgを溶
解し、溶液のpHを約7.0に調節することにより調製した。この製剤は乳ガンの治
療に適していた。
実施例 130
坐薬製剤
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジ
ン−7−イル〕イミダゾリジン−2−オン500mgおよびテオブ
ロマオイル1500mgの混合物を60℃で均一に混合した。混合物をテーパー付き金型
中24℃に冷却した。各坐薬は約2gとし、細菌感染の治療のために毎日1または
2回投与できる。
実施例 131
局所用製剤
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),AM,AU,BG,BY,C
A,CN,CZ,EE,FI,GE,HU,JP,KG
,KR,KZ,LT,LV,MD,MX,NO,NZ,
PL,RO,RU,SG,SI,SK,TJ,UA,U
Z
(72)発明者 ハンビー,ジエイムズ・マリーノー
アメリカ合衆国ミシガン州 48103.アン
アーバー.チヤドコート4390
(72)発明者 パーネク,ロバート・リー
アメリカ合衆国ミシガン州 48188.カン
トン.キングズウエイ404
(72)発明者 シユローダー,メル・コンラド
アメリカ合衆国ミシガン州 48130.デク
スター.リツジウエイコート7858
(72)発明者 シヨーウオーター,ハワード・ダニエル・
ホリス
アメリカ合衆国ミシガン州 48103.アン
アーバー.ランプライタードライブ3578
(72)発明者 コノリー,クリオウ
アメリカ合衆国ミシガン州 48152.リボ
ーニア.ハマーレイン36367