JP4221530B2 - 蛋白チロシンキナーゼ媒介細胞増殖を抑制するための6−アリールピリド〔2,3−d〕ピリミジンおよびナフチリジン - Google Patents
蛋白チロシンキナーゼ媒介細胞増殖を抑制するための6−アリールピリド〔2,3−d〕ピリミジンおよびナフチリジン Download PDFInfo
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Description
本発明は蛋白チロシンキナーゼ(PTK)媒介細胞増殖の抑制に関する。特に本発明は細胞増殖を抑制し、蛋白チロシンキナーゼの酵素活性を阻害するためのピリド〔2,3-d〕ピリミジンおよびナフチリジン化合物の使用に関する。
発明の背景
多くの疾患の状態は細胞の増殖および分化の制御ができないという特徴を有する。これらの疾患状態は多くの種類の細胞および疾病、例えばガン、アテローム性動脈硬化症および再狭窄を包含する。生育因子刺激、自己リン酸化および細胞内蛋白基質のリン酸化は増殖性疾患の病理学的機序における重要な生物学的事象である。
正常な細胞においては、蛋白基質上のチロシン残基のリン酸化は刺激された細胞外生育因子受容体により開始される細胞内生育シグナル化経路において重要な機能を果たす。例えば、血小板由来生育因子(PDGF)、腺維芽細胞生育因子(FGF)および表皮生育因子(EGF)のような生育因子類と、それらの対応する細胞外受容体の会合により、これらの受容体の細胞内チロシンキナーゼ酵素ドメインが活性化され、これにより細胞内基質または受容体そのもののいずれかのリン酸化が触媒される。リガンド結合への応答としての生育因子受容体のリン酸化は自己リン酸化として知られている。
例えば、EGF受容体はその2つの最重要リガンドとしてEGFおよびトランスフォーミング生育因子α(TGFα)を有する。受容体は正常ヒト成人では重要ではない機能しか有さないと考えられるが、全てのガン、特に結腸ガンおよび乳ガンの疾患過程の大部分に関与している。緊密な関係を有するErb-B2およびErb-B3受容体はその主なリガンドとしてヘレグリン(Heregulin)の一群を有しており、受容体の過剰発現および突然変異は予後不良の乳ガンにおける主要な危険容因として明確に研究報告されている。
血管平滑筋細胞(VSMC)の増殖および指向性の移行は血管のリモデリング、再狭窄およびアテローム性動脈硬化症のような過程における重要な要素である。血小板由来生育因子は最も強力な内因性VSMC有糸分裂促進物質および化学誘引物質(chemoattractant)であることが確認されている。PDGF-Aおよび-B鎖およびPDGF受容体の血管mRNA発現亢進はバルーン傷害ラット頸動脈において観察されている(J.Cell.Biol.,111:2149-2158(1990))。この傷害モデルにおいては、PDGFの注入はさらに内膜の肥厚化とVSMCの移行を大きく亢進させる(J.Clin.Invest.,89:507-511(1992))。更にまた、PDGF中和抗体はバルーン傷害後の内膜の肥厚化を大きく低減する(Science,253:1129-1132(1991))。
酸性腺維芽細胞生育因子(aFGF)および塩基性腺維芽細胞生育因子(bFGF)はともに、細胞の増殖および分化を促進する能力を含む多くの生物学的活性を有している。PDGFシグナルトランスダクション経路をブロックするターホスチン(tyrphostin)受容体チロシンキナーゼ阻害剤はバルーン血管形成術のラットモデルにおいてin vivoのPDGF刺激受容体チロシンキナーゼリン酸化の抑制を示すことが知られている(Drug Develop.Res.,29:158-166(1993))。VSMCにFGFが関与することを裏づける直接の証拠はLindnerとReidyにより報告(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:3739-3743(1991))されており、それによれば、ラット頸動脈のバルーン血管形成術の前にbFGFに対する中和抗体を注射により全身投与することにより、傷害後2日に測定して80%より大きい傷害誘発性の中膜(medial)SMC増殖の抑制が認められた。損傷を受けた細胞から放出されるbFGFはVSMC生育を誘発する際にパラクリン(paracrine)的な態様で作用していると考えられる。最近、LindnerとReidy(Cir.Res.,73:589-595(1993))はバルーン傷害ラット頸動脈のen faceプレパレーションにおいてVSMCと内皮細胞の複製におけるbFGFおよびFGFR-1に対するmRNAの両方の発現の亢進を報告している。データによれば傷害を有する動脈においてはbFGFおよびFGFR-1のリガンド/受容体系は新内膜形成をもたらすVSMCの継続的増殖応答に関与していると考えられる。
即ち、EGF、PDGF、FGFおよび他の生育因子はガン、アテローム性動脈硬化症および再狭窄のような細胞増殖性疾患の病理学的機序において中心となる役割を果たしている。対応する受容体と会合することにより、これらの生育因子はDNA合成および細胞分裂をもたらす初期の生化学的事象の一つとしてチロシンキナーゼの活性を刺激する。このため、細胞内生育因子シグナルトランスダクション経路に関わる蛋白チロシンキナーゼを阻害する化合物は細胞増殖性疾患の治療のための有用な薬剤となり得る。我々は今回特定のピリド〔2,3-d〕ピリミジンおよびナフチリジンが蛋白チロシンキナーゼを阻害し、そしてアテローム性動脈硬化症、再狭窄およびガンの治療および防止において有用であることを発見した。
いくつかのピリド〔2,3-d〕ピリミジンおよびナフチリジンが知られている。例えば、米国特許3,534,039号は利尿剤として一連の2,7-ジアミノ-6-アリールピリド〔2,3-d〕ピリミジン化合物を開示しており;米国特許3,639,401号は利尿剤として一連の6-アリール-2,7-ビス〔(トリアルキルシリル)アミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン化合物を開示しており;米国特許4,271,164号は抗高血圧剤として一連の6-置換アリールピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-アミンおよび誘導体を開示しており;欧州特許出願公開0 537 463 A2号は除草剤として有用な一連の置換ピリド〔2,3-d〕ピリミジンを開示しており;米国特許4,771,054号は抗生物質として特定のナフチリジンを開示している。上記した参考文献のいずれも本発明の化合物を記載しておらず、また、そのような化合物がアテローム性動脈硬化症、再狭窄およびガンの治療に有用であることを示唆していない。
発明の要旨
本発明は蛋白チロシンキナーゼの阻害において有用であり、従ってアテローム性動脈硬化症、再狭窄およびガンの細胞増殖性疾患の治療において有用なピリド〔2,3-d〕ピリミジンおよび1,6-ナフチリジンとして特徴づけられる新しい化合物を提供する。特に本発明は下記式I:
〔式中XはCHまたはNであり;
Bはハロ、ヒドロキシまたはNR3R4であり;
R1、R2、R3およびR4は独立して水素、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、Ar′、アミノ、C1〜C8アルキルアミノまたはジ-C1〜C8アルキルアミノであり;そしてここでアルキル、アルケニルおよびアルキニル基はNR5R6で置換されていてよく、ここでR5およびR6は独立して水素、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C10シクロアルキルまたは
であり、そしてここで前記したアルキル、アルケニルおよびアルキニル基はいずれも、ヒドロキシ、または、5員または6員の炭素環または窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子1または2個を有するヘテロ環で置換されていてよく、そして、R9、R10、R11およびR12は独立して水素、ニトロ、トリフルオロメチル、フェニル、置換フェニル、-C≡N、-COOR8、-COR8、
SO2R8、ハロ、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、チオ、-S-C1〜C8アルキル、ヒドロキシ、C1〜C8アルカノイル、C1〜C8アルカノイルオキシまたは-NR5R6であるか、またはR9とR10は隣接する場合は一緒になってメチレンジオキシとなることができ;nは0、1、2または3であり;そしてR5とR6はそれらに連結している窒素原子と一緒になって、炭素原子3〜6個を有し、場合により窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を有する環を形成し;
R1とR2はそれらに連結している窒素原子と一緒になって、そしてR3とR4はそれらに連結している窒素原子と一緒になって、やはり、
となることができ、あるいは、炭素原子3〜6個および場合により窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子1〜2個を有する環を形成し、そして、R1およびR3はさらに
から選択されるアシル類縁体であることができ、ここでR8は水素、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C10シクロアルキルただし場合により酸素、窒素またはイオウ原子を有するもの、
および-NR5R6であり、そしてここで、R8アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はNR5R6により置換されていることができ;
ArおよびAr′は、フェニル、イミダゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、フラニル、チエニル、ナフチルから選択される未置換であるか、または置換された芳香族またはヘテロ芳香族の基であり、ここで置換基は上記したR9、R10、R11およびR12である〕の化合物および医薬上許容されるその酸付加塩および塩基付加塩、ただしXがNでありBがNR3R4である場合はR3およびR4のいずれか一方は水素ではないような上記化合物として定義される化合物に関する。
好ましい化合物はArが式:
のフェニルまたは置換フェニルであるような式Iを有する。
別の好ましい化合物はBが-NR3R4であるような化合物である。
更に好ましい化合物はR1およびR3の一方または両方が
であり、そしてR2およびR4が水素であるような化合物である。
また更に好ましい化合物は、BがNR3R4であり、R1およびR3が独立して水素、
であり、ここでR8はC1〜C8アルキルまたはNR5R6であるような式Iの化合物である。
特に好ましい群の化合物は下記式:
〔式中R2およびR4は水素であり、R1およびR3は独立して水素、C1〜C8アルキル、
であり、ここでR8はC1〜C8アルキルまたは-NR5R6であり、R5は水素であり、そしてR6はC1〜C8アルキルであり、そしてR9およびR10は独立して水素、ハロ、C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシである〕を有する。
別の好ましい群の化合物は下記式:
〔式中、R1、R2、R9およびR10は前記したとおりである〕を有する。
更に好ましいものは、下記式:
の化合物である。
更に好ましいものは下記式:
〔特に式中R5とR6はそれらに連結している窒素と一緒になってモルホリノ、ピペラジノ、4-アルキルピペラジノ等のような環を形成する〕の化合物である。
更にまた好ましいものは下記式:
〔式中R2およびR4は水素であり、R1およびR3は独立して水素、C1〜C6アルキル、
であり、ここでR8、R9およびR10は前記のとおり定義される〕の化合物である。
更にまた好ましいものは下記式:
〔特に式中R5とR6はそれらに連結している窒素と一緒になってモルホリノ、ピペラジノ、4-アルキルピペラジノ等の環を形成する〕の化合物である。
本発明の最も好ましい化合物は下記:
1-t-ブチル-3-〔7-(3-t-ブチルウレイド)-6-(2,6-ジクロロフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル〕尿素;
1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素;
1-t-ブチル-3-〔7-(3-t-ブチルウレイド)-6-o-トリル-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル〕尿素;
1-〔2-アミノ-6-o-トリル-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素;
1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジメチルフェニル)-ピリド〔2,3-d〕-ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素;
N-〔2-アセチルアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-アセトアミド;
N7-ブチル-6-フェニル-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン;
3-o-トリル-〔1,6〕ナフチリジン-2,7-ジアミン;
3-(2-クロロフェニル)-〔1,6〕ナフチリジン-2,7-ジアミン;
N2,N7-ジメチル-6-フェニル-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン;
7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジエチルアミノ-プロピルアミノ)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン;
1-t-ブチル-3-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素;
1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-エチル尿素;
1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-(3-モルホリノ-4-イル-プロピル)-チオ尿素;
1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-イミダゾリジン-2-オン;
N′-〔7-(3-t-ブチルウレイド)-6-(2,6-ジクロロフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル〕-N,N-ジメチルホルムアミジン;
N′-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-7-(ジメチルアミノ-メチレンアミノ)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル〕-N,N-ジメチルホルムアミジン;
1-t-ブチル-3-〔2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)-6-(2,6-ジメチルフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素;
1-t-ブチル-3-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(4-ジエチルアミノブチルアミノ)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素;
1-〔2-アミノ-6-(2,3-ジクロロフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素;
1-〔2-アミノ-6-(3-メトキシフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素;
1-〔2-アミノ-6-(2,3-ジメチルフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素;
1-t-ブチル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-プロピルアミノ〕-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素;
N′-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジエチルアミノ-プロピルアミノ)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-N,N-ジメチルホルムアミジン;
1-〔2-アミノ-6-(2,3,6-トリクロロフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素;
1-〔2-アミノ-6-(2-メトキシフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素;
1-t-ブチル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔(3-ジメチルアミノプロピル)-メチルアミノ〕-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素;
1-(2-アミノ-6-ピリジン-3-イル-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-t-ブチル尿素;
1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-プロピルアミノ〕-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-フェニル尿素;
1-〔2-アミノ-6-(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素;
1-〔2-アミノ-6-(2-ブロモ-6-クロロフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素;
1-(2-アミノ-6-ピリジン-4-イル-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-t-ブチル尿素;
1-〔2-アミノ-6-(3,5-ジメチルフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素;
1-〔2-アミノ-6-(2-ブロモ-6-クロロフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素;
1-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(4-ジエチルアミノ-ブチルアミノ)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-エチル尿素;
プロパン-1-スルホン酸〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-アミド;
1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素;
1-t-ブチル-3-〔6-(2,6-ジブロモフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素;
1-t-ブチル-3-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチルプロピルアミノ)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素;
1-t-ブチル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(2-メチルピペリジン-1-イル)-プロピルアミノ〕-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素;
1-〔2-アミノ-6-(2,4,6-トリメチルフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素;
1-アダマンタン-1-イル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-プロピルアミノ〕-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素;
1-シクロヘキシル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン)-1-イル)-プロピルアミノ〕-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素;
1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-プロピルアミノ〕-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-(3-メトキシフェニル)尿素;
1-t-ブチル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ブチルアミノ〕-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素;
1-t-ブチル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-プロピルアミノ〕-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-チオ尿素;
1-t-ブチル-3-〔2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-プロピルアミノ〕-6-(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素;
1-アリル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-プロピルアミノ〕-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素;
6-(2,6-ジクロロフェニル)-N7-(5,6-ジヒドロ-4H-〔1,3〕オキサジン-2-イル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-プロピル〕-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン;および
3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-プロピルアミノ〕-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-1,1-ジエチル尿素を包含する。
更に別の好ましい化合物群は、下記式:
〔特に式中R8は-NR5R6である〕のアミジンである。
更に別の好ましい化合物群はArがフェニルまたは置換フェニル以外である式Iを有する。このような化合物の典型は下記式:
のピリジンである。
本発明はまた医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤とともに式Iの化合物を含有する製剤を提供する。
本発明の範囲に含まれる化合物はEGF、FGF、PDGF、V-srcおよびC-srcのチロシンキナーゼドメインの基質部位の一つ以上に対して特異的な親和性を有する。本発明の範囲に含まれる化合物は受容体のEGFおよびPDGF自己リン酸化を効果的に抑制し、そして、血管平滑筋細胞の増殖および移行を抑制した。
蛋白キナーゼの阻害剤として、本発明の化合物は哺乳類の白血病、ガン、乾癬、アテローム性動脈硬化症に関る血管平滑筋の増殖、および術後血管狭窄および再狭窄を含む増殖性疾患の制御において有用である。
本発明の別の実施態様は血管平滑筋増殖により生じる疾患を有する対象の治療方法である。その方法は、治療の必要な対象に式Iの化合物の有効量を投与することによる、血管平滑筋の増殖および/または移行の抑制を包含する。
最後に、本発明は式Iの化合物および合成中間体の製造方法に関する。
発明の詳細な説明
本発明の化合物は、未溶媒和形態ならびに水和形態を含む溶媒和形態で存在することができる。一般的に、水和形態を含む溶媒和形態は未溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲に包含されるものとする。
式Iの化合物において、「C1〜C8アルキル」という用語は、炭素原子1〜8個を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル等を包含する。C1〜C6アルキル基が好ましい。
「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを包含する。
「C2〜C8アルケニル」とは、炭素原子2〜8個および二重結合1個を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基を意味し、エテニル、3-ブテン-1-イル、2-エテニルブチル、3-オクテン-1-イル等を包含する。典型的なC2〜C8アルキニル基はプロピニル、2-ブチン-1-イル、3-ペンチン-1-イル等を包含する。C2〜C6アルケニルが好ましい。「C3〜C10シクロアルキル」とはシクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、アダマンチル、ビシクロ〔3.2.1〕オクチル、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプチル等のような環状または二環のヒドロカルビル基、並びにピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル等のようなヘテロ環を意味する。
「C1〜C8アルコキシ」とは、酸素を介して結合している上記したアルキル基を示し、その例にはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t-ブトキシ、n-オクチルオキシ等が包含される。C1〜C6アルコキシ基が好ましい。
典型的な「C1〜C8アルカノイル」基にはホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリルおよびイソブチリルが包含される。「C1〜C8アルカノイルオキシ」にはアセトキシ、t-ブタノイルオキシ、ペンタノイルオキシ等が包含される。
アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はNR5R6および5員または6員の炭素環および窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子1〜2個を含むヘテロ環の基で置換されていてよい。このような環は例えば一つまたは二つのC1〜C6アルキル基で置換されていてよい。例には、ジメチルアミノメチル、4-ジエチルアミノ-3-ブテン-1-イル、5-エチルメチルアミノ-3-ペンチン-1-イル-4-モルホリノブチル、4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブチル、4-テトラヒドロピリジニルブチル-、2-メチルテトラヒドロピリジノメチル-、3-イミダゾリジン-1-イルプロピル、4-テトラヒドロチアゾル-3-イルブチル、フェニルメチル、3-クロロフェニルメチル等が包含される。
「Ar」および「Ar′」という用語はフェニル、3-クロロフェニル、2,6-ジブロモフェニル、ピリジル、3-メチルピリジル、ベンゾチエニル、2,4,6-トリブロモフェニル、4-エチルベンゾチエニル、フラニル、3,4-ジエチルフラニル、ナフチル、4,7-ジクロロナフチル等のような未置換および置換された芳香族およびヘテロ芳香族の基を示す。
好ましいArおよびAr′基は、フェニルおよび、ハロ、アルキル、アルコキシ、チオ、チオアルキル、ヒドロキシ、アルカノイル、-CN、-NO2、-COOR8、-CF3アルカノイルオキシ、または式-NR5R6のアミノから独立して選択される基1、2または3個で置換されたフェニルである。ジ置換フェニルが好ましく、そして、2,6-ジ置換フェニルが特に好ましい。他の好ましいArおよびAr′基にはピリジル、例えば2-ピリジルおよび4-ピリジルが包含される。
典型的なArおよびAr′である置換フェニル基には2-アミノフェニル、3-クロロ-4-メトキシフェニル、2,6-ジエチルフェニル、2-n-ヘキシル-3-フルオロフェニル、3-ヒドロキシフェニル、3,4-ジメトキシフェニル、2,6-ジクロロフェニル、2-クロロ-6-メチルフェニル、2,4,6-トリクロロフェニル、2,6-ジメトキシフェニル、2,6-ジヒドロキシフェニル、2,6-ジブロモフェニル、2,6-ジニトロフェニル、2,6-ジ-(トリフルオロメチル)フェニル、2,6-ジメチルフェニル、2,3,6-トリメチルフェニル、2,6-ジブロモ-4-メチルフェニル等が包含される。
式Iの化合物はさらに医薬上許容される酸付加塩および/または塩基塩の両方を形成することができる。これらの形態の全ては本発明の範囲に包含される。
式Iの化合物の医薬上許容される酸付加塩には、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸等のような無機酸から誘導した塩、並びに、脂肪族モノ-およびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカンジ酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族のスルホン酸等のような有機酸から誘導した塩が包含される。即ちこのような塩には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩等が包含される。更にまた、アミノ酸塩、例えばアルギン酸塩等、そしてグルコン酸塩、ガラクツロン酸塩も包含される(例えばBerge S.M.等の「Pharmaceutical Salts」,J.of Pharmaceutical Science,66:1-19(1977)参照)。
上記した塩基性化合物の酸付加塩は従来の方法で遊離の塩基の形態を十分な量の所望の酸と接触させ塩を形成することにより製造する。遊離の塩基の形態は従来の方法で塩の形態を塩基と接触させて遊離の塩基を単離させることにより再生してよい。遊離の塩基の形態は極性溶媒中の溶解度のような特定の物理的性質においてある程度対応する塩形態とは異なるが、その他の点については、本発明の目的のためには塩はその対応する遊離塩基と同等である。
医薬上許容される塩基付加塩は金属およびアミン類、例えばアルカリおよびアルカリ土類金属または有機アミンを用いて形成する。カチオンとして使用する金属の例はナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等である。適当なアミンの例はN,N′-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミンおよびプロカインである(例えばBerge S.M.等の「Pharmaceutical Salts」,J,of Pharmaceutical Science,66:1-19(1977)参照)。
上記酸性化合物の塩基付加塩は従来の方法で遊離の酸の形態を十分な量の所望の塩基と接触させて塩を形成することにより製造する。遊離の酸の形態は従来の方法で塩形態を酸と接触させて遊離酸を単離することにより再生してよい。遊離酸形態は極性溶媒中の溶解度のような特定の物理的性質においてその対応する塩形態とある程度異なるが、その他の点においては、本発明の目的のためには塩はその対応する遊離酸と同等である。
本発明の形態は本明細書においては現時点で好ましい実施態様を構成するものであるが、多くの他の形態も可能である。本発明の可能な同等の形態または様式の全てを本明細書中に記載するわけではない。本明細書中で使用する用語は限定的なものではなく、説明を意図するのみであり、様々な変更が本発明の精神または範囲内で可能であると考えられる。
式Iの化合物はスキームI-VIIに記載する合成法に従って製造できる。これらのスキームは厳密な構造式を示している場合が多いが、有機化学分野で標準的な方法による反応性の官能基の保護および脱保護を適切に考慮する限り、方法は式Iの化合物の類縁物質に広く適用される。例えば、ヒドロキシ基は望ましくない副反応を防止するためには、一般的に、分子の他の部位における化学反応の間エーテルまたはエステルに変換することが必要である。ヒドロキシ保護基は容易に除去して遊離のヒドロキシ基とすることができる。アミノ基およびカルボン酸の基は同様に誘導体化して望ましくない副反応を防止する。典型的な保護基およびそれを結合および脱離させるための方法は、GreeneとWutsのProtecvive Groups in Organic Synthesis,John Wiley and Sons,New York,(第2版,1991)およびMcOmieのProtective Groups in Organic Chemistry,Plenum Press,New York,1973に詳細に記載されている。
スキームIは米国特許3,534,039号の方法により製造することができる重要な中間体である2,7-ジアミノ-6-(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジンからの、1-t-ブチル-3-〔7-(3-t-ブチルウレイド)-6-(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル〕尿素および1-〔2-アミノ-6-(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素の製造のための典型的な方法を記載したものである。一般的に、反応は2,7-ジアミノ-6-(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン化合物を1当量のアシル化剤、例えばアルキルイソシアネート、イソチオシアネート、カルバモイルクロリド、カルバモイルブロミド、スルファモイルクロリド、クロロホルメートまたは他の活性化酸誘導体、例えば対称無水物、混合無水物等と反応させることにより行うことができる。反応は未希釈状態のイソシアネート中、または塩基、好ましくは水素化ナトリウムの存在下、ジメチルホルムアミド、ジオキサン等のような適当な非反応性の溶媒中で行う。出発物質2,7-ジアミノ-6-(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジンは前記した方法と同様にして、2倍過剰量以上のアシル化試薬を用いながら反応させて主にジアシル化化合物、例えば1-t-ブチル-3-〔7-(3-t-ブチルウレイド)-6-(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル〕尿素とすることができる。
アシル化は一般的に、約20℃〜約80℃の温度で約1〜3時間行うことにより実質的に終了する。生成物は通常の方法で、例えば固体が存在する場合はそれを濾過し、蒸発により反応溶媒を除去することにより容易に単離される。生成物は所望により、通常の方法で、例えば酢酸エチル、ジクロロメタン、ヘキサン等のような有機溶媒から結晶化させたり、シリカゲルのような固体支持体上のクロマトグラフィーにより精製することができる。本発明の化合物は典型的には容易に結晶化される固体である。
スキームIIはジアシル化生成物、例えばN-〔2-アセチルアミノ-6-(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕アセトアミドを製造するための加熱による2倍過剰量以上の無水酢酸を用いた2,7-ジアミノ-6-(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジンの典型的なアシル化を説明するものである。より一般的には、この種のジアシル化化合物はこの方法により、出発物質として適切な2,7-ジアミノ-6-(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン化合物を用いて、これを過剰のアシル化試薬、例えば酸無水物、混合酸無水物または活性化アシル誘導体例えば酸クロリドおよびスルホニルクロリドで処理することにより製造できる。反応は一般的には約20℃〜200℃の温度で行う。トリエチルアミンおよび水酸化ナトリウムのような有機または無機の塩基の添加は反応の過程で生成する酸副生成物を捕獲するために必要である。ジアシル化生成物は上記した通りクロマトグラフィーまたは結晶化により容易に単離精製される。
スキームIIIは米国特許3,534,039号に記載の方法で製造できる2,7-ジアミノ-6-(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジンを出発物質とする数工程での6-(アリール)-N7-アルキルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミンの製造を説明するものである。還流条件下に水性の無機酸で出発物質を処理することにより加水分解生成物2-アミノ-6-(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-オールが得られる。Vilsmeier-Haack条件下2-アミノ-6-(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-オールをチオニルクロリドと反応させることによりクロロホルムアミジン生成物N′-(7-クロロ-6-(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル)-N,N-ジメチルホルムアミジンが得られる。この反応性中間体をアミンのような親核試薬と直接反応させることによりN7-アルキル-6-(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミンとすることができる。あるいは、ホルムアミジン官能基をアルコール分解により除去して7-クロロ誘導体、即ち2-アミノ-7-クロロ-6-(アリール)ピリド〔2,3-d〕ピリミジンを得ることができる。アルキルアミンのような親核試薬に7-クロロ中間体を反応させることにより相当する6-(アリール)-N7-アルキルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミンが得られる。
スキームIVは、3-(アリール)-〔1,6〕ナフチリジン-2,7-ジアミンの製造を説明するものであり、これらの化合物の製造のための一般的方法を示すものである。6-ブロモ-2,4-ジアミノ-5-シアノピリジンの水素化分解(JACS,80:2838-2840(1958))により、中間体2,4-ジアミノ-5-シアノピリジンが得られる。次に、ラニーニッケル触媒を用いながら例えばギ酸-水の混合物中でシアノピリジン化合物を水素化することにより重要で不安定な中間体である2,4-ジアミノ-5-ピリジンカルボキシアルデヒドが得られる。次にアルデヒドをスキームIVに示すとおりアリールアセトニトリルと縮合させることにより3-(アリール)-〔1,6〕ナフチリジン-2,7-ジアミンが得られる。縮合反応はアルコキシド塩基、例えばエタノールまたは2-エトキシエタノールに金属ナトリウムまたは水素化ナトリウムを添加することにより容器内で生成できるナトリウムエトキシドまたはナトリウム2-エトキシエトキシドの存在下行う。スキームIVは本発明の3-(アリール)-〔1,6〕ナフチリジン-2,7-ジアミンの製造のための一般的方法を説明するものである。
スキームVは高温でボンベ中アルキルアミンを用いた6-アリールピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(米国特許3,534,039号)の直接のジアルキル化によるN2,N7-ジアルキル-6-アリールピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミンの製造を説明するものである。一般的に、この反応はボンベ装置中150〜300℃の温度でイソブチルアミンおよびn-ヘキシルアミンのような未希釈のアミン試薬を用いて行う。
スキームVIはR1がジエチルアミノプロピルのようなアミノアルキル基である式Iの化合物の合成を説明するものである。6-(アリール)-2,7-ジアミノピリド〔2,3-d〕ピリミジンは、一般的にはボンベ中スルファミン酸のような酸の存在下アミノアルキルアミン(例えばH2Nアルキル-NR5R6)のようなアミン親核物質と直接反応させて本発明のアミノアルキル置換化合物を得ることができる。化合物は所望に応じて常法により更にアシル化することができる。化合物は結晶化およびクロマトグラフィーのような一般的な方法で容易に単離精製される。
スキームVIIはR3とR4がそれらに連結している窒素原子と一緒になって環を形成するような式Iの化合物の合成を説明するものである。環は窒素、酸素またはイオウのような別のヘテロ原子をさらに含むことができる。スキームVIIでは、ジアミノピリドピリミジンをハロエチルイソシアネートと反応させてイミダゾリジノンを形成している。反応は一般的にジメチルホルムアミドのような有機溶媒中、通常は水素化ナトリウムのような塩基の存在下に行う。反応は典型的には、約30℃で行う場合には約8〜16時間で終了する。生成物は常法により容易に単離精製される。
上記した反応はまた、R1またはR3が式
のアシル類縁体であるような式Iの化合物も生成する。
スキームVIIaはその反応を説明するものである。生成物はクロマトグラフィー、分別結晶等のような常法により単離できる。
本発明により得られるもう一つの化合物群はアミジン類、即ち、R1とR2がそれらに連結している窒素と一緒になって、そしてR3とR4がそれらに連結している窒素と一緒になって式
を有する基となることのできる式Iの化合物である。
スキームVIIIはアミドまたは環状アミドのアセタール、例えばN,N-ジメチルホルムアミドのジメチルアセタールまたはN-メチルピロリドンのジメチルアセタールにアミノピリドピリミジンを反応させることにより製造できる典型的なピリドピリミジンアミジンの合成を説明するものである。反応は典型的には、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン等のような相互溶媒中約等モル量または過剰量のアセタールにアミノピリドピリミジンを混合することにより行う。反応は一般的に、約5℃〜約50℃の温度で行う場合には約3〜6時間で終了する。生成物は、通常の方法で容易に単離され、所望によりクロマトグラフィー、結晶化等のような常法により精製することができる。
本発明は更にアミノ基がアリールAr′、例えばフェニル、置換フェニル、ピリジル、チアゾリル、ピリミジル等で置換されたアミノピリドピリミジンを提供する。好ましいN-アリール化合物は下記式:
〔式中Ar、Ar′およびBは前に定義したとおりである〕を有する。このような化合物はいくつかの方法のいずれかにより、例えばスキームIXおよびXに記載のとおり製造することができる。
スキームIXにおいて、例えば2位においてアルキルチオ、アルキルスルホキシドまたはアルキルスルホンで置換されたピリドピリミジンを、アリールアミン(例えばAr′NH2)と反応させることにより、チオスルホキシドまたはスルホン置換基の置換を起こし、相当するN-アリールアミノピリドピリミジンを生成する。置換反応は一般的にジメチルホルムアミドのような有機溶媒中、通常は約20℃〜約80℃の温度で行う。反応は一般的に、約3〜約8時間の後に終了し、そして、反応混合物を水に添加し、生成物を塩化メチレン等のような溶媒中に抽出することにより生成物を容易に単離することができる。
スキームXは適当に置換されたピリミジン、例えば4-アミノ-2-クロロピリミジン-5-カルボニトリルを出発物質としたN-アリールアミノピリドピリミジンの合成を説明するものである。ハロ基をアリールアミン(Ar′NH2)との反応により置換させて5位にシアノ基を有する相当する2-N-アリールアミノピリミジンとする。シアノ基は、水およびギ酸中、ラニーニッケルを用いて還元することによりアルデヒドに変換し、形成した2-アリールアミノ-4-アミノピリミジン-5-カルボキシアルデヒドをスキームIVに記載した方法でアリールアセトニトリル(例えばフェニルアセトニトリル、2-ピリジルアセトニトリル等)と反応させて相当する本発明のN-アリールアミノピリドピリミジンを得る。
式Iの化合物は蛋白チロシンキナーゼの価値ある阻害剤であり、増殖性疾患の治療のための細胞抗増殖剤として治療上の価値を有する。これらの化合物は蛋白キナーゼ類、PDGF、FGF、EGF、V-src、およびC-srcの一つ以上の強力な阻害剤である。即ち、本発明の化合物はアテローム性動脈硬化症、再狭窄およびガンの治療において有用である。化合物による治療の対象となる特定の腫瘍には、An.Rev.Respir.Dis.,142:554-556(1990)記載のとおり、小細胞肺ガン腫;Cancer Research,52:4773-4778(1992)記載のとおりヒト乳ガン;Cancer Research,52:1457-1462(1992)記載の型の低級ヒト膀胱ガン;J.Clin.Invest.,91:53-60(1993);およびJ.Surg.Res.,54:293-294(1993)で論じられているヒト結腸直腸ガンが包含される。化合物はまたStreptococcus pneumoniaeのような細菌に対する抗生物質としても有用である。例えば実施例9および18の化合物は標準的なin vitroの試験で評価したところ上記グラム陽性細菌株に対して活性を示した。化合物は更に種々の広葉植物や雑草のような望ましくない植物に対する除草剤として有用である。
本発明の化合物は経皮投与および直腸投与を含む種々の経口および非経腸の剤型に製剤して投与できる。当業者の知るとおり、後述する剤型は活性成分として式Iの化合物または式Iの化合物の相当する医薬上許容される塩または溶媒和物のいずれを含有してもよい。
本発明の更に別の実施態様は、医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤とともに式Iの化合物を含有する製剤である。本発明の化合物を用いて製剤を調製するためには、医薬上許容される担体は固体または液体であることができる。固体形態の製剤には粉末、錠剤、丸薬、カプセル、カシェ剤、坐薬、および分散性顆粒が包含される。固体担体は希釈剤、フレーバー剤、バインダー、保存料、錠剤崩壊剤またはカプセル化剤としても機能するような物質一つ以上であることができる。
粉末においては、担体は細密分割された活性成分との混合物中のタルクまたはでん粉のような細密分割固体である。
錠剤においては、活性成分は適当な比率で必要なバインダー特性を有する担体と混合し、所望の形状および寸法に圧縮成型する。
本発明の製剤は好ましくは活性化合物約5〜約70%を含有する。適当な担体には炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、でん粉、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオバター等が包含される。経口用の好ましい形態は、カプセルであり、これは、別の担体を伴うか伴うことなく活性成分がある担体により包囲され、これによりそれと複合されているようなカプセルを与えるような担体としてカプセル化剤を用いた活性成分の製剤を包含する。同様にカシェ剤およびロゼンジも包含される。錠剤、粉末、カプセル、丸薬、カシェ剤およびロゼンジは経口投与に適する固体剤型として使用できる。
坐薬を調製するためには、脂肪酸グリセリドの混合物またはカカオバターのような低融点ワックスをまず溶融させ、そこに活性成分を撹拌などにより均質に分散させる。次に溶融した均質な混合物を好都合な大きさの金型に注ぎ込み、冷却し、固化させる。
液体製剤には、溶液、懸濁液および乳液、例えば水溶液または水-プロピレングリコール溶液が包含される。非経腸注射のためには、液体製剤はポリエチレングリコール水溶液中、等張性食塩水中、5%グルコース水溶液中等の溶液として製剤できる。
経口用に適する水溶液は、活性成分を水に溶解し、適当な着色料、フレーバー剤、安定化剤および濃厚化剤を所望により添加することにより調製できる。
経口用に適する水性懸濁液は天然または合成のガム類、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび他の良く知られた懸濁剤のような粘稠な物質とともに、水中に細密分割された活性成分を分散させることにより調製できる。
更に、使用直前に経口投与用液体製剤とするような固体製剤も包含される。このような液体製剤には、溶液、懸濁液および乳液が包含される。これらの製剤は、活性成分に加えて、着色料、フレーバー剤、安定化剤、緩衝剤、人工または天然の甘味料、分散剤、濃厚化剤、可溶化剤等を含有してよい。ワックス、重合体等を用いて除放性の製剤を調製することができる。更に、長時間にわたり均一に活性成分を供給するために浸透圧ポンプを用いてもよい。
本発明の製剤は好ましくは単位剤型である。このような剤型において、製剤は適切な量の活性成分を含有する単位用量に細分割される。単位剤型は包装された製剤であることができ、その包装には異なる量の製剤を入れ、パック入り錠剤、カプセル、およびバイアルやアンプル中の粉末とすることができる。更に、単位剤型はカプセル、錠剤、カシェ剤またはロゼンジそのものであることもできるが、これらのいずれかの適切な数が包装された形態であることもできる。
式Iの化合物の治療有効量は一般的に約1mg〜約100mg/kg体重/日である。典型的な成人の用量は約50〜約800mg/日である。単位用量製剤中の活性成分の量は、特定の症例および活性成分の力価に応じて、約0.1mg〜約500mg、好ましくは約0.5mg〜100mgとなるように適宜調整してよい。所望により組成物は更に別の適合性のある治療薬を含有することもできる。式Iの化合物による治療の必要な対象には、単回投与により、または24時間にわたる複数回の投与により、1日当たり約1〜約500mgの用量を投与する。
本発明の化合物はチロシンキナーゼ阻害を測定するために用いる標準的なアッセイにおいて評価した。このようなアッセイの一つは以下のとおり実施した。
表皮生育因子受容体チロシンキナーゼの精製
ヒトEGF受容体チロシンキナーゼを下記の方法でA431表皮様ガン腫細胞から単離した。細胞を10%ウシ胎児血清含有の50%Delbuco変性イーグルおよび50%HAM F-12栄養培地(Gibco)中、ローラーボトル内で生育させた。約109個の細胞を20mM 2-(4N-〔2-ヒドロキシエチル〕ピペラジン-1-イル)エタンスルホン酸、5mMエチレングリコールビス(2-アミノエチルエーテル)N,N,N′,N′-4酢酸、1%トリトンX-100、10%グリセロール、0.1mMオルトバナジウム酸ナトリウム、5mMフッ化ナトリウム、4mMピロホスフェート、4mMベンズアミド、1mMジチオスレイトール、80μg/mLアプロチニン、40μg/mLロイペプチンおよび1mMフェニルメチルスルホニルフロリドを含有する緩衝液(pH7.4)2容量中で溶解させた。10分間25,000×gで遠心分離した後、上澄みを、予め50mM HEPES、10%グリセロール、0.1%トリトンX-100および150mM NaCl(pH7.5)(平衡化緩衝液)で平衡化させておいた小麦胚芽アグルチニンセファロース10mLで4℃で2時間平衡化させた。夾雑蛋白質を平衡化緩衝液中1M NaClで樹脂から洗い出し、酵素を平衡化緩衝液中0.5M N-アセチル-1-D-グルコサミンで溶出させた。
IC50値の測定
IC50測定のための酵素アッセイは、25mM Hepes,5mM MgCl2、2mM MnCl2、50μMバナジウム酸ナトリウム、EGF受容体チロシンキナーゼ5〜10ng、200μM基質ペプチド、例えば(Ac-Lys-His-Lys-Lys-Leu-Ala-Glu-Gly-Ser-Ala-Tyr472-Glu-Glu-Val-NH2)(Wahl M.I.等,J.Biol.Chem.,265:3944-3948(1990))、〔32P〕ATP 1μCi含有10μM ATPを組成とする液(pH7.4)中、総容量0.1mLで行い、室温で10分間インキュベートした。75mMリン酸2mlを添加することにより反応を停止し、2.5cmのホスホセルロースフィルターディスクを通すことによりペプチドを結合させた。フィルターを5回75mMリン酸で洗浄し、シンチレーション液(Ready gel Beckman)5mlとともにバイアル中に入れた。
PDGFおよびFGF受容体チロシンキナーゼアッセイ
マウスPDGF-βおよびヒトFGF-1(flg)の受容体チロシンキナーゼの全長cDNAを、J.Escobedoから入手し、J.Biol.Chem.,262:1482-1487(1991)に記載のとおり製造し、そしてPCRプライマーは、細胞内チロシンキナーゼドメインをコードするDNAのフラグメントを増幅するように設計した。フラグメントをバキュロウィルスベクターに組み込み、AcMNPV NDAでコトランスフェクションし、組み換えウィルスを単離した。SF9昆虫細胞をウィルスに感染させて蛋白質を過剰発現させ、細胞溶解物を用いてアッセイを行った。アッセイは96穴のプレート(100μL/インキュベーション/ウエル)で行い、γ32P-ATPからグルタメート-チロシン共重合体基質への32Pのとり込みの測定に合わせて条件を至適化した。簡単に説明すると、各ウエルに25mM Hepes(pH7.0)、150mM NaCl、0.1%トリトンX-100、0.2mM PMSF、0.2mM Na3VO4、10mM MnCl2およびポリ(4:1)グルタメート-チロシン750μg/mLを含有するインキュベーション緩衝液82.5μL次いで、阻害剤2.5μLおよび酵素溶解物(7.5μg/μL FGF-TKまたは6.0μg/μL PDGF-TK)5μLを添加し、反応を開始した。25℃で10分間インキュベートした後、γ32P-ATP 10μL(0.4μCi+50μM ATP)を各ウエルに添加し、試料を25℃でさらに10分間インキュベートした。20mMピロリン酸ナトリウムを含有する30%トリクロロ酢酸(TCA)100μLを添加し、ガラス繊維フィルターマット(Wallac)上に物質を沈殿させることにより反応を停止した。フィルターを3回100mMピロリン酸ナトリウム含有15%TCAで洗浄し、フィルター上に保持された放射能をWallac 1250 Betaplateリーダーで計数した。非特異的活性は緩衝液のみ(酵素非存在下)で試料をインキュベートした後のフィルター上に保持された放射能として定義した。特異的酵素活性は総活性(酵素+緩衝液)−非特異的活性として定義した。特異的活性を50%阻害するような化合物の濃度(IC50)を阻害曲線に基づいて求めた。
V-srcまたはC-srcキナーゼアッセイ
V-srcまたはC-srcキナーゼはN末端2-17アミノ酸に対する抗ペプチドモノクローナル抗体を用いてバキュロウィルス感染昆虫細胞溶解物から精製する。0.65μmのラテックスビーズに共有結合した抗体を150mM NaCl、50mMトリスpH7.5、1mM DTT、1%NP-40、2mM EGTA、1mMバナジウム酸ナトリウム、1mM PMSF、各1μg/mLのロイペプチン、ペプスタチンおよびアプロチニンを含有する昆虫細胞溶解緩衝液の懸濁液に添加する、C-srcまたはV-src蛋白質のいずれかを含有する昆虫細胞溶解物をこのビーズとともに3〜4時間4℃で回転させながらインキュベートする。細胞溶解物インキュベーション終了時に、ビーズを3回溶解緩衝液ですすぎ、10%グリセロールを含有する溶解緩衝液中に再懸濁し、凍結する。このラテックスビーズを解凍し、40mMトリスpH7.5、5mM MgCl2を含有するアッセイ緩衝液で3回すすぎ、同じ緩衝液に懸濁する。0.65μmのポリビニリデン膜底部を有するミリポア96穴アレートに、以下の反応成分:V-srcまたはC-srcビーズ10μL、2.5mg/mLポリGluTyr基質10μL、0.2μCi標識32P-ATP含有5μM ATP、阻害剤含有または溶媒対照のDMSO 5μL、および最終容量を125μLとするための緩衝液を添加する。反応はATPを添加することにより室温で開始し、10分後に125μLの30%TCA、0.1Mピロリン酸ナトリウムを添加し、氷上に5分間置くことによりクエンチする。次にプレートを濾過し、ウエルを各250μLの15%TCA、0.1Mピロホスフェートで2回洗浄する。フィルターをパンチし、液体シンチレーションカウンターで計数し、エルブスタチンのような知られた阻害剤とデータを比較して阻害活性を調べる。方法はJ.Med.Chem.,37:598-609(1994)に詳細に記載されている。
細胞培養
ラット大動脈平滑筋細胞(RASMC)をラットの胸部大動脈から摘出し、Rossの方法(J.Cell.Biol.,30:172-186(1971))に従って体外培養した。細胞を10%ウシ胎児血清(FBS,Hyclone,Logan,Utah)、1%グルタミン(Gibco)および1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco)を含有するDulbeccoの変性イーグル培地(DMEM,Gibco)中で生育させた。「ヒルアンドバレー(hill and valley)」の生育バターンにより、そして、SMC μ-アクチンに特異的なモノクローナル抗体(sigma)で蛍光染色されることにより、細胞が平滑筋細胞であることを同定した。RASMCは全ての実験において5〜20代目の継代培養物を用いた。被験化合物は溶媒の一貫性を確保し、化合物の溶解性を確保するためにジメチルスルホキシド(DMSO)中に製造した。適切なDMSO対照群も被験化合物と同時に評価した。
〔3H〕-チミジンとり込みアッセイ
RASMCを10%FBS添加DMEM中24穴プレートに接種した(30,000個/ウエル)。4日後、細胞は全面培養に達し、さらに2日間0.2%FBS添加DMEM/F12培地(Gibco)中でインキュベートすることにより静止状態とした。0.5ml/ウエルの血清置換培地(DMEM/F12+1%CPSR-2、Sigma製)中、PDGF-BB、bFGFまたはFBSのいずれか、および被験化合物とともに22時間細胞をインキュベートすることにより、DNA合成を誘導した。18時間後、0.25μCi/ウエルの〔3H〕-チミジンを添加した。4時間後、放射性培地を除去し、細胞を2回1mlの冷リン酸塩緩衝食塩水で洗浄し、次に2回冷5%トリクロロ酢酸で洗浄することによりインキュベーションを停止した。酸不溶性の画分を0.25N NaOH 0.75mlで溶解し、液体シンチレーション計数により放射能を測定した。IC50値はグラフにより求めた。
PDGF受容体自己リン酸化
RASMCを100mmのディッシュ中全面培養となるまで生育させた。生育培地を除去し、血清非含有の培地と交換し、細胞をさらに24時間37℃でインキュベートした。次に被験化合物を培地に直接添加し、細胞をさらに2時間インキュベートした。2時間後、PDGF-BBを37℃で5分間30ng/mLの最終濃度となるように添加し、PDGF受容体の自己リン酸化を刺激した。生育因子処理の後、培地を除去し、細胞を冷リン酸塩緩衝食塩水で洗浄し、即座に溶解緩衝液(50mM HEPES(pH7.5)、150mM NaCl、10%グリセロール、1%トリトンX-100、1mM EDTA、1mM EGTA、50mM NaF、1mMオルトバナジウム酸ナトリウム、30mM p-ニトロフェニルホスフェート、10mMピロリン酸ナトリウム、1mMフェニルメチルスルホニルフロリド、10μg/mLアプロチニンおよび10μg/mLロイペプチン)1mLで溶解した。溶解物を10分間10,000Gで遠心分離した。上澄みを2時間ウサギ抗ヒトPDGF AB型受容体抗体(1:1000)10μLとともにインキュベートした。インキュベーション後、プロテインAセファロースビースを添加して2時間混合を継続し、ビースに結合した免疫複合体を溶解洗浄緩衝液1mlで4回洗浄した。免疫複合体をLaemmli試料緩衝液30μL中に溶解し、4〜20%SDSポリアクリルアミドゲル中で電気泳動した。電気泳動後、分離した蛋白質をニトロセルロースに移し、抗ホスホチロシン抗血清を用いたイムノブロッティングに付した。〔125I〕-プロテインAとともにインキュベートした後、チロシンリン酸化蛋白質の濃度はホスホルイメージ(phosphorimage)分析により測定し、蛋白質のバンドは密度測定により定量した。IC50値は密度測定データから求めた。
以下に示す表IおよびIIは前述したアッセイで分析した場合の本発明の代表的な化合物の生物学的データを示すものである。
本発明の化合物は閉塞した動脈のバルーン血管形成術後の再狭窄を治療するために特に有用である。再狭窄は、カルシウム沈着した動脈の血管形成術を受けた患者の約40%で起こり、このような心臓症状を有する患者のこの種の治療法に伴う大きな問題点となっている。本発明の化合物は下記の標準的な試験で評価した場合、良好な活性を示す。
ラット頸動脈のバルーン血管形成術
雄性Sprague-Dawleyラット(350〜450g)を2投与群に分け、1つめの群のラット(n=10)には薬剤を投与(100mg/kg、PO,BID)し、2つめの群のラットにはビヒクル(2ml/kg,PO,BID,(n=10))を投与した。ラットは全て、術前の2日間前投与し、術後は屠殺時まで毎日薬剤投与を継続した。
ラット頸動脈のバルーン傷害は以下の操作法に従って実施した。ラットをTelazol(0.1ml/100gIM)で麻酔し、頸部の前方正中切開により頸動脈を露出させた。頸動脈を内側および外側頸動脈の分岐部で摘出した。2F塞栓切開用カテーテルを外側頸動脈に挿入し、大動脈屈曲部の位置まで総頸動脈中を下行させた。バルーンを膨大させカテーテルを挿入部まで引き戻し、次に収縮させた。この操作をさらに2回反復した。塞柱切開用カテーテルをとり出し、内側頸動脈を通る血流に影響しないように外側頸動脈を結紮した。切開部を閉じラットが覚醒した後に飼育ケージに戻した。
傷害後経時的にラットをCO2吸入により安楽死させ、頸動脈を灌流下に固定し、組織学的検査用に処理した。患部の大きさの形態学的測定は固体の中膜の比として表した頸動脈内膜の面積を測定することにより行った。各ラットから16検体以下の切片を調製して頸動脈に沿って下行する患部の大きさを均一に表示した。血管の横断面の面積をPrinceton Gamma Tech(Princeton,New Jersey)のイメージ分析プログラムを用いて定量した。
以下の実施例は本発明の中間体および最終生成物を製造するための方法を説明するものである。これらは本発明を限定するものではない。溶媒混合物はv/vで示した。
実施例 1
2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
(米国特許3,534,039号に記載の方法により調製)。ナトリウム0.14gおよび2-エトキシエタノール60mlから調製したナトリウム2-エトキシエトキシドの溶液に、2,4-ジアミノ-5-ピリミジンカルボキシアルデヒド2.07gおよび2,6-ジクロロフェニルアセトニトリル2.79gを添加した。混合物を4時間還流下に加熱し、冷却し、不溶性の物質をジエチルエーテルで洗浄して2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジンを得た。融点325〜332℃(MS)。
実施例 2
1-t-ブチル-3-〔7-(3-t-ブチルウレイド)-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル〕尿素
DMF45ml中の上記2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン3.0gのスラリーに、水素化ナトリウム0.48g(鉱物油中50%)を少しずつ添加した。混合物を1時間撹拌し、t-ブチルイソシアネート1.0gを添加し、反応混合物を16時間周囲温度で撹拌した。反応混合物を濾過して少量の不溶性物質を除去し、濾液を水500mlで希釈した。不溶性物質を濾過して集め、水、次いでエーテルで洗浄し、フィルター上で風乾した。生成物をクロロホルム中0〜1%のメタノールの勾配で溶離しながらシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、エタノールから結晶化させた後、1-t-ブチル-3-〔7-(3-t-ブチルウレイド)-6-(ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル〕尿素0.7gを得た。融点200℃(分解)。
元素分析値 C23H22Cl2N7O2・0.1 H2O:
理論値:C 54.57, H 5.42, N 19.37, H2O 0.36
実測値:C 54.05, H 5.43, N 19.08, H2O 0.37
実施例 3
1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素
実施例2の溶離を継続することにより、エタノールから結晶化後、1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素1.5gを得た。融点335℃。
元素分析値 C18H18Cl2N6O・0.5 H2O:
理論値:C 52.18, H 4.62, N 20.28, H2O 2.17
実測値:C 51.90, H 4.56, N 20.01, H2O 2.39
実施例 4
1-t-ブチル-3-〔7-(3-t-ブチルウレイド)-6-o-トリルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル〕尿素
ジメチルホルムアミド10ml中の実施例1のとおり調製した2,7-ジアミノ-6-o-トリルピリド〔2,3-d〕ピリミジン0.5gの懸濁液を、60%水素化ナトリウム0.16gと反応させ、1.5時間周囲温度で撹拌した。懸濁液にt-ブチルイソシアネート0.49mlを添加し、混合物を周囲温度で一夜撹拌した。反応混合物を濾過して不溶性の塩を除去し、濾液を減圧下に蒸発させた。残存物を水で希釈し、不溶性の粗生成物を濾過して集め、真空下に乾燥した。ヘキサン:酢酸エチル:ジクロロメタン混合物(3:2:5 v/v/v)から結晶化させて標題化合物を得た。融点209〜212℃(分解)。
元素分析値 C24H31N7O2・0.3 H2O:
理論値:C 63.36, H 7.00, N 21.55
実測値:C 63.37, H 6.92, N 21.16
実施例 5
1-〔2-アミノ-6-o-トリルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素
2,7-ジアミノ-6-o-トリルピリド〔2,3-d〕ピリミジンを出発物質とし、実施例2に記載のとおり調製を行って標題化合物1-〔2-アミノ-6-o-トリルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素を得た。融点285〜290(分解);MS(CI)。
実施例 6
1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素
2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジンを出発物質とし、実施例2に記載のとおり調製を行って、標題化合物1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素を得た。融点203〜205℃(分解);CIMS(メタン中1%アンモニア)365(M+1,50),366(M+2,10),84(100)。
実施例 7
N-〔2-アセチルアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕アセトアミド
無水酢酸100ml中の実施例1に記載のとおり調製した2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン10gの混合物を2時間還流した。反応混合物を室温に戻し、過剰の無水酢酸を真空下に除去した。残存物をエタノールに溶解し、活性炭処理し、濾過し、一夜0℃に冷却した。不溶性の粗生成物を濾過して集め、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下に乾燥した。粗生成物を活性炭を用いながら煮沸中の酢酸エチルから結晶化させ、得られた2.7gの低純度の生成物を熱酢酸エチル中のスラリーとして不溶性の純粋な生成物(1.2g)を収集することにより更に精製した。融点223〜225℃。
元素分析値 C17H13Cl2N5O2:
理論値:C 52.32, H 3.36, N 17.95
実測値:C 51.92, H 3.43, N 17.78
実施例 8
2-アミノ-6-フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-オール
濃塩酸2lおよび水1lよりなる溶液に2,7-ジアミノ-6-フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジンのジスルフェート塩300gを添加し、形成した混合物を一夜撹拌しながら還流した。反応混合物を氷浴上で冷却し、濾過し、不溶性の生成物を水、次いでエタノールで洗浄し、標題化合物2-アミノ-6-フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-オール149gを得た。融点390〜395℃(350℃より高温で徐々に暗色化)。
実施例 9
N7-ブチル-6-フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例8において調製した2-アミノ-6-フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-オール23.8g、ジクロロメタン250mlおよびジメチルホルムアミド77.5mlの混合物に温度が15℃未満に維持されるように冷却しながらチオニルクロリド36mlを滴下添加した。添加終了後、懸濁液を5時間撹拌しながら還流下に加熱した。温度を60℃未満に維持しながら溶媒を真空下に除去した。得られた固体をn-ブチルアミン250mlに冷却しながら添加し、懸濁液を撹拌しながら6時間還流した。反応混合物を室温に戻し、濾過し、揮発性の濾液中成分を真空下ロータリーエバポレーターで除去した。粘稠な油状物でジエチルエーテルと水との間を仕切り、層を分離させ、エーテル層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させた。残存物でジエチルエーテルと希薄1N塩酸との間を仕切った。水性層をジエチルエーテルで3回洗浄し、水酸化ナトリウムを添加することによりpH12までアルカリ性化した。固体生成物を濾過して集め、真空下に乾燥し、標題化合物N7-ブチル-6-フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン6.5gを得た。融点174〜181℃(分離)。
元素分析値 C17H19N5:
理論値:C 69.60, H 6.53, N 23.87
実測値:C 69.53, H 6.63, N 24.37
実施例 10
2-アミノ-6-(4-メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-オール
2,7-ジアミノ-6-(4-メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン(米国特許3,534,039号)を出発物質として、実施例8に記載のとおり、標題化合物を調製した。融点380〜385℃(分解)。
元素分析値 C14H12N4O2・0.75 H2O:
理論値:C 59.90, H 4.42, N 19.88
実測値:C 60.10, H 4.32, N 19.64
実施例 11
N′-(7-クロロ-6-(4-メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル)-N,N-ジメチルホルムアミド
実施例10の2-アミノ-6-(4-メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-オール67.0g、ジクロロメタン1lおよびジメチルホルムアミド155mlの混合物に、温度が15℃未満に維持されるように冷却しながらチオニルクロリド72mlを滴下添加した。懸濁液を6時間撹拌しながら還流下に加熱した。反応混合物を濾過し、温度を60℃未満に維持しながら濾液を真空下に蒸発させた。得られた残存物を氷水に溶解し、水性水酸化ナトリウムを氷とともに添加した。生成物をクロロホルムに溶解し、水で洗浄し、無水炭酸カリウム上に乾燥し、蒸発させた。残存物をアセトニトリルでスラリーとし、不溶性の生成物を濾過して収集し、標題化合物N′-(7-クロロ-6-(4-メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル)-N,N-ジメチルホルムアミド31gを得た。生成物はさらに精製することなく次段階に用いた。
実施例 12
2-アミノ-7-クロロ-6-(4-メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
実施例11のN′-(7-クロロ-6-(4-メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル)-N,N-ジメチルホルムアミジン10gおよび95%エタノール500mlの混合物を3時間還流した。溶液を真空下に濃縮し沈殿を濾過して収集した。エタノールから結晶化させて標題化合物2-アミノ-7-クロロ-6-(4-メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン2.7gを得た。融点275〜280(分解)。
元素分析値 C14H11N4ClO:
理論値:C 58.64, H 3.87, N 19.54
実測値:C 58.70, H 3.94, N 19.51
実施例 13
6-(4-メトキシフェニル)-N7-メチルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例12の2-アミノ-7-クロロ-6-(4-メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン3.4g、無水メチルアミン40mlおよびメタノール10mlの混合物を4時間スチームバス上のボンベ中で加熱した。冷却後懸濁液をメタノール/水(50:50)50mlでボンベから洗い出し、溶媒を真空下に蒸発させた。固体残存物を水50mlでスラリーとし、濾過し、エタノールから結晶化させて標題化合物6-(4-メトキシフェニル)-N7-メチルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン2.2gを得た。融点270〜275℃(分解)。
元素分析値 C15H15N5O:
理論値:C 64.03, H 5.37, N 24.90
実測値:C 63.82, H 5.17, N 24.94
実施例 14
2,4-ジアミノ-5-シアノピリジン
テトラヒドロフラン250ml中の6-ブロモ-2,4-ジアミノ-5-シアノピリジン(JACS,80:2838〜2840(1958))21.3gおよび20%Pd/C1gの懸濁液を大気圧水素下、Parr装置中で振盪した。2時間後反応を停止させ、酢酸カリウム10gおよびメタノール50mlを添加した。反応系を再度水素下に付し、18時間振盪した。溶媒を減圧下に除去し、残存物をイソプロピルアルコールから結晶化させ標題化合物2,4-ジアミノ-5-アミノピリジンを得た。融点201〜202℃。
元素分析値 C6H6N4:
理論値:C 53.73, H 4.51, N 41.78
実測値:C 53.69, H 4.18, N 41.40
実施例 15
2,4-ジアミノニコチンアルデヒド
実施例14の2,4-ジアミノ-5-シアノピリジン13.4g、ラニーニッケル触媒2g、97〜100%ギ酸40mlおよび水80mlよりなる懸濁液を、必要量の水素が消費されるまで窒素雰囲気下Parr装置内で振盪した。溶媒を減圧下に除去し、残存物を濃塩酸17mlで処理した。形成したピンク色の固体を少量の水中のスラリーとし、濾過し、イソプロピルアルコール、次いでジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。エタノールから結晶化させて標題化合物2,4-ジアミノニコチンアルデヒド6.5gを得た。
元素分析値 C6H8N3ClO:
理論値:C 41.52, H 4.65, N 24.21
実測値:C 41.47, H 4.63, N 24.05
実施例 16
3-o-トリル-〔1,6〕ナフチリジン-2,7-ジアミン
2-エトキシエタノール50mlに溶解したナトリウム0.55gの溶液に2-メチルフェニルアセトニトリル2.3gおよび実施例15の2,4-ジアミノニコチンアルデヒド3.0gを添加した。反応混合物を6時間還流下に加熱した。不溶性の塩を濾過して除き2-エトキシエタノールで洗浄した。濾液を活性炭で処理し、濾過し、蒸発乾固させた。残存物をクロロホルム中0〜8%メタノールの勾配溶離によるフロロジル上のクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物3-o-トリル-〔1,6〕ナフチリジン-2,7-ジアミン0.7gを得た。融点200〜201.5℃(分解)。
元素分析値 C15H14N4:
理論値:C 72.03, H 5.63, N 22.38
実測値:C 71.79, H 5.45, N 22.18
実施例 17
3-(2-クロロフェニル)-〔1,6〕ナフチリジン-2,7-ジアミン
2-クロロフェニルアセトニトリルを2-メチルフェニルアセトニトリルの代わりに用いて、実施例16で記載したとおり、3-(2-クロロフェニル)-〔1,6〕ナフチリジン-2,7-ジアミンを調製した。融点175℃(MS)。
実施例 18
3-(2,6-ジクロロフェニル)-〔1,6〕ナフチリジン-2,7-ジアミン
2,6-ジクロロフェニルアセトニトリルを2-メチルフェニルアセトニトリルの代わりに用いた以外は実施例16と同様にして3-(2,6-ジクロロフェニル)-〔1,6〕ナフチリジン-2,7-ジアミンを調製した。融点235〜237℃(分解)。
元素分析値 C14H10N4Cl2:
理論値:C 55.10, H 3.30, N 18.36, Cl 23.24
実測値:C 54.87, H 3.21, N 18.45, Cl 23.04
実施例 19
N2,N7-ジメチル-6-フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
6-フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミンのジスルファメート塩(米国特許3,534,039号)45gおよびメチルアミン500gの混合物を10時間ボンベ中205〜210℃に加熱した。ボンベをメタノールで洗浄し反応混合物と合わせた。混合物を煮沸加熱し、濾過し、水200mlで希釈した。濾液を真空下に除去し、残存物を氷水中のスラリーとした。不溶性の物質を濾過し、冷水で洗浄した。固体をクロロホルムに溶解し、濾過して不純物を除去し、数回水で洗浄した。有機層を乾燥(炭酸カリウム)し、蒸発させた。生成物をイソプロピルアルコールから結晶化させて標題化合物N2,N7-ジメチル-6-フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン15gを得た。融点204〜205℃。
元素分析値 C15H15N5:
理論値:C 67.90, H 5.70, N 26.90
実測値:C 67.89, H 5.62, N 26.66
実施例 20
7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
実施例1の2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン(3.0g)、スルファミン酸(2g)および3-(ジエチルアミノ)プロピルアミン(30ml)の混合物を18時間撹拌しながら還流下に加熱した。反応混合物を室温に戻し、氷水(500ml)中に注ぎ込んだ。不溶性の生成物を濾過し、水で洗浄し、温ジイソプロピルエーテル中のスラリーとし、濾過して白色固体を得た。酢酸エチルから結晶化させて7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン1.5gを得た。融点220〜230℃。
実施例 21
1-t-ブチル-3-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素
DMF(5ml)中の実施例20の7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン(0.48g)の溶液に、60%水素化ナトリウム懸濁液(46mg)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物にt-ブチルイソシアネート(0.113g)を添加し、混合物を18時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、不溶性の物質を濾過して集めた。固体を水(20ml)に懸濁し、1.0N塩酸で酸性化して溶液を形成した。活性炭を溶液に添加し、懸濁液をセライトで濾過し、水で洗浄した。濾液を1.0N NaOHで塩基性とし、不溶性の生成物を濾過して集め、水で洗浄した。生成物の試料180mgを更にC18逆相カラム上の逆相調整用HPLCに付し、水中0.1%トリフルオロ酢酸86%/アセトニトリル14%〜水中0.1%トリフルオロ酢酸14%/アセトニトリル86%の勾配溶離を22分間に渡り行なうことにより精製し、1-t-ブチル-3-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素165mgを得た。融点>80℃(分解)。
元素分析値 C25H33N7O1Cl2・0.22 CF3CO2H:
理論値:C 56.21, H 6.16, N 18.04
実測値:C 56.13, H 6.02, N 18.14
実施例 22
1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-エチル尿素
2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジンを実施例2の一般的な方法に従ってエチルイソシアネートと反応させた。粗生成物を70%酢酸エチル/30%クロロホルム〜100%クロロホルムの勾配溶離にするラジアルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-エチル尿素を得た。融点185〜187℃。
元素分析値 C16H14N6O1Cl2・0.15 EtOAc:
理論値:C 51.07, H 3.92, N 21.52
実測値:C 50.74, H 3.75, N 21.50
実施例 23
1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-(3-モルホリン-4-イルプロピル)チオ尿素
2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジンを実施例21の一般的方法に従って3-モルホリノプロピルイソチオシアネートと反応させた。粗生成物を塩化メチレン中2〜8%メタノールの勾配溶離によるラジアルクロマトグラフィーにより精製して1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-(3-モルホリン-4-イルプロピル)チオ尿素を得た。融点178〜181℃(分解)。
元素分析値 C21H23N7O1Cl2:
理論値:C 51.22, H 4.71, N 19.91
実測値:C 50.95, H 4.63, N 19.74
実施例 24
2-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕アミノ-4,5-ジヒドロオキサゾール
DMF(50ml)中の実施例1の2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン(5.0g)の懸濁液に、NaH(60%)0.65gを少しずつ添加した。混合物を周囲温度で1時間撹拌し、次に2-クロロエチルイソシアネート(1.72g)を添加し、混合物を周囲温度で更に18時間撹拌した。反応混合物を水100mlで希釈し、濾過して不溶性の粗生成物を得た。粗生成物を塩化メチレン中2〜3%メタノールの勾配溶離によるフラッシュクロマトグラフィーで精製し白色固体1.0gを得た。固体をクロロホルム-酢酸エチルからの再結晶により更に精製し、標題化合物2-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕アミノ-4,5-ジヒドロオキサゾールを得た。反応混合物を更に分析することにより1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕イミダゾリジン-2-オン、MS(FAB)が存在することがわかった。
元素分析値 C16H13N6O1Cl2・0.12 CHCl3・0.04:
理論値:C 51.22, H 4.71, N 19.91
実測値:C 50.95, H 4.63, N 19.74
実施例 25
1-ブチル-3-〔7-(3-ブチルウレイド)-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル〕尿素
実施例1の2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン0.5gおよびn-ブチルイソシアネート15mlの混合物を2時間還流した。反応混合物を室温に戻し、不溶性物質を濾過した。固体をエタノールから数回結晶させ標題化合物を得た。融点200〜202℃。
元素分析値 C23H27C12N7O2・0.35 H2O:
理論値:C 54.09, H 5.47, N 19.20
実測値:C 54.09, H 5.27, N 19.14
実施例 26
1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-プロピル尿素
実施例1の2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン1.0gをn-プロピルイソシアネート0.339gと反応させることにより実施例2に記載したとおり標題化合物を調製した。10〜100%酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離によるラジアルクロマトグラフィーにより生成物を精製した。MS(CI)。
元素分析値 C17H16Cl2N6O1・0.43 H2O:
理論値:C 51.17, H 4.26, N 21.06
実測値:C 51.15, H 3.90, N 20.80
実施例 27
7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジメチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
実施例1の2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン3.0gを3-(ジエチルアミノ)プロピルアミン60mlと反応させることにより実施例20に記載のとおり標題化合物を調製した。
実施例 28
1-t-ブチル-3-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジメチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素
実施例21の方法に従って、実施例27の7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジメチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン1.62gをt-ブチルイソシアネート0.48gと反応させて標題化合物を得た。融点:130℃より高温で徐々に分解。
元素分析値 C23H29C12N7O1・1.45 H2O:
理論値:C 53.48, H 6.22, N 18.98
実測値:C 53.50, H 5.84, N 18.73
実施例 29
7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチルプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
実施例1の2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン2.0gをN,N,2,2-テトラメチル-1,3-プロパンジアミン15mlと反応させて、実施例20に記載のとおり標題化合物を調製した。
実施例 30
1-t-ブチル-3-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチルプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素
実施例21の方法に従って、実施例29の7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチルプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン1.0gをt-ブチルイソシアネート0.26gと反応させることにより標題化合物を得た。
元素分析値 C25H33Cl2N7O1・0.74 H2O:
理論値:C 56.46, H 6.54, N 18.44
実測値:C 56.47, H 6.24, N 18.41
実施例 31
7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-(2-ピコリン)プロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
実施例1の2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン2.0gおよび1-(3-アミノプロピル)-2-ピコリン15mlを出発物質として、実施例20に記載のとおり標題化合物を調製した。
実施例 32
1-t-ブチル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(2-メチルピペリジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素
実施例21に従って、実施例31の7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-(2-ピコリン)プロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン1.54gをt-ブチルイソシアネート0.377gと反応させて標題化合物を得た。
元素分析値 C27H35Cl2N7O1:
理論値:C 59.56, H 6.48, N 18.01
実測値:C 59.71, H 6.53, N 17.62
実施例 33
7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン
実施例20の方法に従って、実施例1の2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン2.0gを1-(4-アミノブチル)-4-メチルピペラジン15mlと反応させて標題化合物を得た。
実施例 34
1-t-ブチル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブチルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素
実施例21に従って、実施例33の7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(4-(4-メチルピペラジン)ブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン1.07gをt-ブチルイソシアネート0.253gと反応させて標題化合物を得た。ESMS m/z(相対強度)559(M+,100)
元素分析値 C27H36Cl2N8O1・0.6 H2O:
理論値:C 56.86, H 6.57, N 19.65
実測値:C 56.87, H 6.31, N 19.57
実施例 35
6-(2,6-ジクロロフェニル)-N7-(5,6-ジヒドロ-4H-〔1,3〕オキサジン-2-イル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
ジメチルホルムアミド10ml中の実施例36の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン1.0gの溶液に、水素化ナトリウム(油中60%、0.094g)を添加し、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物に3-クロロプロピルイソシアネート0.268gを添加し、混合物を18時間周囲温度で撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)し、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、酢酸エチル/メタノール/トリエチルアミン(89:10:1v/v/v)を溶離剤とするラジアルクロマトグラフィーにより2回精製し、標題化合物を得た。ESMS m/z(相対強度)529.4(M+,100)
実施例 36
N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例1の2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン(3.0g)、スルファミン酸(1.9g)および1-(3-アミノプロピル)-4-メチルピペラジン(15ml)の混合物を24時間約150℃に加熱した。冷却後、残存物を水に溶解した。水溶液を重炭酸ナトリウム飽和溶液でアルカリ性とし、数回ジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン層を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空下に濃縮した。残存物を酢酸エチルから再結晶させ、6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン2.0gを得た。CIMS(CH4中1% NM3):474=M++C2H5,446=M++H(塩基);融点208〜211℃。
元素分析値 C21H25N7Cl2・0.25 H2O:
理論値:C 55.94, H 5.70, N 21.75
実測値:C 55.85, H 5.55, N 21.65
実施例 37
1-シクロヘキシル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素
DMF(15ml)中の実施例36の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.0g)の溶液に60%水素化ナトリウム懸濁液1当量(0.90g)を添加した。室温で約1時間撹拌した後、シクロヘキシルイソシアネート1当量(0.19g)を添加し、薄層クロマトグラフィーにより反応をモニタリングした。約24時間後、溶媒を真空下に除去した。残存物を酢酸エチルに溶解し、この溶液を数回、まず水で、次に塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下に濃縮した。残存物を酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(9:2:1 v/v/v)を用いたシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、1-シクロヘキシル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン}-7-イル}尿素0.75gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=571;融点101〜106.5℃。
元素分析値 C28H36N8Cl2O2・0.50 H2O:
理論値:C 57.93, H 6.42, N 19.30, Cl 12.12, H2O 1.55
実測値:C 58.06, H 6.32, N 18.91, Cl 12.11, H2O 1.68
実施例 38
1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペリジン-1-イルプロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-イソプロピル尿素
実施例36の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.09g)を実施例37の一般的方法に従って8時間イソプロピルイソシアネート0.19gと反応させて1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イルプロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-イソプロピル尿素0.291gを得た。MS(ES+20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=531;融点94〜98℃。
元素分析値 C25H32N8Cl2O・0.75 H2O/0.10 EtOAc:
理論値:C 55.09, H 6.24, N 20.23, Cl 12.80, H2O 2.44
実測値:C 55.14, H 6.19, N 20.03, Cl 13.17, H2O 2.14
実施例 39
1-ベンジル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素
実施例36の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.08g)を実施例37の一般的方法に従ってベンジルイソシアネート0.298gと反応させて1-ベンジル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素0.822gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=579;融点144〜148.5℃。
元素分析値 C29H32N8Cl2O・0.10 H2O・0.10 Et2O:
理論値:C 59.98, H 5.68, N 19.03, Cl 12.04, H2O 0.31
実測値:C 59.60, H 5.63, N 18.87, Cl 12.25, H2O 0.49
実施例 40
1-アリル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素
実施例36の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.0g)を実施例37の一般的方法に従ってアリルイソシアネート0.186gと反応させた。生成物をクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチルから結晶化させて1-アリル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素0.31gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=529(塩基),472,466;融点104〜108℃。
元素分析値 C25H30N8Cl2O・1.00 H2O:
理論値:C 54.85, H 5.89, N 20.47, Cl 12.95, H2O 3.29
実測値:C 55.08, H 5,68, N 20.33, Cl 12.65, H2O 3.60
実施例 41
1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-(4-メトキシフェニル)尿素
実施例36の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.0g)を実施例37の一般的方法に従って4-メトキシフェニルイソシアネート(0.334g)と反応させ、1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-(4-メトキシフェニル)尿素1.16gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=595;融点93.5〜100.5℃。
元素分析値 C29H32N8Cl2O2・0.40 H2O・0.10 EtOAc:
理論値:C 57.74, H 5.54, N 18.32, Cl 11.59, H2O 1.18
実測値:C 58.04, H 5.51, N 18.15, Cl 11.25, H2O 1.38
実施例 42
1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-(3-メトキシフェニル)尿素
実施例36の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.0g)を実施例37の一般的方法に従って3-メトキシフェニルイソシアネート0.334gと反応させて、1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-(3-メトキシフェニル)尿素0.920gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=595;融点87.5〜92.5℃。
元素分析値 C29H32N8Cl2O2・0.50 H2O:
理論値:C 57.62, H 5.50, N 18.54, Cl 11.73, H2O 1.49
実測値:C 57.93, H 5.62, N 18.47, Cl 11.66, H2O 1.10
実施例 43
1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-(2-メトキシフェニル)尿素
実施例36の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.0g)を実施例37の一般的方法に従って2-メトキシフェニルイソシアネート0.334gと反応させて、1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-(2-メトキシフェニル)尿素0.9232gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=595;融点152.5〜154℃。
元素分析値 C29H32N8Cl2O2:
理論値:C 58.49, H 5.42, N 18.82, Cl 11.91
実測値:C 58.42, H 5.56, N 18.59, Cl 11.82
実施例 44
1-(4-ブロモフェニル)-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素
実施例36の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.0g)を実施例37の一般的方法に従って4-ブロモフェニルイソシアネート0.44gと反応させて1-(4-ブロモフェニル)-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素0.97gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH+DMSO):M++H=645;融点171〜175℃。
元素分析値 C28H29N8Cl2OBr:
理論値:C 52.19, H 4.54, N 17.39, Cl 11.00, Br 12.40
実測値:C 51.93, H 4.71, N 17.14, Cl 10.81, Br 12.18
実施例 45
1-(4-クロロフェニル)-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素
実施例36の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.0g)を実施例37の一般的方法に従って4-クロロフェニルイソシアネート0.344gと反応させて1-(4-クロロフェニル)-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素0.842gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH+DMSO):M++H=601;融点175.5〜181℃。
元素分析値 C28H29N8Cl3O:
理論値:C 56.06, H 4.87, N 18.68, Cl 17.73
実測値:C 56.11, H 5.14, N 18.47, Cl 17.67
実施例 46
1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-p-トリル尿素
実施例36の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミンを実施例37の一般的方法に従って4-トリルイソシアネート0.29gと反応させて標題化合物0.9492gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=579。
元素分析値 C29H32N8Cl2O・0.30 H2O+0.20 EtOAc:
理論値:C 59.40, H 5.72, N 18.60, Cl 11.77, H2O 0.90
実測値:C 59.69, H 5.61, N 18.41, Cl 11.50, H2O 1.31
実施例 47
1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-オクチル尿素
実施例36の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.0g)を実施例21の一般的方法に従ってオクチルイソシアネート0.348gと反応させた。まず酢酸エチル:メチルアルコール:トリエチルアミン(90:10:1)次いで酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(9:2:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより標題化合物1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-オクチル尿素1.011gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=601;融点54.5〜57.5℃。
元素分析値 C30H42N8Cl2O・0.75 H2O:
理論値:C 58.58, H 7.13, N 18.22, Cl 11.53, H2O 2.20
実測値:C 58.51, H 7.13, N 18.13, Cl 11.55, H2O 2.32
実施例 48
1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)尿素
実施例36の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミンを実施例37の一般的方法に従ってトリフルオロ-p-トリルイソシアネートと反応させた。まず酢酸エチル:メチルアルコール:トリエチルアミン(90:10:1)次いで酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(9:2:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより標題化合物1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-(4-トリルフルオロメチルフェニル)尿素0.8650gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=633;融点145.5〜151℃。
元素分析値 C29H29N8Cl2F3O・0.50 H2O:
理論値:C 54.21, H 4.71, N 17.44, Cl 11.04, F 8.87, H2O 1.40
実測値:C 54.39, H 4.59, N 17.28, Cl 11.10, F 9.17, H2O 1.61
実施例 49
1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-エチル尿素
実施例36の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミンを実施例37の一般的方法に従ってエチルイソシアネート0.159gと反応させて、1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-エチル尿素0.86gを得た。MS(ES+20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=517;融点82〜90℃。
元素分析値 C24H30N8Cl2O・1.00 H2O:
理論値:C 53.83, H 6.02, N 20.93, Cl 13.24, H2O 3.26
実測値:C 53.94, H 6.07, N 20.53, Cl 13.14, H2O 3.28
実施例 50
1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-ナフタレン-1-イル尿素
実施例36の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.0g)を実施例37の一般的方法に従って1-ナフチルイソシアネート0.378gと反応させた。まず酢酸エチル:メチルアルコール:トリエチルアミン(90:10:1)次いで酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(9:2:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより標題化合物1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-ナフタレン-1-イル尿素0.97gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=615(塩基)、446;融点186.5〜189℃。
元素分析値 C32H32N8Cl2O・0.10 H2O:
理論値:C 62.26, H 5.26, N 18.15, Cl 11.49, H2O 0.29
実測値:C 62.25, H 5.26, N 18.38, Cl 11.39, H2O 0.51
実施例 51
1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-フェニル尿素
DMF(160ml)中の実施例36の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(13.0g)を実施例37の一般的方法に従って60%水素化ナトリウム懸濁液(1.16g)およびフェニルイソシアネート(3.47g)と反応させた。クロマトグラフィーに付した生成物を酢酸エチルから再結晶させて標題化合物1-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-3-フェニル尿素10.78gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=565。
元素分析値 C28H30N8Cl2O・0.30 H2O・0.20 EtOAc:
理論値:C 58.78, H 5.51, N 19.04, Cl 12.05, H2O 0.92
実測値:C 58.72, H 5.55, N 18.84, Cl 11.98, H2O 1.01
実施例 52
1-t-ブチル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素
実施例36の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.0g)を実施例21の一般的方法に従って1.5時間t-ブチルイソシアネート0.22gと反応させ、標題化合物1-t-ブチル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素0.85gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):545=M++H,544=M+,446,84(塩基);融点97.5℃(分解)。融解106〜109℃。
元素分析値 C26H34N8Cl2O:
理論値:C 57.25, H 6.28, N 20.25
実測値:C 56.91, H 6.31, N 20.30
実施例 53
6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-(4-ジエチルアミノブチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例1の2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン(40g)、スルファミン酸(25.4g)およびジエチルアミノブチルアミン(205ml)の混合物を28時間約150℃に加熱した。反応温度を50℃に低化させ、過剰のジエチルアミノブチルアミンを真空下に除去した。25℃に冷却した後、残存物を水に懸濁した。水溶液を重炭酸ナトリウム飽和溶液でアルカリ性とし数回ジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン層を合わせまず重炭酸ナトリウム飽和溶液で、次いで塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上に乾燥し真空下に濃縮した。残存物をジエチルエーテルで反復して洗浄し、次に酢酸エチルから結晶化させた。再結晶生成物を更に、まず酢酸エチル:メチルアルコール:トリエチルアミン(85:14:1)次いで酢酸エチル:エチルアルコール:トリエチルアミン(9:2:1)を溶離剤とするカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-(4-ジエチルアミノブチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン36.2gを得た。CIMS(CH4中1%N3):461=M++C2H5,433=M++H(塩基),417,403,360。
元素分析値 C21H26N6Cl2:
理論値:C 58.20, H 6.05, N 19.39, Cl 16.36
実測値:C 58.11, H 6.21, N 19.09, Cl 16.55
実施例 54
1-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(4-ジエチルアミノブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-フェニル尿素
DMF(15ml)中の実施例53の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-(4-ジエチルアミノブチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.0g)の溶液に1当量の60%水素化ナトリウム懸濁液(0.93g)を添加した。室温で約1時間撹拌した後、1当量のフェニルイソシアネート(0.275g)を添加し、反応を薄層クロマトグラフィーでモニタリングした。約24時間後、溶媒を真空下に除去した。残存物を酢酸エチルに溶解し、この溶液をまず水、次いで塩化ナトリウム飽和溶液で反復して洗浄した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下に濃縮した。残存物を、酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン(90:10:1)次いで酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(9:2:1)を溶離剤とするシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し標題化合物1-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(4-ジエチルアミノブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-フェニル尿素0.8461gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=552(塩基),433;融点81〜87.5℃。
元素分析値 C28H31N7Cl2O・0.25 H2O:
理論値:C 60.38, H 5.70, N 17.60, Cl 12.73, H2O 0.81
実測値:C 60.24, H 5.61, N 17.42, Cl 12.61, H2O 0.54
実施例 55
1-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(4-ジエチルアミノブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-エチル尿素
DMF(75ml)中の実施例53の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-(4-ジエチルアミノブチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(5.0g)を実施例54の一般的方法に従って60%水素化ナトリウム懸濁液(0.461g)およびエチルイソシアネート(0.820g)と反応させた。酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(9:2:1)を溶離剤とするクロマトグラフィーにより標題化合物1-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(4-ジエチルアミノブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-エチル尿素4.26gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=504(塩基),433。
実施例 56
1-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(4-ジエチルアミノブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-エチル尿素塩酸塩
水(250ml)中の実施例55の1-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(4-ジエチルアミノブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-エチル尿素(3.253g)の溶液に1当量の1N塩酸(6.44ml)を添加した。固体が溶解するまで溶液を室温で撹拌し、濾過し、そして凍結した。凍結乾燥により1-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(4-ジエチルアミノブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-エチル尿素の塩酸塩3.63gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+1% AcOH):M++H=504;融点>50℃(分解)。
元素分析値 C24H31N7Cl2O・1.10 HCl・2.20 H2O:
理論値:C 49.34, H 6.30, N 16.78, Cl合計 18.81, Clイオン 6.67, H2O 6.78
実測値:C 49.61, H 6.21, N 16.75, Cl合計 18.70, Clイオン 6.68, H2O 6.88
実施例 57
1-シクロヘキシル-3-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(4-ジエチルアミノブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素
DMF(15ml)中の実施例53の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-(4-ジエチルアミノブチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.0g)を実施例54の一般的方法に従って60%水素化ナトリウム懸濁液(0.092g)およびシクロヘキシルイソシアネート(0.289g)と反応させ標題化合物0.927gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=558,433。
元素分析値 C28H37N7Cl2O・0.10 H2O:
理論値:C 60.02, H 6.69, N 17.50, Cl 12.65, H2O 0.32
実測値:C 59.75, H 6.69, N 17.41, Cl 12.71, H2O 0.40
実施例 58
6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-(3-モルホリン-4-イルプロピル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例1の2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン(4.00g)、スルファミン酸(2.53g)およびアミノプロピルモルホリン(30ml)の混合物を実施例53と同様にして反応させた。この例では粗製の残存物を熱酢酸エチル、次いでジエチルエーテルで洗浄し、標題化合物6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-(3-モルホリン-4-イルプロピル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン3.95gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):461=M++C2H5,433=M++H(塩基),346,332;融点224〜230.5℃。
元素分析値 C20H22N6Cl2O:
理論値:C 55.43, H 5.12, N 19.39
実測値:C 55.12, H 5.12, N 19.14
実施例 59
1-t-ブチル-3-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-モルホリン-4-イルプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素
DMF(15ml)中の実施例58の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-(3-モルホリン-4-イルプロピル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.0g)の溶液に1当量の60%水素化ナトリウム懸濁液(0.92g)を添加した。室温で約1時間撹拌した後、1当量のt-ブチルイソシアネート(0.230g)を添加し、反応を薄層クロマトグラフィーでモニタリングした。約4時間後、溶媒を真空下に除去した。残存物で酢酸エチルと水を仕切った。水性層を数回酢酸エチルで洗浄した。酢酸エチル層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下に濃縮した。残存物を、酢酸エチル次いで酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(18:2:1)を溶離剤とするシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し標題化合物1-t-ブチル-3-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-モルホリン-4-イルプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素0.98gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):532=M++H,531=M+,433,84(塩基);融点236〜240℃。
元素分析値 C25H31N7Cl2O2・0.25 EtOAc:
理論値:C 56.32, H 6.00, N 17.68
実測値:C 56.48, H 6.06, N 17.63
実施例 60
6-(2,6-ジブロモフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
2-エトキシエタノール11.0ml中の60%水素化ナトリウム懸濁液0.23gの溶液に2,6-ジブロモフェニルアセトニトリル4.18gおよび2,4-ジアミノピリミジン-5-カルボキシアルデヒド2.00gを添加した。反応混合物を4時間還流し、冷却し、氷水に注ぎ込んだ。残存物をアセトニトリル次いでジエチルエーテルで洗浄し、6-(2,6-ジブロモフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン3.62gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):422=M++C2H5,396(塩基),394=M++H,393=M+;融点284〜289℃。
元素分析値 C13H9N5Br2:
理論値:C 39.52, H 2.30, N 17.73
実測値:C 39.20, H 2.27, N 17.77
実施例 61
6-(2,6-ジブロモフェニル)-N2-〔3-ジエチルアミノプロピル〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例60の6-(2,6-ジブロモフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.0g)、スルファミン酸(0.49g)およびジエチルアミノプロピルアミン(8.0ml)の混合物を実施例53に記載のとおり5時間反応させて後処理し、標題化合物6-(2,6-ジブロモフェニル)-N2-(3-ジエチルアミノプロピル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.79gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):507=M++H,506=M+,112(塩基);融点226〜230℃。
元素分析値 C20H24N6Br2:
理論値:C 47.26, H 4.76, N 16.53
実測値:C 47.61, H 4.69, N 16.40
実施例62
1-t-ブチル-3-〔6-(2,6-ジブロモフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素
実施例61の6-(2,6-ジブロモフェニル)-N2-〔3-ジエチルアミノプロピル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(0.34g)を実施例54記載の一般的方法でt-ブチルイソシアネート0.066gと反応させた。粗製の残存物を酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(9:2:1)を用いた薄層クロマトグラフィー、次いで0.1%トリフルオロ酢酸/水および0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリルの勾配溶離によるVydac 218 TP 1022逆相カラムを用いた調整用HPLCクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物0.214gを得た。ESMS(20/80 MEOH/CH3CN+0.1% AcOH):606=M++H;融点>45℃(分解)。
元素分析値 C25H33N7Br2O・2.50 TFA・H2O:
理論値:C 39.58, H 4.15, N 10.77
実測値:C 39.54, H 3.82, N 10.49
実施例 63
6-(2,6-ジフルオロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
6-(2,6-ジフルオロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミンを上記実施例60に記載のとおり2,6-ジフルオロフェニルアセトニトリル4.65gを用いて調製した。CIMS(CH4中1%NH3):414=M++C3H5,302=M++C2H5,274=M++H(塩基),273=M+,254=M+−F;融点>300℃。
元素分析値 C13H9N5F2:
理論値:C 57.14, H 3.32, N 25.63
実測値:C 57.30, H 3.52, N 25.62
実施例 64
6-(2,6-ジメトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
6-(2,6-ジメトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミンを上記実施例60に記載のとおり、ただし2,6-ジブロモフェニルアセトニトリルの代わりに2,6-ジメトキシベンジルアセトニトリルを用いて、3時間反応させて生成物をエチルアルコールから結晶化させることにより調製した。CIMS(CH4中1%NH3):326=M++C2H5,298=M++H(塩基),297=M+,266=M+−OMe;融点>300℃。
元素分析値 C15H15N5O2・0.50 H2O:
理論値:C 58.82, H 5.26, N 22.86
実測値:C 58.81, H 5.04, N 22.54
実施例 65
6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-(2-ジエチルアミノエチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例1の2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン(4.0g)、スルファミン酸(2.53g)およびジエチルアミノエチルアミン(40ml)の混合物を20時間約150℃で反応させた。過剰なジエチルアミノエチルアミンを真空下に除去した。得られた油状物をジエチルエーテルに溶解し、ヘキサンで希釈し、次に濾過した。得られた固体をジクロロメタンに溶解し、数回水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下に濃縮した。残存物を酢酸エチルから結晶化させ、標題化合物6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-(ジエチルアミノエチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミンを得た。CIMS(CH4中1%NH3):433=M++C2H5,405=M++H,389=M+−Et,360;融点216〜219.5℃。
元素分析値 C19H22N6Cl2:
理論値:C 56.30, H 5.47, N 20.73
実測値:C 56.31, H 5.39, N 20.46
実施例 66
1-t-ブチル-3-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(2-ジエチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素
DMF(10ml)中の実施例65の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-(2-ジエチルアミノエチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.0g)を実施例54記載の一般的方法で1時間60%水素化ナトリウム懸濁液(0.099g)およびt-ブチルイソシアネート(0.244g)と反応させた。酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(18:2:1)を用いたクロマトグラフィーにより標題化合物1-t-ブチル-3-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(2-ジエチルアミノエチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素0.76gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):504=M++H,84(塩基);融点94.5〜96.5℃。
元素分析値 C24H31N7Cl2O:
理論値:C 57.14, H 6.19, N 19.44
実測値:C 56.94, H 6.18, N 19.22
実施例 67
1-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(2-ジエチルアミノエチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-エチル尿素
DMF(10ml)中の実施例65の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-(2-ジエチルアミノエチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(1.0g)を実施例54記載の一般的方法で60%水素化ナトリウム懸濁液(0.099g)およびエチルイソシアネート(0.175g)と反応させて標題化合物1-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(2-ジエチルアミノエチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-エチル尿素0.86gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):476=M++H,86(塩基);融点86.5〜89.5℃。
元素分析値 C22H23N7Cl2O:
理論値:C 55.47, H 5.71, N 20.58
実測値:C 55.18, H 5.74, N 20.20
実施例 68
6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-(3-ジメチルアミノプロピル)-N2-メチルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例1の2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン(4.0g)、スルファミン酸(2.53g)およびN,N,N′-トリメチル-1,3-プロパンジアミン(20ml)の混合物をボンベ中まず165℃で16時間次いで225℃で16時間加熱した。冷却後反応混合物を真空下に濃縮した。残存物を希薄重炭酸ナトリウムとジクロロメタンとの間に分配した。水溶液をジクロロメタンで数回抽出した。ジクロロメタン層を合わせ、濾過し、真空下に濃縮した。残存物を酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(9:3:1)を用いたクロマトグラフィーに付し標題化合物6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-(3-ジメチルアミノプロピル)-N2-メチルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミンを得た。
実施例 69
1-t-ブチル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔(3-ジメチルアミノプロピル)メチルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素
DMF(7.0ml)中の実施例68の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-(3-ジメチルアミノプロピル)-N2-メチルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(0.38g)を実施例54記載の一般的方法で60%水素化ナトリウム懸濁液(0.022g)およびt-ブチルイソシアネート(0.093g)と反応させ、標題化合物1-t-ブチル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔(3-ジメチルアミノプロピル)メチルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素0.25gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):504=M++H,84(塩基);融点76℃(分解),87.5〜91℃(融解)。
元素分析値 C24H31N7Cl2O・0.25 H2O:
理論値:C 56.64, H 6.24, N 19.26
実測値:C 56.55, H 6.07, N 18,94
実施例 70
2-({3-〔7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イルアミノ〕プロピル}-エチルアミノ)エタノール
実施例1の2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン(3.0g)、スルファミン酸(1.9g)およびN1-エチル-N1-(2-ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン(10.0g)(J.Med.Chem.,11(3):583-591,(1968))の混合物を実施例36の一般的方法に従って18時間反応させた。この例では残存物を酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(9:3:1)を用いたクロマトグラフィーに付し標題化合物2-({3-〔7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イルアミノ〕プロピル}-エチルアミノ)エタノール2.71gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):463=M++C2H5,435=M++H,346(塩基);融点201〜204℃。
元素分析値 C20H24N6Cl2O:
理論値:C 55.18, H 5.56, N 19.30
実測値:C 55.11, H 5.53, N 19.09
実施例 71
4-アミノ-2-フェニルアミノピリミジン-5-カルボニトリル
テトラヒドロフラン(40.0ml)およびジイソプロピルエチルアミン(4.60g)中のアニリン(3.31g)の溶液にテトラヒドロフラン(5.0ml)中の4-アミノ-2-クロロピリミジン-5-カルボニトリル(5.00g)の溶液を添加した。反応混合物を還流下に加熱した。3日後に、更にアニリン(6.02g)およびジイソプロピルエチルアミン(8.36g)を反応系に添加した。24時間後、反応混合物を真空下に濃縮し、残存物を酢酸エチルとの間に分配した。酢酸エチル層を二回水で洗浄し、次にガラス線維フィルターで濾過して存在する乳液を分散させた。濾液を水、次いで塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下に濃縮した。残存物をジエチルエーテルで洗浄して標題化合物6.00gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):252=M++C3H5,240=M++C2H5,212=M++H(塩基),211=M+。
元素分析値 C11H9N5:
理論値:C 62.55, H 4.29, N 33.16
実測値:C 62.85, H 4.47, N 33.18
実施例 72
4-アミノ-2-フェニルアミノピリミジン-5-カルボキシアルデド
実施例71で得られた4-アミノ-2-フェニルアミノピリミジン-5-カルボニトリル(2.00g)を湿性ラニーニッケル(2.00g)、98%ギ酸(60ml)および水(40ml)と共にParr振盪器中で合わせた。反応混合物を水素(42psi)下に付し、20分間振盪した。反応混合物を濾過し、濾液を真空下に濃縮した。残存物を水中に懸濁し、重炭酸ナトリウム飽和溶液で塩基性とし、酢酸エチルで3回抽出した。水層をガラス線維フィルターで濾過し、存在する乳液を分散させた。水性の濾液を酢酸エチルで洗浄した。酢酸エチル洗液を合わせ、濾過し、塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下に濃縮した。酢酸エチル:ヘキサン(2:1)を溶離剤とするシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、標題化合物0.73gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):243=M++C2H5,215=M++H(塩基),214=M+。
元素分析値 C11H10N4O:
理論値:C 61.67, H 4.71, N 26.15
実測値:C 61.79, H 4.71, N 26.11
実施例 73
6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
2-エトキシエタノール2.00ml中の60%水素化ナトリウム懸濁液0.022gの溶液に、2,6-ジクロロフェニルアセトニトリル0.46gおよび実施例72の4-アミノ-2-フェニルアミノピリミジン-5-カルボキシアルデヒド0.50gを添加した。反応混合物を4時間還流し、冷却し、水に注ぎ込み、数回ジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン洗液を合わせ、塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下に濃縮した。残存物をジエチルエーテルで洗浄し、標題化合物0.61gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):410=M++C2H5,382=M++H,381=M+。
上記した化合物を実施例52の方法に従ってt-ブチルイソシアネートと反応させ1-t-ブチル-3-〔〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-フェニルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素を得た。
実施例 74
4-アミノ-2-メチルスルファニルピリミジン-5-カルボン酸エチルエステル
エタノール(200ml)中のエチル4-クロロ-2-メチルチオ-5-ピリミジンカルボキシレート(25g)の懸濁液に、30%水酸化アンモニウム(38ml)を添加した。室温で5時間撹拌した後、反応混合物を真空下に濃縮した。残存物を水中に懸濁させ、濾過した。フィルターパットを水、次いでジエチルエーテルで洗浄し、標題化合物17.68gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):242=M++C2H5,214=M++H(塩基),213=M+,168=M+−OEt。
元素分析値 C8H11N3SO2:
理論値:C 45.06, H 5.20, N 19.70
実測値:C 44.84, H 5.14, N 19.64
実施例 75
4-アミノ-2-メチルスルファニルピリミジン-5-イルメタノール
テトラヒドロフラン(50ml)中のリチウムアルミニウムハイドライド(1.45g)の懸濁液に、テトラヒドロフラン(120ml)中の実施例74の4-アミノ-2-メチルスルファニルピリミジン-5-イルメタノール(5.00g)の溶液を滴下添加した。1時間室温で撹拌した後、反応を水(1.5ml)、15%水酸化ナトリウム(1.5ml)最後に再度水(4.5ml)でクエンチした。反応混合物を濾過し、フィルターパッドをテトラヒドロフランで洗浄した。濾液を真空下に濃縮して標題化合物3.83gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):200=M++C2H5,172=M++H(塩基),171=M+,154=M+−OH。
実施例 76
4-アミノ-2-メチルスルファニルピリミジン-5-カルボキシアルデヒド
クロロホルム(150ml)中の実施例76の粗製の4-アミノ-2-メチルスルファニルピリミジン-5-イルメタノール(1.5g)の溶液に、二酸化マンガン(5.67g)を少しずつ3分間かけて添加した。室温で6時間後、反応混合物をセライトで濾過した。フィルターパッドをクロロホルム次いで酢酸エチルで洗浄した。濾液を合わせ、真空下に濃縮して標題化合物1.40gを得た。
実施例 77
6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-メチルスルファニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イルアミン
ジメチルホルムアミド(5ml)中の2,6-ジクロロフェニルアセトニトリル(0.55g)の溶液に60%水素化ナトリウム懸濁液1当量(0.12g)を添加した。10分後、実施例76で得た4-アミノ-2-メチルスルファニルピリミジン-5-カルボアルデヒド(0.50g)を添加した。室温で一夜撹拌した後、反応を水でクエンチした。水溶液を1N塩酸でpH7まで下げ、数回ジクロロメタンで抽出した。合わせたジクロロメタン層を塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下に濃縮した。この残存物を酢酸エチル:ヘキサン(2:1)を用いたシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、標題化合物0.32gを得た。CIMS(CH4中1%NH3):365=M++C2H5,337=M++H(塩基),336=M+。
実施例 78
N′-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-{3-(ジエチルアミノ)プロピルアミノ}ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-N,N′-ジメチルホルムアミジン
DMF0.8ml中の実施例20の7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(ジエチルアミノ)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン210mg(1ミリモル)の懸濁液にDMFジメチルアセタール0.8mlを添加した。混合物を5.5時間室温で撹拌し、次に真空下に濃縮した。残存する油状物をジクロロメタンと水との間に分配した。有機相を硫酸マグネシウム上に乾燥し、次に濃縮してガラス状物とし、これをアセトニトリルから結晶化してN′-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-{3-(ジエチルアミノ)プロピルアミノ}ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-N,N′-ジメチルホルムアミジン160mg(68%)を得た。融点100〜104℃。CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)476(MH++2,60),474(MH+,94),361(100)。
元素分析値 C23H29Cl2N7・0.4 H2O:
理論値:C 57.36, H 6.24, N 20.36
実測値:C 57.28, H 6.05, N 20.07
実施例 79
N′-〔7-(3-t-ブチルウレイド)-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル〕-N,N-ジメチルホルムアミジン
実施例3の1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素を実施例78に記載のとおり13.5時間DMFジメチルアセタールと反応させた。上記したとおり後処理し、順次100:0、3:1、1:1次いで0:100ジクロロメタン:酢酸エチルを溶離剤とするフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、得られた固体を2-プロパノールで摩砕し、N′-〔7-(3-t-ブチルウレイド)-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル〕-N,N-ジメチルホルムアミジンを得た。融点190〜193℃。CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)462(MH++2,0.78),460(MH+,0.93)。
元素分析値 C21H23Cl2N7O・0.2 C3H8O・0.2:
理論値:C 54.75, H 5.38, N 20.71
実測値:C 54.73, H 5.31, N 20.65
実施例 80
N′-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-7-〔(ジメチルアミノ)メチレンアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル〕-N,N-ジメチルホルムアミジン
実施例1の2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジンを実施例78に記載のとおり23時間DMFジメチルアセタールと反応させた。上記したとおり後処理し、順次100:0、9:1、4:1次いで7:3酢酸エチル:メタノールを溶離剤とするフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、得られた油状物を酢酸エチルから結晶化させてN′-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-7-〔(ジメチルアミノ)メチレンアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2-イル〕-N,N-ジメチルホルムアミジンを得た。CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)418(MH++2,60),416(MH+,100)。
元素分析値 C19H19Cl2N7・0.3 H2O:
理論値:C 54.11, H 4.68, N 23.25
実測値:C 54.21, H 4.58, N 22.89
実施例 81
6-フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例1の操作法に従ってフェニルアセトニトリルを2,4-ジアミノ-5-ピリミジンカルボキシアルデヒドと反応させて標題化合物を得た。融点317〜318℃。
実施例 82
1-(2-アミノ-6-フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-t-ブチル尿素
実施例2の操作法に従って実施例81の6-フェニルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.246gをt-ブチルイソシアネート0.128mlと反応させた。生成物を1:1CHCl3:EtOAc〜EtOAcの勾配溶離によるシリカゲル上の中圧クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。融点>250℃。CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)337(MH++1,64),338(MH++2,11),236(100)。
実施例 83
6-(2,3-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例1の操作法に従って2,3-ジクロロフェニルアセトニトリルを2,4-ジアミノ-5-ピリミジンカルボキシアルデヒドと反応させて標題化合物を得た。融点366〜369℃(分解)。
実施例 84
1-〔2-アミノ-6-(2,3-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-t-ブチル尿素
実施例2の一般的操作法に従って実施例83の6-(2,3-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.502gをt-ブチルイソシアネート0.206mlと反応させた。生成物をCHCl3:EtOAc(98:2)〜CHCl3:EtOAc(1:2)の勾配溶離によるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。融点356〜358℃。
元素分析値 C18H18Cl2N6O1・0.05 H2O:
理論値:C 53.34, H 4.48, N 20.74
実測値:C 53.44, H 4.47, N 20.29
実施例 85
6-(2,3,6-トリクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
標題化合物は実施例1の操作法に従って2,3,6-トリクロロフェニルアセトニトリル1.0gおよび2,4-ジアミノ-5-ピリミジンカルボキシアルデヒド0.6gを出発物質として調製した。融点320〜322℃。
元素分析値 C13H8Cl3N5:
理論値:C 45.84, H 2.37, N 20.56
実測値:C 46.22, H 2.57, N 20.54
実施例 86
1-〔2-アミノ-6-(2,3,6-トリクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素
実施例2の操作法に従って実施例85の6-(2,3,6-トリクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.30gをt-ブチルイソシアネート(0.108ml)と反応させた。生成物を1:1CHCl3:EtOAcを溶離剤とするシリカゲル上の中圧クロマトグラフィー(MPLC)により精製し、標題化合物を得た。融点329〜330℃。CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)439(MH+−1,3),441(MH++1,3),84(100)。
実施例 87
1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-t-ブチル尿素
実施例2に従って実施例63の6-(2,6-ジフルオロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.25gおよびt-ブチルイソシアネート0.112mlから標題化合物を調製した。生成物をCHCl3:EtOAc(1:1)〜EtOAcの勾配溶離によるMPLCにより精製し、純粋な生成物を得た。融点>300℃。m/z(相対強度)373(MH++1,60),374(MH++2,10),274(100)。
実施例 88
1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジブロモフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-t-ブチル尿素
実施例2に従って実施例60の6-(2,6-ジブロモフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.25gおよびt-ブチルイソシアネート0.077mlから標題化合物を調製した。生成物をCHCl3:EtOAc(1:1)〜EtOAcの勾配溶離によるMPLCにより精製し、純粋な生成物を得た。融点>300℃(分解)。
元素分析値 C18H18Br2N6O1・0.35 H2O:
理論値:C 43.20, H 3.77, N 16.79, Br 31.93
実測値:C 43.53, H 3.64, N 16.41, Br 31.79
実施例 89
1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-イソプロピル尿素
実施例2に従って実施例1の6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.5gおよびイソプロピルイソシアネート0.172mlから標題化合物を調製した。生成物をCHCl3:EtOAc(1:1)〜の勾配溶離によるMPLCにより精製し、純粋な生成物を得た。融点184〜188℃,CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)391(MH+,16),393(MH++2,11),306(100)。
実施例 90
6-o-トリルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例1に従って2-メチルベンジルシアニドおよび2,4-ジアミノ-5-ピリミジンカルボキシアルデヒドを出発物質として標題化合物を調製した。融点300〜302℃。
元素分析値 C14H13N5:
理論値:C 66.92, H 5.21, N 27.87
実測値:C 66.4, H 5.2, N 27.9
実施例 91
1-(2-アミノ-6-o-トリルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-t-ブチル尿素
実施例2に従って実施例90の6-o-トリルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミンおよびt-ブチルイソシアネートから標題化合物を調製した。生成物をCHCl3:EtOAc(1:1)を溶離剤としたMPLCにより精製し、純粋な生成物を得た。融点195〜197℃,CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)351(MH++1,55),352(MH++2,12),84(100)。
実施例 92
6-(2,3-ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例1に従って2,3-ジメチルフェニルアセトニトリルおよび2,4-ジアミノ-5-ピリミジンカルボキシアルデヒドから標題化合物を調製した。融点330〜333℃。
実施例 93
1-〔2-アミノ-6-(2,3-ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-t-ブチル尿素
実施例2に従って実施例92の6-(2,3-ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.5007gおよびt-ブチルイソシアネート0.23mlから標題化合物を調製した。生成物をCHCl3:EtOAc(2:1)〜CHCl3:EtOAc(1:1)の勾配溶離によるMPLCにより精製した。
融点326〜330℃,MS(CI)。
元素分析値 C20H24N6O1・0.81 H2O:
理論値:C 63.38, H 6.81, N 22.17
実測値:C 63.54, H 6.47, N 21.77
実施例 94
6-(3,5-ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例1に従って3,5-ジメチルフェニルアセトニトリル2.0gおよび2,4-ジアミノ-5-ピリミジンカルボキシアルデヒド1.81gから標題化合物を調製した。融点298〜302℃,MS(CI)。
元素分析値 C15H15N5:
理論値:C 67.91, H 5.70, N 26.40
実測値:C 67.87, H 5.75, N 26.38
実施例 95
1-〔2-アミノ-6-(3,5-ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-t-ブチル尿素
実施例2に従って実施例94の6-(3,5-ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.3gおよびt-ブチルイソシアネート0.14mlから標題化合物を調製した。生成物を1:1 CHCl3:EtOAcを溶離剤とするMPLCにより精製した。融点180〜182℃,CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)365(MH++1,16),366(MH++2,3),84(100)。
実施例 96
6-(2,4,6-トリメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例1に従って2,4,6-トリメチルベンジルシアニド0.915gおよび2,4-ジアミノ-5-ピリミジンカルボキシアルデヒド0.76gから標題化合物を調製した。融点276〜282℃;CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)279(MH+,54),280(MH++1,100)。
実施例 97
1-〔2-アミノ-6-(2,4,6-トリメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-t-ブチル尿素
実施例2に従って実施例96の6-(2,4,6-トリメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.25gおよびt-ブチルイソシアネート0.109mlから標題化合物を調製した。生成物を1:1 CHCl3:EtOAcを溶離剤とする中圧液体クロマトグラフィーにより精製した。融点281〜297℃,CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)379(MH++1,100),380(MH++2,23)。
実施例 98
6-(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例1に従って2,3,5,6-テトラメチルベンジルシアニド1.999gおよび2,4-ジアミノ-5-ピリミジンカルボキシアルデヒド1.52gから標題化合物を調製した。融点327〜331℃;CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)293(MH+,65),294(MH++1,100)。
実施例 99
1-〔2-アミノ-6-(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-t-ブチル尿素
実施例2に従って実施例98の6-(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.3gおよびt-ブチルイソシアネート0.125mlから標題化合物を調製した。生成物を1:1 CHCl3:EtOAcを溶離剤とする中圧液体クロマトグラフィーにより精製した。融点>300℃,CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)393(MH+,55),394(MH++1,13),84(100)。
実施例 100
6-(2-メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例1に従って2−メトキシベンジルシアニドおよび2,4-ジアミノ-5-ピリミジンカルボキシアルデヒドから標題化合物を調製した。
融点304〜306℃(分解)。
元素分析値 C14H13N5O1:
理論値:C 62.91, H 4.90, N 26.20
実測値:C 63.16, H 5.13, N 26.42
実施例 101
1-〔2-アミノ-6-(2-メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-t-ブチル尿素
実施例2に従って実施例100の6-(2-メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.203gおよびt-ブチルイソシアネート0.093mlから標題化合物を調製した。生成物を1:1 CHCl3:EtOAcを溶離剤とする中圧液体クロマトグラフィーにより精製した。融点300〜301℃;CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)367(MH++1,67),368(MH++2,14),236(100)。
実施例 102
6-(3-メトキシフェニル)-ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例1に従って3-メトキシベンジルシアニドおよび2,4-ジアミノ-5-ピリミジンカルボキシアルデヒドから標題化合物を調製した。融点284〜286℃。
元素分析値 C14H13N5O1:
理論値:C 62.9, H 4.9, N 26.2
実測値:C 62.8, H 5.0, N 26.3
実施例 103
1-〔2-アミノ-6-(3-メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-t-ブチル尿素
実施例2に従って実施例102の6-(3-メトキシフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.50gおよびt-ブチルイソシアネート0.23mlから標題化合物を調製した。生成物をCHCl3:EtOAc(2:1)〜CHCl3:EtOAc(1:1)〜EtOAcの勾配溶離によるMPLCにより精製した。融点275〜280℃;MS(CI)。
元素分析値 C19H22N6O2・0.45 H2O:
理論値:C 60.93, H 6.16, N 22.44
実測値:C 61.22, H 5.89, N 22.09
実施例 104
6-(2-ブロモ-6-クロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例1に従って2-ブロモ-6-クロロフェニルアセトニトリル1.0gおよび2,4-ジアミノ-5-ピリミジンカルボキシアルデヒド0.57gから標題化合物を調製した。融点264〜280℃。
元素分析値 C13H9Cl1Br1N5:
理論値:C 44.53, H 2.59, N 19.97
実測値:C 44.48, H 2.87, N 20.10
実施例 105
1-〔2-アミノ-6-(2-ブロモ-6-クロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-t-ブチル尿素
実施例2に従って実施例104の6-(2-ブロモ-6-クロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.30gおよびt-ブチルイソシアネート0.105mlから標題化合物を調製した。生成物を1:1 CHCl3:EtOAcを溶離剤とするMPLCにより精製した。融点314℃(分解);MS(CI)。
元素分析値 C18H18Br1Cl1N6O1・0.43 CHCl3・0.27 C4H8O2:
理論値:C 44.65, H 3.95, N 16.01, Br 15.22, Cl 15.47
実測値:C 44.39, H 3.96, N 15.82, Br 14.83, Cl 15.39
実施例 106
プロパン-1-スルホン酸〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕アミド
DMF 15ml中の実施例1の2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン1.00gのスラリーに水素化ナトリウム(鉱物油中60%)0.15gを少しずつ添加し、混合物を1時間撹拌した。プロパンスルホニルクロリド(0.39ml)を滴下添加し、反応混合物を16時間雰囲気温度で撹拌した。反応混合物を濾過して少量の不溶性物質を除去し、濾液を真空下に蒸発させた。生成物をCHCl3:EtOAc(2:1)〜CHCl3:EtOAc(1:1)の勾配溶離によるシリカゲルを用いた中圧液体クロマトグラフィー(MPLC)により精製し標題化合物を得た。
元素分析値 C16H15Cl2N5O2S1・0.25 CHCl3:
理論値:C 44.14, H 3.48, N 15.84, S 7.25
実測値:C 43.92, H 3.38, N 15.54, S 7.04
実施例 107
6-ピリジン-3-イルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例1の方法に従って3-ピリジルアセトニトリルおよび2,4-ジアミノ-5-ピリミジンカルボキシアルデヒドを反応させて標題化合物を得た。融点317〜319℃。
元素分析値 C12H10N6:
理論値:C 60.50, H 4.23, N 35.27
実測値:C 60.5, H 4.3, N 35.6
実施例 108
1-(2-アミノ-6-ピリジン-3-イルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-t-ブチル尿素
実施例2の方法に従って実施例107の2,7-ジアミノ-6-(3-ピリジル)ピリド〔2,3-d〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン0.30gをt-ブチルイソシアネート0.16mlと反応させた。生成物を90:10:1 EtOAc:MeOH:TEAを溶離剤とするシリカゲルを用いた中圧液体クロマトグラフィーにより精製し標題化合物を得た。融点>300℃;CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)388(MH++1,8),339(MH++2,1),84(100)。
実施例 109
6-ピリジン-4-イルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
冷却した(0℃)2-エトキシエタノール(13ml)に水素化ナトリウム(鉱物油中60%)0.30gを少しずつ添加し、懸濁液を10分間撹拌した。この懸濁液に4-ピリジルアセトニトリル塩酸塩1.06gを添加し、混合物を30分間室温で撹拌した。2-エトキシエタノール中の4-ピリジルアセトニトリルの中和された溶液を、ナトリウム2-エトキシエトキシド(水素化ナトリウム0.11gと2-エトキシエタノール4.76mlから調製)および2,4-ジアミノ-5-ピリミジンカルボキシアルデヒド0.9gを含有する反応混合物に添加した。得られた混合物を2時間還流下に加熱し、冷却し、不溶性の生成物をジエチルエーテルおよび酢酸エチルで洗浄し、標題化合物を得た。融点>340℃;MS(CI)。
元素分析値 C12H10N6・0.05 H2O:
理論値:C 60.27, H 4.26, N 35.14
実測値:C 60.35, H 4.31, N 34.75
実施例 110
1-(2-アミノ-6-ピリジン-4-イルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-t-ブチル尿素
実施例2の方法に従って実施例109の2,7-ジアミノ-6-(4-ピリジル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン0.30gをt-ブチルイソシアネート0.154mlと反応させた。生成物を90:10:1 EtOAc:MeOH:TEAを溶離剤とするシリカゲルを用いた中圧液体クロマトグラフィーにより精製し標題化合物を得た。融点>350℃;CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)338(MH++1,6),339(MH++2,1),84(100)。
実施例 111
6-ピリジン-2-イルピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例1の方法に従って2-ピリジルアセトニトリル0.84gおよび2,4-ジアミノ-5-ピリミジンカルボキシアルデヒド1.0gを反応させて標題化合物を得た。融点312〜321℃。
元素分析値 C12H10N6・0.07 H2O:
理論値:C 60.18, H 4.27, N 35.09
実測値:C 60.46, H 4.34, N 34.70
実施例 112
1-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-エチル尿素
実施例21の一般的方法に従って、実施例20の7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン0.85gをエチルイソシアネート0.176mlと反応させた。生成物を、水中0.1%トリフルオロ酢酸90%/アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸10%〜水中0.1%トリフルオロ酢酸60%/アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸40%の勾配溶離によるC18逆相カラム上の逆相調整用HPLCにより精製した。融点92〜108℃。
元素分析値 C23H29Cl2N7O1・0.25 H2O:
理論値:C 55.82, H 6.01, N 19.81
実測値:C 55.84, H 6.02, N 19.68
実施例 113
1-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-イソプロピル尿素
実施例21の方法に従って、実施例20の7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン0.30gおよびイソプロピルイソシアネート0.077mlを反応させた。生成物を90:10:1 EtOAc:MeOH:TEAを溶離剤とするシリカゲルを上の中圧液体クロマトグラフィーにより精製し標題化合物を得た。融点88〜100℃;CIMS(メタン中1%アンモニア):m/z(相対強度)504(MH+,3),506(MH++2,2),86(100)。
実施例 114
N2-(3-ジエチルアミノプロピル)-6-(2,6-ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例20の方法に従って、実施例6の2,7-ジアミノ-6-(2,6-ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン3.0gおよび1-アミノ-3-(N,N-ジエチルアミノ)プロパン30mlを反応させて標題化合物を得た。
元素分析値 C22H30N6・0.15 H2O:
理論値:C 69.31, H 8.01, N 22.04
実測値:C 69.29, H 7.89, N 22.04
実施例 115
1-〔2-(3-ジメチルアミノプロピルアミノ)-6-(2,6-ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)-3-エチル尿素
実施例21に記載のとおり、実施例114の7-アミノ-6-(2,6-ジメチルフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジンおよびエチルイソシアネートカラ調製した。生成物を、水中0.1%トリフルオロ酢酸100%/アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸0%〜水中0.1%トリフルオロ酢酸70%/アセトニトリル中の0.1%トリフルオロ酢酸30%の勾配溶離によるC18逆相カラム上の逆相調整用HPLCにより精製した。融点64〜70℃。
元素分析値 C25H35N7O1・0.35 H2O:
理論値:C 65.86, H 7.89, N 21.51
実測値:C 65.78, H 7.63, N 21.39
実施例 116
1-t-ブチル-3-〔2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)-6-(2,6-ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)尿素
実施例21に記載のとおり、実施例114の7-アミノ-6-(2,6-ジメチルフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン0.50gおよびt-ブチルイソシアネート0.17mlから調製した。生成物を、水中0.1%トリフルオロ酢酸90%/アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸5%〜水中0.1%トリフルオロ酢酸65%/アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸35%の勾配溶離によるC18逆相カラム上の逆相調整用HPLCにより精製した。融点86〜91℃。
元素分析値 C27H39N7O1:
理論値:C 67.89, H 8.23, N 20.53
実測値:C 67.70, H 8.24, N 20.43
実施例 117
1-アダマンタン-1-イル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)尿素
実施例37に記載のとおり実施例36のN2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.5gおよび1-アダマンチルイソシアネート0.218gから調製した。生成物を90:10:1 EtOAc:MeOH:TEAを溶離剤とするシリカゲルを用いた中圧液体クロマトグラフィーにより精製し標題化合物を得た。融点>200℃(分解);ESMA(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):m/z(相対強度)623.4(MH+,100),625.5(MH++2,48)。
元素分析値 C32H40Cl2N8O1・0.52 H2O:
理論値:C 60.72, H 6.54, N 17.70
実測値:C 61.06, H 6.58, N 17.30
実施例 118
1-t-ブチル-3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル)チオ尿素
実施例37に記載のとおり実施例36のN2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.5gおよびt-ブチルイソシアネート0.142gから調製した。生成物を90:10:1 EtOAc:MeOH:TEAを溶離剤とするシリカゲルを用いた中圧液体クロマトグラフィーにより精製したところ2種類の生成物の混合物が得られた。混合物を更に水中0.1%トリフルオロ酢酸95%/アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸5%〜水中0.1%トリフルオロ酢酸65%/アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸35%の勾配溶離によるC18逆相カラム上の逆相調整用HPLCにより精製した。融点>220℃(分解);MS(ES)。
実施例 119
3-{6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}-1,1-ジエチル尿素
DMF5ml中の実施例36のN2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.50gの溶液に60%水素化ナトリウム0.10gを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。懸濁液を0℃に冷却し、ジエチルカルバミルクロリド0.15mlを滴下添加した。添加終了後反応混合物を室温に戻し、周囲温度で18時間撹拌した。混合物を真空下に濃縮し、90:10:1 EtOAc:MeOH:TEAを溶離剤とするシリカゲル上の中圧液体クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。融点>200℃(分解);MS(ES)。
実施例 120
N2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕-6-(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン
実施例98の6-(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン1.00g、スルファミン酸0.66gおよび1-(3-アミノプロピル)-4-メチルピペラジン10mlの混合物を34時間撹拌しながら還流下に加熱した。反応フラスコに短径の蒸留カラムをつけ高真空下に蒸留して過剰のアミンを除去した。残存物をジクロロメタン40mlで希釈し、水10ml次いで重炭酸ナトリウム飽和溶液15mlで洗浄した。塩基性の水層をジクロロメタン(3×25ml)で抽出し、合わせた有機層を塩水(3×25ml)で逆洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上に乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させた。生成物を90:10:1 EtOAc:MeOH:TEAを溶離剤とするシリカゲル上の中圧液体クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。融点218〜223℃;MS(APCI)。
元素分析値 C25H35N7・0.30 C4H8O2:
理論値:C 68.41, H 8.19, N 21.31
実測値:C 68.05, H 7.95, N 21.70
実施例 121
1-t-ブチル-3-{2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルアミノ〕-6-(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル}尿素
実施例37に記載のとおり、実施例120のN2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕-6-(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.41gおよびt-ブチルイソシアネート0.12mlから調製した。生成物を90:10:1 EtOAc:MeOH:TEAを溶離剤とするシリカゲルを用いた中圧液体クロマトグラフィーにより精製し標題化合物を得た。融点185〜198℃。
元素分析値 C30H44N8O1:
理論値:C 67.64, H 8.33, N 21.03
実測値:C 67.31, H 8.23, N 20.87
実施例 122
1-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(4-ジエチルアミノブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-(3-モルホリン-4-イルプロピル)チオ尿素
実施例37に記載のとおり、実施例53のN2-〔3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル〕-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン0.3926gおよび3-モルホリノプロピルイソチオシアネート0.18gから調製した。生成物を90:10:1 EtOAc:MeOH:TEAを溶離剤とするシリカゲルを用いた中圧液体クロマトグラフィーにより精製し標題化合物を得た。融点>200℃(分解);ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):m/z(相対強度)619.4(MH+,100),621.5(MH++2,77)。
実施例 123
1-t-ブチル-3-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(4-ジエチルアミノブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素
DMF(300ml)中の実施例53の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-(4-ジエチルアミノブチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(25.0g)の溶液に、1当量の60%水素化ナトリウム懸濁液(2.31g)を添加した。室温で約2時間撹拌した後、1当量のフェニルイソシアネート(5.72g)を添加し、反応を薄層クロマトグラフィーでモニタリングした。約24時間後、溶媒を真空下に除去した。残存物をジクロロメタンに溶解しこの溶液を数回、まず水で、次に塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄した。ジクロロメタン層を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下に濃縮した。残存物を酢酸エチル:エタノール:トリエチルアミン(9:2:1)を溶離剤とするシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、次にt-ブチルメチルエステルから結晶化させて表題化合物1-t-ブチル-3-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(4-ジエチルアミノブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕尿素21.58gを得た。ESMS(20/80 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):M++H=532;融点157℃(分解)。
元素分析値 C26H35N7Cl2O・0.10 H2O:
理論値:C 58.45,H 6.64, N 18.35, Cl 13.27, H2O 0.34
実測値:C 58.51, H 6.75, N 18.37, Cl 13.17, H2O 0.57
実施例 124
1-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(4-ジエチルアミノブチルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-エチル尿素
THF(6ml)中の実施例53の6-(2,6-ジクロロフェニル)-N2-(4-ジエチルアミノブチル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-2,7-ジアミン(0.61g)の冷却(5℃)溶液にカリウムヘキサメチルジシラザン(0.308g)を少しずつ添加した。反応混合物を周囲温度に戻し、30分間撹拌した。次にエチルイソシアネートを添加し、反応混合物を周囲温度で更に18時間撹拌した。反応混合物を0.25N塩酸水溶液約200mlに注ぎ込み、得られた溶液を濾過することにより生成物を単離した。濾液を50%水酸化ナトリウム水溶液で塩基性とし、水層を二回酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出液を乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過し、濾液を真空下に濃縮した。生成物を90:10:1 EtOAc:MeOH:TEA溶媒混合物を溶離剤とするラジアルクロマトグラフィーにより精製し標題化合物を得た。
元素分析値 C24H31Cl2N7O1・0.78 H2O:
理論値:C 55.59, H 6.33, N 18.91
実測値:C 55.59, H 5.93, N 18.62
実施例 125
N-〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル-N″-エチルグアニジン
DMF(1ml)中の実施例20の7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン(42mg)の溶液に60%水素化ナトリウム懸濁液(5ml)を添加し、混合物を0.5時間室温で撹拌した。反応混合物にN,N′-ビス(t-ブトキシカルボニル)-N-(エチル)-S-(エチル)イソチオ尿素(37mg)を添加し、混合物を18時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(50ml)で希釈し、水(2×15ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた油状物をメタノール:酢酸エチル:トリエチルアミン(8.5:1.5:0.3)を溶離剤としながらシリカゲル上で精製し、7-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン(40mg)および〔〔〔6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(3-ジエチルアミノプロピルアミノ)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕イミノ〔〔1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル〕アミノ〕メチル〕エチルアミノ〕カルバミン酸-1,1-ジメチルエチルエステルの混合物を得た。この混合物を2.6-ルチジン(8mg)を含有する無水ジクロロメタン(0.5ml)中に溶解した。トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(6mg)を添加し、混合物を30時間室温で撹拌した。混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液に注ぎ込みジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。得られた油状物をメタノール:酢酸エチル:トリエチルアミン(8.5:1.5:0.3)を溶離剤とするシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、標題化合物(7mg)を得た。ESMS(1/4 MeOH/CH3CN+0.1% AcOH):m/z(相対強度)490.5(MH+,100),491.5(MH++1,27),492.5(MH++2,64)
以下の実施例により本発明の典型的な医薬製剤を説明する。
実施例 126
経口投与用のハードゼラチンカプセルの形態の医薬製剤を以下の成分を用いて調製した。
上記成分を混合し、460mgの量でハードゼラチンカプセルに充填した。典型的な活性成分はN-〔2-ホルミルアミノ-6-(3,5-ジメチルフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-n-ブチルアミドとした。組成物は術後再狭窄の治療のために一日2〜4回投与する。
実施例 127
経口投与用懸濁液製剤
ソルビトール溶液を蒸留水40mlに添加し、それにナフチリジンを懸濁させた。サッカリン、安息香酸ナトリウムおよびフレーバーを添加し、溶解させた。全量を蒸留水で100mlとした。シロップml当たり活性成分含有量は5mgとした。
実施例 128
各錠活性成分60mg含有の錠剤
活性成分、澱粉およびセルロースをNo.45USメッシュシーブに通し、十分混合した。得られた粉末にポリビニルピロリドンの溶液を混合し、次にNo.14USメッシュシーブに通した。顆粒を50〜60℃で乾燥させNo.18USメッシュシーブに通した。次にあらかじめNo.60USメッシュシーブに通しておいたカルボキシメチルナトリウム澱粉、ステアリン酸マグネシウム、およびタルクを顆粒に添加し、これを混合後、錠剤成型器で圧縮成型して各錠150mgの錠剤とした。
上記製剤に用いた典型的な活性成分は実施例21の化合物であった。
実施例 129
注射による投与に適する非経腸製剤は、0.9%塩化ナトリウム水溶液250ml中に1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕-3-(3-モルホリン-4-イルプロピル)チオ尿素100mgを溶解し、溶液のpHを約7.0に調節することにより調製した。この製剤は乳ガンの治療に適していた。
実施例 130
坐薬製剤
1-〔2-アミノ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン-7-イル〕イミダゾリジン-2-オン500mgおよびテオブロマオイル1500mgの混合物を60℃で均一に混合した。混合物をテーパー付き金型中24℃に冷却した。各坐薬は約2gとし、細菌感染の治療のために毎日1または2回投与できる。
実施例 131
局所用製剤
Claims (35)
- 下記式I:
〔式中XはCHまたはNであり;
Bはハロ、ヒドロキシまたはNR3R4であり;
R1、R2、R3およびR4は独立して水素、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、Ar′、アミノ、C1〜C8アルキルアミノまたはジ−C1〜C8アルキルアミノであり;そしてここでアルキル、アルケニルおよびアルキニル基はNR5R6で置換されていてよく、ここでR5およびR6は独立して水素、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C10シクロアルキルまたは
であり、そしてここで前記したアルキル、アルケニルおよびアルキニル基はいずれも、ヒドロキシ、5員または6員の炭素環または窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子1または2個を有するヘテロ環で置換されていてよく、そして、R9、R10、R11およびR12は独立して水素、ニトロ、トリフルオロメチル、フェニル、置換フェニル、-C≡N、-COOR8、-COR8、
SO2R8、ハロ、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、チオ、-S-C1〜C8アルキル、ヒドロキシ、C1〜C8アルカノイル、C1〜C8アルカノイルオキシまたは-NR5R6であるか、またはR9とR10は隣接する場合は一緒になってメチレンジオキシとなることができ;nは0、1、2または3であり;そしてR5とR6はそれらに連結している窒素原子と一緒になって、炭素原子3〜6個を有し、場合により窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を有する環を形成し;
R1とR2はそれらに連結している窒素原子と一緒になって、そしてR3とR4はそれらに連結している窒素原子と一緒になって、やはり、
となることができ、あるいは、炭素原子3〜6個および場合により窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子1〜2個を有する環を形成し、そして、R1およびR3はさらに
から選択されるアシル類縁体であることができ、ここでR8は水素、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C10シクロアルキルただし場合により酸素、窒素またはイオウ原子を有するもの、
および-NR5R6であり、そしてここで、R8アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はNR5R6により置換されていることができ;
ArおよびAr′は、フェニル、イミダゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、フラニル、チエニル、ナフチルから選択される未置換であるか、または置換された芳香族またはヘテロ芳香族の基であり、ここで置換基は上記したR9、R10、R11およびR12である〕の化合物又は医薬上許容されるその酸付加塩又は塩基付加塩、ただしXがNでありBがNR3R4である場合はR3およびR4のいずれか一方は水素ではなく、XがNであり、BがNR 3 R 4 であり、R 1 が
であり、R 3 が
であるときはR 8 はC 1 アルキルではない上記化合物。 - 下記式:
〔式中XはCHまたはNであり;
Bはハロ、ヒドロキシまたはNR3R4であり;
R1、R2、R3およびR4は独立して水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アミノ、C1〜C6アルキルアミノまたはジ−C1〜C6アルキルアミノであり;そしてここでアルキル、アルケニルおよびアルキニル基はNR5R6で置換されていてよく、ここでR5およびR6は独立して水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキルまたは
であり、そしてここでアルキル、アルケニルおよびアルキニル基はいずれも、5員または6員の炭素環または窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子1または2個を有するヘテロ環で置換されていてよく、そして、R9、R10およびR11は独立して水素、ニトロ、トリフルオロメチル、フェニル、置換フェニル、-C≡N、-COOR8、-COR8、
SO2R8、ハロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、チオ、-S-C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルカノイル、C1〜C6アルカノイルオキシまたは-NR5R6であるか、またはR9とR10は隣接する場合は一緒になってメチレンジオキシとなることができ;nは0、1、2または3であり;そしてR5とR6はそれらに連結している窒素原子と一緒になって、炭素原子3〜6個を有し、場合により窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を有する環を形成し;
R1とR2はそれらに連結している窒素原子と一緒になって、そしてR3とR4はそれらに連結している窒素原子と一緒になって炭素原子3〜6個および場合により窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子を有する環を形成し、そしてR1およびR3はさらに
から選択されるアシルであることができ、ここでR8は水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、
および-NR5R6であり、そしてここでアルキル、アルケニルおよびアルキニル基はNR5R6により置換されていることができ;
Arは、フェニル、イミダゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、フラニル、チエニル、ナフチルから選択される未置換であるか、または置換された芳香族またはヘテロ芳香族の基であり、ここで置換基は上記したR9、R10およびR11である〕の化合物又は医薬上許容されるその酸付加塩又は塩基付加塩、ただしXがNでありBがNR3R4である場合はR3およびR4のいずれか一方は水素ではなく、XがNであり、BがNR 3 R 4 であり、R 1 が
であり、R 3 が
であるときはR 8 はC 1 アルキルではない請求項1記載の化合物。 - Bがハロまたはヒドロキシである請求項1記載の化合物。
- BがNR3R4である請求項1記載の化合物。
- XがCHである請求項4記載の化合物。
- R2およびR4が水素である請求項6記載の化合物。
- R8がC1〜C6アルキル、-NR5R6またはC1〜C6アルキル-NR5R6である請求項8記載の化合物。
- R5およびR6が独立して水素、C1〜C6アルキルまたはC1〜C6アルキルNR5R6である請求項9記載の化合物。
- Arが場合により置換されたヘテロ芳香族環である請求項5記載の化合物。
- XがNである請求項4記載の化合物。
- R2およびR4が水素である請求項13記載の化合物。
- R8がC1〜C6アルキル、-NR5R6または-C1〜C6アルキル-NR5R6である請求項15記載の化合物。
- R5が水素であり、そしてR6がC1〜C6アルキルまたはC1〜C6アルキルNR5R6である請求項16記載の化合物。
- R9およびR10が共にハロまたはメチルである請求項18記載の化合物。
- R1およびR2が共に水素である請求項19記載の化合物。
- 3−o−トリル−〔1,6〕ナフチリジン−2,7−ジアミン;
3−(2−クロロフェニル)−〔1,6〕ナフチリジン−2,7−ジアミン;
1−t−ブチル−3−〔7−(3−t−ブチルウレイド)−6−(2,6−ジクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル〕尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−t−ブチル−3−〔7−(3−t−ブチルウレイド)−6−o−トリル−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル〕尿素;
1−〔2−アミノ−6−o−トリル−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジメチルフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
N−〔2−アセチルアミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−アセトアミド;
N7−ブチル−6−フェニル−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン;
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−エチル尿素;
N2,N7−ジメチル−6−フェニル−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン;
1−〔2−アミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジブロモフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−イソプロピル尿素;
1−〔2−アミノ−6−フェニル−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,3−ジメチルフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(3,5−ジメチルフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2−メトキシフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(3−メトキシフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕イミダゾリジン−2−オン;
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジエチルアミノプロピルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素;
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジメチルアミノプロピルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素;
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジメチルアミノ−2,2−ジメチル−プロピルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素;
1−t−ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素;
1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)2−(4−ジエチルアミノ−ブチルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−フェニル尿素;
1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−ジエチルアミノ−ブチルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−エチル尿素;
1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)2−(4−ジエチルアミノ−ブチルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−エチル尿素,塩酸塩;
1−シクロヘキシル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−ジエチルアミノブチルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素;
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジブロモフェニル)−2−(3−ジエチルアミノプロピルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素;
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(2−ジエチルアミノエチルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素;
1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(2−ジエチルアミノエチルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−エチル尿素;
1−t−ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔(3−ジメチルアミノプロピル)−メチルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}尿素;
1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジエチルアミノプロピルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−エチル尿素;
1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジエチルアミノプロピルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−イソプロピル尿素;
1−t−ブチル−3−〔2−(3−ジエチルアミノプロピルアミノ)−6−(2,6−ジメチルフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素;
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−ジエチルアミノブチルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素;
1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)2−(4−ジエチルアミノブチルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−エチル尿素;
1−t−ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ブチルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}尿素;
1−シクロヘキシル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}尿素;
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−イソプロピル尿素;
1−ベンジル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}尿素:
1−アリル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}尿素:
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−(4−メトキシフェニル)尿素;
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−(3−メトキシフェニル)尿素;
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−(2−メトキシフェニル)尿素;
1−(4−ブロモフェニル)−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}尿素;
1−(4−クロロフェニル)−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}尿素;
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−p−トリル尿素;
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−オクチル尿素;
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)尿素;
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−エチル尿素;
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3,3−ジエチル尿素;
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−ナフタレン−1−イル−尿素;
1−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}−3−フェニル尿素;
1−t−ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}尿素;
1−アダマンタン−1−イル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}尿素;
1−t−ブチル−3−{2−〔3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−6−(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}尿素;
6−(4−メトキシフェニル)−N7−メチルピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン;
2−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕アミノ−4,5−ジヒドロオキサゾール;
6−(2,6−ジクロロフェニル)−N2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル〕−N7−(5,6−ジヒドロ−4H−〔1,3〕オキサジン−2−イル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2,7−ジアミン;
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)チオ尿素:
1−ブチル−3−〔7−(3−ブチルウレイド)−6−(2,6−ジクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル〕尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−プロピル尿素;
1−t−ブチル−3−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−モルホリン−4−イル−プロピルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素;
1−t−ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロピルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}チオ尿素;
1−t−ブチル−3−{6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−〔N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−メチルアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル}尿素;
1−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−ジエチルアミノブチルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)チオ尿素;
1−〔2−アミノ−6−(ピリジン−3−イル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(ピリジン−4−イル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
N−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(3−ジエチルアミノ−プロピルアミノ)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル−N″−エチルグアニジン;
N′−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−{3−(ジエチルアミノ)プロピルアミノ}ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−N,N−ジメチルホルムアミジン;
N′−〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−7−〔(ジメチルアミノ)メチレンアミノ〕−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル〕−N,N−ジメチルホルムアミジン;
N′−〔7−(3−t−ブチルウレイド)−6−(2,6−ジクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−2−イル〕−N,N−ジメチルホルムアミジン;
1−t−ブチル−3−〔〔6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−フェニルアミノ〕ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,4,6−トリメチルフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;
1−〔2−アミノ−6−(2,3,6−トリクロロフェニル)−ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕−3−t−ブチル尿素;または
プロパン−1−スルホン酸〔2−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド〔2,3-d〕ピリミジン−7−イル〕アミド
である請求項1記載の化合物。 - 医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤とともに請求項1記載の化合物を含有する医薬製剤。
- アテローム性動脈硬化症、再狭窄、乾癬および細菌感染症の治療のための請求項33記載の医薬製剤。
- 請求項1記載の化合物からなる、蛋白質チロシンキナーゼの阻害剤。
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