JPH1039496A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JPH1039496A
JPH1039496A JP19061996A JP19061996A JPH1039496A JP H1039496 A JPH1039496 A JP H1039496A JP 19061996 A JP19061996 A JP 19061996A JP 19061996 A JP19061996 A JP 19061996A JP H1039496 A JPH1039496 A JP H1039496A
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JP
Japan
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silicone rubber
group
layer
rubber layer
image forming
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JP19061996A
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English (en)
Inventor
Toshiyoshi Urano
年由 浦野
Etsuko Hino
悦子 檜野
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度、画像再現性が高く、シリコーンゴム層
の印刷インク反撥性及び画像部のインク着肉性に優れた
ダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版に画像を形成す
る方法を提供する。 【解決手段】 基板上に、該基板から少なくとも600
〜700nmの可視光吸収剤を含有する感光性層、及び
シリコーンゴム層をこの順に有するダイレクト湿し水不
要平版印刷版に、600〜700nmの可視光を5MW
/m2 以上の高密度光で画像様に露光し、感光性層をア
ブレーションさせることにより露光部分の感光性層及び
シリコーンゴム層を除去させることを特徴とする画像形
成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はデジタル画像データ
から半導体レーザーあるいは、これに準ずる高密度光露
光の可能な光源を用い、直接、平版印刷版を形成し得る
ダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版への画像形成方
法に関する。更に詳しくは、基板上に該基板から少なく
とも感光性層及びシリコーンゴム層をこの順に有するダ
イレクト湿し水不要感光性平版印刷版に画像を形成する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、近赤外半導体レーザー及びコンピ
ュータを用いるデジタル画像処理技術の進歩に伴い、コ
ンピュータ上で形成されたデジタル画像データから印刷
版用銀塩フィルムを用いることなしに直接感光性平版印
刷版上に近赤外半導体レーザーで走査露光を行い、露光
部分を不溶化した後水溶液現像処理(湿式現像処理)に
より画像を形成し製版する、あるいは露光部分を劣化さ
せ、又は昇華、溶融させ除去する(乾式現像処理)こと
により画像を形成し製版する、レーザーダイレクト製版
技術が注目されている。
【0003】特に、600〜700nmの可視領域の光
は、近赤外光に比べ短波長であるため、より高解像度の
画像を形成させることができ、また、半導体レーザー以
外の安価な可視光光源を容易に利用できるため、この領
域に感光する画像形成材料が強く望まれていた。さら
に、水と印刷インクのバランスを考える必要が無く、印
刷操作が容易で、印刷初期の損紙が少なく、印刷時間の
短い、湿し水不要デジタル印刷システムは、デジタル画
像データから短時間で容易に印刷物を作製することが出
来るため、新しい印刷システムとして期待されている。
【0004】該湿し水不要デジタル印刷システムに使用
される、レーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷
版に関しては、種々の試みがなされているが、例えば、
(イ)支持体上に感光性層、シリコーンゴム層をこの順
に塗設し、感光性層の露光部のアブレーションにより生
ずる熱に応答して、シリコーンゴム層を、同時に溶融、
揮発あるいは燃焼等により除去するもの(特開平7−1
64773、同6−186750、同6−19906
4、同7−309001)、(ロ)感光性層の露光部の
アブレーションにより生ずる熱に応答して、シリコーン
ゴム層を劣化させ、支持体との接着性を低下させた後擦
り取るもの(特開平6−55723、同6−5586
9、同6−92050)、(ハ)シリコーンゴム層を設
けた支持体上に、インク着肉性のトナー画像を電子写真
法により形成させるもの(特開昭51−66008)等
が知られている。これらのうち(イ)の方式が、画像形
成処理が最も簡便であり、また通常画質もより優れたも
のが得られ易いのでより好適と考えられている。
【0005】しかしながら、上記(イ)のアプレーショ
ンを利用するレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版
印刷版は、感度が低く、大出力のレーザー光源が必要で
あり、また、レーザー露光工程に長時間を要する等の問
題があった。また、感度を向上させる試みとしては、ニ
トロセルロース樹脂等の自己酸化性樹脂を感光性層に添
加する方法が知られている(特開昭50−158405
号)。しかし、通常のニトロセルロース樹脂では、感度
の向上に効果はあるものの、安全性及びインク着肉性が
低下する傾向にあり問題であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は感度、画像再
現性が高く、シリコーンゴム層の印刷インク反撥性及び
画像部のインク着肉性に優れたダイレクト湿し水不要感
光性平版印刷版により高解像度が期待され、かつ工業的
に有利な光源を用いて画像を形成する方法を提供しよう
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、基板上
に、該基板から少なくとも600〜700nmの可視光
吸収剤を含有する感光性層、及びシリコーンゴム層をこ
の順に有するダイレクト湿し水不要平版印刷版に、60
0〜700nmの可視光を5MW/m2 以上の高密度光
で画像様に露光し、感光性層をアブレーションさせるこ
とにより露光部分の感光性層及びシリコーンゴム層を除
去させることを特徴とする画像形成方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を更に詳細に説明す
る。本発明において用いられる基板としては、通常の画
像形成装置にセットできるたわみ性を有し、画像形成時
にかかる荷重に耐えうるものであればいかなるものも用
いることができ、層構成も含めて特に限定されない。例
えば、コート紙などの紙類、アルミニウム板などの金属
板、あるいは、ポリエチレンテレフタレートなどのプラ
スチックフィルムを例として挙げることができる。
【0009】本発明に用いられる好ましい基板は、通常
の平版印刷機にセットできるたわみ性を有し、印刷時に
かかる荷重に耐えうるという従来の基板としての機能に
加え、感光性層に吸収された光のエネルギーにより発生
した熱が基板を伝わり拡散することを防ぎ、感光性層及
びシリコーンゴム層のアブレーションの効果を高める機
能を有する。本発明に用いられる基板は以下詳細に説明
する如く、基板の構成の中心要素となる基材(以下、単
に基材と称す)自体で使用することもできるが、種々の
機能を付加する目的で、該基材とその感光性層側表面
(以下、単に表面という)に設けられたインク着肉性層
及び/又は裏面に設けられた補強層とから成るもの(以
下、複合基板と称す)も用いられる。
【0010】前記アブレーションの効果を高める機能を
発現させる目的においては、基材は熱伝導度が低いもの
であるほど断熱性に優れ即ち熱の拡散を防ぐため好まし
い。本発明に用いられる基材としては、300K(27
℃)における熱伝導度が通常0.2W/mK以下のもの
であり、さらに熱拡散の防止効果を高めるために、0.
15W/mK以下のものが好ましい。
【0011】また、熱伝導度を低く抑え、断熱効果を高
めるために、基材の材料中に空気等の気体を含有したも
の、即ち密度の低いものが好ましく用いられる。前記断
熱効果を高めるために、基材の密度は2.0g/cm3
以下が好ましく、1.5g/cm3 以下が更に好まし
い。該基材の具体例としては、上質紙、樹脂加工紙、コ
ート紙等の紙類;木板;合成紙;発泡ポリエチレンテレ
フタレートシート、発泡ポリプロピレンシート、発泡ポ
リエチレンシート、発泡ポリスチレンシート等の発泡プ
ラスチックシートを挙げることができるが、基板の寸法
安定性、インクに含まれる溶剤等に対する耐薬品性等の
観点から、コート紙、アート紙、写真印画紙原紙、発泡
ポリエチレンテレフタレートシート、発泡ポリプロピレ
ンシート、発泡ポリエチレンシートが好ましい。
【0012】該基材の厚さは10μm〜3mm、好まし
くは20μm〜1mm、更に好ましくは50μm〜50
0μmである。本発明に用いられる基材の表面には、感
光性平版印刷版の画像部のインク着肉性を高めるため
に、適当なクッション性を有し、インクローラーとの密
着性が高く、インク転写性を高める効果のあるインク着
肉性層を設け、複合基板を作製することができる。
【0013】該インク着肉性層の具体例としては、例え
ばポリエチレンテレフタレートシート、発泡ポリエチレ
ンテレフタレートシート、ポリプロピレンシート、発泡
ポリプロピレンシート、ポリエチレンシート、発泡ポリ
エチレンシート等が挙げられ、これらを例えばラミネー
ション等により基材表面に接合して用いることができ
る。これらの内、インク着肉性と共に、断熱効果を高め
る目的で、密度が1.5g/cm3 以下の発泡ポリエチ
レンテレフタレートシート、発泡ポリプロピレンシー
ト、発泡ポリエチレンシートが好ましい。また、インク
着肉性層を設けることにより印刷版の耐久性も向上す
る。
【0014】該インク着肉性層の厚さは10μm〜1m
m、好ましくは20μm〜100μm、更に好ましくは
20μm〜75μmである。また、本発明に用いられる
基材の裏面には、印刷版の耐久性を高める目的で補強層
を設け、複合基板を作製することができる。該補強層を
設けるために使用される補強用シートとしては、前記基
材に使用されるもの;前記インク着肉性層に使用される
もの;アルミ板、銅板、鉄板等の金属板;アルミ箔等の
金属箔等から適宜選択して用いることができる。これら
のうち、ポリエチレンテレフタレートシート、発泡ポリ
エチレンテレフタレートシート、アルミ板が好ましい。
【0015】該補強層の厚さは10μm〜3mm、好ま
しくは20μm〜1mm、更に好ましくは50μm〜5
00μmである。さらに、本発明においては基材の表面
にインク着肉性層を設け、且つ裏面に補強層を設けた複
合基板を作製することもできる。これら基材、インク着
肉性層、及び補強層は前述の如く、それぞれ断熱効果、
インク着肉性、耐久性を主たる目的としているので、感
光性印刷版としての性能を向上させるために、それぞれ
の特徴を生かし、互いの不足を補うように適宜多層化す
ることが好ましい。このため、ある材料の基材に同種の
材料をインク着肉性層及び/又は補強層として接合する
場合もあるが、その場合は、断熱効果、インク着肉性、
耐久性のそれぞれを満足するため、目的に見合ったグレ
ードの材料を適宜選択すればよい。また、複合基板の場
合には、複合基板全体の熱伝導度が低いことが重要であ
ることは言うまでもないが、少なくとも断熱領域を確保
するために、基材自体が断熱性であることが必須であ
り、表面に設けたインク着肉性層も断熱性であることが
好ましい。
【0016】本発明に用いられる好ましい複合基板の具
体例としては、例えば50μm〜500μmのアート
紙、上質紙、樹脂加工紙あるいはコート紙の表面に、イ
ンク着肉性層として20μm〜75μmのポリエチレン
テレフタレートシート、発泡ポリエチレンテレフタレー
トシート、ポリプロピレンシート、発泡ポリプロピレン
シート、ポリエチレンシート、あるいは発泡ポリエチレ
ンシートをラミネートしたものが挙げられる。更に、こ
の複合基板の裏面に、補強層として、前記インク着肉性
シートと同種のものあるいは、100μm〜500μm
のアルミ板をラミネートした3層のものが挙げられる。
【0017】前記の断熱性基材にインク着肉性シートあ
るいは補強用シートをラミネートする際には、ラミネー
トする2つのシート面のどちらか、あるいは両方に例え
ば特開平2−225087号公報に記載のウレタン樹脂
等の接着剤を0.1〜10μmの厚さに塗布した後、7
0〜150℃、0.1〜50kg/cm2 、0.1〜5
0m/sの条件にてラミネートし、断熱性基材にインク
着肉性層あるいは補強層を形成する。
【0018】以上詳述した通り、本発明において基材は
その物性値と層厚により基板構成において断熱機能の主
体となるべき層を意味するが、この断熱機能が有効に発
現される限り基板の層構成と基材との関係は当業者が想
到し得る程度の変形が可能である。例えば断熱機能を基
材とインク着肉性層とでほぼ均等に負担せしめたり、基
材自身を複合化して、統合的に本発明で特定する断熱機
能を発現せしめたり、その他必要に応じて他の層を介在
せしめることもありえよう。
【0019】本発明において用いられる感光性層は、6
00〜700nmの可視光を効率よく吸収、熱に変換し
感光性層のアブレーションを起こし感光性層を除去する
と同時に、それによって生ずる熱に応答してシリコーン
ゴム層のアブレーションを誘引し、溶融、揮発あるいは
燃焼させ、及び/または、感光性層のアブレーションの
際の圧力により、これを除去せしめる機能を有する光吸
収剤を含有する。
【0020】該光吸収剤は600〜700nmの可視光
を吸収し、光エネルギーを熱エネルギーに変換する機能
を有するものであれが特に限定することなく用いること
が出来るが、具体的には、有機、無機の顔料、有機の色
素、金属等を挙げることが出来る。さらに具体的には、
例えばカーボンブラック(三菱化学社の製品であるMA
−7、MA−100、MA−220、#5、#10、デ
グッサ社の製品であるカラーブラックFW2、FW2
0、プリンテックスVなど);黒鉛;チタン、クロム等
の金属;酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化バナジ
ウム、酸化タングステン等の金属酸化物;チタンカーバ
イト等の金属炭化物;金属ホウ化物;特開平4−322
219号公報に記載されている無機黒色顔料、アゾ系の
ブラック顔料、リオノールグリーン2YS、緑色顔料7
などの黒、緑などの有機顔料が用いられる。 また、
「特殊機能色素」(池森・住谷編集、1986年(株)
シーエムシー発行)、「機能性色素の化学」(檜垣編
集、1981年(株)シーエムシー発行)、「色素ハン
ドブック」(大河、平嶋、松岡、北尾編集、講談社発
行)、(株)日本感光色素研究所が1995年に発行し
たカタログ及びExcitonInc.が1989年に
発行したレーザー色素カタログ等に記載されている近赤
外領域に吸収を有する色素も用いられる。このような可
視領域に吸収を有する色素のいくつかを下記の第1表に
例示する。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】S−20 一酸化チタン;チタンブラック13M(三菱マ
テリアル社製)S−21 一酸化チタン;チタンブラック13B(三菱マ
テリアル社製)
【0027】
【表7】
【0028】
【表8】
【0029】これら光吸収剤は、単独あるいは複数混合
し、感光性層塗布溶液中に溶解又は、分散させて配合
し、用いることができる。該光吸収剤を配合する場合、
感光性層中での配合率は、全感光性層固形分の5〜10
0重量%、好ましくは10〜98重量%、更に好ましく
は20〜95重量%である。光吸収剤の配合率が著しく
低いと、光を十分吸収できず、アブレーションの効果が
低下しやすい。この場合、感光性層の膜厚は、0.3〜
5μm、好ましくは0.3〜3μm、さらに好ましくは
0.5〜2μmである。また、該光吸収剤を蒸着あるい
はスパッタリングにより、直接基板上に光吸収剤から成
る感光性層を設けることもできる。この場合は、膜厚と
して0.01〜0.5μm、好ましくは0.02〜0.
4μmである。
【0030】本発明で用いられる感光性層中には、上記
光吸収剤の他に、塗膜性、光吸収剤との相溶性、感光性
層中の膜強度、及びアブレーションの効果を高める目的
で、有機高分子物質を添加することができる。該有機高
分子物質としては、例えば、(メタ)アクリル酸やイタ
コン酸等の不飽和酸と、(メタ)アクリル酸アルキル、
(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベン
ジル、スチレン、α−メチルスチレン等との共重合体;
ポリメチルメタクリレートに代表されるメタクリル酸ア
ルキルやアクリル酸アルキルの重合体;(メタ)アクリ
ル酸アルキルとアクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、スチレン等との共重合体;アクリロニトリル
と塩化ビニルや塩化ビニリデンとの共重合体;側鎖にカ
ルボキシル基を有するセルロース変性物;ポリエチレン
オキシド;ポリビニルピロリドン;フェノール、o−、
m−、p−クレゾール、及び/又はキシレゾールとアル
デヒド、アセトン等との縮合反応で得られるノボラック
樹脂;エピクロロヒドリンとビスフェノールAとのポリ
エーテル;可溶性ナイロン;ポリ塩化ビニリデン;塩素
化ポリオレフィン;塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合
体;酢酸ビニルの重合体;アクリロニトリルとスチレン
との共重合体;アクリロニトリルとブタジエン及びスチ
レンとの共重合体;ポリビニルアルキルエーテル;ポリ
ビニルアルキルケトン;ポリスチレン;ポリウレタン;
ポリエチレンテレフタレートイソフタレート;アセチル
セルロース;アセチルプロピオキシセルロース;アセチ
ルブトキシセルロース;セルロイド;ポリビニルブチラ
ール等が用いられる。該有機高分子物質の感光性層中に
おける配合率は、全感光性層固形分の0〜95重量%、
好ましくは2〜90重量%、さらに好ましくは5〜80
重量%である。
【0031】また上記感光性層中には、印刷インク着肉
性を高める目的で疎水性基を有する各種添加剤、例えば
p−オクチルフェノール・ホルマリンノボラック樹脂、
p−ブチルフェノール・ホルマリンノボラック樹脂、p
−t−ブチルフェノール・ベンズアルデヒド樹脂、ロジ
ン変性ノボラック樹脂等の変性ノボラック樹脂、また、
更にこれら変性ノボラック樹脂のo−ナフトキノンジア
ジドスルホン酸エステル、フッ素系の界面活性剤を添加
したり、アブレーションの効果を高める目的で、自己酸
化性のニトロセルロース等のニトロ化合物、炭酸エステ
ル化合物、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム等の硝酸
塩、過酸化ベンゾイル、過安息香酸エステル等の過酸化
物、或いは発泡性のアゾジカルボンアミド、アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N′−ジニトロ
ペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、p−ト
ルエンスルホニルヒドラジン、p,p′−オキシビス
(ベンゼンスルホヒドラジン)等のスルホニルヒドラジ
ド化合物等を感光性層の全固形分に対し1〜70重量
%、好ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは10
〜60重量%添加して用いることが出来る。
【0032】本発明においては、アブレーション効果を
高める化合物の内、以下に説明するニトロセルロース及
び炭酸エステル化合物が好ましく用いられる。本発明に
用いられるニトロセルロースは、近赤外レーザー光を近
赤外吸収剤が吸収し発生した熱により分解し、効率よく
低分子のガスを発生することにより、感光性層上に設け
られたシリコーンゴム層のうち、レーザー露光部の除去
を促進する機能を有する。
【0033】該ニトロセルロースは、通常の方法により
精製した天然のセルロースを混酸で硝酸エステル化し、
セルロースの構成単位であるグルコピラノース環に存在
する3個の水酸基の部分にニトロ基を一部又は全部導入
することによって得られるものである。本発明に用いら
れるニトロセルロースの硝化度は2〜13であり、好ま
しくは10〜12.5であり、更に好ましくは11〜1
2.5である。ここで、硝化度とは、ニトロセルロース
中の窒素原子の重量%を表す。硝化度が著しく高いと、
アブレーションの促進効果は高められるものの、室温安
定性が低下する傾向にあり、また、ニトロセルロースが
爆発性となり、印刷版を作製する際のニトロセルロース
の取り扱いに危険が伴う。硝化度が著しく低いと、アブ
レーションの促進効果が充分得られない。
【0034】また、該ニトロセルロースの重合度は20
〜200であり、好ましくは25〜150である。重合
度が著しく高いと、シリコーンゴム層の除去が不完全に
なり、レーザー露光部分(画像部分)のインク着肉性が
不良になる傾向にある。重合度が著しく低いと、感光性
層の塗膜性が不良になるとともに、シリコーンゴム層の
剥離が生じやすくなる傾向にある。該ニトロセルロース
の感光性層中での配合率は、感光性層全固形成分に対し
て5〜80重量%、好ましくは10〜70重量%、さら
に好ましくは30〜70重量%である。
【0035】本発明に用いられる炭酸エステル化合物
は、近赤外レーザー光線を近赤外吸収剤が吸収し発生し
た熱により分解し、効率よく炭酸ガス等の低分子のガス
を発生することにより、感光性層あるいはシリコーンゴ
ム層のうち、レーザー露光部の除去を促進する機能があ
り、これにより著しく感度を向上させる効果を有するも
のと考えられる。該炭酸エステル化合物としては、分子
内に下記式(I)(以下、炭酸エステル基と称す)で表
される原子団を少なくとも1個有する化合物であればい
ずれの化合物も用いることができる。
【0036】
【化1】
【0037】本発明に用いられる典型的な炭酸エステル
化合物としては、例えば、下記に示す式に従って、公知
の方法により、N,N−ジメチルアミノピリジン等の触
媒下、ジカーボネート(A)と水酸基あるいはカルボキ
シル基を有する化合物(B)とを反応させることにより
得られる化合物(II)が挙げられる。
【0038】
【化2】
【0039】本発明に用いられる炭酸エステル化合物
(II)において、Rとしては例えば、炭素数1〜15の
置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよ
いフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換
されていてもよい炭素数2〜15の芳香族複素環基、炭
素数7〜15の置換されていてもよいアラルキル基、炭
素数2〜15の置換されていてもよいアシル基、(メ
タ)アクリロイル基等が挙げられる(前記したそれぞれ
の置換基としては、炭素数1〜15のアルキル基、炭素
数1〜15のアルコキシ基、炭素数2〜15のアシル
基、炭素数2〜15のアルコキシカルボニル基、炭素数
2〜15のアシルオキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子、水酸基、カルボキシル基、スルホ
基、シアノ基等が挙げられる)。
【0040】これら置換基Rの内、好ましくは、炭素数
1〜10の置換されていてもよいアルキル基、フェニル
基、炭素数7〜15の置換されていてもよいアラルキル
基、(メタ)アクリロイル基(前記したそれぞれの置換
基としては、炭素数1〜10のアルキル基、水酸基、炭
素数1〜10のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子である)である。Rの好ましい例を、さらに具
体的に示すと、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、
ペンチル基、ヘプチル基、アクリロイル基、メタクリロ
イル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル
基、ベンジル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキ
シエチル基、2−クロロエチル基、3−アセチロキシプ
ロピル基、4−アセチルフェニル基、4−エトキシカル
ボニルフェニル基、2−フリル基、2−チエニル基、
【0041】
【化3】
【0042】等が挙げられる。これらの内、更に好まし
くは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル
基、アクリロイル基、メタクリロイル基である。該炭酸
エステル化合物中の、炭酸エステル基の個数は、上記反
応式において用いられる化合物(B)において、水酸基
及びカルボキシル基の個数を選択することにより任意に
選ぶことができる。
【0043】化合物(B)の内、水酸基あるいはカルボ
キシル基を1個〜数個有する比較的低分子量の化合物と
しては、具体的には例えばエタノール、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノー
ル、1−ブタノール、ベンジルアルコール等の1価のア
ルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリン、
【0044】
【化4】
【0045】等の多価アルコール類;フェノール、o−
クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、1−ナ
フトール、2−ナフトール等の1価のフェノール類;ヒ
ドロキノン、ピロガロール、
【0046】
【化5】
【0047】等の多価フェノール類;酢酸、プロピオン
酸、酪酸、吉草酸、ステアリン酸、オレイン酸等の1価
の脂肪族カルボン酸類;安息香酸、ナフタレン−1−カ
ルボン酸、ナフタレン−2−カルボン酸等の1価の芳香
族カルボン酸類;エタン−1,2−ジカルボン酸、アジ
ピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル
酸、
【0048】
【化6】
【0049】等の多価カルボン酸類等が挙げられる。こ
れら、水酸基あるいはカルボキシル基を1個〜数個有す
る化合物を用いることにより、分子中に炭酸エステル基
を1個〜数個有する炭酸エステル化合物を得ることがで
きる。
【0050】化合物(B)の内、水酸基あるいはカルボ
キシル基を数個以上の多数個有する比較的高分子量の化
合物の例としては、例えば、ヒドロキシ(α−メチル)
スチレン、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミ
ド、ヒドロキシフェニル(メタ)スルホンアミド、ヒド
ロキシフェニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等の水
酸基あるいはカルボキシル基を有する化合物の(共)重
合体、あるいはこれら化合物と、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリ
ル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸エステル、(α−
メチル)スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、酢酸ビニル等との共重合体が挙げられ
る。また、側鎖に水酸基を有するセルロース変成物;ポ
リエチレンオキシド;フェノール、o−、m−、p−ク
レゾール、キシレゾールとアルデヒド類、ケトン類との
縮合反応によって得られるノボラック樹脂;エピクロル
ヒドリンとビスフェノールAとのフェノキシ樹脂;可溶
性ナイロン等が挙げられる。これら化合物の具体的な例
を以下に示す。
【0051】
【化7】
【0052】
【化8】
【0053】
【化9】
【0054】これらの内、アクリレート系共重合体、ノ
ボラック樹脂、フェノキシ樹脂が、アブレーションの効
果が高く好ましい。これら、水酸基あるいはカルボキシ
ル基を数個以上の多数個有する化合物を用いることによ
り、分子中に炭酸エステル基を多数個有する炭酸エステ
ル化合物を得ることができる。
【0055】前記した化合物(A)と(B)との反応に
あたり、その組み合わせにより、様々な炭酸エステル化
合物を適宜得ることができる。また、反応における化合
物(A)と化合物(B)との量比により、水酸基あるい
はカルボン酸基の内一部または全部を炭酸エステル化し
た炭酸エステル化合物を得ることができる。ここで、炭
酸エステル化合物中の水酸基、カルボキシル基、炭酸エ
ステル基の合計モル数に対する、炭酸エステル基の割合
をエステル化率と称す。エステル化率は通常5〜100
モル%、好ましくは10〜100モル%、さらに好まし
くは20〜100モル%である。エステル化率が著しく
低いとアブレーションの促進効果が低下する。次に、炭
酸エステル化合物の具体例(前記化合物(II)における
置換基R、及び化合物(B)との組み合わせとして表
示)を以下の第2表に示すが、これらに限定されるもの
ではない。
【0056】
【表9】
【0057】
【表10】
【0058】
【表11】
【0059】また、第2表に示された構造とは異なる炭
酸エステル化合物の具体例を以下に示す。
【0060】
【化10】
【0061】本発明に用いられる炭酸エステル化合物の
感光性層中の配合率は、全感光性層固形分の5〜90
%、好ましくは10〜80%、更に好ましくは15〜7
5%である。また、本発明に用いられる感光性層中に
は、アブレーションの際に炭酸エステル化合物の分解を
促進する目的で、熱で分解し酸を発生する化合物(以
下、酸発生剤と称す)を添加することができる。
【0062】該熱酸発生剤としては、従来知られている
光酸発生剤の中から適宜選択し用いることができ、例え
ば光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始
剤、色素類の消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジ
スト等に使用されている公知の光により酸を発生する化
合物およびそれらの混合物。たとえばS.I.Schl
esinger,Photogr.Sci.Eng.,
18,387(1974)に記載のジアゾニウム塩、米
国特許第4,069,055号に記載のヨードニウム
塩、J.V.Crivello etal,Polym
er J.17,73(1985)のスルホニウム塩、
J.V.Crivello etal,Macromo
recules,10(6),1307(1977)に
記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,
905,815号に記載の有機ハロゲン化合物、K.M
eier etal,J.Rad.Curing,13
(4),26(1986)に記載の有機金属/有機ハロ
ゲン化物、S.Hayaseetal,J.Polym
er Sci.,25,753(1987)に記載のo
−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M.T
UNOOKA etal,Polymer Prepr
ints Japan,35(8)に記載のイミノスル
フォネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生
する化合物、特開昭61−166544号等に記載のジ
スルホン化合物を挙げることができる。
【0063】また、これらの光により酸を発生する基、
あるいは化合物をポリマーの主鎖または側鎖に導入した
化合物、たとえば、M.E.Woodhouse et
al,J.Am.Chem.Soc.,104,558
6(1982)、S.P.Pappas etal,
J.Imaging Sci.,30(5),218
(1986)等に記載の化合物を用いることができる。
【0064】さらにV.N.R.Pillai,Syn
thesis,(1),1(1980)、A.Abad
etal,Tetrahedron Lett.,
(47)4555(1971)、D.H.R.Bart
on etal,J.Chem.Soc.,(C),3
29(1970)、米国特許第3,779,778号、
欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発
生する化合物も使用することができる。これらの熱酸発
生剤の配合率は、感光性層の全固形分の対して0.5〜
20重量%、好ましくは、1〜10重量%、さらに好ま
しくは2〜8重量%である。
【0065】本発明に用いられるシリコーンゴム層は、
前記した特開平7−164773号公報等に記載されて
いるような公知のものから適宜選択できるが、以下に説
明する、縮合反応によりシリコーンゴム層組成物を硬化
させる縮合架橋タイプと、付加反応によりシリコーンゴ
ム層組成物を硬化させる付加架橋タイプの2つのタイプ
のものが好ましく用いられる。
【0066】本発明において用いられる縮合架橋タイプ
のシリコーンゴム層は、両末端に水酸基を有する線状オ
ルガノポリシロキサンと該オルガノポリシロキサンと架
橋しシリコーンゴム層を形成させる反応性シラン化合物
を必須成分として含むものである。本発明で用いられる
両末端に水酸基を有する線状オルガポリシロキサンとし
ては、下記一般式(III )の線状オルガノポリシロキサ
ンが挙げられる。
【0067】
【化11】
【0068】(式中、2つのR1 は各々独立して、水素
原子、メチル基、フェニル基、ビニル基を示し、yは1
以上の整数を示す。) 上記一般式(III )で表される化合物のうちR1 がメチ
ル基であるものが好ましい。該オルガノポリシロキサン
の重量平均分子量(以下、Mwと略す)は5,000〜
1,000,000であり、好ましくは10,000〜
1,000,000である。Mwが著しく低いとシリコ
ーンゴム層の膜強度が低下し、耐印刷性が低くなり、ま
たMwが著しく高いとアブレーションによるシリコーン
ゴム層の除去効果が低下し、感度低下、画像再現性の低
下を起こしやすい。
【0069】また、本発明に用いられる反応性シラン化
合物は、前記両末端に水酸基を有する線状オルガノポリ
シロキサンの水酸基と反応し、脱酢酸型、脱オキシム
型、脱アルコール型、脱アミノ型あるいは脱水型等の縮
合を起こし架橋することができる官能基を、少なくとも
2つ以上有する分子量2,000以下の反応性シラン化
合物である。該官能基としては、具体的には例えば、下
記各式で表される官能基が挙げられる。
【0070】
【化12】
【0071】(式中、R2 は炭素数1〜5のアルキル基
を示すが同一原子団に2個のR2 がある場合、それぞれ
は同一でも異なっていても良い。) これらのうち、官能基がアシルオキシ基(−OCO
2 )で官能基数が3以上のもの、あるいは官能基がア
ルコキシ基(−OR2 )で官能基数が3以上のものは、
塗布後の乾燥処理後において短時間にシリコーンゴム層
を形成するため好ましい。更に好ましくは、官能基がア
セトキシ基で官能基数が3以上のもの、あるいは官能基
がアルコキシ基で官能基数が6以上のものである。
【0072】該反応性シラン化合物としては例えば下記
一般式(IV) 〜(VII )で表される化合物を挙げること
ができる。式中Qは前記した両末端に水酸基を有する線
状オルガノポリシロキサンの水酸基と反応する官能基か
ら選ばれたものを表し、Qは1分子中に少なくとも2個
有するものとする。
【0073】
【化13】
【0074】(式中、Xは炭素数1〜5のアルキル基、
フェニル基、ビニル基、H2 N−(CH2 h −、CH
2 =C(CH3 )CO−、CH2 =CHCO−、
【0075】
【化14】
【0076】を示し、R2 は前記と同様に炭素数1〜5
のアルキル基を示し、R3 はアリル基又は−(CH2
q −SiR2 3-pp を示し、R4 は水素原子、炭素数1
〜5のアルキル基、又はフェニル基を示すが、R2 、R
3 、R4 のそれぞれが同一分子内に複数存在する場合、
その複数個のそれぞれは同一でも異なっていても良く、
h、j及びqは各々1〜5の整数を示し、p及びrは各
々1〜3の整数を示し、sは2〜4の整数を示し、t及
びuは各々0〜5の整数を示す。) 本発明に用いられる反応性シラン化合物について第3表
にさらに具体的な例を挙げるが、これら例示されるもの
に限定されるものではない。
【0077】
【表12】
【0078】
【表13】
【0079】
【表14】
【0080】本発明に使用される縮合架橋タイプのシリ
コーンゴム層は、上記の両末端に水酸基を有するオルガ
ノポリシロキサンと反応性シラン化合物の縮合架橋反応
の反応効率を高めるため、有機カルボン酸、チタン酸エ
ステル、錫酸エステル、アルミ有機エーテル、白金系触
媒等の縮合触媒を適宜混合させ縮合反応を行い硬化させ
る。
【0081】本発明において用いられる両末端に水酸基
を有するオルガノポリシロキサン、反応性シラン化合物
及び縮合触媒のシリコーンゴム層中での配合率は、全シ
リコーンゴム層の固形分に対し、両末端水酸基を有する
オルガノポリシロキサンが80〜98重量%、好ましく
は85〜98重量%、反応性シラン化合物が、通常2〜
20重量%、好ましくは2〜15重量%、さらに好まし
くは2〜7重量%、縮合触媒が0.05〜5重量%、好
ましくは0.1〜3重量%、さらに好ましくは0.1〜
1重量%である。
【0082】反応性シラン化合物、或いは、縮合触媒の
割合が著しく高いとインク反撥性が低下し、また、アブ
レーション時のシリコーンゴム層の除去が困難になり、
感度及び画像再現性が低下する。また、反対に著しく低
いとシリコーンゴム層の膜強度が低下し、印刷耐久性が
低下する。
【0083】本発明に使用される縮合架橋タイプのシリ
コーンゴム層には、シリコーンゴム層のインク反撥性を
高めるために、上記の両端に水酸基を有するポリオルガ
ノシロキサン以外のポリシロキサンをシリコーンゴム層
全固形分に対し、2〜15重量%、好ましくは3〜12
重量%含有させることが出来る。該ポリシロキサンとし
ては例えば、両末端がトリメチルシリル化されたMw1
0,000〜1,000,000のポリジメチルシロキ
サン等が挙げられる。
【0084】次に、本発明に用いられる付加架橋タイプ
のシリコーンゴム層は、1分子中に脂肪族不飽和基を少
なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと、該オル
ガノポリシロキサンと架橋しシリコーンゴム層を形成さ
せる、1分子中にSi−H結合を少なくとも2個有する
オルガノポリシロキサンを必須成分として含むものであ
る。
【0085】本発明に使用される1分子中に脂肪族不飽
和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン
は、その構造が、鎖状、環状、分岐状のいずれでもよい
が、鎖状が好ましい。脂肪族不飽和基の例としては、ビ
ニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセ
ニル基等のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロ
ヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル
基等のシクロアルケニル基;エチニル基、プロピニル
基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等のアル
キニル基等が挙げられる。これらのうち、反応性の点か
ら末端に不飽和結合を有するアルケニル基が好ましく、
ビニル基が特に好ましい。また、脂肪族不飽和基以外の
残余の置換基は、良好な印刷インク反撥性を得るために
メチル基が好ましい。
【0086】1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2
個有するオルガノポリシロキサンのMwは通常500〜
500,000であり、好ましくは1,000〜3,0
00,000である。Mwが著しく低いと、シリコーン
ゴム層の強度が低下し、印刷時にシリコーンゴム層に傷
がつきやすく、その部分の印刷インク反撥性が低下し、
インクが付着しやすくなり、印刷汚れの原因となる。ま
た、Mwが著しく高いと、アブレーションによるシリコ
ーンゴム層の除去が不良となり、感度の低下、画像再現
性の低下を起こしやすい。
【0087】本発明に使用される1分子中にSi−H結
合を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンは、
その構造が、鎖状、環状、分岐状のいずれでもよいが、
鎖状が好ましい。Si−H結合は、シロキサン骨格の末
端あるいは中間のいずれにあっても良く、置換基の総数
に対する水素原子の占める割合は通常1〜60%であ
り、好ましくは2〜50%である。また、水素原子以外
の残余の置換基は良好な印刷インク反撥性を得るために
メチル基が好ましい。1分子中にSi−H結合を少なく
とも2個有するオルガノポリシロキサンのMwは通常3
00〜300,000であり、好ましくは500〜20
0,000である。Mwが著しく高いと感度の低下、画
像再現性の低下を起こしやすい。
【0088】上記の1分子中に脂肪族不飽和基を少なく
とも2個有するオルガノポリシロキサンと1分子中にS
i−H結合を少なくとも2個有するオルガノポリシロキ
サンを付加反応させるために、通常、付加反応触媒を用
いる。この付加反応触媒としては、公知のものの中から
任意に選ぶことができるが、白金系触媒が好ましく、白
金族金属及び白金族系化合物から選ばれる1種又は2種
以上の混合物が使用される。白金族金属としては、白金
の単体(例えば白金黒)、パラジウムの単体(例えばパ
ラジウム黒)、ロジウムの単体等が例示される。また白
金族系化合物としては、塩化白金酸、白金−オレフィン
錯体、白金−アルコール錯体、白金−ケトン錯体、白金
とビニルシロキサンの錯体、テトラキス(トリフェニル
ホスフィン)白金、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム等が例示される。これらの内でも、塩化
白金酸又は白金−オレフィン錯体をアルコール系溶剤、
ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤などに
溶解したものが特に好ましい。
【0089】前記したシリコーンゴム層を形成する各組
成物の配合率は、シリコーンゴム層の全固形分に対し
て、1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有する
オルガノポリシロキサンが、80〜98重量%、好まし
くは85〜98重量%であり、1分子中にSi−H結合
と少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンが、2
〜20重量%、好ましくは2〜15重量%であり、付加
反応触媒が、0.00001〜10重量%、好ましくは
0.0001〜5重量%である。
【0090】1分子中にSi−H結合を少なくとも2個
有するオルガノポリシロキサンの配合率が著しく低いと
シリコーンゴム層の膜強度が低下し、印刷インク反撥性
及び耐印刷性が低下し、配合率が著しく高いと感度及び
画像再現性が低下する。また、本発明に用いられる付加
架橋タイプのシリコーンゴム層には、上記の組成の他
に、さらにシリコーンゴム層の膜強度を高める目的で、
下記一般式(VIII) で表される加水分解性基を有するア
ミノ系有機ケイ素化合物を添加することができる。
【0091】
【化15】
【0092】(式(VIII) 中、Zは加水分解性基を示
し、R5 は2価の炭化水素基を示し、R 6 は1価の置換
されていてもよい炭化水素基を示し、2つのR7 は各々
独立して水素原子、1価の置換されていても良い炭化水
素基あるいは−R5 −SiR6 3- p p で表される基を
示し、pは1〜3の整数を示す。)
【0093】Zで表される加水分解性基としては例え
ば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコ
キシ基;2−プロペニルオキシ基等のアルケニルオキシ
基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;アセチルオキ
シ基等のアシルオキシ基等が挙げられる。これらのう
ち、安定性、硬化性などの点からメトキシ基、エトキシ
基、アセチルオキシ基が好ましい。R5 の二価の炭化水
素基としては例えば、
【0094】
【化16】
【0095】が好ましい。R6 及びR7 で表される置換
基のうち一価の置換されていてもよい炭化水素基として
は例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル
基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;ビニル
基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル
基、等のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘ
キセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基
等のシクロアルケニル基;グリシドキシプロピル基、ア
クリロキシプロピル基、メタクリロキシプロピル基、ア
ミノエチル基等の置換アルキル基等が挙げられる。硬化
性の点からR6 及びR7 はビニル基、アリル基、グリシ
ジル基、メタクリル基、又はγ−グリシドキシプロピル
基が好ましい。
【0096】該アミノ系ケイ素化合物の具体例としては
例えば、3−〔N−アリル−N−(2−アミノエチ
ル)〕アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−
アリル−N−グリシジル)アミノプロピルトリメトキシ
シラン、3−(N−アリル−N−メタクリル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−グリシジル−N,N−
ビス〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕アミ
ン、N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(トリメトキ
シシリル)プロピル〕アミン、アミノプロピルトリメト
キシシラン、アミノプロピルトリアセチルオキシシラ
ン、3−〔N−アリル−N−(2−アミノエチル)〕ア
ミノプロピルトリアセチルオキシシラン、3−(N−ア
リル−N−グリシジル)アミノプロピルトリアセチルオ
キシシラン、3−(N−アリル−N−メタクリル)アミ
ノプロピルトリアセチルオキシシラン等が挙げられる。
これらは2種類以上を混合して用いてもよい。
【0097】該アミノ系の有機ケイ素化合物はシリコー
ンゴム層の全固形分に対して0〜10重量%、好ましく
は0〜5重量%である。また、本発明に用いられる付加
架橋タイプのシリコーンゴム層には、シリコーンゴム層
を塗設する際に、シリコーン層組成の急激な硬化を防ぐ
目的で、硬化遅延剤を添加することができる。硬化遅延
剤としては一般的に知られているアセチレン系アルコー
ル、マレイン酸エステル、アセチレン系アルコールのシ
リル化物、マレイン酸のシリル化物、トリアリルイソシ
アヌレート、ビニルシロキサン等から、任意に選ぶこと
ができる。
【0098】該硬化遅延剤の添加量は所望の硬化速度に
よって異なるが、通常シリコーンゴム層の全固形分に対
し、0.0001〜1.0重量部である。上記した本発
明に用いられる縮合架橋タイプ及び付加架橋タイプのシ
リコーンゴム層には、その強度を向上させる目的で、シ
リカ、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの無機質充填
剤を添加しても良く、特にシリカが好ましく用いられ
る。このような充填剤としては分散性あるいは分散安定
性の点から平均粒子径500μm以下のものが好まし
い。
【0099】これらのシリコーンゴム層は印刷インク反
撥性、耐印刷性に優れ、さらにアブレーションにより容
易に除去され、高感度で、高い画像再現性を与える機能
を有する。該シリコーンゴム層の引掻傷強度は10〜1
00gであることが好ましい。ただし、引掻傷強度と
は、0.2mmのサファイア針を試料上に加重を加えな
がら10cm/分のスピードで移動させた際、引掻傷が
発生するために必要な加重(g)を表す。引掻傷強度が
上記範囲であれば、印刷インク反撥性、耐印刷性、感
度、画像再現性等の印刷適性が良好となる。本発明にお
いて用いられるシリコーンゴム層の膜厚は0.1〜10
μm、好ましくは0.2〜5μm、さらに好ましくは
0.3〜2μmである。
【0100】以上に記載した感光性層組成物、シリコー
ンゴム層組成物は、適当な溶剤に溶解して溶液となし、
これを支持体にワイヤーバー、スピナー、ロールコータ
ー等の各種の塗布装置により前記基板上に塗布した後、
乾燥して、それぞれ感光性層、シリコーンゴム層を形成
することができる。感光性層の塗布溶剤としては、例え
ばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル等の
エステル類、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼ
ン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、トリクロロエタ
ン等の炭化水素やハロゲン化炭化水素類、メチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン等のエー
テル類、さらにはプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、ベントキソン、ジメチルホルムアミド
など常用のものを用いることが出来、シリコーンゴム層
の塗布溶剤としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、
石油エーテル、脂肪族炭化水素系溶剤エクソン化学
(株)製:アイソパーE、H、G及びこれらの溶剤と上
記の感光性層塗布溶剤との混合溶媒等を用いることが出
来る。
【0101】また、必要に応じて、該塗布試料はシリコ
ーンゴム層を保護する目的で、最外層としてポリプロピ
レンシート、ポリエチレンシート、離型処理ポリエチレ
ンテレフタレート等の各種離型性プラスチックシート、
離型処理紙、アルミ、鉄、銅等の金属シート等をシリコ
ーンゴム層上にラミネートし設けることができる。本発
明は上記の感光性層及びシリコーンゴム層を基板上に設
けたダイレクト湿し水不要感光性印刷版に、600〜7
00nmの可視光を発振する半導体レーザー光或いは、
これに準ずる光源例えば、キセノンフラッシュ、発光ダ
イオード等を集光し、光密度、5MW/m2 以上、好ま
しくは10MW/m2 以上、さらに好ましくは20MW
/m2 以上、特に100MW/m2 以上のビームスポッ
トにより走査露光を行い、露光部分をアブレーションさ
せ画像を形成することを特徴とする。ビーム径は通常5
〜30μmである。本発明の画像形成方法では、アブレ
ーション後、後処理なしに印刷版として使用されるが、
該露光済み印刷版上に付着したアブレーションで発生し
た感光性層或いはシリコーンゴム層の微粒子を除去する
目的で、シリコーンゴム層表面を必要に応じて水溶液又
は有機溶剤を供給しながらブラシ、パッド、超音波、ス
プレー等の物理刺激を与える後処理を行ってもよい。
【0102】また、該アブレーションで発生した微粒子
を除去する他の方法としては、該微粒子に対してシリコ
ーンゴム層より接着性の高い表面を有するカバーシート
を露光済の感光性印刷版のシリコーンゴム層上に、シリ
コーンゴム表面と接着性のカバーシート表面が合わさる
ようにラミネートした後剥離する方法や、露光前に、該
カバーシートであってレーザー光を通過させるカバーシ
ートを上記と同様にラミネートし、露光後に剥離、シリ
コーンゴム層上の微粒子を除く方法、等が挙げられる。
該カバーシートとしては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレン、ポリカーボネート、紙等の基版上
に、シリコーンゴム、アイオノマー、酢酸ビニル等の粘
着層を必要に応じて設けたものが挙げられる。
【0103】本発明を実施例によりさらに具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。実施例1〜16 第4表に示す基板上に、下記の感光性層組成物を塗布し
た。
【0104】 〔感光性層組成物〕 光吸収剤:第4表に記載の化合物 50重量部 有機高分子物質:フェノキシ樹脂(PKH−J、ユニオンカーバイド社製) 第4表に記載の配合量 添加剤:第4表に記載の化合物 第4表に記載の配合量 塗布溶媒:シクロヘキサノン 500重量部 N−メチルピロリドン 400重量部 塗布後、85℃で3分間乾燥し、乾燥膜厚1.5μmの
感光層を設けた。続いて該感光性層上に下記の縮合型あ
るいは付加型シリコーンゴム層組成物のいずれかを塗布
した。
【0105】〔縮合型シリコーンゴム層組成物〕両末端
に水酸基を有する線状オルガノポリシロキサン:下式の
化合物(yは1以上の整数を示す)
【0106】
【化17】
【0107】 反応性シラン化合物:第4表に記載の化合物 第4表に記載の配合量 縮合触媒:ジブチル錫ジラウレート 0.8重量部 塗布溶媒:アイソパーE(エクソン化学社製) 900重量部
【0108】 〔付加型シリコーンゴム層組成物〕 1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン: α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(Mw=12,000) 100重量部 1分子中にSi−H結合を少なくとも2個有するオルガ
ノポリシロキサン:下記のα,ω−ジメチルポリシロキ
サン
【0109】
【化18】
【0110】 (式中の置換基Rのうち約40%は水素原子であり、残りの約60%はメチル基 である、またyは1以上の整数を示す、Mw=2,000) 第4表に記載の配合量 付加反応触媒:塩化白金酸とビニルシロキサンの錯体 0.1重量部 アミノ系の有機ケイ素化合物:第4表に記載の化合物 第4表に記載の配合量 塗布溶媒:アイソパーE(エクソン化学社製) 900重量部 塗布後、100℃で4分間乾燥し、乾燥膜厚1μmのシ
リコーンゴム層を設け感光性印刷版を作製した。
【0111】該感光性印刷版を、円周20cmの回転ド
ラムに、シリコーンゴム層が外側になるように固定し、
ドラムを回転させた。次に回転している印刷版上に、6
85nm、30mWの半導体レーザー光(日立製作所社
製、HL6726MG)を、ビーム径15μmに集光さ
せ、走査露光を行った(約180MW/m2 に相当)。
続いて以下の項目について評価を行った。その結果を第
4表に示す。
【0112】〔感 度〕各種回転数で回転ドラムを回転
させながら、印刷版を走査露光させた後、印刷版を40
0倍の顕微鏡で観測し、レーザー露光部分の感光性層あ
るいはシリコーンゴム層が、除去される最高走査速度
(cm/s)により、感度の評価を行った。走査速度が
高いほど高感度であることを表す。
【0113】〔印刷インク反撥性〕湿し水不要平版印刷
版用印刷インク(東洋インキ社製、アクワレスエコー
紅)を7cm径のゴムローラーで練った後、インクが付
着したローラーを、露光済み印刷版のシリコーンゴム表
面上に接触させた状態で、印刷版上を往復移動させてイ
ンク盛りを行ない、インク盛り初期に試料シリコーンゴ
ム表面上に一時的に付着したインクが、ローラーの往復
移動の回数が増加するのに伴い、徐々に除去され、完全
にインクが除去されるまでのローラーの往復移動の回数
から、印刷版のシリコーンゴム層の印刷インク反撥性の
評価を行った。ローラーの往復移動回数が少ないほどシ
リコーンゴム層の印刷インク反撥性が高いことを示して
いる。
【0114】〔インク着肉性〕前記方法によりレーザー
露光を施した印刷版を7cm径のゴムローラーを用いて
湿し水不要平版印刷版用インク(TOKA社製ニュウア
ルポG藍L)を練った後、該インクが付着したローラー
を最高走査速度で印刷版上に接触させた状態で、該印刷
版上を5回往復移動させてインク盛りを行ない、レーザ
ー露光部分のインク着肉状況からインク着肉性の評価を
行った。 A:レーザー露光部分の90%以上の部分にインクが付
着。 B:レーザー露光部分の80%以上90%未満の部分に
インクが付着。 C:レーザー露光部分の50%以上70%未満の部分に
インクが付着。 D:インクの付着部分がレーザー露光部分の50%未満
である。
【0115】〔引掻傷強度〕印刷版の非画線部上に新東
科学(株)製連続加重式引掻強度試験機(TYPE−H
EIDON18)により、直径0.2mmのサファイア
針を用いて加重をかけながら10cm/sのスピードに
より傷をつけ、引掻傷が発生するために必要な加重
(g)を測定した。
【0116】
【表15】
【0117】
【表16】
【0118】第4表中、基板の欄の略号は、それぞれ以
下の基板を表す。 〔基板〕K1 :厚さ100μm、密度1.1g/cm3 のアート
紙(断熱性基材)の両面に、厚さ35μm、密度1.2
g/cm3 の発泡ポリエチレンテレフタレートシートを
ラミネートした複合基板。K2 :厚さ100μm、密度1.1g/cm3 のアート
紙(断熱性基材)の両面に、厚さ10μm、密度1.6
g/cm3 のポリエチレンテレフタレートシートをラミ
ネートした複合基板。K3 :厚さ100μm、密度1.1g/cm3 のアート
紙(断熱性基材)の表面に、厚さ25μm、密度0.9
4g/cm3 の発泡ポリプロピレンシートをラミネート
した複合基板。K4 :厚さ100μm、密度1.1g/cm3 のアート
紙(断熱性基材)。K5 :厚さ100μm、密度1.6g/cm3 のポリエ
チレンテレフタレートシート。K6 :厚さ100μm、密度1.1g/cm3 のアート
紙(断熱性基材)の表面に、厚さ30μm、密度1.2
g/cm3 の発泡ポリエチレンテレフタレートシートを
ラミネートし、裏面に、厚さ35μm、密度1.6g/
cm3 のポリエチレンテレフタレートシートをラミネー
トした複合基板。K7 :厚さ100μm、密度1.1g/cm3 のアート
紙(断熱性基材)の表面に、厚さ35μm、密度1.2
g/cm3 の発泡ポリエチレンテレフタレートシートを
ラミネートし、裏面に、厚さ0.2mm、密度2.7g
/cm3 のアルミ板をラミネートした複合基板。
【0119】K1、2、3、6、7に記載中のプラスチ
ックシートを断熱性基材にラミネートする際には、該プ
ラスチックシート上にポリオール(タケラックA36
H、武田薬品製)25重量部、ポリイソシアネート(タ
ケネートA−7、武田薬品製)5重量部からなる固形分
30重量%の酢酸エチルウレタン接着樹脂液を乾燥膜厚
1.5μmになるように塗布し、80℃で1分間乾燥さ
せた後、該プラスチックシートの塗工面と断熱性基材表
面または裏面が重なるように80℃で2kg/cm2
50cm/分でラミネート処理を施し、断熱性基材上に
プラスチックシートを形成させた。
【0120】なお、上記各基材に用いる材料の300K
(27℃)における熱伝導度は以下の通りである。 アート紙:0.14W/mK(化学便覧基礎編II改訂4
版、第70頁、1993年、丸善発行) ポリエチレンテレフタレート:0.29W/mK(プラ
スチックデータハンドブック、第67頁、1980年、
工業調査会発行) アルミ板:237W/mK(化学便覧基礎編II改訂4
版、第68頁、1993年、丸善発行) 第4表中、反応性シラン化合物の欄の略号(Si1
i4Si5Si8)は、それぞれ第3表に挙げた化
合物を表す。
【0121】第4表中、アミノ系の有機ケイ素化合物の
欄の略号は以下の化合物を表す。SN1 :N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(メチル
ジメトキシシリル)プロピル〕アミンSN2 :3−(N−アリル−N−グリシジル)アミノプ
ロピルトリメチルシラン 第4表中、添加剤の欄の略号は以下の化合物を表す。T1 :ニトロセルロース 硝化度12(重量%)
平均重合度 40T2 :炭酸エステル化合物
【0122】
【化19】
【0123】第4表中、光吸収剤の欄の略号(S−3
S−20)は、それぞれ第1表に挙げた化合物を表わ
す。 比較例1 実施例1において、レーザーの出力を5mWに、ビーム
スポット径を100μにした(約0.7MW/m2 に相
当)以外、他は同様に評価を行ったが、静止した試料上
に1分間ビームを照射し続けても試料表面に何の変化も
みられなかった。
【0124】
【発明の効果】本発明により、感度、画像再現性が高
く、シリコーンゴム層の印刷インク反撥性及び画線部の
インク着肉性に優れたダイレクト湿し水不要感光性平版
印刷版を提供することができる。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、該基板から少なくとも600
    〜700nmの可視光吸収剤を含有する感光性層、及び
    シリコーンゴム層をこの順に有するダイレクト湿し水不
    要平版印刷版に、600〜700nmの可視光を5MW
    /m2 以上の高密度光で画像様に露光し、感光性層をア
    ブレーションさせることにより露光部分の感光性層及び
    シリコーンゴム層を除去させることを特徴とする画像形
    成方法。
  2. 【請求項2】 前記シリコーンゴム層が、シリコーンゴ
    ム層の全固形分に対し80重量%以上98重量%未満
    の、両末端に水酸基を有する線状オルガノシロキサン
    と、シリコーンゴム層の全固形分に対し2重量%以上2
    0重量%未満の、反応性シラン化合物を含有することを
    特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記シリコーンゴム層が、シリコーンゴ
    ム層の全固形分に対し80重量%以上98重量%未満
    の、1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有する
    オルガノポリシロキサンと、シリコーンゴム層の全固形
    分に対し2重量%以上20重量%未満の、1分子中にS
    i−H結合を少なくとも2個有するオルガノポリシロキ
    サンを含有することを特徴とする請求項1に記載の画像
    形成方法。
  4. 【請求項4】 前記シリコーンゴム層の引掻傷強度が1
    0〜100gであることを特徴とする請求項1乃至3に
    記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記基板を構成する基材の300K(2
    7℃)における熱伝導度が0.2W/mK以下であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至4に記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 前記基材の密度が2.0g/cm3 以下
    であることを特徴とする請求項1乃至5に記載の画像形
    成方法。
  7. 【請求項7】 前記基板が前記基材と該基材の感光性層
    側に設けられたインク着肉性層とから成ることを特徴と
    する請求項1乃至6に記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記インク着肉性層が、発泡プラスチッ
    クであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成方
    法。
  9. 【請求項9】 前記インク着肉性層が、発泡ポリエチレ
    ンテレフタレート、発泡ポリプロピレン、または発泡ポ
    リエチレンであることを特徴とする請求項7に記載の画
    像形成方法。
  10. 【請求項10】 前記インク着肉性層の密度が1.5g
    /cm3 以下であることを特徴とする請求項7乃至9に
    記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 前記基板の裏面に補強層を設けたこと
    を特徴とする請求項1乃至10に記載の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 前記感光性層中に、硝化度が2〜13
    であり、且つ平均重合度が20〜200であるニトロセ
    ルロースを含有することを特徴とする請求項1に記載の
    画像形成方法。
  13. 【請求項13】 前記感光性層中に、炭酸エステル化合
    物を含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形
    成方法。
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