JP3748465B2 - 湿し水不要平版印刷原版 - Google Patents

湿し水不要平版印刷原版 Download PDF

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    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザー光によるヒートモード記録によって、湿し水を必要としない印刷ができる湿し水不要平版印刷版(以下、水なし平版と称す)に関し、特に、感度および画像再現性良好な水なし平版に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の湿し水を必要とする印刷方式は、湿し水とインキの微妙なバランスのコントロールが難しく、インキの乳化を起こしたり、湿し水にインキが混ざったりして、インキ濃度不良や地汚れを発生し、損紙の原因となるなど、大きな問題点を有していた。それに対して、水なし平版は湿し水を必要としないために数多くの利点を有する。
【0003】
一方、近年プリプレスシステムやイメージセッター、レーザープリンターなどの出力システムの急激な進歩によって、印刷画像をデジタルデーター化し、コンピューター・トウ ー・プレート、コンピューター・トウ ー・シリンダー等の新しい製版方法により、印刷版を得る方法提案されるようになり、これらの印刷システムのための新しいタイプの印刷材料が望まれ、開発が進められている。
【0004】
レーザー書き込みにより水なし平版を形成できる例としては、特公昭42−21879号公報、特開昭50−158405号公報、特開平6−55723号公報、同6−186750号公報、US5,353,705号公報およびWO−9401280号公報、特開平7−314934号公報、同5−94008号公報等が挙げられる。これらにはカーボンブラック等のレーザー光吸収剤およびニトロセルロース等の自己酸化性のバインダーを含有した記録層、あるいは、ある種の金属薄膜よりなる記録層上にインキ反撥性のシリコーンゴム層を設け、レーザー照射によりシリコーンゴム層の一部除去してインク付着性とし、水なし印刷することが記載されている。しかし、これらはシリコーンゴム層の除去がレーザー照射による記録層のアブレーションによってなされるために、細線の直線性および網点の真円性に乏しく、印刷画像としては不満足であり、その改良が強く望まれていた。さらに、金属薄膜よりなる記録層は、一般的にレーザー光に対する反射率が高いため、レーザー光のエネルギーを有効に利用することができず、記録層のアブレーションに大きな光エネルギーが必要となる。従って、高速走査で画像書き込みするには、大出力のレーザー光源が必要となり、高エネルギーを要するのみならず、画像記録装置も大型且つ高価なものとなるという欠点を有しており、その改善が強く望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は感度及び画像再現性が良好な、レーザー光によるヒートモード記録が可能な湿し水不要平版印刷原版を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討の結果、支持体上に、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法のいずれかによって形成された、金属及び金属酸化物を同一層に含有するヒートモード記録層及びインキ反撥性であり、光反応性を有さないシリコーンゴム層を順次積層してなる湿し水不要平版印刷原版であって、該金属及び金属酸化物を同一層に含有するヒートモード記録層における金属酸化物の含有量が10〜50体積%であることを特徴とする湿し水不要平版印刷原版によって本発明の目的を達成するに至った。
【0007】
本発明においては、前記金属と特定量の金属酸化物とを含有する層がレーザー光によるヒートモード記録可能な層としての機能を有することになる。
【0008】
本発明において、ヒートモード記録可能な層とは、露光された光を熱に変換し、その熱によってこの層の上にある層(本発明においてはインク反撥性のシリコーンゴム層)の保持力を低下させる機能を有する層をいう。この機能として好ましいのは、例えば、熱により記録可能な層がアブレーション(溶融、凝集)し、その結果として隣接するインク反撥性のシリコーンゴム層が水なし平版から剥がれ易くなる機能である。
【0009】
本発明における金属と特定量の金属酸化物とを含有するヒートモード記録層は、金属単体の記録層に比べ、レーザー光に対する反射率が低下し、かつ、熱伝導性が低下するため、レーザー光のエネルギーを有効に利用できる。その結果、レーザー書き込みによる感度および画像再現性が著しく向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳しく説明する。
【0011】
本発明の水なし平版は、支持体上に、少なくとも、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法のいずれかによって形成された、金属及び金属酸化物を同一層に含有するヒートモード記録層(以下、適宜、金属等含有層又は単に記録層と称する)、インキ反撥性であり、光反応性を有さないシリコーンゴム層を順次積層してなるものであり、この金属等含有層に、特定量の金属酸化物を含有することを特徴とするものであるが、記録層中に含有される金属酸化物の含有量は、記録層を構成する化合物全体に対して、10〜50体積%であり、好ましくは15〜40体積%であり、更に好ましくは20〜40体積%である。金属酸化物の含有量が10体積%未満であると、反射率及び熱伝導性低下の効果が不十分となり、50体積%を超えると、感度及び画像再現性が低下するため、いずれも好ましくない。この金属と金属酸化物とを特定量含有させるには、金属と金属酸化物とを同時に蒸着させる方法の他、予め所定の比率で金属と金属酸化物とを混合した後、スパッタリング法などで層形成する方法などの公知の気相法による層形成方法を適用する。
【0012】
本発明に係るヒートモード記録層に含有される金属としては、Mg、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu,Ag,Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて又は合金として用いても良い。これら金属のなかでも、低融点あるいは低反射率のものとしてMg、Mn、Zn、Al、In、Sn、Bi、Te等が好ましく、さらに、無公害性の点からはMg、Mn、Zn、Al、In、Snが好ましい。
【0013】
また、記録層に含有される金属酸化物としては、PbO、WO2 、WO3 、TiO、Ti2 3 、SiO、SiO2 、In2 O、InO、In2 3 、Al2 3 、MoO、MoO2 、MoO3 、GeO、GeO2 、CdO、Ga2 O、Ga2 3 、Na2 O、ReO2 、ReO3 、Re2 7 、ZnO、SnO、Sm2 3 、Eu2 3 、Y2 3 、V2 3 、VO2 、Nb2 5 、HfO2 、La2 3 、Yb2 3 、ZrO2 、Nd2 3 、CeO2 、MnO、NiO等が挙げられ、これらの化合物は単独で用いてもよく、あるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。これらのうち、In2 3 、Al2 3 、TiO、WO3 、GeO2 、MoO2 、ZrO2 等が好ましい。
【0014】
本発明の記録層を支持体上に設ける方法としては、前記の金属及び金属酸化物を蒸着(抵抗加熱、電子ビーム加熱)する方法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の種々の方法を用いることができる。本発明の記録層を設ける一つの好適な方法としては、真空槽内で蒸着法を用いる際に、金属と金属酸化物とを別の蒸着源を用い、金属は抵抗加熱により、金属酸化物は電子ビームにより同時に蒸着を行う方法がある。両者の混合率の制限は、各々の蒸発源に対して水晶振動型の膜厚モニターを配置し、それにより蒸発速度を制御することにより行うことができる。
【0015】
また、記録層の厚さは、層を構成する材料によって異なるが、50オングストローム未満では光吸収率が小さく感度が低下し、1000オングストロームを超えると感度及び画像再現性の低下が起きるため、50〜1000オングストロームが好ましく、より好ましくは100〜800オングストロームである。さらに、この場合の記録層の光学濃度は、0.15以上であることが、レーザー光のエネルギーを有効に利用する観点から好ましい。
【0016】
本発明に前記記録層の上に積層されるインキ反撥性のシリコーンゴム層は、縮合型シリコーンを架橋剤を用いて硬化させるか、付加型シリコーンを触媒により付加重合させて形成することが好ましい。即ち、前記の感熱層上に、シリコーンゴムの皮膜を反応形成させるものである。縮合型シリコーンを用いる場合には、(a)ジオルガノポリシロキサン100重量部に対して、(b)縮合型架橋剤を3〜70重量部、(c)触媒0.01〜40重量部を加えた組成物を用いるのが好適である。
【0017】
前記成分(a)のジオルガノポリシロキサンは、下記一般式で示されるような繰り返し単位を有するポリマーである。R1 およびR2 は炭素数1〜10アルキル基、ビニル基、アリール基であり、またその他の適当な置換基を有していても良い。一般的にはR1 およびR2 の60%以上がメチル基、あるいはハロゲン化ビニル基、ハロゲン化フェニル基などであるものが好ましい。
【0018】
【化1】
Figure 0003748465
【0019】
このようなジオルガノポリシロキサンは両末端に水酸基を有するものを用いるのが好ましい。
【0020】
また、前記成分(a)は、数平均分子量が3,000〜100,000であり、より好ましくは、10,000〜70,000である。
【0021】
成分(b)の架橋剤は縮合型のものであればいずれであってもよいが、次の一般式で示されるようなものが好ましい。
【0022】
【化2】
Figure 0003748465
【0023】
ここでR1 は先に説明したR1 と同じ意味であり、Xは、Cl、Br,Iなどのハロゲン原子、水素原子、水酸基、或いは、以下に示す如き有機置換基を表す。
【0024】
【化3】
Figure 0003748465
【0025】
式中、R3 は炭素数1〜10のアルキル基および炭素数6〜20のアリール基を、R4 、R5 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。
【0026】
成分(c)としては、錫、亜鉛、鉛、カルシウム、マンガンなどの金属のカルボン酸塩、例えば、ラウリン酸ジブチル、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛など、あるいは塩化白金酸等のような公知の触媒が挙げられる。
【0027】
付加型シリコーンを用いる場合には、(d)付加反応性官能基を有するジオルガノポリシロキサン100重量部に対して、(e)オルガノハイドロジェンポリシロキサン0.1〜25重量部及び(f)付加触媒0.00001〜1重量部
を添加した組成物を用いることが好ましい。
【0028】
上記成分(d)の付加反応性官能基を有するジオルガノポリシロキサンとは、1分子中にケイ素原子に直接結合したアルケニル基(より好ましくはビニル基)を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンで、アルケニル基は分子の末端、中間いずれにあってもよく、アルケニル基以外の有機基としては、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、アリール基を有していてもよい。また、成分(d)には水酸基を微量有することも任意である。成分(d)は、数平均分子量が3,000〜100,000であり、より好ましくは、10,000〜70,000である。
【0029】
成分(e)としては、両末端に水素基を有するポリジメチルシロキサン、α、ω−ジメチルポリシロキサン、両末端にメチル基を有するメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体、環状ポリメチルシロキサン、両末端にトリメチルシリル基を有するポリメチルシロキサン、両末端トリメチルシリル基のジメチルシロキサン−メチルシロキサン共重合体などが例示される。
【0030】
成分(f)としては、公知の重合触媒の中から任意に選ばれるが、特に白金系の化合物が望ましく、白金単体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金などが例示される。
【0031】
これらの組成物においてシリコーンゴム層の硬化速度を制御する目的で、テトラシクロ(メチルビニル)シロキサンなどのビニル基含有のオルガノポリシロキサン、炭素−炭素三重結合含有のアルコ−ル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノ−ル、エタノ−ル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルなどの架橋抑制剤を添加することも可能である。
【0032】
なお、シリコーンゴム層には必要に応じて、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの無機物の微粉末、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤やアルミニウム系カップリング剤などの接着助剤や光重合開始剤を添加しても良い。
【0033】
本発明に係るインキ反撥性のシリコーンゴム層は、厚さが小さいとインキ反撥性が低下し、傷が入りやすい等の問題点があり、厚さが大きい場合、現像性が悪くなるという点から、厚みとしては乾燥膜厚として0.5〜5g/m2 が好ましく、より好ましくは1〜3g/m2 である。
【0034】
この水なし平版において、シリコーンゴム層の上に、耐刷性、耐傷性、画像再現性及び汚れ性等の向上の目的で、更に種々のシリコーンゴム層を塗工しても良い。
【0035】
更に、シリコーンゴム層は柔軟で傷がつきやすいため、表面保護の目的で、シリコーンゴム層上に透明なフィルム、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、セロファン等をラミネートしたり、ポリマーのコーティングを施しても良い。これらのフィルムは延伸して用いても良い。また、表面にマット加工を施しても良いが、画像再現性の観点から、マット加工の無いものの方が本発明では好ましい。
【0036】
本発明の水なし平版は通常の印刷機にセットできる程度のたわみ性を有し、同時に印刷時にかかる荷重に耐えるものでなければならない。従って、前記金属層及びシリコーンゴム層を積層するために、この水なし平版に用いられる代表的な支持体としては、コート紙、アルミニウムのような金属板、ポリエチレンテレフタレートのようなプラスチックフィルム、ゴムあるいはそれらを複合させたものを挙げることができ、より好ましくはアルミニウム、アルミニウム含有合金(例えば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルなどの金属と、アルミニウムとの合金)およびプラスチックフィルムである。
【0037】
支持体の膜厚は25μmから3mm、好ましくは75μmから500μmが適当であるが、用いる支持体の種類と印刷条件により最適な厚さは変動する。一般には100μmから300μmが最も好ましい。
【0038】
本発明においては、支持体と記録層間の接着性向上、印刷特性向上又は高感度化のために、支持体にコロナ処理等の表面処理を施したり、プライマー層を設けることができる。本発明に用いられるプライマー層としては、例えば、特開昭60−22903号公報に開示されているような種々の感光性ポリマーを感光性樹脂層を積層する前に露光して硬化せしめたもの、特開昭62−50760号公報に開示されているエポキシ樹脂を熱硬化せしめたもの、特開昭63−133151号公報に開示されているゼラチンを硬膜せしめたもの、更に特開平3−200965号公報に開示されているウレタン樹脂とシランカップリング剤を用いたものや特開平3−273248号公報に開示されているウレタン樹脂を用いたもの等を挙げることができる。この他、ゼラチンまたはカゼインを硬膜させたものも有効である。更に、前記のプライマー層中に、ポリウレタン、ポリアミド、スチレン/ブタジエンゴム、カルボキシ変性スチレン/ブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、カルボキシ変性アクリロニトリル/ブタジエンゴム、ポリイソプレン、アクリレートゴム、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ゴム、ハロゲン化ポリヒドロキシスチレン、ニトロセルロース等のポリマーを添加しても良い。その添加割合は任意であり、フィルム層を形成できる範囲内であれば、添加剤だけでプライマー層を形成しても良い。また、これらのプライマー層には前記の目的に沿って、染料、光重合開始剤、接着助剤(例えば、重合性モノマー、ジアゾ樹脂、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤やアルミニウムカップリング剤)、顔料、シリカ粉末や酸化チタン粉末等の添加物を含有させることもできる。また、塗布後、露光によって硬化させることもできる。一般に、プライマー層の塗布量は乾燥重量で0.05〜10g/m2 の範囲が適当であり、好ましくは0.1〜8g/m2 であり、さらに好ましくは0.2〜5g/m2 である。
【0039】
本発明においては、製版即ち記録に用いられるレーザー光エネルギーが、本発明の水なし平版のヒートモード記録層に吸収されて熱に変換され、記録層のアブレーション(溶融・凝集)が起き、結果としてレーザー露光部の記録層とシリコーンゴム層の間の密着力が低下し、露光部におけるシリコーンゴム層を容易に除去することができる。
【0040】
本発明において、水なし平版を露光するのに使用されるレーザーは、シリコーンゴム層が剥離除去されるのに十分な密着力の低下が起きるのに必要な露光量を与えるものであれば特に制限はなく、Arレーザー、炭酸ガスレーザーのごときガスレーザー、YAGレーザーのような固体レーザー、そして半導体レーザーなどが使用できる。通常出力が50mWクラス以上のレーザーが必要となる。保守性、価格などの実用的な面からは、半導体レーザーおよび半導体励起の固体レーザー(YAGレーザーなど)が好適に使用される。
【0041】
これらのレーザーの記録波長は赤外線の波長領域であり、800nmから1100nmの発振波長を利用することが多い。
【0042】
また、特開平6−186750号公報に記載されているイメージング装置を用いて露光することも可能である。
【0043】
前記の如くシリコーンゴム層の表面保護のためのフィルムを設ける場合には、レーザー露光する際には光透過性のフィルムであればそのまま露光しても良いし、剥がした後に露光しても良い。
【0044】
本発明の水なし平版を製版する際に用いられる現像液としては、水なし平版の現像液として公知のもの、例えば、炭化水素類、極性溶媒、水及びこれらの組み合わせ等、が使用できるが、安全性の観点から、水または水を主成分とする炭化水素類の水溶液を用いることが好ましく、安全性および引火性等を考慮すると炭化水素類の濃度は40重量%未満が望ましい。
【0045】
用い得る炭化水素類としては、脂肪族炭化水素類〔具体的には、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ガソリン、灯油、市販の溶剤である”アイソパーE、H、G”(エッソ化学社製)等〕、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン等)、あるいはハロゲン化炭化水素(トリクレン等)等が挙げられる。また、極性溶媒としては、アルコール類(具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジエチルフタレート等)、その他、トリエチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート等が挙げられる。また、単に水道水、純水、蒸留水等の水そのものを用いることもできる。また、これらは単独で用いてもよく、2種以上、例えば、有機溶剤系現像液に水を添加したり、極性溶媒に水を添加したり、炭化水素類と極性溶媒を組み合わせて、用いることもできる。
【0046】
さらに、上記炭化水素類や極性溶媒のうち水に対する親和性の低いものについては界面活性剤等を添加して水に対する溶解性を向上させてもよい。また、界面活性剤とともにアルカリ剤(例えば、炭酸ナトリウム、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム等)を添加することもできる。
【0047】
現像は、例えば、上記のような現像液を含む現像用パッドで版面をこすったり、現像液を版面に注いだ後に水中にて現像ブラシでこするなど、公知の方法で行うことができる。現像液温は任意の温度で現像できるが、好ましくは10℃〜50℃である。これにより画像部のインキ反撥層が除かれ、その部分がインキ受容部となる。
【0048】
また、このように処理された刷版を積み重ねて保管する場合には、刷版を保護するために合紙を挿入し、挟んでおくことが好ましい。
【0049】
以上のような現像処理、又はそれに続く水洗、乾燥処理は、自動処理機で行うこともできる。このような自動処理機の好ましいものは、特開平2−220061号公報に記載されている。
【0050】
また、本発明の水なし平版は、接着層をシリコーンゴム層表面に張り合わせた後に、接着層を剥離することにより現像することも可能である。接着層は、シリコーンゴム層の表面に密着できる公知のものがいずれも使用できる。これらの接着層を可撓性支持体に設けたものは、例えば、住友スリーエム社の「スコッチテープ#851A」の商品名で市販されている。
【0051】
【実施例】
本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。ただし、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0052】
(実施例1〜18、比較例1〜5)
厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート支持体上に、蒸着真空度5×10-5Torrの条件下に、表1に示した金属と金属酸化物とを別の蒸発源を用い、金属は抵抗加熱により、金属化合物は電子ビームにより同時に蒸着を行い記録層を形成した。両者の混合率の制限は、各々の蒸発源に対して水晶振動型の膜厚モニターを配置し、それにより蒸発速度を制御することにより行った。この時の記録層の厚みは、400オングストロームであり、金属酸化物の組成比は、体積パーセントで30%に調製した。
【0053】
次に、下記の塗布液を前記記録層上に塗布し、加熱(110℃、1分)、乾燥することにより、乾燥膜厚2μmの付加型シリコーンゴム層を形成し、水なし平版印刷版を得た。
【0054】
〔シリコーンゴム層塗布液組成〕
α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重合度約700) 9.00g
(CH3)3-Si-O-(SiH(CH3)-O)8-Si(CH3)3 0.60g
ポリジメチルシロキサン(重合度 約8000) 0.50g
オレフィン−塩化白金酸 0.08g
抑制剤[HC≡C-C(CH3)2 -O-Si(CH3)3] 0.07g
アイソパーG(エッソ化学(株))製 55g
得られた本発明の水なし平版に、波長1064nm、ビーム径40μm(1/e2 )の半導体励起YAGレーザーを用いて連続線の書き込みを走査速度を変えて行い、その後、イソプロパノールを含ませた現像用パッドで版面拭きを行い、レーザー照射部のシリコーンゴム層を除去した。この時、レーザー未照射部のシリコーン層は除去されずに水なし平版表面に保持され、シャープなエッジのシリコーン画像が形成できた走査速度を書き込みしきい値として、感度および線画像再現性の比較を行った。その結果を表1に示した。
【0055】
【表1】
Figure 0003748465
【0056】
以上より、金属と金属酸化物との混合物からなる本発明の水なし平版の記録層によれば、金属単独層の記録層に比べ、低エネルギーのレーザー照射で良好な画像が得られることが明らかとなった。
【0057】
(実施例9、19、20、比較例1、6)
実施例9のInとWO3 の組成比を下記表2に示す如く変える以外は、全く同様の方法で得られた水なし平版をそれぞれ実施例19、20、比較例6とし、各試料について、感度および線画像再現性の比較を行った。組成比と性能評価の結果を表2に示した。
【0058】
【表2】
Figure 0003748465
【0059】
前記表2より明らかなように、10〜50体積%の範囲で金属酸化物が混合された実施例9、19及び20の記録層は、比較例1の金属単独層及び比較例6の金属酸化物を50体積%の範囲を超えて含む記録層に比べ、良好な感度を示すことが確認された。
【0060】
(実施例21)
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート支持体上に、下記組成の塗布液を塗布し、加熱(100℃、1分)、乾燥することにより、乾燥膜厚0.2μmのプライマー層を設ける以外は、実施例1と同様の方法で水なし平版を得た。この水なし平版に、出力110mW、波長830nm、ビーム径10μm(1/e2)の半導体レーザーを用いて、主走査速度6m/秒にて書き込みを行い、その後、スコッチテープ#851A(住友スリーエム社製)をシリコーンゴム層表面に張り合わせた後、剥離して、レーザー照射部のシリコーンゴム層を除去して水なし平版を製版した。
【0061】
〔プライマー層塗布液組成〕
塩素化ポリエチレン 1重量部
【0062】
【化4】
Figure 0003748465
【0063】
メチルエチルケトン 10重量部
シクロヘキサン 100重量部
かくして得られた印刷版の解像力は7μmで、シャープなエッジの水なし平版印刷版が形成された。この記録条件にて、200線の網点形成を行ったところ網点面積率2%から98%までが版上に形成できた。
【0064】
【発明の効果】
本発明の湿し水不要平版印刷原版によれば、、レーザー光によるヒートモード記録が可能であり、感度および画像再現性に優れる。

Claims (1)

  1. 支持体上に、金属及び金属酸化物を同一層に含有するヒートモード記録層及びインキ反撥性であり、光反応性を有さないシリコーンゴム層を順次積層した湿し水不要平版印刷原版であって、該金属及び金属酸化物を同一層に含有するヒートモード記録層における金属酸化物の含有量が10〜50体積%であり、且つ、該ヒートモード記録層が蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法のいずれかによって形成されていることを特徴とする湿し水不要平版印刷原版。
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