JP3710008B2 - 湿し水不要平版原版 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザー光によるヒートモード記録によって、湿し水を必要としない印刷ができる高感度な湿し水不要平版原版(以下、水なし平版原版と称す)に関する。
【0002】
【従来技術】
従来の湿し水を必要とする印刷方式は湿し水とインキの微妙なバランスのコントロールが難しく、インキの乳化を起こしたり、湿し水にインキが混ざったりして、インキ濃度不良や地汚れを発生し、損紙の原因となるなど、大きな問題点を有していた。それに対して、水なし平版印刷版は湿し水を必要としないために数多くの利点を有する。
【0003】
一方、近年プリプレスシステムやイメージセッター、レーザープリンターなどの出力システムの急激な進歩によって、印刷画像をデジタルデーター化し、コンピューター・トウ・プレート、コンピューター・トウ・シリンダー等の新しい製版方法により、印刷版を得る方法提案されるようになり、これらの印刷システムのための新しいタイプの印刷材料が望まれ、開発が進められている。
レーザー書き込みにより水なし平版印刷版を形成できる例としては、特公昭42−21879号公報、特開昭50−158405号公報、特開平5−94008号公報、特開平6−55723号公報、特開平6−186750号公報、特開平7−314934号公報、US5,353,705号公報およびWO−9401280公報等が挙げられる。これ等にはカーボンブラック等のレーザー光吸収剤およびニトロセルロース等の自己酸化性のバインダーを含有した光を熱に変換する層(以下、光熱変換層と称す)または金属薄膜層上にインキ反撥性のシリコーンゴム層を設け、レーザー照射によりシリコーンゴム層の一部を除去してインク付着性とし、水なし印刷することが記載されている。しかし、これ等の版材は感度が低く、シリコーンゴム層を除去するためには大きな光エネルギーが必要となる。従って、高速走査で画像書き込みするためには、大出力のレーザー光源が必要となり、そのために画像記録装置が大型且つ高価なものになるという欠点を有しており、その改善が強く望まれている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、レーザー記録できる高感度な水なし平版原版を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、レーザー書き込みできる高感度な水なし平版原版の作成方法について鋭意検討した結果、支持体上に中空ポリマー微粒子を含有するプライマー層、レーザー光を熱に変換しその熱によりプライマー層とシリコーンゴム層とのいずれかの部分での接着性を低下する層(光熱変換層)およびシリコーンゴム層をこの順に積層してなることを特徴とする湿し水不要平版原版によって本発明の目的を達成するに至った。
本発明はプライマー層に中空微粒子を用いることにより、レーザー光の反射率を高め、レーザー光を有効に使用するとともに、レーザー光露光により光熱変換層で発生した熱が支持体に拡散しエネルギーロスを起こすのを抑制することによって達成できたものと考えている。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳しく説明する。
「支持体」
本発明の水なし平版原版の支持体は、通常の印刷機にセットできる程度のたわみ性を有し、同時に印刷時にかかる荷重に耐えるものでなければならない。従って、代表的な基板としては、アルミニウムのような金属板、アルミニウム含有合金(例えば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルなどの金属とのアルミニウムとの合金)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートのようなプラスチックフィルム、紙もしくはポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルムがラミネートされた複合シートなどを挙げることができる。
支持体の膜厚は25μmから3mm、好ましくは75μmから500μmが適当であるが、用いる支持体の種類と印刷条件により最適な厚さは変動する。一般には100μmから300μmが最も好ましい。
【0007】
「プライマー層」
本発明に用いられる中空ポリマー微粒子とは、内部に空隙を有する樹脂粒子であり、空気と樹脂ポリマ−の屈折率の差からその界面で光を反射し易くなり、白く見え、一般的には塗料の隠蔽剤あるいは隠蔽度の高い白色顔料として利用されている。
これらは乳化重合にて不飽和カルボン酸を共重合させシ−ド粒子を作成した後、粒子表面層を形成させるため、エチレン性不飽和モノマ−を用いてカバ−重合し、重合終了後、アンモニア等の揮発性塩基にて共重合させた不飽和カルボン酸を中和させて粒子を膨潤させる方法あるいは不飽和カルボン酸を含有した共重合ラテックスのカルボキシル基を塩基で中和した後、酸を添加して作成する方法等により作成される。
具体的には、例えば、「ローペイク」(ローム・アンド・ハース社製)、「グランドール」(大日本インキ工業社製)等の商品名で販売されているものや、特開昭56−32513号公報、特開昭60−223873号公報、特開昭64−1704号公報および特開平7−102024号公報等に記載されている中空重合体粒子等を用いることができる。
その粒子径は、0.05μmから3μmが好ましく、より好ましくは0.05μmから1μmである。
これらの中空ポリマー微粒子は水溶性ポリマーと混合してまたは油溶性ポリマーに分散した状態で支持体上に塗布される。
【0008】
本発明のプライマー層に用いられるバインダーとしては例えば、特開昭60−22903号公報に開示されているような種々の感光性ポリマーを露光して硬化せしめたもの、特開昭62−50760号公報に開示されているエポキシ樹脂を熱硬化せしめたもの、特開昭63−133151号公報に開示されているゼラチンを硬膜せしめたもの、更に特開平3−200965号公報に開示されているウレタン樹脂とシランカップリング剤を用いたものや特開平3−273248号公報に開示されているウレタン樹脂を用いたもの等を挙げることができる。この他、ゼラチンまたはカゼインを硬膜させたものも有効である。
更に、前記のプライマー層中に、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリアミド、スチレン/ブタジエンゴム、カルボキシ変性スチレン/ブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、カルボキシ変性アクリロニトリル/ブタジエンゴム、ポリイソプレン、アクリレートゴム、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ニトロセルロース、ハロゲン化ポリヒドロキシスチレン、塩化ゴム等のポリマーを添加しても良い。また、これらのプライマー層には接着助剤(例えば、重合性モノマー、ジアゾ樹脂、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤やアルミニウムカップリング剤)や染料等の添加物を含有させることもできる。また、塗布後、露光によって硬化させることもできる。
プライマー層中の中空ポリマー微粒子の割合は、プライマー層全固形分の5重量%から65重量%であり、好ましくは10重量%から55重量%、より好ましくは20重量%から50重量%である。
プライマー層はシリコーン層除去部のインキ受容層としても有用であり、支持体として金属支持体のような非インキ受容性の場合、特に有用である。また、プライマー層は印刷時のシリコーン層への圧力緩和のためのクッション層としての役割も有している。
一般に、プライマー層の塗布量は乾燥重量で0.1〜10g/m2 の範囲が適当であり、好ましくは0.2〜8g/m2 であり、より好ましくは0.5〜5g/m2 である。
【0009】
「光熱変換層」
本発明に用いられる光熱変換層は、書き込みに使用されるレーザー光を熱に変換しその熱によりプライマー層とシリコーンゴム層とのいずれかの部分での接着性が低下する機能を有する層であり、これらの機能を有する公知の光熱変換層が使用可能である。
本発明の光熱変換層においては、記録に用いられるレーザー光エネルギーが吸収されて熱エネルギーに変換され、これに起因する、燃焼、融解、分解、気化、爆発等の反応および物理変化により、結果としてプライマー層とシリコーンゴム層の間のいずれかの部分で密着性が低下するのである。
光熱変換材料としては、従来、レーザー光源を赤外線レーザーとした場合、赤外線吸収色素、赤外線吸収顔料、赤外線吸収性金属、赤外線吸収金属酸化物など書き込みのレーザーに使用する波長の光を吸収する各種の有機および無機材料が使用可能であることが知られている。
これらの材料は単独膜の形態で、もしくはバインダー、添加剤など他の成分との混合膜の形態で使用される。
単独膜の場合には、アルミニウム、チタン、テルル、クロム、錫、インジウム、ビスマス、亜鉛、鉛等の金属および合金や金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ホウ化物、金属フッ化物、有機色素などを蒸着法およびスパッタリング法等により支持体上に形成させることができる。また、混合膜の場合には、光熱変換材料を溶解もしくは分散して他の成分と共に塗布法により形成することができる。
【0010】
(光熱変換剤)
光熱変換剤としては、有機顔料としては酸性カーボンブラック、塩基性カーボンブラック、中性カーボンブラックなど各種カーボンブラック、分散性改良等のために表面修飾もしくは表面コートされた各種カーボンブラック、ニグロシン類、有機色素としては「赤外増感色素」(松岡著 Plenum Press, New York,NY(1990))、US−4833124,EP−321923、US−4772583,US−4942141、US−4948776、US−4948777、US−4948778、US−4950639、US−4912083、US−4952552、US−5023229なの明細書に記載の各種化合物、金属もしくは金属酸化物としてはアルミニウム、インジウムスズ酸化物、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化チタン等、この他にポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマーなども使用可能である。
【0011】
(バインダー)
光熱変換層を混合膜として形成する場合に使用されるバインダーとしては、光熱変換材料を溶解もしくは分散する公知のバインダーが使用される。これらの例としてはニトロセルロース、エチルセルロースなどのセルロース、セルロース誘導体類、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの単独重合体および共重合体、ポリスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマーの単独重合体もしくは共重合体。イソプレン、スチレン−ブタジエンなどの各種合成ゴム類、ポリ酢酸ビニルなどのビニルエステル類の単独重合体および酢酸ビニル−塩化ビニルなどの共重合体、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネートなどの縮合系各種ポリマーおよび、「J. Imaging Sci.,P59-64 ,30(2), (1986)(Frechetら)」や「Polymers in Electronics(Symposium Series,P11, 242, T.Davidson,Ed., ACS Washington,DC(1984)(Ito,Willson)」、「Microelectronic Engineering,P3-10,13(1991)(E. Reichmanis,L.F.Thompson)」に記載のいわゆる「化学増幅系」に使用されるバインダー等が使用可能である。
【0012】
(添加剤)
光熱変換層を混合膜として形成する場合には、光熱変換剤とバインダー以外に添加剤を用いることが出来る。これらの添加剤は、光熱変換層の機械的強度を向上させたり、レーザー記録感度を向上させたり、光熱変換層中の分散物の分散性を向上させたり、支持体やプライマー層などの隣接する層に対する密着性を向上させるなど種々の目的に応じて添加される。
例えば、光熱変換層の機械的強度を向上させるために光熱変換層を架橋する手段が考えられ、この場合には各種の架橋剤が添加される。
レーザー記録感度を向上させるために加熱により分解しガスを発生する公知の化合物を添加することが考えられる、この場合には光熱変換層の急激な体積膨張によりレーザー記録感度が向上できる。(これらの添加剤の例としては、ジニチロペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、4、4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジアミドベンゼン等を使用することが出来る。)また、加熱により分解し酸性化合物を生成する公知の化合物を添加剤として使用することが出来る。これらを化学増幅系のバインダーと併用することにより、光熱変換層の構成物質の分解温度を大きく低下させ、結果としてレーザー記録感度を向上させることが可能である。(これらの添加剤の例としては、各種のヨードニウム塩、スルフォニウム塩、フォスフォニウムトシレート、オキシムスルフォネート、ジカルボジイミドスルフォネート、トリアジンなどを使用することが出来る。)
光熱変換剤にカーボンブラックなどの顔料を用いた場合には、顔料の分散度がレーザー記録感度に影響を与えることがあり、各種の顔料分散剤を添加剤として使用される。
接着性を向上させるために公知の密着改良剤(例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等)を添加しても良い。
この他にも、塗布性を改良するための界面活性剤など必要に応じて各種の添加剤が使用される。
【0013】
(膜厚)
光熱変換層の膜厚は、単独膜の場合には蒸着法およびスパッタリング法等にて薄膜が形成できる。この場合の膜厚は50Åから1000Å、好ましくは100Åから800Åである。混合膜は塗布により形成される。この場合の膜厚は0.05μmから10μm、好ましくは0.1μmから5μmである。光熱変換層の膜厚は厚すぎるとレーザー記録感度の低下など好ましくない結果を与える。
【0014】
「シリコーン層」
本発明において用いられる架橋を行ったシリコーンゴム層は、下記組成物A、またはBを硬化して形成した皮膜である。
組成物A
(a)ジオルガノポリシロキサン 100重量部
(b)縮合型架橋剤 3〜70重量部
(c)触媒 0.01〜40重量部
前記成分(a)のジオルガノポリシロキサンは、下記一般式で示されるような繰り返し単位を有するポリマーで、R1 およびR2 は炭素数1〜10アルキル基、ビニル基、アリール基であり、またその他の適当な置換基を有していても良い。一般的にはR1 およびR2 の60%以上がメチル基、あるいはハロゲン化ビニル基、ハロゲン化フェニル基などであるものが好ましい。
【0015】
【化1】
Figure 0003710008
【0016】
このようなジオルガノポリシロキサンは両末端に水酸基を有するものを用いるのが好ましい。
また、前記成分(a)は、数平均分子量が3,000〜100,000であり、より好ましくは、5,000〜70,000である。
成分(b)は縮合型のものであればいずれであってもよいが、次の一般式で示されるようなものが好ましい。
1 m ・Si・Xn
(m+n=4、nは2以上)
ここでR1 は先に説明したR1 と同じ意味であり、Xはつぎに示すような置換基である。
▲1▼ Cl,Br,Iなどのハロゲン
▲2▼ HまたはOH、−OCOR3 、−OR3 、−O−N=C(R4)(R5)、−N(R4)(R5)などの有機置換基。
ここでR3 は炭素数1〜10のアルキル基および炭素数6〜20のアリール基、R4 、R5 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。
成分(c)は錫、亜鉛、鉛、カルシウム、マンガンなどの金属カルボン酸塩、例えば、ラウリン酸ジブチル、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛など、あるいは塩化白金酸等のような公知の触媒があげられる。
【0017】
組成物B
(d)付加反応性官能基を有するジオルガノポリシロキサン 100重量部
(e)オルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜25重量部
(f)付加触媒 0.00001〜1重量部
上記成分(d)の付加反応性官能基を有するジオルガノポリシロキサンとは、1分子中にケイ素原子に直接結合したアルケニル基(より好ましくはビニル基)を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンで、アルケニル基は分子量末端、中間いずれにあってもよく、アルケニル基以外の有機基としては、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、アリール基である。また、成分(d)には水酸基を微量有することも任意である。
成分(d)は、数平均分子量が3,000〜100,000であり、より好ましくは、5,000〜70,000である。
成分(e)としては、両末端水素基のポリジメチルシロキサン、α、ω−ジメチルポリシロキサン、両末端メチル基の(メチルシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、環状ポリメチルシロキサン、両末端トリメチルシリル基のポリメチルシロキサン、両末端トリメチルシリル基の(ジメチルシロキサン)(メチルシロキサン)共重合体などが例示される。
成分(f)としては、公知のものの中から任意に選ばれるが、特に白金系の化合物が望ましく、白金単体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金などが例示される。これらの組成物の硬化速度を制御する目的で、テトラシクロ(メチルビニル)シロキサンなどのビニル基含有のオルガノポリシロキサン、炭素−炭素三重結合含有のアルコ−ル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノ−ル、エタノ−ル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルなどの架橋抑制剤を添加することも可能である。
なお、シリコーンゴム層には必要に応じて、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの無機物の微粉末、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤やアルミニウム系カップリング剤などの接着助剤を添加しても良い。
本発明におけるシリコーンゴム層は、厚さが小さいとインキ反撥性が低下し、傷が入りやすい等の問題点があり、厚さが大きい場合、画像再現性が悪くなるという点から、厚みとしては0.5〜5g/m2 が好ましく、より好ましくは1〜3g/m2 である。
【0018】
本発明においては水なし平版原版を露光するのにレーザー光が使用される。使用されるレーザーはシリコーンゴム層が剥離除去されるのに十分な密着力の低下が起きるのに必要な露光量を与えるものであれば特に制限はなく、Arレーザー、炭酸ガスレーザーのごときガスレーザー、YAGレーザーのような固体レーザー、そして半導体レーザーなどが使用できる。通常出力が50mWクラス以上のレーザーが必要となる。保守性、価格などの実用的な面からは、半導体レーザーおよび半導体励起の固体レーザー(YAGレーザーなど)が好適に使用される。これらのレーザーの記録波長は赤外線の波長領域であり、800nmから1100nmの発振波長を利用することが多い。
また、特開平6−186750号公報に記載されているイメージング装置を用いて露光することもできる。
シリコーンゴム層の表面保護のためのフィルムはレーザー露光する際にはそのままでも良いし、剥がした後に露光しても良い。
【0019】
本発明において用いられる現像液としては水なし平版原版の現像液として公知のものが使用できるが、安全性の観点から、水または水を主成分とする水溶性有機溶剤の水溶液が好ましい。安全性および引火性等を考慮すると水溶性溶剤の濃度は40重量%未満が望ましい。公知のものとしては、例えば脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、”アイソパーE、H、G”(エッソ化学(株)製)あるいはガソリン、灯油等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、あるいはハロゲン化炭化水素(トリクレン等)に下記の極性溶媒を添加したものや極性溶媒そのもの、
・アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール等)
・ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)
・エステル類(酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジエチルフタレート等)
・その他(トリエチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート等) また、上記有機溶剤系現像液に水を添加したり、上記有機溶剤を界面活性剤等を用いて水に可溶化したものや、更にその上にアルカリ剤(例えば、炭酸ナトリウム、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム等)を添加したものや単に水(水道水、純水、蒸留水等)等が挙げられる。
【0020】
現像は、例えば上記のような現像液を含む現像用パッドで版面をこすったり、現像液を版面に注いだ後に水中にて現像ブラシでこするなど、公知の方法で行うことができる。現像液温は任意の温度で現像できるが、好ましくは10℃〜50℃である。これにより画像部のシリコーンゴム層が除かれ、その部分がインキ受容部となる。
以上のような現像処理、叉はそれに続く水洗、乾燥処理は、自動処理機で行うこともできる。このような自動処理機の好ましいものは、特開平2−220061号公報に記載されている。
また、本発明の水なし平版原版は接着層をシリコーンゴム層表面に張り合わせた後に、接着層を剥離することにより現像することも可能である。接着層は、シリコーンゴム層の表面に密着できる公知のものがいずれも使用できる。これらの接着層を可撓性支持体に設けたものが市販されており。例えば、住友スリーエム社の「スコッチテープ#851A」の商品名で市販されている。
また、このように処理された刷版を積み重ねて保管する場合には、刷版を保護するために合紙を挿入し挟んでおくことが好ましい。
【0021】
【実施例】
本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。ただし、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
実施例1、比較例1
(プライマー層の作成)
厚さ180μmのポリエチレンテレフタレートフイルム上に下記組成のプライマー層塗布液を、乾燥膜厚2μmとなるように塗布し、実施例1のプライマー層を形成した。
Figure 0003710008
比較例1のプライマー層は上記プライマー層塗布液から中空ポリマー微粒子を除いた以外は実施例1と同様にして作成した。
【0022】
(カーボンブラック分散液の作成)
下記の混合液をペイントシェーカーにて30分間分散した後、ガラスビーズをろ別してカーボンブラック分散液を作成した。
Figure 0003710008
(光熱変換層の形成)
前記の実施例1および比較例1のプライマー層上に、下記の塗布液を乾燥膜厚1μmとなるように塗布し、光熱変換層を形成した。
Figure 0003710008
(シリコーンゴム層の形成)
下記の塗布液を前記光熱交換層上に塗布し、加熱(130℃、1分)、乾燥することにより、乾燥膜厚2μmの付加型シリコーンゴム層を形成した。
・α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重合度500) 9g
・(CH3)3SiO(SiH(CH3)O)8-Si(CH3)3 0.8g
・オレフィン−塩化白金酸 0.001g
・制御剤[HC≡C-C(CH3)2-O-Si(CH3)3] 0.3g
・アイソパーG(エッソ化学(株)製) 120g
【0023】
上記のようにして得られたシリコーンゴム層の表面に6μmのポリエチレンテレフタレートをラミネートした。
得られた本発明の水なし平版原版のカバーフィルムを剥離した後に、波長1064nm、ビーム径40μm(1/e2 )、出力500mWの半導体励起YAGレーザーを用いて書き込み速度を変えて、連続線の書き込みを行った。その後、イソプロパノールを含ませた現像用パッドで版面拭き、レーザー照射部のシリコーンゴム層を除去した。
照射部のシリコーンゴム層が連続線として除去可能な版面エネルギーは本発明のプライマー層に中空ポリマー微粒子を含有した水なし平版原版が95mJ/cm2であり、比較例1のプライマー層に中空ポリマー微粒子を含有しない水なし平版原版は182mJ/cm2であった。このことより、本発明の水なし平版原版は感度が高いことが明らかである。
【0024】
実施例2、比較例2
(プライマー層の作成)
厚さ180μmのコロナ処理したポリエチレンテレフタレートフイルム上に下記組成のプライマー層塗布液を、乾燥膜厚3μmとなるように塗布し、実施例2のプライマー層を形成した。
Figure 0003710008
比較例2のプライマー層は上記プライマー層塗布液から中空ポリマー微粒子を除いた以外は実施例2と同様にして作成した。
【0025】
(光熱変換層の形成)
厚さ180μmのコロナ処理したポリエチレンテレフタレートフイルム上、5×10-5Torrの条件でチタンをOD=0.5(1064nm)となるように蒸着した。
(シリコーンゴム層の形成)
下記の塗布液を作成し、上記チタン蒸着面に塗布し、加熱(110℃、1分)、乾燥することにより、乾燥膜厚2μmの縮合型シリコーンゴム層を形成した。
Figure 0003710008
上記のようにして得られたシリコーンゴム層の表面に6μmのポリエチレンテレフタレートをラミネートした。
【0026】
得られた本発明の水なし平版原版のカバーフィルムを剥離した後に、波長1064nm、ビーム径40μm(1/e2 )、出力500mWの半導体励起YAGレーザーを用いて書き込み速度を変えて、連続線の書き込みを行った。その後、水を含ませた現像用パッドで版面拭き、レーザー照射部のシリコーンゴム層を除去した。
照射部のシリコーンゴム層が連続線として除去可能な版面エネルギーは本発明のプライマー層に中空ポリマー微粒子を含有した水なし平版原版が106mJ/cm2であり、比較例2のプライマー層に中空ポリマー微粒子を含有しない水なし平版原版は198mJ/cm2であった。このことより、本発明の水なし平版原版は感度が高いことが明らかである。
【0027】
実施例3
(支持体)
厚さ0.24mmのアルミニウム支持体上に、下記組成の塗布液を乾燥膜厚2μmとなるように塗布し、加熱(100℃、1分)、乾燥してプライマー層を形成した。
Figure 0003710008
その後、ネアーク社製 FT261V UDNS ULTRA-PLUS FLIPTOP PLATE MAKER 真空露光機を用いて、20カウント露光した。
【0028】
(光熱変換層の形成作成)
下記の混合液をペイントシェーカーにて30分間分散した後、ガラスビーズをろ別して光熱変換層塗布液を作成した。前記のプライマー層上に、この塗布液を乾燥膜厚2μmとなるように塗布し光熱変換層を形成した。
・カーボンブラック(#40 三菱カーボン(株)製) 5g
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン社製ポリウレタン) 20g
・ソルスパースS20000(ICI社製) 0.27g
・ソルスパースS12000(ICI社製) 0.22g
・ニトロセルロース(n−プロパノール30%含有) 7.2g
・メチルエチルケトン 50g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 50g
・ガラスビーズ 160g
(シリコーンゴム層の形成)
下記の塗布液を前記光熱交換層上に塗布し、加熱(110℃、1分)、乾燥することにより、乾燥膜厚2μmの付加型シリコーンゴム層を形成した。
・α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重合度約700)9.00g
・(CH3)3-Si-O-(SiH(CH3)-O)8-Si(CH3)3 1.35g
・ポリジメチルシロキサン(重合度 約8000) 0.30g
・オレフィン−塩化白金酸 0.001g
・抑制剤[HC≡C-C(CH3)2-O-Si(CH3)3] 0.2g
・アイソパーG(エッソ化学(株)製 140g
上記のようにして得られたシリコーンゴム層の表面に6μmのポリエチレンテレフタレートをラミネートした。
【0029】
得られた水なし平版原版のカバーフィルムを剥離した後に、波長1064nm、ビーム径40μm(1/e2 )の半導体励起YAGレーザーを用いて連続線の書き込みを行った。記録エネルギーは300mJ/cm2 とした。その後、スコッチテープ#851A(住友スリーエム社製)をシリコーンゴム層表面に張り合わせた後剥離して、レーザー照射部のシリコーンゴム層を除去した。一方、レーザー未照射部のシリコーン層は除去されずに水なし平版原版表面に保持され、シャープなエッジのシリコーン画像が形成できた。
また、水なし平版原版を出力110mW、波長825nm、ビーム径10μm(1/e2 )の半導体レーザーを用いて、主操作速度5m/秒にて書き込みを行い、同様の処理をしてレーザー照射部のシリコーンゴム層を除去した。解像力は7μmでシャープなエッジの水なし平版印刷版が形成された。この記録条件にて、200線の網点形成を行ったところ網点面積率2%から98%までが版上に形成できた。
また、得られた水なし平版印刷板を印刷機を用いて印刷したところ10万枚の汚れのない良好な印刷物が得られた。
【0030】
【発明の効果】
本発明の水なし平版原版は、レーザー光によるヒートモード記録が可能であり、高感度である。

Claims (1)

  1. 支持体上に中空ポリマー微粒子を含有するプライマー層、レーザー光を熱に変換しその熱によりプライマー層とシリコーンゴム層とのいずれかの部分での接着性を低下する層およびシリコーンゴム層をこの順に積層してなることを特徴とする湿し水不要平版原版。
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