JPH1158667A - 水なし平版印刷版の形成方法 - Google Patents

水なし平版印刷版の形成方法

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JPH1158667A
JPH1158667A JP9221394A JP22139497A JPH1158667A JP H1158667 A JPH1158667 A JP H1158667A JP 9221394 A JP9221394 A JP 9221394A JP 22139497 A JP22139497 A JP 22139497A JP H1158667 A JPH1158667 A JP H1158667A
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JP
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layer
ink
laser
repellent
rubbing
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JP9221394A
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English (en)
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Noribumi Inno
紀文 因埜
Masahiko Fukaya
正彦 深谷
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography

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  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザー記録でき、露光部のインク反発性層
の除去性能と印刷性能を満足し、印刷時に問題となる非
画像部の汚れ及び画像部のすぬけの原因となる物質が版
面に残存しない、水なし平版印刷版の形成方法の提供。 【解決手段】 レーザー光を熱に変換する第1層及びイ
ンキ反発性の表面を有する第2層を支持体上にこの順に
積層してなる水なし平版印刷原版に対し、該第1層が吸
収可能なレーザー光を照射し画像露光する工程、該第2
層の表面に対する接触角が90度以上の液体の存在下で
該第2層の表面を擦り該第2層におけるレーザー照射部
の少なくとも一部を除去する第1の擦り工程、及び、該
第2層の表面に対する接触角が90度未満の液体の存在
下で該第2層の表面を擦る第2の擦り工程を含むことを
特徴とする水なし平版印刷版の形成方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光による
ヒートモード記録によって湿し水を必要とせずに印刷を
行うことができる平版印刷版(以下「水なし平版印刷
版」という)の形成方法に関する。なお、本明細書中で
は、「水なし平版印刷原版」(「水なし原版」と称する
ことがある)とは、インク受容部と非インク受容部とに
よる画像パターンが形成されていない状態の画像記録前
の版材を意味し、「水なし平版印刷版」(「水なし平
版」と称することがある)とは、インク受容部と非イン
ク受容部とによる画像パターンが形成されており、その
まま印刷にかけられる版材を意味する。
【0002】
【従来の技術】印刷を行うための印刷版の手法には、活
版印刷、グラビア印刷及び平版オフセット印刷などが伝
統的な手法として知られている。近年、特殊な分野を除
いては平版を用いる印刷が増加している。この平版オフ
セット印刷においては、プレート表面の親水性、親油性
の画像パターンを形成し湿し水を用いる水あり平版と、
プレート表面にインキ反発性、インキ受容性の画像パタ
ーンを形成し湿し水を用いない水なし平版とが知られて
いる。この内、水なし平版は、湿し水を用いないために
印刷作業に熟練を要しないこと、インキ濃度が印刷初期
から安定し損紙が少なく少部数の印刷を行う場合にも経
済的である等、水あり平版に比して有利な特徴を持って
いる。
【0003】一方、コンピューター技術の進展により、
従来、手作業で行われていた印刷の前工程である製版工
程がデジタル化され、印刷の画像がデジタルデータ化さ
れてきている。このデジタルデータからリスフイルムを
介さず直接、印刷版材料を形成する技術(コンピュータ
ー・ツ−・プレート技術)が近年進展してきている。し
かし、これらの技術は、水あり平版を形成するものが多
く提供されているが、水なし平版を形成できるものは殆
ど知られていないのが実状である。
【0004】レーザー書き込みにより水なし平版を形成
できる例としては、特公昭42−21879号公報にそ
の最も古い開示がある。この公報には、インキ反発性の
シリコーン層をレーザー照射により一部除去してインク
付着性とし水なし印刷することが記載されている。しか
し、この場合、レーザー照射部のシリコーンが版面全体
に飛散し印刷時に不都合を起こしたり、レーザー照射だ
けではシリコーン層が十分除去されないため、印刷が進
むにつれてインキ付着部の面積が増大する(ドットゲイ
ンする)などの問題があった。
【0005】また、特開昭50−158405号公報に
は、シリコーンゴム表面層を有する印刷原版に対し、赤
外光レーザーであるYAGレーザーを照射し、溶剤(ナ
フサ)処理によりレーザー照射部を除去して水なし平版
を形成する方法が開示されている。更に、EP第057
3091号明細書には、シリコーンゴム表面層を有する
版材にYAGレーザーを照射した後、無溶媒のドライ条
件下で擦り取るか、シリコーンゴムを膨潤させない溶剤
を与えながら擦りにより除去して水なし平版を形成する
方法が開示されている。しかし、これらの方法は、レー
ザー露光部シリコーンゴム除去の際の擦りにより、非画
像部シリコーンゴムに傷が入るおそれがある。更に、露
光部から除去したシリコーンゴムを版面から完全に除去
することが困難である。このため、これらの方法により
形成した水なし平版を用いて、印刷を行った場合、非画
像部の傷汚れ、画像部のすぬけ等の不都合を生じるとい
う問題があった。
【0006】以上のように、レーザーにより水なし平版
印刷版を形成する方法は、従来から幾つか提案されては
いるものの、露光部シリコーン層の除去性能(現像性)
と印刷性能上の問題とを両立するには至っていないのが
現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、レーザー記録でき、露光部
のインク反発性層の除去性能と印刷性能を満足する水な
し平版印刷版の形成方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、露光部シリコーン層除去によるシリコ
ーン画像形成の際に、印刷時に問題となる非画像部の汚
れ及び画像部のすぬけの原因となる物質が、水なし平版
の版面に残存しない、水なし平版印刷版の形成方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、レーザー光を熱に
変換する第1層及びインキ反発性の表面を有する第2層
を支持体上にこの順に積層してなる水なし平版印刷原版
に対し、該第1層が吸収可能なレーザー光を照射し画像
露光する工程、該第2層の表面に対する接触角が90度
以上の液体の存在下で該第2層の表面を擦り該第2層に
おけるレーザー照射部の少なくとも一部を除去する第1
の擦り工程、及び、該第2層の表面に対する接触角が9
0度未満の液体の存在下で該第2層の表面を擦る第2の
擦り工程を含むことを特徴とする水なし平版印刷版の形
成方法である。
【0009】本発明において、レーザー露光部のインク
反発性の第2層の除去は、レーザー照射後に、インク反
発性の第2層の表面に対する接触角が90度以上の液体
の存在下でインク反発性の第2層の表面を擦る第1の擦
り工程と、インク反発性の第2層の表面に対する接触角
が90度未満の液体の存在下でインク反発性の第2層の
表面を擦る第2の擦り工程との2つの擦り工程により達
成される。
【0010】インク反発性の第2層の表面を擦ることに
より、レーザー露光部のインク反発性の第2層を除去す
る場合、まず、インク反発性の第2層に亀裂が生じ、そ
こから剥離が始まる。この際、インク反発性の第2層の
表面に対し、親和性の高い(濡れ性の良い)液体を使用
すると、インク反発性の第2層の表面と擦り部材(ブラ
シやパッド等)との摩擦抵抗が下がるため、ひっかかり
が悪く、除去の効率が悪くなる。このため、擦りの圧
力、回数等の条件を強化しなくてはならない。一方、イ
ンク反発性の第2層の表面に対し、親和性の低い(濡れ
性の悪い)液体を使用して第2層の表面を擦ると、両者
の摩擦抵抗の低下は小さく、温和な擦り条件で、レーザ
ー露光部のインク反発性の第2層の除去が可能となる。
しかし、使用する液体のインク反発性の第2層に対する
親和性が低いため、露光部より除去したインク反発性の
第2層のカスが、非画像部のインク反発性の第2層、あ
るいは第2層が除去された画像部上に付着し易い。ここ
で、インク反発性の第2層に対する液体の親和性は、イ
ンク反発性の第2層表面に対する液体の接触角(空中液
滴法による接触角)として見積もることができる。
【0011】前記第1の擦り工程においては、インク反
発性の第2層の表面に対する接触角が90度以上であ
る、インク反発性の第2層の表面に対する親和性の低い
液体を用いて、現像用パッド、ブラシ等にて、インク反
発性の第2層の表面を擦る。その結果、大部分のレーザ
ー露光部のインク反発性の第2層が効率的に除去され
る。しかしながら、前記第1の擦り工程においては、露
光部より除去したインク反発性第2層のカスが、非画像
部のインク反発性の第2層、あるいは第2層が除去され
た画像部上に付着し、版面上から、これらのカスを完全
に除去することは困難である。更に、非画像部のインク
反発性の第2層に傷が付かない程度に、前記第1の擦り
工程を行うと、レーザー露光部のインク反発性の第2層
の一部が除去されずに残存する。
【0012】そこで、前記第1の擦り工程の次に、イン
ク反発性の第2層の表面に対する接触角が90度未満で
あるインク反発性の第2層の表面に対する親和性の高い
液体を用いて、インク反発性の第2層の表面を擦る第2
の擦り工程を行うことで、版面上に付着したインク反発
性の第2層のカス及び除去されずに残存したレーザー露
光部のインク反発性の第2層を版面上から完全に除去す
ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の水なし平版印刷版の形成
方法は、露光工程、第1の擦り工程、及び第2の擦り工
程を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を
適宜含んでいてもよい。
【0014】本発明において、「水なし平版印刷原版」
は、第1層と第2層とを支持体上にこの順に積層してな
る。前記「第1層」は、露光されたレーザー光を熱に変
換し、該熱に基づき支持体に対する第2層の密着性を低
下させる機能を有する層である。前記「第2層」は、い
わゆる水なし平版印刷版においてインキが実質的に付着
されず印刷用非画像部として機能するインク反発性の表
面を有する層である。なお、前記「支持体に対する第2
層の密着性」は、第1層等の層を介した、支持体に対す
る第2層の間接的な接着性能を含む。
【0015】前記露光工程では、レーザー光を熱に変換
する第1層とインキ反発性の表面を有する第2層とを支
持体上にこの順に積層してなる水なし平版印刷原版に対
し、該第1層が吸収可能なレーザー光を照射し画像露光
する。前記露光工程において、前記水なし平版印刷原版
に対し、形成すべき画像情報に対応するレーザー光が照
射されると、第1層でレーザー光のエネルギーが吸収さ
れ、その部分で、光が熱に変換され、急速に昇温し、熱
による潜像が形成されると共に、その部分の第1層の一
部乃至全部が燃焼、融解、分解、気化、爆発等の化学反
応や物理変化を引き起し、結果として、実質的にレーザ
ーを照射した区域内で、かつ支持体とインク反発性の第
2層の間のいずれかの部分(界面や層内)で、密着性又
は一体性が低下し、支持体に対する第2層の密着性が低
下する。実質的にレーザーを照射した区域のみで、この
ような密着性の低下が生じるため、レーザー光が照射さ
れた部分の第2層は、多くの場合、レーザー光の照射の
みによっては破損・飛散せず水なし平版印刷原版に保持
されるものの、後述の第1及び第2の擦り工程において
外力を付加することによって、選択的にかつ容易に除去
される。
【0016】なお、前記水なし平版印刷原版について
は、その素材等について特に制限はないので、説明の便
宜上、後述する。
【0017】前記露光工程において、前記水なし平版印
刷原版を露光するのに使用するレーザーは、後述の第1
及び第2の擦り工程で第2層が剥離除去されるのに十分
な密着力の低下が起きるのに必要な露光量、波長等を与
えるものであれば特に制限はなく、具体的には、Arレ
ーザー、炭酸ガスレーザー等のガスレーザー、YAGレ
ーザー等の固体レーザー、半導体レーザーなどが挙げら
れる。通常、その出力が100mWクラス以上のレーザ
ーが必要となる。保守性、価格などの実用的な面から
は、半導体レーザー及び半導体励起の固体レーザー(Y
AGレーザーなど)が好適に使用される。
【0018】レーザーは、主に熱を発生させる目的で使
用するので、記録波長としては赤外線の波長領域が好ま
しく利用でき、通常は、800〜1100nmの発振波
長が利用される。また、ビーム径としては、通常5〜2
00μm(1/e2)である。レーザー照射は、水なし
平版印刷原版の第2層側から照射することが好ましい
が、支持体が、照射レーザー光に対し透明な場合には、
支持体側から照射することもできる。また、特開平6−
186750号公報に記載されているイメージング装置
を用いて露光することも可能である。
【0019】本発明では、レーザー露光部の密着性の低
下を利用して、レーザー露光部のインク反発性の第2層
を選択的に除去することにより、インク受容性部を露出
させ水なし平版印刷版を形成する。
【0020】前記第1の擦り工程及び前記第2の擦り工
程における擦り方法としては、例えば、液体を含む現像
用パッドで版面を擦ったり、液体を版面に注いだ後に、
ブラシで擦るなど、公知の方法に従って行うことができ
る。更に、特開平2−220061号公報や、特開昭6
0−59351号公報等に記載されているような自動処
理機によっても行うことができる。使用する液体の温度
は、特に制限はないが、10〜50℃程度が好ましい。
【0021】本発明において、レーザー露光部のインク
反発性の第2層の除去のために、版面を擦る際に用いる
液体としては、水なし平版の現像液として公知のものを
使用できるが、中でも以下のものが好適に挙げられる。
前記第1の擦り工程において使用する液体は、インク反
発性の第2層の表面に対する接触角が90度以上の液体
であり、水、メタノール、エチレングリコール、グリセ
リン等の極性溶剤そのもの、又は水を主成分とするもの
が好ましい。前記第2の擦り工程において使用する液体
は、インク反発性の第2層の表面に対する接触角が90
度未満の液体であり、70度以下の液体がより好まし
く、脂肪族炭化水素系溶剤や芳香族炭化水素系溶剤その
もの、又は水を主成分とするものが好ましい。これらの
中でも、安全性及び引火性等を考慮すると、溶剤の濃度
は40重量%未満であるのが好ましい。
【0022】水なし平版の現像液として公知のものとし
ては、例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタ
ン、”アイソパーE、H、G”(エッソ化学(株)
製)、ガソリン、灯油等)、芳香族炭化水素類(トルエ
ン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素(トリクレン
等)、更に下記の極性溶媒を添加したものや該極性溶媒
そのもの、有機溶剤系現像液に水を添加したり、有機溶
剤を界面活性剤等を用いて水に可溶化したものや、更に
その上にアルカリ剤(例えば、炭酸ナトリウム、ジエタ
ノールアミン、水酸化ナトリウム等)を添加したもの
や、単に界面活性剤の水溶液、水(水道水、純水、蒸留
水等)などが挙げられる。
【0023】前記極性溶媒としては、例えば、アルコー
ル類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール
モノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロ
ピレングリコール、テトラエチレングリコール等)、ケ
トン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エステル
類(酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレン
グリコールアセテート、ジエチルフタレート等)、その
他(トリエチルフォスフェート、トリクレジルフォスフ
ェート等)などが挙げられる。
【0024】ここで、以下に、前記水なし平版印刷原版
について説明する。前記水なし平版印刷原版は、レーザ
ー光を熱に変換する第1層及びインキ反発性の表面を有
する第2層を支持体上にこの順に積層してなり、更に必
要に応じてプライマー層等のその他の層を有してなる。
【0025】(支持体)前記支持体としては、通常、オ
フセット印刷に用いられる公知の金属、プラスチックフ
イルム、紙及びこれらの複合化された形態の総ての支持
体が使用できる。用いる印刷条件下で必要とされる機械
的強度、耐伸び特性などの物理適性能を満たす必要があ
ることは当然である。前記支持体の例としては、アルミ
ニウムのような金属支持体、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネートなど
のプラスチック支持体、紙もしくは紙にポリエチレン、
ポリプロピレンなどのプラスチクフイルムがラミネート
された複合シートなどが挙げられる。
【0026】前記支持体の厚みとしては、用いる支持体
の種類と印刷条件により最適な厚みは変動するため、一
概に規定することはできないが、通常、25μm〜3m
m程度であり、75μm〜500μmが好ましく、10
0μm〜300μmがより好ましい。
【0027】前記支持体には、支持体上に形成される第
1層など隣接する層との密着性向上、印刷特性向上又は
感度向上のため、コロナ処理等の表面処理を施したり、
プライマー層を設けることができる。
【0028】(プライマー層)前記プライマー層として
は、例えば、特開昭60−22903号公報に開示され
ているような、種々の感光性ポリマーを感光性樹脂層を
積層する前に露光して硬化させてなるもの、特開昭62
−50760号公報に開示されているような、エポキシ
樹脂を熱硬化させてなるもの、特開昭63−13315
1号公報に開示されているような、ゼラチンを硬膜させ
てなるもの、特開平3−200965号公報に開示され
ているような、ウレタン樹脂とシランカップリング剤と
を用いてなるもの、特開平3−273248号公報に開
示されているような、ウレタン樹脂を用いてなるもの、
等が挙げられる。この他、ゼラチン又はカゼインを硬膜
させたものも前記プライマー層として有効である。
【0029】本発明においては、前記プライマー層中
に、ポリウレタン、ポリアミド、スチレン・ブタジエン
ゴム、カルボキシ変性スチレン・ブタジエンゴム、アク
リロニトリル・ブタジエンゴム、カルボキシ変性アクリ
ロニトリル・ブタジエンゴム、ポリイソプレン、アクリ
レートゴム、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、塩素
化ポリプロピレン、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、
ニトロセルロース、ハロゲン化ポリヒドロキシスチレ
ン、塩化ゴム等のポリマーを添加してもよい。その添加
割合は任意であり、フィルム層を形成できる範囲内であ
れば、添加剤だけでプライマー層を形成してもよい。ま
た、これらのプライマー層には接着助剤(例えば、重合
性モノマー、ジアゾ樹脂、シランカップリング剤、チタ
ネートカップリング剤やアルミニウムカップリング剤)
や染料等の添加物を含有させることもできる。また、塗
布後、露光によって硬化させることもできる。
【0030】前記プライマー層は、インク反発性の第2
層の除去部のインキ受容層としても有用であり、支持体
として金属支持体のような非インキ受容性の場合、特に
有用である。また、前記プライマー層は、印刷時のイン
ク反発性の第2層への圧力緩和のためのクッション層と
しての役割も有している。一般に、プライマー層の塗布
量は、乾燥重量で0.05〜10g/m2 の範囲が適当
であり、0.1〜8g/m2 が好ましく、0.2〜5g
/m2 がより好ましい。
【0031】(第1層)前記第1層は、書き込みに使用
されるレーザー光を熱に変換(光熱変換)する機能を有
する層であり、かかる機能を有する公知の光熱変換材料
を含有する光熱変換層を該第1層として使用することが
できる。
【0032】前記光熱変換材料としては、従来、レーザ
ー光源を赤外線レーザーとした場合、赤外線吸収色素、
赤外線吸収顔料、赤外線吸収性金属、赤外線吸収金属酸
化物など書き込みのレーザーに使用する波長の光を吸収
する各種の有機材料及び無機材料が使用可能であること
が知られている。これらの光熱変換材料は、単独膜の形
態で、又はバインダー、添加剤など他の成分との混合膜
の形態で使用される。
【0033】前記単独膜の場合、アルミニウム、チタ
ン、テルル、クロム、錫、インジウム、ビスマス、亜
鉛、鉛等の金属及び合金、金属酸化物、金属炭化物、金
属窒化物、金属ホウ化物、金属ハロゲン化物、有機色素
などの光熱変換材料を、蒸着法、スパッタリング法等に
て前記支持体上に被覆すること等により、前記第1層を
形成させることができる。前記混合膜の場合、前記光熱
変換材料を溶解又は分散させて他の成分と共に、塗布法
にて塗設すること等により、前記第1層を形成すること
ができる。
【0034】−光熱変換材料− 前記光熱変換材料としては、有機顔料として、酸性カー
ボンブラック、塩基性カーボンブラック、中性カーボン
ブラックなど各種カーボンブラック、分散性改良等のた
めに表面修飾もしくは表面コートされた各種カーボンブ
ラック、ニグロシン類などが挙げられ、有機色素とし
て、「赤外増感色素」(松岡著 Plenum Press ,New Yor
k,NY(1990))、US4833124,EP−32192
3、US−4772583,US−4942141、U
S−4948776、US−4948777、US−4
948778、US−4950639、US−4912
083、US−4952552、US−5023229
等の明細書に記載の各種化合物などが挙げられ、金属若
しくは金属酸化物として、アルミニウム、インジウムス
ズ酸化物、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化チタ
ンなどが挙げられ、この他、ポリピロール、ポリアニリ
ン等の導電性ポリマーなどが挙げられる。
【0035】−バインダー− 前記第1層を混合膜として形成する場合、使用されるバ
インダーとしては、光熱変換材料を溶解又は分散する公
知のバインダーが使用される。前記バインダーの例とし
ては、ニトロセルロース、エチルセルロース等のセルロ
ース、セルロース誘導体類、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリブチルメタクリレート等のアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステルの単独重合体及び共重合体、
ポリスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノ
マーの単独重合体及び共重合体。イソプレン、スチレン
−ブタジエン等の各種合成ゴム類、ポリ酢酸ビニル等の
ビニルエステル類の単独重合体及び酢酸ビニル・塩化ビ
ニル等の共重合体、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエ
ステル、ポリカーボネート等の縮合系各種ポリマー及
び、「J. Imaging Sci.,P59-64 ,30(2), (1986)(Frech
etら)」や「Polymers in Electronics (Symposium S
eries,P11, 242, T.Davidson,Ed., ACS Washington,DC
(1984)(Ito,Willson)」、「Microelectronic Enginee
ring,P3-10,13(1991)(E. Reichmanis,L.F.Thompso
n)」に記載のいわゆる「化学増幅系」に使用されるバ
インダー、などが使用可能である。
【0036】−添加剤− 前記第1層を混合膜として形成する場合、前記光熱変換
材料及び前記バインダー以外に、添加剤を用いることが
できる。該添加剤は、第1層の機械的強度を向上させた
り、レーザー記録感度を向上させたり、光熱変換層中の
分散物の分散性を向上させたり、前記支持体や前記プラ
イマー層等の隣接する層に対する密着性を向上させるな
ど種々の目的に応じて添加される。
【0037】例えば、第1層の機械的強度を向上させる
ために第1層を架橋する手段が考えられ、この場合、前
記添加剤として各種の架橋剤が添加される。また、レー
ザー記録感度を向上させるために加熱により分解しガス
を発生する公知の化合物を前記添加剤として添加するこ
とができる。この場合、第1層の急激な体積膨張により
レーザー記録感度が向上できる。これらの添加剤として
は、例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、
N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタル
アミド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、4、4−
オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジアミ
ドベンゼン等を使用することができる。
【0038】また、加熱により分解し酸性化合物を生成
する公知の化合物を前記添加剤として使用することがで
きる。これらを化学増幅系のバインダーと併用すること
により、第1層の構成物質の分解温度を大きく低下さ
せ、結果としてレーザー記録感度を向上させることが可
能である。これらの添加剤としては、例えば、各種のヨ
ードニウム塩、スルフォニウム塩、フォスフォニウムト
シレート、オキシムスルフォネート、ジカルボジイミド
スルフォネート、トリアジンなどを使用することができ
る。
【0039】前記光熱変換材料にカーボンブラックなど
の顔料を用いた場合には、顔料の分散度がレーザー記録
感度に影響を与えることがあり、各種の顔料分散剤を添
加剤として使用される。接着性を向上させるために公知
の密着改良剤(例えば、シランカップリング剤、チタネ
ートカップリング剤等)を前記添加剤として添加しても
よい。この他にも、塗布性を改良するための界面活性剤
など必要に応じて各種の添加剤が使用される。
【0040】−厚み− 蒸着法、スパッタリング法等にて薄膜に形成される単独
膜としての前記第1層の厚みは、通常50Å〜1000
Å程度であり、100Å〜800Åが好ましい。塗布等
により形成される混合膜としての第1層の厚みは、通常
0.05μm〜10μm程度であり、0.1μm〜5μ
mが好ましい。前記第1層の厚みが厚すぎると、レーザ
ー記録感度の低下など好ましくない結果を与える。
【0041】(第2層)前記第2層は、インク反発性の
表面を有する層であり、従来から公知のインク反発性の
表面を有するものを該第2層として使用することができ
る。従来から公知のインク反発性の表面に好適な物質と
しては、低表面エネルギーを有する物質としてのフッ素
化合物又はシリコーン化合物が知られている。これらの
中でも、特にシリコーンゴム(シリコーンエラストマ
ー)は、水なし平版のインク反発層としての前記第2層
に好適に用いられる。
【0042】前記シリコーンゴムは、大別して、縮合
型シリコーンゴム、付加型シリコーンゴム、放射線
硬化型シリコーンゴムの3種に分類されるが、本発明に
おける水なし平版の前記第2層のシリコーンゴムとして
は、これら総ての従来から公知の各種のシリコーンゴム
を使用することができる。
【0043】前記縮合型シリコーンゴムによる第2層
は、下記組成物Aを硬化して形成した皮膜である。 −組成物A− (a)ジオルガノポリシロキサン・・・・・・・・・・・・100重量部 (b)縮合型架橋剤・・・・・・・・・・・・・・・・・3〜70重量部 (c)触媒・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.01〜40重量部
【0044】前記(a)ジオルガノポリシロキサンは、
下記一般式で示されるような繰り返し単位を有するポリ
マーである。
【0045】
【化1】
【0046】上記一般式において、R1 及びR2 は、炭
素数1〜10のアルキル基、ビニル基、アリール基を表
し、これらは、適当な置換基を有していてもよい。一般
的には、R1 及びR2 の60%以上が、メチル基、ハロ
ゲン化ビニル基、ハロゲン化フェニル基などであるのが
好ましい。
【0047】本発明においては、前記(a)ジオルガノ
ポリシロキサンの中でも、両末端に水酸基を有するもの
が好ましい。また、前記(a)ジオルガノポリシロキサ
ンの数平均分子量としては、通常、3,000〜10
0,000であり、10,000〜70,000が好ま
しい。
【0048】前記(b)縮合型架橋剤は、縮合型のもの
であればいずれであってもよいが、次の一般式で表され
るものが好ましい。 R1m・Si・Xn (但し、m+n=4、nは2以上) ここで、R1 は、先に説明したR1 と同じ意味である。
Xは、Cl、Br、I等のハロゲン、H、−OH、−O
COR3 、−OR3 、−O−N=C(R4 )(R5 )、
−N(R4 )(R5 )などの有機置換基を表す。ここ
で、R3 は、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6
〜20のアリール基を表す。R4 及びR5 は、炭素数1
〜10のアルキル基を表す。
【0049】前記(c)触媒は、錫、亜鉛、鉛、カルシ
ウム、マンガン等の金属カルボン酸塩、具体的には、ラ
ウリン酸ジブチル、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛など、
あるいは塩化白金酸などの公知の触媒が挙げられる。
【0050】前記付加型シリコーンゴムによる第2層
は、下記組成物Bを硬化して形成した皮膜である。 −組成物B− (d)付加反応性官能基を有するジオルガノポリシロキサン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・100重量部 (e)オルガノハイドロジェンポリシロキサン・・・0.1〜25重量部 (f)付加触媒・・・・・・・・・・・・・・0.00001〜1重量部
【0051】前記(d)付加反応性官能基を有するジオ
ルガノポリシロキサンとは、1分子中にケイ素原子に直
接結合したアルケニル基(より好ましくはビニル基)を
少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンであり、
該アルケニル基は分子の末端、中間のいずれにあっても
よく、該アルケニル基以外の有機基としては、置換もし
くは非置換の炭素数1〜10のアルキル基又はアリール
基が挙げられる。本発明においては、前記(d)付加反
応性官能基を有するジオルガノポリシロキサンは、水酸
基を微量有していてもよい。前記(d)の数平均分子量
としては、通常3,000〜100,000程度であ
り、10,000〜70,000が好ましい。
【0052】前記(e)オルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンとしては、例えば、両末端水素基のポリジメチ
ルシロキサン、α、ω−ジメチルポリシロキサン、両末
端メチル基の(メチルシロキサン)(ジメチルシロキサ
ン)共重合体、環状ポリメチルシロキサン、両末端トリ
メチルシリル基のポリメチルシロキサン、両末端トリメ
チルシリル基のジメチルシロキサン)(メチルシロキサ
ン)共重合体などが挙げられる。
【0053】前記(f)付加触媒としては、公知のもの
の中から任意に選択することができるが、特に白金系の
化合物が好ましく、白金単体、塩化白金、塩化白金酸、
オレフィン配位白金などが好的に挙げられる。
【0054】本発明においては、組成物Bの硬化速度を
制御する目的で、テトラシクロ(メチルビニル)シロキ
サンなどのビニル基含有のオルガノポリシロキサン、炭
素−炭素三重結合含有のアルコ−ル、アセトン、メチル
エチルケトン、メタノ−ル、エタノ−ル、プロピレング
リコ−ルモノメチルエ−テルなどの架橋抑制剤を添加す
ることも可能である。
【0055】前記放射線硬化型シリコーンゴムによる
第2層は、放射線照射により重合可能な官能基を有する
シリコーンベースポリマーの放射線による架橋反応によ
り硬化して形成した皮膜であり、ベースポリマーを開始
剤と共に溶解した液をコーティング液とし、塗布後に、
全面放射線露光することで形成することができる。通
常、アクリル系の官能基を有するベースポリマーを使用
し、紫外線照射により架橋を形成する。
【0056】これらのシリコーンゴムについては、「R
&DレポートNo.22 シリコーンの最新応用技術」
(CMC発行、1982年)、特公昭56−2315
0、特開平3−15553、特公平5−1934号公報
などに詳述されている。前記シリコーンゴムによる第2
層は、前記第1層上に、直接もしくは他の層を介して塗
設される。なお、前記シリコーンゴムによる前記第2層
には必要に応じて、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタ
ンなどの無機物の微粉末、シランカップリング剤、チタ
ネート系カップリング剤やアルミニウム系カップリング
剤などの接着助剤や光重合開始剤を添加してもよい。
【0057】前記シリコーンゴムによる前記第2層の厚
みが薄いと、インキ反撥性が低下し、傷が入りやすい等
の問題があり、該厚みが厚いと、現像性が悪くなる等の
問題があることから、該厚みとしては、通常0.3〜1
0μm程度であり、0.5〜5μmが好ましく、1〜3
μmがより好ましい。
【0058】ここに説明した水なし原版においては、前
記シリコーンゴム等による前記第2層上に、更に種々の
シリコーンゴム層等を塗工してもよい。更に、前記シリ
コーンゴム等による前記第2層の表面保護のために、該
第2層上に、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデン、ポリビニルアルコ
ール、ポリエチレンテレフタレート、セロファン等によ
る透明なフィルムをラミネートしたり、ポリマーをコー
ティングしてもよい。これらのフィルムは、延伸して用
いてもよい。また、前記第2層の表面にマット加工を施
してもよいが、マット加工のないものの方が本発明では
好ましい。
【0059】上記のように本発明によると、水なし平版
印刷版を形成する際、レーザー露光部のインク反発性の
第2層の除去を、レーザー照射後に、該第2層の表面に
対する接触角が90度以上の液体を用いて、該第2層表
面を擦る第1の擦り工程と、該第2層の表面に対する接
触角が90度未満の液体を用いて、該第2層の表面を擦
る第2の擦り工程との2つの擦り工程により行うため、
レーザー露光部のインク反発性の第2層の除去を確実に
行うことができ、かつ印刷性能に問題となる版面上の付
着カスを取り除くことができる。
【0060】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、本発明
は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0061】(実施例1) −カーボンブラック分散液の調製− 下記の混合液をペイントシェーカーを用いて30分間、
分散させた後、ガラスビーズをろ別し、カーボンブラッ
ク分散液を調製した。 カーボンブラック(#40、三菱化学(株)製)・・・・・5.0g クリスボン3006LV (大日本インキ化学工業(株)製ポリウレタン)・・・・4.0g ニトロセルロース(2−プロパノール30%含有、 重合度80、ナカライテスク製)・・・・・・・・・・・1.3g ソルスパースS27000(ICI社製)・・・・・・・・0.4g プロピレングリコールモノメチルエーテル・・・・・・・・ 45g ガラスビーズ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・160g
【0062】−第1層の形成− 表面をコロナ処理した厚み188μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルム(東洋紡(株)製、E5101)
の表面上に、下記の塗布液を乾燥厚みが2μmとなるよ
うに塗布し、乾燥して第1層を形成した。 上記カーボンブラック分散液・・・・・・・・・・・・・・ 55g ニトロセルロース(2−プロパノール30%含有、 重合度80、ナカライテスク製)・・・・・・・・・・・4.0g プロピレングリコールモノメチルエーテル・・・・・・・・ 45g
【0063】−第2層の形成− 下記の塗布液を前記第1層上に塗布し、加熱(110
℃、2分)し、乾燥することにより、乾燥厚みが2μm
となるように第2層を形成し、レーザー記録用の水なし
原版を得た。 α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン (重合度約700)・・・・・・・・・・・・・・・・9.00g (CH3)3-Si-O-(SiH(CH3)-O)8-Si(CH3)3・・・・・・・・・0.60g ポリジメチルシロキサン(重合度約8000)・・・・・0.50g オレフィン・塩化白金酸・・・・・・・・・・・・・・・0.08g 抑制剤[HC≡C-C(CH3)2-O-Si(CH3)3] ・・・・・・・・・0.07g アイソパーG(エッソ化学(株)製)・・・・・・・・・ 55g
【0064】<露光工程>得られたレーザー記録用の水
なし原版に、第2層側から、波長1064nm、ビーム
径40μm(1/e2)の半導体励起YAGレーザーを
用いて連続線の書き込みを行った。記録エネルギーは、
450mJ/cm2 とした。
【0065】<第1の擦り工程>その後、水道水を含ま
せた現像用パッドで、第2層の表面を、非画像部の第2
層に傷が付かない程度に擦り、レーザー露光部のインク
反発性の第2層の大部分を除去した。しかし、レーザー
露光部より除去したインク反発性の第2層のカスが、非
画像部のインク反発性の第2層、あるいは第2層が除去
された画像部上に付着した。また、レーザー露光部のイ
ンク反発性の第2層の一部は、除去されずに残存した。
用いた水道水の第2層の表面に対する接触角は、108
度であった。前記接触角の測定は、協和界面科学(株)
製接触角計CA−A型を用い、25℃の室温下、空中液
滴法により行った(以下における接触角の測定も同様に
行った。)
【0066】<第2の擦り工程>次いで、下記組成1の
水溶液を含ませた現像用パッドで、第2層の表面を擦っ
た。下記組成の水溶液の第2層の表面に対する接触角
は、54度であった。 −水溶液の組成1− エマルゲン911(花王アトラス(株)製、 ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル)・・・・ 1g 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・199g
【0067】その結果、版面上に付着したインク反発性
の第2層のカス及び除去されずに残存したレーザー露光
部のインク反発性の第2層を版面上から完全に除去する
ことができ、シャープなエッジの画像を該第2層に形成
できた。
【0068】また、水なし原版を出力110mW、波長
830nm、ビーム径10μm(1/e2)の半導体レ
ーザーを用いて、主走査速度5m/秒にて、第2層側か
ら、書き込みを行った後、同様の現像処理を行ったとこ
ろ、解像力は8μmでシャープなエッジの水なし平版印
刷版を形成することができた。この記録条件及び同様の
現像処理にて、200線の網点形成を行ったところ網点
面積率2%〜98%までの画像を版上に形成することが
できた。このようにして画像が形成された水なし平版印
刷版を、印刷機を用いて印刷に供したところ、非画像部
の汚れ及び画像部のすぬけのない良好な印刷物が連続し
て2万枚得られた。
【0069】(実施例2)実施例1において、前記第1
の擦り工程及び前記第2の擦り工程を、以下の通りに変
更した外は、実施例1と同様にした。
【0070】<第1の擦り工程>エチレングリコールを
含ませた現像用パッドで第2層の表面を、非画像部の第
2層に傷が付かない程度に擦り、レーザー露光部のイン
ク反発性の第2層の大部分を除去した。
【0071】該第1の擦り工程の終了後において、レー
ザー露光部より除去したインク反発性第2層のカスが、
非画像部のインク反発性第2層、あるいは第2層が除去
された画像部上に付着した。さらに、レーザー露光部の
インク反発性第2層の一部が除去されず残存した。な
お、エチレングリコールの第2層の表面に対する接触角
は、92度であった。
【0072】<第2の擦り工程>次いで、下記組成2の
水溶液を含ませた現像用パッドで、第2層の表面を擦っ
た。下記水溶液の第2層表面に対する接触角は、48度
であった。 −水溶液の組成2− アミート105(花王アトラス(株)製、 ポリオキシエチレンアルキルアミン)・・・・・・・・・ 1g 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・199g
【0073】その結果、版面上に付着したインク反発性
の第2層のカス及び除去されずに残存したレーザー露光
部のインク反発性の第2層を版面上から完全に除去する
ことができ、シャープなエッジの画像を該第2層に形成
できた。
【0074】得られた水なし原版を、実施例1と全く同
様にして、半導体レーザーを用いて書き込みを行った
後、同様の現像処理を行ったところ、解像力は8μmで
シャープなエッジの水なし平版印刷版が形成された。こ
の記録条件及び同様の現像処理にて、200線の網点形
成を行ったところ、網点面積率2%〜98%までの画像
が版上に形成できた。このようにして画像が形成された
水なし平版印刷版を、印刷機を用いて印刷に供したとこ
ろ、非画像部の汚れ及び画像部のすぬけのない良好な印
刷物が連続して2万枚得られた。
【0075】(比較例1)実施例1において、前記第1
の擦り工程及び前記第2の擦り工程を以下の通りに変更
した。即ち、前記組成1の水溶液を含ませた現像用パッ
ドを用いて、第2層の表面を非画像部の第2層に傷が付
かない程度に擦った。すると、レーザー露光部のインク
反発性の第2層の大部分が除去されずに残存し、現像不
良となった。そこで、更にレーザー露光部のインク反発
性の第2層を完全に除去するまで、上記現像用パッドを
用いて第2層表面を擦ったところ、非画像部の第2層の
表面に傷が付いた。このようにして得られた比較例1の
水なし平版を、印刷機を用いて印刷に供したところ、非
画像部の傷の部分に、インクが着肉し、汚れのある印刷
物が得られた。
【0076】(比較例2)実施例2において、前記第1
の擦り工程及び前記第2の擦り工程を以下の通りに変更
した。即ち、前記組成2の水溶液を含ませた現像用パッ
ドを用いて、第2層の表面を非画像部の第2層に傷が付
かない程度に擦った。すると、レーザー露光部のインク
反発性の第2層の大部分が除去されずに残存し、現像不
良となった。そこで、更にレーザー露光部のインク反発
性の第2層を完全に除去するまで、上記現像用パッドを
用いて第2層表面を擦ったところ、非画像部の第2層の
表面に傷が付いた。このようにして得られた比較例2の
水なし平版を、印刷機を用いて印刷に供したところ、非
画像部の傷の部分に、インクが着肉し、汚れのある印刷
物が得られた。
【0077】(実施例3)以下のような水なし原版を得
た。厚み100μmのポリエチレンテレフタレート支持
体上に、下記組成のプライマー層塗布液を塗布し、加熱
(100℃、1分)し、乾燥することにより、乾燥厚み
が0.2μmのプライマー層を形成した。 −プライマー層塗布液− 下記化2で表される塩素化ポリエチレン・・・・・・・・・1.0g (但し、化2において、y=1.7,n=200である。)
【0078】
【化2】
【0079】 メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10g シクロヘキサン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100g
【0080】次に、前記プライマー層を形成したポリエ
チレンテレフタレート支持体上に、蒸着真空度5×10
-5Torrの条件下、Tiを抵抗加熱により蒸着し、第
1層を形成した。第1層の厚みは200Åであり、光学
濃度は0.6であった。
【0081】次に、下記の塗布液を作成し、上記第1層
上に塗布し、加熱(110℃、1分)し、乾燥すること
により、乾燥厚みが2μmのシリコーンゴムによる第2
層を形成した。 α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン(重合度約900) ・・・・・・・・・・・・・・・9.00g メチルトリアセトキシシラン・・・・・・・・・・・・・1.00g ジメチルジアセトキシシラン・・・・・・・・・・・・・1.00g オクチル酸ジブチルスズ・・・・・・・・・・・・・・・0.01g アイソパーG(エッソ化学(株)製)・・・・・・・・・ 120g
【0082】上記のようにして得られたシリコーンゴム
による第2層の表面に6μmのポリエチレンテレフタレ
ートをカバーフィルムとしてラミネートし、水なし原版
を得た。
【0083】<露光工程>得られた水なし原版のカバー
フィルムを剥離した後、第2層側から、波長1064n
m、ビーム径40μm(1/e2)の半導体励起YAG
レーザーを用いて連続線の書き込みを行った。記録エネ
ルギーは450mJ/cm2 とした。
【0084】<第1の擦り工程>その後、水道水を含ま
せた現像用パッドで、第2層の表面を、非画像部の第2
層に傷が付かない程度に擦り、レーザー露光部のインク
反発性第2層の大部分を除去した。その結果、レーザー
露光部より除去したインク反発性の第2層のカスが、非
画像部のインク反発性の第2層、あるいは第2層が除去
された画像部上に付着した。また、レーザー露光部のイ
ンク反発性の第2層の一部が除去されず残存した。な
お、水道水の第2層の表面に対する接触角は、111度
であった。
【0085】<第2の擦り工程>次いで、下記組成3の
水溶液を含ませた現像用パッドで、第2層の表面を擦っ
た。なお、下記水溶液の第2層表面に対する接触角は、
50度であった。 −水溶液の組成3− ペレックスOT−P(花王アトラス(株)製、 ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム)・・・・・・・0.85g KS502(信越化学(株)製、シリコーン系消泡剤)・0.02g 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 200g その結果、版面上に付着したインク反発性の第2層のカ
ス及び除去されずに残存したレーザー露光部のインク反
発性の第2層を、版面上から完全に除去することがで
き、シャープなエッジの画像を第2層に形成することが
できた。
【0086】また、水なし原版を出力110mW、波長
830nm、ビーム径10μm(1/e2)の半導体レ
ーザーを用いて、主走査速度5m/秒にて、第2層側か
ら、書き込みを行った後、同様の現像処理を行ったとこ
ろ、解像力は7μmでシャープなエッジの水なし平版印
刷版が形成された。
【0087】この記録条件及び同様の現像処理にて、2
00線の網点形成を行ったところ、網点面積率2%〜9
8%までの画像が版上に形成できた。このようにして画
像が形成された水なし平版印刷版を、印刷機を用いて印
刷に供したところ、非画像部の汚れ及び画像部のすぬけ
のない良好な印刷物が連続して2万枚得られた。
【0088】(実施例4)実施例3において、第1の擦
り工程及び第2の擦り工程を以下の通りに変更した外
は、実施例3と同様にした。 <第1の擦り工程>下記組成4の水溶液を含ませた現像
用パッドで、第2層の表面を、非画像部の第2層に傷が
付かない程度に擦り、レーザー露光部のインク反発性の
第2層の大部分を除去した。 −水溶液の組成4− デモールNL(花王アトラス(株)製、 ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物)・・・・・・・ 4g 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・196g その結果、レーザー露光部より除去したインク反発性の
第2層のカスが、非画像部のインク反発性の第2層、あ
るいは第2層が除去された画像部上に付着した。更にレ
ーザー露光部のインク反発性の第2層の一部が除去され
ず残存した。なお、上記水溶液の第2層の表面に対する
接触角は、104度であった。
【0089】<第2の擦り工程>次いで、下記組成5の
水溶液を含ませた現像用パッドで、第2層の表面を擦っ
た。なお、下記水溶液の第2層の表面に対する接触角
は、54度であった。 −水溶液の組成5− DBE−821(チッソ(株)製、ジメチルシロキサン− ポリエチレンオキシドブロックコポリマー・・・・・・・0.4g 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・199.6g その結果、版面上に付着したインク反発性の第2層のカ
ス及び除去されずに残存したレーザー露光部のインク反
発性の第2層を版面上から完全に除去することができ、
シャープなエッジの画像を第2層に形成することができ
た。
【0090】また、水なし原版を実施例3と全く同様
に、半導体レーザーを用いて書き込みを行った後、同様
の現像処理を行ったところ、解像力は7μmでシャープ
なエッジの水なし平版印刷版が形成された。
【0091】この記録条件及び同様の現像処理にて、2
00線の網点形成を行ったところ網点面積率2%〜98
%までの画像が版上に形成できた。このようにして画像
が形成された水なし平版印刷版を、印刷機を用いて印刷
に供したところ、非画像部の汚れ及び画像部のすぬけの
ない良好な印刷物が連続して2万枚得られた。
【0092】(比較例3)実施例3において、前記第1
の擦り工程及び前記第2の擦り工程を以下の通りに変更
した。即ち、前記組成3の水溶液を含ませた現像用パッ
ドを用いて、第2層の表面を非画像部の第2層に傷が付
かない程度に擦った。すると、レーザー露光部のインク
反発性の第2層の大部分が除去されずに残存し、現像不
良となった。そこで、更にレーザー露光部のインク反発
性の第2層を完全に除去するまで、上記現像用パッドを
用いて第2層表面を擦ったところ、非画像部の第2層の
表面に傷が付いた。このようにして得られた比較例3の
水なし平版を、印刷機を用いて印刷に供したところ、非
画像部の傷の部分に、インクが着肉し、汚れのある印刷
物が得られた。
【0093】(比較例4)実施例4において、前記第1
の擦り工程及び前記第2の擦り工程を以下の通りに変更
した。即ち、前記組成4の水溶液を含ませた現像用パッ
ドを用いて、第2層の表面を非画像部の第2層に傷が付
かない程度に擦った。すると、レーザー露光部のインク
反発性の第2層の大部分が除去されずに残存し、現像不
良となった。そこで、更にレーザー露光部のインク反発
性の第2層を完全に除去するまで、上記現像用パッドを
用いて第2層表面を擦ったところ、非画像部の第2層の
表面に傷が付いた。このようにして得られた比較例4の
水なし平版を、印刷機を用いて印刷に供したところ、非
画像部の傷の部分に、インクが着肉し、汚れのある印刷
物が得られた。
【0094】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解決することができる。また、本発明によると、レ
ーザー記録でき、露光部のインク反発性層の除去性能と
印刷性能を満足する水なし平版印刷版の形成方法を提供
することができる。また、本発明によると、露光部シリ
コーン層除去によるシリコーン画像形成の際に、印刷時
に問題となる非画像部の汚れ及び画像部のすぬけの原因
となる物質が水なし平版の版面に残存しない、水なし平
版印刷版の形成方法を提供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザー光を熱に変換する第1層及びイ
    ンキ反発性の表面を有する第2層を支持体上にこの順に
    積層してなる水なし平版印刷原版に対し、該第1層が吸
    収可能なレーザー光を照射し画像露光する工程、該第2
    層の表面に対する接触角が90度以上の液体の存在下で
    該第2層の表面を擦り該第2層におけるレーザー照射部
    の少なくとも一部を除去する第1の擦り工程、及び、該
    第2層の表面に対する接触角が90度未満の液体の存在
    下で該第2層の表面を擦る第2の擦り工程を含むことを
    特徴とする水なし平版印刷版の形成方法。
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