JP3747109B2 - 水なし平版印刷版の形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー光を使用したヒートモード記録による、湿し水を必要としない平版印刷版(以下、水なし平版印刷版という)を形成する方法に関する。
なお、本明細書中では、水なし平版印刷原版(もしくは水なし原版)とはインク受容部と非インク受容部の画像パターンが形成されていない状態の画像記録する前の版材を意味し、水なし平版印刷版(もしくは水なし平版)とはインク受容部と非インク受容部の画像パターンが形成されており、そのまま印刷にかけられる版材を意味する。
【0002】
【従来の技術】
印刷を行うための印刷版の手法には、活版印刷、グラビア印刷および平版オフセット印刷などが伝統的な手法として知られている。近年、特殊な分野を除いては平版を用いる印刷が増加している。この平版オフセット印刷においては、プレート表面の親水性、親油性の画像パターンを形成し湿し水を用いる水あり平版と、プレート表面にインキ反発性、インキ受容性の画像パターンを形成し湿し水を用いない水なし平版とが知られている。このうち水なし平版は、湿し水を用いないため、印刷作業に熟練を要せず、また、インキ濃度が印刷初期から安定し損紙が少なく少部数の印刷を行う場合にも経済的であるなど水あり平版に対して有利な特徴を持っている。
一方、コンピューター技術の進展により、従来手作業で行われていた印刷の前工程である製版工程がデジタル化され、印刷の画像がデジタルデーター化されてきている。このデジタルデーターからリスフイルムを介さず直接印刷版材料を形成する技術(コンピューター・ツー・プレート技術)が近年進展してきている。しかしこれらの技術は、水あり平版を形成するものが多く提供されているが、水なし平版を形成できるものはほとんど知られていないのが実状である。
【0003】
レーザー書き込みにより水なし平版を形成できる例としては、特公昭42−21879号公報に開示されており、インキ反発性のシリコーン層をレーザー照射により一部除去してインク付着性とし、水なし印刷することが記載されている。しかし、レーザー照射部のシリコーンが版面全体に飛散し印刷時に不都合を起こしたり、レーザー照射だけではシリコーン層が十分除去されないため、印刷が進むに従ってインキ付着部の面積が増大する(ドットゲインする)などの問題があった。
さらに、特開昭50−158405号公報には、シリコーンゴム表面層を有する印刷原版に赤外光レーザーであるYAGレーザーを照射し、溶剤(ナフサ)処理によりレーザー照射部を除去して水なし平版を形成する方法が開示されている。また、EP−0573091Bには、シリコーンゴム表面層を有する版材にYAGレーザーを照射した後、無溶媒のドライ条件下で擦りとるか、シリコーンゴムを膨潤させない溶剤を与えながら擦りにより除去して水なし版を形成する方法が開示されている。
しかし、これらの方法においては、レーザー露光部シリコーンゴム除去の際の擦りにより、非画像部シリコーンゴムに傷が入る虞があるため、小点や細線を確実に再現(小点や細線上のシリコーンゴムを除去)することは困難であった。
【0004】
また、レーザーを用いて、パターンを露光するには、レーザービーム径(1/e2 )に対し、副走査のピッチを充分小さく(通常、レーザービーム径の半値程度)し、ラインが重なるように露光するのが一般的である。
本発明が対象とする支持体上にレーザー光を熱に変換する層(第1層)、インキ反発性の表面を有する層(第2層)をこの順に積層してなるヒートモード記録の水なし平版印刷原版の場合、レーザー露光部の第1層は、レーザー光を吸収して光を熱に変換することで、急速に昇温し、第1層と第2層の密着性において化学的あるいは物理的変化を引き起こす。従って、レーザー露光部の第1層が到達する温度がレーザー光を利用するヒートモード記録では重要である。しかし、レーザー露光による発熱は、速やかに散逸するため、レーザービームの重なり部分においても、最初の走査による露光の熱エネルギーと次の走査による露光の熱エネルギーは積算されにくい。その結果、レーザー露光条件によっては、レーザービームの重なり部分においても、充分な発熱が得られず、第1層と第2層の密着力が充分に低下せず、従来の第2層除去工程では、現像不良になることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、レーザーにより水なし版を形成する方法は、従来いくつか提案されているが、露光部シリコーン層の除去性能(現像性)を満足するには至っていない。
本発明の目的は、レーザー記録でき、露光部のインク反発性層の除去性能、特に、小点及び細線部の除去性能を満足する水なし平版印刷版の形成法を提供することにある。
また、本発明の目的は、第2層除去工程において、従来の水なし平版印刷版ではレーザービームの重なり部分においても現像不良を生じるような露光条件でも、現像不良を防ぐことができ、結果として、副走査ピッチ幅あるいは主走査書き込み速度等のレーザー露光条件のラチチュードを広げることができる水なし平版印刷版の形成法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、レーザー書き込みできる水なし平版印刷版の作成方法について鋭意検討を行った結果、上記の目的は、下記の印刷版の形成方法により達成されることを見いだした。
即ち、支持体上にレーザー光を熱に変換する層(第1層)、インキ反発性の表面を有する層(第2層)をこの順に積層してなる水なし平版印刷原版をレーザー露光した後、第2層表面を擦ることにより、レーザー露光部の第2層を物理的に除去して、水なし平版印刷版を形成する方法において、レーザー露光の主走査方向に対し、平行方向(レーザー主走査方向と同一及び/又は反対方向)に、第2層表面を擦ることを特徴とする水なし平版印刷版を形成する方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において使用される水なし原版は、レーザー光を熱に変換する層(第1層)とインク反発性の表面を有する層(第2層)を支持体上に設けてなるものである。第1層は支持体とインク反発性の第2層との間に形成されている。
印刷原版にレーザー光が照射されると、第1層でレーザーエネルギーが吸収され、光を熱に変換する第1層はレーザー照射と同時に急速に昇温し、第1層の一部もしくは全体の燃焼、融解、分解、気化、爆発等の化学反応や物理変化を起こし、これにより、結果として支持体とインク反発性の第2層の間のいずれかの部分で密着性が低下する。レーザーを照射した区域のみでこのような密着性の低下が生じるため、インク反発性物質を選択的に除去できる。
【0008】
本発明においては水なし原版を露光するのにレーザー光が使用される。使用されるレーザーは第2層が除去されるのに十分な密着力の低下が起きるのに必要な露光量を与えるものであれば特に制限はなく、Arレーザー、炭酸ガスレーザーのごときガスレーザー、YAGレーザーのような固体レーザー、そして半導体レーザーなどが使用できる。通常出力が100mWクラス以上のレーザーが必要となる。保守性、価格などの実用的な面からは、半導体レーザーおよび半導体励起の固体レーザー(YAGレーザーなど)が好適に使用される。
これらのレーザーの記録波長は赤外線の波長領域であり、800nmから1100nmの発振波長を通常利用する。レーザーのビーム径は、通常5〜200μm(1/e2 )である。
レーザー照射は、水なし原版の第2層側から照射することが好ましいが、支持体が、照射レーザー光に対し透明な場合には、支持体側から照射することもできる。
また、特開平6−186750号公報に記載されているイメージング装置を用いて露光することも可能である。
【0009】
本発明では、レーザー露光部の密着性の低下を利用して、レーザー露光部のインク反発性物質を選択的に除去することにより、インク受容性部を露出させ水なし平版印刷版を形成する。本発明におけるレーザー露光部のインク反発性第2層除去は、レーザー露光後に、インク反発性第2層表面を擦ることにより物理的に行われ、この擦り工程において、レーザー露光の主走査方向に対し、平行方向(レーザー主走査方向と同一及び/又は反対方向)に、第2層表面を擦ることを特徴とする。
インク反発性第2層の表面を擦ることにより、物理的にレーザー露光部のインク反発性第2層を除去する場合、まず、インク反発性第2層に亀裂が生じ、そこから剥離が始まる。
【0010】
擦り工程において、第2層表面を、レーザー露光の主走査方向に対し、平行方向(レーザー主走査方向と同一及び/又は反対方向)に擦る場合と直角方向に擦る場合とを比較すると、直角方向に擦る場合には、第2層に亀裂が細かく入り小断片となるのに対し、平行方向に擦る場合には、亀裂は少なく、第2層はより大きな断片となるため、レーザー露光部を効率的に除去することができる。これは、書き込まれたレーザー画像の走査線の中心部から端部の幅方向にかけて、第2層の下層に対する密着力の低下の程度に差がある(端部に向かって、密着力低下の程度が小さい)ためと考えられる。
このため、レーザーにより画像を露光した後、インク反発性第2層の表面を、レーザー露光の主走査方向に対し、平行方向(レーザー主走査方向と同一及び/又は反対方向)に擦ることにより、小点及び細線画像部の第2層を効率的かつ確実に除去することができる。さらに、従来の方法ではレーザービームの重なり部分においても第2層の密着力低下が十分ではなく現像不良を生じるような場合でも、第2層を確実に除去することができる。
【0011】
尚、本発明におけるレーザー露光の主走査方向に対する平行方向とは、水なし原版上に書き込まれたレーザー画像の走査線に、できるだけ沿った方向を意味し、特に、主走査方向に対し、時計回り又は反時計回りに0〜15°又は180〜195°の範囲の方向であることが好ましい。
インク反発性第2層表面の擦りは、液体を使用しても、しなくても良いが、液体を使用しない方が、露光部のインク反発性第2層を除去する効率が良い。しかしながら、液体を使用しないで第2層表面を擦ると、露光部より除去したインク反発性第2層のカスが、非画像部のインク反発性第2層、あるいは、第2層が除去された画像部上に付着し易く、さらに、非画像部のインク反発性第2層に傷が付きやすい。この場合には、下記に示した液体を用いて擦ることが好ましい。擦り方法は、例えば、その液体を含む現像用パッドで版面を擦ったり、液体を版面に注いだ後にブラシで擦ったり、あるいは、版を液中に浸漬し、版面を液中においてブラシ又はパッドで擦るなど、公知の方法で行うことができる。液体使用の場合の液体の温度は、任意の温度で使用できるが、好ましくは10℃〜50℃である。
【0012】
本発明において、レーザー露光部のインク反発性第2層除去のために、版面を擦る際に用いる液体としては、水なし平版印刷版の現像液として公知のものが使用できる。安全性の観点から、水、界面活性剤の水溶液、あるいは、水を主成分とする水溶性有機溶剤の水溶液が好ましい。安全性および引火性等を考慮すると水溶性溶剤の濃度は40重量%未満が望ましい。公知のものとしては、例えば脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、“アイソパーE、H、G”(エッソ化学(株)製)あるいはガソリン、灯油等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、あるいはハロゲン化炭化水素(トリクレン等)に下記の極性溶媒を添加したものや極性溶媒そのものが挙げられる。
【0013】
・アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール等)
・ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)
・エステル類(酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジエチルフタレート等)
・その他(トリエチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート等)
また、上記有機溶剤系現像液に水を添加したり、上記有機溶剤を界面活性剤等を用いて水に可溶化したものや、更にその上にアルカリ剤(例えば、炭酸ナトリウム、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム等)を添加したものや単に水(水道水、純水、蒸留水等)等が挙げられる。
【0014】
さらに、本発明のレーザー露光部の第2層除去処理及び/又はそれに続く水洗、乾燥処理は、自動処理機で行うこともできる。
本発明において、第2層表面を一定方向に擦ることが重要であり、第2層表面を一定方向に擦る手段としては、回転軸の固定されたブラシロールを用いることが適しており、この回転ブラシロールを用いて擦りを行う自動処理機の好ましいものは、特開平2−220061や特開昭60−59351に記載されている。図1に、本発明の第2層除去処理に適した自動処理機の1例を示した。
但し、本発明の第2層除去方法においては、レーザー露光後の水なし平版印刷原版をレーザー露光の主走査方向に対し、同一又は反対方向に搬送し、搬送方向に対し同一又は反対方向に回転するブラシロールが少なくとも1本必要である。また、2本以上のブラシロールを用いる場合は、搬送方向に対し同一方向に回転するブラシロールと搬送方向に対し反対方向に回転するブラシを少なくとも1本ずつ用いて第2層表面を擦ることが好ましい。さらに、ブラシロールの少なくとも1本は、ブラシロールの回転軸に対して、往復運動して第2層表面を擦ることが好ましい。
【0015】
使用できる回転ブラシロールは、レーザー露光部第2層の除去性能及び未露光部第2層表面の傷付き難さ、さらには、水なし印刷原版の支持体の腰の強さ等を考慮し、適宜選択することができる。
上記回転ブラシロールとしては、ブラシ素材をプラスチック又は金属のロールに植え付けて形成された公知のものが使用できる。例えば、特開昭58−159533や、特開平3−100554記載のものや、実公昭62−167253に記載されているような、ブラシ素材を列状に植え込んだ金属又はプラスチックの溝型材を芯となるプラスチック又は金属のロールに隙間なく放射状に巻き付けたブラシロールが使用できる。
また、ブラシ素材としては、プラスチック繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロン6.6、ナイロン6.10等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル等のポリアクリル系、及び、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系の合成繊維)を使用することができる。
本発明の回転ブラシロールを用いて第2層表面を擦る方法において、レーザー露光部の第2層を効率的に除去するためには、ブラシの毛の腰及び、レーザー走査線の幅(即ち、レーザービーム径)に対するブラシの毛の太さを好適に選択することが重要であり、本発明におけるブラシ素材の繊維の毛の直径としては、20〜400μm、毛の長さとしては、5〜30mmであることが最も好ましい。
さらに、回転ブラシロールの外径は、30〜200mmが好ましく、第2層表面を擦るブラシの先端の周速は、0.1〜5m/secが好ましい。
【0016】
以下、本発明において用いる水なし平版印刷原板について説明する。
(支持体)
本発明において支持体としては、通常オフセット印刷に用いられる公知の金属、プラスチックフイルム、紙およびこれらの複合化された形態のすべての支持体が使用できる。用いる印刷条件下で必要とされる機械的強度、耐伸び特性などの物理適性能を満たす必要があることは当然である。例としてはアルミニウムのような金属支持体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネートなどのプラスチック支持体、紙もしくは紙にポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックフイルムがラミネートされた複合シートなどを例示することができる。
支持体の膜厚は25μmから3mm、好ましくは75μmから500μmが適当であるが、用いる支持体の種類と印刷条件により最適な厚さは変動する。一般には100μmから300μmが最も好ましい。
【0017】
これらの支持体は、支持体上に形成される第1層など隣接する層との密着性向上、印刷特性向上または高感度化のために、支持体にコロナ処理等の表面処理を施したり、プライマー層を設けることができる。本発明に用いられるプライマー層としては、例えば、特開昭60−22903号公報に開示されているような種々の感光性ポリマーを感光性樹脂層を積層する前に露光して硬化せしめたもの、特開昭62−50760号公報に開示されているエポキシ樹脂を熱硬化せしめたもの、特開昭63−133151号公報に開示されているゼラチンを硬膜せしめたもの、更に特開平3−200965号公報に開示されているウレタン樹脂とシランカップリング剤を用いたものや特開平3−273248号公報に開示されているウレタン樹脂を用いたもの等を挙げることができる。この他、ゼラチンまたはカゼインを硬膜させたものも有効である。
【0018】
更に、前記のプライマー層中に、ポリウレタン、ポリアミド、スチレン/ブタジエンゴム、カルボキシ変性スチレン/ブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、カルボキシ変性アクリロニトリル/ブタジエンゴム、ポリイソプレン、アクリレートゴム、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ニトロセルロース、ハロゲン化ポリヒドロキシスチレン、塩化ゴム等のポリマーを添加しても良い。その添加割合は任意であり、フィルム層を形成できる範囲内であれば、添加剤だけでプライマー層を形成しても良い。また、これらのプライマー層には接着助剤(例えば、重合性モノマー、ジアゾ樹脂、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤やアルミニウムカップリング剤)や染料等の添加物を含有させることもできる。また、塗布後、露光によって硬化させることもできる。
【0019】
プライマー層はインク反発性第2層除去部のインキ受容層としても有用であり、支持体として金属支持体のような非インキ受容性の場合、特に有用である。また、プライマー層は印刷時のインク反発性第2層への圧力緩和のためのクッション層としての役割も有している。
一般に、プライマー層の塗布量は乾燥重量で0.05〜10g/m2 の範囲が適当であり、好ましくは0.1〜8g/m2 であり、より好ましくは0.2〜5g/m2 である。
【0020】
(第1層)
本発明における第1層は書き込みに使用されるレーザー光を熱に変換(光熱変換)する機能を有する層であり、これらの機能を有する公知の光熱変換層が使用可能である。
(光熱変換材料)
光熱変換材料としては、従来、レーザー光源を赤外線レーザーとした場合、赤外線吸収色素、赤外線吸収顔料、赤外線吸収性金属、赤外線吸収金属酸化物など書き込みのレーザーに使用する波長の光を吸収する各種の有機および無機材料が使用可能であることが知られている。
本発明に使用される光熱変換材料は、有機顔料としては酸性カーボンブラック、塩基性カーボンブラック、中性カーボンブラックなど各種カーボンブラック、分散性改良等のために表面修飾もしくは表面コートされた各種カーボンブラック、ニグロシン類、有機色素としては「赤外増感色素」(松岡著 Plenum Press ,New York,NY(1990))、US4833124,EP−321923、US−4772583,US−4942141、US−4948776、US−4948777、US−4948778、US−4950639、US−4912083、US−4952552、US−5023229等の明細書に記載の各種化合物、金属もしくは金属酸化物としてはアルミニウム、インジウムスズ酸化物、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化チタン等、この他にポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマーなども使用可能である。
【0021】
これらの材料は単独膜の形態で、もしくはバインダー、添加剤など他の成分との混合膜の形態で使用される。
単独膜の場合には、アルミニウム、チタン、テルル、クロム、錫、インジウム、ビスマス、亜鉛、鉛等の金属および合金や金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ホウ化物、金属ハロゲン化物、有機色素などを蒸着法およびスパッタリング法等により支持体上に形成させることができる。
また、混合膜の場合には、光熱変換材料を溶解もしくは分散して他の成分と共に塗布法により形成することができる。
【0022】
(バインダー)
第1層を混合膜として形成する場合に使用されるバインダーとしては、光熱変換材料を溶解もしくは分散する公知のバインダーが使用される。これらの例としてはニトロセルロース、エチルセルロースなどのセルロース、セルロース誘導体類、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの単独重合体および共重合体、ポリスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマーの単独重合体もしくは共重合体、イソプレン、スチレン−ブタジエンなどの各種合成ゴム類、ポリ酢酸ビニルなどのビニルエステル類の単独重合体および酢酸ビニル−塩化ビニルなどの共重合体、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネートなどの縮合系各種ポリマーおよび、「J. Imaging Sci.,P59-64 ,30(2), (1986) (Frechet ら)」や「Polymers in Electronics(Symposium Series, P11, 242, T.Davidson,Ed., ACS Washington,DC(1984) (Ito, Willson)」、「Microelectronic Engineering,P3-10,13(1991)(E. Reichmanis,L.F.Thompson)」に記載のいわゆる「化学増幅系」に使用されるバインダー等が使用可能である。
【0023】
(添加剤)
第1層を混合膜として形成する場合には、光熱変換剤とバインダー以外に添加剤を用いることが出来る。これらの添加剤は、第1層の機械的強度を向上させたり、レーザー記録感度を向上させたり、光熱変換層中の分散物の分散性を向上させたり、支持体やプライマー層などの隣接する層に対する密着性を向上させるなど種々の目的に応じて添加される。
例えば、第1層の機械的強度を向上させるために第1層を架橋する手段が考えられ、この場合には各種の架橋剤が添加される。
レーザー記録感度を向上させるために加熱により分解しガスを発生する公知の化合物を添加することが考えられる、この場合には第1層の急激な体積膨張によりレーザー記録感度が向上できる。これらの添加剤の例としては、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、4、4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジアミドベンゼン等を使用することが出来る。
【0024】
また、加熱により分解し酸性化合物を生成する公知の化合物を添加剤として使用することが出来る。これらを化学増幅系のバインダーと併用することにより、第1層の構成物質の分解温度を大きく低下させ、結果としてレーザー記録感度を向上させることが可能である。これらの添加剤の例としては、各種のヨードニウム塩、スルフォニウム塩、フォスフォニウムトシレート、オキシムスルフォネート、ジカルボジイミドスルフォネート、トリアジンなどを使用することが出来る。
光熱変換剤にカーボンブラックなどの顔料を用いた場合には、顔料の分散度がレーザー記録感度に影響を与えることがあり、各種の顔料分散剤を添加剤として使用される。
接着性を向上させるために公知の密着改良剤(例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等)を添加しても良い。
この他にも、塗布性を改良するための界面活性剤など必要に応じて各種の添加剤が使用される。
【0025】
(膜厚)
第1層の膜厚は、単独膜の場合には蒸着法およびスパッタリング法等にて薄膜が形成できる。この場合の膜厚は50Åから1000Å、好ましくは100Åから800Åである。混合膜は塗布により形成される。この場合の膜厚は0.05μmから10μm、好ましくは0.1μmから5μmである。第1層の膜厚は厚すぎるとレーザー記録感度の低下など好ましくない結果を与える。
【0026】
(第2層)
本発明における第2層はインク反発性の表面を有する層である。従来公知のインク反発性表面を有するものが使用できる。
従来公知のインク反発性表面には、低表面エネルギーを有する物質としてフッ素あるいはシリコーン化合物が良く知られている。特にシリコーンゴム(シリコーンエラストマー)が水なし版のインク反発層に好適に用いられる。
シリコーンゴムは大別して、1)縮合型シリコーンゴム、2)付加型シリコーンゴム、3)放射線硬化型シリコーンゴムの3種に分類されるが、本発明における水なし版の第2層のシリコーンゴムとしては、これら全ての従来公知の各種のシリコーンゴムが使用できる。
【0027】
縮合型シリコーンゴム層は、下記組成物Aを硬化して形成した皮膜である。
組成物A
(a)ジオルガノポリシロキサン 100重量部
(b)縮合型架橋剤 3〜70重量部
(c)触媒 0.01〜40重量部
前記成分(a)のジオルガノポリシロキサンは、−SiR1 R2 −O−で示されるような繰り返し単位を有するポリマーで、R1 およびR2 は炭素数1〜10アルキル基、ビニル基、アリール基であり、またその他の適当な置換基を有していても良い。一般的にはR1 およびR2 の60%以上がメチル基、あるいはハロゲン化ビニル基、ハロゲン化フェニル基などであるものが好ましい。
【0028】
このようなジオルガノポリシロキサンは両末端に水酸基を有するものを用いるのが好ましい。
また、前記成分(a)は、数平均分子量が3,000〜100,000であり、より好ましくは、10,000〜70,000である。
成分(b)は縮合型のものであればいずれであってもよいが、次の一般式で示されるようなものが好ましい。
R1 m・Si・Xn (m+n=4、nは2以上)
ここでR1 は先に説明したR1 と同じ意味であり、XはCl、Br、Iなどのハロゲンか、またはH或いは−OH、−OCOR3 、 −OR3 、 −O−N=CR4 R5 、−NR4 R5 などの有機置換基である。
ここでR3 は炭素数1〜10のアルキル基および炭素数6〜20のアリール基、R4 、R5 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。
成分(c)は錫、亜鉛、鉛、カルシウム、マンガンなどの金属カルボン酸塩、例えば、ラウリン酸ジブチル、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛など、あるいは塩化白金酸等のような公知の触媒があげられる。
【0029】
また、付加型シリコーンゴム層は、下記組成物Bを硬化して形成した皮膜である。
組成物B
(d)付加反応性官能基を有するジオルガノポリシロキサン 100重量部
(e)オルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜25重量部
(f)付加触媒 0.0001〜1重量部
上記成分(d)の付加反応性官能基を有するジオルガノポリシロキサンとは、1分子中にケイ素原子に直接結合したアルケニル基(より好ましくはビニル基)を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンで、アルケニル基は分子量末端、中間いずれにあってもよく、アルケニル基以外の有機基としては、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、アリール基である。また、成分(d)には水酸基を微量有することも任意である。
成分(d)は、数平均分子量が3,000〜100,000であり、より好ましくは、10,000〜70,000である。
【0030】
成分(e)としては、両末端水素基のポリジメチルシロキサン、α、ω−ジメチルポリシロキサン、両末端メチル基の(メチルシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、環状ポリメチルシロキサン、両末端トリメチルシリル基のポリメチルシロキサン、両末端トリメチルシリル基のジメチルシロキサン)(メチルシロキサン)共重合体などが例示される。
成分(f)としては、公知のものの中から任意に選ばれるが、特に白金系の化合物が望ましく、白金単体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金などが例示される。これらの組成物の硬化速度を制御する目的で、テトラシクロ(メチルビニル)シロキサンなどのビニル基含有のオルガノポリシロキサン、炭素−炭素三重結合含有のアルコ−ル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノ−ル、エタノ−ル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルなどの架橋抑制剤を添加することも可能である。
【0031】
また、放射線硬化型シリコーンゴム層は、放射線照射により重合可能な官能基を有するシリコーンベースポリマーの放射線による架橋反応により硬化して形成した皮膜であり、ベースポリマーを開始剤と共に溶解した液をコーティング液とし、塗布後に、全面放射線露光することで形成される。通常、アクリル系の官能基を有するベースポリマーを使用し紫外線照射により架橋を生成する。
これらのシリコーンゴムについては、「R&DレポートNo.22 シリコーンの最新応用技術」(CMC発行、1982年)、特公昭56−23150、特開平3−15553、特公平5−1934号公報などに詳しく記載されている。
上記のシリコーンゴム層は、第1層の上に直接もしくは間に他の層を介して塗設される。
【0032】
なお、シリコーンゴム層には必要に応じて、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの無機物の微粉末、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤やアルミニウム系カップリング剤などの接着助剤や光重合開始剤を添加しても良い。
本発明におけるシリコーンゴム層は、厚さが小さいとインキ反撥性が低下し、傷が入りやすい等の問題点があり、厚さが大きい場合、現像性が悪くなるという点から、厚みとしては、0.3〜10μmであり、0.5〜5μmが好ましく、より好ましくは1〜3μmである。
ここに説明した水無し平版において、シリコーンゴム層の上に更に種々のシリコーンゴム層を塗工しても良い。
更に、シリコーンゴム層の表面保護のために、シリコーンゴム層上に透明なフィルム、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、セロファン等をラミネートしたり、ポリマーのコーティングを施しても良い。これらのフィルムは延伸して用いても良い。また、表面にマット加工を施しても良いが、マット加工の無いものの方が本発明では好ましい。
【0033】
【実施例】
本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。ただし、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
(支持体)
厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート支持体上に、下記組成の塗布液を塗布し、加熱(100℃、1分)、乾燥することにより、乾燥膜厚0.2μmのプライマー層を形成した。
・塩素化ポリエチレン 1.0g
−(−C2 H4-y Cly −)n− y=1.7 ,n=200
・メチルエチルケトン 10g
・シクロヘキサン 100g
(第1層の形成)
前記の塩素化ポリエチレン下塗りポリエチレンテレフタレート上に、蒸着真空度5×10-5 Torrの条件下に、Tiを抵抗加熱により蒸着し、第1層を形成した。この時の第1層の厚みは、200Åであり、光学濃度は、0.6であった。
【0034】
(第2層の形成)
下記の塗布液を上記第1層上に塗布し、加熱(110℃、2分)、乾燥することにより、乾燥膜厚2μmの第2層を形成しレーザー記録用水なし原版を得た。
・α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重合度約700) 9.00g
・(CH3)3-Si-O-(SiH(CH3)-O)8 -Si(CH3)3 0.60g
・ポリジメチルシロキサン(重合度 約8000) 0.50g
・オレフィン−塩化白金酸 0.08g
・抑制剤[HC≡C-C(CH3)2-O-Si(CH3)3] 0.07g
・アイソパーG(エッソ化学(株)製) 55g
【0035】
得られた本発明の水なし原版に、第2層側から、波長1064nm、ビーム径40μm(1/e2)の半導体励起YAGレーザーを用いて連続線の書き込みを行った。記録エネルギーは450mJ/cm2 とした。その後、図1と同様の機構の回転ブラシロールを1本有する自動処理機を用いて、レーザー露光部第2層の除去を行った。水なし原版の搬送は、レーザー主走査方向と同一方向に、100cm/minの速度で行った。処理に用いた液体としては、アニオン系界面活性剤ペレックスOTP(花王アトラス(株)製)の1重量%水溶液を用い、スプレーパイプからシャワーリングして、版面に供給した。回転ブラシロールとしては、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径90mmのブラシロールを用い、搬送方向と同一方向に毎分400回転(ブラシの先端の周速1.9m/sec)させた。
その結果、図2に示したように、レーザー露光部のインク反発性第2層を版面上から完全に除去することができ、25μm幅の線をシャープなエッジのシリコーン画像として形成できた。
また、水なし原版を出力110mW、波長830nm、ビーム径10μm(1/e2 )の半導体レーザーを用いて、主走査速度5m/秒にて、第2層側から、書き込みを行った後、全く同様の現像処理を行ったところ、解像力は7μmでシャープなエッジの水無し平版印刷版が形成された。
【0036】
【比較例1】
実施例1で作成した水なし原版を実施例1と全く同様に、半導体励起YAGレーザーおよび半導体レーザーにて書き込みを行った後、水なし原版の搬送をレーザー主走査方向に対し直角方向に行った以外は実施例1と全く同様に現像処理を行った。
その結果、図3に示したように、ブラシロールの擦り方向の上流側において、レーザー露光部のインク反発性第2層が除去されずに残存し、現像不良となった。
【0037】
【実施例2〜6、比較例2〜6】
(支持体)
厚さ175μmのポリエチレンテレフタレートフイルム上にプライマー層として、乾燥膜厚0.2μmとなるようにゼラチン下塗り層を形成した。
(カーボンブラック分散液の作成)
下記の混合液をペイントシェーカーにて30分間分散した後、ガラスビーズをろ別してカーボンブラック分散液を作成した。
【0038】
(第1層の形成)
前記のゼラチン下塗りポリエチレンテレフタレート上に、下記の塗布液を乾燥膜厚2μmとなるように塗布し第1層を形成した。
・上記のカーボンブラック分散液 55g
・ニトロセルロース
(2−プロパノール30%含有、重合度80、ナカライテスク製) 4.0g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 45g
(第2層の形成)
下記の塗布液を作成し、上記第1層上に塗布し、加熱(110℃、1分)、乾燥することにより、乾燥膜厚2μmのシリコーンゴム層(第2層)を形成した。
【0039】
上記のようにして得られたシリコーンゴム層の表面に6μmのポリエチレンテレフタレートをラミネートした。
得られた本発明の水なし原版のカバーフィルムを剥離した後に、第2層側から、出力110mW、波長830nm、ビーム径10μm(1/e2)の半導体レーザーを用いて、表1に示した主走査速度及び副走査ピッチで、200線の網点の書き込みを行った。その後、図1と同様の機構の回転ブラシロールを2本有する自動処理機を用いて、レーザー露光部第2層の除去を行った。処理に用いた液体としては、ノニオン系界面活性剤エマルゲン911(花王アトラス(株)製)の1重量%水溶液を用い、スプレーパイプからシャワーリングして、版面に供給した。回転ブラシロールとしては、1本目のブラシロールに、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径90mmのブラシロールを用い、搬送方向と同一方向に毎分400回転(ブラシの先端の周速1.9m/sec)させ、2本目のブラシロールには、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径60mmのブラシロールを用い、搬送方向と反対方向に毎分300回転(ブラシの先端の周速0.9m/sec)させた。
【0040】
水なし原版の搬送は、搬送速度100cm/minで行い。搬送方向については、実施例2〜6は、レーザー主走査方向と同一方向に行い、比較例2〜6は、レーザー主走査方向に対し直角方向に行った。
次いで、上記現像処理後の水なし平版を印刷機を用いて印刷し、再現可能なハイライトの網点面積率(%)及びレーザービームの重なり部分におけるインク反発性第2層の残存(現像不良)による画像部のインクの素抜けの評価を行った。
その結果を表1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
以上のごとく本発明により、レーザー露光ができ、小点及び細線部における露光部のインク反発性層の除去性能を満足し、レーザー露光条件のラチチュードを広げることができる水なし平版の形成方法が実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第2層除去処理に適した自動処理機の1例を示したものである。
【図2】図2は、レーザー露光部をレーザー主走方向と平行方向に擦ることにより、インク反発性第2層を除去した平版印刷版を示したものである。レーザー露光部のインク反発性第2層は版面上から完全に除去されている。
【図3】図3は、レーザー露光部をレーザー主走方向と直角方向に擦ることにより、インク反発性第2層を除去した平版印刷版を示したものである。ブラシロールの擦り方向の上流側において、レーザー露光部のインク反発性第2層が除去されずに残存している。
Claims (1)
- 支持体上にレーザー光を熱に変換する層(第1層)、インキ反発性の表面を有する層(第2層)をこの順に積層してなる水なし平版印刷原版をレーザー露光した後、第2層表面を擦ることにより、レーザー露光部の第2層を物理的に除去して、水なし平版印刷版を形成する方法において、レーザー露光の主走査方向に対し、平行方向(レーザー主走査方向と同一及び/又は反対方向)にのみ、第2層表面を擦ることを特徴とする水なし平版印刷版の形成方法。
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