JPH09309195A - 湿し水不要平版印刷原版 - Google Patents

湿し水不要平版印刷原版

Info

Publication number
JPH09309195A
JPH09309195A JP8128786A JP12878696A JPH09309195A JP H09309195 A JPH09309195 A JP H09309195A JP 8128786 A JP8128786 A JP 8128786A JP 12878696 A JP12878696 A JP 12878696A JP H09309195 A JPH09309195 A JP H09309195A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
layer
recording layer
silicone rubber
planographic printing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8128786A
Other languages
English (en)
Inventor
Noribumi Inno
紀文 因埜
Tsumoru Hirano
積 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP8128786A priority Critical patent/JPH09309195A/ja
Publication of JPH09309195A publication Critical patent/JPH09309195A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザー光によるヒートモード記録が可
能であり、感度及び画像再現性に優れた湿し水不要平版
印刷原版を提供する。 【解決手段】 支持体上に、Mg、Mn、Zn、Al、
In、Sn等の(A)金属、及び、(B)TiB2 、C
aB6 等の金属ホウ化物、FeSi2 等の金属ケイ化
物、SiC等の金属炭化物、Si3 4 等の金属窒化物
及びMgF2 、SnCl2 AgBr等の金属ハロゲン化
物からなる群より選ばれる金属化合物の一種以上を含有
するヒートモード記録可能な層を設け、さらに、その上
にインキ反撥性のシリコーンゴム層を積層してなること
を特徴とする。(B)金属化合物の含有量は、記録層に
対して1〜80体積%であることが好ましく、(A)金
属と(B)金属化合物とは、混合されていても、別の層
として積層されていてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザー光によるヒ
ートモード記録によって、湿し水を必要としない印刷が
できる湿し水不要平版印刷版(以下、水なし平版と称
す)に関し、特に、感度および画像再現性良好な水なし
平版に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の湿し水を必要とする印刷方式は湿
し水とインキの微妙なバランスのコントロールが難し
く、インキの乳化を起こしたり、湿し水にインキが混ざ
ったりして、インキ濃度不良や地汚れを発生し、損紙の
原因となるなど、大きな問題点を有していた。それに対
して、水なし平版は湿し水を必要としないために数多く
の利点を有する。
【0003】一方、近年プリプレスシステムやイメージ
セッター、レーザープリンターなどの出力システムの急
激な進歩によって、印刷画像をデジタルデーター化し、
コンピューター・トウ ー・プレート、コンピューター・
トウ ー・シリンダー等の新しい製版方法により、印刷版
を得る方法が提案されるようになり、これらの印刷シス
テムのための新しいタイプの印刷材料が望まれ、開発が
進められている。
【0004】レーザー書き込みにより水なし平版を形成
する例としては、特公昭42−21879号公報、特開
昭50−158405号公報、特開平6−55723号
公報、同6−186750号公報、US5,353,7
05号公報およびWO−9401280号公報、特開平
7−314934号公報、同5−94008号公報等が
挙げられる。これらにはカーボンブラック等のレーザー
光吸収剤およびニトロセルロース等の自己酸化性のバイ
ンダーを含有した記録層、あるいは、ある種の金属薄膜
よりなる記録層上にインキ反撥性のシリコーンゴム層を
設け、レーザー照射によりシリコーンゴム層の一部を除
去してインク付着性とし、水なし印刷することが記載さ
れている。しかし、これらはシリコーンゴム層の除去が
レーザー照射による記録層のアブレーションによるもの
であるために、細線の直線性および網点の真円性に乏し
く、印刷画像としては不満足であり、その改良が強く望
まれていた。さらに、金属薄膜よりなる記録層は、一般
的にレーザー光に対する反射率が高いため、レーザー光
のエネルギーを有効に利用することができず、記録層の
アブレーションに大きな光エネルギーが必要となる。従
って、高速走査で画像書き込みするには、大出力のレー
ザー光源が必要となり、画像記録装置が大型で、且つ、
高価なものとなるという欠点を有しており、その改善が
強く望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、ヒートモード記録が可能であり、感度及び画像
再現性に優れた、湿し水不要平版印刷原版を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討の
結果、支持体上に、(A)金属、及び、(B)金属ホウ
化物、金属ケイ化物、金属炭化物、金属窒化物及び金属
ハロゲン化物からなる群より選ばれる金属化合物の一種
以上、を含むことによりヒートモード記録可能な層を設
け、さらに、その上にインク反撥性の層を積層してなる
ことを特徴とする湿し水不要平版印刷原版によって前記
の目的を達成するに至った。
【0007】本発明において、ヒートモード記録可能な
層とは、露光された光を熱に変換し、その熱によってこ
の層の上にある層(本発明においてはインク反撥性の
層)の保持力を低下させる機能を有する層をいう。この
機能として好ましいのは、例えば、熱により記録可能な
層がアブレーション(溶融、凝集)し、その結果として
隣接するインク反撥性の層が水なし平版から剥がれ易く
なる機能である。
【0008】本発明において、(A)金属、及び、
(B)金属ホウ化物、金属ケイ化物、金属炭化物、金属
窒化物及び金属ハロゲン化物からなる群より選ばれる金
属化合物の一種以上、を含むことによりヒートモード記
録可能な層(以下、適宜、記録層又はヒートモード記録
層と称する)は、金属単体のみを含む従来の記録層に比
べ、レーザー光に対する反射率が低下し、かつ、熱伝導
性が低下するため、レーザー光のエネルギーを有効に利
用できる。その結果、レーザー書き込みによる感度およ
び画像再現性が著しく向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳しく説明す
る。
【0010】本発明の水なし平版は、支持体上に、少な
くとも、ヒートモード記録層、インキ反撥性のシリコー
ンゴム層を順次積層してなるものであり、この水なし平
版に用いられるヒートモード記録可能な層は、(A)金
属と(B)特定の金属化合物を含有することを特徴とす
る。この記録層に含まれる(A)金属としては、Mg、
Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、
Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、R
h、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、C
d、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、A
s、Sb、Bi、Se、Te等が挙げられ、これらは単
独で用いてもよく、2つ以上の組み合わせ又は合金とし
て用いても良い。これら金属のなかでも、低融点あるい
は低反射率のものとしてMg、Mn、Zn、Al、I
n、Sn、Bi、Te等が好ましく、さらに、無公害性
の点からはMg、Mn、Zn、Al、In、Snが好ま
しい。
【0011】本発明の記録層に含まれる他の必須成分で
ある(B)金属化合物は、TiB2、ZrB2 、CaB6
、SrB6 、NbB2 、MoB2 、TaB2 等の金属
ホウ化物、V3 Si、FeSi2 、B6 Si等の金属ケ
イ化物、SiC、VC、ZrC、B4 C、HfC、Ti
C等の金属炭化物、TiN、TaN、Si3 4 等の金
属窒化物、MgF2 、CaF2 、RhF3 、PbF3
AgCl、PbCl2、SnCl2 、KCl、AgB
r、PbBr2 、CuBr、AgI、PbI2 、SnI
2 、CuI、KI等の金属ハロゲン化物から選ばれ、こ
れらの化合物を単一あるいは二つ以上組み合わせて用い
てもよい。これらのうち、効果の観点から、金属ホウ化
物、金属ハロゲン化物等が好ましく、具体的には、Ti
2 、ZrB2 、MgF2 、CaF2 等が好ましい。
【0012】本発明の記録層を支持体上に設ける方法と
しては、前記の金属及び金属化合物を蒸着(抵抗加熱、
電子ビーム加熱)する方法、スパッタリング法、イオン
プレーティング法等の種々の方法を用いることができ
る。
【0013】本発明の記録層を設ける方法としては、金
属層と金属化合物層とを別々の層として形成し、積層す
る重層構造(さらに、金属層と金属化合物層の交互多層
構成でもよい。)とする方法、金属と金属化合物を混合
してなる単一層として設ける方法等が挙げられ、さら
に、金属と金属化合物の混合層と金属層及び/又は金属
化合物層との重層構成とすることもできる。
【0014】本発明の記録層を設ける一つの好適な方法
としては、真空槽内で蒸着法を用いる際に、金属と金属
化合物とを別の蒸着源を用い、金属は抵抗加熱により、
金属化合物は電子ビームにより同時に蒸着を行う方法が
ある。両者の混合率の制限は、各々の蒸発源に対して水
晶振動型の膜厚モニターを配置し、それにより蒸発速度
を制御することにより行うことができる。
【0015】この時、記録層における金属化合物の好ま
しい組成比は、1〜80体積%であり、さらに好ましく
は5〜60体積%であり、より好ましくは10〜40体
積%である。金属化合物の配合量が1体積%未満では、
感度および画像再現性の改良が不十分であり、80体積
%を超えると、感度及び画像再現性が低下するため、い
ずれも好ましくない。
【0016】また、記録層の厚さは、層を構成する材料
によって異なるが、50オングストローム以下では光吸
収率が小さく感度が低下し、1000オングストローム
以上では感度及び画像再現性の低下が起きるため、50
〜1000オングストロームが好ましく、より好ましく
は100〜800オングストロームである。さらに、こ
の場合の記録層の光学濃度は、0.15以上であること
が、レーザー光のエネルギーを有効に利用する観点から
好ましい。
【0017】本発明において前記ヒートモード記録層に
積層されるインキ反撥性のシリコーンゴム層は、縮合型
シリコーンを架橋剤を用いて硬化させるか、付加型シリ
コーンを触媒により付加重合させて形成することが好ま
しい。即ち、前記のヒートモード記録層上に、シリコー
ンゴムの皮膜を反応形成させるものである。縮合型シリ
コーンを用いる場合には、(a)ジオルガノポリシロキ
サン100重量部に対して、(b)縮合型架橋剤を3〜
70重量部、(c)触媒0.01〜40重量部を加えた
組成物を用いるのが好適である。
【0018】前記成分(a)のジオルガノポリシロキサ
ンは、下記一般式で示されるような繰り返し単位を有す
るポリマーである。R1 およびR2 は炭素数1〜10ア
ルキル基、ビニル基、アリール基であり、またその他の
適当な置換基を有していても良い。一般的にはR1 およ
びR2 の60%以上がメチル基、あるいはハロゲン化ビ
ニル基、ハロゲン化フェニル基などであるものが好まし
い。
【0019】
【化1】
【0020】このようなジオルガノポリシロキサンは両
末端に水酸基を有するものを用いるのが好ましい。
【0021】また、前記成分(a)は、数平均分子量が
3,000〜100,000であり、より好ましくは、
10,000〜70,000である。
【0022】成分(b)の架橋剤は縮合型のものであれ
ばいずれであってもよいが、次の一般式で示されるよう
なものが好ましい。
【0023】
【化2】
【0024】ここでR1 は先に説明したR1 と同じ意味
であり、Xは、Cl、Br,Iなどのハロゲン原子、水
素原子、水酸基、或いは、以下に示す如き有機置換基を
表す。
【0025】
【化3】
【0026】式中、R3 は炭素数1〜10のアルキル基
および炭素数6〜20のアリール基を、R4 、R5 は炭
素数1〜10のアルキル基を示す。
【0027】成分(c)としては、錫、亜鉛、鉛、カル
シウム、マンガンなどの金属のカルボン酸塩、例えば、
ラウリン酸ジブチル、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛な
ど、あるいは塩化白金酸等のような公知の触媒が挙げら
れる。
【0028】付加型シリコーンを用いる場合には、
(d)付加反応性官能基を有するジオルガノポリシロキ
サン100重量部に対して、(e)オルガノハイドロジ
ェンポリシロキサン0.1〜25重量部及び(f)付加
触媒0.00001〜1重量部を添加した組成物を用い
ることが好ましい。
【0029】上記成分(d)の付加反応性官能基を有す
るジオルガノポリシロキサンとは、1分子中にケイ素原
子に直接結合したアルケニル基(より好ましくはビニル
基)を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン
で、アルケニル基は分子の末端、中間いずれにあっても
よく、アルケニル基以外の有機基としては、置換もしく
は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、アリール基を
有していてもよい。また、成分(d)には水酸基を微量
有することも任意である。成分(d)は、数平均分子量
が3,000〜100,000であり、より好ましく
は、10,000〜70,000である。
【0030】成分(e)としては、両末端に水素基を有
するポリジメチルシロキサン、α、ω−ジメチルポリシ
ロキサン、両末端にメチル基を有するメチルシロキサン
−ジメチルシロキサン共重合体、環状ポリメチルシロキ
サン、両末端にトリメチルシリル基を有するポリメチル
シロキサン、両末端トリメチルシリル基のジメチルシロ
キサン−メチルシロキサン共重合体などが例示される。
【0031】成分(f)としては、公知の重合触媒の中
から任意に選ばれるが、特に白金系の化合物が望まし
く、白金単体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位
白金などが例示される。
【0032】これらの組成物においてシリコーンゴム層
の硬化速度を制御する目的で、テトラシクロ(メチルビ
ニル)シロキサンなどのビニル基含有のオルガノポリシ
ロキサン、炭素−炭素三重結合含有のアルコール、アセ
トン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、
プロピレングリコールモノメチルエーテルなどの架橋抑
制剤を添加することも可能である。
【0033】なお、シリコーンゴム層には必要に応じ
て、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの無機物
の微粉末、シランカップリング剤、チタネート系カップ
リング剤やアルミニウム系カップリング剤などの接着助
剤や光重合開始剤を添加しても良い。
【0034】本発明に係るインキ反撥性のシリコーンゴ
ム層は、厚さが小さいとインキ反撥性が低下し、傷が入
りやすい等の問題点があり、厚さが大きい場合、現像性
が悪くなるという点から、厚みとしては乾燥膜厚として
0.5〜5g/m2 が好ましく、より好ましくは1〜3
g/m2 である。
【0035】この水なし平版において、シリコーンゴム
層の上に、耐刷性、耐傷性、画像再現性及び汚れ性等の
向上の目的で、更に種々のシリコーンゴム層を塗工して
も良い。
【0036】更に、シリコーンゴム層は柔軟で傷がつき
やすいため、表面保護の目的で、シリコーンゴム層上に
透明なフィルム、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデン、ポリビニル
アルコール、ポリエチレンテレフタレート、セロファン
等をラミネートしたり、ポリマーのコーティングを施し
ても良い。これらのフィルムは延伸して用いても良い。
また、表面にマット加工を施しても良いが、画像再現性
の観点から、マット加工の無いものの方が本発明では好
ましい。
【0037】本発明においては、製版即ち記録に用いら
れるレーザー光エネルギーが、本発明の水なし平版の記
録層に吸収されて記録層のアブレーション(溶融・凝
集)が起き、結果としてレーザー露光部の記録層とシリ
コーンゴム層の間の密着力が低下し、露光部におけるシ
リコーンゴム層を容易に除去することができる。
【0038】本発明において、水なし平版を露光するの
に使用されるレーザーは、シリコーンゴム層が剥離除去
されるのに十分な密着力の低下が起きるのに必要な露光
量を与えるものであれば特に制限はなく、Arレーザ
ー、炭酸ガスレーザーのごときガスレーザー、YAGレ
ーザーのような固体レーザー、そして半導体レーザーな
どが使用できる。通常出力が50mWクラス以上のレー
ザーが必要となる。保守性、価格などの実用的な面から
は、半導体レーザーおよび半導体励起の固体レーザー
(YAGレーザーなど)が好適に使用される。
【0039】これらのレーザーの記録波長は赤外線の波
長領域であり、800nmから1100nmの発振波長
を利用することが多い。
【0040】また、特開平6−186750号公報に記
載されているイメージング装置を用いて露光することも
可能である。
【0041】前記の如くシリコーンゴム層の表面保護の
ためのフィルムを設ける場合には、レーザー露光する際
には光透過性のフィルムであればそのまま露光しても良
いし、剥がした後に露光しても良い。
【0042】本発明の水なし平版は通常の印刷機にセッ
トできる程度のたわみ性を有し、同時に印刷時にかかる
荷重に耐えるものでなければならない。従って、前記記
録層とシリコーンゴム層とが積層される代表的な支持体
としては、コート紙、アルミニウムのような金属板、ポ
リエチレンテレフタレートのようなプラスチックフィル
ム、ゴムあるいはそれらを複合させたものを挙げること
ができ、より好ましくはアルミニウム、アルミニウム含
有合金(例えば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、
クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルなどの金属と、
アルミニウムとの合金)およびプラスチックフィルムで
ある。
【0043】支持体の膜厚は25μmから3mm、好ま
しくは75μmから500μmが適当であるが、用いる
支持体の種類と印刷条件により最適な厚さは変動する。
一般には100μmから300μmが最も好ましい。
【0044】本発明においては、支持体と記録層間の接
着性向上、印刷特性向上又は高感度化のために、支持体
にコロナ処理等の表面処理を施したり、プライマー層を
設けることができる。本発明に用いられるプライマー層
としては、例えば、特開昭60−22903号公報に開
示されているような種々の感光性ポリマーを感光性樹脂
層を積層する前に露光して硬化せしめたもの、特開昭6
2−50760号公報に開示されているエポキシ樹脂を
熱硬化せしめたもの、特開昭63−133151号公報
に開示されているゼラチンを硬膜せしめたもの、更に特
開平3−200965号公報に開示されているウレタン
樹脂とシランカップリング剤を用いたものや特開平3−
273248号公報に開示されているウレタン樹脂を用
いたもの等を挙げることができる。この他、ゼラチンま
たはカゼインを硬膜させたものも有効である。更に、前
記のプライマー層中に、ポリウレタン、ポリアミド、ス
チレン/ブタジエンゴム、カルボキシ変性スチレン/ブ
タジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、カ
ルボキシ変性アクリロニトリル/ブタジエンゴム、ポリ
イソプレン、アクリレートゴム、ポリエチレン、塩素化
ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩化ビニル/酢
酸ビニル共重合体、塩化ゴム、ハロゲン化ポリヒドロキ
シスチレン、ニトロセルロース等のポリマーを添加して
も良い。その添加割合は任意であり、フィルム層を形成
できる範囲内であれば、添加剤だけでプライマー層を形
成しても良い。また、これらのプライマー層には前記の
目的に沿って、染料、光重合開始剤、接着助剤(例え
ば、重合性モノマー、ジアゾ樹脂、シランカップリング
剤、チタネートカップリング剤やアルミニウムカップリ
ング剤)、顔料、シリカ粉末や酸化チタン粉末等の添加
物を含有させることもできる。また、塗布後、露光によ
って硬化させることもできる。一般に、プライマー層の
塗布量は乾燥重量で0.05〜10g/m2 の範囲が適
当であり、好ましくは0.1〜8g/m2 であり、さら
に好ましくは0.2〜5g/m2 である。
【0045】本発明の水なし平版を製版する際に用いら
れる現像液としては、水なし平版の現像液として公知の
もの、例えば、炭化水素類、極性溶媒、水及びこれらの
組み合わせ等、が使用できるが、安全性の観点から、水
または水を主成分とする有機溶剤の水溶液を用いること
が好ましく、安全性および引火性等を考慮すると水溶性
有機溶剤の濃度は40重量%未満が望ましい。
【0046】用い得る炭化水素類としては、脂肪族炭化
水素類〔具体的には、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ガ
ソリン、灯油、市販の溶剤である”アイソパーE、H、
G”(エッソ化学社製)等〕、芳香族炭化水素類(例え
ば、トルエン、キシレン等)、あるいはハロゲン化炭化
水素(トリクレン等)等が挙げられる。また、極性溶媒
としては、アルコール類(具体的には、例えば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキ
シルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコ
ール、テトラエチレングリコール等)、ケトン類(例え
ば、アセトン、メチルエチルケトン等)、エステル類
(例えば、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエ
チレングリコールアセテート、ジエチルフタレート
等)、その他、トリエチルフォスフェート、トリクレジ
ルフォスフェート等が挙げられる。また、単に水道水、
純水、蒸留水等の水そのものを用いることもできる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上、例えば、炭化水
素類に水を添加したり、極性溶媒に水を添加したり、炭
化水素類と極性溶媒を組み合わせて、用いることもでき
る。
【0047】さらに、上記炭化水素類や極性溶媒のうち
水に対する親和性の低いものについては界面活性剤等を
添加して水に対する溶解性を向上させてもよい。また、
界面活性剤とともにアルカリ剤(例えば、炭酸ナトリウ
ム、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム等)を添加
することもできる。
【0048】現像は、例えば、上記のような現像液を含
む現像用パッドで版面をこすったり、現像液を版面に注
いだ後に水中にて現像ブラシでこするなど、公知の方法
で行うことができる。現像液温は任意の温度で現像でき
るが、好ましくは10℃〜50℃である。これにより画
像部のインキ反撥層が除かれ、その部分がインキ受容部
となる。
【0049】また、このように処理された刷版を積み重
ねて保管する場合には、刷版を保護するために合紙を挿
入し挟んでおくことが好ましい。
【0050】以上のような現像処理、又はそれに続く水
洗、乾燥処理は、自動処理機で行うこともできる。この
ような自動処理機の好ましいものは、特開平2−220
061号公報に記載されている。
【0051】また、本発明の水なし平版は接着層をシリ
コーンゴム層表面に張り合わせた後に、接着層を剥離す
ることにより現像することも可能である。接着層は、シ
リコーンゴム層の表面に密着できる公知のものがいずれ
も使用できる。これらの接着層を可撓性支持体に設けた
ものは、例えば、住友スリーエム社の「スコッチテープ
#851A」の商品名で市販されている。
【0052】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。ただし、本発明は下記の実施例に限定されるもので
はない。
【0053】(実施例1〜16、比較例1〜4)厚さ1
88μmのポリエチレンテレフタレート支持体上に、蒸
着真空度5×10-5Torrの条件下に、表1に示した
金属と金属化合物とを別の蒸発源を用い、金属は抵抗加
熱により、金属化合物は電子ビームにより同時に蒸着を
行いヒートモード記録層を形成した。両者の混合率の制
限は、各々の蒸発源に対して水晶振動型の膜厚モニター
を配置し、それにより蒸発速度を制御することにより行
った。この時の記録層の厚みは、400オングストロー
ムであり、金属化合物の組成比は、体積パーセントで2
5%に調製した。次に、下記の塗布液を前記記録層上に
塗布し、加熱(110℃、1分)、乾燥することによ
り、乾燥膜厚2μmの付加型シリコーンゴム層を形成
し、水なし平版印刷版を得た。
【0054】 〔シリコーンゴム層塗布液組成〕 α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重合度:約700)9.00g (CH3)3 -Si-O-(SiH(CH3)-O)8-Si(CH3)3 0.60g ポリジメチルシロキサン(重合度:約8000) 0.50g オレフィン−塩化白金酸 0.08g 重合抑制剤[HC≡C-C(CH3)2-O-Si(CH3)3] 0.07g アイソパーG(エッソ化学(株))製 55g 得られた本発明の水なし平版に、波長1064nm、ビ
ーム径40μm(1/e2)の半導体励起YAGレーザ
ーを用いて連続線の書き込みを走査速度を変えて行い、
その後、イソプロパノールを含ませた現像用パッドで版
面拭き、レーザー照射部のシリコーンゴム層を除去し
た。この時、レーザー未照射部のシリコーン層は除去さ
れずに水なし平版表面に保持され、シャープなエッジの
シリコーン画像が形成できた走査速度を書き込みしきい
値として、感度および線画像再現性の比較を行った。そ
の結果を表1に示した。
【0055】(実施例17〜20)前記実施例2〜5に
おいて、まず、金属を蒸着して300オングストローム
とした後、金属化合物を100オングストロームの厚み
となるように蒸着して、400オングストロームの厚み
の記録層とした他は実施例2〜5と同様にして水なし平
版を得て、それぞれ実施例17〜20とし、実施例2〜
5と同様にして評価を行った。その結果を表1に示し
た。
【0056】
【表1】
【0057】前記表1より明らかなように、金属と金属
化合物を含む記録層によれば、金属単独の記録層に比
べ、低エネルギーのレーザー照射で良好な画像が得られ
ることが明らかとなった。また、金属と金属化合物を含
む記録層は、金属と金属化合物とを同時に蒸着を行って
形成しても、別々に蒸着して積層状態で形成しても、い
ずれも優れた効果を示した。
【0058】(実施例21)厚さ100μmのポリエチ
レンテレフタレート支持体上に、下記組成の塗布液を塗
布し、加熱(100℃、1分)、乾燥することにより、
乾燥膜厚0.2μmのプライマー層を設ける以外は、実
施例3と同様の方法で水なし平版を得た。この水なし平
版に、出力110mW、波長830nm、ビーム径10
μm(1/e2)の半導体レーザーを用いて、主走査速
度6m/秒にて書き込みを行い、その後、スコッチテー
プ#851A(住友スリーエム社製)をシリコーンゴム
層表面に張り合わせた後、剥離して、レーザー照射部の
シリコーンゴム層を除去した。
【0059】 〔プライマー層塗布液組成〕 塩素化ポリエチレン 1重量部
【0060】
【化4】
【0061】 メチルエチルケトン 10重量部 シクロヘキサン 100重量部 かくして得られた印刷版の解像力は7μmであり、シャ
ープなエッジの水なし平版印刷版が形成された。この記
録条件にて、200線の網点形成を行ったところ網点面
積率2%から98%までが版上に形成でき、感度、画像
再現性ともに優れていることが確認された。
【0062】
【発明の効果】本発明の湿し水不要平版印刷原版によれ
ば、、レーザー光によるヒートモード記録が可能であ
り、感度および画像再現性に優れる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、(A)金属、及び、(B)
    金属ホウ化物、金属ケイ化物、金属炭化物、金属窒化物
    及び金属ハロゲン化物からなる群より選ばれる金属化合
    物の一種以上、を含有することによりヒートモード記録
    可能な層を設け、さらに、その上にインク反撥性の層を
    積層してなることを特徴とする湿し水不要平版印刷原
    版。
JP8128786A 1996-05-23 1996-05-23 湿し水不要平版印刷原版 Pending JPH09309195A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8128786A JPH09309195A (ja) 1996-05-23 1996-05-23 湿し水不要平版印刷原版

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8128786A JPH09309195A (ja) 1996-05-23 1996-05-23 湿し水不要平版印刷原版

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09309195A true JPH09309195A (ja) 1997-12-02

Family

ID=14993427

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8128786A Pending JPH09309195A (ja) 1996-05-23 1996-05-23 湿し水不要平版印刷原版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09309195A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09146265A (ja) 湿し水不要平版印刷原版
US5888696A (en) Planographic original plate requiring no fountain solution
JP3748465B2 (ja) 湿し水不要平版印刷原版
JP4054210B2 (ja) 湿し水不要平版印刷版原版の製版方法
JPH1034868A (ja) 湿し水不要平版印刷版の形成方法
US6340526B1 (en) Waterless planographic printing plate precursor and production method thereof
JPH09309195A (ja) 湿し水不要平版印刷原版
JPH11198335A (ja) 平版印刷版の製造方法
JP3710008B2 (ja) 湿し水不要平版原版
JPH09315024A (ja) 湿し水不要平版印刷原版
US6613496B1 (en) Method for forming a dampening-waterless lithographic plate and method for forming an image using a dampening-waterless lithographic plate
JPH09297394A (ja) 湿し水不要平版印刷原版
JPH09286183A (ja) 湿し水不要平版印刷原版
JPH09150589A (ja) 直描型水なし平版印刷版原版
JP3691613B2 (ja) 水なし平版印刷原版及び水なし平版印刷版の形成方法
JPH09146264A (ja) 湿し水不要平版印刷原版
JP3747109B2 (ja) 水なし平版印刷版の形成方法
JP2001026185A (ja) 水無し平版印刷版及びその作製方法並びにその作製装置
JPH0990611A (ja) 湿し水不要平版原版および画像形成方法
JP3484589B2 (ja) 直描型水なし平版印刷版原版
JPH1026826A (ja) レーザーダイレクト画像形成材料及びレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版
JPH11207921A (ja) 平版印刷版の形成方法
JPH11352673A (ja) 直描型水なし平版印刷版原版
JPH1062977A (ja) 水なし平版印刷版の作成方法
JP2000037966A (ja) 直描型水なし平版印刷版原版およびその製造方法