JP2001026185A - 水無し平版印刷版及びその作製方法並びにその作製装置 - Google Patents

水無し平版印刷版及びその作製方法並びにその作製装置

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JP2001026185A
JP2001026185A JP11202049A JP20204999A JP2001026185A JP 2001026185 A JP2001026185 A JP 2001026185A JP 11202049 A JP11202049 A JP 11202049A JP 20204999 A JP20204999 A JP 20204999A JP 2001026185 A JP2001026185 A JP 2001026185A
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layer
waterless
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English (en)
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Mitsuru Sawano
充 沢野
Akihisa Oda
晃央 小田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography

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  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 解像力、印刷性能を十分に満足させつつ、簡
便な方法により作製することができる水無し平版印刷版
及びその作製方法並びに作製装置を提供する。 【解決手段】 基板10上に、インキ反発性層12、ヒ
ートモード又はフォトンモードのいずれかによって記録
可能な疎水層14をこの順に積層する。印刷版の作製時
には疎水層14を印刷画像に応じて除去する。この除去
方法としては、レーザー光照射やサーマルヘッドによる
加熱によるもの、疎水層14を光硬化性を持たせ、印刷
画像様に光照射することで硬化した領域を残して非硬化
領域を除去するものがある。非硬化領域を除去する方法
としては、液体現像によるものや剥離シートを用いるも
のがある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水無し平版印刷版
及びその作製方法並びに作製装置に関し、より具体的に
は、簡単な工程により作製される湿し水不要の水無し平
版印刷版、及び、特に高解像力や印刷性能を保持しつ
つ、画像形成のための工程を簡略化する印刷版の作製方
法並びにその作製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷を行うための印刷版の手法には、活
版印刷、グラビア印刷及び平版オフセット印刷等が伝統
的な手法として知られているが、近年、特殊な分野を除
いては平版オフセット印刷が増加している。この平版オ
フセット印刷においては、プレート表面に親水性、親油
性の画像パターンを形成して湿し水を用いる水あり平版
と、プレート表面にインキ反発性、インキ受容性の画像
パターンを形成して湿し水を用いない水無し平版とが知
られている。このうち、水無し平版は、湿し水を用いな
いために印刷作業に熟練を要しないこと、インキ濃度が
印刷初期から安定し、損紙が少なく少部数の印刷を行う
場合にも経済的であること等、水あり平版にはない有利
な特徴を備えている。
【0003】このような湿し水を用いないで平版印刷を
行うための水無し平版に関しては、例えば、特公昭44
−23042号、特公昭46−16044号、特公昭5
4−26923号、特公昭56−14976号、特公昭
56−23150号、特公昭61−54222号、特開
昭58−215411号、特開平2−16561号、特
開平2−236550号等の各公報において種々の技術
が提案されている。その中でも、支持体上に、プライマ
ー層、光重合性光熱変換層及びシリコーンゴム層をこの
順に塗設し、露光により、露光部の光重合性光熱変換層
が重合硬化すると共に、シリコーンゴム層との接着力を
強固にし、現像において未露光部のシリコーンゴム層の
みを剥離して画像部を形成する水無し平版が、極めて優
れた性能を有している。
【0004】また、コンピュータ技術の進展により、従
来手作業で行われていた印刷の前工程である製版工程が
デジタル化され、印刷画像のデジタルデータ化が盛んに
なっている。このデジタルデータからリスフイルムを介
さずに直接印刷版材料を作製する技術(コンピュータ・
トゥ・プレート技術)は近年急速に進展しているが、こ
れらの技術は、従来の水あり平版を作製するものは多く
提供されているが、水無し平版を作製できる技術は極め
て少ないのが実状である。
【0005】その少ない技術の中で、レーザ書き込みに
より水無し平版版を作製できる例としては、特公昭42
−21879号、特開昭50−158405号、特開平
6−55723号、特開平6−186750号、米国特
許5,353,705号及び国際公開WO−94012
80号等の各公報に開示された技術が挙げられる。これ
らには、カーボンブラック等のレーザ光吸収剤及びニト
ロセルロース等の自己酸化性のバインダーを含有する光
熱変換層上に、インキ反発性のシリコーンゴム層を設
け、レーザ照射によりシリコーンゴム層の一部を除去し
てインク付着性とし、水無し印刷することが記載されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は、シリコーンゴム層の除去をレーザ照射による
光熱変換層のアブレーションに頼るために、細線の直線
性及び網点の真円性に乏しく、解像度もかせげないた
め、印刷画像としては不満足なものになる問題があっ
た。また、アブレーション後にシリコーンゴム層が周囲
に飛散して、印刷版や周囲の機器部材に付着して悪影響
を及ぼすこともあり、これを防止するために、印刷版の
作製毎に付着したシリコーンゴムを拭き取る工程が必要
となるという問題があった。
【0007】さらに、上述のような従来の印刷原版の大
半は、レーザ記録後の版を処理液に浸漬して現像処理す
る必要があったため、作業が繁雑になると共に、レーザ
画像記録と現像処理との工程のためにそれぞれ別の機器
(レーザ書き込み機、自動現像機)が必要であった。こ
のため、これらの機器間で印刷版の掛け替え等、必然的
に人手を介した作業を必要とし、このマニュアル作業が
位置ずれ(レジずれ)等の不都合な問題を発生させてい
た。
【0008】上述のように、水無し平版印刷版を作製す
る方法は従来いくつか提案されているが、印刷版の作製
工程の煩雑化や、解像力、印刷性能等の性能低下の問題
をいまだに十分解決していない。本発明はこのような従
来技術の問題点に鑑みてなされたもので、解像力、印刷
性能を十分に満足させつつ、簡便な方法により作製する
ことができる水無し平版印刷版及びその作製方法並びに
その作製装置を提供することを目的とする。
【0009】
【発明を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の請求項1に記載の水無し平版印刷版は、基板
上に、インキ反発性層と、ヒートモードまたはフォトン
モードのいずれかによって記録可能な疎水層とを、この
順に積層したことを特徴とする。
【0010】この水無し平版印刷版では、基板上にイン
キの反発性を有するインキ反発性層、ヒートモードまた
はフォトンモードのいずれかによって記録可能な親イン
キ性を有する疎水層を、この順に積層することにより、
疎水層を選択的に除去することで高解像度で所望の画像
が記録可能な印刷版とすることができる。
【0011】請求項2に記載の水無し平版印刷版は、前
記インキ反発性層が、シリコーンゴム層であることを特
徴とする。
【0012】この水無し平版印刷版では、インキ反発性
層をシリコーンゴム層とすることにより、安定したイン
キ反発性が得られる従来公知の各種のシリコーンゴムを
利用することができ、高品位に画像形成可能な印刷版と
することができる。
【0013】請求項3に記載の水無し平版印刷版は、前
記疎水層が、レーザ光を熱に変換する化合物を含有する
光熱変換層であることを特徴とする。
【0014】この水無し平版印刷版では、光熱変換層で
レーザ光を熱に変換することにより、レーザ光が照射さ
れた領域だけを選択的に加熱することができ、高解像度
で疎水層を除去することができる。
【0015】請求項4に記載の水無し平版印刷版は、前
記光熱変換層が、カーボンを含む化合物であることを特
徴とする。
【0016】この水無し平版印刷版では、疎水層を構成
する光熱変換層にカーボンを含むことにより、カーボン
がレーザ光に対する黒体となり、レーザ光のエネルギを
効率良く熱に変換させることができる。
【0017】請求項5に記載の水無し平版印刷版は、前
記疎水層が、金属系感熱層であることを特徴とする。
【0018】この水無し平版印刷版では、疎水層が金属
系感熱層であることにより、一般的な金属薄膜形成法に
より安定して層形成することができる。
【0019】請求項6に記載の水無し平版印刷版は、前
記疎水層が、蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティン
グ法のいずれかによって形成された薄膜であることを特
徴とする。
【0020】この水無し平版印刷版では、疎水層を蒸着
法、スパッタ法、イオンプレーティング法のいずれかに
よって薄膜状に形成することにより、印刷版全体にわた
って高精度で厚みを均一化することができる。
【0021】請求項7に記載の水無し平版印刷版は、前
記疎水層が、光硬化性を有していることを特徴とする。
【0022】この水無し平版印刷版では、疎水層に光硬
化性を持たせることにより、印刷画像データに基づいて
疎水層に光を選択的に照射することで、疎水層を印刷画
像に応じた硬化層を形成できる印刷版とすることができ
る。
【0023】請求項8に記載の水無し平版印刷版の作製
方法は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の水無し平
版印刷版の作製方法であって、前記疎水層を印刷画像に
応じて除去することを特徴とする。
【0024】この水無し平版印刷版の作製方法では、疎
水層を印刷画像に応じて除去することにより、印刷版表
面をインキ反発性層と疎水層との表面性状の異なる面に
形成でき、インキが疎水層のみに付着する水無し平版印
刷版を簡単に作製することができる。
【0025】請求項9に記載の水無し平版印刷版の作製
方法は、前記疎水層の除去を、印刷画像データに基づい
てオン/オフ制御されるレーザ光を前記疎水層に照射す
ることにより行うことを特徴とする。
【0026】この水無し平版印刷版の作製方法では、印
刷画像データに基づいてレーザ光を疎水層に照射するこ
とにより、疎水層に印刷画像に応じた画像を形成するこ
とができる。
【0027】請求項10に記載の水無し平版印刷版の作
製方法は、前記レーザ光が、ハイパワーレーザによる光
であることを特徴とする。
【0028】この水無し平版印刷版の作製方法では、ハ
イパワーレーザを用いることにより、疎水層を除去する
に必要な露光量、波長を安定して与えることができ、画
質劣化を防止することができる。
【0029】請求項11に記載の水無し平版印刷版の作
製方法は、前記疎水層の除去を、印刷画像データに基づ
いて加熱制御されるサーマルヘッドを前記疎水層に接触
させて行うことを特徴とする。
【0030】この水無し平版印刷版の作製方法では、サ
ーマルヘッドを用いることにより、疎水層を直接的に加
熱して除去することができる。
【0031】請求項12に記載の水無し平版印刷版の作
製方法は、請求項7に記載の水無し平版印刷版の作製方
法であって、前記疎水層に光を印刷画像様に照射するこ
とにより疎水層を選択的に硬化させた後、前記疎水層の
非硬化領域を除去することを特徴とする。
【0032】この水無し平版印刷版の作製方法では、光
硬化性を有する疎水層に光を印刷画像に応じて照射する
ことにより、疎水層が選択的に硬化され下地のインキ反
発性層に接合し、その後、疎水層の非硬化領域を除去す
ることで、印刷版の表面をインキ反発性層と疎水層との
表面性状の異なる面に形成でき、インキが疎水層のみに
付着する水無し平版印刷版を作製することができる。
【0033】請求項13に記載の水無し平版印刷版の作
製方法は、前記疎水層の非硬化領域の除去を、支持体上
に少なくとも接着層が形成された剥離シートを光照射後
の前記疎水層に密着させた後、該剥離シートを前記疎水
層から剥離することにより行うことを特徴とする。
【0034】この水無し平版印刷版の作製方法では、支
持体上に少なくとも接着層が形成された剥離シートを光
照射後の疎水層に密着させた後、剥離シートを疎水層か
ら剥離することにより、非硬化領域の疎水層が剥離シー
トと共に除去されて、印刷版のインキ反発性層上には硬
化された疎水層だけが残り、印刷版の表面をインキ反発
性層と疎水層との表面性状の異なる面に形成でき、イン
キが疎水層のみに付着する水無し平版印刷版を作製する
ことができる。
【0035】請求項14に記載の水無し平版印刷版の作
製方法は、前記疎水層の非硬化領域の除去は、液体現像
により行うことを特徴とする。
【0036】この水無し平版印刷版の作製方法では、疎
水層の非硬化領域を液体現像により除去することによ
り、印刷版のインキ反発性層上には硬化された疎水層だ
けが残り、印刷版の表面をインキ反発性層と疎水層との
表面性状の異なる面に形成でき、インキが疎水層のみに
付着する水無し平版印刷版を作製することができる。
【0037】請求項15に記載の水無し平版印刷版の作
製装置は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の水無し
平版印刷版を用いる平版印刷版の作製装置であって、前
記疎水層を印刷画像データに基づいて選択的に加熱する
記録ヘッドと、前記水無し平版印刷版を、前記記録ヘッ
ドに対向する位置に搬送する印刷版搬送手段とを有する
ことを特徴とする。
【0038】この水無し平版印刷版の作製装置では、印
刷画像データに基づいて疎水層を加熱・除去することに
より、疎水層に印刷画像に応じた画像を形成することが
可能な平版印刷版の作製装置を実現できる。
【0039】請求項16に記載の水無し平版印刷版の作
製装置は、前記記録ヘッドとして、ハイパワーレーザ光
を照射するものを用いることを特徴とする。
【0040】この水無し平版印刷版の作製装置では、ハ
イパワーレーザを用いることにより、疎水層を除去する
に必要な露光量、波長を安定して与えることができ、画
質劣化を防止することが可能な平版印刷版の作製装置を
実現できる。
【0041】請求項17に記載の水無し平版印刷版の作
製装置は、前記記録ヘッドとして、サーマルヘッドを用
いることを特徴とする。
【0042】この水無し平版印刷版の作製装置では、印
刷画像データに基づいてサーマルヘッドを疎水層に接触
させることにより、疎水層に印刷画像に応じた画像を形
成することが可能な平版印刷版の作製装置を実現でき
る。
【0043】請求項18に記載の水無し平版印刷版の作
製装置は、前記疎水層を印刷画像データに基づいて選択
的に光硬化させる記録ヘッドと、前記水無し平版印刷版
を、前記記録ヘッドに対向する位置に搬送する印刷版搬
送手段と、前記疎水層の非硬化領域の除去手段とを有す
ることを特徴とする。
【0044】この水無し平版印刷版の作製装置では、印
刷画像データに基づいて疎水層を選択的に光硬化させ、
非硬化領域を除去することにより、疎水層に印刷画像に
応じた画像を形成することが可能な平版印刷版の作製装
置を実現できる。
【0045】請求項19に記載の水無し平版印刷版の作
製装置は、前記疎水層の除去手段として、液体現像手段
を用いることを特徴とする。
【0046】この水無し平版印刷版の作製装置では、疎
水層の非硬化領域を選択的に液体現像により除去するの
で、光硬化した領域だけが残り、疎水層に印刷画像に応
じた画像を形成することが可能な平版印刷版の作製装置
を実現できる。
【0047】請求項20に記載の水無し平版印刷版の作
製装置は、前記疎水層の除去手段として、支持体上に少
なくとも接着層が形成された剥離シートを作用させる手
段を用いることを特徴とする。
【0048】この水無し平版印刷版の作製装置では、疎
水層の非硬化領域を選択的に剥離シートにより除去する
ので、光硬化した領域だけが残り、疎水層に印刷画像に
応じた画像を形成することが可能な平版印刷版の作製装
置を実現できる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
水無し平版印刷版の作製方法を、図面を参照して詳細に
説明する。図1は、本発明に係る水無し平版印刷版(以
下、単に水無し印刷版という)の第1実施形態における
層構成を示す図、図2は、図1に示す印刷版の版作製手
順を説明する図である。図1に示すように、本実施形態
に係る水無し印刷版100の原版としての構成は、印刷
版の基体となる基板10上に、少なくとも、シリコーン
ゴム等のインキ反発性層12と、ヒートモードまたはフ
ォトンモードのいずれかによって記録可能な疎水層とし
ての感熱性疎水層(または、感光性疎水層)14を順次
積層してなるものである。
【0050】まず、水無し印刷版100の材料を説明す
る。基板10は、通常の印刷機にセットできる程度のた
わみ性を有し、同時に印刷時にかかる荷重に耐えるもの
でなければならない。従って、代表的な基板としては、
コート紙や、アルミニウムのような金属板や、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリカーボネート等のプラスチッ
クフィルムや、ゴム或いはそれらを複合させたものを一
例として挙げることができ、特に、アルミニウム、アル
ミニウム含有合金(例えば、珪素、銅、マンガン、マグ
ネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルなど
の金属とアルミニウムとの合金)及びプラスチックフィ
ルムであることが好ましい。基板10の膜厚は25μm
から3mm、好ましくは75μmから500μmが適当
であるが、用いる基板10の種類と印刷条件により最適
な厚さは変動する。一般には、100μmから300μ
mが最も好ましい。なお、この基板10には、基板に隣
接する層に対する密着性向上、印刷特性向上または高感
度化のために、コロナ処理等の表面処理を施したり、プ
ライマー層を設けることができる。
【0051】次に、インキ反発性層12は、例えば架橋
を行ったシリコーンゴム層を用いることができる。この
シリコーンゴム層12は、下記の組成物A(縮合型シリ
コーン)または組成物B(付加型シリコーン)を硬化し
て形成した皮膜である。 組成物A: (a)ジオルガノポリシロキサン (数平均分子量が3,000〜40,000) 100重量部 (b)縮合型架橋剤 3〜70重量部 (c)触媒 0.01〜40重量部 上記成分(a)のジオルガノポリシロキサンは、下記の
一般式で示されるような繰り返し単位を有するポリマー
で、R1 及びR2 は炭素数1〜10アルキル基、炭素数
2〜10のアルケニル基(好ましくは、ビニル基)、炭
素数6〜20のアリール基であり、また、その他の適当
な置換基を有していても良い。一般的には、R1 及びR
2 の60%以上がメチル基、ハロゲン化ビニル基あるい
は、ハロゲン化フェニル基などであるものが好ましい。
【0052】
【化1】
【0053】このようなジオルガノポリシロキサンは両
末端に水酸基を有するものを用いるのが好ましい。ま
た、前記成分(a)は、数平均分子量が3,000〜4
0,000であり、より好ましくは、5,000〜3
6,000である。成分(b)は縮合型のものであれば
いずれであってもよいが、次の一般式で示されるような
ものが好ましい。 R1m・Si・Xn (m+n=4、nは2以上) ここで、Xは次に示すような置換基である。 (1) Cl、Br、Iなどのハロゲン (2) H、OH、−OCOR3 、−OR3 、−O−N
=C(R4)R5 、−N(R4)R5 などの有機置 換
基。 ここで、R3 は炭素数1〜10のアルキル基及び炭素数
6〜20のアリール基、R4 、R5 は炭素数1〜10の
アルキル基を示す。成分(c)は錫、亜鉛、鉛、カルシ
ウム、マンガンなどの金属カルボン酸塩、例えば、ラウ
リン酸ジブチル、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛など、あ
るいは塩化白金酸等のような公知の触媒が挙げられる。
【0054】 組成物B: (d)付加反応性官能基を有するジオルガノポリシロキサン (数平均分子量が3,000〜40,000) 100重量部 (e)オルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜10重量部 (f)付加触媒 0.00001〜1重量部 上記成分(d)の付加反応性官能基を有するジオルガノ
ポリシロキサンとは、1分子中にケイ素原子に直接結合
した炭素数2〜10のアルケニル基(より好ましくはビ
ニル基)を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサ
ン(数平均分子量が3,000〜40,000)で、ア
ルケニル基は分子量末端、中間いずれにあってもよく、
アルケニル基以外の有機基としては、置換若しくは非置
換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のア
リール基である。また、成分(d)には水酸基を微量有
することも任意である。成分(d)は、数平均分子量が
3,000〜40,000であり、より好ましくは、
5,000〜36,000である。
【0055】成分(e)としては、両末端水素基のポリ
ジメチルシロキサン、α、ω−ジメチルポリシロキサ
ン、両末端メチル基の(メチルシロキサン)(ジメチル
シロキサン)共重合体、環状ポリメチルシロキサン、両
末端トリメチルシリル基のポリメチルシロキサン、両末
端トリメチルシリル基の(ジメチルシロキサン)(メチ
ルシロキサン)共重合体などが例示される。成分(f)
としては、公知のものの中から任意に選ばれるが、特に
白金系の化合物が望ましく、白金単体、塩化白金、塩化
白金酸、オレフィン配位白金などが例示される。これら
の組成物の硬化速度を制御する目的で、テトラシクロ
(メチルビニル)シロキサンなどのビニル基含有のオル
ガノポリシロキサン、炭素−炭素三重結合含有のアルコ
−ル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノ−ル、エ
タノ−ル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルな
どの架橋抑制剤を添加することも可能である。
【0056】なお、シリコーンゴム層12には必要に応
じて、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの無機
物の微粉末、シランカップリング剤、チタネート系カッ
プリング剤やアルミニウム系カップリング剤などの接着
助剤や光重合開始剤を添加しても良い。本実施形態のシ
リコーンゴム層12は、厚さが小さいとインキ反発性が
低下して傷が入りやすくなることから、適正な厚みとし
てマット加工を施しても良いが、マット加工の無いもの
の方が本実施形態では好ましい。
【0057】そして、感熱性疎水層14は、書き込みに
使用されるレーザ光を熱に変換(光熱変換)する機能を
有する層であり、少なくとも(1)シリコーンゴム層1
2のシリコーン架橋剤と反応しうる基を側鎖に有する付
加重合体、及び(2)光熱変換剤を含んでいる。 成分(1):シリコーンゴム層12のシリコーン架橋剤
と反応しうる基を側鎖に有する付加重合体 本実施形態に用いるシリコーンゴム層12のシリコーン
架橋剤と反応しうる基を側鎖に有する付加重合体は、シ
リコーンゴム層12のシリコーン架橋剤と反応しうる基
を有する付加重合可能なエチレン性不飽和モノマーを付
加重合する方法、または付加重合体に高分子反応により
シリコーンゴム層12のシリコーン架橋剤と反応しうる
基を導入する方法によって得られる。シリコーンゴム層
12のシリコーン架橋剤と反応しうる基を側鎖に有する
好ましい繰り返し単位として、式(1)を挙げることが
できる。
【0058】
【化2】
【0059】式中、Rは水素原子及びメチル基を表し、
Xは−COO−、−CONH−及びフェニレン基を表
し、Yは−COO−、−OCO−、−CONH−、−N
HCO−、−NHCOO−、−OCONH−、−O−、
−S−、−NH−及びフェニレン基を表す。L1 及びL
2 は置換または無置換の炭素数1から20のアルキレン
基を表し、置換基としては、例えば、炭素数1から10
のアルキル基、炭素数1から10のアルコキシ基、炭素
数6から20のフェニル基、炭素数6から20のフェノ
キシ基、水酸基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハ
ロゲン原子等が挙げられる。Zは水酸基、−CH=CH
2 及びC(CH3)=CH2を表す。シリコーンゴム層1
2の硬化反応として縮合反応を用いる場合、Zは水酸基
が好ましく、付加反応を用いる場合、Zは−CH=CH
2 及びC(CH3)=CH2が好ましい。p、q、rは0
または1を表し、nは0から3の正数を表す。本実施形
態に用いるシリコーンゴム層12のシリコーン架橋剤と
反応しうる基を側鎖に有する付加重合体の繰り返し単位
の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定される
ものではない。
【0060】
【化3】
【0061】
【化4】
【0062】本実施形態に用いるシリコーンゴム層12
のシリコーン架橋剤と反応しうる基を側鎖に有する付加
重合体は、シリコーン架橋剤と反応しうる基を側鎖に有
する繰り返し単位を2種以上有しても良く、シリコーン
架橋剤と反応しうる基を有さない繰り返し単位との共重
合体であっても良い。共重合に用いる化合物としては付
加重合可能なエチレン性不飽和モノマーを有する化合物
であれば、特に限定されるものではない。その使用量は
光熱変換層の総固形分重量に対して、20重量%〜70
重量%、好ましくは25重量%〜60重量%、より好ま
しくは30重量%〜50重量%である。
【0063】成分(2):光熱変換剤 光熱変換剤としては、有機顔料としては酸性カーボンブ
ラック、塩基性カーボンブラック、中性カーボンブラッ
クなど各種カーボンブラック、分散性改良等のために表
面修飾若しくは表面コートされた各種カーボンブラッ
ク、ニグロシン類、有機色素としては「赤外増感色素」
(松岡著 Plenum Press, New York, NY (1990))、米国
特許4,833,124号、ヨ−ロッパ特許公開32
1,923号、米国特許4,772,583号、米国特
許4,942,141号、米国特許4,948,776
号、米国特許4,948,777号、米国特許4,94
8,778号、米国特許4,950,639号、米国特
許4,912,083号、米国特許4,952,552
号、米国特許5,023,229号などに記載の各種化
合物、金属若しくは金属酸化物としてはアルミニウム、
インジウムスズ酸化物、酸化タングステン、酸化マンガ
ン、酸化チタン等、この他にポリピロール、ポリアニリ
ンなどの導電性ポリマーなども使用可能である。その使
用量は感熱性疎水層の総固形分重量に対して、5重量%
〜50重量%、好ましくは8重量%〜45重量%、より
好ましくは10重量%〜40重量%である。
【0064】本実施形態においては、成分(1)の重合
体の他にフィルム形成能を有する高分子化合物を用いて
も良い。その光熱変換層に使用される高分子化合物の例
としては、ニトロセルロース、エチルセルロースなどの
セルロース、セルロース誘導体類、ポリメチルメタクリ
レート、ポリブチルメタクリレートなどのアクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステルの単独重合体及び共重合
体、ポリスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン
系モノマーの単独重合体若しくは共重合体、イソプレ
ン、スチレン−ブタジエンなどの各種合成ゴム類、ポリ
酢酸ビニルなどのビニルエステル類の単独重合体及び酢
酸ビニル−塩化ビニルなどの共重合体、ポリウレア、ポ
リウレタン、ポリエステル、ポリカーボネートなどの縮
合系各種ポリマー及び「J. Imaging Sci., P59-64, 30
(2), (1986)(Frechet ら)」や「Polymers in Electr
onics(Symposium Series, P11, 242, T. Davidson, E
d., ACS Washington, DC (1984) (Ito, Willson)」、
「Microelectronic Engineering, P3-10, 13 (1991)
(E. Reichmanis, L.F. Thompson)」に記載のいわゆる
「化学増幅系」に使用されるバインダー等が使用可能で
ある。その使用量は光熱変換層の総固形分重量に対し
て、0重量%〜50重量%、好ましくは10重量%〜4
0重量%、より好ましくは15重量%〜35重量%であ
る。
【0065】また、感熱性疎水層14の他の構成例とし
て下記の金属系感熱層を挙げることができる。すなわ
ち、ヒートモード記録可能な感熱性疎水層14として
は、(A)金属と(B)特定の金属化合物を含有する。
この記録層に含まれる(A)金属としては、Mg、S
c、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、M
o、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、
Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、A
l、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、S
b、Bi、Se、Te等が挙げられ、これらは単独で用
いてもよく、2つ以上の組み合わせまたは合金として用
いても良い。これら金属のなかでも、低融点或いは低反
射率のものとしてMg、Mn、Zn、Al、In、S
n、Bi、Te等が好ましく、さらに、無公害性の点か
らはMg、Mn、Zn、Al、In、Snが好ましい。
【0066】本実施形態の感光疎水層に含まれる他の必
須成分である(B)金属化合物は、TiB2、ZrB
2 、C aB6 、SrB6 、NbB2 、MoB2 、Ta
2 等の金属ホウ化物、V3 Si、FeSi2 、B6
i等の金属ケイ化物、SiC、VC、ZrC、B4 C、
HfC、TiC等の金属炭化物、TiN、TaN、Si
34 等の金属窒化物、MgF2 、CaF2 、RhF
3 、PbF3 、AgCl、PbCl2、SnC l2 、K
Cl、AgBr、PbBr2 、CuBr、AgI、Pb
2 、SnI2 、CuI、KI等の金属ハロゲン化物か
ら選ばれ、これらの化合物を単一或いは二つ以上組み合
わせて用いてもよい。これらのうち、効果の観点から、
金属ホウ化物、金属ハロゲン化物等が好ましく、具体的
には、TiB2、ZrB2 、MgF2 、CaF2 等が好
ましい。
【0067】上記金属系感熱層を基板10上に設ける方
法としては、前述の金属及び金属化合物を蒸着(抵抗加
熱、電子ビーム加熱)する方法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法等の種々の方法を用いることがで
きる。
【0068】また、上記金属系感熱層を設ける方法とし
て、金属層と金属化合物層とを別々の層として形成して
積層する重層構造(さらに、金属層と金属化合物層の交
互多層構成でもよい。)とする方法、金属と金属化合物
を混合してなる単一層として設ける方法等が挙げられ
る。さらに、金属と金属化合物の混合層と金属層及び/
または金属化合物層との重層構成とすることもできる。
【0069】さらに、上記金属系感熱層を設ける他の好
適な方法として、真空槽内で蒸着法を用いる際に、金属
と金属化合物とを別の蒸着源を用い、金属は抵抗加熱に
より、金属化合物は電子ビームにより同時に蒸着を行う
方法がある。両者の混合率の制限は、各々の蒸発源に対
して水晶振動型の膜厚モニターを配置し、それにより蒸
発速度を制御することにより行うことができる。
【0070】この時、記録層における金属化合物の好ま
しい組成比は、1〜80体積%であり、さらに好ましく
は5〜60体積%であり、より好ましくは10〜40体
積%である。金属化合物の配合量が1体積%未満では、
感度及び画像再現性の改良が不十分であり、80体積%
を超えると、感度及び画像再現性が低下するため、いず
れも好ましくない。
【0071】また、感熱性疎水層14の厚さは、層を構
成する材料によって異なるが、50オングストローム以
下では光吸収率が小さく感度が低下し、1000オング
ストローム以上では感度及び画像再現性の低下が起きる
ため、50〜1000オングストロームとすることが好
ましく、100〜800オングストロームとすることが
より好ましい。また、この場合の記録層の光学濃度は、
0.15以上であることがレーザ光のエネルギーを有効
に利用する観点から好ましい。
【0072】次に、本実施形態の水無し印刷版100の
作製方法を説明する。まず、図2(a)に示すように、
基板10上にインキ反発性層としてのシリコーンゴム層
12を形成し、さらにシリコーンゴム層12上に前述し
たカーボン系の感熱性疎水層14を形成した水無し印刷
原版を用意する。
【0073】この水無し印刷原版に対してレーザ光によ
る露光処理を施すことで、所望の画像が形成された印刷
版を作製する。この露光工程では、シリコーンゴム層1
2と、光を熱に変換してアブレーションする感熱性疎水
層14とをこの順に積層してなる水無し印刷原版に対
し、感熱性疎水層14が吸収可能なレーザ光を照射する
ことで画像露光を行う。露光工程において、水無し印刷
原版に対して形成すべき画像情報に応じたレーザ光が照
射されると、感熱性疎水層14でレーザ光のエネルギー
が吸収され、その吸収部分で光が熱に変換され、(好ま
しくは急速に)昇温し、熱による潜像が形成される。す
なわち、その吸収部分の感熱性疎水層14の一部または
全部に、燃焼、融解、分解、気化、爆発(アブレーショ
ン)等の化学反応や物理変化が引き起こされ、結果とし
て、実質的にレーザを照射した区域内で、感熱性疎水層
14が選択的に除去される(図2(b)参照))。この
とき除去された感熱性疎水層14は、膜厚が薄く総質量
が微量であるため、例え印刷版の全面の感熱性疎水層1
4が除去されて周囲に飛散したとしても、印刷版や装置
等に何ら悪影響を及ぼすことはない。
【0074】上記露光工程において、水無し印刷原版を
露光する際に使用するレーザ(またはハイパワーレー
ザ)は、感熱性疎水層14が除去されるのに必要な露光
量、波長等を与えるものであれば特に制限されることは
ない。具体的には、Arレーザ、炭酸ガスレーザ等のガ
スレーザ、YAGレーザ等の固体レーザ、半導体レーザ
などが挙げられる。通常、その出力が100mWクラス
以上のレーザが必要となる。保守性、価格などの実用的
な面からは、半導体レーザ及び半導体励起の固体レーザ
(YAGレーザなど)が好適に使用される。レーザは、
主に熱を発生させる目的で使用するので、記録波長とし
ては赤外線の波長領域が好ましく利用でき、通常は、8
00〜1100nmの発振波長が利用される。また、ビ
ーム径としては、通常5〜200μm(1/e2)であ
る。レーザ照射は、水無し印刷原版の感熱性疎水層14
側から照射する ことが好ましいが、基板10が照射レ
ーザ光に対して透明な場合には、基板10側から照射す
ることもできる。また、特開平6−186750号公報
に記載されているイメージング装置を用いて露光するこ
とも可能である。
【0075】また、レーザ光照射による露光工程の代わ
りに、複数の発熱素子から構成されるサーマルヘッドに
より感熱性疎水層14を直接的に加熱する方法を用いる
こともできる。これによっても、前記同様に感熱性疎水
層14を選択的に除去することができる。
【0076】本実施形態の水無し印刷版の作製方法によ
れば、従来行われていたシリコーンゴム層の飛散除去が
なくなるため、露光部周辺の装置回りや印刷版へのシリ
コーンゴムの付着がなくなり、作製される印刷版を劣化
させることなく、印刷版の作製時におけるシリコーンゴ
ムのカスの拭き取り工程を不要にすることができる。以
て、水無し印刷版の作製を、より簡単な工程でかつ高品
質のまま行うことが可能となり、印刷版作製コストの低
減を図ることができる。
【0077】図3に、上記実施形態の水無し印刷版の作
製方法を具体化した水無し印刷版の作製装置の実施例を
示す。本実施例に示す水無し印刷版の作製装置は、印刷
版ストッカー31と、印刷版ストッカー31から供給さ
れる水無し印刷版32が巻き付ける記録用回転ドラム3
3と、レーザ光を照射する記録用レーザヘッド36と、
記録後の水無し印刷版32を収容する印刷版ストッカー
38とを備えている。この水無し印刷版の作製装置によ
る作製手順を図4に示した。まず、図4(a)に示すよ
うに、印刷版ストッカー31から供給される水無し印刷
版32を1枚ずつ取り出して、記録用回転ドラム33の
表面に巻き付ける。この記録用回転ドラム33は、例え
ば、幅350mm、円周750mm程度のものを使用し
ており、ドラム表面に形成された複数の溝や穴から真空
吸引することによって、印刷版32をドラム表面に吸着
している。なお、静電吸着など他の吸着手段を用いても
良い。また、機械的な保持機構を併用することも好まし
い。
【0078】次に、図4(b)に示すように、印刷版3
2が装着された記録用回転ドラム33を高速回転させる
と共に、記録ヘッドとしての記録用レーザヘッド36か
ら、印刷画像データに基づいてレーザ光を印刷版32に
照射する。記録時の記録用回転ドラム33の回転速度
は、例えば、周速度で2m/secとした。この記録用回転
ドラム33の回転方向が主走査方向となる。記録用レー
ザヘッド36は、記録用回転ドラム33の軸方向、すな
わち、副操作方向に移動可能なレール上に載置されてお
り、例えば、出力1Wのレーザを15本等間隔で配列し
ている。なお、記録用回転ドラム33の記録媒体面上の
ビーム径は約15μmで、媒体面上のパワーは約400
mWとした。
【0079】そして、図4(c)に示すように、レーザ
光による記録終了後、印刷版32を記録用回転ドラム3
3から取り外し、印刷版ストッカー38に収容する。本
実施例に係る印刷版の作製装置によれば、レーザヘッド
により印刷版に画像様にレーザ光を照射し、疎水層を選
択的に除去することで、水無し印刷版を容易に作製する
ことができる。
【0080】上記実施例においては、印刷版の疎水層を
選択的に除去するためにレーザ光照射を行う例を示した
が、レーザヘッドによるレーザ光照射に代わって、サー
マルヘッドによる直接加熱を行っても良い。サーマルヘ
ッドとしては、例えば図5に示す構成のものが利用でき
る。図5は水無し印刷版の作製装置の記録ヘッド部分に
おける概略的な構成を示す図である。図5によれば、送
り出し側から供給されるシート状の水無し印刷版41が
記録用サーマルヘッド42の発熱素子42aの直下で接
して、従動ローラであるプラテン43に押圧されながら
記録が行われる。サーマルヘッド42による記録終了後
は、印刷版41はキャプスタンローラ44、ピンチロー
ラ45との間を通過しながら搬送される。ここで、印刷
版41は、図5における上面側が支持体側であり、該支
持体は厚さ0.2mm程度のポリエチレンテフタレート
(PET)からなる。キャプスタンローラ44は、例え
ばローラ表面に高さ50μm、ピッチ0.5mmの突起
を少なくとも一部に配列した鉄製の駆動ローラであり、
印刷版41の記録中の搬送速度を約10mm/秒として
駆動されている。また、ピンチローラ45は、A硬度が
80度の厚み2mmのウレタンゴムが鉄製の芯金に巻回
された従動ローラである。そして、サーマルヘッド42
は、発熱素子42aの配列方向(主走査方向)に15μ
m、発熱素子42aの移動方向(副走査方向)に15μ
mのサイズのヒータを、発熱素子42aの配列方向に1
200dpi(ドットパーインチ)のピッチで形成して
いる。発熱素子42aの数は、印刷版の幅程度に設定す
ることにより1回の記録で全面記録を完了できる。ま
た、印刷版の幅の略1/n(nは整数)の素子数であれ
ば、n回の記録で全面記録を完了できる。なお、発熱素
子42aの抵抗値は約4000Ω、印加電圧は約11V
としている。従って、この場合の素子当たりの出力は約
30mWとなる。ここで、印加パルス時間は1200d
piあたり1.5msecに設定している。また、サー
マルヘッドは印刷版の下側に設けたプラテンに押圧する
ように予圧されている。この予圧力は300mm幅で約
6kgf程度に設定される。上記構成のサーマルヘッド
によっても、水無し印刷版をレーザ光を用いる場合と同
様にして容易に作製することができる。
【0081】次に、光硬化性薄膜を用いて水無し印刷版
を作製する第2実施形態を説明する。図6に、本実施形
態による水無し印刷版の作製手順を示した。図6によれ
ば、水無し印刷原版は、第1実施形態同様に基板10上
にインキ反発性層としてのシリコーンゴム層12を形成
すると共に、シリコーンゴム層12上に光硬化性疎水層
16を形成する。
【0082】この光硬化性疎水層16の材料としては、
感光性樹脂組成物が好適に用いられる。以下に感光性樹
脂組成物について説明する。本実施形態の感光性樹脂組
成物が光重合性感光性樹脂組成物である場合の、その主
な成分としては、付加重合可能なエチレン性二重結合を
含む化合物、光重合開始剤等であり、必要に応じ、熱重
合禁止剤等の化合物が添加される。また、フッ素系ポリ
マーであってもよい。
【0083】付加重合可能な二重結合を含む化合物は、
末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましく
は2個以上有する化合物の中から任意に選択することが
できる。例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2
量体、3量体及びオリゴマー、またはそれらの混合物な
らびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつもので
ある。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和
カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸な
ど)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽
和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が
挙げられる。
【0084】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アク
リル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテ
ル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサン
ジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジア
クリレート、ジペンタエリスリト−ルペンタアクリレ−
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソル
ビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリ
レート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトー
ルヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリ
ゴマー等がある。
【0085】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ジペンタエリスリト−ルペンタメタアクリレ
−ト、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトール
テトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオ
キシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチル
メタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フ
ェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0086】イタコン酸エステルとしては、エチレング
リコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタ
コネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、
1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレ
ングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジ
イタコネート、ソルビトールテトライタコネート等があ
る。
【0087】クロトン酸エステルとしては、エチレング
リコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジ
クロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、
ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロ
トン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソク
ロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネー
ト、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マ
レイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレ
ート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリ
スリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等
がある。さらに、前述のエステルモノマーの混合物も挙
げることができる。
【0088】また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カ
ルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチ
レンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリル
アミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、
ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレ
ンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミ
ド等がある。その他の例としては、特公昭48−417
08号公報中に記載されている1分子中に2個以上のイ
ソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、
下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビニル
モノマーを付加せしめた1分子中に2個以上の重合性ビ
ニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられ
る。 CH2 =C(R5 )COOCH2 CH(R6 )OH (A) (ただし、R5 及びR6 はHあるいはCH3 を示す。)
【0089】また、特開昭51−37193号公報に記
載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭4
8−64183号、特公昭49−43191号、特公昭
52−30490号各公報に記載されているようなポリ
エステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アク
リル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能
のアクリレートやメタクリレートを挙げることができ
る。さらに日本接着協会誌 vol. 20、No. 7、300
〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及び
オリゴマーとして紹介されているものも使用することが
できる。なお、これらの使用量は、全成分に対して5〜
70重量%(以下%と略称する。)、好ましくは10〜
50%である。
【0090】本実施形態で用いられる光重合性の感光性
樹脂組成物に含まれる光重合開始剤としては、使用する
光源の波長により、特許、文献等で公知である種々の光
重合開始剤、あるいは2種以上の光重合開始剤の併用系
(光重合開始系)を適宜選択して使用することができ
る。例えば400nm付近の光を光源として用いる場
合、ベンジル、ベンゾインエーテル、ミヒラーズケト
ン、アントラキノン、チオキサントン、アクリジン、フ
ェナジン、ベンゾフェノン等が広く使用されている。
【0091】また、400nm以上の可視光線、Arレ
ーザ、半導体レーザの第2高調波、SHG−YAGレー
ザを光源とする場合にも、種々の光重合開始系が提案さ
れており、例えば、米国特許2,850,445号に記
載のある種の光還元性染料、例えばロ−ズベンガル、エ
オシン、エリスロシンなど、あるいは、染料と光重合開
始剤との組み合わせによる系、例えば、染料とアミンの
複合開始系(特公昭44−20189号)、ヘキサアリ
ールビイミダゾールとラジカル発生剤と染料との併用系
(特公昭45−37377号)、ヘキサアリールビイミ
ダゾールとp−ジアルキルアミノベンジリデンケトンの
系(特公昭47−2528号、特開昭54−15529
2号)、環状シス−α−ジカルボニル化合物と染料の系
(特開昭48−84183号)、環状トリアジンとメロ
シアニン色素の系(特開昭54−151024号)、3
−ケトクマリンと活性剤の系(特開昭52−11268
1号、特開昭58−15503号)、ビイミダゾール、
スチレン誘導体、チオールの系(特開昭59−1402
03号)、有機過酸化物と色素の系(特開昭59−15
04号、特開昭59−140203号、特開昭59−1
89340号、特開昭62−174203号、特公昭6
2−1641号、米国特許4,766,055号)、染
料と活性ハロゲン化合物の系(特開昭63−25890
3号、特開平2−63054号など)、染料とボレ−ト
化合物の系(特開昭62−143044号、特開昭62
−150242号、特開昭64−13140号、特開昭
64−13141号、特開昭64−13142号、特開
昭64−13143号、特開昭64−13144号、特
開昭64−17048号、特開平1−229003号、
特開平1−298348号、特開平1−138204号
など)、ローダニン環を有する色素とラジカル発生剤の
系(特開平2−179643号、特開平2−24405
0号)、チタノセンと3−ケトクマリン色素の系(特開
昭63−221110号)、チタノセンとキサンテン色
素さらにアミノ基あるいはウレタン基を含む付加重合可
能なエチレン性不飽和化合物を組み合わせた系(特開平
4−221958号、特開平4−219756号)、チ
タノセンと特定のメロシアニン色素の系(特開平6−2
95061号)、チタノセンとベンゾピラン環を有する
色素の系(特開平8−334897号)等を挙げること
ができる。これらの光重合開始剤の使用量は、エチレン
性不飽和化合物100重量部に対し、0.05〜100
重量部、好ましくは0.1〜70重量部、さらに好まし
くは0.2〜50重量部の範囲で用いることができる。
【0092】また、本実施形態の光重合性の感光性樹脂
組成物においては、以上の基本成分の他に感光性樹脂組
成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレ
ン性不飽和化合物の不要な熱重合を阻止するために少量
の熱重合禁止剤を添加することが望ましい。適当な熱重
合禁止剤としてはハロイドキノン、p−メトキシフェノ
ール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロー
ル、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−
チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミ
ン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミンアルミニウム塩等が挙げられる。熱重合禁止剤の
添加量は、全組成物の重量に対して約0.01%〜約5
%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害
を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高
級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感
光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添
加量は、全組成物の約0.5%〜約10%が好ましい。
【0093】次に、本実施形態の水無し印刷版の作製方
法を説明する。まず、図6(a)に示すように、上述し
た青色またはUV波長のレーザによる露光処理を施すこ
とで、水無し印刷原版に所望の画像を形成する。この露
光工程では、光硬化性疎水層16に光硬化性疎水層16
を硬化させる光を画像様に照射することで画像露光を行
う。水無し印刷原版に対して形成すべき画像情報に応じ
たレーザ光が照射されると、図6(b)に示すように、
光が照射された光硬化性疎水層16aは硬化して、下地
のシリコーンゴム層12に接合される。そして、この状
態から液体現像により、露光されなかった非硬化領域1
6bを除去して、図6(c)に示すように所望の画像が
形成された水無し印刷版を作製する。
【0094】現像後に残った光硬化性疎水層16aは疎
水性(親油性)であり、下地のシリコーンゴム層12は
インキ反発性を有しているため、印刷時においては、供
給されるインキは光硬化性疎水層16a上だけにのり、
光硬化性疎水層16a上のインキが本紙に転写されて印
刷が行われる。なお、上記液体現像は周知の現像処理で
あって、非硬化領域16bが除去できるものであれば良
い。本実施形態の水無し印刷版の作製方法によっても、
第1実施形態同様の効果を奏することができる。
【0095】図7に、上記実施形態の水無し印刷版の作
製方法を具体化した水無し印刷版の作製装置の実施例を
示す。本実施例に示す水無し印刷版の作製装置は、印刷
版ストッカー51から供給される水無し印刷版52を1
枚ずつ取り出して、記録用回転ドラム53の表面に巻き
付ける。この記録用回転ドラム53も、例えば、幅35
0mm、円周750mm程度のものを使用する。ドラム
表面には、複数の溝や穴が形成されており、これらの溝
や穴から真空吸引することによって、印刷版52をドラ
ム表面に吸着する。なお、メカニカルなチャッキング機
構を併用することが好ましい。
【0096】次に、印刷版52が装着された記録用回転
ドラム53を高速回転させ、記録ヘッド56から青色ま
たはUV波長のレーザ光による画像様露光を行う。この
露光により、印刷版52上の光が照射された光硬化性疎
水層が硬化する。この後、液体現像装置55により、露
光されなかった非硬化領域16bを除去して、図6
(c)に示したように所望の画像が形成された水無し印
刷版を得る。液体現像終了後、印刷版52を記録用回転
ドラム53から取り外し、印刷版ストッカー50に収容
する。本実施例に係る印刷版の作製装置によれば、青色
またはUV波長のレーザ光による画像様露光で選択的に
光硬化させた後に、非硬化領域を除去することにより、
水無し印刷版を容易に作製することができる。
【0097】また、上記第2実施形態の変形例として、
液体現像の代わりに剥離シート20を用いることもでき
る。すなわち、図8に示すように、光硬化性疎水層16
への露光工程終了後に、支持体21上に少なくとも接着
層22が形成された剥離シート20を印刷原版の露光側
表面に貼り付け(図8(c))、剥離する(図8
(d))ことで、露光されなかった非硬化領域16bだ
けを印刷原版から除去する。
【0098】この剥離シート20の材料としては、ま
ず、接着層22は、本実施形態で使用する水無し印刷原
版の光硬化性疎水層16における未硬化領域16bに対
し密着できる表面を有する。支持体21は、接着層22
を担持できれば任意であるが、可撓性のある支持体21
が好ましい。剥離シート20の形態は、シート状が通常
であるが、シートを巻込んだロール状の形態等でもかま
わない。可撓性のある支持体としては、プラスチックフ
イルム若しくは紙などシート状の物質が使用でき、前者
として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、塩化ビニルなど公知の各種フ
イルムが挙げられる。プラスチックシートをラミネート
した紙、金属を蒸着したプラスチックフイルムなどの複
合支持体も使用できる。支持体の膜厚は、通常10〜5
00μm、好ましくは25〜175μmである。
【0099】接着層22は、光硬化性疎水層16の未硬
化領域16bに密着できる公知の材質の層がいずれも使
用できる。ただし、接着層22の密着性(密着力)は、
剥離シート20を剥がす際、未硬化領域16bを剥離で
きる程の強さが必要である一方、レーザ露光部の硬化領
域16aまでも剥がす程の強さであってはならない。し
たがって、接着層22の適切な材質は、水無し印刷原版
の特性に応じて、適宜選択される。
【0100】接着層22として用いることができる市販
品としては、例えば、東芝シリコーン製から商品名TS
R1510,TSR1511,TSR1515,TSR
1520、東レダウコーニングシリコーンから商品名S
H4280,SD4560,SD4570,SD458
0等として入手可能な、シリコーン系感圧接着剤が挙げ
られる。接着層22の膜厚は、1〜200μmが好まし
く、より好ましくは5〜100μmであり、さらに好ま
しくは10〜50μmである。また、接着層22を可撓
性支持体に設けたものが市販されており、これを、本実
施形態にいう剥離シートとして使用することができる。
そのような市販品は、例えば、住友スリーエムから商品
名スコッチテープ#851A,スコッチテープ#541
3,スコッチテープ#9396,スコッチテープ#54
90として、ソニーケミカルズから商品名ソニーボンド
テープT4080として、Beiersdorfから商
品名tesaテープ#4428,tesaテープ#43
50−1,tesaテープ#4142,tesaテープ
#4331,tesaテープ#4310として、Per
macelから商品名P−366,P−377,P−9
04,P904HDとして入手可能である。剥離シート
20の接着層22と光硬化性疎水層16との圧着は、そ
れらを接触させ、例えば、ローラー状の圧着ローラーを
用い接着シート裏面から、または版材裏面から、或いは
両方から加圧することにより行うことができる。
【0101】剥離工程では、剥離シート20を剥離し、
レーザ光が照射されなかった光硬化性疎水層16bの少
なくとも一部を除去する。この剥離工程において、剥離
シート20を剥離すると、光硬化性疎水層16とシリコ
ーンゴム層12との間の密着力よりも接着層22に対す
る密着力が大きくなったレーザ露光部の光硬化性疎水層
16bの大部分が、剥離シート20の接着層22に接着
した状態で剥離される。剥離シート20の剥離は、レー
ザ光の照射により光硬化層薄膜16aとシリコーンゴム
層12との密着力が向上し、接着層22と非硬化の光硬
化性疎水層16bとの間の密着力より大きくなった時点
以降の任意のタイミングで行うことができる。
【0102】この変形例によれば、レーザ露光工程後に
印刷版を処理液に浸漬して現像処理することを必要とし
ないため、レーザ露光部と現像部との間で印刷版の掛け
替え等の人手によるマニュアル作業が不要となり、マニ
ュアル作業による位置ずれ(レジずれ)等の不都合な問
題の発生を防止できる。
【0103】図9に、上記実施形態の水無し印刷版の作
製方法を具体化した水無し印刷版の作製装置の実施例を
示す。本実施例に示す水無し印刷版の作製装置は、印刷
版ストッカー71から供給される水無し印刷版72を1
枚ずつ取り出して、記録用回転ドラム73の表面に巻き
付ける。この記録用回転ドラム73も、例えば、幅35
0mm、円周750mm程度のものを使用する。ドラム
表面には、複数の溝や穴が形成されており、これらの溝
や穴から真空吸引することによって、印刷版72をドラ
ム表面に吸着する。なお、メカニカルな印刷版保持機構
を併用することが好ましい。
【0104】印刷版72を装着した記録用回転ドラム7
3を高速で回転させ、記録ヘッド76から青色またはU
V波長のレーザ光による画像様露光を行う。この露光に
より、印刷版72上の光が照射された光硬化性疎水層が
硬化する。この後、支持体上に少なくとも接着層が形成
された剥離シート20の供給・巻き取り機構77から供
給される剥離シート20により、露光されなかった非硬
化領域を接着・除去して、図6(c)に示したように所
望の画像が形成された水無し印刷版を得る。非硬化領域
の除去処理終了後、印刷版72を記録用回転ドラム73
から取り外し、印刷版ストッカー70に収容する。本実
施例に係る印刷版の作製装置によれば、青色またはUV
波長のレーザ光による画像様露光で選択的に光硬化させ
た後に、非硬化領域を除去するようにしたことにより、
水無し印刷版を用意に作製することができる。
【0105】次に、他の光硬化性薄膜を用いて水無し印
刷版を作製する第3実施形態を説明する。本実施形態の
水無し印刷原版は、第2実施形態における光硬化性疎水
薄膜材料を以下に示す材料とした点を除いては略同様で
ある。
【0106】本実施形態の光硬化性疎水層としては、例
えば、特開昭60−22903号公報に開示されている
ような種々の感光性ポリマーを露光して硬化させるも
の、特開昭62−50760号公報に開示されているエ
ポキシ樹脂を熱硬化させるもの、特開昭63−1331
51号公報に開示されているゼラチンを硬膜させるも
の、さらに特開平3−200965号公報に開示されて
いるウレタン樹脂とシランカップリング剤を用いたもの
や特開平3−273248号公報に開示されているウレ
タン樹脂を用いたもの等が挙げられる。これらの光硬化
性疎水層がインキ受容層となる。
【0107】この他に、ゼラチンまたはカゼインを硬膜
させたものも有効である。さらに、上記光硬化性疎水層
中に、ポリウレタン、ポリアミド、スチレン/ブタジエ
ンゴム、カルボキシ変性スチレン/ブタジエンゴム、ア
クリロニトリル/ブタジエンゴム、カルボキシ変性アク
リロニトリル/ブタジエンゴム、ポリイソプレン、アク
リレートゴム、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、塩
素化ポリプロピレン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体、ニトロセルロース、ハロゲン化ポリヒドロキシスチ
レン、塩化ゴム等のポリマーを添加してもよい。その添
加割合は任意であり、フィルム層を形成できる範囲内で
あれば、添加剤だけで光硬化性疎水層を形成してもよ
い。また、これらの光硬化性疎水層には接着助剤(例え
ば、重合性モノマー、ジアゾ樹脂、シランカップリング
剤、チタネートカップリング剤やアルミニウムカップリ
ング剤)や染料等の添加物を含有させることもできる。
一般に、これらの光硬化性疎水層の塗布量は、乾燥重量
で0.05〜10g/m2 の範囲が適当であり、好まし
くは0.1〜8g/m2 であり、より好ましくは0.2
〜5g/m2 である。
【0108】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。ただし、本発明は下記の実施例に限定されるもので
はない。 [実施例1]
【0109】(支持体)支持体として、厚さ175μm
のポリエチレンテレフタレートフイルムを用意した。
【0110】(シリコーンゴム層の形成)下記の塗布液
を前記支持体上に塗布し、加熱(110℃、1分)、乾
燥することにより、乾燥膜厚2μmの付加型シリコーン
ゴム層を形成した。 ・α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重合度約700)9.00g ・(CH3)3-Si-O-(SiH(CH3)-O)8-Si(CH3)3 0.60g ・ポリジメチルシロキサン(重合度 約8000) 0.50g ・オレフィン−塩化白金酸 0.08g ・抑制剤[HC≡C-C(CH3)2-O-Si(CH3)3] 0.07g ・アイソパーG(エッソ化学(株)製) 55g 上記のようにして得られたシリコーンゴム層の表面に6
μmのポリエチレンテレフタレートをラミネートした。
さらにその上にプライマー層として、乾燥膜厚0.2μ
mとなるようにゼラチン下塗り層を形成した。
【0111】(カーボンブラック分散液の作成)下記の
混合液をペイントシェーカーにて30分間分散した後、
ガラスビーズをろ別してカーボンブラック分散液を作成
した。 ・カーボンブラック(#40 三菱カーボン(株)製) 5.0g ・クリスボン3006LV (大日本インキ化学工業(株)製ポリウレタン) 4.0g ・ニトロセルロース(n−プロパノール30%含有) 1.3g ・ソルスパースS27000(ICI社製) 0.4g ・プロピレングリコールモノメチルエーテル 45g ・ガラスビーズ 160g
【0112】(感熱性疎水層の形成)前記のゼラチン下
塗りポリエチレンテレフタレート上に、下記の塗布液を
乾燥膜厚2μmとなるように塗布し感熱性疎水層を形成
した。 ・上記のカーボンブラック分散液 55g ・下記一般式で示される高分子化合物 6.0g ・プロピレングリコールモノメチルエーテル 45g
【0113】
【化5】
【0114】得られた本発明の水無し印刷版のカバ−フ
ィルムを剥離した後に、波長1064nm、ビ−ム径1
00μm(1/e2 )の半導体励起YAGレーザを用い
て連続線の書き込みを行った。記録エネルギーは0.7
5J/cm2 とした。その結果、レーザ照射部の感熱層
は除去されずに保持され、シリコーンパターンが形成で
きた。また、水無し印刷版を版面上パワー110mW、
波長825nm、ビーム径10μm(1/e2 )の半導
体レーザを用いて、主操作速度6m/秒にて書き込みを
行った後、同様の現像を行った。解像力は8μmでシャ
ープなエッジの水無し平版印刷版が作製された。この記
録条件にて、200線の網点形成を行ったところ網点面
積率2%から98%までが版上に形成できた。また、得
られた水無し印刷版の非画像部をHEIDON(新東化
学(株)製)で、0.25ミリのサファイア針で100
gの荷重をかけてラインを書き、シリコーンゴム層の耐
傷性を評価した。このようにして作製された水無し平版
印刷版を、印刷機を用いて印刷したところ2万枚の汚れ
のない良好な印刷物が得られた。
【0115】[実施例2]厚さ188μmのポリエチレ
ンテレフタレート支持体上に、下記の塗布液を前記記録
層上に塗布し、加熱(110℃、1分)、乾燥すること
により、乾燥膜厚2μmの付加型シリコーンゴム層を形
成した。 〔シリコーンゴム層塗布液組成〕 α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重合度:約700)9.00g (CH3)3 -Si-O-(SiH(CH3)-O)8-Si(CH3)3 0.60g ポリジメチルシロキサン(重合度:約8000) 0.50g オレフィン−塩化白金酸 0.08g 重合抑制剤[HC≡C-C(CH3)2-O-Si(CH3)3] 0.07g アイソパーG(エッソ化学(株))製 55g
【0116】次に、蒸着真空度5×10-5Torrの条
件下に、金属(Sn)と金属化合物(SiC)とを別の
蒸発源を用い、金属は抵抗加熱により、金属化合物は電
子ビームにより同時に蒸着を行いヒートモード記録層を
形成した。両者の混合率の制限は、各々の蒸発源に対し
て水晶振動型の膜厚モニターを配置し、それにより蒸発
速度を制御することにより行った。この時の記録層の厚
みは、400オングストロームであり、金属化合物の組
成比は、体積パーセントで25%に調製した。これによ
り水無し平版印刷版を得た。
【0117】得られた水無し印刷版に、波長1064n
m、ビーム径40μm(1/e2)の半導体励起YAG
レー ザを用いて、連続線の書き込みを走査速度を変え
て行い、レーザ照射部のヒートモード記録層を除去し
た。これにより、レーザ照射部の感熱層は除去されずに
保持され、シリコーンパターンが形成できた。また、水
無し印刷版を版面上パワー110mW、波長825n
m、ビーム径10μm(1/e2 )の半導体レーザを用
いて、主走査速度6m/秒にて書き込みを行った後、同
様の現像を行った。解像力は8μmでシャープなエッジ
の水無し平版印刷版が作製された。この記録条件にて、
200線の網点形成を行ったところ、網点面積率2%か
ら98%までが版上に形成できた。また、得られた水無
し印刷版の非画像部をHEIDON(新東化学(株)
製)で、0.25ミリのサファイア針で100gの荷重
をかけてラインを書き、シリコーンゴム層の耐傷性を評
価した。このようにして作製された水無し平版印刷版
を、印刷機を用いて印刷したところ2万枚の汚れのない
良好な印刷物が得られた。
【0118】以上の結果、金属と金属化合物を含む記録
層によれば、金属単独の記録層に比べ、低エネルギーの
レーザ照射で良好な画像が得られることが明らかとなっ
た。また、金属と金属化合物を含む記録層は、金属と金
属化合物とを同時に蒸着を行って形成しても、別々に蒸
着して積層状態で形成しても、いずれも優れた効果を示
した。
【0119】[比較例] (支持体)厚さ175μmのポリエチレンテレフタレー
トフイルム上にプライマー層として、乾燥膜厚0.2μ
mとなるようにゼラチン下塗り層を形成した。(カーボ
ンブラック分散液の作成)下記の混合液をペイントシェ
ーカーにて30分間分散した後、ガラスビーズをろ別し
てカーボンブラック分散液を作成した。 ・カーボンブラック(#40 三菱カーボン(株)製) 5.0g ・クリスボン3006LV (大日本インキ化学工業(株)製ポリウレタン) 4.0g ・ニトロセルロース(n−プロパノール30%含有) 1.3g ・ソルスパースS27000(ICI社製) 0.4g ・プロピレングリコールモノメチルエーテル 45g ・ガラスビーズ 160g
【0120】(光熱変換層の形成)前記のゼラチン下塗
りポリエチレンテレフタレート上に、下記の塗布液を乾
燥膜厚2μmとなるように塗布し光熱変換層を形成し
た。 ・上記のカーボンブラック分散液 55g ・実施例1に示すものと同じ高分子化合物 6.0g ・プロピレングリコールモノメチルエーテル 45g (シリコーンゴム層の形成)下記の塗布液を前記光熱交
換層上に塗布し、加熱(110℃、1分)、乾燥するこ
とにより、乾燥膜厚2μmの付加型シリコーンゴム層を
形成した。 ・α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重合度約700)9.00g ・(CH3)3-Si-O-(SiH(CH3)-O)8-Si(CH3)3 0.60g ・ポリジメチルシロキサン(重合度 約8000) 0.50g ・オレフィン−塩化白金酸 0.08g ・抑制剤[HC≡C-C(CH3)2-O-Si(CH3)3] 0.07g ・アイソパーG(エッソ化学(株)製) 55g 上記のようにして得られたシリコーンゴム層の表面に6
μmのポリエチレンテレフタレートをラミネートした。
【0121】得られた水なし平版のカバ−フィルムを剥
離した後に、波長1064nm、ビ−ム径100μm
(1/e2 )の半導体励起YAGレーザを用いて連続線
の書き込みを行った。記録エネルギーは0.75J/c
2とした。その結果、レーザ照射部のシリコーンゴム
層が照射部の周辺に飛散して、飛散したシリコンゴム層
のカスを拭き取る必要が生じた。
【0122】
【発明の効果】本発明による水無し平版印刷版によれ
ば、基板上に、インキ反発性層、ヒートモードまたはフ
ォトンモードのいずれかによって記録可能な疎水層をこ
の順に積層することにより、疎水層を選択的に除去する
ことで所望の画像が記録可能な印刷版を得ることができ
る。また、本発明による水無し平版印刷版の作製方法に
よれば、疎水層を印刷画像に応じて除去することによ
り、印刷版表面をインキ反発性層と疎水層との表面性状
の異なる面に形成でき、インキが疎水層のみに付着する
水無し平版印刷版を作製することができる。
【0123】この疎水層をアブレーションして除去する
水無し平版印刷版の作製時においては、疎水層が微量な
ため印刷版や周辺の機器部材に悪影響を及ぼすことがな
くなり、飛散した疎水層の拭き取り工程が不要となる。
このため、印刷版の作製工程を大幅に簡略化することが
でき、信頼性の高い印刷版を得ることができる。また、
疎水層を硬化させて除去する場合では、疎水層の非硬化
領域を液体現像により簡便にして除去することができる
一方、剥離シートにより非硬化領域を極めて簡単に除去
することができる。以て、水無し平版印刷版の作製工程
を大幅に簡略化することができると共に、コスト低減を
図ることができる。
【0124】さらに、前記各実施形態に示した水無し平
版印刷版の作製方法を具体化した水無し平版印刷版の作
製装置は、それぞれの作製方法を好適に実施することを
可能とするものであり、水無し平版印刷版の作製を簡略
化し、また、容易に自動化することが可能なものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水無し印刷版の原版としての層構
成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態における水無し印刷版の
作製方法を示す図である。
【図3】図2に示した水無し印刷版の作製方法をレーザ
光照射により具体化した水無し印刷版の作製装置の要部
を示す図である。
【図4】図3に示した作製装置による印刷版の作製手順
を示す説明図である。
【図5】図2に示した水無し印刷版の作製方法をサーマ
ルヘッドによる加熱により具体化した水無し印刷版の作
製装置の要部を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態における水無し印刷版の
作製方法を示す図である。
【図7】図6に示した水無し印刷版の作製方法を具体化
した水無し印刷版の作製装置の要部を示す図である。
【図8】図6に示す印刷版の作製方法の変形例としての
作製手順を示す図である。
【図9】図8に示した水無し印刷版の作製方法を具体化
した水無し印刷版の作製装置の要部を示す図である。
【符号の説明】
10 基板 12 インキ反発性層(シリコーンゴム層) 14 感熱性疎水層 16 光硬化性疎水層 20 剥離シート 31,51,71 印刷版ストッカー 32,41,52,72 水無し印刷版 33,53,73 記録用回転ドラム 36,56,76 記録用レーザヘッド 42 記録用サーマルヘッド 38,50,70 印刷版ストッカー 77 剥離シート供給・巻き取り機構 100 水無し印刷原版
フロントページの続き Fターム(参考) 2H084 AA13 AA14 AE05 BB01 CC06 2H096 AA11 AA13 BA20 EA04 EA23 GA08 GA50 2H114 AA05 AA22 AA24 AA30 BA01 BA06 BA10 DA03 DA04 DA05 DA06 DA51 DA52 DA53 DA56 DA62 EA01 EA05 GA01 GA33

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、インキ反発性層と、ヒートモ
    ードまたはフォトンモードのいずれかによって記録可能
    な疎水層とを、この順に積層したことを特徴とする水無
    し平版印刷版。
  2. 【請求項2】 前記インキ反発性層は、シリコーンゴム
    層であることを特徴とする請求項1に記載の水無し平版
    印刷版。
  3. 【請求項3】 前記疎水層は、レーザ光を熱に変換する
    化合物を含有する光熱変換層であることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の水無し平版印刷版。
  4. 【請求項4】 前記光熱変換層は、カーボンを含む化合
    物であることを特徴とする請求項3に記載の水無し平版
    印刷版。
  5. 【請求項5】 前記疎水層は、金属系感熱層であること
    を特徴とする請求項3に記載の水無し平版印刷版。
  6. 【請求項6】 前記疎水層は、蒸着法、スパッタ法、イ
    オンプレーティング法のいずれかによって形成された薄
    膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の水無し平版印刷版。
  7. 【請求項7】 前記疎水層は、光硬化性を有しているこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の水無し平版印
    刷版。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の水
    無し平版印刷版を用いる平版印刷版の作製方法であっ
    て、 前記疎水層を印刷画像に応じて除去することを特徴とす
    る水無し平版印刷版の作製方法。
  9. 【請求項9】 前記疎水層の除去は、印刷画像データに
    基づいてオン/オフ制御されるレーザ光を前記疎水層に
    照射して行うことを特徴とする請求項8に記載の水無し
    平版印刷版の作製方法。
  10. 【請求項10】 前記レーザ光は、ハイパワーレーザに
    よる光であることを特徴とする請求項9に記載の水無し
    平版印刷版の作製方法。
  11. 【請求項11】 前記疎水層の除去は、印刷画像データ
    に基づいて加熱制御されるサーマルヘッドを前記疎水層
    に接触させて行うことを特徴とする請求項8に記載の水
    無し平版印刷版の作製方法。
  12. 【請求項12】 請求項7に記載の水無し平版印刷版を
    用いる平版印刷版の作製方法であって、 前記疎水層に光を印刷画像様に照射することにより疎水
    層を選択的に硬化させた後、前記疎水層の非硬化領域を
    除去することを特徴とする水無し平版印刷版の作製方
    法。
  13. 【請求項13】 前記疎水層の非硬化領域の除去は、支
    持体上に少なくとも接着層が形成された剥離シートを光
    照射後の前記疎水層に密着させた後、前記剥離シートを
    前記疎水層から剥離することにより行うことを特徴とす
    る請求項12に記載の水無し平版印刷版の作製方法。
  14. 【請求項14】 前記疎水層の非硬化領域の除去は、液
    体現像により行うことを特徴とする請求項12に記載の
    水無し平版印刷版の作製方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    水無し平版印刷版を用いる平版印刷版の作製装置であっ
    て、 前記疎水層を印刷画像データに基づいて選択的に加熱す
    る記録ヘッドと、前記水無し平版印刷版を、前記記録ヘ
    ッドに対向する位置に搬送する印刷版搬送手段とを有す
    ることを特徴とする平版印刷版の作製装置。
  16. 【請求項16】 前記記録ヘッドが、ハイパワーレーザ
    光を照射するものであることを特徴とする請求項15に
    記載の水無し平版印刷版の作製装置。
  17. 【請求項17】 前記記録ヘッドが、サーマルヘッドで
    あることを特徴とする請求項15に記載の水無し平版印
    刷版の作製装置。
  18. 【請求項18】 請求項7に記載の水無し平版印刷版を
    用いる平版印刷版の作製装置であって、 前記疎水層を印刷画像データに基づいて選択的に光硬化
    させる記録ヘッドと、前記水無し平版印刷版を、前記記
    録ヘッドに対向する位置に搬送する印刷版搬送手段と、
    前記疎水層の非硬化領域の除去手段とを有することを特
    徴とする水無し平版印刷版の作製装置。
  19. 【請求項19】 前記疎水層の非硬化領域の除去手段
    は、液体現像手段であることを特徴とする請求項18に
    記載の水無し平版印刷版の作製装置。
  20. 【請求項20】 前記疎水層の非硬化領域の除去手段
    は、支持体上に少なくとも接着層が形成された剥離シー
    トを作用させる手段であることを特徴とする請求項18
    に記載の水無し平版印刷版の作製装置。
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