JPH1026826A - レーザーダイレクト画像形成材料及びレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版 - Google Patents

レーザーダイレクト画像形成材料及びレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版

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JPH1026826A
JPH1026826A JP8183398A JP18339896A JPH1026826A JP H1026826 A JPH1026826 A JP H1026826A JP 8183398 A JP8183398 A JP 8183398A JP 18339896 A JP18339896 A JP 18339896A JP H1026826 A JPH1026826 A JP H1026826A
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JP
Japan
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group
rubber layer
silicone rubber
weight
laser direct
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Application number
JP8183398A
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English (en)
Inventor
Toshiyoshi Urano
年由 浦野
Etsuko Hino
悦子 檜野
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Publication of JPH1026826A publication Critical patent/JPH1026826A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography

Landscapes

  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、感光感度に優れたレーザーダイレ
クト画像形成材料及びレーザーダイレクト湿し水不要感
光性平版印刷版を提供しようとするものである。 【解決手段】 基板上に、少なくとも近赤外吸収剤を含
有する感光性層を含有するレーザーダイレクト画像形成
材料において、前記感光性層中に炭酸エステル化合物を
含有することを特徴とするレーザーダイレクト画像形成
材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はデジタル画像データ
から近赤外半導体レーザーを用い、直接、平版印刷版、
印刷校正用カラー画像(プルーフ)、グラビア、或いは
配線板用鋼エッチングレジスト、カラーフィルター等を
提供するレーザーダイレクト画像形成材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、近赤外半導体レーザー及びコンピ
ュータを用いるデジタル画像処理技術の進歩に伴い、コ
ンピュータ上で形成されたデジタル画像データから印刷
版用銀塩フィルムを用いることなしに直接感光性平版印
刷版上に近赤外半導体レーザーで走査露光を行い、露光
部分を不溶化した後水溶液現像処理(湿式現像処理)に
より画像を形成し製版する、あるいは露光部分を劣化さ
せ、又は昇華、溶融させ除去する(乾式現像処理)こと
により画像を形成し製版する、レーザーダイレクト製版
技術が注目されている。特に、水と印刷インクのバラン
スを考える必要が無く、印刷操作が容易で、印刷初期の
損紙が少なく、印刷時間の短い、湿し水不要デジタル印
刷システムは、デジタル画像データから短時間で容易に
印刷物を作製することが出来るため、新しい印刷システ
ムとして期待されている。
【0003】該湿し水不要デジタル印刷システムに使用
される、レーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷
版に関しては、種々の試みがなされているが、例えば、
(イ)支持体上に感光性層、シリコーンゴム層をこの順
に塗設し、感光性層の露光部のアブレーションにより生
ずる熱に応答して、シリコーンゴム層を、同時に溶融、
揮発あるいは燃焼等により除去するもの(特開平7−1
64773、同6−186750、同6−19906
4、同7−309001)、(ロ)感光性層の露光部の
アブレーションにより生ずる熱に応答して、シリコーン
ゴム層を劣化させ、支持体との接着性を低下させた後擦
り取るもの(特開平6−55723、同6−5586
9、同6−92050)、(ハ)シリコーンゴム層を設
けた支持体上に、インク着肉性のトナー画像を電子写真
法により形成させるもの(特開昭51−66008)等
が知られている。これらのうち(イ)の方式が、画像形
成処理が最も簡便であり、また通常画質もより優れたも
のが得られ易いのでより好適と考えられている。
【0004】しかしながら、上記(イ)のアプレーショ
ンを利用するレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版
印刷版は、感度が低く、大出力のレーザー光源が必要で
あり、また、レーザー露光工程に長時間を要する等の問
題があった。また、感度を向上させる試みとしては、ニ
トロセルロース樹脂等の自己酸化性樹脂を感光性層に添
加する方法が知られている(特開昭50−158405
号)。しかし、通常のニトロセルロース樹脂では、感度
の向上に効果はあるものの、安全性及びインク着肉性が
低下する傾向にあり問題であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、感光感度に
優れたレーザーダイレクト画像形成材料及びレーザーダ
イレクト湿し水不要感光性平版印刷版を提供しようとす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、基板上
に、少なくとも近赤外吸収剤を含有する感光性層を含有
するレーザーダイレクト画像形成材料において、前記感
光性層中に炭酸エステル化合物を含有することを特徴と
するレーザーダイレクト画像形成材料に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を更に詳細に説明す
る。本発明において用いられる基板としては、通常の画
像形成装置にセットできるたわみ性を有し、画像形成時
にかかる荷重に耐えうるものであればいかなるものも用
いることができ、層構成も含めて特に限定されない。例
えば、コート紙などの紙類、アルミニウム板などの金属
板、あるいは、ポリエチレンテレフタレートなどのプラ
スチックフィルムを例として挙げることができる。これ
らのうち、ポリエチレンテレフタレート、アルミニウム
板、又は、アルミニウム箔と他の複合材が好ましい。
【0008】該基板の板厚は通常10μm〜1mm、好
ましくは20μm〜0.5mmである。本発明において
用いられる感光性層は、近赤外レーザー光を効率よく吸
収、熱に変換し感光性層のアブレーションを起こし感光
性層を除去すると同時に、それによって生ずる熱に応答
してシリコーンゴム層のアブレーションを誘引し、溶
融、揮発あるいは燃焼させ、及び/または、感光性層の
アブレーションの際の圧力により、これを除去せしめる
機能を有する近赤外吸収剤を含有する。
【0009】該近赤外吸収剤は近赤外光を吸収し、光エ
ネルギーを熱エネルギーに変換する機能を有するもので
あれが特に限定することなく用いることが出来るが、具
体的には、有機、無機の顔料、有機の色素、金属等を挙
げることが出来る。さらに具体的には、例えばカーボン
ブラック(三菱化学社の製品であるMA−7、MA−1
00、MA−220、#5、#10、デグッサ社の製品
であるカラーブラックFW2、FW20、プリンテック
スVなど);黒鉛;チタン、クロム等の金属;酸化チタ
ン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化バナジウム、酸化タング
ステン等の金属酸化物;チタンカーバイト等の金属炭化
物;金属ホウ化物;特開平4−322219号公報に記
載されている無機黒色顔料、アゾ系のブラック顔料、リ
オノールグリーン2YS、緑色顔料7などの黒、緑など
の有機顔料が用いられる。 また、「特殊機能色素」
(池森・住谷編集、1986年(株)シーエムシー発
行)、「機能性色素の化学」(檜垣編集、1981年
(株)シーエムシー発行)、「色素ハンドブック」(大
河、平嶋、松岡、北尾編集、講談社発行)、(株)日本
感光色素研究所が1995年に発行したカタログ及びE
xcitonInc.が1989年に発行したレーザー
色素カタログ等に記載されている近赤外領域に吸収を有
する色素も用いられる。更には特開平3−97590、
同97591、同63185、同26593、同975
89、特開平2−2074、同2075、同2076等
に記載されている近赤外領域に吸収を有する有機色素、
日本化薬社製IR820B等の近赤外領域に吸収を有す
る色素も用いられる。このような近赤外に吸収を有する
色素のいくつかを下記の第1表に例示する。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】
【表4】
【0014】
【表5】
【0015】
【表6】
【0016】
【表7】
【0017】
【表8】
【0018】
【表9】
【0019】
【表10】 S−34 ポリメチン色素;IR−820B(日本火薬社製) S−35 ニグロシン色素;Colour Index Solvent Black 5 S−36 ニグロシン色素;Colour Index Solvent Black 7 S−37 ニグロシン色素;Colour Index Acid Black 2 S−38 カーボンブラック;MA−100(三菱化学社製) S−39 一酸化チタン;チタンブラック13M(三菱マテリアル社製) S−40 一酸化チタン;チタンブラック13B(三菱マテリアル社製)
【0020】
【表11】
【0021】
【表12】
【0022】
【表13】
【0023】これら近赤外吸収剤は、単独あるいは複数
混合し、感光性層塗布溶液中に溶解又は、分散させて配
合し、用いることができる。該近赤外吸収剤を配合する
場合、感光性層中での配合率は、全感光性層固形分の5
〜100重量%、好ましくは10〜98重量%、更に好
ましくは20〜95重量%である。近赤外吸収剤の配合
率が著しく低いと、レーザー光を十分吸収できず、アブ
レーションの効果が低下しやすい。この場合、感光性層
の膜厚は、0.3〜5μm、好ましくは0.3〜3μ
m、さらに好ましくは0.5〜2μmである。また、該
近赤外吸収剤を蒸着あるいはスパッタリングにより、直
接基板上に近赤外吸収剤から成る感光性層を設けること
もできる。この場合は、膜厚として0.01〜0.5μ
m、好ましくは0.02〜0.4μmである。
【0024】本発明に用いられる炭酸エステル化合物
は、近赤外レーザー光線を近赤外吸収剤が吸収し発生し
た熱により分解し、効率よく炭酸ガス等の低分子のガス
を発生することにより、感光性層あるいはシリコーンゴ
ム層のうち、レーザー露光部の除去を促進する機能があ
り、これにより著しく感度を向上させる効果を有するも
のと考えられる。該炭酸エステル化合物としては、分子
内に下記式(I)(以下、炭酸エステル基と称す)で表
される原子団を少なくとも1個有する化合物であればい
ずれの化合物も用いることができる。
【0025】
【化1】
【0026】本発明に用いられる典型的な炭酸エステル
化合物としては、例えば、下記に示す式に従って、公知
の方法により、N,N−ジメチルアミノピリジン等の触
媒下、ジカーボネート(A)と水酸基あるいはカルボキ
シル基を有する化合物(B)とを反応させることにより
得られる化合物(II)が挙げられる。
【0027】
【化2】
【0028】本発明に用いられる炭酸エステル化合物
(II)において、Rとしては例えば、炭素数1〜15の
置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよ
いフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換
されていてもよい炭素数2〜15の芳香族複素環基、炭
素数7〜15の置換されていてもよいアラルキル基、炭
素数2〜15の置換されていてもよいアシル基、(メ
タ)アクリロイル基等が挙げられる(前記したそれぞれ
の置換基としては、炭素数1〜15のアルキル基、炭素
数1〜15のアルコキシ基、炭素数2〜15のアシル
基、炭素数2〜15のアルコキシカルボニル基、炭素数
2〜15のアシルオキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子、水酸基、カルボキシル基、スルホ
基、シアノ基等が挙げられる)。
【0029】これら置換基Rの内、好ましくは、炭素数
1〜10の置換されていてもよいアルキル基、フェニル
基、炭素数7〜15の置換されていてもよいアラルキル
基、(メタ)アクリロイル基(前記したそれぞれの置換
基としては、炭素数1〜10のアルキル基、水酸基、炭
素数1〜10のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子である)である。Rの好ましい例を、さらに具
体的に示すと、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、
ペンチル基、ヘプチル基、アクリロイル基、メタクリロ
イル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル
基、ベンジル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキ
シエチル基、2−クロロエチル基、3−アセチロキシプ
ロピル基、4−アセチルフェニル基、4−エトキシカル
ボニルフェニル基、2−フリル基、2−チエニル基、
【0030】
【化3】
【0031】等が挙げられる。これらの内、更に好まし
くは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル
基、アクリロイル基、メタクリロイル基である。該炭酸
エステル化合物中の、炭酸エステル基の個数は、上記反
応式において用いられる化合物(B)において、水酸基
及びカルボキシル基の個数を選択することにより任意に
選ぶことができる。
【0032】化合物(B)の内、水酸基あるいはカルボ
キシル基を1個〜数個有する比較的低分子量の化合物と
しては、具体的には例えばエタノール、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノー
ル、1−ブタノール、ベンジルアルコール等の1価のア
ルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリン、
【0033】
【化4】
【0034】等の多価アルコール類;フェノール、o−
クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、1−ナ
フトール、2−ナフトール等の1価のフェノール類;ヒ
ドロキノン、ピロガロール、
【0035】
【化5】
【0036】等の多価フェノール類;酢酸、プロピオン
酸、酪酸、吉草酸、ステアリン酸、オレイン酸等の1価
の脂肪族カルボン酸類;安息香酸、ナフタレン−1−カ
ルボン酸、ナフタレン−2−カルボン酸等の1価の芳香
族カルボン酸類;エタン−1,2−ジカルボン酸、アジ
ピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル
酸、
【0037】
【化6】
【0038】等の多価カルボン酸類等が挙げられる。こ
れら、水酸基あるいはカルボキシル基を1個〜数個有す
る化合物を用いることにより、分子中に炭酸エステル基
を1個〜数個有する炭酸エステル化合物を得ることがで
きる。
【0039】化合物(B)の内、水酸基あるいはカルボ
キシル基を数個以上の多数個有する比較的高分子量の化
合物の例としては、例えば、ヒドロキシ(α−メチル)
スチレン、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミ
ド、ヒドロキシフェニル(メタ)スルホンアミド、ヒド
ロキシフェニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等の水
酸基あるいはカルボキシル基を有する化合物の(共)重
合体、あるいはこれら化合物と、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリ
ル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸エステル、(α−
メチル)スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、酢酸ビニル等との共重合体が挙げられ
る。また、側鎖に水酸基を有するセルロース変成物;ポ
リエチレンオキシド;フェノール、o−、m−、p−ク
レゾール、キシレゾールとアルデヒド類、ケトン類との
縮合反応によって得られるノボラック樹脂;エピクロル
ヒドリンとビスフェノールAとのフェノキシ樹脂;可溶
性ナイロン等が挙げられる。これら化合物の具体的な例
を以下に示す。
【0040】
【化7】
【0041】
【化8】
【0042】
【化9】
【0043】これらの内、アクリレート系共重合体、ノ
ボラック樹脂、フェノキシ樹脂が、アブレーションの効
果が高く好ましい。これら、水酸基あるいはカルボキシ
ル基を数個以上の多数個有する化合物を用いることによ
り、分子中に炭酸エステル基を多数個有する炭酸エステ
ル化合物を得ることができる。
【0044】前記した化合物(A)と(B)との反応に
あたり、その組み合わせにより、様々な炭酸エステル化
合物を適宜得ることができる。また、反応における化合
物(A)と化合物(B)との量比により、水酸基あるい
はカルボン酸基の内一部または全部を炭酸エステル化し
た炭酸エステル化合物を得ることができる。ここで、炭
酸エステル化合物中の水酸基、カルボキシル基、炭酸エ
ステル基の合計モル数に対する、炭酸エステル基の割合
をエステル化率と称す。エステル化率は通常5〜100
モル%、好ましくは10〜100モル%、さらに好まし
くは20〜100モル%である。エステル化率が著しく
低いとアブレーションの促進効果が低下する。次に、炭
酸エステル化合物の具体例(前記化合物(II)における
置換基R、及び化合物(B)との組み合わせとして表
示)を以下の第2表に示すが、これらに限定されるもの
ではない。
【0045】
【表14】
【0046】
【表15】
【0047】
【表16】
【0048】また、第2表に示された構造とは異なる炭
酸エステル化合物の具体例を以下に示す。
【0049】
【化10】
【0050】本発明に用いられる炭酸エステル化合物の
感光性層中の配合率は、全感光性層固形分の5〜90
%、好ましくは10〜80%、更に好ましくは15〜7
5%である。また、本発明に用いられる感光性層中に
は、アブレーションの際に炭酸エステル化合物の分解を
促進する目的で、熱で分解し酸を発生する化合物(以
下、酸発生剤と称す)を添加することができる。
【0051】該熱酸発生剤としては、従来知られている
光酸発生剤の中から適宜選択し用いることができ、例え
ば光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始
剤、色素類の消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジ
スト等に使用されている公知の光により酸を発生する化
合物およびそれらの混合物。たとえばS.I.Schl
esinger,Photogr.Sci.Eng.,
18,387(1974)に記載のジアゾニウム塩、米
国特許第4,069,055号に記載のヨードニウム
塩、J.V.Crivello etal,Polym
er J.17,73(1985)のスルホニウム塩、
J.V.Crivello etal,Macromo
recules,10(6),1307(1977)に
記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,
905,815号に記載の有機ハロゲン化合物、K.M
eier etal,J.Rad.Curing,13
(4),26(1986)に記載の有機金属/有機ハロ
ゲン化物、S.Hayaseetal,J.Polym
er Sci.,25,753(1987)に記載のo
−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M.T
UNOOKA etal,Polymer Prepr
ints Japan,35(8)に記載のイミノスル
フォネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生
する化合物、特開昭61−166544号等に記載のジ
スルホン化合物を挙げることができる。
【0052】また、これらの光により酸を発生する基、
あるいは化合物をポリマーの主鎖または側鎖に導入した
化合物、たとえば、M.E.Woodhouse et
al,J.Am.Chem.Soc.,104,558
6(1982)、S.P.Pappas etal,
J.Imaging Sci.,30(5),218
(1986)等に記載の化合物を用いることができる。
【0053】さらにV.N.R.Pillai,Syn
thesis,(1),1(1980)、A.Abad
etal,Tetrahedron Lett.,
(47)4555(1971)、D.H.R.Bart
on etal,J.Chem.Soc.,(C),3
29(1970)、米国特許第3,779,778号、
欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発
生する化合物も使用することができる。これらの熱酸発
生剤の配合率は、感光性層の全固形分の対して0.5〜
20重量%、好ましくは、1〜10重量%、さらに好ま
しくは2〜8重量%である。
【0054】本発明で用いられる感光性層中には、上記
近赤外吸収剤の他に、塗膜性、近赤外吸収剤との相溶
性、感光性層中の膜強度、及びアブレーションの効果を
高める目的で、有機高分子物質を添加することができ
る。
【0055】該有機高分子物質としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸やイタコン酸等の不飽和酸と、(メタ)
アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸フェニル、
(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレン、α−メチルス
チレン等との共重合体;ポリメチルメタクリレートに代
表されるメタクリル酸アルキルやアクリル酸アルキルの
重合体;(メタ)アクリル酸アルキルとアクリロニトリ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン等との共重
合体;アクリロニトリルと塩化ビニルや塩化ビニリデン
との共重合体;側鎖にカルボキシル基を有するセルロー
ス変性物;ポリエチレンオキシド;ポリビニルピロリド
ン;フェノール、o−、m−、p−クレゾール、及び/
又はキシレゾールとアルデヒド、アセトン等との縮合反
応で得られるノボラック樹脂;エピクロロヒドリンとビ
スフェノールAとのポリエーテル;可溶性ナイロン;ポ
リ塩化ビニリデン;塩素化ポリオレフィン;塩化ビニル
と酢酸ビニルとの共重合体;酢酸ビニルの重合体;アク
リロニトリルとスチレンとの共重合体;アクリロニトリ
ルとブタジエン及びスチレンとの共重合体;ポリビニル
アルキルエーテル;ポリビニルアルキルケトン;ポリス
チレン;ポリウレタン;ポリエチレンテレフタレートイ
ソフタレート;アセチルセルロース;アセチルプロピオ
キシセルロース;アセチルブトキシセルロース;ニトロ
セルロース;セルロイド;ポリビニルブチラール等が用
いられる。該有機高分子物質の感光性層中における配合
率は、全感光性層固形分の0〜95重量%、好ましくは
2〜90重量%、さらに好ましくは5〜80重量%であ
る。
【0056】また上記感光性層中には、印刷インク着肉
性を高める目的で疎水性基を有する各種添加剤、例えば
p−オクチルフェノール・ホルマリンノボラック樹脂、
p−ブチルフェノール・ホルマリンノボラック樹脂、p
−t−ブチルフェノール・ベンズアルデヒド樹脂、ロジ
ン変性ノボラック樹脂等の変性ノボラック樹脂、また、
更にこれら変性ノボラック樹脂のo−ナフトキノンジア
ジドスルホン酸エステル、フッ素系の界面活性剤を添加
したり、アブレーシヨンの効果を高める目的で、自己酸
化性のニトロセルロース等のニトロ化合物、硝酸ナトリ
ウム、硝酸アンモニウム等の硝酸塩、過酸化ベンゾイ
ル、過安息香酸エステル等の過酸化物、或いは発泡性の
アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等
のアゾ化合物、N,N′−ジニトロペンタメチレンテト
ラミン等のニトロソ化合物、p−トルエンスルホニルヒ
ドラジン、p,p′−オキシビス(ベンゼンスルホヒド
ラジン)等のスルホニルヒドラジド化合物等を感光性層
の全固形分に対し0.1〜50重量%、好ましくは0.
2〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%
添加して用いることが出来る。
【0057】また、本発明に用いられる感光性層中に
は、必要に応じて該感光性層を着色し、多色カラー画像
を形成する目的で、近赤外吸収剤以外の着色材料を含有
させることができる。着色材料としては、染顔料が用い
られる。色校正の用途の場合は、イエロー、マゼンタ、
シアン、ブラックと一致した色調の染顔料が必要となる
が、この他、金属粉、白色顔料、螢光顔料なども用いる
ことが出来る。
【0058】染顔料の具体例としては、ビクトリアピュ
アブルー(42595)、オーラミンO(4100
0)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック1
3)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミン
B(45170)、サフラニンOK70:100(50
240)、エリオグラウシンX(42080)、ファー
ストブラックHB(26150)、No.120/リオ
ノールイエロー(21090)、リオノールイエローG
RO(21090)、シムラーファーストイエロー8G
F(21105)、ベンジジンイエロー4T−564D
(21095)、シムラーファーストレッド4015
(12355)、リオノールレッド7B4401(15
850)、ファーストゲンブルーTGR−L(7416
0)、リオノールブルーSM(26150)、三菱カー
ボンブラックMA−100、三菱カーボンブラック#4
0等が挙げられる(上記の( )内の数字は、カラーイ
ンデックス(C.I.)を意味する)。該着色材料の配
合率は感光性層全固形分に対して5〜70%である。
【0059】本発明に用いられるシリコーンゴム層は、
前記した特開平7−164773号公報等に記載されて
いるような公知のものから適宜選択できるが、以下に説
明する、縮合反応によりシリコーンゴム層組成物を硬化
させる縮合架橋タイプと、付加反応によりシリコーンゴ
ム層組成物を硬化させる付加架橋タイプの2つのタイプ
のものが好ましく用いられる。
【0060】本発明において用いられる縮合架橋タイプ
のシリコーンゴム層は、両末端に水酸基を有する線状オ
ルガノポリシロキサンと該オルガノポリシロキサンと架
橋しシリコーンゴム層を形成させる反応性シラン化合物
を必須成分として含むものである。本発明で用いられる
両末端に水酸基を有する線状オルガポリシロキサンとし
ては、下記一般式(III )の線状オルガノポリシロキサ
ンが挙げられる。
【0061】
【化11】
【0062】(式中、2つのR1 は各々独立して、水素
原子、メチル基、フェニル基、ビニル基を示し、yは1
以上の整数を示す。) 上記一般式(III )で表される化合物のうちR1 がメチ
ル基であるものが好ましい。該オルガノポリシロキサン
の重量平均分子量(以下、Mwと略す)は5,000〜
1,000,000であり、好ましくは10,000〜
1,000,000である。Mwが著しく低いとシリコ
ーンゴム層の膜強度が低下し、耐印刷性が低くなり、ま
たMwが著しく高いとアブレーションによるシリコーン
ゴム層の除去効果が低下し、感度低下、画像再現性の低
下を起こしやすい。
【0063】また、本発明に用いられる反応性シラン化
合物は、前記両末端に水酸基を有する線状オルガノポリ
シロキサンの水酸基と反応し、脱酢酸型、脱オキシム
型、脱アルコール型、脱アミノ型あるいは脱水型等の縮
合を起こし架橋することができる官能基を、少なくとも
2つ以上有する分子量2,000以下の反応性シラン化
合物である。該官能基としては、具体的には例えば、下
記各式で表される官能基が挙げられる。
【0064】
【化12】
【0065】(式中、R2 は炭素数1〜5のアルキル基
を示すが同一原子団に2個のR2 がある場合、それぞれ
は同一でも異なっていても良い。) これらのうち、官能基がアシルオキシ基(−OCO
2 )で官能基数が3以上のもの、あるいは官能基がア
ルコキシ基(−OR2 )で官能基数が3以上のものは、
塗布後の乾燥処理後において短時間にシリコーンゴム層
を形成するため好ましい。更に好ましくは、官能基がア
セトキシ基で官能基数が3以上のもの、あるいは官能基
がアルコキシ基で官能基数が6以上のものである。
【0066】該反応性シラン化合物としては例えば下記
一般式(IV) 〜(VII )で表される化合物を挙げること
ができる。式中Qは前記した両末端に水酸基を有する線
状オルガノポリシロキサンの水酸基と反応する官能基か
ら選ばれたものを表し、Qは1分子中に少なくとも2個
有するものとする。
【0067】
【化13】
【0068】(式中、Xは炭素数1〜5のアルキル基、
フェニル基、ビニル基、H2 N−(CH2 h −、CH
2 =C(CH3 )CO−、CH2 =CHCO−、
【0069】
【化14】
【0070】を示し、R2 は前記と同様に炭素数1〜5
のアルキル基を示し、R3 はアリル基又は−(CH2
q −SiR2 3-pp を示し、R4 は水素原子、炭素数1
〜5のアルキル基、又はフェニル基を示すが、R2 、R
3 、R4 のそれぞれが同一分子内に複数存在する場合、
その複数個のそれぞれは同一でも異なっていても良く、
h、j及びqは各々1〜5の整数を示し、p及びrは各
々1〜3の整数を示し、sは2〜4の整数を示し、t及
びuは各々0〜5の整数を示す。) 本発明に用いられる反応性シラン化合物について第3表
にさらに具体的な例を挙げるが、これら例示されるもの
に限定されるものではない。
【0071】
【表17】
【0072】
【表18】
【0073】
【表19】
【0074】本発明に使用される縮合架橋タイプのシリ
コーンゴム層は、上記の両末端に水酸基を有するオルガ
ノポリシロキサンと反応性シラン化合物の縮合架橋反応
の反応効率を高めるため、有機カルボン酸、チタン酸エ
ステル、錫酸エステル、アルミ有機エーテル、白金系触
媒等の縮合触媒を適宜混合させ縮合反応を行い硬化させ
る。
【0075】本発明において用いられる両末端に水酸基
を有するオルガノポリシロキサン、反応性シラン化合物
及び縮合触媒のシリコーンゴム層中での配合率は、全シ
リコーンゴム層の固形分に対し、両末端水酸基を有する
オルガノポリシロキサンが80〜98重量%、好ましく
は85〜98重量%、反応性シラン化合物が、通常2〜
20重量%、好ましくは2〜15重量%、さらに好まし
くは2〜7重量%、縮合触媒が0.05〜5重量%、好
ましくは0.1〜3重量%、さらに好ましくは0.1〜
1重量%である。
【0076】反応性シラン化合物、或いは、縮合触媒の
割合が著しく高いとインク反撥性が低下し、また、アブ
レーション時のシリコーンゴム層の除去が困難になり、
感度及び画像再現性が低下する。また、反対に著しく低
いとシリコーンゴム層の膜強度が低下し、印刷耐久性が
低下する。
【0077】本発明に使用される縮合架橋タイプのシリ
コーンゴム層には、シリコーンゴム層のインク反撥性を
高めるために、上記の両端に水酸基を有するポリオルガ
ノシロキサン以外のポリシロキサンをシリコーンゴム層
全固形分に対し、2〜15重量%、好ましくは3〜12
重量%含有させることが出来る。該ポリシロキサンとし
ては例えば、両末端がトリメチルシリル化されたMw1
0,000〜1,000,000のポリジメチルシロキ
サン等が挙げられる。
【0078】次に、本発明に用いられる付加架橋タイプ
のシリコーンゴム層は、1分子中に脂肪族不飽和基を少
なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと、該オル
ガノポリシロキサンと架橋しシリコーンゴム層を形成さ
せる、1分子中にSi−H結合を少なくとも2個有する
オルガノポリシロキサンを必須成分として含むものであ
る。
【0079】本発明に使用される1分子中に脂肪族不飽
和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン
は、その構造が、鎖状、環状、分岐状のいずれでもよい
が、鎖状が好ましい。脂肪族不飽和基の例としては、ビ
ニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセ
ニル基等のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロ
ヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル
基等のシクロアルケニル基;エチニル基、プロピニル
基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等のアル
キニル基等が挙げられる。これらのうち、反応性の点か
ら末端に不飽和結合を有するアルケニル基が好ましく、
ビニル基が特に好ましい。また、脂肪族不飽和基以外の
残余の置換基は、良好な印刷インク反撥性を得るために
メチル基が好ましい。
【0080】1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2
個有するオルガノポリシロキサンのMwは通常500〜
500,000であり、好ましくは1,000〜3,0
00,000である。Mwが著しく低いと、シリコーン
ゴム層の強度が低下し、印刷時にシリコーンゴム層に傷
がつきやすく、その部分の印刷インク反撥性が低下し、
インクが付着しやすくなり、印刷汚れの原因となる。ま
た、Mwが著しく高いと、アブレーションによるシリコ
ーンゴム層の除去が不良となり、感度の低下、画像再現
性の低下を起こしやすい。
【0081】本発明に使用される1分子中にSi−H結
合を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンは、
その構造が、鎖状、環状、分岐状のいずれでもよいが、
鎖状が好ましい。Si−H結合は、シロキサン骨格の末
端あるいは中間のいずれにあっても良く、置換基の総数
に対する水素原子の占める割合は通常1〜60%であ
り、好ましくは2〜50%である。また、水素原子以外
の残余の置換基は良好な印刷インク反撥性を得るために
メチル基が好ましい。1分子中にSi−H結合を少なく
とも2個有するオルガノポリシロキサンのMwは通常3
00〜300,000であり、好ましくは500〜20
0,000である。Mwが著しく高いと感度の低下、画
像再現性の低下を起こしやすい。
【0082】上記の1分子中に脂肪族不飽和基を少なく
とも2個有するオルガノポリシロキサンと1分子中にS
i−H結合を少なくとも2個有するオルガノポリシロキ
サンを付加反応させるために、通常、付加反応触媒を用
いる。この付加反応触媒としては、公知のものの中から
任意に選ぶことができるが、白金系触媒が好ましく、白
金族金属及び白金族系化合物から選ばれる1種又は2種
以上の混合物が使用される。白金族金属としては、白金
の単体(例えば白金黒)、パラジウムの単体(例えばパ
ラジウム黒)、ロジウムの単体等が例示される。また白
金族系化合物としては、塩化白金酸、白金−オレフィン
錯体、白金−アルコール錯体、白金−ケトン錯体、白金
とビニルシロキサンの錯体、テトラキス(トリフェニル
ホスフィン)白金、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム等が例示される。これらの内でも、塩化
白金酸又は白金−オレフィン錯体をアルコール系溶剤、
ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤などに
溶解したものが特に好ましい。
【0083】前記したシリコーンゴム層を形成する各組
成物の配合率は、シリコーンゴム層の全固形分に対し
て、1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有する
オルガノポリシロキサンが、80〜98重量%、好まし
くは85〜98重量%であり、1分子中にSi−H結合
と少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンが、2
〜20重量%、好ましくは2〜15重量%であり、付加
反応触媒が、0.00001〜10重量%、好ましくは
0.0001〜5重量%である。
【0084】1分子中にSi−H結合を少なくとも2個
有するオルガノポリシロキサンの配合率が著しく低いと
シリコーンゴム層の膜強度が低下し、印刷インク反撥性
及び耐印刷性が低下し、配合率が著しく高いと感度及び
画像再現性が低下する。また、本発明に用いられる付加
架橋タイプのシリコーンゴム層には、上記の組成の他
に、さらにシリコーンゴム層の膜強度を高める目的で、
下記一般式(VIII) で表される加水分解性基を有するア
ミノ系有機ケイ素化合物を添加することができる。
【0085】
【化15】
【0086】(式(VIII) 中、Zは加水分解性基を示
し、R5 は2価の炭化水素基を示し、R 6 は1価の置換
されていてもよい炭化水素基を示し、2つのR7 は各々
独立して水素原子、1価の置換されていても良い炭化水
素基あるいは−R5 −SiR6 3- p p で表される基を
示し、pは1〜3の整数を示す。)
【0087】Zで表される加水分解性基としては例え
ば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコ
キシ基;2−プロペニルオキシ基等のアルケニルオキシ
基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;アセチルオキ
シ基等のアシルオキシ基等が挙げられる。これらのう
ち、安定性、硬化性などの点からメトキシ基、エトキシ
基、アセチルオキシ基が好ましい。R5 の二価の炭化水
素基としては例えば、
【0088】
【化16】
【0089】が好ましい。R6 及びR7 で表される置換
基のうち一価の置換されていてもよい炭化水素基として
は例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル
基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;ビニル
基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル
基、等のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘ
キセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基
等のシクロアルケニル基;グリシドキシプロピル基、ア
クリロキシプロピル基、メタクリロキシプロピル基、ア
ミノエチル基等の置換アルキル基等が挙げられる。硬化
性の点からR6 及びR7 はビニル基、アリル基、グリシ
ジル基、メタクリル基、又はγ−グリシドキシプロピル
基が好ましい。
【0090】該アミノ系ケイ素化合物の具体例としては
例えば、3−〔N−アリル−N−(2−アミノエチ
ル)〕アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−
アリル−N−グリシジル)アミノプロピルトリメトキシ
シラン、3−(N−アリル−N−メタクリル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−グリシジル−N,N−
ビス〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕アミ
ン、N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(トリメトキ
シシリル)プロピル〕アミン、アミノプロピルトリメト
キシシラン、アミノプロピルトリアセチルオキシシラ
ン、3−〔N−アリル−N−(2−アミノエチル)〕ア
ミノプロピルトリアセチルオキシシラン、3−(N−ア
リル−N−グリシジル)アミノプロピルトリアセチルオ
キシシラン、3−(N−アリル−N−メタクリル)アミ
ノプロピルトリアセチルオキシシラン等が挙げられる。
これらは2種類以上を混合して用いてもよい。
【0091】該アミノ系の有機ケイ素化合物はシリコー
ンゴム層の全固形分に対して0〜10重量%、好ましく
は0〜5重量%である。また、本発明に用いられる付加
架橋タイプのシリコーンゴム層には、シリコーンゴム層
を塗設する際に、シリコーン層組成の急激な硬化を防ぐ
目的で、硬化遅延剤を添加することができる。硬化遅延
剤としては一般的に知られているアセチレン系アルコー
ル、マレイン酸エステル、アセチレン系アルコールのシ
リル化物、マレイン酸のシリル化物、トリアリルイソシ
アヌレート、ビニルシロキサン等から、任意に選ぶこと
ができる。
【0092】該硬化遅延剤の添加量は所望の硬化速度に
よって異なるが、通常シリコーンゴム層の全固形分に対
し、0.0001〜1.0重量部である。上記した本発
明に用いられる縮合架橋タイプ及び付加架橋タイプのシ
リコーンゴム層には、その強度を向上させる目的で、シ
リカ、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの無機質充填
剤を添加しても良く、特にシリカが好ましく用いられ
る。このような充填剤としては分散性あるいは分散安定
性の点から平均粒子径500μm以下のものが好まし
い。
【0093】これらのシリコーンゴム層は印刷インク反
撥性、耐印刷性に優れ、さらにアブレーションにより容
易に除去され、高感度で、高い画像再現性を与える機能
を有する。該シリコーンゴム層の引掻傷強度は10〜1
00gであることが好ましい。ただし、引掻傷強度と
は、0.2mmのサファイア針を試料上に加重を加えな
がら10cm/分のスピードで移動させた際、引掻傷が
発生するために必要な加重(g)を表す。引掻傷強度が
上記範囲であれば、印刷インク反撥性、耐印刷性、感
度、画像再現性等の印刷適性が良好となる。本発明にお
いて用いられるシリコーンゴム層の膜厚は0.1〜10
μm、好ましくは0.2〜5μm、さらに好ましくは
0.3〜2μmである。
【0094】以上に記載した感光性層組成物、シリコー
ンゴム層組成物は、適当な溶剤に溶解して溶液となし、
これを支持体にワイヤーバー、スピナー、ロールコータ
ー等の各種の塗布装置により前記基板上に塗布した後、
乾燥して、それぞれ感光性層、シリコーンゴム層を形成
することができる。感光性層の塗布溶剤としては、例え
ばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル等の
エステル類、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼ
ン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、トリクロロエタ
ン等の炭化水素やハロゲン化炭化水素類、メチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン等のエー
テル類、さらにはプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、ベントキソン、ジメチルホルムアミド
など常用のものを用いることが出来、シリコーンゴム層
の塗布溶剤としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、
石油エーテル、脂肪族炭化水素系溶剤エクソン化学
(株)製:アイソパーE、H、G及びこれらの溶剤と上
記の感光性層塗布溶剤との混合溶媒等を用いることが出
来る。
【0095】また、必要に応じて、該塗布試料はシリコ
ーンゴム層を保護する目的で、最外層としてポリプロピ
レンシート、ポリエチレンシート、離型処理ポリエチレ
ンテレフタレート等の各種離型性プラスチックシート、
離型処理紙、アルミ、鉄、銅等の金属シート等をシリコ
ーンゴム層上にラミネートし設けることができる。上記
の感光性層あるいは、感光性層及びシリコーンゴム層を
基板上に設けた試料は、通常680〜1100nmの近
赤外光を発振する半導体レーザー光を5〜30μm径に
集光したビームスポットにより走査露光を行い、露光部
分をアブレーションさせた後、後処理なしにレジスト画
像、色材画像、あるいは印刷版として使用されるが、該
露光済み印刷版上に付着したアブレーションで発生した
感光性層或いはシリコーンゴム層の微粒子を除去する目
的で、画像形成材料表面を必要に応じて水溶液又は有機
溶剤を供給しながらブラシ、パッド、超音波、スプレー
等の物理刺激を与える後処理を行ってもよい。
【0096】また、該アブレーションで発生した微粒子
を除去する他の方法としては、該微粒子に対して接着性
の高い表面を有するカバーシートを露光済の画像形成材
料上に、画像形成材料の感光面と接着性のカバーシート
表面が合わさるようにラミネートした後、剥離する方法
や露光前に、該カバーシートであってレーザー光を通過
させるカバーシートを上記と同様にラミネートし、露光
後に剥離、画像形成材料上の微粒子を除く方法、等が挙
げられる。該カバーシートとしては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、紙等
の基版上に、シリコーンゴム、アイオノマー、酢酸ビニ
ル等の粘着層を必要に応じて設けたものが挙げられる。
【0097】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。実施例1〜10、比較例1〜2 第4表に示す基板上に下記組成の感光性層組成物を塗布
した。
【0098】 〔感光性層組成物〕 近赤外吸収剤:S−41(第1表記載の化合物) 第4表に記載の配合量 炭酸エステル化合物:第4表記載の化合物 第4表に記載の配合量 有機高分子物質:フェノキシ樹脂(PKH−J、ユニオンカーバイド社製) 第2表に記載の配合量 塗布溶媒:シクロヘキサノン 900重量部 塗布後、85℃で3分間乾燥し、乾燥膜厚1.5μmの
感光層を設けた。続いて該感光性層上に下記組成のシリ
コーンゴム層組成物を塗布した。
【0099】〔シリコーンゴム層組成物〕両末端に水酸
基を有する線状オルガノポリシロキサン:下式の化合物
(yは1以上の整数を示す)
【0100】
【化17】
【0101】 反応性シラン化合物:第4表に記載の化合物 第4表に記載の配合量 縮合触媒:ジブチル錫ジラウレート 0.8重量部 塗布溶媒:アイソパーE(エクソン化学社製) 900重量部 塗布後、100℃で4分間乾燥し、乾燥膜厚1μmのシ
リコーンゴム層を設け感光性印刷版を作製した。
【0102】該感光性印刷版を、円周20cmの回転ド
ラムに、シリコーンゴム層が外側になるように固定し、
ドラムを回転させた。次に回転している印刷版上に、8
30nm、30mWの半導体レーザー光(日立製作所社
製、HL8325G)を、ビーム径15μmに集光さ
せ、走査露光を行った。続いて以下の項目について評価
を行った。その結果を第4表に示す。
【0103】〔感 度〕各種回転数で回転ドラムを回転
させながら、試料を走査露光させた後、試料を400倍
の顕微鏡で観測し、レーザー露光部分の感光性層あるい
はシリコーンゴム層が、除去される最高走査速度(cm
/s)により、感度の評価を行った。走査速度が高いほ
ど高感度であることを表す。
【0104】〔引掻傷強度〕試料の非画線部上に新東科
学(株)製連続加重式引掻強度試験機(TYPE−HE
IDON18)により、直径0.2mmのサファイア針
を用いて加重をかけながら10cm/sのスピードによ
り傷をつけ、引掻傷が発生するために必要な加重(g)
を測定した。
【0105】
【表20】
【0106】第4表中、基板の欄の略号(K−1)は、
以下の基板を表す。K−1 ;厚さ100μmのアート紙の両面に、厚さ38
μmの発泡ポリエチレンテレフタレートシートを、ウレ
タン系接着剤(武田薬品社製タケネートA−7と武田薬
品社製タケラックA−367Hの混合液)を用いてラミ
ネートし、接着させた複合基板 第4表中、反応性シラン化合物の欄の略号(Si1
i4Si21Si23)は、それぞれ第3表に挙げ
た化合物を表す。第4表中、炭酸エステル化合物の欄の
略号は(t−6、t−7、t−21、u−1、u−9)
は、それぞれ第2表に挙げた化合物を表す。
【0107】実施例11 実施例1においてシリコーンゴム層を下記のものに変更
した以外は、同様に試料を作製し感度の評価を行ったと
ころ、感度90cm/sが得られた。
【0108】 〔シリコーンゴム層組成物〕 1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン: α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(Mw=12,000) 100重量部 1分子中にSi−H結合を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン: 下記のα,ω−ジメチルポリシロキサン
【0109】
【化18】
【0110】 (式中の置換基Rのうち約40%は水素原子であり、残りの約60%はメチル基 である、またyは1以上の整数を示す、Mw=2,000) 7重量部 付加反応触媒:塩化白金酸とビニルシロキサンの錯体 0.1重量部 硬化遅延剤:下式の化合物
【0111】
【化19】 塗布溶媒:アイソパーE(エクソン化学社製) 900重量部
【0112】実施例12 実施例1において、感光性組成物中に着色色材料とし
て、大日精化社製シアニンブルー4920を20重量部
添加し、シリコーンゴム層の塗布を省略した以外は、同
様に試料を作製し、感度の評価を行ったところ、感度1
20cm/sが得られた。なお、本実施例及び下記比較
例3における感度とは、試料を走査露光させた後、該試
料を400倍の顕微鏡で観測し、レーザー露光部分の感
光性層が除去される最高走査速度(cm/s)である。
【0113】比較例3 実施例12において、炭酸エステル化合物を添加しなか
った以外は、同様に試料を作製し感度の評価を行ったと
ころ、感度70cm/sが得られた。
【0114】
【発明の効果】本発明により、感光性層のアブレーショ
ン効果が向上し、感度に優れたレーザーダイレクト画像
形成材料及びレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版
印刷版を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/075 501 G03F 7/075 501 521 521

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、少なくとも近赤外吸収剤を含
    有する感光性層を有するレーザーダイレクト画像形成材
    料において、前記感光性層中に炭酸エステル化合物を含
    有することを特徴とするレーザーダイレクト画像形成材
    料。
  2. 【請求項2】 基板上に、該基板から少なくとも近赤外
    吸収剤を含有する感光性層、及びシリコーンゴム層をこ
    の順に有するレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版
    印刷版において、前記感光性層中に炭酸エステル化合物
    を含有することを特徴とするレーザーダイレクト湿し水
    不要感光性平版印刷版。
  3. 【請求項3】 前記シリコーンゴム層が、シリコーンゴ
    ム層の全固形成分に対し80重量%以上98重量%未満
    の、両末端に水酸基を有する線状オルガノシロキサン
    と、シリコーンゴム層の全固形成分に対し2重量%以上
    20重量%未満の、反応性シラン化合物を含有してなる
    ことを特徴とする請求項2に記載のレーザーダイレクト
    湿し水不要感光性平版印刷版。
  4. 【請求項4】 前記シリコーンゴム層が、シリコーンゴ
    ム層の全固形成分に対し80重量%以上98重量%未満
    の、1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有する
    オルガノポリシロキサンと、シリコーンゴム層の全固形
    成分に対し2重量%以上20重量%未満の、1分子中に
    Si−H結合を少なくとも2個有するオルガノポリシロ
    キサンを含有してなることを特徴とする請求項2に記載
    のレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版。
  5. 【請求項5】 前記シリコーンゴム層の引掻傷強度が1
    0〜100gであることを特徴とする請求項2乃至4に
    記載のレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷
    版。
JP8183398A 1996-07-12 1996-07-12 レーザーダイレクト画像形成材料及びレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版 Pending JPH1026826A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003315985A (ja) * 2002-04-22 2003-11-06 Fuji Photo Film Co Ltd 感光性平版印刷版
WO2021036538A1 (zh) * 2019-08-29 2021-03-04 浙江福斯特新材料研究院有限公司 一种感光性树脂组合物及其应用

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