JPH10236010A - レーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版 - Google Patents

レーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版

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JPH10236010A
JPH10236010A JP9043618A JP4361897A JPH10236010A JP H10236010 A JPH10236010 A JP H10236010A JP 9043618 A JP9043618 A JP 9043618A JP 4361897 A JP4361897 A JP 4361897A JP H10236010 A JPH10236010 A JP H10236010A
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JP
Japan
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group
printing plate
substrate
acid
silicone rubber
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Pending
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JP9043618A
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English (en)
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Toshiyoshi Urano
年由 浦野
Etsuko Hino
悦子 檜野
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Publication of JPH10236010A publication Critical patent/JPH10236010A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography

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  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度が高く、画像再現性に優れた感光性平版
印刷版を提供する。 【解決手段】 基板上に、該基板から少なくとも近赤外
吸収剤を含有する感光性層及びシリコーンゴム層をこの
順に有するレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印
刷版において、該感光性層がジアゾニウム化合物または
アジド化合物から選ばれる少なくとも1種を含有するこ
とを特徴とするレーザーダイレクト湿し水不要感光性平
版印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はデジタル画像データ
から近赤外半導体レーザーを用い、直接、印刷版を形成
し得るレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版
に関する。更に詳しくは、基板上に感光層、シリコーン
ゴム層をこの順に塗設して成るレーザーダイレクト湿し
水不要感光性平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、近赤外半導体レーザー及びコンピ
ュータを用いるデジタル画像処理技術の進歩に伴い、コ
ンピュータ上で形成されたデジタル画像データから印刷
版用銀塩フィルムを用いることなしに直接感光性平版印
刷版上に近赤外半導体レーザーで走査露光を行い、露光
部分を不溶化した後水溶液現像処理(湿式現像処理)に
より画像を形成し製版する、あるいは露光部分を劣化さ
せ、又は昇華、溶融させ除去する(乾式現像処理)こと
により画像を形成し製版する、レーザーダイレクト製版
技術が注目されている。特に、水と印刷インクのバラン
スを考える必要が無く、印刷操作が容易で、印刷初期の
損紙が少なく、印刷時間の短い、湿し水不要デジタル印
刷システムは、デジタル画像データから短時間で容易に
印刷物を作製することが出来るため、新しい印刷システ
ムとして期待されている。
【0003】該湿し水不要デジタル印刷システムに使用
される、レーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷
版に関しては、種々の試みがなされているが、例えば、
(イ)支持体上に感光性層、シリコーンゴム層をこの順
に塗設し、感光性層の露光部のアブレーションにより生
ずる熱に応答して、シリコーンゴム層を、同時に溶融、
揮発あるいは燃焼等により除去するもの(特開平7−1
64773、同6−186750、同6−19906
4、同7−309001)、(ロ)感光性層の露光部の
アブレーションにより生ずる熱に応答して、シリコーン
ゴム層を劣化させ、支持体との接着性を低下させた後擦
り取るもの(特開平6−55723、同6−5586
9、同6−92050)、(ハ)シリコーンゴム層を設
けた支持体上に、インク着肉性のトナー画像を電子写真
法により形成させるもの(特開昭51−66008)等
が知られている。これらのうち(イ)の方式が、画像形
成処理が最も簡便であり、また通常画質もより優れたも
のが得られ易いのでより好適と考えられている。
【0004】また、感光性層中に発泡剤を含有させた湿
し水不要印刷版の例としては、主にサーマルヘッドを用
いた画像形成方法への応用を目的とした特開平1−19
2555等が知られている。しかしながら、上記のアブ
レーションを利用するレーザーダイレクト湿し水不要感
光性平版印刷版は、実用的には感度が不十分なため、大
出力の半導体レーザーを多数必要とし、また、レーザー
露光部のエッジ部分が、レーザー露光に伴う熱により感
光性層及び/又は基板が溶融し隆起状に変形するため、
印刷版から紙へのインク転写が不安定になり印刷画像再
現性が低くなるという問題があった。
【0005】また、熱分解により気体を発生する化合物
を感光性層中に含有させた湿し水不要感光性平版印刷版
の例としては、特開昭50−158405号等に示され
ているようなニトロセルロースを用いたものが知られて
いる。しかしながら、感光性層中にニトロセルロースを
含有させた場合には、露光によるニトロセルロースの分
解によって、一酸化窒素等の臭気を有する有毒ガスが発
生するため、作業環境上好ましくなく、また、印刷版の
感度を高めようとして、ニトロセルロースの硝化度を高
めると、分解性が高くなりすぎて取り扱いが危険になる
という問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、感度が高
く、画像再現性が良好であり、且つそれぞれがバランス
して優れることにより印刷適性に優れたレーザーダイレ
クト湿し水不要感光性平版印刷版を提供しようとするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、基板上
に、該基板から少なくとも近赤外吸収剤を含有する感光
性層及びシリコーンゴム層をこの順に有するレーザーダ
イレクト湿し水不要感光性平版印刷版において、該感光
性層がジアゾニウム化合物またはアジド化合物から選ば
れる少なくとも1種を含有することを特徴とするレーザ
ーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を更に詳細に説明す
る。本発明において用いられる基板としては、通常の平
版印刷機にセットできるたわみ性を有し、印刷時にかか
る荷重に耐えうるものであればいかなるものも用いるこ
とができ、層構成も含めて特に限定されない。例えば、
コート紙、合成紙などの紙類、アルミニウム板などの金
属板、あるいは、ポリエチレンテレフタレートなどのプ
ラスチックフィルムを例として挙げることができる。
【0009】さらに好ましくは従来の基板としての機能
に加え、感光性層に吸収されたレーザー光のエネルギー
により発生した熱が基板を伝わり拡散することを防ぎ、
感光性層及びシリコーンゴム層のアブレーションの効果
を高める機能を有するものが用いられる。本発明に用い
られる基板は以下詳細に説明する如く、基板の構成の中
心要素となる基材(以下、単に基材と称す)自体で使用
することもできるが、種々の機能を付加する目的で、該
基材とその感光性層側表面(以下、単に表面という)に
設けられたインク着肉性層及び/又は裏面に設けられた
補強層とから成るもの(以下、複合基板と称す)も用い
られる。
【0010】前記アブレーションの効果を高める機能を
発現させる目的においては、基材は熱伝導度が低いもの
であるほど断熱性に優れ即ち熱の拡散を防ぐため好まし
い。本発明に用いられる基材としては、300K(27
℃)における熱伝導度が通常0.2W/mK以下のもの
であり、さらに熱拡散の防止効果を高めるために、0.
15W/mK以下のものが好ましい。また、熱伝導度を
低く抑え、断熱効果を高めるために、基材の材料中に空
気等の気体を含有したもの、即ち密度の低いものが好ま
しく用いられる。前記断熱効果を高めるために、基材の
密度は2.0g/cm3 以下が好ましく、1.5g/c
3 以下が更に好ましい。
【0011】該基材の具体例としては、上質紙、樹脂加
工紙、コート紙、合成紙等の紙類;木板;合成紙;発泡
ポリエチレンテレフタレートシート、発泡ポリプロピレ
ンシート、発泡ポリエチレンシート、発泡ポリスチレン
シート等の発泡プラスチックシートを挙げることができ
るが、基板の寸法安定性、インクに含まれる溶剤等に対
する耐薬品性等の観点から、コート紙、アート紙、写真
印画紙原紙、発泡ポリエチレンテレフタレートシート、
発泡ポリプロピレンシート、発泡ポリエチレンシートが
好ましい。
【0012】該基材の厚さは10μm〜3mm、好まし
くは20μm〜1mm、更に好ましくは50μm〜50
0μmである。本発明に用いられる基材の表面には、感
光性平版印刷版の画像部のインク着肉性を高めるため
に、適当なクッション性を有し、インクローラーとの密
着性が高く、インク転写性を高める効果のあるインク着
肉性層を設け、複合基板を作製することができる。
【0013】該インク着肉性層の具体例としては、例え
ばポリエチレンテレフタレートシート、発泡ポリエチレ
ンテレフタレートシート、ポリプロピレンシート、発泡
ポリプロピレンシート、ポリエチレンシート、発泡ポリ
エチレンシート等が挙げられ、これらを例えばラミネー
ション等により基材表面に接合して用いることができ
る。これらの内、インク着肉性と共に、断熱効果を高め
る目的で、密度が1.5g/cm3 以下の発泡ポリエチ
レンテレフタレートシート、発泡ポリプロピレンシー
ト、発泡ポリエチレンシートが好ましい。また、インク
着肉性層を設けることにより印刷版の耐久性も向上す
る。
【0014】該インク着肉性層の厚さは1μm〜1m
m、好ましくは3μm〜100μm、更に好ましくは5
μm〜75μmである。また、本発明に用いられる基材
の裏面には、印刷版の耐久性を高める目的で補強層を設
け、複合基板を作製することができる。該補強層を設け
るために使用される補強用シートとしては、前記基材に
使用されるもの;前記インク着肉性層に使用されるも
の;アルミ板、銅板、鉄板等の金属板;アルミ箔等の金
属箔等から適宜選択して用いることができる。これらの
うち、ポリエチレンテレフタレートシート、発泡ポリエ
チレンテレフタレートシート、アルミ板が好ましい。
【0015】該補強層の厚さは10μm〜3mm、好ま
しくは20μm〜1mm、更に好ましくは50μm〜5
00μmである。さらに、本発明においては基材の表面
にインク着肉性層を設け、且つ裏面に補強層を設けた複
合基板を作製することもできる。これら基材、インク着
肉性層、及び補強層は前述の如く、それぞれ断熱効果、
インク着肉性、耐久性を主たる目的としているので、感
光性印刷版としての性能を向上させるために、それぞれ
の特徴を生かし、互いの不足を補うように適宜多層化す
ることが好ましい。このため、ある材料の基材に同種の
材料をインク着肉性層及び/又は補強層として接合する
場合もあるが、その場合は、断熱効果、インク着肉性、
耐久性のそれぞれを満足するため、目的に見合ったグレ
ードの材料を適宜選択すればよい。また、複合基板の場
合には、複合基板全体の熱伝導度が低いことが重要であ
ることは言うまでもないが、少なくとも断熱領域を確保
するために、基材自体が断熱性であることが必須であ
り、表面に設けたインク着肉性層も断熱性であることが
好ましい。
【0016】本発明に用いられる好ましい複合基板の具
体例としては、例えば50μm〜500μmのアート
紙、上質紙、樹脂加工紙あるいはコート紙の表面に、イ
ンク着肉性層として20μm〜75μmのポリエチレン
テレフタレートシート、発泡ポリエチレンテレフタレー
トシート、ポリプロピレンシート、発泡ポリプロピレン
シート、ポリエチレンシート、あるいは発泡ポリエチレ
ンシートをラミネートしたものが挙げられる。更に、こ
の複合基板の裏面に、補強層として、前記インク着肉性
シートと同種のものあるいは、100μm〜500μm
のアルミ板をラミネートした3層のものが挙げられる。
【0017】前記の断熱性基材にインク着肉性シートあ
るいは補強用シートをラミネートする際には、ラミネー
トする2つのシート面のどちらか、あるいは両方に例え
ば特開平2−225087号公報に記載のウレタン樹脂
等の接着剤を0.1〜10μmの厚さに塗布した後、7
0〜150℃、0.1〜50kg/cm2 、0.1〜5
0m/sの条件にてラミネートし、断熱性基材にインク
着肉性層あるいは補強層を形成する。
【0018】以上詳述した通り、本発明において基材は
その物性値と層厚により基板構成において断熱機能の主
体となるべき層を意味するが、この断熱機能が有効に発
現される限り基板の層構成と基材との関係は当業者が想
到し得る程度の変形が可能である。例えば断熱機能を基
材とインク着肉性層とでほぼ均等に負担せしめたり、基
材自身を複合化して、統合的に本発明で特定する断熱機
能を発現せしめたり、その他必要に応じて他の層を介在
せしめることもありえよう。
【0019】本発明において用いられる感光性層は、近
赤外レーザー光を効率よく吸収、熱に変換し感光性層の
アブレーションを起こし感光性層を除去すると同時に、
それによって生ずる熱に応答してシリコーンゴム層のア
ブレーションを誘引し、溶融、揮発あるいは燃焼させ、
及び/または、感光性層のアブレーションの際の圧力に
より、これを除去せしめる機能を有する近赤外吸収剤を
含有する。
【0020】該近赤外吸収剤は近赤外光を吸収し、光エ
ネルギーを熱エネルギーに変換する機能を有するもので
あれが特に限定することなく用いることが出来るが、具
体的には、有機、無機の顔料、有機の色素、金属等を挙
げることが出来る。さらに具体的には、例えばカーボン
ブラック(三菱化学社の製品であるMA−7、MA−1
00、MA−220、#5、#10、デグッサ社の製品
であるカラーブラックFW2、FW20、プリンテック
スVなど);黒鉛;チタン、クロム等の金属;酸化チタ
ン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化バナジウム、酸化タング
ステン等の金属酸化物;チタンカーバイト等の金属炭化
物;金属ホウ化物;特開平4−322219号公報に記
載されている無機黒色顔料、アゾ系のブラック顔料、リ
オノールグリーン2YS、緑色顔料7などの黒、緑など
の有機顔料が用いられる。 また、「特殊機能色素」
(池森・住谷編集、1986年(株)シーエムシー発
行)、「機能性色素の化学」(檜垣編集、1981年
(株)シーエムシー発行)、「色素ハンドブック」(大
河、平嶋、松岡、北尾編集、講談社発行)、(株)日本
感光色素研究所が1995年に発行したカタログ及びE
xcitonInc.が1989年に発行したレーザー
色素カタログ等に記載されている近赤外領域に吸収を有
する色素も用いられる。更には特開平3−97590、
同97591、同63185、同26593、同975
89、特開平2−2074、同2075、同2076等
に記載されている近赤外領域に吸収を有する有機色素、
日本化薬社製IR820B等の近赤外領域に吸収を有す
る色素も用いられる。
【0021】また、下記一般式(I)で表わされる(チ
オ)ピリリウムポリメチンシアニン色素も好適に用いら
れる。
【0022】
【化2】
【0023】〔式(I)中、n及びmはそれぞれ0又は
1を示し、kは0、1又は2を示し、Y- は無機又は有
機のアニオンを示し、R1 〜R6 はそれぞれ水素原子、
炭素数1〜15のアルキル基、置換されていてもよい炭
素数6〜20の芳香族炭化水素基、置換されていてもよ
い炭素数4〜20の芳香族複素環基(該置換されていて
もよい芳香族炭化水素基及び置換されていてもよい芳香
族複素環基上の置換基は、炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10の
アシル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、
塩素原子、臭素原子の中から選ばれる。)、炭素数1〜
15のアルコキシ基、炭素数2〜15のアシル基、炭素
数2〜10のアルコキシカルボニル基、塩素原子、臭素
原子を示し、Xは酸素原子又はイオウ原子を示す。〕 これらのうち、(チオ)ピリリウムポリメチンシアニン
色素が好ましい。このような近赤外領域に吸収を有する
色素のいくつかを下記の第1表に例示する。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
【表7】
【0031】
【表8】
【0032】
【表9】
【0033】
【表10】S−34 ポリメチン色素;IR−820B(日本火薬社
製)S−35 ニグロシン色素;Colour Index Solvent Black
5S−36 ニグロシン色素;Colour Index Solvent Black
7S−37 ニグロシン色素;Colour Index Acid Black 2S−38 カーボンブラック;MA−100(三菱化学社
製)S−39 一酸化チタン;チタンブラック13M(三菱マ
テリアル社製)S−40 一酸化チタン;チタンブラック13B(三菱マ
テリアル社製)
【0034】
【表11】
【0035】
【表12】
【0036】
【表13】
【0037】これら近赤外吸収剤は、単独あるいは複数
混合し、感光性層塗布溶液中に溶解又は、分散させて配
合し、用いることができる。該近赤外吸収剤を配合する
場合、感光性層中での配合率は、全感光性層固形分の5
〜100重量%、好ましくは10〜98重量%、更に好
ましくは20〜95重量%である。近赤外吸収剤の配合
率が著しく低いと、レーザー光を十分吸収できず、アブ
レーションの効果が低下しやすい。この場合、感光性層
の膜厚は、0.3〜5μm、好ましくは0.3〜3μ
m、さらに好ましくは0.5〜2μmである。
【0038】本発明で用いられる感光性層中には、上記
近赤外吸収剤の他に、塗膜性、近赤外吸収剤との相溶
性、感光性層中の膜強度、及びアブレーションの効果を
高める目的で、有機高分子物質を添加することができ
る。
【0039】該有機高分子物質としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸やイタコン酸等の不飽和酸と、(メタ)
アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸フェニル、
(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレン、α−メチルス
チレン等との共重合体;ポリメチルメタクリレートに代
表されるメタクリル酸アルキルやアクリル酸アルキルの
重合体;(メタ)アクリル酸アルキルとアクリロニトリ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン等との共重
合体;アクリロニトリルと塩化ビニルや塩化ビニリデン
との共重合体;側鎖にカルボキシル基を有するセルロー
ス変性物;ポリエチレンオキシド;ポリビニルピロリド
ン;フェノール、o−、m−、p−クレゾール、及び/
又はキシレゾールとアルデヒド、アセトン等との縮合反
応で得られるノボラック樹脂;エピクロロヒドリンとビ
スフェノールAとのポリエーテル;可溶性ナイロン;ポ
リ塩化ビニリデン;塩素化ポリオレフィン;塩化ビニル
と酢酸ビニルとの共重合体;酢酸ビニルの重合体;アク
リロニトリルとスチレンとの共重合体;アクリロニトリ
ルとブタジエン及びスチレンとの共重合体;ポリビニル
アルキルエーテル;ポリビニルアルキルケトン;ポリス
チレン;ポリウレタン;ポリエチレンテレフタレートイ
ソフタレート;アセチルセルロース;アセチルプロピオ
キシセルロース;アセチルブトキシセルロース;ニトロ
セルロース;セルロイド;ポリビニルブチラール等が用
いられる。該有機高分子物質の感光性層中における配合
率は、全感光性層固形分の0〜95重量%、好ましくは
2〜90重量%、さらに好ましくは5〜80重量%であ
る。
【0040】本発明に用いられるジアゾニウム化合物及
びアジド化合物は、近赤外レーザー光線を近赤外線吸収
剤が吸収することにより発生した熱によって分解し、効
率よく気体を発生し、感光性層上に設けられたシリコー
ンゴム層のうち、レーザー露光部の除去を促進すると共
に、レーザー露光部のエッジ部分がレーザー露光に伴う
熱によって感光性層及び/又は基板の熱融解により変
形、隆起することを防ぎ、インク転写性を良好にすると
いう機能を有する。加えて、一酸化窒素等の毒性、臭気
ガスを発生しないという利点を有する。
【0041】次に、本発明に用いられるジアゾニウム化
合物及びアジド化合物についてさらに詳細に説明する。
本発明に用いられるジアゾニウム化合物は、分子内にジ
アゾニウムイオンを有する有機カチオンと、対アニオン
との塩であって、低分子量のもの及びジアゾニウム基含
有化合物から誘導される構成単位を分子中に含有する高
分子量のものが挙げられる。
【0042】低分子量のジアゾニウム化合物としては、
典型的には置換基を有していても良い芳香族ジアゾニウ
ム化合物が用いられる。これらのうち、置換基を有して
いても良いフェニルジアゾニウム化合物が好ましく、該
置換基としてはアルキルアミノ基、アミノ基、アルキル
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ
基、アリールアミノ基が好ましい。対アニオンとして
は、通常、無機アニオンであり、具体的には例えば、B
4 - 、PF6 - 、HSO4 - 、Cl- 、Br- 、Cl
4 - 、Cl- ・ZnCl2 等が挙げられる。
【0043】また、高分子量のジアゾニウム化合物とし
ては、典型的にはカルボキシル基及び/又は水酸基を有
する芳香族化合物から誘導される構成単位と芳香族ジア
ゾニウム化合物から誘導される構成単位とを分子中に含
有する共縮合化合物(ジアゾ樹脂)である。該共縮合化
合物に用いられるカルボキシル基及び/又はヒドロキシ
ル基を有する芳香族化合物は、少なくとも1つのカルボ
キシル基で置換された芳香族環および/または少なくと
も1つのヒドロキシル基で置換した芳香族環を分子中に
含むものであって、この場合、上記カルボキシル基とヒ
ドロキシル基とが同一の芳香族環に置換されていてもよ
い。
【0044】そして上記の芳香族環としては、好ましく
はアリール基例えばフェニル基、ナフチル基を挙げるこ
とができる。また前記のカルボキシル基あるいはヒドロ
キシル基は芳香族環に直接結合してもよく、何らかの結
合基(以下、単にジョイントという。)を介して結合し
ていてもよい。上記の場合において、1つの芳香族環に
結合するカルボキシル基の数としては1または2が好ま
しく、また1つの芳香族環に結合するヒドロキシル基の
数としては1〜3が好ましい。さらにジョイントとして
は、例えば、炭素数1〜4のアルキレン基を挙げること
ができる。
【0045】前述のカルボキシル基および/又はヒドロ
キシル基を含有する芳香族化合物の具体例としては、安
息香酸、(o,m,p)−クロロ安息香酸、p−メトキ
シ安息香酸、2,4−ジメトキシ安息香酸、2,4−ジ
メチル安息香酸、p−フェノキシ安息香酸、4−アニリ
ノ安息香酸、4−(m−メトキシアニリノ)安息香酸、
4−(p−メトキシベンゾイル)安息香酸、4−(p−
メチルアニリノ)安息香酸、4−フェニルスルホニル安
息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2−メチル−4−ヒ
ドロキシ安息香酸、6−メチル−4−ヒドロキシ安息香
酸、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,
4−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ−6
−メチル安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、
2,6−ジヒドロキシ−4−メチル安息香酸、4−クロ
ロ−2,6−ジヒドロキシ安息香酸、4−メトキシ−
2,6−ジヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシメチル
安息香酸、p−ヒドロキシエチル安息香酸、4−(p−
ヒドロキシフェニル)メチル安息香酸、4−(o−ヒド
ロキシベンゾイル)安息香酸、4−(2,4−ジヒドロ
キシベンゾイル)安息香酸、4−(p−ヒドロキシフェ
ノキシ)安息香酸、4−(p−ヒドロキシアニリノ)安
息香酸、4−(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)安
息香酸、4−(p−ヒドロキシフェニルチオ)安息香酸
等のヒドロキシ基で置換されていても良く、更に他の置
換基を有していても良い安息香酸類(但し、サリチル酸
及びその誘導体を除く);サリチル酸、4−メチルサリ
チル酸、6−メチルサリチル酸、4−エチルサリチル
酸、6−プロピルサリチル酸、6−ラウリルサリチル
酸、6−ステアリルサリチル酸、4,6−ジメチルサリ
チル酸等の置換基を有していても良いサリチル酸類;フ
タル酸、テレフタル酸、ジフェニル酢酸、フェノキシ酢
酸、p−メトキシフェニル酢酸、フェノール、(o,
m,p)−クレゾール、キシレノール、レゾルシン、2
−メチルレゾルシン、(o,m,p)−メトキシフェノ
ール、m−エトキシフェノール、カテコール、フロログ
リシン、p−ヒドロキシエチルフェノール、ナフトー
ル、ピロガロール、ヒドロキノン、p−ヒドロキシベン
ジルアルコール、4−クロロレゾルシン、ビフェニル
4,4′−ジオール、1,2,4−ベンゼントリオー
ル、ビスフェノールA、2,4−ジヒドロキシベンゾフ
ェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、
p−ヒドロキシアセトフェノン、4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルアミン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフ
ィドクミルフェノール、(o,m,p)−クロロフェノ
ール、(o,m,p)−ブロモフェノール、没食子酸、
フロログルシンカルボン酸、2,4,5−トリヒドロキ
シ安息香酸、m−ガロイル没食子酸、タンニン酸、m−
ベンゾイル没食子酸、m−(p−トルイル)没食子酸、
プロトカテクオイル−没食子酸、4,6−ジヒドロキシ
フタル酸、(2,4−ジヒドロキシフェニル)酢酸、
(2,4−ジヒドロキシフェニル)酢酸、(3,4,5
−トリヒドロキシフェニル)酢酸、ビス(3−カルボキ
シ−4−ヒドロキシフェニル)アミン等が挙げられる。
【0046】安息香酸類及びサリチル酸類の置換基とし
ては、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基及びハ
ロゲン原子が好ましく、アルキル基としてはC1 〜C12
アルキル基、アルコキシ基としてはC1 〜C12アルコキ
シ基、ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子等であ
る。前記化合物の内、カルボキシ基及び/又はヒドロキ
シル基が芳香族環に直接結合している化合物が好まし
く、中でも安息香酸類及びサリチル酸類から選ばれる少
なくとも1種であるのが好ましい。特に好ましいもの
は、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−メトキ
シ安息香酸、メタクロロ安息香酸である。前述の共縮合
ジアゾ樹脂の構成単位をなす芳香族ジアゾニウム化合物
には、例えば特公昭49−48001号公報に挙げられ
ているようなジアゾニウム塩を用いることができるが、
特に、ジフェニルアミン−4−ジアゾニウム塩類が好ま
しい。
【0047】ジフェニルアミン−4−ジアゾニウム塩類
は、4−アミノ−ジフェニルアミン類のジアゾニウム塩
であり、このような4−アミノ−ジフェニルアミン類と
しては、4−アミノ−ジフェニルアミン、4−アミノ−
3−メトキシ−ジフェニルアミン、4−アミノ−2−メ
トキシ−ジフェニルアミン、4−アミノ−2′−メトキ
シ−ジフェニルアミン、4−アミノ−4′−メトキシ−
ジフェニルアミン、4−アミノ−3−メチルジフェニル
アミン、4−アミノ−3−エトキシ−ジフェニルアミ
ン、4−アミノ−3−β−ヒドロキシ−エトキシジフェ
ニルアミン、4−アミノ−ジフェニルアミン−2−スル
ホン酸、4−アミノ−ジフェニルアミン−2−カルボン
酸、4−アミノ−ジフェニルアミン−2′−カルボン酸
等の置換基を有していても良い4−アミノ−ジフェニル
アミンが挙げられる。置換基としてはC1 〜C4 のアル
キル基、C1 〜C4 のアルコキシ基、C1 〜C4 のヒド
ロキシアルコキシ基、スルホ基、カルボキシル基等が挙
げられる。4−アミノ−ジフェニルアミン類の中でもC
1 〜C4 アルコキシ基で置換されていても良い4−アミ
ノ−ジフェニルアミンが好ましく、特に好ましくは、4
−アミノ−4′−メトキシ−ジフェニルアミン、4−ア
ミノ−ジフェニルアミンである。
【0048】上記共縮合ジアゾ樹脂は、公知の方法、例
えば、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エン
ジニアリング(Photo.Sci.Eng.)第17
巻、第33頁(1973)、米国特許第2,063,6
31号、同第2,679,498号各明細書に記載の方
法に従い、硫酸やリン酸あるいは塩酸中でジアゾニウム
塩、カルボキシル基および/またはヒドロキシル基を有
する芳香族化合物およびアルデヒド類、例えばパラホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドあ
るいはケトン類、例えばアセトン、アセトフェノンとを
重縮合させることによって得られる。
【0049】また、これら分子中にカルボキシル基およ
び/またはヒドロキシル基を有する芳香族化合物、芳香
族ジアゾ化合物およびアルデヒド類またはケトン類は相
互に組合せ自由であり、さらに各々2種以上を混ぜて共
縮合することも可能である。カルボキシル基及び/又は
ヒドロキシル基を有する芳香族化合物と芳香族ジアゾ化
合物の仕込みモル比は、通常1:0.1〜0.1:1、
好ましくは1:0.5〜0.2:1、より好ましくは
1:1〜0.2:1である。またこの場合、カルボキシ
ル基及び/又はヒドロキシル基を有する芳香族化合物と
芳香族ジアゾ化合物との合計と、アルデヒド類またはケ
トン類との仕込みをモル比は通常1:0.6〜1.5、
好ましくは1:0.7〜1.2である。共縮合ジアゾ樹
脂は、低温で短時間、例えば3時間程度反応させること
により得られる。
【0050】本発明において使用されるジアゾ樹脂の対
アニオンは、該ジアゾ樹脂と安定に塩を形成し、かつ該
樹脂を有機溶媒に可溶となすアニオンを含む。これら
は、デカン酸および安息香酸等の有機カルボン酸、フェ
ニルリン酸等の有機リン酸およびスルホン酸を含み、典
型的な例としては、メタンスルホン酸、クロロエタンス
ルホン酸、ドデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、
トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、およびア
ントラキノンスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン−5−スルホン酸、ヒドロキシスルホ
ン酸、4−アセチルベンゼンスルホン酸、ジメチル−5
−スルホイソフタレート等の脂肪族並びに芳香族スルホ
ン酸、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフ
ェノン、1,2,3−トリヒドロキシベンゾフェノン、
2,2′,4−トリヒドロキシベンゾフェノン等の水酸
基含有芳香族化合物、ヘキサフルオロリン酸、テトラフ
ルオロホウ酸等のハロゲン化ルイス酸、ClO4 、IO
4 等の過ハロゲン酸等が挙げられるが、これらに限られ
るものではない。これらの中で、特に好ましいものは、
ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロホウ酸、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン
酸である。
【0051】上記共縮合ジアゾ樹脂は、各単量体のモル
比および縮合条件を種々変えることにより、その分子量
は任意の値として得ることができるが、本発明の目的と
する使途に有効に供するためには分子量約400〜1
0,000の範囲から選択されることが一般的である
が、好ましくは約800〜5,000である。本発明に
用いられるジアゾニウム化合物をさらに具体的に下記第
3表に例示するが、本発明に用いられるジアゾニウム化
合物はこれら具体例に限定されるものではない。
【0052】
【表14】
【0053】
【表15】
【0054】
【表16】
【0055】次に、本発明に用いられるアジド化合物
は、分子内にアジド基を有する有機化合物であって、低
分子量のもの及びアジド基含有化合物から誘導される構
成単位を分子中に含有する高分子量のものが挙げられ
る。低分子量のアジド化合物としては、典型的には置換
基を有していても良いアリールアジド及び置換基を有し
ていても良いアルキルアジドが挙げられる。また、特開
平6−301202号公報、特開平3−1456471
号公報等に記載の、1分子中に複数個のアジド基を有し
ている化合物であっても良い。
【0056】また、高分子量のアジド化合物としては、
例えば特開平7−179074号公報、米国特許第51
64521号、COMBUSTION AND FLA
MENo.55,第203〜211頁(1984年)に
記載されているようなアジドポリマー等が挙げられる。
さらに、これらアジドポリマーの構成単位であるモノマ
ーも低分子量のアジド化合物として用いることができ
る。本発明に用いられるアジド化合物をさらに具体的に
下記第4表に例示するが、本発明に用いられるアジド化
合物はこれら具体例に限定されるものではない。
【0057】
【表17】
【0058】
【表18】
【0059】
【表19】
【0060】
【表20】
【0061】第4表中、n1 は2以上の整数を示す。こ
れらジアゾニウム化合物及びアジド化合物は、感光性層
の全固形分に対して、通常0.1〜70重量%、好まし
くは0.2〜50重量%、さらに好ましくは0.5〜4
0重量%添加して用いることができる。また、これらジ
アゾニウム化合物及びアジド化合物は、全体が前記の配
合率の範囲内になるようにそれぞれの数種を混合して用
いても良い。
【0062】本発明に用いられるシリコーンゴム層は、
前記した特開平7−164773号公報等に記載されて
いるような公知のものから適宜選択できるが、以下に説
明する、縮合反応によりシリコーンゴム層組成物を硬化
させる縮合架橋タイプと、付加反応によりシリコーンゴ
ム層組成物を硬化させる付加架橋タイプの2つのタイプ
のものが好ましく用いられる。
【0063】本発明において用いられる縮合架橋タイプ
のシリコーンゴム層は、両末端に水酸基を有する線状オ
ルガノポリシロキサンと該オルガノポリシロキサンと架
橋しシリコーンゴム層を形成させる反応性シラン化合物
を必須成分として含むものである。本発明で用いられる
両末端に水酸基を有する線状オルガポリシロキサンとし
ては、下記一般式(II)の線状オルガノポリシロキサン
が挙げられる。
【0064】
【化3】
【0065】(式中、2つのR7 は各々独立して、水素
原子、メチル基、フェニル基、ビニル基を示し、yは1
以上の整数を示す。) 上記一般式(III )で表される化合物のうちR7 がメチ
ル基であるものが好ましい。該オルガノポリシロキサン
の重量平均分子量(以下、Mwと略す)は5,000〜
1,000,000であり、好ましくは10,000〜
1,000,000である。Mwが著しく低いとシリコ
ーンゴム層の膜強度が低下し、耐印刷性が低くなり、ま
たMwが著しく高いとアブレーションによるシリコーン
ゴム層の除去効果が低下し、感度低下、画像再現性の低
下を起こしやすい。
【0066】また、本発明に用いられる反応性シラン化
合物は、前記両末端に水酸基を有する線状オルガノポリ
シロキサンの水酸基と反応し、脱酢酸型、脱オキシム
型、脱アルコール型、脱アミノ型あるいは脱水型等の縮
合を起こし架橋することができる官能基を、少なくとも
2つ以上有する分子量2,000以下の反応性シラン化
合物である。該官能基としては、具体的には例えば、下
記各式で表される官能基が挙げられる。
【0067】
【化4】
【0068】(式中、R8 は炭素数1〜5のアルキル基
を示すが同一原子団に2個のR8 がある場合、それぞれ
は同一でも異なっていても良い。) これらのうち、官能基がアシルオキシ基(−OCO
8 )で官能基数が3以上のもの、あるいは官能基がア
ルコキシ基(−OR8 )で官能基数が3以上のものは、
塗布後の乾燥処理後において短時間にシリコーンゴム層
を形成するため好ましい。更に好ましくは、官能基がア
セトキシ基で官能基数が3以上のもの、あるいは官能基
がアルコキシ基で官能基数が6以上のものである。
【0069】該反応性シラン化合物としては例えば下記
一般式(IV) 〜(VII )で表される化合物を挙げること
ができる。式中Qは前記した両末端に水酸基を有する線
状オルガノポリシロキサンの水酸基と反応する官能基か
ら選ばれたものを表し、Qは1分子中に少なくとも2個
有するものとする。
【0070】
【化5】
【0071】(式中、Xは炭素数1〜5のアルキル基、
フェニル基、ビニル基、H2 N−(CH2 h −、CH
2 =C(CH3 )CO−、CH2 =CHCO−、
【0072】
【化6】
【0073】を示し、R8 は前記と同様に炭素数1〜5
のアルキル基を示し、R10はアリル基又は−(CH2
q −SiR8 3-pp を示し、R11は水素原子、炭素数1
〜5のアルキル基、又はフェニル基を示すが、R8 、R
10、R11のそれぞれが同一分子内に複数存在する場合、
その複数個のそれぞれは同一でも異なっていても良く、
h、j及びqは各々1〜5の整数を示し、p及びrは各
々1〜3の整数を示し、sは2〜4の整数を示し、t及
びuは各々0〜5の整数を示す。) 本発明に用いられる反応性シラン化合物について第5表
にさらに具体的な例を挙げるが、これら例示されるもの
に限定されるものではない。
【0074】
【表21】
【0075】
【表22】
【0076】
【表23】
【0077】本発明に使用される縮合架橋タイプのシリ
コーンゴム層は、上記の両末端に水酸基を有するオルガ
ノポリシロキサンと反応性シラン化合物の縮合架橋反応
の反応効率を高めるため、有機カルボン酸、チタン酸エ
ステル、錫酸エステル、アルミ有機エーテル、白金系触
媒等の縮合触媒を適宜混合させ縮合反応を行い硬化させ
る。
【0078】本発明において用いられる両末端に水酸基
を有するオルガノポリシロキサン、反応性シラン化合物
及び縮合触媒のシリコーンゴム層中での配合率は、全シ
リコーンゴム層の固形分に対し、両末端水酸基を有する
オルガノポリシロキサンが80〜98重量%、好ましく
は85〜98重量%、反応性シラン化合物が、通常2〜
20重量%、好ましくは2〜15重量%、さらに好まし
くは2〜7重量%、縮合触媒が0.05〜5重量%、好
ましくは0.1〜3重量%、さらに好ましくは0.1〜
1重量%である。
【0079】反応性シラン化合物、或いは、縮合触媒の
割合が著しく高いとインク反撥性が低下し、また、アブ
レーション時のシリコーンゴム層の除去が困難になり、
感度及び画像再現性が低下する。また、反対に著しく低
いとシリコーンゴム層の膜強度が低下し、印刷耐久性が
低下する。
【0080】本発明に使用される縮合架橋タイプのシリ
コーンゴム層には、シリコーンゴム層のインク反撥性を
高めるために、上記の両端に水酸基を有するポリオルガ
ノシロキサン以外のポリシロキサンをシリコーンゴム層
全固形分に対し、2〜15重量%、好ましくは3〜12
重量%含有させることが出来る。該ポリシロキサンとし
ては例えば、両末端がトリメチルシリル化されたMw1
0,000〜1,000,000のポリジメチルシロキ
サン等が挙げられる。
【0081】次に、本発明に用いられる付加架橋タイプ
のシリコーンゴム層は、1分子中に脂肪族不飽和基を少
なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと、該オル
ガノポリシロキサンと架橋しシリコーンゴム層を形成さ
せる、1分子中にSi−H結合を少なくとも2個有する
オルガノポリシロキサンを必須成分として含むものであ
る。
【0082】本発明に使用される1分子中に脂肪族不飽
和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン
は、その構造が、鎖状、環状、分岐状のいずれでもよい
が、鎖状が好ましい。脂肪族不飽和基の例としては、ビ
ニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセ
ニル基等のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロ
ヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル
基等のシクロアルケニル基;エチニル基、プロピニル
基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等のアル
キニル基等が挙げられる。これらのうち、反応性の点か
ら末端に不飽和結合を有するアルケニル基が好ましく、
ビニル基が特に好ましい。また、脂肪族不飽和基以外の
残余の置換基は、良好な印刷インク反撥性を得るために
メチル基が好ましい。
【0083】1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2
個有するオルガノポリシロキサンのMwは通常500〜
500,000であり、好ましくは1,000〜3,0
00,000である。Mwが著しく低いと、シリコーン
ゴム層の強度が低下し、印刷時にシリコーンゴム層に傷
がつきやすく、その部分の印刷インク反撥性が低下し、
インクが付着しやすくなり、印刷汚れの原因となる。ま
た、Mwが著しく高いと、アブレーションによるシリコ
ーンゴム層の除去が不良となり、感度の低下、画像再現
性の低下を起こしやすい。
【0084】本発明に使用される1分子中にSi−H結
合を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンは、
その構造が、鎖状、環状、分岐状のいずれでもよいが、
鎖状が好ましい。Si−H結合は、シロキサン骨格の末
端あるいは中間のいずれにあっても良く、置換基の総数
に対する水素原子の占める割合は通常1〜60%であ
り、好ましくは2〜50%である。また、水素原子以外
の残余の置換基は良好な印刷インク反撥性を得るために
メチル基が好ましい。1分子中にSi−H結合を少なく
とも2個有するオルガノポリシロキサンのMwは通常3
00〜300,000であり、好ましくは500〜20
0,000である。Mwが著しく高いと感度の低下、画
像再現性の低下を起こしやすい。
【0085】上記の1分子中に脂肪族不飽和基を少なく
とも2個有するオルガノポリシロキサンと1分子中にS
i−H結合を少なくとも2個有するオルガノポリシロキ
サンを付加反応させるために、通常、付加反応触媒を用
いる。この付加反応触媒としては、公知のものの中から
任意に選ぶことができるが、白金系触媒が好ましく、白
金族金属及び白金族系化合物から選ばれる1種又は2種
以上の混合物が使用される。白金族金属としては、白金
の単体(例えば白金黒)、パラジウムの単体(例えばパ
ラジウム黒)、ロジウムの単体等が例示される。また白
金族系化合物としては、塩化白金酸、白金−オレフィン
錯体、白金−アルコール錯体、白金−ケトン錯体、白金
とビニルシロキサンの錯体、テトラキス(トリフェニル
ホスフィン)白金、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム等が例示される。これらの内でも、塩化
白金酸又は白金−オレフィン錯体をアルコール系溶剤、
ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤などに
溶解したものが特に好ましい。
【0086】前記したシリコーンゴム層を形成する各組
成物の配合率は、シリコーンゴム層の全固形分に対し
て、1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有する
オルガノポリシロキサンが、80〜98重量%、好まし
くは85〜98重量%であり、1分子中にSi−H結合
と少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンが、2
〜20重量%、好ましくは2〜15重量%であり、付加
反応触媒が、0.00001〜10重量%、好ましくは
0.0001〜5重量%である。
【0087】1分子中にSi−H結合を少なくとも2個
有するオルガノポリシロキサンの配合率が著しく低いと
シリコーンゴム層の膜強度が低下し、印刷インク反撥性
及び耐印刷性が低下し、配合率が著しく高いと感度及び
画像再現性が低下する。また、本発明に用いられる付加
架橋タイプのシリコーンゴム層には、上記の組成の他
に、さらにシリコーンゴム層の膜強度を高める目的で、
下記一般式(VIII) で表される加水分解性基を有するア
ミノ系有機ケイ素化合物を添加することができる。
【0088】
【化7】
【0089】(式(VIII) 中、Zは加水分解性基を示
し、R12は2価の炭化水素基を示し、R 13は1価の置換
されていてもよい炭化水素基を示し、2つのR14は各々
独立して水素原子、1価の置換されていても良い炭化水
素基あるいは−R12−SiR13 3- p p で表される基を
示し、pは1〜3の整数を示す。)
【0090】Zで表される加水分解性基としては例え
ば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコ
キシ基;2−プロペニルオキシ基等のアルケニルオキシ
基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;アセチルオキ
シ基等のアシルオキシ基等が挙げられる。これらのう
ち、安定性、硬化性などの点からメトキシ基、エトキシ
基、アセチルオキシ基が好ましい。R12の二価の炭化水
素基としては例えば、
【0091】
【化8】
【0092】が好ましい。R13及びR14で表される置換
基のうち一価の置換されていてもよい炭化水素基として
は例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル
基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;ビニル
基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル
基、等のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘ
キセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基
等のシクロアルケニル基;グリシドキシプロピル基、ア
クリロキシプロピル基、メタクリロキシプロピル基、ア
ミノエチル基等の置換アルキル基等が挙げられる。硬化
性の点からR13及びR14はビニル基、アリル基、グリシ
ジル基、メタクリル基、又はγ−グリシドキシプロピル
基が好ましい。
【0093】該アミノ系ケイ素化合物の具体例としては
例えば、3−〔N−アリル−N−(2−アミノエチ
ル)〕アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−
アリル−N−グリシジル)アミノプロピルトリメトキシ
シラン、3−(N−アリル−N−メタクリル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−グリシジル−N,N−
ビス〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕アミ
ン、N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(トリメトキ
シシリル)プロピル〕アミン、アミノプロピルトリメト
キシシラン、アミノプロピルトリアセチルオキシシラ
ン、3−〔N−アリル−N−(2−アミノエチル)〕ア
ミノプロピルトリアセチルオキシシラン、3−(N−ア
リル−N−グリシジル)アミノプロピルトリアセチルオ
キシシラン、3−(N−アリル−N−メタクリル)アミ
ノプロピルトリアセチルオキシシラン等が挙げられる。
これらは2種類以上を混合して用いてもよい。
【0094】該アミノ系の有機ケイ素化合物はシリコー
ンゴム層の全固形分に対して0〜10重量%、好ましく
は0〜5重量%である。また、本発明に用いられる付加
架橋タイプのシリコーンゴム層には、シリコーンゴム層
を塗設する際に、シリコーン層組成の急激な硬化を防ぐ
目的で、硬化遅延剤を添加することができる。硬化遅延
剤としては一般的に知られているアセチレン系アルコー
ル、マレイン酸エステル、アセチレン系アルコールのシ
リル化物、マレイン酸のシリル化物、トリアリルイソシ
アヌレート、ビニルシロキサン等から、任意に選ぶこと
ができる。
【0095】該硬化遅延剤の添加量は所望の硬化速度に
よって異なるが、通常シリコーンゴム層の全固形分に対
し、0.0001〜1.0重量部である。上記した本発
明に用いられる縮合架橋タイプ及び付加架橋タイプのシ
リコーンゴム層には、その強度を向上させる目的で、シ
リカ、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの無機質充填
剤を添加しても良く、特にシリカが好ましく用いられ
る。このような充填剤としては分散性あるいは分散安定
性の点から平均粒子径500μm以下のものが好まし
い。
【0096】これらのシリコーンゴム層は印刷インク反
撥性、耐印刷性に優れ、さらにアブレーションにより容
易に除去され、高感度で、高い画像再現性を与える機能
を有する。該シリコーンゴム層の引掻傷強度は10〜1
00gであることが好ましい。ただし、引掻傷強度と
は、0.2mmのサファイア針を印刷版上に加重を加え
ながら10cm/分のスピードで移動させた際、引掻傷
が発生するために必要な加重(g)を表す。引掻傷強度
が上記範囲であれば、印刷インク反撥性、耐印刷性、感
度、画像再現性等の印刷適性が良好となる。本発明にお
いて用いられるシリコーンゴム層の膜厚は0.1〜10
μm、好ましくは0.2〜5μm、さらに好ましくは
0.3〜2μmである。
【0097】以上に記載した感光性層組成物、シリコー
ンゴム層組成物は、適当な溶剤に溶解して溶液となし、
これを支持体にワイヤーバー、スピナー、ロールコータ
ー等の各種の塗布装置により前記基板上に塗布した後、
乾燥して、それぞれ感光性層、シリコーンゴム層を形成
することができる。感光性層の塗布溶剤としては、例え
ばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル等の
エステル類、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼ
ン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、トリクロロエタ
ン等の炭化水素やハロゲン化炭化水素類、メチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン等のエー
テル類、さらにはプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、ベントキソン、ジメチルホルムアミド
など常用のものを用いることが出来、シリコーンゴム層
の塗布溶剤としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、
石油エーテル、脂肪族炭化水素系溶剤エクソン化学
(株)製:アイソパーE、H、G及びこれらの溶剤と上
記の感光性層塗布溶剤との混合溶媒等を用いることが出
来る。
【0098】また、本発明に用いられるシリコーンゴム
層を塗設する際には、感光性層とシリコーンゴム層との
接着性を高める目的で、感光性層とシリコーンゴム層と
の間に接着層を設けることができる。この接着層には、
通常、前述の感光性層の説明中に記載した有機高分子物
質及び、シリコーンゴム層の説明中に記載したシリコー
ンゴムの中から適宜選択して用いることができるが、好
ましくはウレタン性の有機高分子物質或いは、多官能ア
ルコキシシラン、多官能アセトキシシラン等の縮合型反
応性シラン化合物と、両末端或いは主鎖中に水酸基等の
反応性基を有するポリジメチルシロキサンとの組み合わ
せ組成が用いられる。更に具体的には、東洋紡績社製バ
イロン300、バイロンUR8200、東レシリコーン
社製プライマーA、プライマーB、プライマーC、プラ
イマーD、プライマーD2、プライマーE、また、武田
薬品社製タケネートA367HとタケネートA−7との
組み合わせ、タケネートA−9690とタケネートA−
5との組み合わせ、タケネートA−968とタケネート
A−8との組み合わせ等を挙げることができる。これら
の接着層は、通常、乾燥膜厚0.05〜10μm、好ま
しくは0.1〜2μmとなるように塗布、乾燥して用い
られる。
【0099】また、本発明の印刷版は必要に応じて、シ
リコーンゴム層を保護する目的で、最外層としてポリプ
ロピレンシート、ポリエチレンシート、離型処理ポリエ
チレンテレフタレート等の各種離型性プラスチックシー
ト、離型処理紙、アルミ、鉄、銅等の金属シート等をシ
リコーンゴム層上にラミネートし設けることができる。
上記の感光性層及びシリコーンゴム層を基板上に設けた
感光性試料は、通常680〜1200nmの近赤外光を
発振する半導体レーザー光を5〜30μm径に集光した
ビームスポットにより走査露光を行い、露光部分をアブ
レーションさせた後、後処理なしに印刷版として使用さ
れるが、該露光済み印刷版上に付着したアブレーション
で発生した感光性層或いはシリコーンゴム層の微粒子を
除去する目的で、シリコーンゴム層表面を必要に応じて
水溶液又は有機溶剤を供給しながらブラシ、パッド、超
音波、スプレー等の物理刺激を与える後処理を行っても
よい。
【0100】また、該アブレーションで発生した微粒子
を除去する他の方法としては、該微粒子に対してシリコ
ーンゴム層より接着性の高い表面を有するカバーシート
を露光済の感光性印刷版のシリコーンゴム層上に、シリ
コーンゴム表面と接着性のカバーシート表面が合わさる
ようにラミネートした後、剥離する方法や露光前に、該
カバーシートであってレーザー光を通過させるカバーシ
ートを上記と同様にラミネートし、露光後に剥離、シリ
コーンゴム層上の微粒子を除く方法、等が挙げられる。
該カバーシートとしては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレン、ポリカーボネート、紙等の基版上
に、シリコーンゴム、アイオノマー、酢酸ビニル等の粘
着層を必要に応じて設けたものが挙げられる。
【0101】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。実施例1〜12、比較例1〜2 基板として厚さ140μmの発泡ポリプロピレン(王子
油化合成紙社製、ユポ)を用い、これに下記組成の感光
性層組成物を塗布した。
【0102】 〔感光性層組成物〕 近赤外吸収剤:第6表記載の近赤外吸収剤 第6表に記載の配合量 添加剤:第6表記載の化合物 第6表に記載の配合量 有機高分子物質:フェノキシ樹脂(PKH−J、ユニオンカーバイド社製) 第6表に記載の配合量 塗布溶媒:シクロヘキサノン 300重量部 N−メチルピロリドン 600重量部 塗布後、85℃で3分間乾燥し、乾燥膜厚1.0μmの
感光層を設けた。続いて該感光性層上に下記組成のシリ
コーンゴム層組成物を塗布した。
【0103】〔シリコーンゴム層組成物〕両末端に水酸
基を有する線状オルガノポリシロキサン:下式の化合物
(yは1以上の整数を示す)
【0104】
【化9】
【0105】 反応性シラン化合物:第6表に記載の化合物 第6表に記載の配合量 縮合触媒:ジブチル錫ジラウレート 0.8重量部 塗布溶媒:アイソパーE(エクソン化学社製) 900重量部 塗布後、100℃で4分間乾燥し、乾燥膜厚1μmのシ
リコーンゴム層を設け感光性印刷版を作製した。
【0106】該感光性印刷版を、円周20cmの回転ド
ラムに、シリコーンゴム層が外側になるように固定し、
ドラムを回転させた。次に回転している印刷版上に、8
30nm、30mWの半導体レーザー光(日立製作所社
製、HL8325G)を、ビーム径15μmに集光さ
せ、走査露光を行った。続いて以下の項目について評価
を行った。その結果を第6表に示す。
【0107】〔感度〕各種の走査速度で画像露光した試
料の表面を水に浸した脱脂綿で軽くこすりアブレーショ
ンで飛散したシリコーンゴム層残渣を除去した後、該試
料を三菱重工業社製印刷機ダイヤ−1F−2に装着、湿
し水不要平版印刷版用印刷インキ(東洋インキ社製アク
ワレスエコー紅)を用いて三菱特性アート紙上に300
0枚印刷を行い、3000枚目のアート紙上に再現され
た印刷画像の中で最高走査速度のものを見出し、その時
の走査速度を用いて感度の評価を行った。走査速度が速
いほど高感度であることを表わす。
【0108】〔印刷画像再現性〕感度評価と同様に最高
走査速度で走査露光し、3000枚印刷してアート紙上
に再現された細線画像を400倍の顕微鏡により観察
し、該細線画像の再現性を評価した。 A:90%以上の細線画像が再現した。 B:70%以上90%未満の細線画像が再現した。 C:50%以上70%未満の細線画像が再現した。 D:細線の再現性が30%以下であった。
【0109】
【表24】
【0110】第6表中、近赤外吸収剤の欄の略号(S−
41)は第1表に記載の化合物を表わす。また略号(T
−1、T−2)は以下のものを表わす。 T−1:チタンブラック 三菱マテリアル社製チタンブ
ラックM−13 T−2:カーボンブラック 三菱化学社製 MA−10
0 第6表中、添加剤の欄の略号(O−2、O−12、O−
13)は、それぞれ第2表に記載のジアゾニウム化合物
を表わす。また略号(P−2、P−12、P−18、P
−23、P−24)はそれぞれ第3表に記載のアジド化
合物を表わす。
【0111】
【発明の効果】本発明により、感度が高く、画像再現性
に優れた感光性平版印刷版を提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/008 G03F 7/008 7/016 7/016 7/09 501 7/09 501

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、該基板から少なくとも近赤外
    吸収剤を含有する感光性層及びシリコーンゴム層をこの
    順に有するレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印
    刷版において、該感光性層がジアゾニウム化合物及びア
    ジド化合物から選ばれる少なくとも1種を含有すること
    を特徴とするレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版
    印刷版。
  2. 【請求項2】 前記近赤外吸収剤が下記一般式(I)で
    表される(チオ)ピリリウムポリメチンシアニン色素を
    含有することを特徴とする請求項1及び2に記載のレー
    ザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版。 【化1】 〔式(I)中、n及びmはそれぞれ0又は1を示し、k
    は0、1又は2を示し、Y- は無機又は有機のアニオン
    を示し、R1 〜R6 はそれぞれ水素原子、炭素数1〜1
    5のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20
    の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい炭素数4〜
    20の芳香族複素環基(該置換されていてもよい芳香族
    炭化水素基及び置換されていてもよい芳香族複素環基上
    の置換基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜
    10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアシル基、炭素
    数2〜10のアルコキシカルボニル基、塩素原子、臭素
    原子の中から選ばれる。)、炭素数1〜15のアルコキ
    シ基、炭素数2〜15のアシル基、炭素数2〜10のア
    ルコキシカルボニル基、塩素原子、臭素原子を示し、X
    は酸素原子又はイオウ原子を示す。〕
  3. 【請求項3】 前記基板を構成する基材の300K(2
    7℃)における熱伝導度が0.2W/mK以下であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザーダイレ
    クト湿し水不要感光性平版印刷版。
  4. 【請求項4】 前記基材の密度が2.0g/cm3 以下
    であることを特徴とする請求項3に記載のレーザーダイ
    レクト湿し水不要感光性平版印刷版。
  5. 【請求項5】 前記基板が前記基材と該基材の感光性層
    側に設けられたインク着肉性層とから成ることを特徴と
    する請求項3又は4に記載のレーザーダイレクト湿し水
    不要感光性平版印刷版。
  6. 【請求項6】 前記基材が、発泡プラスチックであるこ
    とを特徴とする請求項3乃至5に記載のレーザーダイレ
    クト湿し水不要感光性平版印刷版。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102081306A (zh) * 2010-12-06 2011-06-01 北京师范大学 含有重氮感光树脂的热敏无水胶印版及其制备方法
KR20210024988A (ko) * 2018-06-27 2021-03-08 도레이 카부시키가이샤 평판 인쇄판 원판, 평판 인쇄판의 제조 방법, 및 그것을 사용한 인쇄물의 제조 방법

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