JPH09319074A - レーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版 - Google Patents

レーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版

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JPH09319074A
JPH09319074A JP8131764A JP13176496A JPH09319074A JP H09319074 A JPH09319074 A JP H09319074A JP 8131764 A JP8131764 A JP 8131764A JP 13176496 A JP13176496 A JP 13176496A JP H09319074 A JPH09319074 A JP H09319074A
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JP
Japan
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group
silicone rubber
rubber layer
carbon atoms
printing plate
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Application number
JP8131764A
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English (en)
Inventor
Toshiyoshi Urano
年由 浦野
Etsuko Hino
悦子 檜野
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography

Landscapes

  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 感度が高く、画像再現性が良好であり、かつ
それぞれがバランスして優れることにより印刷適性に優
れたレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版を
提供する。 【解決手段】 基板上に、該基板から少なくとも近赤外
吸収剤を含有する感光性層及びシリコーンゴム層をこの
順に有するレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印
刷版において、該感光性層が下記一般式(I)で表され
るスルホニルヒドラジド誘導体を含有する。 R−SO2 −NH−NH2 (I)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はデジタル画像データ
から近赤外半導体レーザーを用い、直接、印刷版を形成
し得るレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版
に関する。更に詳しくは、基板上に感光層、シリコーン
ゴム層をこの順に塗設して成るレーザーダイレクト湿し
水不要感光性平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、近赤外半導体レーザー及びコンピ
ュータを用いるデジタル画像処理技術の進歩に伴い、コ
ンピュータ上で形成されたデジタル画像データから印刷
版用銀塩フィルムを用いることなしに直接感光性平版印
刷版上に近赤外半導体レーザーで走査露光を行い、露光
部分を不溶化した後水溶液現像処理(湿式現像処理)に
より画像を形成し製版する、あるいは露光部分を劣化さ
せ、又は昇華、溶融させ除去する(乾式現像処理)こと
により画像を形成し製版する、レーザーダイレクト製版
技術が注目されている。特に、水と印刷インクのバラン
スを考える必要が無く、印刷操作が容易で、印刷初期の
損紙が少なく、印刷時間の短い、湿し水不要デジタル印
刷システムは、デジタル画像データから短時間で容易に
印刷物を作製することが出来るため、新しい印刷システ
ムとして期待されている。
【0003】該湿し水不要デジタル印刷システムに使用
される、レーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷
版に関しては、種々の試みがなされているが、例えば、
(イ)支持体上に感光性層、シリコーンゴム層をこの順
に塗設し、感光性層の露光部のアブレーションにより生
ずる熱に応答して、シリコーンゴム層を、同時に溶融、
揮発あるいは燃焼等により除去するもの(特開平7−1
64773、同6−186750、同6−19906
4、同7−309001)、(ロ)感光性層の露光部の
アブレーションにより生ずる熱に応答して、シリコーン
ゴム層を劣化させ、支持体との接着性を低下させた後擦
り取るもの(特開平6−55723、同6−5586
9、同6−92050)、(ハ)シリコーンゴム層を設
けた支持体上に、インク着肉性のトナー画像を電子写真
法により形成させるもの(特開昭51−66008)等
が知られている。これらのうち(イ)の方式が、画像形
成処理が最も簡便であり、また通常画質もより優れたも
のが得られ易いのでより好適と考えられている。
【0004】また、感光性層中に発泡剤を含有させた湿
し水不要印刷版の例としては、主にサーマルヘッドを用
いた画像形成方法への応用を目的とした特開平1−19
2555等が知られている。しかしながら、上記のアブ
レーションを利用するレーザーダイレクト湿し水不要感
光性平版印刷版は、実用的には感度が不十分なため、大
出力の半導体レーザーを多数必要とし、また、レーザー
露光部のエッジ部分が、レーザー露光に伴う熱により感
光性層及び/又は基板が溶融し隆起状に変形するため、
印刷版から紙へのインク転写が不安定になり印刷画像再
現性が低くなるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、感度が高
く、画像再現性が良好であり、かつそれぞれがバランス
して優れることにより印刷適性に優れたレーザーダイレ
クト湿し水不要感光性平版印刷版を提供しようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、基板上
に、該基板から少なくとも近赤外吸収剤を含有する感光
性層及びシリコーンゴム層をこの順に有するレーザーダ
イレクト湿し水不要感光性平版印刷版において、該感光
性層が下記一般式(I)で表されるスルホニルヒドラジ
ド誘導体を含有することを特徴とするレーザーダイレク
ト湿し水不要感光性平版印刷版に存する。
【0007】
【化3】R−SO2 −NH−NH2 (I)
【0008】(式(I)中、Rは置換されていても良い
フェニル基、または置換されていても良い2〜3環の縮
合多環炭化水素基を示す。但し、該置換基としては、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、シアノ基、炭
素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキ
シ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20の
アリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭
素数2〜15のアシル基、炭素数2〜15のアルコキシ
カルボニル基、または炭素数2〜15のアシルオキシ基
の中から選ばれる。さらにRは2〜6価の結合基を介し
て結合し複数のスルホニルヒドラジド基を有する化合物
を形成することもできる。)
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を更に詳細に説明す
る。本発明において用いられる基板としては、通常の平
板印刷機にセットできるたわみ性を有し、印刷時にかか
る荷重に耐えうるものであればいかなるものも用いるこ
とができ、層構成も含めて特に限定されない。例えば、
コート紙などの紙類、アルミニウム板などの金属板、あ
るいは、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチッ
クフィルムを例として挙げることができる。これらのう
ち、ポリエチレンテレフタレート、アルミニウム板、又
は、アルミニウム箔と他の複合材が好ましく、また、該
基板は感光層及びシリコーンゴム層のアブレーション効
果を高める目的で、該基板にアルミニウム、クロム等の
金属を蒸着させる或いは鏡面研摩処理を施し、近赤外光
に対して反射性の表面を設けることも出来る。
【0010】該基板の板厚は通常10μm〜1mm、好
ましくは20μm〜0.5mmである。本発明において
用いられる感光性層は、近赤外レーザー光を効率よく吸
収、熱に変換し感光性層のアブレーションを起こし感光
性層を除去すると同時に、それによって生ずる熱に応答
してシリコーンゴム層のアブレーションを誘引し、溶
融、揮発あるいは燃焼させ、及び/または、感光性層の
アブレーションの際の圧力により、これを除去せしめる
機能を有する近赤外吸収剤を含有する。
【0011】該近赤外吸収剤は近赤外光を吸収し、光エ
ネルギーを熱エネルギーに変換する機能を有するもので
あれが特に限定することなく用いることが出来るが、具
体的には、有機、無機の顔料、有機の色素、金属等を挙
げることが出来る。さらに具体的には、例えばカーボン
ブラック(三菱化学社の製品であるMA−7、MA−1
00、MA−220、#5、#10、デグッサ社の製品
であるカラーブラックFW2、FW20、プリンテック
スVなど);黒鉛;チタン、クロム等の金属;酸化チタ
ン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化バナジウム、酸化タング
ステン等の金属酸化物;チタンカーバイト等の金属炭化
物;金属ホウ化物;特開平4−322219号公報に記
載されている無機黒色顔料、アゾ系のブラック顔料、リ
オノールグリーン2YS、緑色顔料7などの黒、緑など
の有機顔料が用いられる。 また、「特殊機能色素」
(池森・住谷編集、1986年(株)シーエムシー発
行)、「機能性色素の化学」(檜垣編集、1981年
(株)シーエムシー発行)、「色素ハンドブック」(大
河、平嶋、松岡、北尾編集、講談社発行)、(株)日本
感光色素研究所が1995年に発行したカタログ及びE
xcitonInc.が1989年に発行したレーザー
色素カタログ等に記載されている近赤外領域に吸収を有
する色素も用いられる。更には特開平3−97590、
同97591、同63185、同26593、同975
89、特開平2−2074、同2075、同2076等
に記載されている近赤外領域に吸収を有する有機色素、
日本化薬社製IR820B等の近赤外領域に吸収を有す
る色素も用いられる。
【0012】また、下記一般式(II)で表わされる(チ
オ)ピリリウムポリメチンシアニン色素も好適に用いら
れる。
【0013】
【化4】
【0014】〔式(II)中、n及びmはそれぞれ0又は
1を示し、kは0、1又は2を示し、Y- は無機又は有
機のアニオンを示し、R1 〜R6 はそれぞれ水素原子、
炭素数1〜15のアルキル基、置換されていてもよい炭
素数6〜20の芳香族炭化水素基、置換されていてもよ
い炭素数4〜20の芳香族複素環基(該置換されていて
もよい芳香族炭化水素基及び置換されていてもよい芳香
族複素環基上の置換基は、炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10の
アシル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、
塩素原子、臭素原子の中から選ばれる。)、炭素数1〜
15のアルコキシ基、炭素数2〜15のアシル基、炭素
数2〜10のアルコキシカルボニル基、塩素原子、臭素
原子を示し、Xは酸素原子又はイオウ原子を示す。〕 これらのうち、(チオ)ピリリウムポリメチンシアニン
色素が好ましい。このような近赤外領域に吸収を有する
色素のいくつかを下記の第1表に例示する。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】
【表5】
【0020】
【表6】
【0021】
【表7】
【0022】
【表8】
【0023】
【表9】
【0024】
【表10】S−34 ポリメチン色素;IR−820B(日本火薬社
製)S−35 ニグロシン色素;Colour Index Solvent Black
5S−36 ニグロシン色素;Colour Index Solvent Black
7S−37 ニグロシン色素;Colour Index Acid Black 2S−38 カーボンブラック;MA−100(三菱化学社
製)S−39 一酸化チタン;チタンブラック13M(三菱マ
テリアル社製)S−40 一酸化チタン;チタンブラック13B(三菱マ
テリアル社製)
【0025】
【表11】
【0026】
【表12】
【0027】
【表13】
【0028】これら近赤外吸収剤は、単独あるいは複数
混合し、感光性層塗布溶液中に溶解又は、分散させて配
合し、用いることができる。該近赤外吸収剤を配合する
場合、感光性層中での配合率は、全感光性層固形分の5
〜100重量%、好ましくは10〜98重量%、更に好
ましくは20〜95重量%である。近赤外吸収剤の配合
率が著しく低いと、レーザー光を十分吸収できず、アブ
レーションの効果が低下しやすい。この場合、感光性層
の膜厚は、0.3〜5μm、好ましくは0.3〜3μ
m、さらに好ましくは0.5〜2μmである。また、該
近赤外吸収剤を蒸着あるいはスパッタリングにより、直
接基板上に近赤外吸収剤から成る感光性層を設けること
もできる。この場合は、膜厚として0.01〜0.5μ
m、好ましくは0.02〜0.4μmである。
【0029】本発明で用いられる、前記一般式(I)で
表されるスルホニルヒドラジド誘導体は、近赤外レーザ
ー光線を近赤外吸収剤が吸収し発生した熱により分解
し、効率よく窒素ガスを発生することにより、感光性層
上に設けられたシリコーンゴム層のうち、レーザー露光
部の除去を促進すると共に、レーザー露光部のエッジ部
分が、レーザー露光に伴う熱により感光性層及び/また
は基板の熱融解により変形、隆起することを防ぎ、イン
ク転写性を良好にするという機能を有する。
【0030】該スルホニルヒドラジド誘導体は、置換さ
れていても良いフェニル基または2〜3環の縮合多環炭
化水素基を骨格として有するが、2〜3環の縮合多環炭
化水素基としては例えばナフチル基、アントラセニル
基、フェナントレニル基、アセナフテニル基等が挙げら
れる。該置換基の具体例としては、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、水酸基、シアノ基、さらに炭素数1〜1
5のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブ
チル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基等;炭素数1〜15のアルコキシ基として、メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ
基、ブトキシ基等;炭素数6〜20のアリール基とし
て、フェニル基、ナフチル基等;炭素数7〜20のアリ
ールオキシ基として、フェノキシ基等;炭素数7〜20
のアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基等;
炭素数2〜15のアシル基としてアセチル基、プロピオ
ニル基、ブチリル基、イソブチリル基等;炭素数2〜1
5のアルコキシカルボニル基として、メトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル
基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル
基等;炭素数2〜15のアシルオキシ基として、アセチ
ルオキシ基、プロピオニルオキシ基等が挙げられる。
【0031】さらに、2〜6価の結合基を介して複数の
スルホニルヒドラジド基を有する化合物を形成すること
もできるが、該2〜6価の結合基としては、酸素原子、
硫黄原子、炭素数が1〜20であり2価の脂肪族炭化水
素基、炭素数が1〜20であり3価の脂肪族炭化水素
基、炭素原子、
【0032】
【化5】
【0033】等が挙げられる。これらスルホニルヒドラ
ジド誘導体のうち、無置換あるいは、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1
〜5のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、また
はベンジル基で置換されたベンゼンスルホニルヒドラジ
ドが好ましく用いられる。
【0034】該スルホニルヒドラジド誘導体は、有機合
成法インデックス(技報堂発行、第599頁)及び化学
大辞典(共立出版発行、第7巻、第438頁)に記載さ
れている方法により、相当するスルホニルクロリドとヒ
ドラジンを反応させて合成することができる。本発明で
用いられるスルホニルヒドラジド誘導体の具体例を下記
第2表に例示するが、これらの例に限定されるものでは
ない。
【0035】
【表14】
【0036】
【表15】
【0037】
【表16】
【0038】該スルホニルヒドラジド誘導体の感光性層
における配合率は、感光性層全固形分に対して0.5〜
60重量%、好ましくは1〜50重量%、さらに好まし
くは5〜40重量%である。
【0039】本発明で用いられる感光性層中には、上記
近赤外吸収剤の他に、塗膜性、近赤外吸収剤との相溶
性、感光性層中の膜強度、及びアブレーションの効果を
高める目的で、有機高分子物質を添加することができ
る。
【0040】該有機高分子物質としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸やイタコン酸等の不飽和酸と、(メタ)
アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸フェニル、
(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレン、α−メチルス
チレン等との共重合体;ポリメチルメタクリレートに代
表されるメタクリル酸アルキルやアクリル酸アルキルの
重合体;(メタ)アクリル酸アルキルとアクリロニトリ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン等との共重
合体;アクリロニトリルと塩化ビニルや塩化ビニリデン
との共重合体;側鎖にカルボキシル基を有するセルロー
ス変性物;ポリエチレンオキシド;ポリビニルピロリド
ン;フェノール、o−、m−、p−クレゾール、及び/
又はキシレゾールとアルデヒド、アセトン等との縮合反
応で得られるノボラック樹脂;エピクロロヒドリンとビ
スフェノールAとのポリエーテル;可溶性ナイロン;ポ
リ塩化ビニリデン;塩素化ポリオレフィン;塩化ビニル
と酢酸ビニルとの共重合体;酢酸ビニルの重合体;アク
リロニトリルとスチレンとの共重合体;アクリロニトリ
ルとブタジエン及びスチレンとの共重合体;ポリビニル
アルキルエーテル;ポリビニルアルキルケトン;ポリス
チレン;ポリウレタン;ポリエチレンテレフタレートイ
ソフタレート;アセチルセルロース;アセチルプロピオ
キシセルロース;アセチルブトキシセルロース;ニトロ
セルロース;セルロイド;ポリビニルブチラール等が用
いられる。該有機高分子物質の感光性層中における配合
率は、全感光性層固形分の0〜95重量%、好ましくは
2〜90重量%、さらに好ましくは5〜80重量%であ
る。
【0041】また上記感光性層中には、印刷インク着肉
性を高める目的で疎水性基を有する各種添加剤、例えば
p−オクチルフェノール・ホルマリンノボラック樹脂、
p−ブチルフェノール・ホルマリンノボラック樹脂、p
−t−ブチルフェノール・ベンズアルデヒド樹脂、ロジ
ン変性ノボラック樹脂等の変性ノボラック樹脂、また、
更にこれら変性ノボラック樹脂のo−ナフトキノンジア
ジドスルホン酸エステル、フッ素系の界面活性剤を添加
したり、アブレーシヨンの効果を高める目的で、自己酸
化性のニトロセルロース等のニトロ化合物、硝酸ナトリ
ウム、硝酸アンモニウム等の硝酸塩、過酸化ベンゾイ
ル、過安息香酸エステル等の過酸化物、或いは発泡性の
アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等
のアゾ化合物、N,N′−ジニトロペンタメチレンテト
ラミン等のニトロソ化合物、p−トルエンスルホニルヒ
ドラジン、p,p′−オキシビス(ベンゼンスルホヒド
ラジン)等のスルホニルヒドラジド化合物等を感光性層
の全固形分に対し0.1〜50重量%、好ましくは0.
2〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%
添加して用いることが出来る。
【0042】また、本発明の感光性層には、アブレーシ
ョンの効率を高める目的で炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、酸化ジルコニウム、カリオン等の熱電伝性の低
い5μm以下の微粒子を含有させたり、感光性層の膜強
度を高める為に、上記の微粒子の他に、酸化ケイ素、酸
化チタン等の微粒子を含有させることが出来る。該微粒
子の配合率は、感光性層の全固形分の0〜50重量%、
好ましくは0〜25重量%である。
【0043】本発明に用いられるシリコーンゴム層は、
前記した特開平7−164773号公報等に記載されて
いるような公知のものから適宜選択できるが、以下に説
明する、縮合反応によりシリコーンゴム層組成物を硬化
させる縮合架橋タイプと、付加反応によりシリコーンゴ
ム層組成物を硬化させる付加架橋タイプの2つのタイプ
のものが好ましく用いられる。
【0044】本発明において用いられる縮合架橋タイプ
のシリコーンゴム層は、両末端に水酸基を有する線状オ
ルガノポリシロキサンと該オルガノポリシロキサンと架
橋しシリコーンゴム層を形成させる反応性シラン化合物
を必須成分として含むものである。本発明で用いられる
両末端に水酸基を有する線状オルガポリシロキサンとし
ては、下記一般式(II)の線状オルガノポリシロキサン
が挙げられる。
【0045】
【化6】
【0046】(式中、2つのR7 は各々独立して、水素
原子、メチル基、フェニル基、ビニル基を示し、yは1
以上の整数を示す。) 上記一般式(III )で表される化合物のうちR7 がメチ
ル基であるものが好ましい。該オルガノポリシロキサン
の重量平均分子量(以下、Mwと略す)は5,000〜
1,000,000であり、好ましくは10,000〜
1,000,000である。Mwが著しく低いとシリコ
ーンゴム層の膜強度が低下し、耐印刷性が低くなり、ま
たMwが著しく高いとアブレーションによるシリコーン
ゴム層の除去効果が低下し、感度低下、画像再現性の低
下を起こしやすい。
【0047】また、本発明に用いられる反応性シラン化
合物は、前記両末端に水酸基を有する線状オルガノポリ
シロキサンの水酸基と反応し、脱酢酸型、脱オキシム
型、脱アルコール型、脱アミノ型あるいは脱水型等の縮
合を起こし架橋することができる官能基を、少なくとも
2つ以上有する分子量2,000以下の反応性シラン化
合物である。該官能基としては、具体的には例えば、下
記各式で表される官能基が挙げられる。
【0048】
【化7】
【0049】(式中、R8 は炭素数1〜5のアルキル基
を示すが同一原子団に2個のR8 がある場合、それぞれ
は同一でも異なっていても良い。) これらのうち、官能基がアシルオキシ基(−OCO
8 )で官能基数が3以上のもの、あるいは官能基がア
ルコキシ基(−OR8 )で官能基数が3以上のものは、
塗布後の乾燥処理後において短時間にシリコーンゴム層
を形成するため好ましい。更に好ましくは、官能基がア
セトキシ基で官能基数が3以上のもの、あるいは官能基
がアルコキシ基で官能基数が6以上のものである。
【0050】該反応性シラン化合物としては例えば下記
一般式(IV) 〜(VII )で表される化合物を挙げること
ができる。式中Qは前記した両末端に水酸基を有する線
状オルガノポリシロキサンの水酸基と反応する官能基か
ら選ばれたものを表し、Qは1分子中に少なくとも2個
有するものとする。
【0051】
【化8】
【0052】(式中、Xは炭素数1〜5のアルキル基、
フェニル基、ビニル基、H2 N−(CH2 h −、CH
2 =C(CH3 )CO−、CH2 =CHCO−、
【0053】
【化9】
【0054】を示し、R8 は前記と同様に炭素数1〜5
のアルキル基を示し、R10はアリル基又は−(CH2
q −SiR8 3-pp を示し、R11は水素原子、炭素数1
〜5のアルキル基、又はフェニル基を示すが、R8 、R
10、R11のそれぞれが同一分子内に複数存在する場合、
その複数個のそれぞれは同一でも異なっていても良く、
h、j及びqは各々1〜5の整数を示し、p及びrは各
々1〜3の整数を示し、sは2〜4の整数を示し、t及
びuは各々0〜5の整数を示す。) 本発明に用いられる反応性シラン化合物について第3表
にさらに具体的な例を挙げるが、これら例示されるもの
に限定されるものではない。
【0055】
【表17】
【0056】
【表18】
【0057】
【表19】
【0058】本発明に使用される縮合架橋タイプのシリ
コーンゴム層は、上記の両末端に水酸基を有するオルガ
ノポリシロキサンと反応性シラン化合物の縮合架橋反応
の反応効率を高めるため、有機カルボン酸、チタン酸エ
ステル、錫酸エステル、アルミ有機エーテル、白金系触
媒等の縮合触媒を適宜混合させ縮合反応を行い硬化させ
る。
【0059】本発明において用いられる両末端に水酸基
を有するオルガノポリシロキサン、反応性シラン化合物
及び縮合触媒のシリコーンゴム層中での配合率は、全シ
リコーンゴム層の固形分に対し、両末端水酸基を有する
オルガノポリシロキサンが80〜98重量%、好ましく
は85〜98重量%、反応性シラン化合物が、通常2〜
20重量%、好ましくは2〜15重量%、さらに好まし
くは2〜7重量%、縮合触媒が0.05〜5重量%、好
ましくは0.1〜3重量%、さらに好ましくは0.1〜
1重量%である。
【0060】反応性シラン化合物、或いは、縮合触媒の
割合が著しく高いとインク反撥性が低下し、また、アブ
レーション時のシリコーンゴム層の除去が困難になり、
感度及び画像再現性が低下する。また、反対に著しく低
いとシリコーンゴム層の膜強度が低下し、印刷耐久性が
低下する。
【0061】本発明に使用される縮合架橋タイプのシリ
コーンゴム層には、シリコーンゴム層のインク反撥性を
高めるために、上記の両端に水酸基を有するポリオルガ
ノシロキサン以外のポリシロキサンをシリコーンゴム層
全固形分に対し、2〜15重量%、好ましくは3〜12
重量%含有させることが出来る。該ポリシロキサンとし
ては例えば、両末端がトリメチルシリル化されたMw1
0,000〜1,000,000のポリジメチルシロキ
サン等が挙げられる。
【0062】次に、本発明に用いられる付加架橋タイプ
のシリコーンゴム層は、1分子中に脂肪族不飽和基を少
なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと、該オル
ガノポリシロキサンと架橋しシリコーンゴム層を形成さ
せる、1分子中にSi−H結合を少なくとも2個有する
オルガノポリシロキサンを必須成分として含むものであ
る。
【0063】本発明に使用される1分子中に脂肪族不飽
和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン
は、その構造が、鎖状、環状、分岐状のいずれでもよい
が、鎖状が好ましい。脂肪族不飽和基の例としては、ビ
ニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセ
ニル基等のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロ
ヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル
基等のシクロアルケニル基;エチニル基、プロピニル
基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等のアル
キニル基等が挙げられる。これらのうち、反応性の点か
ら末端に不飽和結合を有するアルケニル基が好ましく、
ビニル基が特に好ましい。また、脂肪族不飽和基以外の
残余の置換基は、良好な印刷インク反撥性を得るために
メチル基が好ましい。
【0064】1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2
個有するオルガノポリシロキサンのMwは通常500〜
500,000であり、好ましくは1,000〜3,0
00,000である。Mwが著しく低いと、シリコーン
ゴム層の強度が低下し、印刷時にシリコーンゴム層に傷
がつきやすく、その部分の印刷インク反撥性が低下し、
インクが付着しやすくなり、印刷汚れの原因となる。ま
た、Mwが著しく高いと、アブレーションによるシリコ
ーンゴム層の除去が不良となり、感度の低下、画像再現
性の低下を起こしやすい。
【0065】本発明に使用される1分子中にSi−H結
合を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンは、
その構造が、鎖状、環状、分岐状のいずれでもよいが、
鎖状が好ましい。Si−H結合は、シロキサン骨格の末
端あるいは中間のいずれにあっても良く、置換基の総数
に対する水素原子の占める割合は通常1〜60%であ
り、好ましくは2〜50%である。また、水素原子以外
の残余の置換基は良好な印刷インク反撥性を得るために
メチル基が好ましい。1分子中にSi−H結合を少なく
とも2個有するオルガノポリシロキサンのMwは通常3
00〜300,000であり、好ましくは500〜20
0,000である。Mwが著しく高いと感度の低下、画
像再現性の低下を起こしやすい。
【0066】上記の1分子中に脂肪族不飽和基を少なく
とも2個有するオルガノポリシロキサンと1分子中にS
i−H結合を少なくとも2個有するオルガノポリシロキ
サンを付加反応させるために、通常、付加反応触媒を用
いる。この付加反応触媒としては、公知のものの中から
任意に選ぶことができるが、白金系触媒が好ましく、白
金族金属及び白金族系化合物から選ばれる1種又は2種
以上の混合物が使用される。白金族金属としては、白金
の単体(例えば白金黒)、パラジウムの単体(例えばパ
ラジウム黒)、ロジウムの単体等が例示される。また白
金族系化合物としては、塩化白金酸、白金−オレフィン
錯体、白金−アルコール錯体、白金−ケトン錯体、白金
とビニルシロキサンの錯体、テトラキス(トリフェニル
ホスフィン)白金、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム等が例示される。これらの内でも、塩化
白金酸又は白金−オレフィン錯体をアルコール系溶剤、
ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤などに
溶解したものが特に好ましい。
【0067】前記したシリコーンゴム層を形成する各組
成物の配合率は、シリコーンゴム層の全固形分に対し
て、1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有する
オルガノポリシロキサンが、80〜98重量%、好まし
くは85〜98重量%であり、1分子中にSi−H結合
と少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンが、2
〜20重量%、好ましくは2〜15重量%であり、付加
反応触媒が、0.00001〜10重量%、好ましくは
0.0001〜5重量%である。
【0068】1分子中にSi−H結合を少なくとも2個
有するオルガノポリシロキサンの配合率が著しく低いと
シリコーンゴム層の膜強度が低下し、印刷インク反撥性
及び耐印刷性が低下し、配合率が著しく高いと感度及び
画像再現性が低下する。また、本発明に用いられる付加
架橋タイプのシリコーンゴム層には、上記の組成の他
に、さらにシリコーンゴム層の膜強度を高める目的で、
下記一般式(VIII) で表される加水分解性基を有するア
ミノ系有機ケイ素化合物を添加することができる。
【0069】
【化10】
【0070】(式(VIII) 中、Zは加水分解性基を示
し、R12は2価の炭化水素基を示し、R 13は1価の置換
されていてもよい炭化水素基を示し、2つのR14は各々
独立して水素原子、1価の置換されていても良い炭化水
素基あるいは−R12−SiR13 3- p p で表される基を
示し、pは1〜3の整数を示す。)
【0071】Zで表される加水分解性基としては例え
ば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコ
キシ基;2−プロペニルオキシ基等のアルケニルオキシ
基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;アセチルオキ
シ基等のアシルオキシ基等が挙げられる。これらのう
ち、安定性、硬化性などの点からメトキシ基、エトキシ
基、アセチルオキシ基が好ましい。R12の二価の炭化水
素基としては例えば、
【0072】
【化11】
【0073】が好ましい。R13及びR14で表される置換
基のうち一価の置換されていてもよい炭化水素基として
は例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル
基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;ビニル
基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル
基、等のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘ
キセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基
等のシクロアルケニル基;グリシドキシプロピル基、ア
クリロキシプロピル基、メタクリロキシプロピル基、ア
ミノエチル基等の置換アルキル基等が挙げられる。硬化
性の点からR13及びR14はビニル基、アリル基、グリシ
ジル基、メタクリル基、又はγ−グリシドキシプロピル
基が好ましい。
【0074】該アミノ系ケイ素化合物の具体例としては
例えば、3−〔N−アリル−N−(2−アミノエチ
ル)〕アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−
アリル−N−グリシジル)アミノプロピルトリメトキシ
シラン、3−(N−アリル−N−メタクリル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−グリシジル−N,N−
ビス〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕アミ
ン、N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(トリメトキ
シシリル)プロピル〕アミン、アミノプロピルトリメト
キシシラン、アミノプロピルトリアセチルオキシシラ
ン、3−〔N−アリル−N−(2−アミノエチル)〕ア
ミノプロピルトリアセチルオキシシラン、3−(N−ア
リル−N−グリシジル)アミノプロピルトリアセチルオ
キシシラン、3−(N−アリル−N−メタクリル)アミ
ノプロピルトリアセチルオキシシラン等が挙げられる。
これらは2種類以上を混合して用いてもよい。
【0075】該アミノ系の有機ケイ素化合物はシリコー
ンゴム層の全固形分に対して0〜10重量%、好ましく
は0〜5重量%である。また、本発明に用いられる付加
架橋タイプのシリコーンゴム層には、シリコーンゴム層
を塗設する際に、シリコーン層組成の急激な硬化を防ぐ
目的で、硬化遅延剤を添加することができる。硬化遅延
剤としては一般的に知られているアセチレン系アルコー
ル、マレイン酸エステル、アセチレン系アルコールのシ
リル化物、マレイン酸のシリル化物、トリアリルイソシ
アヌレート、ビニルシロキサン等から、任意に選ぶこと
ができる。
【0076】該硬化遅延剤の添加量は所望の硬化速度に
よって異なるが、通常シリコーンゴム層の全固形分に対
し、0.0001〜1.0重量部である。上記した本発
明に用いられる縮合架橋タイプ及び付加架橋タイプのシ
リコーンゴム層には、その強度を向上させる目的で、シ
リカ、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの無機質充填
剤を添加しても良く、特にシリカが好ましく用いられ
る。このような充填剤としては分散性あるいは分散安定
性の点から平均粒子径500μm以下のものが好まし
い。
【0077】これらのシリコーンゴム層は印刷インク反
撥性、耐印刷性に優れ、さらにアブレーションにより容
易に除去され、高感度で、高い画像再現性を与える機能
を有する。該シリコーンゴム層の引掻傷強度は10〜1
00gであることが好ましい。ただし、引掻傷強度と
は、0.2mmのサファイア針を印刷版上に加重を加え
ながら10cm/分のスピードで移動させた際、引掻傷
が発生するために必要な加重(g)を表す。引掻傷強度
が上記範囲であれば、印刷インク反撥性、耐印刷性、感
度、画像再現性等の印刷適性が良好となる。本発明にお
いて用いられるシリコーンゴム層の膜厚は0.1〜10
μm、好ましくは0.2〜5μm、さらに好ましくは
0.3〜2μmである。
【0078】以上に記載した感光性層組成物、シリコー
ンゴム層組成物は、適当な溶剤に溶解して溶液となし、
これを支持体にワイヤーバー、スピナー、ロールコータ
ー等の各種の塗布装置により前記基板上に塗布した後、
乾燥して、それぞれ感光性層、シリコーンゴム層を形成
することができる。感光性層の塗布溶剤としては、例え
ばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル等の
エステル類、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼ
ン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、トリクロロエタ
ン等の炭化水素やハロゲン化炭化水素類、メチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン等のエー
テル類、さらにはプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、ベントキソン、ジメチルホルムアミド
など常用のものを用いることが出来、シリコーンゴム層
の塗布溶剤としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、
石油エーテル、脂肪族炭化水素系溶剤エクソン化学
(株)製:アイソパーE、H、G及びこれらの溶剤と上
記の感光性層塗布溶剤との混合溶媒等を用いることが出
来る。
【0079】また、本発明の印刷版は必要に応じて、シ
リコーンゴム層を保護する目的で、最外層としてポリプ
ロピレンシート、ポリエチレンシート、離型処理ポリエ
チレンテレフタレート等の各種離型性プラスチックシー
ト、離型処理紙、アルミ、鉄、銅等の金属シート等をシ
リコーンゴム層上にラミネートし設けることができる。
上記の感光性層及びシリコーンゴム層を基板上に設けた
感光性試料は、通常680〜1100nmの近赤外光を
発振する半導体レーザー光を5〜30μm径に集光した
ビームスポットにより走査露光を行い、露光部分をアブ
レーションさせた後、後処理なしに印刷版として使用さ
れるが、該露光済み印刷版上に付着したアブレーション
で発生した感光性層或いはシリコーンゴム層の微粒子を
除去する目的で、シリコーンゴム層表面を必要に応じて
水溶液又は有機溶剤を供給しながらブラシ、パッド、超
音波、スプレー等の物理刺激を与える後処理を行っても
よい。
【0080】また、該アブレーションで発生した微粒子
を除去する他の方法としては、該微粒子に対してシリコ
ーンゴム層より接着性の高い表面を有するカバーシート
を露光済の感光性印刷版のシリコーンゴム層上に、シリ
コーンゴム表面と接着性のカバーシート表面が合わさる
ようにラミネートした後、剥離する方法や露光前に、該
カバーシートであってレーザー光を通過させるカバーシ
ートを上記と同様にラミネートし、露光後に剥離、シリ
コーンゴム層上の微粒子を除く方法、等が挙げられる。
該カバーシートとしては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレン、ポリカーボネート、紙等の基版上
に、シリコーンゴム、アイオノマー、酢酸ビニル等の粘
着層を必要に応じて設けたものが挙げられる。
【0081】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。実施例1〜4、比較例1〜2 厚さ100μmのアート紙の両面に、厚さ35μm、密
度1.2g/cm3 の発泡ポリエチレンテレフタレート
シートをラミネートした複合基板上に、下記組成の感光
性層組成物を塗布した。
【0082】 〔感光性層組成物〕 近赤外吸収剤:第4表記載の近赤外吸収剤 第4表に記載の配合量 発泡剤:第4表記載の化合物 第4表に記載の配合量 有機高分子物質:フェノキシ樹脂(PKH−J、ユニオンカーバイド社製) 20重量部 塗布溶媒:シクロヘキサノン 600重量部 ジクロロエタン 100重量部 エタノール 100重量部 塗布後、85℃で3分間乾燥し、乾燥膜厚1.5μmの
感光層を設けた。続いて該感光性層上に下記組成のシリ
コーンゴム層組成物を塗布した。
【0083】〔シリコーンゴム層組成物〕両末端に水酸
基を有する線状オルガノポリシロキサン:下式の化合物
(yは1以上の整数を示す)
【0084】
【化12】
【0085】 反応性シラン化合物:第3表に記載の化合物 第4表に記載の配合量 縮合触媒:ジブチル錫ジラウレート 0.8重量部 塗布溶媒:アイソパーE(エクソン化学社製) 900重量部 塗布後、100℃で4分間乾燥し、乾燥膜厚1μmのシ
リコーンゴム層を設け感光性印刷版を作製した。
【0086】該感光性印刷版を、円周20cmの回転ド
ラムに、シリコーンゴム層が外側になるように固定し、
ドラムを回転させた。次に回転している印刷版上に、8
30nm、30mWの半導体レーザー光(日立製作所社
製、HL8325G)を、ビーム径15μmに集光さ
せ、走査露光を行った。続いて以下の項目について評価
を行った。その結果を第3表に示す。
【0087】〔感 度〕各種回転数で回転ドラムを回転
させながら、試料を走査露光させた後、該印刷版を40
0倍の顕微鏡で観測し、レーザー露光部分のシリコーン
ゴム層が、除去される最低走査速度(cm/分)によ
り、感度の評価を行った。走査速度が高いほど高感度で
あることを表す。
【0088】〔感光性層の隆起状欠陥〕印刷版を最低走
査速度で走査露光した後、該印刷版の露光部分を400
倍の顕微鏡を用いて目視にて観測し、レーザー露光によ
りアブレーションを起こし形成された細線画像のエッジ
部分に生じる感光性層の隆起(隆起状欠陥)の有無を評
価した。但し、隆起状欠陥とは、レーザー露光に伴い発
生する熱により感光性層及び/又は基板が溶融して盛り
上がり、印刷版の表面が隆起したものである。 A:隆起状欠陥が全く観測されなかった。 B:細線画像のエッジ部分に、幅2μm未満の隆起状欠
陥観測された。 C:細線画像のエッジ部分に、幅2μm以上4μm未満
の隆起状欠陥が観測された。 D:細線画像のエッジ部分に、幅4μm以上の隆起状欠
陥が観測された。
【0089】
【表20】 *1:( )内は感光性層の全固形分に対する重量%を表す。 *2:( )内はシリコーンゴム層の全固形分に対する重量%を表す。
【0090】第4表中、発泡剤の欄の略号(H−1)は
第2表に挙げた化合物を表す。第4表中、反応性シラン
化合物の欄の略号(Si1Si21Si23)はそ
れぞれ第3表に挙げた化合物を表す。第4表中、近赤外
吸収剤の欄の略号(S−3S−41)はそれぞれ第1
表に挙げた化合物を表す。
【0091】実施例5 実施例1において、シリコーンゴム層組成物を下記のも
のに変更する以外、他は同様にして感光性印刷版を作製
し、同様に評価を行った。その結果、感度(60m/
s)、感光性層の隆起状欠陥(A)を得た。
【0092】 〔シリコーンゴム層組成物〕 1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン: α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(Mw=12,000) 100重量部 1分子中にSi−H結合を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン: 下記のα,ω−ジメチルポリシロキサン
【0093】
【化13】
【0094】 (式中の置換基Rのうち約40%は水素原子であり、残りの約60%はメチル基 である、またyは1以上の整数を示す、Mw=2,000) 7重量部 付加反応触媒:塩化白金酸とビニルシロキサンの錯体 0.1重量部 硬化遅延剤:下式の化合物
【0095】
【化14】
【0096】 塗布溶媒:アイソパーE(エクソン化学社製) 900重量部
【0097】実施例6 実施例1において、基板を厚さ100μmのポリエチレ
ンテレフタレートシートに変更する以外、他は同様にし
て感光性印刷版を作製し、同様に評価を行った。その結
果、感度(30m/s)、感光性層の隆起状欠陥(A)
を得た。
【0098】
【発明の効果】本発明により、感度、画像再現性に優れ
たレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版を提
供することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正内容】
【0087】〔感度〕各種回転数で回転ドラムを回転さ
せながら、試料を走査露光させた後、該試料を400倍
の顕微鏡で観測し、レーザー露光部分のシリコーンゴム
層が、除去される最高走査速度(cm/s)により、感
度の評価を行った。走査速度が高いほど高感度であるこ
とを表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/075 521 G03F 7/075 521

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、該基板から少なくとも近赤外
    吸収剤を含有する感光性層及びシリコーンゴム層をこの
    順に有するレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印
    刷版において、該感光性層が下記一般式(I)で表され
    るスルホニルヒドラジド誘導体を含有することを特徴と
    するレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版。 【化1】R−SO2 −NH−NH2 (I) (式(I)中、Rは置換されていても良いフェニル基、
    または置換されていても良い2〜3環の縮合多環炭化水
    素基を示す。但し、該置換基としては、フッ素原子、塩
    素原子、臭素原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜15
    のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数
    6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキ
    シ基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数2〜15
    のアシル基、炭素数2〜15のアルコキシカルボニル
    基、または炭素数2〜15のアシルオキシ基の中から選
    ばれる。さらにRは2〜6価の結合基を介して結合し複
    数のスルホニルヒドラジド基を有する化合物を形成する
    こともできる。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)のスルホニルヒドラジ
    ド誘導体において、Rが、置換されていても良いフェニ
    ル基、または置換されていても良いナフチル基を示し、
    該置換基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数
    1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フ
    ェニル基、フェノキシ基、またはベンジル基であること
    を特徴とする請求項1に記載のレーザーダイレクト湿し
    水不要感光性平版印刷版。
  3. 【請求項3】 前記近赤外吸収剤が下記一般式(II)で
    表される(チオ)ピリリウムポリメチンシアニン色素を
    含有することを特徴とする請求項1及び2に記載のレー
    ザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版。 【化2】 〔式(II)中、n及びmはそれぞれ0又は1を示し、k
    は0、1又は2を示し、Y- は無機又は有機のアニオン
    を示し、R1 〜R6 はそれぞれ水素原子、炭素数1〜1
    5のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20
    の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい炭素数4〜
    20の芳香族複素環基(該置換されていてもよい芳香族
    炭化水素基及び置換されていてもよい芳香族複素環基上
    の置換基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜
    10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアシル基、炭素
    数2〜10のアルコキシカルボニル基、塩素原子、臭素
    原子の中から選ばれる。)、炭素数1〜15のアルコキ
    シ基、炭素数2〜15のアシル基、炭素数2〜10のア
    ルコキシカルボニル基、塩素原子、臭素原子を示し、X
    は酸素原子又はイオウ原子を示す。〕
  4. 【請求項4】 前記シリコーンゴム層が、シリコーンゴ
    ム層の全固形分に対し80重量%以上98重量%未満
    の、両端に水酸基を有する線状オルガノポリシロキサン
    と、シリコーンゴム層の全固形分に対し2重量%以上2
    0重量%未満の、反応性シラン化合物を含有することを
    特徴とする請求項1乃至3に記載のレーザーダイレクト
    湿し水不要感光性平版印刷版。
  5. 【請求項5】 前記シリコーンゴム層が、シリコーンゴ
    ム層の全固形分に対し80重量%以上98重量%未満
    の、1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有する
    オルガノポリシロキサンと、シリコーンゴム層の全固形
    分に対し2重量%以上20重量%未満の、1分子中にS
    i−H結合を少なくとも2個有するオルガノポリシロキ
    サンを含有することを特徴とする請求項1乃至3に記載
    のレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版。
  6. 【請求項6】 前記シリコーンゴム層の引掻傷強度が1
    0〜100gであることを特徴とする請求項1乃至5に
    記載のレーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷
    版。
JP8131764A 1996-05-27 1996-05-27 レーザーダイレクト湿し水不要感光性平版印刷版 Pending JPH09319074A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001092121A (ja) * 1999-09-22 2001-04-06 Toray Ind Inc 感光性ガラスペースト、プラズマディスプレイ用部材ならびにプラズマディスプレイの製造方法

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JP2001092121A (ja) * 1999-09-22 2001-04-06 Toray Ind Inc 感光性ガラスペースト、プラズマディスプレイ用部材ならびにプラズマディスプレイの製造方法

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