JP4216706B2 - 記録体の製版方法 - Google Patents

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Description

本発明は記録体及びこれの製版方法に関し、詳しくは、平版印刷用版材特に湿し水を必要としない所謂水無し平版に用いられる記録体、及びこの記録体の製版方法に関するものである。
湿し水を必要としない平版として、例えば、特開昭48−94504号公報(特許文献1)には、インキ反撥性を有する層と感光層を有する画像形成材料(版材)を用い、画像に応じて露光後、現像処理によりインキ反撥性を有する層の一部を除去して画像を形成する平版印刷版が記載されている。しかし、この構成では、製版時に現像処理による廃液が発生するという環境負荷を増大させる欠点がある。
また、特開昭62−160466号公報(特許文献2)には、電子写真方式でトナー像(インキ受理層)をシリコーン層(インキ反撥層)上に転写して形成する平版印刷版が開示されている。しかし、トナーとシリコーンとの密着力が弱いため、インキ受理層が印刷中に剥離し画像がかすれる欠点がある。
更に、特許第2735429号公報(特許文献3)及び特開平6−186750号公報(特許文献4)には、放電又はレーザアブレーションにてインキ反撥性を有する層を破壊して、画像部と非画像部にインキの着肉性の差を設けるようにした画像形成材料が記載されている。しかし、層を破壊した際に、所謂デブリと呼ばれるシリコーン樹脂のカスが発生し、上記の廃液の処理と同様に、その廃棄に関して環境負荷を増大させる欠点を有する。また、層を破壊する方式では、製版時の画像書きこみに多大な熱エネルギーを必要とし、書きこみ装置の大型化・高価格化を招く欠点も有する。
また、現像処理や層の破壊を必要としない版材も提案されており、例えば、特開平10−339945号公報(特許文献5)には、インキ反発性を有する物資と加熱によりその物質中をブリードアウトする親インキ性物質からなる版材(画像形成材料)が提案されている。しかし、インキ反発性の層の内部から親インキ性の物質がブリードアウトするためには、長時間の加熱が必要であり、書きこみの応答時間が長くなる欠点を有する。また、物質中をブリードアウトするためには、低分子量である必要があり、インキ反発性層の表面ににじみ出たブリードアウト物質は、耐擦傷性が悪く、耐刷性が劣る欠点を有する。
このように、製版時に書きこみ応答性が良く、現像処理やデブル処理を必要とせず、なお且つ耐刷性に優れる水なし平版印刷用版材は今のところ優れたものが存在しないのが現状である。
特開昭48−94504号公報 特開昭62−160466号公報 特許第2735429号公報 特開平6−186750号公報 特開平10−339945号公報
本発明の目的は、現像液による処理が不要であり、製版時の現像処理やデブリ除去のための洗浄処理が不必要で、かつ、高解像度な安定した画像を容易に作成することができる記録体(水なし平版印刷版用版材)及びこれの記録方法(製版方法)を提供することである。
本発明者らは鋭意検討を行い、基板上に層表面に親インキ性部材が露出している状態で撥インキ性部材と親インキ性部材とからなる層(記録層)を形成し(図1(a))、該層表面の一部を加熱することで該親インキ性部材がフィルム化する性質を有すると(図1(b))、加熱により該フィルム形成後、何らかの粘着性を有するものを該表面に接触・脱離により、該フィルム化した親インキ性部材が表面から剥離し、剥離後の表面を撥インキ性に変化させ(図1(c))れば、良質の水なし平版印刷版が得られることを見出した。本発明はこれに基づいてなされたものであり、上記課題は下記(1)〜(14)によって達成される。
(1)基板と、該基板上に設けられた親インキ性部材及び撥インキ部材からなる記録層とで構成され、且つ、該記録層の表面近傍にて該親インキ性部材の一部が大気中に露出していることを特徴とする記録体。
(2)基板と、該基板上に設けられた親インキ性物質を含有した撥インキ性部材からなる記録層とで構成され、且つ、該記録層の表面近傍にて該親インキ性物質が大気中に露出していることを特徴とする記録体。
(3)基板と、該基板上に設けられた熱又は電磁波照射により構造変化する親インキ性部材及び撥インキ性部材からなる記録層とで構成され、且つ、該記録層の表面近傍にて該親インキ性部材の一部が大気中に露出していることを特徴とする記録体。
(4)基板と、該基板上に設けられた熱又は電磁波照射により構造変化する親インキ性物質を含有した撥インキ性部材からなる記録層とで構成され、且つ、該記録層の表面近傍にて該親インキ性物質が大気中に露出していることを特徴とする記録体。
(5)記録層表面にカバーフィルムを有していることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の記録体。
(6)記録層、記録層と基板との間に中間層を有するときは該中間層、又はカバーフィルムに光熱変換部材を含有していることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の記録体。
(7)撥インキ性部材にシロキサン骨格を有する有機化合物が含有されていることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の記録体。
(8)親インキ性部材又は親インキ性物質が、分子量4000以上の熱可塑性樹脂を含む微粒子であることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の記録体。
(9)光熱変換部材が波長400nmから900nmの範囲のいずれかの波長に吸収を示す顔料もしくは染料を含有し、記録体全体として反射吸光度が0.1以上であることを特徴とする前記(6)〜(8)のいずれかに記載の記録体。
(10)前記(1)〜(9)のいずれかに記載の記録体に、画像情報に応じて熱又は電磁波を印加し、その後、記録層表面の親インキ性部材又は親インキ性物質の溶融した一部を脱離することを特徴とする製版方法。
(11)記録体表面にカバーフィルムが設けられている記録体においては、該カバーフィルムの脱離とともに溶融した親インキ性部材又は親インキ性物質の一部を脱離することを特徴とする前記(10)記載の製版方法。
(12)記録層表面に粘着性部材を接触させることにより溶融した親インキ性部材又は親インキ性物質の一部を脱離することを特徴とする前記(10)記載の製版方法。
(13)記録層表面にインキを付着させることにより、該インキのタックにより溶融した親インキ性部材又は物質の一部を脱離することを特徴とする前記(10)記載の製版方法。
(14)電磁波の波長が450nmから850nmの範囲にあることを特徴とする前記(10)〜(13)のいずれかに記載の製版方法。
請求項1の発明によれば、塗布及び乾燥後に、親インキ性部材の一部が大気中に露出しているため特別な処理をすることなくインキ付着が可能である。
請求項2の発明によれば、塗布及び乾燥後に、親インキ性物質が大気中に露出しているため特別な処理をすることなくインキ付着が可能である。
請求項3の発明によれば、熱又は電磁波により構造変化することにより、これらを用いた画像情報の書き込みが可能であり、例えば印刷版としての応用が可能である。
請求項4の発明によれば、熱又は電磁波により構造変化することにより、これらを用いた画像情報の書き込みが可能であり、例えば印刷版としての応用が可能である。
請求項5の発明によれば、記録層表面にカバーフィルムを有することにより、サーマルヘッド印加による記録層表面の傷防止、スティッキングの防止、及び保管時の傷防止が可能である。
請求項6の発明によれば、光熱変換部材を含有させることにより、例えばレーザーのような非接触、高解像度の書き込みが可能であり、高品位な記録が可能となる。
請求項7の発明によれば、撥インキ性部材にシロキサン骨格を有する有機化合物を使用することにより、高耐久性及び高耐刷性な記録体が可能となる。
請求項8の発明によれば、分子量4000以上の熱可塑性樹脂を含む微粒子により、塗布及び乾燥後にインキ付着が可能であり、熱及び電磁波により潜像形成可能となる。
請求項9の発明によれば、波長が400nm〜900nmに吸収があることにより汎用的なレーザーなどで記録可能であり、反射光吸光度が0.1以上により効率よく熱に変換することが可能であることにより低コスト化、高解像度化が可能となる。
請求項10の発明によれば、画像情報に応じて記録を行い、記録層表面の親インキ性部材の溶融した一部を脱離することにより、廃液処理などを必要としなく、装置化が簡便である印刷版とし使用することが可能である。
請求項11の発明によれば、カバーフィルムにより、サーマルヘッドなどによる印字時のスティッキング防止、取り扱い性の向上、及び印字後の溶融した親インキ性部材又は親インキ性物質の脱離が同時に行え、装置の小型化、及び取り扱い性の向上が可能となる。
請求項12の発明によれば、熱及び電磁波による印字後の溶融した親インキ性部材又は親インキ性物質の脱離が簡便に行え、印字装置の小型化が可能となる。
請求項13の発明によれば、熱及び電磁波による印字後の溶融した親インキ性部材又は親インキ性物質の脱離が簡便に行え、装置の小型化が可能となる。
請求項14の発明によれば、電磁波による非接触な印字のため記録体への傷が防止でき、さらには高解像度な記録が可能となる。
以下本発明について詳細に説明する。
上記(1)の記録体について:
本発明の画像形成材料(記録体)に用いられる基板(支持体)としては、公知のものを用いることができるが、ポリエステルフィルム、特に二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが強度、水、熱に対する寸法安定性、経済性等の点で好ましい。支持体には上記ポリエステルフィルムの他、アセテートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を用いることができる。さらに、砂目立てしたアルミ板、ガラス、木、紙など任意の材料を使用することができる。
支持体には、接着性を増すために下塗層を設けることができる。
また、支持体の厚さは特に限定されないが、作業性、経済性の点から、通常、10μm〜10nmの範囲の厚さのものが用いられ、50〜500μmの範囲の厚さのものが好ましく用いられる。
本発明の画像形成材料に用いられるインキ反撥性を有する物質としては、シリコーンゴム、フッ素樹脂等が挙げられるが、特に、シリコーンゴムが好ましい。
シリコーンゴムとしては、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有し、分子量数千〜数十万の主鎖中または主鎖の末端に水酸基あるいは炭素一炭素不飽和結合(例えばビニル基、アリール基)を2個以上有する線状有機ポリシロキサンを主成分とするシリコーンゴム組成物を用いて形成されたものが好ましい。
Figure 0004216706
一般式(I)において、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、フェニル基である。
線状有機ポリシロキサンは、Rの60%以上がメチル基であるものが好ましい。水酸基あるいは炭素−炭素不飽和結合は主鎖中または主鎖の末端のどちらにあってもよいが、末端にあることが好ましい。
上記線状有機ポリノシロキサンの具体例としては、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(ジメチルビニルシリル)ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
シリコーンゴムは、上記線状有機ポリシロキサンを架橋剤を用いあるいは用いずに縮合反応あるいは付加反応をさせることによって得られるものである。好ましくは、架橋剤を添加して縮合反応あるいは付加反応させることによって得た架橋シリコーンゴムである。
シリコーンゴム組成物に添加される架橋剤としては、一般式(II)で表される反応性シラン化合物及び1分子中に2個以上のSiH結合を有する多価ハイドロジェンポリシロキサンが好ましく用いられる。
Figure 0004216706
一般式(II)において、nは1〜4の整数を表す。Rはアルキル基、アリール基、アルケニル基、または、これらの基を組み合わせた一価の基を表す。また、Rはハロゲン、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、チオール基、グリシジル基、(メタ)アクリロキシ基、ビニル基で置換されたイソシアヌレート基等の官能基を有していてもよい。Xは−OH、−R、−Ac、−O−N=C(R)、−C1、−Br、−I等の置換基を表す。ここでR、Rは上記のRと同じものを表し、Acはアセチル基を表す。
架橋剤の具体例としては、トリメトキシメチルシラン、トリアセトキシメチルシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリス(ジメチルケトオキシム)シラン、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−3,5−ジアリルジアリルイソシアヌレート、1,3,5−トリス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレート、N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]メタクリルアミド、N−グリシジルーN,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、α,ω−ビス(トリメチルシリル)ポリ(メチルハイドロジェン)(ジメチル)シロキサン共重合体、α,ω−ビス(ジメチルハイドロジェンシリル)ポリジメチルシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルー1−グリシドキシプロピルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
これらの架橋剤は単独であるいは2種以上を混合して用いることができ、添加量は、線状有機ポリシロキサン100重量部当たり0.5〜30重量部であり、好ましくは2〜10重量部である。
また、シリコーンゴム組成物には、更に、架橋反応の触媒として少量の有機スズ化合物(例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ、スズ(II)オクトエート)、有機コバルト化合物(例えば、ナフテン酸コバルト)、白金単体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金等を用いることができる。
また、シリコーンゴム組成物の硬化速度を制御する目的で、テトラシクロ(メチルビニル)シロキサンなどのビニル基含有のオルガノポリシロキサン、炭素−炭素三重結合含有のアルコールなどの架橋抑制剤を添加することも可能である。
シリコーンゴムの強度を向上させ、印刷作業中に生じる摩擦力に耐え得るシリコーンゴムを得るために、充填材(フィラー)を混合することもできる。充填材としては、無機充填材、有機充填材であるかは問わず、いかなるものでも用いることができる。
インキ反撥性を有する層は、材料を溶媒に溶解または分散して塗布し乾燥することにより形成することができる。溶媒としては種々のものを用いることができ、溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブロピルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、アセチルアセトン、γ一ブチロラクトン等が挙げられる。これらの溶媒は、単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。
インキ反撥性を有する層の形成組成物を基体表面に塗布する際に用いる塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、スプレー塗布、エアースプレー塗布、静電エアースプレー塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン塗布等の方法が用いられる。
層を構成する材料がシリコーンゴムである場合には、シリコーンゴム組成物を適当な溶媒に溶解した塗布液を塗布、乾燥、加熱硬化して形成することができる。
インキ反発性を有する層の膜厚は、0.01〜20μmが好ましい。
本発明の画像形成材料に用いられる親インキ性物質としては、分子量が4000以上であり、溶液に分散された状態の固体及び半固体のワヅクスが挙げられる。具体的には、みつろう、鯨ろう、中国ろう、ラノリン等の動物系ワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木ろう、ライスワックス、砂糖キビろう等の植物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、リグナイトワックス等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系のワックス、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス、カスターワックス、オパールワックス等の水素化のワックス、低分子量ポリエチレン及びその誘導体、ジステアリルケトン等の合成ワックス、カプロン酸アマイド、カプリル酸アマイド、ペラルゴン酸アマイド、カプリン酸アマイド、ラウリン酸アマイド、トリデシル酸アマイド、ミリスチシ酸アマイド、ステアリン酸アマイド、ベヘン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等の飽和脂肪酸アマイド系ワックス、カプロイン酸アマイド、ミリストレイン酸アマイド、オレイン酸アマイド、エライジン酸アマイド、リノール酸アマイド、エルカ酸アマイド、リシノール酸アマイド、リノレン酸アマイド等の不飽和脂肪酸アマイド系ワックスなどが挙げられる。
上記インキ付着性を有する物質は単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することが出来る。
上記インキ付着性を有する物質で構成される部材は、部材を構成する材料に使用するワックス類の融点以下で塗布後乾燥することにより形成することができる。また、層を構成する材料を溶媒に分散して塗布し乾燥することにより形成することもできる。使用する溶媒及び塗布方法としては、先に示した溶媒及び塗布方法が使用できる。
なお、前記の親インキ性部材とは、親インキ性物質を含む部材であり撥インキ性物質を含んでいてもよい。ここでいう親インキ性とは皮膜にした際、インキが付着することであり、静的な接触角では60度以下が望ましいが、これに限るものではない。
また、撥インキ性部材とは、撥インキ性物質を含む部材であり親インキ性物質を含んでいてもよい。ここでいう撥インキ性とは皮膜にした際、インキが付着しないことであり、静的な接触角では60度以上が望ましいが、これに限るものではない。
記録層作製において、塗布後の乾燥は記録層中に含まれる親インキ性物質の融点以下が望ましい。
このように、上記(1)の記録体は、上記親インキ性部材及び撥インキ性部材からなる記録層を作製した際、該記録層の表面近傍にて、該親インキ性部材の一部が大気中に露出していることを特徴とする、すなわち塗布、乾燥後には皮膜表面にインキが付着する性質を有している記録体である。
上記(2)の記録体について:
支持体、インキ反撥性物質、親インキ性物質は前記(1)の記録体についてでの説明と同様である。
上記インキ付着性を有する物質で構成される部材は、部材を構成する材料にワックス微粒子を使用し、融点以下で塗布、乾燥することにより形成することができる。また、層を構成する材料を溶媒に分散して塗布し乾燥することにより形成することもできる。使用する溶媒及び塗布方法としては、先に示した溶媒及び塗布方法が使用できる。
上記(2)の記録体は、上記(1)の記録体と同様に、撥インキ性部材を用い、該撥インキ性部材中に親インキ性物質が含有されており、かつ表面近傍にて該親インキ性物質が大気中に露出していることを特徴とする、すなわち塗布、乾燥後の皮膜表面がインキ付着性を有している記録体である。
上記(3)の記録体について:
支持体、インキ反撥性物質、親インキ性物質は前記(1)の記録体での説明と同様である。
記録層は、撥インキ性部材及び熱又は電磁波照射により構造変化する親インキ性部材で構成されており、該親インキ性部材が熱又は電磁波で構造変化することを特徴とするものである。
上記熱又は電磁波により構造変化するとは、熱溶融性及び熱可塑性を有しているという意味であり、融点以上に加熱すると構造変化する物質である。例えば、粒子状からフィルム状へと変化するものがあるがこれに限るものではない。
上記(4)の記録体について:
支持体、インキ反撥性物質、親インキ性物質は前記(1)の記録体についてでの説明と同様である。
記録層は、撥インキ性部材及び熱又は電磁波照射により構造変化する親インキ性物質で構成されており、該親インキ性物質が熱又は電磁波で構造変化することを特徴とするものである。
上記熱又は電磁波により構造変化するとは、熱溶融性及び熱可塑性を有しているという意味であり、融点以上に加熱すると構造変化する物質である。例えば、粒子状からフィルム状へと変化するものがあるが、これに限るものではない。
上記(5)の記録体について:
支持体、インキ反撥性物質、親インキ性物質、光熱変換材料は前記(1)(3)の記録体での説明と同様である。
本発明に用いられるカバーフィルム中には、滑性有機フィラー微粒子(例えばシリコーン樹脂微粒子)を添加して、該カバーフィルム表面の摩擦係数を下げたり、カバーフィルム表面の粗さを所定の粗さ(1〜4μm)にすることが望ましい。本発明で形成されるカバーフィルムは、前記の点だけでなく、耐薬品性、耐水性、耐摩擦性の向上にも大きな効果を示し、高性能な画像形成材料の構成要素として不可欠である。
さらに、このカバーフィルムについてより詳しく説明すると、カバーフィルムに添加される有機フィラーは、球状且つ累積体積分布より求めた50%体積平均粒子径(D50)が1〜5μmの範囲のものが良く、さらに、有機フィラーのアマニ油吸油量が50ml/100g以上のものが良い。さらに好ましくは、材質がシリコーン樹脂のように滑性を有する微粒子が良い。また、該カバーフィルムの諸特性を向上させるには、累積体積分布より求めた50%体積平均粒子径(D50)が0.7μm以下である無機フィラー、及び累積体積分布より求めた50%体積平均粒子径(D50)が1〜5μmの範囲である有機フィラーを併用することが好ましい。また、カバーフィルムに添加する無機フィラーと有機フィラーの総合添加量については、コスト及びヘッドマッチング性その他の特性を考慮すると、カバーフィルムの固形分重量比で50%未満が好ましい。
次いで、カバーフィルムに添加する有機フィラーと無機フィラーについての具体例を記述する。
〔有機フィラー〕
(1)PMMA系微粒子
綜研化学製のMPタイプ、MXタイプ、積水化成品工業製のテクノポリマーMBシリーズなどが挙げられる。
(2)シリコーン樹脂系微粒子
東レダウ・コーニングシリコーントレフィルシリーズ、東芝シリコーン製のトスパールシリーズなどが有機フィラーとして挙げられる。
〔無機フィラー〕
カオリン、焼成カオリン、焼成クレー、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、コロイダルシリカ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛が無機フィラーとして挙げられる。
次に、本発明のカバーフィルム(オーバー層)を構成する樹脂について説明する。この樹脂としては熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等が包含される。ここで、本発明のカバーフィルムとして、もっとも好ましい紫外線硬化性樹脂及び電子線硬化性樹脂について説明する。
カバーフィルムの形成に用いられる紫外線硬化性樹脂としては紫外線照射により重合反応を起こし、硬化して樹脂となるモノマー又はオリゴマー(又はプレポリマー)であればその種類が制限されず、公知の種々のもの全てが使用できる。
このようなモノマー又はオリゴマーとしては(ポリ)エステルアクリレート、(ポリ)ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリレート等やメラミンアクリレートがある。
(ポリ)エステルアクリレートは1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール(プロピレンオキサイドとして)、ジエチレングリコール等の多価アルコールとアジピン酸、無水フタル酸、トリメリット酸等の多塩基酸とアクリル酸とを反応させたものである。
(ポリ)ウレタンアクリートは、トリレジイソシアネート(TDI)のようなイソシアネート基をもつ化合物に、ヒドロキシル基をもつアクリレートを反応させたものである。
エポキシアクリレートは、構造から大別してビスフェノールA型、ノボラック型及び脂環型があり、これらエポキシ樹脂のエポキシ基をアクリル酸でエステル化し官能基をアクリロイル基としたものである。
ポリブタジエンアクリレートは、末端OH基含有1,2−ポリブタジエンにイソシアネートや1,2−メルカプトエタノール等を反応させてから、更にアクリル酸等を反応させたものである。
シリコーンアクリレートは、例えば、有機官能性トリメトキシシランとシラノール基含有ポリシロキサンとの縮合反応(脱メタノール反応)によりメタクリル変性したものである。
紫外線硬化性樹脂を使用するときは、溶剤を使用する場合があるが、この場合の溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソフェニルイソシアネート等がある。また、アクリル系2重結合を有する化合物としては2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が例示できる。なお、ポリエステルジオールは例えば、アデカニューエースY4−30(旭電化工業社製)として、また、ポリエーテルトリオールは例えばサンニックスTP−400、サンニックスGP−3000(以上、三洋化成社製)等として入手しうる。
カバーフィルムの形成に用いられる電子線硬化性樹脂としては電子線により重合反応を起こし、硬化して樹脂(電子線硬化性アクリル変性ポリウレタン樹脂、シリコーン変性電子線硬化性樹脂など)となるモノマー又はオリゴマー(又はプレポリマー)であれば、その種類が制限されず、公知の種々のもの全てが使用できる。
この電子線硬化性アクリル変性ポリウレタン樹脂のポリエステル部分の分子量は、カバーフィルムに要求される柔軟性及び強靱をもたせるために、2000〜4000の範囲が好ましい。また、電子線硬化性アクリル変性ポリウレタン樹脂全体の分子量は、前記と同様な理由により、20000〜50000の範囲が好ましい。なお、この樹脂においては、官能基数を5個以上望ましくは7〜13個もたせることにより、硬化促進及び硬度向上等の効果をもたらすことができる。
一方、シリコーン変性電子線硬化性樹脂は下記化学構造部分を有するものである。
Figure 0004216706
(ただし、上記式中、Rは−(CH)n(n=0〜3)、TDIは2,4−トリレンジイソシアネート、HEMは2−ヒドロキシエチルアクリレートを示す)
このシリコーン変性電子線硬化性樹脂は被膜性に優れているため均一で薄い被膜を良好に形成することができ、また、シリコーン官能基を有しているためスベリ効果が優れている。
本発明で使用され硬化した前記樹脂及びシリコーン官能基含有樹脂におけるスベリ効果は、サーマルヘッドによる印字におけるステッキングの防止に効果があり、更には印字後、カバーフィルムを剥離することによる簡易な潜像形成が可能である。
電子線硬化性アクリル変性ポリウレタン樹脂と電子線硬化性シリコーン変性樹脂とを併用する場合、その割合は電子線硬化性アクリル変性ポリウレタン樹脂100重量部に対し電子線硬化性シリコーン変性樹脂30重量部までの範囲で、好ましくは5〜20重量部の範囲で添加されることが望ましい。
本発明のカバーフィルムにおいては、その形成過程にあって硬化を促進し、耐熱効果を向上させるために、多官能電子線硬化性モノマーを併用するのが望ましい。このモノマーは架橋促進剤として作用し、複雑で高密度の架橋構造を形成する上で有利である。
このようなモノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサトリアクリレート等が挙げられる。
そして、このモノマーは電子線硬化性アクリル変性ポリウレタン樹脂100重量部に対し50重量部までの範囲で、好ましくは20〜50重量部の範囲で添加することが好ましい。50重量部より多いと、潤滑効果が弱まりスベリ効果が低下する。
紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂は紫外線、電子線等で硬化することにより、更に機械的強度、硬度、耐熱性が向上する。
カバーフィルムの塗工方法、塗工量に特別な制限はないが、塗工量については、カバーフィルムとしての性能及び経済性を考慮すると、記録層上に乾燥膜厚が1〜20μmの範囲、望ましくは1〜10μmの範囲内であるのが、保護層としての性能が充分発揮され、記録体の性能を落さない膜厚の範囲である。
本発明においては寸法精度及び帯電防止性を向上させるため裏面に帯電防止層を設けることも可能である。
前記帯電防止層には低湿下でも表面抵抗値が10Ω/□以下となる制電性が必要としているため材料が限定され、導電性金属酸化物を添加することが一般的に挙げられる。導電性金属酸化物を用いた帯電防止剤は一般的に高価であるが、金属酸化物自体が導電性を持っているため、低付着量でも優れた制電性を示し、透明性も殆どおとすことがない。
導電性金属酸化物としては例えば、SnO、In、ZnO、TiO、MgO、A1、BaO、MoO等を単独、或いはP、Sb、Sn、Zn等と混合した複合酸化物などが挙げられるが、これらに限ったものではない。
これらの金属酸化物の微粉末はなるべく細かい方がよく、細かいほど優れた透明性を示す。本発明では帯電防止剤の平均粒径を0.2μm以下とすることで優れた透明性を実現している。
また、これらの金属酸化物と混合して使用されるバインダーとしては例えば、水溶性樹脂、水性エマルジョン、疎水性樹脂及び紫外線硬化性樹脂、さらに電子線硬化性樹脂が包含される。
水溶性樹脂としては例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、スチレン−無水マレイン酸、カルボキシ変性ポリエチレン樹脂などが挙げられる。水性エマルジョン、疎水性樹脂としては、例えばポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリブチルアクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
また、これらは単独若しくは混合して使用され、さらに必要に応じて硬化剤を添加して樹脂を硬化させても良い。
紫外線硬化性樹脂は紫外線によって重合反応を起こして硬化してなるモノマー、オリゴマー或いはプレポリマーであればその種類は特に限定されず、公知のものが使用できる。電子線硬化性樹脂も特に種類は限定されないが、特に好ましい電子線硬化性樹脂としては、ポリエステルを骨格とする5官能以上の分枝状分子構造を有する電子線硬化性樹脂を主成分としたものである。
金属酸化物とバインダーの比は、バインダー1重量部に対して金属酸化物の添加量は0.05〜1重量部程度がよく、好ましくは0.2〜0.8重量部程度がよい。
以上の様な記録層上にカバーフィルムを設けた記録体に対して熱や電磁波による潜像形成後、カバーフィルムを剥離することにより、本発明では画像形成を行うことが可能である。また、サーマルヘッド等を使用する際、スティッキング防止などの効果がある。
上記(6)の記録体について:
支持体、インキ反撥性物質、親インキ性物質、カバーフィルムは前記(1)〜(5)の記録体についてでの説明と同様である。
光熱変換部材を含有するのは主に、電磁波などにより非接触となる方法で潜像を形成することが可能であり、サーマルヘッドの発熱体以上の解像度を有しているため高解像度な記録が可能となるためである。
光熱変換部材としては、カーボンブラック、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、アンチモン、テルル、ビスマス、セレン等が挙げられ、これらに限ったものではないが、特にカーボンブラックが好ましい。これらの光熱変換部材のビニル粉末はなるべく細かいほど優れた光熱変換効率を示す。
ここでいう光熱変換部材を含有させている層は、記録体を構成する層全て又はいずれかの層に含有されておればよい。例えば、記録層内部、基板と記録層の間に中間層を設けたものではその中間層、記録層上部のカバーフィルムなどがあるが、これに限るものではない。
上記(7)の記録体について:
支持体、インキ反撥性物質、親インキ性物質、高熱変換材料、カバーフィルムは前記(1)〜(6)の記録体についてでの説明と同様である。
ここでいう撥インキ性部材とは、シロキサン骨格を有する有機化合物であり、上記(5)の記録体の説明に記載のものや、アクリル系樹脂やウレタン系樹脂などグラフト化されたものも含むが、これに限るものではない。
(シリコーングラフトポリマー)
シリコーングラフトアクリルポリマーは、アクリル系単量体の単独重合体からなる直鎖状の主鎖に、シロキサンから誘導される構造部分からなる側鎖がグラフト化したものである。上記シリコーングラフトアクリルポリマーは、特に限定はなく、例えば下記の一般式(IV)で表されるものが好ましい。
Figure 0004216706
上記一般式(IV)において、繰り返し数kは1〜3000の整数」であり、好ましくは1〜300の正数である。また、繰り返し数nは1〜3000の整数であり、好ましくは1〜300の正数である。
また上記一般式(IV)において、Yはアクリル系単量体から誘導される直鎖状の構造部分である。上記アクリル系単量体としては、前述と同様のものがあげられ、これらアクリル系単量体の1種が重合または2種以上が共重合することにより、アクリル系単量体から誘導される直鎖状の構造部分が構成される。
さらに上記一般式(IV)において、Zはアクリル系単量体から誘導される構造部分であって、シロキサンから誘導される構造部分を有するものである。
これは、下記の一般式(V)または一般式(VI)で表されるものから誘導される。
Figure 0004216706
[式中、R11およびR12は炭素数1〜20のアルキル基またはフェニル基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、繰り返し単位pごとに同一であっても異なっていてもよく、pは3〜520の整数である。そして、Aは2価の連結基であって、好ましくは−CHCH(OH)CHOCO−、−(CH)n’NHCHCH(OH)CHOCO−、−(CH)n’OCO−、−(CH)n’O(CH)m’OCO−または−OCHCH(OH)CHOCO−(ただし、n’は2〜6の整数、m’は2〜6の整数である。)である。qは0または1であり、Rは水素原子またはアルキル基である。また、Qはメチル基、フェニス基またはCH=CR−(A)−(ただし、R、Aおよびqは前記と同様である。)である。]
Figure 0004216706
[式中、R13〜R21は炭素数1〜20のアルキル基またはフェニル基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、繰り返し単位rごとに同一であっても異なっていてもよく、rは1〜200の整数である。同様に、繰返し単位sごとに同一であっても異なっていてもよく、sは1〜200の整数である。また、繰返し単位tごとに同一であっても異なっていてもよく、tは1〜200の整数である。なお、A、qおよびRは前記式(6)と同様である。]
シリコーングラフトポリマーは以上に限定されるものではなく、例えばウレタン系などのシリコーングラフトポリマーでもよい。
上記(8)の記録体について:
支持体、インキ反撥性物質、親インキ性物質、光熱変換材料、カバーフィルムは前記(1)〜(7)の記録体についてでの説明と同様である。
ここでいう分子量4000以上の熱可塑性樹脂を含む微粒子とは、熱可塑性樹脂のみで構成される微粒子や、マイクロカブセルのようなコアーシェル構造をもった微粒子でも構わなく、またこれらに限るものではない。
上記(9)の記録体について:
支持体、インキ反撥性物質、親インキ性物質、光熱変換材料、カバーフィルムは上記(1)〜(6)の記録体ついてでの説明と同様である。
ここでいう光熱変換部材は主にレーザーなどの書き込み時において、照射した光(波長400nm〜900nm)を熱に変化しうる性能を有している顔料及び染料のことである。また、含有されていればよく、分散又は溶解どちらでもよい。
さらに、記録体全体として反射光吸光度が0.1あればよく、0.25以上あるとより好ましく、記録体を構成しているどの層に含有することも可能である。
上記(10)の製版方法について:
ここでは上記(1)〜(9)のいずれかの記録体が使用される。記録体に画像情報に応じて熱又は電磁波を印加し、露出している親インキ性部材又は物質を溶融させ、その後、加熱部分の溶融した親インキ性部材又は物質の一部を脱離することが特徴である。また、加熱部分で脱離後の皮膜表面は撥インキ性を示し、未加熱部分は親インキ性を示すことによりインキ付着性に差が生じ、ネガ型の画像パターンが得られる。
上記(11)の製版方法について:
ここでは、上記(5)〜(9)のいずれかの、記録層上にカバーフィルムを設けた記録体が使用される。この記録体に画像情報に応じて熱又は電磁波を印加し親インキ性部材又は物質を溶融させる。
その後、カバーフィルムを脱離すると同時に、溶融した親インキ性部材又は物質をも同時に脱離させることができる。その結果、熱又は電磁波を印加した後処理が簡便となり、製版後の置き版などによる傷防止、更にはサーマルヘッドでの印加時におけるスティッキング防止にも効果がある。
上記(12)の製版方法について:
この製版方法は、上記(10)の製版方法において、記録体に画像情報に応じて熱や電磁波を印加した後、粘着性部材(例えば粘着ローラー等)によって溶融した親インキ性部材又は物質の一部を脱離するものである。
粘着ローラー等による脱離によれば、製版後の簡便な処理、また装置の小型化が可能となる。
上記(13)の製版方法について:
この製版方法は、上記(10)の製版方法において、記録体に画像情報に応じて熱や電磁波を印加した後、例えばローラーにインキを付着させ、記録層表面に接触させることにより、インキのタックにより溶融した親インキ性部材を脱離するものである。
インキを付着させることにより脱離することで、製版後の簡便な処理、また装置の小型化が可能となる。
上記(14)の製版方法について:
この製版方法は、上記(10)〜(13)の製版方法において、記録体に画像情報に応じて波長450nmから850nmの範囲にある電磁波を印加して製版するものである。
波長450nmから850nmの範囲にある電磁波による製版の特徴は、比較的に入手が容易で、安定した出力の出力源を用いることができ、なおかつ、効率良く光熱変換材料が照射した電磁波を吸収し熱に変換され、その熱で親インキ性部材又は物質を溶融させ、これを脱離することが特徴である。
次に実施例をあげて本発明をより具体的に説明する。ここでの部は重量基準である。
[実施例1]
まず下記組成(1)を有するシリコーンゴム組成物を調合し、ワックス分散品(2)を用意する。
(1)シリコーンゴム組成物
ビニル基変性ポリジメチルシロキサン 14.12部
ポリメチルハイドロシロキサン 1.245部
白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体 0.079部
(以上旭化成ワッカーシリコーン社製、DEHEIVE953)
トルエン 30部
(2)ワックス分散品
ポリエチレン微粒子(融点=127℃、平均分子量=10000) 10部
トルエン(岐阜セラック製造所製、FA−341−7) 90部
上記(1)、(2)の組成物を以下の配合比で混合、分散を約15分間行う。
(1)シリコーンゴム組成物 4部
(2)ワックス分散品 8.55部
上記手順で作成した画像形成材料を、100μmポリエチレンテレフタレート(PET)基板上に、ワイヤーバー0.45mmを用い塗布し、110℃で10分間乾燥し、厚さ約10μmの記録層を形成し、記録体を作製した。
乾燥後の皮膜表面にハンドローラーで水無し用インキを付着させたところ、全面にインキ付着が認められた。また、記録層表面の接触角を測定したところ約50度を示し、親インキ性を示していることが認められたことから、親インキ性部材の一部が大気中に露出していることが明らかになった。
[実施例2]
比較として、実施例1に記載のシリコーンゴム組成物単独を100μmPET上にワイヤーバー0.45mm用い塗布、乾燥し皮膜を得た。このときの乾燥温度は110℃とした。皮膜表面を光学顕微鏡で観察を行ったところ、非常に平滑であることが確認された。 また、静的な接触角を測定したところ120度と撥インキ性を示した。
実施例1に記載のシリコーンゴム組成物とワックス分散物の混合物の皮膜を手順を同様に作製し、表面を光学顕微鏡で観察を行ったところ、粒子状のものが表面に存在していることが確認された。また、静的な接触角を測定したところ、50度と親インキ性を示していた。すなわち、親インキ性物質が大気中に露出していることが確認できた。
[実施例3]
実施例1と同様のシリコーンゴム組成物(1)を処方し、ワックス分散物(3)を用意する。
(1)シリコーンゴム組成物
実施1と同様の処方
(3)ワックス分散物
ポリプロピレン(融点=120℃、平均分子量=5000) 10部
トルエン(岐阜セラック製造所、T−10P−5) 90部
上記(1)と(3)の組成物を以下の配合比で混合、分散を15分間行う。
(1)シリコーンゴム細成物 4.5部
(3)ワックス分散物 7.12部
上記(1)と(3)の混合液を100μmPET上にワイヤーバー0.45mmを用い塗布、乾燥し厚さ10μmの記録層を形成して、記録体を得た。このときの乾燥温度は、ワックスの融点以下の105℃であった。
乾燥後の皮膜表面にハンドローラーで水無し用インキを付着させたところ、全面にインキ付着が認められた。また、記録層表面の接触角を測定したところ約50度を示し、親インキ性を示していることが認められたことから、親インキ性部材の一部が大気中に露出していることが明らかになった。
また、150℃に設定したホットプレートで加熱を行い光学顕微鏡で観察を行ったところ、加熱部分は平滑となっており、未加熱部分は粒子状の物質は表面た露出していることが確認できた。また、加熱部分表面に粘着テープを接触させ剥がしたところ、フィルミング化した皮膜が脱離された。脱離する前の皮膜表面の静的接触角は約50度を示し、脱離後の皮膜表面では約120度を示した。すなわち親インキ性部材が加熱により構造変化を起こしていることが確認できた。
[実施例4]
実施例3にて使用したワックス分散物を、100μmPET上にワイヤーバー0.45mmを用い塗布し、融点以下で乾燥させるこ上により親インキ性物質の皮膜を得た。このときの乾燥温度は105℃であり、融点は120℃である。これを、150℃に設定したホットプレートで加熱を行い、加熱及び未加熱部分を光学顕微鏡で観察をおこなったところ、未加熱部分は粒子状の物質が認められ、加熱部分は粒子状の物質は認められなく平滑となっていることが確認された。また、加熱部分は基板上から剥離しやすくなっており、フィルミング化していることが確認された。
すなわち、熱による構造変化が可能であることが実施例3と併せて確認できる。
[実施例5]
実施例3同様の処方及び手順で記録層を作製した。また、カバーフィルムの処方は以下の通りである。
(カバーフィルム処方)
ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂溶液[屈折率1.56、
大日本インキ化学工業社製ユニディックV9057固形分75%] 100部
シリコーンオイル[ビックケミーシジャパン製Byk−344] 1部
酢酸エチル 50部
上記処方のカバーフィルムを実施例1に記載した処方及び手順で作製した記録層表面にワイヤーバーを用いて、塗布・乾燥後80W/cmの紫外線ランプで硬化させ、約3.0μm厚のカバーフィルムを設け記録体を作製した。
上記の手順で作製した記録体に、設定温度150℃にしたホットプレートで加熱を行い、光学顕微鏡で加熱をおこなったところ、未加熱部分には粒子状の物質が確認されたが、加熱部分には粒子状の物質は認められなかった。
[実施例6]
実施例1に記載の(1)の組成物、(2)のワックス分散品を以下の配合比で混合、分散を約15分間行う。
(1)シリコーンゴム組成物 4部
(2)ワックス分散品 8.55部
上記(1)と(2)の分散溶液にポリマーグラフトカーボンブラックを以下の配合比で添加し、約15分間分散を行う。
(1)+(2)分散溶液 12.55部
ポリマーグラフトカーボンブラック 1.27部
上記手順で作成した画像形成材料を、100μmポリエチレンテレフタレート基板上に、ワイヤーバー0.45mmを用い塗布し、110℃で10分間乾燥し、厚さ約10μmの記録層を作製した。
乾燥後の皮膜表面にハンドローラーで水無し用インキを付着させたところ、全面にインキ付着が認められた。また、記録層表面の接触角を測定したところ約50度を示し、親インキ性を示していることが認められたことから、親インキ性部材の一部が大気中に露出していることが明らかになった。
[実施例7]
まず下記組成(1)を有するシリコーンゴム組成物を調合し、ワックス分散品(2)を用意する。
(1)シリコーンゴム組成物
ビニル基変性ポリジメチルシロキサン 14.12部
ポリメチルハイドロシロキサン 1.245部
白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体 0.079部
(以上旭化成ワッカーシリコーン社製、DEHESIVE953)
トルエン 30部
(2)ワックス分散品
ポリエチレン微粒子 10部
トルエン(岐阜セラック製造所製、FA−341−7) 90部
上記(1)の組成物、(2)の分散品を以下の配合比で混合、分散を約15分間行う。
(1)シリコーンゴム組成物 4部
(2)ワックス分散品 8.55部
上記(1)、(2)の分散溶液を分散後、アクリル系グラフトシリコーンを添加し約15分間分散を行った。
(1)+(2)分散液 12.55部
アクリル系グラフトシリコーン
(東亜合成化学、US−27、固形分=30%) 6.0部
上記手順で作成した画像形成材料を、100μmポリエチレンテレフタレート基板上に、ワイヤーバー0.45mmを用い塗布し、110℃で10分間乾燥し、厚さ約10μmの記録層を作製した。
乾燥後の皮膜表面にハンドローラーで水無し用インキを付着させたところ、全面にインキ付着が認められた。また、記録層表面の接触角を測定したところ約50度を示し、親インキ性を示していることが認められたことから、親インキ性部材の一部が大気中に露出していることが明らかになった。
[実施例8−1]
シリコーンゴム細成物(1)と熱可塑性微粒子分散物(2)を以下の処方で用意する。
(1)シリコーンゴム組成物
ビニル基変性ポリジメチルシロキサン 14.12部
ポリメチルハイドロシロキサン 1.245部
白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体 0.079部
(以上旭化成ワッカーシリコーン社製、DEHESIVE953)
トルエン 30部
(2)熱可塑性微粒子分散物
ポリプロピレン微粒子(融点=135℃、平均分子量=4000) 25部
トルエン(岐阜セラック製造所製、7020) 75部
上記(1)、(2)の組成物を以下の配合比で混合、分散を約15分間行う。
(1)シリコーンゴム組成物 7.2部
(2)熱可塑性微粒子分散物 4.56部
上記手順で作成した画像形成材料を、100μmポリエチレンテレフタレート基板上に、ワイヤーバー0.45mmを用い塗布し、120℃で10分間乾燥し、厚さ約10μmの記録層を作製した。
乾燥後の皮膜表面にハンドローラーで水無し用インキを付着させたところ、全面にインキ付着が認められた。また、記録層表面の接触角を測定したところ約50度を示し、親インキ性を示していることが認められたことから、親インキ性部材の一部が大気中に露出していることが明らかになった。
[実施例8−2]
シリコーンゴム組成物(1)と熱可塑性微粒子分散物(2)を以下の処方で用意する。
(1)シリコーンゴム組成物
ビニル基変性ポリジメチルシロキサン 14.12部
ポリメチルハイドロシロキサン 1.245部
白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体 0.079部
(以上旭化成ワッカーシリコーン社製、DEHESIVE953)
トルエン 30部
(2)熱可塑性微粒子分散物
ポリエチレン微粒子(融点=100℃、平均分子量=3000) 10部
トルエン(岐阜セラック製造所製、T−10P−3) 90部
上記(1)の組成物、(2)の分散品を以下の配合比で混合、分散を約15分間行う。
(1)シリコーンゴム組成物 4.5部
(2)ワックス分散品 7.12部
上記手順で作成した画像形成材料を、100μmポリエチレンテレフタレート基板上に、ワイヤーバー0.45mmを用い塗布し、90℃で10分間乾燥し、厚さ約10μmの記録層を作製した。
乾燥後の皮膜表面にハンドローラーで水無し用インキを付着させたところ、インキ付着は認められなかった。また、記録層表面の接触角を測定したところ約120度を示し、撥インキ性を示していることが認められたことから、親インキ性部材の一部が大気中に露出してはいないことが明らかになった。
[実施例9]
実施例6で作製した記録体の反射吸光度を測定したところ、0.5を示し、400nm〜900nmにおいてほぼフラットな吸収を示しており、効率良く光を熱に変換することが可能であることが確認できた。
[実施例10]
実施例1に記載の(1)の組成物、(2)の分散品を以下の配合比で混合、分散を約15分間行う。
(1)シリコーンゴム組成物 4部
(2)ワックス分散品 8.55部
上記(1)と(2)の分散溶液にポリマーグラフトカーボンブラックを以下の配合比で添加し、約15分間分散を行う。
(1)+(2)分散溶液 12.55部
ポリマーグラフトカーポンブラック 1.27部
上記手順で作成した画像形成材料を、100μmポリエチレンテレフタレート基板上に、ワイヤーバー0.45mmを用い塗布し、110℃で10分間乾燥し、厚さ約10μmの記録層形成して、記録体を作製した。
その記録体をレーザー記録装置(試作品)のドラムに固定し、LD出力=90mW、ドラム回転速度=67rpm、LDビーム直径=約20μmの記録条件でレーザー記録を行った。このときの画像パターンは、PC上で作製しレーザー記録装置に画像データを転送する。
レーザー記録後の記録層表面に粘着性部材を接触させたところ、溶融した親インキ性物質が付着し、脱離されていることが確認できた。また、市販水無し用オフセットインキをローラーにて付着させ、紙に転写したところネガ型の画像パターンが転写された。
[実施例11]
実施例1と同様に作製した記録層上に、以下の処方のカバーフィルムを塗布、硬化させ得る。
・カバーフィルム処方
ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂溶液[屈折率1.56,
大日本インキ化学工業社製ユニディックV9057固形分75%] 100部
シリコーンオイル[ビックケミーシジャパン製Byk−344] 1部
酢酸エチルル 50部
上記処方のカバーフィルムを実施例1に記載した処方及び手順で作製した記録層表面にワイヤーバーを用いて、塗布・乾燥後80W/cmの紫外線ランブで硬化させ、約3.0μm厚の力バーフィルムを設け記録体を作製した。
その記録体に600dpiのサーマルヘッドを用いて画像書きこみを行った。このときの画像パターンは、PC上で作製しレーザー記録装置に画像データを転送する。
サーマルヘッド記録後、カバーフィルムを脱離させたところ、溶融した親インキ性物質の一部も共に剥離した。これを、オフセット印刷機(ハマダ印刷機械、665CD)、市販水無し用オフセット、SOYインキ(大日本インキ製)を用い、500枚印刷を行ったところ、加熱部分が非画像部となるネガ型の印刷物、さらに地汚れが無く、鮮明な印刷物が得られた。
[実施例12]
実施例1に記載の(1)の組成物、(2)のワックス分散品を以下の配合比で混合、分散を約15分間行う。
(1)シリコーンゴム組成物 9部
(2)ワックス分散品 4.82部
上記(1)と(2)の分散溶液にポリマーグラフトカrボンブラックを以下の配合比で添加し、約15分間分散を行う。
(1)+(2)分散溶液 13.82部
ポリマーグラフトカーボンブラック 1.27部
上記手順で作成した画像形成材料を、100μmポリエチレンテレフタレート基板上に、ワイヤーバー0.45mmを用い塗布し、110℃で10分間乾燥し、厚さ約10μmの記録層を形成して、記録体を作製した。
この記録体をレーザー記録装置(試作品)のドラムに固定し、LD出力=90mW、ドラム回転速度=67rpm、LDビーム直径=約20μmの記録条件でレーザー記録を行った。このときの画像パターンは、PC上で作製しレーザー記録装置に画像データを転送する。
以上のように製版した記録体表面に粘着ローラーを接触させたところ、粘着ローラー表面に溶融した親インキ性部材が付着し、記録休から脱離されていた。
脱離させた記録体に、市販水無しオフセット用インキ(大日本インキ製)をローラーにて付着させたところ、未加熱部分にインキが付着し、加熱部分にはインキが付着しなかった。
さらに、市販オフセット印刷機(ハマダ665CD)にて500枚印刷を行ったところ、地汚れのない印刷物が得られた。
[実施例13]
実施例1に記載の(1)の組成物、(2)のワックス分散品を以下の配合比で混合、分散を約15分間行う。
(1)シリコーンゴム組成物 4部
(2)ワックス分散品 8.55部
上記(1)と(2)の分散溶液にポリマーグラフトカーボンブラックを以下の配合比で添加し、約15分間分散を行う。
(1)+(2)分散溶液 12.55部
ポリマーグラフトカーボンブラック 1.27部
上記手順で作成した画像形成材料を、100μmポリエチレンテレフタレート基板上に、ワイヤーバー0.45mmを用い塗布し、110℃で10分間乾燥し、厚さ約10μmの記録層を形成して、記録体を作製した。
その記録体をレーザー記録装置(試作品)のドラムに固定し、LD出力=90mW、トラム回転速度=67rpm、LDビーム直径=約20μmの記録条件でレーザ記録を行った。このときの画像パターンは、PC上で作製しレーザー記録装置に画像データを転送する。
以上のように製版した記録体表面にローラー表面に市販水無し用オフセット用インキを付着させ記録層表面に接触させたところ、ローラー表面に溶融した親インキ性部材が付着し、記録体から脱離されていた。
脱離させた記録体に、市販水無しオフセット用インキ(大日本インキ製)をローラーにて付着させたところ、未加熱部分にインキが付着し、加熱部分にはインキが付着しなかった。
さらに、市販オフセット印刷機(ハマダ665CD)にて500枚印刷を行ったところ、地汚れのない印刷物が得られた。
[実施例14]
実施例1に記載の(1)の組成物、(2)のワックス分散品を以下の配合比で混合、分散を約15分間行う。
(1)シリコーンゴム組成物 4部
(2)ワックス分散品 8.55部
上記(1)と(2)の分散溶液にポリマーグラフトカーボンブラックを以下の配合比で添加し、約15分間分散を行う。
(1)+(2)分散溶液 12.55部
ポリマーグラフトカーボンブラック 1.27部
上記手順で作成した画像形成材料を、100μmポリエチレンテレフタレート基板上に、ワイヤーバー0.45mmを用い塗布し、110℃で10分間乾燥し、厚さ約10μmの記録層を形成して、記録体を作製した。
その記録体をレーザー記録装置(試作品)のドラムに固定し、LD出力=90mW、ドラム回転速度=67rpm、LDビーム直径=約20μmの記録条件でレーザー記録を行った。このときの画像パターンは、PC上で作製しレーザー記録装置に画像データを転送する。
以上のように製版した記録体表面に粘着ローラを接触させ、溶融した親インキ性部材を脱離させた。記録層表面において、未加熱部分の静的な接触角は約50度を示し、加熱及び脱離部分は約120度を示した。即ち、レーザーによる製版が可能であることが確認できた。
本発明の記録体(版材)に製版が施されて平版印刷版が得られることの説明図である。

Claims (5)

  1. 基板と、該基板上に設けられた親インキ性部材及び撥インキ部材からなる記録層とで構成され、且つ、該記録層の表面近傍にて該親インキ性部材の一部が大気中に露出している記録体の製版方法であって、
    画像情報に応じて熱又は電磁波を印加し、その後、記録層表面の親インキ性部材の溶融した一部を、記録層表面に粘着性部材を接触させることにより脱離することを特徴とする記録体の製版方法。
  2. 基板と、該基板上に設けられた親インキ性物質を含有した撥インキ性部材からなる記録層とで構成され、且つ、該記録層の表面近傍にて該親インキ性物質が大気中に露出している記録体の製版方法であって、
    画像情報に応じて熱又は電磁波を印加し、その後、記録層表面の親インキ性物質の溶融した一部を、記録層表面に粘着性部材を接触させることにより脱離することを特徴とする製版方法。
  3. 基板と、該基板上に設けられた親インキ性部材及び撥インキ部材からなる記録層とで構成され、且つ、該記録層の表面近傍にて該親インキ性部材の一部が大気中に露出している記録体の製版方法であって、
    画像情報に応じて熱又は電磁波を印加し、その後、記録層表面の親インキ性部材の溶融した一部を、記録層表面にインキを付着させることにより、該インキのタックにより脱離することを特徴とする記録体の製版方法。
  4. 基板と、該基板上に設けられた親インキ性物質を含有した撥インキ性部材からなる記録層とで構成され、且つ、該記録層の表面近傍にて該親インキ性物質が大気中に露出している記録体の製版方法であって、
    画像情報に応じて熱又は電磁波を印加し、その後、記録層表面の親インキ性物質の溶融した一部を、記録層表面にインキを付着させることにより、該インキのタックにより脱離することを特徴とする記録体の製版方法。
  5. 電磁波の波長が450nmから850nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製版方法。
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