JPH1038888A - 低密度リポ蛋白中のコレステロールの定量方法 - Google Patents
低密度リポ蛋白中のコレステロールの定量方法Info
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- JPH1038888A JPH1038888A JP9111944A JP11194497A JPH1038888A JP H1038888 A JPH1038888 A JP H1038888A JP 9111944 A JP9111944 A JP 9111944A JP 11194497 A JP11194497 A JP 11194497A JP H1038888 A JPH1038888 A JP H1038888A
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Abstract
テロールを簡便に分別定量する方法を提供すること。 【解決手段】 被検試料中の高密度リポ蛋白、超低密度
リポ蛋白及びカイロミクロン中のコレステロールを消去
する第1工程と、次いで、被検試料中の残存コレステロ
ールを定量する第2工程とから成る、低密度リポ蛋白、
高密度リポ蛋白、超低密度リポ蛋白及び/又はカイロミ
クロンを含むかもしれない被検試料中の低密度リポ蛋白
中のコレステロールの定量方法を提供した。
Description
診断に重要な低密度リポ蛋白(LDL)中のコレステロ
ール(以下、「LDLコレステロール」ということがあ
る。本明細書において単に「コレステロール」という場
合にはエステル型コレステロール及び遊離型コレステロ
ールの両者を包含する)の分別定量法に関する。
運搬の主役であり粥状動脈硬化において血管壁に沈着し
たコレステロールは主にLDLに由来している。血漿に
おけるLDLの増加は虚血性心疾患等の粥状硬化性疾患
の主要な危険因子の1つであり、LDLコレステロール
を分別定量することは臨床的に有用である。
分画操作とコレステロール定量操作の2段階から求める
方法と血中の総コレステロール、HDL中のコレステロ
ール、トリグリセリドをそれぞれに求めるFriede
waldの式により算出する方法がある。
学的方法等がある。超遠心法を用いる場合には、比重の
差を利用して超遠心分離機によりLDLを分離し、その
コレステロール量を測定するものである。沈殿法はHD
L抗体、ポリアニオン及び2価の陽イオンを添加し、不
溶性沈殿物を生成させて遠心分離により上清中のLDL
コレステロールを定量する方法(WPI Acc No.85-116848
/20)である。免疫化学的方法はHDL、VLDL、CM
に対する抗体をラテックスに結合させ、凝集反応後に遠
心又はフィルタにより取り除き、LDLコレステロール
を定量する方法(WPI Acc No.84-301275/49)が報告され
ているが、いずれも簡便性や経済性に問題がある。
ロールからHDLコレステロールを引き、さらにトリグ
リセリドの1/5量を引きLDLコレステロールを求め
る。しかし、食事の影響や個体差を加味していないため
正確性に問題がある。
ステロールの定量法(WPI Acc No.83-766269/38)が報告
されているが、LDLに対する特異性が不十分である。
な遠心分離操作を要せず、LDLコレステロールを簡便
に分別定量する方法を提供することである。
で低密度リポ蛋白中のコレステロール以外のコレステロ
ールを消去し、続く第2工程において残存するコレステ
ロールを測定することにより、低密度リポ蛋白中のコレ
ステロールを定量することができることを見出し本願第
2の発明を完成した。
リポ蛋白、超低密度リポ蛋白及びカイロミクロン中のコ
レステロールを消去する第1工程と、次いで、被検試料
中の残存コレステロールを定量する第2工程とから成
る、低密度リポ蛋白、高密度リポ蛋白、超低密度リポ蛋
白及び/又はカイロミクロンを含むかもしれない被検試
料中の低密度リポ蛋白中のコレステロールの定量方法を
提供する。
ールとしては、エステル型コレステロール(コレステロ
ールエステル)及び遊離型コレステロールがある。本明
細書において、単に「コレステロール」という場合に
は、これらの両者を包含する。
は、HDL、LDL、VLDL及びCM等のリポ蛋白を
含むかもしれない試料であればいずれのものでもよく、
例えば、血液、血清、血漿等の体液やその希釈物を挙げ
ることができるがこれらに限定されるものではない。
ら成り、第1工程では被検試料中のHDL、VLDL及
びCM中のコレステロールを消去し、続く第2工程で
は、被検試料中の残存コレステロールを定量する。第1
工程でHDL、VLDL及びCM中のコレステロールが
消去されているので、第2工程で定量されるコレステロ
ールは、主として被検試料中のLDL中のコレステロー
ルである。
ロールを分解し、かつ、その分解産物が次の第2工程で
検出されないようにすることを意味する。LDL以外の
リポ蛋白、すなわち、HDL、VLDL、CM等に含ま
れるコレステロールを選択的に消去する方法としては以
下の方法を挙げることができる。
に作用する界面活性剤の存在下において、コレステロー
ルエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼを作用
させ、生じた過酸化水素を消去する。
ラーゼを作用させて水と酸素に分解する方法、及びペル
オキシダーゼを用いてフェノール系又はアニリン系水素
供与体化合物と過酸化水素を反応させて無色キノンに転
化する方法を挙げることができるが、これらに限定され
るものではない。
テラーゼ濃度は0.2〜1.0U/ml程度が好まし
く、由来としてはシュードモナス属細菌から生成される
ものが効果的である。また、コレステロールオキシダー
ゼの濃度は0.1〜 0.7U/ml程度が好ましく、
細菌や酵母由来のものを用いることが好ましい。さら
に、カタラーゼの濃度は40〜100U/ml程度が好
ましい。また、過酸化水素を無色キノンへ転化する場合
のペルオキシダーゼの濃度は0.4〜1.0U/mlが
好ましく、フェノール系又はアニリン系水素供与体化合
物の濃度としては0.4〜0.8mmol/Lが好まし
い。
蛋白に作用する界面活性剤の好ましい例として、HLB
値が13以上15以下、好ましくは13以上14以下で
あるポリアルキレンオキサイド誘導体を挙げることがで
きる。誘導体の例としては高級アルコール縮合物、高級
脂肪酸縮合物、高級脂肪酸アミド縮合物、高級アルキル
アミン縮合物、高級アルキルメルカプタン縮合物、アル
キルフェノール縮合物を挙げることができる。なお、界
面活性剤のHLB算出方法は周知であり、例えば「新界
面活性剤」、堀内博著、昭和61年、三共出版に記載さ
れている。
レンオキサイド誘導体の好ましい具体例としては、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
セチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテ
ル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリ
オキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル等でHLB値が13以
上15以下の化合物を挙げることができるがこれらに限
定されるものではない。
して陽イオン界面活性剤を用いることもできる。この場
合の陽イオン界面活性剤としては、下記一般式(I)で
示される、第4級アンモニウム塩を親水基として有する
ものが好ましい。
直鎖状のアルキル基を示し、R1 は炭素数3〜20のア
ルケニル基を示す。
度は、0.1〜10g/l程度が好ましく、さらに好ま
しくは0.5〜5.0g/l程度である。
ことが好ましく、緩衝液としてはトリス、トリエタノー
ルアミン、グットの緩衝液等のアミンを含む緩衝液が好
ましい。特にグット緩衝液であるBis−Tris、P
IPES、MOPSO、BES、HEPES及びPOP
SOが好ましく、緩衝液の濃度は10〜500mM程度
が好ましい。
リポ蛋白の消去をさらに高めるために、反応液中に2価
の金属イオンを含ませてもよい。2価の金属イオンとし
ては銅イオン、鉄イオン及びマグネシウムイオンを使用
することができるが、特にマグネシウムイオンが好まし
い。2価の金属イオンの濃度は5〜200mM程度が好
ましい。
に、リポ蛋白分解酵素を加えることもできる。この酵素
を加えることにより、特にVLDL中のコレステロール
が反応しやすくなるので好ましい。この酵素の反応液中
濃度は、5.0〜10.0U/ml程度が好ましい。
適当であり、37℃が最も好ましい。また、反応時間は
2〜10分間程度でよい。
ステロールを定量する。これは、例えば、少なくともL
DLに作用する界面活性剤を加え、第1工程で加えたコ
レステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダ
ーゼの作用により生じた過酸化水素を定量することによ
り行なうことができる。ここで、少なくともLDLに作
用する界面活性剤は、LDLのみに選択的に作用する界
面活性剤でもよいし、全てのリポ蛋白に作用する界面活
性剤であってもよい。
ましい例として、HLB値が11以上13未満、好まし
くは12以上13未満であるポリアルキレンオキサイド
誘導体を挙げることができる。誘導体の例としては高級
アルコール縮合物、高級脂肪酸縮合物、高級脂肪酸アミ
ド縮合物、高級アルキルアミン縮合物、高級アルキルメ
ルカプタン縮合物、アルキルフェノール縮合物を挙げる
ことができる。
レンオキサイド誘導体の好ましい具体例として、ポリオ
キシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセ
チルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、
ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキ
シエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル等でHLB値が11以上1
3未満の化合物を挙げることができるがこれらに限定さ
れるものではない。
活性剤として、陰イオン界面活性剤を挙げることができ
る。ここで用いられる陰イオン界面活性剤としては、特
に限定されないが、芳香環に炭素数4〜18の直鎖状又
は分枝状アルキル基が結合したものを有するものが好ま
しい。ここで、芳香環は、ベンゼン、ナフタレン、ジフ
ェニール等のように炭素と水素のみから成るものが好ま
しい。さらに、上記芳香環にスルホン酸塩のような親水
基が結合したものが好ましい。このような好ましい陰イ
オン界面活性剤の例を下記式(II)ないし(VI)に示
す。
素数4〜18の直鎖状又は分枝状アルキル基を示す。ま
た、第2工程で用いられる好ましい陰イオン界面活性剤
として、高級アルコール硫酸ナトリウム等を挙げること
ができる。
は、0.1〜100g/l程度が好ましく、さらに好ま
しくは1〜50g/l程度である。
第1工程における好ましい反応条件と同様である。
に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定され
るものではない。
したHDL、LDL、VLDL、CMをそれぞれ含む4
種類の試料各4 μl に、あらかじめ37℃で加温した第1
試薬300 μl を混和し、37℃で5 分間反応させた後に、
第2試薬100 μl を加え5 分間反応させ、600nm におけ
る吸光度を測定した。測定された吸光度からコレステロ
ール量を算出し、試料中のコレステロール量との比を計
算して捕捉率を求めた。結果を下記表1に示す。
ば、LDL中のコレステロールはかなりの部分について
捕らえているが、それ以外のリポ蛋白中コレステロール
はほとんど捕らえておらず、LDL中コレステロールを
選択的に定量できることがわかる。
の反応性を求めた。結果を下記表2に示す。
い、LDLコレステロール濃度を求めた。対照法として
Friedewaldの計算式(CLIN.CHEM.、41、141
4、1995)を用いて血清中のLDLコレステロール濃度
を求めた。その結果を図1及び図2の相関図として示し
た。
よる定量結果は非常によく一致しており、本発明の方法
により正確にLDL中のコレステロールが定量できるこ
とが明らかになった。
試薬180μlを混和し、37℃で5分間反応させた後
に、第2試薬を60μl加え5分間反応させ600nm
における吸光度を測定した。
との関係を示すもので、HDL、VLDL及びCM存在
下においてもLDLコレステロールを特異的かつ濃度依
存的に測定できることを示している。
レステロール濃度を求めた。対照法としてFriedewaldの
計算式(CLIN.CHEM.,41,1414,1995)を用いて血清中のL
DLコレステロール濃度を求めた。その結果を表3に示
す。表3に示すように、本発明の方法による結果はFrie
dwald の計算式による結果と良好な相関を示した。
せず簡便にLDLコレステロールを分別定量する方法が
提供された。
結果と、Friedewald算出値との相関関係を示す図であ
る。
結果と、Friedewald算出値との相関関係を示す図であ
る。
存在下及び存在下におけるLDLコレステロール濃度と
本発明の方法により測定された吸光度との相関関係を示
す図である。
Claims (14)
- 【請求項1】 被検試料中の高密度リポ蛋白、超低密度
リポ蛋白及びカイロミクロン中のコレステロールを消去
する第1工程と、次いで、被検試料中の残存コレステロ
ールを定量する第2工程とから成る、低密度リポ蛋白、
高密度リポ蛋白、超低密度リポ蛋白及び/又はカイロミ
クロンを含むかもしれない被検試料中の低密度リポ蛋白
中のコレステロールの定量方法。 - 【請求項2】 前記第1工程は、低密度リポ蛋白以外の
リポ蛋白に作用する界面活性剤の存在下において、コレ
ステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダー
ゼを作用させ、生じた過酸化水素を消去することから成
る、請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 前記第2工程は、前記第1工程の産物
に、少なくとも低密度リポ蛋白に作用する界面活性剤を
加え、前記コレステロールエステラーゼ及びコレステロ
ールオキシダーゼの作用により生じた過酸化水素を定量
することから成る、請求項2記載の方法。 - 【請求項4】 前記少なくとも低密度リポ蛋白と作用す
る界面活性剤は、全てのリポ蛋白に作用するものである
請求項3記載の方法。 - 【請求項5】 前記第1工程で用いられる、低密度リポ
蛋白以外のリポ蛋白に作用する界面活性剤は、HLB値
が13以上15以下であるポリアルキレンオキサイド誘
導体である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方
法。 - 【請求項6】 前記第2工程で用いられる、全てのリポ
蛋白に作用する界面活性剤は、HLB値が11以上13
未満であるポリアルキレンオキサイド誘導体である請求
項4記載の方法。 - 【請求項7】 前記第1工程で用いられる、低密度リポ
蛋白以外のリポ蛋白に作用する界面活性剤は陽イオン界
面活性剤である、請求項2記載の方法。 - 【請求項8】 前記陽イオン界面活性剤は第4級アンモ
ニウム塩を有する請求項7記載の方法。 - 【請求項9】 前記第2工程で用いられる、少なくとも
低密度リポ蛋白に作用する界面活性剤は陰イオン界面活
性剤である請求項3記載の方法。 - 【請求項10】 前記第1工程は、前記界面活性剤濃度
を0.1〜10g/lとして行われる請求項2ないし9
のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項11】 前記第2工程は、HLB値が11以上
13未満である前記ポリオキシアルキレン誘導体又は前
記陰イオン界面活性剤の濃度を1〜100g/lとして
行われる請求項6又は9記載の方法。 - 【請求項12】 前記第1及び第2の工程は、pH5〜
8の緩衝液中で行なわれる請求項1ないし11のいずれ
か1項に記載の方法。 - 【請求項13】 前記緩衝液はアミンを含む請求項12
記載の方法。 - 【請求項14】 上記第1及び第2工程は、温度25〜
40℃で行なう請求項1ないし13のいずれか1項に記
載の方法。
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