JP5112861B2 - 高密度リポ蛋白中のコレステロールの測定方法 - Google Patents

高密度リポ蛋白中のコレステロールの測定方法 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、検体中の高密度リポ蛋白中のコレステロールの測定方法、測定用試薬および測定用キットに関する。
【背景技術】
【0002】
生体中リポ蛋白は、その比重により高密度リポ蛋白(以下、HDLと略記する)、低密度リポ蛋白(以下、LDLと略記する)、超低密度リポ蛋白(以下、VLDLと略記する)、カイロミクロン(以下、CMと略記する)に分類されており、それぞれ主にアポ蛋白の種類の違いによって生体中での働きが大きく異なっており、脂質組成もさまざまである。その中で、HDLは、動脈壁を含めた各組織からコレステロールを受け取るために細胞内に蓄積したコレステロールの除去作用に関係し、冠動脈硬化症をはじめとする各種動脈硬化症の危険予防因子であり、その血中レベルは動脈硬化性疾患の発症予知の有用な指針となることが知られている。
【0003】
従来のHDL中のコレステロール(以下、HDLコレステロールと略記する)の測定法は、超遠心法、免疫化学的方法、電気泳動法、沈殿法等による分画操作とコレステロール定量操作の2段階からなる。しかしながら、分画操作は、操作が煩雑であり、長時間を要するものであり、また、安全性の点でも問題があった。従って、これらの分離操作を伴う測定法は極めて効率が悪く、実用化に適さない方法であった。
【0004】
近年、上記の問題を解決するために、種々の測定法が報告されている。例えば、血清または血漿を、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、および、胆汁酸塩または胆汁酸誘導体またはジオクチルスルホサクシネートを含有する緩衝液中で当該酵素と反応させ、VLDLおよびLDL中のコレステロールをHDLコレステロールに先駆けて反応させ、生成した過酸化水素を測定した後、非イオン系のポリオキシエチレンオキシド基含有界面活性剤を反応液に添加し、HDLコレステロールと当該酵素とを反応させ、HDLコレステロールを特異的に分別定量する方法(特許文献1参照)、血清を、特定のpHおよび特定の温度の下、膵臓由来のコレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、胆汁酸群の界面活性剤、および、非イオン系界面活性剤を含有する緩衝液中で当該酵素と反応させることによりHDLコレステロールを測定する方法(特許文献2参照)が知られている。特許文献2に記載の測定法では、まず、LDLコレステロールと当該酵素との反応が進行し、次いで、HDLコレステロールと当該酵素との反応が進行し、HDLコレステロールの測定が可能となる。しかしながら、これらの測定法は、測定に長時間を要し、また、必ずしも、HDLコレステロールに特異的な測定法ではなかった。
【0005】
HDL以外のリポ蛋白を凝集させてHDLコレステロールを測定する方法としては、例えばデキストラン硫酸等のHDL以外のリポ蛋白を凝集させる試薬、2価の金属塩、および、化学的に修飾された酵素を用いる測定法(特許文献3参照)、ポリアニオン等のHDL以外のリポ蛋白と複合体を形成する試薬と、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物等のリポ蛋白を溶解しない界面活性剤とを用いる測定法(特許文献4参照)、デキストラン硫酸等のポリアニオン、2価の金属塩、特定の非イオン性界面活性剤および試料由来のアルブミンとは別異のアルブミンとを用いる測定法(特許文献5参照)、血清または血漿を、リポ蛋白分画剤(デキストラン硫酸等のポリアニオンとマグネシウムイオン等の2価陽イオンとの組み合わせ)を含む溶液で処理し、得られた混合液を固体および液体の分離処理することなく、アニオン性界面活性剤(アルキルスルホン酸または胆汁酸もしくはその誘導体)の存在下に、コレステロールエステラーゼおよびコレステロールオキシダーゼと反応させ、生成した過酸化水素を測定することを特徴とする血清または血漿中のHDLコレステロールを測定する方法(特許文献6参照)等が知られている。
【0006】
しかしながら、これらのHDL以外のリポ蛋白を凝集させるHDLコレステロール測定法においては、従来の基準法と良好な相関性があるものの、反応で生成する凝集物による濁りに起因する不正確性、反応セルのアルカリ洗浄の際に、反応液中の金属塩との反応で生成する金属水酸化物の析出による自動分析装置への過度の負荷等の問題がある。
HDL以外のリポ蛋白を凝集させずにHDLコレステロールを測定する方法としては、例えば生体試料と、膵臓由来のコレステロールエステラーゼおよびコレステロールオキシダーゼとを、胆汁酸もしくはその塩およびアルブミン存在下に反応させ、当該酵素反応により消費または生成する化合物を測定することによる生体試料中のHDLコレステロールの測定方法(特許文献7参照)、HDL画分に対して反応選択性をもつHLB値が16以上の非イオン性界面活性剤の存在下に、検体と、HDL画分に優先的に作用するリポプロテインリパーゼおよび/またはコレステロールエステラーゼならびにコレステロール酸化酵素とを反応させて、検体中のHDLコレステロールを測定する方法(特許文献8参照)等が知られている。また、アシルポリオキシエチレンソルビタンエステルによりHDL以外のリポ蛋白中のコレステロールを優先的に過酸化水素へ変換し、生成した過酸化水素を消去した後、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの添加により、HDLコレステロールを酵素的に測定する方法(特許文献9参照)も知られている。
【0007】
しかしながら、これらのHDL以外のリポ蛋白を凝集させないHDLコレステロールの測定法においては、HDL以外のリポ蛋白中コレステロールの不完全な消去や、HDL以外のリポ蛋白中のコレステロールに対する非特異反応に起因する測定値の不正確性が問題となる場合がある。
また、HDL以外のリポ蛋白を凝集させないHDLコレステロールの測定法として、検体と、i)コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、または、ii)コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素およびコレステロール脱水素酵素とを、非イオン性界面活性剤、ポリアニオンおよびアルブミンを含有する水性媒体中で反応させ、生成した過酸化水素または還元型補酵素を測定することを特徴とする検体中のHDLコレステロールの測定方法(特許文献10参照)や、検体と、コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、または、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素およびコレステロール脱水素酵素とを、胆汁酸誘導体を含有する水性媒体中で反応させ、生成した過酸化水素または還元型補酵素を測定することを特徴とするHDLコレステロールの測定方法(特許文献11参照)が知られている。
【特許文献1】
特開昭62−69999号公報
【特許文献2】
特開昭63−126498号公報
【特許文献3】
特開平8−131197号公報
【特許文献4】
特開平8−201393号公報
【特許文献5】
特開平9−285298号公報
【特許文献6】
特開平8−116996号公報
【特許文献7】
国際公開第97/40376号パンフレット
【特許文献8】
国際公開第00/52480号パンフレット
【特許文献9】
特開平9−299号公報
【特許文献10】
国際公開第2004/035816号パンフレット
【特許文献11】
国際公開第2004/035817号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、簡便で、かつ、正確な測定ができるHDLコレステロールの測定方法、測定用試薬および測定用キットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討し、アミンまたはアンモニウム塩の構造を有する特定の含窒素界面活性剤およびポリアニオンの共存下、コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素もしくはコレステロール脱水素酵素がHDLに特異的に作用するという知見を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(13)に関する。
(1)検体と、i)コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、または、ii)コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素およびコレステロール脱水素酵素とを、一般式(I)
【0010】
【化1】
Figure 0005112861
【0011】
(式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、Rは、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ直鎖または分枝状の炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を表し、Xは陰イオンを表す)で表される物質、および、一般式(II)
【0012】
【化2】
Figure 0005112861
【0013】
(式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表す)で表される物質からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、ならびに、ポリアニオンを含有する水性媒体中で反応させ、生成した過酸化水素または還元型補酵素を測定することを特徴とする検体中の高密度リポ蛋白中のコレステロールの測定方法。
(2)水性媒体が、さらにアルブミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンからなる群より選ばれる少なくとも一つの物質を含有する前記(1)記載の方法。
(3)ポリアニオンが、デキストラン硫酸またはその塩である前記(1)または(2)記載の方法。
(4)一般式(I)
【0014】
【化3】
Figure 0005112861
【0015】
(式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、Rは、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ直鎖または分枝状の炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を表し、Xは陰イオンを表す)で表される物質、および、一般式(II)
【0016】
【化4】
Figure 0005112861
【0017】
(式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表す)で表される物質からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、ポリアニオン、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、および、過酸化水素測定用試薬を含有することを特徴とする高密度リポ蛋白中のコレステロール測定用試薬。
(5)一般式(I)
【0018】
【化5】
Figure 0005112861
【0019】
(式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、Rは、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ直鎖または分枝状の炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を表し、Xは陰イオンを表す)で表される物質、および、一般式(II)
【0020】
【化6】
Figure 0005112861
【0021】
(式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表す)で表される物質からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、ポリアニオン、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール脱水素酵素、および、酸化型補酵素を含有することを特徴とする高密度リポ蛋白中のコレステロール測定用試薬。
(6)さらに、還元型補酵素測定用試薬を含有する前記(5)記載の試薬。
(7)さらに、アルブミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンからなる群より選ばれる少なくとも一つの物質を含有する前記(4)〜(6)のいずれかに記載の試薬。
(8)ポリアニオンが、デキストラン硫酸またはその塩である前記(4)〜(7)のいずれかに記載の試薬。
(9)第一試薬および第二試薬を含有する高密度リポ蛋白中のコレステロール測定用キットであって、一般式(I)
【0022】
【化7】
Figure 0005112861
【0023】
(式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、Rは、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ直鎖または分枝状の炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を表し、Xは陰イオンを表す)で表される物質、および、一般式(II)
【0024】
【化8】
Figure 0005112861
【0025】
(式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表す)で表される物質からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、および、ポリアニオンを第一試薬に含有し、コレステロール酸化酵素を第二試薬に含有し、過酸化水素測定用試薬を第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有し、コレステロールエステル加水分解酵素を第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有することを特徴とするキット。
(10)第一試薬および第二試薬を含有する高密度リポ蛋白中のコレステロール測定用キットであって、一般式(I)
【0026】
【化9】
Figure 0005112861
【0027】
(式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、Rは、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基、または、炭素数2〜30のアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ直鎖または分枝状の炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を表し、Xは陰イオンを表す)で表される物質、および、一般式(II)
【0028】
【化10】
Figure 0005112861
【0029】
(式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表す)で表される物質からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、および、ポリアニオンを第一試薬に含有し、コレステロール脱水素酵素を第二試薬に含有し、酸化型補酵素を第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有し、コレステロールエステル加水分解酵素を第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有することを特徴とするキット。
(11)さらに、還元型補酵素測定用試薬を、第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有する前記(10)記載のキット。
(12)さらに、アルブミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンからなる群より選ばれる少なくとも一つの物質を第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有する前記(9)〜(11)のいずれかに記載のキット。
(13)ポリアニオンが、デキストラン硫酸またはその塩である前記(9)〜(12)のいずれかに記載のキット。
【発明の効果】
【0030】
本発明により、簡便で、かつ、正確なHDLコレステロールの測定方法、測定用試薬、および、測定用キットが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明のHDLコレステロールの測定方法は、HDL以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去することなく、かつ、HDL以外のリポ蛋白中のコレステロールを凝集させることなく、HDLコレステロールを測定する方法である。
本発明の測定方法において用いられる検体としては、例えば全血、血漿、血清、髄液、唾液、羊水、尿、汗、膵液等が挙げられるが、血漿および血清が好ましい。
【0032】
本発明におけるコレステロールエステル加水分解酵素としては、コレステロールエステルを加水分解する能力を有する酵素であれば特に限定はなく、例えば動物、植物または微生物由来のコレステロールエステラーゼ、リポプロテインリパーゼの他、遺伝子工学的な手法により製造されるコレステロールエステラーゼ、リポプロテインリパーゼ等も用いることができる。
【0033】
コレステロールエステル加水分解酵素としては、無修飾のコレステロールエステル加水分解酵素も、化学的に修飾されたコレステロールエステル加水分解酵素も使用することができる。また、コレステロールエステル加水分解酵素としては市販品を使用することもできる。
市販されているコレステロールエステル加水分解酵素としては、コレステロールエステラーゼ“Amano”2(CHE2;天野エンザイム社製)、コレステロールエステラーゼ“Amano”3(CHE3;天野エンザイム社製)、リポプロテインリパーゼ(LPL311;東洋紡製社製)、リポプロテインリパーゼ“Amano”3(LPL3;天野エンザイム社製)、43kDaエステラーゼ(天野エンザイム社製)、40kDaエステラーゼ(天野エンザイム社製)、EST“Amano”2(天野エンザイム社製)、コレステロールエステラーゼ[COE313(化学的に修飾されたコレステロールエステラーゼ);東洋紡績社製]等が挙げられる。また、本発明においては、2種類以上のコレステロールエステル加水分解酵素を組み合わせて用いることもできる。
【0034】
コレステロールエステル加水分解酵素の化学修飾において当該酵素を修飾する基(化学修飾基)としては、例えばポリエチレングリコールを主成分とする基、ポリプロピレングリコールを主成分とする基、ポリプロピレングリコールとポリエチレングリコールの共重合体を有する基、水溶性多糖類を含有する基、スルホプロピル基、スルホブチル基、ポリウレタン基、キレート機能を有する基等が挙げられるが、ポリエチレングリコールを主成分とする基が好ましい。水溶性多糖類としては、例えばデキストラン、プルラン、可溶性デンプン等が挙げられる。
【0035】
コレステロールエステル加水分解酵素を化学的に修飾するための試薬(化学修飾剤)としては、上記の化学修飾基と、酵素のアミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基等と反応し得る官能基または構造とを併せ持つ化合物等が挙げられる。酵素中のアミノ基と反応し得る官能基または構造としては、例えばカルボキシル基、活性エステル基(N−ヒドロキシサクシンイミド基等)、酸無水物、酸塩化物、アルデヒド、エポキシド基、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン等が挙げられる。酵素中のカルボキシル基と反応し得る官能基または構造としては、例えばアミノ基等が挙げられる。酵素中のスルフヒドリル基と反応性がある基または構造としては、例えばマレイミド基、ジスルフィド、α−ハロエステル(α−ヨードエステル等)等が挙げられる。
【0036】
化学修飾剤として、市販品を使用することもできる。市販されている化学修飾剤としては、ポリエチレングリコールを主成分とする基とN−ヒドロキシサクシンイミド基とを有するサンブライトVFM−4101、サンブライトME−050AS、サンブライトDE−030AS(いずれも日本油脂社製)、ポリアルキレングリコールを主成分とする基と酸無水物構造とを有するサンブライトAKMシリーズ(例えば、サンブライトAKM−1510等)、サンブライトADMシリーズ、サンブライトACMシリーズ(いずれも日本油脂社製)、ポリエチレングリコールを主成分とする基とエポキシド基とを有するEPOX−3400、M−EPOX−5000(いずれもSheawaterPolymers社製)、キレート機能を有する基と酸無水物構造とを有するジエチレントリアミン−N,N,N’,N’’,N’’−ペンタ無水二酢酸(DTPA anhydride;同仁化学社製)等が挙げられる。
【0037】
コレステロールエステル加水分解酵素の化学修飾は、例えば以下の方法で行うことができるが、本方法に限定されるものではない。まず、コレステロールエステル加水分解酵素をpH8.0以上の緩衝液(例えばHEPES緩衝液)に溶解し、0〜55℃で0.01〜500倍モル量の化学修飾剤を添加し、5分間〜5時間攪拌する。実際の酵素反応においては、化学的に修飾されたコレステロールエステル加水分解酵素として、この反応液そのもののみならず、必要に応じて限外濾過膜等により未反応の化学修飾剤等を除去したものも、使用することもできる。
【0038】
本反応の方法に用いられるコレステロールエステル加水分解酵素の濃度としては、本発明のHDLコレステロールの測定を可能とする濃度であれば特に制限はないが、反応液中で0.01〜400U/mLの濃度であることが好ましく、0.02〜200U/mLであることがより好ましい。
本発明におけるコレステロール酸化酵素としては、コレステロールを酸化して過酸化水素を生成する能力を有する酵素であれば特に制限はなく、例えば動物、植物または微生物由来のコレステロールオキシダーゼの他、遺伝子工学的な手法により製造されるコレステロールオキシダーゼ等も用いることができ、コレステロールオキシダーゼ“Amano”1(CHOD1;天野エンザイム社製)、コレステロールオキシダーゼ(CHOPE;キッコーマン社製)、コレステロールオキシダーゼ(COO321;東洋紡績社製)、コレステロールオキシダーゼ協和(協和醗酵社製)等の市販品を用いることもできる。また、本発明においては、2種類以上のコレステロール酸化酵素を組み合わせて用いることもできる。
【0039】
コレステロール酸化酵素は、無修飾の酵素であっても、化学的に修飾された酵素であってもよい。化学的に修飾されたコレステロール酸化酵素は、例えば前述の化学修飾剤を用いて、前述の化学修飾方法により作製することができる。
本反応の方法に用いられるコレステロール酸化酵素の濃度としては、本発明のHDLコレステロールの測定を可能とする濃度であれば特に制限はないが、反応液中で0.01〜400U/mLの濃度であることが好ましく、0.02〜200U/mLの濃度であることがより好ましい。
【0040】
本発明におけるコレステロール脱水素酵素としては、酸化型補酵素の存在下にコレステロールを酸化して還元型補酵素を生成する能力を有する酵素であれば特に制限はなく、例えば動物、植物または微生物由来のコレステロールデヒドロゲナーゼの他、遺伝子工学的な手法により製造されるコレステロールデヒドロゲナーゼ等も用いることができる。コレステロールデヒドロゲナーゼ“Amano”5(CHDH5;天野エンザイム社製)等の市販品を用いることもできる。また、本発明においては、2種類以上のコレステロール脱水素酵素を組み合わせて用いることもできる。コレステロール脱水素酵素は、無修飾の酵素であっても、化学的に修飾された酵素であってもよい。化学的に修飾されたコレステロール脱水素酵素は、例えば前述の化学修飾剤を用いて、前述の化学修飾方法により作製することができる。
【0041】
本反応の方法に用いられるコレステロール脱水素酵素の濃度としては、本発明のHDLコレステロールの測定を可能とする濃度であれば特に制限はないが、反応液中で0.01〜400U/mLの濃度であることが好ましく、0.02〜200U/mLの濃度であることがより好ましい。
本発明のコレステロール脱水素酵素を用いた測定法においては、酸化型補酵素が使用される。酸化型補酵素としては、例えばNAD、NADP、thio−NAD、thio−NADP等が挙げられる。
【0042】
本発明においては、ポリアニオンと共に、一般式(I)
【0043】
【化11】
Figure 0005112861
【0044】
(式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、Rは、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ直鎖または分枝状の炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を表し、Xは陰イオンを表す)で表される物質[以下、化合物(I)という]、または、一般式(II)
【0045】
【化12】
Figure 0005112861
【0046】
(式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表す)で表される物質[以下、化合物(II)という]が使用される。
化合物(I)および化合物(II)における直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基としては、例えばヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、ノナデシル、イコシル、ヘネイコシル、ドコシル(ベヘニル)、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンシル等の基が挙げられ、炭素数8〜24のアルキル基であることが好ましく、炭素数10〜18のアルキル基であることがより好ましい。
【0047】
化合物(I)および化合物(II)における直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルケニル基としては、例えばヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、シトロネリル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オレイル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘンエイコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、ペンタコセニル、ヘキサコセニル、ヘプタコセニル、オクタコセニル、ノナコセニル、トリアコンテニル等が挙げられ、炭素数8〜24のアルケニル基であることが好ましく、炭素数10〜18のアルケニル基であることがより好ましい。
【0048】
化合物(I)および化合物(II)における直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、ノナデシル、イコシル、ヘネイコシル、ドコシル(ベヘニル)、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンシル等が挙げられ、炭素数1〜24のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜18のアルキル基であることがより好ましい。
【0049】
化合物(I)および化合物(II)における直鎖または分枝状の炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられ、メチル、エチル、プロピル基のいずれかであることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
化合物(I)および化合物(II)における直鎖または分枝状の炭素数2〜30のアルケニル基としては、例えばビニル、プロペニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、シトロネリル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オレイル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘンエイコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、ペンタコセニル、ヘキサコセニル、ヘプタコセニル、オクタコセニル、ノナコセニル、トリアコンテニル等が挙げられ、炭素数2〜24のアルケニル基であることが好ましく、炭素数2〜18のアルケニル基であることがより好ましい。
【0050】
化合物(I)および化合物(II)における直鎖または分枝状の炭素数2〜6のアルケニル基としては、例えばビニル、プロペニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル等が挙げられ、ビニル、プロペニル基のいずれかであることが好ましく、ビニル基であることがより好ましい。
化合物(I)における陰イオンとしては、例えば水酸イオン、ハロゲンイオン、無機酸由来の陰イオン、有機酸由来の陰イオン等があげられる。ハロゲンイオンとしては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等が挙げられる。無機酸由来の陰イオンとしては、例えば硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、炭酸イオン等が挙げられる。有機酸由来の陰イオンとしては、例えばギ酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、クエン酸イオン、グルタミン酸イオン等のカルボン酸イオン等が挙げられる。
【0051】
なお、一般式(I)において、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、Rは、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表し、RおよびRが共にメチルを表し、Xは陰イオンを表す化合物が好ましい。
化合物(I)の具体例(製品)としては、例えばカチオンAB、カチオンBB、カチオン2ABT、カチオン2DB−500E、カチオン2−OLR(いずれも日本油脂社製)等が挙げられる。化合物(II)の具体例(製品)としては、例えばアミンBB、アミンAB、アミン2−OLR、3級アミンBB、3級アミンFB(いずれも日本油脂社製)等が挙げられる。
【0052】
化合物(I)または化合物(II)の濃度としては、本発明のHDLコレステロールの測定を可能とする濃度であれば特に制限はないが、反応液中の濃度が0.0001〜1%であることが好ましく、0.001〜0.1%がより好ましい。
本発明において用いられるポリアニオンとしては、本発明のHDLコレステロールの測定を可能とするポリアニオンであれば特に制限はなく、例えばデキストラン硫酸もしくはその塩、ヘパリンもしくはその塩、リンタングステン酸またはその塩、硫酸化シクロデキストリンまたはその塩、硫酸化オリゴ糖またはその塩等が挙げられるが、デキストラン硫酸もしくはその塩が好ましい。デキストラン硫酸としては、例えば分子量が4万、8万、20万、50万、100万、200万等のデキストラン硫酸が挙げられる。硫酸化オリゴ糖としては、例えば硫酸化アガロース、硫酸化トレハロース、コンドロイチン硫酸等が挙げられる。塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。また、本発明においては、ポリアニオンを2種以上用いてもよい。本発明のHDLコレステロールの測定におけるポリアニオンの濃度としては、本発明のHDLコレステロールの測定を可能とする濃度であれば特に制限はないが、反応液中の濃度が0.001〜10%であることが好ましく、0.01〜1%がより好ましい。
【0053】
本発明において使用されるアルブミンとしては、本発明のHDLコレステロールの測定を可能とするアルブミンであれば特に限定はなく、例えばウシ、ウマ、ヒツジ、ヒト由来のアルブミン等が挙げられるが、ウシ血清アルブミン(BSA)が好ましい。また、遺伝子工学的な手法により製造されたアルブミンも用いることができる。本発明においては、2種類以上のアルブミンを組み合わせて使用することもできる。本発明のHDLコレステロールの測定におけるアルブミンの濃度としては、本発明のHDLコレステロールの測定を可能とする濃度であれば特に制限はないが、反応液中の濃度が0.001〜10%であることが好ましく、0.01〜1%がより好ましい。
【0054】
本発明において使用されるポリオキシエチレンアルキルアミンまたはポリオキシエチレンアルケニルアミンとしては、例えば一般式(III)
【0055】
【化13】
Figure 0005112861
【0056】
[式中、Rは直鎖または分岐状のアルキル基またはアルケニル基を表し、Rは水素原子または(CHCHO)Hを表し、mおよびnは同一または異なって、1〜100の整数を表し、m+nは2〜200の整数である]で表される化合物[以下、化合物(III)という]が挙げられる。化合物(III)におけるアルキル基およびアルケニル基としては、それぞれ、例えば前述の直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基、前述の直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルケニル基等が挙げられ、炭素数8〜24のアルキル基またはアルケニル基であることが好ましく、炭素数10〜18のアルキル基またはアルケニル基であることがより好ましい。
【0057】
ポリオキシエチレンアルキルアミンまたはポリオキシエチレンアルケニルアミンの具体例(製品)としては、例えばナイミーンL201(オキシエチレンドデシルアミン;日本油脂社製)、ナイミーンL207(ポリオキシエチレンドデシルアミン;日本油脂社製)、ナイミーンS204、ナイミーンS210(ポリオキシエチレンオクタデシルアミン;日本油脂社製)、ニューコールOD420(ポリオキシエチレンオクタデシルアミン;日本乳化剤社製)、パイオニンD3104(ポリオキシエチレンラウリルアミン;竹本油脂社製)、パイオニンD3110(ポリオキシエチレンラウリルアミン;竹本油脂社製)、パイオニンD3605[ポリオキシエチレンアルキル(大豆)アミン;竹本油脂社製]、パイオニンD3615T[ポリオキシエチレンアルキル(牛脂)アミン;竹本油脂社製]、BLAUNON O209(ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル;青木油脂社製)、BLAUNON L205(ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル;青木油脂社製)等が挙げられる。
【0058】
ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンにおけるオキシエチレン鎖の重合度は、好ましくは1〜100、より好ましくは1〜60である。本発明においては、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンを2種類以上用いても良い。ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンの濃度としては、本発明のHDLコレステロールの測定を可能とする濃度であれば特に制限はないが、反応液中の濃度が0.0001〜1%であることが好ましく、0.001〜0.1%がより好ましい。
【0059】
本発明のHDLコレステロール測定方法において使用される水性媒体としては、例えば脱イオン水、蒸留水、緩衝液等が挙げられるが、緩衝液が好ましい。緩衝液に用いる緩衝剤としては、例えばトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝剤、リン酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、グッドの緩衝剤等が挙げられる。
【0060】
グッドの緩衝剤としては、例えば2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−Tris)、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸(HEPES)、3−〔N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕−2−ヒドロキシ−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPSO)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)(POPSO)、3−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(HEPPSO)、3−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕プロパンスルホン酸〔(H)EPPS〕、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕グリシン(Tricine)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(CHES)、N−シクロヘキシル−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(CAPSO)、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)等が挙げられる。緩衝液の濃度は測定に適した濃度であれば特に制限はされないが、0.001〜2.0mol/Lが好ましく、0.005〜1.0mol/Lがより好ましい。
【0061】
以下に、本発明のHDLコレステロールの測定方法、測定用試薬および測定用キットを具体的に説明する。
(HDLコレステロールの測定方法)
本発明のHDLコレステロールの測定方法としては、例えば以下の態様の方法が挙げられる。
【0062】
測定方法
(1)検体と、コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、または、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素およびコレステロール脱水素酵素とを、化合物(I)もしくは化合物(II)およびポリアニオンを含有し、必要に応じ、アルブミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンからなる群より選ばれる少なくとも一つの物質を含有する水性媒体中で反応させ、過酸化水素または還元型補酵素を生成させ、
(2)生成した過酸化水素または還元型補酵素を測定し、
(3)(2)で測定した値と、予め作成した検量線とから、検体中のHDLコレステロール濃度を算出することにより、検体中のHDLコレステロールを測定することができる。
【0063】
本測定法においては、(1)の反応は、例えば10〜50℃で、好ましくは20〜40℃で、1〜60分間、好ましくは2〜30分間行う。
生成した過酸化水素の量は、例えば直接過酸化水素電極で測定することもできるが、過酸化水素測定用試薬により測定することもできる。過酸化水素測定用試薬は、生成した過酸化水素を検出可能な物質へ変換するための試薬である。検出可能な物質としては、例えば色素、発光等が挙げられるが、色素が好ましい。検出可能な物質が色素の場合には、過酸化水素測定用試薬は、酸化発色型色原体およびペルオキシダーゼ等の過酸化活性物質を含有する。酸化発色型色原体としては、例えば後述の酸化発色型色原体が挙げられる。検出可能な物質が発光の場合には、過酸化水素測定用試薬は、化学発光物質を含有する。化学発光物質としては、例えばルミノール、イソルミノール、ルシゲニン、アクリジニウムエステル等があげられる。
【0064】
過酸化水素測定用試薬として、酸化発色型色原体およびペルオキシダーゼ等の過酸化活性物質を含有する試薬を用いる場合には、過酸化水素は、過酸化活性物質の存在下に酸化発色型色原体と反応して色素を生成し、生成した色素を定量することにより、過酸化水素を定量することができる。また、化学発光物質を含有する過酸化水素測定用試薬を用いる場合には、過酸化水素は、化学発光物質と反応してフォトンを生じ、生じたフォトンを定量することにより、過酸化水素を定量することができる。
【0065】
酸化発色型色原体としては、例えばロイコ型色原体、酸化カップリング発色型色原体等が挙げられる。
ロイコ型色原体は、過酸化水素およびペルオキシダーゼ等の過酸化活性物質の存在下、単独で色素へ変換される物質である。具体的には、10−N−カルボキシメチルカルバモイル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10H−フェノチアジン(CCAP)、10−N−メチルカルバモイル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10H−フェノチアジン(MCDP)、N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミンナトリウム塩(DA−64)、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン、ビス〔3−ビス(4−クロロフェニル)メチル−4−ジメチルアミノフェニル〕アミン(BCMA)等が挙げられる。
【0066】
酸化カップリング発色型色原体は、過酸化水素およびペルオキシダーゼ等の過酸化活性物質の存在下、2つの化合物が酸化的カップリングして色素を生成する物質である。
2つの化合物の組み合わせとしては、カプラーとアニリン類との組み合わせ、カプラーとフェノール類との組み合わせ等が挙げられる。カプラーとしては、例えば4−アミノアンチピリン(4−AA)、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラジン等が挙げられる。アニリン類としては、N−(3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メチルアニリン(TOOS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン(MAOS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(DAOS)、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3−メチルアニリン(TOPS)、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(HDAOS)、N,N−ジメチル−3−メチルアニリン、N,N−ジ(3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N’−サクシニルエチレンジアミン(EMSE)、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N’−アセチルエチレンジアミン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−4−フルオロ−3,5−ジメトキシアニリン(F−DAOS)等が挙げられる。フェノール類としては、フェノール、4−クロロフェノール、3−メチルフェノール、3−ヒドロキシ−2,4,6−トリヨード安息香酸(HTIB)等が挙げられる。
【0067】
過酸化水素の測定において、過酸化活性物質の濃度は、測定に適した濃度であれば特に制限はないが、過酸化活性物質としてペルオキシダーゼを用いる場合は、1〜100kU/Lが好ましい。また、酸化発色型色原体の濃度は、測定に適した濃度であれば特に制限はないが、0.01〜10g/Lが好ましい。
還元型補酵素の測定方法としては、例えば生成した還元型補酵素の吸光度を測定する方法、還元型補酵素測定用試薬を用いる方法等が挙げられる。還元型補酵素の吸光度を測定する方法における吸光度としては、300〜500nmが好ましく、330〜400nmがより好ましく、340nm付近が特に好ましい。還元型補酵素測定用試薬は、生成した還元型補酵素を検出可能な物質へ変換するための試薬である。検出可能な物質としては、例えば色素等が挙げられる。検出可能な物質が色素の場合の還元型補酵素測定用試薬としては、例えばジアホラーゼ、電子キャリアーおよび還元発色型色原体を含有する試薬が挙げられる。電子キャリアーとしては、例えば1−メトキシ−5−メチルフェナジウムメチルサルフェート等が挙げられる。還元型補酵素測定用試薬として、ジアホラーゼ、電子キャリアーおよび還元発色型色原体を含有する試薬を用いる場合には、還元発色型色原体が変換されて生成した色素を定量することにより、還元型補酵素を定量することができる。
【0068】
還元発色型色原体としては、例えば3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウムブロミド(MTT)、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウムモノナトリウム塩(WST−1)、2−(4−ヨードフェニル)−3−(2,4−ジニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウムモノナトリウム塩(WST−3)等が挙げられる。
【0069】
(HDLコレステロール測定用試薬)
本発明のHDLコレステロール測定用試薬は、化合物(I)および化合物(II)からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、ポリアニオン、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素および過酸化水素測定用試薬を含有し、必要に応じて、アルブミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンからなる群から選ばれる少なくとも一つの物質を含有する。
【0070】
該測定用試薬としては、化合物(I)および化合物(II)からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンからなる群から選ばれる少なくとも一つの物質、ポリアニオン、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素および過酸化水素測定用試薬を含有する試薬や、化合物(I)および化合物(II)からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、ポリアニオン、アルブミン、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素および過酸化水素測定用試薬を含有する試薬が好ましい。
【0071】
また、該測定用試薬としては、化合物(I)および化合物(II)からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンからなる群から選ばれる少なくとも一つの物質、ポリアニオン、アルブミン、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素および過酸化水素測定用試薬を含有する試薬が特に好ましい。
【0072】
本発明のHDLコレステロール測定用試薬は、化合物(I)および化合物(II)からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、ポリアニオン、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール脱水素酵素および酸化型補酵素を含有し、必要に応じて、還元型補酵素測定用試薬、アルブミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンからなる群から選ばれる少なくとも一つの物質を含有する。
【0073】
該測定用試薬としては、化合物(I)および化合物(II)からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンからなる群から選ばれる少なくとも一つの物質、ポリアニオン、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール脱水素酵素、酸化型補酵素および還元型補酵素測定用試薬を含有する試薬や、化合物(I)および化合物(II)からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、ポリアニオン、アルブミン、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール脱水素酵素、酸化型補酵素および還元型補酵素測定用試薬を含有する試薬が好ましい。
【0074】
また、該測定用試薬としては、化合物(I)および化合物(II)からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンからなる群から選ばれる少なくとも一つの物質、ポリアニオン、アルブミン、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール脱水素酵素、酸化型補酵素および還元型補酵素測定用試薬を含有するものが特に好ましい。
【0075】
本発明のHDLコレステロール測定用試薬としては、例えば以下の態様の試薬が挙げられるがこれらは本発明の範囲を何ら限定するものではない。なお、便宜上、化合物(I)および化合物(II)からなる群から選ばれる少なくとも一つの物質を以下「化合物A」といい、アルブミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンからなる群から選ばれる少なくとも一つの物質を以下「化合物B」という。本発明の測定用試薬においては、化合物Aを1つまたは複数用いることができ、化合物Bを1つまたは複数用いることができる。
【0076】
試薬1
化合物A、ポリアニオン、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素および過酸化水素測定用試薬を含有する試薬。
試薬2
化合物A、ポリアニオン、化合物B、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素および過酸化水素測定用試薬を含有する試薬。
【0077】
試薬3
化合物A、ポリアニオン、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素およびコレステロール脱水素酵素を含有する試薬。
試薬4
化合物A、ポリアニオン、化合物B、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素およびコレステロール脱水素酵素を含有する試薬。
【0078】
試薬5
化合物A、ポリアニオン、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素および還元型補酵素測定用試薬を含有する試薬。
試薬6
化合物A、ポリアニオン、化合物B、コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素、コレステロール脱水素酵素素および還元型補酵素測定用試薬を含有する試薬。
【0079】
(HDLコレステロール測定用キット)
本発明のHDLコレステロール測定用試薬は、キットの形態で保存、流通および使用されてもよい。キットの形態としては、特に制限はなく、2試薬系、3試薬系等のいずれであってもよいが、2試薬系が好ましい。
第一試薬と第二試薬とからなる2試薬系のHDLコレステロール測定用キットにおいては、コレステロールエステル加水分解酵素と、コレステロール酸化酵素またはコレステロール脱水素酵素とは、第一試薬と第二試薬に別々に含有されても、第二試薬に一緒に含有されてもよいが、第一試薬と第二試薬に別々に含有される場合には、コレステロールエステル加水分解酵素が第一試薬に、コレステロール酸化酵素またはコレステロール脱水素酵素が第二試薬に含有される態様が好ましい。コレステロール脱水素酵素を用いた測定法において使用される酸化型補酵素は、第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有されてもよい。
【0080】
化合物(I)および化合物(II)からなる群から選ばれる少なくとも一つの物質(化合物A)は、第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有されてもよいが、第一試薬に含有されることが好ましい。ポリアニオンは、第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有されてもよいが、第一試薬に含有されることが好ましい。
アルブミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンからなる群から選ばれる少なくとも一つの物質(化合物B)は、第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有されてもよい。
【0081】
過酸化水素測定用試薬は、第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有されてもよいが、当該試薬が酸化カップリング型色原体を含有する場合には、酸化カップリング型色原体のそれぞれの化合物は別々の試薬に含有される態様、すなわち、過酸化水素測定用試薬が第一試薬および第二試薬の両方に含有される態様が好ましい。還元性補酵素測定用試薬は、第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有されてもよいが、第一試薬、第二試薬の両方に含有されることが好ましい。
【0082】
本発明のHDLコレステロール測定用キットとしては、例えば以下の態様のキットが挙げられるがこれらは本発明の範囲を何ら限定するものではない。
キット1
第一試薬
化合物A、ポリアニオン、過酸化水素測定用試薬、コレステロールエステル加水分解酵素
第二試薬
過酸化水素測定用試薬、コレステロール酸化酵素
キット2
第一試薬
化合物A、ポリアニオン、過酸化水素測定用試薬
第二試薬
過酸化水素測定用試薬、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素
【0083】
キット3
第一試薬
化合物A、化合物B、ポリアニオン、過酸化水素測定用試薬、コレステロールエステル加水分解酵素
第二試薬
過酸化水素測定用試薬、コレステロール酸化酵素
キット4
第一試薬
化合物A、化合物B、ポリアニオン、過酸化水素測定用試薬
第二試薬
過酸化水素測定用試薬、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素
【0084】
キット5
第一試薬
化合物A、ポリアニオン、過酸化水素測定用試薬、コレステロールエステル加水分解酵素
第二試薬
化合物B、過酸化水素測定用試薬、コレステロール酸化酵素
キット6
第一試薬
化合物A、ポリアニオン、過酸化水素測定用試薬
第二試薬
化合物B、過酸化水素測定用試薬、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素
【0085】
キット7
第一試薬
化合物A、ポリアニオン、酸化型補酵素、コレステロールエステル加水分解酵素
第二試薬
コレステロール脱水素酵素
キット8
第一試薬
化合物A、ポリアニオン、酸化型補酵素
第二試薬
コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール脱水素酵素
【0086】
キット9
第一試薬
化合物A、化合物B、ポリアニオン、酸化型補酵素、コレステロールエステル加水分解酵素
第二試薬
コレステロール脱水素酵素
キット10
第一試薬
化合物A、化合物B、ポリアニオン、酸化型補酵素
第二試薬
コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール脱水素酵素
【0087】
キット11
第一試薬
化合物A、ポリアニオン、酸化型補酵素、コレステロールエステル加水分解酵素
第二試薬
化合物B、コレステロール脱水素酵素
キット12
第一試薬
化合物A、ポリアニオン、酸化型補酵素
第二試薬
化合物B、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール脱水素酵素
【0088】
キット13
第一試薬
化合物A、ポリアニオン、酸化型補酵素、還元型補酵素測定用試薬、コレステロールエステル加水分解酵素
第二試薬
コレステロール脱水素酵素
キット14
第一試薬
化合物A、ポリアニオン、酸化型補酵素、還元型補酵素測定用試薬
第二試薬
還元型補酵素測定用試薬、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール脱水素酵素
【0089】
キット15
第一試薬
化合物A、化合物B、ポリアニオン、酸化型補酵素、還元型補酵素測定用試薬、コレステロールエステル加水分解酵素
第二試薬
還元型補酵素測定用試薬、コレステロール脱水素酵素
キット16
第一試薬
化合物A、化合物B、ポリアニオン、酸化型補酵素、還元型補酵素測定用試薬
第二試薬
還元型補酵素測定用試薬、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール脱水素酵素
【0090】
キット17
第一試薬
化合物A、ポリアニオン、酸化型補酵素、還元型補酵素測定用試薬、コレステロールエステル加水分解酵素第二試薬
化合物B、還元型補酵素測定用試薬、コレステロール脱水素酵素
キット18
第一試薬
化合物A、ポリアニオン、酸化型補酵素、還元型補酵素測定用試薬
第二試薬
化合物B、還元型補酵素測定用試薬、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール脱水素酵素
【0091】
本発明のHDLコレステロール測定用試薬およびキットにおいては、前述の本発明のHDLコレステロールの測定方法において挙げられた、化合物(I)、化合物(II)、ポリアニオン、アルブミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルケニルアミン、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、コレステロール脱水素酵素、酸化型補酵素、過酸化水素測定用試薬、還元型補酵素測定用試薬を用いることができる。
【0092】
本発明のHDLコレステロール測定用試薬および測定用キットには、必要に応じて、水性媒体、安定化剤、防腐剤、影響物質消去剤、反応促進剤等が含有されてもよい。水性媒体としては、例えば前述の水性媒体等が挙げられる。安定化剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、シュークロース、塩化カルシウム等が挙げられる。防腐剤としては、例えばアジ化ナトリウム、抗生物質等が挙げられる。影響物質消去剤としては、例えばアスコルビン酸の影響を消去するためのアスコルビン酸オキシダーゼ等が挙げられる。反応促進剤としては、例えばコリパーゼ、ホスホリパーゼ等の酵素、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム等の塩類等が挙げられる。
【0093】
本発明のHDLコレステロール測定用試薬および測定用キットは、凍結乾燥された状態でも、水性媒体に溶解された状態でもよい。凍結乾燥された状態の試薬を用いて検体中のHDLコレステロールを測定する場合には、当該試薬は水性媒体に溶解して使用される。
本発明のHDLコレステロール測定用試薬および測定用キットにおけるコレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、コレステロール脱水素酵素の含量としては、水性媒体で溶解された状態での濃度が0.01〜1200U/mLとなる含量が好ましく、0.02〜600U/mLとなる含量がより好ましい。
【0094】
本発明のHDLコレステロール測定用試薬および測定用キットにおける化合物(I)または化合物(II)の含量としては、水性媒体で溶解された状態での濃度が0.0001〜3%となる含量が好ましく、0.001〜0.3%となる含量がより好ましい。本発明のHDLコレステロール測定用試薬および測定用キットにおけるポリアニオンの含量としては、水性媒体で溶解された状態での濃度が0.001〜30%となる含量が好ましく、0.01〜3%となる含量がより好ましい。
【0095】
本発明のHDLコレステロール測定用試薬および測定用キットにおけるアルブミンの含量としては、水性媒体で溶解された状態での濃度が0.001〜30%となる含量が好ましく、0.01〜3%となる含量がより好ましい。
本発明のHDLコレステロール測定用試薬および測定用キットにおけるポリオキシエチレンアルキルアミンまたはポリオキシエチレンアルケニルアミンの含量としては、水性媒体で溶解された状態での濃度が0.0001〜3%となる含量が好ましく、0.001〜0.3%となる含量がより好ましい。
【0096】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら限定するものではない。尚、本実施例においては、下記メーカーの試薬および酵素を使用した。
HEPES(BDH Laboratory社製)、EMSE(ダイトーケミックス社製)、硫酸ナトリウム(関東化学社製)、アミンBB(ドデシルアミン;日本油脂社製)、3級アミンBB(ドデシルジメチルアミン;日本油脂社製)、カチオンBB(ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド;日本油脂社製)、デキストラン硫酸ナトリウム(分子量50万)(ファルマシア社製)、ウシ血清アルブミン(BSA;プロライアント社製)、4−アミノアンチピリン(埼京化成社製)、ペルオキシダーゼ(東洋紡績社製)、43kDaエステラーゼ(コレステロールエステル加水分解酵素;天野エンザイム社製)、CHOPE(コレステロール酸化酵素;キッコーマン社製)、BLAUNON L205(ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル;青木油脂社製)。
【実施例1】
【0097】
以下の第一試薬(試薬A)および第二試薬(試薬a)からなるHDLコレステロール測定用キットを調製した。
第一試薬(試薬A)
HEPES(pH7.5) 10mmol/L
EMSE 0.3g/L
硫酸ナトリウム 5.0g/L
アミンBB 0.1g/L
デキストラン硫酸ナトリウム 1.0g/L
第二試薬(試薬a)
HEPES(pH7.0) 10mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.3g/L
ペルオキシダーゼ 20kU/L
43kDaエステラーゼ 100kU/L
CHOPE 1.2kU/L
【実施例2】
【0098】
以下の第一試薬(試薬B)および第二試薬(試薬a)からなるHDLコレステロール測定用キットを調製した。
第一試薬(試薬B)
HEPES(pH7.5) 10mmol/L
EMSE 0.3g/L
硫酸ナトリウム 5.0g/L
3級アミンBB 0.03g/L
デキストラン硫酸ナトリウム 1.0g/L
第二試薬(試薬a)
HEPES(pH7.0) 10mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.3g/L
ペルオキシダーゼ 20kU/L
43kDaエステラーゼ 100kU/L
CHOPE 1.2kU/L
【実施例3】
【0099】
以下の第一試薬(試薬C)および第二試薬(試薬a)からなるHDLコレステロール測定用キットを調製した。
第一試薬(試薬C)
HEPES(pH7.5) 10mmol/L
EMSE 0.3g/L
硫酸ナトリウム 5.0g/L
カチオンBB 0.14g/L
デキストラン硫酸ナトリウム 1.0g/L
第二試薬(試薬a)
HEPES(pH7.0) 10mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.3g/L
ペルオキシダーゼ 20kU/L
43kDaエステラーゼ 100kU/L
CHOPE 1.2kU/L
【実施例4】
【0100】
以下の第一試薬(試薬D)および第二試薬(試薬a)からなるHDLコレステロール測定用キットを調製した。
第一試薬(試薬D)
HEPES(pH7.5) 10mmol/L
EMSE 0.3g/L
硫酸ナトリウム 5.0g/L
カチオンBB 0.14g/L
デキストラン硫酸ナトリウム 1.0g/L
BSA 2.0g/L
第二試薬(試薬a)
HEPES(pH7.0) 10mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.3g/L
ペルオキシダーゼ 20kU/L
43kDaエステラーゼ 100kU/L
CHOPE 1.2kU/L
【実施例5】
【0101】
以下の第一試薬(試薬C)および第二試薬(試薬b)からなるHDLコレステロール測定用キットを調製した。
第一試薬(試薬C)
HEPES(pH7.5) 10mmol/L
EMSE 0.3g/L
硫酸ナトリウム 5.0g/L
カチオンBB 0.14g/L
デキストラン硫酸ナトリウム 1.0g/L
第二試薬(試薬b)
HEPES(pH7.0) 10mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.3g/L
ペルオキシダーゼ 20kU/L
43kDaエステラーゼ 100kU/L
CHOPE 1.2kU/L
BLAUNON L205 0.16g/L
【実施例6】
【0102】
以下の第一試薬(試薬D)および第二試薬(試薬b)からなるHDLコレステロール測定用キットを調製した。
第一試薬(試薬D)
HEPES(pH7.5) 10mmol/L
EMSE 0.3g/L
硫酸ナトリウム 5.0g/L
カチオンBB 0.14g/L
デキストラン硫酸ナトリウム 1.0g/L
BSA 2.0g/L
第二試薬(試薬b)
HEPES(pH7.0) 10mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.3g/L
ペルオキシダーゼ 20kU/L
43kDaエステラーゼ 100kU/L
CHOPE 1.2kU/L
BLAUNON L205 0.16g/L
【0103】
比較例1
以下の第一試薬(試薬E)および第二試薬(試薬a)からなるHDLコレステロール測定用キットを調製した。
第一試薬(試薬E)
HEPES(pH7.5) 10mmol/L
EMSE 0.3g/L
硫酸ナトリウム 5.0g/L
デキストラン硫酸ナトリウム 1.0g/L
第二試薬(試薬a)
HEPES(pH7.0) 10mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.3g/L
ペルオキシダーゼ 20kU/L
43kDaエステラーゼ 100kU/L
CHOPE 1.2kU/L
【実施例7】
【0104】
実施例1のキットを用いて、ヒト血清30検体中のHDLコレステロールを測定した。(1)検量線の作成
標準液として、生理食塩水(HDLコレステロール濃度:0.0mg/dL)および血清(HDLコレステロール濃度:80.0mg/dL)を、実施例1のキットを用いて、日立7170S形自動分析装置により、HDLコレステロール濃度と「吸光度」との間の関係を示す検量線を作成した。
【0105】
ここでの「吸光度」とは、以下の反応で測定された2つの吸光度(E1およびE2)を基に、E2からE1を差し引くことにより得られた値を表す。
反応セルへ標準液(2μL)と第一試薬(0.15mL)とを添加し37℃で5分間加温し、反応液の吸光度(E1)を主波長600nm、副波長700nmで測定し、次いで、この反応液に第二試薬(0.05mL)を添加しさらに37℃で5分間加温し、反応液の吸光度(E2)を主波長600nm、副波長700nmで測定した。
(2)ヒト血清検体と実施例1のキットとの反応による当該検体における「吸光度」の算出
(1)の検量線の作成において用いた標準液の代わりにヒト血清検体を用いる以外は、(1)の「吸光度」の算出方法と同様の方法により、当該検体における「吸光度」を算出した。
(3)ヒト血清検体中のHDLコレステロール濃度の測定
(2)で算出した「吸光度」と、(1)で作成した検量線とから、各検体中のHDLコレステロール濃度を測定した。
【実施例8】
【0106】
実施例1のキットの代わりに実施例2のキットを用いる以外は実施例7の測定法と同様にして、日立7170形自動分析装置によりヒト血清30検体中のHDLコレステロールを測定した。
【実施例9】
【0107】
実施例1のキットの代わりに実施例3のキットを用いる以外は実施例7の測定法と同様にして、日立7170形自動分析装置によりヒト血清30検体中のHDLコレステロールを測定した。
【実施例10】
【0108】
実施例1のキットの代わりに実施例4のキットを用いる以外は実施例7の測定法と同様にして、日立7170形自動分析装置によりヒト血清30検体中のHDLコレステロールを測定した。
【実施例11】
【0109】
実施例1のキットの代わりに実施例5のキットを用いる以外は実施例7の測定法と同様にして、日立7170形自動分析装置によりヒト血清30検体中のHDLコレステロールを測定した。
【実施例12】
【0110】
実施例1のキットの代わりに実施例6のキットを用いる以外は実施例7の測定法と同様にして、日立7170形自動分析装置によりヒト血清30検体中のHDLコレステロールを測定した。
【0111】
比較例2
実施例1のキットの代わりに比較例1のキットを用いる以外は実施例7の測定法と同様にして、日立7170形自動分析装置によりヒト血清30検体中のHDLコレステロールを測定した。
【0112】
次に、実施例7〜12および比較例2の測定において用いたヒト血清30検体を用いて、クリニカルケミストリー第45巻、10号(1999年)に記載されたDCM法(DesignatedComparison Method)により当該検体中のHDLコレステロールを測定し、各実施例および比較例での測定値と比較した。各実施例および比較例それぞれの測定と、DCM法による測定との相関係数を第1表に示す。
【0113】
【表1】
Figure 0005112861
【0114】
第1表の比較例2と実施例7〜12との比較から、化合物(I)または化合物(II)とポリアニオンとを含有するキットを用いた測定において、DCMとの良好な相関関係が認められることが判明した。さらに、実施例9と実施例10〜12との比較から、化合物(I)または化合物(II)とポリアニオンの他に、アルブミンまたはポリオキシエチレンアルキルアミンを共存させることによりDCMとの相関係数がより向上することが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明により、動脈硬化などの疾患の診断に有用なHDLコレステロールの測定方法、測定用試薬および測定用キットが提供される。

Claims (13)

  1. 検体と、i)コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、または、ii)コレステロールエステル加水分解酵素、酸化型補酵素およびコレステロール脱水素酵素とを、一般式(I)
    Figure 0005112861
    (式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、Rは、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ直鎖または分枝状の炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を表し、Xは陰イオンを表す)で表される物質、および、一般式(II)
    Figure 0005112861
    (式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表す)で表される物質からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、ならびに、ポリアニオンを含有する水性媒体中で反応させ、生成した過酸化水素または還元型補酵素を測定することを特徴とする検体中の高密度リポ蛋白中のコレステロールの測定方法。
  2. 水性媒体が、さらにアルブミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンからなる群より選ばれる少なくとも一つの物質を含有する請求項1記載の方法。
  3. ポリアニオンが、デキストラン硫酸またはその塩である請求項1または2記載の方法。
  4. 一般式(I)
    Figure 0005112861
    (式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、Rは、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ直鎖または分枝状の炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を表し、Xは陰イオンを表す)で表される物質、および、一般式(II)
    Figure 0005112861
    (式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表す)で表される物質からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、ポリアニオン、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素、および、過酸化水素測定用試薬を含有することを特徴とする高密度リポ蛋白中のコレステロール測定用試薬。
  5. 一般式(I)
    Figure 0005112861
    (式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、Rは、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ直鎖または分枝状の炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を表し、Xは陰イオンを表す)で表される物質、および、一般式(II)
    Figure 0005112861
    (式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表す)で表される物質からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、ポリアニオン、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール脱水素酵素、および、酸化型補酵素を含有することを特徴とする高密度リポ蛋白中のコレステロール測定用試薬。
  6. さらに、還元型補酵素測定用試薬を含有する請求項5記載の試薬。
  7. さらに、アルブミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンからなる群より選ばれる少なくとも一つの物質を含有する請求項4〜6のいずれかに記載の試薬。
  8. ポリアニオンが、デキストラン硫酸またはその塩である請求項4〜7のいずれかに記載の試薬。
  9. 第一試薬および第二試薬を含有する高密度リポ蛋白中のコレステロール測定用キットであって、一般式(I)
    Figure 0005112861
    (式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、Rは、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ直鎖または分枝状の炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を表し、Xは陰イオンを表す)で表される物質、および、一般式(II)
    Figure 0005112861
    (式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表す)で表される物質からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、および、ポリアニオンを第一試薬に含有し、コレステロール酸化酵素を第二試薬に含有し、過酸化水素測定用試薬を第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有し、コレステロールエステル加水分解酵素を第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有することを特徴とするキット。
  10. 第一試薬および第二試薬を含有する高密度リポ蛋白中のコレステロール測定用キットであって、一般式(I)
    Figure 0005112861
    (式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、Rは、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基、または、炭素数2〜30のアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ直鎖または分枝状の炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を表し、Xは陰イオンを表す)で表される物質、および、一般式(II)
    Figure 0005112861
    (式中、Rは、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素原子、直鎖または分枝状の炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜30のアルケニル基を表す)で表される物質からなる群より選ばれる少なくとも一つの物質、および、ポリアニオンを第一試薬に含有し、コレステロール脱水素酵素を第二試薬に含有し、酸化型補酵素を第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有し、コレステロールエステル加水分解酵素を第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有することを特徴とするキット。
  11. さらに、還元型補酵素測定用試薬を、第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有する請求項10記載のキット。
  12. さらに、アルブミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンからなる群より選ばれる少なくとも一つの物質を第一試薬、第二試薬のいずれかまたは両方に含有する請求項9〜11のいずれかに記載のキット。
  13. ポリアニオンが、デキストラン硫酸またはその塩である請求項9〜12のいずれかに記載のキット。
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