JPH10338120A - アンチスキッドブレーキ制御装置 - Google Patents

アンチスキッドブレーキ制御装置

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JPH10338120A
JPH10338120A JP9147958A JP14795897A JPH10338120A JP H10338120 A JPH10338120 A JP H10338120A JP 9147958 A JP9147958 A JP 9147958A JP 14795897 A JP14795897 A JP 14795897A JP H10338120 A JPH10338120 A JP H10338120A
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threshold
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Yasuo Naito
靖雄 内藤
Hiroyuki Tsuji
浩之 辻
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/17Using electrical or electronic regulation means to control braking
    • B60T8/176Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel slip during vehicle deceleration, e.g. ABS
    • B60T8/1763Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel slip during vehicle deceleration, e.g. ABS responsive to the coefficient of friction between the wheels and the ground surface
    • B60T8/17636Microprocessor-based systems

Abstract

(57)【要約】 【課題】 路面センサを用いることなく、制動能力を十
分に確保し且つロック状態を回避し、路面状態によらず
高い信頼性を維持したアンチスキッドブレーキ制御装置
を得る。 【解決手段】 各車輪速を検出する手段2と、ブレーキ
操作に応動する制動力調整手段10、15と、各車輪の
ロック傾向を防止するように制動力調整手段に対する制
御量を演算するECU11Aとを備え、ECUは、各車
輪速に基づいてロック傾向に対応した車輪減速度を演算
する手段31と、各車輪速を複数のグループに分ける手
段と、グループ毎の各車輪速に基づいて基本車速を演算
する手段32と、基本車速の時間変化に基づいて路面摩
擦係数を推定する手段33と、路面摩擦係数に応じて車
輪減速度の閾値を可変設定する手段34と、車輪減速度
と閾値との比較結果に基づいて制御量を演算する制御量
演算手段40とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車の走行路
面に対して車輪がロック状態となるのを未然に防止する
アンチスキッドブレーキ制御装置に関し、特に路面セン
サを用いることなく、路面摩擦係数の違いに対しても高
い信頼性を維持することのできるアンチスキッドブレー
キ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ブレーキ操作時に各車輪毎の
車輪速に基づいて車速および車輪減速度を推定演算し、
ブレーキ圧を必要に応じて減圧することにより車輪ロッ
ク状態を回避したアンチスキッドブレーキ制御装置はよ
く知られており、一般に、ABS(アンチスキッドブレ
ーキシステム)と称されている。
【0003】この種の装置においては、路面状態(路面
摩擦係数)に応じた車輪減速度の閾値(ロック状態に対
応する)を設定し、車輪減速度が閾値を越える毎にブレ
ーキ圧を減圧制御することにより、車輪ロック状態が発
生しない範囲内で最大限のブレーキ力を得ているので、
路面状態に応じた最適な閾値を設定することが望まし
い。
【0004】図14はたとえば特開平8−239024
号公報に参照される従来のアンチスキッドブレーキ制御
装置の概略構成を示すブロック図である。また、図15
は図14内のアクチュエーク周辺の油圧経路を具体的に
示す構成図、図16は図15内のアクチュエークを一車
輪に注目してさらに詳細に示す構成図である。
【0005】各図において、車両を走行駆動させる4個
の車輪1a〜1dは、駆動輪としての前輪1aおよび1
bと、非駆動輪としての後輪1cおよび1dとからな
る。各車輪1a〜1dの回転速度を車輪速信号Va〜V
dとして個別に検出する車輪速センサ(車輪速検出手
段)2a〜2dは、電磁ピックアップ式または光電変換
式の速度センサからなる。
【0006】車輪1aの付近に取り付けられた車輪速セ
ンサ2aは、車輪1aの回転に応じて車輪速信号Vaを
生成し、同様に、各車輪1b〜1dの付近に取り付けら
れた車輪速センサ2b〜2dは、車輪1b〜1dの回転
に応じて車輪速信号Vb〜Vdを生成する。
【0007】図15において、駆動輪すなわち前輪1a
および1bは、駆動軸4および差動機構装置5を介し
て、エンジン6に連結されている。一方、非駆動輪すな
わち後輪1cおよび1dは、エンジン6に連結されてい
ない。
【0008】車両の制動手段を構成するブレーキ装置7
a〜7dは、ブレーキ圧Pa〜Pdに応じて各車輪1a
〜1dに圧接されるホイールシリンダからなり、各車輪
1a〜1dに個別に配設されている。制動時に運転者に
より操作されるブレーキペダル8には、ブレーキペダル
8の踏み込み量に応動してブレーキ圧(油圧)を生成す
るマスタシリンダ9が連結されている。
【0009】また、マスタシリンダ9には、油圧管を介
して、電磁ソレノイドを含む油圧ユニットからなるアク
チュエータ10a〜10dが連結されている。アクチュ
エータ10a〜10dは、マスタシリンダ9から生成さ
れたブレーキ圧を、制御信号Ca〜Cd(後述する)に
応じて調整し、各ブレーキ装置7a〜7dに個別に送出
する。
【0010】これにより、ブレーキ装置7a〜7dは、
ブレーキペダル8の操作量に応動し且つ制御信号Ca〜
Cdに応じて、各車輪1aにブレーキ力を発生するよう
になっている。
【0011】図14において、車両に装備されたECU
(電子制御ユニット)11は、アンチスキッドブレーキ
制御装置の本体を構成しており、波形整形増幅回路20
a〜20dと、電源回路22と、マイクロコンピュータ
23と、アクチュエータ駆動回路24a〜24dと、モ
ータリレー駆動回路25とを備えている。
【0012】ECU11内のマイクロコンピュータ23
は、各種演算処理を行うCPU23aと、CPU23a
に属するRAM23bおよびROM23cとを含む。E
CU11は、車輪減速度演算手段を構成しており、ブレ
ーキ操作時の各車輪速信号Va〜Vdから得られる車輪
速Vwa〜Vwdの微分波形に基づいて、各車輪1a〜
1dのロック傾向に対応した車輪減速度を個別に演算す
る。
【0013】また、ECU11は、アクチュエータ10
a〜10d、モータ15およびモータリレー16からな
る制動力調整手段に対する制御量演算手段を構成してお
り、各車輪減速度に基づいてロック傾向防止用(アンチ
スキッド制御用)の演算を行い、アクチュエータ10a
〜10dに対する制御信号Ca〜Cdと、モータリレー
16に対する制御信号CMとを生成して、各車輪1a〜
1dに対するブレーキ圧Pa〜Pdを調整する。
【0014】制動力調整手段は、ブレーキペダル8の操
作に応動し、且つ制御信号Ca〜CdおよびCMに基づ
いて、各車輪1a〜1dに対するブレーキ圧Pa〜Pd
を調整するようになっている。
【0015】各波形整形増幅回路20a〜20dは、各
車輪速信号Va〜Vdを、それぞれ演算処理に適したパ
ルス信号に変換してマイクロコンピューク23に入力す
る。マイクロコンピューク23は、車輪速信号Va〜V
dから各車輪1a〜1d毎の車輪速Vwa〜Vwdを演
算し、制御信号Ca〜Cdの演算に用いる。
【0016】電源回路22は、イグニッションスイッチ
27のオン時にマイクロコンピュータ23に定電圧を供
給する。各アクチュエータ駆動回路24a〜24dは、
マイクロコンピュータ23からの制御指令に応じて、各
アクチュエータ10a〜10dの電磁ソレノイドに対す
る制御信号Ca〜Cdを個別に出力する。
【0017】ブレーキ圧調整用のポンプを構成するモー
タ15は、各アクチュエータ10a〜10dと関連して
ブレーキ圧Pa〜Pdを調整するために、ECU11か
らの制御信号CMに応答して、モータリレー16内の常
開接点16aを介して給電される。モータリレー16
は、制御信号CMにより励磁されて常開接点16aを閉
成するためのコイル16bを備えている。
【0018】モータ15およびモータリレー16は、ア
クチュエータ10a〜10dとともに、ブレーキ操作に
応動して各車輪1a〜1dに対するブレーキ圧Pa〜P
dを調整する制動力調整手段を構成している。ECU1
1内のモータリレー駆動回路25は、ブレーキ圧の調整
時に、モータリレー16に対する制御信号CMを出力
し、モータリレー16内のコイル16bに通電して常開
接点16aをオンさせ、モータ15を駆動する。
【0019】また、図15に示すように、モータ15と
各アクチュエータ10a〜10dとの間の循環用の油圧
経路を介して、各アクチュエータ10a〜10dに対し
て油圧を供給および回収するために、モータ15の近傍
の油圧経路の一部には、リザーバタンク14が設けられ
ている。
【0020】ここで、図15内の1つのアクチュエータ
(たとえば、10a)に注目すると、図16のように構
成されている。図16において、アクチュエーク10a
は、保持用ソレノイドバルブ12および減圧用ソレノイ
ドバルブ13を備えており、図示されない他のアクチュ
エータ10b〜10dも同一構成からなる。
【0021】保持用ソレノイドバルブ12は、マスタシ
リンダ9からブレーキ装置7aまでのインレット油圧管
経路に設けられ、減圧用ソレノイドバルブ13は、ブレ
ーキ装置7aからリザーバタンク14へのアウトレット
油圧管に設けられている。
【0022】すなわち、減圧用ソレノイドバルブ13
は、リザーバタンク14と、液圧供給および回収用のモ
ータ15とを介して、マスタシリンダ9に至る液圧回収
経路中に設けられている。
【0023】これにより、各ソレノイドバルブ12およ
び13は、ECU11からの制御信号Caに応答して通
電または遮断され、ブレーキ圧の保持、加圧または減圧
などの切り換えを行うようになっている。通常、保持用
ソレノイドバルブ12は開放され、減圧用ソレノイドバ
ルブ13は、閉成されている。
【0024】図16において、運転者がブレーキペダル
8を踏み込むと、マスタシリンダ9に圧力が供給され、
マスタシリンダ9から送出されたブレーキ液は、アクチ
ュエータ10a内の保持用ソレノイド12を介してブレ
ーキ装置7aに流入し、ブレーキ圧Paが上昇する。
【0025】ここで、ロック状態に相当する車輪減速度
が検出されて、ECU11から減圧指令を示す制御信号
Caが生成されると、保持用ソレノイドバルブ12およ
び減圧用ソレノイドバルブ13の電磁ソレノイドが通電
により駆動される。
【0026】このとき、保持用ソレノイドバルブ12が
閉成されることにより、マスタシリンダ9からブレーキ
装置7aまでの間の油圧経路は遮断される。また、減圧
用ソレノイドバルブ13が開放されることにより、ブレ
ーキ装置7aからリザーバタンク14までの間の油圧経
路が接続される。
【0027】したがって、ブレーキ装置7a内のブレー
キ液圧は、リザーバタンク14内に流出し、ブレーキ圧
Paは減少する。これと同時に、ECU11は、モータ
リレー16を導通させるための制御信号CMを生成し、
モータ15を作動させることにより、リザーバタンク1
4に流出したブレーキ液を高圧にしてマスタシリンダ9
側の主管路に戻し、次回のブレーキ制御に備える。
【0028】その後、ECU11から保持用の制御信号
Caが生成されて、保持用ソレノイドバルブ12のみが
通電(経路が閉成)されると、他のバルブはオフのため
全ての油圧経路が遮断されて、車輪1aに対するブレー
キ圧Paは保持される。
【0029】また、ECU11から増圧用の制御信号C
aが生成されて、保持用ソレノイドバルブ12および減
圧用ソレノイドバルブ13への通電電流を遮断すると、
マスタシリンダ9とブレーキ装置7aとの間の油圧経路
が再び接続される。
【0030】これにより、マスタシリンダ9側の主管路
に戻された高圧のブレーキ液は、モータ15から吐出さ
れるブレーキ液とともに、再びブレーキ装置7aに流入
されるので、車輪1aに対するブレーキ圧Paは増加す
る。
【0031】図17は上記アンチスキッドブレーキ制御
動作を示すタイミングチャートであり、車輪速信号Va
から演算された車輪速Vwaおよび車輪減速度Gwaと
ブレーキ圧Paの各時間変化を示しており、ここでは、
比較的良好にブレーキ圧Paが調整された場合を示して
いる。また、図中、横軸は時間tを示し、下向きの車輪
減速度Gwa(負の加速度)を正方向とし、上向きのブ
レーキ圧(制動油圧)Paを増圧方向としている。
【0032】図17において、基本車速Vr(一点鎖線
参照)は、車輪速Vwaに基づいて求められ、車輪減速
度Gwaに関連した閾値A(一点鎖線参照)は、路面摩
擦係数μの最大値(ピーク値μP)に基づいて求められ
る。路面摩擦係数μは、車輪速Vwaの波形の時間変化
(傾き)に基づいて推定される。
【0033】まず、時刻t1に運転者がブレーキペダル
8が踏み込むと、ブレーキ圧Paの増圧により車輪速V
waのレベルが減少する。このとき、図17内の斜線部
で示すように、車輪減速度Gwaがロック状態に対応し
た閾値Aを越えると、ブレーキ圧Paが減圧されてロッ
ク発生を未然に防ぐ。
【0034】すなわち、ブレーキ圧Paは、車輪減速度
Gwaが閾値Aを越えて且つ所定量以上のスリップが発
生した時刻t2で極大となり、アンチスキッドブレーキ
制御動作の開始により減圧を開始する。その後、ブレー
キ圧Paは、時刻t3から一定値に保持されて、この間
に、車輪速Vwaの波形は基本車速Vrに接近する。
【0035】また、ブレーキ圧Paは、車輪減速度Gw
aが閾値A以下のレベルとなり且つスリップが所定量以
下となった時刻t4で再び増圧を開始し、車輪減速度G
waが閾値Aを越える時刻t5まで増圧を続ける。
【0036】図17内の斜線で示すように、時刻t5に
おいて車輪減速度Gwaが再び閾値Aを越えると、同様
にブレーキ圧Paが減圧され、以下、上述と同様の動作
を繰り返してロックの発生を未然に防ぐ。図17のよう
に良好なアンチスキッドブレーキ制御を実現するために
は、たとえば、閾値Aを路面摩擦係数μの最大値よりも
大きく設定する必要がある。
【0037】他の車輪1b〜1dに対するアンチスキッ
ドブレーキ制御についても、上記と同様である。以上の
ように、ECU11からの制御信号Caにしたがってブ
レーキ圧Paの減圧、保持および増圧を繰り返し、ブレ
ーキ圧Paを調整することにより、車輪1aのロック状
態を回避することができる。
【0038】ところで、上述したように、ブレーキ圧P
aのアンチスキッド制御条件としては、路面摩擦係数μ
に応じた適性な閾値Aを設定することが必要であり、こ
のためには、車輪速から演算された基本車速Vrに基づ
いて路面摩擦係数μを推定し、推定された路面摩擦係数
μに応じて車輪減速度Gwaの閾値Aを変更することが
望ましい。
【0039】しかしながら、従来のアンチスキッド制御
装置では、ブレーキ圧Paの調整条件である閾値Aが路
面摩擦係数μとは無関係に一定に設定されているので、
たとえば路面摩擦係数μが低い場合には、車輪減速度G
waが大きく増大するまでブレーキ圧Paを減圧するこ
とができず、ロック状態の発生を防止することができな
い。
【0040】また、路面摩擦係数μが高い場合には、必
要以上にブレーキ圧Paの減圧制御が行われるので、制
動能力が軽減されてしまい、車両の停止までに多大な時
間を要することになる。
【0041】これを解決するために、たとえば特開平8
−239024号公報に記載の装置においては、路面摩
擦係数μのピーク値すなわち最大路面摩擦係数μPを閾
値Aとして設定し、閾値A(=μP)と車輪減速度Gw
との差に基づいてブレーキ圧Pを減圧している。
【0042】しかしながら、車両の走行とともに刻々と
路面が変化する中で、最大路面摩擦係数μPを推定する
ことは、極めて困難である。また、車輪速Vwの検出時
に発生する外乱ノイズ(車両振動)の影響により、車輪
減速度Gwも振動的な波形となり易いうえ、外乱ノイズ
の大きさが路面摩擦係数μに応じて変化するので、無駄
な減圧制御が行われて制動能力の不足につながり易い。
【0043】図18は路面摩擦係数μが高い場合または
凹凸の多い悪路の場合でのブレーキ圧Pの時間変化を示
すタイミングチャートである。図18において、車輪減
速度Gwは、車両走行時の外乱ノイズにより、最大路面
摩擦係数μPの付近で振動しており、閾値A(破線参
照)は、最大路面摩擦係数μP(一点鎖線参照)よりも
大きいレベルに設定されている。
【0044】一般に、車両のタイヤおよびサスペンショ
ンなどのバネ部材による共振や、車輪速センサ2a〜2
dおよびブレーキ装置7a〜7d(図14〜図16参
照)の取付部材の剛性成分により、車輪減速度Gwは、
図18のように最大路面摩擦係数μPの付近で振動し易
い。
【0045】この場合、最大路面摩擦係数μPを閾値に
設定すると、車輪減速度Gwが最大路面摩擦係数μPを
越える毎に必要以上の減圧制御が行われるので、十分な
制動能力が得られなくなってしまう。したがって、これ
を防止するため、閾値Aは、最大路面摩擦係数μPより
も、外乱ノイズ成分に相当する値だけ高いレベルに設定
されている。
【0046】しかしながら、図18から明らかなよう
に、車輪減速度Gwの振動により短い減圧期間Tが繰り
返されるので、ブレーキ圧Pの減圧を十分に行うことは
できない。
【0047】また、路面摩擦係数μの大きい状態から小
さい状態までの路面変化に対応した減圧を行うことはで
きない。さらに、車輪速Vwから最大路面摩擦係数μP
を推定することになっているが、最大路面摩擦係数μP
を推定することは困難であり、せいぜい、現状の路面に
適合した平均的な路面摩擦係数を検出することしかでき
ない。
【0048】
【発明が解決しようとする課題】従来のアンチスキッド
ブレーキ制御装置は以上のように、正確な最大路面摩擦
係数μPを検出または推定演算することが困難なうえ、
一定の閾値Aに基づいてブレーキ圧を減圧制御している
ので、路面摩擦係数μに応じた適性な閾値Aを設定する
ことができず、制動能力を損なうことなく路面状態に適
合した最適なロック回避制御を実現することができない
という問題点があった。
【0049】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、車輪速から演算された基本車速
に基づいて路面摩擦係数を推定し、路面状態に応じた適
性な閾値を設定することにより、制動能力を十分に確保
するとともにロック状態を確実に回避することのできる
アンチスキッドブレーキ制御装置を得ることを目的とす
る。
【0050】また、この発明は、ブレーキ圧調整条件と
して、平滑化された複数のスリップ特性、平滑化された
複数の車輪減速度特性、スリップの大きさに応じて複数
の閾値を設定することにより、制動能力を十分に確保す
るとともにロック状態を確実に回避することのできるア
ンチスキッドブレーキ制御装置を得ることを目的とす
る。
【0051】
【課題を解決するための手段】この発明に係るアンチス
キッドブレーキ制御装置は、複数の車輪の回転速度を車
輪速として個別に検出する車輪速検出手段と、ブレーキ
操作に応動して各車輪に対するブレーキ圧を調整する制
動力調整手段と、ブレーキ操作時の車輪速に基づいて、
各車輪のロック傾向を防止するように、制動力調整手段
に対する制御量を演算するECUとを備えたアンチスキ
ッドブレーキ制御装置であって、ECUは、ブレーキ操
作時の各車輪速に基づいて、各車輪のロック傾向に対応
した車輪減速度を個別に演算する車輪減速度演算手段
と、各車輪速を複数のグループに分けるためのグループ
分け手段と、グループ毎の各車輪速に基づいて基本車速
を演算する基本車速演算手段と、ブレーキ操作時の基本
車速の時間変化に基づいて路面摩擦係数を推定する路面
摩擦係数推定手段と、路面摩擦係数に応じて車輪減速度
の閾値を可変設定する閾値設定手段と、車輪減速度と閾
値との比較結果に基づいて制御量を演算する制御量演算
手段とを含むものである。
【0052】また、この発明に係るアンチスキッドブレ
ーキ制御装置の路面摩擦係数推定手段は、各グループ毎
の基本車速に対して個別に路面摩擦係数を求め、閾値設
定手段は、各路面摩擦係数に応じて個別に閾値を設定
し、制御量演算手段は、各グループ毎の車輪減速度と閾
値との比較結果に基づいて制御量を個別に演算するもの
である。
【0053】また、この発明に係るアンチスキッドブレ
ーキ制御装置の基本車速演算手段は、グループ毎の基本
車速のうちの1つを選択する基本車速選択手段を含み、
路面摩擦係数推定手段は、選択された基本車速の時間変
化に基づいて路面摩擦係数を推定し、閾値設定手段は、
路面摩擦係数に応じて複数の閾値を設定するものであ
る。
【0054】また、この発明に係るアンチスキッドブレ
ーキ制御装置は、車輪減速度に対して比較的早い応答特
性でフィルタ処理を行い、第1の車輪減速度フィルタ値
を生成する第1のフィルタ処理手段と、車輪減速度に対
して第1のフィルタ処理手段よりも遅い応答特性でフィ
ルタ処理を行い、第2の車輪減速度フィルタ値を生成す
る第2のフィルタ処理手段とを備え、閾値設定手段は、
路面摩擦係数に依存して、比較的レベルの大きい第1の
閾値と、第1の閾値よりもレベルの小さい第2の閾値と
を設定し、制御量演算手段は、第1の車輪減速度フィル
タ値が第1の閾値を越えたときに第1の比較出力を生成
する第1の比較手段と、第2の車輪減速度フィルタ値が
第2の閾値を越えたときに第2の比較出力を生成する第
2の比較手段とを含み、第1および第2の比較出力のす
くなくとも一方に応答して、ブレーキ圧を減圧するため
の制御量を生成するものである。
【0055】また、この発明に係るアンチスキッドブレ
ーキ制御装置は、基本車速と各車輪速との差により各車
輪毎のスリップ量を演算するスリップ量演算手段と、ス
リップ量に対して比較的早い応答特性でフィルタ処理を
行い、第1のスリップ量フィルタ値を生成する第1のフ
ィルタ処理手段と、スリップ量に対して第1のフィルタ
処理手段よりも遅い応答特性でフィルタ処理を行い、第
2のスリップ量フィルタ値を生成する第2のフィルタ処
理手段とを備え、閾値設定手段は、路面摩擦係数に依存
して、比較的レベルの大きい第1の閾値と、第1の閾値
よりもレベルの小さい第2の閾値とを設定し、制御量演
算手段は、車輪減速度が第1の閾値を越えたときに第1
の比較出力を生成する第1の比較手段と、車輪減速度が
第2の閾値を越えたときに第2の比較出力を生成する第
2の比較手段と、スリップ量の許容値を設定する許容値
設定手段と、第1のスリップ量フィルタ値が許容値を越
えたときに第3の比較出力を生成する第3の比較手段
と、第2のスリップ量フィルタ値が許容値を越えたとき
に第4の比較出力を生成する第4の比較手段と、第1お
よび第3の比較出力の論理積をとって第1の論理積出力
を生成する第1のアンド回路と、第2および第4の比較
出力の論理積をとって第2の論理積出力を生成する第2
のアンド回路とを含み、第1および第2の論理積出力の
すくなくとも一方に応答して、ブレーキ圧を減圧するた
めの制御量を生成するものである。
【0056】また、この発明に係るアンチスキッドブレ
ーキ制御装置は、基本車速と各車輪速との差により各車
輪毎のスリップ量を演算するスリップ量演算手段を備
え、閾値設定手段は、路面摩擦係数に依存して、比較的
レベルの大きい第1の閾値と、第1の閾値よりもレベル
の小さい第2の閾値とを設定し、制御量演算手段は、車
輪減速度が第1の閾値を越えたときに第1の比較出力を
生成する第1の比較手段と、車輪減速度が第2の閾値を
越えたときに第2の比較出力を生成する第2の比較手段
と、スリップ量に対して比較的レベルの小さい第1の許
容値を設定する第1の許容値設定手段と、スリップ量に
対して第1の許容値よりもレベルの大きい第2の許容値
を設定する第2の許容値設定手段と、スリップ量が第1
の許容値を越えたときに第3の比較出力を生成する第3
の比較手段と、スリップ量が第2の許容値を越えたとき
に第4の比較出力を生成する第4の比較手段と、第1お
よび第3の比較出力の論理積をとって第1の論理積出力
を生成する第1のアンド回路と、第2および第4の比較
出力の論理積をとって第2の論理積出力を生成する第2
のアンド回路とを含み、第1および第2の論理積出力の
すくなくとも一方に応答して、ブレーキ圧を減圧するた
めの制御量を生成するものである。
【0057】また、この発明に係るアンチスキッドブレ
ーキ制御装置の閾値設定手段は、路面摩擦係数に応じた
閾値をグループ毎に個別に設定し、前輪に対応した閾値
は、後輪に対応した閾値よりも大きいレベルに設定され
たものである。
【0058】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の実施の形態1を図につ
いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1によるE
CU11Aの構成を示す機能ブロック図であり、車輪速
センサ2a〜2d、アクチュエータ10a〜10dおよ
びモータリレー16は、前述と同様のものである。ま
た、この発明の実施の形態1の全体構成ならびにアクチ
ュエータおよびモータの周辺構成は、図14〜図16に
示した通りである。
【0059】この場合、ECU11Aは、ブレーキ操作
時の各車輪速信号Va〜Vdに基づいて各車輪速Vwa
〜Vwdを演算する車輪速演算手段30と、各車輪速V
wa〜Vwdに基づいて、各車輪1a〜1dのロック傾
向に対応した車輪減速度Gwa〜Gwdを個別に演算す
る車輪減速度演算手段31と、各車輪速Vwa〜Vwd
に基づいて基本車速Vr1およびVr2を演算する基本
車速演算手段32とを備えている。
【0060】基本車速演算手段32は、各車輪速Vwa
〜Vwdを複数のグループに分けるためのグループ分け
手段を含み、グループ毎の車輪速に基づいて各基本車速
Vr1およびVr2を演算する。
【0061】ここでは、左の前輪1a、左右の後輪1c
および1dの車輪速Vwa、VwcおよびVwdを第1
のグループとし、右の前輪1b、左右の後輪1cおよび
1dの車輪速Vwb、VwcおよびVwdを第2のグル
ープとしている。
【0062】また、ECU11Aは、ブレーキ操作時の
基本車速Vr1、Vr2の時間変化に基づいて路面摩擦
係数μ1、μ2を推定する路面摩擦係数推定手段33
と、路面摩擦係数μ1、μ2に応じて車輪減速度の閾値
a1、a2を可変設定する閾値設定手段34と、車輪減
速度Gwa〜Gwdと閾値a1、a2とを比較する比較
手段35と、基本車速Vr1、Vr2と各車輪速Vwa
〜Vwdとの差により各車輪1a〜1d毎のスリップ量
SLa〜SLdを演算するスリップ量演算手段36と、
比較手段35からの比較結果およびスリップ量SLa〜
SLdに基づいて制御量を演算する制御量演算手段40
とを備えている。
【0063】制御量演算手段40は、制御量に応じて、
各アクチュエータ10a〜10dおよびモータリレー1
6に対する制御信号Ca〜CdおよびCMを生成する。
なお、ここでは、比較手段35を制御量演算手段40と
は別に示したが、比較手段35は、制御量演算手段40
の機能の一部として含まれ得る。
【0064】路面摩擦係数推定手段33は、各グループ
毎の基本車速Vr1、Vr2に対して個別に路面摩擦係
数μ1、μ2を求め、閾値設定手段34は、各路面摩擦
係数μ1、μ2に応じて個別に閾値a1、a2を設定
し、制御量演算手段40は、各グループ毎の車輪減速度
Gwa〜Gwdと閾値a1、a2との比較結果に基づい
て制御量を個別に演算する。
【0065】また、基本車速演算手段32は、必要に応
じて、グループ毎の基本車速Vr1またはVr2のうち
の1つを選択する基本車速選択手段を含んでいてもよ
い。この場合、閾値設定手段34は、各基本車速Vr1
(または、Vr2)に基づく路面摩擦係数μ1(また
は、μ2)に応じて、複数の閾値a1、a2を設定する
ことになる。
【0066】図2はたとえば第1のグループの車輪速V
waおよびVwcの一例(便宜的に、2つの波形のみ)
を示す波形図であり、破線は車輪1aの車輪速Vwa、
一点鎖線は車輪1cの車輪速Vwcをそれぞれ示してい
る。
【0067】図3は基本車速演算手段32による基本車
速Vr1の選択動作の一例を示す波形図であり、図2内
の車輪速VwaおよびVwcのうち、最大レベルの車輪
速(実線参照)を基本車速Vr1として選択した場合を
示す。
【0068】図4は基本車速演算手段32による基本車
速Vr1の選択動作の他の例を示す波形図であり、図2
内の車輪速VwaおよびVwcのうち、2番目のレベル
の車輪速(実線参照)を基本車速Vr1として選択した
場合を示す。なお、基本車速Vr1の選択は任意に設定
されるが、たとえば、車輪速Vwa〜Vwdを前輪と後
輪とにグループ分けした場合、前輪については2番目の
レベルを選択し、後輪については最大レベルを選択する
こともできる。
【0069】図4において、基本車速Vr1は、車輪速
Vwcの傾き(減速度)が所定値以上の場合には、車輪
速Vwcの波形に追従せずに、所定の傾きに固定され
る。すなわち、一般に実際の路面上で最大と見なされて
いる減速度、たとえば−1G(重力加速度)以上の傾き
で車輪速Vwcが減速している期間Tgにおいて、基本
車速Vr1は、最大減速度の傾きに設定される。
【0070】図5は路面摩擦係数推定手段33、閾値設
定手段34、比較手段35および制御量演算手段40の
動作を示すタイミングチャートであり、たとえば、車輪
速Vwcの減速度状態から車輪1cに対するブレーキ圧
Pcを調整する場合を示している。
【0071】すなわち、この場合、図3に示した最大レ
ベルの基本車速Vr1を用いて閾値a1(破線参照)を
設定し、車輪減速度Gwcと閾値a1との比較から車輪
1cに対するブレーキ圧Pcを減圧している。
【0072】図5において、路面摩擦係数推定手段33
は、基本車速Vr1の波形を微分して基本減速度Gr1
(2点鎖線参照)を求め、基本減速度Gr1をフィルタ
処理して、路面摩擦係数μ1(一点鎖線参照)に対応し
た曲線を求める。また、閾値設定手段34は、路面摩擦
係数μ1の波形に所定の係数を乗算して閾値a1(破線
参照)を設定する。
【0073】比較手段35は、車輪速Vwcの微分波形
からなる車輪減速度Gwcと閾値a1とを比較し、車輪
減速度Gwcのレベルが閾値a1を越えた場合に、減圧
モードを示す比較結果を出力する。これにより、制御量
演算手段40は、ブレーキ圧Pcを減圧するための制御
信号Ccを出力し、アンチスキッドブレーキ制御を行
う。
【0074】次に、図6のフローチャートを参照しなが
ら、図1に示したこの発明の実施の形態1の動作につい
て説明する。ここでは、車輪速Vwa〜Vwd、車輪減
速度Gwa〜Gwd、基本車速Vr1およびVr2、ス
リップ量SLa〜SLd、路面摩擦係数μ1およびμ
2、閾値a1およびa2、ブレーキ圧Pa〜Pdを、そ
れぞれ総称的に、車輪速Vw、車輪減速度Gw、基本車
速Vr、スリップ量SL、路面摩擦係数μ、閾値a、ブ
レーキ圧Pとして記す。
【0075】図6において、まず、ECU11Aは、マ
イクロコンピュータ23内のRAM23b(図14参
照)などを初期設定する。続いて、ECU11A内の車
輪速演算手段30は、各車輪速信号Va〜Vdを取り込
み、各車輪1a〜1d毎の車輪速Vwを求める(ステッ
プS1)。
【0076】このときの車輪速Vwの演算処理として
は、たとえば、以下の周期計測法が用いられる。すなわ
ち、ステップS1の演算処理実行後から、車輪速センサ
2a〜2dからの車輪速信号Va〜Vd(車輪速に応じ
た周波数のパルス信号)のパルス数Nをカウントし、パ
ルス数Nおよびカウント開始後からの時間Tnを用い
て、以下の(1)式のように車輪速Vwを演算する。
【0077】Vw=Kv・N/Tn …(1)
【0078】ただし、(1)式において、Kvは定数で
あり、各車輪1a〜1dの外径および車輪速センサ2a
〜2dの仕様などに応じて設定される。なお、車輪速V
wは各車輪1a〜1d毎に演算されることは言うまでも
ない。
【0079】続いて、ECU11A内の車輪減速度演算
手段31は、車輪速Vwの時間変化(微分値)の演算に
相当する以下の(2)式により、車輪減速度Gwを演算
する(ステップS2)。
【0080】 Gw=Kg(Vw-1−Vw)/TL …(2)
【0081】ただし、(2)式において、Kgは定数、
TLは車輪減速度演算手段31の制御周期であり、Vw
は今回の制御周期における車輪速、Vw-1は前回の制御
周期における車輪速である。
【0082】また、車輪減速度Gwは、Gw>0で車輪
の減速状態を示し、Gw<0で車輪の加速状態を示す。
この車輪減速度演算ステップS2も、上記車輪速演算ス
テップS1と同様に、各車輪1a〜1d毎に対して実行
される。
【0083】次に、基本車速演算手段32は、たとえば
図3のように、最大レベルの基本車速Vrを演算し(ス
テップS3)、スリップ量演算手段36は、車輪速Vw
と基本車速Vrとの偏差(Vr−Vw)からスリップ量
SLを演算する(ステップS4)。
【0084】また、路面摩擦係数推定手段33は、基本
車速Vrを微分してフィルタ処理を行うことにより路面
摩擦係数μを求め(ステップS5)、閾値設定手段34
は、車輪減速度Gwに対する閾値aを演算して可変設定
する(ステップS6)。
【0085】このとき、閾値aは、たとえば、図5内の
閾値a1のように設定されるが、具体的には、以下の
(3)式のように演算される。
【0086】a=α(μ+β) …(3)
【0087】ただし、(3)式において、αは路面摩擦
係数μに対するノイズ成分を考慮した定数であり、定数
αを大きい値に設定すればするほど、閾値aのレベルが
大きくなり、高いノイズ成分も除去される。また、βは
路面摩擦係数μに対する推定精度誤差を考慮した定数で
ある。
【0088】(3)式のように、閾値aは、路面摩擦係
数μに応じて可変設定される。したがって、閾値aが大
きく設定された場合には、大きい車輪減速度Gwが発生
するまでブレーキ圧Pが減圧されない状態となり、閾値
aが小さく設定された場合には、小さい車輪減速度Gw
の発生時にブレーキ圧Pが減圧され、早い段階でロック
状態が回避されて操舵の安定性が確保されることにな
る。
【0089】たとえば、車輪速Vwを前輪と後輪とにグ
ループ分けした場合、(3)式内の各定数α、βを、前
輪の車輪速減速度Gwに対しては、α=2、β=0.2
に設定し、後輪の車輪速減速度Gwに対しては、α=
1.5、β=0.1に設定してもよい。この場合、後輪
のブレーキ圧Pが前輪よりも減圧側に制御されるので、
車両の安定性が向上される。
【0090】次に、制御量演算手段40は、スリップ量
SLを許容範囲内の所定値ΔSL(たとえば、1km/
h程度)よりも大きいか否かを判定し(ステップS
7)、もし、スリップ量SLが許容範囲内であって、S
L≦ΔSL(すなわち、NO)と判定されれば、ブレー
キ圧Pの増圧を指示して(ステップS8)、ステップS
1にリターンする。
【0091】一方、スリップ量SLが許容範囲を越えて
おり、ステップS7において、SL>ΔSL(すなわ
ち、YES)と判定されれば、続いて、車輪減速度Gw
のレベルが閾値aよりも大きいか否かを判定する(ステ
ップS9)。
【0092】もし、車輪減速度Gwが閾値a以下であっ
て、Gw≦a(すなわち、NO)と判定されれば、アン
チスキッドブレーキ制御処理を実行せずに、ブレーキ圧
Pの保持を指示して(ステップS10)、ステップS1
にリターンする。
【0093】一方、車輪減速度Gwが閾値aよりも大き
く、ステップS9において、Gw>a(すなわち、YE
S)と判定されれば、ロック状態を回避するために、ブ
レーキ圧Pの減圧を指示して(ステップS11)、ステ
ップS1にリターンする。ブレーキ圧Pの指示ステップ
S8、S10およびS11においては、各指示に応じた
制御信号Ca〜CdおよびCMが生成される。
【0094】このように、複数の基本車速Vrの時間変
化から路面摩擦係数μを推定することにより、路面摩擦
係数μを推定するための基本車速Vrを適性に選択する
ことができる。また、車輪速をグループ分けして演算処
理することにより、グループ毎の車輪に対応した路面摩
擦係数μを高い信頼性で推測することができる。
【0095】また、推定された路面摩擦係数μに応じて
閾値aを求めることにより、路面状態(車輪のロック状
態)に応じた適切な閾値aを設定することができ、制動
能力を損なうことなく、ロック状態を確実に回避するこ
とができる。すなわち、路面摩擦係数μに応じて、細か
くブレーキ圧Pを調整することができる。
【0096】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
は、車輪減速度演算手段31で演算された車輪減速度G
wを、そのまま比較手段35に入力したが、車輪減速度
Gwをフィルタ処理してもよい。
【0097】図7は車輪減速度Gwをフィルタ処理後に
閾値と比較するようにしたこの発明の実施の形態2を示
す機能ブロック図であり、前述と同様の構成要素につい
ては同一符号を付してここでは詳述しない。
【0098】図7において、ECU11B内の車輪減速
度演算手段31と比較手段35Bとの間には、並列に2
系統のフィルタ処理手段37aおよび37bが挿入され
ている。
【0099】フィルタ処理手段37aは、比較的早い応
答特性でフィルタ処理を行い、車輪減速度Gwに対して
追従性の高い車輪減速度フィルタ値Gf1を生成する。
フィルタ処理手段37bは、フィルタ処理手段37aよ
りも遅い応答特性でフィルタ処理を行い、車輪減速度G
wに対して追従性の低い車輪減速度フィルタ値Gf2を
生成する。
【0100】また、閾値設定手段34は、路面摩擦係数
μに依存して、比較的レベルの大きい第1の閾値a1
と、第1の閾値a1よりもレベルの小さい第2の閾値a
2とを設定する。
【0101】比較手段35Bは、応答性の高い車輪減速
度フィルタ値Gf1を、レベルの大きい閾値a1と比較
して、Gf1>a1の場合に比較出力をHレベルにす
る。また、比較手段35Bは、応答性の低い車輪減速度
フィルタ値Gf2を、レベルの小さい閾値a2と比較し
て、Gf2>a2の場合に比較出力をHレベルにする。
【0102】したがって、比較手段35Bは、車輪減速
度フィルタ値Gf1が閾値a1を越えたときに比較出力
を生成する第1の比較手段と、車輪減速度フィルタ値G
f2が閾値a2を越えたときに比較出力を生成する第2
の比較手段とを含んでいる。また、比較手段35Bの機
能は、制御量演算手段40Bに含まれてもよい。
【0103】制御量演算手段は、比較手段35Bからの
第1および第2の比較出力のすくなくとも一方に応答し
て、ブレーキ圧を減圧するための制御量を生成する。な
お、閾値a1およびa2は、フィルタ処理手段37aお
よび37bのフィルタ係数に応じて可変設定される。
【0104】また、前述と同様に、路面摩擦係数推定手
段33は、各グループ毎の基本車速Vr1、Vr2に対
して個別に路面摩擦係数μ1、μ2を求め、閾値設定手
段34は、路面摩擦係数μ1に対して閾値a1、a2を
設定するとともに、路面摩擦係数μ2に対しても個別に
閾値a1、a2を設定する。さらに、制御量演算手段4
0Bは、各車輪減速度フィルタ値と各グループ毎の閾値
との比較結果に基づいて制御量を個別に演算する。
【0105】次に、図8のフローチャートを参照しなが
ら、この発明の実施の形態2のアンチスキッドブレーキ
制御動作について説明する。図8において、図示しない
ステップS1〜S5は図6に示した通りであり、ステッ
プS6〜S8、S10およびS11は前述と同様のステ
ップである。
【0106】この場合、路面摩擦係数μの推定ステップ
S5に続いて、フィルタ処理手段37aおよび37b
は、車輪減速度Gwのローパスフィルタ処理を行い、ノ
イズ成分が除去された車輪減速度フィルタ値Gf1およ
びGf2を生成する(ステップS15)。
【0107】また、閾値設定手段34は、上記(3)式
にしたがって、大小2つの閾値a1およびa2を演算す
る(ステップS6)。すなわち、α1>α2の関係を満
たす定数α1およびα2を用いて、以下のように、a1
>a2の関係を満たす閾値a1およびa2を演算する。
【0108】a1=α1(μ+β) a2=α2(μ+β)
【0109】次に、比較手段35Bは、車輪減速度フィ
ルタ値Gf1のレベルが閾値a1を越えたか否かを判定
し(ステップS16)、Gf1>a1(すなわち、YE
S)と判定されれば、ブレーキ圧Pの減圧指示ステップ
S11に進む。また、Gf1≦a1(すなわち、NO)
と判定されれば、続いて、車輪減速度フィルタ値Gf2
のレベルが閾値a2を越えたか否かを判定する(ステッ
プS17)。
【0110】もし、Gf2>a2(すなわち、YES)
と判定されれば、ブレーキ圧Pの減圧指示ステップS1
1に進み、Gf2≦a2(すなわち、NO)と判定され
れば、続いて、スリップ量SLが所定値ΔSLを越えた
か否かの判定ステップS7に進む。
【0111】ステップS7において、SL>ΔSL(す
なわち、YES)と判定されれば、ブレーキ圧Pの保持
指示ステップS10に進み、SL≦ΔSL(すなわち、
NO)と判定されれば、ブレーキ圧Pの増圧ステップS
8に進む。すなわち、ブレーキ圧Pを減圧しない状態に
おいて、スリップ量SLが極めて小さければ、ブレーキ
圧Pを増圧して制動能力を高め、減圧条件および増圧条
件のいずれも成立しない場合にはブレーキ圧Pを保持す
る。
【0112】このように、ノイズ成分を多く除去した車
輪減速度フィルタ値Gf2に対し、閾値a1よりも小さ
い閾値a2と比較することにより、たとえば、大きな車
輪減速度Gwが発生することなく徐々にスリップ量SL
が発生した場合でも、ステップS17においてYESと
判定されるので、減圧処理ステップS11に進むことが
できる。
【0113】また、フィルタ特性の異なる車輪減速度フ
ィルタ値Gf1、Gf2に対し、個別の閾値a1、a2
を設定することにより、車輪減速度Gwに含まれる外乱
ノイズの影響を確実に除去することができる。また、路
面摩擦係数μに応じて閾値aを変更するので、路面に対
するノイズ成分の影響を考慮することができ、制御信頼
性が向上する。
【0114】実施の形態3.なお、上記実施の形態1で
は、スリップ量演算手段36で演算されたスリップ量S
Lを、そのまま制御量演算手段40に入力したが、スリ
ップ量SLをフィルタ処理してもよい。
【0115】図9はスリップ量SLをフィルタ処理後に
制御量演算手段40Cに入力するようにしたこの発明の
実施の形態3を示す機能ブロック図であり、前述と同様
の構成要素については、同一符号を付してここでは詳述
しない。また、図10は図9内の比較手段35Cおよび
制御量演算手段40Cの具体的な構成例を示す回路図で
あり、比較手段35Cの機能は制御量演算手段40Cに
含まれ得る。
【0116】図9において、ECU11C内のスリップ
量演算手段36と制御量演算手段40Cとの間には、並
列に2系統のフィルタ処理手段38aおよび38bが挿
入されている。また、閾値設定手段34は、路面摩擦係
数μに依存して、大小2つの閾値a1およびa2を設定
する。
【0117】フィルタ処理手段38aは、比較的早い応
答特性でフィルタ処理を行い、スリップ量SLに対して
追従性の高いスリップ量フィルタSf1を生成する。フ
ィルタ処理手段38bは、フィルタ処理手段38aより
も遅い応答特性でフィルタ処理を行い、スリップ量SL
に対して追従性の低いスリップ量フィルタ値Sf2を生
成する。
【0118】図10において、比較手段35Cは、車輪
減速度Gwが第1の閾値a1を越えたときに第1の比較
出力41aを生成する第1の比較手段41と、車輪減速
度Gwが第2の閾値a2を越えたときに第2の比較出力
42aを生成する第2の比較手段42とを備えている。
【0119】制御量演算手段40Cは、スリップ量の許
容値ΔSfを設定する許容値設定手段と、第1のスリッ
プ量フィルタ値Sf1が許容値ΔSfを越えたときに第
3の比較出力43aを生成する第3の比較手段43と、
第2のスリップ量フィルタ値Sf2が許容値ΔSfを越
えたときに第4の比較出力44aを生成する第4の比較
手段44とを備えている。
【0120】また、制御量演算手段40Cは、第1の比
較出力41aおよび第3の比較出力43aの論理積をと
って第1の論理積出力51aを生成する第1のアンド回
路51と、第2の比較出力42aおよび第4の比較出力
44aの論理積をとって第2の論理積出力52aを生成
する第2のアンド回路52と、第1の論理積出力51a
および第2の論理積出力52aの論理和をとるオア回路
53とを含み、第1の論理積出力51aおよび第2の論
理積出力52aのすくなくとも一方に応答して、ブレー
キ圧Pを減圧するための制御量を生成する。
【0121】次に、図11のフローチャートを参照しな
がら、図9および図10に示したこの発明の実施の形態
3のアンチスキッドブレーキ制御動作について説明す
る。図11において、図示しないステップS1〜S5は
図6に示した通りであり、また、ステップS6〜S8、
S10およびS11は前述と同様のステップである。
【0122】この場合、路面摩擦係数μの推定ステップ
S5に続いて、フィルタ処理手段38aおよび38b
は、スリップ量Sfのローパスフィルタ処理を行い、ノ
イズ成分が除去されたスリップ量フィルタ値Sf1およ
びSf2を生成する(ステップS18)。
【0123】また、閾値設定手段34は、上記(3)式
にしたがって、大小2つの閾値a1およびa2を演算す
る(ステップS6)。たとえば、α1>α2の関係を満
たす定数α1(たとえば、α1=2)およびα2(たと
えば、α2=1.5)を用いて、以下のように、a1>
a2の関係を満たす閾値a1およびa2を演算する。
【0124】a1=α1(μ+β) a2=α2(μ+β)
【0125】次に、制御量演算手段40Cは、応答性の
高いスリップ量フィルタ値Sf1が許容値ΔSf(たと
えば、3km/h程度)を越えたか否かを判定する(ス
テップS19)。
【0126】ステップS19において、Sf1>ΔSf
(すなわち、YES)と判定されれば、続いて、車輪減
速度Gwが高レベルの閾値a1を越えたか否かを判定し
(ステップS20)、Gw>a1(すなわち、YES)
と判定されれば、ブレーキ圧Pの減圧指示ステップS1
1に進む。
【0127】一方、ステップS19、S20において、
Sf1≦ΔSf、またはGw≦a1(すなわち、NO)
と判定されれば、続いて、応答性の低いスリップ量フィ
ルタ値Sf2が許容値ΔSfを越えたか否かを判定する
(ステップS21)。
【0128】ステップS21において、Sf2>ΔSf
(すなわち、YES)と判定されれば、続いて、車輪減
速度Gwが低レベルの閾値a2を越えたか否かを判定し
(ステップS22)、Gw>a2(すなわち、YES)
と判定されれば、ブレーキ圧Pの減圧指示ステップS1
1に進む。
【0129】一方、ステップS21、S22において、
Sf2≦ΔSf、またはGw≦a2(すなわち、NO)
と判定されれば、前述のステップS7に進み、フィルタ
処理前のスリップ量SLが所定値ΔSL(たとえば、1
km/h程度)を越えたか否かを判定する。
【0130】以下、SL>ΔSL(すなわち、YES)
と判定されれば、ブレーキ圧Pの保持指示ステップS1
0に進み、SL≦ΔSL(すなわち、NO)と判定され
れば、ブレーキ圧Pの増圧指示ステップS8に進む。
【0131】このように、フィルタ処理ステップS18
により、スリップ量SLに含まれるノイズ成分が除去さ
れたスリップ量フィルタ値Sf1およびSf2が得られ
るので、信頼性の高いスリップ検出を行うことができ
る。
【0132】特に、ローパスフィルタ処理されたスリッ
プ量フィルタ値Sf2は、確実に発生している大きいス
リップ量を表わしているので、余裕の小さい低レベルの
閾値a2と比較することができ、さらに判定の信頼性が
向上する。
【0133】また、比較するパラメータ特性、たとえば
スリップ量SLのフィルタ特性に合わせて、閾値aを設
定しておけば、車輪1a〜1dの挙動に合わせて、きめ
の細かいブレーキ圧Pの調整を行うことができる。つま
り、スリップ量SLのフィルタ特性を考慮して、路面摩
擦係数μに応じた複数の閾値a1、a2を設定すること
により、種々の状況に対処することができる。
【0134】たとえば、車輪1a〜1dの状況に応じ
て、急激に車輪1a〜1dが減速する場合には、スリッ
プ量SLおよび車輪減速度Gwの変化も大きくなるが、
これに合わせて、フィルタ(ノイズ除去)効果は小さい
ものの、応答性の良い閾値aを設定することができる。
【0135】また、逆に、応答性は遅いものの、フィル
ク効果を大きく設定し、車輪1a〜1dが徐々に沈む場
合などに対応して、悪路などのノイズ的振動を除去する
ようにした閾値aを設定することもできる。
【0136】実施の形態4.なお、上記実施の形態1で
は、スリップ量SLの比較基準値として最小許容量に対
応した所定値ΔSLのみを用いたが、複数の比較基準値
を設定してスリップ量SLの大きさを段階的に判定し、
スリップ量SLの大きさに応じて車輪減速度Gwの閾値
aを可変設定してもよい。
【0137】図12はこの発明の実施の形態4による制
御量演算手段40Dの構成例を示す回路図であり、ブレ
ーキ圧Pの減圧条件として、スリップ量SLに対して複
数の比較基準値(許容値)Sr1およびSr2(Sr1
<Sr2)を設定した場合を示す。
【0138】また、図13はこの発明の実施の形態4の
アンチスキッドブレーキ制御動作を示すフローチャート
である。なお、この発明の実施の形態4の装置全体の構
成は、図1および図14に示した通りであり、ECU内
の制御量演算手段40Dの機能が一部異なるのみであ
る。
【0139】図12において、比較手段35Dは、前述
(図10参照)と同様に、車輪減速度Gwが第1の閾値
a1を越えたときに第1の比較出力61aを生成する第
1の比較手段61と、車輪減速度Gwが第2の閾値a2
(<a1)を越えたときに第2の比較出力62aを生成
する第2の比較手段62とを備えている。
【0140】制御量演算手段40Dは、スリップ量SL
に対して比較的レベルの小さい第1の許容値Sr1を設
定する第1の許容値設定手段と、スリップ量SLに対し
て第1の許容値Sr1よりもレベルの大きい第2の許容
値Sr2を設定する第2の許容値設定手段と、スリップ
量SLが第1の許容値Sr1を越えたときに第3の比較
出力63aを生成する第3の比較手段63と、スリップ
量SLが第2の許容値Sr2を越えたときに第4の比較
出力64aを生成する第4の比較手段64とを備えてい
る。
【0141】また、制御量演算手段40Dは、第1の比
較出力61aおよび第3の比較出力63aの論理積をと
って第1の論理積出力71aを生成する第1のアンド回
路71と、第2の比較出力62aおよび第4の比較出力
64aの論理積をとって第2の論理積出力72aを生成
する第2のアンド回路72と、第1の論理積出力71a
および第2の論理積出力72aの論理和をとるオア回路
73とを含み、第1の論理積出力71aおよび第2の論
理積出力72aのすくなくとも一方に応答して、ブレー
キ圧Pを減圧するための制御量を生成する。
【0142】次に、図13のフローチャートを参照しな
がら、図12に示したこの発明の実施の形態3のアンチ
スキッドブレーキ制御動作について説明する。図13に
おいて、図示しないステップS1〜S5は図6に示した
通りであり、ステップS6〜S8、S10およびS11
は前述と同様のステップである。
【0143】この場合、制御量演算手段40D内の許容
値設定手段(図示せず)は、あらかじめ、スリップ量S
Lに対して大小2つの許容値Sr1およびSr2(Sr
1<Sr2)を設定する。ここで、各許容値Sr1、S
r2は、たとえば、Sr1=1.5km/h、Sr2=
3km/h程度である。
【0144】また、ECU内の閾値設定手段34(図1
参照)は、前述の(3)式内の各定数α、βを、たとえ
ば、α1=2、α2=1.5、β1=0.2、β2=
0.1、にそれぞれ設定することにより、a1>a2の
関係を満たす閾値a1、a2を演算する。
【0145】図13内の閾値設定ステップS6に続い
て、制御量演算手段40D内の比較手段は、まず、スリ
ップ量SLが高レベルの許容値Sr2を越えたか否かを
判定し(ステップS23)、SL>Sr2(すなわち、
YES)と判定されれば、続いて、車輪減速度Gwが低
レベルの閾値a2を越えたか否かを判定する(ステップ
S24)
【0146】ステップS24において、Gw>a2(す
なわち、YES)と判定されれば、ブレーキ圧Pの減圧
指示ステップS11に進み、Gw≦a2(すなわち、N
O)と判定されれば、続いて、スリップ量SLが低レベ
ルの許容値Sr1を越えたか否かを判定する(ステップ
S25)。なお、ステップS23において、SL≦Sr
2(すなわち、NO)と判定された場合も、ステップS
25に進む。
【0147】ステップS25において、SL>Sr1
(すなわち、YES)と判定されれば、続いて、車輪減
速度Gwが高レベルの閾値a1を越えたか否かを判定し
(ステップS26)、Gw>a1(すなわち、YES)
と判定されれば、ブレーキ圧Pの減圧指示ステップS1
1に進む。
【0148】一方、ステップS25、S26において、
SL≦Sr1、またはGw≦a1(すなわち、NO)と
判定されれば、判定ステップS7を介して、ブレーキ圧
Pの増圧指示ステップS8または保持指示ステップS1
0に進む。
【0149】たとえば、ステップS23において、SL
>Sr2(すなわち、YES)と判定された場合は、ス
リップ量SLが比較的大きいので、ロック状態を防止す
るためにブレーキ圧Pを速やかに減圧する必要がある。
したがって、ステップS24において、車輪減速度Gw
が低レベルの閾値a2を越えた時点で減圧指示ステップ
S11に進む。
【0150】一方、ステップS25において、SL>S
r1(すなわち、YES)と判定された場合は、スリッ
プ量SLが比較的小さく、ロック状態を招く可能性が低
いので、減圧制御よりも制動能力の確保を優先させる。
【0151】したがって、ステップS26において、車
輪減速度Gwが高レベルの閾値a1を越えた時点で減圧
指示ステップS11に進む。ただし、ノイズ成分に対し
て余裕を得るために、前述の(3)式内の定数βを比較
的大きい値に設定してもよい。
【0152】このように、スリップ量SLの大きさに応
じた閾値aを設定することにより、悪路などの路面状態
を考慮した閾値を設定することができる。また、路面摩
擦係数μに応じて閾値を変更するので、路面に対するノ
イズ成分の影響を考慮することができ、制御信頼性が向
上する。
【0153】また、スリップ量SLが小さいときには、
車輪減速度Gwの閾値aを大きく設定して減圧させにく
くし、スリップ量SLが大きいときには、車輪減速度G
wの閾値aを小さく設定することにより、小さい減速状
態でも減圧することができ、車体の安定性を向上させる
ことができる。
【0154】実施の形態5.なお、上記実施の形態1で
は、車輪1a〜1dのうちの前輪グループおよび後輪グ
ループにそれぞれ対応した車輪減速度Gwの閾値aにつ
いて、詳細に言及しなかったが、閾値設定手段34は、
前輪に対応した閾値を、後輪に対応した閾値よりも大き
いレベルに設定してもよい。
【0155】これにより、制動能力に大きく影響を与え
る前輪に対して高いブレーキ圧Pが確保され、制動能力
の低下が防止されるともに、後輪の粘着性が向上するの
で、安定性を損なうこともない。
【0156】
【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項1によれ
ば、複数の車輪の回転速度を車輪速として個別に検出す
る車輪速検出手段と、ブレーキ操作に応動して各車輪に
対するブレーキ圧を調整する制動力調整手段と、ブレー
キ操作時の車輪速に基づいて、各車輪のロック傾向を防
止するように、制動力調整手段に対する制御量を演算す
るECUとを備えたアンチスキッドブレーキ制御装置で
あって、ECUは、ブレーキ操作時の各車輪速に基づい
て、各車輪のロック傾向に対応した車輪減速度を個別に
演算する車輪減速度演算手段と、各車輪速を複数のグル
ープに分けるためのグループ分け手段と、グループ毎の
各車輪速に基づいて基本車速を演算する基本車速演算手
段と、ブレーキ操作時の基本車速の時間変化に基づいて
路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段と、路面
摩擦係数に応じて車輪減速度の閾値を可変設定する閾値
設定手段と、車輪減速度と閾値との比較結果に基づいて
制御量を演算する制御量演算手段とを含み、路面状態に
応じた適性な閾値を用いて、制動能力を十分に確保する
とともにロック状態を確実に回避するようにしたので、
路面センサを用いることなく、路面摩擦係数の違いに対
しても高い信頼性を維持することのできるアンチスキッ
ドブレーキ制御装置が得られる効果がある。
【0157】また、この発明の請求項2によれば、請求
項1において、路面摩擦係数推定手段は、各グループ毎
の基本車速に対して個別に路面摩擦係数を求め、閾値設
定手段は、各路面摩擦係数に応じて個別に閾値を設定
し、制御量演算手段は、各グループ毎の車輪減速度と閾
値との比較結果に基づいて制御量を個別に演算するよう
にしたので、路面摩擦係数の違いに対しても高い信頼性
を維持することのできるアンチスキッドブレーキ制御装
置が得られる効果がある。
【0158】また、この発明の請求項3によれば、請求
項1において、基本車速演算手段は、グループ毎の基本
車速のうちの1つを選択する基本車速選択手段を含み、
路面摩擦係数推定手段は、選択された基本車速の時間変
化に基づいて路面摩擦係数を推定し、閾値設定手段は、
路面摩擦係数に応じて複数の閾値を設定するようにした
ので、路面摩擦係数の違いに対しても高い信頼性を維持
することのできるアンチスキッドブレーキ制御装置が得
られる効果がある。
【0159】また、この発明の請求項4によれば、請求
項1から請求項3までのいずれかにおいて、車輪減速度
に対して比較的早い応答特性でフィルタ処理を行い、第
1の車輪減速度フィルタ値を生成する第1のフィルタ処
理手段と、車輪減速度に対して第1のフィルタ処理手段
よりも遅い応答特性でフィルタ処理を行い、第2の車輪
減速度フィルタ値を生成する第2のフィルタ処理手段と
を備え、閾値設定手段は、路面摩擦係数に依存して、比
較的レベルの大きい第1の閾値と、第1の閾値よりもレ
ベルの小さい第2の閾値とを設定し、制御量演算手段
は、第1の車輪減速度フィルタ値が第1の閾値を越えた
ときに第1の比較出力を生成する第1の比較手段と、第
2の車輪減速度フィルタ値が第2の閾値を越えたときに
第2の比較出力を生成する第2の比較手段とを含み、第
1および第2の比較出力のすくなくとも一方に応答し
て、ブレーキ圧を減圧するための制御量を生成し、ブレ
ーキ圧調整条件として、平滑化された複数の車輪減速度
特性に応じて複数の閾値を設定するようにしたので、制
動能力を十分に確保するとともにロック状態を確実に回
避することのできるアンチスキッドブレーキ制御装置が
得られる効果がある。
【0160】また、この発明の請求項5によれば、請求
項1から請求項3までのいずれかにおいて、基本車速と
各車輪速との差により各車輪毎のスリップ量を演算する
スリップ量演算手段と、スリップ量に対して比較的早い
応答特性でフィルタ処理を行い、第1のスリップ量フィ
ルタ値を生成する第1のフィルタ処理手段と、スリップ
量に対して第1のフィルタ処理手段よりも遅い応答特性
でフィルタ処理を行い、第2のスリップ量フィルタ値を
生成する第2のフィルタ処理手段とを備え、閾値設定手
段は、路面摩擦係数に依存して、比較的レベルの大きい
第1の閾値と、第1の閾値よりもレベルの小さい第2の
閾値とを設定し、制御量演算手段は、車輪減速度が第1
の閾値を越えたときに第1の比較出力を生成する第1の
比較手段と、車輪減速度が第2の閾値を越えたときに第
2の比較出力を生成する第2の比較手段と、スリップ量
の許容値を設定する許容値設定手段と、第1のスリップ
量フィルタ値が許容値を越えたときに第3の比較出力を
生成する第3の比較手段と、第2のスリップ量フィルタ
値が許容値を越えたときに第4の比較出力を生成する第
4の比較手段と、第1および第3の比較出力の論理積を
とって第1の論理積出力を生成する第1のアンド回路
と、第2および第4の比較出力の論理積をとって第2の
論理積出力を生成する第2のアンド回路とを含み、第1
および第2の論理積出力のすくなくとも一方に応答し
て、ブレーキ圧を減圧するための制御量を生成し、ブレ
ーキ圧調整条件として、平滑化された複数のスリップ特
性に応じて複数の閾値を設定するようにしたので、制動
能力を十分に確保するとともにロック状態を確実に回避
することのできるアンチスキッドブレーキ制御装置が得
られる効果がある。
【0161】また、この発明の請求項6によれば、請求
項1から請求項3までのいずれかにおいて、基本車速と
各車輪速との差により各車輪毎のスリップ量を演算する
スリップ量演算手段を備え、閾値設定手段は、路面摩擦
係数に依存して、比較的レベルの大きい第1の閾値と、
第1の閾値よりもレベルの小さい第2の閾値とを設定
し、制御量演算手段は、車輪減速度が第1の閾値を越え
たときに第1の比較出力を生成する第1の比較手段と、
車輪減速度が第2の閾値を越えたときに第2の比較出力
を生成する第2の比較手段と、スリップ量に対して比較
的レベルの小さい第1の許容値を設定する第1の許容値
設定手段と、スリップ量に対して第1の許容値よりもレ
ベルの大きい第2の許容値を設定する第2の許容値設定
手段と、スリップ量が第1の許容値を越えたときに第3
の比較出力を生成する第3の比較手段と、スリップ量が
第2の許容値を越えたときに第4の比較出力を生成する
第4の比較手段と、第1および第3の比較出力の論理積
をとって第1の論理積出力を生成する第1のアンド回路
と、第2および第4の比較出力の論理積をとって第2の
論理積出力を生成する第2のアンド回路とを含み、第1
および第2の論理積出力のすくなくとも一方に応答し
て、ブレーキ圧を減圧するための制御量を生成し、ブレ
ーキ圧調整条件として、スリップの大きさに応じて複数
の閾値を設定するようにしたので、制動能力を十分に確
保するとともにロック状態を確実に回避することのでき
るアンチスキッドブレーキ制御装置が得られる効果があ
る。
【0162】また、この発明の請求項7によれば、請求
項1から請求項3までのいずれかにおいて、閾値設定手
段は、路面摩擦係数に応じた閾値をグループ毎に個別に
設定し、前輪に対応した閾値を、後輪に対応した閾値よ
りも大きいレベルに設定したので、さらに安定性を向上
させたアンチスキッドブレーキ制御装置が得られる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す機能ブロック
図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に用いられる複数の
車輪速の変化を示す波形図である。
【図3】 この発明の実施の形態1により選択される基
本車速を示す波形図である。
【図4】 この発明の実施の形態1により選択される基
本車速を示す波形図である。
【図5】 この発明の実施の形態1による減圧動作を示
すタイミングチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態1による減圧動作を示
すフローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態2を示す機能ブロック
図である。
【図8】 この発明の実施の形態2による減圧動作を示
すフローチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態3を示す機能ブロック
図である。
【図10】 この発明の実施の形態3による比較手段お
よび制御量演算手段の構成例を示す論理回路図である。
【図11】 この発明の実施の形態3による減圧動作を
示すフローチャートである。
【図12】 この発明の実施の形態4による比較手段お
よび制御量演算手段の構成例を示す論理回路図である。
【図13】 この発明の実施の形態4による減圧動作を
示すフローチャートである。
【図14】 一般的なアンチスキッドブレーキ制御装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図15】 図14内のアクチュエータの周辺の油圧経
路を示す構成図である。
【図16】 図15内の油圧経路を一系統に注目して詳
細に示す構成図である。
【図17】 従来のアンチスキッドブレーキ制御装置の
良好時の動作を示すタイミングチャートである。
【図18】 従来のアンチスキッドブレーキ制御装置の
動作の問題点を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1a〜1d 車輪、2a〜2d 車輪速センサ、8 ブ
レーキペダル、10a〜10d アクチュエータ、11
A〜11C ECU、15 モータ、16 モータリレ
ー、31 車輪減速度演算手段、32 基本車速演算手
段、33 路面摩擦係数推定手段、34 閾値設定手
段、35、35B〜35D、41〜44、61〜64
比較手段、36 スリップ量演算手段、37a、37
b、38a、38b フィルタ処理手段、40、40B
〜40D 制御量演算手段、41a〜44a、61a〜
64a 比較出力、51、52、71、72 アンド回
路、51a、52a、71a、72a 論理積出力、
a、a1、a2 閾値、Ca〜Cd、CM 制御信号、
Gf1、Gf2 車輪減速度フィルタ値、Gw、Gwa
〜Gwd 車輪減速度、P、Pa〜Pd ブレーキ圧、
Sf、Sf1、Sf2スリップ量フィルタ値、SL、S
La〜SLd スリップ量、Va〜Vd 車輪速信号、
Vw、Vwa〜Vwd 車輪速、Vr、Vr1、Vr2
基本車速、μ、μ1、μ2 路面摩擦係数、ΔSf、
Sr1、Sr2 許容値、ΔSL 所定値。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の車輪の回転速度を車輪速として個
    別に検出する車輪速検出手段と、 ブレーキ操作に応動して前記各車輪に対するブレーキ圧
    を調整する制動力調整手段と、 前記ブレーキ操作時の前記車輪速に基づいて、前記各車
    輪のロック傾向を防止するように、前記制動力調整手段
    に対する制御量を演算するECUとを備えたアンチスキ
    ッドブレーキ制御装置であって、 前記ECUは、 前記ブレーキ操作時の前記各車輪速に基づいて、前記各
    車輪のロック傾向に対応した車輪減速度を個別に演算す
    る車輪減速度演算手段と、 前記各車輪速を複数のグループに分けるためのグループ
    分け手段と、 前記グループ毎の各車輪速に基づいて基本車速を演算す
    る基本車速演算手段と、 前記ブレーキ操作時の前記基本車速の時間変化に基づい
    て路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段と、 前記路面摩擦係数に応じて前記車輪減速度の閾値を可変
    設定する閾値設定手段と、 前記車輪減速度と前記閾値との比較結果に基づいて前記
    制御量を演算する制御量演算手段とを含むことを特徴と
    するアンチスキッドブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記路面摩擦係数推定手段は、前記各グ
    ループ毎の基本車速に対して個別に前記路面摩擦係数を
    求め、 前記閾値設定手段は、前記各路面摩擦係数に応じて個別
    に前記閾値を設定し、 前記制御量演算手段は、前記各グループ毎の車輪減速度
    と閾値との比較結果に基づいて前記制御量を個別に演算
    することを特徴とする請求項1に記載のアンチスキッド
    ブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記基本車速演算手段は、前記グループ
    毎の基本車速のうちの1つを選択する基本車速選択手段
    を含み、 前記路面摩擦係数推定手段は、前記選択された基本車速
    の時間変化に基づいて路面摩擦係数を推定し、 前記閾値設定手段は、前記路面摩擦係数に応じて複数の
    閾値を設定することを特徴とする請求項1に記載のアン
    チスキッドブレーキ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記車輪減速度に対して比較的早い応答
    特性でフィルタ処理を行い、第1の車輪減速度フィルタ
    値を生成する第1のフィルタ処理手段と、 前記車輪減速度に対して前記第1のフィルタ処理手段よ
    りも遅い応答特性でフィルタ処理を行い、第2の車輪減
    速度フィルタ値を生成する第2のフィルタ処理手段とを
    備え、 前記閾値設定手段は、前記路面摩擦係数に依存して、比
    較的レベルの大きい第1の閾値と、前記第1の閾値より
    もレベルの小さい第2の閾値とを設定し、 前記制御量演算手段は、 前記第1の車輪減速度フィルタ値が前記第1の閾値を越
    えたときに第1の比較出力を生成する第1の比較手段
    と、 前記第2の車輪減速度フィルタ値が前記第2の閾値を越
    えたときに第2の比較出力を生成する第2の比較手段と
    を含み、 前記第1および第2の比較出力のすくなくとも一方に応
    答して、前記ブレーキ圧を減圧するための制御量を生成
    することを特徴とする請求項1から請求項3までのいず
    れかに記載のアンチスキッドブレーキ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記基本車速と前記各車輪速との差によ
    り前記各車輪毎のスリップ量を演算するスリップ量演算
    手段と、 前記スリップ量に対して比較的早い応答特性でフィルタ
    処理を行い、第1のスリップ量フィルタ値を生成する第
    1のフィルタ処理手段と、 前記スリップ量に対して前記第1のフィルタ処理手段よ
    りも遅い応答特性でフィルタ処理を行い、第2のスリッ
    プ量フィルタ値を生成する第2のフィルタ処理手段とを
    備え、 前記閾値設定手段は、前記路面摩擦係数に依存して、比
    較的レベルの大きい第1の閾値と、前記第1の閾値より
    もレベルの小さい第2の閾値とを設定し、 前記制御量演算手段は、 前記車輪減速度が前記第1の閾値を越えたときに第1の
    比較出力を生成する第1の比較手段と、 前記車輪減速度が前記第2の閾値を越えたときに第2の
    比較出力を生成する第2の比較手段と、 前記スリップ量の許容値を設定する許容値設定手段と、 前記第1のスリップ量フィルタ値が前記許容値を越えた
    ときに第3の比較出力を生成する第3の比較手段と、 前記第2のスリップ量フィルタ値が前記許容値を越えた
    ときに第4の比較出力を生成する第4の比較手段と、 前記第1および第3の比較出力の論理積をとって第1の
    論理積出力を生成する第1のアンド回路と、 前記第2および第4の比較出力の論理積をとって第2の
    論理積出力を生成する第2のアンド回路とを含み、前記
    第1および第2の論理積出力のすくなくとも一方に応答
    して、前記ブレーキ圧を減圧するための制御量を生成す
    ることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれ
    かに記載のアンチスキッドブレーキ制御装置。
  6. 【請求項6】 前記基本車速と前記各車輪速との差によ
    り前記各車輪毎のスリップ量を演算するスリップ量演算
    手段を備え、 前記閾値設定手段は、前記路面摩擦係数に依存して、比
    較的レベルの大きい第1の閾値と、前記第1の閾値より
    もレベルの小さい第2の閾値とを設定し、 前記制御量演算手段は、 前記車輪減速度が前記第1の閾値を越えたときに第1の
    比較出力を生成する第1の比較手段と、 前記車輪減速度が前記第2の閾値を越えたときに第2の
    比較出力を生成する第2の比較手段と、 前記スリップ量に対して比較的レベルの小さい第1の許
    容値を設定する第1の許容値設定手段と、 前記スリップ量に対して前記第1の許容値よりもレベル
    の大きい第2の許容値を設定する第2の許容値設定手段
    と、 前記スリップ量が前記第1の許容値を越えたときに第3
    の比較出力を生成する第3の比較手段と、 前記スリップ量が前記第2の許容値を越えたときに第4
    の比較出力を生成する第4の比較手段と、 前記第1および第3の比較出力の論理積をとって第1の
    論理積出力を生成する第1のアンド回路と、 前記第2および第4の比較出力の論理積をとって第2の
    論理積出力を生成する第2のアンド回路とを含み、前記
    第1および第2の論理積出力のすくなくとも一方に応答
    して、前記ブレーキ圧を減圧するための制御量を生成す
    ることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれ
    かに記載のアンチスキッドブレーキ制御装置。
  7. 【請求項7】 前記閾値設定手段は、前記路面摩擦係数
    に応じた前記閾値を前記グループ毎に個別に設定し、 前輪に対応した閾値は、後輪に対応した閾値よりも大き
    いレベルに設定されたことを特徴とする請求項1から請
    求項3までのいずれかに記載のアンチスキッドブレーキ
    制御装置。
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