JPH10287686A - 植物性リゾレシチンの製造法 - Google Patents

植物性リゾレシチンの製造法

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JPH10287686A
JPH10287686A JP9089499A JP8949997A JPH10287686A JP H10287686 A JPH10287686 A JP H10287686A JP 9089499 A JP9089499 A JP 9089499A JP 8949997 A JP8949997 A JP 8949997A JP H10287686 A JPH10287686 A JP H10287686A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色度が低く且つ風味の良い、高品質な植物
性リゾレシチンを、高い収率で得る方法の提供。 【解決手段】 含水レシチンを原料として用いて、これ
にホスフォリパーゼA1またはA2 からなる加水分解酵
素を作用させてリゾレシチンを生成せしめた後、得られ
たリゾレシチン生成液に対し、該生成液中の水分の1〜
4倍容量となる割合のアセトンを加えて攪拌することに
より、リゾレシチン部を浮揚せしめるか、或いは該水分
の5倍容量以上のアセトンを加えて攪拌することによ
り、リゾレシチン部を沈降せしめて、分離し、次いでか
かるリゾレシチン部に対し、アセトンにて繰返し抽出を
行なうことにより、前記リゾレシチンの生成反応におい
て副生した遊離脂肪酸や原料由来の脂溶性不純物を分
離、除去せしめるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、植物性リゾレシチンの製造法に
係り、特に、着色度が低く且つ風味の良い、高品質な植
物性リゾレシチンを、高い収率で得ることの出来る方法
に関するものである。
【0002】
【背景技術】植物由来のリゾレシチン、例えば大豆リゾ
レシチンは、大豆レシチン(1,2−ジアシルグリセロ
リン脂質)に加水したものに、加水分解酵素としてホス
フォリパーゼA1 またはA2 を作用させて、かかるリン
脂質の脂肪酸部を部分加水分解し、2−モノアシルグリ
セロリン脂質、または1−モノアシルグリセロリン脂質
に改質したものを意味しているが、そのような大豆リゾ
レシチンは、通常の大豆レシチンに比べて、O/W乳
化性が強い、酸性下及び塩類存在下でのエマルジョン
安定性が高い、蛋白質との結合や澱粉との結合能でも
優れた効果を発揮する、離型作用も優れている、等の
特徴を有しているところから、近年、その需要が高まっ
ている。
【0003】ところで、かかる大豆リゾレシチンの原料
として用いられる大豆レシチンは、先ず、大豆原油を濾
過し、次いで60℃〜80℃に加温した状態で水を2〜
3重量%加えて攪拌した後、沈殿した含水ガム質(水和
レシチン)たる沈殿部を遠心分離によって分離する脱ガ
ム工程を経由し、更に、その後、その得られた含水ガム
質を減圧下において加熱、乾燥することにより、リン脂
質分:60〜65%、中性脂肪:35〜40%、及び微
量の遊離脂肪酸とステロール類からなる組成のペースト
状レシチンとして、製造されている。そして、大豆リゾ
レシチンは、通常、この大豆レシチン(ペースト状レシ
チン)に再度加水した後、ホスフォリパーゼA1 または
2 からなる加水分解酵素を作用させて、各リン脂質の
所定の脂肪酸エステル部分を加水分解せしめ、そしてそ
の反応終了後に、加温して酵素を失活せしめ、更に、減
圧下において加熱、乾燥した後、脱酵素の目的で濾過を
行なって、製造されているのである。
【0004】しかしながら、このような大豆リゾレシチ
ンで代表される植物由来のリゾレシチンの需要が高まる
につれ、従来からのリゾレシチンの色調、風味、臭気が
問題視されるようになってきているのである。そして、
それらの問題を軽減させるために、酵素反応時に遊離さ
れる脂肪酸や原料由来の中性脂肪、ステロール類等を除
くために、アセトンを用いた抽出操作にて脱脂してな
る、脱脂製品が開発され、その需要が急激に高まってい
るが、そのような脱脂製品は、上記の問題を充分に解決
するものではなかったのである。
【0005】すなわち、リゾレシチンの着色と風味の劣
化は、先ず、原料たるレシチンが前述した加熱、乾燥工
程において加熱されることによって惹き起こされている
のである。要するに、レシチンは、熱に弱く、加熱によ
り容易に着色するため、含水ガム質の濃縮乾燥工程にお
いて着色を伴うことが避けられず、また風味も同様に劣
化してしまうようになるのである。また、リゾレシチン
も、同様に熱に弱いため、加水分解の後、酵素の失活工
程や再度の加熱、乾燥工程を経由するために、着色と風
味の劣化は避けられない問題として残っているのであ
る。なお、その対策として、乾燥工程における減圧度を
上昇せしめて、より低い温度下にて水分蒸発を行ない、
リゾレシチンの着色及び風味の劣化を抑制することが考
えられるのであるが、それには限度があったのであり、
また脱酵素のために、濾過の採用が避けられず、工程的
にも煩雑さを伴うものとなるのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、着色度が低く且つ風味の良い、高品質な植物性
リゾレシチンを高い収率で得る方法を提供することにあ
る。
【0007】
【解決手段】そして、本発明にあっては、そのような課
題を解決するべく、含水レシチンを原料として用いて、
これにホスフォリパーゼA1 またはA2 からなる加水分
解酵素を作用させてリゾレシチンを生成せしめた後、得
られたリゾレシチン生成液に対して、該生成液中の水分
の1〜4倍容量となる割合のアセトンを加えて攪拌する
ことにより、リゾレシチン部を浮揚せしめるか、或いは
該水分の5倍容量以上のアセトンを加えて攪拌すること
により、リゾレシチン部を沈降せしめて、分離し、次い
でかかるリゾレシチン部に対して、アセトンにて繰返し
抽出を行なうことにより、前記リゾレシチンの生成反応
において副生した遊離脂肪酸や原料由来の脂溶性不純物
を分離、除去せしめることを特徴とする植物性リゾレシ
チンの製造法を、その要旨とするものである。
【0008】このように、本発明手法は、含水レシチン
に対して所定の酵素を添加せしめ、その酵素分解を行な
い、得られた分解液(生成したリゾレシチン類を含むリ
ン脂質混合物の水溶液)に対して直接にアセトン処理を
施すようにしたものであり、かかる酵素分解によるリゾ
レシチン生成液に対して、上述の如き特定量においてア
セトンを加えることにより、リゾレシチンを上層或いは
下層に集め、そしてその集積されたリゾレシチン部を水
相部から分離せしめることにより、リゾレシチンが水相
部と共に廃棄されることを回避し、以てリゾレシチンの
損失を極めて少なくして、リゾレシチン部を取り出し得
るようにしたところに、大きな特徴を有しているのであ
る。けだし、レシチンに比べて、それをリゾ化したもの
は、親水性が著しく増し、このため、そのリゾレシチン
を含む水溶液に対してアセトン抽出を行なっても、特公
平5−43710号公報に示されるレシチンの場合のよ
うな結果は得られないのではないかと考えられたのであ
るが、本発明者らが敢えて検討を加えたところ、レシチ
ンの場合とは水分に対するアセトンの配合量においてや
や異なるものの、リゾレシチンが水溶液から効果的に分
離され得るという予期せぬ事実が見出されたからであ
る。
【0009】従って、かかる本発明手法によれば、従来
の手法に比べて、リゾレシチンの収率を落とすことがな
いために、製品のコストアップを招くことがないことに
加えて、従来法における二度の加熱濃縮工程を省略し
得、或いはその回数を軽減することが出来、また酵素除
去のための加熱失活工程や、粘度低下のため加温が必要
な濾過工程も、必須とするものではないところから、熱
による着色や臭い、味等の風味の劣化が極力抑制され、
以て高品質のリゾレシチンを高い収率で得ることが出来
るのである。
【0010】ところで、かくの如き本発明手法において
は、前記含水レシチンとして、植物油の脱ガム工程で発
生する含水ガム質が有利に用いられ、これによって、従
来法における二度の加熱濃縮工程の採用が全く回避され
得るという利点が生じるが、また、本発明にあっては、
通常の市販レシチン、換言すればかかる含水ガム質を加
熱、濃縮して得られるペースト状レシチンを用い、それ
を加水したものを、含水レシチンとして利用することも
可能である。このようなペースト状レシチンを加水した
ものを含水レシチンとして用いても、従来法における酵
素分解後の加熱濃縮工程を省略することが出来、これに
よって、少なくとも一度の熱履歴を回避し得るところか
ら、得られるリゾレシチンの着色を抑制し、また風味の
劣化も抑制することが出来るのである。
【0011】また、本発明に従う植物性リゾレシチンの
製造法にあっては、含水レシチンに所定の酵素を添加し
てリゾレシチンを生成せしめた後、かかる酵素による更
なる分解反応の進行を阻止する等のために、前記したア
セトンの配合によるリゾレシチン部の分離操作に先立
ち、得られたリゾレシチン生成液に対して、失活処理を
施しても、何等差し支えないが、特に、本発明にあって
は、アセトン処理によって酵素除去が効果的に為され得
ることとなるところから、かかる失活処理を施すことな
く、含水レシチンの酵素分解にて得られたリゾレシチン
生成液をそのまま用いて、それに前記アセトンの配合に
よるリゾレシチン部の分離操作を施すことが、有利に採
用され、これによって、高温での加熱による酵素失活の
工程が有利に省略され得て、リゾレシチンの着色や風味
の劣化をより一層効果的に軽減することが出来るのであ
る。
【0012】さらに、本発明の望ましい態様の一つによ
れば、前記アセトンによる繰返し抽出の後、得られたリ
ゾレシチン生成物を、非極性有機溶剤にて抽出処理する
ことにより、高純度のリゾレシチン生成物の粉末を得る
ことからなる手法が、採用されることとなる。このよう
な非極性有機溶媒による抽出処理にて、レシチン生成物
中の不純物が、効果的に分離され得ることとなるところ
から、不純物の多い含水ガム質やペースト状レシチン加
水物等の含水レシチンをそのまま用いて、本発明に従う
リゾレシチンの生成、分離処理を実施することが、可能
である。
【0013】更にまた、本発明に従う植物性リゾレシチ
ンの製造法の別の態様によれば、前記アセトンによる繰
返し抽出の後、得られたリゾレシチン生成物をアルコー
ルまたは含水アルコールにて抽出し、アルコール可溶部
からはリゾホスファチジルコリンを主成分とする画分を
取り出す一方、アルコール不溶部からはリゾホスファチ
ジルエタノールアミンやリゾホスファチジルイノシトー
ル、リゾホスファチジン酸を含む画分を得ることからな
る手法が採用され、これによって、リン脂質のリゾ化物
の混合物として得られるリゾレシチン生成物から、各リ
ゾ化物へ有利に分画され得ることとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】ところで、かくの如き本発明に従
う手法において、原料として用いられる含水レシチンに
は、リン脂質の混合物であるレシチンの含水物であれ
ば、何れも使用可能であるが、本発明にあっては、一般
に、植物油の通常の脱ガム工程(植物原油→濾過→加水
→ガム質分離)で発生する含水ガム質が有利に用いられ
るものであり、また、そのような含水ガム質を加熱濃縮
して得られる、通常の市販のペースト状レシチンに対し
て加水を行なったものも、そのような市販のペースト状
レシチンの入手が容易であるところから、本発明におけ
る含水レシチンとして、有利に用いられることとなる。
尤も、工程の簡略化に加えて、熱による着色や風味の劣
化を極力抑制する上において、前記した含水ガム質の使
用が推奨されるのである。なお、かかる含水レシチン
は、一般に30〜70%程度の水分を含むものである。
【0015】そして、そのような含水レシチンは、所定
の各種植物油から得られるものであるが、生産量の面か
ら入手の容易な大豆油が一般的に用いられ、それより、
目的とする含水レシチンが得られることとなる。勿論、
そのような大豆油の他にも、菜種油、コーン油等の他の
植物油の原油を利用することが出来ることは、言うまで
もないところである。なお、それらの原油の中には、ハ
イオレイック・サフラワー油、パーム油、パーム核油等
の、不飽和脂肪酸としてオレイン酸が主として含まれる
植物レシチンを与えるものが含まれ、それは、ポリエン
酸の多い大豆レシチンに比べて、抗酸化能が遙かに優れ
るという特徴を有している。而して、それらのオレイン
酸リッチな植物レシチンは、特に用途開発が未開拓なこ
ともあって、粗油の段階で濾過されず、そのまま加水し
て、脱ガムされているのが現状であって、そのために、
不純物の多い含水ガム質等の含水レシチンを与えるもの
であるが、本発明によれば、そのような不純物の多い含
水レシチンを用いても、高純度のリゾレシチン生成物を
得ることが出来るのである。
【0016】本発明は、このような含水レシチンに対し
て、加水分解酵素としてホスフォリパーゼA1 またはA
2 を添加せしめ、かかる酵素の加水分解作用にて、レシ
チン(リン脂質の混合物)から、目的とするリゾレシチ
ン、具体的にはリン脂質を構成するホスファチジルコリ
ン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジル
イノシトール、ホスファチジン酸から、それぞれ、対応
するリゾ体を生成せしめるのであるが、その際の酵素の
添加量、更には酵素反応によるリゾレシチンの生成条件
は、含水レシチンやその溶液のpH、酵素の種類や純度
等によって適宜に設定されることとなる。なお、かかる
酵素によるリゾレシチンの生成反応は、例えば、水分が
30〜70重量%程度の含水レシチンを、pH未調整の
まま、30℃〜60℃程度、好ましくは50℃〜55℃
程度に加温し、また、所定の酵素をレシチン(リン脂質
の混合物)量に対して、一般に0.03〜0.1重量%
程度添加せしめ、そして12〜60時間程度、好ましく
は24〜50時間程度、攪拌を続けることにより、行な
われることとなる。
【0017】なお、かかる酵素の作用によるリゾレシチ
ンの生成反応は、原料レシチンの主要成分の一つである
ホスファチジルコリンの分解率が60%以上、好ましく
は80%以上である(生成物の酸価としては60〜62
程度となる)ことを、薄層クロマトグラフィ法等によっ
て確認するまで続行せしめられることとなる。そして、
そのようなホスファチジルコリンの分解率が60%以
上、好ましくは80%以上であることが確認された後、
リゾレシチンの生成液には、水酸化ナトリウム水溶液等
のアルカリ水溶液が添加されて、その酸価が、一般に5
0以下、好ましくは45以下に調節され、更に、必要に
応じて、通常、80〜100℃×20〜50分、好まし
くは85〜90℃×30分程度の加熱による失活処理が
施される。なお、上記アルカリ水溶液の添加は、レシチ
ンの酵素分解にて生じる脂肪酸による生成液の酸性化を
阻止(中和)するものであり、そしてそのような中和に
て、リン脂質成分の分解を阻止することにある。また、
用いる酵素によって至適pHが異なることから、酵素反
応の進行中において、酸素水溶液、アルカリ性水溶液、
或いは各種の緩衝液を加えて、酵素反応を調整すること
も、有利に採用されることとなる。
【0018】また、上記のような失活処理にて、リゾレ
シチン生成液中における酵素の作用が、効果的に阻止さ
れ得ることとなるのであるが、本発明にあっては、後の
アセトン処理によって、用いられた酵素が効果的に除去
されることとなるために、そのような酵素失活の工程を
有利に省略せしめ得るのである。けだし、用いられる酵
素(ホスフォリパーゼA1 、A2 )が水溶性であるため
に、本発明では、最初のアセトン配合によるリゾレシチ
ン部の分離操作にて、大部分の水が除去され、更に引き
続きアセトンによる繰返しの抽出操作にて、水分がアセ
トン側に移行することとなるところから、そのような水
分除去によって同時に酵素も除去されることとなるため
に、得られる高純度リゾレシチン生成物中には、酵素が
殆ど残存することがないからである。
【0019】因みに、本発明者らが、かかる酵素除去の
効果を確かめるために、含水レシチンを所定の酵素にて
加水分解して得られる酵素分解リゾレシチン水溶液、換
言すればリゾレシチンの生成液に対して、加熱による酵
素失活処理を施すことなく、そのような酵素分解処理の
施されたままの酵素分解リゾレシチン水溶液をアセトン
処理し、得られた粉末状の高純度リゾレシチン生成物
を、通常の酵素処理していないレシチンのアセトン処理
で得られる粉末状の高純度レシチンに対して、1:1の
比率で混合してなる混合物に、加水を行ない、50〜5
5℃に加温して、24時間攪拌を続け、薄層クロマトグ
ラフィ法により、ホスファチジルコリンの残存量を調べ
たところ、添加した高純度レシチンのホスファチジルコ
リン量が、そのまま維持されていることが明らかとなっ
たのであり、このことから、本発明におけるアセトン処
理にて、リゾレシチン生成物から酵素除去が効果的に為
されていることは明らかであり、それ故に、そのような
酵素失活の工程の省略にて、リゾレシチンの着色や風味
の劣化の抑制に著しく寄与せしめ得るのである。
【0020】そして、本発明にあっては、上述の如き所
定の加水分解酵素を含水レシチンに添加せしめて、酵素
分解して得られるリゾレシチンの生成液に対して、そこ
に含有されている水分量の1〜4倍容量、若しくは5倍
容量以上のアセトンを配合せしめることによって、リゾ
レシチン部がそのような配合物の上層若しくは下層に集
まり、水相部から分離するようにするのである。即ち、
本発明者らによる検討の結果、リゾ化によってレシチン
よりも遙かに親水性が増したリゾレシチンにあっても、
それを含む水溶液である酵素分解リゾレシチン水溶液
(リゾレシチン生成液)に対して、アセトンを含有水分
の1〜4倍容量加えると、リゾレシチン部が上層に浮か
び、下層の水相部と明確に区分されることが見出された
のであり、また、その含有水分の5倍容量以上のアセト
ンを加えた場合にあっては、上記の場合とは異なり、リ
ゾレシチン部が下層に沈み、上層の水相部と明確に区分
され得ることが見出されたのである。
【0021】これに対して、そのような酵素分解リゾレ
シチン水溶液に対して、その水分量の1倍容量未満のア
セトンを加えた場合には、層分離は惹起され得ず、また
その水分量の4倍容量よりは多く、5倍容量よりも少な
い割合のアセトンを加えた場合には、不明瞭な三層が形
成され、時間と共に、上層の一部が中間層及び下層に移
行し、層の区分が明確でなくなるようになるのであり、
そのために、リゾレシチン部を収率よく集めることが出
来ず、リゾレシチン部を高収率で取り出すことが出来な
いのである。因みに、そのような三層中の下層のみ、ま
たは上層のみを分離して、アセトン処理を行ない、粉末
状のリゾレシチンを取り出したところ、何れの場合も3
0%〜50%程度の収率となり、そのような三層分離の
状態では、リゾレシチンが限定された層に集中せずに分
散していることが確認されたのである。
【0022】なお、このような酵素処理後のリゾレシチ
ン生成液において、リゾレシチン部を浮揚或いは沈殿せ
しめるために配合されるアセトンは、通常用いられる蒸
留アセトンであることが好ましいが、含水アセトンであ
っても、何等差し支えない。尤も、本発明において、含
水レシチンに対して配合されるアセトン量は、総水分量
に対して規定されるため、含水アセトンを用いる場合に
は、含水レシチン中の水分量に含水アセトン中の水分量
を加えた全ての水分(合計水分量)に対して、含水アセ
トン中のアセトン量を規定する必要があることは言うま
でもないところである。
【0023】次いで、本発明は、かかる所定量のアセト
ンの配合によって、リゾレシチン生成液から取り出され
たリゾレシチン部に対して、アセトンによる繰返し抽出
を行なうものであり、これによって、リゾレシチンの生
成反応において副生した遊離の脂肪酸や原料由来の脂溶
性不純物(油分)等が分離、除去せしめられ、また残留
水分も同時に除去され、以て高純度のリゾレシチン生成
物(リゾレシチン類を含むリン脂質混合物)が粉末形態
において得られることとなる。なお、そのようなリゾレ
シチン部に対するアセトン処理は、従来のアセトンを用
いた抽出処理と同様にして行なうことが出来、またリゾ
レシチン部からの脱水や脱脂が完全に行なわれ得るよう
に、加えられるアセトン量や処理回数が適宜に定められ
ることとなるが、分離されたリゾレシチン部に対して、
アセトン抽出を行なうのは、脱脂のみならず、脱水をも
兼ねることを意図するものであるところから、リゾレシ
チン部に対して、一般に1倍容量以上、好ましくは3〜
5倍容量のアセトンを用いて、前記したアセトン抽出処
理を実施することが望ましい。また、リゾレシチンが、
その原料であるレシチンに比べて吸水性が強いところか
ら、その脱水を効率的に行なうためにも、水を含まない
蒸留アセトンを用いることが推奨される。
【0024】ところで、このようなアセトン抽出処理に
て得られるリゾレシチン生成物の粉末は、一般に高純度
のものであるが、前述せるように、オレイン酸リッチな
植物レシチンにあっては、粗油の段階で濾過されず、そ
のまま加水して、脱ガムされたものが用いられることと
なるところから、そのような植物性レシチンから得られ
る含水レシチンは、また、アセトン抽出処理にても除去
し得ない不純物を含有するものであって、そのために、
本発明においては、そのような不純物を含む含水レシチ
ンを用いて得られたリゾレシチン生成物に対しては、所
定の非極性有機溶剤、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン等の炭素数が5〜8程度の飽和炭化水素
にて抽出処理することにより、そのような不純物を溶出
除去して、高純度のリゾレシチン生成物とする手法が、
有利に採用されることとなる。また、酵素反応時に各種
の緩衝液を添加した場合にも、構成塩類が効果的に除去
され得ることとなるのである。
【0025】また、上記の如くリゾレシチン部をアセト
ン抽出処理して得られるリゾレシチン生成物は、原料レ
シチンを構成するリン脂質の混合物に対応して、リン脂
質成分のリゾ化されたものや、未リゾ化リン脂質成分、
更にはホスフォリパーゼA1やA2 ではリゾ化されない
リン脂質成分の混合物として得られるものであるところ
から、本発明にあっては、そのようなリゾレシチン生成
物に対して、更にメタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノールの如きC1 〜C3 アルコール、ま
たはそのようなアルコールに1〜10重量%程度の水が
含有せしめられてなる含水アルコールによる抽出処理が
施され、そしてそのアルコール可溶部からリゾホスファ
チジルコリンを主成分とする画分が取り出される一方、
アルコール不溶部からはリゾホスファチジルエタノール
アミンやリゾホスファチジルイノシトール、リゾホスフ
ァチジン酸を含む画分が得られるようにした手法が、有
利に採用され、これによって各リン脂質成分のリゾ体を
有利に分離せしめ得るのである。
【0026】なお、かくの如き本発明に従う植物性リゾ
レシチンの製造法において、リゾレシチン生成液に対す
る所定量のアセトンの配合にて、上層或いは下層に集積
したレシチン部を水相部から分離して取り出したり、得
られたリゾレシチン部に対するアセトン抽出処理、更に
はアルコールまたは含水アルコールによる抽出処理や非
極性有機溶剤による抽出処理における固液分離には、通
常の静置法、遠心分離法等の公知の各種の分離操作が適
宜に採用されることとなる。
【0027】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0028】なお、以下の実施例における百分率は、何
れも、重量基準で示されるものであり、また、使用した
アセトンは蒸留アセトンであり、更に、リン脂質及びそ
のリゾ化物の略称として、PC:ホスファチジルコリ
ン、PE:ホスファチジルエタノールアミン、PI:ホ
スファチジルイノシトール、PA:ホスファチジン酸、
LPC:リゾホスファチジルコリン、LPE:リゾホス
ファチジルエタノールアミン、LPA:リゾホスファチ
ジン酸を使用した。
【0029】実施例 1 大豆油の脱ガム工程において得られる含水ガム質であ
る、水分50%の含水レシチン(リン脂質の混合物)を
用い、その1.2kgを50〜55℃に加温せしめ、攪
拌しながら、加水分解酵素:ホスフォリパーゼA2 であ
る、レシターゼ10L(ノボ・ノルディスク社製、11
000ユニット/ml):0.2mlを加え、24時間
の酵素反応を行なって、日本油化学会編「基準油脂分析
試験法」4.2.1.−1996「酸価」に基づいて測
定して得られる反応生成物の酸価が60に達した時点
で、5N水酸化ナトリウム水溶液:40mlを加え、か
かる酸価を45以下にした後、更に加水して、総量を
1.2kgとした後、加熱して、温度を85〜90℃に
上昇せしめ、その温度下において30分間保持すること
により、酵素の失活を行なって、目的とするリゾレシチ
ン水溶液を得た。
【0030】次いで、上記で得られたリゾレシチン水溶
液を用い、その300gにアセトン:300ml(リゾ
レシチン水溶液中の水分量に対して略2倍容量に相当す
る)を加えて、攪拌することにより、リゾレシチン部を
浮揚せしめて、水相部より分離させた。そして、この上
層(リゾレシチン部)と下層(水相部)の二層に分離さ
れた混合液から、下層の水相部を除くことによって、上
層のリゾレシチン部を取り出し、それを1回当り700
mlのアセトンを用いて5回抽出処理することにより、
かかるリゾレシチン部に含まれる遊離脂肪酸(リゾレシ
チンの生成反応において副生したもの)や、原料由来の
中性脂肪、ステロール類等の油分、更には残留水分を溶
出、除去せしめた後、そのようなアセトン抽出処理の施
されたリゾレシチン部から、残留アセトンを減圧下にお
いて除去することにより、粉末状の高純度リゾレシチン
生成物:64gを得た。
【0031】実施例 2 実施例1において得られたリゾレシチン水溶液を用い、
その300gにアセトン:900ml(リゾレシチン水
溶液中の水分量の約6倍容量に相当する)を加えて、攪
拌することにより、リゾレシチン部を沈殿せしめた。そ
して、その沈殿したリゾレシチン部の上に位置する水相
部(上層)を除去することにより、リゾレシチン部を取
り出し、それを1回当り700mlのアセトンにて5回
抽出処理して、脂肪酸や油分、更には残留水分等を除去
せしめた後、このアセトン処理の施されたリゾレシチン
部から残留アセトンを減圧下において除去せしめること
により、粉末状の高純度リゾレシチン生成物62.7g
を得た。
【0032】比較例 1 上記の実施例1において得られたリゾレシチン水溶液を
用い、その300gを減圧下で乾燥することにより、ペ
ースト状リゾレシチンと為した後、このペースト状リゾ
レシチンに、1%相当量のセライト(濾過助剤)を加え
て、加温下、減圧で、濾紙濾過を行ない、145gのペ
ースト状リゾレシチン生成物を得た。次いで、このペー
スト状リゾレシチン生成物に対して、1回当り700m
lのアセトンを用いて、5回繰返し抽出処理を施し、更
に、そのアセトン処理の施されたリゾレシチン生成物か
ら残留アセトンを減圧下において除去せしめることによ
り、粉末状の高純度リゾレシチン生成物66.7gを得
た。
【0033】比較例 2 上記の実施例1において得られたリゾレシチン水溶液の
300gに、アセトン675ml(リゾレシチン水溶液
中の水分量の4.5倍容量に相当する)を加えて、混合
攪拌したところ、その混合液は、上層、中間層、及び下
層の三層に分離した。そして、かかる分離の後、上層の
ものが少しずつ下層に移行し、境界面が明確でなくなる
ところから、その分離直後に上層のみを取り分け、それ
を1回当り700mlのアセトンにて5回抽出処理した
後、得られたリゾレシチン部から残留アセトンを減圧下
において除去せしめることによって、粉末状の高純度リ
ゾレシチン生成物30.5gを得た。
【0034】−評 価− 上記の実施例1、2及び比較例1、2において得られた
各種の高純度リゾレシチン生成物粉末について、日本油
化学会編「基準油脂分析試験法」1996年版に従っ
て、アセトン可溶分、主要なリン脂質組成、着色度を調
べ、その結果を収量及び収率と共に、下記表1に示し
た。なお、アセトン可溶分は、リゾレシチン生成物の純
度を示すものであり、その値が小さい程、高純度である
ことを示している。
【0035】
【表1】 *1:リン脂質の主要成分であるPC、PE、PI、P
Aのうち、ホスフォリパーゼA2 により、PIは酵素分
解されず、他のリン脂質(PC、PE、PA)は、それ
ぞれのリゾ体に酵素分解されることとなるが、リン脂質
により分解速度が異なるところから、理論的な収率を求
めることが困難であり、そのために、比較例1における
収量を100%として、他の例の収率が相対的に示され
ている。 *2:日本油化学会編「基準油脂分析試験法」2.2.
1.1−1996「色(ロビボンド法)」に準拠して、
試料10gをベンゼン50mlに溶解し、1インチセル
を用いて、ロビボンド比色計にて測定した。
【0036】かかる表1の結果から明らかなように、本
発明手法に従う実施例1、2にあっては、従来からの濾
過法に従う比較例1に比べて、収率が94〜96%とな
っており、これは、比較例2の収率に比べて、著しく高
いことが認められる。また、リゾレシチンの純度を示す
アセトン可溶分やリン脂質組成は、実施例1、2と比較
例1との間に差異は殆ど認められないが、着色度の指標
である赤色値(R)が、乾燥工程を経た比較例1では2
1と高いのに対して、実施例1、2では、11〜12と
低くなり、得られるリン脂質生成物の着色度に顕著な差
異が認められた。更に、実施例1、2において得られた
リゾレシチン生成物は、従来からの濾過法を採用した比
較例1に比べて、臭気の点において格段の優位性を示
し、また従来から経験的に知られている「着色度の低い
ものが風味において優れている」とのことからして、上
記の如く着色度の少ない実施例1、2のリゾレシチン生
成物が、風味の点においても優れていることは、明らか
である。
【0037】実施例 3 水分60%の含水大豆レシチンの1kgを、50〜55
℃に加温し、攪拌しながら、ホスフォリパーゼA2 (加
水分解酵素)として、レシターゼ10Lを0.15ml
加えて、24時間酵素反応を行ない、酸価が60に達し
た時点で、更に5N水酸化ナトリウム水溶液を26ml
加え、酸価を45以下にした後、酵素の失活工程を経由
させることなく、直ちに、アセトンの1.2リットル
(酵素反応生成液中の水分の2倍容量に相当する)を加
えて、攪拌することにより、リゾレシチン部を浮揚せし
めた後、下層の水層を除き、得られたリゾレシチン部に
対して、1回当り3リットルのアセトンを用いて、5回
の抽出処理を施した。その後、このアセトン処理の施さ
れたリゾレシチン部から、残留アセトンを減圧下におい
て除去せしめて、粉末状の高純度リゾレシチン生成物1
75g(歩留り:原料大豆レシチンの43.8%)を得
た。この得られた高純度リゾレシチン生成物を粉末Aと
する。
【0038】一方、水分40%の含水大豆レシチンを用
い、その1kgを50〜55℃に加温し、攪拌しなが
ら、加水分解酵素としてのホスフォリパーゼA1 (三共
株式会社製、155ユニット/1mg):30mgを少
量の水に溶かしてなる溶液を加えて、48時間の酵素反
応を行ない、酸価が60に達した時点で、5N水酸化ナ
トリウム水溶液30mlを加えて、酸価を45以下にし
た後、酵素の失活工程を経ることなく、そのまま、アセ
トン:2.4リットル(酵素分解生成液中の水分の6倍
容量に相当する)を加えて、攪拌することにより、リゾ
レシチン部を沈殿せしめた後、上層の水相部を除き、得
られたリゾレシチン部について、1回当り3リットルの
アセトンを用いて、6回の抽出処理を行なった。そし
て、このアセトン処理の施されたリゾレシチン部から、
残留アセトンを減圧下において除去することにより、粉
末状の高純度リゾレシチン生成物を245g(歩留り:
原料大豆レシチンの40.8%)得た。なお、ここで用
いたホスフォリパーゼA1 は、前記したレシターゼ10
L(ホスフォリパーゼA2 )では酵素分解を受けないP
Iも分解することとなるところから、収量が減少してい
ることが認められるのである。また、ここで得られた高
純度リゾレシチン生成物を粉末Bとする。
【0039】以上の二つの実験で得られた粉末A、Bに
ついて、それぞれ、前記したロビボンド法にて、着色度
を測定したところ、その赤色値(R)は、何れも、6〜
7であり、実施例1及び2における赤色値11〜12
(表1参照)と比べて、着色度の顕著な差異が認めら
れ、また、風味も一段と優れたものとなっていることを
認めた。これは、本実施例では酵素の不活性化のための
加熱を行なっていないことによるものと考えられるので
ある。
【0040】また、上記の粉末A、Bを用い、その各1
0gを、それぞれ、粉末状の高純度大豆レシチン(通常
のペースト状大豆レシチンをアセトン処理して得られた
もの)の10gと混合し、更に、50mlの水を加えて
溶液状とした後、50〜55℃に加温し、攪拌下におい
て50時間保持した後、それぞれの混合溶液中の各リン
脂質の組成を調べ、その結果を加温前のリン脂質組成と
共に、下記表2に示した。
【0041】
【表2】
【0042】この表2の結果から明らかなように、粉末
A、Bの混合品とも、加温後の各リン脂質の含有量は若
干低くなるが、それは、長時間の加温によるリン脂質の
分解に基づくことが、粉末Aの混合品におけるPIの分
析値からも推察されるのである。即ち、ホスフォリパー
ゼA2 (レシターゼ10L)では、PIは酵素分解され
ないことから、理論上はPIの値が保持されるのである
が、実際には、PIの値も加温後においては、若干低く
なっているのである。而して、何れにしても、何れの混
合品にあっても、各リン脂質の残存酵素による急激な減
少は認められないのであり、それ故に本発明に従うアセ
トン処理は、用いられる酵素(ホスフォリパーゼA1
2 )が水溶性であることに基因して、その効果的な脱
酵素手段であることを示しているのである。
【0043】実施例 4 原油の濾過を施していない、水分70%の含水サフラワ
ーレシチンを用い、その1kgを50〜55℃に加温し
た後、攪拌しながら、加水分解酵素として、前記したレ
シターゼ10Lを0.12ml加え、そして、24時間
酵素反応を行なって、酸価が60に達した時点で、5N
水酸化ナトリウム水溶液を25ml加えて、酸価を45
以下に低下せしめることにより、目的とするリゾレシチ
ンの生成液を得た。
【0044】次いで、かかるリゾレシチンの生成液に対
して、アセトンの4.2リットル(リゾレシチン生成液
中の水分の約6倍容量に相当する)を加えて、攪拌する
ことにより、リゾレシチン部を沈殿せしめた後、上層の
水相部を除き、得られたリゾレシチン部に対して、1回
当り3リットルのアセトンにて、6回の抽出処理を施
し、更にその後、このアセトン処理の施されたリゾレシ
チン部から、残留アセトンを減圧下において除去するこ
とにより、粉末状のリゾレシチン生成物130gを得
た。このリゾレシチン生成物のトルエン不溶部は2.5
%であり、原油の濾過を行なわないことに由来するリン
脂質以外の不純物が含まれていることが認められ、その
ままでは、トルエン不溶部は0.5%以下であるとす
る、リゾレシチン生成物の規格外となり、商品化するこ
とが出来ないのである。
【0045】そこで、上記のリゾレシチン生成物粉末の
40gを、n−ヘキサンの200mlに溶解し、濾紙濾
過を行なった後、減圧下においてヘキサンを除去して、
得られた38.5gの精製リゾレシチン生成物は、その
トルエン不溶部が0.08%であって、前記の規格に充
分合致する高純度のものとなった。
【0046】また、上記の規格外のリゾレシチン生成物
粉末の40gを、エタノールの120mlで3回抽出処
理した後、上澄みのエタノール部のみ集め、減圧下でエ
タノールを除去することにより、LPCを主成分とする
画分(8g;LPC含有量=62%)を得た。このもの
のトルエン不溶部は、0.1%であり、従ってエタノー
ル抽出の場合においては、濾過を行なわなくても、上澄
み液を集め、溶媒(エタノール)の除去を行なえば、高
純度の分画品を得ることが出来るのである。
【0047】さらに、前記のn−ヘキサン抽出にて得ら
れた高純度のリゾレシチン生成物を用い、その60gを
エタノール:200mlで3回抽出処理することによ
り、エタノール可溶部とエタノール不溶部に分けた。そ
して、得られたエタノール可溶部を濃縮乾燥することに
より、LPCを主成分とする画分:11g(LPC含有
量=65%)を、またエタノール不溶部を乾燥して、L
PE、LPA等を含む画分45gを得た。
【0048】このように、原油濾過を行なわず、不純物
の多い含水ガム質等の含水レシチンを原料としても、酵
素処理及びアセトン処理の後、n−ヘキサンの如き、非
極性有機溶剤やエタノールのような極性有機溶剤を用い
て抽出処理することにより、或いはそれらの溶剤を用い
た抽出処理を組み合わせて適用することにより、高純度
のリゾレシチン生成物或いはリゾレシチンの分画品を得
ることが出来るのである。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、植物性の含水レシチンに対して、ホスフォリパーゼ
1 またはA2 を作用させて、リゾレシチンに改質し、
そしてこのリゾレシチンを含む水溶液に対して、所定量
のアセトンを加えて、リゾレシチン部を浮揚若しくは沈
殿せしめて分離し、更に、その分離されたリゾレシチン
部に対してアセトンで繰り返して抽出することにより、
粉末状のリゾレシチン生成物を得るものであって、その
ようなリゾレシチン生成物が、従来品に比較して、着色
度が著しく低い上に、臭い、味等の風味も極めて良好な
ものであり、そのため、一般食品工業分野は勿論のこ
と、化粧品の分野においても、利用価値の高いものとな
ったところに、本発明の大きな技術的意義が存するので
ある。
【0050】また、本発明に従う製造手法は、従来の手
法に比べて、リゾレシチン生成物の収率を落とすことが
ないために、製品のコストアップを招くことがなく、か
えって、濃縮乾燥工程、酵素失活工程、濾過工程を省略
することも可能であるところから、そのような工程の省
略によって、設備費を低減することが出来ると共に、生
産サイクルを高め得る利点も内在しているのである。
【0051】さらに、本発明手法によれば、植物原油か
ら濾過を行なうことなく得られた、不純物の多い含水レ
シチンを原料として用い、それから、高純度のリゾレシ
チン生成物や分画品を得ることも出来るところから、未
利用のレシチン、特にハイオレイックなレシチンから、
目的とするリゾレシチン生成物を得ることも可能とな
り、そのため、抗酸化性に優れたリゾレシチン生成物も
得られることとなり、以てレシチンの多角的な利用を図
り得ることとなったのである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水レシチンを原料として用いて、これ
    にホスフォリパーゼA1 またはA2 からなる加水分解酵
    素を作用させてリゾレシチンを生成せしめた後、得られ
    たリゾレシチン生成液に対して、該生成液中の水分の1
    〜4倍容量となる割合のアセトンを加えて攪拌すること
    により、リゾレシチン部を浮揚せしめるか、或いは該水
    分の5倍容量以上のアセトンを加えて攪拌することによ
    り、リゾレシチン部を沈降せしめて、分離し、次いでか
    かるリゾレシチン部に対して、アセトンにて繰返し抽出
    を行なうことにより、前記リゾレシチンの生成反応にお
    いて副生した遊離脂肪酸や原料由来の脂溶性不純物を分
    離、除去せしめることを特徴とする植物性リゾレシチン
    の製造法。
  2. 【請求項2】 前記含水レシチンが、植物油の脱ガム工
    程で発生する含水ガム質である請求項1記載の植物性リ
    ゾレシチンの製造法。
  3. 【請求項3】 前記含水レシチンが、ペースト状レシチ
    ンを加水したものである請求項1記載の植物性リゾレシ
    チンの製造法。
  4. 【請求項4】 前記含水レシチンに対して、前記酵素の
    至適pHとなるように、アルカリ性水溶液、酸性水溶液
    または緩衝液を添加せしめて、前記酵素反応を行なわし
    める請求項1乃至請求項3の何れかに記載の植物性リゾ
    レシチンの製造法。
  5. 【請求項5】 前記リゾレシチンを生成せしめた後、前
    記アセトンの配合に先立ち、得られたリゾレシチン生成
    液に対して失活処理を施すことを特徴とする請求項1乃
    至請求項4の何れかに記載の植物性リゾレシチンの製造
    法。
  6. 【請求項6】 前記リゾレシチンを生成せしめた後、得
    られたリゾレシチン生成液に対して失活処理を施すこと
    なく、そのまま、前記アセトンの配合を行なうことを特
    徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の植物性
    リゾレシチンの製造法。
  7. 【請求項7】 前記アセトンによる繰返し抽出の後、得
    られたリゾレシチン生成物を非極性有機溶剤にて抽出処
    理することにより、高純度のリゾレシチン生成物を得る
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載
    の植物性リゾレシチンの製造法。
  8. 【請求項8】 前記アセトンによる繰返し抽出の後、得
    られたリゾレシチン生成物をアルコールまたは含水アル
    コールにて抽出し、アルコール可溶部からリゾホスファ
    チジルコリンを主成分とする画分を取り出す一方、アル
    コール不溶部からリゾホスファチジルエタノールアミン
    やリゾホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジ
    ン酸を含む画分を得ることを特徴とする請求項1乃至請
    求項7の何れかに記載の植物性リゾレシチンの製造法。
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