JPH10227799A - 分注装置 - Google Patents
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- JPH10227799A JPH10227799A JP2875197A JP2875197A JPH10227799A JP H10227799 A JPH10227799 A JP H10227799A JP 2875197 A JP2875197 A JP 2875197A JP 2875197 A JP2875197 A JP 2875197A JP H10227799 A JPH10227799 A JP H10227799A
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Abstract
達液中の気泡の発生を自動的に検知する。 【解決手段】 配管のノズル2側の測定点と、シリンジ
ポンプ12側の測定点とにそれぞれノズル側圧力センサ
44、ポンプ側圧力センサ46を設け、配管内の液圧を
測定する。制御部はこの両者の測定値を比較して、両測
定点間での圧力伝達の劣化が所定の基準以上となったこ
とを、例えば圧力センサ44、46の出力波形の立ち上
がり時刻の遅れや、変化率の低下や、ピーク値の減少か
ら検知し、気泡が発生したと判断する。制御部は、さら
にこの判定結果に基づいて、装置各部を制御して、気泡
除去動作を自動的に行う。
Description
特にノズルへの圧力伝達媒体として液体を用いた分注装
置の分注精度の向上に関する。
試薬などの液体試料をノズルに吸引し、この液体試料を
別の検査用試験管に吐出するといった分注作業が行われ
る。この際、ノズルと分注ポンプをチューブなどの配管
系でつないだ分注装置が用いられる。この分注装置は、
分注ポンプによって生じる圧力の変動を、配管を介して
ノズルに伝達し、これを吸引力・吐出力として用いて、
ノズル先端の開口部から液体試料の吸引・吐出を行う。
従来の分注装置の一種として、ノズルと分注ポンプの間
での圧力伝達の媒体に液体を用いるものがある。すなわ
ち、この従来装置では、配管に圧力伝達液(以下、配管
液と呼ぶ。)が注入され、分注ポンプに吸引力が発生す
ると、配管液が分注ポンプの方へ移動し、その結果、ノ
ズルの先端から液体試料が吸引され、逆に分注ポンプに
吐出力が発生すると、配管液がノズルの方へ移動して、
液体試料が吐出される。ここで、圧力伝達を液体で行う
ことの利点の一つは、配管液をノズルから吐出させてノ
ズルの洗浄を行うことができることにある。なお、この
従来装置では、一般に、ノズル内で、配管液と吸引した
試料の間に空気層が形成される。この空気層は、配管液
と液体試料が混合するのを防止する機能を有し、例え
ば、ノズル先端まで配管液を充填した状態から、液体試
料の吸引前にあらかじめ空気等をノズル内に吸引するこ
とにより形成される。
置においては、その配管液に気泡が混入すると、その
分、圧力伝達特性が変動して分注精度に悪影響を与える
おそれがある。そこで、従来は、定期的に又は随時に配
管を外して配管液を入れ替える等の作業をしたり、また
ノズル洗浄時などにおいて、配管液をノズルから吐出さ
せると同時に、配管液中の気泡を排出・除去したり、液
溜まりを設け、その水面から気相中に気泡をトラップし
除去することが行われていた。特に配管が透明な材料で
構成されている場合には、操作者が配管内壁に付着した
気泡量を視認した上で上記気泡除去操作を行うことがで
きた。
況に依存する。例えば、分注装置に補給される配管液の
保存状態や配管液の補充、入れ替え作業の仕方、その
他、温度や気圧の変動に依存し得る。そのため、気泡除
去から次の除去が必要となるまでの時間は一定ではな
い。よって、除去動作を自動化して定期的に行わせよう
とすると、その周期は、使用状況から想定される気泡発
生所要時間の例えば最小値に設定される必要がある。つ
まり、定期的に除去動作を行う方法では、除去動作の頻
度が必要以上に多数回になり、装置の分注処理稼働率が
低下したり、洗浄のための配管液等の消費量が多量にな
るといった問題があった。一方、気泡の発生を操作者が
上述のように視覚等により確認する方法は、操作者の監
視負担が大きいという問題と、自動化に適さないといっ
た問題があった。
れたもので、分注装置内、特に配管での気泡の発生を自
動的に検知する分注装置を提供することを目的とし、さ
らにこれにより気泡除去動作の自動化を容易とすること
を目的とする。
は、ノズルと分注ポンプとが圧力伝達管によって接続さ
れ、前記分注ポンプで発生する吸引力・吐出力を前記圧
力伝達管を流通する圧力伝達液を介して前記ノズルに及
ぼす分注装置において、前記圧力伝達液の液圧を測定す
る圧力センサと、液圧測定値の時間変化特性に基づいて
前記圧力伝達液中の気泡の存在を判定する気泡有無判定
手段とを有することを特徴とする。
力伝達管中の圧力伝達液の液圧を時間を追って測定す
る。気泡有無判定手段は、分注ポンプの吸引・吐出動作
に応じた液圧の時間的変化特性に関し、圧力センサによ
り測定された当該特性が基準となる当該特性との間で差
異を生じたことを検知する。そして、気泡有無判定手段
は、この差異から気泡発生による圧力伝達液の圧力伝達
特性の変化を検知し、これにより圧力伝達液中の気泡の
存在が判定される。ここで、基準となる特性は、あらか
じめ与えられたものでもよいし、測定によって随時得ら
れるものでもよい。
記気泡が存在すると判定された場合に前記圧力伝達液か
らの気泡除去を行う気泡除去手段を有するものである。
また、他の好適な態様は、前記気泡が存在すると判定さ
れた場合に警告を発するアラーム手段を有するものであ
る。
が、前記圧力伝達管の前記ノズル側に位置するノズル側
測定点と、前記分注ポンプ側に位置するポンプ側測定点
とにそれぞれ設けられ、前記気泡有無判定手段が、前記
ノズル側測定点での前記液圧の前記時間変化特性と前記
ポンプ側測定点での前記液圧の前記時間変化特性との比
較に基づいて前記判定を行うこと、を特徴とする。本発
明によれば、気泡有無判定手段が気泡の存在検知の基準
とする特性として、ポンプ側測定点で測定された時間変
化特性が用いられる。
定手段が、前記分注ポンプの吸引・吐出動作から当該動
作に対応した前記液圧測定値の変化までの時間差が基準
値より大きいことにより、前記気泡の存在を判定するこ
とを特徴とする。また、本発明に係る分注装置は、前記
気泡有無判定手段が、前記分注ポンプの吸引・吐出動作
における前記液圧測定値の変化率が基準値よりも小さい
ことにより、前記気泡の存在を判定することを特徴とす
る。また、本発明に係る分注装置は、前記気泡有無判定
手段が、前記分注ポンプの吸引・吐出動作における前記
液圧測定値のピーク値が基準値よりも小さいことによ
り、前記気泡の存在を判定することを特徴とする。
り、測定により得られる特性値と、基準となる特性に基
づいて定められるその特性値の基準値との比較が行われ
る。特性値としては、分注ポンプの吸引・吐出動作から
当該動作に対応した液圧の変化までの時間差、つまり応
答時間や、分注ポンプの吸引・吐出動作における液圧の
変化率や、分注ポンプの吸引・吐出動作における液圧の
ピーク値が用いられる。本発明に係る分注装置は、前記
圧力センサが、前記圧力伝達管の前記ノズル側に位置す
るノズル側測定点と、前記分注ポンプ側に位置するポン
プ側測定点とにそれぞれ設けられ、前記気泡有無判定手
段が、前記ポンプ側測定点での前記液圧の前記時間変化
特性から前記基準値を求める基準値決定手段と、前記ノ
ズル側測定点での前記液圧の前記時間変化特性と前記基
準値に基づいて前記判定を行う手段と、を有することを
特徴とする。
置について図面を参照し説明する。
す模式図である。この装置は、図示しない基台上に備え
られ、基台上の載置された分注元の試験管からノズルに
液体試料を吸引し、このノズルを分注先の試験管に移動
して試料を吐出する。
ンレス製のノンディスポーザブルタイプノズルである。
ノズル2は、ノズル移動機構4によって3次元的に移動
でき、試料吸引位置や試料吐出位置、ノズル洗浄位置へ
と移動する。また、ノズル2は、配管6、三方弁である
切り替え弁8、配管10を順に介して、分注ポンプであ
るシリンジポンプ12と接続される。
4を有し、このシリンジ14にピストン16が内挿さ
れ、シリンジ14とピストン16によりシリンジ室18
が形成されている。そして、シリンジ14は、前述の配
管10と接続されている。ピストン16は、ピストン棒
20を介してポンプモータ22から駆動力を受け、シリ
ンジ14内で往復する。シリンジ室18には、後述する
洗浄液が注入される。本装置は、後述するようにこの洗
浄液を圧力伝達液とし、配管6、10を圧力伝達管とし
て、ノズル2に吸引吐出力を伝達する。
0が配置され、両者は、切り替え弁8から貯留槽30ま
で単調に上昇する形状を有した配管32によって接続さ
れている。貯留槽30の底面には配管32とともに、配
管34が接続され、この配管34の反対端は、洗浄液タ
ンク36内に蓄えられた洗浄液中に差し込まれている。
洗浄液タンク36は、洗浄液を蓄えた補給槽であり、洗
浄液タンク36内の洗浄液は、補給管である配管34、
32、貯留槽30、切り替え弁8及び配管10を経由し
てシリンジポンプ12に補給される。
浄液38が貯留され、その上部には空気層40が存在す
る。この空気層40の気圧を調整するために、空気層調
整弁42が設けられ、これを開くことにより、空気層4
0と外気との間の流通を行うことができる。
部からの制御信号により駆動されて切り替え動作し、シ
リンジポンプ12をノズル2と貯留槽30のいずれかに
連通させる。なお、配管6、10、32、34は、例え
ばポリマー製のチューブであり、その内径は、例えば、
それぞれ約2mmである。
のノズル側には、その位置での配管内の洗浄液の液圧を
測定する圧力センサ(ノズル側圧力センサ44)が設け
られる。一方、切り替え弁8とシリンジポンプ12を接
続する配管10のシリンジポンプ側には、その位置での
配管内の洗浄液の液圧を測定する圧力センサ(ポンプ側
圧力センサ46)が設けられる。これら圧力センサ4
4、46により測定された液圧測定値は、図2に示され
る制御部50に入力される。これら液圧測定値がアナロ
グ値である場合には、制御部50への入力に先立ち必要
に応じてデジタル化を行う。
ジポンプ12を駆動するための制御システムの構成を示
すブロック図である。同図において、制御部50は、主
としてコンピュータからなり、入力部52から制御部5
0へ、分注量や、分注処理数、試験管の配置などの設定
条件が入力される。また、制御部50は、試験検内の試
料の液面位置を検出する液面検出器54と接続されてい
る。さらに制御部50は、圧力センサ44、46からの
液圧測定値を入力される。
に応じた制御信号を、ノズル移動機構駆動回路56、電
磁弁駆動回路58及びポンプモータ駆動回路60へ出力
する。これら各駆動回路は、それぞれ、ノズル移動機構
4、切り替え弁8及びポンプモータ22に駆動信号を送
りこれらを駆動させる。
46を有し、制御部50は、これら圧力センサが測定し
た液圧に基づいて、吸引・吐出動作に関係する装置内の
洗浄液中における気泡の発生を検知する点、そして気泡
の除去動作を自動的に行う点にある。
出動作を説明する概略の処理フロー図である。まず装置
が起動されると、制御部50は各部のイニシャライズ処
理を行う(S100)。この処理には、例えば、ノズル
2を洗浄したり、ノズル2、配管6、10及びシリンジ
室18に洗浄液を充填する動作が含まれる。
体試料を吸引して、ノズル2を分注先に移動させ、この
分注先にノズル2から液体試料を吐出することが行われ
る。この分注処理動作を順を追って説明する。まず、ノ
ズル2は、ノズル移動機構4によって分注元の液体試料
容器の上方に移動される(S102)。
ジポンプ12を連通するように切り替えられる。まず、
ノズル2の先端開口68が試験管内の液体試料に挿入さ
れない状態で、ピストン16を引く。すると、シリンジ
室18内の圧力低下を補償するように洗浄液が移動し、
この移動がノズル2に伝達され、先端開口68からノズ
ル2内に空気70が吸引される。この動作により、ノズ
ル2先端に微小量の空気(例えば、30μl程度)が吸
引される。
料に挿入される(S104)。このとき、図2の液面検
出器54は、試料の液面位置を検出して制御部50に入
力する。制御部50は、液面の位置に基づいてノズル移
動機構4を制御し、ノズル2が液面から数mm程度の深
さまで挿入されると、ノズル2の下降を停止させる(S
106)。
て、ノズル2内に液体試料を吸引する(S108)。こ
の吸引量は、分注量より多めに設定される。これは、吐
出時に試料が内壁に残るなどの要因により、必要な分注
量が得られないことを避けるためである。ちなみに、試
料吸引前に空気を微小量吸引したことにより、洗浄液と
試料との間に空気層が形成される。この空気層により、
ノズル2内において洗浄液と液体試料が分離され、両者
が混ざりあうことが防止される。なお、空気層の体積は
十分に小さく、また精度良く制御されているので、シリ
ンジポンプ12に生じる吐出力が液体試料へ伝達する速
度は速く、また吐出量を精度良く制御することも可能で
ある。
料の吸引動作S108とともに気泡有無判定処理S11
0を行う。これについては後に詳述する。この気泡有無
判定処理S110において、洗浄液中に気泡がないと判
断された場合には、通常の吸引・吐出動作が継続され
る。
8が終了すると、ノズル2は液体試料容器から引き上げ
られ、分注先、例えば試験管等の上部へ移動され、さら
にこの試験管の中へノズル2の先端部分を挿入し、先端
開口68が空中にある状態で保持される(S112)。
そして、シリンジポンプ12のピストン16が、ポンプ
モータ22により駆動されて押し込まれる。この押出し
移動が配管10、6内の洗浄液に順次、伝達され、ノズ
ル2先端の液体試料が先端開口68から試験管内へ吐出
される(S114)。吐出量は例えば、3μl程度であ
る。
て、気泡有りと判断された場合には、いったんノズル2
に吸引された液体試料を吐き戻し(S116)、後述す
る気泡除去フローに移行する(S118)。気泡の除去
が完了すると、再び処理S102に戻り通常の分注処理
を再開する。
判定処理S110を詳しく説明する。図4は、液体試料
吸引動作S108における圧力センサ44、46の出力
を示す模式的なグラフである。図において、横軸は時刻
T、縦軸は静的状態からの液圧pの変動量の絶対値|Δ
p|を示す。また、出力波形80、82はそれぞれ、ポ
ンプ側圧力センサ46、ノズル側圧力センサ44の出力
波形である。つまりこれら出力波形80、82はそれぞ
れ、ポンプ側圧力センサ46が設けられたポンプ側測定
点、ノズル側圧力センサ44が設けられたノズル側測定
点での液圧の時間変化特性を表している。この波形は、
それぞれピストン16の移動に対応して生じるパルス形
状である。ただし、ピストン16が有限の時間で移動さ
れることや、洗浄液の圧力伝達特性による劣化などによ
って、完全な矩形形状ではなく、その立ち上がり、立ち
下がりはなだらかとなる。時刻Tの原点Oは、液体試料
吸引動作S108においてピストン16を引いた時刻に
採られている。
じる液圧の変動は、シリンジポンプ12側からノズル2
側へ伝播していく。そのため、一般に、出力波形82
は、出力波形80に対して時間的に遅れて現れる。な
お、ここで、圧力変動Δpは、ピストン16の引き出し
に対応して圧力低下であり負の符号を有する。
リンジポンプ12側からノズル2側への圧力伝達が劣化
する。本装置の制御部50は、圧力センサ44、46か
ら出力される液圧の時間変化特性を比較して、気泡量に
応じて出力波形80、82に現れる圧力伝達の劣化の特
徴を検出する。
幾つかの特徴として現れる。その一つは、圧力変動|Δ
p|の立ち上がり時刻差、つまり立ち上がりの遅延時間
(以下、記号d0で表す。)の増大である。そもそも、
ノズル側測定点とポンプ側測定点とは距離を有している
ので、その距離に比例した立ち上がり時刻差は存在する
が、気泡が存在するとその時刻差が一層拡大するのであ
る。例えば、この遅延時間d0として、出力波形80、
82がそれぞれ所定の閾値pth0を超えた時刻TP0、T
N0の差(TN0−TP0)を用いることができる。なお、こ
こでの説明において、添字P、Nはそれぞれポンプ側、
ノズル側を意味する。
Δp|が0近傍に維持される状態での|Δp|のノイズ
又は揺らぎの幅よりわずかに大きい値に設定されること
が望ましい。そのような値を設定することにより、装置
はノイズ等の影響を受けて誤動作することがなく、確実
な気泡検出を行うことができる。
側測定点とポンプ側測定点との距離に応じた遅延量d0
の基準値と気泡有無判定処理S110で毎回求められる
遅延量d0の測定値とを比較して、その測定値が基準値
を超えたとき、気泡が発生したという判断をする。その
基準値は、例えばあらかじめ両測定点間の距離に応じた
所定値を制御部50に記憶させておく方法を採ることも
できるし、気泡除去処理を行った直後のd0の測定値を
制御部50に設定する方法を採ることもできる。
上の他の特徴は、液圧測定値に関する変動量|Δp|の
変化率(以下、記号κで表す。)の低下である。すなわ
ち、気泡がない状態では、洗浄液自体の圧縮性等による
両測定点間での|Δp|の変化率κの差異は小さいが、
両測定点間に気泡が発生すると、気泡の圧縮により圧縮
率が高くなり変化率κが低下する。
がりにおける傾きに相当する。例えば、この変化率κ
を、所定の閾値pth1からpth2まで|Δp|が増加する
のに要する時間を測定して定めることができる。この方
法では、ポンプ側測定点、ノズル側測定点それぞれにお
ける閾値pth1からpth2までの増加に要する時間を
tP、tNとすると、各測定点でのκP、κNはそれぞれκ
P=(pth2−pth1)/tP、κN=(pth2−pth1)/
tNで表される。閾値pth1、pth2は、図から理解され
るように、ピストン16の移動により生じる出力波形8
0、82のパルス高より小さく設定する必要がある。
κPに基づいて基準値を定め、ノズル側測定点でのκNが
この基準値より小さいとき、気泡が発生したという判断
をする。例えば、基準値には、あらかじめ制御部50に
記憶させたマージンをκPから減算した値が用いられ
る。このマージンは、気泡がない状態でのκPとκNの両
測定値の差に基づいて定めることができる。
は、κN、κPの測定値の比κN/κPが1より小さい所定
の基準値を下回ったことによって行うこともできる。こ
こで比の基準値は、気泡がない状態でのκPとκNの両測
定値の比κN/κPに基づいて定めることができる。
pth1、pth2に基づいて定められる時間間隔tP、tNで
の傾きの平均値であったが、この代わりに、圧力センサ
44、46の出力の時間微分値を求め、これに基づいて
ポンプ側とノズル側とでの変化率の大小の比較を行うこ
ともできる。この場合、例えば、その時間微分値の時間
的な変化における最大値に基づいて、κP、κNを定めて
もよい。
特性上の大きな特徴は、液圧測定値に関する変動量|Δ
p|のピーク値(以下、記号Hで表す。)の低下であ
る。すなわち、圧力変動のパルスが鈍ってブロードにな
るのに呼応して、ピーク値は低くなる。
ク値をそれぞれHP、HNとする。このピークとなったタ
イミングは、極大点で各圧力センサからの出力の時間微
分が0となることに基づいて検知される。このタイミン
グは各圧力センサごとに求められ、それら各時刻での圧
力変動値|Δp|が、それぞれ出力波形80、82のピ
ーク値HP、HNとされる。なお、出力波形の揺らぎ等に
よるローカルな極値をピークのタイミングとして検知し
ないように、出力が閾値を超えるという条件を課した
り、複数周期の出力値を用いた移動平均処理等のスムー
ジング処理を行った上で極大点の判定を行ったりしても
よい。
値HPに基づいて基準値を定め、ノズル側測定点でのHN
がこの基準値より小さいとき、気泡が発生したという判
断をする。例えば、基準値には、あらかじめ制御部50
に記憶させたマージンをHPから減算した値が用いられ
る。このマージンは、気泡がない状態でのHPとHNの両
測定値の差に基づいて定めることができる。
は、HN、HPの測定値の比HN/HPが1より小さい所定
の基準値を下回ったことによって行うこともできる。こ
こで比の基準値は、気泡がない状態でのHPとHNの両測
定値の比HN/HPに基づいて定めることができる。
0、変化率κ、ピーク値Hについて得られる各条件それ
ぞれによって判定することができるが、これらを複合的
に用いて気泡有無の判断を行ってもよい。例えば、3つ
の条件のうち全部又はいずれか2つが満たされたとき、
気泡が発生したと判断することとすれば、気泡がない場
合に誤って気泡検知の判断がされるおそれが低くなり、
不要な気泡除去動作が行われることによる分注処理の効
率の低下を防止することができる。一方、3つの条件の
論理和を用いて判断すれば、気泡発生の疑いがある場合
には確実に気泡除去動作を起動することができ、装置の
分注精度に対する信頼性が極めて高いものとなる。
箇所に圧力センサを設け、これらの出力を上述したよう
に比較して気泡有無判定を行う構成としたが、例えば、
ノズル側のみの液圧測定値に基づいて気泡有無判定を行
う構成も可能である。そのような構成の一つは、制御部
50にあらかじめ基準となる出力波形又はd0、κ、H
についての各基準値を記憶させるものである。また他の
構成例として、制御部50が気泡除去動作後のノズル側
圧力センサ44又はポンプ側圧力センサ46の出力から
d0、κ、Hについての基準値を取得して、上記判定処
理に利用するという構成が可能である。つまりこれらの
構成では、圧力センサをノズル2側の一つだけにするこ
とができる。
圧力センサ46の設ける位置に関しては、特別な制限は
なく、例えば、ノズル側圧力センサ44を配管6ではな
くノズル2本体に接続してもよい。同様にポンプ側圧力
センサ46を配管10にではなくシリンジ室18に接続
してもよい。逆にノズル側圧力センサ44、ポンプ側圧
力センサ46をもっと切り替え弁8側に設けてもよい。
ただし、上述したように気泡有無判定処理S110で
は、両圧力センサの出力の比較に基づいて行う、言い換
えれば両圧力センサの測定点間に存在する気泡量が直接
的な検知対象となるので、両者間の距離があまり近いの
は出力の差異が小さくなるため好ましくない。同様に、
上述したノズル側圧力センサ44のみを用いる構成にお
いても、その圧力センサの測定点はシリンジポンプ12
から離れている方が好ましい。
108における圧力センサの測定値に基づいて気泡有無
判定処理S110を行う構成としたが、これを液体試料
吐出時における圧力センサの測定値に基づいて行うよう
にすることもできることは容易に理解される。この場合
は、単にΔpの符号が正となるのみであり、上述した|
Δp|を用いた上記処理の説明は特に変わるところがな
い。また、制御部50もΔpの絶対値を用いて処理を行
うように構成しておけば、その処理内容自体を変更する
ことなく、試料吸引時、吐出時いずれの処理タイミング
にも気泡有無判定処理を行うことができる。
気泡があると判断された場合には、上述したように、気
泡除去フロー側に処理が分岐する。すでに述べたように
ノズル2内の液体試料を吐き戻し処理した後(S11
6)、気泡除去フロー(S118)が実行される。
図である。この処理により、シリンジポンプ12からノ
ズル2までの系に充填された洗浄液内の気泡が除去され
る。以下この処理を説明する。
2とシリンジポンプ12を接続するように切り替えられ
る(S130)。そして、ピストン16を下に移動しノ
ズル2先端から空気を吸引する。この動作により、ノズ
ル2から切り替え弁8までの洗浄液を全て、切り替え弁
8からシリンジポンプ12寄りへ吸引する(S13
2)。なお、この動作により、ノズル2から切り替え弁
8までの配管6には空気が充填される。
36とを接続するように切り替え弁8を切り替える(S
134)。この状態で、ポンプモータ22を駆動してピ
ストン16を上に移動させ、シリンジ室18から洗浄液
を吐出させる。吐出された洗浄液は、配管32を介して
貯留槽30に流入する。貯留槽30の上部の空気層40
は密閉されているので、洗浄液が配管32から流入する
と、貯留槽30内部の圧力が上昇し、これにより貯留槽
30内部の洗浄液が配管34を経由して洗浄液タンク3
6へ流出する(S136)。続いて、今度は逆にピスト
ン16を下に移動させると、処理S136と逆の流動が
起こり、洗浄液タンク36からシリンジポンプ12へ洗
浄液が移動する(S138)。
繰り返し、洗浄液をシリンジポンプ12と洗浄液タンク
36との間で行き来させる。ここで、貯留槽30内部の
洗浄液38の表面に達した気泡は、空気層40にトラッ
プされて消滅し得る。上記洗浄液の流動は、洗浄液内の
気泡が貯留槽30内で洗浄液38の表面に達する確率を
高くし、気泡のトラップを促進させるものである。所望
の回数、処理S136、S138のループを実行し、洗
浄液中の気泡を減少させた後、切り替え弁8をノズル2
側に切り替え、ノズル2とシリンジ室18とを連通させ
(S140)、気泡除去動作を終了する。
が行われており、シリンジ室18には、洗浄液が充填さ
れている。よって、ピストン16を上に移動させて、ノ
ズル2の先端まで洗浄液を満たせば、上述した吸引動作
の初期状態となり、よって、処理S140に続いて、図
3に示した吸引、吐出といった分注処理の基本動作に移
行することができる。
の吸引動作で、切り替え弁8からノズル2までの全体に
空気を充填することができないような場合には、上記処
理S130〜S136を順に必要な回数だけ繰り返し
て、ノズル2側から貯留槽30側への洗浄液の移動を行
えばよい。
気泡除去動作は、他の基本動作同様、制御部50を構成
するコンピュータで実行される制御プログラムとして実
現されている。なお、圧力センサ44、46からの出力
がアナログである場合に、これをアナログ回路で処理す
る構成も可能である。また、両出力信号の差分信号を生
成して、これに基づいて気泡有無判定処理を行う構成も
可能である。
ての貯留槽30や切り替え弁8を有し、気泡有無判定に
より気泡の存在が検知された場合、自動的に気泡除去フ
ローに移行するものを示した。つまり、本装置では、気
泡の存在が自動的に検知され、その結果により気泡除去
が自動的に行われる。しかし、本装置の大きな特徴であ
る気泡有無判定処理S110はこのような気泡除去手段
を有さない装置にも用いることができる。例えば、気泡
の存在が検知された場合に、これを操作者に知らせるア
ラーム手段を備えている装置も、本発明の一つの実施形
態であり、実用上非常に有効なものである。アラーム手
段としては、ブザー等の警告音、合成音声、その他、コ
ントロールパネル上でのランプ又は警告灯の点灯、制御
部50を構成するコンピュータのディスプレイ上での表
示など、装置の運用に応じて便利なものが採用される。
また、警告と同時に、装置の分注処理を自動的に停止
し、操作者が気泡除去処理を行った後に再開させる構成
も可能である。
する圧力伝達を担う液体中に気泡が生じたことが自動的
に検知され、気泡除去等の必要な処置を適時行うことが
できるので、操作者を気泡発生の監視負担から開放する
ことができるとともに、分注精度を常に良好に維持する
ことが容易な分注装置を得られるという効果がある。ま
た、気泡除去手段と連動させることにより、気泡の影響
を受けない自動化分注装置を実現できるという効果があ
る。
ある。
を示すブロック図である。
明する概略の処理フロー図である。
力を示す模式的なグラフである。
る。
4 配管、8 切り替え弁、12 シリンジポンプ、1
4 シリンジ、16 ピストン、18 シリンジ室、2
0 ピストン棒、22 ポンプモータ、30 貯留槽、
36 洗浄液タンク、38 洗浄液、40 空気層、4
2 空気層調整弁、44 ノズル側圧力センサ、46
ポンプ側圧力センサ、50 制御部、52 入力部、5
4 液面検出器、56 ノズル移動機構駆動回路、58
電磁弁駆動回路、60 ポンプモータ駆動回路。
Claims (8)
- 【請求項1】 ノズルと分注ポンプとが圧力伝達管によ
って接続され、前記分注ポンプで発生する吸引力・吐出
力を前記圧力伝達管を流通する圧力伝達液を介して前記
ノズルに及ぼす分注装置において、 前記圧力伝達液の液圧を測定する圧力センサと、 液圧測定値の時間変化特性に基づいて、前記圧力伝達液
中の気泡の存在を判定する気泡有無判定手段と、 を有することを特徴とする分注装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の分注装置において、 前記気泡が存在すると判定された場合に前記圧力伝達液
からの気泡除去を行う気泡除去手段を有することを特徴
とする分注装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の分注装置において、 前記気泡が存在すると判定された場合に警告を発するア
ラーム手段を有することを特徴とする分注装置。 - 【請求項4】 請求項1記載の分注装置において、 前記圧力センサは、前記圧力伝達管の前記ノズル側に位
置するノズル側測定点と、前記分注ポンプ側に位置する
ポンプ側測定点とにそれぞれ設けられ、 前記気泡有無判定手段は、前記ノズル側測定点での前記
液圧の前記時間変化特性と前記ポンプ側測定点での前記
液圧の前記時間変化特性との比較に基づいて前記判定を
行うこと、 を特徴とする分注装置。 - 【請求項5】 請求項1記載の分注装置において、 前記気泡有無判定手段は、前記分注ポンプの吸引・吐出
動作から当該動作に対応した前記液圧測定値の変化まで
の時間差が基準値より大きいことにより、前記気泡の存
在を判定することを特徴とする分注装置。 - 【請求項6】 請求項1記載の分注装置において、 前記気泡有無判定手段は、前記分注ポンプの吸引・吐出
動作における前記液圧測定値の変化率が基準値よりも小
さいことにより、前記気泡の存在を判定することを特徴
とする分注装置。 - 【請求項7】 請求項1記載の分注装置において、 前記気泡有無判定手段は、前記分注ポンプの吸引・吐出
動作における前記液圧測定値のピーク値が基準値よりも
小さいことにより、前記気泡の存在を判定することを特
徴とする分注装置。 - 【請求項8】 請求項5から請求項7までのいずれかに
記載の分注装置において、 前記圧力センサは、前記圧力伝達管の前記ノズル側に位
置するノズル側測定点と、前記分注ポンプ側に位置する
ポンプ側測定点とにそれぞれ設けられ、 前記気泡有無判定手段は、 前記ポンプ側測定点での前記液圧の前記時間変化特性か
ら前記基準値を求める基準値決定手段と、 前記ノズル側測定点での前記液圧の前記時間変化特性と
前記基準値に基づいて前記判定を行う手段と、を有する
ことを特徴とする分注装置。
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