JPH10175376A - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JPH10175376A
JPH10175376A JP8354008A JP35400896A JPH10175376A JP H10175376 A JPH10175376 A JP H10175376A JP 8354008 A JP8354008 A JP 8354008A JP 35400896 A JP35400896 A JP 35400896A JP H10175376 A JPH10175376 A JP H10175376A
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JP
Japan
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emulsion
recording medium
thermosensitive recording
meth
monomer
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Pending
Application number
JP8354008A
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English (en)
Inventor
Masaharu Nojima
将晴 野嶋
Shigekazu Shiku
茂和 珠久
Tadahiro Inada
忠博 稲田
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New Oji Paper Co Ltd
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Highpolymer Co Ltd
Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性および耐スティッキング性の双方がバ
ランス良く改善された保護層を有する感熱記録体を提供
する。 【解決手段】 支持体上に、ロイコ染料と呈色剤を含有
する感熱記録層、顔料と接着剤を主成分として含有する
保護層を順次設けた感熱記録体において、該接着剤が、
少なくとも(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリ
ル酸エステルおよびエチレン性不飽和カルボン酸を含む
単量体を、反応系水相の特定の溶存酸素濃度およびレド
ックス重合開始剤の酸化剤の特定の使用量の条件下にて
乳化重合して得られた重合体エマルジョンである感熱記
録体は耐水性および耐スティッキング性の双方において
バランス良く優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロイコ染料と呈色
剤を含有する感熱記録層上に保護層を有する感熱記録体
に関するものであり、特に耐水性および耐スティッキン
グ性(記録時にサーマルヘッドに感熱記録体が張り付く
ことに対する耐性)に優れた感熱記録体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】無色または淡色のロイコ染料と、有機ま
たは無機の呈色剤との発色反応を利用し、熱により両発
色物質を接触させて記録像を得るようにした感熱記録体
はよく知られている。かかる感熱記録体は比較的安価で
あり、また記録機器がコンパクトでかつその保守も容易
なため、例えばファクシミリや各種計算機の記録媒体等
として幅広い分野において使用されている。その利用分
野のなかには、ハンディーターミナル用や各種ラベル用
などの感熱記録体がある。かかる用途の感熱記録体は、
室外で雨天時に使用されたり或いは室内でも水と接触す
る条件下で使用されたりする可能性があるため、感熱記
録体が耐水性に優れ濡れても破れたり、剥がれたりせ
ず、しかも耐スティッキング性に優れた特性が要求され
ている。感熱記録体の耐水性を改良する目的で、特開昭
49−36343号公報、特開昭54−133352号
公報には、感熱記録層中に耐水化剤を添加する方法が記
載され、また特公昭57−14998号公報、特公昭5
7−18520号公報、特開平2−8084号公報に
は、感熱記録層中に接着剤として疎水性高分子エマルジ
ョンを用いる方法が記載されている。
【0003】一方、スクラッチなどによる不要な発色を
防止するため、あるいは記録層が各種の溶剤、可塑剤、
皮脂、油脂類などと接触して不要な発色を生じたり又は
記録像が褪色したりするのを防止する目的で、感熱記録
層上にポリビニルアルコールなどの水溶性高分子あるい
は水溶性高分子と耐水化剤(架橋剤)を併用した保護層
を設ける技術が種々提案されている(例えば実公昭59
−9909号公報、実公昭62−26216号公報、特
公平1−17478号公報、特公平4−30918号公
報、特公平4−71716号公報、特公平4−7767
2号公報など)。また、特開昭54−128347号公
報にはスチレン−アクリロニトリル−ブチルアクリレー
ト共重合体エマルジョンの使用が、特公平4−2215
3号公報にはポリウレタン樹脂エマルジョンの使用が提
案されている。そして、かかる保護層を設ける主目的
が、溶剤、可塑剤、油脂類などに対するバリヤー性の付
与であるため、一般にはポリビニルアルコールやその誘
導体などの水溶性高分子あるいは水溶性高分子と耐水化
剤(架橋剤)との併用が実用化されている。しかしなが
ら、感熱記録体の利用分野の拡大に伴い、支持体の種類
や感熱記録層の構成も多様化しており、従来から提案さ
れている水溶性高分子(耐水化剤の併用を含む)や高分
子エマルジョンの使用によっても充分な耐水性と耐ステ
ィッキング性の双方が得られない場合があり、耐水性と
耐スティッキング性がバランスよく改善された感熱記録
体への要望が高まっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、耐水
性および耐スティッキング性の双方がバランス良く改善
された保護層を有する感熱記録体を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に、
ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層、顔料と接着
剤を主成分として含有する保護層を順次設けた感熱記録
体において、該接着剤が、少なくとも(メタ)アクリロ
ニトリル、(メタ)アクリル酸エステルおよびエチレン
性不飽和カルボン酸を含む単量体を、下記条件および
にて乳化重合して得られた重合体エマルジョンである
ことを特徴とする感熱記録体に係る。その条件は、 該単量体を乳化重合させる際、反応系水相の溶存酸
素濃度を0.5%重亜硫酸ソーダ水溶液における溶存酸
素濃度以下に保持する。 該単量体を乳化重合させる際に、酸化剤−還元剤−
活性剤からなるレドックス重合開始剤を使用し、該酸化
剤の使用量が、該単量体100重量部に対して0.00
1〜0.1重量部である。 本発明者等は鋭意検討の結果、支持体上に、感熱記録
層、および顔料と接着剤を主成分として含有する保護層
を順次設けた感熱記録体において、特定の単量体を、特
定の乳化重合条件で重合させて得られた重合体エマルジ
ョンを該接着剤に用いることにより、耐水性および耐ス
ティッキング性の双方がバランスよく改善されることを
見出した。
【0006】
【発明の実施の形態】(メタ)アクリロニトリル 本発明においては、(メタ)アクリロニトリルを単量体
の一部として使用することが必須である。この(メタ)
アクリロニトリルは、耐スティッキング性の改良を目的
として添加されるものである。(メタ)アクリル酸エステル 本発明において使用される(メタ)アクリル酸エステル
としてはエステル部分の炭素数が1〜12のものが好ま
しく、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル等が挙げら
れ、中でも好ましくはアクリル酸エチル、アクリル酸ブ
チルである。この(メタ)アクリル酸エステルは、耐ス
ティッキング性の改良を目的として添加されるものであ
る。
【0007】エチレン性不飽和カルボン酸 本発明において使用されるエチレン性不飽和カルボン酸
は炭素数が3〜5のものが好ましく、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等のモノま
たはジカルボン酸が挙げられ、中でも好ましくはメタク
リル酸、イタコン酸である。このエチレン性不飽和カル
ボン酸は、重合体エマルジョンの機械的安定性を高める
ことを目的として添加される。その他の単量体 本発明においては、所望の効果を損なわない範囲におい
て、他の共重合可能な単量体を添加することもできる。
その例としては、ブタジエン、イソプレン、スチレン、
α−メチルスチレン、メチルスチレン、塩化ビニル、ア
クリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等が挙げ
られる。上記の(メタ)アクリロニトリル、(メタ)ア
クリル酸エステルおよびエチレン性不飽和カルボン酸の
単量体の使用割合は、特に限定されないが、例えば(メ
タ)アクリロニトリル100重量部に対して(メタ)ア
クリル酸エステル50〜500重量部、エチレン性不飽
和カルボン酸1〜50重量部の範囲が望ましい。上記の
ような各単量体の使用割合において、次に乳化重合が行
われる。乳化重合は、上記各単量体、乳化剤およびレド
ックス重合開始剤を用い、水系において行うことができ
る。
【0008】乳化剤 本発明に用いる乳化剤としては、従来から使用されてい
るアニオン系やノニオン系の乳化剤を用いることができ
るが、ラジカル重合能を有する乳化剤を使用すると、得
られる重合体エマルジョンの安定性や感熱記録体の耐ス
ティッキング性や地肌カブリの防止に有利である。ラジ
カル重合能を有する乳化剤の例としては、下記一般式
(1)〜(3)で示されるものが挙げられる。
【0009】
【化1】 (式中、Rは炭素数5〜13のアルキル基を表し、nは
2〜20の値を有する)
【0010】乳化剤の使用量は、全単量体に対し0.5
〜5.0重量%が好ましい。0.5重量%未満では、生成
された重合体エマルジョンの機械的安定性が低く、さら
に重合速度も遅くなる。逆に5.0重量%を超えると、
得られる感熱記録体の耐スティッキング性、耐水性、発
色性が低下する恐れがある。
【0011】レドックス重合開始剤 本発明で使用されるレドックス重合開始剤は、酸化剤−
還元剤−活性剤からなるレドックス重合開始剤である。
酸化剤としては、ヒドロペルオキシドおよび/または過
硫酸塩が使用され、例えばヒドロペルオキシドとして、
クメンヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペ
ルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシ
ド、p−メンタンヒドロペルオキシド、1,1,3,3−
テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、2,5−ジメ
チルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド等、また
過硫酸塩として、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム
等が挙げられる。酸化剤の使用量は、全単量体100重
量部に対して0.001〜0.1重量部、好ましくは0.
01〜0.1重量部である。0.001重量部未満の使用
量では重合を完結させるためには長時間の反応が必要と
なるばかりでなく、反応が完結せず、また0.1重量部
を超える使用量では、得られる感熱記録体の耐薬品性、
耐スティッキング性が低下し好ましくない。還元剤とし
ては、グルコース、デキストロース、ホルムアルデヒド
ナトリウムスルホキシラート(ロンガリット)、チオ硫
酸ナトリウム等が使用される。活性剤としては、硫酸第
一鉄、硫酸銅、ヘキサシアノ鉄(III)カリウム等を使
用することができる。これら還元剤および活性剤の使用
量はそれぞれの開始剤系の組合わせに応じ適宜決定でき
るが、通常還元剤の場合は全単量体100重量部に対し
て0.001〜0.1重量部、好ましくは0.01〜0.1
重量部、活性剤の場合は全単量体100重量部に対して
0.001〜0.1重量部、好ましくは0.001〜0.0
1重量部とするのが良い。
【0012】乳化重合 上記の各種単量体、乳化剤および重合開始剤を用いて、
続いて乳化重合を行う。この乳化重合は、反応系水相の
溶存酸素濃度を0.5%重亜硫酸ソーダ水溶液における
溶存酸素濃度以下に保持させて行われる。低い溶存酸素
濃度によって、重合開始剤量を極めて少なくすることが
でき、しかも比較的短時間で安定な重合体エマルジョン
を得ることができる。
【0013】次に、乳化重合の場合の1例につき詳述す
る。まず、反応容器に脱酸素モジュールにより脱酸素化
された脱イオン水(以下、脱酸素脱イオン水という)お
よび少量の乳化剤を仕込む。別に、脱酸素脱イオン水
に、単量体および少量の乳化剤を加えて乳化し単量体乳
濁液を調製し、これを滴下装置に仕込む。上記の反応容
器と滴下装置の2つに、重亜硫酸ソーダや重亜硫酸カリ
などの重亜硫酸塩を添加するか、および/または脱酸素
した窒素ガスを液中まで導入しバブリングする。反応系
水相の溶存酸素濃度は、0.5%重亜硫酸ソーダ水溶液
中に電極を浸漬し、その溶存酸素濃度をゼロppmに較正
した溶存酸素濃度計〔東亜電波(株)製〕を用いてゼロ
ppmまたはそれ以下を示すようになるまで、上記の脱酸
素操作を続ける。続いて、レドックス重合開始剤を、反
応容器中の脱酸素脱イオン水に溶解する。以上で準備を
終え、レドックス重合開始剤の分解温度以上、例えば5
0℃以下、好ましくは30℃以下の温度にて乳化重合を
行う。この条件は従来の乳化重合法のように単に反応系
を窒素置換した程度では達成できない程の溶存酸素濃度
である。これは、上記のように例えば重亜硫酸塩を添加
するか、および/または窒素ガスを十分にバブリングす
ることにより達成することができる。溶存酸素濃度がこ
の水準を超える時は重合が進行せず、分子量が高められ
ず、耐スティッキング性が低下する恐れがあり、また重
合開始剤および/または乳化剤の増量を必要とする。
【0014】かくして得られる重合体エマルジョンの耐
スティッキング性を更に改善するために、重合体エマル
ジョンに多価金属塩を添加することができる。この添加
により、重合体中のカルボン酸を金属架橋することがで
き、耐スティッキング性がより改善される。かかる多価
金属塩とは2価または3価の金属塩であることができ、
水可溶性のものが好ましい。例えば、マグネシウム、亜
鉛、カルシウム、アルミニウム、ニッケル、錫、クロム
等の酢酸塩、塩化物、硫酸塩、炭酸塩等が挙げられる。
中でも好ましくは亜鉛の炭酸アンモニウム塩が良い。多
価金属塩の添加量は、存在するカルボン酸に対し、0.
5〜1.0当量用いるのが好ましい。本発明において
は、乳化重合により得られた重合物のガラス転移点は、
0〜30℃のものが好ましい。ガラス転移点が0℃未満
になると耐スティッキング性に劣り、逆に30℃を超え
ると接着性が低下する恐れがある。更に、本発明に使用
される重合体エマルジョンは、その乾燥皮膜のトルエン
可溶部が5%以下で、不溶部のトルエン膨潤度が200
%以下であることが好ましい。乾燥皮膜のトルエン可溶
部が5%より多く、不溶部のトルエン膨潤度が200%
より多いと、感熱記録体の耐スティッキング性が劣る。
【0015】ロイコ染料 本発明で使用されるロイコ染料としては、各種公知のも
のが使用可能であるが、その具体例としては、例えば
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド、3−ジメチルアミノ−7−メト
キシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロ
ロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチル
フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7
−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−ア
セチル−N−メチルアミノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−N−メチルアミノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−N−ジエチルアミノフルオラン、3−(N
−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−
6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−
ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル
アミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6
−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ
(n−ブチル)アミノ−7−(o−クロロアニリノ)フ
ルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−p−ブチ
ルアニリノフルオラン等が挙げられる。なお、これらの
ロイコ染料は必要に応じて2種類以上を併用することが
できる。
【0016】呈色剤 ロイコ染料と反応して発色させる呈色剤としては、各種
公知のものが使用可能で、例えば4,4'−sec−ブチ
リデンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4'
−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、4,4'−イソプロ
ピリデンジフェノール、4,4'−シクロヘキシリデンビ
スフェノール、4,4'−〔1,3−フェニレンビス(1
−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、4,4'−
(1,3−ジメチルブチリデン)ビスフェノール、4,
4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4'−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−
メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−
イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
3',4'−トリメチレンジフェニルスルホン、4−ヒド
ロキシ−3',4'−テトラメチレンジフェニルスルホ
ン、3,4−ジヒドロキシ−4'−メチルジフェニルスル
ホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)ス
ルホン、4−ヒドロキシ安息香酸−p−メトキシベンジ
ル、ノボラック型フェノール樹脂、フェノール重合体等
のフェノール性化合物、4,4'−ビス(p−トルエンス
ルホニルアミノカルボニルアミン)ジフェニルメタン等
のスルホニル尿素誘導体、3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシ安息香酸、3−イソプロピルサリチル酸、3,5
−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−ベンジルサリ
チル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−
クロル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−
フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル
酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4−
(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)サリチル酸、
4−(3−p−トリルスルホニルプロピルオキシ)サリ
チル酸等の芳香族カルボン酸等の亜鉛塩等が挙げられ
る。これらの中でも、4,4'−ビス(p−トルエンスル
ホニルアミノカルボニルアミン)ジフェニルメタンが記
録像の保存性に優れ好ましい。なお、これらの呈色剤も
勿論必要に応じて2種以上を併用することができる。
【0017】使用割合 上記のロイコ染料と呈色剤の使用割合は用いるロイコ染
料と呈色剤の種類に応じて適宜選択すべきもので、特に
限定するものではないが、ロイコ染料1重量部に対して
1〜10重量部程度、好ましくは2〜6重量部程度の呈
色剤が使用される。また、本発明では目的に応じて増感
剤を併用することもできる。増感剤の具体例としては、
例えばステアリン酸アミド、ステアリン酸メチレンビス
アミド、オレイン酸アミド、パルミチン酸アミド、ヤシ
脂肪酸アミド等の脂肪酸アミド類、2,2'−メチレンビ
ス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ
フェノキシエタン、1−フェノキシ−2−(4−メチル
フェノキシ)エタン、パラベンジルビフェニル、ナフチ
ルベンジルエーテル、ベンジル−4−メチルチオフェニ
ルエーテル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル
エステル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸−ジ
−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸−ジ−p−ク
ロルベンジルエステル、テレフタル酸ジメチルエステ
ル、テレフタル酸ジブチルエステル、テレフタル酸ジベ
ンジルエステル、イソフタル酸ジブチルエステル、1−
ヒドロキシナフトエ酸フェニルエステルおよび各種公知
の熱可融性物質等が挙げられる。中でも1,2−ジ(3
−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエ
タンが特に好ましい。増感剤の使用量は特に限定されな
いが、一般に呈色剤100重量部に対して400重量部
以下程度の範囲で調節するのが望ましい。
【0018】感熱記録層の保存性を更に改良するために
保存性改良剤を添加することも何ら差し支えない。この
ような保存性改良剤としては、例えば4,4'−ブチリデ
ンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノー
ル)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−ter
t−ブチルフェノール)、2,4−ジ−tert−ブチ
ル−3−メチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニ
ル)ブタン、1,1,3−トリス(5−シクロヘキシル−
4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,3,
5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−
2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸等のヒンダ
ードフェノール類、4−(2−メチル−1,2−エポキ
シエチル)ジフェニルスルフォン、4−(2−エチル−
1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルフォン、4−
(2−メチル−3,4−エポキシブチル)ジフェニルス
ルフォン、4−(2−メチル−2,3−エポキシブチ
ル)ジフェニルスルフォン、4−(2−メチル−1,2
−エポキシエチルオキシ)ジフェニルスルフォン、4−
(2−メチル−2,3−エポキシブチルオキシ)ジフェ
ニルスルフォン、4−(2−メチル−1,2−グリシジ
ルオキシ)ジフェニルスルフォン、4−(2−メチル−
グリシジルオキシ)−2',4'−ジメチルジフェニルス
ルフォン、4−(2−メチル−グリシジルオキシ)−
2',4'−ジクロロジフェニルスルフォン、4−(2−
メチル−グリシジルオキシメトキシ)ジフェニルスルフ
ォン、4−(2−メチル−グリシジルオキシ)−4'−
(p−メトキシベンジルオキシ)ジフェニルスルフォン
等のジフェニルスルフォン誘導体が挙げられる。勿論、
これらに限定されるものではなく、また必要に応じて2
種以上の化合物を併用することもできる。
【0019】これらのロイコ染料、呈色剤、増感剤、保
存性改良剤等は、それぞれ別々にあるいはロイコ染料等
と共に水を分散媒体として使用し、縦型あるいは横型サ
ンドミル、アトライター、ボールミル、コボルミル等の
各種湿式粉砕機によって、ポリアクリルアミド、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメ
チルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩
およびそれらの誘導体等のような水溶性高分子化合物の
ほか、界面活性剤等と共に分散させ、分散液とした後、
感熱記録層用塗料の調製に用いられる。本発明におい
て、他に感熱記録層を構成する材料としては接着剤、無
機または有機顔料、ワックス類、金属石鹸、更に必要に
応じて紫外線吸収剤、保存性改良剤、蛍光染料、着色剤
等を挙げることができる。
【0020】接着剤の具体例としては、前述の重合体エ
マルジョンは勿論のこと、例えばポリビニルアルコー
ル、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、ブチラ
ール化ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポ
リビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコー
ル、スルフォン基変性ポリビニルアルコール、珪素変性
ポリビニルアルコール、澱粉およびその誘導体、カゼイ
ン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、
ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアマイド、スチレン−
無水マレイン酸共重合体の塩、メチルビニルエーテル−
無水マレイン酸共重合体の塩、イソプロピレン−無水マ
レイン酸共重合体の塩等の水溶性樹脂、スチレン−ブタ
ジエンラテックス、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共
重合エマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、ポリ塩
化ビニルエマルジョン、ポリ塩化ビニリデンエマルジョ
ン、メタクリル酸エステル共重合エマルジョン、アクリ
ル酸エステル共重合体エマルジョン等の水分散性樹脂が
使用できる。
【0021】顔料としては、例えばクレー、焼成クレ
ー、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タ
ルク、シリカ、珪藻土、合成珪酸アルミニウム、酸化亜
鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、
表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機系微粉
末、並びに尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリ
ル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機系樹脂微粉末
を挙げることができる。ワックスとしては、パラフィン
ワックス、カルナバロウワックス、マイクロクリスタリ
ンワックス、ポリエチレンワックスのほか、ステアリン
酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂
肪酸アミド、および高級脂肪酸エステル等が挙げられ
る。本発明においては、保護層には上記特定の接着剤を
用いるものであるが、本発明の所望の効果を損なわない
限りにおいて、各種公知の接着剤を併用することも可能
で、例えば澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチ
ン、カゼイン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、
ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン
−無水マレイン酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共
重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン
−ブタジエン共重合体エマルジョン等を用いることがで
きる。
【0022】保護層用塗液中には必要に応じてグリオキ
ザール、メチロールメラミン、過硫酸アンモニウム、過
硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、硼酸、塩
化アンモニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム等の耐
水化剤を添加してもよい。またステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバ
ロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑
剤、ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム等の界面活
性剤、消泡剤、カリミョウバンや酢酸アルミニウム等の
水溶性多価金属塩、ベンゾフェノン系、トリアゾール系
等の紫外線吸収剤、蛍光染料、着色染料等の各種助剤を
適宜添加することもできる。なお、本発明に使用できる
支持体は、特に制限するものではなく、従来から感熱記
録体の支持体として一般的に使用されているものである
ことができる。例えば、酸性紙あるいは中性紙さらには
顔料塗工紙などの紙類、透明あるいは半透明の合成樹脂
フィルム類、合成紙類等が挙げられる。
【0023】感熱記録層および保護層の形成方法などに
ついては特に限定されるものではなく、従来から周知慣
用の技術に従って形成することができ、例えばエアナイ
フコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュ
アブレードコーティング、ロッドブレードコーティン
グ、ショート・ドウェルコーティング、カーテンコーテ
ィング、ダイコーティング、マイクログラビアコーティ
ング等の適当な塗布方法により感熱記録層用塗液を乾燥
重量で2〜15g/m2、好ましくは3〜12g/m2、また
保護層用塗液を乾燥重量で0.5〜7.0g/m2、好まし
くは1.0〜4.0g/m2の範囲となるように塗布・乾燥
するのが望ましい。本発明の感熱記録体には感熱記録層
と反対側に必要に応じて裏面層を設け、カールの矯正を
図ることができる。裏面層(バックコート層)の塗料、
および塗工方式は保護層と同様のものを利用してもよい
し、必要に応じて塗工量、樹脂/顔料比率は変更して差
し支えない。更に、必要に応じて感熱記録層の下にアン
ダーコート層を設ける等の諸種の変形をすることは何ら
差し支えない。各層を設けた後、スーパーキャレンダー
処理を施し、画質、画像濃度を向上させることもでき
る。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、例中の「部」および「%」は、特記しない限
り、それぞれ「重量部」および「重量%」を示す。 実施例1 重合体エマルジョンの製造 攪拌装置、温度計、コンデンサー、滴下ロート、窒素ガ
ス通気管および酸素濃度計の電極を備えた1リットルの
フラスコに、乳化剤としてメタクリロキシポリエチレン
グリコール−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダ
(ポリエチレングリコールの重合度=15)1.5g、硫
酸第1鉄 0.002gおよび水 200gを仕込んだ。こ
の時の溶存酸素濃度は5〜7ppmであった。別に1リッ
トルビーカーに、アクリル酸ブチル 150g、アクリル
酸エチル200g、アクリロニトリル 150g、メタク
リル酸 10g、メタクリロキシポリエチレングリコール
−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダ(ポリエチ
レングリコールの重合度=15)1.5gおよび水 22
8gを仕込み、ホモミキサーで乳化した。この時の酸素
濃度は8〜9ppmであった。単量体乳化物の入ったビー
カーおよびフラスコに、脱酸素した窒素ガスを50〜1
00ml/分の割合で2時間吹き込むと、0.5%重亜硫
酸ソーダ水溶液でゼロに較正した溶存酸素濃度計が0pp
mを示した。両系の溶存酸素濃度が0ppm以下になった
後、単量体乳化物、tert−ブチルヒドロペルオキシ
ドの0.3%水溶液 20g、およびホルムアルデヒドナ
トリウムスルホキシラートの0.5%水溶液 20gを3
時間かけてフラスコ内に滴下した。この間、系の温度は
30〜34℃に保った。滴下終了後、1時間同温度に保
持し熟成した。10%苛性ソーダ 5gを添加して系を中
和後、固形濃度が45%となるように水を添加して重合
体エマルジョンを得た。
【0025】 A液調製 3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン 15部、1,2−ジ(3−メチルフェノキ
シ)エタン 20部、メチルセルロースの5%水溶液 5
部、および水 60部からなる組成物をサンドミルで平
均粒子径が1.0μmとなるまで粉砕して、A液を得た。 B液調製 4,4'−イソプロピリデンジフェノール 35部、メチ
ルセルロースの5%水溶液 5部、および水 60部から
なる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmとなる
まで粉砕して、B液を得た。 感熱記録層用塗液の調製 A液 100部、B液 100部、ポリビニルアルコール
(商品名:PVA110、クラレ社製)の10%水溶液
100部、軽質炭酸カルシウム 10部、および水 5
0部からなる組成物を混合・攪拌して感熱記録層用塗液
を得た。 保護層用塗液の調製 カオリン(商品名:HGクレー、ヒューバー社製)60
部、上記により得られた重合体エマルジョン(固形濃
度45%)70部、ステアリン酸亜鉛の30%分散液
25部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムの5%水
溶液 5部、および水 300部からなる組成物を混合・
攪拌して保護層用塗液を得た。 感熱記録体の作製 坪量65g/m2の上質紙の片面に、感熱記録層用塗液お
よび保護層用塗液を乾燥後の塗布量が5g/m2、3g/m2
となるように順次塗布乾燥して、感熱記録層および保護
層を設けた後、スーパーキャレンダー処理して感熱記録
体を得た。
【0026】実施例2 実施例1の重合体エマルジョンの製造において、フラ
スコおよびビーカーに乳化剤として仕込んだメタクリロ
キシポリエチレングリコール−2−エチルヘキシルスル
ホコハク酸ソーダ 1.5gの代わりに、フラスコに乳化
剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 1.5g、
ビーカーに乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ1.5gおよびポリオキシエチレンラウリルエーテル
(エチレンオキシドの重合度=50)15gを用いた以
外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0027】実施例3 実施例1の重合体エマルジョンの製造において、te
rt−ブチルヒドロペルオキシドの0.3%水溶液 20
gの代わりに、クメンヒドロペルオキシドの0.15%水
溶液 10gおよび過硫酸アンモニウムの0.1%水溶液
10gを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録
体を得た。
【0028】実施例4 実施例1の重合体エマルジョンの製造において、得ら
れた重合体エマルジョン中に、更に酢酸カルシウムの1
0%水溶液を5g添加した以外は、実施例1と同様にし
て感熱記録体を得た。
【0029】実施例5 実施例1の重合体エマルジョンの製造において、メタ
クリル酸 10gの代わりにイタコン酸 10gを用いた以
外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0030】実施例6 実施例1のB液調製において、4,4'−イソプロピリ
デンジフェノールの代わりに4−ヒドロキシ−4'−イ
ソプロポキシジフェニルスルホンを用いた以外は、実施
例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0031】実施例7 実施例1のB液調製において、4,4'−イソプロピリ
デンジフェノールの代わりに4,4'−ビス(p−トルエ
ンスルホニルアミノカルボニルアミン)ジフェニルメタ
ンを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を
得た。
【0032】実施例8 実施例1の感熱記録体の作製において、支持体として
上質紙の代りに合成紙(商品名:ユポFPH−80、王
子油化合成紙製)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て感熱記録体を得た。
【0033】実施例9 実施例1の感熱記録体の作製において、支持体として
上質紙の代りに75μmのPETフィルム(帝人製)を
用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得
た。
【0034】比較例1 実施例1の重合体エマルジョンの製造において、アク
リロニトリル 150gの代わりにアクリル酸ブチル 1
50gを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録
体を得た。
【0035】比較例2 実施例1の重合体エマルジョンの製造において、アク
リル酸ブチル 150gおよびアクリル酸エチル 200g
の代わりにスチレン 150gおよびブタジエン200g
を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得
た。
【0036】比較例3 実施例1の重合体エマルジョンの製造において、te
rt−ブチルヒドロペルオキシドの0.3%水溶液 20
gおよびホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート
の0.5%水溶液 20gの代わりに、tert−ブチル
ヒドロペルオキシドの5%水溶液 20gおよびホルムア
ルデヒドナトリウムスルホキシラートの5%水溶液 2
0gを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体
を得た。
【0037】比較例4 実施例1の重合体エマルジョンの製造において、単量
体乳化物の入ったビーカーおよびフラスコに窒素ガスを
吹き込まずに重合体エマルジョンを製造した以外は、実
施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0038】比較例5 実施例1の保護層用塗液の調製において、重合体エマ
ルジョン 70部の代わりにポリビニルアルコール(商
品名:PVA117、クラレ社製)の10%水溶液 3
00部を用い、水を300部から70部にした以外は実
施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0039】比較例6 実施例1の保護層用塗液の調製において、重合体エマ
ルジョン 70部の代わりにポリビニルアルコール(商
品名:PVA117、クラレ社製)の10%水溶液 3
00部を用い、水の添加量を300部から70部に減
じ、更に、感熱記録体の作製において、支持体として
上質紙の代りに75μmのPETフィルム(帝人製)を
用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた重合体エマルジョンおよび感熱記録体
について以下の評価を行い、得られた結果をそれぞれ表
1および表2に示した。
【0040】重合体エマルジョンの評価 〔重合体エマルジョンの粘度〕固形濃度45%、30℃
における重合体エマルジョンの粘度をB型粘度計にて測
定した。 〔重合体エマルジョンのpH〕固形濃度45%、25℃
における重合体エマルジョンのpHをpHメーター(堀
場製作所社製)にて測定した。 〔ガラス転移点〕乾燥後の厚さが約50μmとなるよう
に、重合体エマルジョンをアルミ箔上に塗布、乾燥(6
0℃、5時間乾燥)して得られた重合体フィルムのガラ
ス転移点を示差熱分析計(セイコー電子工業社製)にて
測定した。 〔耐トルエン性〕上記ガラス転移点の測定の際に使用し
た3cm×3cmの重合体フィルム(W)を、10ml,25
℃のトルエンに24時間浸し、トルエンに溶出された重
合体フィルム量(A)を測定し、A/Wを求めると共
に、トルエンに膨潤された重合体フィルム量(B)を測
定し、B/Wを求めた。
【0041】感熱記録体の評価 〔白色度〕地肌カブリの程度を評価するためにハンター
白色度計で感熱記録体の白色度を測定した。 〔発色濃度〕感熱シミュレーター(大倉電機社製、TH
−PMD)を用いて、印加エネルギー 0.4mj/do
tで感熱記録体に記録を行い、得られた記録像の発色濃
度をマクベス濃度計(マクベス社製、RD−100R
型)で測定した。 〔ヘッド粕〕感熱シミュレーター(大倉電機社製、TH
−PMD)を使用し、印加エネルギー 0.4mj/do
tの条件で約10mの長さの感熱記録体に連続記録を行
った後、ヘッド上に付着した粕を観察した。 ◎:粕付着が全くない。 ○:粕が僅かに付着しているが印字には全く支障はな
い。 △:粕付着がやや多く、要求品質によっては問題とな
る。 ×:粕付着が多く、印字にも支障を生じ、実用化できな
い。 〔耐水性〕感熱記録体を水中に1分間浸漬させた後取り
出し、保護層面同士を重ね合わせ、乾燥後剥がす。 ○:保護層面が支障なく剥がれる。 ×:剥がす時、保護層,記録層,支持体のどこかが破壊
されたり剥離する。 〔耐スティッキング性〕感熱シミュレーター(大倉電機
社製、TH−PMD)を使用し、印加エネルギー 0.4
mj/dotで感熱記録体に記録を行った後、保護層に
発生したスティッキングの度合いを目視で判定した。 ◎:スティッキングが殆どない。 ○:スティッキングが少し認められるが、実用上問題な
い。 ×:スティッキングが多く発生しており、実用化できな
い。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、耐水性および耐スティ
ッキング性の双方に優れた感熱記録体が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲田 忠博 兵庫県龍野市揖保町揖保中251番地1号 昭和高分子株式会社大阪研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、ロイコ染料と呈色剤を含有
    する感熱記録層、顔料と接着剤を主成分として含有する
    保護層を順次設けた感熱記録体において、該接着剤が、
    少なくとも(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリ
    ル酸エステル、およびエチレン性不飽和カルボン酸を含
    む単量体を、下記条件およびにて乳化重合して得ら
    れた重合体エマルジョンであることを特徴とする感熱記
    録体。 該単量体を乳化重合させる際、反応系水相の溶存酸
    素濃度を0.5%重亜硫酸ソーダ水溶液における溶存酸
    素濃度以下に保持する。 該単量体を乳化重合させる際に、酸化剤−還元剤−
    活性剤からなるレドックス重合開始剤を使用し、該酸化
    剤の使用量が、該単量体100重量部に対して0.00
    1〜0.1重量部である。
  2. 【請求項2】 (メタ)アクリル酸エステルが、アクリ
    ル酸エチルまたはアクリル酸ブチルである請求項1に記
    載の感熱記録体。
  3. 【請求項3】 エチレン性不飽和カルボン酸が、イタコ
    ン酸またはメタクリル酸である請求項1または2に記載
    の感熱記録体。
  4. 【請求項4】 重合体エマルジョンの重合物のガラス転
    移温度が0〜30℃である請求項1ないし3のいずれか
    に記載の感熱記録体。
  5. 【請求項5】 保護層中に、水溶性の多価金属塩を含有
    させた請求項1ないし4のいずれかに記載の感熱記録
    体。
  6. 【請求項6】 重合体エマルジョンの乾燥皮膜のトルエ
    ン可溶部が5%以下で、かつトルエン不溶部のトルエン
    膨潤度が200%以下である請求項1ないし5のいずれ
    かに記載の感熱記録体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004016440A1 (ja) * 2002-08-14 2004-02-26 Mitsui Chemicals, Inc. 感熱記録材料
JPWO2006049175A1 (ja) * 2004-11-05 2008-05-29 王子製紙株式会社 感熱記録体

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