JP2007283551A - 感熱記録体 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録部の濃度が高く、白紙部および記録部の光沢度に優れ、且つスティッキング等が原因で生じる印字障害の発生やブロッキングが起こりにくく、記録部の保存性に優れた感熱記録体を提供するものである。
【解決手段】支持体上に、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層、並びに保護層を順次設けた感熱記録体において、前記保護層がコア−シェル型アクリル樹脂を主成分とする保護層であり、保護層上に、0.50〜2.0m/sの動粘度(25℃)を有するシリコーンオイルを含有した滑剤層を設けることを特徴とする。前記シリコーンオイルがシラノール基含有のシリコーンオイルであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、無色乃至は淡色のロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関するものである。
無色乃至は淡色のロイコ染料と有機または無機の呈色剤との呈色反応を利用し、熱により両発色物質を接触させて記録像を得るようにした感熱記録体はよく知られている。かかる感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで、且つその保守も容易なため、ファクシミリや各種計算機等の記録媒体としてのみならず幅広い分野において使用されている。
その用途の拡大に伴って、ビデオ用、医療用、製図用等として中間調の画像を記録する用途にも感熱記録体が使用され、特に保存性に優れた感熱記録体が使用されている。かかる感熱記録体は保存性を高めるため保護層が設けられ、記録画質を高めるため支持体に高平滑な紙や、下塗り層を設け高平滑、高断熱性を持たせた紙、あるいはフィルムが使用される。また記録濃度を上げるために、紫外線や電子線で硬化された樹脂を主体とした光沢層を設けたり、保護層をフィルム転写で積層させたりすることもあるが、光沢が不十分であったり、製造コストが高くなる。
一方、このような支持体を用いた感熱記録体は特に記録スピードが速くなってくると記録時にサーマルヘッドと記録体表面との間でスティッキングが発生し、印字障害となることもあり、また高湿下で放置後の記録時にブロッキングが発生し、記録できない欠点も出てくる。かかる欠点を解決しようと保護層中に水溶性樹脂と変成シリコーンオイル及び硬化剤を含有させる方法(特許文献1を参照)、保護層中にエポキシ変性シリコーンオイル及びアルキルリン酸エステル塩を含有させる方法(特許文献2を参照)、感熱記録層上に界面活性剤または滑剤を主成分とする特定量の最上層を設ける方法(特許文献3を参照)、感熱発色層上に特定の動粘度のシリコーン油を含有する保護層を設ける方法(特許文献4を参照)、保護層の樹脂成分として、特定のエマルションを使用する方法(特許文献5を参照)等が提案されているが、光沢度、スティッキング、ブロッキング、記録部の保存性の点で改良の要望があった。
特開平3−67688号公報 特開平9−11617号公報 特開平11−48610号公報 特開昭59−7088号公報 特開2001−270251号公報
本発明の課題は、記録部の濃度が高く、白紙部および記録部の光沢度に優れ、且つスティッキング等が原因で生じる印字障害の発生やブロッキングが起こりにくく、記録部の保存性に優れた感熱記録体を提供することにある。
本発明は、支持体上に、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層、並びに保護層を順次設けた感熱記録体において、前記保護層がコア−シェル型アクリル樹脂を主成分とする保護層であり、保護層上に、0.50〜2.0m/sの動粘度(25℃)を有するシリコーンオイルを含有した滑剤層を設けることを特徴とする。
前記シリコーンオイルがシラノール基含有のシリコーンオイルであることが好ましい。
前記シリコーンオイルが両末端にシラノール基含有のシリコーンオイルであることが好ましい。
前記シリコーンオイルが、エマルションの形で滑剤層を形成する塗液中に配合されていることが好ましい。
前記コア−シェル型アクリル樹脂が(a)メタアクリルアミドおよび(b)カルボキシル基を有するビニル単量体を重合して得られる共重合樹脂(A)が、実質的に、(c)ビニル単量体を重合して得られる樹脂粒子(B)の表面に分布している樹脂エマルションであることが好ましい。
前記(c)ビニル単量体が、(メタ)アクリル酸エステルを含むことが好ましい。
滑剤層の乾燥後の塗工量が0.001〜0.1g/mであることが好ましい。
滑剤層を設ける前の光沢度が80%以上であることが好ましい。
本発明の感熱記録体は、記録部の濃度が高く、白紙部および記録部の光沢度に優れ、且つスティッキング等が原因で生じる印字障害の発生やブロッキングが起こりにくく、記録部の保存性に優れるため、医療画像診断用等の感熱記録媒体としても利用できるものである。
本発明では、コア−シェル型アクリル樹脂を主成分とする保護層上に特定の動粘度を有するシリコーンオイルを含有した滑剤層を設けることが極めて重要である。
本発明は、滑剤層を設ける前に、感熱記録層上に、成膜性を有し、印字光沢感を発現させる樹脂を主成分とする保護層を設けるものであるが、印字光沢感を発現させる樹脂のなかでも、コア−シェル構造を有するアクリル樹脂が好ましい。
コア−シェル構造を有するアクリル樹脂としては、(a)メタアクリルアミドおよび(b)カルボキシル基を有するビニル単量体を重合して得られる共重合樹脂(A)が、実質的に、(c)ビニル単量体を重合して得られる樹脂粒子(B)の表面に分布している樹脂が好ましく、エマルションの形で使用される。
前記コア−シェル構造を有するアクリル樹脂エマルションは、(a)メタアクリルアミドおよび(b)カルボキシル基を有するビニル単量体を含む単量体混合物を共重合してなる共重合樹脂(A)を塩基により水溶化してなる前記共重合樹脂(A)の存在下に、(c)ビニル単量体を重合して得られる樹脂粒子(B)を含むことを特徴とするものである。
単量体混合物の固形分100質量部中、(a)メタアクリルアミドを30〜95質量部、(b)カルボキシル基を有するビニル単量体を2〜50質量部含むことが好ましい。
(c)ビニル単量体が、(メタ)アクリル酸エステルを含むことが好ましい。
(c)ビニル単量体の合計量を100質量部としたときに、共重合樹脂(A)を20〜200質量部含むことが好ましい。
本発明の保護層で使用するコア−シェル型アクリル樹脂は、共重合樹脂(A)が樹脂粒子(B)の表面に実質的に構造を有することが好ましい。実質的に表面に分布している構造とは、樹脂粒子(B)表面の一部に共重合樹脂(A)が存在している構造や、樹脂粒子(B)表面がすべて共重合樹脂(A)で覆われた2層構造などが挙げられ、本発明の目的を達成しうるにたる十分な分布であればよい。なお、本発明のエマルションの粒子構造は、滑剤層を形成したあとでも、透過型電子顕微鏡による観察での濃淡(コントラスト)で容易に観察することができる。また、本発明のエマルションの粒子構造は、水希釈状態で測定した動的光散乱法による水膨潤粒子径と走査型電子顕微鏡にて測定した乾燥粒子径との差異をもって表面に分布する共重合樹脂(A)の厚みを表すと想定でき、容易に測定、観察できる。この場合水膨潤粒子径は通常乾燥粒子径のおおよそ2〜5倍の大きさとして観察されるが、表面に分布する共重合樹脂(A)は樹脂粒子(B)の粒子径とそれに伴う飽和吸着量の変化や内層(共重合樹脂(B))と外層(共重合樹脂(A))の重量割合による影響を受けるので一概にはいえない。これは、共重合樹脂(A)と(c)ビニル単量体を重合して得られる樹脂粒子(B)をそれぞれ別に製造し、混合して得られるエマルションの上記動的光散乱法による粒子径と、樹脂粒子(B)のみを同様にして測定した粒子径が同一であることから、共重合樹脂(A)が樹脂粒子(B)の表面に分布していない状態では粒子径に変化がみられないことからも明らかである。
本発明の保護層で使用するコア−シェル型アクリル樹脂において、共重合樹脂(A)は、感熱記録体の保護層に要求される基本特性、すなわち、保存安定性、走行安定性(耐熱性)を満足させるとと同時に高い光沢感を付与する機能を担持するものである。本発明においては、この共重合樹脂(A)に含まれるカルボキシル基の少なくとも一部を塩基により中和して水溶性樹脂とした後、この存在下で比較的ガラス転移点の低いビニル単量体、あるいは比較的ガラス転移点が低くなるように調整された二種以上の組み合わせから成る各種ビニル単量体を重合し、樹脂粒子(B)を得る。この時、水溶化した共重合樹脂(A)は保護コロイド(あるいいはポリソープ)として作用し、樹脂粒子(B)を安定に、しかも微細な状態で水中に存在させることができる。このようにして作製された樹脂エマルションにおいては、必然的に樹脂粒子(B)を内層とし、共重合樹脂(A)が外層(表層)に吸着又はグラフトした状態で分布することになる。このため、このエマルションを感熱記録材料の保護層の樹脂成分として用いた場合、感熱記録層の保存安定性を良好に維持しつつ、優れた走行安定性(耐熱性)および高い光沢感を実現することが出来ると同時に、内層は外層(共重合樹脂(A))を連続層とする本発明の保護層の硬くて脆い性質を補うべく、応力緩和剤として作用し、保護層の耐久性も良好となる。また、本発明のエマルションを作製する際、内層と外層の比率を操作することで、必要に応じて樹脂分の濃度や樹脂の硬軟を任意に設定することもできる。
本発明における共重合樹脂(A)を構成する、(a)メタアクリルアミドは、走行安定性(耐熱性)、耐可塑剤性、耐油性、耐溶剤性に優れた効果を示す。(a)メタアクリルアミドの使用量は、共重合樹脂(A)を構成する単量体混合物の固形分を100質量部としたときに、好ましくは30質量部以上、さらに好ましくは50質量部以上である。また、上限については、好ましくは95質量部以下、さらに好ましくは80質量部以下である。
(a)メタアクリルアミドの使用量が少なすぎると必要な耐熱性が得られないことがあり、走行安定性に支障をきたし、更に充分な耐可塑剤性が得られない場合がある。使用量が多すぎると、樹脂粒子(B)を作成する時に、著しく粘度が高くなったり、場合によっては凝集するなど安定化(保護コロイド)機能の低下を生ずる場合がある。
本発明において、(b)カルボキシル基を有するビニル単量体は、共重合樹脂(A)を水溶化し、安定化剤とする役割を果たす。(b)カルボキシル基を有するビニル単量体を共重合樹脂(A)の樹脂骨格中に導入することで、共重合樹脂(A)をアンモニア等の塩基で中和した際、安定化剤(保護コロイド)たる水溶性樹脂に変成することができる。また、上記カルボキシル基は、保護層に必要により加えられる充填材への結合性や分散性、更に必要により加えられる架橋剤の官能基としても有用に作用する。
(b)カルボキシル基を有するビニル単量体の使用量は、共重合樹脂(A)を構成する単量体混合物の固形分を100質量部としたときに、好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上である。また、上限については、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、最も好ましくは30質量部以下である。
(b)カルボキシル基を有するビニル単量体の使用量が少なすぎると、塩基を添加しても水可溶性が充分に得られないことがあり、水溶性樹脂としての安定性に欠ける場合がある。使用量が多すぎると、感熱記録層に不必要な発色(かぶり)が生じることがある。
カルボキシル基を有するビニル単量体の例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸の如きエチレン性不飽和一塩基性カルボン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸の如きエチレン性不飽和二塩基性カルボン酸及びモノアルキルエステルがあり、少なくともこれらの一種、または二種以上の組み合わせで用いられる。
本発明においては、上述した(a)メタアクリルアミド、(b)カルボキシル基を有するビニル単量体のほか、これらの両方または一方と共重合可能なビニル単量体(c)を所望により併用することができる。ビニル単量体(c)を併用することにより、安定化剤(保護コロイド)たる共重合樹脂(A)に更なる重合安定化剤としての機能を導入したり、保護層を設ける際に必要により使用される多様な架橋剤との反応基を導入することができる。例えばスチレン、(メタ)アクリル酸エステルのような疎水性ビニル単量体の導入は共重合樹脂(A)に疎水ユニットを付加することができ、一段と安定化剤(保護コロイド)能力を高めることができる。また、ヒドロキシル基を有するビニル単量体の導入は、アルデヒドやメチロール基を有する架橋剤との反応に有効に作用する。
単量体(c)の使用量は特に制限はないが、共重合樹脂(A)を構成する単量体混合物の固形分を100質量部としたときに、20質量部以下が好ましく、更に好ましくは10質量部以下である。使用量が多すぎると耐熱性、耐可塑剤性が低下する場合がある。
ビニル単量体(c)の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸2−(N−メチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル単量体類、アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のN−置換不飽和カルボン酸アミド、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有単量体、ビニルピロリドンの如き複素環式ビニル化合物、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等ハロゲン化ビニリデン化合物、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類、ブタジエンの如きジエン類等が挙げられ、一種あるいは二種以上組み合わせて用いられる。中でも水酸基、メチロール基、グリシジル基、アミノ基等、官能基を有する不飽和単量体および/又はスチレン、(メタ)アクリル酸エステル等比較的疎水性の単量体等が前記理由により好ましく用いられる。
前記水溶性樹脂を安定化剤(保護コロイド)として樹脂粒子(B)を重合する際に用いられるビニル単量体の種類については特に制限は無く、前述の単量体(c)の例として挙げられた群より選ばれ、一種または二種以上の組み合わせで用いられる。このビニル単量体は、ガラス転移点として好ましくは0〜60℃の範囲のもの、またはその範囲になるように組み合わせて用いるのが好ましい。ガラス転移点が0℃未満では保護層としての耐熱性に欠ける場合があり、また、60℃を超えると保護層が柔軟性に欠けるのと場合によってはひび割れが生じて、感熱記録層の保存安定性に支障をきたす場合がある。
上記ビニル単量体として、(メタ)アクリル酸エステルを用いると、スティッキング改良の効果が大きかったり、保護層の光沢感を更に向上できる。
また、本発明において、樹脂粒子(B)を形成するためのビニル単量体、および、共重合樹脂(A)の固形分割合は、ビニル単量体の合計量を100質量部としたときに、共重合樹脂(A)を、好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上とする。また、上限については、好ましくは200質量部以下、さらに好ましくは150質量部以下とする。
共重合樹脂(A)の量が少なすぎると、樹脂粒子(B)を製造する際に多量の凝集物が発生する等、重合安定性に問題を生ずる場合があったり、本発明の最も基本的な物性の一つであるスティッキング改良の効果が充分に得られないことがある。一方、共重合樹脂(A)の量が多すぎると、エマルション中の樹脂成分が著しく硬く、脆くなりやすく、樹脂粒子(B)を形成するためのビニル単量体のガラス転移点を操作しても、保護層としての必要な柔軟性が充分に得られないことがある。
共重合樹脂(A)の分子量は特に制限はないが、アンモニア(水)で中和し、水溶性樹脂へ変性した後、固形分25%の粘度で100〜2000ミリパスカル秒の範囲が好ましい。低粘度ほど安定化剤(保護コロイド)としての能力が高く、樹脂粒子(B)を安定にしかも低粘度で製造できるが、逆に耐熱性、耐水性が低下する。一方、2000ミリパスカル秒を超えると樹脂粒子(B)を製造する際に著しく粘度が高くなり、製造上支障をきたす場合がある。このような分子量の操作には分子量調節剤(連鎖移動剤)、重合温度、開始剤の量により行われるが、本発明の共重合樹脂(A)においては、一般的に油溶性である分子量調節剤が有効に作用しない関係上、重合温度及び開始剤の量により行うのが好ましく、上記の粘度範囲になるよう適宜条件を設定して行う必要が有る。ただし、これらに限定するものではない。
本発明の樹脂粒子(B)の平均粒子径(数平均)は特に制限がないが、好ましくは50〜500nm、更に好ましくは70〜300nmである。平均粒子径が小さすぎると、エマルションの粘度が著しく高くなることがある。この場合、製造時の樹脂濃度を低くしなければならないため、保護層塗工液の乾燥性も遅くなり、本発明の感熱記録材料の生産性に支障をきたすことを含め、経済上好ましくない。一方、平均粒子径が大きすぎると、光沢が著しく低下したり、緻密な保護層が形成されにくいために感熱記録層の保存安定性に欠ける場合がある。粒子径は共重合樹脂(A)の分子量、組成、および界面活性剤により操作でき、上記範囲内になるように調整される。
本発明において、樹脂粒子(B)を得る方法は、共重合樹脂(A)を安定化剤として用いる以外は公知の重合技術に従えば良い。即ち、安定化剤(保護コロイド)となる共重合樹脂(A)を予め製造あるいは準備しておいた後、樹脂粒子(B)を製造してもよいし、共重合樹脂(A)を製造した後、引き続いて製造してもよく、とくに制限されない。
また、樹脂粒子(B)を製造する際、必要に応じて安定性を付与するために乳化剤を用いることができる。例えば、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型等の非イオン界面活性剤を単独もしくは二種以上の組み合わせで使用することもできる。これらの乳化剤の使用量については、特に制限はないが、樹脂の耐水性を考慮すると必要最小量とするのが好ましい。
共重合樹脂(A)および樹脂粒子(B)を製造する際に使用する重合開始剤としては、過硫酸塩、過酸化水素、有機ハイドロパーオキサイド、アゾビスシアノ吉草酸等の水溶性開始剤、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性開始剤、あるいは還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤が使用される。重合開始剤の量については特に制限はないが、通常、ビニル単量体100質量部に対して0.1〜10.0質量部の範囲で用いられ、好ましくは0.1〜5質量部とする。
本発明において、共重合樹脂(A)を水溶化する際、塩基を中和剤として用いる。また、樹脂粒子(B)形成後、エマルションのpHを調整する際にも中和剤が用いられる。これらの中和剤として、アンモニア(水)が用いられる。中和剤の例として他に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムや各種のアミン類が挙げられるが、耐水性、熱ヘッドの損傷、あるいは熱発色時の減感が生じる場合がある。アンモニア(水)を用いれば、これらの負作用が無い上、比較的低温で離脱し易いので保護層形成後の耐水性が短時間に発現するという利点も得られる。
前記コア−シェル構造を有するアクリル樹脂は、保護層中の全固形分に対して、50〜100質量%程度、含有するものであり、80〜100質量%がより好ましい。
更に、保護層に耐水性を付与させるために水性樹脂と反応する架橋剤を使用することができる。架橋剤の具体例としてはポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂が最も好ましいが、それ以外にも各種公知の材料が使用でき、グリオキザール、ジアルデヒドデンプン等のジアルデヒド系化合物;ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物;メラミン樹脂;グリセリンジグリシジルエーテル等のジグリシジル系化合物;ジメチロールウレア化合物;アジリジン化合物;多価カルボン酸ヒドラジド化合物;オキサドリン;イソシアネート化合物;及び過硫酸アンモニウム、塩化第2鉄、塩化マグネシウム、ホウ酸、炭酸ジルコニム塩化合物等を用いることができる。勿論、これらに限定されるものでなく、また2種以上併用することも可能である。架橋剤の使用量としては、架橋剤が多過ぎると光沢度が低下する傾向があるため、保護層中の樹脂に対して、1〜20質量%の範囲内で用いるのが好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
保護層には、本発明における所望の効果を損なわない限りにおいて、各種公知の水性樹脂を使用することもできる。かかる水性樹脂としては、例えば酸化デンプン、完全(部分)鹸化ピリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビヤガム、ジイソブチレン-無水マレイン酸共重合体塩、スチレン-無水マレイン酸共重合体塩、エチレン-アクリル酸共重合体塩、ポリウレタン系ラテックス、スチレン-ブタジエン系ラテックス等が挙げられる。勿論、これらに限定するものではなく、また2種以上を併用することも可能である。
本発明の保護層は、コア−シェル構造を有するアクリル樹脂を主成分とし、必要によりその他の水性樹脂、架橋剤、顔料等からなる組成物を混合撹拌して得られた保護層用塗液を、感熱記録層上に乾燥後の塗布量が0.5〜5.0g/m程度となるように塗布・乾燥して形成される。こうして得られた保護層については、ISO 8254−1(1999)に準拠して測定した75°光沢度が80%以上のものが得られるが、より好ましくは85%以上である。80%以上であれば、滑剤層を設けた感熱記録体において、所望の白紙部、記録部の光沢度や高い印字濃度を発現させることができる。
一方、スティッキングを改良するためには、一般に保護層中に滑剤を含有させる方法もあるが、このために必要な滑剤の量は、一般に保護層の全固形分に対して1〜10質量%程度であり、この程度の量の滑剤を保護層中に含有させると、保護層形成後の感熱記録体の光沢度が低くなってしまう恐れがあり、白紙部および記録部の光沢度に優れた感熱記録体は得られないばかりか、記録部の保存性にも劣る。
本発明は、コア−シェル構造を有するアクリル樹脂を主成分とする保護層上に、0.50〜2.0m/sの動粘度(25℃)を有するシリコーンオイルを含有した滑剤層を設けるものである。
動粘度が0.50m/s未満である場合、保護層を通して滑剤が感熱記録層に浸透し、記録部が消えたり、白紙部が薄く発色したりする恐れがある。また2.0m/sを越える動粘度であれば、滑剤層形成後にガム状になったりサーマルヘッドで印字した場合、感熱記録体表面から滑剤層が剥がれる現象が見られる恐れがある。
動粘度は、さらに0.60m/s以上がより好ましく、1.80m/s以下がより好ましく、1.30m/s以下が最も好ましい。
前記シリコーンオイルの含有量としては、滑剤層全固形分に対して、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましい。また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。
前記シリコーンオイルは、シラノール基含有のシリコーンオイルが好ましく、なかでも両末端にシラノール基含有のシリコーンオイルがより好ましい。
滑剤としては、シリコーンオイルがエマルションの形で、滑剤層を形成する塗液中に配合されていることが好ましい。
本発明の滑剤層には以下のような材料を添加して、更にスティッキングを改良させることもできる。例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルバナロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類;ラウリルリン酸エステル、オレイルリン酸エステル、ステアリルリン酸エステル等のアルキルリン酸エステル及びそのアルカリ金属塩;モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセル、モノオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセル、ジオレイン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;モノラウリル酸ジグリエリル、ジラウリル酸ジグリセリル、モノラウリル酸テトラグリセリル、モノラウリル酸ヘキサグリセリル、モノラウリル酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル等、各種公知の材料が使用でき、含有量としては、滑剤層全固形分に対して、5〜50質量%程度である。特にその中でもステアリン酸亜鉛、ポリエチレンワックス、ステアリルリン酸エステルカリウム塩がスティッキングの改良効果に優れ、特に好ましい。
また、スティッキングを改良させるために以下の顔料、塩類等を添加することもできる。顔料としては、カオリン、炭酸カルシウム、無定形シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、焼成カオリン、酸化亜鉛などが挙げられ、塩類としは、過硫酸アンモニウム、塩化第2鉄、塩化マグネシウム、ホウ酸、炭酸ジルコニウムアンモニウムなどが挙げられる。
中でも、無定形シリカ、炭酸ジルコニウムアンモニウムが好ましく、無定形シリカの場合、平均粒子径は1μm以下程度であり、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下である。含有量としては、滑剤層全固形分に対して、10〜80質量%程度である。なお、平均粒子径は、BET法による測定値である。
滑剤層の乾燥後の塗工量は、0.001〜0.1g/mであることが好ましく、0.02〜0.1g/mがより好ましい。
本発明の感熱記録層は、一般には、各種公知のロイコ染料、呈色剤及び接着剤を含有するものであり、必要に応じて、増感剤、顔料、各種助剤などを含有していてもよい。
ロイコ染料としては、単独または2種以上混合することができるが、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリルフタリド系などのロイコ染料が好ましく用いられる。ロイコ染料の具体例として例えば、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、クリスタルバイオレットラクトン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(N−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(N−ブチル)アミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(N−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、および3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオランなどが挙げられる。
呈色剤としては、単独または2種以上混合することができる。呈色剤の具体例として例えば、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンなどのフェノール性化合物、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルメタン、N−p−トリルスルホニル−N’−p−ブトキシフエニルウレアなどの分子内にスルホニル基とウレイド基を有する化合物、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸などの芳香族カルボン酸の亜鉛塩などが挙げられる。
接着剤としては、種々の分子量のポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、及びカゼインなどの水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びスチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体などの疎水性重合体のラテックスなどが挙げられる。
必要であれば、感熱記録層には増感剤を使用してもよい。増感剤の具体例としては、例えば、ステアリン酸アミド、ステアリン酸メチレンビスアミド、ステアリン酸エチレンビスアミド、4−ベンジルビフェニル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフチルベンジルエーテル、1−(2−ナフチルオキシ)−2−フェノキシエタン、1,3−ジ(ナフチルオキシ)プロパン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ−p−メチル−ベンジル、シュウ酸ジ−p−クロルベンジル、テレフタル酸ジブチル、テレフタル酸ジベンジル、2−(2‘ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。これら増感剤は、単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
必要であれば、感熱記録層には保存性改良剤を使用してもよい。保存性改良剤の具体例としては、例えば、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス〔4,6−ジ(tert−ブチル)フェノール〕、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物;4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物等が挙げられる。
必要であれば、感熱記録層には顔料を配合してもよい。顔料としては、例えば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、焼成クレー、タルク、及び表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機系微粉末、並びに尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末などが挙げられる。
その他、各種助剤として、滑剤、消泡剤、濡れ剤、防腐剤、蛍光増白剤、分散剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤、架橋剤など公知のものを用いることができる。
本発明の感熱記録層において、上記ロイコ染料の感熱発色層中の含有率は、一般に5〜30質量%、特に6〜25質量%であり、呈色剤の含有率は一般に5〜40質量%、特に6〜38質量%である。接着剤の含有率は一般に5〜30質量%、特に6〜25質量%程度である。
増感剤が含まれる場合、感熱発色層中の増感剤の含有率は10〜40質量%、特に12〜38質量%であることが好ましい。保存性改良剤が含まれる場合、感熱発色層中の保存性改良剤の含有率は5〜20質量%、特に6〜15質量%であることが好ましい。滑剤類を使用する場合、感熱発色層中の滑剤類の含有率は5〜20質量%、特に5〜15質量%であることが好ましい。顔料を使用する場合、感熱発色層中の顔料の含有率は5〜50質量%、特に6〜45質量%であることが好ましい。
感熱記録層は、例えば水を媒体とし、平均粒子径が1〜2μm程度に粉砕されたロイコ染料と呈色剤、接着剤、及び必要により各種助剤とを混合攪拌して調製された感熱記録層用塗液を中性または酸性の上質紙、合成紙、透明(半透明)フィルム、白色フィルム等の厚さ20〜200μm程度の支持体の一方の面に乾燥後の塗布量が3〜10g/m程度、好ましく4〜7g/m程度となるように塗布乾燥して形成される。
感熱記録層、保護層、及び滑剤層の形成方法については特に限定されず、例えばエアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、スライドビードコーティング、グラビアコーティング、オフセットグラビアコーティング、5本ロールコーティング等の適当な塗工方法により形成される。
また、支持体と感熱記録層との間に下塗り層を設けたり、支持体の裏面側に帯電防止層を設けたり、或いは各層を形成した後、スーパーキャレンダー処理する等の感熱記録体製造分野における各種の公知技術を適宜付加し得るものである。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。なお、例中の「部」及び「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
・A液(ロイコ染料分散液)調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部、ポリビニルアルコール(ケン化度60モル%、重合度200)の20%水溶液10部、天然油脂系消泡剤の5%エマルション0.5部、及び水20部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒径測定器によるメジアン径が1.0μmとなるように処理してA液を得た。
・B液(呈色剤分散液)調製
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン20部、ポリビニルアルコール(ケン化度88モル%、重合度300)の20%水溶液10部、天然油脂系消泡剤の5%エマルション0.5部、及び水20部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒径測定器によるメジアン径が1.5μmとなる様に処理してB液を得た。
・C液(増感剤分散液)調製
シュウ酸−ジ−p−メチルベンジルエステル(商品名:HS−3520、大日本インキ化学工業社製)20部、ポリビニルアルコール(ケン化度88モル%、重合度300)の20%水溶液10部、天然油脂系消泡剤の5%エマルション0.5部、及び水55部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒径測定器によるメジアン径が1.5μmとなる様に処理してC液を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液25部、B液40部、C液50部、微粒子無定形シリカ(商品名:ミズカシールP−603、水澤化学工業社製)10部、ポリビニルアルコール(ケン化度88モル%、重合度300)25%水溶液40部、及び水50部からなる組成物を混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
・保護層用塗液の調製
コア−シェル構造を有するアクリル樹脂粒子エマルション(商品名:OHG371、固形濃度37%、平均粒子径:0.2μm、三井化学社製)250部、ポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂(商品名:WS4024、固形濃度25%、日本PMC社製)20部、及び水56部を混合撹拌して保護層用塗液を得た。なお、エマルションの平均粒子径は、電子顕微鏡観察による値である。
・滑剤層用塗液の調製
両末端にシラノール基含有のシリコーンオイルの30%エマルション(商品名:SM8701、動粘度1.0m/s、東レダウコーニング社製)10部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩の35%エマルション(商品名:ウーポール1800、松本油脂社製)1.44部、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスN、平均粒子径:10〜20nm、濃度20%、日産化学社製)32.5部及び水956部からなる組成物を混合撹拌して滑剤層用塗液を得た。
・感熱記録体の作成
64g/mの上質紙(中性紙)の一方の面に、上記の感熱記録層用塗液、保護層用塗液、及び滑剤層用塗液を、乾燥後の塗布量がそれぞれ5g/m、3g/m、0.04g/mとなるように塗布乾燥した後、スーパーキャレンダー処理を施し、感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1において、滑剤層用塗液として下記の塗液を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
・滑剤層用塗液の調製
両末端にシラノール基含有のシリコーンオイルの30%エマルション(商品名:SM8701、前出)10部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩の35%エマルション(商品名:ウーポール1800、前出)1.44部、炭酸ジルコニウムアンモニウム(商品名:ベイコート20、濃度45%、日本軽金属社製)14.4部及び水974部からなる組成物を混合撹拌して滑剤層用塗液を得た。
実施例3
実施例1の支持体として合成紙(商品名:FPG80、ユポ・コーポレーション社製)を使用した以外は、実施例2と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例3において、滑剤層用塗液として下記の塗液を使用した以外は、実施例3と同様にして感熱記録体を得た。
・滑剤層用塗液の調製
両末端にシラノール基含有のシリコーンオイルの30%エマルション(商品名:SM8701、前出)5部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩の35%エマルション(商品名:ウーポール1800、前出)1.44部、ステアリン酸亜鉛の40%エマルション(商品名:ハイミクロンF−930、中京油脂社製)3.75部、炭酸ジルコニウムアンモニウム(商品名:ベイコート20、前出)14.4部及び水975部からなる組成物を混合撹拌して滑剤層用塗液を得た。
比較例1
実施例1の感熱記録体の作成において、滑剤層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例2において、保護層用塗液として下記の塗液を使用した以外は、実施例2と同様にして感熱記録体を得た。
・保護層用塗液の調製
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名;ゴーセファイマーZ−200、日本合成化学社製)の10%水溶液400部、カオリンの60%水分散液100部、及び水150部からなる組成物を混合撹拌して保護層用塗液を得た。
比較例3
実施例1において、滑剤層用塗液として下記の塗液を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
・滑剤層用塗液の調製
ジメチルシリコーンオイルの38%エマジョン(商品名:SH7036、動粘度3.5×10−4/s、東レダウコーニング社製)8部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩の35%エマルション(商品名:ウーポール1800、前出)1.44部、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスN、前出)32.5部及び水956部からなる組成物を混合撹拌して滑剤層用塗液を得た。
比較例4
実施例1において、滑剤層用塗液として下記の塗液を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
・滑剤層用塗液の調製
両末端にシラノール基含有のシリコーンオイルの30%エマルション(商品名:SM8705、動粘度3.0m/s、東レダウコーニング社製)10部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩の35%エマルション(商品名:ウーポール1800、前出)1.44部、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスN、前出)32.5部及び水956部からなる組成物を混合撹拌して滑剤層用塗液を得た。
比較例5
実施例1において、滑剤層用塗液として下記の塗液を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
・滑剤層用塗液の調製
両末端にシラノール基含有のシリコーンオイルの30%エマルション(商品名:SH8710、動粘度0.1m/s、東レダウコーニング社製)10部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩の35%エマルション(商品名:ウーポール1800、前出)1.44部、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスN、前出)32.5部及び水956部からなる組成物を混合撹拌して滑剤層用塗液を得た。
比較例6
実施例1において、滑剤層用塗液として下記の塗液を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
・滑剤層用塗液の調製
シリコン粒子の65%分散液(商品名:52addtive、東レダウコーニング社製)4.6部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩の35%エマルション(商品名:ウーポール1800、前出)1.44部、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスN、前出)32.5部及び水961部からなる組成物を混合撹拌して滑剤層用塗液を得た。
比較例7
実施例1において、滑剤層用塗液として下記の塗液を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
・滑剤層用塗液の調製
エポキシ・ポリエーテル変性シリコンオイルの10%水溶液(商品名:SF8421、動粘度3.5×10−3/s、東レダウコーニング社製)30部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩の35%エマルション(商品名:ウーポール1800、前出)1.44部、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスN、前出)32.5部及び水961部からなる組成物を混合撹拌して滑剤層用塗液を得た。
かくして得られた感熱記録体について、以下の評価を行い、その結果を表1に示した。
・印字濃度
感熱記録評価機(商品名:TM−PHD、大倉電機社製)を用い、印加エネルギー0.5mj/ドットにて各感熱記録体を印字し、記録部の印字濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。
・スティッキング評価
各感熱記録体を、30℃、85%RHの環境下で上記感熱記録評価機を用いて上記と同条件で記録して、印字部表面の様子を目視観察し、下記の基準で評価した。
(評価基準)
○:良好な印字面となる。
△:印字トビが発生し、実用上問題である。
×:印字面がケロイド状態になる。
・ブロッキング評価
110mm幅、20m巻きの小巻取りを、40℃、90%RHの環境化で、24時間放置後、ブロッキングを以下の基準で評価した。
○:ブロッキングはまったくない。
△:巻取りを捌く際に少し音がし、画質に影響が出て、実用上問題である。
×:巻取りが固まり捌けない。
・保護層形成後の光沢度
各感熱記録体の保護層形成後の光沢度を、ISO 8254−1(1999)に準拠して、光沢度計(機種名:GM−26D、村上色彩技術研究所社製)を用いて75°光沢度を測定した。
・感熱記録体の光沢度
各感熱記録体の白紙部と、上記印字濃度の評価と同条件で記録した記録部の光沢度をISO 8254−1(1999)に準拠して、光沢度計(機種名:GM−26D、村上色彩技術研究所社製)を用いて75°光沢度を測定した。
・耐湿保存性
上記印字濃度の評価と同条件で記録した各感熱記録体を、40℃、90%RHの環境下に24時間放置後、記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。
Figure 2007283551

Claims (8)

  1. 支持体上に、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層、並びに保護層を順次設けた感熱記録体において、前記保護層がコア−シェル型アクリル樹脂を主成分とする保護層であり、保護層上に、0.50〜2.0m/sの動粘度(25℃)を有するシリコーンオイルを含有した滑剤層を設けることを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記シリコーンオイルがシラノール基含有のシリコーンオイルである、請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記シリコーンオイルが両末端にシラノール基含有のシリコーンオイルである、請求項1または2に記載の感熱記録体。
  4. 前記シリコーンオイルが、エマルションの形で滑剤層を形成する塗液中に配合されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  5. 前記コア−シェル型アクリル樹脂が(a)メタアクリルアミドおよび(b)カルボキシル基を有するビニル単量体を重合して得られる共重合樹脂(A)が、実質的に、(c)ビニル単量体を重合して得られる樹脂粒子(B)の表面に分布している樹脂エマルションである、請求項1に記載の感熱記録体。
  6. (c)ビニル単量体が、(メタ)アクリル酸エステルを含む、請求項5に記載の感熱記録体。
  7. 滑剤層の乾燥後の塗工量が0.001〜0.1g/mである、請求項1から6のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  8. 滑剤層を設ける前の光沢度が80%以上である、請求項1から7のいずれか一項に記載の感熱記録体。
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WO2023017811A1 (ja) * 2021-08-13 2023-02-16 Agc株式会社 水系分散液および積層体の製造方法

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