JP3184562B2 - 感熱記録紙及びその塗工用バインダー - Google Patents

感熱記録紙及びその塗工用バインダー

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱記録紙及びその塗
工用のバインダーに関し、特に良好な印字発色性と保存
性および優れた耐水性を有する、感熱記録紙を得ること
が可能な、感熱記録紙塗工用バインダー及び熱記録紙に
関わるものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録紙は、主に染料と顕色剤との2
成分からなる感熱発色成分等に、バインダー成分を加え
た塗料組成物を、紙またはプラスチックスフィルム等の
基材に塗工して、感熱発色層を形成することによって得
られる。この感熱発色層の発色機構は、発色層を一定の
温度に加熱することにより、染料(一般には、クリスタ
ルバイオレットラクトンや 3- ジエチルアミノ 6- メチ
ル-7- アニリノフルオラン等の、ロイコ染料)と、顕色
剤(一般には、フェノール系化合物等)が溶融して接触
し、化学反応が起こり発色する。感熱記録方式は、他の
記録方式と比較して、音を静かに印字することが容易で
あり、比較的安価であること等の利点もあり、コンピュ
ーター、ファクシミリ、や各種プリンター等の用途にお
いて広く使用されており、感熱記録紙には、これらの機
器に対応した記録性能等が要求されている。従来、感熱
記録紙に塗工する塗料組成物のバインダー成分として種
々の提案がなされている。 例えば、特開昭58-181687
号、特開昭59-106995 号では、感熱記録紙に塗工する塗
料組成物のバインダー成分として、主にポリビニールア
ルコール系や、ポリアクリルアミド系等の水溶性樹脂が
使用されている。しかしながらこれら従来公知のバイン
ダー成分は、下記の保存性、発色性、耐水性等の点で劣
り、実用上満足できるものでは無かった。 1)保存性: 感熱記録紙表面の経時による自然発色、即
ち感熱層地肌の白色度が低下しないことおよび、発色後
の印字部分が経時により褪色がないこと。 2)発色性: 印字部の発色濃度や画像の鮮明度が良いこ
と。 3)耐水性: ウェットピック、即ち表面耐水強度が高い
こと。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、感熱記
録紙塗工用バインダーとして、従来のバインダー成分で
は不十分であった前記の問題点について鋭意検討した結
果、本発明の感熱記録紙塗工用バインダーを使用するこ
とにより、得られた感熱記録紙は、従来にない優れた保
存性、発色性、耐水性を付与する事が可能になる事を見
出し、本発明に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は次の
通りである。 (イ) 紙またはプラスチックスフィルム等の基材に、感
熱発色層を塗工してなる感熱記録紙の該感熱発色層のバ
インダーであって、該感熱発色層のバインダー成分が、
構成重合体成分中26〜34重量%の脂肪族共役ジオレ
フィン系モノマー、61〜73重量%のモノオレフィン
系芳香族モノマーと1〜5重量%のオレフィン系不飽和
カルボン酸モノマー及び/又はモノオレフィン系不飽和
モノマー(但し、オレフィン系不飽和カルボン酸モノマ
ーは1〜3重量%)により乳化重合して得られる、ゲル
分含有率が60〜80重量%のラテックスであることを
特徴とする感熱記録紙塗工用バインダー。 (ロ) ラテックスが、該ラテックスを乳化重合して得る
際に、構成重合体モノマー成分に対し界面活性剤の使用
量を0.2〜1.0重量%の範囲で用い重合して得られ
るものであることを特徴とする上記の (イ) 記載の感熱
記録紙塗工用バインダー。 (ハ) 上記の (イ) 又は (ロ) 記載の感熱記録紙塗工用
バインダーを含有する感熱発色層を塗工してなる感熱記
録紙。
【0005】以下、本発明に付き詳細に説明する。本発
明の感熱記録紙塗工用バインダーとして使用するラテッ
クスのジエン系モノマーは、構成重合体成分中26〜3
4重量%、好ましくは28〜32重量%が適当であり、
モノオレフィン系芳香族モノマーは61〜73重量%、
好ましくは63〜75重量%が適当である。ジエン系モ
ノマーが34重量%以上では、これにより得られた感熱
記録紙は、優れた保存性、および耐水性が得られない。
またジエン系モノマーが26重量%未満では、得られ
たラテックスの造膜性が低下し、バインダーとしての本
来の強度が低下するため、表面強度および耐水性が不良
となることによる。また、構成重合体成分中のオレフィ
ン系不飽和カルボン酸モノマーおよび/またはモノオレ
フィン系不飽和モノマー量は、1〜5重量%が適当であ
る。オレフィン系不飽和カルボン酸モノマーおよび/ま
たはモノオレフィン系不飽和モノマーが1重量%未満で
は、これにより得られた感熱記録紙は表面強度および耐
水性が不良となり、またオレフィン系不飽和カルボン酸
モノマーおよび/またはモノオレフィン系不飽和モノマ
ーが5重量%以上では、優れた発色性が得られないこと
による。本発明の感熱記録紙塗工用バインダーとして使
用するラテックスの製造は、通常の乳化重合法で合成で
きるが、乳化重合する際に、界面活性剤を、構成重合体
モノマー成分に対し0.2〜1.0重量%、好ましくは
0.2〜0.5重量%用いる。界面活性剤の使用量が、
構成重合体モノマー成分に対し0.2重量%未満ではラ
テックスを乳化重合する際の、重合安定性が極端に不足
し、目的とするラテックスを安定に得ることが困難にな
る。 また界面活性剤の使用量が1.0重量%以上で
は、これにより得られた感熱記録紙は、優れた保存性、
発色性、および耐水性が得られない。得られるラテック
スのゲル分含有率は、ラテックスの造膜性や接着力と関
係が強く、ラテックスの重要な物性である。 通常オフ
セット輪転印刷用塗工紙のバインダーとして用いるラテ
ックスのゲル分含有率は50重量%以下であり、他の方
式で印刷される一般の塗工紙の、バインダーとして用い
られるラテックスのゲル分含有率は25〜95重量%で
ある。本発明において用いられる、ラテックスのゲル分
含有率は、60〜80重量%好ましくは、65〜75重
量%が適当である。ラテックス中のゲル分含有率が60
重量%未満では、これにより得られた感熱記録紙は、耐
スティッキング性(記録ヘッドのペン先に付着物等が堆
積する)が不良となる。 また、ゲル分含有率が80重
量%以上では、耐水性が不良となることによる。
【0006】本発明で使用するラテックスは、下記の重
合体構成成分から成る。構成重合体成分としては、ブタ
ジエンとスチレン等のモノマーを主成分として必要に応
じてこれらと共重合可能な他のモノマーが用いられる。
この共重合可能なモノマーとしては、例えば、イソプレ
ンや2- クロロブタジエン等のジエン系モノマー、α-
メチルスチレン、クロロスチレンやジメチルスチレン等
のモノオレフィン系芳香族モノマーと、アクリル酸、メ
タアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸ア
ルキルモノエステル、フマール酸、フマール酸アルキル
モノエステル、イタコン酸、イタコン酸アルキルモノエ
ステル、等のオレフィン系不飽和カルボン酸モノマー、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリルアミド、N
-メチロール(メタ)アクリルアミド、N- メトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド等のモノオレフィン系不飽
和モノマー等が挙げられる。これらのモノマーは、二種
以上の組み合わせで用いることが出来る。また、これら
のモノマーは例示であり、この外にも同様の作用機能を
有する共重合可能なモノマーであれば使用することが出
来る。
【0007】本発明のラテックスの重合で用いられる乳
化剤としては、例えば、アルキルスルホネート、アルキ
ルアリルスルホネート、アルキルサルフェート、アルキ
ルナフタレンスルホネート、アルキルサクシネートスル
ホネート等のアニオン性活性剤や、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリル
エーテル、ポリオキシエチレン脂肪族エステル等のノニ
オン性活性剤が挙げられる。これらの乳化剤は、単独ま
たは併用にて使用することもできる。本発明のラテック
スの重合で用いられる重合開始剤としては、例えば、過
硫酸のカリウム、ナトリウムやアンモニウム塩、過酸化
水素、ジイソブチルベンゾイルパーオキシド、キュメン
ハイドロパーオキシド、ラウリルパーオキシド等の酸化
剤が単独で使用されたり、これらの酸化剤と亜硫酸ソー
ダ、重亜硫酸ソーダ、チオ硫酸ソーダ等の還元剤との併
用、即ち、レドックスシステムで用いることも出来る。
ラテックスのゲル分含有率の調節は、乳化重合時にブチ
ルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t- ドデシル
メルカプタン等のアルキルメルカプタン類や、四臭化炭
素、アルコール類等の連鎖移動剤を一種または二種以上
用いて行なう。本発明に用いるラテックスの重合は、温
度50〜100℃、ゲージ圧力0〜10Kg/cm2
範囲で行なわれ、用いられるモノマーおよびその他の添
加剤の添加は一括添加、分割添加または連続添加のいず
れの方法でも行なうことが出来る。また得られるラテッ
クスの粒子径は、通常0.1〜0.3uである。上記の
方法で得られたラテックスを、感熱記録紙に塗工する塗
料組成物の、バインダー成分として使用することにより
得られた感熱記録紙には、コンピューター、ファクシミ
リ、や各種プリンター等にて使用する際に、従来にない
優れた保存性、発色性、耐水性を付与する事が可能であ
る。また、必要に応じて、増感剤、スティッキング防止
剤、充填剤、耐水化剤、等を併用することは有効であ
る。
【0008】本発明に用いられる感熱記録紙に塗工する
塗料組成物として、染料としては、例えば、3,3 - ビス
( p- ジメチルアミノフェニル)-6- ジメチルアミノフ
タリド、3,3 - ビス( p- ジメチルアミノフェニル)フ
タリド、3,3-ビス( p- ジメチルアミノフェニル)-6-
ジエチルアミノフタリド、3,3-ビス( p ージメチルアミ
ノフェニル)-6- クロロフタリド、3,3-ビス( p- ジブ
チルアミノフェニル)フタリド、等のトリアリールメタ
ン系化合物や、3-シクロヘキシルアミノ-6- クロロフル
オラン、3-ジメチルアミノ-5 ,7-ジメチルフルオラン、
3 - ジエチルアミノ-7- クロロフルオラン、3-ジエチル
アミノ-7- メチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7,8-
ジベンズフルオラン、3-ジメチルアミノ-6- メチル-7-
クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-6- メチル-7- ア
ニリノフルオラン、3-( N-p- トリル-N- エチルアミ
ノ)-6- メチル-7- アニリノフルオラン、3-ピリジノ-6
- メチル-7- アニリノフルオラン、2-アニリノ-3- メチ
ル-6- ジエチルアミノフルオラン、2-アニリノ-3- メチ
ル-6-(メチルシクロヘキシルアミノ)フルオラン、2-ア
ニリノ-3- メチル-6- ( エチルイソベンジルアミノ)フ
ルオラン、2-( p- クロロアニリノ)-3- メチル-6- ジ
エチルアミノフルオラン、2-( p- フルオロアニリノ)
-3- メチル-6- ジエチルアミノフルオラン、2 - アニリ
ノ-3-メチル-6-( p- トルイジノエチルアミノ)フルオ
ラン、2-( p-トルイジノ)-3- メチル-6- ジフルオラ
ン、2-(o-クロロアニリノ)-6- ジブチルアミノフルオ
ラン、2-(o- フルオロアニリノ)-6- ジエチルアミノ
フルオラン、2-( o- フルオロアニリノ)-6- ジブチル
アミノフルオラン、2-アニリノ-3- メチル-6- ピペリジ
ノフルオラン、2-アニリノ-3- メチル-6- ピロリジノフ
ルオラン、2-エトキシエチルアミノ-3- クロロ-6- ジエ
チルアミノフルオラン、2-アニリノ-3- クロロ-6- ジエ
チルアミノフルオラン、2-クロロ-6- ジエチルアミノフ
ルオラン、2-メチル-6- ジエチルアミノフルオラン、2-
( N-( 3′- トリフルオロメチルフェニル)アミノ)-6
- ジエチルアミノフルオラン、等のフルオラン系化合物
が挙げられる。これらのロイコ染料は単独または併用し
て用いられる。次いで顕色剤としては、例えば、p-オク
チルフェノール、p-tert- ブチルフェノール、1,1-ビス
( p- ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス( p-
ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA、以
下同略)、1,1-ビス( p- ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、4,4-チオビスフェノール、4,4-スルホニルジ
フェノール、ビス( 3- アリル-4- ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ノボラック型フェノール樹脂、等のフェ
ノール系化合物や、サリチル酸(亜鉛)、1-ヒドロキシ
-2- ナフトエ酸(亜鉛)、2-ヒドロキシ-6- ナフトエ酸
(亜鉛)、3-イソプロピルサリチル酸(亜鉛)、3-シク
ロヘキシルサリチル酸(亜鉛)、ジ-tart-ブチルサリチ
ル酸(亜鉛)、3,5-ジ- 〆- メチルベンジルサリチル酸
(亜鉛)、酒石酸、シュウ酸、ホウ酸、クエン酸、ステ
アリン酸、等の有機酸或はこれらの金属塩および、安息
香酸、 p ーヒドロキシ安息香酸エチル、 p- ヒドロキシ
安息香酸プロピル、 p- ヒドロキシ安息香酸ブチル、 p
- ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p-ヒドロキシ安息香酸
-p- クロロベンジル、p-ヒドロキシ安息香酸-p- メチル
ベンジル、p-ヒドロキシ安息香酸-n- オクチル、等のヒ
ドロキシ安息香酸エステル等が挙げられる。
【0009】また発色の感度を向上させるために、顕色
剤の融点を下げる方法としては、低融点の熱可塑性物質
等を併用する事が知られており、低融点熱可塑性物質と
しては、例えば、ステアリン酸アミド、パルチミン酸ア
ミド、エチレンビスステアリロアミド、等の高級脂肪酸
アミドや、ワックス等の高級脂肪酸エステルで、融点が
50〜120℃程度のものが使用される。染料および顕
色剤等は通常、アトライター、ボールミル、サンドミル
等で分散し、数ミクロンの大きさの微粒子で用いられ
る。 分散に際しては、一般にポリビニルアルコール、
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酸化
澱粉、リン酸エステル化澱粉、カルボキシメチルセルロ
ース、カゼイン、大豆蛋白、等の水溶性高分子を用いて
行なわれる。白色度、筆記性、の向上や記録ヘッドの汚
れ防止等のため充填剤として、例えば、クレー、軽質炭
酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸
化アルミニウム、サチンホワイト、硫酸バリウム、酸化
マグネシウム、タルクやコロイダルシリカ等の類の無機
顔料および、プラスチックピグメントや白色尿素樹脂顔
料等の類の有機顔料を用いることが出来る。また、必要
により、ポリアミドポリアミン系樹脂やアミノーホルム
アルデヒド系樹脂等の耐水化剤を用いることは有効であ
る。本発明の感熱記録紙に塗工する塗料組成物のバイン
ダー成分である前記ラテックスは、染料、顕色剤および
充填剤等の合計量100重量部に対し、5〜50重量
部、好ましくは10〜40重量部併用する。 尚、消泡
剤、分散剤、防腐剤、着色剤、離型剤等の助剤を必要に
応じて添加することも有効である。このようにして得ら
れた感熱記録紙用塗料組成物は、例えば、エアーナイフ
コーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコ
ーター等の塗工装置によって、一般の塗工紙製造と同様
に塗工することが出来るが、この時の塗料組成物の固形
分濃度は通常15〜50重量%であり、塗料の塗工量は
乾燥重量で通常片面に3〜15g/m2 塗工される。本
発明の感熱記録紙塗工用バインダーを用いることによ
り、得られた感熱記録紙は、従来のものに比べ優れた保
存性、発色性、耐水性を付与した感熱記録紙が製造可能
となる。以下に本発明の実施例および比較例を挙げて更
に詳述するが、本発明はこれらにより何等限定されるも
のではない。尚、以下例中に於て用いる部および%は特
記のない限り重量基準を示す。
【0010】
【実施例】先ず本実施例において用いるラテックスの製
造例を示し、次いで塗料組成物の配合例および感熱記録
紙への応用例について示す。 (ラテックスAの製造例) 製造例1 窒素置換した撹拌機付オートクレーブ中に、脱イオン水
148部、ラウリル硫酸ソーダ0.15部、過硫酸カリ
ウム0.6部、ノルマルドデシルメルカプタン0.6
部、および重合体モノマーとして、ブタジエン30部、
スチレン67部、イタコン酸1部、およびアクリルアミ
ド2部の合計100部を仕込み、70℃にて重合を行な
う。 重合反応開始後に、系中の反応状態に応じて、ラ
ウリル硫酸ソーダの10%水溶液を4.5部添加する。
重合開始後10時間で重合率98%のSBR系ラテッ
クスを得た。次いで10%苛性ソーダ水溶液にて、P.
Hを8に調整して、スチームストリッピングを行ない未
反応モノマーを除去した後、脱イオン水を添加し、固形
分濃度を48.0%に調整して、ラテックスAを得た。
得られたラテックスのゲル分含有率を測定し表ー1に示
した。 (ラテックスB、Cの製造)
【0011】製造例2 前記ラテックスAの製造例において、ブタジエン、スチ
レン、等の使用量を表ー1に示すように変更した以外
は、製造例Aと同様の操作にて、ラテックス構成重合体
成分中の、ブタジエンが26重量%であるラテックスB
と、構成重合体成分中のブタジエンが34重量%である
ラテックスCを得た。これらの製造に用いた、その他の
重合体モノマー等の種類とその量および、得られたラテ
ックスのゲル分含有率を測定し表ー1に示した。 (ラテックスD、E、Fの製造) 製造例3 前記ラテックスAの製造例において、Aの製造例と同様
の方法および操作にてそれぞれのモノマー構成重合体成
分等を変更し、ラテックスD、E、Fを得た。これらの
製造に用いた重合体モノマーの種類とその量および、得
られたラテックスのゲル分含有率を測定し表ー1に示し
た。 (ラテックスG、H、I、J、K、L、Mの製造)
【0012】製造例4 本製造例は、本発明の感熱記録紙用塗料と比較対象のた
めのラテックスでありラテックス構成重合体成分中のブ
タジエン重量%と、共重合変性モノマー等が、本願請求
範囲外の変性ラテックスである。即ちラテックスAの製
造例において、MSBR系ラテックス、MBR系ラテッ
クスを用い、表ー1に示すような重合体モノマーの種類
および量を用いて重合を行なう以外は、Aの製造例と同
様の方法および操作にて、ラテックス構成重合体成分中
のブタジエンがそれぞれ22重量%、38重量%である
ラテックスG、Hを得た。次いでラテックスAの、製造
例と同様の方法および操作にて、モノマー構成重合体成
分中のオレフィン系不飽和カルボン酸モノマーおよび/
または、モノオレフィン系不飽和モノマー添加量が0.
5重量%である、ラテックスIと、7重量%であるラテ
ックスJを得た。 これらの製造に用いた、その他の重
合体モノマー等の種類とその量および、得られたラテッ
クスのゲル分含有率を測定し表ー1に示した。またラテ
ックスAの製造例において、構成重合体モノマーに対し
界面活性剤を0.1重量%使用する事により、Aの製造
例と同様の方法および操作にて、表ー1に示すような重
合体モノマーの種類および量を用いて、乳化重合を行な
ったが安定なラテックスを得ることが出来なかった。次
いで界面活性剤を、1重量%使用する事により、Aの製
造例と同様の方法および操作にて、ラテックスKを得
た。これらの製造に用いた、その他の重合体モノマー等
の種類とその量および、得られたラテックスのゲル分含
有率を測定し表ー1に示した。さらに製造例Aのラテッ
クスにモノマー構成重合体成分が、表ー1に示すような
重合体モノマーの種類および量を用いて重合を行なう以
外は、Aの製造例と同様の方法および操作にて、ラテッ
クス中のゲル分含有率が、50重量%であるラテックス
Lと、90重量%であるラテックスMを得た。
【0013】
【表1】
【0014】実施例1 感熱記録紙用塗料の調整方法は、まず以下に示すように
〔1液〕、〔2液〕、の液を、それぞれ別々に、アトラ
イター(三井三池製作所製)にて、平均の粒子径が、3
u以下になるまで粉砕し分散をおこなう。 〔1液〕、 3 ー ジエチルアミノー6ー メチル ー7ー アニリノフルオラン 10部 10%ポリビニルアルコール(PVA205;クラレ製)水溶液 5部 水 15部 〔2液〕、 ビスフェノールA(三井東圧化学製) 30部 ステアリン酸亜鉛 12部 ポリビニルアルコール(PVA205;クラレ製)水溶液 6部 水 74部 次いで、水370部を撹拌しながら、炭酸カルシウム
(MP7000;丸尾カルシウム製)30部を加えて分
散した後に上記の〔2液〕を122部、〔1液〕を30
部加える、更に本願発明の、感熱記録紙用塗料に用いる
バインダーの製造例により得られた、ラテックスAを1
00部を加え、最後に水を加えて固形分濃度20%に調
整し、実施例1の感熱記録紙用塗料組成物(以下実施例
1塗料と称す)を得た。 実施例2〜6 実施例1において用いたラテックスAの代りに、本願発
明の感熱記録紙用塗料用バインダーの、ラテックスB、
C、およびラテックスD、E、F等を用い、かつ最後に
加える水の量を調整して塗料の固形分濃度を20%にす
る以外は、実施例1と同様の操作にて塗料組成物5種
(以下実施例2〜6塗料と称す)を得た。これら得られ
た各実施例の塗料と用いたラテックスのNo.との関係
は表ー2に示した。
【0015】比較例1〜7 実施例1において用いたラテックスーAの代わりに、本
発明の請求範囲外の変性ラテックスG、H、I、J、
K、L、Mを用い、尚かつ最後に加える水の量を調整し
て塗料の固形分濃度を20%にする以外は、実施例1と
同様の操作にて、本発明の比較対象用感熱記録紙用塗料
組成物7種(以下比較例1〜7と称す)を得た。 上記
比較例1〜7の各例において用いたラテックスと塗料と
の関係についても表ー2にまとめて示した。
【0016】(感熱記録紙の製造。) 参考例1 前記実施例および比較例で得られた感熱記録紙用塗料組
成物を、坪量64g/m2 の原紙にエアーナイフコータ
ーにて各々の塗料の塗工量が、乾燥重量で10g/m2
になるように塗工し低温で乾燥を行なった後、常温にて
キャレンダーに通し感熱記録紙を得た。発色性の評価
は、熱傾斜計(東洋精機製)を用いて、温度70〜12
0℃、圧着時間1秒間、圧力2Kg/cm2の条件で発色した
印字部および地肌部の濃度を、マクベスインキ濃度計
(坂田商会製)により測定(インキ濃度値が大は印字部
の発色性が良好→インキ濃度値が小は地肌部の白色度が
良好)し表ー2に示した。保存性の評価は、印字後の感
熱記録紙を温度40℃、湿度90%の条件で72時間放
置後、印字部および地肌部インキ濃度を測定し表ー2に
示した。耐スティッキング性の評価は、感熱紙発色試験
装置THーPMD(大倉電機製)を用いて、印字電圧2
4V、パルス巾1.74msecで印字した時の、熱ペ
ンヘッドの状態を観察(◎は付着無し良→×は付着有
り不良)し表ー2に示した。表面強度および耐水性の評
価は、RI印刷試験機(明製作所製)により印刷を行な
い、表面のピッキングの観察により10段階評価(10
は表面ピッキング無く良→1は表面全体にピッキングが
発生し不良)し表ー2に示した。
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】表ー2の数値は、本発明の特許請求の範
囲内にある、実施例のラテックスを用いた感熱記録紙用
塗料組成物により得られる感熱記録紙は、保存性、およ
び発色性が良好で、優れた耐水性を有した感熱記録紙が
製造できることを示し、本発明が感熱記録紙用塗料のバ
インダーとして従来にない非常に有用なバインダーであ
ることを示している。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−319186(JP,A) 特開 平2−8084(JP,A) 特開 昭60−228188(JP,A) 特開 平4−97888(JP,A) 特開 平4−125182(JP,A) 特開 平3−26592(JP,A) 特開 平4−135786(JP,A) 特開 昭61−47895(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙またはプラスチックスフィルム等の基
    材に、感熱発色層を塗工してなる感熱記録紙の該感熱発
    色層のバインダーであって、バインダー成分が、構成重
    合体成分中26〜34重量%の脂肪族共役ジオレフィン
    系モノマー、61〜73重量%のモノオレフィン系芳香
    族モノマーと1〜5重量%のオレフィン系不飽和カルボ
    ン酸モノマー及び/又はモノオレフィン系不飽和モノマ
    ー(但し、オレフィン系不飽和カルボン酸モノマーは1
    〜3重量%)により乳化重合して得られる、ゲル分含有
    率が60〜80重量%のラテックスであることを特徴と
    する感熱記録紙塗工用バインダー。
  2. 【請求項2】 ラテックスが、該ラテックスを乳化重合
    して得る際に、構成重合体モノマー成分に対し界面活性
    剤の使用量を0.2〜1.0重量%の範囲で用い重合し
    て得られたものであることを特徴とする請求項1記載の
    感熱記録紙塗工用バインダー。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の感熱記録紙塗工
    用バインダーを含有する感熱発色層を塗工してなる感熱
    記録紙。
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