JP2886272B2 - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JP2886272B2 JP2153106A JP15310690A JP2886272B2 JP 2886272 B2 JP2886272 B2 JP 2886272B2 JP 2153106 A JP2153106 A JP 2153106A JP 15310690 A JP15310690 A JP 15310690A JP 2886272 B2 JP2886272 B2 JP 2886272B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、白色度が高く、特に記録像の保存安定性及
び捺印性に優れた感熱記録体に関するものである。
「従来の技術」 無色又は淡色の塩基性染料と有機又は無機の呈色剤と
の呈色反応を利用し、熱により両発色物質を接触させて
記録像を得るようにした感熱記録体は良く知られてい
る。かかる感熱記録体は比較的安価であり、また記録機
器がコンパクトでかつその保守も容易なため、ファクシ
ミリや各種計算機等の記録媒体としてのみならず巾広い
分野において使用される。
例えばその利用分野の一つとして、ワープロ、POS(p
oint of sales)システム等の拡大に伴って、事務用やP
OSラベルとして使用されるケースが増大している。
しかし、スーパーマーケット等でPOSシステムを導入
した場合、使用される感熱ラベル用紙は水、ラップ類、
油などに触れることが多く、その影響で感熱ラベルの記
録像(印字)が褪色するという欠陥が認められる。
そのため、これらのラベル用紙には耐水性、耐可塑剤
性、耐油性などの品質を備えることが要請されている。
又、ワープロ用紙としては、オフィスで使用される場
合が多く、捺印性や筆記特性等の適性が要求される。
ところで、従来から記録像の保存性を改良するため
に、感熱記録層上に保護層を設ける試みがなされてい
る。しかし、かかる保護層中には通常、カオリン、炭酸
カルシウムなどの無機顔料あるいはスチレン系の一般的
な有機顔料が使用されているのが現状である。
しかし、カオリンは通常、板状結晶のため朱肉の乾き
が悪く、捺印適性に問題が残る。
また炭酸カルシュウムを使用した場合、著しく保存性
が悪くなるという欠点があり、更に、上述の如き有機顔
料は捺印適性及び保存性共に問題が残っている。
「発明が解決しようとする課題」 本発明は、白色度が高く、捺印性に優れ、更に記録像
の保存安定性、特に耐可塑剤性に優れた感熱記録体を提
供することにある。
「課題を解決するための手段」 本発明者等は、支持体上に、無色又は淡色の塩基性染
料と該染料と接触して呈色し得る呈色剤との呈色反応を
利用した感熱記録層、及び該感熱記録層上に保護層を設
けた感熱記録体において、該保護層中に貫通孔を有する
有機顔料を含有せしめることにより、かかる課題が極め
て効果的に達成されることを見出し本発明を完成するに
至った。
「作用」 本発明に使用する貫通孔を有する有機顔料とは、形状
が球形であり、然も一個一個の粒子にトンネルの如く穴
が開いているという特殊な構造を有したものである。
かかる有機顔料を感熱記録体の保護層中に含有せしめ
ると、可塑剤や油等が非常に効率良く上記貫通孔内に取
り込まれ、結果的に極めて保存安定性に優れ、また捺印
性にも優れた感熱記録体が得られるものである。
因に、有機顔料でも従来から存在する完全球形型や凝
集体あるいは偏平体型等では上記能力が認められず、本
発明の有機顔料が非常に異なった特性を持っていること
が判明した。
本発明で使用される有機顔料の主成分としては特に限
定するものではないが、工業的に安価であり、しかもガ
ラス転移点が比較的高いスチレン系の高分子が好まし
く、例えば、ステップ単独、ステップ・アクリル、スチ
レン・メタクリル等の高分子が好ましい。
また、耐熱性を付与するため、分子間架橋することも
可能である。
本発明の貫通孔を有する有機顔料の粒子径としては、
感熱記録体の保護層としての用途を考慮すると0.05μm
〜10μmの範囲が好ましく、更に、0.1μm〜3μm程
度がより好ましい。
保護層中に含有されるバインダーとしては、例えば、
ポリビニルアルコール、ヒドキシエチルセルロース、メ
チルセルロース、カルボシキメチルセルロース、澱粉及
びその誘導体、カゼイン、アルギン酸ソーダ、ポリビニ
ルピロリドン、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルア
ミド、スチレン・マレイン酸共重合体塩、ステップ・ブ
タジエンエマルジョン、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、
メラミン樹脂等があげられる。
かかるバインダーのうち、鹸化度が90%以下の部分鹸
化ポリビニルアルコールは、本発明の特殊な有機顔料と
の併用で、特に記録像の保存性が向上し、またオフセッ
ト印刷時のインキセットが良くなるため、POSラベル用
に使用される際の印刷適性が向上し、特に好ましいバイ
ンダーである。
尚、貫通孔を有する有機顔料の保護層中の含有量は特
に限定するものではないが、バインダー100重量部に対
して、5〜500重量部の範囲で調節するのが好ましい。
また、本発明の所望の効果を損なわない限り、各種顔
料を併用することも可能で有り、例えば、カオリン、ク
レー、水酸化アルミニウム、炭酸カルシュウム、炭酸マ
グネシュウム、無定形シリカ、焼成クレー、コロイダル
シリカ、軟化アルミニウム、酸化チタン等の無機顔料、
尿素ホルマリン樹脂フィラー、ポリエチレン系フィラ
ー、ポリスチレン系フィラー等の凝集体、偏平体、球形
体等の構造を有する有機顔料等があげられる。
さらに、保護層を形成する塗液中には必要に応じてス
テアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムポリエチレン
ワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステ
ルワックス等の滑剤、ジオクチルスルホコハク酸ナトリ
ウム等の界面活性剤(分散剤、潤滑剤)、消泡剤等の各
種助剤を適宜添加することもできる。また耐水性を一層
向上させるためにグリオキザール、ホウ酸、ジアルデヒ
ドデンプン、エポキシ系化合物等の硬化剤を添加するこ
ともできる。
かくして調製された塗液は適当な塗布装置により感熱
記録層上に塗布されるが、塗布量が乾燥重量で20g/m2
越すと感熱記録体の記録感度が著しく低下する恐れがあ
るため、一般には0.1〜20g/m2、好ましくは0.5〜10g/m2
程度の範囲で調節されるのが望ましい。
本発明においては、感熱記録層に含有される塩基性染
料としては、各種公知の無色又は淡色の塩基性染料であ
り、例えば以下の化合物が挙げられる。3,3−ビス(p
−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタ
リド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタ
リド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,
2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−
(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルイ
ンドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメ
チルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタ
リド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−
エチルカルバゾール−3−イル)−6−ジメチルアミノ
フタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−
イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチ
ルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−3−イ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド等のトリアリルメタ
ン系染料、4、4′−ビス−ジメチルアミノベンズヒド
リルベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオー
ラミン、N−2,3,5−トリクロロフェニルロイコオーラ
ミン等のジフェニルメタン系染料、ベンゾイルロイコメ
チレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブ
ルー等のチアジン系染料、3−メチル−スピロ−ジナフ
トピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3−
フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル−ス
ピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト(6′メト
キシベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジ
ベンゾピラン等のスピロ系染料、ローダミン−B−アニ
リノラクタム、ローダミン(p−ニトロアニリノ)ラク
タム、ローダミン(o−クロロアニリノ)ラクタム等の
ラクタム系染料、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3
−ジエチルアミノ,オ−7−クロロフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−
(N−エチル−p−トルイジノ)−7−メチルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−N−アセチル−N−メチ
ルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−メ
チルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベ
ンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N
−メチル−N−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−N−クロロエチル−N−メチルアミノフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−ジエチルアミ
ノフルオラン、3−(N−エチル−ジエチルアミノフル
オラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メ
チル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチ
ル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイ
ジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−フェニルアミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−
6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−7−(2−カルボメトキシ−フェニルアミ
ノ)フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチ
ルアミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラ
ン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−フェニルアミノ
フルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−フェニ
ルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル
−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジブ
チルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオ
ラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−p−ブチルフ
ェニルアミノフルオラン、3−(N−メチル−N−n−
アミル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフル
オラン、3−(N−エチル−N−アミル)アミノ−6−
メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エ
チル−N−イソアシル)アミノ−6−メチル−7−フェ
ニルアミノフルオラン、3−(N−メチル−N−n−ヘ
キシル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフル
オラン、3−(N−エチル−n−ヘキシル)アミノ−6
−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−
エチル−N−β−エチルヘキシル)アミノ−6−メチル
−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−
N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7
−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−
シクロペンチル)アミノ−6−メチル−7−フェニルア
ミノフルオラン等のフルオラン系染料等。勿論、これら
の染料に限定されるものではなく、二種以上の染料の併
用も可能である。
また上記塩基性染料と組合せて使用される呈色剤につ
いても各種の化合物が知られており、例えば下記が例示
される。
4−tert−ブチルフェノール、α−ナフトール、β−
ナフトール、4−アセチルフェノール、4−tert−オク
チルフェノール、4,4′−sec−ブチリデンジフェノー
ル、4−フェニルフェノール、4,4′−ジヒドロキシ−
ジフェニルメタン、4,4′−イソプロピリデンジフェノ
ール、ハイドロキノン、4,4′−シクロヘキシリデンジ
フェノール、4,4′−(1,3−ジメチルブチリデン)ビス
フェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−4
−メチル−ペンタン、4,4′−ジヒドエロキシジフェニ
ルサルファイド、4,4′−チオビス(6−tert−ブチル
−3−メチルフェノール、4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニ
ルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メトキシジフェニ
ルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジ
フェンニルスルホン、4−ヒドロキシ−3′,4′−トリ
メチレンジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−3′,
4′−テトラメチレンジフェニルスルホン、3,4−ジヒド
ロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、ビス(3−
アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,3−ジ
〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベ
ンゼン、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチルエステル、4−ヒド
ロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン、2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,
2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒ
ドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メ
チル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ
安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブ
チル、4−ヒドロキシ安息香酸ペンチル、4−ヒドロキ
シ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジ
ル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安
息香酸クロロフェニル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニ
ルプロピル、4−ヒドロキシ安息香酸フェネチル、4−
ヒドロキシ安息香酸−p−クロロベンジル、4−ヒドロ
キシ安息香酸−p−メトキシベンジル、ノボラック型フ
ェノール樹脂、フェノール重合体等のフェノール性化合
物、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル
安息香酸、テレフタル酸、3−sec−ブチル−4−ヒド
ロキシ安息香酸、3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ
安息香酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、
サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−tert−
ブチルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル
酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸、3−クロル−5−(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチ
ルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジ
ルサリチル酸等の芳香族カルボン酸、およびこれらフェ
ノール性化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグ
ネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガ
ン、スズ、ニッケル等の多価金属との塩等の有機酸性物
質等。尚、これらの呈色材料も勿論必要に応じて2種以
上を併用することができる。
塩基性染料と呈色剤の使用比率は用いられる塩基性染
料や呈色剤の種類に応じて適宜選択されるもので、特に
限定するものではないが、一般に塩基性染料100重量部
に対して100〜700重量部、好ましくは150〜400重量部程
度の呈色剤が使用される。
これらを含む塗液の調製は、一般に水を分散媒体と
し、ボールミル、アトライター、サンドミル等の撹拌・
粉砕機により、染料と呈色剤とを一緒に又は別々に分散
するなどして調製される。
かかる塗液中には、通常バインダーとしてデンプン
類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、
カルホキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ア
ラビアガム、ポリビニルアルコール・スチレン・無水マ
レイン酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体
塩、スチレン・ブタジエン共重合体エマルジョン等が全
固形分の2〜40重量%、好ましくは5〜25重量%程度配
合される。
さらに、塗液中には各種の助剤を添加することがで
き、例えばジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム、ド
デシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ラウリルアル
コール硫酸エステル・ナトリウム塩、脂肪酸金属塩等の
分散剤、その他消泡剤、螢光染料、着色染料等が挙げら
れる。
また、記録ヘッドへのカス付着を改善するため記録層
中にもカオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、焼
成クレー、酸化チタン、珪藻土、微粒子状無水シリカ、
活性白土等の無機顔料を添加することもできる。また、
記録ヘッドとの間でスティッキングを生じないように、
記録層中にもステアリン酸、ポリエチレン、カルナバロ
ウ、パラフィンワックス、ステアリン酸亜鉛、ステアリ
ン酸カルシウム、エステルワックス等の分散液やエマル
ジョン等を添加することもできる。
さらに、記録感度を向上せしめるために、例えばカプ
ロン酸アミド、カプリン酸アミド、バルミチン酸アミ
ド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルシン
酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、N−
メチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アニリド、N
−メチルオレイン酸アミド、ベンズアニリド、リノール
酸アニリド、N−エチルカプリン酸アミド、N−ブチル
ラウリン酸アミド、N−オクタデシルアセトアミド、N
−オレインアセトアミド、N−オレイルベンズアミド、
N−ステアリルシクロヘキシルアミド、ポリエチレング
リコール、1−ベンジルオキシナフタレン、2−ベンジ
ルオキシナフタレン、1−ヒドロキシナフトエ酸フェニ
ルエステル、1,2−ジフェノキシエタン、1,4−ジフェノ
キシブタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタ
ン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)エタン、1
−フェノキシ−2−(4−クロロフェノキシ)エタン、
1−フェノキシ−2−(4−メトキシフェノキシ)エタ
ン、1−(2−メチルフェノキシ)−2−(4−メトキ
シフェノキシ)エタン、テレフタル酸ジベンジルエステ
ル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ(4−メ
チルベンジル)エステル、シュウ酸ジ(4−メチルベン
ジル)エステル、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)エ
ステル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジルエステ
ル、p−ベンジルビフェニル、1,5−ビス(p−メトキ
シフェノキシ)3−オキサ−ペンタン、1,4−ビス(2
−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−ビフェニル−
p−トリルエーテル、ベンジル−p−メチルチオフェニ
ルエーテル、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−ベ
ンジルオキシベンゾフェノン等の各種公知の熱可融性物
質を増感剤として併用することもできる。
これらの増感剤のうち、1,2−ジフェノキシエタン、
1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1(2−
メチルフェノキシ)−2−(4−メトキシフェノキシ)
エタン、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ(4
−メチルベンジル)エステルは高白色度で画像安定性に
優れるのみならず、記録濃度の点でも優れた感熱記録体
が得られる為、より好ましく用いられる。
記録層の形成方法については特に限定されるものでは
なく、従来から周知慣用の技術に従って形成することが
出来る。例えば感熱記録層用の塗液を、原紙上に塗布す
る方法としてはエアーナイフコーター、ブレードコータ
ー、バーコーター、グラビアコーター、カーテンコータ
ー、ダイコーター等の適当な塗布装置が用いられる。
また、塗液の塗布量についても特に限定されるもので
はなく、一般に乾燥重量で2〜12g/m2好ましくは3〜10
g/m2の範囲で調節される。
なお、支持体としては、紙、プラスチックフィルム、
合成紙等が用いられる。
また、支持耐に下塗り層を設けたり、原紙の裏面に保
護層を設けたり、あるいは、記録体裏面に粘着剤処理を
施し、粘着ラベルに加工するなど、感熱記録体製造分野
における各種の公知技術が必要に応じて付加し得るもの
である。
かくして得られる感熱記録体は、保護層中に特定の有
機顔料が含有せしめられているため、白色度が高く、保
存安定性に優れ、しかも捺印性に優れた感熱記録体であ
っ。
「実施例」 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する
が、基論これらに限定されるものではないなお、例中の
「部」及び「%」は、特に断らない限りそれぞれ「重量
部」及び「重量%」を示す。
実施例1 A液調製 3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メ
チル−7−フェニルアミノフルオラン 10部 メチルセルロース 5%水溶液 5% 水 40部 この組成物をサンドミルで平均粒子径が0.9μmにな
るまで粉砕した。
B液調製 4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルニ
スルホン 30部 メチルセルロース 5%水溶液 5部 水 80部 この組成物をサンドミルで平均粒子径が3μmになる
まで粉砕した。
C液調製 1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン 20部 メチルセルロース 5%水溶液 5部 水 55部 この組成物をサンドミルで平均粒子径が1μmになる
まで粉砕した。
記録層の形成 A液55部、B液115部、C液80部、ポリビニルアルコ
ール(10%濃度)100部及び炭酸カルシウム35部を混合
撹拌して得られた塗液を50g/m2の原紙に乾燥後の塗布量
が6g/m2となるように塗布乾燥して記録層を形成した。
次に、得られた記録層上に下記保護層塗液を乾燥後の塗
布量が5g/m2となるように塗布乾燥し、スーパーカレン
ダー処理して保護層を有する感熱記録紙を得た。
保護層塗液の調製 粒子に貫通孔を有する有機顔料〔商品名:XKP-500(三
井東圧化学株式会社製)、スチレン・アクリル系フィラ
ー、平均粒径0.5μm、濃度35%) 100部 ポリビニルアルコール(PVA-117,クラレ社製,鹸化度
98.5%,濃度10%) 300部 ステアリン酸亜鉛水性エマルジョン(濃度30%)20部 水 290部 実施例2 実施例1の保護層塗液の組成において、顔料組成を貫
通孔を有する有機顔料45部(濃度35%)とカオリン20部
に代えた以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を得
た。
実施例3 実施例1の保護層塗液の組成において、顔料組成を貫
通孔を有する有機顔料45部(濃度35%)と水酸化アルミ
ニウム20部に代えた以外は、実施例1と同様にして感熱
記録紙を得た。
実施例4 実施例1の保護層塗液の組成において、ポリビニルア
ルコールを鹸化度88%の部分鹸化ポリビニルアルコール
であるPVA-217(クラレ社製,濃度10%濃度)に代えた
以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を得た。
実施例5 実施例2の保護層塗液の組成において、ポリビニルア
ルコールを鹸化度88%の部分鹸化ポリビニルアルコール
であるPVA-217(クラレ社製,濃度10%濃度)に代えた
以外は、実施例2と同様にして感熱記録紙を得た。
比較例1 実施例1の保護層塗液の組成において、貫通孔を有す
る有機顔料100部(濃度35%)の代わりに粒子に貫通孔
を有しない無機顔料であるカオリン〔商品名:UW-90(EC
社製)、平均粒径0.8μm〕の50%分散液70部を使用し
た以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を得た。
比較例2 実施例1の保護層塗液の組成において、貫通孔を有す
る有機顔料100部(濃度35%)の代わりに粒子に貫通孔
を有しない無機顔料である炭酸カルシウム〔商品名:ブ
リリアント15(白石工業株式会社製)、平均粒径1μ
m〕の50%分散液70部を使用した以外は、実施例1と同
様にして感熱記録紙を得た。
比較例3 実施例1の保護層塗液の組成において、貫通孔を有す
る有機顔料100部(濃度35%)の代わりに完全球型有機
顔料(スチレン・アクリル系フィラー,濃度35%)を使
用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を得
た。
かくして得られた8種類の感熱記録体について以下の
評価試験を行い、その結果を第1表に記載した。
〔白色度〕
ハンター白色度計で記録層の白色度を測定した。
〔発色濃度〕
感熱プリンター(テキサスインスツルメント社製,PC-
100A型)で印字して得られた記録像の発色濃度をマクベ
ス濃度計(マクベス社製,RD-100R型)で測定した。
〔耐可塑剤性〕
ポリプロピレンパイプ(40mmφ管)上に塩化ビニルラ
ップフィルム(三井東圧化学(株)製)を3重に巻き付
け、その上に印字繁殖させた感熱記録体を印字発色面が
外になるように挟み、さらにその上から塩化ビニルラッ
プフィルムを3重に巻き付け、40℃で8時間放置した後
の印字濃度から耐可塑剤性を評価した。尚、耐可塑剤性
の評価基準は以下のようにした。
◎:記録濃度が殆ど低下せず、極めて良好。
○:記録濃度が僅かに低下しているが、実用上問題はな
い。
×:記録濃度の低下が顕著で、実施例不可。
〔捺印性〕
記録紙の白紙部に、シャチハタ製朱肉を使用した印鑑
を捺印し1分後、捺印部をガーゼで拭き取り定着性のテ
ストを行った。尚、捺印性の評価基準は以下のようにし
た。
○:定着が極めて良い, ×:定着が悪く、実用上不可。
「結果」 本発明で得られた感熱記録体は、白色度が高く特に、
耐可塑剤性や捺印性に優れた感熱記録体であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−95887(JP,A) 特開 昭62−104597(JP,A) 特開 昭56−146794(JP,A) 特開 平1−255588(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/28 - 5/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、無色又は淡色の塩基性染料と
    該染料と接触して呈色し得る呈色剤との呈色反応を利用
    した感熱記録層、及び該感熱記録層上に保護層を設けた
    感熱記録体において、該保護層中に貫通孔を有する有機
    顔料を含有せしめたことを特徴とする感熱記録体。
  2. 【請求項2】保護層中に鹸化度90%以下の部分鹸化ポリ
    ビニルアルコールを含有した請求項(1)記載の感熱記
    録体。
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