JPH10170368A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JPH10170368A
JPH10170368A JP8329975A JP32997596A JPH10170368A JP H10170368 A JPH10170368 A JP H10170368A JP 8329975 A JP8329975 A JP 8329975A JP 32997596 A JP32997596 A JP 32997596A JP H10170368 A JPH10170368 A JP H10170368A
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diaphragm
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伸和 大場
Toshio Ikuta
敏雄 生田
Mineichi Sakai
峰一 酒井
Takeshi Fukada
毅 深田
Yasutoshi Suzuki
康利 鈴木
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    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
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    • G01L9/0041Transmitting or indicating the displacement of flexible diaphragms
    • G01L9/0042Constructional details associated with semiconductive diaphragm sensors, e.g. etching, or constructional details of non-semiconductive diaphragms

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体圧力検出装置において、ゲージ抵抗−
エピタキシャル層間のPN接合部に発生するリーク電流
に対して、リーク特性の改善を図る。 【解決手段】 P- 型シリコン基板1及びN- 型エピタ
キシャル層2からなる基板のうちP- 型シリコン基板1
の一部を除去して形成したダイヤフラム部Cを有し、ま
たN- 型エピタキシャル層2の表層部に形成されたゲー
ジ抵抗3とN- 型エピタキシャル層2を電位固定するた
めのN+ 型拡散層6とを備えている。このとき、このN
+ 型拡散層をダイヤフラム部Cの周囲を囲うように形成
する。このN- 型拡散層6によって、N- 型エピタキシ
ャル層2内における電位勾配を小さくすることができ、
ゲージ抵抗3とN- 型エピタキシャル層2のPN接合に
おける電位差を小さくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイヤフラム部を
有する半導体装置及びその製造方法に関し、特にダイヤ
フラム部により圧力検出を行うことができる半導体圧力
検出装置に適用して好適である。
【0002】
【従来の技術】従来における半導体圧力センサの断面図
及び正面図をそれぞれ図10(a)、(b)に示す。図
10(a)に示されるように、半導体圧力センサは、P
- 型シリコン基板1とN- 型エピタキシャル層2により
構成され、P- 型シリコン基板1の一部を除去したダイ
ヤフラム部Cを有している。そして、図10(b)に示
すように、ダイヤフラム部Cの表層部にはゲージ抵抗
(ピエゾ抵抗)3が配設されブリッジ回路を構成してい
る。
【0003】また、これらのゲージ抵抗3のそれぞれの
端部には、外部との接続を行うアルミ配線4a〜4dが
配設されている。そして、アルミ配線4aは、N- 型エ
ピタキシャル層2の表層部の一部に形成されたN+ 型拡
散層6に接続されている。また、アルミ配線4aはブリ
ッジ回路の電源端子に接続され、アルミ配線4dはブリ
ッジ回路の接地端子に接続される。
【0004】そして、実動作時にはこのアルミ配線4a
を通じてブリッジ回路の電源端子に定格電流を流し、ゲ
ージ抵抗3に電位が加わる。そして、圧力を受けてダイ
ヤフラム部Cが変位してゲージ抵抗3が伸縮すると、ゲ
ージ抵抗3の抵抗値が変化し、これによりブリッジ回路
の中点電位が変化する。この中点電位に基づいて圧力を
検出する。
【0005】また、N+ 型拡散層6を介して、N+ 型拡
散層6・N- 型エピタキシャル層2の電位≧ゲージ抵抗
3の電位≧接地電位(電位0)の関係を満たすように、
-型エピタキシャル層2を電位固定する。これによ
り、N- 型エピタキシャル層2とゲージ抵抗3間で順バ
イアス状態になることを回避している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記半
導体圧力センサにおいて、実際にはN- 型エピタキシャ
ル層2とP- 型シリコン基板1間には微小のリーク電流
が流れるため、N- 型エピタキシャル層2において電位
勾配が発生する。このため、上記したN+ 型拡散層6・
- 型エピタキシャル層2の電位≧ゲージ抵抗3の電位
という関係を維持できない場合がある。
【0007】つまり、半導体圧力センサの断面及び正面
における電位分布を示すと図11(a)、(b)のよう
になり、ゲージ抵抗3に接するN- 型エピタキシャル層
2領域がゲージ抵抗3における電位よりも低くなる場合
がある。このとき、ゲージ抵抗3とN- 型エピタキシャ
ル層2のPN接合が順バイアス状態となって多量のリー
ク電流が発生する。このため、ゲージ抵抗3に流れる電
流値が変化してしまい、正常な出力が得られないという
問題が生じる。
【0008】本発明は、上記問題に鑑みたもので、リー
ク特性の良好な半導体装置及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、以下の技術的手段を採用する。請求項1乃至5に記
載の発明においては、第1導電型の半導体基板(1)及
び第2導電型層(2)を有し、この第2導電型層(2)
のうちダイヤフラム部(C)に形成された第1導電型ゲ
ージ抵抗(3)と、第2導電型層(2)の電位を固定す
るための第2導電型領域(6)とを備えている。そし
て、この第2導電型領域(6)は、ダイヤフラム部
(C)の周囲を囲うように形成されていることを特徴と
する。
【0010】このように、第2導電型領域(6)でダイ
ヤフラム部(C)の周囲を囲うようにすることによっ
て、第2導電型領域(6)に電圧を印加したときに第2
導電層(2)内における電位勾配を小さくすることがで
きる。これにより、ゲージ抵抗(3)と第2導電型層
(2)のPN接合におけるリーク電流の発生を抑制する
ことができる。なお、請求項5に示すように、第2導電
型領域(6)は埋め込み形成することもできる。
【0011】請求項2に記載の発明においては、第2導
電型領域(6)を電気配線(4a〜4d)のうち接地端
子に接続される電気配線の下層を除いて形成しているこ
とを特徴とする。これにより、第2導電型層(2)と接
地端子に接続される電気配線との間の外部ノイズ等に起
因する電位差によって生じる可能性がある絶縁破壊を防
止することができる。
【0012】請求項3に記載の発明においては、第2導
電型領域(6)に対してダイヤフラム部(C)が形成さ
れた領域の反対側領域に形成された温度補償用抵抗(1
00)を有していることを特徴とする。温度補償用抵抗
(100)を形成するに際し、第2導電型領域(6)が
この温度補償用抵抗(100)とダイヤフラム部(C)
の間に形成されているため、フィードバック制御に際し
発生する発振を防止することができる。
【0013】請求項4に記載の発明においては、第2導
電型領域(6)は、温度補償用抵抗(100)の周囲を
囲うように形成されていることを特徴とする。このよう
に、温度補償用抵抗(100)の周囲を囲むように第2
導電型領域(6)を形成しているため、上記発振をより
完全に防止することができる。請求項6に記載の発明に
おいては、第1導電型の半導体基板(1)上に第2導電
型層(2)を形成し、この第2導電型層(2)の表層部
のうちダイヤフラム部(C)となる領域に第1導電型ゲ
ージ抵抗(3)を形成する工程と、第2導電型層(2)
に接する領域に第2導電型領域(6)をダイヤフラム部
(C)の周囲を囲むように形成する工程とを有すること
を特徴とする。
【0014】これにより、請求項1と同様の効果が得ら
れる。請求項7に記載の発明においては、第2導電型領
域(6)に電圧を印加して電気化学ストップエッチング
を行い、ダイヤフラム部(C)を形成する工程とを備え
たことを特徴とする。このように、電気化学ストップエ
ッチング時に第2導電型領域(6)から電圧を印加する
ことによって、ダイヤフラム部(C)を形成する場合、
第2導電型領域がダイヤフラム部(C)を形成する部分
の周囲を囲んで形成されているため、電位分布がより安
定する。
【0015】これにより、ダイヤフラム部(C)をより
半導体基板(1)の面により平行、つまり厚さをより一
定にすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。図1(a)に本発明を半導体圧力検
出装置に適用した実施形態を示す。図1(a)に示すよ
うに、半導体圧力検出装置は、半導体圧力センサが配設
されたセンサ部Aと電流源(電源、増幅回路、調整回路
を含む)Bから構成されており、各チップは金属細線に
より接続されている。そして、半導体圧力センサが形成
されているチップと同一チップ内に、温度補償用抵抗1
00が配設されており、この温度補償用抵抗100の抵
抗値変化に基づき電流源から半導体圧力センサへ流す電
流をフィードバック制御する。
【0017】図1(b)に、図1(a)におけるセンサ
部の断面図を示す。以下、図1(a)、(b)に基づき
半導体圧力検出装置の構成について説明する。図1
(b)に示すように半導体圧力センサの基板は、P-
シリコン基板1及びこの表面に成長させたN- 型エピタ
キシャル層2にて構成されている。そして、P- 型シリ
コン基板1の一部が除去されてダイヤフラム部Cが形成
されている。また、このダイヤフラム部CにおけるN-
型エピタキシャル層2表層部には、P+ 型拡散層からな
るゲージ抵抗(ピエゾ抵抗)3が形成されている。ま
た、図示しないが、P- 型シリコン基板1の最表面には
保護膜が形成されている。
【0018】また、図1(a)に示すように、ゲージ抵
抗3はブリッジ回路を構成するように電気接続されて形
成されている。そして、各ゲージ抵抗3の間にそれぞれ
アルミ配線4a〜4dが配設されており、さらに各アル
ミ配線4a〜4dにはボンディングパッド5a〜5dが
接続されている。そして、ボンディングパッド5a〜5
dを介して電流源B等、外部との電気的接続がなされ
る。
【0019】ダイヤフラム部Cの周囲には、ダイヤフラ
ム部Cの形状に合わせて、N+ 型拡散層(図1(a)で
は斜線部分)6が形成されている。つまりダイヤフラム
部Cの外周から一定の間隔をもってN+ 型拡散層6が形
成されている。これらゲージ抵抗3やN+ 型拡散層6
は、N- 型エピタキシャル層2の表面に形成された酸化
膜7によって覆われており、この酸化膜7の所定部分に
形成されたコンタクトホールを通じてアルミ配線4a〜
4dがN+ 型拡散層6やゲージ抵抗3に接続されてい
る。
【0020】そして、図1に示されるように、センサ部
Bに配設されたボンディングパッド5aは電流源Bの電
源端子に接続されており、この部分を最大電位にしてい
る。また、ボンディングパッド5dには接地端子が接続
されている。なお、ボンディングパッド5b、5cから
は中点電位が外部出力される。なお、ゲージ抵抗3及び
+ 型拡散層6への配線は上述した以外のものでも良
い。例えば、ゲージ抵抗3をアルミ配線4a及びボンデ
ィングパッド5aを介して電流源Bと接続して、またN
+ 型拡散層6を別に設けたアルミ配線(図示せず)及び
ボンディングパッド(図示せず)を介して電流源Bとは
別の外部電源(図示せず)から取る構成とすることも可
能である。この場合、ゲージ抵抗3には定電流が流れN
+ 型拡散層6には最大電圧が印加されることになる。
【0021】次に、このように構成された半導体圧力検
出装置における実際の作動について説明する。図1に示
すように、ボンディングパッド5aを介して、定格電流
を各ゲージ抵抗3に流すことで、電位がゲージ抵抗3に
発生する。そして、半導体圧力センサにおけるダイヤフ
ラム部Cが外圧によって変位し、この変位に基づいてゲ
ージ抵抗3が伸縮する。そしてこのように伸縮したゲー
ジ抵抗3はその抵抗値を変化させ、ボンディングパッド
5b及びボンディングパッド5cにおける中点電位を変
化させる。そして、この変化した中点電位が外部出力さ
れる。
【0022】また、半導体圧力センサにおけるゲージ抵
抗3の抵抗値は、流れた電流によって発生する熱や外気
温によっても変化するため、温度補償用抵抗100によ
って半導体圧力センサの温度を常時検出し、これに基づ
き電流源Bにおける電流値を適宜変化させている。ここ
で、図2(a)、(b)に実動作時におけるセンサ部B
における電位分布図を示す。ダイヤフラム部Cの周囲に
形成されたN+ 型拡散層6全体が略同電位になるため、
図2(a)に示されるように、N+ 型拡散層6からゲー
ジ抵抗3と接するN- 型エピタキシャル層2に至るまで
に発生する電位の変化が小さい。
【0023】これにより、実動作時において、電位勾配
が形成されてもゲージ抵抗3とN-型エピタキシャル層
2においてゲージ抵抗3とN- 型エピタキシャル層2の
PN接合が順バイアスとなって大量のリーク電流が発生
することを防止できる。次に、図1における半導体圧力
検出装置の製造手順を図3及び図4に示す。まず、図3
(a)に示すようにP- 型シリコン基板1にN- 型エピ
タキシャル層2を成長させる。そして、図3(b)に示
すようにウェハ上面全面に、酸化膜7を形成する。
【0024】その後、フォトリソグラフィエッチングに
よって酸化膜7の所定部分をエッチング除去し、この除
去された部分からリンイオン等をイオン注入或いはデポ
ジションした後、リンイオンを拡散させて、図3(c)
に示すようにN+ 型拡散層6を形成する。このN+ 型拡
散層6は前述したように、ダイヤフラム部Cの全周を取
り囲むように形成する。
【0025】また、この後N+ 型拡散層6を形成するた
めに除去された部分を酸化膜7aで覆い、N+ 型拡散層
6の内周にあたる部分の酸化膜7をエッチング除去す
る。そして、適当な厚さの酸化膜7bを形成して、この
酸化膜7bを通してボロンイオン等をイオン注入する。
その後、ボロンイオンを拡散させて、図4(a)に示す
ようにゲージ抵抗3を形成する。
【0026】そして、酸化膜7bにコンタクトホールを
形成した後、図4(b)に示すようにアルミ配線4a〜
4bをパターニング形成する。そして、コンタクトホー
ルを介してアルミ配線4a〜4bがN+ 型拡散層6及び
ゲージ抵抗3に接続され、ゲージ抵抗3によってブリッ
ジ回路が構成される。また、このアルミ配線4a〜4b
の先端に、図1(a)に示すボンディングパッド5a〜
5dをそれぞれ配設する。
【0027】この後、ボンディングパッド5aからアル
ミ配線4aを介してN+ 型拡散層6へ所定電圧Vccを
印加して、電気化学ストップエッチングを行い、図4
(c)に示すようにP- 型シリコン基板1のうちN-
エピタキシャル層2の反対側表層部を除去してダイヤフ
ラム部Cを形成する。この電気化学ストップエッチング
は、シリコンの電位がパッシベーション電圧以上になる
と、陽極酸化反応により酸化膜が形成されるためP-
シリコン基板1のエッチングが停止することを利用して
いる。N- 型エピタキシャル層2にパッシベーション電
圧以上の所定電圧Vccを印加すると、PN接合で空乏
層が発生する。そして、エッチングはP- 型シリコン基
板1側の空乏層の先端で停止する。
【0028】ところで、電気化学ストップエッチングに
おいて、P- 型シリコン基板1の表層部を除去してダイ
ヤフラム部Cを形成するに際し、ダイヤフラム部Cの膜
厚を一定にするためには空乏層幅が一定である必要があ
る。そして、所定電圧VccをN+ 型拡散層6に印加し
たときに、N- 型エピタキシャル層2全体が所定電圧V
ccと同電位になっていることが好ましいが、実際には
実動作時と同様にエピタキシャル層2内部で電位勾配が
発生する。このため、空乏層幅が一定にならずダイヤフ
ラム部Cの厚さを一定にすることが困難である。
【0029】本実施形態においては以下のようにして上
記問題を解決している。つまり、所定電圧VccをN+
型拡散層6に印加したときに、N+ 型拡散層6は全て略
同電位となる。従って、ゲージ抵抗3の外周に縁状に形
成されたN+ 型拡散層6が全て同電位になり、半導体圧
力検出装置内の電位分布は図2と同様の分布になる。つ
まり、N+ 型拡散層6をダイヤフラム部Cが形成される
部分に縁状に形成することにより所定電圧Vccを印加
したときにおける電位分布を概ねP- 型シリコン基板1
の面方向に平行な状態にすることができる。このため、
電位分布がより安定するのでダイヤフラム部Cの厚さを
より均一化させることができる。
【0030】なお、さらに半導体圧力検出装置に隣接す
るように温度補償用抵抗をウェハ中に形成して、各ボン
ディングパッドと所定の電流源Bを接続して、図1に示
す構成が完成する。ところで、このようにN+ 型拡散層
6をダイヤフラム部Cの周囲に形成することによって以
下に示す発振を防止している。以下、この発振について
説明する。
【0031】まず、センサ部Bの温度に基づいて電流源
Bにおける電流値をフィードバック制御するために、セ
ンサ部Bと同一チップ内に温度補償用抵抗100を単に
設けた場合におけるセンサ部Bの断面図を図5(a)に
示す。このような断面構成を有する半導体圧力検出装置
を用いた場合、実験によりゲージ抵抗3と温度検出素子
との相互作用として発振が生じることが確認された。
【0032】つまり、電流源Bから半導体圧力検出装置
のゲージ抵抗3に所定電流を流した場合に発生する電圧
によって、P+ 型拡散層からなるゲージ抵抗3及びN-
型エピタキシャル層2に空乏層が発生し、この空乏層に
よって寄生キャパシタが形成される。また、P+ 型拡散
層からなる温度補償用抵抗100においても同様に温度
補償用抵抗100及びN- 型エピタキシャル層2に空乏
層が発生し、寄生キャパシタが形成される。
【0033】このとき、N- 型エピタキシャル層2側に
形成される空乏層には共に、N+ 型拡散層6を通じて電
流源Bからキャリアが供給される。ここで、ゲージ抵抗
3における電位が変化した場合を考えると、まず電位の
変化に伴ってゲージ抵抗3の空乏層幅が変化する。そし
て、この空乏層幅の変化に応じてキャリアの移動が生じ
る。
【0034】このとき、前述したように、温度補償用抵
抗100がダイヤフラム部Cと同一チップ内に形成され
ており、また温度補償用抵抗100はゲージ抵抗3より
もN + 型拡散層6から離れた位置に形成されているた
め、温度補償用抵抗100におけるキャリアの移動は図
5(a)に示すようにゲージ抵抗3の周囲を通じて行わ
れる。このため、温度補償用抵抗100におけるキャリ
ア供給がゲージ抵抗3におけるキャリア供給によって影
響を受ける。
【0035】そして、この影響によって温度補償用抵抗
100周辺のN- 型エピタキシャル層2の電位が変化
し、更にこれらの空乏層が変化する。これにより、温度
補償用抵抗100の抵抗値が変化して、電流源Bによる
電流供給量を変化させる。従って、電流源Bが誤った量
の電流を供給し、この誤った量の電流に基づきフィード
バック制御が行われていき、同様のことを繰り返して発
振が起こる。
【0036】そして、図5(b)に本実施形態における
温度補償用抵抗100近傍におけるセンサ部Bの断面図
を示す。図5(b)に示すように、N+ 型拡散層6は、
その深さがP+ 型拡散層となるゲージ抵抗3及び温度補
償用抵抗100のおよそ2倍の深さになるようにして形
成されている。実動作時においては、最大電位がN+
拡散層6に印加される。そして、この電位に基づきゲー
ジ抵抗3又は温度補償用抵抗100とN- 型エピタキシ
ャル層2におけるPN接合に空乏層が発生する。そし
て、この空乏層におけるキャリアは、N+ 型拡散層6を
通じて行われるが、図5(b)に示すようにゲージ抵抗
3と温度補償用抵抗100の間にN+ 型拡散層6が形成
されているため、温度補償用抵抗100におけるキャリ
ア移動はゲージ抵抗3の周囲を通じる必要なく行われ
る。
【0037】なお、ここでいう最大電位とは、N+ 型拡
散層6の電位≧ゲージ抵抗3の電位の関係を満たすよう
な電位のことであり、その目的は、N+ 型拡散層6の電
位及びN- 型エピタキシャル層2の電位≧ゲージ抵抗3
を保持することにある。ここで感度を大きくするにはゲ
ージ抵抗3の電位を上げた方が良い。このため、N+
拡散層6及びN- 型エピタキシャル層2の電位を最大に
した方が両者の余裕が大きく取れ、より感度を上げられ
る等のメリットがある。
【0038】これにより、上記発振の発生を防止するこ
とができ、良好な圧力検出が可能となる。なお、本実施
形態においては電位勾配によるリーク電流の発生を防止
するためにダイヤフラム部Cの周囲全体にN+ 型拡散層
6を形成しているが、上記発振を防止するという観点か
らすれば、少なくともゲージ抵抗3と温度補償用抵抗1
00の間にゲージ抵抗3の長さと同等程度の長さを有す
るN+ 型拡散層6を形成すれば良い。
【0039】(第2実施形態)図6に、第2実施形態に
おける半導体圧力検出装置を示す。第1実施形態と同様
に、N+ 型拡散層6とアルミ配線4a〜4dは、酸化膜
によって絶縁状態が保持されている。そして、N+ 型拡
散層6は最大電位に印加され、また接地状態になる配線
4dは電位0であるため、電位差がかなり大きい。
【0040】さらに、ボンディングパッド5dを通じて
入って来る外乱(ノイズ)による影響を考慮すると上記
電位差はより大きくなる場合があり、使用環境によって
はN + 型拡散層6とアルミ配線4dの交差する部分にお
ける絶縁膜7が絶縁破壊を起こす可能性がある。従っ
て、図6に示すように、この半導体圧力検出装置は、第
1実施形態に示す半導体圧力検出装置において、接地状
態となるアルミ配線4dと交差する部分にはN+ 型拡散
層6を形成せず、この交差する部分を除いた状態でN+
型拡散層6を形成している。
【0041】なお、中点電位を出力する部分はボンディ
ングパッド5b、5cから外乱(ノイズ)に対する保護
を施したダイオード又はコンデンサを用いて、他チップ
(例えば、バイポーラチップ等)へ接続されるため外乱
による影響は小さいと考えられる。このため、外乱によ
る影響は少ないと考えられるが、アルミ配線4b、4c
とN+ 型拡散層6が交差する部分においてもN+ 型拡散
層6を形成しないようにすることもできる。
【0042】(第3実施形態)図7に、第3実施形態に
おける半導体圧力検出装置を示す。前述したように、実
動作時及び電気化学ストップエッチング時において、N
+型拡散層6内は略同電位となる。しかし、N+ 型拡散
層6も有限の抵抗値を有しており、このN+ 型拡散層6
の中にも抵抗値による若干の電位分布を生じる。従っ
て、N+ 型拡散層6配線をできる限り広くすることで、
抵抗値による電位分布を極力抑えることが可能となる。
【0043】従って、図7に示す半導体圧力検出装置
は、第1実施形態に示す半導体圧力検出装置において、
+ 型拡散層6をできる限り大きめに幅を持たせて形成
している。具体的には、ダイヤフラム部C及びボンディ
ングパッド5a〜5dが形成されている部分以外におけ
るセンサ部A全面にN+ 型拡散層6を形成している。こ
れにより、実動作時においてはゲージ抵抗3とN- 型エ
ピタキシャル層2の電位差をより効果的に少なくするこ
とができるため、効果的にリーク特性の改善が図れ、ま
た電気化学ストップエッチング時においては、電位勾配
をより効果的にP- 型シリコン基板1に平行にすること
ができるため、効果的にダイヤフラム部Cの膜厚を均一
にすることができる。
【0044】なお、本実施形態においては、ダイヤフラ
ム部C内にはN+ 型拡散層6を形成していないが、ダイ
ヤフラム部C内のゲージ抵抗3に影響のない範囲内でN
+ 型拡散層6を形成してもよい。また、この他の方法と
して、N- 型エピタキシャル層2が800〜2400Ω
/□、N+ 型拡散層6が4Ω/□、アルミが0.003
Ω/□であることを利用してN+ 型拡散層6の上にアル
ミ配線を形成し、これに応じてコンタクトホールを形成
させる等することにより、効果的にダイヤフラム部Cの
膜厚を均一にすることもできる。
【0045】(第4実施形態)図8に、第4実施形態に
おける半導体圧力検出装置を示す。この半導体圧力検出
装置は、第1実施形態に示す半導体圧力検出装置におい
て、温度補償用抵抗100を囲むようにN+ 型拡散層を
形成している。このように、N+ 型拡散層によって温度
補償用抵抗100を囲むことにより温度補償用抵抗10
0のいずれの方向においてもN+ 型拡散層から直接キャ
リアを受け取ることができるため、ゲージ抵抗3の空乏
層変化に対する影響等をより完全に排除することができ
る。これにより上記発振をより完全に防止することがで
きる。 (第5実施形態)図9に、第5実施形態における半導体
圧力検出装置を示す。
【0046】図9に示すように、この半導体圧力検出装
置は、第1実施形態に示す半導体圧力検出装置におい
て、埋め込みN+ 型拡散層6aをN- 型エピタキシャル
層2とP- 型シリコン基板1の境界部に埋め込み層とし
て形成している。具体的には、埋め込みN+ 型拡散層6
aをダイヤフラム部Cのテーパ部又はその外部に形成し
ている。これは、電気化学ストップエッチングがN-
エピタキシャル層2とP- 型シリコン基板1界面の電位
により影響されるため、埋め込みN+ 型拡散層6aがダ
イヤフラム部Cの薄膜部形成予定部に存在するとその部
分のダイヤフラム厚が厚くなるからである。
【0047】このように、埋め込みN+ 型拡散層6a
を、N- 型エピタキシャル層2とP-型シリコン基板1
の境界部に形成した場合においても第1実施形態と同様
の効果が得られる。なお、この場合における半導体圧力
検出装置の製造方法は、P- 型シリコン基板1にN-
エピタキシャル層2を成長させる以前に、所定の領域に
デポジション等により埋め込みN+ 型拡散層6aを形成
する必要がある。また、埋め込みN + 型拡散層6aの一
部に外部から最大電圧(埋め込みN+ 型拡散層6a及び
-型エピタキシャル層2>ゲージ抵抗3となる電位)
を印加することができるようにコンタクトとなるN+
拡散層6等を前述の工程を用いて形成する必要がある。 (他の実施形態)第1〜第5実施形態においては、ダイ
ヤフラム部Cの形状を正方形状にしているが、この形状
に限らず円形状にしてもよく、8角形状等の多角形状に
してもよい。また、この場合上述したように、ダイヤフ
ラム部Cの形状に合わせてN+ 型拡散層6を形成するこ
とによりダイヤフラム部Cに均等な電位を与えることが
できる。
【0048】また、第2実施形態に示したように第3〜
第5実施形態においても電位0とするアルミ配線4dの
下の部分におけるN+ 型拡散層6をなくすことによりN
+ 型拡散層6の絶縁破壊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、第1実施形態における半導体圧力検
出装置の全体構成図であり、(b)は、(a)のセンサ
部Aの断面図である。
【図2】図1における電位分布を示す図であって、
(a)はセンサ部Aの断面における電位分布図であり、
(b)はセンサ部Aの正面における電位分布図である。
【図3】図1に示す半導体圧力検出装置の製造工程を示
す手順図である。
【図4】図3に続く半導体圧力検出装置の製造工程を示
す手順図である。
【図5】ゲージ抵抗6と温度補償用抵抗100の間にN
+ 型拡散層6を形成する場合としない場合におけるキャ
リアの移動状態を示す比較図である。
【図6】第2実施形態における半導体圧力検出装置の正
面図である。
【図7】第3実施形態における半導体圧力検出装置の正
面図である。
【図8】第4実施形態における半導体圧力検出装置の正
面図である。
【図9】第5実施形態における半導体圧力検出装置の断
面図である。
【図10】(a)は従来の半導体圧力検出装置の断面図
であり、(b)はこの半導体圧力検出装置における電位
分布を示す説明図である。
【図11】図10における半導体圧力検出装置における
電位分布を示す図であって、(a)は断面における電位
分布図であり、(b)は正面における電位分布図であ
る。
【符号の説明】
1…P- 型シリコン基板、2…N- 型エピタキシャル
層、3…ゲージ抵抗、4a〜4d…アルミ配線、5a〜
5d…ボンディングパッド、6…N+ 型拡散層、100
…温度補償用抵抗、A…センサ部、B…電流源、C…ダ
イヤフラム部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深田 毅 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 鈴木 康利 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板(1)と、 前記半導体基板(1)の表面に形成された第2導電型層
    (2)と、 前記半導体基板(1)の裏面を除去して形成されたダイ
    ヤフラム部(C)と、 前記ダイヤフラム部(C)のうち前記第2導電型層
    (2)の表層部に形成された第1導電型ゲージ抵抗
    (3)と、 前記第2導電型層(2)の電位を固定するために形成さ
    れた第2導電型領域(6)とを備え、 前記第2導電型領域(6)は、前記ダイヤフラム部
    (C)の周囲を囲うように形成されていることを特徴と
    する半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記ゲージ抵抗(3)の端部それぞれに
    接続された電気配線(4a〜4d)を有し、 前記第2導電型領域(6)は、前記電気配線(4a〜4
    d)のうち接地端子に接続される電気配線の下層を除い
    て形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半
    導体装置。
  3. 【請求項3】 前記第2導電型領域(6)に対して前記
    ダイヤフラム部(C)が形成された領域の反対側領域に
    形成された温度補償用抵抗(100)を有していること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記第2導電型領域(2)は、前記温度
    補償用抵抗(100)の周囲を囲うように形成されてい
    ることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記第2導電型領域(6)は、埋め込み
    形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れか1つに記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 第1導電型の半導体基板(1)上に第2
    導電型層(2)を形成し、この第2導電型層(2)の表
    層部のうちダイヤフラム部(C)となる領域に第1導電
    型ゲージ抵抗(3)を形成する工程と、 前記第2導電型層(2)に接する領域に第2導電型領域
    (6)を前記ダイヤフラム部(C)の周囲を囲むように
    形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第2導電型領域(6)に電圧を印加
    して電気化学ストップエッチングを行い、前記半導体基
    板(1)のうち前記第2導電型層(2)の反対側の表層
    部を除去して前記ダイヤフラム部(C)を形成する工程
    とを備えたことを特徴とする請求項6に記載の半導体装
    置の製造方法。
  8. 【請求項8】 表面が第2導電型層(2)となる半導体
    基板(1、2)の裏面を除去して形成したダイヤフラム
    部(C)の表層部にブリッジ状に形成された第1導電型
    ゲージ抵抗(3)と、前記第2導電型層(2)の電位を
    固定するための第2導電型領域(6)とを備えた半導体
    装置において、 前記第2導電型領域(6)は、前記ダイヤフラム部
    (C)の周囲を囲うように形成されていることを特徴と
    する半導体装置。
  9. 【請求項9】 第1導電型の半導体基板(1)と、 前記半導体基板(1)上面に形成された第2導電型層
    (2)と、 前記半導体基板(1)の裏面部を除去して形成したダイ
    ヤフラム部(C)と、 前記絶縁層(7)表面に4本形成された電気配線(4a
    〜4d)と、 前記第2導電型層(2)の表層部のうち前記ダイヤフラ
    ム部(C)に形成され、ブリッジ回路を構成する複数の
    第1導電型ゲージ抵抗(3)と、 前記ブリッジ回路の電源端子に接続される電源電気配線
    (4a)と、 前記ブリッジ回路の接地回路に接続される接地電気配線
    (4d)と、 前記ブリッジ回路の中点電位を電気出力する中点電気配
    線(4b、4c)と、 前記電源電気配線(4a)に接続され、前記ダイヤフラ
    ム部(C)の周囲を囲むように形成された第2導電型領
    域(6)とを有することを特徴とする半導体装置。
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