JP2008082835A - 半導体歪測定装置、歪測定方法、圧力センサ及び加速度センサ - Google Patents

半導体歪測定装置、歪測定方法、圧力センサ及び加速度センサ Download PDF

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Abstract

【課題】ピエゾ抵抗素子から半導体層へと流れるリーク電流を防止する。
【解決手段】n型の半導体から構成されており、測定すべき外力を受けて変形し、かつ電気的に浮遊した変形部16aと、p型の部分として変形部に形成され、変形部の変形量に応じて電気抵抗の大きさが変化する複数のピエゾ抵抗素子R〜Rと、n型の領域として、ピエゾ抵抗素子の周囲を囲むガードリングG〜Gとを備え、ガードリングを介して変形部に、ピエゾ抵抗素子に対する印加電圧と同符号であり、かつ印加電圧よりも絶対値が大きい電圧が印加されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、外力を受けて変形する変形部の歪み量を測定する半導体歪測定装置、この半導体歪測定装置を用いた歪測定方法、並びに、この半導体歪測定装置を備えた圧力センサ及び加速度センサに関する。
半導体歪測定装置として、半導体基板に設けた4個のピエゾ抵抗素子によりホイートストンブリッジを形成したものが一般的に知られている。例えば、個々のピエゾ抵抗素子は、導電型がn型(又はp型)のシリコン基板に、導電型がp型(又はn型)の領域として形成される。なお、以降、半導体の導電型を表わす場合には、単に「n型」、「p型」、「n型」及び「p型」などと称する。
ピエゾ抵抗素子は、半導体基板に生じる歪み(変形)の大きさに対応して電気抵抗が変化する。したがって、圧力や加速度が働くことにより半導体基板に生じた歪みは、その程度に応じて個々のピエゾ抵抗素子の電気抵抗の大きさを変化させる。
よって、ホイートストンブリッジの両端電極に電圧を印加し、中間電極間の電位差を測定することにより、半導体基板に生じた歪みの大きさを求めることができる。すなわち、半導体歪測定装置により、半導体基板に作用した圧力や加速度の大きさを求めることができる。
半導体歪測定装置を形成する半導体基板として、SOI基板(Silicon On Insulator)を用いることができる。ここで、SOI基板とは、絶縁層上に半導体層が積層された基板を意味する。
SOI基板を用いて半導体歪測定装置を形成した場合には、半導体層は電気的に浮遊した状態に保たれている。そのため、たとえ順バイアス電圧が印加されたとしても、ピエゾ抵抗素子から半導体層へとリーク電流が流れないようになっている。
しかし、例えば半導体歪測定装置を収容する収容容器の内部に封入された大気が水分を含んだ場合、低温環境下で水分が結露する場合がある。このような場合、半導体層と外部との間に水分による電気的な流通経路(以下、「電気流通路」と称する。)が形成され、その結果、半導体層の電気的浮遊状態が破れ、ピエゾ抵抗素子に印加された順バイアス電圧に従ってピエゾ抵抗素子から半導体層へとリーク電流が流れることがある。リーク電流が流れると、中間電極間の電位差に狂いが生じ、得られる圧力や加速度に誤差が発生してしまう。
この問題に関連して、ホイートストンブリッジの中間電極の周囲に金属膜製のガードリングを設ける従来技術が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、技術分野は異なるが、この問題に関連して、半導体装置において、p型の抵抗素子の周囲にn型のチャネルストッパ層を設ける従来技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。
実開平7−8743号公報 特開平3−24766号公報 特開平2−7554号公報
しかし、特許文献1及び2の技術では、ピエゾ抵抗素子から半導体基板へと流れるリーク電流は不可避的な現象と捉えられている。その上で、このリーク電流をガードリングに逃がしている。つまり、特許文献1及び2の技術は、ピエゾ抵抗素子から半導体基板へ流れるリーク電流そのものを抑制するものではない。
また、特許文献3の技術によれば、半導体装置には、抵抗素子に接続されたゲート電極をサージ電圧から保護する目的でチャネルストッパ層を設けている。より詳細には、特許文献3の技術は、n型の半導体基板と、半導体基板に形成されたp型の抵抗素子と、この抵抗素子の周囲を囲むn型のチャネルストッパ層とを備えた半導体装置を開示している。なお、ここで、特許文献3の抵抗素子が、上述のピエゾ抵抗素子に対応すると考える。
特許文献3には明示されてはいないが、この種の半導体装置において、半導体基板は一般に接地されている。つまり、抵抗素子は、半導体基板に対して順バイアスに保たれている。その結果、特許文献3の技術では、たとえチャネルストッパ層が存在したとしても、抵抗素子から半導体基板へと流れるリーク電流を防ぐことができない。
この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものである。したがって、この発明の第1の目的は、ピエゾ抵抗素子から半導体層へと流れるリーク電流を防止する半導体歪測定装置を提供することにある。
また、この発明の第2の目的は、上述の半導体歪測定装置を用いた圧力センサ及び加速度センサを提供することにある。
さらに、この発明の第3の目的は、上述の半導体歪測定装置を用いた歪測定方法を提供することにある。
上述した第1の目的を達成するために、この発明の半導体歪測定装置は下記のように構成されている。
この発明の第1及び第2の半導体歪測定装置は、変形部と、変形部に形成された複数のピエゾ抵抗素子と、ピエゾ抵抗素子の周囲を囲むガードリングとを共通して有する半導体歪ゲージ、及び、電圧印加部を備える。
半導体歪ゲージの変形部は、第1導電型の半導体から構成されて、測定すべき外力を受けて変形し、かつ電気的に浮遊している。
半導体歪ゲージのピエゾ抵抗素子は、変形部とは逆の導電型である第2導電型の部分であり、変形部の変形量に応じて電気抵抗の大きさが変化する。
半導体歪ゲージのガードリングは、変形部と同じ導電型であり、かつ第1導電型の不純物濃度が変形部よりも高い高濃度第1導電型の領域である。
そして、第1の半導体歪測定装置では、電圧印加部は、ピエゾ抵抗素子に対する印加電圧と同符号であり、かつ印加電圧よりも絶対値が大きい電圧を、ガードリングを介して変形部に印加する。
また、第2の半導体歪測定装置では、電圧印加部は、変形部と複数のピエゾ抵抗素子との間を逆バイアスに保つ共通の電圧を、ガードリングを介して変形部に印加する。
これらの構成によれば、電圧印加部は、電気的に浮遊した変形部に対して、ガードリングを介して、ピエゾ抵抗素子に対する印加電圧と同符号であり、かつ印加電圧よりも絶対値が大きい電圧を印加する。これにより、変形部とピエゾ抵抗素子との間で電流が流れない状態(逆バイアス状態)を保つことができる。
以降、ガードリングに印加する電圧と、ピエゾ抵抗素子に対する印加電圧との差の電圧を「逆バイアス電圧」とも称する。
第1の半導体歪測定装置において、変形部に印加する電圧の絶対値は、ピエゾ抵抗素子に対する印加電圧の1.5倍〜2.5倍の範囲の大きさであることが好ましい。
この構成によれば、変形部に印加する電圧を、変形部とピエゾ抵抗素子とを逆バイアス状態に保つために十分な大きさとすることができる。つまり、変形部に電気的なリークが生じ、変形部の電圧が若干降下した場合であっても、変形部とピエゾ抵抗素子とを逆バイアス状態に維持することができる。
第1及び第2の半導体歪測定装置において、変形部を電気的に浮遊した状態に保つ絶縁体をさらに備え、この絶縁体に接して変形部が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、変形部を電気的に浮遊した状態に確実に保つことができる。
第1及び第2の半導体歪測定装置において、ガードリングが複数個設けられている場合に、複数のガードリングが、変形部に形成された高濃度第1導電型の接続領域により互いに電気的に接続されていることが好ましい。
この構成によれば、複数のガードリングが互いに接続領域により接続されている。その結果、任意に選んだ1個のガードリング、又は、接続領域の任意の箇所に対して、上述した電圧を印加すれば、全てのガードリングに対して等しい電圧が印加される。つまり、ガードリングごとの電圧のバラツキが抑えられる。よって、複数のピエゾ抵抗素子に対して均一な電圧を印加することができる。
この場合において、ガードリングが、ピエゾ抵抗素子のそれぞれの周囲を囲んで配置されていることが好ましい。
この構成によれば、ガードリング間を接続領域で接続することに加え、個々のピエゾ抵抗素子の周りをガードリングで囲んでいる。つまり、ピエゾ抵抗素子の各々の周囲は、環状のガードリングで囲まれる。よって、ガードリングの環の内部に位置するピエゾ抵抗素子に対して、均一な逆バイアス電圧を印加できる。
第1及び第2の半導体歪測定装置において、個々のピエゾ抵抗素子が矩形状の平面形状を有し、ピエゾ抵抗素子に接続された配線がピエゾ抵抗素子の長辺に対して平行に延在し、ガードリングは、配線に平行な2本の辺であるガードリング長辺と、配線に直交する2本の辺であるガードリング短辺とが環状に接続された矩形状の平面形状を有しており、ガードリング短辺の長さよりもガードリング長辺の長さの方が大きいことが好ましい。
この構成によれば、ピエゾ抵抗素子及び配線の延在する方向に平行なガードリング長辺と、ピエゾ抵抗素子及び配線の延在する方向に直交するガードリング短辺とで環状のガードリングを形成している。その結果、ピエゾ抵抗素子の長辺及びガードリング長辺を平行に配置できる。同様に、ピエゾ抵抗素子の短辺及びガードリング短辺を平行に配置することができる。よって、ピエゾ抵抗素子の長辺(又は短辺)とガードリング長辺(又はガードリング短辺)とが非平行な場合に比較して、ガードリングの占めるスペースを小さくすることができる。
この場合において、ガードリング長辺とピエゾ抵抗素子の長辺との間の間隔、及び、ガードリング短辺とピエゾ抵抗素子の短辺との間の間隔が互いに等しいことが好ましい。
この構成によれば、ピエゾ抵抗素子の外周とガードリングとの間の間隔を等しくすることができる。その結果、ガードリングを介して個々のピエゾ抵抗素子に加えられる逆バイアス電圧の大きさを、さらに一層、均一にすることができる。
また、第1及び第2の半導体歪測定装置において、2個以上のピエゾ抵抗素子を含むピエゾ抵抗素子群を考えたときに、ガードリングが、ピエゾ抵抗素子群のそれぞれの周囲を囲んで配置されていてもよい。
この構成によれば、隣接するピエゾ抵抗素子間の間隔が狭く、各々のピエゾ抵抗素子をガードリングで囲めない場合であっても、ピエゾ抵抗素子群を構成する個々のピエゾ抵抗素子に実用上十分な均一さで逆バイアス電圧を印加できる。
第1及び第2の半導体歪測定装置において、複数のピエゾ抵抗素子により、ブリッジ型回路が構成されていることが好ましい。
この構成によれば、半導体歪測定装置は、変形部に生じた変形量をより精密に測定できる。
この場合において、4個のピエゾ抵抗素子により、ブリッジ型回路としてのホイートストンブリッジが形成されていれば、より一層好ましい。
上述した第2の目的を達成するために、この発明の圧力センサは、上述した第1又は第2の半導体歪測定装置を備えている。詳細には、圧力センサは、センサチップ及び収納容器を備えている。
センサチップは、半導体歪測定装置が形成された変形部としての薄膜部と、第1面から第2面にかけて貫通した穴が形成された基板とを備えている。
ここで、薄膜部は、第1面側の穴の全面を覆うダイアフラム部と、ダイアフラム部の周辺の第1面に気密に接続された周辺部とに区画される。
また、収納容器は、ダイアフラム部の第1面側を気密に密閉し、かつ、ダイアフラム部の第2面側を外界と連通させるように配置されている。
この構成によれば、圧力が圧力センサに加えられることで生じるダイアフラム部の変形の程度を、半導体歪測定装置で評価し、当該圧力を求めることができる。
上述した第2の目的を達成するために、この発明の加速度センサは、上述した第1又は第2の半導体歪測定装置を備えている。詳細には、加速度センサは、枠部と錘部と梁部とを備えている。
枠部は平面形状が枠状に形成されている。
錘部は、枠部に囲まれた内部空間に、枠部の内壁とは間隔を空けて配置されており、測定すべき外力に応じて変位可能とされている。
梁部は変形部であり、錘部を枠部に可撓的に接続し、錘部の変位に応じた大きさだけ撓むとともに、上述した半導体歪測定装置が形成されている。
この構成によれば、加速度が加速度センサに加えられることで生じる梁部の変形の程度を、半導体歪測定装置で評価し、当該加速度を求めることができる。
上述した第3の目的を達成するために、この発明の歪測定方法は下記のように構成されている。
第1及び第2の歪測定方法は、変形部と、変形部に形成された複数のピエゾ抵抗素子と、ピエゾ抵抗素子の周囲を囲むガードリングとを共通して有する半導体歪ゲージを用いて変形部に生じた歪みの大きさを測定する。
ここで、変形部は、第1導電型の半導体から構成されて、測定すべき外力を受けて変形し、かつ電気的に浮遊している。また、ピエゾ抵抗素子は、変形部とは反対の導電型である第2導電型の部分であり、変形部の変形量に応じて電気抵抗の大きさが変化する。さらに、ガードリングは、変形部と同じ導電型であり、かつ第1導電型の不純物濃度が変形部よりも高い高濃度第1導電型の領域である。
そして、第1の歪測定方法は、歪みの大きさの測定に当り、ピエゾ抵抗素子に対する印加電圧と同符号であり、かつ印加電圧よりも絶対値が大きい電圧を、ガードリングを介して変形部に印加する。
また、第2の歪測定方法は、変形部と複数のピエゾ抵抗素子との間を逆バイアスに保つ共通の電圧を、ガードリングを介して変形部に印加する。
これらの構成によれば、ガードリングを介して電圧を印加することにより、変形部とピエゾ抵抗素子との間でリーク電流が流れない状態(逆バイアス状態)で、ピエゾ抵抗素子の電気抵抗値を測定することができる。
この発明は、上述したように構成されている。したがって、この発明によれば、ピエゾ抵抗素子から半導体層へと流れるリーク電流を防止することができる半導体歪測定装置が得られる。
また、この半導体歪測定装置を用いた圧力センサ及び加速度センサが得られる。
さらに、この半導体歪測定装置を用いた歪測定方法が得られる。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明する。なお、各図は、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係について、この発明が理解できる程度に概略的に示したものにすぎない。また、以下、この発明の好適な構成例について説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。したがって、この発明は、以下の実施の形態に何ら限定されるものではない。
(実施の形態1)
(1)半導体歪測定装置及び圧力センサの概要説明
図1〜図7を参照して、この発明の半導体歪測定装置及び、この半導体歪測定装置を備えた圧力センサについて説明する。
まず、図1を参照して、圧力センサ10の構成について概説する。図1(A)は、圧力センサ10の一部切欠斜視図である。図1(B)は、圧力センサ10の断面切り口を示す図である。なお、図1(A)及び(B)においては、図の複雑化を避けるために、圧力センサ10を構成する部品の図示を一部省略している。
圧力センサ10は、収納容器12とセンサチップ14とを備え、さらにセンサチップ14は、半導体歪測定装置24を備えている。
収納容器12は、内部に空洞が形成された直方体状の箱である。以下、収納容器12内部の空洞を収納空間12aと称する。収納容器12の底板12bの中央部には、収納空間12aと収納容器12の外部空間(以下、「外界」とも称する。)との間で大気の流通を可能とした開口12cが形成されている。この開口12cを除いて、収納容器12は、外界との間で大気の流通が遮断されている。また、この開口12cには、中空円筒状のパイプ12dが接続されている。
センサチップ14は、収納空間12a内部に、開口12cに蓋をするように配置されている。センサチップ14と収納容器12とは、気密に接続されている。つまり、センサチップ14は、収納空間12aと外界とを気密に区画する隔壁として機能する。
以下、センサチップ14の構成について簡単に説明する。
センサチップ14は、薄膜部16と基板18とを備える。
基板18は、平面形状が矩形状の板状体である。基板18は、互いに平行に対向する平坦な第1面18aと第2面18bとを備える。第2面18bは、底板12bの内壁面に気密に接続されている。
そして、基板18には第1及び第2面18a及び18bの間を貫通して、円筒状に穴18cが形成されている。この穴18cは、収納容器12の開口12cと連通して配置されている。開口12cを介して大気が流通する結果、穴18cと外界とは同気圧に保たれる。
薄膜部16は、平面形状が、穴18cを含めた基板18の第1面18aと同形で、厚みが基板18よりも薄い薄肉板状体である。薄膜部16は、基板18の第1面18aに気密に接続されている。ここで説明する構成例では,薄膜部16は、いわゆるSOI構造であり、変形部としての半導体層16aと、絶縁体としての絶縁層16bとを備える。絶縁層16bは、基板18と半導体層16aとの間に介在している。その結果、半導体層16aは、基板18に対して電気的に浮遊した状態に保たれる。
薄膜部16は、上方から見た場合(以下、「平面視」と称する。)、ダイアフラム部20と周辺部22とに区画される。
ダイアフラム部20は、薄膜部16を構成する一領域であり、穴18cに対向する位置に設けられている。つまり、ダイアフラム部20は、穴18cの全面を覆って設けられている。基板18の第1面18aに直交する面内での断面構造を見た場合、ダイアフラム部20には、絶縁層16bが存在しない。つまり、ダイアフラム部20は、半導体層16aで構成されていて、絶縁層16bを有していない。したがって、ダイアフラム部20を構成する半導体層16aには、穴18cを介して外界の圧力(気圧)が作用する。
周辺部22は、薄膜部16を構成する残りの領域であり、ダイアフラム部20の周囲に連なっている。つまり、周辺部22は、穴18cの周囲の第1面18a上に存在する。周辺部22には、ダイアフラム部20とは異なり、絶縁層16bが基板18と半導体層16aとの間に介在している。周辺部22は、第1面18aに気密に接続されている。
半導体歪測定装置24は、薄膜部16の上面16c側、つまり、基板18とは反対の面側の一領域として設けられている。
半導体歪測定装置24は、半導体歪ゲージ25と、電圧印加部Sとを備える。
半導体歪ゲージ25は、4個のピエゾ抵抗素子R〜Rと、ガードリングG〜Gと、任意の構成要件として接続領域C12、C23及びC34とを備えている。
ピエゾ抵抗素子R〜Rは、互いに同形であって、ホイートストンブリッジを構成するように電気的に接続されている。これらのピエゾ抵抗素子R〜Rは、円板状のダイアフラム部20の直径に沿って空間的に直列に配置されている。平面視で、ピエゾ抵抗素子R及びRは、ダイアフラム部20の領域に配置されている。また、平面視で、ピエゾ抵抗素子R及びRは、ダイアフラム部20と周辺部22との境界を跨いで配置されている。
ガードリングG〜Gは切れ目のない環状領域であり、ピエゾ抵抗素子R〜Rのそれぞれを囲んでいる。ガードリングG及びGは、薄膜部16に設けられた接続領域C12で、ガードリングG及びGは、薄膜部16に設けられた接続領域C23で、並びに、ガードリングG及びGは、薄膜部16に設けられた接続領域C34で、それぞれ電気的に接続されている。
また、ガードリングGには、ガードリングG〜Gに対して共通の電圧を印加するための端子Tが設けられている。
電圧印加部Sは、この端子Tに電気的に接続されている電源である。電圧印加部Sからは、端子Tを介して、後述するリング印加電圧VがガードリングG〜Gに対して印加される。なお、半導体歪測定装置24の詳細については後述する。
このような構造の圧力センサ10によれば、外界の圧力(気圧)、つまり測定すべき外力は、開口12c及び穴18cを介して変形部としての薄膜部16に伝達される。この圧力の大きさに応じて、薄膜部16は変形する。この変形は、半導体歪測定装置24により検知されて、外界の圧力に対応する電気的な値へと変換される、つまり、外界の圧力が測定される。
(2)センサチップ及び半導体歪測定装置の詳細説明
次に、図2〜図4を参照してセンサチップ14及び半導体歪測定装置24の好適例について詳細に説明する。図2は、図1(B)に示したセンサチップ14の拡大断面図である。なお、図2には、図1(A)及び(B)で図示を省略した部品も描いてある。
まず、図2を参照して、センサチップ14の断面構造について説明する。
センサチップ14を構成する基板18としては、例えば約300μmの厚みのシリコン基板を用いる。この基板18の平面形状は、一辺の長さが、例えば約2.0mmの正方形とする。そして、基板18の中央部には、直径が、例えば約0.8mmの穴18cが形成されている。基板18の第2面18bは、接着等の公知の方法により、収納容器12の内壁面(底板126)に気密に封着されている(図1(B)参照)。
センサチップ14を構成する薄膜部16としては、例えば約10μmの厚みのSOI基板を用いる。より詳細には、薄膜部16を構成する絶縁層16bは、例えば約3μmの厚みのSiO膜とする。薄膜部16を構成する半導体層16aは、例えば約7μmの厚みの単結晶シリコン層とする。半導体層16aは、比抵抗を、例えば2〜10Ωcmとし、及び、導電型を、例えばn型とする。ここで、半導体層16aの導電型であるn型が、第1導電型に対応する。このように、半導体層16aは、肉薄(厚み:約7μm)に形成されているので、外力を受けて容易に撓むことができる。
また、薄膜部16の上面16cは、厚みが、例えば約200nmのシリコン酸化膜26で覆われている。シリコン酸化膜26には、上面16cに至る複数のコンタクトホール28,28,・・・が設けられている。これらのコンタクトホール28,28,・・・を介して、ピエゾ抵抗素子R〜R及び端子Tに、配線W1〜W6及びWGがそれぞれ電気的に接続されている。
シリコン酸化膜26上には、配線W1〜W6を被覆して、保護膜としてのシリコン窒化膜30が形成されている。シリコン窒化膜30の厚みは、例えば約200nmとする。シリコン窒化膜30には、配線WGに対応する位置にスルーホール32が形成されている。
なお、基板18と薄膜部16とが積層された構造体(以下、「積層構造体」と称する。)は、公知の方法で形成することができる。例えば、陽極酸化法により2枚のシリコン基板の酸化膜同士を接合したり、あるいはシリコン基板に高ドーズ量で酸素イオンをイオン注入したりすることで、この積層構造体を形成できる。このようにして積層構造体が形成される結果、周辺部22において、基板18と薄膜部16とは気密に接続される。また、半導体層16aと基板18との間に絶縁層16bが介在するので、半導体層16aは、基板18に対して電気的に浮遊した状態に保たれる。
次に、図3〜図4を参照して、主に半導体歪測定装置24について説明する。
図3(A)は、薄膜部16上における、センサチップ14の要部拡大平面図を示す。図3(B)は、シリコン酸化膜26上における、センサチップ14の要部拡大平面図である。図4は、ホイートストンブリッジの回路構成を示す図である。
半導体歪測定装置24を構成するピエゾ抵抗素子R〜Rは、半導体層16aに形成されている(図2)。ピエゾ抵抗素子R〜Rは、導電型が、例えばp型の領域とする。ピエゾ抵抗素子R〜Rの電気抵抗値RR〜RRは、実質的に全て等しい大きさとする(RR=RR=RR=RR)。
図3(A)に示すように、ピエゾ抵抗素子R〜Rは、それぞれ矩形状の平面形状を有する。つまり、個々のピエゾ抵抗素子R〜Rは、互いに平行な一対の長辺RL,RL〜RL,RLと、互いに平行な一対の短辺RS,RS〜RS,RSとで囲まれた領域である。なお、ピエゾ抵抗素子R〜Rの導電型であるp型が、第2導電型に対応する。
図3(B)に示すように、ピエゾ抵抗素子R〜Rは、シリコン酸化膜26の上面に形成された配線W1〜W6により、ホイートストンブリッジを構成するように、電気的に接続されている。配線W1〜W6は、例えば公知のアルミニウム配線とする。
配線W1は、電源(図4)とピエゾ抵抗素子Rの一端とを電気的に接続している。配線W1は、平面視で、ピエゾ抵抗素子Rの長辺RLに対して平行に延在している。
配線W2は、ピエゾ抵抗素子Rの他端とピエゾ抵抗素子Rの一端とを電気的に接続している。配線W2には第1中間電極E1が設けられており、第1中間電極E1は電圧計Volt(図4)に接続されている。配線W2は、平面視で、ピエゾ抵抗素子R及びRの長辺RL及びRLに対して平行に延在している。
配線W3は、配線W1から分岐し、ピエゾ抵抗素子Rの一端に電気的に接続されている。配線W3は、平面視で、ピエゾ抵抗素子Rの長辺RLに対して平行に延在している。
配線W4は、ピエゾ抵抗素子Rの他端とピエゾ抵抗素子Rの一端とを電気的に接続している。配線W4には第2中間電極E2が設けられており、第2中間電極E2は電圧計Volt(図4)に接続されている。配線W4は、平面視で、ピエゾ抵抗素子R及びRの長辺RL及びRLに対して平行に延在している。
配線W5は、ピエゾ抵抗素子Rの他端とアース(0V)(図4)とを電気的に接続している。配線W5は、平面視で、ピエゾ抵抗素子Rの長辺RLに対して平行に延在している。
配線W6は、ピエゾ抵抗素子Rの他端と配線W5とを電気的に接続している。配線W6は、平面視で、ピエゾ抵抗素子Rの長辺RLに対して平行に延在している。
ピエゾ抵抗素子R〜Rが、配線W1〜W6で電気的に接続される結果、図4に示した回路構成のホイートストンブリッジが形成される。ここで、配線W1に接続される電源の電圧、すなわちピエゾ抵抗素子R〜Rに対する直流の印加電圧(以下、「素子印加電圧Vin」と称する。)は、例えば約+3Vとする。なお、この素子印加電圧Vinは、周辺部22に設けられたピエゾ抵抗素子R〜Rを補助するための周辺回路(不図示)と共通の電源から印加されている。つまり、素子印加電圧Vinは、従来周知の電源電圧である。
このとき、電圧計Voltが示す電圧、すなわち第1及び第2中間電極E1及びE2間の電圧(以下、「出力電圧Vout」と称する。)は、従来周知の下記(1)式で与えられる。
out=[RR/(RR+RR)−RR/(RR+RR)]×Vin・・・(1)
再び図3(A)を参照すると、半導体歪測定装置24を構成するガードリングG〜Gは、半導体層16aに形成された、導電型が、例えばn型の領域である。ここで、「導電型がn型」とは、ガードリングG〜Gが半導体層16aと同じ導電型であり、かつガードリングG〜Gに含まれるn型不純物の濃度が半導体層16aよりも高いことを意味する。なお、この導電型(n型)が高濃度第1導電型に対応する。
ガードリングG〜Gは、それぞれ同形の矩形環状の平面形状を有し、個々のピエゾ抵抗素子R〜Rの周囲を取り囲んでいる。ここで、ガードリングG〜Gの幅Dは、例えば約2.0μmとする。
個々のガードリングG〜Gは、互いに平行な一対のガードリング長辺GL,GL〜GL,GLと、互いに平行な一対のガードリング短辺GS,GS〜GS,GSとが環状にそれぞれ接続された領域である。
ここで、ガードリング長辺GL〜GLとガードリング短辺GS〜GSとの長さを比較すると、全てのガードリングG〜Gについて“ガードリング長辺>ガードリング短辺”という関係が成り立つ。
また、ガードリング長辺GL,GLと、ピエゾ抵抗素子Rの長辺RL,RLとの間の間隔(以下、「長辺間隔」と称する。)、及び、ガードリング短辺GS,GSと、ピエゾ抵抗素子Rの短辺RS,RSとの間の間隔(以下、「短辺間隔」と称する。)は、等しく、0(零)である。ガードリングG〜Gについても同様である。つまり、いずれのガードリングG〜Gでも、長辺間隔=0及び短辺間隔=0であり、長辺間隔と短辺間隔は等しい長さである。
上述のようにガードリングG〜Gは、接続領域C12,C23及びC34により、電気的に直列に接続されている。より詳細には、接続領域C12は、ガードリングGのガードリング短辺GSと、この短辺GSに対向するガードリングGのガードリング短辺GSとを電気的に接続している。接続領域C23は、ガードリングGのガードリング短辺GSと、この短辺GSに対向するガードリングGのガードリング短辺GSとを電気的に接続している。接続領域C34は、ガードリングGのガードリング短辺GSと、この短辺GSに対向するガードリングGのガードリング短辺GSとを電気的に接続している。接続領域C12,C23及びC34は、いずれもn型(高濃度第1導電型)の領域として形成されている。
ガードリングGにおいて、接続領域C12が位置するガードリング短辺GSとは反対のガードリング短辺GSには、端子Tが設けられている。端子Tには、配線WGが接続されている。この配線WGを介して、電圧印加部Sから、例えば、素子印加電圧Vinの約2倍の大きさの直流電圧(約+6V)が、ガードリングG〜Gに印加される。
ここで、電圧印加部Sは、素子印加電圧Vinを印加するための電源とは、別の電源とされている。
以下、この電圧(約+6V)を、「リング印加電圧V」と称する。よって、この場合、逆バイアス電圧は、約+3V(=リング印加電圧V−素子印加電圧Vin)となる。
ところで、ガードリングG〜Gは、接続領域C12,C23及びC34により電気的に直列に接続されている。よって、端子Tから印加されたリング印加電圧Vは、接続領域C12,C23及びC34を介して、全てのガードリングG〜Gを等電圧に保つ。
なお、リング印加電圧Vは、ガードリングG〜Gを介して半導体層16aにも印加される。その結果、半導体層16aは、一定のリング印加電圧Vに保持される。ところで、リング印加電圧V(約+6V)は、素子印加電圧Vin(約+3V)と同符号であり、かつ素子印加電圧Vinよりも絶対値が大きい。したがって、半導体層16aは、ピエゾ抵抗素子R〜Rに対して逆バイアスに保たれる。
(3)圧力センサの動作説明
次に、主に、図5(A)及び(B)を参照して、圧力センサ10及び半導体歪測定装置24の動作について説明する。図5(A)は、外界と収納空間12aとで気圧が等しい場合の、センサチップ14の断面形状を模式的に示す図である。図5(B)は、外界の気圧が収納空間12aよりも高い場合の、センサチップ14の断面形状を模式的に示す図である。なお、図5(A)及び(B)においては、説明に不必要な構成要素の図示を省略している。
圧力センサ10を用いて、外界の気圧を測定するに当たっては、配線W1(図2)に素子印加電圧Vin(約+3V)を、及び配線WG(図2)にリング印加電圧V(約+6V)を、それぞれ印加する。
まず、圧力センサ10の動作について一般的に説明する。
図5(A)に示すように、外界と収納空間12aとで気圧が等しい場合、ダイアフラム部20には力が作用しない。つまり、測定すべき外力(外界の気圧)と、収納空間12a内部の気圧とが釣り合い、ダイアフラム部20、つまり薄膜部16は変形しない。したがって、ピエゾ抵抗素子R〜Rは電気抵抗の大きさが変化しない。よって、出力電圧Voutは、(1)式にしたがって0(零)Vとなる。
それに対して、図5(B)に示すように、外界の気圧が収納空間12aよりも高い場合、ダイアフラム部20には、外界から収納空間12aへ向かう方向の力が作用する。その結果、ダイアフラム部20は、収納空間12aの内側に向かって凸となるように撓む(変形する)。
これにより、ダイアフラム部20内に設けられたピエゾ抵抗素子R及びRには、引っ張り応力が作用し、ピエゾ抵抗素子R及びRは伸びるように変形する。結果として、電気抵抗値RR及びRRは、変形量に応じて図5(A)の場合よりも増加する。
同様に、ダイアフラム部20と周辺部22とに跨って設けられたピエゾ抵抗素子R及びRには、圧縮応力が作用し、ピエゾ抵抗素子R及びRは縮むように変形する。結果として、電気抵抗値RR及びRRは、変形量に応じて図5(A)の場合よりも減少する。
これらの結果、(1)式より求められる出力電圧Voutは、0Vではなくなる。一般的には、出力電圧Voutは、絶対値が数mV程度の値を示す。
この出力電圧Voutを、圧力センサ10の制御部等にあらかじめ記憶された変換式で変換することにより外界の圧力が求められる。
次に、電圧印加部Sからのリング印加電圧V(約+6V)の印加に着目して、圧力センサ10の動作を説明する。
圧力センサ10を、低温環境下で動作させる状況を考える。この場合、収納容器12の収納空間12aに封入された大気中の水分がセンサチップ14表面に結露することがある。結露した水滴の中には、例えば、半導体層16aと基板18とに跨って延在するものなどが存在する。その結果、半導体層16aと基板18との間に電気流通路が形成される。つまり、半導体層16aの電気的な浮遊状態が破れる。
ところで、圧力センサ10では、ガードリングG〜Gに対して、電圧印加部Sからリング印加電圧Vが印加されている。その結果、半導体層16aとピエゾ抵抗素子R〜Rとは逆バイアス状態に保たれている。つまり、ピエゾ抵抗素子R〜Rと、これらの周囲の半導体層16aの間には空乏層が形成され、ピエゾ抵抗素子R〜Rと半導体層16aとの間でキャリアが移動不能となっている。
よって、たとえ、半導体層16aの電気的な浮遊状態が破れたとしても、リング印加電圧Vが十分大きければ、半導体層16aとピエゾ抵抗素子R〜Rとを逆バイアス状態に保ち続けることができる。結果として、ピエゾ抵抗素子R〜Rから半導体層16aに向けてリーク電流が流れることはない。その結果、たとえ、結露が発生するような低温環境下で圧力センサ10を使用したとしても、ピエゾ抵抗素子R〜Rの電気抵抗値RR〜RRは正確な値を示し続ける。つまり、低温環境下であっても、圧力センサ10は外界の圧力を正確に測定できる。
(4)圧力センサ及び半導体歪測定装置の製造方法
次に、図6〜図7を参照して、圧力センサ10及び半導体歪測定装置24の製造方法について概説する。図6(A)は、圧力センサ10を製造する工程から一工程を抜き出して示す半導体歪測定装置24付近の拡大断面図である。図6(B)は、図6(A)よりも後に行われる工程を示す、図6(A)と同領域の拡大断面図である。図7(A)は、図6(B)よりも後に行われる工程を示す、図6(A)と同領域の拡大断面図である。図7(B)は、図7(A)よりも後に行われる工程を示す、図6(A)と同領域の拡大断面図である。
<第1工程:図6(A)>
始めに、基板18に薄膜部16(絶縁層16b及び半導体層16a)が積層された積層基板34を準備する。なお、上述のように、半導体層16aの導電型はn型である。
そして、半導体層16aにn型領域を形成する。つまり、半導体層16aに、ガードリングG〜G、接続領域C12,C23,C34及び端子Tを同時に形成する。
具体的には、イオン注入保護膜としてのフォトレジスト(図示せず)を、例えば約2μmの厚みで、上面16cの全面に被覆する。そして、公知のフォトリソグラフィにより、ガードリングG〜G、接続領域C12,C23,C34及び端子Tに対応する領域のフォトレジストを除去してフォトジストパターンを形成する。
その上で、上面16c上に残留したフォトレジストパターンをマスクとして、n型不純物(第1導電型の不純物)であるPのイオン注入を行う。イオン注入条件は、注入エネルギーを、例えば約50keV、及び、ドーズ量を、例えば約5×1015/cmとする。そして、イオン注入保護膜であるフォトレジストパターンを公知の方法で除去する。
続いて、半導体層16aにp型領域を形成する。つまり、半導体層16aにピエゾ抵抗素子R〜Rを形成する。
具体的には、イオン注入保護膜として、新たなフォトレジスト(図示せず)を、例えば約2μmの厚みで、上面16cの全面に被覆する。そして、公知のフォトリソグラフィにより、ピエゾ抵抗素子R〜Rに対応する領域のフォトレジストを除去してフォトレジストパターンを形成する。
その上で、上面16c上に残留したフォトレジストパターンをマスクとして、p型不純物(第2導電型の不純物)であるBF のイオン注入を行う。イオン注入条件は、注入エネルギーを、例えば約30keV、及び、ドーズ量を、例えば約5×1014/cmとする。そして、イオン注入保護膜であるフォトレジストパターンを公知の方法で除去する。
その後、半導体層16aに導入した不純物(P及びB)の活性化を行う。すなわち、RTA(Rapid Thermal annealing)法により約1050℃の温度で熱処理を行う。これにより、ピエゾ抵抗素子R〜R、ガードリングG〜G、接続領域C12,C23,C34及び端子Tが活性化される。
このようにして、図6(A)に示した積層基板34が形成される。
<第2工程:図6(B)>
次に、コンタクトホール28,28,・・・が形成されたシリコン酸化膜26を上面16c上に成膜する。
具体的には、SiHとOとを混合した原料ガスを用い、温度が約500℃の条件で、常圧CVD(Atomospheric Pressure Chemcal Vapor Deposition)法により、シリコン酸化膜26を形成する。ここで、シリコン酸化膜26の厚みを、例えば約200nmとする。
そして、エッチング保護膜としてのフォトレジスト(図示せず)を、例えば約2μmの厚みで、シリコン酸化膜26の全面に被覆する。そして、公知のフォトリソグラフィにより、コンタクトホール28,28,・・・に対応する領域のフォトレジストを除去して、フォトレジストパターンを形成する。
その上で、このフォトレジストパターンをマスクとして、RIE(Reactive Ion Echting)法により、シリコン酸化膜26を上面16cに至るまで除去する。これにより、シリコン酸化膜26に、コンタクトホール28,28,・・・が形成される。その後、エッチング保護膜であるフォトレジストパターンを除去する。
このようにして、図6(B)に示した構造体が得られる。
<第3工程:図7(A)>
次に、配線W1〜W6及びWGを形成する。
具体的には、厚みが、例えば約500nmのアルミニウム膜(図示せず)をスパッタ法により、シリコン酸化膜26の全面に堆積する。
そして、フォトレジスト(図示せず)を、例えば約2μmの厚みで、アルミニウム膜の全面に被覆する。そして、公知のフォトリソグラフィにより、配線W1〜W6及びWG以外の領域のフォトレジストを除去してフォトレジストパターンを形成する。
その上で、このフォトレジストパターンをマスクとして、RIE法により、不用なアルミニウム膜を除去する。その後、マスクとして用いたフォトレジストパターンを除去する。これにより、配線W1〜W6及びWGが形成される。
しかる後、配線W1〜W6及びWGの熱処理を行う。すなわち、配線W1〜W6及びWGが形成された積層基板34を、例えば約400℃に、約30分間保つ。
このようにして、図7(A)に示すように、半導体層16aに半導体ゲージ25が形成される。
<第4工程:図7(B)>
次に、図7(A)に示した構造体の上面にシリコン窒化膜30を形成する。
具体的には、SiHとNHとを混合した原料ガスを用い、温度が約300℃の条件で、プラズマCVD(Plasma−CVD)法により、シリコン酸化膜26上の全面にシリコン窒化膜30を形成する。
そして、フォトレジスト(図示せず)を、例えば約2μmの厚みで、シリコン窒化膜30の全面に被覆する。そして、公知のフォトリソグラフィにより、スルーホール32に対応する領域のフォトレジストを除去してフォトレジストパターンを形成する。
その上で、このフォトレジストパターンをマスクとして、RIE法により、シリコン窒化膜30を配線WGに至るまで除去する。これにより、シリコン窒化膜30に、スルーホール32が形成される。その後、エッチング保護膜であるフォトレジストパターンを除去する。
このようにして、図7(B)に示した構造体が得られる。
<第5工程:図2>
次に、センサチップ14を完成させる。つまり、図7(B)に示した構造体において、基板18に穴18cを形成する。これにより、薄膜部16は、その領域がダイアフラム部20と周辺部22とに区画される。
具体的には、フォトレジスト(図示せず)を、例えば約2μmの厚みで、積層基板34の裏面34b(図7(B)参照)の全面に被覆する。そして、公知のフォトリソグラフィにより、穴18cに対応する領域のフォトレジストを除去してフォトレジストパターンを形成する。
その上で、このフォトレジストパターンをマスクとして、DRIE(Deep−RIE)法により、基板18を絶縁層16bに至るまで除去する。これにより、穴18cが形成される。
そして、穴18cが形成された構造体を緩衝フッ酸溶液に浸漬する。これにより、穴18cに対応する領域に存在する絶縁層16b(SiO)が除去され、ダイアフラム部20が形成される。そして、公知の方法により電圧印加部Sを端子Tに電気的に接続する。
このようにして、図2に示したセンサチップ14が得られる。
<第6工程:図1(B)>
最後に、センサチップ14を公知の方法でパッケージに封入することにより、図1(B)に示した圧力センサ10が完成する。
(5)圧力センサ及び半導体歪測定装置の奏する効果
次に、この発明の好適例として説明した圧力センサ10及び半導体歪測定装置24の奏する効果について説明する。
<効果1>
半導体歪測定装置24にガードリングG〜Gを設け、このガードリングG〜Gに逆バイアス電圧を印加するだけで、確実に、ピエゾ抵抗素子R〜Rから半導体層16aに流れるリーク電流を防止できる。その結果、リーク電流由来の誤差が少ない出力電圧Voutを得ることができる。よって、圧力センサ10は、より正確に外界の圧力を測定することができる。
また、リーク電流を防止するに当たり、圧力センサ10では、収納容器12の真空引きを行った上で、乾燥大気又は乾燥窒素を収納空間12aに封入する必要がない。したがって、圧力センサ10は、従来法に比べて、製造工程及び製造費用の増加が最小限に止まる。
<効果2>
リング印加電圧V(約+6V)を、素子印加電圧Vin(約+3V)と同符号であり、かつ素子印加電圧Vinよりも絶対値が大きい電圧としている。つまり、リング印加電圧Vは、素子印加電圧Vinの約2倍の絶対値である。
ところで、結露に由来して半導体層16aに電気流通路が形成されると、この電気流通路を介して外部に電流が流れる。その結果、半導体層16aに電圧降下(10−1Vオーダー)が生じる。
しかし、逆バイアス電圧(約+3V=V−Vin)は、半導体層16aに生じる電圧降下(10−1Vオーダー)の10倍以上の大きさである。よって、半導体層16aに多少の電圧降下が生じたとしても、半導体層16aと、ピエゾ抵抗素子R〜Rとを確実に逆バイアス状態に保つことができる。その結果、ピエゾ抵抗素子R〜Rから半導体層16aへのリーク電流を確実に防止できる。
<効果3>
ガードリングG〜Gが互いに接続領域C12,C23及びC34により電気的に直列に接続されている。よって、ガードリングGに設けられた端子Tに電圧印加部Sを介してリング印加電圧Vを印加すれば、全てのガードリングG〜Gを等電圧に保つことができる。
ところで、電気流通路が形成された場合、半導体層16aの電圧分布には、場所によるバラツキが生じると推測される。つまり、電気流通路の近傍ではより大きな電圧降下が生じ、電気流通路から離間するにしたがって、電圧降下が小さくなっていくものと推測される。すなわち、電気流通路の形成により半導体層16aの電圧分布が、面内で不均一となると推測される。
しかし、半導体歪測定装置24においては、接続領域C12,C23及びC34が形成されているので、全てのガードリングG〜Gが等電圧に保たれる。その結果、半導体層16aの電圧分布の不均一性にかかわらず、個々のピエゾ抵抗素子R〜Rに等しい大きさの逆バイアス電圧を印加できる。
よって、端子Tにリング印加電圧Vを印加するだけで、全てのピエゾ抵抗素子R〜Rで、リーク電流の発生を防止できる。
また、全てのピエゾ抵抗素子R〜Rに等電圧の逆バイアス電圧を印加するので、ピエゾ抵抗素子R〜Rごとのリーク電流の流れやすさ(以下、「リーク電流耐性」と称する。)を均一にすることができる。
<効果4>
ガードリングG〜Gは、ピエゾ抵抗素子R〜Rのそれぞれの周囲を囲んでいる。よって、ガードリングG〜Gで囲まれた領域内部の電圧を均一に保つことができる。その結果、ピエゾ抵抗素子R〜Rの外周面(ピエゾ抵抗素子R〜Rと半導体層16aとの界面)には、場所によらず等しい逆バイアス電圧が印加される。
その結果、個々のピエゾ抵抗素子R〜Rにおけるリーク電流耐性を、外周面の場所によらず均一にすることができる。つまり、外周面内において、リークしやすい箇所が生じることを防止できる。
したがって、<効果3>よりも一層、ピエゾ抵抗素子R〜Rのリーク電流耐性を均一にすることができる。
<効果5>
ガードリング長辺GL,GL〜GL,GLと、ガードリング短辺GS,GS〜GS,GSとを切れ目なく環状に接続したガードリングG〜Gによりピエゾ抵抗素子R〜Rを囲んでいる。
ところで、ガードリングG〜Gに切れ目が形成されていると、この切れ目の部分で、逆バイアス電圧の大きさが、不十分となるおそれがある。その結果、この切れ目の部分を介して、ピエゾ抵抗素子R〜Rから半導体層16aにリーク電流が流れやすくなることが予想される。
ガードリングG〜Gを切れ目のない環状に形成した半導体歪測定装置24では、このようなおそれがない。
また、ガードリングG〜Gを完全な環状とした結果、<効果4>よりも一層、ピエゾ抵抗素子R〜Rのリーク電流耐性を均一にすることができる。
<効果6>
(1)ガードリング長辺GL〜GLを、矩形状のピエゾ抵抗素子R〜Rの長辺RL〜RL及び配線W1〜W6と平行に形成している。また、(2)ガードリング長辺GL〜GLの長さを、ガードリング短辺GS〜GSの長さよりも大きくしている。
(1)及び(2)の結果、ガードリングG〜Gを、ピエゾ抵抗素子R〜Rの平面形状に沿った形状とすることができる。結果として、ガードリング長辺GL〜GL(又はガードリング短辺GS〜GS)を、長辺RL〜RL(又は短辺RS〜RS)に対して、非平行に配置した場合に比べて、ガードリングG〜Gの占めるスペースを小さくすることができる。よって、半導体歪測定装置24を小型化することが可能となる。
特に、この実施の形態の半導体歪測定装置24では、ピエゾ抵抗素子R〜Rの外周に接してガードリングG〜Gを設けている。したがって、半導体歪測定装置24の占めるスペースを、より一層、小型化することができる。
<効果7>
また、ガードリングGとピエゾ抵抗素子Rとの組、ガードリングGとピエゾ抵抗素子Rとの組、ガードリングGとピエゾ抵抗素子Rとの組、及び、ガードリングGとピエゾ抵抗素子Rとの組において、長辺間隔と短辺間隔とを等しくしている。その結果、ガードリングG〜Gを介してピエゾ抵抗素子R〜Rに印加される逆バイアス電圧の大きさを、ピエゾ抵抗素子R〜R内部で場所によらず均一にすることができる。よって、全てのピエゾ抵抗素子R〜Rで、リーク電流耐性を等しくすることができる。
特に、この実施の形態の半導体歪測定装置24では、長辺間隔及び短辺間隔を0(零)としている。したがって、ピエゾ抵抗素子R〜Rに対して印加される逆バイアス電圧は、より一層、均一化されている。
(5)圧力センサ及び半導体歪測定装置の設計条件
次に、圧力センサ10及び半導体歪測定装置24の設計条件について説明する。
<設計条件1>
この実施の形態では、リング印加電圧V(約+6V)を素子印加電圧Vin(約+3V)の約2倍の大きさとして説明した。しかし、リング印加電圧Vは、(1)ピエゾ抵抗素子R〜Rから半導体層16aに流れるリーク電流を防止でき、かつ、(2)ピエゾ抵抗素子R〜R内部を一端から他端に向けて流れる電流を阻害することがなければ、この値(約+6V)には限定されない。
好ましくは、リング印加電圧Vは、素子印加電圧Vinの1.5倍〜2.5倍の範囲の大きさとすればよい。具体的には、素子印加電圧Vinが約+3Vの場合、リング印加電圧Vは、約+4.5〜約+7.5Vとすることが好ましい。
リング印加電圧Vをこの範囲の大きさとすることにより、電気流通路が半導体層16aに形成されたとしても、ピエゾ抵抗素子R〜Rから半導体層16aに流れるリーク電流を効果的に防止できる。また、リング印加電圧Vがこの範囲の大きさであれば、ピエゾ抵抗素子R〜R内部を流れる電流を阻害することがない。
<設計条件2>
この実施の形態では、半導体層16aをn型の単結晶シリコンとし、ピエゾ抵抗素子R〜Rを半導体層16aに形成されたp型の領域とし、及びガードリングG〜Gを半導体層16aに形成されたn型の領域として説明した。
しかし、半導体層16a、ピエゾ抵抗素子R〜R、及びガードリングG〜Gの導電型は、上述と逆であってもかまわない。すなわち、半導体層16aをp型とし、ピエゾ抵抗素子R〜Rをn型とし、及びガードリングG〜Gをp型としてもよい。
ただし、この場合には、半導体層16a及びピエゾ抵抗素子R〜Rの間の逆バイアス状態を保つために、リング印加電圧V及び素子印加電圧Vinの符号も逆転する必要がある。つまり、素子印加電圧Vin及びリング印加電圧Vとしては、負の電圧を印加する必要がある。素子印加電圧Vinを、例えば約−3Vとした場合、リング印加電圧Vは、素子印加電圧Vinと同符号であり、かつ素子印加電圧Vinよりも絶対値が大きい電圧、例えば約−6Vとする必要がある。このような構成でも、ピエゾ抵抗素子R〜Rから半導体層16aに流れるリーク電流を防止することができる。
<設計条件3>
この実施の形態では、変形部である半導体層16aを電気的に浮遊した状態に保つための絶縁体として、SOI基板のSiO膜(絶縁層16b)を用いた例につき説明した。しかし、絶縁体は、SiO膜に限らず、種々な公知の電気的絶縁体を用いることができる。このような構成でも、ピエゾ抵抗素子R〜Rから半導体層16aに流れるリーク電流を防止することができる。
<設計条件4>
この実施の形態では、変形部である半導体層16aとして単結晶シリコンを用いた例につき説明した。しかし、半導体層16aは、単結晶シリコンに限らず、種々な公知の半導体を用いることができる。このような構成でも、ピエゾ抵抗素子R〜Rから半導体層16aに流れるリーク電流を防止することができる。
<設計条件5>
この実施の形態では、接続領域C12,C23及びC34により、ガードリングG〜Gを電気的に直列に接続した例につき説明した。しかし、接続領域C12,C23及びC34は必須の構成要件ではない。例えば、ガードリングG〜Gのそれぞれに対して、独立してリング印加電圧Vを印加してもよい。このような構成でも、ピエゾ抵抗素子R〜Rから半導体層16aに流れるリーク電流を防止することができる。
<設計条件6>
この実施の形態では、ガードリングG〜Gを切れ目のない環状に形成した例につき説明した。しかし、ピエゾ抵抗素子R〜Rに対して均一なリング印加電圧Vを印加できるのであれば、ガードリングG〜Gに切れ目が設けられていてもよい。このような構成でも、ピエゾ抵抗素子R〜Rから半導体層16aに流れるリーク電流を防止することができる。
<設計条件7>
この実施の形態では、ガードリングG〜Gとピエゾ抵抗素子R〜Rの組において、長辺間隔及び短辺間隔を0(零)とした例につき説明した。しかし、ピエゾ抵抗素子R〜Rに対して均一なリング印加電圧Vを印加できるのであれば、長辺間隔及び短辺間隔は0(零)である必要はない。長辺間隔及び短辺間隔は、設計に応じた任意好適な大きさとすることができる。このような構成でも、ピエゾ抵抗素子R〜Rから半導体層16aに流れるリーク電流を防止することができる。
<設計条件8>
この実施の形態では、ガードリングG〜Gとピエゾ抵抗素子R〜Rの組において、長辺間隔及び短辺間隔を等しい長さとして説明した。しかし、ピエゾ抵抗素子R〜Rに対して均一なリング印加電圧Vを印加できるのであれば、長辺間隔及び短辺間隔は等しくなくともよい。このような構成でも、ピエゾ抵抗素子R〜Rから半導体層16aに流れるリーク電流を防止することができる。
<設計条件9>
この実施の形態では、ガードリングG〜Gの幅Dを2.0μmとして説明した。しかし、しかし、ピエゾ抵抗素子R〜Rに対して均一なリング印加電圧Vを印加できるのであれば、幅Dは2.0μmには限定されない。設計に応じて任意好適な幅Dとすることができる。
<設計条件10>
この実施の形態では、ピエゾ抵抗素子R〜RのそれぞれにガードリングG〜Gを設けた例につき説明した。しかし、ピエゾ抵抗素子R〜Rから半導体層16aに流れるリーク電流を防止できるのであれば、複数のピエゾ抵抗素子からなるピエゾ抵抗素子群ごとにガードリングを設けてもよい。
例えば、ピエゾ抵抗素子R及びRからなる第1ピエゾ抵抗素子群の周囲をガードリングで囲み、及び、ピエゾ抵抗素子R及びRからなる第2ピエゾ抵抗素子群の周囲をガードリングで囲んでもよい。このような構成でも、ピエゾ抵抗素子R〜Rから半導体層16aに流れるリーク電流を防止することができる。
<設計条件11>
この実施の形態では、電圧印加部Sを、素子印加電圧Vinを印加するための電源とは別の電源としていた。しかし、素子印加電圧Vinを印加するための電源を、電圧印加部Sと共通とし、電圧印加部Sにおいて素子印加電圧Vinを昇圧してもよい。
(実施の形態2:加速度センサ)
図8〜図10を参照して、この発明の半導体歪測定装置を備えた加速度センサの好適例について説明する。
まず、図8を参照して、加速度センサ40の構成について説明する。図8(A)は、加速度センサ40の平面図である。図8(B)は、図8(A)をC−C線に沿って切断した断面切り口を示す図である。図8(C)は、図8(A)をD−D線に沿って切断した断面切り口を示す図である。
加速度センサ40は、基板54と薄膜部56とを備えている。
より詳細には、加速度センサ40は、基板54上に、基板54よりも厚みが薄い薄膜部56が積層された構造体58を加工することで形成されている。
基板54としては、例えば約350μmの厚みの単結晶シリコン基板を用いる。
薄膜部56としては、例えば約10μmの厚みのSOI基板を用いる。より詳細には、薄膜部56は、変形部としての半導体層56aと、絶縁体としての絶縁層56bとを備える。絶縁層56bは、基板54と半導体層56aとの間に介在している。絶縁層56bの厚みは、例えば約3μmとする。
半導体層56aは、絶縁層56bが基板54との間に介在する結果、基板54に対して電気的に浮遊した状態に保たれている。半導体層56aは、第1導電型としてのn型のシリコン単結晶からなる。半導体層56aの厚みは、例えば約7μmとする。
加速度センサ40は、機能的に見た場合、枠部42と、錘部44と梁部46とを備える。そして、梁部46には半導体歪測定装置49X,49Y,49Zが形成されている。
枠部42は、構造体58の加工により得られる中空四角柱状の枠体である。枠部42の上面42a側には薄膜部56が位置しており、及び、枠部42の下面42b側には基板54が位置している。枠部42の上面42a及び下面42bの平面形状は、互いに等しく正方形環状である。枠部42は、内部空間42cに面した内壁面42dを有している。つまり、内部空間42cは、内壁面42dで囲まれた空間である。
錘部44は、内壁面42dとの間に間隔を空けて内部空間42c内に配置されたブロック体であり、構造体58の加工により得られる。錘部44と内壁面42dとの間の最小間隔は、例えば約50μmとする。
錘部44は、中央錘部60と、4個の周辺錘部62とを備える。
中央錘部60は、内部空間42cのほぼ中央に位置し、断面が正方形の四角柱状である。中央錘部60の上面60a側では、基板54と半導体層56aとが絶縁層56bを介して接続されている。
周辺錘部62は、上面60aの上空から見た場合(以下、「平面視」と称する。)、中央錘部60の4頂点から対角線方向の外側に向けて延在している。周辺錘部62の立体形状は、断面がほぼ正方形の四角柱状である。4個の周辺錘部62の立体形状は互いに等しい。周辺錘部62の上面62a側では、薄膜部56が除去されている。
また、錘部44の下面44bは、厚さ方向に、例えば約10μmエッチングされている。したがって、加速度センサ40を、枠部42の下面42bを下にして平面状の載置面(不図示)に載置した場合、載置面と錘部の下面44bとの間には、幅が約10μmの隙間が形成される。
つまり、錘部44は、内壁面42dにも接触せず、載置面にも接触しない。つまり、錘部44は、空間的に浮遊した状態に保たれており、中央錘部60のみを介して梁部46に接続されている。
梁部46は、変形部に対応し、中央錘部60の上面60aと、枠部42の上面42aとを接続している。梁部46は、平面視で、中央錘部60から十字形に延在し、枠部42がなす正方形の各辺に直角に接続している。以下、十字形に延在する梁部46のそれぞれを、第1〜第4梁部46〜46と称する。
梁部46は、構造体58を加工することにより得られる。より詳細には、梁部46に対応する領域において、基板54及び絶縁層56bを除去することにより、梁部46が形成される。つまり、梁部46は、半導体層56aのみからなる薄肉板状体である。
梁部46は、錘部44を枠部42に対して可撓的に接続している。その結果、外力が作用すると、空間的に浮遊している錘部44は変位する。この変位は、錘部44が接続されている梁部46を撓ませる。つまり、梁部46は、錘部44の変位の大きさに応じた変形量で変形する。
半導体歪測定装置49X,49Y,49Zは、梁部46の上面46a側に形成されている。なお、半導体歪測定装置49X,49Y,49Zの詳細については後述するので、図8では、半導体歪測定装置49X,49Y,49Zの細部の図示を省略している。
半導体歪測定装置49Xは、X軸方向(図8)の加速度を測定するものである(以下、「X軸用」とも称する。)。半導体歪測定装置49Xは、半導体歪ゲージ48Xと、電圧印加部SXとを備える。
半導体歪ゲージ48Xは、4個のピエゾ抵抗素子RX〜RX、及びガードリングGX〜GXを備える。ここで、ピエゾ抵抗素子RX〜RXは、配線(図示せず)により互いに電気的に接続されており、図4の例に示すようなホイートストンブリッジを形成している。
ピエゾ抵抗素子RX及びRXは、この順序で中央錘部60に近づくように第1梁部46に設けられている。そして、ピエゾ抵抗素子RXの周囲をガードリングGXが、及びピエゾ抵抗素子RXの周囲をガードリングGXが、それぞれ取り囲んでいる。
ピエゾ抵抗素子RX及びRXは、この順序で中央錘部60から離間するように第3梁部46に設けられている。そして、ピエゾ抵抗素子RXの周囲をガードリングGXが、及びピエゾ抵抗素子RXの周囲をガードリングGXが、それぞれ取り囲んでいる。
ガードリングGX〜GXは、後述する接続領域CXにより互いに電気的に接続されている。
電圧印加部SXは、ガードリングGXに電気的に接続されており、ガードリングGXに対し、直流のリング印加電圧Vを印加する。ところで、ガードリングGX〜GXは、接続領域CXにより互いに電気的に接続されているので、全てのガードリングGX〜GXに共通のリング印加電圧Vが印加される。
半導体歪測定装置49Yは、Y軸方向(図8)の加速度を測定するものである(以下、「Y軸用」とも称する。)。半導体歪測定装置49Yは、半導体歪ゲージ48Yと、電圧印加部SYZとを備える。なお、電圧印加部SYZは、半導体歪ゲージ48Zとの間で共有されている。
半導体歪ゲージ48Yは、4個のピエゾ抵抗素子RY〜RYと、ガードリングGYZ〜GYZとを備える。ここで、ピエゾ抵抗素子RY〜RYは、配線(図示せず)により互いに電気的に接続されており、図4の例に示すようなホイートストンブリッジを形成している。
ピエゾ抵抗素子RY及びRYは、この順序で中央錘部60に近づくように第2梁部46に設けられている。ピエゾ抵抗素子RY及びRYは、この順序で中央錘部60から離間するように第4梁部46に設けられている。
ガードリングGYZ〜GYZは、半導体歪ゲージ48Zとの間で共有されている。ガードリングGYZ〜GYZの詳細については後述する。
半導体歪測定装置49Zは、Z軸方向(図8)の加速度を測定するものである(以下、「Z軸用」とも称する。)。半導体歪測定装置49Zは、半導体歪ゲージ48Zと、電圧印加部SYZとを備える。なお、電圧印加部SYZは、半導体歪ゲージ48Zとの間で共有されている。
半導体歪ゲージ48Zは、4個のピエゾ抵抗素子RZ〜RZと、ガードリングGYZ〜GYZとを備える。ここで、ピエゾ抵抗素子RZ〜RZは、配線(図示せず)により互いに電気的に接続されており、図4の例に示すようなホイートストンブリッジを形成している。
ピエゾ抵抗素子RZ及びRZは、この順序で中央錘部60に近づくように第2梁部46に設けられている。ピエゾ抵抗素子RZ及びRZは、この順序で中央錘部60から離間するように第4梁部46に設けられている。
ガードリングGYZ〜GYZは、半導体歪ゲージ48Yとの間で共有されている。ガードリングGYZ〜GYZの詳細については後述する。
ガードリングGYZ〜GYZは、ピエゾ抵抗素子RY及びRZ,RY及びRZ,RY及びRZ並びにRY及びRZのそれぞれの周囲を取り囲むように設けられている。
より詳細には、ガードリングGYZは、第2梁部46において、互いに接近して配置されるピエゾ抵抗素子RY及びRZの両者を取り囲んで設けられている。以下、ピエゾ抵抗素子RYとピエゾ抵抗素子RZとからなるペアをピエゾ抵抗素子群RYZと称する。
ガードリングGYZは、第2梁部46において、互いに接近して配置されるピエゾ抵抗素子RY及びRZの両者を取り囲んで設けられている。以下、ピエゾ抵抗素子RYとピエゾ抵抗素子RZとからなるペアをピエゾ抵抗素子群RYZと称する。
ガードリングGYZは、第4梁部46において、互いに接近して配置されるピエゾ抵抗素子RY及びRZの両者を取り囲んで設けられている。以下、ピエゾ抵抗素子RYとピエゾ抵抗素子RZとからなるペアをピエゾ抵抗素子群RYZと称する。
ガードリングGYZは、第4梁部46において、互いに接近して配置されるピエゾ抵抗素子RY及びRZの両者を取り囲んで設けられている。以下、ピエゾ抵抗素子RYとピエゾ抵抗素子RZとからなるペアをピエゾ抵抗素子群RYZと称する。
ガードリングGYZ〜GYZは、後述する接続領域CYZにより互いに電気的に接続されている。
電圧印加部SYZは、ガードリングGYZに電気的に接続されており、ガードリングGYZに対し、直流のリング印加電圧Vを印加する。ところで、ガードリングGYZ〜GYZは、接続領域CYZにより互いに電気的に接続されているので、全てのガードリングGYZ〜GYZに共通のリング印加電圧Vが印加される。
次に、図9及び図10を参照して、個々のピエゾ抵抗素子RX〜RX、及び、個々のピエゾ抵抗素子群RYZ〜RYZについて説明する。
図9(A)は、ピエゾ抵抗素子RX〜RXから任意に抜き出した1個のピエゾ抵抗素子RX付近の拡大平面図である。図9(B)は、図9(A)をE−E線に沿って切断した断面切り口を示す図である。図9(C)は、図9(A)をF−F線に沿って切断した断面切り口を示す図である。
まず、図9を参照して、X軸用のピエゾ抵抗素子RXの好適例について説明する。
ピエゾ抵抗素子RXは、梁部46の上面46aに設けられた凸条として形成されている。ピエゾ抵抗素子RXは、長尺な矩形状の平面形状を有している。平面視で、ピエゾ抵抗素子RXの長辺は、梁部46の延在する方向に平行に配置されている。ピエゾ抵抗素子RXは、第2導電型としてのp型の単結晶シリコンで形成されている。
ピエゾ抵抗素子RXの近傍には、コンタクト領域CAX,CAXと、配線WX,WXとが設けられている。そして、ピエゾ抵抗素子RXの周囲は、ガードリングGXで囲まれている。
コンタクト領域CAX,CAXは、ピエゾ抵抗素子RXと電気的に接続されている。詳細には、コンタクト領域CAX,CAXは、ピエゾ抵抗素子RXと配線WX,WXとの間に介在し、ピエゾ抵抗素子RXに対して電流を供給する。コンタクト領域CAX,CAXは、ピエゾ抵抗素子RXの両端部付近の半導体層56a(図8)に形成されている。コンタクト領域CAX,CAXは、平面形状が矩形状であり、矩形の長辺は梁部46の延在する方向に平行に配置されている。コンタクト領域CAX,CAXには、ピエゾ抵抗素子RXの両端部が一部オーバーラップして配置されている。コンタクト領域CAX,CAXは例えばp型とする。
ピエゾ抵抗素子RX、コンタクト領域CAX,CAX及びガードリングGXを覆って、梁部46の上面46a上には、NSG(Nondoped Silicate Glass)膜76が形成されている。NSG膜76は、ピエゾ抵抗素子RX、コンタクト領域CAX,CAX及びガードリングGXの保護膜として機能する。NSG膜76の厚みは、例えば約25nmとする。NSG膜76のコンタクト領域CAX,CAXに対応する領域には、コンタクト領域CAX,CAXに至るコンタクトホールHX,HXが形成されている。
さらに、NSG膜76上には、NSG膜76及び配線WXを覆って、シリコン窒化膜78が形成されている。シリコン窒化膜78の厚みは、例えば約20nmとする。
配線WX,WXは、コンタクトホールHX,HXを埋め込んで形成されている。配線WX,WXとコンタクト領域CAX,CAXとは電気的に接続されている。配線WX,WX及びコンタクト領域CAX,CAXを介してピエゾ抵抗素子RXには、素子印加電圧Vin(約+3V)が印加される。配線WX,WXは、ピエゾ抵抗素子RXの長辺と平行に、ガードリングGXの外側に向かって延在している。
ガードリングGXは、ピエゾ抵抗素子RXの周囲、より正確には、ピエゾ抵抗素子RX及びコンタクト領域CAX,CAXの周囲を囲んで設けられている。ガードリングGXは、半導体層56aに形成されており、高濃度第1導電型としてのn型の領域である。
ガードリングGXは、ガードリング長辺GXL,GXLと、ガードリング短辺GXS,GXSとが切れ目なく接続された矩形環状の平面形状を有している。ここで、ガードリング長辺GXL,GXLは、配線WX及びピエゾ抵抗素子RXの長辺の延在方向と平行に配置されている。また、ガードリング短辺GXS,GXSは、配線WX及びピエゾ抵抗素子RXの長辺の延在方向と直交して配置されている。なお、ガードリング長辺GXLとガードリング短辺GXSとの長さには、“ガードリング長辺GXL>ガードリング短辺GXS”という関係が成り立つ。
ガードリングGXには、素子印加電圧Vin(約+3V)と同符号であり、かつ素子印加電圧Vinよりも絶対値が大きいリング印加電圧V(約+6V)が印加される。その結果、電気的に浮遊した状態に保持されている半導体層56aは、ピエゾ抵抗素子RXに対して逆バイアス状態に保たれる。
さらに、半導体層56aには、n型(高濃度第1導電型)の領域である接続領域CXが形成されている。接続領域CXは、ガードリングGXと他のガードリング(不図示)との間を電気的に接続している。
次に、図10を参照して、Y軸及びZ軸用のピエゾ抵抗素子群RYZについて説明する。図10(A)は、ピエゾ抵抗素子群RYZ〜RYZから任意に抜き出した1個のピエゾ抵抗素子群RYZ付近の拡大平面図である。図10(B)は、図10(A)をH−H線に沿って切断した断面切り口を示す図である。図10(C)は、図10(A)をI−I線に沿って切断した断面切り口を示す図である。
ピエゾ抵抗素子群RYZを構成する2個のピエゾ抵抗素子RY及びRZのそれぞれは、ピエゾ抵抗素子RXと同様の構造である。
また、ピエゾ抵抗素子RYの周囲に設けられるコンタクト領域CAY及び配線WYのそれぞれも、ピエゾ抵抗素子RXにおけるコンタクト領域CAX及び配線WXと同様の構造である。
さらにまた、ピエゾ抵抗素子RZの周囲に設けられるコンタクト領域CAZ及び配線WZのそれぞれも、ピエゾ抵抗素子RXにおけるコンタクト領域CAX及び配線WXと同様の構造である。
したがって、これらの部品については説明を省略し、ピエゾ抵抗素子群RYZとピエゾ抵抗素子RXとの相違点を中心に説明する。
ピエゾ抵抗素子群RYZは、ピエゾ抵抗素子RYとピエゾ抵抗素子RZとから構成される。ピエゾ抵抗素子RYとピエゾ抵抗素子RZとは互いに同形であり、平行に配置されている。ピエゾ抵抗素子群RYZの周囲は共通のガードリングGYZで囲まれている。
ピエゾ抵抗素子群RYZにおいては、NSG膜90は、ピエゾ抵抗素子RY及びRZ、コンタクト領域CAY及びCAZ、並びにガードリングGYZを覆って、梁部46の上面46a上に形成されている。
ガードリングGYZは、ピエゾ抵抗素子群RYZの周囲、より正確には、ガードリングGYZは、ピエゾ抵抗素子RY及びRZ、並びに、コンタクト領域CAY,CAY及びCAZ,CAZの周囲を囲んで設けられている。ガードリングGYZは、高濃度第1導電型としてのn型の領域であり、半導体層56aに形成されている。
ガードリングGYZは、ガードリング長辺GYZL,GYZLと、ガードリング短辺GYZS,GYZXとが切れ目なく接続された矩形環状の平面形状を有している。ここで、ガードリング長辺GYZL,GYZLは、配線WY及びWZ並びにピエゾ抵抗素子RY及びRZの長辺の延在方向と平行に配置されている。また、ガードリング短辺GYZS,GYZSは、配線WY及びWZ並びにピエゾ抵抗素子RY及びRZの長辺の延在方向と直交して配置されている。なお、ガードリング長辺GYZLとガードリング短辺GYZSとの長さには、“ガードリング長辺GYZL>ガードリング短辺GYZS”という関係が成り立つ。
ガードリングGYZには、素子印加電圧Vin(約+3V)と同符号であり、かつ素子印加電圧Vinよりも絶対値が大きいリング印加電圧V(約+6V)が印加される。その結果、電気的に浮遊した状態に保たれている半導体層56aは、ピエゾ抵抗素子群RYZに対して逆バイアス状態に保たれる。
さらに、半導体層56aには、n型(高濃度第1導電型)の領域である接続領域CYZが形成されている。接続領域CYZは、ガードリングGYZと他のガードリング(不図示)との間を電気的に接続している。
次に、加速度センサ40及び半導体歪測定装置49X,49Y,49Zの動作について説明する。
加速度センサ40を用いて、加速度を測定するに当たっては、配線WX,WY及びWZに素子印加電圧Vin(約+3V)を、及びガードリングGX及びGYZにリング印加電圧V(約+6V)を、それぞれ印加する。
加速度センサ40に測定すべき外力が加わると、錘部44が外力の大きさに応じて変位する。錘部44が変位すると、錘部44を枠部42に対して可撓的に支持している梁部46が撓む(変形する)。
すると、半導体歪測定装置49X,49Y及び49Zを構成するピエゾ抵抗素子RX〜RX,RY〜RY及びRZ〜RZの電気抵抗値が梁部46の変形量に応じて変化する。その結果、半導体歪測定装置49X,49Y及び49Zのそれぞれが構成するホイートストンブリッジの出力電圧Voutが変化する。
この出力電圧Voutを、加速度センサ40の制御部等にあらかじめ記憶された変換式で変換することにより加えられた加速度の方向と大きさとが求められる。
また、上述のように、ガードリングGX及びGYZには、素子印加電圧Vinよりも大きなリング印加電圧Vが印加されている。その結果、ピエゾ抵抗素子RX〜RX,RY〜RY及びRZ〜RZと、半導体層56aとは逆バイアス状態に保たれる。したがって、半導体層56aに結露等により電気流通路が形成されたとしても、ピエゾ抵抗素子RX〜RX,RY〜RY及びRZ〜RZから半導体層56aへとリーク電流が流れることがない。
次に、加速度センサ40及び半導体歪測定装置49X,49Y,49Zの奏する効果について説明する。
半導体歪測定装置49X,49Y,49Zは、実施の形態1で説明した半導体歪測定装置24と構成が同じである。したがって、半導体歪測定装置49X,49Y,49Zは、実施の形態1で説明したと同様の効果を奏する。
特に、この実施の形態の半導体歪測定装置49X,49Y,49Zでは、ガードリング長辺GXL,GYZLを、梁部46及び配線WX,WY,WZの延在方向と平行に配置し、かつ、ガードリング短辺GXS,GYZSを、梁部46及び配線WX,WY,WZの延在方向と直交して配置している。これにより、ガードリングGX,GYZの平面形状を矩形環状とすることができる。
さらに、ガードリング長辺GXL,GYZLの長さを、ガードリング短辺GXS,GYZSの長さよりも長くすることにより、ガードリングGX,GYZを、個々のピエゾ抵抗素子RX、及び、個々のピエゾ抵抗素子群RYZを過不足なく取り囲む平面形状とすることができる。
その結果、ガードリングGX,GYZの占めるスペースを小さくすることができる。これにより、梁部46の幅を狭くすることが可能となり、より感度のよい加速度センサ40を得ることができる。
また、この実施の形態では、ピエゾ抵抗素子群RYZの周囲をガードリングGYZで取り囲んでいる。つまり、間隔が短いために、独立にはガードリングを設置できない、2個のピエゾ抵抗素子RY及びRZを、1個のガードリングGYZで囲んでいる。
これにより、ピエゾ抵抗素子RY及びRZに対して、リーク電流を防止できる大きさの逆バイアス電圧を、実用上十分な均一さで印加できる。
次に、加速度センサ40及び半導体歪測定装置49X,49Y,49Zの設計条件について説明する。
半導体歪測定装置49X,49Y,49Zは、実施の形態1で説明した半導体歪測定装置24と構成が同じである。したがって、半導体歪測定装置49X,49Y,49Zは、実施の形態1で説明したと同様に設計条件を変更できる。
(A)は、実施の形態1の圧力センサの一部切欠斜視図である。(B)は、実施の形態1の圧力センサを(A)のA−A線に沿って切断した断面切り口を示す図である。 実施の形態1のセンサチップの拡大断面図である。 (A)は、実施の形態1のセンサチップの薄膜部上における要部拡大平面図を示す。(B)は、実施の形態1のセンサチップのシリコン酸化膜上における要部拡大平面図である。 ホイートストンブリッジの回路構成を示す図である。 (A)及び(B)は、実施の形態1の圧力センサの動作の説明に供する図である。 (A)及び(B)は、実施の形態1の圧力センサの製造工程の説明に供する図である。 (A)及び(B)は、実施の形態1の圧力センサの製造工程の説明に供する図である。 (A)は、実施の形態2の加速度センサの平面図である。(B)は、(A)をC−C線に沿って切断した断面切り口を示す図である。(C)は、(A)をD−D線に沿って切断した断面切り口を示す図である。 (A)は、任意に抜き出した1個のピエゾ抵抗素子付近の拡大平面図である。(B)は、(A)をE−E線に沿って切断した断面切り口を示す図である。(C)は、(A)をF−F線に沿って切断した断面切り口を示す図である。 (A)は、任意に抜き出した1個のピエゾ抵抗素子群付近の拡大平面図である。(B)は、(A)をH−H線に沿って切断した断面切り口を示す図である。(C)は、(A)をI−I線に沿って切断した断面切り口を示す図である。
符号の説明
10 圧力センサ
12 収納容器
12a 収納空間
12b 底板
12c 開口
12d パイプ
14 センサチップ
16 薄膜部
16a 半導体層
16b 絶縁層
16c 上面
18 基板
18a 第1面
18b 第2面
18c 穴
20 ダイアフラム部
22 周辺部
24 半導体歪測定装置
25 半導体歪ゲージ
〜R ピエゾ抵抗素子
〜G ガードリング
12,C23,C34 接続領域
T 端子
S,SX,SYZ 電圧印加部
26 シリコン酸化膜
28 コンタクトホール
W1〜W6,WG,WX,WY,WZ 配線
30 シリコン窒化膜
32 スルーホール
L〜RL 長辺
S〜RS 短辺
E1 第1中間電極
E2 第2中間電極
L〜GL ガードリング長辺
S〜GS ガードリング短辺
34 積層基板
34b 裏面
40 加速度センサ
42 枠部
42a 上面
42b 下面
42c 内部空間
42d 内壁面
44 錘部
44b 下面
46 梁部
46a 上面
46〜46 第1〜第4梁部
48X,48Y,48Z 半導体歪ゲージ
49X,49Y,49Z 半導体歪測定装置
54 基板
56 薄膜部
56a 半導体層
56b 絶縁層
58 構造体
60 中央錘部
60a 上面
62 周辺錘部
62a 上面
76,90 NSG膜
78 シリコン窒化膜
RX,RX〜RX,RY,RY〜RY,RZ,RZ〜RZ ピエゾ抵抗素子
RYZ,RYZ〜RYZ ピエゾ抵抗素子群
GX,GX〜GX,GYZ,GYZ〜GYZ ガードリング
GXL,GYZL ガードリング長辺
GXS,GYZS ガードリング短辺
CAX,CAY,CAZ コンタクト領域
HX,HY,HZ コンタクトホール
CX,CYZ 接続領域

Claims (15)

  1. 第1導電型の半導体層で形成されており、測定すべき外力を受けて変形し、かつ電気的に浮遊した変形部と、
    該変形部とは反対の導電型である第2導電型の部分として当該変形部に形成され、かつ該変形部の変形量に応じて電気抵抗の大きさが変化する複数のピエゾ抵抗素子と、
    不純物濃度が前記変形部の不純物濃度よりも高い高濃度第1導電型の領域として、前記ピエゾ抵抗素子の周囲を囲むように前記変形部に形成されたガードリングとを備えた半導体歪ゲージ、及び
    前記ピエゾ抵抗素子に対する印加電圧と同符号であり、かつ該印加電圧よりも絶対値が大きい電圧を、前記ガードリングを介して前記変形部に印加する電圧印加部を備えることを特徴とする半導体歪測定装置。
  2. 前記変形部に印加する前記電圧の絶対値は、前記ピエゾ抵抗素子に対する前記印加電圧の1.5倍〜2.5倍の範囲の大きさであることを特徴とする請求項1に記載の半導体歪測定装置。
  3. 第1導電型の半導体層で形成されており、測定すべき外力を受けて変形し、かつ電気的に浮遊した変形部と、
    該変形部とは反対の導電型である第2導電型の部分として当該変形部に形成され、かつ該変形部の変形量に応じて電気抵抗の大きさが変化する複数のピエゾ抵抗素子と、
    不純物濃度が前記変形部の不純物濃度よりも高い高濃度第1導電型の領域として、前記ピエゾ抵抗素子の周囲を囲むように前記変形部に形成されたガードリングとを備えた半導体歪ゲージ、及び
    前記変形部と複数の前記ピエゾ抵抗素子との間を逆バイアスに保つ共通の電圧を、前記ガードリングを介して前記変形部に印加する電圧印加部を備えることを特徴とする半導体歪測定装置。
  4. 前記半導体歪測定装置が、前記変形部を電気的に浮遊した状態に保つ絶縁体をさらに備え、該絶縁体に接して前記変形部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体歪測定装置。
  5. 前記ガードリングが複数個設けられている場合に、複数の当該ガードリングが、前記変形部に形成された前記高濃度第1導電型の接続領域により互いに電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体歪測定装置。
  6. 前記ガードリングが、前記ピエゾ抵抗素子のそれぞれの周囲を囲んで配置されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体歪測定装置。
  7. 個々の前記ピエゾ抵抗素子が矩形状の平面形状を有し、該ピエゾ抵抗素子に接続された配線が当該ピエゾ抵抗素子の長辺に対して平行に延在し、
    前記ガードリングは、当該配線に平行な2本の辺であるガードリング長辺と、当該配線に直交する2本の辺であるガードリング短辺とが環状に接続された矩形状の平面形状を有しており、
    前記ガードリング短辺の長さよりも前記ガードリング長辺の長さが大きいことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体歪測定装置。
  8. 前記ガードリング長辺と前記ピエゾ抵抗素子の前記長辺との間の間隔、及び、前記ガードリング短辺と前記ピエゾ抵抗素子の短辺との間の間隔が互いに等しいことを特徴とする請求項7に記載の半導体歪測定装置。
  9. 2個以上の前記ピエゾ抵抗素子を含むピエゾ抵抗素子群を考えたときに、前記ガードリングが、当該ピエゾ抵抗素子群のそれぞれの周囲を囲んで配置されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体歪測定装置。
  10. 複数の前記ピエゾ抵抗素子により、ブリッジ型回路が構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の半導体歪測定装置。
  11. 4個の前記ピエゾ抵抗素子により、前記ブリッジ型回路としてのホイートストンブリッジが形成されていることを特徴とする請求項10に記載の半導体歪測定装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の半導体歪測定装置を備えた圧力センサであって、
    該半導体歪測定装置が形成された前記変形部としての薄膜部と、第1面から第2面にかけて貫通した穴が形成された基板とを備えたセンサチップ、及び、収納容器を備え、
    前記薄膜部は、前記第1面側の前記穴の全面を覆うダイアフラム部と、該ダイアフラム部の周辺の前記第1面に気密に接続された周辺部とに区画され、
    前記収納容器は、前記ダイアフラム部の前記第1面側を気密に密閉し、かつ、前記ダイアフラム部の前記第2面側を外界と連通させるように配置されていることを特徴とする圧力センサ。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の半導体歪測定装置を備えた加速度センサであって、
    平面形状が枠状に形成された枠部と、
    前記枠部に囲まれた内部空間に、当該枠部の内壁面とは間隔を空けて配置されており、測定すべき前記外力を受けて変位可能とされた錘部と、
    該錘部を前記枠部に可撓的に接続し、前記錘部の前記変位に応じた大きさだけ撓む、前記変形部としての梁部とを備え、
    該梁部に前記半導体歪測定装置が形成されていることを特徴とする加速度センサ。
  14. 第1導電型の半導体層で形成されており、測定すべき外力を受けて変形し、かつ電気的に浮遊した変形部と、
    該変形部とは反対の導電型である第2導電型の部分として当該変形部に形成され、かつ該変形部の変形量に応じて電気抵抗の大きさが変化する複数のピエゾ抵抗素子と、
    不純物濃度が前記変形部の不純物濃度よりも高い高濃度第1導電型の領域として、前記ピエゾ抵抗素子の周囲を囲むように前記変形部に形成されたガードリングとを備えた半導体歪ゲージを用いて前記変形部に生じた歪みの大きさを測定するに当り、
    前記ピエゾ抵抗素子に対する印加電圧と同符号であり、かつ該印加電圧よりも絶対値が大きい電圧を、前記ガードリングを介して前記変形部に印加することを特徴とする歪測定方法。
  15. 第1導電型の半導体層で形成されており、測定すべき外力を受けて変形し、かつ電気的に浮遊した変形部と、
    該変形部とは反対の導電型である第2導電型の部分として当該変形部に形成され、かつ該変形部の変形量に応じて電気抵抗の大きさが変化する複数のピエゾ抵抗素子と、
    不純物濃度が前記変形部の不純物濃度よりも高い高濃度第1導電型の領域として、前記ピエゾ抵抗素子の周囲を囲むように前記変形部に形成されたガードリングとを備えた半導体歪ゲージを用いて前記変形部に生じた歪みの大きさを測定するに当り、
    前記変形部と複数の前記ピエゾ抵抗素子との間を逆バイアスに保つ共通の電圧を、前記ガードリングを介して前記変形部に印加することを特徴とする歪測定方法。
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