JP2009049026A - 半導体圧力センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成、ダイヤフラム部の厚さの制御等も容易で、高歩留まり、低コスト、かつ温度依存性が低く、高感度の半導体圧力センサを提供する。
【解決手段】複数のショットキーバリアダイオードが半導体基板17に、分散して形成されている。各ショットキーバリアダイオードD1、D2、D3、D4は、バリア膜、電極、半導体基板で構成されている。バリア膜1、3、5、7と半導体基板17とを接触させることで、半導体基板17側の接触面に空乏層が生じ、ショットキー障壁が発生する。このショットキー接合部分が、半導体基板17におけるダイヤフラム領域18に含まれており、圧力を感知する領域となる。
【選択図】 図1
【解決手段】複数のショットキーバリアダイオードが半導体基板17に、分散して形成されている。各ショットキーバリアダイオードD1、D2、D3、D4は、バリア膜、電極、半導体基板で構成されている。バリア膜1、3、5、7と半導体基板17とを接触させることで、半導体基板17側の接触面に空乏層が生じ、ショットキー障壁が発生する。このショットキー接合部分が、半導体基板17におけるダイヤフラム領域18に含まれており、圧力を感知する領域となる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、圧力を感知するために用いられる半導体圧力センサに関する。
近年、半導体集積回路の製作に用いられる半導体微細加工技術を生かして、物理的な動きをする超小型の機械(マイクロマシン)を製作する、マイクロマシニングと呼ばれる技術が脚光を浴びており、このマイクロマシニングを生かして半導体圧力センサ等の半導体センサの開発が進んでいる。半導体圧力センサは、自動車、家庭電化製品、工業計測機器等に広範囲に使用されている。
半導体圧力センサでは、主にシリコンダイヤフラム型圧力センサが用いられている。この圧力センサでは、シリコンにホウ素を選択的に拡散させ、拡散抵抗体を形成し、拡散抵抗体のピエゾ抵抗効果を利用して圧力を検出している。図16は、従来のピエゾ抵抗効果型の半導体圧力センサの構造を示すものであり、(a)は縦断面構造、(b)は平面構造を示す。
図16の半導体チップ50は、シリコン(Si)からなり、略平板状の形状を有する。半導体チップ50は、台座52を残して、テーパー部53が形成されるように中央部に円錐台形状の開口穴が作成され、半導体チップ50の中央部分には、薄肉化した直径Wのダイヤフラム部(弾性部)54が形成されている。ダイヤフラム部54の上面には、ピエゾ効果を有する拡散抵抗体51が形成されている。
この半導体圧力センサで圧力を検出する際には、半導体チップ50の下部からダイヤフラム部54に向けて圧力を導入する。この圧力により、ダイヤフラム部54に凹凸変形が生じ、この凹凸変形により拡散抵抗体51が伸縮し(歪み)、シリコン結晶の原子間距離が変化して拡散抵抗体51の抵抗値が変わるという、いわゆるピエゾ効果を利用して抵抗値の変化から圧力を検出している。
特開平6−163941号公報
特開平5−340828号公報
上記従来の半導体圧力センサでは、ピエゾ抵抗効果は微小であるのに対し、シリコンは温度変化による抵抗変化も大きいため、4つの拡散抵抗体51をブリッジ結合して信号を取り出す方式を用いている。また、ダイヤフラム部54の厚さtは、上下の圧力差により敏感に凹凸変形するように、通常約20μm以下の薄膜としており、このダイヤフラム部54を形成するためにアルカリエッチング等を行うが、一定の精度に制御することが難しいので、歩留まりが悪く、コストもかかっていた。
さらに、温度変化による零点のずれ補償や出力感知のずれ補償、ダイヤフラム部の厚さのバラツキから生ずる出力感度の差異調整を行うために、外付け抵抗を設ける必要があった。以上の理由により、製造工程数が増え、リードタイムやコストが増大していた。
ところで、半導体圧力センサの感度Sは、S=A×(W/t)2と表される。ここで、Aは比例定数である。したがって、感度Sを向上させるためには、ダイヤフラム部54の厚さtはできるだけ薄く、ダイヤフラム部54の直径Wは、できるだけ大きくする必要がある。
しかし、ダイヤフラム部54の厚さtを一層薄くする場合には、上述したように、一定の精度に制御することがより困難になり、薄くするのにも限界が発生する。また、近年、半導体圧力センサへの小型化の要請は強く、直径Wを大きくすることは実質的に不可能である。以上のように半導体圧力センサの感度を向上させることが容易ではなかった。
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、簡単な構成、ダイヤフラム部の厚さの制御等も容易で、高歩留まり、低コスト、かつ温度依存性が低く、高感度の半導体圧力センサを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ダイヤフラムの歪みにより圧力を検出する半導体圧力センサであって、前記ダイヤフラムにはショットキー接合部が複数分散配置されていることを特徴とする半導体圧力センサである。
また、請求項2記載の発明は、前記ショットキー接合部が、半導体にバリア膜を接触させて形成していることを特徴とする請求項1記載の半導体圧力センサである。
また、請求項3記載の発明は、前記ショットキー接合部が、ホイートストンブリッジ回路を構成していることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の半導体圧力センサである。
また、請求項4記載の発明は、前記半導体に形成された電極と、前記バリア膜と、前記半導体とでショットキーバリアダイオードを構成していることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載の半導体圧力センサである。
また、請求項5記載の発明は、前記ショットキーバリアダイオードに順方向電流を流し、ショットキー接合部の抵抗値の変化により圧力を検出することを特徴とする請求項4記載の半導体圧力センサである。
また、請求項6記載の発明は、前記ショットキーバリアダイオードのアノード側又はカソード側と接続されるパッド電極を備えたことを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれか1項に記載の半導体圧力センサである。
本発明によれば、圧力の感知部分にショットキー接合を用いることで高感度にすることができる。また、複数のショットキー接合部がダイヤフラムに分散して形成されているので、ダイヤフラムのたわみのムラによって発生する応力分布の非対称性の影響を低減することができる。また、圧力の検出にショットキーバリアダイオードの順方向特性を用いているため、温度依存性が低いセンサとすることができる。さらに、ショットキー接合部を複数用いることで、1つのショットキー接合部を用いるよりも感度を向上させることができ、ダイヤフラムの厚さを厚くしても高感度を保つことができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明による半導体圧力センサの構造を示し、図1は平面図を、図2は側面図を示す。
本発明の半導体圧力センサは、複数のショットキーバリアダイオードがn型又はp型の半導体基板17に、分散して形成されている。D1、D2、D3、D4はショットキーバリアダイオードを示し、各ショットキーバリアダイオードは、バリア膜、電極、半導体基板で構成されている。
ショットキーバリアダイオードD1は、バリア膜1と電極2と半導体基板17とで、ショットキーバリアダイオードD2は、バリア膜3と電極4と半導体基板17とで、ショットキーバリアダイオードD3は、バリア膜5と電極6と半導体基板17とで、ショットキーバリアダイオードD4は、バリア膜7と電極8と半導体基板17とで構成されている。図からわかるように、各電極2、4、6、8は、バリア膜を囲むようにして、半円形状に形成されている。各ショットキーバリアダイオードにおいて、金属で構成されるバリア膜1、3、5、7と半導体基板17とを接触させることで、半導体基板17側の接触面に空乏層が生じ、ショットキー障壁が発生する。
上記のように各バリア膜1、3、5、7と半導体基板17とが接触して形成されている各ショットキー接合部分が、半導体基板17におけるダイヤフラム領域18(図の点線で囲まれた領域)に含まれており、圧力を感知する領域となる。ダイヤフラム領域18以外の部分は、後述するように、例えば図12のように台座部を設けるようにしても良い。また、図15のように台座部を形成せずに、ダイヤフラム領域18に適合する内径を有する圧力導入管に直接接合するようにしても良い。
ショットキー接合を生じさせるためには、半導体基板17にn型半導体基板を用いる場合には、各バリア膜1、3、5、7の仕事関数がn型の半導体基板17の仕事関数よりも大きくなるように、各バリア膜とn型の半導体基板17の材料を選ぶようにする必要がある。例えば、バリア膜は、Pt等のバリアメタルとAl等の金属の複合膜が用いられ、n型の半導体基板17にはn型不純物がドープされたシリコン基板等が用いられる。なお、バリアメタルとなる材料としては、Pt以外に、Ti、Mo、W、Al、V、Pd、Au等がある。この場合、各バリア膜はアノード(正電極)側になり、電極2、4、6、8の各電極はカソード(負電極)側となる。
一方、半導体基板17としてn型半導体基板の替りにp型半導体基板を用いても良く、この場合にはp型半導体基板の仕事関数がバリア膜の仕事関数よりも大きくなるように材料を選んでショットキー接合を形成するようにする。この場合は、各バリア膜はカソード(負電極)側となり、各電極はアノード(正電極)側となる。
各電極2、4、6、8は、半導体基板17に不純物濃度を非常に高めたn+拡散層又はp+拡散層を形成することにより作製される。n型の半導体基板17を用いる場合には、電極2、4、6、8は、n+拡散層で構成される。
本実施例では、n型の半導体基板17とし、電極2、4、6、8は、n+拡散層で構成されたものとして説明する。この場合、カソード電極としての電極2、4、6、8と、対応するアノード電極としてのバリア膜1、3、5、7との間を導通させて順方向電流を流す。
D1〜D4の各ショットキーバリアダイオードに順方向電流を流すために、定電流源等を接続する入力端子としてパッド電極13、15が設けられている。パッド電極13は配線9によってバリア膜1、5と接続されている。パッド電極15は配線11によって電極4、8と接続されている。また、各ショットキーバリアダイオードに順方向電流を流したときに、順方向電圧変化を取り出せるように、出力端子としてパッド電極14、16が設けられている。パッド電極14は配線10によって電極2とバリア膜3に接続されている。パッド電極16は配線12によって電極6とバリア膜7とに接続されている。なお、配線9、10、11、12とパッド電極13、14、15、16は各々Al(アルミニウム)で形成されている。
以上のように構成された半導体圧力センサの大きさは、例えば、長さLが1.5mmの正方形状とすることができ、比較的小さい圧力センサに形成することができる。
ダイヤフラム領域18に圧力が導入されると、ダイヤフラム領域18に歪みが生じるが、この歪みは、各バリア膜1、3、5、7とn型半導体基板17との各ショットキー接合部に歪みを生じさせるので、各ショットキー接合部の抵抗が変化して順方向電圧が変化し、導入された圧力と順方向電圧の変化との関係から圧力を検知することができる。
ところで、本発明の半導体圧力センサは、ダイヤフラム領域18にショットキー接合部を1つだけではなく、複数分散配置させた構成となっている。このようにすることで、後述するように、1つのショットキー接合部を備えた半導体圧力センサよりも感度を大きくすることができる。
例えば、図5は、図1の構成に対応させてショットキーバリアダイオードが4つ形成されている状態を模式的に示したものであるが、圧力が導入されてダイヤフラムに歪みが発生すると、ダイヤフラムの中央部付近に形成されているショットキーバリアダイオードD2、D3に対応するショットキー接合部には引張応力が働き、ダイヤフラムの周辺部に形成されているショットキーバリアダイオードD1、D4に対応するショットキー接合部には圧縮応力が働く。
ショットキーバリアダイオードの順方向電流IFと順方向出力電圧VFとの間には図6に示すような関係が存在する。ここで、圧縮応力と引張応力の力の大きさはほぼ同じであるとする。圧力がかからずに、ショットキー接合部に歪みが生じていない時点では、実線で記載された初期特性(イニシャル)を示すが、ショットキー接合部が圧縮応力の作用で縮んだ場合には、破線で表す特性を示し、所定の順方向電流で比較すると、VFはイニシャル時の値よりもΔVFだけ小さくなる。
一方、ショットキー接合部が引張応力の作用で伸びた場合には、一点鎖線で表す特性を示し、圧縮応力の場合と同じ順方向電流で比較すると、VFはイニシャル時の値よりもΔVFだけ大きくなる。そして、この2つのショットキーバリアダイオードを順方向に直列に接続すれば、その接続点では2ΔVの変動幅を得ることができる。
したがって、2つのショットキーバリアダイオードをダイヤフラムに形成した場合、一方を引張応力が働く範囲に、他方を圧縮応力が働く範囲に分散配置することにより、感度を最大2倍にすることができる。また、ダイヤフラムの撓みは一様ではなく、ムラが発生するが、ショットキー接合部を分散配置することにより、そのムラの影響を小さくすることができ、安定した出力特性を得ることができる。以上の原理を応用して、分散配置するショットキー接合部の数を増やしていけば、さらに感度を高め、応力のムラの影響を少なくすることができる。
一方、ショットキーバリアダイオードを用いた半導体圧力センサでは、ウエハ(半導体基板17)の厚さを通常のダイオード素子よりも薄く研削するために、半導体基板17に割れや欠けが発生する確率が高い。例えば、半導体圧力センサの搬送中や設置時に半導体基板17で構成されるダイヤフラムが割れたり、圧力の測定回数が多いとダイヤフラムに疲労破壊が生じたりする。
ところが、ダイヤフラムの割れや欠けを防ぐために、半導体基板17の厚さを厚くすると感度が低下してしまうという問題があった。しかし、本発明のように、ショットキー接合部をダイヤフラムに分散配置することで、1つのショットキー接合部を備えた半導体圧力センサよりも感度を2倍以上に高めることが可能になるので、半導体基板17の厚さを厚くしても、感度を高く維持することができ、ダイヤフラムの割れや欠けの発生を抑制することができる。
図1に示す半導体圧力センサは、分散配置するショットキー接合部の数を増やして、4個のショットキー接合部をダイヤフラムに分散配置したものである。
図1ではショットキー接合部を有する4個の各ショットキーバリアダイオードをD1〜D4で表しているが、これを電気回路として表せば、図3の回路と等価になる。入力端子であるパッド電極13を正極、パッド電極15を負極にして、電源電圧(動作電流)を入力し、出力端子であるパッド電極14とパッド電極16との間から出力電圧を取り出す。
図3に示されるように、D1〜D4はホイートストンブリッジ回路を形成しており、ショットキーバリアダイオードD1〜D4の各内部抵抗をR1〜R4で表せば、図4の回路と等価になる。入力端子IN1(パッド電極13)とIN2(パッド電極15)との間に
順方向の動作電流が加えられている場合、ショットキーバリアダイオードのショットキー接合部に歪みが生じると、R1〜R4が変化するが、このR1〜R4の変化によって発生する電圧差を出力端子、すなわちOUT2(パッド電極14)とOUT1(パッド電極16)との間から取り出す。
順方向の動作電流が加えられている場合、ショットキーバリアダイオードのショットキー接合部に歪みが生じると、R1〜R4が変化するが、このR1〜R4の変化によって発生する電圧差を出力端子、すなわちOUT2(パッド電極14)とOUT1(パッド電極16)との間から取り出す。
例えば、ショットキーバリアダイオードD1〜D4に、同じ構成のものを用いて、R1=R2=R3=R4=Rとすべての内部抵抗を等しくしておく。ショットキー接合部に歪みが発生していない状態、すなわち初期状態では、ホイートストンブリッジ回路のOUT1とOUT2との間の電圧差は0で平衡状態となる。次に、半導体基板17のダイヤフラム領域18に圧力が加わり撓みが生じると、R1〜R4の抵抗値は変化する。
図5に示したように、ダイヤフラム領域18の中央部に形成されているD2、D3には引張応力が、ダイヤフラム領域17の周辺部に形成されているD1、D4には圧縮応力が作用するので、圧縮応力による歪みと引張応力による歪みとが同じ程度であれば、図6に示すように2つのショットキーバリアダイオードでの接続点で2ΔVFの電圧差が生じる。したがって、図4のOUT1では最大−2ΔVFの電圧変動となり、一方OUT2では、最大+2ΔVFの電圧変動となるので、出力端子OUT1、OUT2間の電圧差は最大で4ΔVFとなり、1つのショットキーバリアダイオードによって圧力を感知する場合と比較して最大で4倍の感度となる。
図7は、本発明の半導体圧力センサにおける1つのショットキーバリアダイオードの順方向電流密度(105A/m2)と順方向出力電圧(mV)の特性を示す。バリア膜としては、ショットキーのバリアメタルとしてPtを用い、この上にAlの膜を形成した複合金属膜を用いた。半導体圧力センサの素子温度が−25℃の場合、25℃の場合、75℃の場合の各曲線が示されている。順方向電流iFを増加させていくと、出力電圧VFも増加していき、最初の立ち上がり部分では、特性は異なっているが、順方向電流密度iFが1.35〜1.4(105A/m2)の中間点付近で、曲線はほぼ一致し、素子温度が異なっていてもほぼ一致した軌跡を描く。素子温度を変化させた場合に、VF−iF曲線が交わり、一致する領域をゼロクロスポイントと呼ぶ。
ゼロクロスポイントは、温度依存性が非常に小さい高電流密度域であることがわかる。高電流密度域で半導体圧力センサを動作させることで、温度の変化にかかわらず、精度の良い測定を行うことができる。ゼロクロスポイント付近を動作点として動作電流を決定し、定電流源により動作電流を流すようにすれば、温度変化の影響を受けることなく、センサとして正確に動作する。
図8は、従来の拡散抵抗型の半導体圧力センサと、ショットキー接合型の半導体圧力センサとの温度変化による出力電圧変動の比較を示す。図7のグラフにおける素子温度25℃の出力電圧VFを基準として、1℃当たりの出力電圧の変動を示している。従来の拡散抵抗型であると、動作電流をどこに変化させても、1℃当たりの出力電圧のバラツキは平均して0.25%程度あるのに対して、ショットキー接合型であると、動作電流を図に示すゼロクロスポイント近辺に設定すると、1℃当たりの出力電圧のバラツキは0.03%以下に抑えることができ、非常に温度依存性の小さい半導体圧力センサを形成することができる。したがって、従来のように温度補正用の回路等を付加する必要がない。
図10は、半導体圧力センサのダイヤフラム厚(μm)と出力電圧の大きさとの関係を示す。図1のように、4つのショットキーバリアダイオードでホイートストンブリッジ回路を構成した半導体圧力センサをX2で表し、図9のように1つのショットキーバリアダイオードで構成された比較用半導体圧力センサをX1で表す。図9の比較用半導体圧力センサは、図1と同じ材料を用いて、ショットキーバリアダイオード20を1つだけ形成して台座部30を形成した。図10からもわかるように、X2とX1との感度差は、ダイヤフラム厚によって異なるが、ダイヤフラム厚が約50μm以下になれば、X2の感度は、X1の感度の約4倍になっていることが読み取れる。
図11は、実際に圧力を導入したときの圧力の変化に対する出力電圧の変化を示す。大気圧下における出力電圧を基準とした場合の加圧下における出力電圧変化量ΔVを縦軸に示す。ショットキー接合型の半導体圧力センサでは、上記ゼロクロスポイントにおける順方向電流を動作電流とし、定電流源でこの順方向電流を一定にし、バリア膜として、ショットキーのバリアメタルとしてPtを用い、この上にAlの膜を形成した複合金属膜を用いた。本発明の4つのショットキーバリアダイオードを用いた半導体圧力センサをY3の曲線で、1つのショットキーバリアダイオードを用いた比較用半導体圧力センサをY2の曲線で、従来の拡散抵抗型の半導体圧力センサをY3の曲線で示す。Y3はダイヤフラム厚50μm、Y2はダイヤフラム厚50μm、Y1はダイヤフラム厚20μmのものが用いられている。また、直線性はY3が±0.35%FS、Y2が±0.59%FS、Y3が±0.6%FSとなった。このように、ダイヤフラム厚を50μmとしても、本発明のY3の半導体圧力センサが最も高い感度を示し、直線性も最も良いものとなっている。
次に、本発明の半導体圧力センサのダイヤフラムに圧力を加える場合に、図12のように台座部31を設けることが多いが、図13のように台座部を設けずに、半導体圧力センサを圧力導入管上に取り付けた構造とすることができる。台座部を設けた場合よりも素子の高さを低くすることができる。
通常、台座部31はシリコン基板等を用いて、テーパ−状にくり貫かれた開口部を形成しており、台座部31と半導体圧力センサとは熱硬化樹脂等からなる接合層32で接合されている。しかしながら、台座部31を有する構造であると、台座部を形成した後、半導体圧力センサに接合層32を介して貼り合せを行う必要があるために、チップコスト上昇、リードタイムが増加するという欠点があった。しかし、図13のように、台座部を設けず、図15のように、圧力導入管41上に直接接合すると、以上の問題が解消される。
また、ダイヤフラム領域、すなわち半導体圧力センサを形成している半導体基板17の厚さが薄いほど感度が向上するが、台座部31を形成しないでおくことで、圧力導入側の半導体基板17の面が接合層32で覆われることを避けることができ、少しでも感度が劣化することを防止することができる。
図15は、台座部を設けていない半導体圧力センサを圧力導入管41上に設けた例を示す。圧力が導入される圧力導入管41の上端の上に本発明の半導体圧力センサが取り付けられている。圧力導入管41に形成された圧力導入孔42から圧力が導入されると、半導体基板が撓み、出力電圧が変化するので、その電圧変化をリード線46を介してリードピン47から取り出す。
また、半導体圧力センサは中空部44を除いて樹脂モールド43で覆われており、リードピン47により基台や基板に固定される。中空部46を設けているのは、仮にセンサ内部がすべて樹脂モールド43で充填されているとすると、半導体圧力センサのダイヤフラム領域の弾性変形が発生しなくなり、圧力測定ができなくなってしまうからである。
ところで、台座部を有する半導体圧力センサの感度と、台座部を備えていない半導体圧力センサの感度を比較したのが図14である。図15のように台座無しの場合は、圧力導入管41上に直接半導体圧力センサを配置した構造とし、台座有りの場合は、図15の構成で、半導体圧力センサに図12の構造のものを用い、圧力が加わるダイヤフラム領域の面積は等しくなるように構成した。その結果、図14に示すように、台座無しの場合の方が、台座有りの場合と同等ないしは、それ以上の感度特性を得ることができた。
次に、本発明の図1に示された半導体圧力センサの製造方法を以下に説明する。まず、半導体圧力センサにおけるショットキーバリアダイオードD1〜D4の形成方法を説明すると、例えば、n型の半導体基板(第1導電型半導体基板)17上に厚さ3.33〜4.07μm、抵抗率0.63〜0.77Ω・cmのエピタキシャル層を成長させ、熱酸化膜を9500Å成長させる。フォトレジスト技術とフッ酸によるエッチングにより選択的に熱酸化膜を除去し、PoCl拡散を1050℃で120分行い、カソード領域としての各電極2、4、6、8を半導体基板17の内部に形成する。リンの供給はPoCl以外にリンイオン注入で行ってもよい。
次に可動イオンをゲッタリングするのに適度なリンを含むCVD膜を堆積させ、1000℃、30分熱処理して平坦化させる。もちろんリンを含まなくても良い。再びフォトレジスト技術とフッ酸によるエッチングにより選択的にCVD及び、熱酸化膜を除去する。ショットキーのバリアメタルとなる、Pt、Ti、Mo、W、Al、V、Pd、Au等をスパッタまたは蒸着により堆積させ適当な温度で熱処理し、シリサイドを形成する。バリアメタルの上に互いの拡散バリアとなる適当なメタル層を何層か設け、最上部厚さ24〜26kÅのAlの層を設けてアノード電極となるバリア膜1、3、5、7を形成する。
各電極2、4、6、8のカソード領域の上には、Alによる配線9〜12がパターニングされるが、カソード領域は不純物濃度を非常に高くしたn+拡散層となっているので、配線9〜12との接合部分にはショットキー障壁は形成されずオーミック接触となる。そして、配線9〜12の対応する箇所にパッド電極13〜16をAlにより形成する。
その上に8000Åの窒化シリコン膜を減圧、常時またはプラズマCVD機で堆積させ、フォトリソグラフィーとドライエッチャーでバリア膜1、3、5、7及び電極膜2、4、6、8の領域と素子周辺を選択的に除去する。表面を傷つけない様にテープ等で保護しながら裏面から研磨し、厚さ20〜120μmにする。仕上げは2000番仕上げとした。
次に台座部31を有する場合における台座部の形成方法を説明すると、1×1018cm−3以下のB、P、As、Sb等のn型不純物を含む(100)面のシリコンウェハーに8000Åの窒化シリコン膜を堆積し、フォトリソグラフィーとドライエッチングによって開口部の上側面積に相当する領域を選択的に除去する。表面パターンをテープ等で保護し、裏面から研磨して、厚さ200〜300μmにする。24wt%KOH水溶液に浸し、開孔部が形成されるまでエッチングする。
上記ショットキーバリアダイオードD1〜D4が形成された半導体基板17と台座部31を熱硬化性樹脂からなる接合層32を用い、180〜200℃の熱を加えて接合すると、図12の半導体圧力センサが完成する。なお、接合層32は高強度の接着剤や、SOI技術を応用した接合層であっても構わない。
1 バリア膜
2 電極
3 バリア膜
4 電極
5 バリア膜
6 電極
7 バリア膜
8 電極
9〜12 配線
13〜16 パッド電極
17 n型半導体基板
18 ダイヤフラム領域
2 電極
3 バリア膜
4 電極
5 バリア膜
6 電極
7 バリア膜
8 電極
9〜12 配線
13〜16 パッド電極
17 n型半導体基板
18 ダイヤフラム領域
Claims (6)
- ダイヤフラムの歪みにより圧力を検出する半導体圧力センサであって、
前記ダイヤフラムにはショットキー接合部が複数分散配置されていることを特徴とする半導体圧力センサ。 - 前記ショットキー接合部は、半導体にバリア膜を接触させて形成していることを特徴とする請求項1記載の半導体圧力センサ。
- 前記ショットキー接合部は、ホイートストンブリッジ回路を構成していることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の半導体圧力センサ。
- 前記半導体に形成された電極と、前記バリア膜と、前記半導体とでショットキーバリアダイオードを構成していることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載の半導体圧力センサ。
- 前記ショットキーバリアダイオードに順方向電流を流し、ショットキー接合部の抵抗値の変化により圧力を検出することを特徴とする請求項4記載の半導体圧力センサ。
- 前記ショットキーバリアダイオードのアノード側又はカソード側と接続されるパッド電極を備えたことを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれか1項に記載の半導体圧力センサ。
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