JP4035519B2 - 半導体圧力センサおよびその製造方法 - Google Patents

半導体圧力センサおよびその製造方法 Download PDF

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本発明は、半導体圧力センサ、特にダイヤフラム上に配置した歪み検出素子を有する抵抗型の圧力センサ、およびその製造方法に関する。
従来、半導体圧力センサとしては、容量型やピエゾ抵抗型の圧力センサが知られている。その中でもシリコン基板上にピエゾ抵抗素子を形成したものは、周辺回路部等と1チップ化が可能でかつ製造も容易であるため、様々な用途に使用されており、測定圧力レンジも広範囲にわたっている。
この種の半導体圧力センサにおいては、半導体基板のエッチングによりダイヤフラムを形成し、そのダイヤフラムと所定の位置関係を持ってピエゾ抵抗素子を形成している。
例えば、特許文献1には、ダイヤフラムの端部からのピエゾ抵抗素子の位置を、ダイヤフラムの厚さに応じて設定した半導体圧力センサが開示されている。同文献には、例えば、単結晶シリコン(110)基板に、<001>方向に平行な幅H1が580μm、それに直交する<−110>方向に平行な幅H2が630μmのダイヤフラムを形成した場合において、ピエゾ抵抗素子を幅H2方向に沿って配置する場合、ダイヤフラムの厚さと、ダイヤフラムの中心からの、圧縮応力のピーク位置との関係が図17のようになることが示されている。図17からは、ダイヤフラムの厚さが60μmよりも薄い場合は圧縮応力のピーク位置はダイヤフラムの端部近傍であり、60μmよりも厚い場合は圧縮応力のピーク位置はダイヤフラムの外側に位置しており、しかもダイヤフラムの厚さが厚くなるほどその距離が大きくなっていることが分かる。
また、非特許文献1には、電流方向をダイヤフラムに垂直な方向と平行な方向を使用して出力をほぼ2倍にしたことが開示されている。Si基板は(100)n型で<110>方向に4つの抵抗をp型の拡散層で形成、配置している。図18に、非特許文献1に開示された半導体圧力センサにおける、ダイヤフラムの中心からの距離に対する応力分布のグラフを示す。このグラフによれば、ダイヤフラムに加わる圧力が低圧になると応力はダイヤフラムエッジに集中することが示される。
特開2000−214022号公報 米田雅之、"ピエゾ抵抗圧力センサの最適設計"、[online]、2000年8月1日、山武(株)、インターネット<URL:http://jp.yamatake.com/corp/rp/tech/review/pdf/2000_8_01/2000_8_01.pdf>
近年では、圧力センサのサイズをさらに小型化し、生体内での測定やマイクロマシン等へ応用することが提案されている。そのために、1チップ化が可能な半導体プロセスを用い、現状よりもダイヤフラムの面積が小さく、かつ高感度の圧力センサが求められている。一般に、シリコンの抵抗変化は、ピエゾ抵抗係数と応力との積に比例する値で決定されている。1辺の長さがh、厚さがaである正方形のダイヤフラムを考えたとき、ダイヤフラムの応力の最大値は(h/a)2に比例し、圧力センサの感度はその応力の最大値に依存する。したがって、ダイヤフラムのサイズを小さくすると感度が大きく低下する。その一方で、応力の最大値を大きくするように厚さaを薄くすると、ダイヤフラムの機械的強度が低下する。したがって、より小型の圧力センサを実現するためには、ダイヤフラムの厚さを薄くせずに高感度を達成できる構造が求められている。
ところが、上述した各文献では、ダイヤフラムの小さな圧力センサとしての局所的な値には言及されていない。すなわち、ダイヤフラムの中心からエッジまでの距離でいえば、特許文献1では約300μm(1辺の長さが約600μm)、非特許文献1では約440μm(1辺の長さが約880μm)といった大きなダイヤフラムについての技術的見解が示されており、ダイヤフラムの中心からエッジまでの距離で200μm(1辺の長さが400μm)以下の小さなダイヤフラムを有する圧力センサの、エッジ近傍での応力や抵抗配置に関する知見は得られていない。
そこで本発明は、ダイヤフラムのサイズが、中心からエッジまでの距離で200μm以下と小さな構成でありながらも、ダイヤフラムの厚さを必要以上に薄くすることなく、高感度の半導体圧力センサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の半導体圧力センサは、ダイヤフラム部を有する半導体基板に1つ以上の歪み検出素子が設けられた半導体圧力センサにおいて、
前記歪み検出素子の少なくとも1つは、前記ダイヤフラム部に第1の端部を有し、該第1の端部と前記ダイヤフラム部のエッジ間の距離をLXとしたとき、LX≦20μmとなるように、前記ダイヤフラム部の内側と外側とに跨って配置されていることを特徴とする。
また、本発明の半導体圧力センサの製造方法は、ダイヤフラム部を有する半導体基板に1つ以上の歪み検出素子が設けられた半導体圧力センサの製造方法において、
前記半導体基板に前記歪み検出素子を形成する工程と、
前記半導体基板に前記ダイヤフラム部を形成する工程とを有し、
前記歪み検出素子の少なくとも1つを、前記ダイヤフラム部1に第1の端部を有し、該第1の端部と前記ダイヤフラム部のエッジ間の距離をLXとしたとき、LX≦20μmとなるように、前記ダイヤフラム部の内側と外側とに跨って配置することを特徴とする。
このように歪み検出素子を配置することで、歪み検出素子は、ダイヤフラムに圧力がかかったときに応力の集中する領域に効果的に配置されるので、高感度の半導体圧力センサが達成される。
以上述べたように本発明によれば、ダイヤフラムサイズが小さく、しかも厚みが所望の強度を得るのに十分な厚さである構造においても、高感度の半導体圧力センサを達成することができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態による半導体圧力センサの概略図であり、(a)はその平面図、(b)はその対向する2つのピエゾ抵抗素子の中心を通る断面図を示す。
本実施形態の半導体圧力センサ1は、SOI(Silicon On Insulator)基板2に、ダイヤフラム3、歪み検出素子としての4つのピエゾ抵抗素子R1〜R4、およびこれらを電気的に接続する配線5等を、半導体プロセスを利用して形成したものである。
SOI基板2は、半導体材料としてのシリコンからなる支持層2aと表面層2cとの間に埋め込み酸化膜(絶縁層)2bが介在した3層構造の基板である。このSOI基板2の一部の領域において、支持層2aが除去されることで、残りの埋め込み酸化膜2bおよび表面層2cの部分でダイヤフラム3が構成される。
ピエゾ抵抗素子R1〜R4は、表面層2cの表面側に不純物イオンを注入することによって形成された拡散領域として形成されている。本実施形態では、ピエゾ抵抗素子R1〜R4の平面形状を長方形としている。各ピエゾ抵抗素子R1〜R4は、ダイヤフラム3のエッジ部に、その長手方向(素子内で電流が流れる方向)を基板面に平行でかつ同じ方向に向けて配置されている。各ピエゾ抵抗素子R1〜R4のうち2つのピエゾ抵抗素子R1,R3は、互いに対向し、かつダイヤフラム3の内側と外側とに跨って、ピエゾ抵抗素子R1,R3が配置された位置でダイヤフラム3のエッジから中心へ向かう方向に長手方向が向けられて配置されている。残りの2つのピエゾ抵抗素子R2,R4は、ダイヤフラム3の外側に、ピエゾ抵抗素子R1,R3の対向方向と直交する方向に対向して配置されている。
SOI基板2の表面には層間絶縁膜6が形成されている。層間絶縁膜6には各ピエゾ抵抗素子R1〜R4の位置に対応してコンタクトホール6aが形成され、各ピエゾ抵抗素子R1〜R4は、コンタクトホール6aを介して、層間絶縁膜6上に形成された配線5によって、ホイートストンブリッジ回路を構成するように電気的に接続されている。配線5および層間絶縁膜6は、保護膜7によって覆われている。
以上のように構成された半導体圧力センサ1において、ピエゾ抵抗素子R1〜R4のうち、対向する2つのピエゾ抵抗素子R1,R3について、全長をL、ダイヤフラム3内の実効長さをLeffとする。ここで、全長Lは、ピエゾ抵抗素子R1,R3が抵抗として機能する部分の長さ、すなわち電流が流れる経路の全長を示す。実効長さLeffは、その全長Lのうちの、ダイヤフラム3内でのダイヤフラム3のエッジから中心へ向かう方向と平行な部分の長さを示す。言い換えると、ピエゾ抵抗素子R1,R3は、ダイヤフラム部(薄膜領域)に存在する第1の端部と、ダイヤフラム部の外側の領域(厚膜領域)に存在し第1の端部と対向する第2の端部を有しており、ダイヤフラムのエッジから第1の端部を結ぶ長さがLeffである。ここで、第1の端部は、配線5と電気的コンタクトを取る領域と略一致する。このとき、ピエゾ抵抗素子R1〜R4の長さXの抵抗値をR(X)と表記すると、全抵抗値R(L)は、実効長さLeffの抵抗値と残りの長さL−Leffの抵抗値との和であるから、
R(L)=R(Leff)+R(L−Leff)・・・(1)
で表される。
ダイヤフラム3を、1辺の長さが400μmの正方形とし、厚さが3μmとしたとき、ダイヤフラム3に20kPaの圧力がかかった場合の、ダイヤフラム3のエッジからの距離とダイヤフラム3に働く応力との関係のグラフを、図2に示す。図2より、ダイヤフラム3のエッジからの距離が20μm以下の領域、特に10μm以下の領域で応力が集中し、かつその値はダイヤフラム3のエッジに近付くほど大きくなっている。このように、ダイヤフラム3の寸法が小さく低圧領域となる場合は、非常に局所的に応力がかかることが分かった。
ピエゾ抵抗にある一定の応力がかかった場合の抵抗変化率は、ピエゾ抵抗係数πを用いて、
ΔR/R=Aπρ・・・(2)
と表すことができる。ここで、ΔRは抵抗変化分、Rは応力がかかる前の抵抗値、Aは定
数、ρは圧力である。応力分布がダイヤフラム3内の実効長さLeff部分のみにある場合は、全長Lの抵抗体の抵抗変化率は、
ΔR(Leff)/R(Leff)=A∫πρ(X,Y,Z)dxdydz・・・(3)
となる。
したがって、応力がかかったときの抵抗変化率は、
ΔR/R=R(Leff)A∫πρ(X,Y,Z)dxdydz/R(L)・・・(4)
となる。式(4)から、Leffが大きいほど抵抗変化が大きくなり、感度が高くなる。このことから、感度を高くするためには、この応力集中した位置にピエゾ抵抗素子R1,R3を配置することが重要である。
図2からも分かるように、ダイヤフラム領域が極めて小さく圧力領域が小さい圧力センサにおいては、ダイヤフラム3に圧力がかかったとき、ダイヤフラム3にはそのエッジの近傍、具体的にはエッジからの距離が20μm以下、特には10μm以下の範囲内で応力が集中する。この結果も考慮して、半導体圧力センサ1の高感度化のためのピエゾ抵抗素子R1,R3の最適な配置について検討した結果、図1における実効長さLeffがこの範囲内、すなわち、20μm以下、好ましくは10μm以下の範囲内にあるようにピエゾ素子R1,R3を配置すれば、高感度化が達成されることが分かった。ここでは、直線型ピエゾ抵抗素子R1,R3を例に挙げたので実効長さLeffという概念を用いたが、一般的に定義すると、ピエゾ抵抗素子R1,R3の、ダイヤフラム3のエッジから中心へ向かう方向と平行な部分の、ダイヤフラム3の内側でのダイヤフラム3のエッジからの距離、言い換えればダイヤフラム3のエッジから、ダイヤフラム3の中心側の端までの距離LXということができる。図1に示す構成では、歪み検出素子の少なくとも1つが、ダイヤフラム部に存在する第1の端部と、該ダイヤフラム部の外側に存在し第1の端部と対向する第2の端部とを有しており、ダイヤフラム部のエッジと第1の端部間の距離をLXということもできる。
以上説明したように、上記の距離LX≦20μmとなるようにピエゾ抵抗素子R1,R3を配置することで、ピエゾ抵抗素子R1,R3がダイヤフラム3の応力の集中する領域に効率的に配置されるので、ダイヤフラム3のサイズが、中心からエッジまでの距離で200μm以下と小さく、かつ、ダイヤフラム3の厚さも十分に必要な強度を有する程度の厚さでありながらも、高感度の半導体圧力センサ1を達成することができる。
また、全長Lと実効長さLeffとの関係についても検討した結果、実効長さLeffが全長Lの50%以下であると半導体圧力センサ1の感度が急激に低下することが分かった。一方、理屈上は、ピエゾ抵抗素子R1,R3を、その端(上述の第2の端部)がダイヤフラム3のエッジと一致するようにダイヤフラム3上に配置するのが、感度の点からは最も好ましいが、本発明が対象とする、ダイヤフラム領域が極めて小さく圧力領域が小さい圧力センサにおいては、ピエゾ抵抗素子R1,R3がダイヤフラム3のエッジから僅かでも離れると、感度が極端に低下する。そのため、製造上のばらつき等を考慮すると、Leff/L<1、すなわちダイヤフラム3の外側にピエゾ抵抗素子R1,R3が延在すること、すなわちLeff<Lであることが必要である。
そこで、ピエゾ抵抗素子R1,R3を、
0.5<Leff/L<1・・・(5)
なる関係を満たす位置に配置すると、高感度化が促進される。
次に、図1に示す半導体圧力センサ1の製造方法の一例について、図3および図4を参照して説明する。図3は、図1に示す半導体圧力センサの製造工程の一例を説明する平面図である。また、図4は、図1に示す半導体圧力センサの製造工程の一例を説明する断面図であり、図4(a)〜(c)は、それぞれ図5(a)〜(c)の各工程に対応している。
まず、図3および図4の(a)に示すように、半導体基板として、支持層2a、埋め込み絶縁膜2bおよび表面層2cの3層構造を有するSOI基板2を用い、その表面層2cの一部の領域に拡散層を形成することによってピエゾ抵抗素子R1〜R4を形成する。拡散層の形成はイオン注入法が一般的であるが、それに限らず、拡散法などを用いることもできる。
次いで、図3および図4の(b)に示すように、ピエゾ抵抗素子R1〜R4を形成したSOI基板2の表面に層間絶縁膜6を形成する。層間絶縁膜6の各ピエゾ抵抗素子R1〜R4に対応した所定の位置にコンタクトホール6aを形成する。さらに、層間絶縁膜6の上に、ピエゾ抵抗素子R1〜R4を電気的に接続するための配線5を所定のパターンで形成し、ホイートストンブリッジ回路を構成する。
次いで、図3および図4の(c)に示すように、配線5および層間絶縁膜6を覆って保護膜7を形成するとともに、SOI基板2の支持層2aの一部の領域を除去することによって、ダイヤフラム3を形成する。ダイヤフラム3の形成は、SOI基板2の裏面にレジストを塗布した後、レジストをパターニングしてダイヤフラム3の形状に合わせて所定の形状に支持層2aを露出させ、SOI基板2を裏面側からエッチングすることによって行うことができる。エッチング方法は特に限定されず、エッチング液による異方性エッチングや、RIE(Reactive Ion Etching)などのドライエッチングなどを利用できる。中でも、ダイヤフラム3とピエゾ抵抗素子R1〜R4との位置制御性を考慮すると、ボッシュプロセスを用いたRIEが最も好ましい。
ここでは、ピエゾ抵抗素子R1〜R4を形成した後にダイヤフラム3を形成したが、ダイヤフラム3を形成した後に、ピエゾ抵抗素子R1〜R4を形成することもできる。ダイヤフラム3の形成は、半導体圧力センサ1の製造のための一連の工程の中で最も大きな範囲および深さのエッチングが必要である。そのため、他の構造と比べて所望の形状に形成するのが難しい箇所の一つである。そこで、先にダイヤフラム3を形成しておき、その後、形成されたダイヤフラム3に合わせてピエゾ抵抗素子R1〜R4を形成することで、ダイヤフラム3に対するピエゾ抵抗素子R1〜R4の位置精度を向上させることができる。ピエゾ抵抗素子R1〜R4は、実質的に歪み検出素子として機能するのは電流が流れる領域である。したがって、ピエゾ抵抗素子R1〜R4に配線5が接続される前、あるいは配線5の接続位置が確定する前(具体的には、配線5との接続用のコンタクトホール6aが形成される前)であれば、ピエゾ抵抗素子R1〜R4を形成した後にダイヤフラム3を形成しても上記の効果が得られる。すなわち、ダイヤフラム3を形成した後、その位置に基づいてピエゾ抵抗素子R1〜R4の位置を確定すればよい。
また、ピエゾ抵抗素子R1〜R4は、SOI基板2の表面層2c全域に対して拡散領域を形成し、ピエゾ抵抗素子R1〜R4となる領域を他の領域と電気的に分離することによって形成することもできる。ピエゾ抵抗素子R1〜R4となる領域の、他の領域との分離は、たとえば、ピエゾ抵抗素子R1〜R4となる領域の周囲に溝を形成することによって行うことができる。この場合は、ピエゾ抵抗素子R1〜R4の位置は、上記の溝を形成することによって確定される。
以上、本実施形態では半導体基板としてSOI基板2を用いた例を示したが、半導体基板はSOI基板2である必要はなく、通常のSi基板等を用いてもよい。SOI基板2を用いた場合は、ダイヤフラム3を形成するときに、埋め込み絶縁膜2bをエッチングストップ層として利用することができる。
また、本実施形態では歪み検出素子として直線型のピエゾ抵抗素子R1〜R4を示したが、その形状は直線型に限られない。その一例を、本発明の第2の実施形態として図5に示す。図5に示す半導体圧力センサ11は、折り返し型のピエゾ抵抗素子R11〜R14を有している。この半導体圧力センサ11においても、SOI基板(半導体基板)12の一部の領域を薄くすることによってダイヤフラム13が形成されることや、このダイヤフラム13に対する各ピエゾ抵抗素子R11〜R14の配置等は、図1に示した半導体圧力センサ1と同様である。また、この半導体圧力センサ11の製造方法も、ピエゾ抵抗素子R11〜R14の形状と、それに伴う配線のパターンが異なるだけであるので、図1に示した半導体圧力センサ1と同様にして製造することができ、断面構造も図1に示した半導体圧力センサ1と同様である。
ただし、図5に示したピエゾ抵抗素子R11〜R14は、図1に示したものと形状が異なっているため、ピエゾ抵抗素子R11〜R14に関する各寸法、LX、L、Leffは、以下のように考える。図6に、各ピエゾ抵抗素子R11〜R14のうちダイヤフラム13のエッジを跨いで配置されているピエゾ抵抗素子R11の拡大平面図を示す。図6に示すように、ピエゾ抵抗素子R11は、その折り返された両端がダイヤフラム13の外側に位置するように配置されている。ここで、ピエゾ抵抗素子R11の、ダイヤフラム13のエッジと平行な方向での、ピエゾ抵抗素子R11の幅方向中心間の長さをL1、ダイヤフラム13のエッジと直角な方向(ダイヤフラム13のエッジから中心へ向かう方向)での、ピエゾ抵抗素子R11の端からダイヤフラム13のエッジと平行な部分の幅方向中心までの長さをL0とする。また、ダイヤフラム13の領域内での、ダイヤフラム13のエッジからダイヤフラム13のエッジと平行な部分までの長さは、前述した距離LXに相当する。このような構成の場合には言い換えると、ピエゾ抵抗素子はダイヤフラム部の外側と内側に跨って配置された第1の領域と、ダイヤフラム部に第1の領域と接して形成される折り返し部とを含んでおり、第1の領域と折り返し部の接する領域からダイヤフラム部のエッジ間の距離をLXということもできる。また、直線状の抵抗の場合はLX=Leffとなり、1回の折り返しの場合はLeffはLXの2倍になる。抵抗が角度を持てばLeff>LXとなる。
このとき、全長Lは、抵抗として機能する長さ、すなわち電流の流れる経路の全長であるから、
L=2L0+L1…(6)
で表される。また、実効長さLeffは、折り返し部が形成されているためダイヤフラム13のエッジを跨ぐ方向成分を有する箇所は2箇所あり、その和として、
Leff=2LX…(7)
で表される。
この場合においても、LX≦20μm、より好ましくはLX≦10μmとすることにより、ダイヤフラム13のサイズが、中心からエッジまでの距離で200μm以下と小さく、かつ、ダイヤフラム13の厚さも十分に必要な強度を有する程度の厚さでありながらも、高感度の半導体圧力センサ11を達成することができる。さらに、式(5)を満たすようにピエゾ抵抗素子R11,R13を配置することにより、上記の効果が促進される。ここでは折り返し回数が1回であるピエゾ抵抗素子R11〜R14を示したが、折り返し回数は複数であってもよい。
以上、歪み検出素子の形状について述べたが、歪み検出素子の数についても、歪み検出素子はダイヤフラムのエッジを跨いで配置されたものが少なくとも一つあればよい。さらに、ダイヤフラムの形状についても、正方形に限らず、長方形、多角形、円形、楕円形など、種々の形状であっても本発明は適用できる。
次に、本発明のより具体的な実施例について以下に説明する。
(実施例1)
本実施例では、図1に示した直線型のピエゾ抵抗素子R1〜R4を有する半導体圧力センサ1を作製した。半導体基板はSOI基板2であり、n型で1×1016/cm3のリンが注入されている厚さが3μmの表面層2cと、厚さが300nmの埋め込み絶縁膜2bとを有する。ピエゾ抵抗素子R1〜R4は、表面層2cの、ピエゾ抵抗素子R1〜R4とする領域にボロンをイオン注入して得られたp型の拡散領域によって形成されたもので、シート抵抗値として2.5kΩの値を示した。ピエゾ抵抗素子R1〜R4の形成は、SOI基板2の表面に熱酸化膜を30nmの膜厚で形成し、その上にレジストを塗布してピエゾ抵抗素子R1〜R4を形成する領域をパターニングし、その後、加速電圧60kV、ドーズ量5×1013/cm2でBF2をイオン注入し、さらに、レジストを剥離し洗浄した後、窒素雰囲気中での、1000℃、30分の熱処理によりSOI基板2の表面層2cを活性化させて行った。ピエゾ抵抗素子R1〜R4の全長Lは20μmとした。
層間絶縁膜6は、熱酸化膜によって形成し、その厚さは200nmとした。配線5は、アルミニウム膜のスパッタにより所定のパターンとなるように形成し、ホイートストンブリッジ回路を構成した。保護膜7は、プラズマCVD法により形成したSiN膜であり、その厚さは300nmとした。さらに、外部との電気的接続用のパッドを形成するため、SiN膜へのレジストの塗布、パターニングおよびドライエッチングを経て、配線5を部分的に露出した。
ダイヤフラム3は、SOI基板2の支持層2a側から、ICP−RIE(Inductive Coupled Plasma - RIE)法を用いて、ボッシュプロセスを使用して基板面にほぼ垂直に支持層2aをエッチングすることにより形成した。このとき、埋め込み酸化膜2bをエッチングストッパ層として利用した。ダイヤフラム3のサイズおよび形状は、1辺の長さが400μmの正方形とした。ダイヤフラム3の厚さは約3μmである。
ここで、ピエゾ抵抗素子R1,R3の位置を変えて幾つかの半導体圧力センサ1を作製し、100kPaの圧力をかけたときの、Leff/Lと出力電圧との関係を調べた。その結果、Leff/Lが0.7〜1の範囲で出力電圧にピークが見られた。この範囲は、ダイヤフラムエッジからの距離LXに換算すると、14〜20μmに相当する。
ちなみに、LX>20μm、言い換えれば、図7に示すように、ピエゾ抵抗素子R1,R3を完全にダイヤフラム3の領域内に配置した場合は、出力電圧が急激に低下することも分かった。この場合は、ピエゾ抵抗素子R1,R3がダイヤフラム3のエッジから離れるほど出力電圧が低下する。
(実施例2)
本実施例では、図5に示した折り返し型のピエゾ抵抗素子R11〜R14を有する半導体圧力センサ11を作製した。以下に、本実施例の半導体圧力センサ11の製造工程について図5を参照して説明する。
SOI基板12は実施例1と同じものを用いた。まず、SOI基板12の表面に酸化膜(不図示)を30nmの膜厚で形成した。その上にレジストを塗布してピエゾ抵抗素子R11〜R14を形成する領域をパターニングした。その後、加速電圧60kV、ドーズ量5×1013/cm2でBF2をイオン注入し、さらに、レジストを剥離し洗浄した後、窒素雰囲気中での、1000℃、30分の熱処理によりSOI基板12の表面層12cを活性化させることでピエゾ抵抗素子R11〜R14を形成した。
次いで、SOI基板12の表面に、プラズマCVD法によって層間絶縁膜16としてSiO膜を形成した。SiO膜のピエゾ抵抗素子R11〜R14に対応する所定の位置に、レジストのパターニングおよびドライエッチング法によってコンタクトホールを形成し、さらにその上に、アルミニウムからなる配線15をスパッタ法により形成し、ホイートストンブリッジ回路を構成した。さらにその表面に、プラズマCVD法により、保護膜17としてSiN膜を形成した。その後、外部との電気的接続用のパッドを形成するため、SiN膜へのレジストの塗布、パターニングおよびドライエッチングを経て、配線15を部分的に露出した。
次いで、SOI基板12の裏面(支持層12a側の面)に3μmの膜厚でプラズマ酸化膜を堆積させた。その後、プラズマ酸化膜の表面へのレジスト塗布、およびレジストのパターニングを行って、プラズマ酸化膜をドライエッチングするとともに、ICP−RIEによって支持層12aをエッチングし、ダイヤフラム13を形成した。レジストのパターニングは、ピエゾ抵抗素子R11〜R14の配置に合わせて行った。支持層12aのエッチングは、エッチングガスとしてSF6とC48を用い、ボッシュプロセスにより基板面に対してほぼ90度の角度で垂直に行った。またこの際、SOI基板12の埋め込み酸化膜12bをエッチングストッパ層として利用した。ダイヤフラム13は、1辺の長さが400μmの正方形とした。
以上の各工程を経て半導体圧力センサ11を作製することにより、ピエゾ抵抗素子R11〜R14のLeff、ダイヤフラムエッジからの距離LXをダイヤフラム13に対して正確に形成することが可能となり、高感度な半導体圧力センサ11が得られた。
ここで、ピエゾ抵抗素子R11,R13を全長L=90μm、図6におけるL0=10μmとし、Leffの値を変えて、半導体圧力センサ11に20kPaの圧力をかけたときの、Leff/Lと出力電圧との関係を調べた。その結果、実施例1とほぼ同様の傾向が見られた。また、本例では、ピエゾ抵抗素子R11,R13は折り返し型であるので、Leff/Lがおよそ0.9を超えると出力電圧が低下した。
Leff/Lの値を0.6に固定してLeffの値を変えて作製した半導体圧力センサ11のLeffによる依存性を図8に示す。半導体圧力センサ11に加えた圧力が20kPaの場合と100kPaの場合の、2つの条件で実験した。図8から、LXが20μm以下になると出力電圧が大きくなることが分かる。特に、LXが10μm以下になると、その傾向は顕著である。これは、応力がダイヤフラム13のエッジ近傍に集中するためであり、このことから、ダイヤフラム13のエッジから20μm以下の領域、できれば10μm以下の領域にピエゾ抵抗素子R11,R13を配置することが重要であることが分かる。
(実施例3)
図9に、本発明の実施例3による半導体圧力センサ21の概略平面図を示す。本実施例の半導体圧力センサ21は、実施例1と同様に、直線型のピエゾ抵抗素子R21〜R24を有している。ただし、ダイヤフラム23を跨いで配置されるピエゾ抵抗素子R21,R23の長さが実施例1と比較して長く、かつ、ピエゾ抵抗素子R21,R23への配線25の接続位置(コンタクトホールの位置)が、実施例1と比較してピエゾ抵抗素子R21,R23の長手方向中央寄りである点が、実施例1と異なっている。
ピエゾ抵抗素子R21〜R24がピエゾ抵抗素子として機能するのは、実際の長さの部分ではなく、電圧が印加される領域の部分、言い換えれば配線25と接続された位置の間の部分である。したがって、本実施例においては、ピエゾ抵抗素子R21,R23の全長Lは、配線25が接続された位置間の距離で規定され、ダイヤフラムエッジからの距離LXも配線5の接続位置で規定される。この意味では、ピエゾ抵抗素子の実際の長さと全長Lとは区別される。ピエゾ抵抗素子R21,R23を長めに形成しておくことにより、その後で形成する配線25との接続位置を適宜調整することで、ダイヤフラムエッジからの距離LXを、ピエゾ抵抗素子R21,R23が形成された範囲内で任意に設定することができる。本実施例では、ピエゾ抵抗素子R21,R23を、幅=3μm、全長L=10μm、LX(Leff)=9μmとなるように形成した。また、ダイヤフラム23は、1辺の長さが100μmの正方形とした。
次に、本実施例の半導体圧力センサ21の製造工程について、図9のダイヤフラム23を跨ぐピエゾ抵抗素子R21,R23に沿った断面図である図10を参照して説明する。
まず、図10(a)に示すように、SOI基板22の表面層22c上に熱酸化膜28を30nmの膜厚で形成し、その上にレジスト(不図示)を塗布し、それをパターニングした後、表面層22cにピエゾ抵抗素子R21〜R24を形成した。SOI基板22は、表面層22cが1.5μmの厚さを有し、n型で1×1016/cm3のリンが注入されている。また、埋め込み酸化膜22bの厚さは200nmである。ピエゾ抵抗素子R21〜R24は、加速電圧60kV、ドーズ量5×1013/cm3でBF2を表面層22cにイオン注入し、レジストの剥離、および洗浄後、1000℃、30分の窒素雰囲気中での熱処理によりSOI基板22の表面層22cを活性化させることによって形成した。形成したピエゾ抵抗素子R21,R23の長手方向の実際の長さは20μmとした。また、ピエゾ抵抗素子R21〜R24は、シート抵抗値として2.5kΩの値を示した。
次いで、図10(b)に示すように、プラズマCVD法により表面層22c上に層間絶縁膜26としてSiO膜を200nmの膜厚で形成した。その後、SOI基板22の裏面(支持層22a側の面)に、ICP−RIEのためのプラズマ酸化膜29を3μmの厚さで堆積させ、さらにその上にレジスト30を塗布した。
レジスト30をダイヤフラム23の形状に合わせてパターニングし、その後、プラズマ酸化膜29をドライエッチングし、さらに支持層22aを実施例2と同様にして、埋め込み絶縁膜22bをエッチングストッパ層として利用してエッチングすることにより、図10(c)に示すように、ダイヤフラム23を形成した。ダイヤフラム23の形成後、ダイヤフラム23のエッジ位置を正確にモニターしてデータとして記憶しておく。
次いで、図10(d)に示すように、層間絶縁膜26にコンタクトホール26aを形成する。コンタクトホール26aは、層間絶縁膜26の表面にレジストを塗布し、塗布したレジストをパターニングした後、ドライエッチングすることによって形成した。レジストのパターニングは、記憶しておいたダイヤフラム23のエッジ位置データに基づいて、特にピエゾ抵抗素子R21,R23についてはL=10μm、LX=9μmとなるように、既に形成されているダイヤフラム23に合わせて行った。その後、配線25としてアルミニウム膜をスパッタ法によって所定のパターンで形成し、ホイートストンブリッジ回路を構成した。配線25を所定のパターンで形成するためにマスクが用いられるが、このマスクは、コンタクトホール26aがどの位置に形成されても対応可能なように、ピエゾ抵抗素子R21,R23に沿って配置するように作製しておくとよい。
配線25の形成後、図10(e)に示すように、プラズマCVD法により保護膜27としてSiN膜を300nmの膜厚で形成し、さらに、外部との電気的接続用のパッドを形成するため、SiN膜へのレジストの塗布、パターニングおよびドライエッチングを経て、配線25を部分的に露出した。
以上説明したように、ダイヤフラム23を形成した後に、ダイヤフラム23の位置情報に基づいて、ピエゾ抵抗素子R21,R23の実効的な位置を確定する、具体的にはコンタクトホール26aを形成することで、ダイヤフラム23に対するピエゾ抵抗素子R21,R23の位置精度が向上し、全長Lやダイヤフラムエッジからの距離LXをより正確に設定することができるので、より高感度な半導体圧力センサ21が達成される。
(実施例4)
図11に、本発明の実施例4による半導体圧力センサ31の概略平面図を示す。なお図11では配線を省略している。本実施例の半導体圧力センサ31は、ダイヤフラム33のエッジを跨いで配置されるピエゾ抵抗素子R31,R33の対向方向と直交する方向で対向している、ダイヤフラム33のエッジに平行に配置された2つのピエゾ抵抗素子R32,R34が、ダイヤフラム33の内側に配置されていることと、ピエゾ抵抗素子R31〜R34の幅が5μmであることが、実施例3との構造上の相違点である。その他の点、例えば、ダイヤフラム33を1辺の長さが100μmの正方形としたことや、ダイヤフラム33を跨いで配置されるピエゾ抵抗素子R31,R33は、全長L=10μmで、かつLX=9μmとなるように配置されていること等は実施例3と同様である。
ここで、ピエゾ抵抗素子R32,R34の、ダイヤフラム33のエッジからの距離Yを変えて幾つかの半導体圧力センサ31を作製し、ダイヤフラム33に100kPaの圧力をかけたときの出力電圧を測定した。図12に、ピエゾ抵抗素子R32,R34についての、ダイヤフラム33のエッジからの距離Yと出力電圧との関係を示す。図12から明らかなように、ダイヤフラム33のエッジからの距離Y=0に近付くほど出力電圧は大きくなり、Y=0で最大となる。さらに、ピエゾ抵抗素子R32,R34をダイヤフラム33のエッジを越える位置に配置する(この場合はYの値をマイナスで表す)と、出力電圧は急激に低下する。最も感度が良いのは、図13に示すように、ピエゾ抵抗素子R32,R34をダイヤフラム33のエッジと一致させて配置した場合である。
次に、本実施例の半導体圧力センサ31の製造工程について、図11のダイヤフラム33の内側と外側を跨ぐピエゾ抵抗素子R31,R33に沿った断面図である図14を参照して説明する。
まず、図14(a)に示すように、SOI基板32の表面層32c上に熱酸化膜38を30nmの膜厚で形成した。SOI基板32は、表面層32cが1.5μmの厚さを有し、n型で1×1016/cm3のリンが注入されている。また、埋め込み酸化膜32bの厚さは200nmである。その後、SOI基板32の裏面(支持面32a側の面)に、ICP−RIEのためのプラズマ酸化膜(不図示)を3μmの厚さで堆積させ、さらにその上にレジスト(不図示)を塗布した。レジストをダイヤフラム33の形状に合わせてパターニングし、その後、プラズマ酸化膜をドライエッチングし、さらに支持層32aを実施例2と同様にして、埋め込み絶縁膜32bをエッチングストッパ層として利用してエッチングすることにより、ダイヤフラム33を形成した。ダイヤフラム33の形成後、ダイヤフラム33のエッジ位置を正確にモニターしてデータとして記憶しておく。
次いで、熱酸化膜38上にレジスト(不図示)を塗布し、塗布したレジストの、ピエゾ抵抗素子R31〜R34を形成する領域を、記憶しておいたダイヤフラム33のエッジ位置データに基づいて、ピエゾ抵抗素子R31,R33についてはL=10μm、LX=9μmとなり、かつ、他のピエゾ抵抗素子R32,R34についてはダイヤフラム33のエッジに位置するようにパターニングした。次いで、このパターニングされたレジスト上から、加速電圧60kV、ドーズ量5×1013/cm3でBF2を表面層32cにイオン注入し、レジストの剥離、および洗浄後、1000℃、30分の窒素雰囲気中での熱処理によりSOI基板32の表面層32cを活性化させることによって、図14(b)に示すように、ピエゾ抵抗素子R31〜R34を形成した。
次いで、図14(c)に示すように、ピエゾ抵抗素子R31〜R34を形成したSOI基板32の表面に、プラズマCVD法により層間絶縁膜36としてSiO膜を200nmの膜厚で形成した。この層間絶縁膜36に、レジストのパターニングおよびドライエッチングによりコンタクトホール36a形成し、さらにその後、配線35としてアルミニウム膜をスパッタ法によって所定のパターンで形成し、ホイートストンブリッジ回路を構成した。配線35の形成後、プラズマCVD法により保護膜37としてSiN膜を300nmの膜厚で形成し、さらに、外部との電気的接続用のパッドを形成するため、SiN膜へのレジストの塗布、パターニングおよびドライエッチングを経て、配線35を部分的に露出した。
以上説明したように、ダイヤフラム33を形成した後に、ダイヤフラム33の位置情報に基づいて、ピエゾ抵抗素子R31,R33の実効的な位置を確定する、具体的にはSOI基板32の表面層32cへのピエゾ抵抗素子形成用のレジストのパターニングを行うことで、ダイヤフラム33に対するピエゾ抵抗素子R31,R33の位置精度が向上し、全長Lやダイヤフラムエッジからの距離LXをより正確に設定することができるので、より高感度な半導体圧力センサ31が達成される。
(実施例5)
図15に本発明の実施例5による半導体圧力センサ41の概略平面図を示す。本実施例ではSOI基板42の表面の全域が拡散領域となっており、周溝44によって他の拡散領域と分離されることによってピエゾ抵抗素子R41〜R44が形成された構成となっている。その他の構成は実施例4と同様である。
本実施例の半導体圧力センサ41の製造工程について図16を参照して説明する。
まず、図16(a)に示すように、SOI基板42の表面層42c上に、熱酸化膜48を30nmの膜厚で形成した。SOI基板42は実施例4と同じものである。その後、表面層42c全面に対して、イオン注入法により、加速電圧60kV、ドーズ量5×1013/cm3でBF2を表面層42cにイオン注入し、洗浄後、1000℃、30分の窒素雰囲気中での熱処理により表面層42cを活性化させた。
次いで、SOI基板42の裏面に対して実施例4と同様にしてエッチングし、ダイヤフラム43を形成した。ダイヤフラム43を形成したら、ダイヤフラム43のエッジ位置を正確にモニターしてデータとして記憶しておく。
その後、活性化させた表面層42c上にレジストを塗布する。塗布したレジストを、ピエゾ抵抗素子R41〜R44となる領域の周囲を取り囲む枠状の開口が形成されるようにパターニングする。このパターニングは、記憶しておいたダイヤフラム43の位置データに基づいて、ピエゾ抵抗素子R41,R43についてはL=10μm、LX=9μmとなり、他のピエゾ抵抗素子R42,R44についてはダイヤフラム43のエッジから3μmだけ内側に位置するように行った。その後、図16(b)に示すように、表面層42cをエッチングして周溝44を形成した。周溝44の深さは、表面層42cの活性化した領域の深さ以上とする。これにより、周溝44で囲まれた領域はその外側の領域と電気的に分離され、周溝44で囲まれた領域が、ピエゾ抵抗素子R41〜R44となる。つまり、本実施例では周溝44によってピエゾ抵抗素子R41〜R44の位置が確定される。
ピエゾ抵抗素子R41〜R44を形成した後、図16(c)に示すように、層間絶縁膜46、配線45,保護膜47等を形成する。これらの一連の工程は、実施例4と同様であるので、ここではその説明は省略する。
以上説明したように、本実施例によれば、表面層42cの全面に対してイオン注入し、その後、周溝44を形成することでピエゾ抵抗素子R41〜R44が形成されるので、イオン注入のためのパターニングを行うことなく、ピエゾ抵抗素子R41〜R44を形成することができる。しかも、ダイヤフラム43を形成した後に、ダイヤフラム43の位置情報に基づいてピエゾ抵抗素子R41,R44の位置を確定するので、ダイヤフラム43に対するピエゾ抵抗素子R41,R43の位置精度が向上し、全長Lやダイヤフラムエッジからの距離LXをより正確に設定することができるので、より高感度な半導体圧力センサ41が達成される。
本発明の一実施形態(実施例1)による半導体圧力センサの概略平面図および断面図である。 図1に示す半導体圧力センサにおける、ダイヤフラムのエッジからの距離とダイヤフラムに働く応力との関係を示すグラフである。 図1に示す半導体圧力センサの製造工程の一例を説明する平面図である。 図1に示す半導体圧力センサの製造工程の一例を説明する断面図である。 本発明の他の実施形態(実施例2)による半導体圧力センサの概略平面図である。 図5に示す半導体圧力センサの、ダイヤフラムのエッジを跨いで配置されるピエゾ抵抗素子の拡大平面図である。 本発明の比較例である、対向する2つのピエゾ抵抗素子をダイヤフラムの領域内に配置した半導体圧力センサの平面図である。 図5に示す半導体圧力センサの、Leff依存性を示すグラフである。 本発明の実施例3による半導体圧力センサの概略平面図である。 図9に示す半導体圧力センサの製造工程を説明する断面図である。 本発明の実施例4による半導体圧力センサの概略平面図である。 図11に示す半導体圧力センサにおいて、ダイヤフラムのエッジに沿って配置されたピエゾ抵抗素子についての、ダイヤフラムのエッジからの距離と出力電圧との関係を示すグラフである。 本発明の実施例4において、感度が最も高くなるピエゾ抵抗素子の配置を示す平面図である。 図12に示す半導体圧力センサの製造工程を説明する断面図である。 本発明の実施例5による半導体圧力センサの概略平面図である。 図15に示す半導体圧力センサの製造工程を説明する断面図である。 従来の半導体圧力センサにおける、ダイヤフラムの厚さと、ダイヤフラムの中心からの、圧縮応力のピーク位置との関係を示すグラフである。 従来の半導体圧力センサにおける、ダイヤフラムの中心からの距離に対する応力分布のグラフである。
符号の説明
1 半導体圧力センサ
2 SOI基板
3 ダイヤフラム
5 配線
R1〜R4 ピエゾ抵抗素子

Claims (12)

  1. ダイヤフラム部を有する半導体基板に1つ以上の歪み検出素子が設けられた半導体圧力センサにおいて、
    前記歪み検出素子の少なくとも1つは、前記ダイヤフラム部に第1の端部を有し、該第1の端部と前記ダイヤフラム部のエッジ間の距離をLXとしたとき、LX≦20μmとなるように、前記ダイヤフラム部の内側と外側とに跨って配置されていることを特徴とする半導体圧力センサ。
  2. 前記歪み検出素子は、前記ダイヤフラム部に折り返し部を有し、該折り返し部は、前記第1の端部と接して形成されている請求項1に記載の半導体圧力センサ。
  3. 4つの前記歪み検出素子が、ホイートストンブリッジ回路を構成するように電気的に接続され、そのうち対向する2つの歪み検出素子が、LX≦20μmとなるように配置されている請求項1または2に記載の半導体圧力センサ。
  4. LX≦10μmである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の半導体圧力センサ。
  5. 前記半導体基板は、半導体材料からなる支持層および表面層の間に絶縁層を介在させたSOI基板であり、前記表面層に前記歪み検出素子が形成されるとともに、前記支持層の一部の領域が除去されることによって、前記ダイヤフラムが形成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の半導体圧力センサ。
  6. 前記歪み検出素子は、前記第1の端部が前記ダイヤフラム部の領域内に配置され、他端部が前記支持層の領域内に配置されている請求項5に記載の半導体圧力センサ。
  7. 前記歪み検出素子は、第一導電型の半導体層に形成された第二導電型の拡散領域で形成されている請求項1ないしのいずれか1項に記載の半導体圧力センサ。
  8. 前記歪み検出素子は、第一導電型の半導体層の全域に形成された第二導電型の拡散領域の一部を、溝によって他の部分と電気的に分離することによって形成されている請求項1ないしのいずれか1項に記載の半導体圧力センサ。
  9. 前記少なくとも1つの歪み検出素子は、前記歪み検出素子の全長をL、前記歪み検出素子の全長Lのうち、前記ダイヤフラム部の内側での前記ダイヤフラム部のエッジから中心へ向かう方向と平行なの部分の長さをLeffとしたとき、
    0.5<Leff/L<1
    なる関係を満たすように配置されている請求項1ないしのいずれか1項に記載の半導体圧力センサ。
  10. 前記歪み検出素子の全長Lは、前記歪み検出素子と接続される配線の接続位置によって規定される請求項に記載の半導体圧力センサ。
  11. 前記ダイヤフラム部の平面形状は、1辺の長さが400μm以下の正方形である請求項1ないし10のいずれか1項に記載の半導体圧力センサ。
  12. ダイヤフラム部を有する半導体基板に1つ以上の歪み検出素子が設けられた半導体圧力センサの製造方法において、
    前記半導体基板に前記歪み検出素子を形成する工程と、
    前記半導体基板に前記ダイヤフラム部を形成する工程とを有し、
    前記歪み検出素子の少なくとも1つを、前記ダイヤフラム部に第1の端部を有し、該第1の端部と前記ダイヤフラム部のエッジ間の距離をLXとしたとき、LX≦20μmとなるように、前記ダイヤフラム部の内側と外側とに跨って配置することを特徴とする半導体圧力センサの製造方法。
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