JP3985214B2 - 半導体加速度センサー - Google Patents

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    • G01P2015/0822Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining out-of-plane movement of the mass
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は可撓部に形成したピエゾ抵抗素子の抵抗変化を検出する3軸の半導体型加速度センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体加速度センサーとしては、例えば、特開2000−147000に記載されているものがあり、図7、8、9にその構造を示す。図7は平面図、図8は図7のZ−Z線断面図、図9は図7のZ−Z方向の点線で囲んだピエゾ抵抗素子部の構成例を示す図である。以下この従来技術について説明する。これはSi単結晶基板の厚肉部から成る中央重錘体2とそれを取り囲むように配置した固定部1と、該重錘体2および固定部1とを連結するSi単結晶基板の薄肉部よりなるダイヤフラム状の可撓部3と、該可撓部3上の2つの方向(XとY)及び該可撓部3に垂直な方向(Z)に対応するように設けられた各軸4ケのピエゾ抵抗素子11〜34とから構成され、更に該ピエゾ抵抗素子群11〜34の上にはSiOやSiNなどの薄膜から成る保護膜41が形成され、その上にピエゾ抵抗素子の両端部にスルーホール(例えば図9の40a)を介して接続されたアルミニウムなどの金属薄膜からなる引き出し電極40が形成されてなる構造をしている。この中央の重錘体2が加速度により作用する力を受けて変位したときに、可撓部3がたわみ、該可撓部3に形成されたピエゾ抵抗素子11〜34に応力が加わり抵抗値が変化する。この抵抗変化を検出することで3軸方向の加速度を検出するものである。
【0003】
次に図10および図11を用いて加速度の検出原理を説明する。X方向とY方向とは検出原理は同じなので、これらの図では、代表してX方向とZ方向とを示す。図10(a)は、X方向の加速度による可撓部3の変形の様子を模式的に示す断面図で、ピエゾ抵抗素子Rx1、Rx3には引っ張り応力が、Rx2、Rx4には圧縮応力が加わり、この時、ピエゾ抵抗素子Rx1、Rx3及びRx2、Rx4の抵抗値はそれぞれ増加および減少する。図10(b)は、Z方向の加速度による可撓部3の変形の様子を模式的に示す断面図である。また、図11に、各軸のブリッジの組み方および検出回路を示す。図10(a)において、X方向の加速度により重錘体にFxの力を受けた時、ピエゾ抵抗Rx1およびRx3はその値が増加し、Rx2およびRx4は減少するが、この変化により図11(a)に示す検出回路により、X方向には電圧が出力されるが、図11(b)に示すZ方向の電圧は、X方向とブリッジの抵抗の接続が異なるために各々の抵抗値の増減は相殺され電圧は零である。逆に、図10(b)に示したようにZ方向の加速度によりFzの力を受けた時には、ピエゾ抵抗Rz1およびRz2はその値が増加し、Rz2およびRz3は減少するが、この変化により図11(b)に示す検出回路により、Z方向には電圧が出力されるが、X方向の電圧は、Z方向とブリッジの抵抗の接続が異なるために各々の抵抗値の増減は相殺され電圧は零である。このようにしてX、Y、Z方向の3軸の加速度を検出できる。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】
ところで上述した従来の素子構造において、各ピエゾ抵抗素子の引き出し電極40の本数は中央の重錘体2側と周辺の固定部1側とで異なっている。すなわち、各検出軸はそれぞれ4のピエゾ抵抗素子で構成されるが、その引き出し電極は、重錘体2側に引き出されたピエゾ抵抗素子の引き出し電極と固定部1側に引き出されたピエゾ抵抗素子の引き出し電極とは、ダイヤフラムの中央を折返しとする線対称のレイアウトにはなっていない。また、検出軸を中心とする線対称にもなっていない。例えば、図7のZ軸について見ると、重錘体部2側のピエゾ抵抗素子32、33の引き出し電極40の本数はそれぞれ2本と1本、また、固定部1側のピエゾ抵抗素子31、34の引き出し電極40の本数はそれぞれ3本、2本であり、ダイヤフラムの中央部、検出軸のいずれにも線対称ではない。したがって、引き出し電極40による膜応力は各ピエゾ抵抗素子31〜34の近傍で微妙に異なってしまい、加速度による力が加わらずとも各ピエゾ抵抗素子31〜34の抵抗値は微妙に異なった値となっている。先に図10、11を用いて説明した検出原理から考えると、加速度が印加されていない状態での各抵抗値が設計値から微妙に異なった値となると、フルブリッジを用いた検出回路でもキャンセルできず、オフセット電圧が発生してしまう。
【0005】
更にこの引き出し電極40は一般にアルミやアルミニウム合金薄膜が、ピエゾ抵抗の保護膜41としてはSiO薄膜が使われるが、これらの材料の熱膨張率を考えると上述した引き出し電極40の非対称性がオフセット電圧にもたらす影響は更に大きくなる。例えば、配線材料としてアルミニウム薄膜、保護膜材料としてSiOを使う時、それぞれの熱膨張係数は、23X10−6/℃、0.3X10−6/℃と約100倍も異なる。したがって、引き出し電極の非対称性により、通電時のジュール熱発生あるいは使用環境の温度変化等による熱応力の値が各ピエゾ抵抗素子によって異なるために、検出回路の抵抗バランスがくずれ、オフセット電圧が変化することになる。
【0006】
更にまた、ここで例に挙げた一般的な材料構成の場合の熱伝導率について見てみると、
アルミニウム;240k/W/m/k
Si;170
Si02;1.4
と保護膜と配線材料とは大きく異なる。このことは引き出し電極40の非対称性によって各部の放熱特性が違ってしまい、通電時に発生するジュール熱に対する放熱の程度が場所によって異なるため熱応力差のため、抵抗値差を拡大することになり、オフセット電圧変動の要因となる。
【0007】
このように、従来のダイヤフラム構造における引き出し電極の非対称性がもたらす問題点について説明したが、他の従来例として、特開昭63−169078に記載されるような梁構造のものがあり、以下に説明する。
図12は、その梁構造の従来例を示す正面図である。本例では、Si単結晶の厚肉部よりなる中央の重錘体部2と周辺の固定部1とは4つのSi単結晶の薄肉部よりなる梁3a、3b、3c、3dで接続され、これらの梁部が可撓部に相当し、これらの上にピエゾ抵抗素子群10が形成されている。同公知例では引き出し電極についての記載はなく、従来引き出し電極の応力の影響については全く配慮されていない。ダイヤフラム構造よりもこのような梁構造の方がピエゾ抵抗素子に効果的に応力集中させやすいため、小型で高感度のセンサー実現には有利であり、梁幅を薄く、かつ狭くすればするほど高感度にできる。しかし、逆に梁は、その幅が薄く、狭くなればなるほど梁上の薄膜応力によって変形し易くなる。したがって、この引き出し電極の非対称性の影響を考慮していないため、例えば2Gぐらいの小さい加速度を高感度で精度良く検出する場合には、オフセット電圧がよりおおきくなり、かつ変動しやすいという問題を抱えていた。
【0008】
以上、説明したように従来技術ではピエゾ抵抗素子の引き出し電極のレイアウト、均一性については配慮されておらず、オフセット電圧の発生およびその変動をきたすという大きな問題があった。本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、オフセット電圧が小さくかつ、オフセット電圧の温度による変動や、通電時の変動を改善し、高感度の3軸の加速度センサーを提供することが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願第1の発明は、可撓部のほぼ中央部においてピエゾ抵抗素子の一端に接続された引出し電極から重錘体部側まで延伸された第2の電極薄膜パターンや上記引出し電極および第2の電極薄膜パターンとは独立に略同一間隔離して設けられた固定部と重錘体部にまたがる第3の電極パターンのいずれかあるいは両方を新たに設けたことである。また、第2の発明は、各検出軸に設けられた4のピエゾ抵抗素子に接続された引き出し電極を、保護膜41を介して当該ピエゾ抵抗素子上に、一方のピエゾ抵抗素子の接続端子から他の一方の接続端子近傍まで延伸してなる第4の電極薄膜パターンを設けたことである。更に第3の発明は、上記第1及び第2の発明になるそれぞれ第2の電極薄膜パターンおよび第3の電極薄膜パターンのいずれかあるいは両方の新たなパターンと第4の電極薄膜パターンとを同時に設置したことである。更にまた、第4の発明は、上記第2、第3および第4の電極薄膜パターンは引き出し電極と同一材料で、略同一膜厚、略同一パターン幅に形成されたものである。
【0010】
【作用】
第1の発明によれば、各軸の検出回路を構成する可撓部上には、4のピエゾ抵抗素子、引き出し電極および新たに設置された第2の電極薄膜パターンや第3の電極薄膜パターンのいずれかあるいは両方が設置されることにより、電極薄膜は均一なパターンレイアウトとなり、少なくとも各軸毎に4ケのピエゾ抵抗素子に加わる電極薄膜に起因する内部応力や周辺温度変化による熱応力はほぼ等しくなる。また、当然均一な電極薄膜のレイアウトにより、該薄膜電極による放熱効果もそれぞれのピエゾ抵抗素子において等しくなる。したがって、少なくとも各検出軸毎の4のピエゾ抵抗素子に加わる初期の応力や放熱特性をほぼ等しくできるため、初期のピエゾ抵抗のバラツキを抑える事ができ、オフセット電圧を小さくすることができる。更に、通電や周囲温度変化による各ピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化もほぼ等しくなり、オフセット電圧の変動も小さく抑えられる。
【0011】
第2の発明によれば、全てのピエゾ抵抗素子上に薄い保護膜を介して設置される第4の電極薄膜パターンは引き出し電極とほぼ同じ応力および放熱特性をもたせられるため、各検出軸4のピエゾ抵抗素子に加わる薄膜に起因する初期応力を略等しくできるため、オフセット電圧低減に効果がある。更に、周囲温度変化による熱応力等による抵抗変化もほぼ等しくできるため、オフセット電圧の変動を小さく抑えることができる。本発明では、ピエゾ抵抗の保護膜は電極薄膜で保護されることになるため、本センサーの製造工程における後工程において可動イオンの付着を完全になくすることができ、通電変動を効果的に抑えることができる。
【0012】
第3の発明によれば、全てのピエゾ抵抗素子上を含め、検出回路が設置される可撓部の全領域において電極薄膜に起因する応力及び放熱特性を最も均一化できる。すなわち、全てのピエゾ抵抗素子に加わる電極薄膜に起因する応力を一定にできるため、初期の抵抗値をほぼ同じ値にでき、オフセット電圧を極小化できると共に周囲温度変化や通電による熱応力による抵抗変化を全てのピエゾ抵抗素子においてほぼ完全に等しくできるため、オフセット電圧の変動も最小化できる。
【0013】
次に第4の発明によれば、従来の引き出し電極と上記第1および第2の発明になる第2、第3及び第4の電極薄膜パターンとは、同一のパターン幅に設計されて同一の製造工程で形成されるため、それぞれの電極薄膜による応力を容易に一定に制御でき、加速度検出特性の揃ったものを安価に製造できるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明する。図1に本発明の第1の実施例を示す。本実施例は、7図に示したダイヤフラム構造に本発明を適用したものであり、説明を分かり易くするため、両図の符号は同一部分には同一の符号を付した。すなわち、本発明は、Si単結晶基板の厚肉部からなる中央重錘体2とそれを取り囲むように配置した固定部1と、該重錘体2および固定部1とを連結するSi単結晶基板の薄肉部よりなるダイヤフラム状の可撓部3と、該可撓部3上の2つの方向(XとY方向)及び該可撓部3に垂直な方向(Z方向)に対応するように設けられた各軸4のピエゾ抵抗素子群11〜34とから構成され、更に該ピエゾ抵抗素子群の上にはSiO薄膜から成る保護膜41が形成され、該保護膜上に、ピエゾ抵抗素子の両端にスルーホールを介して接続されたアルミ薄膜からなる引き出し電極群40が形成され、更に、X、YおよびZ軸方向の全てにおいて、略ダイヤフラム中央でピエゾ抵抗素子の1端に接続された引き出し電極40から延伸されて中央重錘体2端部にかかる第2の電極パターン402を設け、また、Z軸方向の可撓部上において、引き出し電極40及び上記第2の電極薄膜パターン402とは全く独立して、固定部1の端部から重錘体2の端部まで伸びた第3の電極パターン403を形成したものである。これらの第2および第3の電極パターン群402、403は、本来の引き出し電極群40を形成する時に同時に略同一パターン幅に作製した。
【0015】
次に本実施例の製造方法について説明する。図2は、主要工程を説明するためのX−X方向断面の一部を示している。なお、本製造プロセスの説明においては、可撓部3の厚さを高精度に制御できるようにSOIウェーハを用いた例で説明する。SOIとはSilicon On Inshulatorのことであり、N型のSiを使った。SOIウェーハとは図2に符号をつけたように、Siのベース基板600、Si活性層である表面のSOI層800および両者の間にあり、エッチングストッパーとして使われるSiO層700とで構成されたSi半導体基板である。それぞれの厚さとしては、例えば、高感度な加速度センサー用としては、ベース基板は500〜625μm、SiOは1μmそしてSOI層は10μm前後としている。
【0016】
製造プロセスの最初は、まず、SOI層800の表面に、フォトレジストあるいは熱酸化SiO膜などをマスクとして所定形状のパターンを作り、イオン打ち込みなどの不純物拡散工程によってボロンを拡散したピエゾ抵抗体11、12を作る(図2(a))。表面不純物濃度としては、温度特性および感度の両方の観点から、約2X1018付近を選んだ。
【0017】
次にピエゾ抵抗体11、12の保護を目的として(保護膜410を作製する(図2(b))。保護膜としては、一般に半導体で使われているSiOとPSG(Phosphorous Silicated glass)の多層膜を使い可動イオンのゲッタリング効果を持たせている。SiOとPSGの2層膜の代わりにSiOとSiNの2層膜を使ってもよい。保護膜の厚さは、できるだけ薄くして応力を小さくした方が高感度化の点では好ましく、0.3〜0.5μmとした。
【0018】
次にピエゾ抵抗体11、12の両端部上の保護膜410に電極接続用のスルーホール400aをフッ酸を主体にした湿式エッチングにより形成した(図2(c))。
【0019】
次に、電極配線を作るために、まずスパッターによりアルミニウム合金(アルミニウム、銅、Siなどが主組成)を成膜する。厚さは、0.3〜0.5μmほどとしたが、この厚さもできるだけ応力は小さい方が好ましく薄い方が良い。フォトエッチングにより電極配線400および図2には図示されていない領域に形成される第2薄膜電極パターン402および第3薄膜電極パターン403を同一幅に同時にパターニングした(図2(d))。
【0020】
次に裏面のベース基板600に、両面アライナー装置を用いて表面のピエゾ抵抗素子11、12などとの位置をあわせて重錘体2および固定部1の形状にフォトレジストマスクを形成し、ドライエッチング法でSiベース基板600をエッチングし、更にエッチングストッパーのSiO層800を湿式エッチングで除去した(図2(e))。この工程で可撓部3が形成されるが、エッチングストッパーのSiOを除去せず残した方が、全体の応力バランスをとるのに良い場合もあり、エッチングストッパーのSiOを一部残す方法も適用可能である。その後に、ウェーハ上に形成した多数の加速度センサー素子をダイサー等を用い、チップ切断し、パッケージ等の組み立て工程を経て、加速度センサーを完成させた。
【0021】
このように第2、第3の電極パターンを設けることによって、少なくともピエゾ抵抗素子が形成される領域の可撓部3上の電極薄膜による応力分布や放熱特性は各軸ともにそれぞれ均一にすることができた。したがって、各軸ともそれぞれオフセット電圧は、図7で示した従来品に比べ1/2以下にすることができた。また、薄膜の多層構造や薄膜パターンレイアウトの対称性、均一性を確保できたことにより、使用環境や通電等による温度変化によるピエゾ抵抗素子にかかる熱応力もほぼ等しくできたため、オフセット変動も小さく抑える事ができた。更に、他の効果として、本発明になる第2、第3の薄膜電極パターンの終点を固定部1および重錘体2の厚肉部まで延ばす事によって、耐衝撃性を向上させる効果が得られた。本発明の構造は、応力が集中する可撓部3と固定部1および重錘体部2との境界部の強度を電極材料で補強するものである。この境界領域付近では全ての薄膜電極パターンをできるだけ幅を広く構成することが耐衝撃性の面では有利である。
以上説明した第1の実施例においては、X及びY軸は合計の電極薄膜パターンの本数は2本、また、Z軸は3本であるが、XおよびY軸にZ軸と同様に第3の電極薄膜パターン403を追加することで、可撓部上の全ての検出軸について軸方向および可撓部の中央部のいずれに対しても線対称にすることができたため、第1の実施例よりも応力バランスおよび放熱特性をより一層均一化することができ、オフセット電圧をより低減かつ安定なものにできた。
【0022】
次に、第1の発明になる他の実施例を説明する。本実施例はより高感度を達成しやすいように梁構造としたものである。図3は、本実施例を示す正面図、図4は図3の点線で囲んだ梁の拡大図である。本加速度センサーは、Si単結晶基板の厚肉部からなる中央の重錘体2と周辺の固定部1とはSi単結晶基板の薄肉部からなる4本の梁30a、30b、30c、30dで接続され、X方向とZ方向とを同一の梁30a、30c上に、また、Y方向をこれと直交する他の梁30b、30d上に形成したピエゾ抵抗素子群で検出するように、該梁上にはX軸(111、112、113、114)およびZ軸(311、312、313、314)用の計8、また、他の梁上にはY軸の計4のピエゾ抵抗素子(211、212、213、214)が形成され、各ピエゾ抵抗素子は引き出し電極400で接続しブリッジ回路を構成した。両図に於いて、第1の発明になる第2および第3の電極薄膜パターンは、それぞれ図1と同じ符号402、403で示してあり、第2の電極薄膜パターン402は3軸全てに形成され、第3の電極薄膜パターン403は、XおよびZ軸に形成され、2対の梁上の全ての電極パターンは5本と同じとした。したがって、本実施例によれば、各ピエゾ抵抗素子を形成する梁上では、電極薄膜パターンによる応力をほぼ一定、かつ放熱特性もほぼ同一とできたため、オフセット電圧およびその変動は従来比で約半減できた。
【0023】
次に第2の発明になる実施例について説明する。本発明は、ピエゾ抵抗素子上において、引き出し電極を一方の端部から他の端部近傍まで延ばした第4の電極薄膜パターンを設け、可能な限り電極薄膜パターンの均一化を図ったものである。よりわかり易くするために、図3の実施例に本第2の発明を適用した例で説明する。図3の各検出軸の全てのピエゾ抵抗素子の上に、引き出し電極400を一方の接続部から他の一方の近傍まで延ばし、これを第4の電極パターン404とした。この様子を図5および図6で説明する。図5は、図4に相当するXおよびZ軸用の一部拡大平面図、また図6は図5のX軸の断面図、である。両図において、図3および図4と同一部分については、同じ符号を付した。すなわち、111、112はX軸方向のピエゾ抵抗素子、311、312はZ軸方向のピエゾ抵抗素子、400は引き出し電極、402および403はそれぞれ第2、第3の電極薄膜パターン、400aは保護膜410のピエゾ抵抗素子と引き出し電極との接続部に設けたスルーホールである。
【0024】
第2の発明になる第4の電極パターン404は、引き出し電極400をピエゾ抵抗素子の上部において一方の接続端部からもう一方の接続部近傍まで延ばした部分をさしている。このように、第4の電極薄膜パターンの設置により、ほぼ完全に梁上の電極パターンを均一にでき、応力をそろえることができたため、オフセット電圧低減およびその変動低減に効果があった。この効果は、上記した第1の発明と組み合わせる事で更に大きくすることができ、従来品に比べ、約1/3にできた。更に本第2の発明になる付随効果として、ピエゾ抵抗素子の保護膜上をアルミニウム薄膜で覆っているため、製造工程中の汚れなどによる可動イオンの付着をなくすことができ、いわゆる通電変動を押さえる効果が得られ、ピエゾ抵抗値の変動率で見た場合、従来品に比べ約1桁低減でき安定性を向上できた。
【0025】
以上、実施例を用いて本発明を詳細に説明したが、上記の第2、第3および第4の電極薄膜パターンは、引き出し電極と同一の製造工程で、ほぼ同一のパターン幅で形成することにより、膜厚、形状バラツキが小さく、特性のそろったものを容易に作製できる。また、第2および第4の電極薄膜パターンは、引き出し電極を延伸した例で説明したが、引き出し電極とは全く切り離して形成しても同様な効果が得られることは言うまでもない。更に本発明は、実施例で説明した引き出し電極のパターンレイアウトに限定されるものではない。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、オフセット電圧およびその通電変動の小さい、かつオフセット電圧の温度特性の悪化も小さい、更には通電変動も小さく、高感度な加速度センサーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる第1の実施例を示す正面図。
【図2】本発明になる第1の実施例の製造工程を示す断面図。
【図3】本発明になる第2の実施例を示す正面図。
【図4】図3に示した本発明の第2の実施例のXおよびZ軸方向の1つの梁付近(点線枠内の拡大)の正面拡大図。
【図5】本発明になる第3の実施例のXおよびZ軸方向の1つの梁付近の断面拡大図。
【図6】図5に示した本発明の第3の実施例のX軸方向の構造断面図。
【図7】従来の半導体加速度センサーの例を示す正面図。
【図8】図7に示した従来例のZ軸方向の構造断面図。
【図9】図7に示した従来例のZ軸方向の要部の正面図。
【図10】従来の加速度センサーのXおよびZ軸方向に加速度が加わった場合の状態を示す断面図。
【図11】加速度センサーのX軸およびZ軸方向の検出回路を示す電気回路図。
【図12】従来の他の半導体加速度センサーの概略構造を示す正面図。
【符号の説明】
1 固定部、2 重錘体、3 可撓部、40 引出し電極、41 保護膜、
42 電極端子、
11 12 13 14 21 22 23 24 31 32 33
34 ピエゾ抵抗素子、3a〜3d 可撓部、10 ピエゾ抵抗素子、
111 112 113 114 211 212 213 214 311 312 313 314 ピエゾ抵抗素子、400 引き出し電極、
402 第2の電極薄膜パターン、403 第3の電極薄膜パターン、
404 第4の電極薄膜パターン、420 電極端子、
30a 30b 30c 30d 可撓部、410 保護膜、
400a 保護膜に形成したスルーホール

Claims (6)

  1. Si単結晶基板の厚肉部から成る中央重錘体部と、該重錘体部を取り囲むように配置した固定部と、該重錘体部と固定部とを連結するSi単結晶基板の薄肉部から成るダイヤフラム状または複数対の梁状の可撓部と、該可撓部上にある2つの直交する検出軸(XとY軸)および該可撓部に垂直な1つの検出軸(Z軸)に対応して、該可撓部上に設置した各軸それぞれ4ケのピエゾ抵抗素子群とからなり、該各軸4のピエゾ抵抗素子はフルブリッジ検出回路を構成するように薄膜の引き出し電極パターンで接続されてなる半導体加速度センサーであって、上記可撓部上に、固定部側から延びて可撓部の中央付近でピエゾ抵抗素子に接続されている引出し電極から延伸され、上記重錘体部に略あるいは完全にとどく第2の薄膜電極パターンや、上記引出し電極および第2の電極パターンとは独立して、該引出し電極や第2の電極パターン近傍に上記固定部側と重錘体部側に略あるいは完全にまたがる第3の薄膜電極パターン、のいずれかあるいは両方を新たに設けることによって、可撓部領域の電極薄膜パターンを略均一なレイアウトとしたことを特徴とする半導体加速度センサー。
  2. 請求項1項記載の半導体加速度センサーにおいて、上記第2の薄膜電極パターンは、上記引出し電極とは電気的および機械的に接続されていないことを特徴とする半導体加速度センサー。
  3. Si単結晶基板の厚肉部から成る中央重錘体部と、該重錘体部を取り囲むように配置した固定部と、該重錘体部と固定部とを連結するSi単結晶基板の薄肉部から成るダイヤフラム状または複数対の梁状の可撓部と、該可撓部上にある2つの直交する検出軸(XとY軸)および該可撓部に垂直な1つの検出軸(Z軸)に対応して、該可撓部上に設置した各軸それぞれ4のピエゾ抵抗素子群とからなり、該各軸4のピエゾ抵抗素子はフルブリッジ検出回路を構成するように薄膜の引き出し電極パターンで接続されてなる半導体加速度センサーであって、保護絶縁膜を介して各ピエゾ抵抗素子上に、少なくとも同一検出軸に対応する4のピエゾ抵抗素子それぞれに接続された引出し電極の一方の電極接続部側から延伸し他の電極接続部近傍まで伸びる第4の薄膜電極パターンを設けたことを特徴とする半導体加速度センサー。
  4. 請求項1項、2項記載の半導体加速度センサーにおいて、少なくとも同一検出軸に対応する4のピエゾ抵抗素子それぞれに接続された引出し電極を、保護絶縁膜を介して各ピエゾ抵抗素子上に、一方の電極接続部側から延伸し他の電極接続部近傍まで伸びる第4の薄膜電極パターンを設けたことを特徴とする半導体加速度センサー。
  5. 請求項3項および4項記載の半導体加速度センサーにおいて、上記第4の薄膜電極パターンは、上記引き出し電極とは電気的および機械的に接続されていないことを特徴とする半導体加速度センサー。
  6. 請求項1項から5項記載の半導体加速度センサーにおいて、上記引き出し電極および第2から第4の薄膜電極パターンは、同一材料からなり略同一の膜厚および略同一のパターン幅であることを特徴とする半導体加速度センサー。
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