JPH0978378A - パイル用原綿 - Google Patents
パイル用原綿Info
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- JPH0978378A JPH0978378A JP7237232A JP23723295A JPH0978378A JP H0978378 A JPH0978378 A JP H0978378A JP 7237232 A JP7237232 A JP 7237232A JP 23723295 A JP23723295 A JP 23723295A JP H0978378 A JPH0978378 A JP H0978378A
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- Artificial Filaments (AREA)
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Abstract
び腰の強さを有するパイル製品を得ることのできるパイ
ル用原綿を提供する。 【解決手段】 繊維断面の扁平率A/B(A:長辺の長
さ、B:短辺の長さ)が5〜25、単繊維繊度が1〜4
0デニールの扁平アクリル繊維(X)90%以下と、繊
維断面の扁平率A/Bが5〜25で、各長辺に繊維軸方
向に連続する巾W=B/2〜3B、高さH=B/2〜2
Bの凸部を1〜A/2W個有する、単繊維繊度が0.5
〜40デニールの扁平アクリル繊維(Y)10%以上と
で構成されているパイル用原綿、並びに上記扁平アクリ
ル繊維(Y)100%で構成されているパイル用原綿。
Description
いは衣料用等に適した、優れた柔軟性と、適度な反発力
及び嵩高性を有する風合良好なパイル製品を得ることの
できるパイル用原綿に関する。
端が細くなった立毛繊維からなっているので、腰がある
割りには触感が柔軟な独特の風合いを有している。近
年、自然環境保護の見地から天然毛皮の使用が控えられ
る傾向にあり、合成繊維を使用し天然毛皮に近い風合の
立毛製品の開発が切に望まれている。合成繊維、特に柔
軟な風合いが得やすいことからアクリル繊維を用い、毛
皮に似せた立毛製品も従来から多く市販されているが、
均一な太さを有する繊維を使用せざるを得ないため、根
本と同じ太さにすると腰はあるが粗硬な風合となり、先
端と同じ太さにすると腰のない風合となってしまう。
した立毛製品を得る技術としては、ポリエステル繊維か
らパイル地のパイル先端部をアルカリ水溶液に浸漬して
加水分解し、先鋭化する技術(特開昭55−16906
号公報)、収束したポリエステル繊維の一端をアルカリ
水溶液中に浸漬して先鋭化する技術(特開昭56−13
4272号公報)等が提案されており、他の方法として
は、繊維断面を扁平形状とすることで繊維を曲がり易く
し、ソフトな風合を発現したり、繊維をY字断面とし
て、ポリッシャー工程で分割させ、太さの割りには触感
が柔軟な独特の風合とする技術がある(特公平1−51
564号公報)。
ステル繊維の先端を加水分解により先鋭化する方法では
立毛繊維の先端の先鋭化の程度を制御することが難しい
上、アルカリ水溶液による加水分解処理はバッチ処理に
ならざるを得ず、生産効率が悪く、工業的に問題があ
る。また、繊維断面を先端分割可能なY字断面とする方
法では、獣毛に近い風合の繊維が得られるものの、断面
形状からくる保水率の高さから乾燥負荷が大きく、工業
的には特別な配慮が必要であり、低コストで大量に生産
することが難しい。更に、繊維を扁平形状とする方法で
は、繊維が扁平であるため繊維間で密着が起こり易いと
いう問題があり、また扁平繊維の扁平率を上げること
で、柔軟性良好な繊維とすることができるが、扁平率の
向上に伴い繊維間密着はより発生しやすくなる。
題となる繊維間密着を抑制することにより、天然毛皮調
の毛サバキ性、柔軟性、嵩高性及び腰の強さを有するパ
イル製品を得ることのできるパイル用原綿の提供を課題
とする。
平率A/B(A:長辺の長さ、B:短辺の長さ)が5〜
25、単繊維繊度が1〜40デニールの扁平アクリル繊
維(X)90%以下と、繊維断面の扁平率A/Bが5〜
25で、各長辺に繊維軸方向に連続する巾W=B/2〜
3B、高さH=B/2〜2Bの凸部を1〜A/2W個有
する、単繊維繊度が0.5〜40デニールの扁平アクリ
ル繊維(Y)10%以上とで構成されているパイル用原
綿、並びに上記扁平アクリル繊維(Y)100%で構成
されているパイル用原綿によって、上記課題を解決する
ものである。
維(X)は、扁平率が5〜25、好ましくは8〜20で
あるが、こうした扁平アクリル繊維(X)だけでパイル
用原綿を構成した場合は、繊維間密着が生じ易く、パイ
ル製品としたときガサツキ感を有するようになる。ま
た、超扁平にして柔軟性向上を目指す場合には、柔軟で
はあるが腰の弱いパイルとなってしまう。そこで、本発
明においては、この扁平アクリル繊維(X)と共に、各
長辺に特定の凸部を有する扁平アクリル繊維(Y)を1
0%以上混合するのである。これによって繊維間密着が
生じ易い扁平アクリル繊維(X)の間に凸部を有する扁
平アクリル繊維(Y)が入り込み、繊維間の密着が抑え
られ、毛サバキ性が向上すると共に、ポリッシャー工程
で加熱する際、各単繊維が独立しているため、直接熱ロ
ーラーに接触し、これによって熱ローラーから各繊維へ
の伝熱が容易になり繊維の捲縮除去が容易になる。そし
て得られるパイル製品は、凸部を有する扁平アクリル繊
維(Y)が扁平アクリル繊維(X)を補強する構造とな
り、全体として柔軟でありながら腰強さを有するパイル
製品となるのである。
(X)の扁平率が5未満の場合には、扁平繊維特有の柔
軟性が発現しにくく、獣毛調のパイル製品が得られにく
い。扁平率が25を越えると繊維間の密着が激しく、凸
部を有する扁平アクリル繊維(Y)を混綿しても、毛サ
バキ性向上の効果が低い。
〜40デニールであることが必要であり、好ましくは2
〜30デニールである。繊度が1デニール未満の場合に
は繊維同士が絡まりやすくなり、パイル製品に加工した
ときに表面がガサツキ感を有するようになる。また、繊
度が40デニールを越えると扁平であっても柔軟性が発
現せず、獣毛調のパイル製品が得られにくい。
扁平アクリル繊維(Y)の凸部の幅WはB/2〜3Bで
あり、この範囲を外れると凸部の効果が認められない。
また、凸部の高さHはB/2〜2Bであり、B/2未満
の場合、凸部の効果が認められず、2Bを越えると生産
性よく繊維を製造することができない。更に凸部の数の
上限はA/2W以下の整数であり、A/2Wを越えると
隣接した繊維との空間が少なくなり毛サバキ性が低下す
る。
0.5〜40デニールであることが必要であり、好まし
くは2〜25デニールである。繊度が0.5デニール未
満の場合には、繊維同士が絡まり易く、パイル製品に加
工したときに表面にガサツキ感を有するようになるので
好ましくない。また、繊度が40デニールを越えると扁
平であっても柔軟性が発現しない。
る位置は、該扁平アクリル繊維(Y)の長辺にあれば良
く特に限定されないが、凸部の幅の中点が長辺中点を中
心としたA/4の位置にあることが風合の点から特に好
ましい。また、凸部の形状は扁平アクリル繊維(Y)本
体との間に空洞ができない形状であれば特に限定され
ず、三角形、正方形、長方形、その他の多角形、半円形
等が挙げられる。凸部が半円形の場合は保水率が低く抑
えられるため、乾燥負荷が低いので有利である。
以上、より好ましくは30%以上であり、10%未満の
場合には、扁平繊維の間に位置する凸部を有する扁平繊
維の量が少ないため、扁平アクリル繊維(X)同志の密
着を抑える効果が低く、パイル製品の表面がガサツキ感
を有するようになる。尚、本発明のパイル用原綿を、凸
部を有する扁平アクリル繊維(Y)100%で構成して
もよいことは当然である。
び扁平アクリル繊維(Y)は、例えば次のようにして製
造することができる。扁平アクリル繊維(X)及び
(Y)の製造に好適なアクリロニトリル系重合体は、ア
クリロニトリルを50重量%以上含有し、これと共重合
可能な不飽和単量体とからなるアクリロニトリル系重合
体である。共重合可能な不飽和単量体としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、及びそれらの誘導体、酢酸ビニ
ル、アクリルアミド、メタクリルアミド、塩化ビニル、
塩化ビニリデンさらに目的によってはビニルベンゼンス
ルホン酸ソーダ、メタクリルスルホン酸ソーダ、アクリ
ルアミドメチルプロパンスルホン酸ソーダ等のイオン性
不飽和単量体を用いることができる。
ては懸濁重合、溶液重合等が選択可能であり、特に限定
されない。アクリロニトリル系重合体の分子量は通常ア
クリル繊維の製造に用いられる範囲の分子量であればよ
く、特に限定されないが、0.5重量%ジメチルホルム
アミド溶液としたとき、25℃における還元粘度が1.
5〜3.0の範囲にあることが好ましい。
5〜28重量%となるように溶剤に溶解して調製する。
濃度が15重量%未満では、凝固時にノズル孔の形状と
繊維断面の形状の差が著しく、目的の断面形状とするこ
とが困難となり、28重量%を越えると紡糸原液の経時
安定性が悪くなり、紡糸性が低下する。
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶剤
等の他、硝酸、ロダン塩水溶液、塩化亜鉛水溶液等を用
いることができるが、断面形状をノズル孔により制御す
る場合には、有機溶剤が有利である。
速度の比で定義される紡糸ドラフトを0.7〜2.0の
範囲となるように紡糸し、引き取ることにより、紡糸孔
の形状に概略相似の断面形態を有する扁平アクリル繊維
(X)及び(Y)を得ることができる。紡糸ドラフトが
0.7未満の場合には、凝固時にノズル孔の形状と繊維
断面の形状の差が著しく、目的の断面形状を得ることが
困難となり、2.0を越えると凝固浴液中での糸切れが
多くなり、繊維自体を得ることが困難となる。
延伸、洗浄、乾燥し、用途に応じて熱緩和処理を行い、
バランスの取れた力学特性を付与した後、カットする。
尚、パイル用原綿を色綿とする場合には、綿染め、紡糸
工程における原着、工程染色等、公知の方法により着色
すればよい。
及び(Y)を上記割合で混綿してパイル用原綿とする
か、又は扁平アクリル繊維(Y)単独でパイル用原綿と
して、公知のパイル加工法により、ボア、ハイパイル、
カーペット等のパイル製品に加工する。
明する。
量%、酢酸ビニル7重量%からなる共重合体を水系懸濁
重合により得た。この共重合体の0.5重量%ジメチル
アセトアミド溶液の25℃における還元粘度は2.0で
あった。この共重合体をジメチルアセトアミドに溶解し
て重合体濃度24重量%の紡糸原液とした。
セトアミド水溶液中で、扁平形状及び凸部を有する扁平
形状の孔を有するノズルから吐出させ、紡糸ドラフト
1.01〜1.91の範囲で引き取り、熱水中で5倍延
伸し、洗浄、乾燥ロールで乾燥後、2.5kg/cm2
Gの加圧水蒸気雰囲気下で熱緩和処理し、51mmにカ
ットし、表1に記載の扁平アクリル繊維(X)及び扁平
アクリル繊維(Y)を得た。これらの繊維を表1に記載
の割合で混合して10g/mのスライバーを作製し、ス
ライバーニッティング機によりスライバーニットを得
た。次いでポリッシャー処理を行い、目付700g/m
2 、パイル長18mmのハイパイルを得た。得られたハ
イパイルの風合を、触感テストし、その結果を表1に示
した。
は、扁平アクリル繊維(Y)の繊維軸に垂直な面で切っ
た断面の対角線の交点を長辺がx軸、短辺をy軸とする
座標軸の原点において、凸部底辺の中点の座標を(x、
y)の順で示した。
る官能試験で行い、◎:極めて良好、○:良好、△:普
通、×:不良、××:極めて不良の5段階で表現した。
ル繊維(X)95%と扁平アクリル繊維(Y)5%とで
構成し、実施例と同様にハイパイルを作製した。得られ
たハイパイルの風合は多少ガサツキ感があるものであっ
た。
の扁平アクリル繊維(X)70%と扁平アクリル繊維
(Y)30%とで構成し、実施例と同様にハイパイルを
作製した。得られたハイパイルの風合は柔軟ではあった
がガサツキ感のあるものであった。
ル繊維(X)70%と扁平率3の扁平アクリル繊維
(Y)30%とで構成し、実施例と同様にハイパイルを
作製した。得られたハイパイルの風合はガサツキ感のあ
るものであった。
0.5デニールの扁平アクリル繊維(X)50%と扁平
アクリル繊維(Y)50%とで構成し、実施例と同様に
ハイパイルを作製した。得られたハイパイルの風合はガ
サツキ感の強いものとなった。
毛皮調の毛サバキ性、柔軟性、嵩高性及び腰の強さを有
するパイル製品を得ることができ、玩具(縫いぐる
み)、衣料、インテリア用等として広範囲に利用でき
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 繊維断面の扁平率A/B(A:長辺の長
さ、B:短辺の長さ)が5〜25、単繊維繊度が1〜4
0デニールの扁平アクリル繊維(X)90%以下と、繊
維断面の扁平率A/Bが5〜25で、各長辺に繊維軸方
向に連続する巾W=B/2〜3B、高さH=B/2〜2
Bの凸部を1〜A/2W個有する、単繊維繊度が0.5
〜40デニールの扁平アクリル繊維(Y)10%以上と
で構成されていることを特徴とするパイル用原綿。 - 【請求項2】 繊維断面の扁平率A/B(A:長辺の長
さ、B:短辺の長さ)が5〜25で、各長辺に繊維軸方
向に連続する巾W=B/2〜3B、高さH=B/2〜2
Bの凸部を1〜A/2W個有する、単繊維繊度が0.5
〜40デニールの扁平アクリル繊維(X)100%で構
成されていることを特徴とするパイル用原綿。
Priority Applications (9)
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Publications (2)
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Country | Link |
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JP (1) | JP3565631B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006008933A1 (ja) * | 2004-07-16 | 2006-01-26 | Kaneka Corporation | 立毛布帛 |
JP2006138034A (ja) * | 2004-11-12 | 2006-06-01 | Kaneka Corp | 毛さばき性とソフトな触感を両立する立毛パイル布帛 |
-
1995
- 1995-09-14 JP JP23723295A patent/JP3565631B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006008933A1 (ja) * | 2004-07-16 | 2006-01-26 | Kaneka Corporation | 立毛布帛 |
JP4734246B2 (ja) * | 2004-07-16 | 2011-07-27 | 株式会社カネカ | 立毛布帛 |
JP2006138034A (ja) * | 2004-11-12 | 2006-06-01 | Kaneka Corp | 毛さばき性とソフトな触感を両立する立毛パイル布帛 |
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JP3565631B2 (ja) | 2004-09-15 |
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