JPH06346316A - 菱形断面を有するアクリル系繊維および該アクリル繊維を用いて得られるパイル地 - Google Patents

菱形断面を有するアクリル系繊維および該アクリル繊維を用いて得られるパイル地

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JPH06346316A
JPH06346316A JP5132194A JP13219493A JPH06346316A JP H06346316 A JPH06346316 A JP H06346316A JP 5132194 A JP5132194 A JP 5132194A JP 13219493 A JP13219493 A JP 13219493A JP H06346316 A JPH06346316 A JP H06346316A
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JP
Japan
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section
acrylic yarn
fiber
pile fabric
cross
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Pending
Application number
JP5132194A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Hosokawa
宏 細川
Yoshihiro Nishihara
良浩 西原
Seizo Oishi
清三 大石
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然毛皮の風合いに近い柔軟性と腰強さを共
有し、かつ生産性の高いアクリル繊維および該アクリル
繊維を用いて得られるパイル地を提供する。 【構成】 アクリロニトリルを50重量%以上含有する
アクリル系重合体より成り、菱形断面を持つ繊維であっ
て、菱形断面の縦横比が1:2〜1:10の範囲にあ
り、かつ繊維太さが1〜10デニールの範囲にあること
を特徴とするアクリル系繊維および該アクリル繊維を用
いてて得られるパイル地。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インテリア用あるいは
衣料用に適する、柔軟性と腰強さを兼ね備えたアクリル
系繊維および該アクリル繊維を用いて得られるパイル地
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、天然の毛皮を構成する立毛繊維
は、根本が太く、先端部分が細い比較的長い刺毛と、細
くて比較的短い産毛から成り、この為、感触が柔軟で且
つ腰の強い独特の風合いを有しており、消費者ニーズの
高い製品となっている。
【0003】一方、合成繊維を用いた人工毛皮製品は従
来から数多く市販されているが、原料繊維が均一な太さ
を有する為、天然毛皮を構成する刺毛に相当する繊維と
して刺毛と同等の太さの繊維を用いると風合いの柔軟性
が著しく劣り、天然毛皮の風合いには到底及ばないのが
現状である。
【0004】このような問題点を解決する方法として、
割繊性を有するY字断面糸の製造方法(特公平1−51
564号公報)が提案されているが、洗浄工程後の乾燥
工程において、Y字断面糸は窪みの部分に水が保持され
る傾向が強い為に、乾燥負荷が大きく、生産性向上を目
的とした特別な水分除去装置が必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、天然毛皮の風合いに近い柔軟性と腰強さを共有
し、かつ生産性の高いアクリル繊維および該アクリル繊
維を用いて得られるパイル地を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、アクリロニトリルを50重量%以上含有するアク
リル系重合体より成り、菱形断面を持つ繊維であって、
菱形断面の縦横比が1:2〜1:10の範囲にあり、か
つ繊維太さが1〜10デニールの範囲にあることを特徴
とするアクリル系繊維を第1の発明とし、該アクリル繊
維を用いて得られるパイル地を第2の発明とするもので
ある。
【0007】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
【0008】本発明に用いられる、繊維を構成するアク
リル系重合体は、アクリロニトリル50重量%以上と、
これと共重合可能な不飽和単量体との共重合体である。
【0009】共重合成分として用いる不飽和単量体は特
に限定されないが、例えばアクリル酸、メタクリル酸お
よびこれらの誘導体、酢酸ビニル、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどが挙
げられる。
【0010】更に、目的によってはビニルベンゼンスル
ホン酸ソーダ、メタリルスルホン酸ソーダ、アクリルア
ミドメチルプロパンスルホン酸ソーダなどのイオン性不
飽和単量体を共重合成分として用いることができる。
【0011】アクリル系重合体の重合法は特に限定され
ないが、例えば通常の懸濁重合法または溶液重合法を用
いることができる。
【0012】本発明のアクリル繊維は、断面形状が菱形
であって、菱形の縦横比が1:2〜1:10の範囲にあ
る。尚、ここで菱形の縦横比とは図1で定義されるa:
bを指す。
【0013】繊維の断面形状を菱型とすることにより、
従来の繊維断面形状である長方形、菱形、三角形、円
形、楕円形、ハート形、ドッグボーン形、クローバ形、
Y字形、十字形などでは得られなかった、特にパイル地
における柔軟性と腰強さを両立し、且つ満足な風合いが
得られることを見出した。
【0014】また、菱形断面糸では、断面形状に窪みが
無い為、Y字、十字、ハート形、ドッグボーン形、クロ
ーバ形などの窪みのある異形断面糸で発現した乾燥負荷
の問題を回避できるという長所を有している。
【0015】菱形の縦横比が1:2未満では、腰は強い
ものの、十分な柔軟性を発現しない。逆に、縦横比が
1:10を越えると、扁平性が高くなり、柔軟性は良好
であるが十分な腰強さを発現しない。
【0016】菱形が他の断面形状と比較して風合いに優
れる理由は、現在のところ定かではないが、十分な柔軟
性を発現する為に、ある程度の扁平性を付与しても尚、
形状因子から捩れ剛性率と曲げ剛性率がある程度高いこ
とに由来すると推定される。
【0017】また、パイル加工した場合、菱形断面構造
が他の形状と比較してパッキングしにくい断面形状であ
る為に、起毛の密度が比較的低くなることも理由として
推定される。
【0018】本発明のアクリル繊維は、繊維太さが1〜
10デニールの範囲にある。10デニールを越えると、
十分な柔軟性を得ることが困難となり、一方、1デニー
ル未満では腰強さが不十分となり、パイル地に加工した
場合、満足な風合いを発現することができない。
【0019】繊維の賦形法としては、湿式紡糸法が有利
に使用できる。溶剤としては、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの有
機溶剤および硝酸、ロダン塩水溶液、塩化亜鉛水溶液を
用いることができるが、繊維断面形状をノズルホール形
状により制御しようとする場合、有機溶剤が有利に使用
できる。
【0020】紡糸原液は通常の濃度で調製できる。紡糸
ノズルとしては、ノズルホールの形状が菱形であるもの
が有利に使用できる。
【0021】紡糸凝固条件は、使用するポリマーの共重
合成分や繊維太さなどに応じて、通常のアクリル系繊維
の製造条件に準じて任意に選ぶことができる。
【0022】紡糸して得られた繊維は、延伸、洗浄、乾
燥される。場合によっては、熱水中で延伸する工程を途
中に入れても良い。
【0023】乾燥された繊維は、用途により熱緩和処理
され、バランスのとれた力学特性を付与した後、カット
され原綿とすることができる。
【0024】原綿のパイル地への加工法としては、通常
のパイル加工法から選ぶことができる。
【0025】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具
体的に説明する。
【0026】
【実施例】
<実施例1〜4および比較例1〜10>アクリロニトリ
ル93重量%と酢酸ビニル7重量%から成るアクリル系
ポリマーを通常の水系懸濁重合法により得た。該ポリマ
ーをジメチルアセトアミドに溶解して、ポリマー濃度2
3重量%の紡糸原液を調製した。
【0027】該紡糸原液を、ホール形状が丸形および縦
横比が1:4である菱形のノズルによりそれぞれ紡糸
し、繊維太さが0.9〜25デニールの範囲の原綿を
得、スライバーニットによりハイパイルサンプルを試作
した。
【0028】該パイル地の風合いを、感触テストしたと
ころ、表1の結果を得た。ここで、ソフト感および腰強
さに関して試験者の80%以上が満足と解答した場合に
は◎印、80%以上が不満と解答した場合には×印、そ
の他の場合を○印とした。
【0029】<比較例11〜13>実施例1と同様の方
法で、断面形状の異なる繊維太さ2デニールの原綿を
得、ハイパイルサンプルを試作し、感触テストしたとこ
ろ、表2の結果を得た。
【0030】<実施例5〜7および比較例14〜15>
実施例1と同様の方法で、菱形断面で縦横比の異なる繊
維太さ2デニールの原綿を得、ハイパイルサンプルを試
作し、感触テストしたところ、表3の結果を得た。
【0031】
【発明の効果】本発明のアクリル繊維、特に該アクリル
繊維を加工して得られるパイル地は、天然毛皮の風合い
に近い柔軟性と腰強さを共有し、かつ生産性に優れたも
のであることから、インテリア用あるいは衣料用等各種
用途に極めて有用なものである。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の菱形断面繊維の断面形状を
示す断面図である。
【符号の説明】
a:繊維断面縦長さ b:繊維断面横長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04B 1/04 21/04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリルを50重量%以上含有
    するアクリル系重合体より成り、菱形断面を持つ繊維で
    あって、菱形断面の縦横比が1:2〜1:10の範囲に
    あり、かつ繊維太さが1〜10デニールの範囲にあるこ
    とを特徴とするアクリル系繊維。
  2. 【請求項2】 請求項1のアクリル繊維を用いて得られ
    るパイル地。
JP5132194A 1993-06-02 1993-06-02 菱形断面を有するアクリル系繊維および該アクリル繊維を用いて得られるパイル地 Pending JPH06346316A (ja)

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