JP2002227028A - アクリル系人工毛髪繊維およびそれからなる頭飾製品 - Google Patents

アクリル系人工毛髪繊維およびそれからなる頭飾製品

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JP2002227028A
JP2002227028A JP2001020220A JP2001020220A JP2002227028A JP 2002227028 A JP2002227028 A JP 2002227028A JP 2001020220 A JP2001020220 A JP 2001020220A JP 2001020220 A JP2001020220 A JP 2001020220A JP 2002227028 A JP2002227028 A JP 2002227028A
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fiber
hair fiber
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Masahiko Takada
雅彦 高田
Koichi Nishiura
浩一 西浦
Kazuaki Fujiwara
一晃 藤原
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 頭飾製品として使用する際に発生する毛髪の
もつれや変形を改善したアクリル系人工毛髪繊維を提供
する。 【解決手段】 アクリロニトリル35〜75重量%、塩
化ビニルおよび(または)塩化ビニリデン25〜65重
量%およびこれらと共重合可能なビニル系モノマー0〜
10重量%からなる共重合体を用いた、繊度が30〜8
5dtexのアクリル系人工毛髪繊維であり、該繊維の
結節強度が0.25〜0.70cN/dtex、結節伸
度が5〜15%、引張強度が0.9〜1.8cN/dt
exであり、かつ、毛先変形率が10%以下であるアク
リル系人工毛髪繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、毛髪のもつれおよ
び変形が改善されたアクリル系人工毛髪繊維およびそれ
からなるウィッグ、ヘアアクセサリーなどとして用いら
れる頭飾製品に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系合成繊維は難燃性であり、か
つ、優れた風合いやボリューム感があり、人工毛髪用繊
維として頭飾製品に広く使用されている。
【0003】該頭飾製品は、通常、頭に装着して使用さ
れるが、使用していると繊維同士が絡まるため、櫛を通
して繊維の絡みをほどこうとする。軽微な絡みの場合、
櫛を通すことにより絡みをほどくことができるが、ひど
い絡みの場合、櫛を通しても絡みをほどくことは容易で
ない。無理にほどこうとすると、絡みが次第にもつれて
ほどけにくくなり、頭飾製品が変形してみにくいスタイ
ルになり、触感もゴワゴワと硬くなってしまう。
【0004】アクリル系合成繊維からの頭飾製品には前
記のような問題があるにもかかわらず、不思議なこと
に、前記のごときもつれや変形の問題を、アクリル系合
成繊維自体を改善することにより解決しょうとする試み
は今までなされておらず、もっぱら頭飾製品の加工時や
装着後に使用する油剤やコンディショナーなどの付与に
より、対処しようとしている。
【0005】たとえば、特開平12―119972号公
報では、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを
主成分とする化合物と、アミノ変性シリコーンを主成分
とする油剤とを含有する処理剤を付着させる方法が提案
されている。この方法では、毛髪のもつれや変形の改善
だけでなく、繊維の保湿性、触感、櫛通り性、帯電防止
性など毛髪特性全般の改善を対象にしているため、効果
が一時的であり、根本的な解決にはいたっていない。
【0006】なお、従来から人工毛髪繊維として用いら
れているアクリル系繊維は、本発明者らの測定による
と、およそ繊度50〜65dtex、結節強度1.0〜
1.5cN/dtex、結節伸度25〜50%、引張強
度1.2〜2.0cN/dtex、毛先変形率20%以
上のものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アクリル系
繊維を使用した頭飾製品において、毛髪のもつれを櫛を
通して無理にほどこうとして発生する変形を減少し、変
形した毛髪に起因する2次的なもつれ、スタイラビリテ
ィーの低下、あるいは触感の硬さなどの問題を改善した
アクリル系繊維を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
を改善すべく鋭意検討を重ねた結果、繊維の結節強度お
よび伸度に着目し、従来のアクリル系繊維に比べて結節
強度を弱く、伸度を小さくすれば、櫛、ブラシなどで解
く場合、変形する前に切断され、このため変形が少なく
なり、前記問題が解決されるのではないかとの考え方に
到達し、本発明を完成するにいたった。
【0009】すなわち、本発明は、(1)アクリロニト
リル35〜75重量%、塩化ビニルおよび(または)塩
化ビニリデン25〜65重量%およびこれらと共重合可
能なビニル系モノマー0〜10重量%からなる共重合体
を用いた繊度が30〜85dtexのアクリル系人工毛
髪繊維であり、該繊維の結節強度が0.25〜0.70
cN/dtex、結節伸度が5〜15%、引張強度が
0.9〜1.8cN/dtexであり、かつ、毛先変形
率が10%以下であるアクリル系人工毛髪繊維(発明
1)、(2)前記人工毛髪繊維が、前記共重合体を良溶
媒に溶解した紡糸原液を用いて湿式紡糸法により得られ
たものである(1)記載のアクリル系人工毛髪繊維(発
明2)、(3)前記良溶媒が、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシドおよびジメチルアセトアミドより
なる群から選択された少なくとも1種であり、延伸、熱
処理後の緩和率を3〜15%として製造することにより
得られた(2)記載のアクリル系人工毛髪繊維(発明
3)、(4)(1)、(2)または(3)記載のアクリ
ル系人工毛髪繊維を加工してなる頭飾製品(発明4)、
および(5)前記頭飾製品が、ウィッグまたはヘアアク
セサリーである(4)記載の頭飾製品(発明5)に関す
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明1のアクリル系人工毛髪繊
維は、アクリロニトリル35〜75重量%、塩化ビニル
および(または)塩化ビニリデン25〜65重量%およ
びこれらと共重合可能なビニル系モノマー0〜10重量
%からなる共重合体を用いた繊度が30〜85dtex
のアクリル系人工毛髪繊維である。前記アクリロニトリ
ルが35重量%未満になると、耐熱性や染色性などアク
リル系繊維としての特性が低下し、一方、75重量%を
こえると、塩化ビニルおよび(または)塩化ビニリデン
の共重合量が少なくなり、難燃性が低下する。また、前
記塩化ビニルおよび(または)塩化ビニリデンが25重
量%未満になると、難燃性が低下し、一方、65重量%
をこえると、アクリロニトリルの共重合量が少なくな
り、耐熱性や染色性などアクリル系繊維としての特性が
低下する。前記共重合可能なビニル系モノマーとは、染
着座席となる親水性モノマーなどであり、その共重合量
は0〜10重量%であるが、5重量%以下であるのが、
コストの面から好ましい。共重合可能なビニル系モノマ
ーとして染着座席となる親水性モノマーを使用する場
合、該モノマーを使用することによる明確な効果を得る
ためには、0.1重量%以上使用するのが好ましい。な
お、共重合可能なビニル系モノマーを使用する場合も、
アクリロニトリルまたは塩化ビニルおよび(または)塩
化ビニリデンの使用量は前記範囲内になり、単量体合計
量が100重量%になるようにするのが好ましい。
【0011】前記共重合可能なビニル系モノマーの具体
例としては、たとえばメタリルスルホン酸、アリルスル
ホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、これらのナトリウム塩、カリウム塩などの塩類など
のスルホン酸基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル
酸、それらのエステル類、酢酸ビニル、メタクリルアミ
ドなどの繊維特性の改良のために使用されるモノマーな
どがあげられるが、これらに限定されるものではない。
【0012】前記繊度が30dtex未満になると、人
工毛髪用としては柔らかすぎたり、スタイリングが困難
となる。一方、85dtexをこえると、硬くなりすぎ
る。好ましい繊度は、40〜70dtexである。
【0013】本発明1のアクリル系人工毛髪繊維は、さ
らに、結節強度が0.25〜0.70cN/dtex、
結節伸度が5〜15%、引張強度が0.9〜1.8cN
/dtexであり、かつ、毛先変化率が10%以下のも
のである。
【0014】なお、本発明者らが知る範囲では、従来か
ら使用されているアクリル系人工毛髪繊維で、結節強度
が0.25〜0.70cN/dtex、結節伸度が5〜
15%、引張強度が0.9〜1.8cN/dtexを満
足し、かつ、毛先変化率が10%以下のものはない。
【0015】前記結節強度とは、201N型試験機(イ
ンテスコ社製)を用い、JIS L1069に準じて測
定されるものである。
【0016】また、前記毛先変形率とは、毛髪のもつれ
や変形を予測する簡易指標であり、ウィービング用に準
じたミノ毛を試料とし、毛髪部をもつれさせては櫛でほ
どく操作を10回繰り返したのちに毛先に発生する変形
した繊維の本数の割合を求めたものである。なお、この
値が10%をこえると、とくに20%以上になると、毛
髪がもつれてほどけにくくなり、触感がゴワゴワと硬く
なってしまい、スタイルが汚くなる。
【0017】繊度が30〜85dtexにおいて、前記
結節強度、結節伸度および引張強度のいずれもが、前記
要件を満たす場合には、櫛を通してもつれをほどくとき
に変形する前に切断されるためか、毛先変形率が10%
以下となり、下記のごとき効果が得られる。
【0018】すなわち、本発明1のアクリル系人工毛髪
繊維を使用して製造した頭飾製品は、毛髪のもつれを櫛
を通して無理にほどこうとして発生する変形を減少し、
変形した毛髪に起因する2次的なもつれ、スタイラビリ
ティーの低下、あるいは触感の硬さなどの問題が低減さ
れる。
【0019】前記結節強度が0.25cN/dtex未
満になるか、伸度が5%未満になるか、または引張強度
が0.9cN/dtex未満になると、ミシンでの縫製
や油剤処理などの加工段階で、あるいはスタイルを整え
るコーミング段階で糸切れが多くなり、頭飾製品に加工
したり使用したりできなくなる。一方、結節強度が0.
70cN/dtexをこえるか、伸度が15%をこえる
か、または引張強度が1.8cN/dtexをこえる
と、毛髪のもつれを櫛で無理にほぐしても、絡んだ糸が
切れなくなるせいか、変形を引き起こしやすくなる。こ
れらの場合には、毛先変化率が10%をこえ、前記のご
とき問題がおこりやすくなる。好ましい毛先変化率は、
7%以下である。
【0020】つぎに、本発明1のアクリル系人工毛髪繊
維の好ましい製造方法について説明する。
【0021】本発明1のアクリル系人工毛髪繊維の製造
に用いるアクリル系共重合体は、前記単量体混合物の乳
化重合や溶液重合などの公知の重合方法により製造する
ことができる。
【0022】製造された共重合体を繊維化する好ましい
方法としては、前記共重合体を良溶媒に溶解した紡糸原
液を作成し、該良溶媒を含む水溶液により凝固させる公
知の湿式紡糸法をあげることができる。一般にアクリル
系共重合体の繊維化には、湿式紡糸法と乾式紡糸法とが
あるが、乾式紡糸法では、人工毛髪用のように太い繊度
の繊維の製造は困難である。良溶媒を用いた湿式紡糸法
の場合、結節強度が低く、伸度が小さい繊維が得られや
すく、好ましい。このことは、本発明者らがはじめて見
出したことである。
【0023】前記良溶媒としては、とくに制限はない
が、たとえばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シドおよびジメチルアセトアミドよりなる群から選択さ
れた少なくとも1種を用いるのが、アクリル系共重合体
のアクリルニトリル組成が広い範囲で溶解する点から好
ましい。
【0024】前記湿式紡糸法における水洗、乾燥条件な
どにはとくに制限はないが、延伸、熱処理後の緩和率を
3〜15%に抑えることが好ましい。緩和率が15%を
こえると、結節強度が0.7cN/dtexをこえた
り、結節伸度が15%をこえたりする傾向にある。一
方、3%未満になると、結節強度が0.25cNより弱
くなったり、結節伸度が5%より小さくなりやすくな
る。
【0025】ここでいう緩和率とは、繊維の構造を決定
する最終工程の熱処理段階における緩和率のことであ
る。
【0026】つぎに、本発明の頭飾製品について説明す
る。
【0027】前記アクリル系人工毛髪繊維を加工して頭
飾製品にする方法には、とくに限定はなく、一般的な公
知の方法で加工すればよい。とくに好ましい加工方法と
しては、スタイルに合わせた毛の長さのミノ毛をミシン
で縫製し、パイプに巻いて熱セットしてカールを付与し
たのち、ベース基材に縫着または接着させるなどの方法
をあげることができるが、これらに制限されるものでは
ない。
【0028】本発明4の頭飾製品の好ましいものとして
は、ウィッグまたはヘアアクセサリーがあげられる。
【0029】前記ウィッグとは、人毛や人工毛髪繊維を
ベース基材(キャップ)に縫着させたような形態のもの
をいい、婦人用、紳士用を問わず、頭部に面で取り付け
る、主におしゃれを楽しむための装飾品であって、その
装着面積によって、部分ウィッグ、ハーフウィッグ、七
分ウィッグ、フルウィッグなどに分けられる。
【0030】前記ヘアアクセサリーとは、自毛や頭皮に
取り付けるウィッグを除く装飾品の総称であり、たとえ
ばヘアピンやヘアクリップなどを介して自毛に取り付け
て自毛を長く見せるエクステンションや、頭皮に沿って
網状に編んで自毛に縫い合わせたり、頭皮や自毛に接着
剤などで主に帯状に取り付けるウィービング(単に繊維
を束ねたものや、当業者に一般にウエフトとよばれる繊
維を腰ミノ状に加工した繊維束、さらにそれらにカール
形状を付与した装飾品)などがあげられる。
【0031】たとえば、ウィッグを作る場合には、繊維
束をウィッグ用ミシンで縫製してミノ毛を作り、これを
パイプに巻いて熱セットによりカールを付与し、カール
の付いたミノ毛をヘアキャップに縫い付け、スタイルを
整えることにより行なえばよい。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらによって何ら限定される
ものではない。
【0033】なお、実施例中の評価方法は、以下のとお
りである。
【0034】(単繊維の繊度)オートバイブロ式繊度測
定器 DENIER COMPUTERタイプDC―1
1(サーチ(株)製)を使用して測定し、サンプル数3
0の平均値とした。
【0035】(単繊維の引張強度、結節強度)JIS
L1069に準じて、201N型試験機(インテスコ社
製)を使用して測定した。
【0036】(単繊維の結節伸度)JIS L1069
の引張時の伸び率に準じて、結節の伸びを測定した。
【0037】(毛先変形率)繊維の長さが20cm、幅
が4.5cm、総繊度が約68000dtexのミノ毛
を作成し、試験試料とした。ミノ毛のミシン縫製部分を
掴んで、円弧を描くように上から下に10回振り、毛の
絡みを作ったのち、毛先まで櫛を通して絡みをほどい
た。かかる操作を10回繰返したのち、試料の繊維の全
本数と毛先が変形した繊維本数を数え、次式にて毛先変
形率を算出した。なお、毛先の変形は、毛の先端から上
に約5cmのあいだに発生しやすく、この部分がJ字、
S字、円形などさまざまな形状に変形したものの数を数
えた。
【0038】 毛先変形率=(毛先が変形した本数/試料の全本数)×100 (%)
【0039】実施例1 乳化重合法で製造されたアクリロニトリル54重量%、
塩化ビニリデン44重量%、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸ソーダ2重量%からなる共重
合体をジメチルホルムアミド(以下、DMFという)に
溶解して、28重量%の紡糸原液を製造した。この紡糸
原液を、孔径0.3mmφ、孔数50ホールの紡糸ノズ
ルをとおして、60重量%DMF水溶液(温度20℃)
中にノズルドラフト係数0.9で紡出し、ついで45
℃、30重量%DMF水溶液からなる浴へ導いて2.7
倍に延伸し、さらに70℃、15重量%DMF水溶液か
らなる浴で1.5倍に延伸した。つづいて90℃で水洗
したのち、145℃で乾燥させ、引き続き1.5倍に延
伸し、水蒸気雰囲気下の湿熱120℃で10%緩和処理
を行なった。
【0040】得られた繊維は、繊度58dtex、結節
強度0.5cN/dtex、結節伸度11%、引張強度
1.5cN/dtexであった。
【0041】得られた繊維を用いて、連結ミシンで縫製
し、ウィービング用ミノ毛を作成したが、繊維が切れた
りすることはなく、きれいに仕上がった。また、このミ
ノ毛を試料にして前述の方法で毛先変形率を測定したと
ころ、4.7%と良好であった。さらに、カールの形状
およびカールの保持性やボリューム感、触感など頭飾製
品として必要な品質についても評価したが、いずれも良
好であった。
【0042】また、得られた繊維を用いて、ウィッグ用
ミシンで縫製してミノ毛をつくり、これをパイプに巻く
ことによりウィッグを製造し、評価したところ、櫛通し
を繰り返してもひどいもつれがなく、また、スタイルは
良好で、触感のゴワゴワや硬さが発生しなかった。
【0043】実施例2 水蒸気雰囲気下の湿熱120℃で14%緩和処理を行な
った以外は、実施例1と同様にして繊維を製造した。
【0044】得られた繊維は、繊度56dtex、結節
強度0.65cN/dtex、結節伸度14%、引張強
度1.4cN/dtexであった。
【0045】得られた繊維を用いて、連結ミシンで縫製
し、ウィービング用ミノ毛を作成したが、繊維が切れた
りすることはなく、きれいに仕上がった。また、このミ
ノ毛を試料にして前述の方法で毛先変形率を測定したと
ころ、4.2%と良好であった。さらに、カールの形状
およびカールの保持性やボリューム感、触感など頭飾製
品として必要な品質についても評価したが、いずれも良
好であった。
【0046】また、得られた繊維を用いて、熱セットに
よりカールを付与し、カールの付いたミノ毛をヘアキャ
ップに縫い付け、スタイルを整えることによりウィッグ
を製造し、評価したところ、櫛通しを繰り返してもひど
いもつれがなく、また、スタイルは良好で、触感のゴワ
ゴワや硬さが発生しなかった。
【0047】実施例3 水蒸気雰囲気下の湿熱120℃で5%緩和処理を行なっ
た以外は、実施例1と同様にして繊維を製造した。
【0048】得られた繊維は、繊度54dtex、結節
強度0.29cN/dtex、結節伸度8%、引張強度
1.7cN/dtexであった。
【0049】得られた繊維を用いて、連結ミシンで縫製
し、ウィービング用ミノ毛を作成したが、繊維が切れた
りすることはなく、きれいに仕上がった。また、このミ
ノ毛を試料にして前述の方法で毛先変形率を測定したと
ころ、6.2%と良好であった。さらに、カールの形状
およびカールの保持性やボリューム感、触感など頭飾製
品として必要な品質についても評価したが、いずれも良
好であった。
【0050】また、得られた繊維を用いて、熱セットに
よりカールを付与し、カールの付いたミノ毛をヘアキャ
ップに縫い付け、スタイルを整えることによりウィッグ
を製造し、評価したところ、櫛通しを繰り返してもひど
いもつれがなく、また、スタイルは良好で、触感のゴワ
ゴワや硬さが発生しなかった。
【0051】比較例1 乳化重合法で得られたアクリロニトリル49重量%、塩
化ビニル50重量%およびスチレンスルホン酸ソーダ1
重量%からなる共重合体をアセトンに溶解して、29重
量%紡糸原液を作成した。
【0052】得られた紡糸原液を、亜鈴型の紡糸ノズル
を用い、ノズルドラフトが1.6となる条件で20℃の
20%アセトン水溶液中に紡出し、得られた繊維を、6
0℃水洗浴で脱溶剤および1.5倍延伸し、ついで13
0℃で乾熱処理後、120℃で2.5倍の乾熱延伸を行
ない、さらに150℃の乾熱で9%の弛緩熱処理を行な
った。
【0053】得られた繊維は、単糸繊度57dtex、
結節強度1.3cN/dtex、結節伸度44%、引張
強度1.5cN/dtexであった。この繊維の毛先変
形率は28.6%であり、櫛がほとんどとおらず、かつ
触感がゴワゴワしていた。
【0054】比較例2 熱延伸後の緩和処理をしなかった以外は実施例1と同様
にして繊維を製造した。
【0055】得られた繊維は、繊度61dtex、結節
強度0.23cN/dtex、結節伸度5%、引張強度
1.9cN/dtexであった。
【0056】得られた繊維を用いて、連結ミシンで縫製
し、ウィービング用ミノ毛を作成したが、繊維が切れや
すく、きれいに仕上がらなかった。
【0057】なお、ミノ毛がきれいに仕上がらなかった
ので、毛先変形率を精度よく求めることはできなかっ
た。
【0058】
【発明の効果】本発明のアクリル系人工毛髪繊維を使用
することにより、頭飾製品として使用する際に発生する
毛髪のもつれや変形を少なくすることができ、経時的に
櫛通りがわるくなって触感がゴワゴワとし、さらにスタ
イルがくずれるといった問題が発生しにくく、より長く
使用できる頭飾製品を得ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリル35〜75重量%、塩
    化ビニルおよび(または)塩化ビニリデン25〜65重
    量%およびこれらと共重合可能なビニル系モノマー0〜
    10重量%からなる共重合体を用いた、繊度が30〜8
    5dtexのアクリル系人工毛髪繊維であり、該繊維の
    結節強度が0.25〜0.70cN/dtex、結節伸
    度が5〜15%、引張強度が0.9〜1.8cN/dt
    exであり、かつ、毛先変形率が10%以下であるアク
    リル系人工毛髪繊維。
  2. 【請求項2】 前記人工毛髪繊維が、前記共重合体を良
    溶媒に溶解した紡糸原液を用いて湿式紡糸法により得ら
    れたものである請求項1記載のアクリル系人工毛髪繊
    維。
  3. 【請求項3】 前記良溶媒が、ジメチルホルムアミド、
    ジメチルスルホキシドおよびジメチルアセトアミドより
    なる群から選択された少なくとも1種であり、延伸、熱
    処理後の緩和率を3〜15%として製造することにより
    得られた請求項2記載のアクリル系人工毛髪繊維。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載のアクリル系
    人工毛髪繊維を加工してなる頭飾製品。
  5. 【請求項5】 前記頭飾製品が、ウィッグまたはヘアア
    クセサリーである請求項4記載の頭飾製品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102732986A (zh) * 2012-06-21 2012-10-17 精源(南通)化纤制品有限公司 一种耐高温含氯高聚物人工毛发及其制备方法
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