JP2008075210A - 光沢に優れた人工毛髪用繊維及び頭髪装飾用繊維束並びに製造方法 - Google Patents
光沢に優れた人工毛髪用繊維及び頭髪装飾用繊維束並びに製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008075210A JP2008075210A JP2006256140A JP2006256140A JP2008075210A JP 2008075210 A JP2008075210 A JP 2008075210A JP 2006256140 A JP2006256140 A JP 2006256140A JP 2006256140 A JP2006256140 A JP 2006256140A JP 2008075210 A JP2008075210 A JP 2008075210A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- hair
- artificial hair
- artificial
- decoration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Artificial Filaments (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Abstract
【課題】ブレード等の頭髪装飾商品に好適な光沢を有し、かつ編み易く加工性のよい人工毛髪用繊維及びそれを用いた頭髪装飾用繊維束並びにその製造方法を提供する。
【解決手段】アクリロニトリルを30重量%以上含有するアクリル系重合体からなり、繊維横断面が、繊維軸方向に連続する略三角形状の中空部を有する中空三角形状で、単糸繊度が25〜70dtexである人工毛髪用繊維は、頭髪装飾商品として好ましい光沢を有し、また編み易く加工性にも優れることから、人工毛髪用繊維、特に、かつら、ヘアピース、ブレード、エクステンションヘアー、ドールヘアーなどの頭髪装飾商品に使用することで、良好な光沢を有し、かつ加工性のよい頭髪装飾品が得られる。この中空三角断面繊維は、孔形状が略コ字型形状の紡糸ノズルを用いてアクリル系重合体を含む紡糸原液を湿式紡糸により紡糸することで製造できる。
【選択図】 図4
【解決手段】アクリロニトリルを30重量%以上含有するアクリル系重合体からなり、繊維横断面が、繊維軸方向に連続する略三角形状の中空部を有する中空三角形状で、単糸繊度が25〜70dtexである人工毛髪用繊維は、頭髪装飾商品として好ましい光沢を有し、また編み易く加工性にも優れることから、人工毛髪用繊維、特に、かつら、ヘアピース、ブレード、エクステンションヘアー、ドールヘアーなどの頭髪装飾商品に使用することで、良好な光沢を有し、かつ加工性のよい頭髪装飾品が得られる。この中空三角断面繊維は、孔形状が略コ字型形状の紡糸ノズルを用いてアクリル系重合体を含む紡糸原液を湿式紡糸により紡糸することで製造できる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、かつら、ヘアピース、ブレード、エクステンションヘアー、ドールヘアー等の頭髪装飾に用いられる人工毛髪用繊維及びそれを用いた頭髪装飾用繊維束並びにその製造方法に関するものである。
一般に、カツラやヘアピース等の頭髪装飾に用いられる人工毛髪用繊維としては、アクリル系合成繊維または塩化ビニル系合成繊維が多く用いられている。
従来から、嵩高性及びソフトな感触を有する人工毛髪用繊維として、断面が中央連結部から三方へ突出部を有するY字形であり、前記突出部の先端に近い部分がくびれた繊維が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、自然な光沢とソフトな触感を有する人工毛髪用繊維として、繊維断面が一つの中央連結部から放射状に突出する3個以上の突出部を有し、繊維軸方向に平行な溝状の凹凸を有する繊維が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、これらの繊維は、頭髪装飾用製品に適した嵩高さ(ボリューム)を有しているものの、人工毛髪用繊維としては光沢にさらに改善の余地があった。また、クリンプ加工や三つ編み時の加工性に優れた人工毛髪用繊維として、断面形状が扁平形状で、かつ1箇所または2箇所で90°を超える角度で屈曲または湾曲した繊維が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、このような偏平繊維の場合、人工毛髪用としては嵩高さや光沢が十分ではなかった。
また、アクリル系中空繊維としては、単糸繊度1〜3dtex程度の衣料用であるが、スリット状のノズルの開孔部によって包囲される内部非開孔部と外部非開孔部とが開孔部を横切る2個以上の非開口部によってつながる孔形状のノズルを用い、紡糸原液を一旦空気又は不活性気体中に押出し、その後、有機溶剤と水を主成分とする紡糸浴中に導くことにより凝固し、延伸することによって横断面中央部に繊維の長さ方向に連続した空洞を有する繊維を紡糸する方法が開示されている(特許文献4参照。)。しかし、この方法は、ノズル孔形状及び紡糸方法が煩雑であり、また衣料用であり、人工毛髪用繊維として適しているとはいえない。また、嵩高性及び優れた風合いを目的として、繊維横断面において、形状が開口部を有するかあるいは接触によって中空状をなすC字状、6字状のアクリル系繊維も知られている(特許文献5参照。)。更に、軽量性、保温性、吸水性などを目的として、繊維軸方向に連続した中空部を有し、単繊維表面に節目形状を有する中空アクリル系繊維も知られている(特許文献6参照。)。しかし、これらの繊維も人工毛髪用繊維に適した触感、光沢、編みやすさなどを有しているとはいえない。
前述のように、従来の人工毛髪用繊維として開発された繊維のうち、ブレードのような頭髪装飾商品に良好な風合いを付与するために必要な嵩高性を重視したY字断面形状のものは、人工毛髪用としては、その光沢に改善の余地があった。また、繊維の断面形状が比較的シンプルである偏平のものは、加工性はよくても、嵩高性が不足するためブレードのような頭髪装飾商品とした際の風合いが十分ではなく、また光沢にも改善の余地があった。更に、従来のアクリル系中空繊維は、人工毛髪用としては、風合い、嵩高さ、光沢、編み易さなどの加工性などの点で満足しうるものではなかった。そこで、本発明は、ブレードのような頭髪装飾商品に好適な光沢を有し、かつ編み易く加工のよい人工毛髪用繊維及びそれを用いた頭髪装飾用繊維束並びにその製造方法を提供せんとするものである。
前記の課題を解決してなる本発明に係る人工毛髪用繊維は、アクリロニトリルを30重量%以上含有するアクリル系重合体からなる人工毛髪用繊維であって、繊維横断面が、繊維軸方向に連続する略三角形状の中空部を有する略三角形状、即ち中空三角形状であり、単糸繊度が25〜70dtexであることを特徴とする。
また、本発明に係る頭髪装飾用繊維束は、前記中空三角形状の人工毛髪用繊維を束ねて捲縮加工を施したものである。
前記のような本発明に係る人工毛髪用繊維及び頭髪装飾用繊維束は、頭髪装飾用として好適に使用できる。さらに具体的には、かつら、ヘアピース、ブレード、エクステンションヘアー、ドールヘアーなどの頭髪装飾用として好適に使用できる。なお、前記ブレード(braid)とは、自毛に編み込む頭髪装飾用の人工毛髪のことであり、編み方としては、三つ編みと、ツイストと呼ばれる二つ編みとの2種類があり、一般に、三つ編みはレギュラークリンプと呼ばれる比較的大きなクリンプ加工が、またツイスト用としては、より細かいマイクロクリンプと呼ばれるクリンプ加工が施される。
また、本発明に係る人工毛髪用繊維の製造方法は、形状が略コ字型形状の紡糸ノズルを用いてアクリル系重合体を含む紡糸原液を湿式紡糸により紡糸することで、前記中空三角断面形状の繊維を得ることができる。
以上にしてなる本願発明に係る人工毛髪用繊維及び頭髪装飾用繊維束は、頭髪装飾商品として好ましい光沢を有し、また編み易く加工性にも優れることから、人工毛髪用繊維、特に、かつら、ヘアピース、ブレード、エクステンションヘアー、ドールヘアーなどの頭髪装飾商品に使用することで、良好な光沢を有し、かつ加工性のよい頭髪装飾品を提供することができる。
また、本発明に係る人工毛髪用繊維の製造方法によれば、孔形状が略コ字型形状のノズルから通常の湿式紡糸により、前記中空三角形状の繊維を得ることができ、ノズル形状および紡糸方法が簡単で、本発明に係る人工毛髪用繊維を生産性良く製造できる。
本発明に係る人工毛髪用繊維は、アクリル系合成繊維からなる。詳細には、繊維を構成する重合体が、アクリロニトリルを30重量%以上含有する繊維である。前記アクリル系繊維を構成する重合体としては、アクリロニトリルの他に、これと共重合しうるビニル系単量体を共重合させたものでもよい。前記アクリロニトリルと共重合しうるビニル系単量体としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミドが挙げられる。また、前記ビニル系単量体の、モノ若しくはジアルキル置換体を用いてもよい。その他にも、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、スチレンスルホン酸、メタリルスルホン酸、メタクロイルオキシベンゼンスルホン酸、メタクロイルオキシプロピルスルホン酸が挙げられ、これらの金属塩類を用いてもよい。さらにその他では、アンモニウムやアミン塩類、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、塩化ビニル、塩化ビニリデンを共重合させたものは、風合いが良くなり、熱可塑性があり、難燃性に優れるために、毛髪用繊維としてより適したものになることから好ましい。
本発明の人工毛髪用繊維は、横断面形状が、繊維軸方向に連続する略三角形状の中空部を有する略三角形状の中空三角断面繊維である。このような中空三角断面繊維を得るための紡糸ノズルの孔形状としては、例えば図1に示すような略コ字型形状が挙げられる。このような略コ字型形状のノズル孔からアクリル系重合体を含有する紡糸原液を、後述する紡糸工程において、例えばアセトン水のような凝固浴(紡糸浴)中に紡出すると、紡出された横断面略コ字型糸状の自由端同士が互いに近接する方向に横断面形状が変形し、ついには前記自由端同士が接触して、例えば図4に示すような、繊維軸方向に連続する略三角形状の中空部を有する略三角形状の中空三角断面形状を有するアクリル系繊維が得られる。このように、本発明では、孔形状が略コ字型の紡糸ノズルから紡出することで中空繊維が得られることから、紡糸ノズルや紡糸工程が複雑となることなく、従来と同様のアクリル系繊維の製造により目的とする人工毛髪用繊維を製造できる。繊維断面形状の三角形の各辺の長さは等しくても異なっていてもよいが、均一な光沢の観点からは、正三角形となるような長さにすることが好ましい。
本発明に係る人工毛髪用繊維の単糸繊度は、25〜70dtex、より好ましくは30〜70dtexである。単糸繊度が25dtex未満であると柔らかくなりすぎて腰がなくなり、人工毛髪としての嵩高感が乏しくなる。一方、単糸繊度が70dtexを超えて太い場合は、繊維の剛性が強くなりすぎ、ブレード等の商品に加工しにくく、触感も不自然なものとなるために、適切な繊度に設定することが必要である。本発明の人工毛髪用繊維は、マルチフィラメント(繊維束)であっても、あるいはモノフィラメントであってもよいが、通常は、後述する紡糸工程において紡糸ノズルから複数本の繊維を同時に紡出して束ねたマルチフィラメント(繊維束)とする。
前記のように、本発明に係る人工毛髪用繊維を製造する方法は、従来のアクリル系合成繊維の製造法と同様に行えばよく、特に制限されるものではない。例えばアクリロニトリルを30重量%以上含有する重合体を、有機溶剤、例えばアセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等に溶解させて紡糸原液とし、これを前記した略コ字型の孔形状を有する紡糸ノズルからアセトン水などの凝固浴(紡糸浴)に紡出する湿式紡糸法により製造する。尚、前記人工毛髪用繊維には、必要に応じて、耐光性等に効果のある安定剤等を添加してもよい。また、光沢の調整のために種々の添加剤を適量加えても差し支えない。更に、着色繊維とするために、適宜顔料、染料等を使用してもよい。
また、本発明に係る頭髪装飾用繊維束は、前記人工毛髪用繊維を束ねた繊維束に捲縮加工を施してなる。ここでいう捲縮加工とは、例えば、2本の歯車状のロールにフィラメント糸を挟んで連続的に波形形状を付与するギアークリンプ方式や、蒸気等で加熱したフィラメント糸をスタフィンボックス等に連続的に押し込んで波形形状を付与する加工のことをいう。これらの加工方法により、人工毛髪用繊維の光沢を適度に調節した頭髪装飾用繊維束が得られるとともに、目的とする頭髪装飾用商品に合った波形形状を付与することができ、これによりブレード、エクステンションヘアー等を作成する際の加工性も向上する。
上記のような本発明の人工毛髪用繊維及びそれを用いた頭髪装飾用繊維束は、かつら、ヘアピース、ブレード、エクステンションヘアー、ドールヘアー等といった頭髪装飾用として好適に用いられるものであるが、前記のようにギアークリンプ等の捲縮加工を施した繊維束は、その光沢が優れ、また編み易さといった加工性にも優れており、特にブレード、エクステンションヘアー等に好適である。
実施例の記載に先立ち、評価法を以下に記す。評価は、レギュラークリンプ(7mmギアクリンプ)品について、三つ編み評価を行った。
<編み易さ>
クリンプ加工後で編み込み前の繊維束(繊維長さ70cm、毛束重さ7.0g)を、三つ編みする際に、編み易いかどうかを5段階で評価した。編み込み時に、「下編み(したあみ)」と呼ばれる糸の絡まりが少ないほど編みやすく、かつ、編み込み時に指を痛めないソフトなものが編み易いものの特徴であるので、これらの特徴を総合的に判断して、最も編み易いものを5、最も編み難いと思われるものを1とした。
クリンプ加工後で編み込み前の繊維束(繊維長さ70cm、毛束重さ7.0g)を、三つ編みする際に、編み易いかどうかを5段階で評価した。編み込み時に、「下編み(したあみ)」と呼ばれる糸の絡まりが少ないほど編みやすく、かつ、編み込み時に指を痛めないソフトなものが編み易いものの特徴であるので、これらの特徴を総合的に判断して、最も編み易いものを5、最も編み難いと思われるものを1とした。
<光沢>
クリンプ加工した繊維束で編み込み前のものに、自然光を当て、繊維束からの反射光によるキラキラ感を5段階で評価した。最も光沢のあるものを5、最も光沢のないものを1とした。
クリンプ加工した繊維束で編み込み前のものに、自然光を当て、繊維束からの反射光によるキラキラ感を5段階で評価した。最も光沢のあるものを5、最も光沢のないものを1とした。
(実施例1)
アクリルニトリル49重量%、塩化ビニル50重量%、スチレンスルホン酸ソーダ1重量%からなる共重合体樹脂原料をアセトンに溶解して28.5重量%の紡糸原液を調製した。前記紡糸原液を、図1に示すような略コ字型の孔形状を有する紡糸ノズル(孔数=50)を用いて、29重量%のアセトン水溶液中に湿式紡糸した。得られた繊維は60℃〜75℃の温水浴中で、2.0倍延伸し、次いで120℃で乾燥後、2.7倍の熱延伸を行い、更に160℃で緩和熱処理(0.92倍)を施した。この繊維の単糸繊度は36dtexであった。又、この繊維の横断面形状を走査電子顕微鏡を用いて観察したところ、図4に示すとおり、繊維軸方向に連続する略三角形状の中空部を有する略三角形状、すなわち中空三角断面であることがわかった。このように作成したアクリル系人工毛髪用繊維に、7mmのギヤクリンプ加工を施し、クリンプ加工後の繊維束(繊維長さ70cm、毛束重さ7.0g分)を用いてブレードを作成した。
アクリルニトリル49重量%、塩化ビニル50重量%、スチレンスルホン酸ソーダ1重量%からなる共重合体樹脂原料をアセトンに溶解して28.5重量%の紡糸原液を調製した。前記紡糸原液を、図1に示すような略コ字型の孔形状を有する紡糸ノズル(孔数=50)を用いて、29重量%のアセトン水溶液中に湿式紡糸した。得られた繊維は60℃〜75℃の温水浴中で、2.0倍延伸し、次いで120℃で乾燥後、2.7倍の熱延伸を行い、更に160℃で緩和熱処理(0.92倍)を施した。この繊維の単糸繊度は36dtexであった。又、この繊維の横断面形状を走査電子顕微鏡を用いて観察したところ、図4に示すとおり、繊維軸方向に連続する略三角形状の中空部を有する略三角形状、すなわち中空三角断面であることがわかった。このように作成したアクリル系人工毛髪用繊維に、7mmのギヤクリンプ加工を施し、クリンプ加工後の繊維束(繊維長さ70cm、毛束重さ7.0g分)を用いてブレードを作成した。
(実施例2)
ノズルはそのままで、浴延伸、熱延伸、緩和処理の条件を、表1に示すとおりに変えた以外は上記と同様にして、単糸繊度が51dtexで、中空三角横断面形状を有する人工毛髪用繊維を得た。
ノズルはそのままで、浴延伸、熱延伸、緩和処理の条件を、表1に示すとおりに変えた以外は上記と同様にして、単糸繊度が51dtexで、中空三角横断面形状を有する人工毛髪用繊維を得た。
(実施例3)
ノズルはそのままで、浴延伸、熱処理、緩和処理の条件を、表1に示すとおりに変えた以外は上記と同様にして、単糸繊度が66dtexで、中空三角横断面形状を有する人工毛髪用繊維を得た。
ノズルはそのままで、浴延伸、熱処理、緩和処理の条件を、表1に示すとおりに変えた以外は上記と同様にして、単糸繊度が66dtexで、中空三角横断面形状を有する人工毛髪用繊維を得た。
(比較例1)
孔形状が図2に示す亜鈴型(H型)の紡糸ノズル(孔数=50)を用い、浴延伸、熱延伸、緩和処理の条件を、表1に示すとおりに変えた以外は実施例1と同様にして、単糸繊度が46dtexのアクリル系人工毛髪用繊維を紡糸した。この繊維の断面形状を走査電子顕微鏡を用いて観察したところ、図5に示すように、円形に近い亜鈴型をした繊維であることがわかった。このように作成した繊維に7mmのギヤクリンプ加工を施し、クリンプ加工後の繊維束(繊維長さ70cm、毛束重さ7.0g分)を用いてブレードを作成した。
孔形状が図2に示す亜鈴型(H型)の紡糸ノズル(孔数=50)を用い、浴延伸、熱延伸、緩和処理の条件を、表1に示すとおりに変えた以外は実施例1と同様にして、単糸繊度が46dtexのアクリル系人工毛髪用繊維を紡糸した。この繊維の断面形状を走査電子顕微鏡を用いて観察したところ、図5に示すように、円形に近い亜鈴型をした繊維であることがわかった。このように作成した繊維に7mmのギヤクリンプ加工を施し、クリンプ加工後の繊維束(繊維長さ70cm、毛束重さ7.0g分)を用いてブレードを作成した。
(比較例2)
孔形状が図3に示すY字型の紡糸ノズル(孔数=50)を用い、浴延伸、熱延伸、緩和処理の条件を、表1に示すとおりに変えた以外は実施例1と同様にして、単糸繊度が51dtexのアクリル系人工毛髪用繊維を紡糸した。このように作成した繊維に7mmのギヤクリンプ加工を施し、クリンプ加工後の繊維束(繊維長さ70cm、毛束重さ7.0g分)を用いてブレードを作成した。
孔形状が図3に示すY字型の紡糸ノズル(孔数=50)を用い、浴延伸、熱延伸、緩和処理の条件を、表1に示すとおりに変えた以外は実施例1と同様にして、単糸繊度が51dtexのアクリル系人工毛髪用繊維を紡糸した。このように作成した繊維に7mmのギヤクリンプ加工を施し、クリンプ加工後の繊維束(繊維長さ70cm、毛束重さ7.0g分)を用いてブレードを作成した。
上記の方法によって得られた実施例1〜3および比較例1、2で作成した繊維およびブレードを用いて、光沢及び編み易さを評価した。結果を表2に示す。
表2からわかるように、本発明に係る実施例1〜3の人工毛髪用繊維は、人工毛髪用として好適な光沢を有し、かつ編み易く加工性にも優れた人工毛髪用繊維であった。
Claims (6)
- アクリルニトリルを30重量%以上含有するアクリル系重合体からなる人工毛髪用繊維であって、繊維横断面が、繊維軸方向に連続する略三角形状の中空部を有する略三角形状であり、単糸繊度が25〜70dtexであることを特徴とする人工毛髪用繊維。
- 頭髪装飾用である請求項1に記載の人工毛髪用繊維。
- かつら、ヘアピース、ブレード、エクステンションヘアーおよびドールヘアーよりなる群から選ばれる少なくとも1つの頭髪装飾用である請求項2記載の人工毛髪用繊維。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の人工毛髪用繊維を束ねて捲縮加工を施してなる頭髪装飾用繊維束。
- かつら、ヘアピース、ブレード、エクステンションヘアーおよびドールヘアーよりなる群から選ばれる少なくとも1つの頭髪装飾用である請求項4記載の頭髪装飾用繊維束。
- 孔形状が略コ字型形状の紡糸ノズルを用いてアクリル系重合体を含む紡糸原液を湿式紡糸により紡糸することを特徴とする請求項1記載の人工毛髪用繊維を製造する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006256140A JP2008075210A (ja) | 2006-09-21 | 2006-09-21 | 光沢に優れた人工毛髪用繊維及び頭髪装飾用繊維束並びに製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006256140A JP2008075210A (ja) | 2006-09-21 | 2006-09-21 | 光沢に優れた人工毛髪用繊維及び頭髪装飾用繊維束並びに製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008075210A true JP2008075210A (ja) | 2008-04-03 |
Family
ID=39347558
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006256140A Pending JP2008075210A (ja) | 2006-09-21 | 2006-09-21 | 光沢に優れた人工毛髪用繊維及び頭髪装飾用繊維束並びに製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008075210A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010073086A1 (en) | 2008-12-23 | 2010-07-01 | Protein Hair Coating Factory Sia | Method for manufacturing artificial hair and artificial hair made therewith |
CN105200664A (zh) * | 2015-09-25 | 2015-12-30 | 佛山市南海必得福无纺布有限公司 | 一种粘纺中空双组分无纺布 |
WO2016158773A1 (ja) * | 2015-03-30 | 2016-10-06 | 株式会社カネカ | 人工毛髪用アクリル系繊維、その製造方法及びそれを含む頭飾製品 |
WO2016208676A1 (ja) * | 2015-06-26 | 2016-12-29 | 株式会社カネカ | 人工毛髪用アクリル系繊維、その製造方法及びそれを含む頭飾製品 |
WO2017002771A1 (ja) * | 2015-06-29 | 2017-01-05 | 株式会社カネカ | 人工毛髪用アクリル系繊維、その製造方法及びそれを含む頭飾製品 |
CN110965188A (zh) * | 2019-12-31 | 2020-04-07 | 江苏恒力化纤股份有限公司 | 一种仿丝绸面料的制备方法 |
-
2006
- 2006-09-21 JP JP2006256140A patent/JP2008075210A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010073086A1 (en) | 2008-12-23 | 2010-07-01 | Protein Hair Coating Factory Sia | Method for manufacturing artificial hair and artificial hair made therewith |
WO2016158773A1 (ja) * | 2015-03-30 | 2016-10-06 | 株式会社カネカ | 人工毛髪用アクリル系繊維、その製造方法及びそれを含む頭飾製品 |
US10477908B2 (en) | 2015-03-30 | 2019-11-19 | Kaneka Corporation | Acrylic fiber for artificial hair, method for producing same, and head decoration product comprising same |
WO2016208676A1 (ja) * | 2015-06-26 | 2016-12-29 | 株式会社カネカ | 人工毛髪用アクリル系繊維、その製造方法及びそれを含む頭飾製品 |
US10433605B2 (en) | 2015-06-26 | 2019-10-08 | Kaneka Corporation | Acrylic fiber for artificial hair, manufacturing method therefor and head accessory containing same |
WO2017002771A1 (ja) * | 2015-06-29 | 2017-01-05 | 株式会社カネカ | 人工毛髪用アクリル系繊維、その製造方法及びそれを含む頭飾製品 |
CN107734988A (zh) * | 2015-06-29 | 2018-02-23 | 株式会社钟化 | 人工毛发用丙烯酸系纤维、其制造方法及包含其的头饰制品 |
CN107734988B (zh) * | 2015-06-29 | 2019-07-09 | 株式会社钟化 | 人工毛发用丙烯酸系纤维、其制造方法及包含其的头饰制品 |
CN105200664A (zh) * | 2015-09-25 | 2015-12-30 | 佛山市南海必得福无纺布有限公司 | 一种粘纺中空双组分无纺布 |
CN110965188A (zh) * | 2019-12-31 | 2020-04-07 | 江苏恒力化纤股份有限公司 | 一种仿丝绸面料的制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5176960B2 (ja) | 加工性の改良された人工毛髪用繊維及びそれを用いた頭髪装飾品 | |
JP5552114B2 (ja) | 人工毛髪用繊維と、その用途及び製造方法 | |
JP2008075210A (ja) | 光沢に優れた人工毛髪用繊維及び頭髪装飾用繊維束並びに製造方法 | |
JP5105871B2 (ja) | 人工毛髪用収縮性繊維 | |
KR100403981B1 (ko) | 볼륨성이우수한인공모발용섬유 | |
CA1333739C (en) | Polyvinyl chloride fibers for artificial hair and production of the same | |
JP5122133B2 (ja) | 人工頭髪繊維束及びそれからなる頭飾製品 | |
JP3365141B2 (ja) | 人工毛髪用異形断面繊維 | |
US20060093781A1 (en) | Pile fabric | |
JP4420819B2 (ja) | スタイラビリティが改善されたアクリル系合成繊維 | |
JPH08296115A (ja) | 人工毛髪用繊維及びそれを用いた頭飾用繊維束 | |
JPH09132813A (ja) | 風合の改良された人工毛髪用繊維及び繊維束 | |
KR20190000291A (ko) | 3차원 권축을 가지는 편평 아크릴로나이트릴계 섬유 및 이 섬유를 사용한 파일 포백 | |
JP2007002343A (ja) | 段差に優れたパイル布帛 | |
JP2002227028A (ja) | アクリル系人工毛髪繊維およびそれからなる頭飾製品 | |
JP5810486B2 (ja) | パイル布帛 | |
JP2002227018A (ja) | 人工毛髪 | |
WO2024195346A1 (ja) | 人工毛髪用ポリアクリロニトリル系繊維束、それを含む頭飾製品、及びその製造方法 | |
JP2007291575A (ja) | アクリル系収縮性繊維およびそれを用いたパイル布帛 | |
JP6004155B2 (ja) | パイル布帛 | |
JP2000096371A (ja) | アクリル系嵩高性紡績糸およびその製造法 | |
JP2006307387A (ja) | 人工毛髪用収縮性繊維を含有する頭飾製品用繊維束ならびに頭飾製品 | |
JPH07216636A (ja) | 異繊度混合分割性アクリル繊維 | |
JP2001254241A (ja) | パイル布帛用マルチフィラメント並びにそれからなるパイル布帛及びその製造方法 | |
JPWO2023047882A5 (ja) |