JPH09505265A - 酸化物超伝導体の改善された処理 - Google Patents
酸化物超伝導体の改善された処理Info
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Abstract
(57)【要約】
BSCCO−2223酸化物超伝導体物品の製造方法には、BSCCO−2223酸化物超伝導体からなる酸化物超伝導体物品を、約500℃≦T≦787℃の範囲の温度から選択された温度で、式Po2(下方)≧3.5×1010exp(−32,000/T+273)で定義された下限と式Po2(上方)≦1.1×1012exp(−32,000/T+273)で定義された上限とによって規定された範囲内から選択された酸素分圧、アニールすることが含まれる。該物品は、アニール前の該物品の臨界電流密度に比べて10%以上臨界電流密度を増大させるのに十分な時間にわたってアニールする。式Bi2-yPbySr2Ca2Cu3O10+x(但し、0≦x≦1.5、0≦y≦0.6)で表される酸化物超伝導体物品が得られる。該酸化物超伝導体は、4点プローブ法で測定したときに111.0Kを超える臨界転移温度を有することを特徴とする。
Description
【発明の詳細な説明】
酸化物超伝導体の改善された処理
本発明は、本発明と同じ「酸化物超伝導体の改善された処理(Improve
d Processing for Oxide Superconducto
rs)」という名称の同時継続米国出願No.08/041,822(1993
年4月1日出願)の一部継続出願である。
発明の分野
本発明は、高性能の酸化物超伝導及び酸化物超伝導体コンポジットに関する。
更に、本発明は、処理中に酸化物超伝導体に導入されている欠陥を治癒して、超
伝導特性を改善する方法に関する。同様に、本発明は、高性能のビスマス−スト
ロンチウム−カルシウム−銅酸化物超伝導体及び高性能のビスマス−ストロンチ
ウム−カルシウム−銅酸化物超伝導体コンポジットの処理、並びに、これらの酸
化物超伝導体の臨界転移温度(Tc)及び臨界電流密度(Jc)の改善方法に関
する。
発明の背景
希土類−バリウム−銅−酸化物系(YBCO)、ビスマス(鉛)−ストロンチ
ウム−カルシウム−銅−酸化物系((Bi,Pb)SCCO)及びタリウムーバ
リウム−カルシウム−銅−酸化物系(TBCCO)は、板状で且つ異方性の高い
超伝導酸化物粒子を形成する。板状の形態を有するために、酸化物粒子は機械的
歪みによって配向させることができる。機械的変形を利用して、伸びの方向すな
わち平面に垂直に酸化物超伝導体のc軸を粒子整列させてきた。酸化物超伝導体
の整列の程度が、これらの材料から製造した物品中に得られる高い臨界電流密度
の重要なファクターである。
既知のテクスチャード(textured)酸化物超伝導体物品を得るための
処理方法には、加熱工程と変形工程とを交互に行う反復法がある。該熱処理を利
用して、酸化物の反応誘起テクスチャーを促進して、超伝導粒子の異方的成長を
高める。各変形が、該酸化物粒子の配向を改善する。変形処理の後に又は変形処
理の中間に追加的な熱処理が必要とされる。正しい酸化物超伝導体相を形成して
、
良好な粒子相互結合性(interconnectivity)を促進し且つ適
当な酸化を成し遂げるためである。
長さの長い酸化物超伝導体を処理することは特に困難である。変形処理が微小
亀裂やその他の欠陥をもたらし、これらの欠陥がその後の熱処理中に治癒されな
いからである。電流の流れる方向に垂直に亀裂が生じると、超伝導体の性能が限
定される。酸化物超伝導体の電流移送容量を最適化するには、酸化物超伝導体又
は超伝導コンポジットの処理の間に形成された微小亀裂を治癒することが必要で
ある。
固体酸化物相と共存下の液相を、酸化物超伝導体の処理に今まで利用してきた
。包晶分解として知られている、部分的溶融の一つのタイプは、酸化物超伝導体
を含有する液相が包晶温度で形成されることを利用したものである。包晶分解中
、酸化物超伝導体は、包晶温度に達するまで固体を保つ。そして、その温度で、
酸化物超伝導体は分解して液相と新しい固相になる。Bi2Sr2Cacu2O8+x
(BSCCO、但し、0≦x≦1.5)が包晶分解してアルカリ土類金属酸化物
と液相になり、YBa2Cu307-δ(YBCO−123、但し、0≦δ≦1.0
)が包晶分解してY2BaCuO5と液相になることは周知である。
酸化物超伝導体の包晶分解と液相+固相からの酸化物超伝導体の再形成は、Y
BCO−123とBSCCO−2212の溶融テクスチャード成長の基礎をなし
ている。例えば、Kaseらは、IEEE Trans.Mag.27(2),
1254(Mar.1991)で、徐冷してperitectic温度を通過す
ることによって高テクスチャードBSCCO−2212が得られることを報告し
ている。この方法には、望ましい2212相をアルカリ土類金属と液相とに全体
的に分解することが必然的に伴われる。
同様に、酸化物超伝導体自体が適切な処理条件下で液相と共存できることも認
識されている。これは、固溶体(solid solution)溶融、共晶(
eutectic)溶融、又は、非平衡液体の形成によって起こりうる。
固溶体溶融は、酸化物超伝導体が固溶体であるような相系で起こりうる。系の
温度(又はその他の幾つかの制御パラメータ)が増大(又は減少)するにつれて
、酸化物超伝導体相は固体酸化物相から液体プラス酸化物超伝導体の部分的な溶
融
物に変わる(これは液相線で起こる)。温度(又はその他の幾つかの制御パラメ
ータ)が更に増大して、酸化物超伝導体を完全に溶融する。
共晶点を含む状態図は、全体の組成を化学的量論から若干はずれるように選択
した場合には、酸化物超伝導体の部分的な溶融(共晶溶融として知られている)
をもたらす場合がある。系の温度(又はその他の幾つかの制御パラメータ)が増
大(又は減少)するにつれて、酸化物超伝導体相プラス非超伝導酸化物(固体1
+固体2)からなる混合相は液体プラス酸化物超伝導体の部分的溶融物(固体1+
液体)に変わる。
非平衡液体は、酸化物超伝導体系における部分的な溶融を促進する場合もある
。非平衡液体は、酸化物の混合物を相の不均質混合物に含まれる局部的な化学的
量論の共晶点を超える温度まで、比較的急速に加熱することにより安定化する(
established)。酸化物が望ましい酸化物超伝導体を形成するときに
は、固相と液相は、一時的にのみ、共存させることができる。
(Bi,Pb)2Sr2Ca2Cu3O10+x((Bi,Pb)SCCO−2223
、但し、0≦x≦1.5)及び(Bi)2Sr2Ca1Cu2O10+x((Bi)SC
CO−2223、但し、0≦x≦1.5)、集合的には、BSCCO−2223
の空気中870℃を超える温度での部分的な溶融が報告されている。例えば、K
obayashiらのJap.J.Appl.Phys.28,L722−L7
44(1989)、HatanoらのIbid.27(11),L2055(N
ov.1988)、LuoらのAppl.Super.1,101−107,(
1993)、AotaらのJap.J.Appl.Phys.28,L2196
−L2199(1989)及びLuoらのJ.Appl.Phys.72,23
85−2389(1992)を見られたい。BSCCO−2223の部分的な溶
融の正確なメカニズムは決定的には立証されていない。
Guoらは、Appl.Supercond.1(1/2),25(Jan.
1993)で、相の形成−分解−再形成(PFDR)方法を詳述した。その方法
では、(Bi,Pb)SCCO−2223からなるプレスされた相をその液相線
を超える温度まで加熱して2223相を分解し、次に、固相線未満の温度での熱
処理に供する。試料は、その後、再びプレスし、そして、再度アニールする。P
FDR方法における最終アニールには、標準的な単一の工程からなる熱処理であ
って溶融を起こさないものがある。
「高Tc」酸化物超伝導体Bi2-yPbySr2Ca2Cu3O10+x(但し、0≦
x≦1.5、0≦y≦0.6)(BSCCO−2223及び(Bi,Pb)SC
CO−2223、以後、これらの鉛をドープされた組成物と未ドープの組成物の
両方の組成物を指すのに、「BSCCO−2223」を用いる)は、特に望まし
い。臨界転化温度が高く(Tc〜110K)且つ臨界電流密度(Ic,Jc)が
高いからである。
酸化物超伝導体の処理における部分的な溶融を利用して、BSCCO−222
3相の歩留まりを増大したり又は酸化物超伝導体粒子のテクスチャー化及び接触
(contiguity)を改善してきた。微小亀裂のような、酸化物超伝導体
の処理の間に出現する欠陥の治癒の問題は注目されていなかった。更に、先行技
術においては、2段階方法であって酸化物超伝導体が亀裂及び欠陥の治癒のため
に両方の工程において安定であるような方法を利用する可能性は着目されていな
かった。
Wangらの(”Advances in Superconductivi
ty”,Springer−Verlag,New York,Editors
:Y.Bando及びH.Yamaguchi,pp.291−294(199
3))は、全圧を下げて790℃でアニールの後工程を実施することによるTc
の増大を報告している。Wangらは、抵抗測定による111KのTc.zer
o及び115KのDC磁化によるTcを観察した。Wangらが用いた技術(酸
化物超伝導体ペレットの10-4トルの真空封入(encapsulation)
、それに続く790℃でのアニール)では、系の酸素圧力の測定ができない。封
入されたペレットは、酸素を放出することによってカプセル(capsule)
内で平衡な酸素圧力に到達する。ペレットの体積/カプセるの体積は、最終的な
酸素圧力を測定するのに重要な役割を果たす。
117Kもの高い臨界転化温度(磁化によって測定された)が、BSCCO−
2223を含有する多相材料で報告されている。Ficherらは、(Phys
ica C160,466(1990)で、)BSCCO−2223系における
鉛とアンチモンの置換と共に、(磁化によって測定された)115KのTcを報
告している。Hongboらは、(Solid State Comm.69,
867(1989)で、)130Kもの高い再現性のないTcを報告している。
磁化の研究による高い転化温度の報告は興味のあるものではあるが、それらは
、時々、人を誤らせる。磁化により得られる転化曲線は、「ソフト」であり、高
度に主観的な推定でゼロ抵抗としてしまう。それ故、ゼロ抵抗(Tc、zero
)における抵抗を測定するためには、バルク抵抗測定によるのが望ましい。
Idemotoらは(Physica C181,171−178(1991
))は、500℃〜850℃の範囲の温度で且つ0.005〜0.20atmの
範囲の酸素圧力の条件下で、BSCCO−2223の酸素含有量と銅及びビスマ
スのバランス(valances)を調査した。試料を、一定の酸素圧力で種々
の温度条件下ミクロバランス(microbalance)によって観察した。
試料は、観察期間中は平衡に達しないため、該試料が経験した正確な処理条件を
測定することは困難である。電気的特性に基づいて報告された条件の効果の調査
に関しては報告されていない。
従来の研究では、いずれも、低い温度及び酸素圧力で、BSCCO−2223
相を後アニールして、酸化物超伝導体の電気的輸送特性、すなわち、臨界電流を
向上させることが望ましいことは指摘されていなかった。
本発明の目的は、酸化物超伝導体及び超伝導コンポジットの超伝導性能を、酸
化物超伝導体及び超伝導コンポジットの処理の間に形成された亀裂及び欠陥を治
癒することによって、改善する方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、慣用的に処理された酸化物超伝導体物品よりも亀裂と
欠陥とが有意的に低い酸化物超伝導物品を製造することを目的とする。
本発明の別の目的は、BSCCO−2223の臨界電流密度を増大させ、更に
は、その臨界転化温度をも増大させる方法を提供することを目的とする。本発明
の更に別の目的は、臨界転化温度が111.0Kを超える新規な高TcBSCC
O−2223組成物を提供することを目的とする。
本発明の特徴は、2段階熱処理であってその後に更なる変形はもたらさないも
のである。該2段階熱処理は、酸化物超伝導体相と共存する少量の液相を導入し
、
そしてその後に、液体を酸化物超伝導体相に戻すものであり、本発明の熱処理の
間又はその後に変形はもたらさないものである。本発明の更なる特徴は、酸化物
超伝導体を低い温度及び低い酸素圧力でアニールすることである。
本発明の有利性は、欠陥の殆どない酸化物超伝導体及び超伝導コンポジットで
あって優れた臨界電流密度を示すものの製造にある。本発明の更なる有利性は、
本発明の方法によらない酸化物超伝導体及び超伝導コンポジットに比べての、臨
界転化温度と臨界電流密度の著しい改善にある。
発明の概要
本発明の一つの態様では、望ましい酸化物超伝導体相を含む酸化物超伝導物品
を、変形処理した後に、2段階熱処理に供する。該2段階熱処理は、(a)該物
品を部分的に溶融させるのに十分な温度で、該物品を加熱して、液相を該望まし
い酸化物超伝導体相と共存させ;そして、(b)該液相を該望ましい酸化物中超
伝導体に実質的に転移させるのに十分な温度まで、該物品を冷却する;ことを含
み、且つ、該2段階熱処理の後に該物品に変形をもたらさないものである。 本
発明の別の実施態様では、望ましい酸化物超伝導体相を含む酸化物超伝導物品を
、変形処理した後に、2段階熱処理に供する。該2段階熱処理は、(a)液相を
該酸化物超伝導物品中に形成して、該液相を該望ましい酸化物超伝導体相と共存
させ;そして、(b)該液相を該望ましい酸化物中超伝導体に実質的に転移させ
る;ことを含み、且つ、該2段階熱処理の後に該物品に変形をもたらさないもの
である。
好適な実施態様では、液相が酸化物超伝導体内に含まれる欠陥の表面を濡らす
。該欠陥は、該液相の望ましい酸化物超伝導体物品への転移を経て、治癒される
。工程(a)の部分的な溶融工程と工程(b)の転移工程は、適切な熱力学的状
態変数、例えば、温度、Po2、Ptotal及び全体の組成を選択して実施する。原
則として、本発明の熱処理の間に変形が、工程(a)の終了の直前まで、起こり
うる。これは、液相を欠陥の表面を濡らすのに十分な時間にわたって利用可能に
する。
本明細書で使用されている「2段階熱処理第」又は「本発明の熱処理」という
表現は、酸化物超伝導体を形成するための熱処理であってその後に更なる変形は
もたらさないものを意味する。しかしながら、ここで記載した以外の目的、例え
ば、酸化物超伝導体の酸素化のための熱処理は可能である。すべての場合に、更
なる変形をもたらさないものではない。
本明細書で使用されている「部分的な溶融」という表現は、酸化物超伝導体が
部分的にのみ溶融し、望ましい酸化物超伝導体が溶融の間に含まれていることを
意味する。
本明細書で使用されている「変形」という表現は、物品の断面形状の変化をも
たらす処理を意味する。
本明細書で使用されている「酸化物超伝導体前駆体」という表現は、適切な熱
処理により酸化物超伝導体に転化することのできる材料であれば如何なる材料を
も意味する。適切な前駆体物質には、金属塩、単一の金属酸化物、混合された複
合の金属酸化物及び望ましい酸化物超伝導体の中間の酸化物超伝導体が含まれる
が、これらに限定されるわけではない。
本明細書で使用されている「望ましい酸化物超伝導体」という表現は、終局的
に作製することが望まれる酸化物超伝導体を意味する。酸化物超伝導体は、典型
的には、「望ましい」酸化物超伝導体である。高いTc及び/又はJcのような
優れた電気的特性を有するからである。望ましい酸化物超伝導体は、典型的には
、Tcが高い特別な酸化物超伝導体系、すなわち、BSCCO−2223、YB
CO−123、TBCCO−1212及びTBCCO−1223である。
本明細書で使用されている「中間の酸化物超伝導体」という表現は、望ましい
酸化物超伝導体に転化できる酸化物超伝導体を意味する。しかしながら、中間の
酸化物超伝導体が、該望ましい酸化物超伝導体への最終的な転化の前に最初にそ
の形成を保証するような望ましい処理特性を有する場合がある。「中間の酸化物
超伝導体」の形成は、特に、熱処理/変形反復処理の間が望ましい。中間の酸化
物が、該望ましい酸化物超伝導体よりテクスチャー化し易いからである。
本発明の更に別の態様では、テクスチャード酸化物超伝導体を、酸化物超伝導
体前駆体を含有する物品を、少なくとも一つの第一熱処理/変形反復処理に供す
ることによって作製する。該アニールは望ましい酸化物超伝導体を形成するのに
有効なものである。結果として得られた酸化物超伝導体相は、最初の熱処理/変
形反復処理を経て、テクスチャー化される。その後、物品を、2段階熱処理に供
する。該2段階熱処理は、(a)該物品を部分的に溶融して、液相を該望ましい
酸化物超伝導体相と共存させ;そして、(b)該液相を該望ましい酸化物中超伝
導体に実質的に転移させる;ことを含み、且つ、処理の後に該物品に変形をもた
らさないものである。
本発明の更に別の態様では、テクスチャード酸化物超伝導体を、酸化物超伝導
体前駆体を含有する物品を少なくとも一つの第1熱処理/変形反復処理に供する
ことによって作製する。該熱処理は中間の酸化物超伝導体を形成するのに有効な
ものである。中間のテクスチャード酸化物超伝導体相を形成する。その後、該物
品を、2段階熱処理に供する。該2段階熱処理は、(a)該物品を部分的に溶融
して、液相を該望ましい酸化物超伝導体相と共存させ;そして、(b)該液相を
該望ましい酸化物中超伝導体に実質的に転移させる;ことを含み、且つ、処理の
後に該物品に変形をもたらないものである。
好適な実施態様においては、中間の酸化物超伝導体は、BSCCO−2212
又は(Bi,Pb)SCCO−2212である。熱処理/変形反復処理により容
易にテクスチャー化されるからである。その後、該中間の酸化物超伝導体を、望
ましい酸化物超伝導体、典型的には、BSCCO−2223又は(Bi,Pb)
SCCO−2223に転化する。工程(a)の部分的な溶融は、0.075at
mO2下820〜835℃の範囲の温度で実施できる。工程(b)における液体
の転移は、0.075atmO2下790〜820℃の範囲の温度で実施できる
。外の好適な実施態様では、該望ましい酸化物超伝導体は、YBCO−123、
Y2Ba4Cu7O14-δ(YBCO−247)、(Tl,Pb)1Ba2Ca1Cu2
O6.0±y(TBCCOO−1212)又は(Tl,Pb)1Ba2Ca2Cu3O8 .0±y
(TBCCOO−1212)(但し、0≦δ≦1.0、y≦0.5)でも
よい。記載された化学量論は、全て、おおよそのものであり、意図的でも意図的
でないときも、組成の変更は本発明の範囲内で実施できる。
外の好適な実施態様においては、液相は0.1〜30容量%の範囲内である。
更に外の好適な実施態様においては、第1のと第2の熱処理/変形反復処理から
なる熱処理は、酸化物超伝導体物品を部分的に溶融する。
本発明の更に別の態様では、物品を、変形処理の後に、2段階熱処理に供する
。該2段階熱処理は、(a)該物品を、実質的に0.001〜1.0atmの範
囲のPo2下実質的に810〜860℃の範囲の温度で実質的に0.1〜300時
間にわたって加熱し;そして、(b)該物品を、実質的に0.001〜1.0a
tmの範囲のPo2下実質的に780〜845℃の範囲の温度まで実質的に1〜3
00時間をかけて、冷却する;ことを含み、且つ、該2段階熱処理の後に該物品
に変形をもたらさないものである。
本発明の更に別の態様では、酸化物超伝導体相を含む酸化物超伝導体物品を、
変形処理の後に、2段階熱処理に供する。該2段階熱処理は、(a)該物品を部
分的に溶融させるのに十分な酸素分圧下に暴露し、液相を該望ましい酸化物超伝
導体相と共存させ;そして、(b)該液相を該望ましい酸化物中超伝導体に転移
させるのに十分な程度まで酸素分圧を上げることを含むものである。
本発明の更に別の態様は、本発明の2段階熱処理に供された、複数の酸化物超
伝導体フィラメントをマトリックス物質内に含むマルチフィラメント酸化物超伝
導体フィラメントを提供する。
本発明の更に別の態様では、マルチフィラメント酸化物超伝導体コンポジット
は、複数の酸化物超伝導体をマトリックス物質内に含むものである。該コンポジ
ットは、50m以上の長さにわたって測定したときに、77Kで14×103A
/cm2以上のJcを示した(自己磁界)。
本発明は、本発明の2段階熱処理を欠いたことを除いては同様な別の方法で処
理された試料に対して、臨界電流密度が著しく改善された酸化物超伝導体を提供
する。
本発明の更に別の態様では、BSCCO−2223酸化物超伝導体物品を、B
SCCO−2223酸化物超伝導体を含有する酸化物超伝導体物品を準備し、そ
して、該物品を、約500℃≦T≦787℃の範囲から選択された温度、及び式
Po2(下方)≧3.5×1010exp(−32,000/T+273)で定義さ
れた下限と、式Po2(上方)≦1.1×1012exp(−32,000/T+2
73)で定義された上限とによって規定された範囲内から選択された酸素圧力下
アニールすることにより作製する。この試料は、アニール前の酸化物超伝導体物
品の臨界電流密度に比べて10%以上臨界密度を増大させるのに十分な時間にわ
たって、アニールする。
本発明の更に別の態様では、BSCCO−2223酸化物超伝導体物品を、B
SCCO−2223を含有する酸化物超伝導体物品を準備し;そして、約500
℃≦T≦760℃の範囲の温度から選択された温度、及び式Po2(下方)≧8.
5×1010exp(−32,000/T+273)で定義された下限と、式Po2
(上方)≦2.62×1011exp(−32,000/T+273)で定義され
た上限とによって規定された範囲内から選択された酸素圧力下、アニールするこ
とにより作製する。この試料は、アニール前の酸化物超伝導体物品の臨界電流密
度に比べて10%以上臨界密度を増大させるのに十分な時間にわたって、アニー
ルする。
本発明の更に別の態様では、BSCCO−2223酸化物超伝導体物品は、少
なくともBSCCO−2223を含有する物品を、変形処理の後に、熱処理に供
することにより作製する。該熱処理は、(a)該物品を、実質的に0.001〜
1.0atmの範囲のPo2下実質的に815〜860℃の範囲の温度で実質的に
1〜300時間にわたって加熱し;そして、(b)該物品を、実質的に0.01
〜1.0atmの範囲のPo2下実質的に790〜845℃の範囲の温度まで実質
的に1〜300時間をかけて、冷却する;ことを含み、且つ、処理の後に該物品
に変形をもたらさないものである。超伝導体物品は、その後、約500℃≦T≦
787℃の範囲の温度から選択された温度で、式Po2(下方)≧3.5×1010
exp(−32,000/T+273)で定義された下限と、式Po2(上方)≦
1.1×1012exp(−32,000/T+273)で定義された上限とによ
って規定された範囲内から選択された酸素圧力を有するアニール雰囲気下、アニ
ールする。
「本発明のアニール」という表現は、平衡条件下での低い圧力及び低い温度で
の熱処理であって、その間には望ましい酸化物超伝導相が更には生じないものを
意味する。しかしながら、酸化物超伝導体の内部の化学作用(すなわち、酸素化
学量論)及び存在する酸化物超伝導体の粒子成長は影響を受けうる。
好適な実施態様においては、アニール雰囲気は、実質的1atmである。酸素
圧力は、アニール雰囲気中の酸素濃度を制御することにより達成する。アニール
雰囲気は、アルゴン、窒素及びヘリウムからなる群から選択した不活性ガスを追
加的に含有してもよい。アニールは、実質的に7.5×10-2〜1×10-8at
mO2の範囲の酸素圧力下で実施する。本発明のアニールは、超伝導体物品にな
す最終的なアニールであるのが好ましい。
外の好適な実施態様では、アニールを、0.017〜0.085atmの範囲
の酸素圧力下770〜787℃の範囲の温度で実施する。アニールを、0.00
09〜0.052atmの範囲の酸素圧力下750〜770℃の範囲の温度で実
施する。請求項1、2又は3に記載の方法で実施する。すなわち、アニールを、
0.005〜0.029atmの範囲の酸素圧力下730〜750℃の範囲の温
度で実施する。アニールを、0.0001〜0.015atmの範囲の酸素圧力
下690〜730℃の範囲の温度で実施する。アニールを、0.0016〜0.
009atmの範囲の酸素圧力下740〜760℃の範囲の温度で実施する。ア
ニールを、0.0006〜0.005atmの範囲の酸素圧力下710〜740
℃の範囲の温度で実施する。アニールを、0.0003〜0.002atmの範
囲の酸素圧力下690〜71℃の範囲の温度で実施する。
更に外の好適な実施態様においては、試料を、継続的に温度を下げ且つ酸素圧
力を下げて、アニールする。これは、温度又は酸素圧力のいずれか一方又は両方
を連続的に下げることにより、または、温度又は酸素圧力のいずれか一方又は両
方を階段的に下げることによりなし遂げられる。
本発明の更に別の態様には、酸化物超伝導体物品であって、式Bi2-yPbyS
r2Ca2Cu3O10+x(但し、0≦x≦1.5、0≦y≦0.6)で表され、且
つ、10-8Ω-cm未満の抵抗率に相当するゼロ抵抗で4点ライナー・プローブ
法によりゼロ抵抗と定義されたときの臨界転化温度が111.0Kを超える温度
を示すことを特徴とするものが含まれる。
本発明の更に別の態様では、酸化物超伝導体物品であって、10-8Ω-cm未
満の抵抗率に相当するゼロ抵抗で4点ライナー・プローブ法によりゼロ抵抗と定
義されたときの臨界転化温度が111.0Kを超える温度を示し且つ 17.4
°、19.2°、20.2°、21.8°、23.2°、23.9°、26.2
°、27.8°、29°、29.7°、31.5°、32°、33.2°、33
.7°、35°、35.6°、38°、38.8°、41.6°、43.8°、
44.4°、46.8°、47.4°、48°及び49°でピークを有するX線
回折パターンを示すものが含まれる。
本発明の更に別の態様では、本発明のアニールに供された、マトリックス物質
内複数の酸化物超伝導体フィラメントを含有するマルチフィラメント酸化物超伝
導体コンポジットを提供する。
本発明の方法に従って作製した酸化物超伝導体は優れた電気的輸送特性と向上
したTcを示す。
図面の簡単な説明
図1は、本発明の2段階熱処理の処理プロフィールである。
図2のうち、図2(a)は、本発明の2段階熱処理に供されなかったプレスさ
れた酸化物超伝導体物品の光学顕微鏡写真であり、図2(b)は本発明の2段階
熱処理に供されたプレスされた酸化物超伝導体物品の光学顕微鏡写真である。
図3は、本発明の2段階熱処理を含む方法に従ってテクスチャード酸化物超伝
導体を得るのに用いられた処理プロフィールである。
図4は、BSCCO−2223の先行技術であるVan’t Hoffのダイ
ヤグラムである。
図5は、本発明の低い圧力、低い温度及びアニール条件を示すBSCCO−2
223に関する相安定限界のダイヤグラムである。
図6は、本発明の低い圧力、低い温度及びアニール条件を示すBSCCO−2
223に関する相安定限界のダイヤグラムである。
図7は、本発明の2段階熱処理、低い圧力、低い温度のアニールに供された物
品に関するアニール温度対臨界転化温度及び臨界電流密度のプロットである。
図8は、本発明の2段階熱処理、低い圧力、低い温度のアニールに供された物
品のX線回折図である。
好適な実施態様の説明
I.2段階熱処理
本発明は、変形によってもたらされた微小亀裂及びマクロ亀裂のような欠陥を
治癒することによって酸化物超伝導体物品の臨界電流密度を改善する方法である
。本発明は、酸化物超伝導体物品を、変形処理した後に、最終的な2段階処理に
供することを求めている。該2段階処理は、(a)液相を形成して、該液相を望
ましい酸化物超伝導体と共存させ;そして、(b)その後、該液相を該望ましい
酸化物超伝導体に転化させる;ことを含み、中間の変形はもたらさないものであ
る。本発明の方法を利用して、液相が該意のぞましい酸化物超伝導体相を共存で
きる限り、如何なる酸化物超伝導体又は超伝導コンポジット中の欠陥も治癒する
ことができる。理想的な条件下では該液体の該酸化物超伝導体への完全な転移が
起こること、幾つかの状況下では該液体の全てが該望ましい酸化物超伝導体に転
移するものではないことは認識されている。
該液相は、該酸化物超伝導体物品の部分的な溶融を経て形成される。該物品の
部分的な溶融の間、非超伝導物質及び中間の酸化物相は該望ましい酸化物超伝導
体相と共に含まれうる。本発明の部分的な溶融工程の間、該望ましい酸化物超伝
導体、該非超伝導体物質、酸化物超伝導前駆体、該望ましい酸化物超伝導体又は
これらの成分の混合物が溶融して該液相を形成しうる。
上述の液体が該望ましい酸化物超伝導体相を共存することを要求されるような
方法は、GuoらやKaseらが報告したような酸化物超伝導体の包晶分解を伴
い該溶融工程の間に該望ましい酸化物超伝導体が分解するような方法とは区別さ
れるものである。
図1は、本発明の最終的な熱処理の処理プロフィールである。点線10は、液
相が所定のセットの処理条件、例えば、T,Po2,Ptotal及び/又は酸化物組
成に関して形成される処理点を示している。
本明細書で開示されている酸化物超伝導体及び超伝導コンポジットにおいては
、要求される液相体及び固体酸化物相を得るための処理条件が十分に立証されて
おり、温度、酸素分圧及び全圧の間の関係は合理的に十分に理解されるものであ
る。YBCO、BSCCO及びタリウム基系の相状態図に関する更なる情報に関
して、興味のある読者は、”Phase Diagrams for High
Tc Superconductor”(John D.Whitler及び
Robert S.Roth,Ed;American Ceramic So
cie
ty,Westerville,OH)を読まれたい。
液相の存在は、示差熱分析(DTA)のような慣用的な技術を利用して、実験
的に確認することもできる。DTAにおいては、温度の関数としての発熱反応と
吸熱反応を確認し、これらが種々の熱力学的方法及び化学的反応に基づくもので
あるとすることができる。部分的な溶融、すなわち、液相形成に対応する吸熱工
程を特定することは可能である。
部分的な溶融の間に、液体がほんの少量形成されるのが望ましい。この理由は
、最終的な熱処理が施されるときに、物品が殆ど既にテスクチャー化されている
からである。この時点における完全な又は有意的な量の液体が形成されると、テ
スクチャーが損失する。液相の容量%は、典型的には、0.1〜30の範囲であ
る。
酸化物超伝導体を、最終的な熱処理の前に、点11において変形する。このと
きに、微小亀裂のような欠陥が該物品に導入されうる。適切な変形処理には、ワ
イヤ、テープ及び種々の形状の物品のスエージング、押出し、引抜き、プレス、
熱間等圧プレス、冷間等圧プレス、圧延及び鍛造がある。
本発明の方法に、変形処理が電流の流れる方向に垂直な欠陥を導入するような
酸化物超伝導体物品には特に有用である。圧延においては、変形は主に平面歪み
である。すなわち、物品の長さ方向に伸びるということは、電流の流れる方向に
垂直で電流を横断する方向に亀裂を生ずることである。図2(a)は、本発明の
2段階熱処理に供されなかったプレスされた酸化物超伝導体物品の光学顕微鏡写
真である。多くの微細な亀裂が見てわかり、明らかに電流の流れに関する浸出(
percolative)通路を中断している。それ故、圧延した試料は、本発
明の最終的な熱処理からかなり改善されるはずである。
プレスのような、その他の変形処理には、物品の厚みが減少する。この減少は
、横の広がり、例えば、幅の増大により適応したものである。この場合の亀裂は
電流の流れる方向に平行に形成される。このタイプの欠陥は本発明の最終的な熱
処理によって治癒できるが、電気的特性に対する改善は著しいものではない。
図1を再び参照すると、処理条件は物品を点12にもってくるように調整され
ている。点12は、物品が部分的に溶融し、液相が望ましい酸化物超伝導体と共
存する点である。物品を、点12で、ある時間保持する。その時間に、酸化物超
伝導体に含まれる欠陥が新しく形成された液体に濡れる。BSCCO−2223
の場合には、0.075atmのO2下820〜835℃の温度で0.1〜30
0時間が十分である。処理パラメータは、その後は、酸化物超伝導体を点13に
もってくるように調整されている。点13は、液相が消費され、望ましい酸化物
超伝導体相が該溶融物から形成される点である。BSCCO−2223の場合に
は、0.075atmのO2下820〜790℃の温度で1〜300時間が十分
である。
最終的な熱処理には、物品を、実質的に0.001〜1.0atmの範囲のPo2
下実質的に815〜860℃の範囲の温度で実質的に0.1〜300時間にわ
たって加熱することが含まれる。処理温度は、酸素圧力によって変える。追加的
に言えば、物品の化学的組成の変更も温度と圧力の選択に影響を及ぼす。特に、
銀を酸化物組成物に添加すると、部分的な溶融の温度範囲、特に、より高いPo2
(0.1〜1.0atm)で部分的な溶融の温度範囲が下がること着目している
。
結果として、2段階熱処理は、酸化物相の望ましい酸化物超伝導相への最終的
な添加を行いながら、亀裂やその他の欠陥を治癒する。BSCCO−2212か
らのBSCCO−2223の形成は、液相の存在によって動力学的に改善される
。向上する。これは、部分的には、酸化物超伝導体の成分の拡散の改善のためで
ある。プロセスの最終的な段階の間、部分的な溶融は2つの務めを果たす。第1
に、前の変形工程に形成された亀裂が、亀裂部位における酸化物超伝導体粒子の
急速な成長によって治癒される。第2に、2212から2223への転化がかな
り促進される。そして、顕微鏡でみても亀裂のない、相互結合された2223相
が形成される。
種々の処理パラメータを制御して、必要な部分的な溶融工程及び酸化物の再形
成工程を達成することができる。例えば、Po2を一定に保って、温度を上げて溶
融と液相の形成を促進したり、温度を下げて望ましい酸化物超伝導体を再び生成
したりできる。
処理条件は、方法の点12から点13まで急速に変えることも可能である(速
い傾斜速度(fast ramp rate))。それとは別に、酸化物超伝導
体を、図1の曲線14によって示された方法の点12と点13との間の(温度又
は圧力の)徐々に変化する条件下に供することもできる(遅い傾斜速度)。更に
別の実施態様においては、13で「保持」する必要はない。処理条件は、点12
で定義された処理条件から点13で定義された処理条件に徐々に傾斜させること
もできる。この方法は、図1において、曲線15によって示されている。
テクスチャード酸化物超伝導体物品の形成方法は、BSCCO−2223系の
酸化物に関して、詳述されている。しかしながら、これは、本発明の範囲を限定
するものでは決してない。本発明は、液相が酸化物超伝導体相と共存でき、変形
誘起テクスチャーに従うような酸化物超伝導体系であればどのようなものを用い
ても実施することができる。
テスクチャーは、反応条件及び/又は変形によって誘起できる。反応誘起テク
スチャーにおいては、処理条件は、動力学的に酸化物超伝導体粒子の異方性成長
を促進するように選択する。反応誘起テククチャーは、固相系において、好まし
くは、固相プラス液相系において起こりうる。液相が存在すると、動力学的な粒
子の異方性成長が、恐らくは、酸化物成分の拡散速度の増大により、向上する。
変形誘起テクスャーにおいては、歪みが超伝導体に加えられて、酸化物粒子の平
面内のすなわち伸びの方向の整列をもたらす。変形誘起テクスチャーには、粒子
の優先整列をもたらすために、アスペクト化粒子、すなわち、異方性レオロジー
(rheology)が必要とされる。
図3は、高度なテスクチャード酸化物超伝導体物品を得るのに用いられた処理
プロフィールを示す。テスクチャード酸化物超伝導体の形成の一般的な方法は、
3つの別個の工程からなる。
第1の工程では、酸化物超伝導体を、工程20又は工程21によって示されて
いる、第1熱処理/変形反復処理に一回以上供する。酸化物超伝導体前駆体は、
反応により望ましい酸化物超伝導体を生成できるものであれば如何なる物質の組
み合わせでもよい。特に、望ましい酸化物超伝導体の金属成分と任意的に銀を含
有する金属合金が好ましい。それとは別に、望ましい酸化物超伝導体の成分であ
る、単純な金属酸化物、金属酸化物の混合物、金属塩、更には中間の酸化物超伝
導体を、前駆体として用いることもできる。前駆体は、銀のような、マトリック
ス金属と任意に混合したり、且つ/又は、マトリックス物質で覆って、粉末が管
の中に入ってるような形状(powder−in−tube)にしてもよい。
熱処理/変形反復処理の熱処理20は、本発明の方法において、2つの目的を
果たす。第1は、アニールは酸化物超伝導体を形成するのに十分であり、典型的
には超伝導相と二次相との混合物を形成することである。「二次相」には、サブ
酸化物、すなわち、非超伝導酸化物種が含まれる。これは、更なる処理に供され
て、酸化物超伝導体になるものである。BSCCO−2212は、しばしば、中
間の酸化物超伝導体である。それは、機械的変形の間に容易にテスクチャー化さ
れるからである。BSCC−2223は、典型的な望ましい酸化物超伝導体相で
ある。高い臨界温度を有するからである。第2は、熱処理が反応誘起テスクチャ
ーを促進することである。
物品を変形すると、変形誘起テスクチャーが促進される。1回以上反復するこ
とができる。図3には、実施例の形式で、2つの第1熱処理/変形反復処理が示
されている。2回以上反復処理すると、超伝導体相への転化とテスクチャーの発
現の両方が変化量の増大する(incremental)工程中でおこすことが
できる
もし、望ましい酸化物超伝導体が第1熱処理/変形反復処理において形成され
たときには、プロセスの第2工程は、第2熱処理/変形反復処理を1回以上実施
して、望ましい酸化物超伝導体を形成し且つ更に酸化物超伝導体相をテスクチャ
ー化してもよい。物品を22で示される工程で加熱し、それにより、望ましい酸
化物超伝導体を形成し且つ反応誘起テスクチャーを生じさせる。二次相は、BS
CCO−2212相と反応して、望ましい酸化物超伝導体、BSCCO−222
3を形成する。物品を、23で示される次の工程で変形し、それにより、変形誘
起テスクチャーを生じさせる。2回以上反復処理すると、中間酸化物超伝導体の
一部のみが、それぞれの反復毎に、望ましい酸化物超伝導体に転化される必要が
ある。中間の及び望ましい酸化物超伝導体を形成する条件は、当該技術分野にお
いては周知である。適切な条件は、SandhageらのJOM,21(Mar
.1991)に詳述されている。
実際には、両方のアニール/変形サイクルに関する整列の変化量の(incr
emental)改善は、数回の反復の後にはかなり減少する。しかしながら、
実施できる反復の数には、理論的な制限はない。変形工程で導入された歪みは、
99%まで変化する。それぞれお変形/アニール反復処理で加えられた歪みは一
定にでき、又はそれぞ後の反復工程では変えることもできる。幾つかの実施態様
においては、それぞれの後の反復工程では歪みを減少させるのが特に望ましい。
粒子の成長を促進し且つ反応動力学(反応誘起テスクチャー)を向上させるた
めに、工程24で示された熱処理/変形反復処理の熱処理工程20又は22の間
の部分的な溶融を促進するよう処理条件を調整することも可能である。0.07
5atmO2下820〜835℃の範囲で0.1〜100時間にわたって加熱す
るのが、部分的な溶融を起こすのには典型的である。
プロセスの最終段階は、2段階熱処理からなり、工程(a)で、物品を処理し
て、望ましい酸化物超伝導体を共存する液相を形成し、工程(b)で、該物品を
該望ましい酸化物超伝導体の形成を促進する条件下で処理する。結果として、該
2段階熱処理の工程(b)は、「望ましい」ものではない酸化物超伝導体を「望
ましい」酸化物超伝導体に転化するのを促進するように設定される。この方法は
、上で詳述されている。
本発明の酸化物超伝導体物品を構成する酸化物超伝導体は、脆く、且つ、典型
的には、圧延やプレスのような機械的変形プロセスを受けいれることができない
。このため、本発明の酸化物超伝導体は、典型的には、可鍛性のマトリックス物
質を含有するコンポジットとして処理されたものである。特に、銀は、コストや
、腐食性や可鍛性の面から、マトリックス物質として好ましい。酸化物超伝導体
コンポジットは、どのような形態に処理することもできるが、ワイヤ、テープ、
リング又はコイルの形態が特に好ましい。酸化物超伝導体は、粉末を管に入れる
技術を利用して銀のシース内に入れてもよい。酸化物超伝導体は、銀マトリック
ス内に埋め込まれた複数のフィラメントの形態でもよい。超伝導テープ及び超伝
導ワイヤに関する更なる情報に関しては、Sandhageらの報告を見られた
い。
II.低い圧力、低い温度でのアニール
本発明では、BSCCO−2223酸化物超伝導体相を形成した後に、低い温
度且つ低い圧力でのアニール処理が必要とされうる。アニールは、BSCC−2
223相の安定領域内の低い温度及び低い圧力下で実施する。相の安定領域は、
BSCC−2223が熱力学的に安定な相であるような処理条件の範囲だある。
酸素圧力と温度は、両方とも、BSCC−2223の相安定範囲を決定するのに
重要な(しかし、独占排他的ではない)処理パラメータである。出願人は、驚く
べきことに、本発明に従うBSCC−2223酸化物超伝導体のアニールが電気
的特性、特に、Tc及びJcに有意的な改善をもたらすことを見いだした。本発
明に従ってアニールをすると、臨界電流の10%、20%、30%更には50%
までの改善が観察された。アニールの後には、111.0Kを超える温度でのバ
ルクゼロ抵抗が観察された。
本発明の低い温度及び低い圧力でのアニールは、特に、Bi2-yPbySr2C
a2Cu3O10+3(但し、0≦x≦1.5、0≦y≦0.6)に関するものである
。当該分野においては周知のように、記載された化学量論は全ておおよそである
。組成の意図的な又は意図的でない変更は、本発明の範囲内で実施できる。当該
分野では、酸化物超伝導体を構成する1種以上の元素を部分的に置換することも
周知である。特別な実施態様においては、鉛を0〜30%のビスマスの代わりに
用いる。Bi2Sr2Ca2Cu3O10+3酸化物超伝導体の元素のこのような部分的
な置換は、本発明の範囲で実施できるものであり、該組成物を表すのに用いた「
BSCC−2223」の表記内で表すことができるとみなされている。
本発明の低い圧力及び低い温度のアニールは、酸化物超伝導体相を形成するの
に利用する方法の如何にかかわらず、如何なるBSCC−2223物品のTc及
びJcをも改善するのに有効である。BSCC−2223相は、如何なる慣用的
な方法(実施例のみによるが、金属酸化物の固体反応、金属−有機前駆体の反応
、金属前駆体の酸化、及び、薄膜蒸着及び反応の方法を含む)からも作製するこ
とができる。追加的に言えば、物品は、酸化物超伝導体粒子の配向を誘起する(
テクスチャー化)ことのできる方法であれば如何なる慣用的な方法によってもテ
クスチャー化することができる。実施例のみによるが、物品を、ゾーン細粒化溶
融成長技術(zone−refined melt growth techn
iques)や、先述したプレスや圧延のよう機械的変形処理によって、処理す
る
ことができる。本発明の2段階熱処理は、優れた結果を達成するためには、低い
圧力及び低い温度で利用することが好ましい。
追加的な超伝導相及び非超伝導相は、それらがBSCC−2223の超伝導特
性に支障をきさない限りは、物品に含ませてもよい。実施例のみによるが、他の
超伝導相がBSCC−2212を含む場合もある。実施例のみによるが、非超伝
導相には、超伝導物品に延性と形成能を付加する貴金属が含まれてもよい。その
ような貴金属には、銀及び金がある。銀は、好適な、貴金属である。物品は、既
述のマルチフィラメント酸化物超伝導を中に入れた銀マトリックスであってもよ
い。
本発明のアニールは、酸化物超伝導体物品の製造における最終的な処理工程と
して実施するときに、一番有効である。すなわち、BSCC−2223の形成と
テクスチャー化は、本発明の低い圧力及び低い温度のアニールを利用して物品を
アニールする前に、最適化すべきである。本発明では、追加的な後熱処理は、有
用な物品(例えば、超伝導体物品の絶縁)の作製においてなされてもよいと認め
ている。それらの工程は、本発明のアニールが好ましくは最終的な処理工程であ
るような酸化物超伝導体の製造からは分けて考えるべきである。
図4は、先行技術の酸素圧力と温度の関数としてのBSCCO−2223の相
安定の状態図を示す。これは、Rubinらの報告(J.Appl.Phys.
Lett.61(16),1977(1992))から採用したものである。線
30の上の領域31(閉じた円と開いた円で示されている)は、BSCC−22
23相が安定である温度及び酸素圧力の条件を定義している。線30の下の領域
32は、BSCC−2223相が不安定である温度及び酸素圧力の条件を定義し
ている。先行技術のBSCC−2223の処理方法の大部分は、線30と線34
とが境界なしているダイヤグラムの左上方の隅方向内の小さな領域33で定義さ
れたで定義された条件で実施する。
出願人は、驚くべきことに、BSCC−2223酸化物超伝導体の臨界電流と
臨界転化温度は、図5のハッチのついた領域40で定義された条件下でBSCC
−2223相をアニールすることによって改善できることを見いだした。アニー
ル範囲は、公開された安定境界にほぼ平行でその上にある。しかしながら、上方
の境界も存在する。その上では、超伝導体特性が劣化する。この領域は、以下の
(T(C’)とPo2(atm)に関する)式を満足するものである:
(1)500℃≦T≦787℃;
(2)Po2≧3.5×1010exp(−32,000/(T+273))が下方
の境界
(3)Po2≦1.1×1012exp(−32,000/(T+273))が上方
の境界
領域40を定義する平行四辺形の頂点は、以下の座標[T(C’),Po2(a
tm)]:(787,0.09);(787,0.03);(500,1.13
×10-6);及び(500,3.7×10-8)で定義される。これらは、温度及
び圧力の条件に関するコーナーの境界を表している。アニールは、好ましくは、
領域40の上の境界に近く且つそれを超えない条件で行う。上の境界に近づくと
共に、温度は動力学的に且つ実際上できるだけ下げた方が好ましい。
図6に言及すると、BSCC−2223相は、ハッチのついた領域50で定義
された条件下でアニールするのが最も有利である。アニール範囲は、アニール条
件の上限に近接し且つそれに平行にある。この領域は、以下の(T(C’)とPo2
(atm)に関する)式を満足するものである:
(1)500℃≦T≦760℃;
(2)Po2≧3.5×1010exp(−32,000/(T+273))が下方
の境界
(3)Po2≦2.62×1012exp(−32,000/(T+273))が上
方の境界
領域50を定義する平行四辺形の頂点は、以下の座標[T(C’),Po2(a
tm)]:(760,0.0092);(760,0.03);(500,2.
8×10-7);及び(500,9.0×10-8)で定義される。これらは、領域
50の温度及び圧力の条件に関するコーナーの境界を表している。領域50の条
件は、酸化物超伝導体の臨界電流及び臨界転化温度を改善するのに特に十分に適
している。
本発明の酸素圧力は、実質的に1atmであり、全体のアニール雰囲気を維持
することによって、慎重に制御する。アニール雰囲気には、アルゴン又は窒素の
ような不活性ガスが含まれる。不活性ガスは、正確に制御された量の酸素と混合
して、望ましい酸素全圧を達成する。このガスは、アニールの間に、酸化物超伝
導体物品の上に連続的に導入する。結果として、アニール雰囲気は、本質的に一
定に保持される。試料からのガス抜きによって酸素の組成が変わっても試料の上
のアニール雰囲気の流れによって移動されるからだる
酸素超伝導体を、本発明の電気的特性の改善をもたらすために十分な時間にわ
たってアニールする。アニール時間は、超伝導体物品の大きさとアニール温度の
関数である。アニール時間は、温度が下がるにつれて増大する。結果として、実
際に付加されるアニール温度に対する限界をもたらす。660℃では、150時
間を超えるアニール時間が必要となる。超伝導体物品が十分に細いときには、ア
ニール時間は短くなり、アニールは500℃もの低い温度で実際にはなされる。
アニール時間は、典型的には、5〜300時間の範囲内である。
好適な実施態様においては、温度は、770〜787℃の範囲内である。酸素
圧力は、0.017〜0.085atmの範囲内である。温度が750〜770
℃の範囲内にあるときは、酸素圧力は0.0009〜0.052atmの範囲内
である。温度が730〜750℃の範囲内にあるときは、酸素圧力は0.005
〜0.029atmの範囲内である。温度が690〜730℃の範囲内にあると
きは、酸素圧力は0.0001〜0.015atmの範囲内である。より好適な
実施態様においては、温度は、740〜760℃の範囲内である。酸素圧力は、
0.0016〜0.009atmの範囲内である。温度が710〜740℃の範
囲内にあるときは、酸素圧力は0.0006〜0.005atmの範囲内である
。温度が690〜710℃の範囲内にあるときは、酸素圧力は0.0003〜0
.002atmの範囲内である。
アニール工程は、それぞれ、図5及び図6における領域40,50で定義され
たアニール領域内での温度及び酸素圧力で、単一のアニール工程の形態で実施す
ることができる。BSCC−2223物品の電気的特性に対する追加的な利点が
、アニール工程に温度及び/又は酸素圧力を徐々に下げることが含まれる場合に
は、観察される。ある好適な実施態様においては、アニール工程には、継続的に
低く
なる温度及び酸素圧力での、2つ以上の別個の「焼成(bake)」が含まれる
。別の実施態様においては、アニールで、超伝導体物品の温度を連続的にゆっく
りと下げながら、酸素圧力を連続的に又は階段的に下げてもよい。更に別の実施
態様においては、アニールで、温度を階段的に下げながら、酸素圧力を連続的に
下げてもよい。特に好適な実施態様においては、酸化物超伝導体を、温度及び酸
素圧力を、787℃且つ0.075atmから、730〜690℃の範囲の温度
で且つ0.003〜0.0001atmまで、階段的に又は連続的に下げること
によって処理することが含まれる。787℃で0.075atm酸素の先行アニ
ールを実施するのが好ましい。しかしながら、すべての時間で、アニールは前述
された40又は50のいずれかの領域内で実施しなければならない。
本発明のアニールの低い温度及び低い酸素圧力の条件に近づける手法は、本発
明の方法のファクターである。好適な実施態様においては、温度及び酸素圧力の
低下は、同期のものであり(synchronized)且つゆったりとしたも
のである。より高い温度及び酸素圧力で(典型的なケースである)形成された酸
化物超伝導体物品は、拡散により内部の酸素分が外部の変化に適応するまで、高
い前述の処理レベルで内部の酸素ポテンシャルを維持することになる。物品が低
い温度及び低いPo2条件に急速に暴露されたときは、BSCC−2223酸化物
超伝導体が不可逆的に分解することになる。物品の内部の高い酸素ポテンシャル
が、本発明によって定義された酸素圧力の関する上方の境界の外側にある内部反
応条件をもたらすからである。温度及び酸素圧力条件を徐々に変えることによっ
て、内部条件は、変化しつつある外部条件を取り入れることができ、本発明のア
ニール範囲に留まることができる。
本発明の低い圧力及び低い温度のアニールにおいて臨界電流性能の改善の源が
何であるかは明らかではない。酸素の化学量論が、低い酸素圧力及び温度での長
いアニールにより最適化されたものと考えられる。更に、粒子の成長が最適化さ
れ且つ結晶粒界の数が減少し、それによって、阻害されていた電流の流れが促進
されたとも考えられる。興味深い、起こりえた可能性のあることは、BSCC−
2223の固体構造への原子拡散による新しい酸化物超伝導体相の形成である。
本発明のアニールは、前述の2段階の最終的な熱処理と共に利用されたときに
特に有効であることが判明している。BSCC−2223の2段階熱処理には、
物品を、実質的に0.001〜1.0atmの範囲のPo2下、実質的に815〜
860℃の温度範囲で、0.1〜300時間にわたって加熱し、次に、実質的に
0.01〜1.0atmの範囲のPo2下、実質的に790〜845℃の温度範囲
まで、1〜300時間かけて下げることが含まれる。読者は、2段階熱処理の更
なる検討のために、前述の好適な実施態様の説明の「I.2段階熱処理」を参照
されたい。
III.好適な実施態様の実施例
以下の実施例は、本発明の2段階熱処理とアニール工程を詳述したものである
。アニールは、2段階熱処理と共に行われるが、如何なる慣用的な方法により製
造したBSCC−2223酸化物超伝導体に対しても利用できる。2段階熱処理
に供した試料から達成されたJcは、先行技術のものに対して、有意的な改善を
示す。Jcの更なる改善は、2段階熱処理方法で得た酸化物超伝導体物品を低い
圧力で且つ低い温度のアニールに供することにより、観察される。
実施例1
以下の実施例は、本発明の2段階熱処理により処理した試料と慣用的な方法で
処理した試料の臨界電流輸送特性を比較したものである。
前駆体粉末を、1.7:0.3:1.9:2.0:3.1(Bi:Pb:Ca
:Cu)の公称組成を有する適切な金属硝酸塩のフリーズドライされた前駆体の
固相反応から作製した。Bi2O3,CaCO3,SrCO3,Pb3O4及びCuO
の粉末を、等しく利用することができた。粉末を、適切な割合で完全に混合した
後に、焼成(800℃±10℃、全体で15時間)及び中間の粉砕からなる多工
程処理(典型的には、3−4工程)を、残留している炭素を除き、材料を均質化
し且つ低TcBSCC−2212酸化物超伝導体相生成するために、実施した。
粉末を、内径が0.625”(1.5875cm)で長さが5.5”(13.9
7cm)で肉厚が0.150”(0.38cm)の銀シースに充填して、ビレッ
トとした。
ビレットを押出し処理して、直径を1/4”(0.63cm)とした。ビレッ
トの直径は、複数のダイのパスにより小さくなった。そして、最終的なパスによ
り、0.070”(0.178cm)形状のダイから銀/酸化物超伝導体六角形
ワイヤを引抜いた。19のワイヤを一緒に束にして、0.070”(0.178
cm)の丸いダイから引抜いて、マルチフィラメントの丸いワイヤを形成した。
丸いワイヤを圧延して、0.009”x0.100”(0.023cmx0.2
4cm)のマルチフィラメントテープを形成した。
一定の長さのコンポジットのテープを、本発明の従う熱処理に供した。コンポ
ジットのテープを、0.075atmの酸素圧力下820℃で48時間にわたっ
て炉内で加熱した。第1の熱処理により、望ましい酸化物超伝導体相、BSCC
−2223が有意的な形成された。コンポジットのテープは、その後、圧延して
、11%だけ(0.009”〜0.008”)だけ厚みを薄くした。最後に、圧
延されたコンポジットのテープを、2段階熱処理に供した。すなわち、0.07
5atmの酸素圧力下820℃まで1℃/分の速度で昇温し、54時間保持し、
そして、0.075atmの酸素圧力下810℃まで降温し、30分間保持した
。試料は、その後、1atmのPo2下で室温まで冷却した。
同等の長さの別のコンポジットのテープを、慣用的な熱処理に供した。コンポ
ジットのテープを、炉内で、0.075atmの酸素圧力下820℃で48時間
の第1の熱処理に供した。第1の熱処理により、有意的な量の望ましい酸化物超
伝導体相、BSCC−2223が形成された。コンポジットのテープを、その後
、圧延して、11%だけ(0.009”〜0.008”)厚さを薄くした。照査
基準(control)試料を、その後、0.075atmの酸素圧力下810
℃で84時間の第1の熱処理に供した。これは、試料の溶融が起こらない単一工
程の熱処理であった。試料のミクロ構造は、光学顕微鏡で評価した。本発明の方
法に従って作製された試料は、照査基準試料に比べて、密度がより高く且つ欠陥
が遥かに少なかった。
1μV/cm,77K且つゼロの印加磁界の基準を用いた試料の臨界電流を、
測定した。単一の臨界電流を、テープの長い長さ(7−10m)にわたって端か
ら端まで測定した。コンポジットのテープの10cmの長さ毎に、多数、臨界電
流を測定した。そして、平均値を定めた。臨界電流(Ic(A))は、臨界電流
密度(Jc(A/cm2)と、Jc 1,250・Icの関係を有している。結
果は表1に示されており、本発明の方法に従って処理した試料が、臨界輸送特性
における少なくとも2つの改善のファクターを呈したことを示している。
実施例2
この実施例は、銀ビレットの銀の代わりに銀合金を用いても、コンポジットの
電気的特性に対して有害な影響をもたらすことがないことを実証する。実施例1
で詳述されたようにして、コンポジットのテープを作製した。しかしながら、低
いレベルでMg及びNiを含有する銀合金を使用して、酸化物超伝導体を包んだ
。テープは、本発明の方法に従って実施例1と同じように処理した。平均Ic(
77K,10cm)は7.68Kであった。これに対して、慣用的な方法で処理
したものは、約4.08Aであった。
実施例3
この実施例では、中間の変形処理としてプレス又は圧延した試料を比較する。
コンポジットのテープを、実施例1で詳述されたようにして作製した。統計的
に設計した実験を、最初のアニールと最終的な熱処理に関する以下の処理パラメ
ータを用いて実施した。
64以下の統計的に選択した反応条件の組み合わせを、本発明の2段階熱処理
をする場合としない場合の両方の場合に関して行った。最初の熱処理と2段階熱
処理との間の中間の変形工程は、12%の歪み減少を伴うプレス処理からなる。
同等の統計的に設計した実験を、本発明の2段階熱処理をする場合としない場
合の両方の場合の圧延した試料に対して行った。最初の熱処理と2段階熱処理と
の間の中間の変形工程は、12%の歪み減少を伴う圧延からなる。臨界電流(7
7K,0T)は、1cmを横切って測定した。結果は、表2に報告した通りであ
った。
表2の結果は、プレスした試料も圧延した試料も本発明の2段階熱処理から利
得を得たことを示している。この利得は、圧延した試料の方が大きかった。圧延
が、電流の流れる方向に垂直に垂直に微小亀裂を生成するからである。かかる亀
裂は、臨界電流を輸送するのに最も有害であり、本発明の治癒効果に対して最も
反応する。
実施例4
この実施例は、試料の臨界輸送特性に対する熱処理/変形反復処理の数の影響
を示す。
10mの長さのコンポジットのテープを、実施例1で詳述したようにして作製
した。コンポジットのテープは、炉内で、0.075atmの酸素圧力下815
℃で48時間、最初の熱処理として加熱した。その後、コンポジットのテープを
圧延して、12%だけ厚さを薄くした。上述の熱処理及び変形の反復処理を、3
つの試料に対して、それぞれ、x=2、x=3及びx=4の反復で実施した。最
後に、変形したコンポジットのテープを、本発明に従う2段階熱処理に供した。
すなわち、0.075atmの酸素圧力下824℃で54時間加熱し、そして、
0.075atmの酸素圧力下815℃で30時間加熱した。それぞれのテープ
の最終的な長さは、0.0080”(0.020cm)であった。3つの試料に
関する臨界輸送の測定結果は表3に示したものである。すべての試料は、照査基
準試料(3A)より、高い臨界電流を示した。このシリーズの試料では、臨界電
流に対するincremental増大が、n=3で最大となった。しかしなが
ら、それは、特別な実験条件に影響されている。多少なりとも反復を行うのが望
ましい。
実施例5
前駆体の粉末の化学的量論の影響を精査した。コンポジットのテープを、実施
例1で詳述したようにして作製した。但し以下の例外があった。
種々の化学的量論の粉末を用いて、コンポジットのテープを作製した。
粉末A: 1.8:0.4:2.0:2.2:3 Bi:Pb:Sr:Ca:C
u
粉末B: 1.7:0.3:1.9:2.0:3.1 Bi:Pb:Sr:Ca
:Cu
粉末A及びBから作製したコンポジットのテープを、以下の熱処理/変形サイ
クルに供した:
(1)熱処理: 815℃、0.075atmO2、48時間
(2)変形: 圧延、12%歪み
(3)熱処理: 815℃、0.075atmO2、48時間
(4)変形: 圧延、12%歪み
(5)実施例4で詳述した2段階熱処理
テープの最終的な長さは、0.008”(0.020cm)であった。臨界電
流の測定結果は、表4で報告した通りであった。
実施例6
複合材料のテープを、実施例1で詳述したようにして作製した。44cmの長
さの複合材料のテープを、0.075atmの酸素圧力下815℃で48時間の
加熱と18%の圧延変形とからなる熱処理/変形反復処理に供した。反復処理は
3回繰り返した。2段階熱処理は、(0.075atmの酸素圧力下)824℃
で96時間にわたる加熱と次の(0.075atmの酸素圧力下)815℃で3
0時間にわたる加熱とからなる。試料は、17,000A/cm2を超える材料
のJcを示した(77K,自己磁界)。
実施例7
この実施例は、本発明の低い圧力及び低い温度の焼鈍に従って作製した物品の
臨界電流が改善されたことを実証する。
BSCCO−2223酸化物超伝導体物品を、「金属前駆体」方法(MP)を
利用してつくった。Bi−Pb−Ca−Sr−Cu−Ag合金は、1.84:0
.34:1.85:2.01:3.5 Bi:Pb:Sr:Ca:Cuの化学量
論的割合の金属元素と64重量%の銀とからなるものの機械的合金化によりつく
った。前駆体の金属合金を、前述の実施例1で詳述したようにしてマルチフィラ
メントの金属前駆体−銀複合材料のテープにした。コンポジットのテープは銀マ
トリックス内に361の前駆体フィラメントを有していた。コンポジットのテー
プ
を、約400℃の酸素下150〜400時間にわたって酸化して、金属前駆体を
単純な金属酸化物と複金属酸化物(「サブ酸化物(suboxide)」にした
。その後、サブ酸化物を、760〜800℃で(0.075atmPo2、1〜2
0時間)反応させて、BSCCO−2223とBSCCO−2223を形成する
のに必要な残りの反応体と形成した。60〜90%の範囲の全歪みをもたらす圧
延による変形を利用して、上の実施例1で詳述したようにして、BSCCO−2
223相をテスクチャー化した。BSCCO−2212を、上の実施例1で詳述
したようにして、BSCCO−2223に転化した。特に、コンポジットのテー
プを、空気中830℃で40時間加熱した。次に、周囲温度で約16%の歪みま
で圧延変形し、更に、0.075atmの酸素圧力(1atmの残りはアルゴン
が占める)下830℃で40時間にわたり加熱し、更に811℃で120時間に
わたり加熱する2段階熱処理を行った。
ほかの試料は、実施例1に従って、チューブ方法(OPIT)で酸化物粉末を
利用して作製してもよい。
上述の方法(又は慣用的な方法)に従って、BSCCO−2223相を形成し
た後に、温度を787℃まで4℃/分で下げた。酸素圧力は、0.075atm
に維持し、全圧は一つの雰囲気である(残りの雰囲気はアルゴンである)。酸化
物超伝導体のコンポジットを787℃で30分間加熱する。炉雰囲気は、0.0
75atmの酸素濃度を達成するために適切な量の酸素とアルゴンとを慎重に混
合することによって望ましい組成に維持する。ガス混合物は、炉内を流れ、熱処
理の間、試料の上方を流れる。
1cmを横切って、実施例1で詳述したようにして、臨界電流を測定した。臨
界電流(Ic)は、単一の試料に関して、アニール前の4.5Aからアニール後
には5.5Aに増大した。(臨界電流は、面積(典型的には、約0.00077
cmである)で割ることによって臨界電流密度に容易に換算できる。
実施例8
実施例8は、物品に連続的に低下する温度及び酸素圧力条件下でのアニールに
供したときの電気的特性に対する追加的な利得を示す。
酸化物超伝導体を、実施例7に従って作製する。これには、787℃及び0.
075atmO2の低い温度及び低い圧力のアニールが含まれる。その後、酸化
物超伝導体コンポジットを、追加的な低い温度及び低い酸素圧力の処理に供する
。典型的な手順では、試料は、787℃から2℃/分で温度を目的とするより低
い温度まで下げる。この実施例では、724℃である。炉雰囲気を、アルゴンと
適切な量の酸素とを慎重に混合することによって、望ましい組成に保持する。ガ
ス混合物を、炉内に導入して、熱処理の間、試料の上を通過させる。がス組成は
、開始時点で酸素圧力が約0.01atmであり、目的とするより低い温度にな
ったときに0.0035atmであるように調整する。条件は、その後、45分
間保持し、その次に、10℃/分で周囲温度まで(Po2=0.003)冷却する
。
図7(a)は、アニール温度が下がるにつれて、臨界電流が増大することを示
す。改善は、実施例7で示した787℃(0.075atmO2)での第1アニ
ールの後に観察された臨界電流に対する、臨界電流密度の増大%として示される
。実施例7の試料は、慣用的な方法で処理された試料や更には実施例1−6に従
って処理された材料に比べても、改善されたことは理解されるであろう。実施例
7で示される787℃(0.075atmO2)の第1アニールの後に観察され
た臨界電流に対して、30%を超えて増大した臨界電流が観察された。試料は、
738℃以下では(△Jc=32%)、安定した電流密度の増大を示す。その後
は、幾分、増大は減る。改善されたJcが、アニール時間が長くなればより低い
温度で得られることは予想される。更には、(適正な反応時間で)温度及び酸素
圧力が更に低下すれば、臨界電流密度が更に一層改善されることが予想される。
図7(b)は、アニール温度が低下するにつれて臨界遷移温度が改善されるこ
とを示す。111.1Kもの高いTc,zeroは、745〜752℃でアニー
ルした物質で観察された。臨界遷移温度は、標準的な4点プロープ方法により測
定する。この方法には、2つの電流タップの間に2つの電圧タップを置き、次に
、試料に電流を流し、更に、変化する温度と共に電圧を記録することが含まれる
。試料は、抵抗が10-8Ω−cm未満のときに、有効なゼロ抵抗の超伝導である
とみなされる。図7(b)のデータは、ゼロ抵抗の測定を示す。
実施例8の方法に従って得られた粉末状試料のX線回折分析は、ユニークな回
折パターンを示した。特に、(図8に示した)回折パターンは、17.4°、1
9.2°、20.2°、21.8°、23.2°、23.9°、26.2°、2
7.8°、29°、29.7°、31.5°、32°、33.2°、33.7°
、35°、35.6°、38°、38.8°、41.6°、43.8°、44.
4°、46.8°、47.4°、48°及び49°の2θでピークを示した。図
8の回折パターンのピークは、BSCCO−2223及び追加的な不特定のピー
クを典型的には伴うピークを示す。BSCCO−2223に最も典型的に伴うピ
ークは、19.2°、20.2°、21.8°、23.2°、23.9°、26
.2°、29°、31.5°、32°、33.2°、33.7°、35°、35
.6°、38.8°、44.4°、47.4°、48°及び49°である。これ
らの新しいピークは、1以上の新しい酸化物超伝導体相の形成を示唆する。
実施例からわかるように、本発明の方法は、かなりいろいろなものに使えるも
のであり、種々の変形方法、酸化物超伝導体組成物、銀合金組成物及び処理条件
に首尾よく利用できる。
本発明の外の実施態様も、ここで開示された本発明の明細や実施を考慮するこ
とによって当業者には自明である。明細や実施例は例示的なものとみなされるべ
きであり、本発明の正しい範囲及び趣旨は以下の請求の範囲に示されたものであ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
H01L 39/24 ZAA 8924−4G C04B 35/00 ZAAK
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,H
U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,MG,MN
,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,
SD,SE,SK,UA,VN
(72)発明者 オットー,アレクサンダー
アメリカ合衆国マサチューセッツ州01824,
チェルムスフォード,ガリソン・ロード
92
(72)発明者 カーター,ウィリアム・エル
アメリカ合衆国マサチューセッツ州01824,
チェルムスフォード,ウエストチェスタ
ー・ロード 17
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.少なくとも一つの望ましい酸化物超伝導体相からなる酸化物超伝導物品を 、変形処理した後に、2段階熱処理に供する工程を含む、酸化物超伝導体物品の 製造方法であって、該2段階熱処理が、 (a)該物品を部分的に溶融させるのに十分な温度で、該物品を加熱して、液相 を該望ましい酸化物超伝導体相と共存させ;そして、 (b)該液相を該望ましい酸化物中超伝導体に実質的に転移させるのに十分な温 度まで、該物品を冷却する; ことを含み、且つ、該2段階熱処理の後に該物品に変形をもたらさないものであ ることを特徴とする酸化物超伝導体物品の製造方法。 2.少なくとも一つの望ましい酸化物超伝導体相からなる酸化物超伝導物品を 、変形処理した後に、2段階熱処理に供する工程を含む、酸化物超伝導体物品の 製造方法であって、該2段階熱処理が、 (a)液相を該酸化物超伝導物品中に形成して、該液相を該望ましい酸化物超伝 導体相と共存させ;そして、 (b)該液相を該望ましい酸化物中超伝導体に実質的に転移させる; ことを含み、且つ、該2段階熱処理の後に該物品に変形をもたらさないものであ るることを特徴とする酸化物超伝導体物品の製造方法。 3.テクスチャード酸化物超伝導体の製造方法であって、 酸化物超伝導体からなる物品を、少なくとも一つの第一アニール/変形反復処 理(但し、該アニールは望ましい酸化物超伝導体を形成するのに有効なものであ る)に供して、望ましいテクスチャード酸化物超伝導体相を形成し; 該物品を、 (a)該物品を部分的に溶融して、液相を該望ましい酸化物超伝導体相と共存 させ;そして、 (b)該液相を該望ましい酸化物中超伝導体に実質的に転移化させる; ことを含み、且つ、処理の後に該物品に変形をもたらさないものである2段階熱 処理に供する; 各工程を含むことを特徴とする酸化物超伝導体物品の製造方法。 4.テクスチャード酸化物超伝導体の製造方法であって、 酸化物超伝導体からなる物品を、少なくとも一つの第一アニール/変形反復処 理(但し、該第一アニールは中間の酸化物超伝導体を形成するのに有効なもので ある)に供して、中間のテクスチャード酸化物超伝導体相を形成し; 該中間の酸化物超伝導体からなる物品を、少なくとも一つの第二アニール/変 形反復処理(但し、該第二アニールは望ましい酸化物超伝導体を形成するのに有 効なものである)に供して、望ましいテクスチャード酸化物超伝導体を形成し; 該物品を、 (a)該物品を部分的に溶融して、液相を該望ましい酸化物超伝導体相と共存 させ;そして、 (b)該液相を該望ましい酸化物中超伝導体に実質的に転移させる; ことを含み、且つ、処理の後に該物品に変形をもたらないものである2段階熱処 理に供する; 各工程を含むことを特徴とする酸化物超伝導体物品の製造方法。 5.少なくともBSCCO−2223からなる酸化物超伝導体物品を、変形処 理の後に、2段階熱処理に供する工程を含むBSCCO−2223酸化物超伝導 体物品の製造方法であって、該2段階熱処理が、 (a)該物品を、実質的に0.001〜1.0atmの範囲のPo2下実質的に8 15〜860℃の範囲の温度で実質的に0.1〜300時間にわたって加熱し; そして、 (b)該物品を、実質的に0.01〜1.0atmの範囲のPo2下実質的に78 0〜845℃の範囲の温度まで実質的に1〜300時間をかけて、冷却する; ことを含み、且つ、該2段階熱処理の後に該物品に変形をもたらさないものであ ることを特徴とする酸化物超伝導体物品の製造方法。 6.少なくとも一つの望ましい酸化物超伝導体相からなる物品を、変形処理の 後に、最終的な熱処理に供する工程を含む酸化物超伝導体の製造方法であって; 該熱処理が、多段階工程を含み、全ての工程中該望ましい酸化物超伝導体が安 定で且つ該熱処理の後に該物品に変形をもたらさないものであることを特徴とす る酸化物超伝導体の製造方法。 7.請求項1、2、3又は4に記載の方法であって、 工程(a)における液相が該混合相中に含まれている欠陥の表面を濡らし、工 程(b)における該液体の該望ましい酸化物超伝導体への転移を経て、該欠陥が 治癒されることを特徴とする方法。 8.請求項1、2、3、4又は5に記載の方法であって、 該変形処理は圧延、プレス、等圧プレス、引抜き、スエージング、押出し及び 鍛造からなる群から選択されたものであることを特徴とする方法。 9.請求項1、2、3、4又は5に記載の方法であって、 該変形処理が圧延を含むことを特徴とする方法。 10.請求項1、2、3又は4に記載の方法であって、 工程(a)における部分的な溶融を、実質的に0.075atm酸素の酸素雰 囲気下実質的に820〜835℃の範囲の温度で、実施することを特徴とする方 法。 11.請求項1、2、3又は4に記載の方法であって、 工程(b)における該液相から該酸化物超伝導体への転移を、実質的に0.0 75atm酸素の酸素雰囲気下実質的に790〜820℃の範囲の温度で、実施 することを特徴とする方法。 12.請求項1、2、3又は4に記載の方法であって、 工程(a)における該液相は0.1〜30容量%の範囲にあることを特徴とす る方法。 13.請求項3又は4に記載の方法であって、 第一アニール/変形反復処理におけるアニール工程は該酸化物超伝導体物品を 部分的に溶融するものであることを特徴とする方法。 14.請求項4に記載の方法であって、 該第二アニール/変形反復処理におけるアニール工程は該酸化物超伝導体物品 を部分的に溶融するものであることを特徴とする方法。 15.請求項3に記載の方法であって、 該酸化物超伝導体はBSCCO−2212及び(Bi,Pb)SCCOからな る群から選択されたものであり、且つ、該望ましい酸化物超伝導体相はBSCC O−2223及び(Bi,Pb)SCCO−2223からなる群から選択された ものであることを特徴とする方法。 16.請求項4に記載の方法であって、 該中間の酸化物超伝導体相はBi,Pb)SCCO−2212及び(Bi,P b)SCCOから選択されたものであり、且つ、該望ましい酸化物超伝導体相は BSCCO−2223及び(Bi,Pb)SCCO−2223からなる群から選 択されたものであることを特徴とする方法。 17.請求項1、2、3、4又は5に記載の方法であって、 該2段階熱処理を2〜12回実施することを特徴とする方法。 18.酸化物超伝導体の製造方法であって、 少なくとも一つの望ましい酸化物超伝導体相からなる酸化物超伝導体物品を、 変形処理の後に、2段階熱処理に供する工程を含む、酸化物超伝導体物品の製造 方法であって、該2段階熱処理が、 (a)該物品を部分的に溶融させるのに十分な酸素分圧下に暴露して、液相を該 望ましい酸化物超伝導体相と共存させ;そして、 (b)該液相を該望ましい酸化物中超伝導体に転移させるのに十分な酸素分圧ま で上げて、該物品をその分圧で保持する; ことを含み、且つ、該2段階熱処理の後に該物品に変形をもたらさないものであ ることを特徴とする酸化物超伝導体物品の製造方法。 19.請求項1、2、3、4又は5に記載の方法であって、 該酸化物超伝導体物品は酸化物超伝導体相とマトリックス物質とを含む複合物 品であることを特徴とする方法。 20.請求項1、2、3、4又は5に記載の方法であって、 該酸化物超伝導体物品は、酸化物超伝導体からなるフィラメントがマトリック ス材料の中に含まれているマルチフィラメント・コンポジットからなることを特 徴とする方法。 21.マルチフィラメント酸化物超伝導体コンポジットであって、 酸化物超伝導体からなる複数のフィラメントを中に含むマトリックス材料を含 み、且つ、請求項1、2、5、6又は18に記載の2段階熱処理に供されたもの であることを特徴とする方法。 22.マルチフィラメント酸化物超伝導体コンポジットであって、 酸化物超伝導体からなる複数のフィラメントを中に含むマトリックス材料を含 み、且つ、40m以上の長さにわたって測定したときに自己磁界、77Kで17 ×103A/cm2の材料Jcを示すものであることを特徴とする方法。 23.BSCCO−2223酸化物超伝導体物品の製造方法であって、 BSCCO−2223からなる酸化物超伝導体物品を準備し;そして、 約500℃≦T≦787℃の範囲の温度から選択された温度で、 式Po2(下方)≧3.5×1010exp(−32,000/T+273)で定 義された下限と、 式Po2(上方)≦1.1×1012exp(−32,000/T+273)で定義 された上限とによって規定された範囲内から選択された酸素分圧下、 アニール前の酸化物超伝導体物品の臨界電流密度に比べて10%以上臨界密度 を増大させるのに十分な時間にわたって、 該超伝導体物品をアニールする; 各工程を含むことを特徴とする酸化物超伝導体物品の製造方法。 24.BSCCO−2223酸化物超伝導体物品の製造方法であって、 BSCCO−2223からなる酸化物超伝導体物品を準備し;そして、 約500℃≦T≦760℃の範囲の温度から選択された温度で、 式Po2(下方)≧8.5×1010exp(−32,000/T+273)で定 義された下限と、 式Po2(上方)≦2.62×1011exp(−32,000/T+273)で定 義された上限とによって規定された範囲内から選択された酸素分圧下、 アニール前の酸化物超伝導体物品の臨界電流密度に比べて10%以上臨界密度 を増大させるのに十分な時間にわたって、 該超伝導体物品をアニールする; 各工程を含むことを特徴とする酸化物超伝導体物品の製造方法。 25.BSCCO−2223酸化物超伝導体物品の製造方法であって、 少なくともBSCCO−2223からなる酸化物超伝導体物品を、変形処理の 後に、 (a)該物品を、実質的に0.001〜1.0atmの範囲のPo2下実質的に8 15〜860℃の範囲の温度で実質的に0.1〜300時間にわたって加熱し; そして、 (b)該物品を、実質的に0.01〜1.0atmの範囲のPo2下実質的に79 0〜845℃の範囲の温度まで実質的に1〜300時間をかけて、冷却する; ことを含み、且つ、処理の後に該物品に変形をもたらさないものである2段階熱 処理に供し;更に、 約500℃≦T≦787℃の範囲の温度から選択された温度で、 式Po2(下方)≧3.5×1010exp(−32,000/T+273)で定 義された下限と、 式Po2(上方)≦1.1×1012exp(−32,000/T+273)で定義 された上限とによって規定された範囲内から選択された酸素分圧下、 アニール前の酸化物超伝導体物品の臨界電流密度に比べて10%以上臨界電流 密度を増大させるのに十分な時間にわたって、 該超伝導体物品をアニールする; 各工程を含むことを特徴とする酸化物超伝導体物品の製造方法。 26.請求項25に記載の方法であって、 該超伝導体物品をアニールする工程には、約500℃≦T≦760℃の範囲の 温度から選択された温度で、 式Po2(下方)≧8.5×1010exp(−32,000/T+273)で定 義された下限と、 式Po2(上方)≦2.62×1011exp(−32,000/T+273)で定 義された上限とによって規定された範囲内から選択された酸素分圧下、 アニールする工程が含まれることを特徴とする方法。 27.請求項23又は25に記載の方法であって、 該熱処理工程には、アニール前の酸化物超伝導体物品の臨界電流密度に比べて 30%以上臨界電流密度を増大させるのに十分な温度及び酸素分圧の条件下でア ニールすることが含まれることを特徴とする方法。 28.請求項23、24又は25に記載の方法であって、 該アニール雰囲気は実質的に1atmであり、且つ、酸素雰囲気は該アニール 雰囲気中の酸素濃度を制御することによって得られるものであることを特徴とす る方法。 29.請求項25に記載の方法であって、 アニール雰囲気には、アルゴン、窒素、ヘリウム及びネオンからなる群から選 択された不活性ガスが追加的に含まれることを特徴とする方法。 30.請求項23、24又は25に記載の方法であって、 該アニール工程が該超伝導体物品に対して供される最終的なアニールであるこ とを特徴とする方法。 31.請求項23、24又は25に記載の方法であって、 該アニールを、実質的に7.5×10-2〜1×10-8atmO2の範囲の酸素 圧力で実施することを特徴とする方法。 32.請求項23、24又は25に記載の方法であって、 該アニールを、0.017〜0.085atmの範囲の酸素圧力下770〜7 87℃の範囲の温度で実施することを特徴とする方法。 33.請求項23、24又は25に記載の方法であって、 該アニールを、0.0009〜0.052atmの範囲の酸素圧力下750〜 770℃の範囲の温度で実施することを特徴とする方法。 34.請求項23、24又は25に記載の方法であって、 該アニールを、0.005〜0.029atmの範囲の酸素圧力下730〜7 50℃の範囲の温度で実施することを特徴とする方法。 35.請求項23、24又は25に記載の方法であって、 該アニールを、0.0001〜0.015atmの範囲の酸素圧力下690〜 730℃の範囲の温度で実施することを特徴とする方法。 36.請求項23、24又は25に記載の方法であって、 該アニールを、0.0016〜0.009atmの範囲の酸素圧力下740〜 7660℃の範囲の温度で実施することを特徴とする方法。 37.請求項23、24又は25に記載の方法であって、 該アニールを、0.0006〜0.005atmの範囲の酸素圧力下710〜 740℃の範囲の温度で実施することを特徴とする方法。 38.請求項23、24又は25に記載の方法であって、 該アニールを、0.0003〜0.002atmの範囲の酸素圧力下690〜 710℃の範囲の温度で実施することを特徴とする方法。 39.請求項23、24又は25に記載の方法であって、 該アニール工程には、継続的に低くなる温度及び酸素圧力でのアニールが含ま れることを特徴とする方法。 40.請求項39に記載の方法であって、 該アニール工程には、温度又は酸素圧力のいずれか一方又は両方を連続的に下 げることが含まれることを特徴とする方法。 41.請求項39に記載の方法であって、 該アニール工程には、温度又は酸素分圧のいずれか一方又は両方を階段的に下 げることが含まれることを特徴とする方法。 42.請求項23、24又は25のいずれかに記載の方法によって製造された酸 化物超伝導体複合材料。 43.酸化物超伝導体物品であって、 式Bi2-yPbySr2Ca2Cu3O10+x(但し、0≦x≦1.5、0≦y≦0 .6)で表され、且つ、 10-8Ω-cm未満の抵抗率に相当するゼロ抵抗で4点ライナープローブ法に よりゼロ抵抗と定義されたときの臨界転化温度が111.0Kを超える温度を示 すことを特徴とする酸化物超伝導体物品 44.請求項43に記載の酸化物超伝導体物品であって、 銀を更に含むことを特徴とする方法。 45.請求項43に記載の酸化物超伝導体物品であって、 該酸化物超伝導体は銀相内にフィラメント酸化物超伝導体相を含むことを特徴 とする酸化物超伝導体物品。 46.酸化物超伝導体物品であって、 10-8Ω-cm未満の抵抗率に相当するゼロ抵抗で4点ライナー・プローブ法 によりゼロ抵抗と定義されたときの臨界転化温度が111.0Kを超える温度を 示し、且つ、 17.4°、19.2°、20.2°、21.8°、23.2°、23.9° 、26.2°、27.8°、29°、29.7°、31.5°、32°、33. 2°、33.7°、35°、35.6°、38°、38.8°、41.6°、4 3.8°、44.4°、46.8°、47.4°、48°及び49°でピークを 有するX線回折パターンを示す ことを特徴とする酸化物超伝導体物品。 47.酸化物超伝導体物品であって、 10-8Ω-cm未満の抵抗率に相当するゼロ抵抗で4点ライナー・プローブ法 によりゼロ抵抗と定義されたときの臨界転化温度が111.0Kを超える温度を 示し、且つ、 17.4°、27.8°、29.7°、38°、41.6°及び46.8°で ピークを有するX線回折パターンを示す ことを特徴とする酸化物超伝導体物品。
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